(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる複数の再生装置、放送局及びWebサーバ等で構成されるコンテンツ処理システムを示すブロック図である。本実施形態は、コンテンツ処理装置を、再生装置に適用した例について説明するが、Webサーバ等の他の装置に適用しても良い。本実施形態は、再生装置を2個備えた例について説明するが、再生装置の数を制限するものではなく3個以上備えても良い。
放送局101は、放送波に乗せて放送信号を送信している。そして、第1の再生装置103が、当該放送信号を受信する。なお、第1の実施形態は、第1の再生装置103が、放送信号を受信し、第2の再生装置104が放送信号を受信しない例とする。
インターネット105は、第1の再生装置103、第2の再生装置104、及びWebサーバ102との間を接続する通信回線として用いられる。そして、第1の再生装置103、及び第2の再生装置104は、インターネット105を介してWebサーバ102との間で通信を行うことで、様々なWebコンテンツを取得する。なお、第1の再生装置103及び第2の再生装置104のアクセス先(例えばWebサーバ102)は、放送局101からの放送信号に含まれているコンテンツ取得用コンテンツに基づいて特定される。
Webサーバ102は、第1の再生装置103、及び第2の再生装置104に対して、様々なWebコンテンツを配信する。このWebコンテンツとしては、例えば、他のユーザとコミュニケーションを行うためのプログラムなどのJavaScript(登録商標)やHTML等で制御を規定するコンテンツや、映像や音声、画像等の出力対象となるコンテンツなどが含まれる。
本実施形態にかかる第1の再生装置103は、例えばテレビジョン放送受信装置であり、第2の再生装置104は、例えばタブレット型の表示端末とする。そして、第1の再生装置103及び第2の再生装置104は、例えば同一家庭内のネットワークに属している。
第1の再生装置103は、システム時計111と、Webブラウザ112と、放送波受信部113と、分離部114と、内部Webサーバ115と、デコーダ116と、合成部117と、で構成されている。
システム時計111は、第1の再生装置103に内蔵された時計であり、時刻情報を出力できる。このシステム時計111は、インターネット105を介して、(図示しない)時刻同期サーバと接続されており、自動的に時刻の調節が行われる。
放送波受信部113は、放送局101からの放送信号を受信する。放送波受信部113は、(図示しない)チューナ、復調部等によって構成されており、放送信号を受信し、ユーザの選局操作によって指定されたチャンネルの信号を選局する。放送波受信部113は、選局した放送信号に対して放送方式に対応した復調処理を行う。例えば、放送波受信部113は、デジタル放送の放送信号についてはPSK(Phase Shift Keying)復調又はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調処理等のデジタル復調処理を行う。こうして、放送波受信部113は、放送信号から所望のコンテンツを含むストリームを得る。そして、放送波受信部113は、ストリームを復号処理した後、分離部114に出力する。
分離部114は、復号結果から、所望の番組の放送専用コンテンツを抽出する一方、放送信号に多重されるデータ放送から、コンテンツ取得用コンテンツを分離する。分離部114は、放送専用コンテンツを、デコーダ116に出力する。また、分離部114は、コンテンツ取得用コンテンツを、内部Webサーバ115に出力し、内部Webサーバ115に与えて記憶させる。
このように、本実施形態にかかる放送信号には、インターネット105を介してWebサーバ102からコンテンツ(以下、Webコンテンツと称す)を取得するための、コンテンツ取得用コンテンツが含まれる。例えば、コンテンツ取得用コンテンツは、Webサーバ102からWebコンテンツを取得するためのJavaScript(登録商標)やHTML等で制御が規定されたコンテンツとする。当該コンテンツ取得用コンテンツには、例えばWebサーバ102が配信するWebコンテンツのアクセス先を示したURL等が含まれている。なお、アクセス先は、Webサーバ102に制限するものではなく、複数のWebサーバに分散しても良い。
内部Webサーバ115は、分離部114から分離されたコンテンツ取得用コンテンツを、第1の再生装置103及び第2の再生装置104のそれぞれに対して配信する。本実施形態では、配信されるコンテンツ取得用コンテンツは、再生装置毎に異なるものとする。
Webブラウザ112は、インターネット105上で提供される様々なコンテンツを閲覧するためのアプリケーションソフトであり、本実施形態ではオフセット保持部121と、再生速度保持部122と、第1のWebコンテンツ処理部123と、を備える。
第1のWebコンテンツ処理部123で処理の対象となるWebコンテンツは、映像データや、音声データ、画像データ等の他に、他のユーザとコミュニケーションをとるためのアプリケーションなど、様々な制御を規定できるJavaScript(登録商標)等のプログラムも含まれる。例えば、コンテンツ取得用コンテンツ又はWebコンテンツが、スクリプトの場合、第1のWebコンテンツ処理部123として、スクリプトを実行するスクリプトエンジンが含まれる。
第1のWebコンテンツ処理部123は、内部Webサーバ115から提供されたコンテンツ取得用コンテンツに従って、Webサーバ102からWebコンテンツを取得し、当該Webコンテンツを実行する。
そして、第1のWebコンテンツ処理部123は、コンテンツ取得用コンテンツに基づいて取得した通信コンテンツを解釈して生成した画像データを、合成部117に出力する。また、コンテンツ取得用コンテンツに、Webサーバ102との双方向通信を行うためのスクリプト又はプログラムが記述されていることもある。この場合、第1のWebコンテンツ処理部123は、当該スクリプト又はプログラムを実行し、Webサーバ102と相互通信で得られた情報を表した画像データを生成して、合成部117に出力する。相互通信で得られた情報としては、SNS(Social Network Service)等を介して他のユーザが入力した入力情報などがある。
図2は、第1の実施形態にかかる第1の再生装置103と第2の再生装置104とで表示されるコンテンツの例を示した図である。図2に示すように第1の再生装置103では、表示装置210に、放送専用コンテンツ202と、Webコンテンツ201と、を合成して表示している。一方、第2の再生装置104では、表示パネル230に、インターネット105を介して受信した(Webコンテンツである)ストリーミング221を表示する。
これらコンテンツ(例えば、Webコンテンツ201及びストリーミング221)は、ユーザに対して臨場感を与えるために同期させる必要がある。そこで、本実施形態では、第1の再生装置103及び第2の再生装置104において、コンテンツを同期させるための制御を行うこととした。
ところで、各再生装置のWebブラウザは、各再生装置に内蔵されたシステム時計の時刻に従って処理を行う。しかしながら、システム時計は、再生装置毎に異なる時刻を指し示している場合がある。このため、システム時計が出力する時刻に基づいて各Webブラウザがコンテンツを処理すると、再生装置間でコンテンツが同期しないことも考えられる。
そこで、本実施形態では、再生装置毎の各Webブラウザ内にあるWebコンテンツ処理部は、内部Webサーバ115から取得したWebコンテンツの処理を、基準時刻情報に従うこととした。つまり、第1の再生装置103のWebブラウザ112内の第1のWebコンテンツ処理部123、及び第2の再生装置104のWebブラウザ132内の第2のWebコンテンツ処理部143は、Webコンテンツを実行する際に、当該基準時刻情報に従うことで、Webコンテンツ間の同期を可能とした。
基準時刻情報は、複数のコンテンツの実行を同期させるタイミングを計るための時刻情報とする。つまり、複数のWebコンテンツ処理部が、基準時刻情報を共有することで、複数のコンテンツを同期できる。
本実施形態では、同一家庭内のネットワークの複数の再生装置が、基準時刻情報を基準に、各コンテンツの実行のタイミングを図ることとした。これにより、例えば、ユーザが、放送専用コンテンツである、スポーツの試合を視聴する場合、第1の再生装置103が表示する試合と、第2の再生装置104で出力される“合いの手”や試合を観戦している観客を移したストリーミングと、を同期できる。他の例としては、ユーザがクイズ番組を視聴する場合に、第1の再生装置103によるクイズ番組の映像と、第2の再生装置104によるクイズの回答の受付及び回答の採点表示と、を同期できる。
このように、本実施形態では、放送波やインターネットを用いて広域配信されたコンテンツのうち、再生装置上で実行されるWebコンテンツと、他の再生装置上のWebコンテンツと、を基準時刻の共有で同期を可能とする。
本実施形態にかかる各再生装置は、逐次、基準時刻情報の取得を行うのではなく、当該再生装置に内蔵されたシステム時計が指し示す時間と、基準時刻と、の差を示したオフセット時間を保持する。
第1の再生装置103のオフセット保持部121は、システム時計111が出力する時刻情報と、基準時刻情報と、のずれを示したオフセット時間を保持する。
再生速度保持部122は、第1のWebコンテンツ処理部123が実行するコンテンツの再生速度を保持する。
第1の再生装置103の第1のWebコンテンツ処理部123では、システム時計111が出力する時刻情報に、オフセット時間を加算して求められる基準時刻に従って、コンテンツの実行を制御することで、システム時計111のずれ等がある場合でも、他の再生装置(例えば第2の再生装置104)のWebコンテンツ処理部(例えば、第2のWebコンテンツ処理部143)との間で同一の時間を共有できる。つまり、複数の再生装置で実行するコンテンツを同期できる。
さらに、第1のWebコンテンツ処理部123は、Webコンテンツの処理を行うほかに、受信部125と、送信部126と、オフセット算出部127と、を備え、基準時刻情報を取得するための制御を行う。
送信部126は、基準時刻の取得要求を、内部Webサーバ115に送信する。
受信部125は、内部Webサーバ115から、基準時刻情報と、サーバの処理時間情報と、取得源の再生速度と、を受信する。サーバの処理時間情報とは、内部Webサーバ115が第1のWebコンテンツ処理部123から取得要求を受信してから、基準時刻情報を第1のWebコンテンツ処理部123に送信するまでの処理時間を示した情報とする。取得源の再生速度とは、取得源におけるコンテンツ(放送専用コンテンツ、Webコンテンツ又はコンテンツ取得用コンテンツ等)の再生速度とする。そして、複数のWebコンテンツ処理部が当該再生速度に従ってWebコンテンツを実行することで、複数のコンテンツ処理部でコンテンツを同期できる。
オフセット算出部127は、以下に算出の式(1)を用いて、システム時刻のオフセット時間を算出する。
システム時刻のオフセット時間=内部Webサーバ115への基準時刻の取得要求開始時のシステム時刻+(総処理時間−サーバ処理時間)÷2―基準時刻÷再生速度…(1)
式(1)のうち、“内部Webサーバ115への基準時刻の取得要求開始時のシステム時刻”は、送信部126が取得要求を送信した時のシステム時刻とする。“総処理時間”は、第1のWebコンテンツ処理部123が内部Webサーバ115に取得要求を送信してから、内部Webサーバ115から基準時刻情報を受信するまでの時間とする。“サーバ処理時間”は、内部Webサーバ115から受信した時間情報であって、内部Webサーバ115が取得要求を受信してから基準時刻情報を送信するまでの時間とする。“再生速度”は、基準時刻の取得源から取得したコンテンツ等の再生速度を示している。
また、式(1)の途中、総処理時間からサーバ処理時間を減算した時間を2で除算することで算出された値は、第1のWebコンテンツ処理部123と内部Webサーバ115との間で通信に要する片側の通信時間となる。
なお、複数の再生装置それぞれが等倍速でコンテンツを再生するなど、再生速度が統一されている場合、式(1)に再生速度をパラメータとして含めなくとも良い。
そして、オフセット算出部127が算出したオフセット時間は、オフセット保持部121に保持させる。また、第1のWebコンテンツ処理部123は、取得源から取得した再生速度を、再生速度保持部122に保持させる。
そして、第1のWebコンテンツ処理部123は、システム時計111が出力するシステム時刻に、オフセット保持部121が保持するオフセット時間を加算した基準時刻、及び再生速度保持部122が保持する再生速度に従って、コンテンツを実行する。
本実施形態は、第1のWebコンテンツ処理部123を、複数のWebコンテンツを同期させる基準として用いる例とする。そこで、内部Webサーバ115は、任意のWebコンテンツ処理部(本実施形態では第1のWebコンテンツ処理部123及び第2のWebコンテンツ処理部143)から基準時刻の取得要求を受け付けた場合に、当該取得要求を第1のWebコンテンツ処理部123に送信する。なお、本実施形態は、基準時刻で同期を取るために第1のWebコンテンツ処理部123を基準とする例について説明するが、任意のWebコンテンツ処理部を基準にして良い。
そして、第1のWebコンテンツ処理部123の受信部125が、内部Webサーバ115から基準時刻の取得要求を受信した場合に、第1のWebコンテンツ処理部123が、基準時刻の取得源等を示した取得源情報を取得する。なお、取得源情報の取得手法としては、どのような手法を用いても良いが、例えば第1のWebコンテンツ処理部123が実行しているコンテンツ(コンテンツ取得用コンテンツ又はWebコンテンツ)に予め設定されている等が考えられる。
その後、送信部126が、取得源情報を、内部Webサーバ115に対して送信する。
図3は、本実施形態にかかる取得源情報の例を示した図である。図3に示すように、取得源情報は、基準時刻の取得源と、基準時刻の取得源のオフセットと、取得源における再生速度と、で構成される。
基準時刻の取得源は、基準時刻の取得源を示す情報とする。基準時刻の取得源としては、例えば、放送専用コンテンツの再生時間、再生装置やWebサーバのシステム時計の時刻などが考えられる。
基準時刻の取得源のオフセットは、取得源の時間を基準とした、Webコンテンツが開始時刻と規定する時刻とする。取得源における再生速度は、コンテンツ等の再生速度とする。再生速度を設定することで、再生速度の違いによるコンテンツのずれを抑止できる。
本実施形態にかかる内部Webサーバ115は、コンテンツを配信するほかに、基準時刻取得部151と、送信部152と、受信部153と、を備え、各Webブラウザ(Webブラウザ112、132)からの基準時刻の取得要求に応じて、基準時刻情報と、同期するために必要な情報と、を提供する。
本実施形態では、第1のWebコンテンツ処理部123が実行する、一方のWebコンテンツと、第2のWebコンテンツ処理部143が実行する、他方のWebコンテンツと、を同期させる例とする。
同期を実現するために、内部Webサーバ115の送信部152は、複数のWebコンテンツ処理部(第1のWebコンテンツ処理部123及び第2のWebコンテンツ処理部143)のうちいずれか一つから、基準時刻の取得要求を受け付けた場合に、当該取得要求を、第1のWebコンテンツ処理部123に送信する。
内部Webサーバ115の受信部153は、第1のWebコンテンツ処理部123から、基準時刻の取得源等を示した取得源情報を受信する。
内部Webサーバ115の基準時刻取得部151は、取得源情報で示された取得源から、基準時刻を示した基準時刻情報を取得する。本実施形態では、基準時刻取得部151は、以下に示す式(2)から導き出す。
基準時刻情報=(取得源から取得した基準時刻を表す情報―基準時刻の取得源のオフセット)×取得源の再生速度…(2)
その後、内部Webサーバ115の送信部152は、基準時刻情報と、サーバ処理時間情報と、取得源における再生速度と、を、取得要求元のWebコンテンツ処理部(第1のWebコンテンツ処理部123又は第2のWebコンテンツ処理部143)に送信する。なお、サーバ処理時間情報は、内部Webサーバ115がWebコンテンツ処理部から取得要求を受信してから基準時刻情報を送信するまでの処理時間を示した情報であり、システム時刻と基準時刻とのずれを示したオフセット時間を算出するために用いられる。
デコーダ116は、放送専用コンテンツ処理部124を備える。そして、放送専用コンテンツ処理部124は、入力された放送専用コンテンツに対して適宜の信号処理を施す。そして、デコーダ116は、信号処理が施された後の放送専用コンテンツから、番組の映像信号及び音声信号を得て、合成部117に出力する。
合成部117は、デコーダ116により信号処理が施された後の番組の映像信号及び音声信号と、Webブラウザ112から出力されたコンテンツと、を合成し、合成した映像信号及び音声信号を出力する。合成された映像信号は、(図示しない)表示部に表示される。これにより、本実施形態では、第1の再生装置103の表示部上に、放送専用コンテンツによる映像信号と、通信により得られたコンテンツと、が重畳されて表示される。
次に、第2の再生装置104について説明する。第2の再生装置104は、システム時計131と、Webブラウザ132と、を備える。
システム時計131は、第2の再生装置104に内蔵された時計であり、時刻情報を出力できる。このシステム時計131は、(図示しない)時刻同期サーバと接続されていない。このため、第1の再生装置103のシステム時計111と時刻のずれが生じることもある。
Webブラウザ132は、オフセット保持部141と、再生速度保持部142と、第2のWebコンテンツ処理部143と、を備える。オフセット保持部141及び再生速度保持部142は、第1の再生装置103のオフセット保持部121及び再生速度保持部122と同様として説明を省略する。
第2のWebコンテンツ処理部143は、受信部145と、送信部146と、オフセット算出部147と、を備える。受信部145及び送信部146は、内部Webサーバ115との間で情報の送受信を行う。なお、受信部145及び送信部146が行う送受信処理は、第1の再生装置103の受信部125及び送信部126と同様として、説明を省略する。また、オフセット算出部147が行う処理も、第1の再生装置103のオフセット算出装置127と同様として、説明を省略する。
そして、第2のWebコンテンツ処理部143は、内部Webサーバ115から、コンテンツ取得用コンテンツが配信される。第2のWebコンテンツ処理部143は、当該コンテンツ取得用コンテンツを処理することで、Webサーバ102からWebコンテンツの取得、実行が可能となる。そして、第2のWebコンテンツ処理部143は、当該Webコンテンツの実行を、基準時刻情報に従い、他のWebコンテンツとの同期を図る。
次に、Webコンテンツ処理部からの取得要求に従って行われる処理について説明する。図4は、本実施形態にかかるコンテンツ処理システム(第1のWebコンテンツ処理部123、第2のWebコンテンツ処理部143、及び内部Webサーバ115)における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、第2のWebコンテンツ処理部143の送信部146が、基準時刻の取得要求を、内部Webサーバ115に送信する(ステップS401)。なお、図4では、基準時刻の取得要求を第2のWebコンテンツ処理部143が行う例について説明するが、同一家庭内のネットワークに属している再生装置内のWebコンテンツ処理部であればよい。
そして、内部Webサーバ115の受信部153が基準時刻の取得要求を受信した場合、内部Webサーバ115の送信部152が、第1のWebコンテンツ処理部123に対して、基準時刻の取得要求を送信する(ステップS402)。
その後、第1のWebコンテンツ処理部123が、基準時刻の取得要求を受信した場合、内部Webサーバ115から提供されたコンテンツ取得用コンテンツ又は、Webサーバ102から取得したWebコンテンツ内のメタ情報に従って、基準時刻に関する各情報を取得する(ステップS403)。基準時刻に関する各情報としては、基準時刻の取得源、基準時刻の取得源のオフセット、取得源の再生速度とする。
そして、第1のWebコンテンツ処理部123の送信部126は、基準時刻に関する各情報(基準時刻の取得源、基準時刻の取得源のオフセット、取得源の再生速度)を、内部Webサーバ115に送信する(ステップS404)。
その後、内部Webサーバ115の受信部153が、基準時刻に関する各情報(基準時刻の取得源、基準時刻の取得源のオフセット、取得源の再生速度)を受信した場合に、基準時刻取得部151が、基準時刻の取得源から、基準時刻情報を取得する(ステップS405)。その際に、基準時刻取得部151は、基準時刻の取得源のオフセットを用いて、基準時刻の調整も行う。この基準時刻情報の取得手法は、上述した式(2)を用いた処理で算出されるため、説明を省略する。
なお、本実施形態は、基準時刻情報として、取得した時点の基準時刻を示した情報を、Webコンテンツ処理部に送信する例とするが、Webコンテンツ処理部が、基準時刻を認識可能な情報であれば、どのような情報を送信してもよい。
そして、内部Webサーバ115の送信部152が、サーバの処理時間、ステップS405で取得した基準時刻情報、及び取得源の再生速度と共に送信する(ステップS406)。なお、サーバの処理時間は、ステップS401で取得要求を受信してからステップS406で基準時刻情報を送信するまでの時間とする。
そして、第2のWebコンテンツ処理部143の受信部145が、サーバの処理時間、基準時刻情報、及び取得源の再生速度を受信した後、オフセット算出部147が、受信したサーバの処理時間、基準時刻情報、及び取得源の再生速度に加えて、システム時計131のシステム時刻に基づいて、基準時刻とシステム時刻との間のオフセット時間を算出し、オフセット保持部141に保持させる(ステップS407)。なお、オフセット時間の算出手法は、上述した式(1)を用いた処理で算出されるため、説明を省略する。
そして、第1のWebコンテンツ処理部123が実行するWebコンテンツは、デコーダ116が出力する放送専用コンテンツのデコード結果と、合成部117で合成され、基準時刻、すなわち放送専用コンテンツの再生時間に同期して、出力される。その一方、第2のWebコンテンツ処理部143が、算出されたオフセット時間とシステム時刻から導出される基準時刻に従って、コンテンツを処理することで、第1のWebコンテンツ処理部123との間でWebコンテンツの同期を実現できる。
図4に示すシーケンスでは、第2のWebコンテンツ処理部143から基準時刻の取得要求を送信する例について説明したが、同期の対象となる再生装置のWebコンテンツ処理部の全てが図4に示すシーケンスを行う必要がある。つまり、第1の再生装置103の第1のWebコンテンツ処理部123も、内部Webサーバ115に対して、基準時刻の取得要求を送信する必要がある。この場合、第1の再生装置103の第1のWebコンテンツ処理部123が内部Webサーバ115に対して取得要求を送信し、内部Webサーバ115が第1のWebコンテンツ処理部123に対して取得要求を送信する。それ以外の処理は、上述した説明と同様のため省略する。
第1の実施形態では、第1の再生装置103内のWebブラウザ112内の第1のWebコンテンツ処理部123と、第2の再生装置104内のWebブラウザ132内の第2のWebコンテンツ処理部143と、が基準時刻情報に従って、コンテンツの処理を行うことで、異なる再生装置で実行される複数のコンテンツを同期させることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、Webブラウザにコンテンツを提供するWebサーバが、第1の再生装置103に内蔵されている例について説明した。しかしながら、基準時刻の取得要求の送信先を、家庭内のネットワークに属している再生装置に内蔵されている内部Webサーバに制限するものではなく、インターネット105を介して接続される外部のWebサーバに基準時刻の取得要求を送信しても良い。そこで、第2の実施形態では、Webサーバ502に対して、基準時刻の取得要求を送信する例について説明する。
図5は、第2の実施形態にかかる複数の再生装置、放送局及びWebサーバ等で構成されるコンテンツ処理システムを示すブロック図である。
第2の実施形態では、第1の再生装置503が放送信号の受信機能を備え、第2の再生装置504が放送信号の受信機能を有していない例とする。また、第1の再生装置503、及び第2の再生装置504は、例えば同一家庭内等の同一ネットワークのグループに属する。
本実施形態にかかる第1の再生装置503は、上述した第1の実施形態にかかる第1の再生装置103とは、内部Webサーバ115及び分離部114が削除され、第1の実施形態のWebブラウザ112と処理が異なるWebブラウザ512に変更された点で異なる。
Webブラウザ512内の第1のWebコンテンツ処理部523の受信部525及び送信部526は、Webサーバ502との間で通信を行うことで、第1のWebコンテンツ処理部523が実行するWebコンテンツを取得する。なお、受信部525及び送信部526は、Webコンテンツの取得先を、ユーザが入力したURLから特定する等、様々な手法が考えられる。
さらに、受信部525及び送信部526は、基準時刻を取得するための送受信を、Webサーバ502との間で行う。つまり、コンテンツや基準時刻等の送受信先が、第1の実施形態の内部Webサーバ115から、Webサーバ502に変更される。なお、受信部525及び送信部526の他の処理は、第1の実施形態の受信部125及び送信部126と同様として説明を省略する。
第2の再生装置504では、第1の実施形態のWebブラウザ132がWebブラウザ532に変更されている。そして、Webブラウザ532において、第2のWebコンテンツ処理部543の受信部545及び送信部546が、Webサーバ502との間で通信を行うことで、第2のWebコンテンツ処理部543が実行するWebコンテンツを取得する。
さらに、受信部545及び送信部546は、基準時刻を取得するための送受信を、Webサーバ502との間で行う。つまり、コンテンツや基準時刻等の送受信先が、第1の実施形態の内部Webサーバ115から、Webサーバ502に変更される。なお、受信部545及び送信部546の他の処理は、第1の実施形態の受信部145及び送信部146と同様として説明を省略する。
また、本実施形態にかかるWebサーバ502は、上述した第1の実施形態にかかるWebサーバ102とは、基準時刻取得部561、送信部562、受信部563、及びシステム時計564が追加された点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
Webサーバ502は、システム時計564と、基準時刻取得部561と、送信部562と、受信部563と、を備える。
送信部562は、複数のWebコンテンツ処理部(第1のWebコンテンツ処理部523及び第2のWebコンテンツ処理部543)のうちいずれか一つから、基準時刻の取得要求を受け付けた場合に、当該取得要求を、第1のWebコンテンツ処理部523に送信する。
システム時計564は、Webサーバ502に内蔵された時計であり、時刻情報を出力できる。
受信部563は、第1のWebコンテンツ処理部523から、基準時刻の取得源等を示した取得源情報を受信する。
図6は、本実施形態にかかる取得源情報の例を示した図である。図6に示すように、取得源情報は、基準時刻の取得源と、基準時刻の取得源のオフセットと、取得源における再生速度と、で構成される。本実施形態では、基準時刻の取得源が“Webサーバ502のシステム時計564”であり、基準時刻の取得源のオフセットが“2011年8月31日12:15:00”であり、取得源における再生速度が“2倍速”である例とする。
そして、基準時刻取得部561は、取得源情報で示された取得源(本実施形態ではシステム時計564)から、時刻情報を、基準時刻情報の算出のために取得する。そして、本実施形態にかかる基準時刻取得部561は、取得した時刻情報、基準時刻の取得源のオフセット“2011年8月31日12:15:00”、及び取得源における再生速度“2倍速”に基づいて、第1の実施形態と同様に式(2)から導き出す。
その後、Webサーバ502の送信部562は、基準時刻の取得要求元のWebコンテンツ処理部(第1のWebコンテンツ処理部523又は第2のWebコンテンツ処理部543)に基準時刻情報と、サーバ処理時間情報と、取得源における再生速度と、を取得要求元のWebコンテンツ処理部(第1のWebコンテンツ処理部523又は第2のWebコンテンツ処理部543)に送信する。
また、基準時刻を取得する際の処理手順は、内部Webサーバ115がWebサーバ502に変更された以外、図4のシーケンス図と同様として、説明を省略する。
本実施形態に示すように、Webサーバ502は、同一家庭内等の同一ネットワークのグループの外に配置されていたとしても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態では、第2の再生装置が放送信号を受信しない例について説明した。しかしながら、第2の再生装置は、放送信号を受信しないことに制限されるものではない。そこで、第3の実施形態では、第2の再生装置が放送信号を受信する例について説明する。
図7は、第3の実施形態にかかる複数の再生装置、放送局及びWebサーバ等で構成されるコンテンツ処理システムを示すブロック図である。以下の説明では、上述した第2の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
本実施形態にかかる第2の再生装置604は、上述した第2の実施形態にかかる第2の再生装置504とは、放送波受信部633、デコーダ636、及び合成部637が追加された点で異なる。
放送波受信部633は、放送局101からの放送信号を受信する。放送波受信部633は、図示しないチューナ、復調部等によって構成されており、放送信号を受信し、ユーザの選局操作によって指定されたチャンネルの信号を選局する。放送波受信部633は、選局した放送信号に対して放送方式に対応した復調処理を行う。例えば、放送波受信部633は、デジタル放送の放送信号についてはPSK(Phase Shift Keying)復調又はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調処理等のデジタル復調処理を行う。こうして、放送波受信部633は、放送信号から所望のコンテンツを含むストリームを得る。そして、放送波受信部633は、ストリームを復号処理した後、デコーダ636に出力する。
デコーダ636は、放送専用コンテンツ処理部644を備える。そして、放送専用コンテンツ処理部644は、入力された放送専用コンテンツに対して適宜の信号処理を施す。そして、デコーダ636は、信号処理が施された後の放送専用コンテンツから、番組の映像信号及び音声信号を得て、合成部637に出力する。
合成部637は、デコーダ636により信号処理が施された後の番組の映像信号及び音声信号と、Webブラウザ532から出力されたコンテンツと、を合成し、合成した映像信号及び音声信号を出力する。
(第4の実施形態)
第3の実施形態では、第2の再生装置が放送信号を受信する例について説明した。この第2の再生装置も、第1の実施形態の再生装置と同様に、コンテンツ取得用コンテンツを放送信号から分離しても良い。そこで、第4の実施形態では、複数の再生装置のそれぞれが、コンテンツ取得用コンテンツを、放送信号から取得する例について説明する。
図8は、第4の実施形態にかかる複数の再生装置、放送局及びWebサーバ等で構成されるコンテンツ処理システムを示すブロック図である。以下の説明では、上述した第3の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
図8に示すように、第4の実施形態は、第1の再生装置703のWebブラウザ712が、第3の実施形態にかかるWebブラウザ512と異なる例とする。さらに、第1の再生装置703は、第1の実施形態で説明した分離部114を備えている。
そして、分離部114は、分離したコンテンツ取得用コンテンツを、第1のWebコンテンツ処理部723に出力する。
Webブラウザ712は、第1のWebコンテンツ処理部723を備えている。そして、第1のWebコンテンツ処理部723の送信部726及び受信部725が、入力されたコンテンツ取得用コンテンツに従って、Webサーバ502からWebコンテンツを取得する。
さらに、第4の実施形態では、第2の再生装置704のWebブラウザ732が、第3の実施形態にかかるWebブラウザ532と異なる例とする。さらに、第2の再生装置704は、分離部734を備えている。
分離部734は、復号結果から、所望の番組の放送専用コンテンツを抽出する一方、放送信号に多重されるデータ放送から、コンテンツ取得用コンテンツを分離する。分離部734は、放送専用コンテンツを、デコーダ636に出力する。また、分離部734は、コンテンツ取得用コンテンツを、Webブラウザ732の第2のWebコンテンツ処理部743に出力する。なお、分離部734が分離するコンテンツ取得用コンテンツは、第1の再生装置703の分離部114が分離するコンテンツ取得用コンテンツと異なっていても良いし、同一であってもよい。
第2の再生装置704のWebブラウザ732は、第2のWebコンテンツ処理部743を備えている。そして、第2のWebコンテンツ処理部743の送信部746及び受信部745が、入力されたコンテンツ取得用コンテンツに従って、Webサーバ502からWebコンテンツを取得する。以降の処理は上述した実施形態と同様として説明を省略する。
上述した実施形態では、放送局101から放送波を受信した放送専用コンテンツを基準に同期を取る例について説明するが、放送専用コンテンツの取得先は、放送局101に制限するものではなく、第1の再生装置に予め録画されていた、放送専用コンテンツを基準に同期しても良い。
上述した実施形態では、基準時刻を取得する取得源として、例えば、放送専用コンテンツ、サーバのシステム時計、再生装置のシステム時計などを用いた例について説明したが、時刻同期サーバなど他の機器等を取得源としても良い。
また、Webブラウザが、オフセット保持部、再生速度保持部、Webコンテンツ処理部を予め備えていることに制限するものではなく、Webブラウザにインストールするプラグイン等でオフセット保持部、再生速度保持部、Webコンテンツ処理部を実現しても良い。
このように、従来、放送波やインターネットを用いて配信される、関連した複数のコンテンツを再生する際に、当該複数のコンテンツを同期して処理することが要求されていていた。そこで、上述した実施形態では、複数の再生装置がそれぞれ基準時刻情報に従ってコンテンツを処理することとした。これにより、逐次、タイミングや時刻の問い合わせを行うことなく、同期した処理が可能となる。
また、内部Webサーバ又はWebサーバが、各再生装置のWebコンテンツ処理部から取得した基準時刻の取得源等に基づいて、基準時刻情報を算出する機能を有し、再生装置に対して基準時刻情報を提供することとした。このように、内部Webサーバ又はWebサーバが、基準時刻の共有を仲介することで、Webブラウザと、Webコンテンツ処理部上で実行されるWebコンテンツと、の実装を単純化することができる。
上述した実施形態では、Webブラウザが、システム時刻のオフセット時間と、再生速度と、を保持し、Webコンテンツ処理部が、システム時刻と、オフセット時間と、再生速度と、から基準時刻情報を算出することとした。このようにシステム時刻から、基準時刻を導出できるため、基準時刻共有のための通信量を低減することができる。これにより、各再生装置の処理負担も軽減できる。
本実施形態の第1及び第2の再生装置で実行されるWebブラウザ又はWebブラウザにインストールするプラグインプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、上述した実施形態の再生装置で実行されるWebブラウザ又はWebブラウザにインストールするプラグインプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上述した実施形態の再生装置で実行されるWebブラウザ又はWebブラウザにインストールするプラグインプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、上述した実施形態のWebブラウザ又はWebブラウザにインストールするプラグインプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上述した実施形態の再生装置で実行されるWebブラウザ又はWebブラウザにインストールするプラグインプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記録媒体からWebブラウザ又はWebブラウザにインストールするプラグインプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上述した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。