JP5535754B2 - 生体電位制御式電位治療器 - Google Patents
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Description
最近は電位治療器について後述のような新しい医学的知見が得られ、新分野への応用も試みられている。
このため、このタイプの装置では、電源64の電圧が一定であれば、出力電圧は一定である。
また、電源64の電圧が変化すると、出力電圧も変化する。
トランス61の出力は、電流制限用高インピーダンス素子62(過大な電流が出力しないようにする)と、電位供給ライン65を介して、電極66に供給され、電極66に載った生体68を高電位に維持する。
電極66は、椅子状やマット状など様々なものがあり、患者が快適に台に載れるように、図には示していないが、柔軟なクッション材で覆っている。また、絶縁台67でアース69から絶縁されている。
治療時には、これらの容量結合を介して生体に微弱な電流(生体電流)が流れる。
しかし、容量C1とC2は、患者や、電極部の構造・材質、クッション材の構造・材質、装置の設置場所その他の様々な要因に依存する、不定のパラメータである。
また、電極66に載った患者が体動を起こすと、患者と電極の距離が変わり、電気的な結合が変化するため、出力電圧は変化しなくても、生体電位は変化(図4参照)する。しかも、体動の程度によっても生体電位の変化の程度も変化する。
1.出力電圧(電極66の電圧)は固定で制御できない。
2.入力電源の電圧が変化すると出力電圧も変化する。
3.生体電位は不定で制御できない。
4.生体電位は患者の体動により変化する。
という問題を有している。
このため、生体電位を所望の(治療に適した)値にすることはできず、正確で科学的な治療はできなかった。
図7は特許文献1に記載されている実施例である。図の符号は一部変更し一部削除している。以降の図8〜11も同様である。
トランス71の一次側に複数のタップを設け、制御部74でタップ切替え器73を制御して所望のタップを選択して、巻線比を変更して、出力電圧を変更できるようにしている。
これと類似のもので、トランスの二次側に複数のタップを設け、これを切り替えて、出力電圧を変更できるようにしたものも特開2007-111196などに開示されている。
このため、生体電位を最適な値にするには不十分である。
また、特許文献1や特開2007-111196は、上記の「電源の電圧が変化すると出力電圧も変化する」、「生体電位は不定で制御できない」、「生体電位は患者の体動により変化する」という問題は何ら解決されていない。
図8は特許文献2に記載されている実施例である。治療中に、通電シート80の電圧を出力電圧検出回路8aで検出し、通電シートの電圧が設定値になるように、マイクロコンピュータ85でインバータ回路86を制御し、トランスの入力電圧を制御して、出力電圧を制御している。
特許文献2の技術により、出力電圧は任意に連続的に設定でき、しかも電源電圧が変化しても設定電圧になるように制御することができる。しかし、特許文献2でも、生体電位は不定であり、体動で変化するという問題は解決していない。
この特許文献3によると、適度の電圧を生体に印加するとBDNFの産生が長時間にわたり持続するが、電位が高すぎると一時的にBDNFの産生を促進するがその後は抑制する、電位が低すぎると十分なBDNFの産生が得られない、ということが知られている。
特許文献3は 生体に適度の電圧を加え、長時間にわたり持続的にBDNFの産生を促進し、前述のような疾患を効果的に治療しようというものである。
図9に特許文献3の実施例を示す。
装置は、電圧生成手段92と通電手段99と電圧測定手段98を有し、通電手段99の電圧がBDNF産生に適した電圧になるように制御部94で高電圧発生回路95を制御する。
図8と図9は類似のハードウェア構成であり、通電手段の電圧を設定値にするという制御方法も類似である。しかし、図9の装置はBDNF産生を促進する特別な出力電圧にする点に特徴がある。
従来も、この慣れを防止し、治療効果をより高くするために、出力を変化させる技術が開示されている(例えば、特許文献4など)。
図10は特許文献4に記載されている実施例である。図10(A)のように、メモリ107に電圧変化パターンをメモリしておき、このメモリに従って制御部104で電源部105を制御してトランス102の出力電圧を所望のパターンで変化させ、これを、通電シート103を介して生体に印加するようにしたものである。
図10(B)は電圧変化パターンの例である。
このように、生体に印加する電位を変化させることで、治療の慣れを防止することができる。
これを防止する技術も開示されている(例えば、特許文献5など)。
図11は特許文献5に記載されている実施例である。この装置は、図11(A)に示すように、生体の電位を検出する電極115と、電極115で検出した電圧を濾波するフィルタ125と、フィルタ125の出力と基準値を比較して衝撃が発生したか否かを判断するための比較器126を有し、衝撃が発生したと判断したとき、マイクロコンピュータ121で昇圧トランス制御回路122を制御して、衝撃が発生している間、トランス113の入力電圧をゼロにして、通電シート114への電圧供給を遮断するようにしている。図11(B)はタイミングチャートである。
しかし特許文献5の装置は、図6の従来装置と同様、出力電圧はトランスの巻き線比で決定される固定値であり、電源電圧の変化の影響を受けるという問題を有する。また、電位検出電極115は衝撃の検出だけのために使用されており、生体電位は制御対象としていないため、従来の電位治療器同様、生体電位は不定であり、体動等により生じる生体電位の変化は避けられない。このため、患者に最適な電位に制御して科学的な治療をおこなうということはできない。
トランス61の巻線比が固定であるため出力電圧(電極66の電圧)も固定である、
入力電源の電圧が変化すると出力電圧も変化する、生体電位は不定で、体動等による生体電位の変化を避けられない、等の問題を有していた。
このため、患者に適した生体電位に制御して科学的な治療をおこなうことはできなかった。
このため、患者に最適な生体電位に維持して治療をおこなうことはできない。
しかし、制御対象は電極電圧であるため、生体電位は不定で、治療中の患者の体動等に伴う生体電位の変化も防止することはできず、このため、科学的な治療をおこなうことはできない。
つまり、電極電圧を設定値に制御することができるが、生体電位を制御対象としておらず、生体電位は未知(不定)のまま使用しており、治療中の患者の体動等に伴う生体電位の変化も防止することはできない。
しかし、この装置は商用電源電圧が変化すると、出力電圧も変化する、生体電位は不定で、体動が生じたときには生体電位が変化する、という問題を有する。
このため、生体電位を患者に最適な値に制御することはできず、科学的な治療ができない。
しかし、特許文献5は、図6の従来装置と同様、出力電圧は固定であり、電源電圧の変化の影響を受け、生体電位は不定である、体動等によって生体電位の変化が生じる、等の問題があり、科学的な治療をおこなうことができない。
高電圧を発生する高電圧発生手段と、
前記高電圧発生手段の出力を生体に供給する電位供給手段と、
前記高電圧発生手段の出力制御を含めて装置全体を制御する制御手段と
を有する電位治療器において、
前記高電圧発生手段が発生した高電圧を前記電位供給手段に出力したとき生体に生じる生体電位を検出する生体電位検出手段と、
前記生体電位検出手段で検出した生体電位が、予め設定した生体電位の設定値又は設定範囲内の値になるように、前記高電圧発生手段を制御する出力制御手段と
を設けた生体電位制御式電位治療器とした。
生体電位を連続波又は断続波にし、連続波の周波数又は振幅、又は断続波の繰返し周期又は振幅を、ランダムに、リズミカルに、又はパワースペクトルが1/f揺らぎ特性を有するように、変化させるようにした。
前記高電圧発生手段が発生した高電圧を前記電位供給手段に出力したときに生体に流れる生体電流を測定する生体電流測定手段と、
前記高電圧発生手段の出力電圧を測定する出力電圧測定手段
の一方又は両方を設けた。
請求項1で生体電位を検出するため、本請求項記載の発明により、生体電位、生体電流及び出力電圧をモニタすることができる。
前記生体電位と前記生体電流と前記出力電圧のなかの1つ又は複数を測定し、
測定した前記生体電位と前記生体電流と前記出力電圧のなかの1つ又は複数が所定の許容範囲を超えて変化したとき体動が生じたと判断する体動判断手段を設けるとともに、
前記体動判断手段により体動が生じたと判断されたときに警報を発する警報手段と前記体動判断手段により体動が生じたと判断されたときに前記出力電圧を低下させる出力低下手段の一方または両方を設けた。
前記生体電位と前記生体電流と前記出力電圧のなかの1つ又は複数を測定し、
測定した前記生体電位と前記生体電流と前記出力電圧値のなかの1つ又は複数が急激に変化したとき、治療中の患者と周囲の導体が接触したと判断する接触判断手段を設けるとともに、
前記接触判断手段により患者と周囲の導体が接触したと判断したとき、接触した後所定の時間、前記制御手段で前記高電圧発生手段を制御して前記出力電圧を低くして患者が受ける衝撃を低減する衝撃緩衝手段を設けた。
このため、生体電位を設定値に正確に維持することができる。
このため、BDNFの産生を促進し、これを長時間維持できる。
このため、より効果的にBDNFの産生を促進し、これを長時間維持し、BDNFの産生不足に伴う疾患の治療を効果的におこなうことができる。
このため、請求項3の発明より効果的にBDNFの産生を促進し、これを長時間維持し、BDNFの産生不足に伴う疾患の治療を効果的におこなうことができる。
このため、刺激の慣れを効果的に防止し、電位治療をより効果的におこなうことができる。
電位治療では、電極と生体、生体とアースの間には電気的に容量結合されており、治療中、微弱な電流が流れ、これを知覚できる。生体電位を変化させると、この変化をより明確に知覚できるため、治療感を得ることができ、患者の満足感も増し、より高い治療効果を得ることができる。
これにより、請求項1〜5記載の発明の装置は生体電位測定手段を有するため、電位治療中に、生体電流、高電圧発生手段の出力電圧、生体電位の中の1つ又は複数をモニタすることができる。
このため、これらの値が異常になると、安全性が損なわれる可能性があるため、その対策を講じることができ、安全な電位治療が可能になる。
生体電位、生体電流、出力電圧の3つのパラメータの中のいずれか1つ又は複数をモニタし、
モニタするパラメータの測定値が前記許容範囲を超えて変化したとき体動が生じたと判断し、警報を発するか、又は、出力電圧を低下させる。警報を発生することと出力電圧を低下させることの両方をおこなってもよい。
治療中の患者の体動が大きくなるほど生体電位及び生体電流、出力電圧の変化は大きくなる。
体動が大きいほど、患者が付近の導体と接触する危険性が高くなり、患者が治療台から落下する可能性も高くなる。また、体動が大きくなると、通常は電極と患者の距離が大きくなり、生体電位が低下するため、本願発明では、生体電位を設定値に保つために、出力電圧eoを高くする。出力電圧eoが高いと、外部と接触したときの衝撃が大きくなり、危険性が高くなる。
このように、生体電位、生体電流、出力電圧の1つ又は複数をモニタし、そのいずれか1つが、又は2つが、又は3つとも、所定の許容範囲を超えると、患者は危険な状態にある。
このため、警報を発して危険を知らせる、出力電圧を低下させて安全性を確保する、という2つの手段の、一方又は両方を設け、安全性を確保した。
所定の許容範囲は、実験的に所定の体動を起こさせて求めればよい。
患者が周囲の導体と触れたとき、生体電位検出手段、生体電流検出手段及び出力電圧検出手段のなかの1つ又は複数の検出手段を用いてこれを検出し、出力制御手段を作動させて高電圧発生手段を制御して出力電圧を低くする。
このため、患者が受ける衝撃を低減することができる。
高電圧を発生する高電圧発生手段と、
前記高電圧発生手段の出力を生体に供給する電位供給手段と、
前記高電圧発生手段の出力制御を含めて装置全体を制御する制御手段と
を有する電位治療器において、
前記高電圧発生手段が発生した高電圧を前記電位供給手段に出力したとき生体に生じる生体電位を検出する生体電位検出手段と、
前記生体電位検出手段で検出した生体電位が、予め設定した生体電位の設定値又は設定範囲内の値になるように、前記高電圧発生手段を制御する出力制御手段と
を設けたことを特徴とする、生体電位制御式電位治療器である。
高電圧発生手段1は、トランス電源制御手段7と昇圧トランス8で構成する。トランス電源制御手段7は制御手段4で制御され、入力電圧eiをトランス入力電圧eitに変換するもので、例えばインバータ回路を用いる。
トランス電源制御手段7として、ここではインバータ回路の例を示したが、生体電位を所定の値に維持できるように、トランス電源制御手段7の出力、つまりトランス入力電圧eitに制御できるものであれば、どのような方式を用いてもよい。
マット型の装置でも同様で、表面のシートの下にクッション材を置いてその下に電極を置いている。
治療を開始すると、電源電圧eiをトランス電源制御手段7で電圧eitにし、これを昇圧トランス8で高電圧eoに昇圧し、電位供給手段2の電極に出力し、これを生体に印加すると、生体電位はesになる。
以上の生体電位の制御の様子を図1(B)のフローチャートに示す。生体電位の設定値epと実測の生体電位esを比較し、実測値esが設定値epよりも低いと制御部4でトランス電源制御手段7を制御して昇圧トランス8の入力電圧eitを上げて出力電圧eoを上げ、実測値が設定値よりも高いと制御部4でトランス電源制御手段7を制御して出力電圧eoを下げ、同じであればその電圧を維持する。通常は、設定値は所定の範囲を有する設定範囲内の値である。
このため、図6〜11に記載したような従来装置と異なり、患者に適した電位に生体電位esを制御することができ、患者に最適な、高い効果の治療をおこなうことができる。
電源電圧eiが変化しても、生体電位esが設定値epになるように制御するため、従来装置のような、電源電圧の変化の影響を受けて治療効果が低下するという不具合は生じない。
また、生体電位esは患者に最適な任意の生体電位に制御し維持することができる。
また、治療中の患者が動いたりすると、電極部と生体、生体とアースのそれぞれの結合容量が変化するため、体動に応じて生体電位esも変化する。
このため、従来の装置では、生体電位esを所望の値に設定して治療することはできず、また、治療時に患者や姿勢が変化すると、生体電位も変化し、治療効果が低下することもあった。
このため、十分な治療効果を得ることはできなかった。
つまり、前述の、従来の電位装置の問題を解決した。
このため、どのような体格の患者であっても、また、治療中にどのように姿勢を変化しても、装置の設置場所を変更しても、常に、正確に、生体電位esを設定値epに維持することができるため、確実に、効果的に電位治療を行うことができる。生体電位が設定値になるように制御するので、生体制御、すなわち治療を科学的におこなうことができる。
しかし、この発明は、前述のように、患者が導体に触れたとき発生する放電パルスを検知し、所定の期間、電極部への通電を停止し、放電パルスによる衝撃を防止するというものであり、図1(B)に示す本発明のフローチャートのような制御手段は有しない。つまり、生体電位を設定値に維持するという制御はおこなっていない。
このように、特許文献5は本願発明と構成が異なり、このため本願発明の効果を得ることはできない。
本請求項記載の発明では、請求項1記載の発明において、生体電位の設定値として、BDNFの産生に適した値が設定される。治療中、生体電位検出手段3で生体電位esを直接測定し、測定された生体電位と生体電位の設定値esを比較し、トランス電源制御手段7を制御して、生体電位が設定値になるように制御する。
このようにして、生体電位esがBDNFの産生に適した値に制御される。
生体電位の設定値epとして、BDNFの産生に適した3000〜6000Vの間の患者に適切な値が設定される。治療中、生体電位検出手段3で生体電位esを直接測定し、測定された生体電位esと生体電位の設定値epを比較し、トランス電源制御手段7を制御して、生体電位esが設定値epになるように制御する。
このようにして、生体電位はBDNFの産生に適した3000〜6000Vの間の値に制御される。
これに対して本請求項記載の発明は生体電位を3000〜6000Vに維持するので、確実にBDNFの産生を促進することができ、より高い効果が得られる。
生体電位の設定値epとして、BDNFの産生により適した3500〜5200Vの間の患者に適切な値が設定される。治療中、生体電位検出手段3で生体電位esを直接測定し、測定された生体電位esと生体電位の設定値epを比較し、トランス電源制御手段7を制御して、生体電位esが設定値epになるように制御する。
このようにして、生体電位はBDNFの産生により適した3500〜5200Vの間の値に制御される。
この電位は請求項3記載の発明の電位より効果的にBDNFの産生を促進することが確認されている。この点も特許文献3に記載されている。
特許文献3は通電手段(電極)の電位をこの値に制御するが、生体電位はこれと異なるため、確実にBDNFの産生を促進することはできない。
これに対して本願発明は生体電位を3500〜5200Vに維持するので、より確実にBDNFの産生を促進し、より高い治療効果が得られる。
図2(B)は、電位を変えた場合、30分の電位治療後、BDNFの濃度がどのように変化するかを示したものである。電位が5800Vでは、一旦、急激にBDNFが増加し、その後減少し、再度上昇する。電位が3500Vでは、一旦上昇した後、徐々に減少する。6000Vよりも高い電位では、図には記載していないが、一旦高い濃度になった後、ベースライン程度になる。3000V以下では、治療後も濃度上昇は少なく、すぐにベースライン程度になることを確認した。
これより、BDNFを効果的に促進しこれを長時間持続させるには、生体電位を3000〜6000Vに、より好ましくは3500〜5200Vに維持することが重要であることが分る。
このため、請求項3では、生体電位を3000〜6000Vとし、より好ましくは、請求項4で、生体電位を3500〜5200Vとした。
このように、BDNFの産生には3000〜6000Vの電位、特に、3500〜5200Vが望ましい。
請求項2〜4記載の発明により、BDNFの産生を促進できる。このため、BDNFの産生不良に伴う疾患、例えば脳神経機能の向上、虚血性脳障害の解消、認知症予防、鬱病の改善、メタボリックシンドロームの予防及び改善などに、より高い効果を得ることができる。
本請求項記載の発明では、所望するゆらぎのパターンをプログラムし(又は表を作成しておき)、このプログラムを実行して得られるデータ(表の場合はそのデータ)を制御の目標値とし、治療中に生体電位検出手段3で検出された生体電位がこの制御目標値になるように制御手段4で高電圧発生手段1を制御すると、所望の生体電位のゆらぎを得ることができる。
図3に請求項5の揺らぎの例を示す。
図3(A)は、生体電位を一定周期で断続する例である。断続するだけでも、周期が一定であっても、生体の慣れを多少は防止できる。
この断続パターンを得るには、断続パターンをプログラムし(又はテーブルを作成しておき)、このプログラムを実行したときに得られるデータ(テーブルの場合はそのデータ)を目標値とし、この目標値と実際に生体電位検出手段3によって検出される生体電位esを比較し、生体電位esがこの目標値になるように制御手段4で制御すると、図3(A)の生体電位を得ることができる。
同図(C)は生体電位の振幅を3000〜6000Vの間でランダムに変化させる例である。
同図(D)は1/f揺らぎを有するパワースペクトルである。
振幅に1/f揺らぎを持たせると、図3(C)に近いパターンになる。図3(C)の不規則な揺らぎは1/f2の特性を有し、1/fよりも強い変化を示す。
図3に示した揺らぎの例に限らず、本請求項記載の発明では、慣れを防止できるものであれば、どのようなパターンであってもよい。
本請求項記載の発明では、生体電位を制御しているので、従来装置の電極電圧を制御していたものよりもより確実に、より安全に、より高い効果を得ることができる。
本請求項記載の発明は、生体電位を所望のように制御できるため、確実に慣れを防止でき、より高い治療効果を得ることができる。
請求項1〜5記載の生体電位制御式電位治療器に、
前記高電圧発生手段が発生した高電圧を前記電位供給手段に出力したとき生体に流れる生体に流れる電流を測定する生体電流測定手段5と、
前記高電圧発生手段1の出力電圧を測定する出力電圧測定手段6、
の一方又は両方を設けたものである。
この実施例を図1に示す。
生体電流測定手段5と出力電圧測定手段6で検出された生体電流の値と出力電圧の値は制御手段4に転送され、図には記載していないが、制御手段4に接続される表示部に表示される。
また、請求項1には生体電位検出手段3を設けているので、生体電位は制御手段4を介してこの表示部に表示することができる。
本請求項記載の発明により、生体電流や出力電圧、生体電位をモニタし、治療の状態を確認することができる。
生体電位と生体電流と出力電圧の3つのパラメータの中のいずれか1つ又は複数のパラメータを測定し、
前記の測定した生体電位と前記生体電流と前記出力電圧のなかの1つ又は複数の測定値が所定の許容範囲を超えて変動したとき体動が生じたと判断する体動判断手段を設けるとともに、
前記体動判断手段により体動が生じたと判断されたときに警報を発する警報手段と前記体動判断手段により体動が生じたと判断されたときに前記出力電圧を低下させる出力低下手段の一方または両方を設けた。
図4(B)は安定した姿勢で、患者が電位供給手段2に載ったときの様子と、その時の電位供給手段2の電圧、つまり出力電圧eoである。このとき、電位供給手段2と患者Sの距離はdとなり、この図には示していないが、電気的には容量C1で容量結合され、また、患者Sとアースの間は電気的容量C2で容量結合され、生体電位esは電極の電位eoをC1とC2で分割した値となり、生体電位esが常に設定値になるように、制御手段4で高電圧発生手段1を制御し、電位供給手段2の電圧をeoにする。
このように、治療中に体動を起こすと、電位供給手段2の電圧eoが変化して、生体電位esを一定に保つ。
電位供給手段2の電圧eoの変化は、体動の大きさに依存するが、体動が大きくなると、装置からはみ出す量が大きくなり、付近にある導体や人に触れる可能性が高くなり、衝撃が発生し、危険性が高まる。また、体動が大きいと、装置から落下する可能性もある。さらに、体動が大きいとき、電位供給手段2の電圧を大きく上昇させると、生体に対する危険性も増加する。
このように、電位供給手段2の出力電圧eoの変化量は、付近にある導体や人に触れて衝撃が発生する危険性や、落下の危険性、電圧が高くなる過ぎることによる危険性などを表す指標となりうる。
ただし、安全上、まずは出力電圧を低下さ、同時に警報を出すようにすることが望ましい。
予め、出力電圧eoが変化してもよい許容範囲を設けておき、出力電圧測定手段6により出力電圧eoを測定する。大きな体動により出力電圧eoが許容範囲内を超えて変化した場合に、出力電圧を低下させる手段を作動させて出力電圧を低下させ、同時に警報音を出すようにすればよい。
このとき、出力電圧は、図4(B)の、安定した姿勢のときの出力電圧程度に下げればよい。
警報は、表示、音その他、どのような手段を用いても、またそれらを複数組み合わせて用いてもよい。
許容範囲は任意に設定できるが、実際には実験によって決定している。
許容範囲は、複数段階に細分化しもよい。図4(D)では、3段階に分けて表示する例を示している。例えば出力電圧を測定するようにし、例えば出力電圧は30%の変化を許容するとし、10%未満の増加であれば安全で、11-20%なら危険、20%以上なら注意として表示する例を示している。表示器にこの3段階に合わせて3つ以上のLEDを配列すると、出力電圧の変化の程度も眼で見て確認することができる。これにより患者が導体と接触して衝撃を受ける可能性がどの程度高くなっているか、又は転落の危険性はどの程度高くなっているかを知ることができる。また、出力電圧が上昇すると、患者が周囲の導体と接触したときの衝撃は大きくなるが、本請求項記載の発明により、この危険性の程度も知ることができる。
以上の例では、出力電圧をモニタする例を示したが、生体電流や生体電位をモニタし、同様の警報を発し出力電圧を低下させるようにしてもよい。
生体電位、生体電流、出力電圧のなかの1つ又は複数を測定し、
測定した前記生体電位と前記生体電流と前記出力電圧値のなかの1つ又は複数が急激に変動したとき、治療中の患者と周囲の導体が接触したと判断する接触判断手段を設けるとともに、
前記接触判断手段により患者と周囲の導体が接触したと判断されたとき、接触した後の所定の時間、前記制御手段で前記高電圧発生手段を制御して前記出力電圧を低くして患者が受ける衝撃を低減する衝撃緩衝手段を設けた。
治療中に患者が周囲の導体や人に接触すると、(A)のようなパルス状の生体電位の変化が生じ、衝撃を受ける。
これと同期して、生体電流も変動し、生体電位も短時間の変動を示す(生体電位は設定値になるように制御しているため、短時間で設定値になり、出力電圧の波形とは異なる)。
この変化を生体電位検出手段3と、生体電流測定手段5と、出力電圧測定手段6のいずれかで測定し、本請求項記載の発明の接触判断手段で衝撃が発生したことを識別し、制御手段で高電圧発生手段1を制御して出力電圧を低くして、衝撃を低減するようにした。
衝撃を識別するには、生体電位と生体電流と出力電圧のいずれかを測定し、その変化率の大きさから判断したり、画像処理やフィルタの技術を用いればよい。
図5(B)と(C)には次のゼロクロスラインまで出力電圧を低下させる例を示したが、もっと長い間、出力電圧を低下させてもよい。
以上の例では、患者が周囲の導体と接触したとき、出力電圧を制御して衝撃を防止する例を示したが、生体電流を抑制したり、生体電位を制御しても良よい。
このため、本請求項記載の発明により、患者が導体に接触しても、衝撃を低減又は無くすことができ、安全な治療を行うことができる。
特許文献5にも類似の技術が開示されているが、この引用文献は衝撃を防止する技術に関するもので、生体電位を設定値に制御するものではない。
このため、特許文献5は、従来と同様、生体電位は不明のまま使用している。つまり、本願発明が解決しようとした課題を解決していない。このため、生体電位を所望の値に制御して確実に効果的な治療をおこなうという科学的な治療をおこなうことはできない。
このため、より効果的な、より安全な電位治療をおこなうことができる。
2:電位供給手段
3:生体電位検出手段
4:制御手段
5:生体電流測定手段
6:出力電圧測定手段
7:トランス電源制御手段7(インバータ回路)
8:昇圧トランス
S:生体
K:クッション材
ei:入力電源の電圧
eo、eo’、eo’’:出力電圧
es:生体電位
ep:生体電位の設定値
Claims (8)
- 高電圧を発生する高電圧発生手段と、
前記高電圧発生手段の出力を生体に供給する電位供給手段と、
前記高電圧発生手段の出力制御を含めて装置全体を制御する制御手段と
を有する電位治療器において、
前記高電圧発生手段が発生した高電圧を前記電位供給手段に出力したとき生体に生じる生体電位を検出する生体電位検出手段と、
前記生体電位検出手段で検出した生体電位が、予め設定した生体電位の設定値又は設定範囲内の値になるように、前記高電圧発生手段を制御する出力制御手段と
を設けたことを特徴とする、生体電位制御式電位治療器。 - 前記生体電位はBDNFを産生する電位であることを特徴とする、請求項1記載の生体電位制御式電位治療器。
- 前記生体電位は3000〜6000Vであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載した生体電位制御式電位治療器。
- 前記生体電位は3500〜5200Vであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載した生体電位制御式電位治療器。
- 前記生体電位の周波数又は振幅を、ランダムに、リズミカルに、又はパワースペクトルが1/f揺らぎ特性を有するように、変化させるようにしたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載した生体電位制御式電位治療器。
- 前記高電圧発生手段が発生した高電圧を前記電位供給手段に出力したときに生体に流れる生体電流を測定する生体電流測定手段と、前記高電圧発生手段の出力電圧を測定する出力電圧測定手段の、一方又は両方を設けたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載した生体電位制御式電位治療器。
- 前記生体電位と前記生体電流と前記出力電圧のなかの1つ又は複数を測定し、
前記生体電位と前記生体電流と前記出力電圧のなかの1つ又は複数の測定値が所定の許容範囲を超えて変動したとき体動が生じたと判断する体動判断手段を設けるとともに、
前記体動判断手段により体動が生じたと判断されたときに警報を発する警報手段と前記体動判断手段により体動が生じたと判断されたときに前記出力電圧を低下させる出力低下手段の一方または両方を設けたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載した生体電位制御式電位治療器。 - 前記生体電位と前記生体電流と前記出力電圧のなかの1つ又は複数を測定し、
測定した前記生体電位と前記生体電流と前記出力電圧のなかの1つ又は複数が急激に変動したとき、治療中の患者と周囲の導体が接触したと判断する接触判断手段を設けるとともに、
前記接触判断手段により患者と周囲の導体が接触したと判断されたとき、接触した後の所定の時間、前記制御手段で前記高電圧発生手段を制御して前記出力電圧を低くして患者が受ける衝撃を低減する衝撃緩衝手段を設けたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載した生体電位制御式電位治療器。
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