JP5539219B2 - 湾曲した針の曲げ剛性および降伏モーメントを増強するための急速熱処理 - Google Patents

湾曲した針の曲げ剛性および降伏モーメントを増強するための急速熱処理 Download PDF

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Description

開示の内容
本発明は、剛性、強度、および延性の所望の組み合わせを有する縫合針を作成するための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、優れた曲げ剛性の性質を示す縫合針を作成するための装置および方法に関する。
ある手術、特に冠動脈バイパス手術は、極めて高い曲げ剛性および強度を有する小さい直径の縫合針を使用することを必然的に含んでいる。特に、このタイプの手術は、縫合針の経路がしっかりと制御されることを必要とする。針が組織に入るとき、あるいは再び出現する前に針が血管の内表面を突き刺したときに、針が過剰に屈曲すると、針の不適切な配置と組織および患者に対する重大な外傷とが生じる恐れがある。
使用の際、縫合針は、組織を通した摩擦抵抗に打ち勝つのに十分なちからに供される。針の穿通に抵抗する傾向があるこれらのちからは、冠動脈疾患に起因して石灰化したか、または堅くなった組織を示す心血管手術を受けている患者において、大きくなることがある。これらの手順では、縫合針は、血管だけでなく、血管の管腔の周囲に沿って設けられ得るひどく石灰化したあらゆる組織をも通過できなくてはならない。過度に従順な針は、組織穿通の間に弾力的に撓み、配置の制御をいくらか失うことにつながり得る。したがって好ましくは、針は、比較的高い曲げ剛性を有する、すなわち、変形のちからを受けたときに、屈曲する傾向が低く、その外形を保持する傾向が高くあるべきである。このため、曲げにおける剛性が、縫合針の取り扱いおよび性能のために望ましい性質である。堅い針は、弾性撓みに抵抗し、そのため、高いレベルの制御を提供することが意図されるように割り当てられることができる。
ASTM standard F1840-98a(2004年再認証版(Reapproved 2004))が、外科用縫合針についての標準用語法を提供し、ASTM standard Fl 874-98(2004年再認証版)が、外科用縫合糸で使用される針の曲げ試験のための標準試験方法の詳細を提供する。両方のASTM standardsが、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。外科用縫合針の強度のための異なる2つの尺度が使用される。すなわち、曲げ試験の間に塑性変形を起こすのに必要なモーメントの量である降伏曲げモーメントと、曲げ試験の間に針に適用される最大のモーメントである最大曲げモーメントである。この後の最大曲げモーメントの値は、典型的には、針が実質的な塑性変形を受けた点で測定され、降伏曲げモーメントまたは塑性変形が起こる点よりも概ね高い。塑性変形が起こり始める撓みの点、すなわち、より正式にはASTM standardsに従うと、降伏曲げモーメントが生じる角度は、降伏曲げ角度と称される。
医学の実践において使用される縫合針の広く大多数が、湾曲している。針の曲率が、取り囲んでいる組織を通した正確な配置と案内とを可能にする。曲率は、わずかである、例えば4分の1の円に等しくてもよく、あるいは、著しい、例えば2分の1の円と同等であるか、またはそれを超えてもよい。縫合針は、従来、まっすぐなワイヤを所望の角度まで湾曲させることにより作成されている。しかしながら、機械的に縫合針を湾曲させる方法では、残留応力が生まれ、それが、針を弱めることにつながることがあり、また、手術過程で応力が付与されると、針が曲率とは反対に曲がるか、または開きやすくすることがある。事実、湾曲した縫合針を曲げるのに必要な降伏モーメントは、まっすぐな針を曲げるのに必要な降伏モーメントよりも実質的に小さい場合がある。針を湾曲させるプロセスの間に付与される残留応力を軽減するための熱的プロセスが、縫合針の強度および剛性を改善するために開発されて来た。
針の曲げ強度と針の曲げ剛性との両方が、取り扱い特性だけでなく、縫合針の穿通の性能および効力にも影響を与える。ほとんど全ての場合において、縫合針は、降伏曲げモーメントが超えない適用において使用されなければならないことに注意することが重要である。これは、この値を超えると、針が、可塑的に曲がり、その本来の形状を失い、そして、意図された機能を果たさなくなることがあるからである。このように、縫合針の望ましい特性は、縫合針の曲げ強度の兆候である高い降伏曲げモーメントであることが明らかである。降伏曲げモーメントより下では、縫合針の曲げに対する抵抗力が、針の曲げ剛性により最もよく特徴付けられる。
針の曲げ剛性は、針の撓みが降伏曲げ角度に到達する前の、縫合針の弾性曲げまたは回復可能な曲げに対する抵抗力の臨界的な尺度であり、降伏曲げ角度で割った降伏曲げモーメントとして算出されることができる。まっすぐな、または湾曲した縫合針が、低い値の曲げ剛性を有する場合、針の実質的な曲げは、所定の曲げモーメントに対して生じ得るが、他方では、まっすぐな、または湾曲した縫合針が、高い曲げ剛性値を示す場合、針の比較的小さい弾性曲げが、所定の曲げモーメントに対して生じるであろう。外科医は、針頭が彼らの手の動きを直接的に伝えなくなるので、制御を失うこと、または穿通性能が乏しくなることとして、高度の弾性曲げを知覚する傾向がある。このように、針の曲げ剛性は、多数の外科的適用で、針性能の重要な尺度として認識され得る。
したがって、縫合針についての所望の曲げ性質は、高い曲げ剛性だけでなく、外科手順の間の過度の屈曲、塑性曲げ、または破断を生じることなく縫合される組織を穿通するために、高い降伏曲げモーメントおよび延性として表される曲げ強度でもある。
針はまた、脆くてはならない;針の任意の部分が脆すぎると、大きすぎるちからが適用された場合、使用の間に針が破断し得る。その代わり、針は延性を有するべきであり、延性とは、破断することなく曲がる能力である。湾曲した縫合針は通常、90度の曲げ角度まで曲げられ、次に、延性を評価するためにそれら縫合針の元々の曲率へと手動で再形成(reshape)される。針を作製する分野における当業者は、この手順を再形成プロセス(reshaping process)として理解し、針が破断することなく耐えることができる再形成プロセスの数が多いほど、針がより延性であることをさらに理解するであろう。
降伏モーメントおよび剛性を改善する目的の縫合針の熱処理のためのプロセスは、ほとんど無視されて来た。このことは、302 SS、304 SS、316 SS、4310 SSなどといったマルテンサイト変態を起こさないステンレス鋼縫合針材料について特に顕著である。これらの材料は、それらの主要な強化メカニズムとして、ワイヤ引抜きおよび針形成の操作の間に付与される加工硬化を利用する。例外により、420 SS、455 SS、465 SSおよびその他といったマルテンサイトステンレス鋼およびマルテンサイト時効されたステンレス鋼は従来、強度のためのマルテンサイト変態、強化相の析出のいずれかを起こさせるためのバッチ熱処理、および/または延性を増強するための合金の焼もどしに供される。しかしながら、これらのプロセスは、増強された剛性および降伏モーメントのために、はっきりとは設計されて来てはいない。
これらの観点で、増強された剛性および降伏モーメントのために、縫合針を急速に熱処理するための装置および方法についての長く認識されている必要性が残っている。
ある一つの側面において、複数の湾曲した縫合針を熱処理するための装置が提供される。この装置は、複数の湾曲した縫合針を湾曲した縫合針の供給源からレシーバへと移送するためのコンベヤと、このコンベヤに隣接して位置付けられたハウジングであって、このハウジングは、第1の端部、第2の端部、および第1の端部から第2の端部まで走っている開口を有し、この開口が複数の湾曲した縫合針がこの開口の中を通過するのを可能にするようにコンベヤに整列されている、ハウジングと、複数の湾曲した縫合針がコンベヤによりハウジングの第1の端部からハウジングの第2の端部へと移送されているときに、これらの複数の湾曲した縫合針を加熱するためにハウジングの内部に設けられた熱源と、を含む。
他の側面において、複数の湾曲した縫合針の剛性および降伏モーメントを増強するために、それら湾曲した縫合針を熱処理するための方法が提供される。この方法は、複数の湾曲した縫合針を湾曲した縫合針の供給源からレシーバへと運ぶステップと、複数の湾曲した縫合針が湾曲した縫合針の供給源とレシーバとの間を通過するときに、湾曲した縫合針の再結晶温度より下の温度に複数の湾曲した縫合針を加熱するステップと、複数の縫合針が加熱されているときに、複数の湾曲した縫合針の酸化および分解を最小限にするために遮蔽ガスを提供するステップと、を含む。
ある一つの実施形態において、複数の縫合針がハウジングの中を通過しているときに、複数の湾曲した縫合針の酸化および分解を最小限にするために、遮蔽ガスを提供するためのシステムが利用される。遮蔽ガスを提供するためのシステムはまた、コンベヤへの過剰な熱移動を実質的に防ぎ得る。
他の実施形態において、遮蔽ガスは、水素、アルゴン、窒素、ネオン、ヘリウム、CO、CO2、またはこれらの混合物である。
さらに他の実施形態において、コンベヤは、複数の湾曲した縫合針が取り付けられるストリップまたは複数のストリップを含む。
本明細書中で提供される装置および方法は、残留応力を軽減するため、または強度および剛性を増強するための微細構造の変化を付与するために、集中された熱源を通した湾曲した縫合針の連続的で急速な通過を可能にする。この方法は、よりありふれたバッチ熱処理を上回る時間および費用の節約を提供し、縫合針を移送し、縫合針に対する損傷を防ぐために従来使用されている広く様々な針運搬ストリップ材料と適合性がある。遮蔽ガスの使用により、紙テープの運搬ストリップでさえ、1500℃を超える温度を有する熱源を過ぎて、縫合針を運ぶのに使用され得る。
開示されている装置および方法のこれらの利点、特徴、および属性、ならびに他の利点、特徴、および属性と、それらの有利な適用および/または使用とは、以下の詳細な説明から、特に添付の図面と組み合わせて読まれたときに、明らかになるであろう。
〔定義〕
他に定義されていない限り、本明細書中で使用されている技術的および科学的な用語は、関連のある技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されているものと同じ意味を有するものと意図されている。
本明細書中で使用される単数形「a(ある)」、「an(ある)」、および「the(その)」は、その文脈が明確にその他のことを述べていない限り、複数表示を含む。
本明細書中で使用される「曲げ剛性」(曲げにおける剛性)は、湾曲した縫合針の弾性変形に対する抵抗力を意味している。
本明細書中で使用される本明細書中の「直径」は、(4A/π)の平方根を意味しており、ここでAは断面積である。
本明細書中で使用される「延性−脆性遷移温度」(DBTT)は、ある温度であって、その温度よりも上で合金の延性に実質的な改善が生じる温度を意味している。本明細書中で使用されている場合、DBTTは、合金が引張り試験において少なくとも5%の伸長を示して破断する温度として決定される。
本明細書中で使用される「延性」は、合金が破断することなく塑性変形に耐える能力である。
本明細書中で使用される「弾性変形」は、適用された負荷を取り除くことにより回復することができる変形、歪み、または変位である。
本明細書中で使用される「破断点伸び率(elongation-to-break)」は、合金の延性を評価するために使用される単純引張り試験(simple tension test)におけるサンプルの伸長パーセントの測定値である。
本明細書中で使用される「I−ビーム針本体(I-beam needle body)」は、全体的に丸いデザインの代わりに、平坦になった対向側面を組み込んだ種々の針本体デザインを言及している。
本明細書中で使用される「材料性質」は、針の形状および表面性質がデータに影響を及ぼさない方法で試験することにより導き出される材料の性質のみを意味している。その例としては、ヤング率、極限引張強さ(単純引張りで試験されたときの)、および微小硬度を含む。
本明細書中で使用される「針ブランク」は、ワイヤの細長い小片であって、その一部が縫合針の形状に複数段階プロセスを介して変えられる、小片である。また、本明細書中で使用される「針ブランク」は、本明細書に従って加工するために縫合針を動かし、位置付けるために使用される縫合針の近位端から延びるワイヤの部分をも言及している。
本明細書中で使用される「再結晶温度」は、新しい粒子が合金の微細構造中で形をなすであろう温度である。
本明細書中で使用される「単純引張り」は、その他の寸法が拘束をうけていない状態である1つの寸法に適用された張力である。
本明細書中で使用される「熱成形(thermal forming)」は、加熱されたワークピースに行なわれる塑性加工(plastic forming)を意味している。
本明細書中で使用される「極限曲げモーメント(ultimate bending moment)」は、ASTM Standard F-1840-98aに従って行なわれる曲げ試験の間に針に適用される最大モーメントを意味している。
本明細書中で使用される「降伏曲げモーメント(yield bending moment)」は、ASTM standard F-1840-98aに従って行なわれる曲げ試験の間に塑性変形を起こすために必要なモーメントの量を意味している。
ここで図1〜8Bを参照する。図中、同様の番号が、全体を通して同様の部品を指摘するために使用される。
ここで図1〜4を参照すると、複数の湾曲した縫合針を熱処理するための装置10が示されている。この装置は、複数の湾曲した縫合針14を、湾曲した縫合針の供給源16からレシーバ18へと移送するためのコンベヤ12を含んでいる。コンベヤ12は、少なくとも一部が金属、紙、またはプラスチックで構成されたストリップから形成されてもよく、ここでの機械的な付着は、複数の湾曲した縫合針14の各々の少なくとも一部分の周りに金属ストリップに接続された型巻きタブ(preformed tab)(図示せず)を曲げることにより達成され得るか、あるいは、感圧接着剤が紙、プラスチック、または金属の運搬ストリップの少なくとも一方の表面にコーティングされ得るか、あるいは、少なくとも1つの溶接が複数の湾曲した縫合針14の各々を金属の運搬ストリップに付けるために利用される。
装置10はまた、コンベヤ12に隣接して位置付けられたハウジング20も含んでいる。ハウジング20は、第1の端部22、第2の端部24、および第1の端部22から第2の端部24へと延びる開口26を含んでいる。図示されているように、開口26は、複数の湾曲した縫合針14がハウジング20の中を通過することができるようにコンベヤ12に整列されている。
ハウジング20はまた、複数の湾曲した縫合針14がコンベヤ12によりハウジング20の第1の端部22からハウジング20の第2の端部24へと移送されているときに、複数の湾曲した縫合針14を加熱するためにハウジング20の中に設けられた熱源28も含んでいる。熱源28は、従来の熱源であってもよいし、また、1つ以上の抵抗加熱発熱体、1つ以上の誘導結合発熱体、または熱ガス流などを含んでもよい。針14の通路に狭い開口26を用いることにより、コンベヤ12への過剰な放射性熱移動が最小限になるか、または防がれる。コンベヤ12への過剰な放射性熱移動を最小限にするか、または防ぐハウジング20の能力をさらに増強するために、ハウジング20は、その内側表面内に、および/またはその外側表面上に、断熱性材料(図示せず)を用いてもよい。
図1、図2、および図4に示されているように、複数の縫合針14がハウジング20の中を通過しているときの、複数の湾曲した縫合針14の酸化および分解を最小限にするために、装置10はさらに、遮蔽ガスを提供するためのシステム30を含んでよい。遮蔽ガスを提供するためのシステム30は、遮蔽ガスを放射するための複数のポート34を有するガス供給竿(gas supply wand)32を含んでよい。本明細書中で利用される遮蔽ガスは、水素、アルゴン、窒素、ネオン、ヘリウム、CO、CO2、またはこれらの混合物であってよい。遮蔽ガスを提供するためのシステム30は、有利にも、コンベヤ12への過剰な熱移動を実質的に防ぎ得る。
図1および図4に示されているように、装置10はまた、複数の湾曲した縫合針14をハウジング20の開口26の中の実質的に中心に置くように複数の湾曲した縫合針を位置付けるためのガイド40を含んでもよい。ある一つの実施形態において、装置10は、複数の湾曲した縫合針14をハウジング20の開口26の中の実質的に中心に置くように複数の湾曲した縫合針14を位置付けるための第1のガイド40を含む。図示されているように、複数の湾曲した縫合針14を位置付けるための第1のガイド40は、ハウジング20と湾曲した縫合針の供給源16との間に設けられている。ある一つの実施形態において、複数の湾曲した縫合針14を位置付けるための第1のガイド40は、離間した平行関係で位置づけられている、第1のプレート42と第2のプレート44とを含んでよい。他の実施形態において、装置10はまた、複数の湾曲した縫合針14がハウジング20の開口26を出るときに、それら縫合針を実質的に中心に置くように複数の湾曲した縫合針14を位置付けるための第2のガイド46を含んでもよい。図示されているように、複数の湾曲した縫合針14を位置付けるための第2のガイド46は、ハウジング20とレシーバ18との間に設けられている。複数の湾曲した縫合針14を位置付けるための第2のガイド46は、離間した平行関係で位置付けられている、第1のプレート48と第2のプレート50とを含んでよい。
図1に示されているように、ある一つの実施形態では、湾曲した縫合針の供給源16は、巻出しスプール(pay-off spool)を含んでいる。他の実施形態において、レシーバ18は、巻取りスプール(take-up spool)を含んでいる。図3に示されているように、複数の湾曲した縫合針14の各々は、湾曲した縫合針部分14aと針ブランク14bとを含んでよい。針ブランク14bは、本明細書中で前述されたように針ブランクがコンベヤ12に付着され得るという有用性を有する。
他の実施形態において、湾曲した縫合針14の剛性および降伏モーメントを増強するために、複数の湾曲した縫合針14を熱処理するための方法が提供される。この方法は、複数の湾曲した縫合針14を湾曲した縫合針の供給源16からレシーバ18へと運ぶステップと、複数の湾曲した縫合針14が湾曲した縫合針の供給源16とレシーバ18との間をレシーバ18に向けて通過しているときに、湾曲した縫合針14の再結晶温度よりも下の温度に複数の湾曲した縫合針14を加熱するステップと、複数の縫合針14が加熱されているときに、複数の湾曲した縫合針14の酸化および分解を最小限にするために、遮蔽ガスを提供するステップと、を含む。
ある一つの実施形態において、複数の湾曲した縫合針14は、約1秒〜約5分の間、約350℃〜約1900℃にわたる範囲の温度に加熱されるか、または、約2秒〜約5分の間、約400℃〜約1650℃の範囲にわたる温度に加熱される。
以下により詳細に記述されるように、ある一つの実施形態において、複数の湾曲した縫合針14は、タングステン合金を含む。他の実施形態において、複数の湾曲した縫合針14は、レニウム、タンタル、またはモリブデンからなる群より選択される少なくとも1つ以上の金属を含む。さらなる他の実施形態において、複数の湾曲した縫合針14は、30重量%以下のレニウムを含み、残部がタングステンである。
ある一つの実施形態において、複数の湾曲した縫合針14は、不活性雰囲気または還元性雰囲気中で加熱される。他の実施形態において、複数の湾曲した縫合針14は、酸化性雰囲気中で加熱される。
ある一つの実施形態において、本明細書中で開示されている方法は、急速連続プロセスであり、このプロセスでは、剛性および降伏モーメントの増強のためのメカニズムは、下記の1つから選択される。すなわち、1)応力緩和、2)マルテンサイト変態および応力緩和、3)析出強化(precipitation strengthening)および応力緩和、ならびに4)焼もどしおよび応力緩和である。ある一つの実施形態において、湾曲した縫合針14は、タングステン合金、合金鋼、またはモリブデン合金から構成される。
応力緩和のメカニズムは、単独では、タングステン合金、モリブデン合金、および302 SS、304 SS、316 SS、4310 SSといった特定のオーステナイト合金鋼などに適用され得る。マルテンサイト変態プラス応力緩和のメカニズムは、合金420 SSといった特定のマルテンサイト鋼に適用され得る。析出強化プラス応力緩和は、455 SS、465 SSといったマルテンサイト時効されたステンレス鋼に適用され得る。焼もどしプラス応力緩和は、420 SSに対する特別な適用と共に、マルテンサイト鋼、および一部のマルテンサイト時効された鋼に適用され得る。
あるステンレス鋼は、約400℃〜約1000℃の温度範囲で数分間以上の持続時間で熱処理されると、炭化クロムまたはσ相の形成により脆化を起こしやすいことに注意することが重要である。これは、上記で列挙されたオーステナイトステンレス鋼で特に顕著となり得る。本明細書中で記述されている連続熱処理は、これらの脆化相(embrittling phase)の形成を熱力学的に起こしやすくないより高い温度で急速に加工することにより、あるいはこれらの脆化相の形成または成長のために十分な時間を与えないことにより、これらの脆化相の形成を防ぐことができる。
上述で示されているように、縫合針は、タングステンの合金から形成され得る。タングステン合金は、レニウム、オスミウム、タンタル、またはモリブデンからなる群より選択される1つ以上の金属を含んでよい。ある一つの実施形態において、合金は、タングステン−レニウム合金であってもよく、ほんの微量のその他の元素しか存在させない。タングステン以外の金属は、合金の約30重量%以下の量で存在するか、または合金の約20重量%〜約26重量%の範囲にわたる量で存在し得る。
縫合針は、細かな手術での満足な使用を可能にするのに有効な直径を有し得る。典型的には、直径は、約60ミル(1.524mm)未満(ミルは1000分の1インチ)、または約15ミル(0.3810mm)未満、約1ミル(0.02540mm)以上、あるいは約1.4ミル(0.03556mm)〜約12ミル(0.3048mm)であろう。縫合針は、円形本体断面を有してもよいし、また針は、三角形;台形;矩形;六辺形;楕円形;または、矩形の対向した短い方の端部が半円になるよう丸くなっている矩形といった非円形断面形状になっていてもよいことが理解されるであろう。針は、一組の対向している平坦な側面を備えた「リボン」形状、または矩形もしくは「I−ビーム」形状、あるいは、米国特許第4,799,484号(その内容の全体が参照により本明細書中に組み込まれる)に記述されているような、尖頭から円形断面へ、そして丸くなった後に鋭くなった角を有する矩形断面へと滑らかに遷移していく断面が提供されてもよい。
縫合針は、まっすぐであっても、または湾曲していてもよいが、本明細書中で開示され達成されている曲げ強度および剛性における改善は、特に、湾曲した針に有利である。ある一つの実施形態において、針は、一定である必要はないが、好ましくは一定である曲率半径を経て湾曲している。このように、本明細書中で開示されている針の形状は、4分の1の円、8分の3の円、2分の1の円、または円の8分の5といった、円の切片を含む。
タングステン合金またはステンレス鋼ワイヤを最終的な所望の直径へと最終引抜き加工した後、針の一端には、所望の形状を有する頭が与えられる。この頭は、研磨加工といった任意の従来技術により提供される。オプションで、本体が、様々な形状になるようにプレス加工または研磨加工の操作により形成されてもよい。針はその後、典型的には、所望の曲率半径のマンドレルの周りを転がす(rolling)ことにより、所望の曲率が与えられてよい。針の反対側の端部には、その端部に開口が与えられるか、またはスエージ加工などにより縫合糸の端部が針に取り付けられることができるようにするその他の手段が与えられる。
本明細書中に記述されている縫合針に改善された曲げ強度および剛性を付与するために、特には曲率がこの針に付与された後で、湾曲した針は、タングステン合金の再結晶温度よりも下の温度に加熱される。ある一つの実施形態において、縫合針は、約350℃〜約1900℃の範囲にわたる温度に加熱される。他の実施形態において、縫合針は、外科用針に曲げ剛性を付与するために、約1秒〜約5分の間、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、約400℃〜約1650℃の範囲にわたる温度に加熱される。
有利なことには、前述されたように、湾曲した縫合針14は、コンベヤ材料へと取り付けられ、熱源28の近傍を通過させられる。このように、高温への曝露時間は制限される。これは、より短い時間のより高い温度が、所望の剛化効果を達成するのに有効であるからである。
他の実施形態において、湾曲した縫合針14は、本明細書中に記述されているタングステン合金縫合針に、強くて密着性の黒色、青色、または黄色の酸化物表面コーティングを付与するために、酸化性雰囲気中で、約350℃〜約900℃の範囲にわたる温度に加熱される。温度が約1秒〜約5分の持続時間で約400℃から約800℃までの範囲にわたり得ることに依存して、曝露時間は、数秒間から数分間までの範囲にわたり得る。酸化性雰囲気の例としては、限定されるものではないが、タングステン合金表面を分解するか、またはタングステン合金表面と反応して酸化物を形成する、酸素富化雰囲気(oxygen-rich atmosphere)、空気、または二酸化炭素/一酸化炭素ガス混合物を含む。
他の実施形態において、湾曲した縫合針14は、まず、不活性または還元性の雰囲気中で、約350℃〜約1900℃の範囲にわたる温度まで加熱された後に、酸化性雰囲気中で、約350℃〜約900℃の範囲にわたる温度まで加熱し、タングステン合金縫合針に改善された曲げ剛性と、強くて密着性の黒色、青色、または黄色の表面コーティングとを付与してもよい。
本明細書中で記述されているように作成された湾曲した縫合針14は、所望により、既知の技術に従って、コーティング、例えばポリマーコーティングが提供されてもよい。針はその後、再び従来技術に従って、縫合糸に取り付けられ、包装され、滅菌される。
本明細書中で記述されているように作成された湾曲した縫合針14は、曲げ剛性、強度、および延性の所望の組み合わせにより特徴付けられる。本明細書中に記述されているように作成された湾曲した縫合針14について、ワイヤ引張降伏強さは、概ね少なくとも約250,000ksi(1.72375×1012Pa)である。ワイヤ引張降伏強さは、永久変形を受けることなく、変形応力に潜在的に耐える針の能力を示しているので、高いワイヤ引張降伏強さが有用である。
ワイヤ(このワイヤから湾曲した縫合針14が作製される)もまた、高いヤング率、概ね少なくとも約400GPaのヤング率を独特にも示す。高いヤング率は、より高い剛性のための潜在能力と、過度に屈曲することなく形状を保持することにより変形応力に潜在的に耐えるという本明細書中に記述されているように作成された湾曲した縫合針14の能力とを反映するという点で、望ましい。しかしながら実際には、前述されていように、ワイヤの高いヤング率は、単独では、湾曲した縫合針14についての高い曲げ剛性へと直接的には言い換えられない。事実、内在性の材料剛性を利用するために、熱処理が、前述されているように湾曲した縫合針14に適用される。
以下の実施例は、例証の目的で提供されており、本明細書に添付されている特許請求の範囲をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。
〔実施例1〕
1400℃で20秒間の連続した急速熱処理に供されたタングステン26%レニウム合金から作成された直径.008インチ(0.2032mm)の熱処理された湾曲した縫合針の曲げ性能を、熱処理を受けなかった同等のタングステン26%レニウム合金の縫合針と比較したグラフが、図5に与えられている。
全ての試験が、ASTM standard Fl 874-98に従って行なわれた。降伏曲げモーメントおよび降伏曲げ角度が、グラフ上に記録されている。タングステン−レニウム合金縫合針の降伏曲げモーメントに至るまでの傾きが、曲げ剛性を表しており、同等の未処理のタングステン26%レニウム合金により提供された降伏曲げモーメントよりも著しく大きい。タングステン合金縫合針に適用された熱処理は、20秒間、1400℃の、アルゴン2%水素雰囲気下で行なわれた。
〔実施例2〕
タングステン26%レニウム合金から作成された直径.008インチ(0.2032mm)の湾曲した縫合針の降伏モーメントおよび極限モーメントに対する温度および時間の影響を示すグラフが、図6に与えられている。急速熱処理は、不活性な非酸化性雰囲気を維持するようにアルゴン2%水素ガス下で広い温度範囲にわたって、5秒および20秒の持続時間で行なわれた。30g−cmを超える降伏モーメントが達成された。全ての試験が、ASTM standard Fl 874-98に従って行なわれた。
〔実施例3〕
図7Aは、オーステナイト合金ステンレス鋼シリーズ4310から作成された直径.008インチ(0.2032mm)の湾曲した縫合針の降伏モーメントおよび極限モーメントに対する20秒間にわたって適用された温度の影響を示している。図7Bは、ステンレス鋼シリーズ4310合金針について、本明細書に従って急速熱処理をした場合としなかった場合の曲げ性能の比較を示している。全ての試験が、ASTM standard Fl 874-98に実質的に従って行なわれた。
〔実施例4〕
図8Aは、マルテンサイト時効したステンレス鋼から作成された直径.008インチ(0.2032mm)の湾曲した縫合針の降伏モーメントおよび極限モーメントに対して20秒間にわたって適用された温度の影響を示している。図8Bは、マルテンサイト時効したステンレス鋼針について、急速熱処理をした場合としなかった場合の曲げ性能の比較を示している。全ての試験が、ASTM standard Fl 874-98に実質的に従って行なわれた。
優先権書類を含めた、本明細書中で引用されている全ての特許、試験手順、およびその他の書類は、そのような開示内容が矛盾しない範囲では、組み込みが可能である全ての法域について、参照により完全に組み込まれる。
本明細書中で開示されている例証的な実施形態が詳細に記述されて来たが、様々なその他の変更が、当業者には明らかであろうし、開示内容の精神および範囲から外れることなく、当業者により容易になされ得ることが理解されるであろう。したがって、本明細書に添付されている特許請求の範囲が、本明細書中に示されている実施例および説明まで限定されることは意図されておらず、むしろ、請求項が、この開示内容が属する技術における熟練者によりその均等物として扱われ得る全ての特徴を含む、本明細書中に属する特許可能な新規性の特徴の全てを包囲するものとして解釈されることが意図されている。
数値の下限および数値の上限が本明細書中で列挙されているときには、任意の下限から任意の上限までの範囲が企図されている。
〔実施の態様〕
(1)複数の湾曲した縫合針を熱処理するための装置において、
a)前記複数の湾曲した縫合針を湾曲した縫合針の供給源からレシーバへと移送するためのコンベヤと、
b)前記コンベヤに隣接して位置付けられたハウジングであって、前記ハウジングは、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部から前記第2の端部まで走っている開口を有し、前記開口は、前記複数の湾曲した縫合針が前記開口の中を通過するのを可能にするように前記コンベヤに整列されている、ハウジングと、
c)前記複数の湾曲した縫合針が前記コンベヤにより前記ハウジングの前記第1の端部から前記ハウジングの前記第2の端部へと移送されているときに、前記複数の湾曲した縫合針を加熱するために前記ハウジングの内部に設けられた熱源と、
を含む、装置。
(2)実施態様1に記載の装置において、
前記複数の縫合針が前記ハウジングの中を通過するときに、前記複数の湾曲した縫合針の酸化および分解を最小限にするために、遮蔽ガスを提供するためのシステム、
をさらに含む、装置。
(3)実施態様2に記載の装置において、
前記遮蔽ガスは、水素、アルゴン、窒素、ネオン、ヘリウム、CO、CO2、またはこれらの混合物である、装置。
(4)実施態様2または3に記載の装置において、
前記遮蔽ガスを提供するためのシステムは、前記コンベヤへの過剰な熱移動を実質的に防ぐ、装置。
(5)実施態様1〜4のいずれかに記載の装置において、
前記複数の湾曲した縫合針を前記ハウジングの前記開口の中の実質的に中心に置くために前記複数の湾曲した縫合針を位置付けるためのガイド、
をさらに含む、装置。
(6)実施態様1に記載の装置において、
前記複数の湾曲した縫合針を前記ハウジングの前記開口の中の実質的に中心に置くために前記複数の湾曲した縫合針を位置付けるための第1のガイドであって、前記複数の湾曲した縫合針を位置付けるための前記第1のガイドは、前記ハウジングと前記湾曲した縫合針の供給源との間に設けられる、第1のガイド、
をさらに含む、装置。
(7)実施態様1〜6のいずれかに記載の装置において、
前記コンベヤは、前記複数の湾曲した縫合針が取り付けられるストリップまたは複数のストリップを含む、装置。
(8)実施態様7に記載の装置において、
前記複数の湾曲した縫合針は、前記ストリップまたは複数のストリップに粘着的に取り付けられる、装置。
(9)実施態様7に記載の装置において、
前記複数の湾曲した縫合針は、前記ストリップまたは複数のストリップに溶接される、装置。
(10)実施態様7に記載の装置において、
前記湾曲した縫合針の供給源は、巻き出しスプールを含む、装置。
(11)実施態様7に記載の装置において、
前記レシーバは、巻取りスプールを含む、装置。
(12)実施態様1に記載の装置において、
前記複数の湾曲した縫合針を前記ハウジングの前記開口の中の実質的な中心に置くために、前記複数の湾曲した縫合針を位置付けるための第2のガイドであって、前記複数の湾曲した縫合針を位置付けるための前記第2のガイドは、前記ハウジングと前記レシーバとの間に設けられる、第2のガイド、
をさらに含む、装置。
(13)複数の湾曲した縫合針を熱処理し、前記湾曲した縫合針の剛性および降伏モーメントを増強するための方法において、
a)前記複数の湾曲した縫合針を湾曲した縫合針の供給源からレシーバへと運ぶステップと、
b)前記複数の湾曲した縫合針が前記湾曲した縫合針の供給源と前記レシーバとの間を通過するときに、前記湾曲した縫合針の再結晶温度より下の温度に前記複数の湾曲した縫合針を加熱するステップと、
c)前記複数の縫合針が加熱されているときに、前記複数の湾曲した縫合針の酸化および分解を最小限にするために、遮蔽ガスを提供するステップと、
を含む、方法。
(14)実施態様13に記載の方法において、
前記複数の湾曲した縫合針は、約1秒〜約5分の間、約350℃〜約1900℃の範囲にわたる温度に加熱される、方法。
(15)実施態様13または14に記載の方法において、
前記複数の湾曲した縫合針は、約2秒〜約5分の間、約400℃〜約1650℃の範囲にわたる温度に加熱される、方法。
(16)実施態様13〜15のいずれかに記載の方法において、
前記複数の湾曲した縫合針は、タングステン合金を含む、方法。
(17)実施態様13〜16のいずれかに記載の方法において、
前記複数の湾曲した縫合針は、レニウム、タンタル、またはモリブデンからなる群より選択される少なくとも1つ以上の金属を含む、方法。
(18)実施態様17に記載の方法において、
前記複数の湾曲した縫合針は、30重量%以下のレニウムを含み、残部がタングステンである、方法。
(19)実施態様13〜18のいずれかに記載の方法において、
前記複数の湾曲した縫合針は、不活性雰囲気または還元性雰囲気中で加熱される、方法。
(20)実施態様13〜19のいずれかに記載の方法において、
前記複数の湾曲した縫合針は、酸化性雰囲気中で加熱される、方法。
(21)実施態様13に記載の方法において、
針配色のために、前記複数の湾曲した縫合針の表面に制限された酸化を付与するように、前記複数の湾曲した縫合針に、ある濃度の酸素(a fractional concentration of oxygen)を含有するガス混合物を送達するステップ、
をさらに含む、方法。
(22)実施態様13〜21のいずれかに記載の方法において、
前記運ぶステップは、コンベヤを利用し、
前記加熱するステップは、前記コンベヤに隣接して位置付けられたハウジングの中で行なわれ、前記ハウジングは、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部から前記第2の端部まで走っている開口であって、前記開口は、前記複数の湾曲した縫合針が前記開口の中を通過するのを可能にするように前記コンベヤに整列されている、開口と、前記複数の湾曲した縫合針が前記ハウジングの前記第1の端部から前記ハウジングの前記第2の端部へと運ばれているときに、前記複数の湾曲した縫合針を加熱するために前記ハウジングの内部に設けられた熱源と、を有する、方法。
(23)実施態様13〜22のいずれかに記載の方法において、
前記複数の湾曲した縫合針を前記ハウジングの前記開口の中の実質的に中心に置くように、前記複数の湾曲した縫合針をガイドするステップ、
をさらに含む、方法。
(24)実施態様13〜23のいずれかに記載の方法において、
前記遮蔽ガスは、前記コンベヤへの過剰な熱移動を実質的に防ぐ、方法。
(25)実施態様13〜24のいずれかに記載の方法において、
前記遮蔽ガスは、水素、アルゴン、窒素、ネオン、ヘリウム、CO、CO2、またはこれらの混合物である、方法。
図1は、本明細書に従う複数の湾曲した縫合針を熱処理するための装置を示す模式図である。 図2は、本明細書に従う複数の湾曲した縫合針を熱処理するための装置で使用するための熱源を示す模式図である。 図3は、本明細書に従う運搬ストリップに取り付けられた複数の湾曲した縫合針を示す模式図である。 図4は、本明細書に従う、熱源およびガイドにフォーカスしている複数の湾曲した縫合針を熱処理するための装置のある一つの実施形態を示している。 図5は、1400℃で20秒間の連続した急速熱処理に供されたタングステン26%レニウム合金から作成された直径.008インチ(0.2032mm)の湾曲した縫合針の曲げ性能を、熱処理を受けなかった同等のタングステン26%レニウム合金の縫合針と比較したグラフである。 図6は、タングステン26%レニウム合金から作成された直径.008インチ(0.2032mm)の湾曲した縫合針の降伏モーメントおよび極限モーメントに対する温度および時間の影響を示すグラフである。 図7Aは、オーステナイト合金ステンレス鋼シリーズ4310から作成された直径.008インチ(0.2032mm)の湾曲した縫合針の降伏モーメントおよび極限モーメントに対する20秒間にわたって適用された温度の影響を示している。 図7Bは、ステンレス鋼シリーズ4310合金針について、急速熱処理をした場合としなかった場合の曲げ性能の比較を示している。 図8Aは、マルテンサイト時効したステンレス鋼から作成された直径.008インチ(0.2032mm)の湾曲した縫合針の降伏モーメントおよび極限モーメントに対して20秒間にわたって適用された温度の影響を示している。 図8Bは、マルテンサイト時効したステンレス鋼針について、急速熱処理をした場合としなかった場合の曲げ性能の比較を示している。

Claims (9)

  1. 複数の湾曲した縫合針を熱処理するための装置において、
    a)前記複数の湾曲した縫合針を湾曲した縫合針の供給源からレシーバへと移送するためのコンベヤと、
    b)前記コンベヤに隣接して位置付けられたハウジングであって、前記ハウジングは、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部から前記第2の端部まで走っている開口を有し、前記開口は、前記複数の湾曲した縫合針が前記開口の中を通過するのを可能にするように前記コンベヤに整列されている、ハウジングと、
    c)前記複数の湾曲した縫合針が前記コンベヤにより前記ハウジングの前記第1の端部から前記ハウジングの前記第2の端部へと移送されているときに、前記複数の湾曲した縫合針を加熱するために前記ハウジングの内部に設けられた熱源と、
    前記複数の湾曲した縫合針を前記ハウジングの前記開口の中の実質的に中心に置くために前記複数の湾曲した縫合針を位置付けるための第1のガイドであって、前記複数の湾曲した縫合針を位置付けるための前記第1のガイドは、前記ハウジングと前記湾曲した縫合針の供給源との間に設けられる、第1のガイドと、
    前記複数の湾曲した縫合針を前記ハウジングの前記開口の中の実質的な中心に置くために、前記複数の湾曲した縫合針を位置付けるための第2のガイドであって、前記複数の湾曲した縫合針を位置付けるための前記第2のガイドは、前記ハウジングと前記レシーバとの間に設けられる、第2のガイドと、
    を含む、装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、
    前記複数の縫合針が前記ハウジングの中を通過するときに、前記複数の湾曲した縫合針の酸化および分解を最小限にするために、遮蔽ガスを提供するためのシステム、
    をさらに含む、装置。
  3. 請求項2に記載の装置において、
    前記遮蔽ガスは、水素、アルゴン、窒素、ネオン、ヘリウム、CO、CO2、またはこれらの混合物である、装置。
  4. 請求項2または3に記載の装置において、
    前記遮蔽ガスを提供するためのシステムは、前記コンベヤへの過剰な熱移動を実質的に防ぐ、装置。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の装置において、
    前記コンベヤは、前記複数の湾曲した縫合針が取り付けられるストリップまたは複数のストリップを含む、装置。
  6. 請求項に記載の装置において、
    前記複数の湾曲した縫合針は、前記ストリップまたは複数のストリップに粘着的に取り付けられる、装置。
  7. 請求項に記載の装置において、
    前記複数の湾曲した縫合針は、前記ストリップまたは複数のストリップに溶接される、装置。
  8. 請求項に記載の装置において、
    前記湾曲した縫合針の供給源は、巻き出しスプールを含む、装置。
  9. 請求項に記載の装置において、
    前記レシーバは、巻取りスプールを含む、装置。
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