JP5539099B2 - 磁気勾配計、および磁気センシング方法 - Google Patents

磁気勾配計、および磁気センシング方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁場強度を計測する磁力計に関する。特に、本発明は光ポンピング磁力計による勾配計および磁気センシング方法に関する。
微弱な磁場を計測する場合には、2つ以上の磁場計測領域における磁力計の計測データを用いて磁気勾配計(以下、単に勾配計ともいう)を構成することが多い。このような勾配計として、光ポンピング磁力計を用いたものが知られている。光ポンピング磁力計とは、ガス状の原子群が封入された磁場計測領域にポンプ光を照射してスピン偏極を生じさせ、そこに読み出し用のプローブ光を通過させたときに生じる偏光面の回転を、その領域での磁束密度に応じた信号として取得するものである。光ポンピング磁力計を用いて、プローブ光が二つの磁場計測領域を順次通過したときにそれぞれの領域で得られる信号の差を求めることにより、勾配計を構成することができる。勾配計を構成する際に用いることのできる高感度の光ポンピング磁力計として、特許文献1には、アルカリ金属蒸気が存在するセルに対して、ポンプ光用として円偏光を、プローブ光用として直線偏光の光を用いた原子磁気センサが提案されている。
米国特許第7038450号明細書
しかし、光ポンピング磁力計による勾配計においては、信号源と2つの磁場計測領域との最適な幾何学配置、および2つの磁場計測領域で磁力計が応答する最適な磁場の方向については、これまで論じられていなかった。
そのため、本発明は、信号源と2つの磁場計測領域との幾何学配置、および2つの磁場計測領域で磁力計が応答する磁場の方向が勾配計に与える影響について検討し、より高感度に磁場を計測可能で、かつSN比が改善される勾配計を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明に係る光ポンピング磁力計による勾配計は、アルカリ金属を含むガス状態の原子群が封入されているセルと、前記原子群をスピン偏極させるための互いに平行な第1のポンプ光と第2のポンプ光とを前記セルに照射するポンプ光用光源と、プローブ光を前記セルに照射するプローブ光用光源と、前記原子群がスピン偏極している状態の前記セルを通過した前記プローブ光の偏光面の回転を検出するための検出器と、を備えた光ポンピング磁力計による勾配計において、前記第1のポンプ光と前記プローブ光とは第1の測定位置で交差し、前記第2のポンプ光と前記プローブ光とは第2の測定位置で交差し、該第1の測定位置および該第2の測定位置は信号源に対し一直線となる第1の方向に沿って配され、前記プローブ光は該第1の測定領域と該第2の測定領域を順次通過するように構成され、前記第1の測定位置および前記第2の測定位置におけるアルカリ金属密度、測定位置の長さ、ポンプ光の強度、およびスピン偏極率は同一であり、前記第1の測定位置において測定する磁場の向きおよび前記第2の測定位置において測定する磁場の向きは、いずれも前記第1の方向と同一方向であり、前記第1の測定領域と前記第2の測定領域とで光ポンピングによって生じるスピン偏極の符号が異なっており、かつ、前記第1の測定位置および前記第2の測定位置を順次通過した前記プローブ光の偏光面の回転角度を求めることにより前記第1の測定位置と前記第2の測定位置との間の磁束密度の差を求めるように構成されていることを特徴とする光ポンピング磁力計による勾配計である。
信号源である磁気モーメントからの磁場を高感度に計測可能で、かつSN比が改善される勾配計を構成できる。
本発明の第1の実施例に係る勾配計。 本発明の第1の実施例の変形例に用いるミラー。 本発明の第1の実施例の変形例に用いる全反射プリズム。 本発明の第2の実施例に係る勾配計。 本発明の第2の実施例における変形例に係る勾配計。 本発明の第3の実施例に係る勾配計。
[勾配計]
まず、勾配計の構成と得られる信号およびノイズ強度との関係について検討する。
ここでは、磁気モーメントmが作る磁場を考えることとする。このとき、注目する磁気信号源である磁気モーメントmから距離ベクトルdだけ離れた場所の磁束密度ベクトルB(d)は、
Figure 0005539099
と表される。μは真空の透磁率であり、ベクトルnはベクトルd方向を向いた単位ベクトルである。式(1)より、磁気モーメントmの向きが信号源から磁力計へ向かう方向(ベクトルnの方向)を指しているときには、磁力計の位置での磁束密度ベクトルの大きさは、
|B(d)| = μ×|m|/(2×d×π) (2)
となる。これは、dの絶対値|d|が一定という条件下での磁力計で検出することができる磁束密度の最大値でもある。
ここで、磁力計をもう一つ配置して、2つの磁力計が一直線上に並び、磁気モーメントmの向きが信号源から2つの磁力計へ向かう方向を指しているという単純なモデルの勾配計を構成する。2つの磁力計までの距離をd、d (d<d)としたときに、距離dの位置で計測した信号から距離dの位置で計測した信号を減ずると、得られる信号Sは、
S = μ×|m|/(2×π)×(d −3−d −3
= μ×|m|/(2×d ×π)×[1−(d/d] (3)
となる。例えば d=2×d とすれば、式(3)より、信号の低減は1/8程度にとどまることがわかる。つまり、このモデルにおいては、センサ近傍からの磁気信号はその強度をほぼ維持する。
一方、注目する信号源よりもはるかに遠方からの磁場ノイズについても、同様に別の磁気モーメントmによる磁場として考えることができる。ノイズ源となる磁気モーメントmからの2つの磁力計までの距離をR、Rとしたときに、このノイズ源に起因するノイズ成分Nは、距離Rの位置で計測した信号から距離Rの位置で計測した信号を減ずることにより得られ、
N = μ×|m|/(2×R ×π)×[1−(R/R] (4)
となる。遠方のノイズ源についてはR〜Rとなるため、このモデルにおいて、遠方に配された磁気モーメントで記述されるノイズが大幅に低減されることがわかる。
このように、2つの磁場計測領域を信号源に対して一直線上に並べ、磁気モーメントmの向きが信号源から2つの磁場計測領域へ向かう方向を指すようにすることにより、センサ近傍からの磁気信号の強度を維持しつつ、遠方からのノイズを低減することができる。
[光ポンピング磁力計]
次に、本発明の勾配計において磁気信号を検出するために用いる光ポンピング磁力計について検討する。
A.光ポンピング磁力系の動作原理
まず、光ポンピング磁力計の動作を、以下の3つのステップに従って説明する。
1)セルに封入されたアルカリ金属ガスにポンプ光を照射して、原子の電子スピンの向きを揃えてスピン偏極を作り出す。ポンプ光の波長は、アルカリ金属のD1遷移などの、基底準位から励起準位に光学遷移を生じる波長の光を用いる。円偏光のポンプ光を用いれば、特定のスピン状態の電子に吸収されて光ポンピングの作用を生じ、アルカリ金属のスピンの向きを揃えることができる。
円偏光のポンプ光でスピンの向きを揃えることができるのは、角運動量の保存による。円偏光の光子は角運動量を有し、この光子から角運動量を受け取ることのできる基底準位と励起準位のペアだけを励起できる。例えば、右回り円偏光は、電子の角運動量を量子数1だけ増やすような基底準位と励起準位の対によって選択的に吸収される。
一旦励起された原子は、自然放出によりランダムな偏光状態の光を放出して、あるいはクエンチャーガス原子との衝突などを経て、基底状態に戻る。このとき、再び角運動量の量子数を1だけ減ずるような状態に戻る原子と、角運動量を維持したままで基底状態に戻る原子とが混じっている。そのため、励起と緩和のランダムな過程を繰り返すことで、この円偏光によっては励起されない基底状態の原子の割合が増加していく。その結果、原子群を構成する原子のスピンの向きが円偏光の進行方向を量子化の軸として、この方向に揃うのである。
このとき、セル内のアルカリ金属ガスの密度を高めるために、セルを最大200℃程度まで加熱することがある。
2)アルカリ金属のスピン偏極は、磁場中でトルクを受けて回転する。磁場中で光ポンピングされているスピンの運動方程式として、ポンピングの効果や緩和の効果も含めた光ブロッホ方程式(5)を用いることで、スピン偏極ベクトルPの挙動を記述できることが知られている。
Figure 0005539099
ここで、γeは電子の磁気回転比であり、Qはスピン偏極率に依存するスローダウンファクター、Γeffはスピン緩和レートであり、Bは磁場ベクトル、Rはポンピングベクトルを表している。
3)磁場中のスピン偏極の情報を、直線偏光のプローブ光によって読み出す。スピン偏極がプローブ光の伝搬方向の成分を有するときに、スピン偏極の大きさは磁気光学効果による偏光面の回転として読み出すことができる。プローブ光も、アルカリ金属の共鳴波長近傍の波長を有するものを用いるが、共鳴の中心からは離調した波長とすることでプローブ光の光吸収とスピン偏極への影響を小さくする。
直線偏光のプローブ光は左右両方の円偏光の重ね合わせとして記述できる。ポンプ光の説明でも述べたように、円偏光の光は特定のスピン状態の電子に吸収されるため、原子群に偏極が生じていると、この偏極に応じて左右それぞれの円偏光の吸収に差が生じる。吸収係数の差は、複素屈折率の虚部を意味するので、クラマース・クローニッヒの関係によって左右それぞれの円偏光が感じる屈折率の実部に違いが生じる。そのため、左右両方の円偏光の重ね合わせた直線偏光を用いれば、原子群を通過する際に左右それぞれの円偏光の光路長に差が生じるので、偏光面の回転が観測される。
このときの回転角は磁場の大きさに依存するため、偏光面の回転角度を測定することで、磁場の大きさを検出することができる。
次に、光ポンピング磁力計のゼロ磁場磁力計と磁力計の共鳴動作という2つの動作状態において、磁力計で計測する磁場の方向と得られる信号強度との関係を説明する。
B.ゼロ磁場磁力計
ゼロ磁場磁力計は、ポンプ光とプローブ光とを照射するアルカリ金属ガスの置かれている磁場計測領域の磁場を、およそnT(ナノテスラ)以下となるように調整するものである。アルカリ金属の磁気回転比は、Kに対して7GHz/T、85Rbに対して4.6GHz/T、87Rbに対して7GHz/T、Csに対して3.5GHz/Tなどとなっている。いずれにしてもnT以下の磁場においてはラーモア周波数が10Hz以下のゼロ磁場磁力計となる。この状況では、光ブロッホ方程式(5)を解く上で、スピン偏極の時間変化がゼロという定常解によって、スピン偏極の挙動がよく記述できる。
ゼロ磁場磁力計においては、ポンプ光およびプローブ光と直交した成分の磁場に比例したスピン偏極がプローブ光方向に誘起される。すなわち、ポンプ光およびプローブ光の両方と直交した方向の磁場について、磁力計が実質的な感度を有する。
脳や心臓の活動に伴う生体磁場の計測を行なう場合に、磁気モーメントmの向きは計測システムが選択できるパラメータではない。しかし、磁力計で計測する磁場の方向によって、得られる信号強度が異なるということを確認するために、以下で、2つの場合について式(1)に基づいて磁束密度の大きさを見ておく。
1)磁気モーメントmがベクトルnの方向を向いているケース
磁場のn方向成分を計測するため、磁束密度が
μ×2|m|/(4π×d ) という大きさの信号を計測することとなる。
2)磁気モーメントmがベクトルnと直交する方向を向いているケース
磁気モーメントmと平行な方向の成分を計測するため、磁束密度が
−μ×|m|/(4π×d ) という大きさの信号を計測することとなる。
以上の検討からわかるように、磁気モーメントmがベクトルnの方向を向いている場合(ケース1)のほうがより大きい信号を観測できる。
C.磁力計の共鳴動作
ポンプ光方向に、nT以上のバイアス磁場を印加して、磁力計を共鳴動作させることもできる。このとき、光ポンピングで生じたスピン偏極は、バイアス磁場方向を回転軸として、バイアス磁場の大きさで定まるラーモア周波数で歳差運動をする。この磁力計でのスピン偏極の運動は、光ブロッホ方程式の解のうち、特にラーモア歳差周波数で振動する定常解によって記述される。
この定常解は、ラーモア歳差周波数で振動する磁場とカップリングして、スピン偏極の向きが変化する。光ブロッホ方程式の解析により、磁力計が共鳴動作している場合には、ポンプ光およびプローブ光の両方と直交した方向の磁場のみならず、プローブ方向の磁場に対しても、ラーモア歳差周波数での共鳴動作をすることが知られている。
このような磁力計で磁気共鳴信号を計測する。信号源である磁気モーメントmが磁気共鳴によって角周波数ωで回転している状況を考える。磁気共鳴信号としての磁場を距離d離れた場所で計測するために、磁力計のバイアス磁場を調整して共鳴周波数を磁気モーメントの回転周波数に共鳴幅以内まで一致させて計測を行なう。この場合に、磁気モーメントmの回転軸の方向および磁力計が計測する磁場の方向の組合せによって、検出される信号の大きさが異なる。式(1)をもとに、それぞれの場合で観測される磁束密度の信号の大きさを調べていく。
なお、磁気モーメントの回転運動に伴う信号を考える上では、磁気モーメントの時間変化する成分、すなわち回転軸に直交する大きさだけに注目すればよい。以下の説明では、磁気モーメントmは、回転軸に直交した向きを向いているものとして記述している。また、共鳴周波数での電磁波の波長が注目しているスケールよりも十分長く、準静的近似で取り扱えるものとする。また、ここではφは振動の位相を表す。
1)磁気共鳴の回転軸が磁力計から見て信号源を指す方向を向いている場合
1−A:磁力計から見て信号源を指す方向の磁束密度
この方向は回転軸なので、この向きの磁束密度は変動しない。
1−B:回転軸に直交する方向の磁束密度
(1)式で ベクトルの内積n・m の項はゼロとなるので、
B(t)= [μ×m/(4π×d )]×e(−iωt+φ) (6)
という信号が得られる。
2)磁気共鳴の回転軸が磁力計から見て信号源を指す方向と直交している場合
2−A:磁力計から見て信号源を指す方向(ベクトルn方向)の磁束密度
(1)式で、角括弧内の第2項に対しても、ベクトルn(n・m)を観測することになるため、
B(t)= [μ×2m/(4π×d )]×e(−iωt+φ) (7)
という信号を計測することになる。
2−B:回転軸と平行な方向の磁束密度
(1)式で、角括弧内の第1項である3n(n・m)からの寄与はゼロとなるので、ベクトルmの回転に応じて
B(t)= [μ×m/(4π×d )]×e(−iωt+φ) (8)
という信号が得られる。
ここまでに述べたことから、磁気共鳴信号を観測する上では、磁気共鳴の回転軸(ポンプ光の方向)が磁力計から見て信号源を指す方向(ベクトルn方向)と直交している配置でベクトルn方向の磁場計測を行なった場合(2−A)に、他のケースに比べて2倍の大きさで信号を観測できることがわかる。
光勾配計においても、それぞれの光ポンピング磁力計がゼロ磁場磁力計と磁力計の共鳴動作のそれぞれに応じてこのような動作をするような配置を実現することで、大きな信号を取り出して、より高感度の計測を行なうことができる。
以上に述べた知見に従い、本発明は、2つの磁場計測領域が信号源に対して一直線上に並び、磁気モーメントmの向きは信号源から2つの磁場計測領域へ向かう方向(ベクトルnの方向)を指すような構成を有する、光ポンピング磁力計を用いた磁力計に関する。
また、光ポンピング磁力計において、ゼロ磁場磁力計では、ポンプ光およびプローブ光の両方と直交した方向の磁場について磁力を計測することが好ましい。
さらに、光ポンピング磁力計において、磁力計の共鳴動作では、ポンプ光およびプローブ光の両方と直交した方向の磁場のみならず、プローブ方向の磁場について磁力を計測してもよい。
以下に、このような構成を有する本発明の勾配計の具体的な実施例を示す。なお、本発明は以下の実施例に限定されることはない。
図1において、1、2は不図示のポンプ光用光源により発生した円偏光のポンピング用レーザ光で、y軸正の方向に互いに平行に伝搬して行く。どちらも同じ向きの円偏光である。3は不図示のプローブ光用光源により発生したプローブ用レーザ光、8はアルカリ金属を封入したセルである。4、5は偏光板であり、ガラスセル内での偏光面の回転が生じない場合には、光が透過しないようなクロスニコル配置となっている。7はプローブ光を受光する光検出器である。9、10はポンプ光を折り返すミラーである。45度入射で高い反射率を有し、かつp波とs波との間で複素反射率の差が小さくなるように設計された誘電体多層膜ミラーが望ましい。6はファラデーモジュレータであり、不図示の信号源からの周波数ωの変調信号で駆動して、直線偏光のプローブ光の偏光面を角度α、周波数ωで変調する。セルで磁場によって生じた偏光面の回転角がφのときに、クロスニコル配置の偏光子・検光子対を透過する光強度Iは、
Figure 0005539099
となる。すなわち、光強度の周波数ω成分は、2Iαφと、偏光面回転角に比例した量となる。
プローブ用レーザ光の光路は、図中、左下から出発し、4−6−セル8−ミラー9−ミラー10−セル8−5−光検出器7という経路である。この経路に沿って、第1のポンプ光1とプローブ光3の交差する領域が第1の測定位置であり、またミラー9,10で折り返されたプローブ光が第2のポンプ光2と交差する領域が第2の測定位置である。この構成により、第1の測定位置および第2の測定位置は信号源に対し一直線上となる方向(第1の方向)に沿って配置された構成となる。このとき、第1の測定位置における磁束密度のz成分であるBz1および第2の測定位置における磁束密度のz成分であるBz2の値に応じてプローブ光の偏光面が回転する。
セル8は、ガラスなどプローブ光やポンプ光に対して透明な材料から構成されている。セル内には、Kがガス状態で包含され、気密に封止されている。セル内には、前記原子群の他にHeなどバッファーとなるガスやNガスなどを封入しておくこともできる。バッファーガスは偏極アルカリ金属原子の拡散を抑えるので、セル壁との衝突によるスピン緩和を抑制し、偏極率を高めるために有効である。また、Nガスは励起状態にあるKからエネルギーを奪い、Kの発光を抑えるクエンチャーガスであり、ポンピングによってアルカリ金属ガス内に大きなスピン偏極を作り出すために、有効である。
ガラスセルにカリウム金属を入れておき、180℃程度に加熱することで、同ガラスセル内に、1014cm−3程度の数密度のカリウム金属蒸気を充満させることができる。ここでは、セルは加熱のために不図示のオーブンの中に配置され、オーブン内を循環する熱風によって所望の温度まで加熱されている。
また、本実施例では、不図示の磁気シールドと3軸ヘルムホルツコイルとを用いて、セル8の周辺の地磁気、環境磁場をnT以下まで低減している。
第1の測定位置では、円偏光σの第1のポンプ光1によって、y方向のスピン偏極が作り出されている。z方向の磁場Bz1が正の場合には、x方向に正のスピン偏極が生じる。このとき、第1の測定位置を透過した直線偏光のプローブ光2は、ポンプ光によって生じたスピン偏極と同じ方向に透過していくので、偏光面はスピン偏極の大きさに応じて時計回り方向に回転する。
プローブ光は、ミラー9、10で光路を折り返されて、再びセル8に戻される。同様に第2の測定位置では、同じ円偏光σの第2のポンプ光2によって、y方向のスピン偏極が作り出されており、z方向の磁場Bz2が正の場合には、同じくx方向に正のスピン偏極が生じる。ここでは、第1の測定位置とは反対に、プローブ光2はスピン偏極の向きと逆方向に伝搬していくので、偏光面はスピン偏極の大きさに応じて反時計回り方向に回転する。
偏光面の回転角φを数式で記載すると、
Figure 0005539099
と表わせる。ここで、νはプローブ光の振動数、nはアルカリ金属の原子数密度、cは光の速度、re(=2.82×10-15 m)は古典電子半径である。fは光学遷移の振動子強度、
Figure 0005539099
は測定位置の長さ、Pはx方向のスピン偏極の大きさ (最大で1)であり、L(ν)は吸収線の形状を表す中心波長ν・半値全幅Δνの複素ローレンツ関数である。ここで、測定位置2でプローブ光を逆向きに伝搬させる場合には、式(10)にさらにマイナス符号を付け加えることに注意する。
の具体的な大きさは、光ブロッホ方程式(5)から求めることができる。ポンピングベクトルR=(0,R,0)というy方向のポンピングを考えると、定常解として、
Figure 0005539099
を得る。式(11)より、Bz が小さくて Γeff >γe Bz / Q が成り立つとき、実質的にBに比例するPが得られることがわかる。これを式(10)と組合せれば、偏光面の回転角φがBに比例することも明らかである。この関係を、φ=αBと表せば、第1の測定位置と第2の測定位置とを順次通過したプローブ光の偏光面の回転角は、
φ = αA1z1−αA2z2 = α(Bz1−Bz2) (12)
となり、光検出器に入射するプローブ光の偏光面の回転角度は、勾配計として磁場の引き算を行なった量となる。式(12)の後者の等号は、それぞれの測定位置での磁場に対する回転角の比例係数αA1とαA2とが、実質等しいときに成立するものである。αA1とαA2とを等しいものとするために揃えなければならないパラメータは、式(10)および式(11)を参照すると、アルカリ金属密度n、測定位置の長さ
Figure 0005539099
、ポンピングベクトル R(ポンプ光の強度)、スピン偏極率(スピン偏極ベクトルPの絶対値)とこれから定まるスローダウンファクターQなどであることがわかる。
このように構成した勾配計では、フォトンショットノイズが感度の制約となる状況下では、2つの独立な測定位置のそれぞれにプローブ光を通して、偏光面の回転を光検出器で検出する勾配計(比較例)と比べて、信号/ノイズ比において2倍の改善が得られる。以下にその原理を説明する。
比較例と本実施例の勾配計に投入する単位時間あたりのフォトン数を P とする。比較例では、投入するフォトン数を半分ずつに分けて使うので、各フォトディテクタでのシグナルは、P/2 に比例する。また、各フォトディテクタでのショットノイズは、(P/2)1/2 に比例する。シグナルについては相互に減算を行なえば、その結果として P/2 に比例した強度が得られる。一方、「引き算」であっても、ノイズはランダムなものの足し合わせとなるので、(P/2+P/2)1/2 =P 1/2となる。そのため、比較例でのSN比は、量
1/2/2 (13)
に比例したものになる。
一方、本実施例では、フォトディテクタでのシグナルは、Pに比例し、また、フォトディテクタでのショットノイズは、P 1/2に比例する。そこでSN比は
1/2 (14)
に比例したものとなる。
式(13)と式(14)とを比較すると、本実施例では同一のフォトン数を用いた計測において、2倍のSN比が得られることがわかる。
信号源の磁気モーメントは、図中z軸上の負の方向に配する。信号源に対して一直線上に並べた第1の測定領域および第2の測定領域で磁場のz成分を計測することで、相対的に大きな磁気信号の測定となって高い感度の実現ができることについては、すでに述べたとおりである。
次に、ミラー9、10による光路折り返しは、プローブ光の偏光面に与える影響を低減するミラーの構成が望ましい。
ミラーによるフレネル反射は、p波とs波とで異なる反射率を有する。ここで、p波は光の電界ベクトルが入射面内にある偏波であり、s波は光の電界ベクトルが入射面と直交している偏波である。誘電体多層膜ミラーを用いた場合には、p波とs波との反射率差を1%以下に抑えることが可能であるので、光路折り返しの方法として望ましいが、この場合も反射位相まで考慮する必要がある。
本実施例のような勾配計の光路折り返しにおいて、フレネル反射率の偏光面依存性の影響を回避する光学構成として、以下2つの例をあげる。
1)誘電体多層膜ミラーでは、45度入射で、p波、s波の双方に高い反射率を呈する構成が知られている。これらの高反射ミラーでは、波長に応じて反射の位相は一定ではない分散を有するので、偏光面の精密計測を可能にするために、図2に示すような複数の反射面を有する反射経路を辿って光路を折り返す光学系を用いた。この光学系では、光学系へ光を入射する光路と光学系から光を出射する光路とを含む面内において、ミラーへの入射角が45度となる反射を2回行う。さらに、かつ光学系へ光を入射する光路と光学系から光を出射する光路とに対して垂直な面内で、ミラーへの入射角が45度となる反射を2回行う。その結果、e偏波の光の反射経路においては、p波−s波−s波−p波という反射になり、一方、e偏波の光の反射経路においては、s波−p波−p波−s波という反射になる。
図2(a)は、このミラーの斜視図であり、図2(b)は、このミラーの三角法による三面図である。この結果、折り返し光路全体での反射に伴う位相シフト量は、p波入射、s波入射によらず、同じものとなり、偏光面の計測に対して、光路折り返しの影響を排除できる。
2)ミラー9、10による反射の代替手段として、プリズムの全反射で光路を折り返すことも可能である。全反射においても、p波とs波とでは反射による位相シフト量に違いがあり、これが偏光面の回転の精密計測の妨げとなる。そこで、図3に示すようなプリズムを用いることで、光路折り返しの経路上でp波として入射する全反射が2回、s波として入射する全反射が2回の合計4回の全反射を経て、光路を折り返す光学系を組み立てることができる。すなわち、e偏波の光の全反射経路においては、p波−s波−s波−p波という反射になり、一方、e偏波の光の全反射経路においては、s波−p波−p波−s波という反射になる。
図3(a)は、このプリズムの斜視図であり、図3(b)は、このプリズムの三角法による三面図である。
ここまで、ゼロ磁場磁力計の動作を中心に実施例を説明してきたが、同じ構成で、共鳴動作をさせることもできる。
そのためには、不図示のヘルムホルツコイルに流す電流を調整して、ポンプ光方向にバイアス磁場をかけて、アルカリ金属スピンを周波数ωで歳差運動させて共鳴動作をさせることができる。この実施例の配置では、特にB方向の振動磁場に対する共鳴動作による計測に好適な構成となる。
図4では、共鳴動作による磁力計を用いた勾配計の別の構成を示す。第1の実施例との差違は、プローブ光の光路にミラーによる光学的な折り返しを配さないことである。
2つの測定領域に対応した、第1のポンプ光1と第2のポンプ光2とは、同じ回転方向の円偏光であるが、セル8に対して、反対の方向から入射するという配置の違いが特徴である。回転方向が同じであれば、円偏光は右回転または左回転のいずれでもよい。また、この実施例では、偏光分離光学素子11とフォトディテクタ12、13によるバランス型フォトディテクタによって偏光面の回転を検出する系となっている。
偏光子4で直線偏光となったプローブ光3が右回転円偏光の第1のポンプ光1と交差するところが第1の測定領域であり、セル8の内部に配置されている。ここで、不図示のヘルムホルツコイルペアにDC電流を流して、セル全体にx方向に静磁場を印加する。セル内で励起されたカリウムのスピン偏極が5kHzのラーモア周波数で歳差運動をするように、0.7μT程度の静磁場を印加している。第1のポンプ光1によってx方向のスピン偏極が生じ、このスピン偏極は、5kHzで歳差運動をしつつ、5kHz近傍の振動磁場成分と共鳴する。このとき、磁力計は特にy方向およびz方向の磁場に対して感度を有する。結果として、共鳴周波数で振動するBおよびBの磁場に応じて、この周波数で振動するスピン偏極のz成分が生じるので、第1の測定領域を透過するプローブ光の偏光面の回転角は共鳴周波数5kHzで周期的に変調されたものとなる。
同様に、右回転円偏光の第2のポンプ光2とプローブ光3とがセル8内で交差する第2の測定領域では、ポンプ光によるスピン偏極が生じるが、そのx成分は、第1の測定領域のスピン偏極と符号が反転したものになる。第2の測定領域にも、先に述べたバイアス磁場が印加されており、スピン偏極は(偏極の符号に依存せずに)同じ方向に歳差運動を行なう。また、第1の測定領域での共鳴と同様に、振動磁場との共鳴によってスピン偏極にz方向の成分が生じる。第1の測定領域と第2の想定領域でまったく同じ大きさと方向の共鳴磁場を計測するような状況では(これは説明のための仮想的条件である)、このz方向のスピン偏極の符号は、x方向のスピン偏極の符号が反転していたことを反映して、反対符号となる。そこで、第2の測定領域を透過するプローブ光の偏光面の回転角はさらに共鳴周波数5kHzで周期的に変調されたものとなるが、第2の領域での偏光面回転の寄与は、第1の領域での寄与に対して反対符号のものとなる。
そのため、第1の測定位置と第2の測定位置とを順次通過したプローブ光の偏光面の回転角は、
φ = αA1z1−αA1z2 = αA1(Bz1−Bz2
と表され、磁場勾配計を構成できることがわかる。
プローブ光の偏光面を決める偏光子4の向きは、セル8での偏光面の回転角が0のときに、偏光ビームスプリッタ11の反射光量と透過光量とが等しくなるように調整してある。すなわち、偏光ビームスプリッタ11の偏光軸と偏光子4を透過する光の偏光面とが45度をなすような配置である。フォトディテクタ12が受光する光パワーとフォトディテクタ13が受光する光パワーとの差を取ることで、偏光面の回転角に応じた電気信号を取り出すことができる。
磁気共鳴信号を取得するためのレイアウトとしては、磁気共鳴によって回転している信号源の磁気モーメントを図中z軸上の負の方向に配する。信号源に対して一直線上に並べた第1および第2の測定領域で磁場のz成分を計測することで、相対的に大きな磁気信号の測定となって高い感度の実現ができることについては、すでに述べたとおりである。このような配置で、第1の測定領域と信号源との距離を大きくしないためには、不図示のミラー、プリズムなどの光路変換手段を用いて、図中の偏光子4に入射するプローブ光の光路を折り曲げることは有効である。
共鳴動作による磁場計測のためには、信号源の磁気モーメントの回転とスピン偏極の回転との周波数が一致ないし共鳴幅の範囲内にあるだけではなく、その回転方向が一致していることが必要である。そのためには、セル8に印加しているバイアス磁場Bの向きが、信号源に磁気共鳴を生じさせるために信号源が置かれている静磁場Bのx成分の向きと一致している必要がある。また、この磁場の大きさは磁気共鳴に用いる核種の磁気回転比に応じて選ばなければならない。
第1の測定領域と第2の測定領域とで光ポンピングによって生じるスピン偏極の符号が異なっている、という状況を実現するためには、別の構成も用いることができる。図5に示す本実施例の変形例では、2つの測定領域に対応した第1のポンプ光1と第2のポンプ光2とは、同じ方向に伝搬する円偏光であるが、円偏光の回転方向が異なることで、第1の測定領域と第2の測定領域とで逆向きのスピン偏極を生じさせる。
以下共鳴動作による磁力計としての動作は、本実施例で説明したものと同様であるので、省略する。
第1の測定領域と第2の測定領域で測定した磁場によるプローブ光の偏光面の回転が逆向きになる別の実施例を、図6に従って示す。図6では、プローブ光の光路に沿って、第1の測定領域と第2の測定領域の間に半波長板14を挿入している。半波長板14の結晶軸方向は、偏光子4を透過した光の偏光面と一致させてある。第1の測定領域で偏光面の回転がφであったときに、この半波長板14を透過したプローブ光の偏光面の回転角は−φとなる。このように配置した半波長板を透過したときの偏光状態の変化は、(e、e という電場ベクトル方向の組を基底としたときに、行列
Figure 0005539099
で表されるためである。
図6では、セル8aとセル8bとを独立のセルとして描いているが、実施例1と同様に、第1の測定位置と第2の測定位置との間で、アルカリ金属密度n、測定位置の長さ
Figure 0005539099
、ポンピングベクトル R、スピン偏極率とこれから定まるスローダウンファクターQなどは同一にする必要がある。そのため、これらのセル間は不図示の経路で接続した構成であってもよい。アルカリ金属の密度を2つの測定領域で共通のものとして、勾配計のふたつの測定領域のパラメータを等しいものとするためには、このようにセル間が接続されていることは有利に作用する。
引き続いて第2の測定領域を通過したプローブ光の偏光面は、さらに回転するが、第2の領域での偏光面回転の寄与は、第1の領域での寄与に対して反対符号のものとなる。
また、この実施例でも、第2の実施例同様に、y方向のバイアス磁場下で磁力計の共鳴動作とすることで、Bに対する感度を有して、磁気モーメントからの大きな信号を計測する勾配計とすることができる。
1、2 ポンプ光
3 プローブ光
4、5 偏光子
7、12、13 フォトディテクタ
8 セル

Claims (7)

  1. アルカリ金属を含むガス状態の原子群が封入されている1または複数のセルと、前記原子群をスピン偏極させるための互いに平行な第1のポンプ光と第2のポンプ光とをそれぞれ前記1または複数のセルに照射するポンプ光用光源と、プローブ光を前記ポンプ光を照射したセルに照射するプローブ光用光源と、前記原子群がスピン偏極している状態の前記セルを通過した前記プローブ光の偏光面の回転を検出するための検出器と、を備えた光ポンピング磁力計による勾配計において、
    前記第1のポンプ光と前記プローブ光とは第1の測定位置で交差し、前記第2のポンプ光と前記プローブ光とは第2の測定位置で交差し、該第1の測定位置および該第2の測定位置は信号源に対し一直線となる第1の方向に沿って配され、前記プローブ光は該第1の測定領域と該第2の測定領域を順次通過するように構成され、
    前記第1の測定位置および前記第2の測定位置におけるアルカリ金属密度、測定位置の長さ、ポンプ光の強度、およびスピン偏極率は同一であり、
    前記第1の測定位置において測定する磁場の向きおよび前記第2の測定位置において測定する磁場の向きは、いずれも前記第1の方向と同一であり、前記第1の測定領域と前記第2の測定領域とで光ポンピングによって生じるスピン偏極の符号が異なっており、かつ、前記第1の測定位置および前記第2の測定位置を順次通過した前記プローブ光の偏光面の回転角度を求めることにより前記第1の測定位置と前記第2の測定位置との間の磁束密度の差を求めるように構成されていることを特徴とする光ポンピング磁力計による勾配計。
  2. 前記第1の測定位置においてプローブ光の偏光面が回転する方向と、前記第2の測定位置においてプローブ光の偏光面が回転する方向とは、反対であることを特徴とする、請求項1に記載の光ポンピング磁力計による勾配計。
  3. 前記第1の測定領域と前記第2の測定領域の間に半波長板を有することを特徴とする、請求項1に記載の光ポンピング磁力計による勾配計。
  4. 前記第1の測定位置および前記第2の測定位置は同一の前記セル内に設けられており、かつ前記第1の測定位置を通過した前記プローブ光の進行方向を逆にして前記第2の測定位置を通過させるための光路変換手段が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の勾配計。
  5. 前記第1の測定位置および前記第2の測定位置は同一の前記セル内に設けられており、前記第1の測定位置に照射される前記第1のポンプ光および前記第2の測定位置に照射される前記第2のポンプ光はいずれも右回転に円偏光しているかまたはいずれも左回転に円偏光しており、ならびに前記第1のポンプ光および前記第2のポンプ光は互いに逆方向に前記セル内を伝搬していくことを特徴とする、請求項2に記載の勾配計。
  6. 前記第1の測定位置および前記第2の測定位置は同一の前記セル内に設けられており、前記第1の測定位置に照射される前記第1のポンプ光および前記第2の測定位置に照射される前記第2のポンプ光は互いに回転の方向が異なる円偏光であり、ならびに前記第1のポンプ光および前記第2のポンプ光はいずれも同じ方向に前記セル内を伝搬していくことを特徴とする、請求項2に記載の勾配計。
  7. 前記光路変換手段は複数の反射面からなる光学素子であって、
    該光学素子の光路は、該光学素子へ光を入射する光路と該光学素子から光を出射する光路とを含む面内において、ミラーへの入射角が45度となる反射を2回行なうこと、および
    該光学素子へ光を入射する光路と該光学素子から光を出射する光路とに対して垂直な面内で、ミラーへの入射角が45度となる反射を2回行なうことを特徴とする、請求項4に記載の勾配計。
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