本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の各種の概念的な構成について説明した後に、それらの具体的な構成について説明する。
〔概念的な構成〕
本発明に係る遊技機は、
遊技媒体を検出する媒体検出手段、及び、前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づく抽選における当選を契機として流入規制状態が変化する特別入賞装置を備える遊技盤と、
時間的に変動する複数個の当選種別識別値を含み前記抽選の当選種別を識別する当選種別識別値集合から前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に応じて1つの当選種別識別値を選択する当選種別識別値選択手段と、
前記当選種別識別値選択手段により選択された前記当選種別識別値に対応する報知制御データを決定する報知制御手段と、
前記報知制御手段により決定された前記報知制御データに基づいて駆動される報知手段と、
を含む遊技機であって、
前記当選種別識別値をビット変換して変換当選種別識別値を生成する当選種別識別値変換手段を更に含み、
前記報知制御手段が、所定の生成式に対応する線形帰還シフト演算に基づいて前記変換当選種別識別値に応じて前記報知制御データを生成することを特徴としている。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機A」とも称す。
ここで、「生成式」とは、線形帰還シフト演算の形態を概念的に表す多項式を意味している。「線形帰還シフト演算」とは、線形帰還シフトレジスタによって実行されるハードウェア的な演算やそれと等価なソフトウェア的な演算を意味している。Nビット用の生成式に基づいて生成される数列は、「0」〜「2のN乗−1」の少なくとも一部の値で構成される乱数列である。
「ビット変換」とは、変換前と変換後とで1:1対応を維持するように当選種別識別値を表すビット列を変化させることを意味する。ビット変換としては、例えば、当選種別識別値のビット列の循環置換やそのビット列を構成する所定の複数のビットの交換置換等による配列順序を変化させる変換及び、当選種別識別値のビット列を構成する少なくとも1つのビットの反転置換等による配列要素の値を変化させる変換やそれらの組合せが挙げられる。
遊技機Aであれば、報知制御データが報知態様識別値に基づく数値演算によって生成されるために報知制御データの個数が簡便かつ確実に増加する。これによって、特別入賞装置が作動する契機となる抽選に対する結果報知において、その抽選に当選した場合の結果報知態様、一般的には大当り図柄や小当り図柄の表示態様が多様化される。また、報知制御データが当選種別識別値そのものではなく変換当選種別識別値に基づいて、つまり、当選種別識別値集合の要素配列を乱雑(当選種別の連続性を緩和)にした変換当選種別識別値の集合の要素配列順序に対応して生成されるために、当選種別識別値集合において連続する当選種別識別値が、線形帰還シフト演算により生成される乱数列上の不連続な項に離散的に対応付けられる。これによって、同一当選種別に対応する各種の報知態様間の類似性が低減する。また、異なる当選種別に対応する報知制御データ間での類似性を向上させることもできる。
上記の遊技機Aにおいて、
前記当選種別識別値変換手段が、前記変換当選種別識別値を基本ビット列単位での前記当選種別識別値に対する1ビット以上前記基本ビット数未満の範囲内の所定のビット数のビット回転により生成する構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機B」とも称す。
ここで、「基本ビット列単位でのビット回転」とは、例えば、制御ビット数が「8」であり、基本ビット数が制御ビット数と同一(「0」に固定されたビットを含まない)であるときの当選種別識別値に対応するビット列を「hgfedcba」(但し、「a」〜「h」は「0」又は「1」)と表した場合において、「bahgfedc」や「dcbahgfe」等で表される循環変換を意味し、また、制御ビット数が「8」であり、基本ビット数が制御ビット数未満である「6」であるときの当選種別識別値に対応するビット列を「00fedcba」(但し、「a」〜「f」は「0」又は「1」)と表した場合において、「00bahgfedc」や「00dcbahgfe」で表される循環変換を意味する。なお、この場合、当選種別識別値集合の基本ビット数と変換当選種別識別値集合のビット数は変換の前後で変化しない。
遊技機Bであれば、簡素かつ高速な演算処理によって、当選種別識別値から変換当選種別識別値を生成できる。
上記の遊技機Aにおいて、
前記当選種別識別値変換手段が、前記変換当選種別識別値を制御ビット列単位での前記当選種別識別値に対する1ビット以上前記制御ビット数未満の範囲内の所定のビット数のビット回転により生成する構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機C」とも称す。
ここで、「制御ビット列単位でのビット回転」とは、例えば、制御ビット数が「8」であり、基本ビット数が制御ビット数と同一(「0」に固定されたビットを含まない)であるときの当選種別識別値に対応するビット列を「hgfedcba」(但し、「a」〜「h」は「0」又は「1」)と表した場合において、「bahgfedc」や「dcbahgfe」等で表される循環変換を意味し、また、制御ビット数が「8」であり、基本ビット数が制御ビット数未満である「6」であるときの当選種別識別値に対応するビット列を「00fedcba」(但し、「a」〜「f」は「0」又は「1」)と表した場合において、「bahg00fedc」や「dcbahg00fe」で表される循環変換を意味する。なお、遊技機Kについて説明したように、基本ビット数が制御ビット数と同一である場合には、制御ビット列単位でのビット回転と基本ビット列単位でのビット回転とは同一の変換である。なお、この場合、当選種別識別値集合の基本ビット数と変換当選種別識別値集合のビット数は変換の前後で変化する。
遊技機Cであれば、簡素かつ高速な演算処理によって、当選種別識別値から変換当選種別識別値を生成できる。
上記の遊技機A〜Cにおいて、
前記報知制御手段が、前記線形帰還シフト演算を所定の初期値から前記変換当選種別識別値に基づく規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機D」とも称す。
「変換当選種別識別値に基づく規定回数」とは、変換当選種別識別値に応じて決定される所定の回数であり、規定回数には、当選種別識別値と同一の値、変換当選種別識別値に対する所定の演算によって算出された値を含意されている。規定回数を決定するための所定の演算としては、変換当選種別識別値を「m」で表した場合において、m+a(a:定数)、k×m(k:定数)、k×m+a(a,k:定数)が挙げられる。
遊技機Dであれば、変換当選種別識別値から報知制御データを簡便に生成できる。
上記の遊技機Aにおいて、
前記規定回数が、前記要素識別値と同一の値である構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機E」とも称す。
遊技機Eであれば、変換当選種別識別値集合の要素が線形帰還シフト演算により生成される乱数列上の連続項に対応付けられることによって、離間項に間欠的に対応付けられる場合に比べて、変換当選種別識別値に対応する報知制御データを生成するために必要な時間が最短化される。これは、線形帰還シフト演算により生成される乱数列の各系列に対する部分数列上においていずれの変換当選種別識別値にも対応付けられない項であってもその項を生成する線形帰還シフト演算が次以降の報知制御データを生成するために必要であるからである。
上記の遊技機A〜Dにおいて、
前記報知制御手段が、前記変換当選種別識別値に対応付けられた複数の初期値から1つの初期値を前記所定の初期値として選択する構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機F」とも称す。
遊技機Gであれば、1つの変換当選種別識別値に対して複数の報知制御データが対応付けられることとなり、報知制御データの個数が更に増加し、報知態様が更に多様化する。この場合、変換当選種別識別値集合が線形帰還シフト演算によって生成される乱数列上の複数の箇所に対応付けられることとなる。また、初期値保持手段に保持される複数個の初期値の選択によっては、変換当選種別識別値集合を線形帰還シフト演算によって生成される乱数列上の複数の重複しない領域に対応付けることもでき、この場合には、報知制御データの個数が初期値保持手段に保持される初期値の個数倍に増加することとなる。
上記の遊技機A〜Fにおいて、
前記変換当選種別識別値集合の要素を配分して形成される複数個の部分集合を識別する系列識別値の集合を系列識別値集合とし、前記複数の部分集合の各々における要素を識別する要素識別値の集合を要素識別値集合として、
前記報知制御手段が、前記変換当選種別識別値に基づいて前記系列識別値集合から1つの系列識別値を決定し、前記変換当選種別識別値に基づいて前記要素識別値集合から1つの要素識別値を決定し、前記線形帰還シフト演算を前記系列識別値に対応する所定の初期値から前記要素識別値に基づく規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機G」とも称す。
「要素識別値に基づく規定回数」とは、要素識別値に応じて決定される所定の回数であり、規定回数には、要素識別値と同一の値、要素識別値に対する所定の演算によって算出された値を含意されている。規定回数を決定するための所定の演算としては、要素識別値を「m」で表した場合において、m+a(a:定数)、k×m(k:定数)、k×m+a(a,k:定数)が挙げられる。
遊技機Gであれば、変換当選種別識別値集合が複数の系列に分割されて同一系列に含まれる複数の変換当選種別識別値が線形帰還シフト演算により生成される乱数列の部分数列に対応付けられるために、複数の系列に分割しない場合に比べて、初期値の数は増加するが、変換当選種別識別値から報知制御データを生成するために必要な最大時間が低減される。これは、その最大時間が、各系列内における最大の要素数に応じて増加することによる。また、所定のビット数用の複数の生成式において、分割的な乱数列との対応付けを行わない場合には適用できない生成式であっても、分割展開する場合には適用できる生成式があるために、生成式の選択の自由度が増加する。更に、線形帰還シフト演算により生成される乱数列上への変換当選種別識別値集合の分割的な対応付けによって、変換当選種別識別値集合を特定の条件を満たす領域のみに簡便に対応付けることができる。これは、線形帰還シフト演算により生成される乱数列上において、特定の条件を満たすと共に当選種別識別値の個数以上にわたって連続する領域を確保するよりも、特定の条件を満たし要素識別値の個数以上にわたって連続する領域を系列識別値の個数だけ確保する方が一般的に容易であることによる。更に、変換当選種別識別値と報知制御データとの対応を表すテーブル等を参照する必要もないために、当選種別の報知態様の複雑化及び多様化に伴う制御処理のデータ容量の増加も抑制できる。
上記の遊技機Gにおいて、
前記報知制御手段が、前記系列識別値と前記要素識別値とを前記当選種別識別値のビット分割により決定する構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機H」とも称す。
ここで、「ビット分割」とは、変換当選種別識別値に対応するビット列を構成する各ビットが系列識別値又は要素識別値を構成するビットとなるように割り振られると共に、系列識別値に割り振られたビットで構成されるビット列が変換当選種別識別値に対する基本ビット列単位及び制御ビット列単位の少なくとも一方を単位とする循環配列順序を維持し、また、要素識別値に割り振られたビットで構成されるビット列が変換当選種別識別値における循環配列順序を維持していることを意味する。但し、「基本ビット列」とは、当選種別識別値集合を表す最小のビット数(以下において「基本ビット数」とも称す)のビット列を意味し、「制御ビット列」とは、各種の演算おける処理単位のビット数(以下において、「単位制御ビット数」とも称す)の正数倍であって基本ビット数以上となる最小数と同数(以下において「制御ビット数」とも称す)のビット列を意味する。「基本ビット列単位の循環配列」とは、例えば、単位制御ビット数が「8」であり、基本ビット数が単位制御ビット数と同一(「0」に固定されたビットを含まない)であるときの変換当選種別識別値に対応するビット列を「hgfedcba」(但し、「a」〜「h」は「0」又は「1」)と表した場合において、「・・・hgfedcbahgfedcba・・・」で表される配列を意味し、また、単位制御ビット数が「8」であり、基本ビット数が単位制御ビット数未満である「6」である場合において、「・・・fedcbafedcba・・・」で表される配列を意味する。また、「制御ビット列単位の循環配列」とは、例えば、単位制御ビット数が「8」であり、基本ビット数が単位制御ビット数未満である「6」であるときの変換当選種別識別値に対応するビット列を「00fedcba」と表した場合において、「・・・00fedcba00fedcba・・・」で表される配列を意味する。なお、基本ビット数が制御ビット数と同一である場合には、基本ビット列単位の循環配列と制御ビット列単位の循環配列とは同一である。系列識別値と要素識別値との組合せとしては、例えば、基本ビット数が制御ビット数と同一である場合には、基本ビット列単位の循環配列順序や制御ビット列単位の循環配列順序を維持する〔「cba」,「hgfed」〕及び〔「bahg」,「fedc」〕が挙げられ、また、基本ビット数が制御ビット数と異なる場合には、基本ビット列単位の循環配列を維持する〔「cba」,「fed」〕及び〔「baf」,「edc」〕並びに制御ビット列単位の循環配列順序を維持する〔「cba」,「00fed」〕、〔「ba00」,「fedc」〕及び〔「ba0」,「0fedc」〕が挙げられる。
遊技機Hであれば、各系列における要素数(要素識別値の個数)が均一となるために、当選種別識別値から報知制御データを生成するために必要な最大時間が系列に依存することが防止でき、また、その最大時間が同一個数の系列に分割するものの各系列の要素数が同数でない場合に比べて短縮される。また、各系列における要素数(要素識別値の個数)が均一となるために、報知制御データの生成において系列ごとに線形帰還シフト演算の最大の繰り返し回数を変更したり、要素識別値を更に変換して線形帰還シフト演算の繰り返し回数を導出したりする必要がなく、制御処理が簡素化されると共に系列ごとの最大の繰り返し回数や要素識別値の変換に用いる各種のデータ等が不要となる。また、ビット分割以外のビット分配を行う場合に比べて、当選種別識別値から系列識別値と要素識別値とを簡便に決定できる。なお、ビット分配当とは、選種別識別値に対応するビット列を構成する各ビットが系列識別値又は要素識別値を構成するビットとなるように割り振られることを意味する。
上記の遊技機Hにおいて、
前記報知制御手段が、
前記変換当選種別識別値の最下位ビットを含む下位側の所定の分割ビット数のビットに対応する値を前記要素識別値として抽出する要素識別値抽出手段と、
前記変換当選種別識別値の最上位ビットを含む上位側の(基本ビット数−分割ビット数)のビットに対応する値を前記系列識別値として抽出する系列識別値抽出手段と、
前記系列識別値集合の要素個数と同一の個数の初期値を保持する初期値保持手段と、
前記初期値保持手段から前記系列識別値抽出手段により抽出された前記系列識別値に対応する1つの初期値を前記所定の初期値として選択する初期値選択手段と、
前記初期値選択手段により選択された前記所定の初期値から前記線形帰還シフト演算を前記規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する報知制御データ生成手段と、
を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機I」とも称す。
遊技機Iであれば、遊技機Hを簡便かつ確実に実現できる。
上記の遊技機Hにおいて、
前記報知制御手段が、
前記変換当選種別識別値の最下位ビットを含む下位側の所定の分割ビット数のビットに対応する値を前記系列識別値として抽出する系列識別値抽出手段と、
前記変換当選種別識別値の最上位ビットを含む上位側の(前記基本ビット数−前記分割ビット数)のビットに対応する値を前記要素識別値として抽出する要素識別値抽出手段と、
前記系列識別値集合の要素個数と同一の個数の初期値を保持する初期値保持手段と、
前記初期値保持手段から前記系列識別値抽出手段により抽出された前記系列識別値に対応する1つの初期値を前記所定の初期値として選択する初期値選択手段と、
前記初期値選択手段により選択された前記所定の初期値から前記線形帰還シフト演算を前記規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する報知制御データ生成手段と、
を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機J」とも称す。
遊技機Jであれば、遊技機Hを簡便かつ確実に実現できる。
上記の遊技機Hにおいて、
前記報知制御手段が、
前記変換当選種別識別値の最下位ビットを含む下位側の所定の分割ビット数のビットに対応する値を前記要素識別値として抽出する要素識別値抽出手段と、
前記変換当選種別識別値の最上位ビットを含む上位側の(前記制御ビット数−前記分割ビット数)のビットに対応する値を前記系列識別値として抽出する系列識別値抽出手段と、
前記系列識別値集合の要素個数と同一の個数の初期値を保持する初期値保持手段と、
前記初期値保持手段から前記系列識別値抽出手段により抽出された前記系列識別値に対応する1つの初期値を前記所定の初期値として選択する初期値選択手段と、
前記初期値選択手段により選択された前記所定の初期値から前記線形帰還シフト演算を前記規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する報知制御データ生成手段と、
を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機K」とも称す。
遊技機Kであれば、遊技機Hを簡便かつ確実に実現できる。
上記の遊技機Hにおいて、
前記報知制御手段が、
前記変換当選種別識別値の最下位ビットを含む下位側の所定の分割ビット数のビットを前記系列識別値として抽出する系列識別値抽出手段と、
前記変換当選種別識別値の最上位ビットを含む上位側の(前記制御ビット数−前記分割ビット数)のビットに対応する値を前記要素識別値として抽出する要素識別値抽出手段と、
前記系列識別値集合の要素個数と同一の個数の初期値を保持する初期値保持手段と、
前記初期値保持手段から前記系列識別値抽出手段により抽出された前記系列識別値に対応する1つの初期値を前記所定の初期値として選択する初期値選択手段と、
前記初期値選択手段により選択された前記所定の初期値から前記線形帰還シフト演算を前記規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する報知制御データ生成手段と、
を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機L」とも称す。
遊技機Lであれば、遊技機Hを簡便かつ確実に実現できる。
上記の遊技機Hにおいて、
前記報知制御手段が、前記系列識別値に対応付けられた複数の初期値から1つの初期値を前記所定の初期値として選択する構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機M」とも称す。
遊技機Mであれば、遊技機Fと同様の効果を奏する。
上記の遊技機Mにおいて、
前記報知制御手段が、
前記変換当選種別識別値の最下位ビットを含む下位側の所定の分割ビット数のビットに対応する値を前記要素識別値として抽出する要素識別値抽出手段と、
前記変換当選種別識別値の最上位ビットを含む上位側の(前記基本ビット数−前記分割ビット数)のビットに対応する値を前記系列識別値として抽出する系列識別値抽出手段と、
前記複数の初期値としての前記系列識別値集合の要素個数の整数倍と同一の個数の初期値を保持する初期値保持手段と、
前記初期値保持手段における前記系列識別値抽出手段により抽出された前記系列識別値に対応する前記複数の初期値から1つの初期値を前記所定の初期値として選択する初期値選択手段と、
前記初期値選択手段により選択された前記所定の初期値から前記線形帰還シフト演算を前記規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する報知制御データ生成手段と、
を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機N」とも称す。
遊技機Nであれば、遊技機Mを簡便かつ確実に実現できる。
上記の遊技機Mにおいて、
前記報知制御手段が、
前記変換当選種別識別値の最下位ビットを含む下位側の所定の分割ビット数のビットに対応する値を前記系列識別値として抽出する系列識別値抽出手段と、
前記変換当選種別識別値の最上位ビットを含む上位側の(前記基本ビット数−前記分割ビット数)のビットに対応する値を前記要素識別値として抽出する要素識別値抽出手段と、
前記複数の初期値としての前記系列識別値集合の要素個数の正数倍と同一の個数の初期値を保持する初期値保持手段と、
前記初期値保持手段における前記系列識別値抽出手段により抽出された前記系列識別値に対応する前記複数の初期値から1つの初期値を前記所定の初期値として選択する初期値選択手段と、
前記初期値選択手段により選択された前記所定の初期値から前記線形帰還シフト演算を前記規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する報知制御データ生成手段と、
を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機O」とも称す。
遊技機Oであれば、遊技機Mを簡便かつ確実に実現できる。
上記の遊技機Mにおいて、
前記報知制御手段が、
前記変換当選種別識別値の最下位ビットを含む下位側の所定の分割ビット数のビットに対応する値を前記要素識別値として抽出する要素識別値抽出手段と、
前記変換当選種別識別値の最上位ビットを含む上位側の(前記制御ビット数−前記分割ビット数)のビットに対応する値を前記系列識別値として抽出する系列識別値抽出手段と、
前記複数の初期値としての前記系列識別値集合の要素個数の整数倍と同一の個数の初期値を保持する初期値保持手段と、
前記初期値保持手段における前記系列識別値抽出手段により抽出された前記系列識別値に対応する前記複数の初期値から1つの初期値を前記所定の初期値として選択する初期値選択手段と、
前記初期値選択手段により選択された前記所定の初期値から前記線形帰還シフト演算を前記規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する報知制御データ生成手段と、
を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機P」とも称す。
遊技機Pであれば、遊技機Mを簡便かつ確実に実現できる。
上記の遊技機Mにおいて、
前記報知制御手段が、
前記変換当選種別識別値の最下位ビットを含む下位側の所定の分割ビット数のビットを前記系列識別値として抽出する系列識別値抽出手段と、
前記変換当選種別識別値の最上位ビットを含む上位側の(前記制御ビット数−前記分割ビット数)のビットに対応する値を前記要素識別値として抽出する要素識別値抽出手段と、
前記複数の初期値としての前記系列識別値集合の要素個数の整数倍と同一の個数の初期値を保持する初期値保持手段と、
前記初期値保持手段における前記系列識別値抽出手段により抽出された前記系列識別値に対応する前記複数の初期値から1つの初期値を前記所定の初期値として選択する初期値選択手段と、
前記初期値選択手段により選択された前記所定の初期値から前記線形帰還シフト演算を前記規定回数だけ繰り返して前記報知制御データを生成する報知制御データ生成手段と、
を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機Q」とも称す。
遊技機Qであれば、遊技機Mを簡便かつ確実に実現できる。
上記の遊技機A〜Qにおいて、
前記生成式が、前記基本ビット数より大きい拡張ビット数用の生成式であり、
前記報知制御データのビット数が、前記変換当選種別識別値のビット数より大きい構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機R」とも称す。
ここで、変換当選種別識別値を表す最小のビット数である「基本ビット数」とは、当選種別識別値集合に含まれる当選種別識別値の最大値が2のN−1乗以上であり2のN乗未満である場合においてはNビットを意味している。
遊技機Rであれば、基本ビット数よりも大きい拡張ビット数の報知制御データが生成されるために報知制御データが複雑化され、また、報知制御データが報知態様識別値に基づく数値演算によって生成されるために報知制御データの個数が簡便かつ確実に増加する。これによって、特別入賞装置が作動する契機となる抽選に対する結果報知において、その抽選に当選した場合の結果報知態様、一般的には大当り図柄や小当り図柄の表示態様が複雑化されると共に多様化される。更に、当選種別識別値と報知制御データとの対応を表すテーブル等を参照する必要もないために、当選種別の報知態様の複雑化及び多様化に伴う制御処理のデータ容量の増加も抑制できる。
上記の遊技機Rにおいて、
前記報知手段が、前記報知制御データの各ビットの数値に応じて制御される発光部を備える発光装置である構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機S」とも称す。
遊技機Sであれば、抽選結果を発光部の発光によって表示できる。ここで、発光装置の構成としては、報知制御データのビット数と同数の発光部を備える構成、報知制御データのビット数よりも少ない個数の発光部を備える構成、報知制御データのビット数よりも多い個数の発光部を備える構成が挙げられる。発光装置が報知制御データのビット数と同数の発光部を備える場合には、報知制御データの各ビットに対応する発光部の2種類の発光状態(例えば、点灯又は消灯等)から1つの発光状態がそのビットの数値によって決定されることとなる。また、発光装置が報知制御データのビット数よりも少ない個数の発光部を備える場合には、報知制御データの複数のビットに1つの発光部が対応付けられ、その複数のビットに対応する1つの発光部の複数種類の発光状態(2つのビットに対して1つの発光部が対応付けられている場合には、例えば、4種類の発光色)から1つの発光状態がそのビットの数値によって決定されることとなる。また、発光装置が報知制御データのビット数より多い個数の発光部を備える場合には、報知制御データの各ビットに複数の発光部が対応付けられ、その複数の発光部はそのビットの数値に応じて同期して作動する。
上記の遊技機Sにおいて、
前記発光装置が、前記報知制御データの各ビットに対応した単一の発光部を備え、
前記単一の発光部が、単一の発光素子を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機T」とも称す。
遊技機Tであれば、抽選結果を発光部の点灯又は消灯の組合せに基づく発光パターンによって簡便に表示できる。
上記の遊技機A〜Tにおいて、
前記報知制御手段において前記当選種別識別値集合の各当選種別識別値に対応して生成される報知制御データが所定の条件を満たす構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機U」とも称す。
遊技機Yであれば、所望の報知制御データのみを採用したり、所望の報知制御データを排除したりすることができ、報知制御データを最適化できる。これは、拡張ビット数用の生成式に基づく線形帰還シフト演算によって生成される乱数列の周期(項数)は、生成式に依存するものの一般的に、当選種別識別値の個数よりも長くできるからである。
上記の遊技機Uにおいて、
前記基本ビット数が、5以上であり、
前記所定の条件が、前記報知制御データにおいて1が設定されているビットの総数が、2以上かつ(前記拡張ビット数−2)以下の範囲内の個数である構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機V」とも称す。
遊技機Vであれば、極めて視認性の高い報知態様、例えば、発光装置における全ての発光部が点灯するパターン、発光部のいずれか1つのみが点灯するパターン、発光部のいずれか1つのみが消灯するパターン及び全ての発光部が消灯するパターンを簡便かつ確実に除外できる。これによって、報知態様を実効的に多様化できる。
上記の遊技機Uにおいて、
前記基本ビット数が、7以上であり、
前記所定の条件が、前記報知制御データにおいて1が設定されているビットの総数が、3以上かつ(前記拡張ビット数−3)以下の範囲内の個数である構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機W」とも称す。
遊技機Wであれば、視認性の高い報知態様、例えば、発光部のいずれか2つのみが点灯するパターン及び発光部のいずれか2つのみが消灯するパターンを簡便かつ確実に除外できる。これによって、報知態様を実効的に多様化できる。
上記の遊技機A〜Wおいて、
前記当選種別識別値集合が、所定の範囲の連続する整数の集合である構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機X」とも称す。
遊技機Z1であれば、報知制御データを生成するための最大時間が、当選種別識別値集合が間欠的な整数値である場合に比べて短縮できる。これは、所定の範囲内の欠損した整数値に対する線形帰還シフト演算が不要となるからである。また、当選種別識別値の時間的な変動が簡便に行える。
上記の遊技機Xおいて、
前記当選種別識別値集合が、0から連続する整数の集合である構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機Y」とも称す。
遊技機Yであれば、当選種別識別値集合が0以外から始まる連続した整数値である場合に比べて、報知制御データを生成するための最大時間が短縮でき、また、報知制御データを生成するための制御処理が簡素化できる。これは、これは、「0」から当選種別識別値集合を構成する最小値までの整数値に対する線形帰還シフト演算をする必要がなくなったり、「0」から当選種別識別値集合を構成する整数値をその最小値が「0」となるように変換する必要がなくなったりするからである。
上記の遊技機X〜Yにおいて、
前記当選種別識別値が、前記当選種別識別値集合を前記当選種別の種類数と同一個数に分割して形成される複数の部分集合のうちいずれの部分集合に対応する数値であるかに応じて、前記当選種別の種類を決定する当選種類決定手段を含む構成であることが好ましい。
以下において、この構成の遊技機を「遊技機Z」とも称す。
遊技機Zであれば、当選種別識別値集合の要素にランダムな順序で各種の当選種別が対応付けられている場合に比べて、当選種別の種類を簡便に決定できる。
上記の遊技機A〜Zにおいて、前記基本ビット数が、単位制御ビット以下であり、前記拡張ビット数が、前記単位制御ビットを超えて大きく前記単位制御ビットの2倍以下である構成が好ましい。この構成であれば、当選種別識別値の時間的な変動に要する演算処理が簡素化できると共に報知制御データの生成に要する演算処理の大幅な複雑化が抑制できる。
上記の遊技機A〜Zにおいて、前記生成式が、最長周期の数列を生成する最長周期生成式である構成であることが好ましい。この構成であれば、線形帰還シフト演算によって生成される乱数列において同一の数値をとらない領域範囲が大きくなるために、初期値の選択の自由度が大きくなり、その自由度の増加によって初期値の選択に関与する各種の効果を最大限に向上させることができる。
上記の遊技機A〜Zにおいて、前記線形帰還シフト演算が、ガロア型の線形帰還シフト演算である構成であることが好ましい。この構成であれば、次の報知制御データの作成に要する演算処理時間がフィボナッチ型の線形帰還シフト演算を適用する場合に比べて短縮され、当選種別識別値に応じた報知制御データを生成するための最大時間が短縮される。これは、ある生成式に対する線形帰還シフト演算において、数値の選択順序は異なるが同一の周期の乱数列を生成するフィボナッチ型の線形帰還シフト演算とガロア型の線形帰還シフト演算とが選択できるが、フィボナッチ型の線形帰還シフト演算の方が次の報知制御データの作成に要する演算回数が多くなるからである。
〔具体的な構成〕
本発明に係る具体的な形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機として弾球遊技機の一具体例を挙げて説明するが、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜に設計が変更されてもよい。
実施形態の遊技機について説明する。なお、以下においては、遊技機の構造的な構成と電気的な構成及び各種の制御処理について概説した後に、本実施形態の特徴部分について纏めて説明する。
(構造的な構成)
図1〜図4は遊技機の一例を表す斜視図であり、図1には遊技機100の閉鎖状態が示され、図2には外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態が示され、図3には中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態が示され、図4には中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態が示されている。なお、図2〜図4において各種の配線は省略されており、また、図3において遊技盤400の詳細な構成は省略されている。
遊技機100は、図1〜図4に示されたように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104と、外枠101に対して中間ブロック103を開閉自在及び着脱自在に支持する中間ブロック支持機構と、中間ブロック103に対して前ブロック102を開閉自在及び着脱自在に支持する前ブロック支持機構と、中間ブロック103に対して後ブロック104を開閉自在及び着脱自在に支持する後ブロック支持機構とを備えている。
外枠101は、図2に示されたように、天板111、底板112、左側板113及び右側板114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、遊技機100を設置する遊技ホールに設けられた遊技機設置設備(通称、「島設備」:図示せず)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。外枠101は、更に、外枠101に対する中間ブロック103の閉鎖状態において中間ブロック103が載置される台座板115を備えている。天板111、底板112及び左側板113は木材であり、右側板114は木材よりも剛性の高い金属材であり、台座板115は樹脂材である。
中間ブロック支持機構は、図1に示されたように、外枠101に設けられた上側軸受け構造体121及び下側軸構造体122と、中間ブロック103に設けられた上側軸構造体126及び下側軸受け構造体127とを備えており、上側軸構造体126及び下側軸構造体122が、それぞれ、上側軸受け構造体121及び下側軸受け構造体127に装着されることによって、中間ブロック103が外枠101に対して支持される。
前ブロック支持機構は、図1又は図3に示されたように、中間ブロック103に設けられた上側軸構造体131(図3のみ)及び下側軸構造体132(図1のみ)と、前ブロック102に設けられた上側軸受け構造体133(図3のみ)及び下側軸受け構造体134(図1のみ)とを備えており、上側軸受け構造体133及び下側軸受け構造体134が、それぞれ、上側軸構造体131及び下側軸構造体132に装着されることによって、前ブロック102が中間ブロック103に対して支持される。同様に、後ブロック支持機構は、図4に示されたように、中間ブロック103に設けられた上側軸受け構造体136及び下側軸受け構造体137(図8参照)と、前ブロック102に設けられた上側軸構造体138及び下側軸構造体139(図8参照)とを備えており、上側軸構造体138及び下側軸構造体139が、それぞれ、上側軸受け構造体136及び下側軸受け構造体137に装着されることによって、後ブロック104が中間ブロック103に対して支持される。
また、遊技機100は、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の開錠や閉錠を行うために操作される錠開閉操作機構とを備えている。図3に示されたように、中間ブロック103に設けられ、前ブロック102の開口102Aを通して遊技機100の前面側に露出している錠開閉操作機構のキーシリンダ141(図1も参照)に対する所定の操作キー(図示せず)による右回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動爪143が作動し、外枠101に設けられた中間ブロック施錠機構の固定爪142と中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動爪143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動爪144と前ブロック102に設けられた前ブロック施錠機構の固定爪145との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、遊技機100は、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構を備えている。後ブロック開閉規制機構は、図2及び図4に示されたように、3つの開閉規制部150A〜150Cで構成され、それらの各々において、中間ブロック103に設けられ、後ブロック104に形成された開口104Aを通して遊技機100の背面側に突出している回動片151に対する回転操作に応じて、回動片151が開口104Aを通過できない開閉禁止位置から回動片151が開口104Aを通過できる開閉許容位置へ移動すると、中間ブロック103と回動片151とによる後ブロック104に形成された被挟持片152の挟持が解除されて、後ブロック104は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、遊技機100は、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構を備えている。遊技球移動規制機構は、図3に示されたように、中間ブロック103に設けられ、前面ブロック102側へ付勢された流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更突起162とを備えており、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動は、中間ブロック103に対する前ブロック102の閉鎖状態において流下規制片161が規制変更突起162により中間ブロック102側へ押圧された移動許容位置に位置することによって許容され、一方、中間ブロック103に対する前ブロック102の開放状態において流下規制片161が規制変更突起162による押圧が解除されて前ブロック102側へ突出する移動禁止位置に位置することによって禁止される。
また、遊技機100は、前ブロック102における後述の中央パネル220と中間ブロック103における後述の遊技盤400との間隔の一定性を厳密化する間隔規制機構を備えている。間隔規制機構は、図3に示されたように、中央パネル220に設けられ、前ブロック102の背面側において中間ブロック103と前面ブロック102との開閉軸側に突出する突出片171と、中間ブロック103に設けられ、中間ブロック103の正面側においてその開閉軸側と反対側に突出する突出片172とを備えており、中間ブロック103に対する前ブロック102の閉鎖方向への移動に伴って突出片171が突出片172の後方側に入り込み、最終的に中間ブロック103に対する前ブロック102の閉鎖状態において突出片171の前面と突出片172の後面とが押圧状態で当接する。
また、遊技機100は、図2に示されたように、外枠101に対して中間ブロック103が開放されているか閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108と、図3に示されたように、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109とを備えている。
前ブロック102は、図1及び図3に示されたように、開口201A(図3のみ)を有する基枠201と、基枠201の前面側に設けられ、開口201Aの一部に連通する開口210A(図1のみ)を有する前面パネル210と、開口201Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230(図1のみ)と、遊技球を貯留する補助貯留機構240(図1のみ)と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に遊技盤400(図3のみ)に発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250(図1のみ)とを備えている。
前面パネル210は、図1に示されたように、開口210Aの周縁の開口周縁部211と、開口周縁部211の下方において前方に突出し、主貯留機構230が配置される上側突出部217と、上側突出部217の下方において前方に突出し、補助貯留機構240が配置される下側突出部218と、下側突出部218の右方において概ね平坦であり、発射操作装置250が配置される平坦部219とを含んでいる。
中央パネル220は、図1又は図3に示されたように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3のみ)と、パネル枠221に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1のみ)と、パネル枠221に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3のみ)とを備えている。なお、上述の間隔規制機構の突出片171は、パネル枠221と一体形成されている。
主貯留機構230は、図1に示されたように、遊技球の流入口231A、流出口(図示せず)及び流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)を有する貯留桶231と、放出口の開閉により貯留桶231から放出される遊技球の放出先を流出口と放出口との間で切り換える球抜き機構と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球や後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は主に流入口231Aを通して貯留桶231に流入し、貯留桶231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている方向(図5中の右方)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して中間ブロック103における後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1又は図5に示されたように、遊技球の流入口241A(図5のみ)及び放出口241Bを有する貯留桶241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留桶231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留桶241に流入し、また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じて主貯留桶230から誘導された遊技球は流入口241Cを通して貯留桶241に流入する。貯留桶241の底面は放出口241Bに向けてすり鉢上に傾斜しており、球抜き操作部材242に対する球抜き操作(右スライド操作)に応じた放出口241Bの開放によって、貯留桶241に貯留されている全ての遊技球を順次に遊技機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(押圧操作又は微少な左スライド操作)がなされるまで、その状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留桶241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れ検出スイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示されたように、周縁パネル210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、遊技者によって操作され、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を無効化する発射停止スイッチ255(図5のみ)とを含んでいる。遊技者による発射ハンドル252の回転操作に応じて、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
前ブロック102は、基枠201に設けられ、前面パネル210の開口周縁部211の奥方に配置された発光装置群を備えており、枠発光装置群は、図5に示されたように、開口周縁部211における上方中央部211A、上方中央部211Aの左方の上方左角部211B、上方中央部211Aの右方の上方右角部211C、上方左角部211Bの下方の左中間部211D及び上方左角部211Bの下方の右中間部211Eのそれぞれに対応して配置された上中央枠発光装置271、左上枠発光装置272、右上枠発光装置273、左中間枠発光装置274及び右中間枠発光装置275(図10参照)で構成されている。
また、前ブロック102は、基枠201に設けられ、前面パネル210の開口周縁部211の奥方に配置された音響装置280を備えており、音響装置280は、開口周縁部211に形成された左上音響出力口211A及び右上音響出力口211Bのそれぞれの奥方に配置された左上音響出力部281及び右上音響出力部282を備えている。
また、前ブロック102は、図1に示されたように、上側突出部217に設けられた遊技球貸出装置290を備えており、遊技球貸出装置290は、遊技機100の側方に配置され遊技機100の構成要素でないカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置(図示せず)と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等の投入によってそれらの金額に対応する数値が度数表示装置に表示されている有効状態において貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
中間ブロック103は、図3又は図4に示されたように、開口(図示せず)を有する基枠301と、基枠301の前面側に取着されて開口を覆う遊技盤400(図3のみ)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3のみ)と、遊技盤400の背面側に設けられた取り付け台360(図4のみ)と、取り付け台360に装着された遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4のみ)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4のみ)とを備えている。
基枠301には、払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路301Aや前ブロック102の基枠201に設けられた枠発光装置271〜275や音響装置280と主制御装置370や副制御装置390とを電気的に接続するための配線(図示せず)や信号中継装置(図示せず)が挿通される遊技盤400の切り欠きに基づく開孔301Bが形成されている。
遊技盤400は、図6及び図7に示されたように、排出口401A等の各種の貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲し、後述する発射装置330から発射された遊技球を誘導する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着され、外レール402及び内レール403が平行に対向する部分で形成される発射通路401Bから放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着され、遊技盤400の中央を越えて左側に移動するような遊技球の大幅な反跳を防止する反跳防止部材405と、発射通路402を構成する部分の外レール402の外縁を保護する保護部材406とを備えている。図3に示されたように、発射装置330から発射通路401Bへ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、基枠201に形成され、この間隙の下方に配置される戻り球通路201Bを介して流入口241B(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。なお、概ね外レール402及び内レール403とで区画され、戻り球防止機構404を超えた遊技球が移動可能な略円形状の遊技領域に設けられる構造物については後述する。
遊技盤支持機構は、図3に示されたように、保護部材406に設けられた支軸部311(図7も参照)と、基枠301に形成され、遊技盤400の基体401の一部が載置される載置部312及び支軸部311と係合する軸受け部313とで構成され、遊技盤400を回転自在かつ着脱自在に支持している。遊技盤400が回動自在に支持されている場合において、所定の角度以上だけ回転させた後に、基体401における載置部312と当接する部位を支点として遊技盤400を回転軸から傾けると、支軸部311と軸受け部313との係合が外れる。これによって、遊技盤400を基枠301から離脱させることができる。逆に、遊技盤400を基枠301に装着する場合には、遊技盤400の所定の部位を載置部312に載置した後に、支軸部311を軸受け部313に係合させる。
遊技盤固定機構は、基枠301に設けられた3つの固定具320A〜320C(図3において2つの固定具のみが図示されている)で構成され、それらの各々は、基枠301から前方に突出する回動自在な回転軸体(図示せず)と、回転軸体の先端に固着され、遊技盤400の基体401に形成された切り欠き部401Cを通して通過できない挿抜禁止配位と切り欠き部401Cを通して通過できる挿抜許容配位とをとる回動片322と、回動片322より後方に配置された押圧板(図示せず)と、回動片322が挿抜禁止配位である場合に押圧板を回動片322側に付勢する付勢体(図示せず)とを備えている。遊技盤400が基枠301に固定されている着脱禁止状態において、回動片322は、切り欠き部401Cを通して基体401の前方に突出すると共に挿抜禁止配位となっており、基体401は、回動片322と押圧板とによって押圧状態で挟持されている。これによって、基枠301に対する遊技盤400の前後方向の位置決めが正確に行えるために、誘導部材335から発射通路401Bへの遊技球の移動が阻害されることを防止できる。回動片322対する回転操作に応じて、回動片322が挿抜禁止配位から回動片322が切り欠き部401Cを通過できる挿抜許容配位へ回転すると、付勢体からの押圧板の付勢が解除され、また、回動片322と押圧板とによる基体401の挟持が解除される。全ての固定具320A〜320Cの回動片322が挿抜許容配位である場合には、基枠301に対して遊技盤400が回動自在になる。逆に、遊技盤400を基枠301に固定する場合には、全ての固定具320A〜320Cの回動片322が挿抜許容配位である状態で、遊技盤400を回転させて各回動片を切り欠き部401Cに挿通させた後に、全ての固定具320A〜320Cの回動片322を挿抜禁止配位に回転させる。
発射装置330は、図3に示されたように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動する。
取り付け台360は、図4に示されたように、基枠301に設けられた軸受け構造体10(図18参照)と取り付け台360に形成され、軸受け構造体10に係合する軸構造体20(図18参照)とを含む支持機構を介して、基枠301に対して回動自在に支持されている。
主制御装置370は、図4に示されたように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、開封の痕跡を残さずには開封できないように基板ケース371に封止されている。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えており、副制御基板940は、基板ケース391に封止されている。
ここで、遊技盤400において、基体401に設けられ、遊技領域に配置される各種の構造物について詳細に説明する。図6は、遊技盤の一例を表す斜視図であり、図7は、遊技盤の一例を表す正面図である。遊技盤400は、図6及び図7に示されたように、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置され、進入口420A,420Bから流入した遊技球を第1始動入賞装置431の近傍に誘導するセンタフレーム420と、センタフレーム420の中央の真下に配置された第1始動入賞装置431と、第1始動入賞装置431に進入した遊技球を検出する第1始動入賞スイッチ441(図10参照)と、第1始動入賞装置431の真下に配置された第2始動入賞装置432と、第2始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する第2始動入賞スイッチ442(図10参照)と、第2始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433と、大入賞装置433に進入した遊技球を検出する大入賞スイッチ443(図10参照)と、右始動装置435と、第1始動装置435に進入した遊技球を検出する左始動スイッチ445(図10参照)と、右始動装置436と、第2始動装置436に進入した遊技球を検出する左始動スイッチ446(図10参照)と、第2始動入賞装置432より左側及び右側に2つずつ配置された4つの一般入賞装置438と、第2始動入賞装置432より左側に配置された2つの一般入賞装置438に進入した遊技球を検出する一般入賞スイッチ448(図10参照)と、第2始動入賞装置432より左側に配置された2つの一般入賞装置438に進入した遊技球を検出する一般入賞スイッチ449(図10参照)とを備えている。センタフレーム420、第1始動装置435及び第2始動装置436に進入した遊技球は遊技領域に放出されるが、第1始動入賞装置431、第2始動入賞装置432、大入賞装置433及び一般入賞装置438,439に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、第1始動入賞装置431、第2始動入賞装置432、大入賞装置433及び一般入賞装置438,439に進入しなかった遊技球は排出口401Aを通して回収排出路(図示せず)へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、遊技機100から遊技機設置設備(図示せず)に設けられた遊技球循環装置に排出される。第1始動入賞装置431、第2始動入賞装置432、大入賞装置433及び一般入賞装置438,439のいずれかに遊技球が進入した場合には、進入した装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540から払い出されることとなる。
第1始動入賞装置431及び一般入賞装置438,439の各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する構造である。一方、第2始動入賞装置432は、進入許容配位と進入禁止配位との間の移行によって進入確率を変化させる一対の可動羽根452と、一対の可動羽根452を駆動する羽根開閉ソレノイド462(図10参照)とを備えている。一対の可動羽根452が進入許容配位である場合には、第1始動入賞装置431と一対の可動羽根452との間隙を通して遊技球は第2始動入賞装置432に進入できるが、一対の可動羽根452が進入禁止配位である場合には、その間隙が遊技球の通過できない幅となるために遊技球は第2始動入賞装置432に進入できない。一対の可動羽根452は、第1始動装置435及び第2始動装置436のいずれかへの遊技球の進入、正確には第1始動スイッチ445及び第2始動スイッチ446のいずれかによる遊技球の検出に伴う主制御基板920による当り抽選に当選した場合に、羽根開閉ソレノイド462の作動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容配位に移行する。また、大入賞装置433は、進入許容配位と進入禁止配位との間の移行によって進入確率を変化させる開閉シャッタ453と、開閉シャッタ453を駆動するシャッタ開閉ソレノイド463(図10参照)を備えている。開閉シャッタ453が進入許容配位である場合には、遊技球は大入賞装置433に進入できるが、開閉シャッタ453が進入禁止配位である場合には、遊技球は大入賞装置433に進入できない。開閉シャッタ453は、第1始動入賞装置431及び第2始動入賞装置432のいずれかへの遊技球の進入、正確には第1始動入賞スイッチ441及び第2始動入賞スイッチ442のいずれかによる遊技球の検出に伴う主制御基板920による大当り抽選に当選した場合に、シャッタ開閉ソレノイド463の作動に応じて所定の回数だけ進入許容配位に移行する。
また、遊技盤400は、図7に示されたように、第1特別図柄に係る大当り抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄表示装置471と、第2特別図柄に係る大当り抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄表示装置472と、センタフレーム420に設けられ、第1特別図柄に係る大当り抽選の権利の保留状態を表示する第1特別図柄保留表示装置476と、センタフレーム420に設けられ、第2特別図柄に係る大当り抽選の権利の保留状態を表示する第2特別図柄保留表示装置477とを備えている。第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り抽選の権利は最大4つずつ保留される。なお、第1特別図柄に係る大当り抽選の権利が最大まで保留されている場合に、第1始動入賞装置431に遊技球が進入したとしてもその遊技球に対する権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る大当り抽選の権利が最大まで保留されている場合に、第2始動入賞装置432に遊技球が進入したとしてもその遊技球に対する権利は追加されない。
第1特別図柄表示装置471は、12個の単色の発光部10〜21(図19参照)で構成されており、主制御基板920(図10参照)により表示が制御される。第1特別図柄は、12個の発光部10〜21の発光パターンによって表現される。第2特別図柄表示装置472は、第1特別図柄表示装置471と同様に、12個の単色の発光部(図示せず)で構成されており、主制御基板920により表示が制御される。第2特別図柄は、12個の発光部の発光パターンによって表現される。第1特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄保留表示装置477は、それぞれ、2つの単色LED476A,476B及び2つの単色LED477A,477Bの発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって各種の抽選の権利の保留個数を表示する。
また、遊技盤400は、センタフレーム420に設けられ、普通図柄に係る当り抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、センタフレーム420に設けられ、普通図柄に係る当り抽選の権利の保留状態を表示する普通図柄保留表示装置478とを備えている。普通図柄に係る当り抽選の権利は最大4つまで保留される。なお、普通図柄に係る当り抽選の権利が最大まで保留されている場合に、左始動装置435又は右始動装置436に遊技球が進入したとしてもその遊技球の進入に対する権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、2色のLED473A,473Bで構成されており、主制御基板920(図10参照)により表示が制御される。各LED473A,473Bは、例えば赤色と緑色との2色を選択的に発光し、2つのLED473A,473Bの発光色の組合せによって普通図柄を表現する。また、普通図柄保留表示装置478は、2つの単色LED478A,478Bの発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって抽選の権利の保留個数を表示する。
また、遊技盤400は、センタフレーム420に設けられ、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかに係る大当り抽選に伴って、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479を備えている。副制御基板940による制御に基づく装飾図柄の変動表示及び確定表示は、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と実質的に同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示より複雑な演出が実行される。
ここで、遊技盤400の各種の装置の動作について説明する。なお、それらの説明に先立って、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(通常遊技状態)は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り当選確率が低確率であり、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示時間が長い遊技状態(以下において、「低確率非時短状態」とも称す)である。遊技状態は、大当りの当選に基づいて変化する。第1特別図柄に係る大当りの種類は、標準確変大当り、突然確変大当り、潜伏確変大当り、標準時短大当り及び突然時短大当りの5種類であり、第2特別図柄に係る大当りの種類は、標準確変大当り、標準時短大当りの2種類である。標準確変大当りや突然確変大当りに当選した場合には、遊技状態は、一旦、大入賞装置433が間欠的に進入許容状態となる(開閉シャッタ453が間欠的に進入許容配位となる)特別遊技状態に移行し、特別遊技状態の終了後に、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り当選確率が通常遊技状態よりも高確率であり、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示時間が通常遊技状態よりも短い遊技状態(以下において、「高確率時短状態」と称す)に移行する。高確率時短状態は、次回の大当りの当選まで維持される。また、潜伏確変大当りに当選した場合には、一旦、特別遊技状態に移行した後に、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り当選確率が通常遊技状態よりも高確率であり、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示時間が通常遊技状態と同一である遊技状態(以下において、「高確率非時短状態」と称す)に移行する。高確率非時短状態は、次回の大当りの当選まで維持される。また、標準時短大当りに当選した場合には、特別遊技状態に移行した後に、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り当選確率が通常遊技状態と同一の低確率であり、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示の時間が通常遊技状態と同一である遊技状態(以下において、「低確率時短状態」と称す)に移行する。低確率時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかに係る所定の回数(例えば、100回)の単位表示制御の終了まで維持されるが、その後、遊技状態は通常遊技状態に戻る。なお、高確率時短状態及び高確率非時短状態において大当りした場合には、低確率時短状態及び低確率非時短状態において大当りした場合に比べて、いずれかの確変大当り(標準確変大当り、突然確変大当り、潜伏確変大当り)への振分確率が大きい。以下において、遊技盤400の各種の装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。
主制御基板920において、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において、第1始動入賞装置431に遊技球が進入すると、特別図柄に係る当選乱数、特別図柄に係る図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、大入賞装置433が作動中でない場合において、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動表示中や確定表示中でなければ格納の直後に、また、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかが変動表示中や確定表示中であれば先行して獲得している第1特別図柄に係る全ての大当り抽選の権利及び先行して獲得している及び後続して獲得する第2特別図柄に係る全ての大当り抽選の権利の消化後に、その取得された特別図柄に係る当選乱数に基づいて大当りに当選したか否かが判定される。なお、第1特別図柄に係る大当りの当選確率は、上述のように、現在の遊技状態によって、詳細には、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であるか低確率状態(低確率時短状態、低確率非時短状態)であるかによって変化し、具体的には、高確率状態における大当りの当選確率は低確率状態における大当りの当選確率よりも高い。大当りに当選した場合には、更に、取得された特別図柄に係る図柄乱数に基づいて第1特別図柄の停止図柄が決定される。この停止図柄の種類によって、標準確変大当り、突然確変大当り、潜伏確変大当り、標準時短大当り及び突然時短大当りのいずれの大当りであるかが決定される。なお、各種の大当りの振分確率は、現在の遊技状態によって、詳細には、高確率状態であるか低確率状態であるかによって変化し、具体的には、いずれかの確変大当り(標準確変大当り、突然確変大当り、潜伏確変大当り)への振分確率が高確率状態において低確率状態よりも高い。一方、大当りに落選したときであって、小当りに当選した場合には、停止図柄として小当り図柄が設定され、小当りにも当選しなかった場合には、停止図柄としてハズレ図柄が設定される。
第1特別図柄に係る大当り抽選の後に、現在の遊技状態、大当り抽選の抽選結果、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り抽選の権利の総保留数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が実行される。変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄として停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、大入賞装置433の開閉シャッタ453が所定の回数だけ間欠的に進入許容配位へ移行する。開閉シャッタ453が進入許容配位へ移行した後に、所定の個数(例えば、10球)の遊技球が大入賞装置433に進入した場合及び所定の最大開放時間が経過した場合のいずれかによって、開閉シャッタ453は進入禁止状態へ移行する。その後、所定の一定の閉鎖時間の経過後に、再度、開閉シャッタ453は進入許容配位へ移行する。この開閉動作が所定の回数だけ繰り返される。開閉シャッタ453の開閉動作の繰り返し回数や進入許容配位に滞在する最大開放時間等は、大当りの種類(停止図柄の種類)によって変化する。具体的には、標準確変大当り及び標準時短大当りに基づく特別遊技状態において、最大開放時間が29.5秒であって閉鎖時間が2.0秒である開閉動作が16回だけ繰り返される。なお、特別遊技状態の開始から10.0秒の待機時間(オープニング時間)後に、開閉シャッタ453の第1回目の進入許容配位への移行が開始され、第16回目の進入禁止配位への移行から15.0秒の待機時間(エンディング時間)後に、特別遊技状態が終了する。一方、突然確変大当り、潜伏確変大当り及び突然時短大当りに基づく特別遊技状態において、最大開放時間が0.8秒であって閉鎖時間が2.0秒である開閉動作が2回だけ繰り返される。なお、特別遊技状態の開始から3.2秒の待機時間(オープニング時間)後に、開閉シャッタ453の第1回目の進入許容配位への移行が開始され、第2回目の進入禁止配位への移行から3.2秒の待機時間(エンディング時間)後に、特別遊技状態が終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、今回の大当りの種類に応じた遊技状態に移行する。
また、第1特別図柄の停止図柄が小当り図柄又はハズレ図柄である場合には、遊技状態は、第1特別図柄の確定表示後においても変更されない。但し、小当りに当選している場合には、突然確変大当り、潜伏確変大当り及び突然時短大当りに基づく特別遊技状態の場合と同一の態様で大入賞装置433が作動する。
上記においては、第1特別図柄に係る大当り抽選の権利が消化される場合について説明したが、第2特別図柄に係る大当り抽選の権利が消化される場合についても、大当りの種類が上述のように第1特別図柄と第2特別図柄とで異なること及び第2特別図柄に係る大当りの抽選の権利が第1特別図柄に係る大当りの抽選の権利よりも優先して消化されること以外は、第1特別図柄の場合と概ね同一であるために、第1特別図柄及び第2特別図柄をそれぞれ第2特別図柄及び第1特別図柄と入れ替えて読み替えることとして重複する説明を省略する。
各種の遊技状態において、第1始動装置435に遊技球が進入すると、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAM(図示せず)の所定の領域に格納される。このとき、第2始動入賞装置432が作動中でない場合において、普通図柄が変動表示中や確定表示中でなければ直後に、また、普通図柄が変動表示中や確定表示中であれば先行して獲得している全ての当り抽選の権利の消化後に、その取得された普通図柄に係る当選乱数に基づいて当りに当選したか否かが判定される。当りの当選確率は、判定時の遊技状態によって、具体的には、時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)であるか非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態、特別遊技状態)であるかによって変化し、時短状態における当りの当選確率は非時短状態よりも高確率となっている。当りに当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定され、当りに当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。当り抽選後に、普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間(例えば、3.0秒)に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間(例えば、0.5秒)に亘って通常遊技状態と同一のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って普通図柄として停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、第2始動入賞装置432の可動羽根452が少なくとも1回は進入許容配位へ移行する。具体的には、非時短状態における当選の場合には、可動羽根452が典型的には所定の回数(例えば、1回)だけ所定の最大開放時間(例えば、0.2秒)に亘って進入許容配位へ移行し、時短状態における当選の場合には、可動羽根452が典型的には非時短状態よりも多い所定の回数(例えば、3回)だけ非時短状態より長い所定の最大開放時間(例えば、1.9秒)に亘って進入許容配位へ移行する。但し、所定の個数(例えば、10球)の遊技球が第2始動入賞装置432に進入した場合には、可動羽根452は強制的に進入禁止状態へ移行し、今回の当りの当選に基づく可動羽根452の作動が終了する。
遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御装置940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、遊技機の一例を表す斜視図及び背面図である。後ブロック104は、図8及び図9に示されたように、基体501と、中間ブロック103に対して基体501を開閉自在に支持する支持機構と、基体501に取着され、遊技機固定設備(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側において基体501に取着され、積層貯留されている遊技球を2条に整流させると共に1段に整列させるタンクレール520と、タンクレール520の下流側において基体501に取着され、タンクレール520から流入した遊技球を誘導するケースレール530と、ケースレール530の下流側において基体501に取着され、遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において基体501に取着され、払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力すると共に、発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する電源・発射制御装置900と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)と遊技機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、略平坦状のベース部502と、ベース部502よりも後方に突出した保護カバー部503とを含んでいる。保護カバー部503は左右側方及び上方が閉鎖されかつ下方の一部のみが開放されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる多数の通気孔502Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端から遊技機固定設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端の底面には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、長手方向と直交する方向(前後方向)に対して更に穏やかに傾斜し、前方側(基体501への取り付け面側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510には、球循環装置から遊技球の供給される一端から中央近傍にかけて少なくとも一部の底部を覆う帯電防止板511(図8のみ)が取着されており、帯電防止板511は接地電位に接続されている。
タンクレール520は、遊技球タンク510の下方に取り付けられ、タンクレール520には遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、仕切り片(図示せず)によって仕切られた2列(2条)の樋状通路(図示せず)を形成する桶状部材521と、桶状部材521に対して回動自在に軸支され桶状部材521を流下する遊技球の球詰まりを防止させながら2条に整流させると共に1段に整列させる一対の整流部材522とを備えている。各樋状通路521は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510から流入した側と長手方向の反対側へ遊技球を誘導する。整流部材522は遊技球との接触によって振り子のように動作する。
ケースレール530は、保護カバー部503の一側面部に沿うように縦向きに配置されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって前後左右に湾曲する2条の球通路(図示せず)が形成されている。また、球通路の上流側には、球切れ検出スイッチ539が取着されている。球切れ検出スイッチ539は、ケースレール530の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール530よりも上流側で球詰りが発生してケースレール530に遊技球が補給されていない場合等を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構541と、送出機構を駆動する払出モータ542とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、2条の球通路に貯留されている遊技球を交互に放出する。
払出制御装置560は、払出制御基板930と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備えており、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように基板ケースによって実質的に封止されている。
(電気的な構成及び各種制御処理)
次に、遊技機100の電気的構成について説明する。図10は、遊技機の電気的構成の一例を表すブロック図である。遊技機100は、図10に示されたように、電源・発射制御装置900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの回路装置については省略している。以下に、これらの主要な装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御装置900は、遊技機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAM及び払出制御基板930のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を生成して、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対して内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、主制御基板920に対して駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が電源監視基板910の電源監視部911を介して供給され、払出制御基板930に対して駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が直接的に供給され、副制御基板940に対して駆動用電圧及び制御用電圧の電力が直接的に供給され、発射制御部902に対して駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによって遊技機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920及び払出制御基板930は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置250(図1参照)の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置250から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報が初期化されることとなる。また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させることとなる。逆に、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させることとなる。
電源監視基板910は、電源・発射制御装置900からの電力供給状態を監視し、停電状態への移行に応じて、主制御基板920及び払出制御基板930へ停電信号を出力する電源監視部911と、電源・発射制御装置900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電状態への移行と判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920及び払出制御基板930へ出力する。主制御基板920及び払出制御基板930は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識することとなる。
主制御基板920は、遊技機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御装置900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930のRAMも、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態においても内部データを維持できる構成となっている。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。
(主制御基板における制御処理)
主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)」周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。以下においては、便宜上、タイマ割込み処理について説明した後にメイン処理について説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示したフローチャートである。タイマ割込み処理では、図11に示されたように、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1001が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値を設定したりする。その後に、遊技機100の実質的な制御に係る発射制御・報知関連信号出力処理S1002〜割込み数更新処理S1016が順次に実行される。但し、各種の不正が検知されている場合(S1006:Y)には、報知情報出力処理S1007〜外部報知情報設定処理S1015は実行されない。
発射制御・報知関連信号出力処理S1002において、球送りソレノイド332を制御するための球送り制御信号及び発射ソレノイド334を制御するための発射制御信号の出力状態(オフ状態及びオン状態)が更新される。具体的には、球送り制御信号及び発射制御信号の出力状態が、出力バッファ(RAMの一部の領域)に格納された球送りソレノイド駆動フラグ(RAMの一部の領域)及び発射ソレノイド駆動フラグ(RAMの一部の領域)の状態を表す情報に基づいて更新される。ここで、「球送りソレノイド駆動フラグ」及び「発射ソレノイド駆動フラグ」は、それぞれ、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動状態(作動状態又は停止状態)を識別する1ビット情報であって、発射制御処理S1013において更新される。
なお、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグと共に他の後述する各種のフラグを含め、フラグが設定されているとはその値が「1」であり、フラグが解除されているとはその値が「0」であることを意味することとする。また、発射制御信号及び球送り制御信号を含め各種の制御信号の出力状態は、その出力電圧の相違によって識別されることとするが、各種の制御信号はアクティブ状態において高電圧状態(例えば、5V)であってもよいし、アクティブ状態において低電圧状態(例えば、0V又は0.5V)であってもよい。また、各種の制御信号の出力状態は一般的に次回以降のタイマ割込みにおいてそれらを制御するためのフラグ等が変更されるまで同一状態に維持される。
送信制御・外部報知の信号出力処理S1003において、払出制御基板930や副制御基板940への制御信号(コマンド)の送信制御に用いられるストローブ信号の出力状態が更新される。具体的には、払出制御基板930や副制御基板940へのストローブ信号は、出力バッファに格納された払出制御系ストローブ制御フラグ、副制御系ストローブ制御フラグの状態を表す情報に応じて更新される。また、遊技機100の設置ホールの管理コンピュータ等の外部装置(図示せず)へ所定の情報を提供するために用いられる各種の外部報知信号の出力状態が更新される。具体的には、外部報知信号は、出力バッファに格納された不正検知フラグ、入賞フラグ等の状態を表す情報に応じて更新される。
乱数更新処理S1004において、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、特別図柄に係る図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタの更新についても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数カウンタの更新の場合と同様である。
停電情報更新処理S1005において、電源監視装置910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。ここで、「停電情報」とは停電状態であるか否かを識別する情報であり、停電状態である場合には停電情報に所定の停電状態値が設定され、一方、停電状態でない通電状態の場合には停電情報に停電状態値と異なる所定の通電状態値が設定される。
判定処理S1006において、不正検知情報(RAMの一部の領域)の値に基づいて不正検知状態であるか否かが判定される。ここで、「不正検知情報」は、不正が検知されているか否かを識別する情報であり、磁気センサ監視処理S1014における磁気センサ430の感知に基づく不正判定及び大入賞処理S1010における大入賞スイッチ443の感知に基づく不正判定に応じて更新される。
報知情報出力処理S1007において、出力バッファに格納された制御データに基づいて、主制御基板920に接続された各種の報知装置へ制御信号が送信される。
スイッチ読込処理S1008において、第1始動入賞スイッチ441、第2始動入賞スイッチ442、大入賞スイッチ443、左始動スイッチ445、右始動スイッチ446及び一般入賞スイッチ448,449の各々からの信号の出力状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。具体的には、スイッチ読込処理S1008において、各種のスイッチからの信号の出力状態が入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、今回のタイマ割込みで読み込まれた信号状態(以下、「今回の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで読み込まれた信号状態(以下、「前回の信号状態」と略記する)と、前々回のタイマ割込みで読み込まれた信号状態(以下、「前々回の信号状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。更に具体的には、各スイッチに対して、前々回の信号状態がオフ状態であり、前回の信号状態がオン状態であったときにおいて今回の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と検知されて、スイッチの種類に応じたオン移行フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。これによって、ノイズ耐性を向上させることができる。このように複数回のタイマ割り込みにおける信号状態の推移パターンに応じてスイッチの検出状態の変化を検知する処理は一般的にフィルタリング処理と称される。本形態においてはソフトウェア的にフィルタリング処理を行うが、ハードウェア的にフィルタリング処理を行う構成であってもよいし、フィルタリング処理を行わない構成であってもよい。
始動入賞処理S1009において、第1始動入賞スイッチ441と第2始動入賞スイッチ442とのいずれかによって遊技球が検出されているか否かが判定され、それらの双方によって遊技球が検出されていない場合には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了する。一方、第1始動入賞スイッチ441によって遊技球が検出されている場合には、第1始動入賞装置431へ進入した遊技球の個数が払出用、外部報知用及び可動羽根452の開閉制御用として個別に更新され、更に、第1特別図柄の変動保留数が最大許容数以上でない場合には、第1特別図柄の変動保留数が更新され、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄カウンタ及び停止パターン選択カウンタから乱数が取得され、副制御基板940に送信されることとなる第1特別図柄の変動保留数の情報を含むコマンドが設定される。同様に、第2始動入賞スイッチ442によって遊技球が検出されている場合には、第2始動入賞装置432へ進入した遊技球の個数が払出用、外部報知用及び可動羽根452の開閉制御用として個別に更新され、更に、第2特別図柄の変動保留数が最大許容数以上でない場合には、第2特別図柄の変動保留数が更新され、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄カウンタ及び停止パターン選択カウンタの値が取得され、副制御基板940に送信されることとなる第2特別図柄の変動保留数の情報を含むコマンドが設定される。
大入賞処理S1010において、大入賞スイッチ443によって遊技球が検出されているか否かが判定され、大入賞スイッチ443によって遊技球が検出されていない場合には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了する。一方、大入賞スイッチ443によって遊技球が検出されている場合には、大入賞装置433へ進入した遊技球の個数が払出用及び外部報知用として個別に更新される。更に、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、開閉シャッタ453の開閉制御用として大入賞装置433へ遊技球が進入したことを表す大入賞フラグが設定される。また、現在の遊技状態が特別遊技状態でなく大入賞装置433に対する遊技球の進入を監視する不正入賞監視期間内である場合には、遊技進行を停止させ、不正入賞を報知させるための処理が実行される。
始動処理S1011において、左始動スイッチ445と右始動スイッチ446とのいずれかによって遊技球が検出されているか否かが判定され、左始動スイッチ445と右始動スイッチ446との双方によって遊技球が検出されていない場合には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了する。一方、左始動スイッチ445と右始動スイッチ446との少なくとも一方によって遊技球が検出されているときには、左始動スイッチ及び右始動スイッチへ進入した遊技球の個数を統合した個数が更新され、更に、普通図柄の変動保留数が最大許容数以上でない場合には、普通図柄の変動保留数が更新され、普通図柄に係る当選乱数カウンタ、当り図柄カウンタ及び停止パターン選択カウンタの値が取得され、副制御基板940に送信されることとなる普通図柄の変動保留数の情報を含むコマンドが設定される。
一般入賞処理S1012において、一般入賞スイッチ448と一般入賞スイッチ449とによって遊技球が検出されているか否かが判定され、それらの双方によって遊技球が検出されていない場合には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了する。一方、一般入賞スイッチ448と一般入賞スイッチ449とのいずれかによって遊技球が検出されている場合には、それらへ進入した遊技球の個数を統合した個数が払出用及び外部報知用として個別に更新される。
発射制御処理S1013において、発射装置250による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の駆動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の駆動フラグが更新される。
磁気センサ監視処理S1014において、磁気センサ430からの磁気センサ信号が監視され、磁気センサ信号に基づいて不正が検知される。具体的には、磁気を検出していないことを表すオフ状態の磁気センサ信号が検知されてからその後50回のタイマ割込みにおいて連続してオン状態の磁気センサ信号が検知された場合に不正磁気誘導と検知されて、遊技進行が強制的に停止される。また、不正磁気誘導検知コマンドが副制御基板940に出力され、不正磁気誘導を検知したことを表す報知が発光装置121〜125及び音響装置180において開始されることとなる。なお、遊技進行の強制停止状態及び不正磁気誘導の報知は、停電状態に移行されるまで継続させる。
外部報知情報設定処理S1015において、外部報知情報出力処理S1003において出力される各種の情報が設定される。
割込み数更新処理S1016において、タイマ割込みの実行回数を表す割込み数(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される。割込み数更新処理S1016の実行によってタイマ割込み処理が終了する。
主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図12は主制御基板のメイン処理(図中には「主制御メイン処理」と略記)の一例を表すフローチャートである。停電状態からの復帰に応じて実行されるメイン処理において、図12に示されたように、まず、制御開始処理S2001において、主制御基板920を立ち上げるための処理や各種の情報を初期設定する処理が実行される。具体的には、制御開始処理S2001において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値が設定される。その後、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまでの所定の時間だけ待機してから、電源・発射制御装置900の初期化スイッチ907からの強制初期化信号の出力状態、停電発生情報(RAMの一部の領域)の設定状態及び保持情報の記憶状態に基づいて、実質的に電源遮断前の制御状態に復帰させるために電源遮断時に保存された保持情報を初期化する否かが判定される。強制初期化信号がオフ状態であり、停電発生情報が所定の停電発生値であり、復帰用の保持情報が正常に保持されている場合には、停電発生情報が所定の基準値に更新され、また、復帰用の保持情報がRAMの所定の領域に保存される。復帰用の保持情報の保存によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に復帰することとなる。但し、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していたとしても場合には、それらのエラー状態は全て解除される。なお、保持情報が正常に保持されているか否かは、停電状態への移行時に制御終了処理S2018において算出されたRAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値と現在のチェックサムとの排他的論理和が「0」であるか否かによって決定される。一方、強制初期化信号がオン状態である場合、停電発生情報に停電発生値が設定されていない場合及び保持情報が正常に保持されていない場合には、RAMの実質的に全領域の保持情報が初期化され、また、初期化コマンドが主制御基板920から払出制御基板930及びサブ制御基板940の双方に出力される。なお、初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行されることとなる。保持情報のRAMへの復帰後及びRAMの初期化後、タイマ割込み等の各種の割込み制御のモードが設定され、また、各種の割込みが許可される。
制御開始処理S2001は、停電状態から通電状態への復帰後において一度だけ実行され、その後は、図12に示されたように、停電状態へ移行しない限り繰り返し実行されるループ処理に移行する。一回のループ処理は、規定回数(例えば、2回)のタイマ割込みが実行されるまでの一定期間(例えば、4ms)にわたって継続するが、乱数初期値更新処理S2002から始動入賞装置制御処理S2012まではその期間において一回のみ実行され、乱数初期値更新処理S2015及び変動用乱数更新処理S2016は繰り返し実行される。但し、不正が検知されている場合(S2003:Y)には、遊技機100の作動状態を実質的に変化させるための出力制御処理S2004から始動入賞装置制御処理S2012までは実行されない。また、停電状態となった場合(S2013:Y)には、遊技機100の動作が停止される。
乱数初期値更新処理S2002において、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタの更新についても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの更新の場合と同様である。
判定処理S2003において、大入賞処理S1010及び磁気センサ監視処理S1014において更新される不正検知情報の値に基づいて不正検知状態であるか否かが判定される。不正検知状態である場合(2003:Y)には、遊技進行の停止状態を維持するために出力制御処理S2004〜始動入賞装置制御処理S2012は実行されない。これによって、各種の情報が更新されたり周辺装置の状態が変更されたりすることを防止できる。但し、タイマ割込み等の各種の割込みを許可する処理(図示せず)のみが実行される。これによって、停電信号の監視が継続できるために、遊技進行の停止状態を解除するために必要な停電状態への移行に際して、正常に制御処理を終了させることができることとなる。
出力制御処理S2004において、コマンドバッファに格納されている各種のコマンドが格納順に主制御基板920から副制御基板940に出力され、また、払出コマンドバッファに格納されている各種のコマンドが格納順に主制御基板920から払出制御基板930に出力され、また、各種のコマンドの出力に伴い送信制御信号もサブ制御基板940や払出制御基板930に出力される。なお、出力制御処理S2004がタイマ割込みによって中断されることがない様に、出力制御処理S2004は割込み禁止状態で実行され、また、副制御基板940へのコマンドが払出制御基板930へのコマンドよりも優先して出力され、また、1回のループ処理が所定の時間(例えば、2回のタイマ割込みに相当する4ms)未満で終了するように、1回のループ処理の出力制御処理S2004において出力されるコマンドの総数が所定の個数(例えば、4コマンド)以下に規制されている。
変動用乱数更新処理S2005において、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ及び第4の変動種別カウンタの更新についても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの更新の場合と同様である。
入力信号監視処理S2006において、払出制御基板930から出力される各種の信号の状態が監視される。具体的には、払出装置358から払い出される遊技球の払出計数スイッチ362による検出に基づく賞球計数信号の信号状態及び賞球計数信号の受信状況を監視する払出中タイマ(RAMの一部の領域)の値に基づいて賞球の払い出し状態が確認され、状況に応じて払い出し中であるか否かを識別する払出中フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出フラグが設定された場合には払出開始コマンドがコマンドバッファに格納され、払出フラグが解除された場合には払出終了コマンドがコマンドバッファに格納される。なお、副制御基板940は、払出報知開始コマンドの受信によって枠発光装置271〜275による払出中の報知を開始させ、払出報知終了コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。また、払出制御基板930から出力される異常信号の出力状態に基づいて払出装置358における異常の発生や払出制御基板930に接続された内枠スイッチ108、前面枠スイッチ109、貯留球スイッチ363による異常の検出が確認され、状況に応じて払出関連の異常発生中であるか否かを識別する払出異常フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出異常フラグが設定された場合にはリングバッファに払出異常発生コマンドが格納され、払出異常フラグが解除された場合にはリングバッファに払出異常解消コマンドが格納される。なお、副制御基板940は、払出異常発生コマンドの受信によって枠発光装置271〜275や音響装置180による払出中の報知を開始させ、払出異常解消コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。また、球溢れスイッチ164の検出状態に基づく球溢れ信号の出力状態に基づいて下皿160における遊技球の貯留状態が確認され、状況に応じて下皿160が満タンあるか否かを識別する球溢れフラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、球溢れフラグが設定された場合にはリングバッファに球溢れ発生コマンドが格納され、球溢れフラグが解除された場合にはリングバッファに球溢れ解消コマンドが格納される。なお、副制御基板940は、球溢れ発生コマンドの受信によって枠発光装置271〜275や音響装置180による下皿満タンの報知を開始させ、球溢れ解消コマンドの受信によって下皿満タンの報知を終了させることとなる。
特別図柄変動開始確認処理S2007において、第1特別図柄表示装置471(図7参照)及び第2特別図柄表示装置472(図7参照)の表示制御の開始判定が行われる。具体的には、第2特別図柄表示装置472が作動状態でなく、かつ、大入賞装置433が作動状態でないときであって、第2特別図柄の変動保留数が「0」でない場合に、第2特別図柄の変動表示の開始が許容され、第2特別図柄表示装置472が作動状態であるか否かを表す第2特別図柄表示装置472の作動フラグ、第2特別図柄表示装置472の変動表示が開始許可されているか否かを表す第2特別図柄用の変動要求フラグが設定される。同様に、第1特別図柄表示装置471が作動状態でなく、かつ、大入賞装置433が作動状態でないときであって、第1特別図柄の変動保留数が「0」でない場合に、第1特別図柄の変動表示の開始が許容され、第1特別図柄表示装置471が作動状態であるか否かを表す第1特別図柄表示装置471の作動フラグ、第1特別図柄表示装置471の変動表示が開始許可されているか否かを表す第1特別図柄の変動要求フラグが設定される。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動保留数の双方が「0」でない場合には、第2特別図柄の変動保留数が第1特別図柄の変動保留数よりも先に判定されることによって、第2特別図柄の変動表示が優先的に許容される。また、第1特別図柄表示装置471及び第2特別図柄表示装置472の双方が作動状態でなく、かつ、大入賞装置が作動状態でないときであって、第2特別図柄及び第1特別図柄の変動保留数が「0」である場合には、装飾図柄表示装置95の表示を所定のデモンストレーション表示へ変更させるための処理が実行される。
普通図柄変動開始確認処理S2008において、普通図柄表示装置473(図5及び図6参照)の表示制御の開始判定が行われる。具体的には、普通図柄表示装置473が作動状態でなく、かつ、第2始動装置432が作動状態でないときであって、普通図柄の変動保留数が「0」でない場合に、普通図柄の変動表示の開始が許容され、普通図柄表示装置473が作動状態であるか否かを表す普通図柄表示装置473の作動フラグ、普通図柄表示装置473の変動表示の開始が許可されているか否かを表す普通図柄用の変動要求フラグが設定される。
特別図柄変動処理S2009において、第1特別図柄表示装置471における第1特別図柄の表示制御や第2特別図柄表示装置472における第2特別図柄の表示制御や装飾図柄表示装置479における装飾図柄の演出制御が行われる。具体的には、特別図柄変動開始確認処理S2007において第1特別図柄の変動表示が許可された場合に、第1特別図柄保留表示装置471で表示する保留情報が変更される。また、大当り及び小当りの当選が判定され、判定結果に対応する停止図柄(大当り及び小当りの種類)が決定される。また、変動表示の変動態様を決定する変動パターンが選択され、選択された変動パターンに応じた態様で第1特別図柄(装飾図柄)を変動表示させるための制御及びその変動表示の終了後に第1特別図柄の表示図柄として停止図柄を確定表示させるための制御が実行される。第2特別図柄についても第1特別図柄の場合と同様であるために、上記において「第1特別図柄」を「第2特別図柄」と読み替えることとして重複する説明は省略する。
大入賞装置制御処理S2010において、大当りや小当りの当選に基づく特別遊技状態における大入賞装置433(図5及び図6参照)の作動制御や装飾図柄表示装置479における特別遊技状態の演出制御が行われる。具体的には、大入賞装置433の開閉シャッタ453(図5及び図6参照)を駆動するシャッタ開閉ソレノイド463(図10参照)の駆動状態を表すシャッタ開閉ソレノイドの駆動フラグが適宜に更新され、大当りや小当りの種類に応じて開閉シャッタ453の閉鎖期間、開放期間、開閉回数等が規制される。これによって、開閉シャッタ453が上述のように大当りや小当りの種類に応じて動作することとなる。また、開閉シャッタ453の最終回の開閉動作の終了後には、大当りや小当りの種類に応じた遊技状態へ移行させるための各種の情報が設定される。
普通図柄変動処理S2011において、普通図柄表示装置473における普通図柄の表示制御が行われる。具体的には、普通図柄変動開始確認処理S2008において普通図柄の変動表示が許可された場合に、普通図柄保留表示装置473に表示されることとなる保留情報が変更される。また、当りの当選が判定され、判定結果に対応する停止図柄が決定される。また、遊技状態に基づいて変動表示の変動態様を決定する変動パターンが選択され、選択された変動パターンに応じた変動態様で普通図柄を変動表示させるための制御と、その変動表示の終了後に、普通図柄の表示図柄として停止図柄を確定表示させるための制御が実行される。
始動入賞装置制御処理S2012において、当りの当選に基づく始動入賞装置431(図5及び図6参照)の作動制御が行われる。具体的には、始動入賞装置431の可動羽根452(図5及び図6参照)を駆動する羽根開閉ソレノイド462(図10参照)の駆動状態を表す羽根開閉ソレノイドの駆動フラグが適宜に更新され、大当りや小当りの種類に応じて可動羽根452の閉鎖期間、開放期間、開閉回数等が規制される。これによって、可動羽根452が上述のように遊技状態に応じて動作することとなる。
判定処理S2013において、停電発生情報が停電発生値であるか否かによって停電状態であるか否かが判定される。停電状態でないと判定された場合には、判定処理S2014に移行し、停電状態であると判定された場合には、制御終了処理S2018に移行することとなる。
判定処理S2014において、タイマ割込みの割込み数が所定の規定数(例えば、「2」)であるか否かによって、前回のループ処理が終了してから所定の回数(例えば、2回)だけタイマ割込みが実行されたか否かが判定される。タイマ割込みの実行数が規定数でないと判定された場合には、乱数初期値更新処理S2015に移行し、タイマ割込みの実行数が規定数であると判定された場合には、割込み数初期化処理S2017に移行することとなる。
乱数初期値更新処理S2015において、乱数初期値更新処理S2002と同様に特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。
変動用乱数更新処理S2016において、変動用乱数更新処理S2005と同様に第1変動種別カウンタ〜第3変動種別カウンタが更新され、その後は、判定処理S2013に戻ることとなる。
判定処理S2013〜変動用カウンタ更新処理S2016において、停電状態への移行を監視しながら所定の回数のタイマ割込みが実行されるまで、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが繰り返し更新されることによって、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとの同期、特別図柄に係る図柄乱数カウンタと特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタとの同期及び普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとの同期が防止される。
割込み数初期化処理S2017において、割込み数が基準値(例えば、本形態では「0」)に初期化される。その後は、乱数初期値更新処理S2002に戻ることとなる。
制御終了処理S2018において、割込みが禁止され、停電状態へ移行したことを表す停電コマンドがサブ制御基板940に出力され、各種の出力状態がオフ状態に設定され、RAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値が算出される。その後は、無限ループに入り、停電状態から通電状態に復帰するまで待機することとなる。
ここで、特別図柄変動処理S2009について詳細に説明する。図13は、特別図柄変動処理の一例を表すフローチャートであり、図14は、特別図柄変動処理における第1特別図柄変動処理の一例を表すフローチャートである。
特別図柄変動処理S2009において、図13に示されたように、第1特別図柄表示装置471の作動フラグと第2特別図柄表示装置472との作動フラグが設定されているか解除されているかが判定され(S2101,S2102)、それらの作動フラグの双方が解除されている場合(S2101:Y,S2102:Y)には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了する。一方、第1特別図柄表示装置471の作動フラグが設定されている場合(S2101:N)及び第2特別図柄表示装置472の作動フラグが設定されている場合(S2102:N)には、それぞれ、第1特別図柄変動処理S2103及び第2特別図柄変動処理S2104が実行される。ここで、第1特別図柄変動処理S2103について詳細に説明する。
第1特別図柄変動処理S2103において、図14に示されたように、まず、特別図柄の表示制御タイマ(図14中においては「特図制御タイマ」と略記)の現在値及び特図制御タイマ更新処理S2202で変更された更新値に基づいて、特別図柄の表示制御タイマが解除されているかが判定される(S2201,S2203)。なお、特図制御タイマ更新処理S2202において、特別図柄の表示制御タイマの値が現在値から「1」だけ減じた値(更新値)に変更される。特別図柄の表示制御タイマは、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示において共通で使用され、それらの変動時間を規制するために用いられる。特別図柄の表示制御タイマが更新前に解除されている場合(S2201:Y)としては、第1特別図柄の変動表示が許可されているが未だその変動表示が開始されていない場合と、第1特別図柄の変動表示が既に完了している場合とがある。また、特別図柄の表示制御タイマが更新後によって解除される場合(S2203:N)としては、第1特別図柄の変動表示が完了する場合と第1特別図柄の確定表示が完了する場合とがある。
第1に、表示制御タイマが解除されており第1特別図柄用の変動要求フラグが設定されている場合(S2204:N)、つまり、第1特別図柄の変動表示が許可されているが変動表示が開始されていない場合には、第1特別図柄の変動保留に関連する情報を更新する保留情報順送り処理S2205、大当りや小当たり等の当選を判定すると共に大当り種別を決定する当選判定処理S2206、第1特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定処理S2207及び第1図柄の変動表示を開始させるための情報を設定する変動表示開始処理S2208が順次に実行される。
保留情報順送り処理S2205において、特別図柄用の第1保留エリアに格納されている特別図柄の抽選に関連する特別抽選関連情報が実行エリアに移動され、また、第1特別図柄用の第2保留エリア〜第4保留エリアに格納されている特別抽選関連情報が、それぞれ、第1特別図柄用の第1保留エリア〜第3保留エリアに移動される。
当選判定処理S2206において、特別図柄に係る当選乱数カウンタから既に取得されている当選識別値と遊技状態に応じた所定の大当り判定値との比較によって第1特別図柄に対する大当りの当否が判定され、大当りに当選した場合には大当りフラグが設定される。また、特別図柄に係る当選乱数カウンタから既に取得されている当選識別値が所定の小当り範囲内であるかによって第1特別図柄に係る小当たりの当否が判定され、小当たりに当選した場合には、第1特別図柄の小当たりフラグが設定される。また、特別図柄に係る図柄乱数カウンタから既に取得されている図柄識別値に基づいて停止図柄が設定される。更に、遊技状態と、第1特別図柄の変動保留数及び第2特別図柄の変動保留数の総和を表す特別図柄の変動保留数と、停止パターン選択カウンタから既に取得されている停止パターン識別値と、第4変動種別カウンタの値に基づいて、停止パターンが設定される。
特別図柄変動パターン決定処理S2207において、遊技状態と、当選判定処理S2206で判定された大当たり及び小当たりの当選状態、大当り判定処理S2206で設定された停止パターン、第1変動種別カウンタ〜第3変動種別カウンタの値、特別図柄の変動保留数に基づいて、第1特別図柄及び装飾図柄の変動パターンが決定され、装飾図柄の変動表示を制御するために副制御基板940に出力する変動パターンに関する情報を含むコマンドが設定される。
変動表示開始処理S2208において、第1特別図柄の変動表示を実際に開始させるために、第1特別図柄用の変動表示フラグが設定され、特別図柄用の表示制御タイマが変動パターンに応じた変動表示時間に対応する値に設定される。
第2に、特別図柄の表示制御タイマが設定されており特別図柄の表示制御タイマが特図制御タイマ更新処理S2202によっても解除されないときであって確定表示フラグが設定されていない場合(S2203:Y,S2209:N)、つまり、既に第1特別図柄の変動表示が開始されておりその変動表示時間が経過していない場合には、第1特別図柄表示装置471における表示図柄を切り換えて第1特別図柄を変動表示させる変動表示処理S2210が実行される。
変動表示処理において、第1特別図柄の変動表示に用いられる所定の複数の変動用図柄から1つの変動用図柄が一定時間ごとに循環的に選択され、選択された変動用図柄に対応する図柄データが表示図柄データとして設定される。
第3に、表示制御タイマが解除されており第1特別図柄用の変動要求フラグが解除されかつ変動表示フラグが設定されている場合(S2211:N)、つまり、第1特別図柄の変動表示時間が変動パターンに応じた変動表示時間に到達した場合には、第1特別図柄を確定表示させる際の停止図柄を設定する停止図柄設定処理S2212及び確定表示を開始させるための情報を設定する確定表示開始処理S2213が実行される。
停止図柄設定処理S2212において、第1特別図柄の表示図柄データとして当選判定処理S2206で決定された停止図柄に対応する停止図柄情報が設定される。
確定表示開始処理S2213において、停止図柄を一定時間にわたって確定表示させるために、第1特別図柄の確定表示フラグが設定され、特別図柄の表示制御タイマが確定表示時間に対応する値に設定される。
第4に、特別図柄の表示制御タイマが設定されており特別図柄の表示制御タイマが特図制御タイマ更新処理S2202によっても解除されないときであって確定表示フラグが設定されている場合(S2203:Y,S2209:Y)、つまり、既に第1特別図柄の確定表示が開始されておりその確定表示時間が経過していない場合には、第1特別図柄表示装置471における表示図柄を切り換えることなく停止図柄の確定表示を継続させる(S2210のスキップ)。
第5に、表示制御タイマが解除されており第1特別図柄用の変動要求フラグ及び変動表示フラグが解除されている場合(S2211:Y)、つまり、第1特別図柄の確定表示時間が所定の確定表示時間に到達した場合には、当選の判定結果や単位遊技の完了に基づいて遊技状態を更新する遊技状態更新処理S2214及び単位遊技に係る第1特別図柄表示装置471の一連の表示動作を終了させるための情報を設定する表示作動終了処理S2215が実行される。
遊技状態更新処理S2214において、大当りフラグが設定されているか否かと時短遊技状態における残りの単位表示制御回数を表す時短遊技数カウンタが解除されているか否かが判定される。特別抽選当選フラグが設定されている場合には、特別遊技状態であるか否かを表す特別遊技状態フラグが設定され、特別遊技制御タイマが大入賞装置433の作動待機時間に対応する値に設定され、開閉回数カウンタが解除される。これによって、通常遊技状態から特別遊技状態への移行することとなる。一方、時短遊技数カウンタが設定されている場合には、時短遊技数カウンタが現在値から「1」だけ減じた値に更新され、時短遊技数カウンタの値が「0」となった場合には、時短遊技状態であるか否かを表す時短遊技状態フラグが解除される。これによって、時短遊技状態から通常遊技状態へ移行することとなる。
表示作動終了処理S2215において、第1特別図柄表示装置471の一連の表示動作を終了させるために、第1特別図柄表示装置471の作動フラグ及び特別図柄確定表示フラグが解除される。
ここで、第1特別図柄変動処理S2103における当選判定処理S2206について詳細に説明する。図15は、当選判定処理の一例を表すフローチャートであり、図16は、当選判定処理における大当り図柄決定処理の一例を表すフローチャートであり、図17は、大当り図柄決定処理における図柄表示データ更新処理の一例を表すフローチャートである。
当選判定処理S2206において、図15に示されたように、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかが確変状態フラグの状態に基づいて判定され(S2301)、遊技状態に応じた大当り判定を実行するための準備が行われる(S2301,S2302,S2304)。その後、大当りの当選が判定され(S2306〜S2310)、大当りに当選した場合(S2307:Y)には、大当りの当選に伴う各種の情報を設定するために大当りフラグ設定処理S2311〜停止パターン決定処理S2314が実行される。一方、大当りに当選しなかった場合(S2310:N)には、小当りの当選が判定され(S2315〜S2316)、小当りに当選した場合(S2316:Y)には小当りの当選に伴う各種の情報を設定するために小当りフラグ設定処理S2317〜停止パターン決定処理S2319が実行され、小当りにも当選しなかった場合(S2315:Y又はS2316:N)には大当り及び小当りの落選(ハズレ)に伴う各種の情報を設定するためにハズレ図柄設定処理S2320〜停止パターン設定処理S2321が実行される。以下において、当選判定処理S2206における各種の主要な処理について個別に具体的に説明する。
ポインタ設定処理S2302において、低確率遊技状態用の大当たり判定テーブル(以下において、「低確率大当り判定テーブル」とも略記する)が指定されるようにデータポインタが設定される。なお、低確率大当り判定テーブルは、その先頭データとしての低確率大当り判定テーブルに含まれる大当たり判定値の個数を表すデータとそのデータに引き続き列挙される少なくとも1種類の大当り判定値を含む大当たり判定データ(例えば、2種類)とで構成されている。
最大判定回数設定処理S2303において、判定回数が、データポインタが指定するデータであって低確率当選判定テーブル内の大当り判定値の個数を表すデータと同一の値(最大判定回数)に設定される。また、判定回数の設定後に、データポインタが、低確率当選判定テーブル内の第1番目の大当たり判定値を指定するようにデータポインタの値が変更される。これによって、低確率遊技状態における第1特別図柄に係る大当り判定の準備が完了する。
ポインタ設定処理S2304において、高確率遊技状態用の大当り判定テーブル(以下において、「高確率大当り判定テーブル」とも略記する)が指定されるようにデータポインタが設定される。なお、高確率大当り判定テーブルは、低確率大当り判定テーブルと同様に、その先頭データとしての高確率大当り判定テーブルに含まれる大当たり判定値の個数を表すデータとそのデータに引き続き列挙される複数種類の大当たり判定値(例えば、20種類)を含む大当り判定データとで構成されている。
最大判定回数設定処理S2305において、判定回数が、高確率大当り判定テーブル内の大当たり判定値の個数を表すデータと同一の値(最大判定回数)に設定される。また、判定回数の設定後にデータポインタが次のデータである第1番目の大当たり判定値を指定するようにデータポインタの値が変更される。これによって、高確率遊技状態における第1特別図柄に係る大当り判定の準備が完了する。
大当り判定値抽出処理S2306において、データポインタが指定する大当り判定値が大当り判定情報として抽出される。判定処理S2307において、当選識別値と大当り判定情報とが比較される。ポインタ更新処理S2308において、データポインタが、同一判定テーブル内の次の大当り判定値を指定するように現在値よりも「2(大当り判定値のバイト数)」だけ大きい値に更新される。判定回数更新処理S2309において、判定回数が現在値よりも「1」だけ小さい値に更新される。判定処理S2310において、判定回数が「0」であるか否かによって、最大判定回数の判定が実行されたか否かが判定される。大当たり判定値抽出処理S2306〜判定処理S2310によって、低確率遊技状態及び高確率遊技状態における第1特別図柄に係る大当り判定が、遊技状態に応じた最大判定回数を上限として繰り返し実行される。
大当りフラグ設定処理S2311において、大当りに当選したか否かを識別する大当りフラグが設定される。
大当り図柄決定処理S2312において、第1特別図柄の停止図柄情報が第1特別図柄に係る図柄識別値に基づいて生成されることによって、第1特別図柄に係る大当りの当選時の第1特別図柄の停止図柄が決定される。具体的には、図16に示されたように、第1特別図柄に係る図柄識別値をビット操作に基づいて変換する図柄識別値変換処理S101と、第1特別図柄に係る図柄識別値から第1特別図柄に係る系列識別値を抽出する系列識別値抽出処理S102と、図柄表示データの初期値を第1特別図柄に係る系列識別値に基づいて選択する図柄表示データ初期設定処理S103と、第1特別図柄に係る図柄識別値から第1特別図柄に係る要素識別値を抽出する要素識別値抽出処理S104と、第1特別図柄に係る系列識別値に応じた初期値と第1特別図柄に係る要素識別値との組合せに基づいて、停止図柄情報として設定されることとなる図柄表示データを線形帰還シフト演算によって生成する処理(S105〜S107)と、要素識別値に基づく所定の回数の線形帰還シフト演算の完了後に(S105:Y)、最終的に生成された図柄表示データを停止図柄情報に設定する停止図柄情報設定処理S108とが実行される。図柄表示データ更新処理S106においては、図17に示されたように、現在の図柄表示データを1ビット分だけ右シフトさせて(S201,S202)、キャリービット(右シフト前の図柄表示データの下位バイトの第0ビット)が「1」である場合には、右シフト後の図柄表示データと線形帰還シフト演算に対応する所定のタップ値との排他的論理和演算によって得られた値が新たな図柄表示データとして設定され(S204,S205)、一方、キャリービットが「0」である場合には、右シフト後の値が新たな図柄表示データとして設定される(S204,S205のスキップ)。なお、大当り図柄決定処理S2312については、下述の〔本発明の特徴部分の説明〕において別途に詳細に説明する。
大当り形態決定処理S2313において、第1特別図柄に係る図柄識別値に基づいて、特別遊技状態における遊技形態や特別遊技状態後に移行すべき遊技状態等が決定される。
停止パターン決定処理S2314において、図15に示されたように、現在の遊技状態と第1特別図柄に係る図柄識別値と第4変動種別識別値とに基づいて停止パターンが決定される。なお、第4変動種別識別値は、第4変動種別カウンタから取得される値である。
判定処理S2315及び判定処理S2316において、それぞれ、第1特別図柄に係る当選識別値が第1特別図柄に係る小当りに対応する所定の範囲の値であるか否かが、その範囲の下限閾値及び上限閾値との大小比較に基づいて判定される。
小当りフラグ設定処理S2317において、第1特別図柄に係る小当りに当選したか否かを識別する第1特別図柄に係る小当りフラグが設定される。
小当り図柄決定処理S2318において、第1特別図柄の停止図柄情報が第1特別図柄に係る当選識別値及び第1特別図柄に係る図柄識別値に基づいて生成されることによって、第1特別図柄に係る小当りの当選時の第1特別図柄の停止図柄が決定される。具体的には、図18に示されたように、第1特別図柄に係る図柄識別値をビット操作に基づいて変換する図柄識別値変換処理S301と、第1特別図柄に係る当選識別値に基づいて第1特別図柄に係る系列識別値を決定する系列識別値決定処理S302と、図柄表示データの初期値を第1特別図柄に係る系列識別値に基づいて選択する図柄表示データ初期設定処理S303と、第1特別図柄に係る図柄識別値から第1特別図柄に係る要素識別値を抽出する要素識別値抽出処理S304と、第1特別図柄に係る当選識別値に応じて選択された図柄表示データの初期値と第1特別図柄に係る要素識別値との組合せに基づいて、停止図柄情報として設定されることとなる図柄表示データを線形帰還シフト演算によって生成する処理(S305〜S307)とが実行される。系列識別値決定処理S302以外の大当り図柄決定処理S2312(図16参照)と同一名称の処理においては、大当り図柄決定処理S2312の場合と実質的に同一の処理が実行される。なお、小当り図柄決定処理S2318は、本発明の主たる特徴部分であるために、下述の〔本発明の特徴部分の説明〕において別途に詳細に説明する。
停止パターン決定処理S2319において、現在の遊技状態と第1特別図柄に係る図柄識別値に基づいて停止パターンが決定される。
ハズレ図柄決定処理S2320において、第1特別図柄の停止図柄情報が各種の大当りの当選時や小当りの当選時には選択されない所定の値に設定されることによって、第1特別図柄に係るハズレ時の第1特別図柄の停止図柄が決定される。
停止パターン決定処理S2321において、現在の遊技状態と今回の単位図柄表示制御の開始時の第1特別図柄及び第2特別図柄の総保留数と停止パターン識別値とに基づいて停止パターンが決定される。なお、停止パターンとして、装飾図柄の停止図柄にリーチを経由しない完全ハズレ図柄を指定する停止パターン0、装飾図柄の停止図柄にリーチを経由するが前後1図柄を超えてずれたリーチハズレ図柄を指定する停止パターン1又は装飾図柄の停止図柄にリーチを経由するが前後1図柄だけずれたリーチ前後ハズレ図柄を指定する停止パターン2が選択される。
上記において、第1特別図柄変動処理S2103について説明したが、第2特別図柄変動処理S2104についても第1特別図柄の場合と実質的に同一であるために、上記における「第1特別図柄」を「第2特別図柄」と読み替えることとして重複する説明を省略する。
(本発明の特徴部分の構成)
本発明の主たる特徴部分である特別図柄の表示制御及びそれに関連する構成についてまとめて詳細に説明する。遊技機100は、既述のように、遊技盤400(図7参照)と、主制御基板920(図10参照)とを備えている。遊技盤400は、第1始動入賞装置431(図6及び図7参照)、第1始動入賞装置431に進入した遊技球を検出する第1始動入賞スイッチ441(〔媒体検出装置〕の一種;図10参照)、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置471(〔報知手段としての発光装置〕の一種;図7参照)、第2始動入賞装置432(図6及び図7参照)、第2始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する第2始動入賞スイッチ442(〔媒体検出装置〕の一種;図10参照)、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示装置472(〔報知手段としての発光装置〕の一種;図7参照)、大入賞装置433(〔特別入賞装置〕の一種;図6及び図7参照)及び大入賞装置433に進入した遊技球を検出する大入賞スイッチ443(〔媒体検出装置〕の一種;図10参照)を備えている。主制御基板920は、第1始動入賞スイッチ441による遊技球の検出に基づいて第1特別図柄表示装置471による第1特別図柄の変動表示や確定表示を制御したり、第2始動入賞スイッチ442による遊技球の検出に基づいて第2特別図柄表示装置472による第2特別図柄の変動表示や確定表示を制御したりする。
第1特別図柄表示装置471及び第2特別図柄表示装置472について詳細に説明する。なお、第2特別図柄表示装置472は第1特別図柄表示装置471と同一の構成であるために、第1特別図柄表示装置471のみについて詳細に説明する。図19は、第1特別図柄表示装置の一例を模式的に表す正面図である。第1特別図柄表示装置471は、図19に示されたように、12個の発光部10〜21を備えている。12個の発光部10〜21の各々は、12ビットで表される第1特別図柄の図柄表示データ(〔報知制御データ〕の一種)における互いに異なるビットに対応付けられており、その図柄表示データにおいて値が「0」であるビットに対応する発光部10〜21は消灯し、一方、値が「1」であるビットに対応する発光部10〜21は点灯する。
主制御基板920において、既述のように、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当りや小当りの当選判別に用いられる特別図柄に係る当選乱数が生成され、また、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る大当り図柄(大当りの種類)や小当り図柄の決定に用いられる特別図柄に係る図柄乱数が生成される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数は、10ビットで表される一部の範囲(例えば、「0」〜「676」)の値を一周ごとに変化する初期値から循環的に推移させるように、更新契機に応じて更新される特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)と、特別図柄に係る当選乱数カウンタの初期値を決定するために、特別図柄に係る当選乱数カウンタと同一範囲内の値を循環的に推移させるように、特別図柄に係る当選乱数カウンタの更新契機と異なる更新契機に応じて更新される特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)とによって生成される。また、特別図柄に係る図柄乱数は、8ビット(主制御基板920の単位制御ビット)で表される全範囲内(「0」〜「255」)の値を一周ごとに変化する初期値から循環的に推移させるように更新契機に応じて値が更新される特別図柄に係る図柄乱数カウンタ(RAMの一部の領域)と、特別図柄に係る図柄乱数カウンタの初期値を決定するために、特別図柄に係る図柄乱数カウンタと同一範囲内の値を循環的に推移させるように、特別図柄に係る図柄乱数カウンタの更新契機と異なる更新契機に応じて値が更新される特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)とによって生成される。
例えば、特別図柄に係る図柄乱数カウンタが循環的に1周したときにおいて特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタの値が「117」である場合には、特別図柄に係る図柄乱数カウンタの現在の値に依存せずに特別図柄に係る図柄乱数カウンタが初期値である「117」に設定される(図11のS1004)。初期値の設定後、特別図柄に係る図柄乱数カウンタの値は、最大値の「255」に到達するまで更新契機ごとに「1」ずつ増加する(S1004)。最大値に到達した直後の更新契機において特別図柄に係る図柄乱数カウンタの値は最小値の「0」に戻る(S1004)。最小値に戻った後、特別図柄に係る図柄乱数カウンタの値は、今回の初期値の直前値である「116」に到達するまで更新契機ごとに「1」ずつ増加する(S1004)。特別図柄に係る図柄乱数カウンタが1周して初期値の直前値「116」に到達した直後の更新契機において、特別図柄に係る図柄乱数カウンタは、その更新契機における特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタの値と同一の値に設定される(S1004)。一方、特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタの値は、最大値の「255」に到達するまで更新契機ごとに「1」ずつ増加し、最大値に到達した直後の更新契機において最小値の「0」に戻り、その後は、同様にして「0」〜「255」の範囲で循環的に特別図柄に係る図柄乱数カウンタの値に依存せずに変化する(図12のS2002及びS2015)。なお、特別図柄に係る図柄乱数カウンタの更新契機(S1004)と特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタの更新契機(S2002及びS2015)とが異なるために、それらの一定時間における更新回数、つまり、それらの値の進行速度は異なっており、特別図柄に係る図柄乱数カウンタと特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタとは同期しない。特別図柄に係る当選乱数カウンタ及び特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、特別図柄に係る図柄乱数カウンタ及び特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタの場合と同様である。
主制御基板920において、第1始動入賞スイッチ441による遊技球の検出に応じて、特別図柄に係る当選乱数カウンタ及び特別図柄に係る図柄乱数カウンタからそれらの現在値が第1特別図柄に係る当選識別値及び第1特別図柄に係る図柄識別値として取得される。また、主制御基板920において、第1特別図柄に係る当選識別値に基づいて、現在の遊技状態に対応する複数の大当り判定値を列挙した大当り判定値データを含む遊技状態別の大当り判定テーブルが参照され、大当りに当選したか否かが判定される(図15のS2301〜S2310)。具体的には、低確率遊技状態においては、第1特別図柄に係る当選識別値が、低確率遊技状態用の大当たり判定テーブルに含まれる少なくとも1種類の大当り判定値(例えば、2種類)のいずれかと同一である場合には大当りと判定される。一方、高確率遊技状態においては、第1特別図柄に係る当選識別値が、高確率遊技状態用の大当り判別テーブルに含まれる複数種類の大当り判別値(例えば、20種類)のいずれかと同一である場合には大当りと判定される。大当りに当選しなかった場合には小当りに当選したか否かが、第1特別図柄に係る当選識別値が所定の範囲内(例えば、「74」〜「77」)の値であるか否かによって判定され(図15のS2315〜S2316)、小当りにも当選しなかった場合にはハズレと判定される。
大当りに当選したと判定された場合には、第1特別図柄に係る図柄識別値に基づいて、大当りの種類が決定され(図15のS2312)、第1特別図柄に係る図柄識別値に応じた大当り図柄表示データが作成されて停止図柄情報として設定される(図15のS2313)。なお、第1特別図柄に係る図柄識別値ごとに異なる大当り図柄表示データが生成される。また、小当りに当選したと判定された場合には、小当りの当選値及び第1特別図柄に係る図柄識別値に基づいて小当り図柄表示データが作成される(図15のS2318)。また、ハズレと判定された場合には、所定のハズレ図柄表示データ(例えば、「1」)が設定される。なお、各種の小当り図柄表示データは、全ての大当り図柄表示データと異なり、また、ハズレ図柄表示データは、全ての大当り図柄表示データ及び全ての小当り図柄表示データと異なる。
第1特別図柄表示装置471においては、停止図柄情報の決定後に第1特別図柄の変動表示が開始され、最終的に、停止図柄情報として設定された図柄表示データに基づいて発光部10〜21が所定の発光パターンで一定時間にわたって発光することによって第1特別図柄に係る停止図柄の確定表示が行われる。
上記においては、第1特別図柄に係る大当り抽選やその結果表示等について説明したが、第2特別図柄に対しても第1特別図柄の場合と実質的に同一であるために、上記において「第1始動入賞スイッチ441」を「第1始動入賞スイッチ442」と読み替え、「第1特別図柄表示装置471」を「第2特別図柄表示装置472」と読み替え、「第1特別図柄」を「第2特別図柄」と読み替えることとして重複する説明を省略する。なお、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、特別図柄に係る図柄乱数カウンタ、特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ、各種の大当り判定テーブルは、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通に使用される。
ここで、大当りの種類の判別について詳細に説明する。図20は、第1特別図柄用の大当り図柄識別値と大当りの種類との対応を表す説明図であり、図20(A)及び図20(B)がそれぞれ低確率遊技状態及び高確率遊技状態の場合を表している。また、図21は、第2特別図柄用の大当り図柄識別値と大当りの種類との対応を表す説明図であり、図21(A)及び図21(B)がそれぞれ低確率遊技状態及び高確率遊技状態の場合を表している。
主制御基板920のROM(図示せず)には、低確率遊技状態における第1特別図柄に係る大当りの種類を判別するための低確率遊技状態用の複数種類の大当り種別判定値(例えば、「16」、「112」、「128」、「144」及び「160」)を含む大当り種別判定データと、高確率遊技状態における大当りの種類を判別するための高確率遊技状態用の大当り種別判定値(例えば、「56」、「64」、「88」及び「112」)を含む大当り種別判定データとが記憶されており、第1特別図柄に係る大当りの種類は、遊技状態に応じた各種の大当り種別判定値と第1特別図柄に係る図柄識別値との所定の順序での大小判定によって決定される(図15のS2306〜S2310)。具体的には、低確率遊技状態においては、第1特別図柄に係る図柄識別値が「0」〜「15」の場合に標準通常大当りと判定され、「16」〜「111」の範囲内の場合に標準時短大当りと判定され、「112」〜「127」の範囲内の場合に突然時短大当りと判定され、「128」〜「143」の範囲内の場合に突然確変大当りと判定され、「144」〜「159」の範囲内の場合には潜伏確変大当りと判定され、「160」〜「255」の範囲内の場合には突然確変大当りと判定される。同様に、高確率遊技状態においては、第1特別図柄に係る図柄識別値が「0」〜「55」の範囲内の場合に標準時短大当りと判定され、「56」〜「63」の範囲内の場合に突然時短大当りと判定され、「64」〜「87」の範囲内の場合に突然確変大当りと判定され、「88」〜「111」の範囲内の場合には潜伏確変大当りと判定され、「112」〜「255」の範囲内の場合には標準確変大当りと判定される。つまり、低確率遊技状態においては図20(A)に示されたように、また、高確率遊技状態においては図20(B)に示されたように、第1特別図柄に係る図柄識別値と第1特別図柄に係る大当りの種類とが対応付けられていることになる。
第1特別図柄に係る大当りの種類の判別の場合と同様に、低確率遊技状態における第2特別図柄に係る大当りの種類を判別するための低確率遊技状態用の大当り種別判定値(例えば、「128」)を含む大当り種別判定データと、高確率遊技状態における第2特別図柄に係る大当りの種類を判別するための高確率遊技状態用の大当り種別判定値(例えば、「64」)を含む大当り種別判定データとが記憶されており、第2特別図柄に係る大当りの種類は、遊技状態に応じた大当り種別判定値と第2特別図柄に係る図柄識別値との所定の順序での大小判定によって決定される。つまり、低確率遊技状態においては図21(A)に示されたように、また、高確率遊技状態においては図21(B)に示されたように、第2特別図柄に係る図柄識別値と第2特別図柄に係る大当りの種類とが対応付けられていることになる。
第1特別図柄に係る図柄識別値及び第2特別図柄に係る図柄識別値に応じた停止図柄情報の生成について詳細に説明する。なお、第1特別図柄に対する場合と第2特別図柄に対する場合とは実質的に同一であるために、第1特別図柄に係る停止図柄情報の生成についてのみ詳細に説明する。図22は、大当り当選時における第1特別図柄に係る図柄識別値、変換値、系列識別値及び要素識別値のそれぞれとの対応の一例を2進数表記で表す説明図である。図23は、小当り当選時における第1特別図柄に係る当選識別値、図柄識別値、系列識別値及び要素識別値のそれぞれとの対応の一例を2進数表記で表す説明図である。図24及び図25は、それぞれ、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る図柄表示データの初期値テーブルを表す説明図である。図26は、線形帰還シフト演算を概念的に説明する説明図である。図27は、線形帰還シフト演算による生成値を説明する説明図である。図28及び図29は、線形帰還シフト演算の演算過程を表す説明図である。
第1特別図柄に係る図柄識別値は、図22(A)に示されたように、8ビット情報であるので、第0ビット(D0)〜第7ビット(D7)の値を「a」〜「h」とするビット表示で表される。但し、各ビットにおける値「a」〜「h」の各々は、「0」又は「1」を意味する。なお、第1特別図柄に係る図柄識別値は、8ビットで表される「0」〜「255」の範囲内の全ての値をとりえるために、固定的に「0」のビットは存在しない。
大当たり当選時において、第1特別図柄に係る図柄識別値の第0ビット(D0)〜第2ビット(D2)及び第7ビット(D7)の4つのビット(図22(A)中で丸点を付していないビット)の値に基づいて、図22(C)に示されたように、第1特別図柄に係る系列識別値が決定され、また、第1特別図柄に係る図柄識別値の第3ビット(D3)〜第6ビット(D6)の4つのビット(図22(A)中で丸点を付しているビット)の値に基づいて、図22(D)に示されたように、第1特別図柄に係る要素識別値が決定される。具体的には、まず、第1特別図柄に係る図柄識別値に対する3ビット分の右ローテート(〔ビット変換〕の一種)によって、図22(B)に示されたように、第1特別図柄に係る図柄識別値に対する第1特別図柄に係る変換値が生成される(図16のS101)。第1特別図柄に係る変換値に対する4ビット分の右シフトによって、図22(C)に示されたように、第1特別図柄に係る変換値の上位4ビット(第1特別図柄に係る図柄識別値のD0〜D2及びD7:図22(A)参照)に対応する第1特別図柄に係る系列識別値が抽出され(図16のS102)、また、第1特別図柄に係る変換値と「31(00001111B)」との論理積演算によって、図22(D)に示されたように、第1特別図柄に係る変換値の下位4ビット(第1特別図柄に係る図柄識別値のD3〜D6:図22(A)参照)に対応する第1特別図柄に係る要素識別値が抽出される(図16のS104)。なお、第1特別図柄に係る系列識別値は4ビットで表される全範囲(「0」〜「15」)の値をとり、第1特別図柄に係る要素識別値も4ビットで表される全範囲(「0」〜「15」)の値をとる。
一方、小当り当選時において、第1特別図柄に係る当選識別値の下位2ビットによって第1特別図柄に係る系列識別値が決定され、また、大当り当選時と同様に、第1特別図柄に係る図柄識別値の第3ビット(D3)〜第6ビット(D6)の4つのビットの値に基づいて第1特別図柄に係る要素識別値が決定される。具体的には、まず、図23(A)に示された第1特別図柄に係る図柄識別値に対する3ビット分の右ローテートによって、図22(B)に示されたように、第1特別図柄に係る図柄識別値に対する第1特別図柄に係る変換値が生成される(図18のS301)。第1特別図柄に係る当選識別値と「3(00000011B)」との論理積演算によって、図23(C)に示されたように、第1特別図柄に係る系列識別値が抽出され(図18のS302)、また、第1特別図柄に係る変換値と「31(00001111B)」との論理積演算によって、図23(D)に示されたように、第1特別図柄に係る変換値の下位4ビット(第1特別図柄に係る図柄識別値のD3〜D6)に対応する第1特別図柄に係る要素識別値が抽出される(図18のS304)。なお、第1特別図柄に係る系列識別値は、大当り当選時とは異なり2ビットで表される全範囲(「0」〜「4」)の値をとり、第1特別図柄に係る要素識別値は大当り当選時と同様に4ビットで表される全範囲(「0」〜「15」)の値をとる。
次に、第1特別図柄に係る大当たり当選時において、大当り図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る図柄表示データの初期値テーブル(ROMの一部の領域;以下において「大当たり図柄初期値テーブル」とも略記する)から、現在の遊技状態(低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを判別する確変状態フラグの値)及び系列識別値の組合せに応じた図柄表示データの初期値が選択される。大当たり図柄初期値テーブルは、図24に示されたように、遊技状態の種類及び系列識別値の組合せごとに異なる1つの初期値、つまり、遊技状態の種類が2種類であり、第1特別図柄に係る系列識別値が16種類であるために32個の初期値を含んでいる。一方、小当り抽選時において、小当り図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る図柄表示データの初期値テーブル(ROMの一部の領域;以下において「小当たり図柄初期値テーブル」とも略記する)から、小当り当選値に応じた図柄表示データの初期値が選択される。小当り図柄初期値テーブルは、図25に示されたように、小当り判定値の個数と同数の初期値、例えば「74」〜「77」に応じた4個の初期値を含んでいる。大当り図柄初期値テーブルのデータ容量は64バイトであり、小当り図柄初期値テーブルのデータ容量は8バイトである。
最後に、第1特別図柄に係る大当りの当選時においては遊技状態の種類(確変状態フラグの値)及び系列識別値の組合せに応じて選択された初期値、一方、小当り当選時においては小当り当選値に応じて選択された初期値から、図26(A)に示されたような最長の乱数列を生成する12ビットの生成式(X12+X11+X10+X4+1)に対応する図26(B)に示された線形帰還シフト演算を要素識別値と同一回数だけ繰り返すことによって、停止図柄情報として設定される図柄表示データが生成される。具体的には、要素識別値が「0」である場合には、系列識別値に応じた初期値が停止図柄情報として設定され、要素識別値が「1」である場合には、その初期値に線形帰還シフト演算を実行して生成された第1番目の生成値が停止図柄情報として設定され、また、要素識別値が「i(2≦i≦15)」である場合には、線形帰還シフト演算をi回だけ実行して生成された第i番目の生成値が停止図柄情報として設定される。
ここで、生成式(X12+X11+X10+X4+1)に対応する線形帰還シフト演算について詳細に説明する。図26(B)に示された線形帰還シフト演算は、演算前の第0ビット(D0)の値を第11ビット(D11)の値とし、演算前の第1ビット(D1)〜第3ビット(D3)の値をそれぞれ1ビットだけ右シフトさせて第0ビット(D0)〜第2ビット(D2)の値とし、演算前の第4ビット(D4)と演算前の第0ビット(D0)との排他的論理和の値を第3ビット(D3)の新たな値とし、演算前の第5ビット(D5)〜第9ビット(D9)の値をそれぞれ1ビットだけ右シフトさせて第4ビット(D4)〜第8ビット(D8)の新たな値とし、演算前の第10ビット(D10)の値と演算前の第0ビットの値との排他的論理和の値を第9ビット(D9)の新たな値とし、演算前の第11ビット(D11)と演算前の第0ビット(D0)との排他的論理和の値を第10ビット(D10)の新たな値とし、演算前の第11ビット(D11)と演算前の第0ビット(D0)との排他的論理和の値を第10ビット(D10)の新たな値とすることによって、演算前の図柄表示データから新たな図柄表示データを生成する。結果的には、図27(A)に示された演算前の値に対して、演算後の値は、演算前の第0ビット(D0)の値(「a」)が「0」の場合には図27(B)に示された値になり、一方、演算前の第0ビット(D0)の値(「a」)が「1」の場合には図27(C)に示された値になる。なお、図27において「a」〜「i」の各々は「0」又は「1」であり、横棒が付された「a」〜「i」の各々はその反転値を表している。
図27(A)と図27(B)との比較からわかるように、演算前の値における第0ビット(D0)の値(「a」)が「0」であれば、演算後の値は、演算前の値を1ビットだけ右シフトし、第11ビット(D11)に「0(演算前の第0ビットの値と同一)」を設定した値になる。一方、演算前の値における第0ビット(D0)の値(「a」)が「1」であれば、図27(A)と図27(C)との比較からわかるように、演算後の値は、演算前の値を1ビットだけ右にビットシフトし、第11ビットに「1(演算前の第0ビットの値と同一)」を設定すると共に、第3ビット、第8ビット、第9ビット及び第10ビットの値を反転させた値となる。この反転されるビットは、生成式における各Xの指数部で指定されるビットに対応している。但し、生成式においては最下位ビットを第1ビットとした場合の標記であるが、本形態では最下位ビットを第0ビットとした標記を採用しているために、生成式における各Xの指数部で指定されるビットは「1」だけずれている。
主制御基板920における単位制御ビット数が1バイト(8ビット)であるために、具体的には、図28及び図29に示された過程を経て、線形帰還シフト演算が実行される。図柄表示データは、図28(A)に示されたように、2つの領域に分割格納されており、また、図柄表示データが12ビットであるためにその上位バイトの上位側の4ビットは固定的に「0」である。まず、図28(B)に示されたように、演算前の図柄表示データの上位バイトが1ビットだけ右シフトされる(図17のS201)。なお、上位バイトの最上位ビット(D15)にはキャリービット(CY)の値(「0」)が格納され、最下位ビット(D8)の値(「i」)がキャリービット(CY)の新たな値として格納される。次に、図28(C)に示されたように、演算前の図柄表示データの下位バイトが1ビットだけ右シフトされる(図17のS202)。なお、下位バイトの最上位ビット(D7)にはキャリービット(CY)の値(「i」:上位バイトの第0ビット(D8))が格納され、最下位ビット(D8)の値がキャリービット(CY)の新たな値として格納される。次に、キャリービット(CY)の値が「0」であるか「1」であるかが判定される(図17のS203)。キャリービット(CY)の値が「0」である場合には(S203:Y)、図柄表示データの更新が完了する。一方、キャリービット(CY)の値が「1」である場合には(S203:N)、更に、図29(A)に示されたように、図柄表示データの上位バイトと生成式に対応するタップ値(CY)の上位バイトとの排他的論理和演算によって、タップ値の上位バイトにおいて値が「1」であるビットに対応する図柄表示データの上位バイトのビットの値が反転される(図17のS204)、また、図29(A)に示されたように、図柄表示データの下位バイトと生成式に対応するタップ値の下位バイトとの排他的論理和演算によって、タップ値の下位バイトにおいて値が「1」であるビットに対応する図柄表示データの下位バイトのビットの値が反転される(図17のS205)。これによって、図柄表示データの更新が完了する。
ここで、第1特別図柄に係る図柄識別値の集合と、第1特別図柄に係る図柄識別値の変換値の集合と、その変換値の集合を複数の系列に分割した各部分集合と、生成式(X12+X11+X10+X4+1)に対応する線形帰還シフト演算で順次に生成される数列との相関について説明する。なお、第1特別図柄に係る図柄識別値の集合を数列Ai=i(0≦i≦255)で規定される順序集合、第1特別図柄に係る図柄識別値の変換値の集合を数列Bj=j(0≦j≦255)で規定される順序集合と見なし、また、複数の分割系列における第1特別図柄に係る図柄識別値の変換値の集合を数列Cm,n(0≦m(系列識別値)≦15,0≦n(要素識別値)≦15)で規定される順序集合と見なして説明する。
まず、数列Aiと数列Bjとの相関について説明する。図30は、第1特別図柄に係る図柄識別値のビット変換に伴う配列拡散の一例を一般化して表す説明図である。第1特別図柄に係る図柄識別値が「0」〜「7」である場合の変換値は、それぞれ、「0」、「32」、「64」、「96」、「128」、「160」、「192」及び「224」であり、「0」から順次に「32」ずつ増加した値となる。また、第1特別図柄に係る図柄識別値が「8」〜「15」である場合の変換値は、それぞれ、「1」、「33」、「65」、「97」、「129」、「161」、「193」及び「225」であり、「1」から順次に「32」ずつ増加した値となる。つまり、一般的に表せば、図30に示されたように、第1特別図柄に係る図柄識別値が「8i’+i”」(但し、0≦i’≦31,0≦i”≦7)である場合の変換値は、「i’+32i”」である。したがって、Bi’+32i”=A8i’+i”であり、つまり、Bj=A8(j−32k)+k(但し、32k≦j≦32k+31,0≦k≦7)を満たす。これは、数列Biの小さい項順に、まず、数列Aiにおいて「8」を法として「0」と合同な値の小さい項を対応させ、次に、数列Aiにおいて「8」を法として「1」と合同な値の小さい項を対応させ、同様に、数列Aiにおいて「8」を法として「2」〜「7」と合同な値の集合を同値な値が小さい順に対応させる場合の変換に対応する。換言すれば、数列Aiを値の小さいものから順に、数列Bjの値の小さい順に仮想的に均等に8つの領域に分割した第0領域〜第7領域(破線で区画された領域)へ領域番号の小さい順に循環的に領域ごとの循環順序を維持して振り分ける場合の変換に対応する。
次に、数列Bjと数列Cm,nとの相関について説明する。図31は、第1特別図柄に係る図柄識別値の変換値に対する系列分割の一例を一般化して表す配列分割の説明図である。大当り図柄識別値の変換値が「0」〜「15」である場合の系列識別値は「0」であり、その場合の要素番号はそれぞれ「0」〜「15」である。また、大当り図柄識別値の変換値が「16」〜「31」である場合の系列識別値は「1」であり、その場合の要素番号はそれぞれ「0」〜「15」である。したがって、図31に示されたように、Cm,n=B16m+nを満たす。これは、数列Bjにおける初項(第0項)から16項ごとの部分数列を第0系列の数列〜第15系列の数列に順次に対応させる分割に対応している。
最後に、数列Cm,nと生成式(X12+X11+X10+X4+1)に対応する線形帰還シフト演算で順次に生成される数列Zpとの相関について説明する。図32は、線形帰還シフト演算により生成される数列の一例の一部を表す説明図である。図35は、線形帰還シフト演算により生成される数列における展開許容領域を表す説明図である。図36は、帰還シフト演算により生成される数列上への系列単位の展開を表す説明図である。また、図37は、帰還シフト演算により生成される数列上への第0系列の展開を表す説明図である。
生成式(X12+X11+X10+X4+1)に対応する線形帰還シフト演算に基づいて、図32に示されたように、「0」以外の値を循環的に212−1種類の値をランダムにとる周期乱数列が生成される。数列Zpは、一周期において生成される数列を意味している。なお、数列Zpの初項(Z1)が「3592」である場合が示されているが、数列Zpの初項の値(生成開始値)は「0」以外の12ビットで表される範囲内の値であればどのような値であってもよい。
数列Zpにおいて、連続する最大11項(周期乱数列のビット数−1項)に対する各項の2進数表記における「0」と「1」との循環的な配列は類似する場合があるが、少なくとも12項以上は離れた任意の2つの項に対してはその類似性が低くなる。これは、図26〜図29を参照して説明したように、第0ビットが「0」である先行項から生成される後続項が先行項を右に1ビットだけ循環させただけの値となり、また、第0ビットが「1」である先行項から生成される後続項が先行項を右に1ビットだけ循環させた後に3つのビット(第3ビット、第9ビット及び第10ビット)を反転させた値となるからである。例えば、図32に示されたように、Z1〜Z4は循環的な配列が実質的に同一であり、同様に、Z5〜Z8は循環的な配列が実質的に同一であるが、Z4の第0ビットが「1」であることによって、Z1〜Z4の連続項とZ5〜Z8の連続項との間での類似性は低下している。なお、第0ビットが「1」である項を越えることによって変更(反転)されるビットは3つに限られているために、大幅に類似性を低減させるためには第0ビットが「1」である項を少なくとも2回越えなければならない。特に、Z4084〜Z4095のように、値が「1」であるビットの個数が少ない値の場合には、循環的な配列が実質的に同一な項の連続性が高くなる。
数列Cm,nの第(m’,n’)項は、図35に示されたように、低確率遊技状態において、数列Zpにおける第m’系列の初期値(図24も参照)に対応する項から項番が大きくなる側にn’項だけずれた項に対応し、高確率遊技状態において、数列Zpにおける第(m’+16)系列の初期値(図24も参照)に対応する項から項番が大きくなる側にn’項だけずれた項に対応する。具体的には、図37に示されたように、数列C0,nは、低確率遊技状態において、数列Zpにおける第0系列の初期値(「3592」)に対応する第1項から「n」の増加に応じて項番が増加する第16(=1+15)項までの部分数列に対応し、高確率遊技状態において、数列Zpにおける第16(=0+16)系列の初期値(「414」)に対応する第1377項から「n」の増加に応じて項番が増加する第1392(=1377+15)項までの部分数列に対応している。
ここで、大当り時の初期値テーブル及び小当り時の初期値テーブルに含めるべき初期値の選択について説明する。各種の図柄表示データの初期値は、各種の系列が数列Zp上において重複しないように少なくとも要素識別値と同数だけずらした項の値となるように選択されている。また、各種の図柄表示データの初期値は、第1図柄表示装置の発光部の発光個数、つまり、図柄表示データにおいて値が1のビットの個数が4〜9個の範囲内であるという条件を少なくとも要素識別値と同数(「16」)だけ連続して満たす複数の領域(以下、「展開許容領域」とも称す)のいずれかに各系列が包含されるように選択されている。具体的には、図35に示されたように、数列Zpには69箇所の展開許容領域(第1展開許容領域〜第69展開許容領域)が存在している。上記の条件を32項以上にわたって満たす展開許容領域には、複数の系列を展開することもでき、例えば、第1系列及び第2系列はそれらの系列が重複しないように第1展開許容領域内に展開されている。図36には、各展開許容領域内に展開できる系列の最大数(図35中の「最大展開許容数:16」)も示されており、それらの総数は「179」である。なお、参考のために、本形態とは異なり各系列の要素個数が32個(図35中の「最大展開許容数:32」)及び64個(図35中の「最大展開許容数:64」)の場合も示されている。また、図36から推察できるように、各系列の要素個数が128個である場合には、第24展開許容領域、第38展開許容領域及び第69展開許容領域の3つの展開許容領域にしか展開できない。なお、図44に示されたように、図柄表示データにおいて値が1のビットの個数が3〜9個の範囲内であるという条件の場合には分割することなく第21展開領域又は第57展開領域に展開できる。
結果的には、第1特別図柄に係る低確率遊技状態における大当りの当選に応じて、図38に示されたように、数列Zpの要素(停止図柄情報に設定される図柄表示データ)と第1特別図柄に係る図柄識別値とが対応付けられることとなる。図38において、第1特別図柄に係る図柄識別値の左肩の付された星印は特別遊技状態後に高確率遊技状態となる大当りを意味する。また、図柄識別値の右肩に付された丸印は特別遊技状態において実質的に多量の遊技球を獲得できる大当を意味し、右肩の三角印は特別遊技状態において実質的に遊技球を獲得できない大当りを意味し、更に、丸印及び三角印において白抜き状態は特別遊技状態後に時短遊技状態とならない大当りを意味し、それらの黒塗り状態は特別遊技状態後に時短遊技状態となる大当りを意味している。つまり、左肩及び右肩の組合せによって、[星−黒丸]の場合は標準確変大当り、[星−黒三角]の場合は突然確変大当り、[星−白三角]の場合は潜伏確変大当り、「星なし−黒丸」の場合は標準時短大当り、[星なし−黒三角]の場合は突然時短大当り、[星−白丸]の場合は標準通常大当りを意味することとなる。また、低確率遊技状態における第1特別図柄に係る大当りの当選に応じて、図39に示されたように、数列Zpの要素と第1特別図柄の当選識別値とが対応付けられることとなる。また、低確率遊技状態及び高確率遊技状態における第2特別図柄に係る大当りの当選に応じて、それぞれ、図40及び図41に示されたように、数列Zpの要素と第2特別図柄の当選識別値とが対応付けられることとなる。なお、図38〜図41において、低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかに関わらず、かつ、第1特別図柄の図柄識別値であるか第2特別図柄に係る図柄識別値であるかに関わらず数列Zpの要素と当選図柄識別値との対応は同一であり、大当りの当選種類が図20(A)及び図20(B)並びに図21(A)及び図21(B)に示されたように低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるか、また、第1特別図柄の図柄識別値であるか第2特別図柄に係る図柄識別値であるかに依存して異なるために、図柄識別値の左肩及び右肩に付される記号のみが異なっている。
図38からわかるように、数列Zpの連続項においてそれらの項に対応する当選図柄識別値の連続性がなくなっており、また、同一の大当りの種類に対応する複数の当選図柄識別値が複数の離隔する連続項(複数の系列)に拡散されている。
なお、上記においては、説明の便宜上、第1特別図柄に係る大当りの当選及び小当りの当選に応じて停止図柄の図柄表示データを作成する処理と第2特別図柄に係る大当りの当選及び小当りの当選に応じて停止図柄の図柄表示データを作成する処理とが個別の呼び出し関数(サブルーチンプログラム)であるかのように説明したが、実際的には、それらに対して共通の呼び出し関数によって実現されている。この呼び出し関数を記述するためのデータ容量は、概ね、50バイトである。
本形態の遊技機100であれば、各種の停止図柄の図柄表示データが特別図柄に係る図柄乱数の全ての値(256種類:0〜255)を表現できる最小のビット数(8ビット)より大きいビット数(12ビット)に対応する生成式に基づく線形帰還シフト演算によって生成されるために、停止図柄の図柄表示データのビット数が特別図柄に係る図柄乱数の値のビット数よりも拡張され、停止図柄を表示する発光パターンが複雑化される。停止図柄の複雑化によって、停止図柄に基づく小当りと大当りとの識別や大当りの種類の識別等が困難となる。
また、本形態の遊技機100であれば、1つの初期値から複数の停止図柄の図柄表示データが線形帰還シフト演算によって順次に生成されるために、全体的な容量を大幅に増加させることなく停止図柄の種類数を簡便に増加させることができ、停止図柄を表す発光パターンが多様化される。具体的には、各種の停止図柄の図柄表示データが、線形帰還シフト演算によって、停止図柄の種類数(576種類:大当り図柄512種+小当り図柄64種類)よりも少ない個数の初期値(36種類:大当り図柄用の32種類+小当り図柄用の4種類)に基づいて生成される。なお、従来の遊技機のように特別図柄に係る図柄乱数の値と図柄表示データとの対応を表す対応テーブルを用いて本形態と同一の各種の停止図柄の図柄表示データを決定しようとすれば、本形態のような図柄表示データの作成用の関数や各種の初期値は不要となるが、その対応テーブルが新たに必要となり、全体的な記憶容量は、その関数を記述するプログラム容量(50バイト程度)及び各種の初期値のデータ容量(72バイト:大当り図柄用の64バイト+小当り図柄用の16バイト)だけ減少するが、対応テーブルが新たに必要となり、その対応テーブルのデータ容量(1152バイト:2バイト×576種類)だけ増加することとなる。停止図柄の多様化によって、停止図柄に基づく小当りと大当りとの識別や大当りの種類の識別等が困難となる。
また、本形態の遊技機100であれば、図柄識別値集合の要素(図柄識別値)の配列順序がビット変換(3ビット分の右ローテート)によって変更される(以下において「配列拡散」とも称す)ために、図柄識別値集合において連続する図柄識別値が、線形帰還シフト演算により生成される乱数列上の不連続な項に離散するように対応付けられる。これによって、図柄識別値集合において連続する図柄識別値が同一種類の大当りに割り当てられていたとしても、その同一種類の大当りに対応する複数の大当り図柄に対する発光パターンの循環的な類似性が低下し、同一種類の大当りに対応する停止図柄の実効的な種類数を増加させることができる。したがって、停止図柄に基づく小当りと大当りとの識別や大当りの種類の識別等が更に困難となる。
また、本形態の遊技機100であれば、図柄識別値集合を表すビット列のビット数が単位制御ビット(制御ビット)と同一であるために、各種の図柄識別値の各々には固定的に「0」のビットが存在せず、図柄識別値から変換図柄識別値を生成する際のビット回転が簡便に行えるために、系列識別値と要素識別値の抽出が簡便となる。また、各種の系列識別値の各々には固定的に「0」であるビットを含まないために、系列識別値と初期値との対応付けが簡便に行える。また、各種の要素識別値の各々には固定的に「0」であるビットを含まないために、各種の系列内の全ての系列識別値が線形帰還シフト演算により生成される乱数列上において連続項に対応付けられるために、間欠的な項に対応付けられる場合のような余分な線形帰還シフト演算がなく図柄表示データを最大限に高速に生成することができる。
また、本形態の遊技機100であれば、各種の大当り図柄の図柄表示データが特別図柄に係る図柄乱数の値の種類数(256種類)よりも長い周期性(1周期:4095値)の乱数を発生する線形帰還シフト演算によって生成されるために、各種の初期値の選択によって、大当り図柄の図柄表示データを特別図柄に係る図柄乱数の値ごとに簡便かつ確実に異ならせることができる。つまり、各種の大当たり図柄は、所定の遊技状態(低確率遊技状態又は高確率遊技状態)において複数種類の大当りのいずれか1種類に対する専用の図柄となり、所定の1種類の遊技状態において、表示された停止図柄とその表示に応じた遊技機の動作とが一意的に対応することとなる。なお、例えば、所定の1つの大当り図柄が標準確変大当り時及び突然時短大当り時の双方において表示される可能性がある場合には、突然時短大当りに当選して突然時短大当り時の正常な動作が実行されているにも関わらず、標準確変大当りに当選したのに遊技機の故障によって突然時短大当りの当選時の動作が実行されたとの誤認の発生やそのような偽の主張によるトラブルの発生が抑制できる。
また、本形態の遊技機100であれば、各種の大当り図柄の図柄表示データが特別図柄に係る図柄乱数の値の種類数の少なくとも2倍よりも長い周期性の乱数を発生する線形帰還シフト演算によって生成されるために、各種の初期値の選択によって、大当り図柄の図柄表示データを少なくとも2種類の遊技状態(低確率遊技状態又は高確率遊技状態)と図柄乱数の値との組合せごとに異ならせることができる。つまり、遊技状態の種類(低確率遊技状態及び高確率遊技状態)及び大当りの種類のいずれか1種類の組合せに対する専用の図柄となり、表示された停止図柄とその表示に応じた遊技機の動作とが一意的に対応することとなる。これによって、例えば、大当りの種類の比率が低確率遊技状態と高確率遊技状態とで異なる遊技性を有する遊技機であって、所定の1つの大当り図柄が低確率遊技状態及び高確率遊技状態においてそれぞれ突然時短大当り及び標準確変大当りに対応している場合には、突然時短大当りに当選して突然時短大当り時の正常な動作が実行されているにも関わらず、標準確変大当りに当選したのに故障によって突然時短大当りの当選時の動作が実行されたとの誤認の発生やそのような偽の主張によるトラブルの発生が防止できる。一般的には、低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかは装飾図柄表示装置479や上中央枠発光装置271等によって報知されるので、そのような誤認等は発生しないが、大当りの種類として潜伏確変大当りが含まれているときには、通常、潜伏確変大当りの当選に応じた動作とハズレに応じた動作とが極力識別されないように、また、突然確変大当りと突然時短大当りとが含まれているときにはそれらの当選に応じた動作が極力識別されないように制御されるために、上記のような誤認等が発生し易くなる。
また、本形態の遊技機100であれば、停止図柄の図柄表示データが特別図柄に係る図柄乱数の種類数よりも長い周期性の乱数を発生する線形帰還シフト演算によって生成されるために、各種の初期値の選択によって、大当り図柄の図柄表示データを特別図柄に係る図柄乱数の値ごとに簡便かつ確実に異ならせることができると共に各種の大当り図柄と各種の小当り図柄と(当選識別値の相違)で簡便かつ確実に異ならせることができる。つまり、各種の大当り図柄は大当りに当選した場合に専用の図柄となり、各種の小当り図柄は小当りに当選した場合に専用の図柄となり、表示された停止図柄とその表示に応じた遊技機の動作とが一意的に対応することとなる。
また、本形態の遊技機100であれば、停止図柄の図柄表示データが図柄識別値の種類数(256種類)よりも長い周期性の乱数を発生する線形帰還シフト演算によって生成されるために、各種の初期値の選択によって、極めて視認性の高い停止図柄を表示する発光パターン、具体的には、全ての発光部10〜21が点灯するパターン、発光部10〜21のいずれか1つのみが点灯するパターン、発光部10〜21のいずれか1つのみが消灯するパターン及び全ての発光部10〜21が消灯するパターン、及び、視認性の高い停止図柄を表示する発光パターン、具体的には、発光部10〜21のいずれか2つのみが点灯するパターン及び発光部10〜21のいずれか2つのみが消灯するパターンが選択されることを簡便かつ確実に除外できる。これによって、停止図柄に基づく小当りと大当りとの識別や大当りの種類の識別等が更に困難となる。なお、発光部10〜21のいずれか3つのみが点灯するパターンも除外して、停止図柄として採用する発光パターンを更に限定している。これは、線形帰還シフト演算によって生成される乱数列の特性上、値が「1」であるビット数(点灯する発光部の個数)が少ない場合には、循環的な「1」の配列が実質的に同一な項の連続性(発光パターンの循環的な類似性)が高くなることによる。
また、本形態の遊技機100であれば、線形帰還シフト演算を規定する所定のビット数(12ビット)に対応する生成式として、同一ビット数に対応する各種の生成式のうち最長周期の乱数(4095値)を発生する生成式を選択したために、各種の初期値の選択に係る自由度が増加し、上記の各種の初期値の選択に依存して発生する効果を簡便かつ確実に発現させることができる。
また、本形態の遊技機100であれば、図柄識別値集合が複数の系列(16系列)に分割されて同一系列に含まれる複数の図柄識別値が線形帰還シフト演算により生成される乱数列の部分数列に対応付けられる(以下において「分割展開」とも称す)ために、本形態と異なり複数の系列に分割しない場合に比べて、初期値の数は増加するが、図柄識別値から停止図柄の図柄表示データを生成するために必要な最大時間が低減される。これは、図柄識別値から停止図柄の図柄表示データを生成するために必要な最大時間が、各系列内における最大の要素数(16個)に応じて増加することによる。
また、本形態の遊技機100であれば、線形帰還シフト演算により生成される乱数列上への図柄識別値集合の分割展開によって、同一種類の大当りに対応する複数の大当り図柄に対する類似性が低下する。これは、線形帰還シフト演算によって生成される乱数列の特性上、乱数列の連続項に対して、値が「1」であるビットの循環的な配列(発光パターンの循環的な類似性)が類似するからである。この大当り図柄の類似性の低下によって、同一種類の大当りに対応する停止図柄の実効的な種類数を増加させることができ、停止図柄に基づく小当りと大当りとの識別や大当りの種類の識別等が更に困難となる。
また、本形態の遊技機100であれば、線形帰還シフト演算により生成される乱数列上への図柄識別値集合の分割展開によって、図柄識別値集合を特定の条件を満たす領域(展開許容領域)のみに簡便に展開できる。これは、線形帰還シフト演算により生成される乱数列上において、特定の条件を満たす連続する256項の領域を確保するよりも、特定の条件を満たす連続する16項の領域を16箇所だけ確保する方が一般的に容易であることによる。また、同一のビット数に対応する複数の生成式において、本形態と異なり分割展開しない場合には適用できない生成式であっても、分割展開する場合には適用できる生成式があるために、図柄識別値集合の乱数列上への分割展開によって、生成式の選択の自由度が増加する。
本形態においては、図柄識別値からその変換値を生成するために図柄識別値を表すビット列を3ビットだけ右にローテートさせたが、本発明においては、1ビット以上8ビット未満であれば他のビット数だけ右にローテートさせてもよい。同様に、図柄識別値を表すビット列を右にローテートさせたが、本発明においては、左にローテートさせてもよい。なお、回転させるビット量や回転方向に応じて、変換値集合の要素配列は変化することとなる。ここで、図柄識別値を4ビットだけ右にローテートさせた変換値を適用した場合について説明する。図45は、低確率遊技状態における第1特別図柄に係る大当りの当選に応じた第1特別図柄に係る図柄識別値と帰還シフト演算により生成される数列との他の対応を表す説明図である。図45に示されたように、各系列内の図柄識別値の増加量が図39に示された場合よりも大きくなって各系列内に全ての大当りの種類の各々に対応付けられた図柄識別値が少なくとも1つ含まれることとなり、同一大当り種類における停止図柄の類似性が更に低下すると共に異なる大当り種類に対する停止図柄の類似性が更に向上し、大当り種類の判読性が更に低下する。
本形態においては、図柄識別値からその変換値を生成するビット変換においてビット回転のみを適用したが、本発明においては、ビット回転と共に所定のビット置換や所定のビット反転を組み合わせる構成とすることもでき、また、ビット回転は行わずにビット置換やビット反転やそれらを組み合わせる構成とすることもできる。
本形態においては、図柄識別値からその変換値への変換において低確率遊技状態と高確率遊技状態とで共通化したが、本発明においては、低確率遊技状態と高確率遊技状態とで異なるビット変換を適用する構成とすることもできる。同様に、図柄識別値からその変換値への変換において大当り図柄の作成の場合と小当り図柄の作成の場合とで共通化したが、本発明においては、大当り図柄の作成の場合と小当り図柄の作成の場合とで異なるビット変換を適用する構成とすることもできる。