JP5536765B2 - 部分糖鎖エピトープを用いた、病原性ナイセリア属細菌感染の検出方法およびそれら細菌に対するワクチン - Google Patents

部分糖鎖エピトープを用いた、病原性ナイセリア属細菌感染の検出方法およびそれら細菌に対するワクチン Download PDF

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Description

本願は平成21年5月20日出願の日本国特許願(特願2009−122595)に基づく優先権を主張する。当該出願の全内容は引用により本明細書の一部をなす。
本発明は、ナイセリア属細菌への感染を検出するためのツールとして、ナイセリア属細菌産生糖鎖部分構造を利用する方法およびバイオチップならびに該糖鎖部分構造を含むナイセリア属細菌に対するワクチンを提供する。
インフルエンザb型細菌、淋菌または髄膜炎菌のような細菌感染によって引き起こされる細菌性髄膜炎は、その診断および治療が遅れると、致死率が増大し、治癒したとしても深刻な後遺症を伴う場合が多い。免疫力の低い乳幼児や子供をこのような細菌感染から守るために、欧米では1980年代からワクチン開発が行われてきている。しかしながら、髄膜炎菌の血清B型には、未だに有効なワクチンが存在しない。さらに、これらの細菌性髄膜炎の診断には酵素免疫法(EIA法)、液相ハイブリダイゼーション法、PCR法、LCR法等が用いられるが、いずれの方法も時間がかかる(例えば数日)ため、簡便で迅速な診断ツールの開発が求められている。
これまでは髄膜炎菌のワクチン開発は、これら細菌が産生する細胞外膜の糖質抗原であるカプセル多糖を用いて行われてきたが、近年、別の糖質抗原であるリポオリゴ糖(lipooligosaccharide、以下LOSと略)を用いた開発研究が行われている。LOSは、オリゴ糖とリピッドAと呼ばれる脂質が結合した複合糖脂質であり、宿主に対し免疫原性を有することから、これらの細菌への感染予防のためのワクチンの有望な標的と期待されて、その免疫化学および構造研究が行われてきている。これらの研究によって、オリゴ糖鎖は変異の少ない属特有のコア糖鎖と可変糖鎖からなり、このような糖鎖構造がLOSの抗原性を支配することが見出されている。コア糖鎖に結合している可変糖鎖は、宿主の糖脂質の部分構造と同一であり、このことから、細菌は宿主の糖鎖構造を模倣して宿主の免疫監視機構をくぐり抜けるのではないかと示唆されている。
しかしながら、本発明者や他の研究者により、宿主と同一の糖鎖が存在してもLOSのコア糖鎖に結合する殺菌性抗体が存在することが明らかにされており、このコア糖鎖を標的としたワクチン開発の可能性が大きく浮かび上がってきている。これまでに、髄膜炎菌のLOSを標的としたワクチンとしては、タンパクと脱アシル化したLOSを結合したコンジュゲートとするアプローチ等が知られている。
特開2001−11096号公報 特開2000−9733号公報 特開2007−256214号公報 山崎良平著、「細菌感染と糖鎖 病原性細菌の糖鎖抗原、リポオリゴ糖の構造との病原性における役割」、化学と生物、Vol. 41, No.1, 2003, 15-21 Yamasaki, R. Etc. J. Biol. Chem. 269, 30345-30351 (1994) Yamasaki, R. Etc. Biochemistry 30, 10566-10575 (1991) Mandrell, R. E. Etc. J. Exp. Med. 171, 1649-1664 (1990) Mandrell, R. E. Etc. Immunobiolo. 187, 382-402 (1993) Noda, K. Etc. FEMS Microbiol Lett. 2001 Dec 18; 205 (2): 349-54 Yamasaki, R. Etc. J.Carbohydr. Chem. 20, 171-180, 2001 Leavell, M. D. Etc. J Am Soc Mass Spectrom. 2002 May; 13(5): 571-6 Ishii, K. Etc. Carbohydr Res. 2002 Jan 7; 337(1): 11-20 Kubo, H. Etc. Eur. J. Org. Chem. 1202-1213, 2004 Ishii, K. Etc. Eur. J. Org. Chem. 1214-1227, 2004 Yamasaki, R. Etc. J Biochem (Tokyo) 137, 487-94, 2005 Ichiyanagi, T. Etc. Carbohydr Res. 2005 Dec 12; 340(17): 2682-7. Epub 2005 Sep 29
したがって本発明は、上記のような髄膜炎起炎菌が産生するLOSの全ての糖鎖構造を利用するのでなく、コア糖鎖の分岐構造に着目し、コア糖鎖の部分構造を利用した髄膜炎の診断を可能とするツールを提供することを目的とする。また、本発明は、上記の脱アシル化したLOSでは、コア糖鎖内に発現するリン酸基、アセチル基等の官能基も除去することになり、このような官能基を含んだコア糖鎖を産生する細菌を検出できないため、このような制約を受けない診断ツールを提供することも目的とする。
本発明の別の目的は、脱アシル化せずにコア糖鎖の部分構造を利用した髄膜炎起炎菌に対するワクチンを提供することである。
驚くべきことに、本発明者は、抗LOSヒトIgGが構造の異なるLOSおよびLPSに結合するが、これは単一の抗体が共通のエピトープを認識するのではなく、少なくとも三つのエピトープを認識する抗体の混合物、すなわちオリゴクローナル抗体がLOSおよびLPSに結合するという知見を得た。
すなわち本発明者は、まず髄膜炎起炎菌であるナイセリア属細菌、淋菌15235株(Yamasaki, R.ら、J. Biol. Chem. 269, 30345-30351 (1994))のLOSをリガンドとして淋菌感染ヒト血清についてアフィニティークロマトグラフィーを行って抗15235LOS IgGを得た。次に、この抗15235LOS IgGはそれぞれ構造が異なる淋菌JW31R株(Yamasaki, R.ら、J. Biol. Chem. 269, 30345-30351 (1994))、淋菌WG株(Yamasaki, R. ら、Eleventh international pathogenic Neisseria conference, 298. (1988))、淋菌PID−2株(Schneider, H.ら、J. Exp. Med. 174, 1601-1605 (1991))、淋菌MS11mkA株(Kerwood, D. E. ら、Biochemistry 31, 12760-12768 (1992))のLOSにも結合するが、淋菌の24−1株(Gulati, S.,ら、J. Infecti. Dis. 174, 1223-1237 (1996))には結合しないことを見出した。
そして上記の抗15235LOS IgGを15235LOS、MS11mkA LOSおよびサルモネラミネソタRe 595 LPS吸着の前後で、JW31R LOS、MS11mkA LOS、PID−2 LOS、サルモネラミネソタRe 595 LPS、サルモネラミネソタRb LPSと接触させてそれぞれPAGE/ウェスタンブロットを実施した。その結果、サルモネラミネソタRe 595 LPS吸着後では、サルモネラミネソタRb LPSとサルモネラミネソタRe 595 LPSへの結合は検出できなかったが、15253 LOS、PID−2 LOS、MS11mkA LOS、JW31R LOSへの結合能は吸着前と比較して低下しないことを見出した。また、15253 LOSを用いて吸着した後では、15253 IgGは、JW31R LOS以外の、ナイセリア属LOSには結合しなかった。しかし、サルモネラ変異体LPS(RbとReLPS)には結合した。この15253 LOS吸着実験と殆ど同一の結果が、MS11mkA LOSで吸着した場合で得られた。これらの吸着実験の結果より、IgG2はオリゴクローナル抗体で少なくとも以下の三つのエピトープに結合することを見出した。1) JW31R LOS以外の、3,4分岐LOSと2,3:3,4−二分岐LOSの糖鎖間に存在する交叉エピトープ、2)JW31R LOSの非還元末端部分に特異的に発現するエピトープ、3)KDO-KDO二糖の糖鎖エピトープ。更に、この抗体は、ナイセリア属とサルモネラ変異体のLOS・LPSだけでなく、ヘモフィルス属のLOSにも結合した。これらのエピトープは、3,4分岐LOSと2,3:3,4−二分岐LOSの糖鎖全体でなく、コア糖鎖構造の一部、あるいは、可変部糖鎖の一部を含む部分糖鎖構造である。本発明は、このような、宿主の抗体がLOSの可変部糖鎖を含むコア糖鎖の部分構造を認識する、という知見に基づいてなしたものである。
上記知見に従って、本発明者は、次の糖鎖配列が免疫源糖鎖のヒト抗体に対するエピトープであることを見出した:
(1)Hep−(α1−3)−Hep−(α1−5)−Kdo−(α2−4)−Kdo;
(2)Glc−(β1−4)−Hep−(α1−3)−Hep−(3−1α)−Glc−(4−1β)−Gal;
(3)GlcNAc−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
(4)Hep−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
(5)Gal−(β1−4)−Glc−(β1−4)−Hep[I]−(3−1α)−Hep[II];および
(6)Hep−(α1−3)−Hep。
ここで、糖鎖(4)はヘモフィルス属細菌のLOSに由来し、それ以外の糖鎖、すなわち糖鎖(1)〜(3)、(5)および(6)はナイセリア属細菌のLOSに由来する。
上記(1)〜(6)の配列を有する単離糖鎖分子の構造は、それぞれ次の通りである:
Figure 0005536765
このアプローチにより、特定の細菌固有な糖鎖部分構造、あるいは、共通の糖鎖構造を利用したツールの開発が可能となる。これら1種以上、例えば2〜5種の部分糖鎖構造を用いることにより、可変糖鎖構造の変化に帰結する細菌の変異に対応したツール、例えば検出ツールまたはワクチンを提供することができる。すなわち、複数の糖鎖を用いて淋菌と髄膜炎菌の区別、あるいは髄膜炎菌の血清型を特定することができる。また、このアプローチでは、官能基を含んだ合成糖鎖を構築することにより、官能基を含んだコア糖鎖を産生する細菌に対応したツールを提供することができる。
特に本発明は、上記した特定の細菌固有な糖鎖部分構造をマイクロチップ上にアレー化した診断ツールを提供する。このアレー化糖鎖チップを用いて宿主が細菌感染後産生する抗体を検出することによって、宿主の細菌感染を迅速かつ正確に診断することができる。このツールには、幼児からの採血も考えて、微量の血液での検出を狙い、フェムトモルレベルの糖鎖を検出するツールとして開発する。
ナイセリア2,3:3,4−二分岐LOS、ナイセリア3,4分岐LOSと変異体サルモネラLPSの構造。 ヒト血清中の抗LOS−抗体(IgG)とマイクロアレー化したLOSの結合、A:ヒト血清25倍希釈、B:ヒト血清50倍希釈。 MALDI−MS分析(positive mode),A:ヒト血清アルブミン(HSA)とB:四糖−HSAコンジュゲート。ジヒドロキシ安息香酸をマトリックスとして使用。 免疫ブロット分析、A:15253LOS(1:250pg、2:500pg、3:750pg、4:1ng)、B:四糖コンジュゲート(1:10ng、2:100ng、3:1μg、4:5μg)、C:二糖コンジュゲート(1:250ng、2:1μg、3:5μg、4:25μg)。
第1の態様において、本発明は、対象がナイセリア属細菌および/またはヘモフィルス属細菌に感染していることを評価するための方法であって、対象から得られた試料と以下の糖鎖配列からなる糖鎖分子:
(1)Hep−(α1−3)−Hep−(α1−5)−Kdo−(α2−4)−Kdo;
(2)Glc−(β1−4)−Hep−(α1−3)−Hep−(3−1α)−Glc−(4−1β)−Gal;
(3)GlcNAc−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
(4)Hep−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
(5)Gal−(β1−4)−Glc−(β1−4)−Hep[I]−(3−1α)−Hep[II];および
(6)Hep−(α1−3)−Hep
の1種または複数(以下、本発明の糖鎖と略)を接触させ、糖鎖−抗体結合体の存在を検出することを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象がナイセリア属細菌および/またはヘモフィルス属細菌に感染していることを評価するためのチップであって、固相支持体と、該固相支持体に結合した本発明の糖鎖を含むチップを提供する。
上記糖鎖配列において使用している略語「Hep」、「Kdo」、「Glc」、「GlcNAc」および「Gal」は、それぞれヘプトース、2−ケトデオキシオクトン酸、グルコース、N−アセチルグルコサミンおよびガラクトースを意味する。糖間のギリシャ文字及び数字は、糖間の結合部位および結合様式を示す。例えばHep−(α1−3)−Hepは、ヘプトースとヘプトースが1位と3位でα結合していることを意味している。
本明細書において測定される細菌は好ましくはナイセリア属細菌であり、ナイセリア属細菌は、淋菌(N. gonorrhoeae)と髄膜炎菌(N. meningitidis)、特に髄膜炎菌を意味するが、これらに限定されない。ヘモフィルス属細菌は、典型的にはインフルエンザb型細菌を含むが、これに限定されない。
本明細書において、対象は、ナイセリア属細菌に感染しているか、感染した疑いがあるか、または感染する可能性のある対象、特にヒトを意味する。対象から得られた試料は、対象の血液、血清、血漿、唾液、涙液、尿、糞便、脳脊髄液を含むが、これらに限定されない。好ましい対象から得られた試料は、採取の簡便さと抗体含有量から、血液または血清である。
従ってより好ましい態様において、本発明は、対象がナイセリア属細菌に感染していることを評価するための方法であって、対象から得られた試料と以下の糖鎖配列からなる糖鎖分子:
(1)Hep−(α1−3)−Hep−(α1−5)−Kdo−(α2−4)−Kdo;
(2)Glc−(β1−4)−Hep−(α1−3)−Hep−(3−1α)−Glc−(4−1β)−Gal;
(3)GlcNAc−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
(5)Gal−(β1−4)−Glc−(β1−4)−Hep[I]−(3−1α)−Hep[II];および
(6)Hep−(α1−3)−Hep
の1種または複数を接触させ、糖鎖−抗体結合体の存在を検出することを含む方法を提供する。
糖鎖−抗体結合体は、本発明の糖鎖を免疫特異的に認識する抗体が本発明の糖鎖と結合することによって形成される結合体である。抗体と糖鎖を接触させると抗原−抗体反応によって結合体が生じる。結合体形成のための条件は、使用する抗原糖鎖の種類、抗体の濃度、使用する媒体等の多様な要因によって決定することができるが、典型的には、0〜40℃、例えば15〜37℃で短時間、例えば1分〜3時間、好ましくは1.5時間以下、静置乃至ゆるやかな撹拌下で、例えば流動床インキュベーターを用いて、抗体と糖鎖を接触させて結合体を形成させることができる。
糖鎖−抗体結合体の検出は、当該技術分野において既知の何れかの方法を用いて行うことができる。かかる検出方法は、例えばドットブロット法、化学発光法、2次抗体を用いたイムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、質量分析等を含むが、これらに限定されない。また、本発明の評価方法において、1種の糖鎖のみならず、複数種の糖鎖を用いるか、そして/または本発明の糖鎖以外の多糖、例えばインフルエンザb型細菌または髄膜炎菌の感染について評価することができると知られているインフルエンザb型細菌または髄膜炎菌のカプセル多糖を用いた評価を組み合わせてもよい。かかる組合せ評価によって、より信頼性の高い評価を行うことができる。
より具体的な態様において、糖鎖−抗体結合体は、当業者に周知のイムノアッセイ法により検出することができる。イムノアッセイ法では、特異的に結合した抗体分子を認識する2次抗体、好ましくは本発明の糖鎖が認識した部位と異なる部位で結合する2次抗体を用いる。そのようなイムノアッセイ法では、抗体を蛍光標識するか、またはすべての免疫グロブリンに結合する蛍光標識プロテインAと本発明の糖鎖またはそれを含むチップを接触させることにより、結合抗体そのものを検出することができる。あるいは、2次抗体は蛍光標識されていてもよく、またはそれらはレポーター酵素に結合しており、この酵素が検出可能な化合物の産生を仲介してもよい。当技術分野で既知のイムノアッセイのあらゆる変法を本発明に使用できる。
他の態様においては、当業者に周知の競合アッセイ法により糖鎖−抗体結合体を検出することができる。本発明の糖鎖またはチップに結合した糖鎖と対象から得られた試料を接触させた後、各ターゲット抗体を所定の量で含有する溶液を添加する。これらのターゲット抗体は、それらを検出できるように、当技術分野で既知の任意の方法で蛍光標識されている。標識した抗体分子は、糖鎖への結合に対し競合する。平衡成立時の標識分子の量を用いて、対象から得られた試料に含有されていた抗体分子の量を計算する。
より好ましい態様において、本発明の糖鎖は、糖以外の担体分子、例えばタンパク質または脂質とのコンジュゲートとしてもよい。本発明の糖鎖末端を当該技術分野において既知の方法でスペーサー化し、当該スペーサー部分を介して担体分子と複合化してもよい。使用することができる担体分子としては、例えばヒト血清アルブミン(HSA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、カルボシラン、セラミド、アシルオキシ脂肪酸誘導体等の脂質等が含まれるが、これらに限定されない。担体分子に結合する糖鎖は1個以上、例えば1〜3個であってよく、さらに複数のコンジュゲートがデンドリマーを形成してもよい。複数個の糖鎖のコンジュゲートとすることによって、抗体との結合能を向上させ、したがって抗体感度を向上させ、あるいはそのようなワクチンとすることによって優れた抗体提示能を与えることができる。
本明細書において、スペーサーは、例えばアルキル鎖、エーテル鎖およびペプチド鎖であり得るが、これらに限定されない。典型的なスペーサーは、3〜50個、例えば5〜20個、好ましくは7〜15個の炭素原子を有するアルキル鎖またはエーテル鎖である。スペーサー構造は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、オキソ(=O)、カルボキシ、C1−6アルキル−カルボキシ、アミノ、C1−6アルキル−アミノ等を含むがこれらに限定されない置換基で置換されていてもよい。
本発明の糖鎖は、当該技術分野において既知の方法によって、それ自体標識化されていてもよい。例えば、本発明の糖鎖は、当該技術分野において周知の方法によって検出可能な物質、例えば蛍光色素分子、放射性同位体等を含んでいてもよい。
本発明の糖鎖は、当該技術分野において既知の化学合成、半合成または発酵によって製造することができる。使用する反応条件等は、目的とする最終生成物、使用する出発物質、製造スケールなどによって、適宜選択することができる。半合成によって本発明の糖鎖を得る方法として、例えばナイセリア属細菌から糖脂質を単離し、目的とする糖鎖が得られるように当該糖脂質を酵素的に切断することによって、本発明の糖鎖を製造することができる。あるいは化学合成によって本発明の糖鎖を得るための方法として、例えば本明細書の実施例に記載の方法によって、HSAとのコンジュゲートとした本発明の糖鎖(4)を製造することができる。
本発明においてチップは、本発明の糖鎖を固体支持体表面にアレーしたチップである。固体支持体にはラングミュア−ブロジェット膜、機能性ガラス、ゲルマニウム、シリコン、PTFE、ポリスチレン、ヒ化ガリウム、金および銀が含まれるが、これらに限定されない。アミノ、カルボキシ、チオール、またはヒドロキシなどの官能基を固体支持体表面に取り込ませてもよい、当技術分野で既知の何れかの他の材料も使用できる。固体支持体の形状にも何ら制限はなく、プレート状、ウエル状、ビーズ状、繊維状、棒状、粉末状などであってよい。また、表面プラズモン共鳴装置のキュベットなど周知の測定装置の部品に直接組み込むこともできる。
本発明の糖鎖は、当該技術分野において既知の何れかの方法によって固体支持体に固定することができる。かかる方法には、フォトリソグラフィー、光活性化可能なビオチン誘導体を用いてアビジン結合を空間的に配置する方法、鋳型スタンピングおよびインクジェット法等が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、エチレングリコールオリゴマー、ジアミンおよびアミノ酸のような架橋基を用いて本発明の糖鎖を固体支持体に固定してもよい。複数の糖鎖を1つの固体支持体に固定するとき、固体支持体の表面領域を適切なサイズに区切って、区分領域毎に特定の1種の糖鎖を固定化してもよい。
本発明の方法またはチップによって、対象から得られた試料中の標的抗体を例えばフェムトモルオーダー、例えば10フェムトモルオーダーで検出することができる。
本発明の別の態様において、ナイセリア属細菌および/またはヘモフィルス属細菌、好ましくはナイセリア属細菌に対する免疫を獲得させるためのワクチンであって、本発明の糖鎖の1種または複数を含むワクチンを提供する。本発明のワクチンは、他の抗原および免疫調節剤、例えば免疫グロブリン、サイトカイン、リンホカインおよびケモカインを含んでいてもよい。
ワクチンは、一般に、1種以上の薬学的に許容される賦形剤またはビヒクル、例えば、水、生理食塩水、グリセロール、エタノール等を含む。さらに、補助物質、例えば湿潤剤乳化剤またはpH緩衝化物質等を含んでいてもよい
さらに本発明のワクチンは、その有効性を増強するためのアジュバントを含んでいてもよい。アジュバントは、ワクチン組成物に直接添加され得るか、または別に(ワクチン投与と同時または直後のいずれかで)投与され得る。このようなアジュバントとしては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:(1)アルミニウム塩(ミョウバン)例えば水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなど;(2)水中油型エマルジョン処方物、例えばMF59(国際公開第WO 90/14837号)、SAFおよびRibiアジュバントシステム(RAS)(RibiImmunochem、Hamilton、MT);(3)サポニンアジュバント(例えば、Stimulon(商標)(CambridgeBioscience、Worcester、MA)またはISCOM(免疫刺激複合体));(4)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(5)サイトカイン(例えば、インターロイキン(IL-1、IL-2など)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)など;ならびに(6)免疫刺激剤として作用して組成物の有効性を増強し得る他の物質。
典型的には、ワクチンは、注射溶液または懸濁液の形態であり、あるいは注射の直前に液体ビヒクルと混合して溶液または懸濁液とするのに適切な凍結乾燥形態であってもよい。ワクチンはまた、リポソーム中に乳化またはカプセル化されていてもよい。かかる本発明のワクチンは、1回または複数回の投与レジメンで、非経口(例えば、注射により、静脈内、皮下、または筋内)投与することができる。投与するワクチンの量は、対象の体重、年齢、一般的な健康状態、性別、動物種等に基づいて臨床医、医師または獣医が適切に決定することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例の方法のあらゆる変法は当業者に容易に理解され、したがってこれらの態様も本発明の一部を成す。
LOSのフェムトモルレベルでの分析
ヒト血清と15253LOSを用いて、マイクロアレー化したLOSの検出限界を確認した。25〜100pgのLOSをマイクロドット(3nl)して、それぞれ、10〜50倍の希釈でヒト抗体の結合を確認できるかどうかの試験をした。ニトロセルロース膜に25〜100pgのLOSをドットし、1%PBS中カゼインでブロック後、希釈したヒト血清で一時間インキュベートし、抗ヒトIgG(1:3000,アルカリホスファターゼコンジュゲート)で更に一時間インキュベート後、ウェスタンブルーで染色した。実験結果の一部を、図2に示す。このスクリーニングの結果、50倍希釈の血清を用いた場合でも250pg(50フェムトモル)のLOSを検出できた。25倍希釈の血清では、25pg(5フェムトモル)のLOSへのヒトIgGの結合を確認できた。100倍希釈の血清では、500pg(100フェムトモル)のLOSへの結合を確認出来た。かかる結果は、フェムトモルレベルのLOSのヒト血清の検出が可能であると同時に、LOSは抗ヒトIgGで行っているために、このフェムトレベルのLOSに結合する抗体の検出も可能であることを示す。すなわち、微量の細菌糖質抗原と共にその抗体の検出も可能であることを意味し、微量の血液サンプルで分析が必要な乳幼児の診断ツールとしても使用可能であることを示す。
四糖コンジュゲートGal(β1−4)Glc(β1−4)Hep{3−1αHep}−スペーサー−ヒト血清アルブミン(HSA)の合成
この糖鎖部分の構築は、オリゴ糖鎖を構築後スペーサー化するのではなく、還元末端のヘプトース(Hep)をスペーサー化後、3,4分岐糖鎖を合成した。下記スキームに示すように、まず、還元末端のスペーサー化は、Hep合成中間体であるoctaenopyranoside 1をベンジル化(DMF中BnBr/NaH, 88%)、脱アセタール化(90% TFA, 88%),アセチル化(ピリジン/AcO,95%)、アセトリシス(83%)後、エチルチオ配糖体2に変換し(EtSH:15当量,BF/EtO:5当量,CHCl:EtO=3:2,30℃,3h,93%)、グリコシル化反応(アクセプター:5当量,NIS:2当量,TfOH:0.02当量,CHCl:EtO=1:1,−20℃,45min,92%)によりスペーサーを導入したoctaenopyranoside3を合成した。この化合物3を脱アセチル化(NaOMe/MeOH,97%)し、3位をエチルシリル化(TESCl/ピリジン,r.t.,1.5h,87%)後、クロロアセチル化(CHCl中ClCHCOCl:ピリジン=15:1,0℃,9h,80%)し、脱シリル化(90%TFA,90%)することにより、3−OH受容体を合成した。この受容体とヘプトース供与体とのグリコシル化反応(ヘプトシルドナー:3当量,TMSOTf:0.01当量,CHCl,−15℃,10min)により、α(1−3)結合したHep−Oct誘導体4を88%の収率で合成した。この4を脱クロロアセチル化(チオウレア:3当量,NaHCO:1.1当量,70℃,12h,85%)し、分岐糖鎖合成の受容体5を合成した。この5とエチル−2,3−ジ−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデン−1−チオ−グルコシルピラノシドを反応(グリコシルドナー:4当量,NIS:2当量,TfOH:0.02当量,CHCl,−72〜18℃,1.5h)させ、目的とする3糖6を68%で得た。この6をオスミレーション、NaIO酸化、NaBH還元し還元末端をHep(7)に変換(2段階,92%)した。4,6−O−ベンジリデンを選択的に解裂(TES:3当量,TfOH:1.5当量,CHCl,−78℃,1h,88%)し、4−OH受容体8に変換した。この8をテトラ−O−アセチル−ガラクトシルブロマイドと反応(ガラクトシルドナー:2当量,AgOTf:2当量,CHCl:トルエン=1:1,−45℃,9h,56%)させ、目的とする四糖9を合成した。この9を脱アセチル化(NaOMe/MeOH)後接触還元条件下(10%Pd−C,H,MeOH,r.t.,2h)で、全ての保護基を外し、化合物1から18段階を経て、スペーサー化した四糖10を得た([M+Na+]理論値:769.2748,実測値:769.2848)。この化合物10とスベリン酸モノメチルエステルと縮合(スベリン酸:1.5当量,DMT−MM:1.5当量,1%DMF)後、アシルアジド化法によりPBS中HSAと反応させGal(β1−4)Glc(β1−4)Hep{3−1αHep}−スペーサー−HSA11の合成を達成した。
Figure 0005536765
HSAにリンカーを結合させた四糖への導入は、MALDI−MS分析により決定した。図3のパネルAとBを比較すると、四糖−HSAコンジュゲート由来のイオンピークは、HSAに比べて1万以上高分子量に観察された。この分子量シフトにより約10分子の四糖−リンカーがHSAに結合していることを明らかとした。
二糖コンジュゲートHep−(α1−3)−Hep−スペーサー−HSAの合成
上記四糖コンジュゲートの合成と同様にして、表題化合物を製造する。
部分糖鎖コンジュゲートの免疫原性
合成した部分糖鎖コンジュゲート、Hep−(α1−3)−Hep−スペーサー−HSAとGal(β1−4)Glc(β1−4)Hep{3−1αHep}−スペーサー−HSAが実際にNHS(健常ヒト血清)に存在するIgGによって認識されるかどうかは、ドットブロット分析により確認した。LOSおよびコンジュゲートとの結合の検出には健常ヒト血清(1:10)を用いた。各サンプル(1μl)をニトロセルロース膜にアプライした。膜を抗ヒトIgG(PODコンジュゲート)で処理し、次いでSuper Signal West Duraで処理して可視化した。結果を図4に示す。この実験条件下では、四糖コンジュゲートは、1μgでIgGの結合を確認できた(図4のB)。また、二糖コンジュゲートでは、25μgで抗体の結合をわずかながら確認出来た(図4のC)。
この実験例の重要なポイントは、四糖コンジュゲートのヒトIgGの認識により、LOSのコア糖鎖を含む部分糖鎖Gal(β1−4)Glc(β1−4)Hep{3−1αHep}も免疫原性を有することを見いだしたことにある。このことにより、LOSの部分オリゴ糖鎖でも、病原性細菌に対するワクチン、あるいは、感染・診断ツールの標的として、使用出来るということを実証した。
実験例では、四糖コンジュゲート1μgの検出感度は、〜13pmoleで、精製ヒトIgGにより認識される15253LOSのそれに比べ100倍近く劣る。しかし、この実験は、抗15253LOS抗体と精製ヒトIgGとのアフィニティーを検出したものであり、実験例のような実際の血清中のIgGとのアフィニティーとは直接比較できない。また、抗15253LOS抗体は数種の糖鎖エピトープに結合するIgGを含んでいるため、四糖糖鎖に結合した抗体の検出感度と直接的な比較はできない。さらに、実験例では、1μlのドットで分析を行ったが、プリンターを使用してドットする(3nl/ドット)ことにより、フェムトモルレベルでの検出も可能となる。

Claims (8)

  1. 対象がナイセリア属細菌および/またはヘモフィルス属細菌に感染していることを評価するための方法であって、対象から得られた試料と以下の糖鎖配列からなる糖鎖分子:
    (1)Hep−(α1−3)−Hep−(α1−5)−Kdo−(α2−4)−Kdo;
    (2)Glc−(β1−4)−Hep−(α1−3)−Hep−(3−1α)−Glc−(4−1β)−Gal;
    (3)GlcNAc−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
    (4)Hep−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
    (5)Gal−(β1−4)−Glc−(β1−4)−Hep[I]−(3−1α)−Hep[II];および
    (6)Hep−(α1−3)−Hep
    の1種または複数を接触させ、糖鎖−抗体結合体の存在を検出することを含む方法。
  2. 糖鎖分子が担体分子とコンジュゲートしているものである、請求項1に記載の方法。
  3. 担体分子がヒト血清アルブミンまたはウシ血清アルブミンである、請求項2に記載の方法。
  4. ナイセリア属細菌に感染していることを評価するための方法である、請求項1〜3の何れかに記載の方法。
  5. 対象がナイセリア属細菌および/またはヘモフィルス属細菌に感染していることを評価するためのチップであって、固相支持体と、該固相支持体に結合した以下の糖鎖配列からなる糖鎖分子:
    (1)Hep−(α1−3)−Hep−(α1−5)−Kdo−(α2−4)−Kdo;
    (2)Glc−(β1−4)−Hep−(α1−3)−Hep−(3−1α)−Glc−(4−1β)−Gal;
    (3)GlcNAc−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
    (4)Hep−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
    (5)Gal−(β1−4)−Glc−(β1−4)−Hep[I]−(3−1α)−Hep[II];および
    (6)Hep−(α1−3)−Hep
    の1種または複数を含むチップ。
  6. ナイセリア属細菌に感染していることを評価するためのチップである、請求項5に記載のチップ。
  7. 以下の糖鎖配列からなる糖鎖分子:
    (1)Hep−(α1−3)−Hep−(α1−5)−Kdo−(α2−4)−Kdo;
    (2)Glc−(β1−4)−Hep−(α1−3)−Hep−(3−1α)−Glc−(4−1β)−Gal;
    (3)GlcNAc−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
    (4)Hep−(α1−2)−Hep−(α1−3)−Hep;
    (5)Gal−(β1−4)−Glc−(β1−4)−Hep[I]−(3−1α)−Hep[II];および
    (6)Hep−(α1−3)−Hep
    の1種または複数を含む、ナイセリア属細菌および/またはヘモフィルス属細菌に対するワクチン。
  8. ナイセリア属細菌に対するワクチンである、請求項7に記載のワクチン。
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