JP5544237B2 - 低温脱着材料、その製造方法及び低温脱着方法 - Google Patents
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Description
しかし、吸着と脱着とを繰り返し行うためには吸着時に多量の水分を吸着し、かつ脱着時にはできるだけ低温で吸着した水を脱着する材料が望まれている。
吸着ヒートポンプや調湿空調用吸着材として従来より検討されているY型ゼオライトは相対蒸気圧がほぼ0に近い値であっても吸着物質を吸着するので、吸着物質を脱着させるには、相対蒸気圧をほぼ0にするために150℃〜200℃以上の高温が必要となる。したがって、これまでY型ゼオライトは、上述した低温廃熱を利用した吸着ヒートポンプや調湿装置に用いることが難しいという問題があった。
(1)水分吸着可能なゼオライトからなり、かつ該ゼオライトに吸着された水分を、大気圧下又は減圧下、80℃以下の温度にて脱着し得る低温脱着材料であって、
前記水分吸着可能なゼオライトが、下記(A)及び(B)の少なくともいずれかであることを特徴とする低温脱着材料、
(A)SiO2/Al2O3モル比が10.0以上であるβ型ゼオライト。
(B)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の10%以上がリチウムイオンであり、SiO2/Al2O3モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
(2)前記(B)のゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の30%以上がリチウムイオンである上記(1)に記載の低温脱着材料、
(3)ゼオライトに吸着された水分を、大気圧下又は減圧下、50℃以下の温度にて脱着し得る上記(1)または(2)に記載の低温脱着材料、
(4)水分吸着可能なゼオライトからなり、かつ該ゼオライトに吸着された水分を、大気圧下又は減圧下に80℃以下の温度にて脱着し得る低温脱着材料の製造方法であって、
構造中にプロトン、アルカリ金属及びアルカリ土類金属原子の少なくともいずれかを含み、かつリチウムイオンの含有比率がイオン交換可能なイオン数の10%未満であり、SiO2/Al2O3モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種のゼオライトを水、アルコール類、ケトン類、エステル類及びエーテル類から選ばれる少なくとも一種の溶媒に懸濁させてゼオライト懸濁液とする工程と、
該ゼオライト懸濁液とリチウム化合物とを接触させることにより、構造中のイオン交換可能なイオン数の10%以上をリチウムイオンに交換する工程とを有することを特徴とする低温脱着材料の製造方法、
(5)前記リチウム化合物が、ハロゲン化リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム及び硫酸リチウムから選ばれる少なくとも一種である上記(4)に記載の低温脱着材料の製造方法、
(6)前記ゼオライト懸濁液中のゼオライトと前記リチウム化合物との割合が、質量比で1:0.5〜1:100の範囲である上記(4)または(5)に記載の低温脱着材料の製造方法、
(7)前記リチウム化合物が、塩化リチウムである上記(4)〜(6)のいずれかに記載の低温脱着材料の製造方法、
(8)前記リチウムイオンに交換する工程が、構造中のイオン交換可能なイオン数の30%以上をリチウムイオンに交換する工程である上記(4)〜(7)のいずれかに記載の低温脱着材料の製造方法、
(9)水分吸着可能なゼオライトに吸着された水分を、大気圧下又は減圧下に50℃以下の温度にて脱着し得る上記(4)〜(8)のいずれかに記載の低温脱着材料の製造方法、
(10)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の低温脱着材料を、大気圧下又は減圧下に、80℃以下の温度で加熱処理することにより、水分を脱着することを特徴とする低温脱着方法、及び
(11)前記加熱処理温度が、50℃以下である上記(10)に記載の低温脱着方法、
を提供するものである。
[低温脱着材料]
本発明の低温脱着材料は、水分吸着可能なゼオライトからなり、かつ該ゼオライトに吸着された水分を、大気圧下又は減圧下に80℃以下の温度にて脱着し得る低温脱着材料であって、
前記水分吸着可能なゼオライトが、下記(A)及び(B)の少なくともいずれかであることを特徴とする。
(A)SiO2/Al2O3モル比が10.0以上であるβ型ゼオライト。
(B)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の10%以上がリチウムイオンであり、SiO2/Al2O3モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
なお、本発明において前記「脱着」とは、大気圧下、吸水した水を、吸水前の自重の4.0質量%以上放出することをいう。
ゼオライトは、ケイ酸塩の縮合酸の構造を有し、その基本単位は、ケイ素(Si)を中心として形成される4個の酸素(O)が頂点に配置されたSiO44面体と、このSiO44面体のケイ素の代わりにアルミニウム(Al)が置換したAlO44面体であり、これらと他の種々の基本構造の単位が三次元的に組み合わさり、無数の微細なチャンネル(通路)とケージ(空洞)が形成されたものである。このチャンネル、ケージは、分子吸着やイオン交換などの多様な特性を発現する。
ゼオライトの組成は、一価及び二価のカチオンを、それぞれM+、M2+で示すと、下記式(1)のように表すことができる。
M+=Li+,Na+,K+,Rb+,(CH3)4N+,(C2H5)4N+,(C3H7)4N+,C8H16N+
M2+=Ca2+,Mg2+,Ba2+,Sr2+,C8H18N2 2+
(式中、m及びnは整数でn≧mであり、xは0以上の数である。)
なお、前記C8H16N+は、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7,7−ジメチルアンモニウムイオンであり、C8H18N2 2+は、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジメチルアンモニウムイオンである。
また、ZSM−5は、Mobil Oil社(米)により開発された、十員酸素環をもつ高シリカ−ペンタシル型合成ゼオライトであり、その類縁体として、ZSM−11、シリカライト、シリカライト−2、ペンタシル型メタロケイ酸塩などが知られている。
ZSM−5の単位格子組成は、下記式(2)
Nan(AlnSi96-nO192)・16H2O (n<27) ・・・(2)
で表すことができる。
<SiO2/Al2O3モル比の測定>
SiO2/Al2O3モル比は、XRF(蛍光X線測定装置)を用いた測定により、当該ケイ素及びアルミニウムの定量値をもとに算出することができる。
<イオン交換可能なカチオンのリチウムイオンへの交換率の測定>
イオン交換可能なカチオンのリチウムイオンへの交換率は、XRF(蛍光X線測定装置)又はICP(発光分析装置)を用いた測定により、当該リチウムの定量値をもとに算出することができる。
また、減圧下で脱着する場合には、通常0.1〜50kPa程度、好ましくは1〜10kPaの圧力で操作することが望ましい。
[低温脱着材料の製造方法]
本発明の低温脱着材料の製造方法は、水分吸着可能なゼオライトからなり、かつ該ゼオライトに吸着された水分を、大気圧下又は減圧下に80℃以下の温度にて脱着し得る低温脱着材料の製造方法であって、
構造中にプロトン、アルカリ金属及びアルカリ土類金属原子の少なくともいずれかを含み、かつリチウムイオンの含有比率がイオン交換可能なイオン数の10%未満であり、SiO2/Al2O3モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種のゼオライトを水、アルコール類、ケトン類、エステル類及びエーテル類から選ばれる少なくとも一種の溶媒に懸濁させてゼオライト懸濁液とする工程と、
該ゼオライト懸濁液とリチウム化合物とを接触させることにより、ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の10%以上をリチウムイオンに交換する工程とを有することを特徴とする。
本発明の低温脱着材料の製造方法におけるゼオライト懸濁液の調製工程においては、ゼオライトとして、構造中にプロトン、アルカリ金属及びアルカリ土類金属原子から選ばれる少なくとも一種を含み、かつリチウムイオンの含有比率が、イオン交換可能なイオン数の10%未満、好ましくは1%以下であって、SiO2/Al2O3モル比が5.0以上、好ましくは10以上、より好ましくは15〜100であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種が用いられる。
ゼオライト懸濁液の濃度は、通常0.1〜70質量%程度、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の低温脱着材料の製造方法における、前記ゼオライト中のイオン交換可能なイオンをリチウムイオンに交換する工程において、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンとしては、プロトン、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンから選ばれる少なくとも一種のカチオンを挙げることができる。
本発明においては、前記カチオンの数の10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは60%以上をリチウムイオンに交換する。このリチウムイオン源としては、例えばハロゲン化リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム及び硫酸リチウムなどから選ばれる少なくとも一種のリチウム含有化合物を挙げることができるが、特に塩化リチウムが好適である。イオン源となる化合物は、ゼオライト懸濁液に固体のまま投入してもよいが、分散性、反応速度の向上のためには溶液として投入することが好ましい。溶媒は特に限定されないが、イオン源の溶解度、イオン交換反応の反応への影響等を勘案すると、水溶液として投入することが特に好ましい。
イオン交換の反応温度は、特に制限はないが、通常0〜200℃程度、好ましくは20〜100℃であり、また、反応時間は、反応温度などの要因に左右され、一概に決めることはできないが、通常10〜120分間程度で十分である。
なお、前記のイオン交換反応における、前記ゼオライトと、前記水溶性リチウム含有化合物との割合は、質量比で1:0.5〜1:100の範囲が好ましく、1:1〜1:80の範囲がより好ましく、1:2〜1:50の範囲がさらに好ましい。
本発明の低温脱着材料は、前述したように(A)SiO2/Al2O3モル比が10.0以上、好ましくは15以上、より好ましくは20〜100であるβ型ゼオライト、及び/又は(B)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは60%以上がリチウムイオンであり、かつSiO2/Al2O3モル比が5.0以上、好ましくは10以上、より好ましくは15〜100である、Y型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる一種であり、前記(B)ゼオライトは、前述した低温脱着材料の製造方法によって効率よく製造することができる。
当該製造方法によって得られた低温脱着材料は、そのゼオライトに吸着された水分を、大気圧下又は減圧下、80℃以下の温度、好ましくは50℃以下の温度で脱着することができる。
当該低温脱着方法における脱着条件については、前述した本発明の低温脱着材料の説明において、示したとおりである。
本発明の低温脱着材料は、吸着ヒートポンプや調湿空調装置などに好適に用いられる。
なお、諸特性は、以下に示す方法に従って求めた。
(1)イオン交換可能なカチオンのリチウムイオン交換率
各実施例で得られたリチウム含有ゼオライトにおけるリチウムイオン交換率を、明細書本文に記載の方法に従って、下記の測定装置及び測定条件により求めた。
・測定条件:蛍光X線測定装置(島津製作所製XRF−1700)による定量分析
・イオン交換率の計算:アルミニウム1原子あたりのリチウム原子数を、検量線を用いて定量し、リチウムイオン交換率を算出した。
(2)ゼオライトのSiO2/Al2O3モル比
各例で用いたゼオライト中のSiO2/Al2O3モル比を、明細書本文に記載の方法に従って、下記の測定装置及び測定条件により求めた。
・測定条件:蛍光X線測定装置(島津製作所製XRF−1700)による定量分析
・SiO2/Al2O3モル比の計算:蛍光X線測定によって測定したSiとAlとの質量比率を、検量線を用いて定量し、SiO2/Al2O3モル比を算出した。
(3)水の脱着率の算出
吸水前のゼオライトの質量をA、吸水後のゼオライトの質量をB、及び脱着後のゼオライトの質量をCとすると、脱着率は、下記の式
脱着率(質量%)=[(B−C)/A]×100
で算出される。
実施例1
1000ml容量のプラスチック製ビーカーにプロトンタイプの粉末状Y型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比:70)100gと純水500gを入れ、懸濁させた。攪拌しながら水温を65〜70℃に保ち、塩化リチウムの25質量%水溶液400gを添加し、65℃〜70℃で30分攪拌を続けた。減圧濾過し、90℃の熱湯1000mlでゼオライトを洗浄した。濾紙上のゼオライトを200℃で30分間乾燥した後、更に450℃で1時間焼成した。蛍光X線測定法にてリチウムの含有量を測定した。イオン交換可能なカチオンのリチウムイオン交換率は70%であった。
ゼオライトをZSM−5型(SiO2/Al2O3モル比:10)粉末に変える以外は、実施例1と同様の操作を行った。蛍光X線測定法にてリチウムの含有量を測定したところ、イオン交換可能なカチオンのリチウムイオン交換率は65%であった。
ゼオライトをナトリウムタイプのβ型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比:30)粉末に変える以外は、実施例1と同様の操作を行った。蛍光X線測定法にてリチウムの含有量を測定したところ、イオン交換可能なカチオンのリチウムイオン交換率は60%であった。
実施例4
実施例1にて製造したリチウム含有Y型ゼオライト粉末5.0gを20℃、相対湿度60%の状態で10時間保管した。取り出したゼオライトの質量は5.75gであった。取り出したゼオライトを、大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持したところ、取り出したゼオライトの質量は5.48gとなっていた。ゼオライトに対する水の脱着率は、5.4質量%であった。
ゼオライトを実施例2にて製造したリチウム含有ZSM−5型ゼオライト粉末5.0gに変える以外は、実施例4と同様に脱着試験を行った。20℃、相対湿度60%の状態で10時間保管後取り出したゼオライトの質量は5.66gであった。取り出したゼオライトを、大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持したところ、取り出したゼオライトの質量は5.41gとなっていた。ゼオライトに対する水の脱着率は、5.0質量%であった。
ゼオライトをナトリウムタイプのβ型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比15)粉末5.0gに変える以外は、実施例4と同様に脱着試験を行った。20℃、相対湿度60%の状態で10時間保管後取り出したゼオライトの質量は5.54gであった。取り出したゼオライトを大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持したところ、取り出したゼオライトの質量は5.30gとなっていた。ゼオライトに対する水の脱着率は、4.8質量%であった。
ゼオライトを実施例3にて製造したリチウム含有ゼオライト粉末5.0gに変える以外は、実施例4と同様に脱着試験を行った。20℃、相対湿度60%の状態で10時間保管後取り出したゼオライトの質量は5.63gであった。取り出したゼオライトを、大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持したところ、取り出したゼオライトの質量は5.41gとなっていた。ゼオライトに対する水の脱着率は、4.4質量%であった。
ゼオライトをプロトンタイプのY型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比:70、リチウム含有量:0)粉末5.0gに変える以外は、実施例4と同様に脱着試験を行った。20℃、相対湿度60%の状態で10時間保管後取り出したゼオライトの質量は5.56gであった。取り出したゼオライトを大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持したところ、取り出したゼオライトの質量は5.40gとなっていた。ゼオライトに対する水の脱着率は、3.2質量%であった。
1000ml容量のプラスチック製ビーカーにプロトンタイプの粉末状Y型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比:70)100gと純水500gとを入れ、懸濁させた。攪拌しながら水温を65〜70℃に保ち、10質量%の塩化リチウム水溶液100gを添加し、65℃〜70℃で30分攪拌を続けた。減圧濾過し、90℃の熱湯1000mlでゼオライトを洗浄した。濾紙上のゼオライトを450℃で30分間乾燥し、蛍光X線測定法にてリチウムの含有量を測定した。イオン交換可能なカチオンのリチウムイオン交換率は8.3%であった。
こうして得られたゼオライトについて、実施例4と同様に脱着試験を行った。20℃、相対湿度60%の状態で10時間保管後取り出したゼオライトの質量は5.46gであった。取り出したゼオライトを大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持したところ、取り出したゼオライトの質量は5.40gとなっていた。ゼオライトに対する水の脱着率は、1.2質量%であった。
ゼオライトをカルシウムタイプのY型ゼオライト(リチウム含有量:0)5.0gに変える以外は、実施例4と同様に脱着試験を行った。20℃、相対湿度60%の状態で10時間保管後取り出したゼオライトの質量は5.44gであった。取り出したゼオライトを大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持したところ、取り出したゼオライトの質量は5.29gとなっていた。ゼオライトに対する水の脱着率は、3.0質量%であった。
ゼオライトをナトリウムタイプのβ型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比:5)粉末5.0gに変える以外は、実施例4と同様に脱着試験を行った。20℃、相対湿度60%の状態で10時間保管後取り出したゼオライトの質量は5.36gであった。取り出したゼオライトを大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持したところ、取り出したゼオライトの質量は5.22gとなっていた。ゼオライトに対する水の脱着率は、2.8質量%であった。
Claims (7)
- 水分吸着可能なゼオライトからなり、かつ該ゼオライトに吸着された水分を、大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持し、吸水前の自重の4.0質量%以上を放出得る低温脱着材料であって、
前記水分吸着可能なゼオライトが、下記(B)であることを特徴とする低温脱着材料。
(B)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の30%以上がリチウムイオンであり、SiO2/Al2O3モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。 - 水分吸着可能なゼオライトからなり、かつ該ゼオライトに吸着された水分を、大気圧下、40℃、相対湿度13%で2時間保持し、吸水前の自重の4.0質量%以上を放出得る低温脱着材料の製造方法であって、
構造中にプロトン、アルカリ金属及びアルカリ土類金属原子の少なくともいずれかを含み、かつリチウムイオンの含有比率がイオン交換可能なイオン数の10%未満であり、SiO2/Al2O3モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種のゼオライトを水、アルコール類、ケトン類、エステル類及びエーテル類から選ばれる少なくとも一種の溶媒に懸濁させてゼオライト懸濁液とする工程と、
該ゼオライト懸濁液とリチウム化合物とを接触させることにより、構造中のイオン交換可能なイオン数の30%以上をリチウムイオンに交換する工程とを有することを特徴とする低温脱着材料の製造方法。 - 前記リチウム化合物が、ハロゲン化リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム及び硫酸リチウムから選ばれる少なくとも一種である請求項2に記載の低温脱着材料の製造方法。
- 前記ゼオライト懸濁液中のゼオライトと前記リチウム化合物との割合が、質量比で1:0.5〜1:100の範囲である請求項2または3に記載の低温脱着材料の製造方法。
- 前記リチウム化合物が、塩化リチウムである請求項2〜4のいずれかに記載の低温脱着材料の製造方法。
- 請求項1に記載の低温脱着材料を、大気圧下又は減圧下に、80℃以下の温度で加熱処理することにより、水分を脱着することを特徴とする低温脱着方法。
- 前記加熱処理温度が、50℃以下である請求項6に記載の低温脱着方法。
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