JP5538050B2 - 局所加熱装置、及び局所加熱する位置の調整方法 - Google Patents

局所加熱装置、及び局所加熱する位置の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、局所加熱装置、及び局所加熱する位置の調整方法に関するものである。
液体あるいは熱硬化性材料を基板上に塗布し、乾燥させることで薄膜を形成する技術は従来から多くの生産装置で利用されている。その中でも近年注目が高まっているのが、基板上の任意の箇所に必要量だけ液体を塗布し、乾燥させることで膜を形成させるパターニング技術である。このような技術にはディスペンサやインクジェットを用いた技術があり、従来のフォトリソグラフィーによる真空プロセスを用いたパターン生成方法に代わり、脱真空プロセスに使用可能な技術として注目が高まっている。
例えば、インクジェットによるパターニング技術を用いた生産装置としては、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各色からなるインクを、ガラス基板上に形成されているRGB用画素領域内に着弾させることによって各画素を埋め、カラーフィルタ(CF)パネルを形成する装置がある。この場合、画素領域内に埋められたインクは、オーブン等によって基板全体を加熱することで乾燥させ、膜を形成する。
また、このようなパターニング技術は全面印刷技術としてのみならず、混色、夾雑物の混入又は付着といった欠陥部を修復するための技術としても広く用いられており、このような修復装置の開発も進んでいる。このような修復技術として、例えば、CFパネルにおいては、インクの混色が発生した欠陥画素や夾雑物が混入した欠陥画素の場合、欠陥領域のインク層膜を除去し、除去部分に再度インクを塗布して加熱乾燥することで画素を再形成する技術がある。
液体塗布部の加熱乾燥方法としては、従来、オーブン、ホットプレート等で基板全体を加熱して乾燥させる方法が用いられていた。しかしながら、基板全体を加熱する場合、専用の大型加熱装置や耐熱性に優れた搬送ロボットが必要であり、また、加熱された基板を次工程に進めるために冷却する場所や時間も必要となり、製造コストの上昇やタクトタイム(処理時間)が長くなるといった課題があった。
特に、加熱乾燥箇所が少ない場合には、局所的に加熱し乾燥させる方が製造コストとタクトタイム(処理時間)が有利になることに加え、CO排出量の削減による環境対策にも寄与するため、液体塗布部だけを局所的に加熱乾燥させる技術への期待は高い。
このような局所加熱及び乾燥技術としては、補修ペンと加熱手段とを一緒に移動させ、補修直後に加熱することで移動時間を短縮する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、温度センサの検出温度が焼成温度よりも若干低い所定の温度になるように予備加熱した後、スポット加熱装置をオンして焼成を行うことで基板に悪影響を与えることなく、修正部を迅速に焼成又は硬化させることが可能なパターン修正方法及びパターン修正装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−270843(1998年10月9日公開) 特開2007−299533(2007年11月15日公開)
しかしながら、上記従来の方法では、厳格な温度管理が要求されるプロセスにおいて長期間安定して加熱処理を行うことが困難であるという問題を生じる。
具体的には、特許文献1において開示された方法では、基板温度の監視が行えないため、加熱手段自体の経時変化、周囲環境の影響等、加熱中に何らかの原因により温度変化が生じた場合に加熱不良となり、導電性膜の品質確保が難しくなるという問題が生じる。また、特許文献2の方法では、温度センサによって温度の監視が可能であるものの、有効加熱領域のズレが生じ、長期間安定して加熱処理を行うことができないという問題が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、厳格な温度管理が要求されるプロセスであっても長期間安定して加熱処理を行うことができる局所加熱装置、及び局所加熱する位置の調整方法を実現することにある。
本発明に係る局所加熱装置は、上記課題を解決するために、基板における所望の領域を局所的に加熱処理する局所加熱装置であって、上記基板上における所望の加熱領域を設定する加熱処理領域設定手段と、上記基板を局所的に加熱する加熱手段と、上記基板に対する上記加熱手段の位置を変化させる移動手段と、上記加熱手段の加熱温度を計測する温度計測手段と、上記温度計測手段により求めた上記加熱温度に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する位置補正手段とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、温度計測手段により求めた上記加熱温度に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する位置補正手段を備えるため、有効加熱領域のズレが生じた場合であっても、そのズレを補正することができる。このため、厳格な温度管理が要求されるプロセスであっても長期間安定して加熱処理を行うことができる局所加熱装置を提供することができるという効果を奏する。
また、有効加熱領域のズレが生じた場合であっても、そのズレを補正することができるため、加熱領域を広く利用することができる。
本発明に係る局所加熱装置では、上記移動手段は、上記加熱手段を移動させる加熱手段移動手段と、上記基板を搬送する基板搬送手段とを備え、上記加熱手段移動手段は、上記基板の搬送方向に対して直交する方向に上記加熱手段を移動させることが好ましい。
上記構成によれば、より簡便に基板に対する上記加熱手段の位置を変化させることができる。
本発明に係る局所加熱装置では、上記位置補正手段は、上記温度計測手段により求めた上記加熱温度における加熱中心位置に基づいて、加熱手段と基板との相対的な位置関係を補正することが好ましい。
上記構成によれば、より簡便且つ正確に加熱手段と基板との相対的な位置関係を補正することができる。
本発明に係る局所加熱装置では、上記温度計測手段では、温度センサが埋没して設けられた校正用基板を用いて温度を計測し、上記校正用基板は上記基板と同じ材質及び厚さを有することが好ましい。
上記構成によれば、加熱処理する基板の加熱温度を直接計測することなく、基板に対する、加熱手段の加熱温度を計測することができる。また、加熱手段の加熱温度を直接センサを接触させることにより測定することができるため、誤差の少ない温度測定を行うことができる。
本発明に係る局所加熱装置では、上記センサは熱電対であり、上記熱電対は、上記移動手段が移動させる加熱手段の移動方向と直交する方向に複数並べて取り付けられていることが好ましい。
上記構成によれば、センサとして熱電対を用いているため、安価で安定した温度測定が可能となる。また、上記のようにセンサを配置することにより、加熱手段の加熱温度をマトリックス状に計測することができるため、有効加熱領域のズレをより正確に補正することができる。このため、長期間より安定して加熱処理を行うことができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る局所加熱装置では、上記センサは、校正用基板における、上記加熱手段と対向する面とは反対側の面側から埋没して設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、上記センサ表面が上記加熱手段側に直接曝されないため、被加熱物から発生した分解物等がセンサ表面に付着することを回避することができる。このため、長期間より安定して加熱処理を行うことができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る局所加熱装置では、基板搬送手段によって搬送される基板表面と、上記校正用基板表面とが、同一平面上にあることが好ましい。
上記構成によれば、加熱手段の校正用基板上へ移動が容易であるため、基板の大型化、高精細化等により加熱処理点数が増え、加熱手段の有効加熱領域の調整頻度が増えた場合であっても常に安定して加熱処理を行うことができる。
本発明に係る局所加熱装置では、上記温度計測手段は、複数の温度センサが埋没して設けられた校正用基板を用いて当該基板における温度を計測することによって当該基板の温度分布を求め、上記位置補正手段は、上記温度計測手段で求めた温度分布全体に基づいて、校正用基板における、所定の温度範囲となる領域を特定し、当該領域内から複数の温度均一範囲を決定する温度均一範囲決定手段と、複数の当該温度均一範囲について、温度均一範囲決定手段による決定よりも詳細にそれぞれ再計算する温度均一範囲再計算手段と、再計算した複数の上記温度均一範囲から、最適な温度均一範囲を決定する最適温度均一範囲決定手段と、を備え、最適な上記温度均一範囲に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正することが好ましい。
上記構成によれば、上記位置補正手段は、計測した温度分布から、複数の温度均一範囲を求め、その後、各温度均一範囲について詳細に再計算し、その中から最適な温度均一範囲を決定するため、1箇所の温度均一範囲のみを求める場合と比べて、より確実に最大面積の温度均一範囲を求めることができる。
具体的には、例えば、温度計測手段が求めた温度分布が複雑な形状であり、一見、最大面積の温度均一範囲と思える箇所が、詳細に計算した結果では面積が最大ではない場合がある。このような場合には、1箇所の温度均一範囲のみを検討するだけでは、最大面積の温度均一範囲を求めることは困難である。これに対して、上記構成のように、複数の温度均一範囲を求め、その後、各温度均一範囲についてそれぞれ詳細に計算して、各面積を比較すれば、最大面積の温度均一範囲をより確実に求めることが可能となる。
また、上記構成では、計測した温度分布の全領域について詳細に計算する場合と比べて計算回数を大幅に減らすことができるため、処理時間を短縮することができる。
本発明に係る局所加熱装置では、上記温度均一範囲決定手段は、校正用基板における、所定の温度範囲となる上記領域内にある、上記温度センサによって測定した各測定点について、当該各測定点を中心とする仮温度均一範囲をそれぞれ求め、当該仮温度均一範囲から面積の大きい順に2以上選択することによって温度均一範囲を決定することが好ましい。
上記構成によれば、より確実に最大面積の温度均一範囲を求めることができる。
本発明に係る局所加熱装置では、上記温度均一範囲決定手段は、校正用基板における、所定の温度範囲となる上記領域内にある、上記温度センサによって測定した各測定点について、当該各測定点を中心とする仮温度均一範囲をそれぞれ求め、当該仮温度均一範囲において、周囲の仮温度均一範囲よりも面積が大きい仮温度均一範囲の全てを温度均一範囲として決定することが好ましい。
上記構成によれば、より確実に最大面積の温度均一範囲を求めることができる。
本発明に係る局所加熱装置では、上記位置補正手段が決定する温度均一範囲の形状は、円、楕円又は多角形であることが好ましい。
本発明に係る局所加熱装置では、上記温度計測手段により求めた温度に基づいて、加熱手段の温度を制御する温度制御手段を更に備えることが好ましい。
上記構成によれば、温度制御手段により加熱手段の温度が制御されるため、長期間より安定して加熱処理を行うことができる。
本発明に係る調整方法は、上記課題を解決するために、加熱手段の基板に対する位置を、局所加熱する所望の領域に変化させ、当該加熱手段により当該領域を局所的に加熱処理する局所加熱方法における、局所加熱する位置の調整方法であって、上記加熱手段の加熱温度を計測する温度計測工程と、上記温度計測工程により求めた上記加熱温度に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する位置補正工程とを含むことを特徴としている。
上記方法によれば、温度計測工程により求めた上記加熱温度に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する位置補正工程を有するため、有効加熱領域のズレが生じた場合であっても、そのズレを補正することができる。このため、厳格な温度管理が要求されるプロセスであっても長期間安定して加熱処理を行うことができるという効果を奏する。
本発明に係る調整方法では、上記温度計測工程及び上記位置補正工程を、上記加熱手段による加熱処理前、上記加熱手段による加熱処理後、又は上記加熱手段の位置の変化途中、の何れか、或いはこれら各タイミングを組み合わせて行うことが好ましい。
上記方法によれば、長期間より安定して加熱処理を行うことができるという効果を奏する。
本発明に係る調整方法では、上記加熱手段を移動させる加熱手段移動工程と、上記基板を搬送する基板搬送工程とを含み、上記加熱手段移動工程では、上記基板の搬送方向に対して直交する方向に上記加熱手段を移動させることが好ましい。
上記方法によれば、より簡便に基板に対する上記加熱手段の位置を変化させることができる。
本発明に係る調整方法では、上記温度計測工程により求めた温度に基づいて、加熱手段の温度を制御する温度制御工程を更に含むことが好ましい。
上記方法によれば、温度制御手段により加熱手段の温度が制御されるため、長期間より安定して加熱処理を行うことができる。
本発明に係る調整方法は、上記温度計測工程では、温度センサが埋没して設けられた複数の校正用基板を用いて当該基板における温度を計測することによって当該基板の温度分布を求め、上記位置補正工程では、上記温度計測工程で求めた温度分布全体に基づいて、校正用基板における、所定の温度範囲となる領域を特定し、当該領域内から複数の温度均一範囲を決定する温度均一範囲決定工程と、複数の当該温度均一範囲について、温度均一範囲決定工程による決定よりも詳細にそれぞれ再計算する温度均一範囲再計算工程と、再計算した複数の上記温度均一範囲から、最適な温度均一範囲を決定する最適温度均一範囲決定工程と、最適な上記温度均一範囲に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する工程と、を含むことが好ましい。
上記方法によれば、上記位置補正工程では、計測した温度分布から、複数の温度均一範囲を求め、その後、各温度均一範囲について詳細に再計算し、その中から最適な温度均一範囲を決定するため、1箇所の温度均一範囲のみを求める場合と比べて、より確実に最大面積の温度均一範囲を求めることができる。
具体的には、例えば、温度計測工程で求めた温度分布が複雑な形状であり、一見、最大面積の温度均一範囲と思える箇所が、詳細に計算した結果では面積が最大ではない場合がある。このような場合には、1箇所の温度均一範囲のみを検討するだけでは、最大面積の温度均一範囲を求めることは困難である。これに対して、上記方法のように、複数の温度均一範囲を求め、その後、各温度均一範囲についてそれぞれ詳細に計算して、各面積を比較すれば、最大面積の温度均一範囲をより確実に求めることが可能となる。
また、上記方法では、計測した温度分布の全領域について詳細に計算する場合と比べて計算回数を大幅に減らすことができるため、処理時間を短縮することができる。
本発明に係る調整方法では、上記温度均一範囲決定工程では、校正用基板における、所定の温度範囲となる上記領域内にある、上記温度センサによって測定した各測定点について、当該各測定点を中心とする仮温度均一範囲をそれぞれ求め、当該仮温度均一範囲から面積の大きい順に2以上選択することによって温度均一範囲を決定することが好ましい。
上記方法によれば、より確実に最大面積の温度均一範囲を求めることができる。
本発明に係る調整方法では、上記温度均一範囲決定工程では、校正用基板における、所定の温度範囲となる上記領域内にある、上記温度センサによって測定した各測定点について、当該各測定点を中心とする仮温度均一範囲をそれぞれ求め、当該仮温度均一範囲において、周囲の仮温度均一範囲よりも面積が大きい仮温度均一範囲の全てを温度均一範囲として決定することが好ましい。
上記方法によれば、より確実に最大面積の温度均一範囲を求めることができる。
本発明に係る調整方法では、上記位置補正工程で決定する、温度均一範囲の形状は、円、楕円又は多角形であることが好ましい。
本発明に係る局所加熱装置は、以上のように、上記基板上における所望の加熱領域を設定する加熱処理領域設定手段と、上記基板を局所的に加熱する加熱手段と、上記基板に対する上記加熱手段の位置を変化させる移動手段と、上記加熱手段の加熱温度を計測する温度計測手段と、上記温度計測手段により求めた上記加熱温度に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する位置補正手段とを備えることを特徴としている。
このため、厳格な温度管理が要求されるプロセスであっても長期間安定して加熱処理を行うことができる局所加熱装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る調整方法は、上記加熱手段の加熱温度を計測する温度計測工程と、上記温度計測工程により求めた上記加熱温度に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する位置補正工程とを含むことを特徴としている。
このため、厳格な温度管理が要求されるプロセスであっても長期間安定して加熱処理を行うことができるという効果を奏する。
本実施の形態に係る局所加熱装置の概略構成を模式的に示す斜視図である。 図1の局所加熱装置における、加熱手段が校正用基板上にある状態の概略構成を模式的に示す斜視図である。 図2の局所加熱装置における、温度校正エリアの概略構成を拡大して示す斜視図である。 図3におけるA−A線矢視断面図である。 図3におけるB−B線矢視断面図である。 本実施の形態に係る局所加熱装置における、センサと加熱手段との位置関係の一例を模式的に示す平面図である。 本実施の形態に係る方法により温度計測を行った場合における、校正用基板上の測定点と測定範囲とを模式的に示す平面図である。 図7の各測定点における測定結果から求めた、校正用基板上における温度分布の一例を示す等高線図である。 図7の各測定点における測定結果から求めた、校正用基板上における温度分布の別の一例を示す等高線図である。 図7の各測定点における測定結果から求めた、校正用基板上における温度分布の更に別の一例を示す等高線図である。 本実施の形態に係る方法により、各測定点における温度測定結果から加熱中心を算出するアルゴリズムの一例を示すフロー図である。 図11に示すアルゴリズムにおける工程S2を模式的に示す平面図である。 図11に示すアルゴリズムにおける工程S3を模式的に示す平面図である。 図11に示すアルゴリズムにおける工程S4を模式的に示す平面図である。 図11に示すアルゴリズムにおける工程S5を模式的に示す平面図である。 図11に示すアルゴリズムにおける工程S5〜S10の結果を模式的に示す平面図である。 図11に示すアルゴリズムにおける工程S11を模式的に示す平面図である。 図11に示すアルゴリズムにおける工程S12を模式的に示す平面図である。 図11に示すアルゴリズムにおける工程S12〜S17の結果を模式的に示す平面図である。 本実施の形態に係る方法により、各測定点における温度測定結果から加熱中心を算出するアルゴリズムで算出した温度均一範囲の一例を示す平面図である。 本実施の形態に係る方法により、各測定点における温度測定結果から加熱中心を算出するアルゴリズムで算出した温度均一範囲の別の一例を示す平面図である。 本実施の形態に係る方法により、各測定点における温度測定結果から加熱中心を算出するアルゴリズムで算出した温度均一範囲の更に別の一例を示す平面図である。 校正用基板上における、計測した温度分布(境界カーブ)の一例を模式的に示す平面図である。 図23の温度分布から、温度均一範囲を求める工程の一例を模式的に示す平面図である。 図23の温度分布から、温度均一範囲を求める工程の別の一例を模式的に示す平面図である。 図23の温度分布から、温度均一範囲を求める工程の更に別の一例を模式的に示す平面図である。 校正用基板上における、計測した温度分布(境界カーブ)及び温度均一範囲の更に別の一例を模式的に示す平面図である。 校正用基板上における、計測した温度分布(境界カーブ)及び温度均一範囲の更に別の一例を模式的に示す平面図である。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。
(I)局所加熱装置
図1は、本実施の形態に係る局所加熱装置の概略構成を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1の局所加熱装置における、加熱手段が校正用基板上にある状態の概略構成を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る局所加熱装置100は、基板13における所望の領域を局所的に加熱処理する局所加熱装置である。上記局所加熱装置100は基板13を局所加熱することができるため、基板13の全てを焼成する必要が無い。このため、焼成箇所が少ない場合に、効率よく低コストで加熱処理を行うことができる。
上記局所加熱装置100は、上記基板13上における所望の加熱領域を設定する加熱処理領域設定手段41と、上記基板13を局所的に加熱する加熱手段1と、上記加熱手段1を移動させるスライド機構(加熱手段移動手段)6と、上記加熱手段1の加熱温度を計測する校正用基板(温度計測手段)2と、上記校正用基板2により求めた上記加熱温度に基づいて、基板13に対する加熱手段1の位置を補正する位置補正手段42とを備える。
本実施の形態に係る局所加熱装置100は、更に、基板搬送手段として、回転軸支持部材11と、回転軸10と、ローラー9とを備える。回転軸支持部材11は、基板13の搬送方向に沿って2つ設けられ、その間に基板13の搬送方向と略直交する方向に伸びた回転軸10が基板13の搬送方向に沿って、回転可能な状態でこれら回転軸支持部材11により複数固定されている。これら各回転軸10には、複数のローラー9が基板13の搬送方向に回転できるように固定されている。
上記基板13の搬送は、例えば、モータードライブ(図示せず)の駆動力をベルト、又はギアを介し回転軸10に伝達させ、回転軸10に固定されたローラー9を回転させることにより行われる。これにより、ローラー9上の基板13を回転軸10と直交する方向に移送する。
尚、基板13を移送する方向は、一方向(例えば、図1における右から左へ向かう方向)のみに限定されず、ローラー9を逆回転させることにより、反対の方向(例えば、図1における左から右へ向かう方向)に移送させる構成であってもよい。
本実施の形態に係る局所加熱装置100では、上記スライド機構6はスライド機構支持部材12により固定されている。また、上記加熱手段1は、上記支持部14により、スライド機構6上をスライド移動可能な可動子5に固定されている。これにより、加熱手段1を、上記基板13の搬送方向に対して直交する方向に安定して移動させることができる。
また、加熱手段1は、スライド機構6及び可動子5によって、加熱エリア7と温度校正エリア8との間を容易に移動可能な構造となっている。このような構成とすることにより、加熱処理を行っていないときは温度校正エリア8において、加熱手段1の温度の監視、及び調整を常時行うことが可能となる(図2参照)。
上記温度校正エリア8には、校正用基板2と、これを保持するための基板ホルダ4とが設置してある。ここで、校正用基板2により、加熱処理される基板13における加熱温度を間接的に計測する観点から、校正用基板2は基板13と同じ材質、同じ厚みを有し、スライド機構6によって移動してきた加熱手段1の下端から校正用基板2の加熱手段1と対向する側の面までの距離は、加熱手段1の下端から基板13の加熱手段1と対向する側の面までの距離と同じになるよう調整している。つまり、本実施の形態では、基板13の上面と上記校正用基板2の上面とが同一平面上に位置している。
また、本実施の形態に係る局所加熱装置100では、スライド機構6と同様に、校正用基板2を保持する基板ホルダ4もスライド機構支持部材12により固定されている。このように、双方の相対的な位置関係が変わらないようにすることで、加熱手段1と校正用基板2との位置精度を確保している。
更には、本実施の形態に係る局所加熱装置100では、校正用基板2により求めた温度に基づいて、加熱手段1の温度を制御する温度制御手段45を更に備える。これにより、加熱手段1の加熱温度をモニタして制御できるため、長期間より安定して加熱処理を行うことができる。
尚、上述の説明では、基板搬送手段がローラー9の場合について説明したが、これに限るものではない。処理を施さない基板13のエッジ部を直接、又は基板13を額縁状に囲った基板ホルダの一部分をクランプし、搬送方向と平行にスライドするスライド軸を利用して基板13を搬送してもよい。基板13を搬送することができる構成であれば、本実施形態と略同様の効果が得られる。
更には、上述の説明では、加熱手段1と基板13との両方を移動させる構成について説明したが、これに限るものではない。基板13を固定して加熱手段1のみを移動させる構成であってもよいし、加熱手段1を固定して基板13のみを移動させる構成であってもよい。上記基板に対する上記加熱手段の位置を変化させる構成であれば、本実施形態と略同様の効果が得られる。
また、上述の説明では、基板13の上面と上記校正用基板2の上面とが同一平面上に位置している構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、加熱手段1を高さ方向に移動できる構成である場合には、基板13の面と上記校正用基板2の面とは同一平面状にある必要はない。
図3は、図2の局所加熱装置100における、校正用基板2の概略構成を拡大して示す斜視図であり、図4は図3におけるA−A線矢視断面図であり、図5は、図3におけるB−B線矢視断面図である。
図3に示すように、上記校正用基板2には複数のセンサ3が設けてあり、各センサ3は加熱手段1の移動方向(図3中の矢印参照)と直交する方向に沿って複数配置される。
図4及び図5に示すように、本実施の形態では、上記センサ3は、校正用基板2における、上記加熱手段1と対向する面2aとは反対側の面(反対面2b)側から埋没して設けられている。
具体的には、例えば、図4及び図5に示すように、校正用基板2の反対面2b側から校正用基板2を加工して掘込部2cを開け(座繰り)、センサ信号線3aを挿入し、センサ3と校正用基板2との接点37が動かないように耐熱接着剤36で固定することにより、上記センサ3を、校正用基板2における、上記加熱手段1と対向する面2aとは反対側の面2b側から埋没して設けることができる。尚、掘込部2cから露出したセンサ信号線3aは、図5に示すように配線被覆38により被覆されている。
このように校正用基板2の対向面2a側にセンサ3の表面が曝されないようすることで、被加熱物から発生する分解物等の付着がセンサ3の検出精度に影響を及ぼすことがなくなり、長期間にわたって安定した測定が可能になる。
本実施の形態では、上記加熱手段1として、熱風ヒータを好適に用いることができる。係る場合、加熱手段1による熱放出は、例えば、図3に示すように、電源(図示せず)から供給された電力が電力線15を介し加熱手段1に供給され、内部の発熱体においてジュール熱に変換され、タンク、ボンベ、又はコンプレッサ等(図示せず)から熱輸送媒体としての気体が配管16を通じ供給部1bから加熱手段1へと供給され、当該気体により発熱体において発生したジュール熱を輸送して、吹出部1aから熱を放出することにより行うことができる。
尚、上記加熱手段1は熱風ヒータに限るものではなく、ランプヒータ、レーザ等であってもよい。基板の処理面側に構造物が直接触れることは基板自体や基板表面に形成された薄膜に対する機械的ダメージやストレス、付着物の残留や転写等の問題が発生し難いため、非接触で加熱できる構成で、且つ加熱効率が良好であれば、本実施形態と略同様の効果が得られる。但し、本実施形態のように、熱風ヒータの場合は、比較的取り扱いが容易で、消耗品の交換を含めたランニングコストを低く抑えることが可能なので、特に好ましい。
また、熱風ヒータは広い温度均一範囲を有するため、加熱すべき基板13の位置とヒータの加熱中心とが多少ずれても、加熱すべき基板13の位置を温度均一範囲内に維持することができる。このため、ステージの搬送精度が悪い場合であっても、長期間安定して加熱処理を行うことができる。
また、本実施の形態では、上記センサ3として、熱電対、測温抵抗体等を使用することができるが、安価で安定した温度測定が可能となるため熱電対を使用することが好ましい。
尚、本実施の形態では、校正用基板2を挟んで上側に加熱手段1を、下側にセンサ3を取り付けているが、これらの配置は上下を逆転しても構わない。つまり、校正用基板2を挟んで加熱手段1を下側に配置し加熱手段1の吹出部1aを上に向け、センサ3を校正用基板2の上側から取り付けるように装置を構成しても同様の加熱処理を実現できる。
また、上述の説明では、校正用基板2上においてセンサ3を並べる方向をスライド機構6の移動方向の直交方向とした構成について説明したが、これに限るものではない。
つまり、センサ3の配置方法や、センサ3の種類、センサ3の数はこれに限定するものではなく、加熱手段1の形態、形状、必要とされる温度分布の採り方等によって任意に決められる。よって、上記センサ3は、千鳥配置してもよいし、マトリックス配置してもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
但し、本実施形態のように、センサ3を、スライド機構6の移動方向の直交方向に並べた場合は、マトリックス状のデータ取得が容易となるため、特に効果が大きい。
上述したように、本実施の形態では、センサ3を校正用基板2に直接接触させて温度を計測するため、高い検出精度で温度を測定することができる。
また、本実施の形態では、温度計測手段として、温度センサ3が埋没して設けられた校正用基板2を用いる構成について説明したが、これには限られない。例えば、放射温度計により基板13の温度計測を行ってもよい。但し、放射温度計では、基板13が透明な場合には用いることができず、使用可能な基板13の種類が限定される。
尚、〔背景技術〕において挙げた特許文献2において開示された方法では、検出を非接触で行っており、このような場合、放射温度計を用いることが一般的である。
放射温度計は、物体から放射される赤外線や可視光線の強度を測定して物体の表面温度を測定する温度計であり、これらの赤外線や可視光線といった熱放射は黒体放射によって生じ、温度と放出エネルギーとの関係を表すシュテファン=ボルツマンの法則及びプランクの式によって、物体の温度を算出することができることを利用するものである。
放射温度計は非接触で測定が可能である他、測定を高速で行うことができるという長所がある一方で、物質によって熱放射の放射率εが異なるため、放射率の補正を考慮しないと測定温度が正しく測れないという欠点がある。一般的に、放射率を正確に求めることは非常に難しく、このことから対象物表面状態に非常に左右される計測方法となり誤差が生じ易い。
このため、放射温度計は、温度条件のシビアなプロセスにおいては使い難いという課題がある。また、加熱中に修正ペーストから発生した分解物がセンサ面に付着し検出精度が低下すると誤差を生じ易くなるという課題もあった。
上記以外として温度センサを直接基板に接触させた状態で温度を検出する方法も考えられるが、基板や修正部にダメージを与える可能性が高く現実的ではない。
(II)局所加熱する位置の調整方法
本実施の形態に係る局所加熱する位置の調整方法は、加熱手段の基板に対する位置を、局所加熱する所望の領域に変化させ、当該加熱手段により当該領域を局所的に加熱処理する局所加熱方法における、局所加熱する位置の調整方法であって、上記加熱手段の加熱温度を計測する温度計測工程と、上記温度計測工程により求めた上記加熱温度に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する位置補正工程と、を含む。
上記調整方法を含む局所加熱方法は、例えば、上述した、図1〜3に示す局所加熱装置100を用いて行うことができる。以下、本実施の形態に係る局所加熱方法の一例として、局所加熱装置100を用いて、局所加熱する位置の調整方法、並びに局所加熱を行う方法について説明する。
(加熱領域設定工程)
加熱領域設定工程は、基板13上における、所望の加熱領域を設定する工程である。本実施の形態では、加熱処理領域設定手段41に所望の加熱処理領域を入力することにより加熱領域を設定する。
(移動工程)
移動工程は、入力した上記加熱領域に、上記加熱手段1が移動するように、加熱手段1及び/又は基板13を移動させる工程である。
本実施の形態では、局所加熱を行う基板13は、まず上記ローラー9上に置かれる。そして、上記加熱領域設定工程により入力した加熱処理領域に基づいて、加熱処理領域設定手段41が、ローラー9に基板13を所定の位置へ搬送させる(基板搬送工程)。基板13を静止させた後、スライド機構6の可動子5を回転軸10の軸と平行な方向に移動させることにより、加熱手段1を所定の位置に移動させ静止させる(加熱手段移動工程)。
(加熱工程)
加熱工程は、上記基板13を局所的に加熱する工程である。
本実施の形態では、上記移動工程により所定の位置へ移動した加熱手段1から熱を放出させることにより、上記基板13における上記加熱処理領域を局所的に加熱する。
加熱処理終了後は、例えば、ローラー9を回転させ、又は搬送方向と平行にスライドするスライド軸(図示せず)を使って基板13を移動させ、加熱手段1を所定の位置に移動させ、同一基板13の別の箇所を、又は処理済み基板13を払い出した後、新たな基板を搬入し次の加熱処理を行う。
(温度計測工程)
温度計測工程は、加熱手段1の加熱温度を計測する工程である。
図6は、本実施の形態に係る局所加熱装置100における、センサ3と加熱手段1との位置関係の一例を模式的に示す平面図である。以下、図3及び図6に従って、温度をN回測定する場合における温度の計測手順の一例について説明する。
まず、スライド機構6を用い加熱手段1を1回目の測定位置17に移動させる。そして、センサ3を用いて、1回目の測定位置17における温度測定を行う。
ここで、本実施の形態のように、複数のセンサ3により同時に温度を測定する場合には、センサ信号線3aから出力される信号をデータロガー(図示せず)に入力することで複数センサ3の温度データを同時に取得することが可能となる。
また、上記データロガーは更に通信ケーブル等によってパーソナルコンピュータ(PC)(図示せず)等と繋がれ、双方向のデータ通信が可能な状態となっており、上記データロガーによって取得されたデータをPC側に転送できるようになっていてもよい。
これによって、後述するPC側での温度データ解析が可能となる他、更に、スライド機構6のドライバ−PC(以下、「スライド機構ドライバPC」と記す)と通信可能な状態とすることにより、可動子5の移動完了通知を上記データロガーの測定開始のトリガーとする等、上記データロガーと上記スライド機構6との間の同期が可能となる。つまり、このような構成とすることで限られたセンサ数であっても多点測定を効率よく行うことができる。
1回目の測定位置17での測定で一定時間温度測定を行った後、図6に示すように、スライド機構6により加熱手段1を移動方向19に移動させる。
これらの工程は、例えば、(i)所定位置での加熱手段1による測定時間を上記スライド機構ドライバPC側のタイマーで計測し、(ii)所定時間を経過すると当該タイマーがその旨を上記スライド機構ドライバPC側に通知し、(iii)これを受けて上記スライド機構ドライバPCは、上記データロガーにその旨伝え、上記データロガーにおける測定を一旦終了させる、のような流れで実現することができる。
本実施の形態では、可動子5が次の測定位置に移動し、移動が完了した時点で、スライド機構6は上記スライド機構ドライバPCにその旨通知する。そして、上記スライド機構ドライバPCは上記データロガーに対し測定開始のトリガーを発信する。これを受けた上記データロガーは温度の測定を開始する。以降、N回目の測定位置18での測定を終えるまで同様の操作が繰り返される。以上の操作により、加熱手段1の加熱温度の温度分布を計測することができる。
(温度制御工程)
温度制御工程は、上記温度計測工程により求めた温度に基づいて、加熱手段1の温度を制御する工程である。具体的には、上記温度計測工程により求めた温度に基づいて、温度制御手段45が、予め設定された温度となるように加熱手段1の温度を制御する。
(位置補正工程)
位置補正工程は、加熱手段1と基板13との相対的な位置関係を補正する工程であり、位置補正手段42によって行うことができる。
上記位置補正工程は、上記温度計測工程で求めた温度分布全体に基づいて、校正用基板における、所定の温度範囲となる領域を特定し、当該領域内から温度均一範囲を決定する温度均一範囲決定工程と、当該温度均一範囲について、温度均一範囲決定工程による決定よりも詳細にそれぞれ再計算する温度均一範囲再計算工程と、再計算した上記温度均一範囲に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する加熱手段位置補正工程と、を少なくとも含む。
ここで、位置補正手段42は、図示しない、上記温度均一範囲決定工程を行う温度均一範囲決定手段と、上記温度均一範囲再計算工程を行う温度均一範囲再計算手段と、上記加熱手段位置補正工程を行う加熱手段位置補正手段とを備える。
以下、温度均一範囲決定工程において特定される、校正用基板における、所定の温度範囲となる領域の境界が略円形である場合、並びに複雑な形状である場合についての例についてそれぞれ説明する。
<境界が略円形である場合の一例>
図7は、図6の方法により温度計測を行った場合における、校正用基板2上の測定点21と測定範囲20とを模式的に示す平面図である。図7中、点線で囲んだ範囲が1回目の測定位置での測定点群22である。
図8は、図7の各測定点における測定結果から求めた、校正用基板2上における温度分布の一例を示す等高線図(実線)である。図8における温度は、例えば、測定開始から測定完了までの温度を平均したものである。また、図9は、図7の各測定点における測定結果から求めた、校正用基板2上における温度分布の別の一例を示す等高線図であり、図10は、図7の各測定点における測定結果から求めた、校正用基板2上における温度分布の更に別の一例を示す等高線図である。
以下に、局所加熱処理を行う場合の温度均一範囲の求め方、及び加熱手段の調整方法について説明する。
ここでは、局所加熱処理において許容される温度範囲の上限及び下限が規定されていると仮定した場合に、加熱手段1に供給する電力及び熱輸送媒体の流量を調整し、測定範囲20内の最高温度が上限温度以下になるよう調整する。このような調整を行った状態で上述した加熱温度測定を行い、図8に示すような温度の等高線25が得られたとする。
尚、測定結果から等高線図を求める場合の算出方法については、先に述べた温度計測工程において例示した方法に限定されるものではなく、例えば、各測定点21における、測定開始から任意時間経過後の瞬時値であってもよいし、任意経過後から一定時間の間の平均値であってもよいし、これ以外の値であってもよい。
図8において、上記下限温度が実線24であるとすると、実線24に囲まれる範囲内が局所加熱処理でいうところの温度均一範囲になる。このときに要求される温度均一範囲が点線23で示されている範囲であるとすると、図8に示す温度分布では、実際に測定した加熱中心27の位置と設定した加熱中心26の位置とが一致しており、係る場合における加熱処理は適正に行われると判断できる。
一方、図9及び図10では、加熱手段1自体の経時変化、周囲環境の影響等、加熱中に何らかの原因により温度分布に変化が生じた場合の温度分布を示しており、何れも実際に測定した加熱中心27の位置と初期或いは前回位置補正時の加熱中心26の位置とが一致していないため、このままでは適切な加熱処理ができない状態になっている例である。
図9及び図10に示すような状態における、加熱中心26の調整方法としては、例えば、ローラー9による基板13の搬送位置の調整の際、及び/又はスライド機構6による加熱手段1の停止位置の調整の際に、設定した加熱領域の位置に対してそれぞれオフセットを履かせることによって実現する方法が挙げられる。
つまり、加熱処理を行う際、校正用基板2等の温度計測手段から得られた温度分布に基づいて、位置補正手段42により、加熱手段1と基板13上における加熱処理すべき点との相対位置を、上記で得られた位置関係とすることで所望の加熱処理を実現することができる。
図11は、各測定点における温度測定結果から加熱中心を算出するアルゴリズムの一例を示すフロー図である。
より具体的には、要求される温度均一範囲23が円形であると仮定し、得られた温度分布から最も広範囲に温度均一円を切り出すための具体的なアルゴリズムを説明するフロー図である。また、図12〜19は、図11に示すアルゴリズムを模式的に示す平面図であり、図12〜図19は、図11中(a)〜(h)の記号が付された各工程にそれぞれ対応する。
以下、図11及び図12〜19に基づいて、各測定点における温度測定結果から加熱中心を算出するアルゴリズムの一例を説明する。
(a)温度均一範囲決定工程
図11に示すように、まず、工程S1により変数の初期化を行った後、工程S2により、測定範囲20における測定点21から温度均一範囲を抽出する。図12では、温度均一範囲にある点29を黒丸で示している。
続いて、工程S3により、図13に示すように、温度均一範囲にある点29と、それと隣り合う、温度均一範囲ではない測定点21’との測定点間を内挿して境界点30を作成する。より具体的には、例えば、隣り合う温度均一範囲にある点29(黒丸)と温度均一範囲ではない測定点21’(白丸)とのそれぞれの温度について一次補間式を作成し、当該式に上記下限温度を代入することで各境界における座標値を求め、境界点30を求めることができる。
次に、工程S4により、図14に示すように、求めた上記境界点30において、隣り合う境界点30を線で結ぶことにより、境界カーブ31を作成する。境界カーブは、例えば、隣り合う境界点を直線で結ぶことで得られる。
次に、工程S5〜S10により、内点(温度均一範囲にある点29)−境界カーブ31間の距離diを計算する。
具体的には、工程S5〜S8を境界カーブの全周の分割数n回繰り返し、特定の内点(温度均一範囲にある点)29における、境界カーブ31との間の最小距離dminを求める。例えば、図15に示すように、境界カーブ31の全周を12個に分割し、特定の内点における、境界カーブ31との間の距離diをそれぞれ求めることにより、最小距離dminを求めることができる。
そして、工程S9により、上記最小距離dminが、温度均一範囲の半径Rmaxよりも大きければ、温度均一範囲の半径Rmaxを上記最小距離dminとした上で、当該内点29を暫定的な加熱中心O’とする(図16参照)。
続いて、工程S10により、他の内点がまだ存在すれば、工程S5に戻り、別の内点についても上述と同様に工程S5〜S9を行い、全ての内点について最小距離dminを求めるまで、工程S5〜S10を繰り返す。
(b)温度均一範囲再計算工程
全ての内点について測定後は、工程S11により、工程S9で決定した暫定的な加熱中心O’の周囲に、図17に示すような近接点34を生成する。
そして、工程S5〜S10と同様に、工程S12〜S17により、近接点34−境界カーブ31間の距離ddiを計算する。具体的には、工程S12〜S15を境界カーブの全周の分割数m回繰り返し、特定の近接点34における、境界カーブ31との間の最小距離ddminを求める(図18参照)。
そして、工程S16により、上記最小距離ddminが、温度均一範囲の半径Rmaxよりも大きければ、温度均一範囲の半径Rmaxを上記最小距離ddminとした上で、当該内点を最終的な加熱中心(実際の加熱中心)Oとする。続いて、工程S17により、近接点34がまだ存在すれば、工程S12に移り、別の近接点34についても上述と同様に工程S12〜S16を行い、全ての近接点34について最小距離ddminを求めるまでこれらの工程を繰り返す。そして、全ての近接点34について最小距離ddminを求めた後、S18により、実際の加熱中心O、Rmaxを出力して終了する(図19参照)。
尚、上述の説明では、例えば、図15に示すように、内点28と境界カーブ31との間の距離を12方向について計算しているが、これに限るものではない。この場合の探索方向は、必要とされる加熱中心の位置の正確さによって任意に選ぶことができる。工程(g)についても同様である。
(c)加熱手段位置補正工程
図20は、各測定点における温度測定結果から実際の加熱中心27を算出するアルゴリズムにより算出した温度均一範囲の一例を示す平面図である。
図20では、初期或いは前回位置補正時の加熱中心26の位置と上記アルゴリズムにより算出した実際の加熱中心27とが一致している。係る場合には、加熱処理は適正に行われると判断できるため、位置補正手段42は、基板13を加熱する際に、スライド機構6及びローラー9に対して、基板に対する加熱手段の位置を調整させない。
一方、図21は、各測定点における温度測定結果から加熱中心を算出するアルゴリズムにより算出した温度均一範囲の別の一例を示す平面図であり、図22は、各測定点における温度測定結果から加熱中心を算出するアルゴリズムにより算出した温度均一範囲の更に別の一例を示す平面図である。
係る場合には、位置補正手段42は、基板13を加熱する際に、スライド機構6及びローラー9に対して、得られた実際の加熱中心27と初期の加熱中心26との間の距離をオフセット値として、基板13に対する加熱手段1の位置を調整させる。
尚、上述の説明では、位置補正工程において、境界カーブ31を、測定範囲20における測定点21から温度均一範囲を抽出し、当該温度均一範囲にある点29と、それと隣り合う、温度均一範囲ではない測定点21’との測定点間を内挿して境界点を作成し、求めた上記境界点において、隣り合う境界点を線で結ぶことにより求めているが、温度均一範囲を基準とする代わりに、所定の温度範囲を基準としてもよい。
言い換えれば、上記位置補正工程は、(i)温度計測手段により求めた温度分布から所定の温度範囲に収まる部分と収まらない部分とに分けた後、前者の方で面積が最大となる温度均一範囲を特定する工程と、(ii)加熱処理する際、焼成対象の焼成座標に加熱手段を合わせに行く時に基準とする点(例えば、加熱手段の中心軸の延長線上に当たる座標)と温度均一範囲の代表点(重心や中心等)との間の位置ズレを座標情報から求める補正情報導出工程と、(iii)この補正情報に基づき温度均一範囲の代表点と焼成対象の焼成座標とが一致するように基板搬送手段及びスライド機構等を用いて加熱手段及び基板を移動させる位置決め工程とを含む工程であってもよい。
<境界が複雑な形状である場合の一例>
本実施の形態において、工程S4により求めた境界カーブ31が、図14に示すような略円形ではなく、図23に示すような複雑な形状である場合では、図24に示すように、一見、最大面積の温度均一範囲と思える箇所201が、詳細に計算した結果では、最大面積の温度均一範囲ではない場合がある。このような場合には、1箇所の温度均一範囲のみを検討するだけでは、最大面積の温度均一範囲202を確実に求めることは困難である。
上記のような場合において最適な温度均一範囲を算出する方法の一例について以下説明する。
当該方法では、位置補正工程は、温度均一範囲決定工程と、温度均一範囲再計算工程と、基板に対する加熱手段の位置を補正する工程とに加えて、最適温度均一範囲決定工程を含む。ここで、位置補正手段42は、更に、上記最適温度均一範囲決定工程を行う最適温度均一範囲決定手段(図示せず)を備える。
(a)温度均一範囲決定工程
温度均一範囲決定工程は、上記温度計測工程で求めた温度分布に基づいて、校正用基板における、所定の温度範囲となる領域210を特定し、当該領域内から複数の温度均一範囲を決定する工程である。
具体的には、まず、温度均一範囲決定手段によって、図13及び14に示す上述した工程S2〜4と同様に、測定範囲における測定点から所定の温度範囲となる領域を抽出し、当該所定の温度範囲にある点と、それと隣り合う、所定の温度範囲ではない測定点との測定点間を内挿して境界点を作成し、求めた上記境界点において、隣り合う境界点を線で結ぶことにより、図23に示すような、所定の温度範囲となる領域210を求める。
次に、所定の温度範囲となる上記領域210内にある、上記温度センサによって測定した各測定点について、当該点を中心とする仮温度均一範囲を、図25の(a)に示すようにそれぞれ求める。具体的には、各仮温度均一範囲は、図15に示す上述した工程S5〜6と同様に、特定の測定点に対して、上述した工程S5〜S6を境界カーブの全周の分割数n回繰り返し、特定の測定点における、境界カーブ31との間の最小距離dminを求める。そして、当該測定点を中心として最小距離dminで描かれた円状の範囲を仮温度均一範囲として決定する。他の測定点についても同様の計算を行なうことによって、所定の温度範囲となる上記領域210内にある各測定点について、当該点を中心とする仮温度均一範囲をそれぞれ求めることができる。
尚、図25の(a)では、説明を分かり易くするため、横方向に7つの測定点を設けた場合について例示している。
そして、求めた仮温度均一範囲から面積の大きい順に2以上選択することによって温度均一範囲を決定することができる(図25の(b)では5箇所)。
また、別の方法として、求めた仮温度均一範囲において、周囲の仮温度均一範囲よりも面積が大きい仮温度均一範囲の全て(図26(b)では、A1、A2、A3)を温度均一範囲として決定してもよい。
(b)温度均一範囲再計算工程
温度均一範囲再計算工程は、複数の上記温度均一範囲について、温度均一範囲決定工程による決定よりも詳細にそれぞれ再計算する工程である。具体的には、例えば、図17〜19に示す上述した工程S11〜S18と同様に、複数の上記温度均一範囲それぞれについて、暫定的な加熱中心の周囲に近接点を生成して、温度均一範囲の加熱中心位置及び半径を再計算することによって行うことができる。
(c)最適温度均一範囲決定工程
そして、温度均一範囲再計算工程によって求めた、各温度均一範囲について、その半径から面積をそれぞれ求め、面積が最も大きい温度均一範囲を、最適温度均一範囲として決定する。尚、図25の(b)に示す場合では、A1が最適温度均一範囲として決定される。
(d)加熱手段位置補正工程
その後、上述した「<境界が略円形である場合の一例>」と同様に、この最適温度均一範囲に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する。
尚、本実施の形態では、仮の温度均一範囲及び温度均一範囲の形状が円形である場合について説明したが、例えば、図27に示すように、温度均一範囲205の形状が楕円又は多角形であってもかまわない。
また、本実施の形態では、境界カーブ31が横に広がった形状を有している場合について説明したが、例えば、図28(a)に示すように、境界カーブ31がC字状に広がった形状や、図28(b)に示すように、境界カーブの中に、温度均一範囲ではない領域が含まれるドーナツ状の形状であっても、上述した同様の方法によって温度均一範囲205を求めることができる。
尚、上記「所定の温度範囲」とは、使用目的等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、250〜350℃の範囲に設定することができる。
尚、上記に述べた温度計測工程、並びに位置補正工程における一連の工程は、上記加熱処理工程前、同一基板上に複数ある加熱処理対象間の移動途中、又は加熱処理工程後の何れか、又はこれらを組み合わせることで、信頼性の高い安定した加熱処理を常に実現することが可能となる。
尚、上述の説明によれば、温度計測工程、及び位置補正工程以外の各種工程を含む方法について説明したが、これには限られない。つまり、少なくとも温度計測工程、及び位置補正工程を含んでいれば、厳格な温度管理が要求されるプロセスであっても長期間安定して加熱処理を行うことができるという効果を奏する。
以上のように、本発明によれば、(i)加熱処理する基板とは別に校正用基板を用意し、校正用基板に取り付けてある温度センサを用いてデータ取得を行う。このため誤差の少ない温度測定が行える上、被加熱物から発生する分解物等が付着し難いので長期間にわたって安定した測定が可能となる、(ii)加熱手段の特に発熱体及びその周辺部分に対する熱膨張、収縮の繰り返し付与によって生ずる有効加熱領域の微小なズレに対しても、これを常時モニタし、必要に応じて調整できる仕組みを有しているため、特に温度条件がシビアなプロセスであっても常に安定した信頼性の高い加熱処理を実現できる、(iii)基板の大型化、高精細化などにより加熱処理点数が増え、ヒータの有効加熱領域の調整頻度が増えた場合であっても加熱手段の校正基板上へ移動が容易であるため、常に安定した加熱処理を行うことができる、等の効果を奏する。
尚、以上説明した本発明は、以下のように言い換えることもできる。即ち、
(1)基板を局所的に加熱処理するための局所加熱装置であって、基板搬送手段と、加熱手段と、上記加熱手段を支持する支持部材と、上記支持部材上に設けられ、加熱手段を非処理基板の搬送方向に対して略垂直方向に走査するための移動手段と、上記加熱手段の温度を計測し、温度を補正及び制御する温度制御手段と、加熱手段と基板との相対的な位置関係を補正する位置補正手段と、上記基板上の所望の加熱領域を設定するための加熱処理領域設定手段とを有することを特徴とする局所加熱装置。
(2)上記温度制御手段における温度計測手段は、非処理基板と同じ材質及び厚さを有する校正用基板を用いて、上記校正用基板に埋設されたセンサにより、温度を計測することを特徴とする上記(1)に記載の局所加熱装置
(3)上記センサは熱電対であり、この熱電対は上記移動手段の移動方向と直交する方向に複数並べて取り付けられていることを特徴とする上記(2)に記載の局所加熱装置。
(4)上記基板搬送装置に搭載される基板面と校正用基板面とは、同一平面であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1つに記載の局所加熱装置。
(5)上記温度制御手段における温度補正及び制御手段は、所望の領域が、所望の温度範囲になるように、上記温度計測手段により得られたデータに基づいて、加熱手段を制御することを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1つに記載の局所加熱装置。
(6)基板搬送手段と、加熱手段と、上記加熱手段を支持する支持部材と、上記支持部材上に設けられ、加熱手段を非処理基板の搬送方向に対して略平行に走査するための移動手段と、上記加熱手段の温度を計測し、所望の領域が、所望の温度範囲になるように、上記温度計測手段により得られたデータに基づいて、加熱手段を制御する温度制御手段と、加熱手段と基板との相対的な位置関係を補正する位置補正手段と、上記基板上の所望の加熱領域を設定するための加熱処理領域設定手段とを有し、上記データを取得するタイミングは、加熱処理前、複数ある加熱処理対象間の移動途中、或いは加熱処理後の何れかであることを特徴とする局所加熱の調整方法。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の局所加熱装置は、厳格な温度管理が要求されるプロセスであっても長期間安定して加熱処理を行うことができる。このため、液晶、プラズマ、有機EL(Electro Luminescence)、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)等のFPD(Flat Panel Display)や、太陽電池等の製造工程において、基板上に直接塗布した液体を乾燥させたり、熱硬化性材料を加熱して硬化させたりすることで基板上に薄膜を形成する製造装置等に好適に使用することができる。
1 加熱手段
1a 吹出部
1b 供給部
2 校正用基板(温度計測手段)
2a 対向面
2b 反対面
2c 掘込部
3 センサ
3a センサ信号線
4 基板ホルダ
5 可動子
6 スライド機構(加熱手段移動手段)
9 ローラー(基板搬送手段)
11 回転軸支持部材
12 スライド機構支持部材
13 基板
14 支持部
15 電力線
16 配管
36 耐熱接着剤
37 接点
38 配線被覆
41 加熱処理領域設定手段
42 位置補正手段
45 温度制御手段
100 局所加熱装置

Claims (20)

  1. 基板における所望の領域を局所的に加熱処理する局所加熱装置であって、
    上記基板上における所望の加熱領域を設定する加熱処理領域設定手段と、
    上記基板を局所的に加熱する加熱手段と、
    上記基板に対する上記加熱手段の位置を変化させる移動手段と、
    上記加熱手段の加熱温度を計測する温度計測手段と、
    上記温度計測手段により求めた上記加熱温度に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する位置補正手段と、
    を備えることを特徴とする局所加熱装置。
  2. 上記移動手段は、上記加熱手段を移動させる加熱手段移動手段と、上記基板を搬送する基板搬送手段とを備え、
    上記加熱手段移動手段は、上記基板の搬送方向に対して直交する方向に上記加熱手段を移動させることを特徴とする、請求項1に記載の局所加熱装置。
  3. 上記位置補正手段は、上記温度計測手段により求めた上記加熱温度における加熱中心位置に基づいて、加熱手段と基板との相対的な位置関係を補正することを特徴とする、請求項1又は2に記載の局所加熱装置。
  4. 上記温度計測手段では、温度センサが埋没して設けられた校正用基板を用いて温度を計測し、
    上記校正用基板は上記基板と同じ材質及び厚さを有することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の局所加熱装置。
  5. 上記センサは熱電対であり、
    上記熱電対は、上記移動手段が移動させる加熱手段の移動方向と直交する方向に複数並べて取り付けられていることを特徴とする、請求項4に記載の局所加熱装置。
  6. 上記センサは、校正用基板における、上記加熱手段と対向する面とは反対側の面側から埋没して設けられていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の局所加熱装置。
  7. 基板搬送手段によって搬送される基板表面と、上記校正用基板表面とが、同一平面上にあることを特徴とする、請求項4〜6の何れか1項に記載の局所加熱装置。
  8. 上記温度計測手段は、複数の温度センサが埋没して設けられた校正用基板を用いて当該基板における温度を計測することによって当該基板の温度分布を求め、
    上記位置補正手段は、上記温度計測手段で求めた温度分布全体に基づいて、校正用基板における、所定の温度範囲となる領域を特定し、当該領域内から複数の温度均一範囲を決定する温度均一範囲決定手段と、
    複数の当該温度均一範囲について、温度均一範囲決定手段による決定よりも詳細にそれぞれ再計算する温度均一範囲再計算手段と、
    再計算した複数の上記温度均一範囲から、最適な温度均一範囲を決定する最適温度均一範囲決定手段と、
    を備え、
    最適な上記温度均一範囲に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正することを特徴とする、請求項4〜7の何れか1項に記載の局所加熱装置。
  9. 上記温度均一範囲決定手段は、校正用基板における、所定の温度範囲となる上記領域内にある、上記温度センサによって測定した各測定点について、当該各測定点を中心とする仮温度均一範囲をそれぞれ求め、当該仮温度均一範囲から面積の大きい順に2以上選択することによって温度均一範囲を決定することを特徴とする、請求項8に記載の局所加熱装置。
  10. 上記温度均一範囲決定手段は、校正用基板における、所定の温度範囲となる上記領域内にある、上記温度センサによって測定した各測定点について、当該各測定点を中心とする仮温度均一範囲をそれぞれ求め、当該仮温度均一範囲において、周囲の仮温度均一範囲よりも面積が大きい仮温度均一範囲の全てを温度均一範囲として決定することを特徴とする、請求項8に記載の局所加熱装置。
  11. 上記位置補正手段が決定する温度均一範囲の形状は、円、楕円又は多角形であることを特徴とする、請求項8〜10の何れか1項に記載の局所加熱装置。
  12. 上記温度計測手段により求めた温度に基づいて、加熱手段の温度を制御する温度制御手段を更に備えることを特徴とする、請求項1〜11の何れか1項に記載の局所加熱装置。
  13. 加熱手段の基板に対する位置を、局所加熱する所望の領域に変化させ、当該加熱手段により当該領域を局所的に加熱処理する局所加熱方法における、局所加熱する位置の調整方法であって、
    上記加熱手段の加熱温度を計測する温度計測工程と、
    上記温度計測工程により求めた上記加熱温度に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する位置補正工程と、
    を含むことを特徴とする調整方法。
  14. 上記温度計測工程及び上記位置補正工程を、上記加熱手段による加熱処理前、上記加熱手段による加熱処理後、又は上記加熱手段の位置の変化途中、の何れか、或いはこれら各タイミングを組み合わせて行うことを特徴とする、請求項13に記載の調整方法。
  15. 上記加熱手段を移動させる加熱手段移動工程と、上記基板を搬送する基板搬送工程とを含み、
    上記加熱手段移動工程では、上記基板の搬送方向に対して直交する方向に上記加熱手段を移動させることを特徴とする、請求項13又は14に記載の調整方法。
  16. 上記温度計測工程により求めた温度に基づいて、加熱手段の温度を制御する温度制御工程を更に含むことを特徴とする、請求項13〜15の何れか1項に記載の調整方法。
  17. 上記温度計測工程では、複数の温度センサが埋没して設けられた校正用基板を用いて当該基板における温度を計測することによって当該基板の温度分布を求め、
    上記位置補正工程では、
    上記温度計測工程で求めた温度分布全体に基づいて、校正用基板における、所定の温度範囲となる領域を特定し、当該領域内から複数の温度均一範囲を決定する温度均一範囲決定工程と、
    複数の当該温度均一範囲について、温度均一範囲決定工程による決定よりも詳細にそれぞれ再計算する温度均一範囲再計算工程と、
    再計算した複数の上記温度均一範囲から、最適な温度均一範囲を決定する最適温度均一範囲決定工程と、
    最適な上記温度均一範囲に基づいて、基板に対する加熱手段の位置を補正する工程と、
    を含むことを特徴とする、請求項13〜16の何れか1項に記載の調整方法。
  18. 上記温度均一範囲決定工程では、校正用基板における、所定の温度範囲となる上記領域内にある、上記温度センサによって測定した各測定点について、当該各測定点を中心とする仮温度均一範囲をそれぞれ求め、当該仮温度均一範囲から面積の大きい順に2以上選択することによって温度均一範囲を決定することを特徴とする、請求項17に記載の調整方法。
  19. 上記温度均一範囲決定工程では、校正用基板における、所定の温度範囲となる上記領域内にある、上記温度センサによって測定した各測定点について、当該各測定点を中心とする仮温度均一範囲をそれぞれ求め、当該仮温度均一範囲において、周囲の仮温度均一範囲よりも面積が大きい仮温度均一範囲の全てを温度均一範囲として決定することを特徴とする、請求項17に記載の調整方法。
  20. 上記位置補正工程で決定する温度均一範囲の形状は、円、楕円又は多角形であることを特徴とする、請求項17〜19の何れか1項に記載の調整方法。
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