本明細書で説明される少なくとも特定の実施形態によれば、以下の技術的効果のうちの1つ以上が達成され得る。本発明の実施形態は、流体の流れを駆動する電極における水分子の分解に起因して発生させられる水素ガスおよび酸素ガス等が、電気浸透プロセスの副生物として発生させられている間、リアルタイムでガスの効率的な管理を行うことができるEOポンプを提供する。効率的なガス管理を介して、本明細書で説明されるEOポンプの実施形態は、所望の流速を維持し、所望の用途の範囲内で、下流側の構成要素へのガスの通過を防止または少なくとも妨げることに十分な速度でガスを除去する。本明細書で説明されるEOポンプの実施形態は、合成反応等による配列決定等の、生化学分析のためのフローセルに関連する設計条件を満たす、極めて小さい形状因子および流れパラメータを有するポンピング構造内で流体を送出することを可能にする。
放射状EOポンプ設計を提供し、その実施形態を以下に詳細に説明する。明らかなように、放射状設計の実施形態は、同じ流体死容量を有する従来のEOポンプ設計と比較したときに、増大したガス管理の効率、および増大した流体流速を提供する。必ずしも本発明の全ての実施形態を限定することを意図していないが、考えられる解釈では、放射状設計は、実質的に類似した全死容量を有する従来のEOポンプ設計の活性ポンプ断面積よりも約π倍大きい活性ポンプ断面積を有する。本放射状ポンプ設計の増大した流速は、EOポンプ内の多孔質コア媒体(フリットとも称される)に関する、活性ポンプ表面積に対する流速の関係により、部分的に達成され得る。同じく、理論に拘束されることを望むものではないが、流速は、フリットの活性ポンプ表面積と直線的に比例すると考えられている。故に、活性ポンプ表面積が従来の平面ポンプよりも約π倍だけ増大したときには、同様に、流速が比例した量だけ増大する。したがって、類似した死容量および類似した電位の従来のポンプ設計の流速と比較して、約3倍大きい流速を有する放射状EOポンプ設計が提供される。
加えて、放射状EOポンプ設計の実施形態は、放射状EOポンプの共通の側部または端部に沿って位置付けられる共通の半透膜を通して、アノードおよびカソード電極で発生させられるガス気泡が通気する機会を与える。例えば、EOポンプの頂端部は、流体内のガスの浮力特徴、および同じ死容量を有する標準的なEOポンプの通気表面積と比較して、増大した通気表面積を提供する放射状設計に少なくとも部分的に依存して、アノードおよびカソード電極の両方についてガスが通気するように構成してもよい。ガス気泡のより効率的な除去は、EOポンプの中の流体の流れの増大された速度および安定性を提供する。いくつかの実施形態において、電極によって発生させられるガスは、ガス透過性膜の反対側への真空の印加、またはポンプチャンバ自体の加圧を介して、通気孔に移行するように誘発してもよい。本明細書で説明される少なくとも特定のEOポンプ設計は、EOポンプの全容量に対する通気領域の表面積を実質的に増大する能力を与える。本明細書で説明される少なくとも特定のEOポンプ設計は、合計死容量またはパッケージサイズの低減を提供するが、このようなEOポンプによって達成される流速を維持または増大する。本明細書で説明される少なくとも特定のEOポンプは、製造の簡略化および向上した長期安定性を与える。電解によるガス気泡は、電極およびポンピング媒体を閉塞する傾向があり、低減した不安定な流れ、ならびに圧力発生をもたらす。気泡閉じ込めの場所および気泡閉塞のレベルは、電解気泡のランダムな形成により予測不可能かつ反復不可能である。電解ガスの有効な除去は、長期間にわたるEOポンプの安定した反復可能な運転を確保する。
図1は、本発明の一実施形態に従って形成される電気浸透流(EO)ポンプ10の側断面図を示す。ポンプ10は、筐体12と、多孔質コア媒体14と、電極16および17とを備える。筐体12は、平坦であってもよく、相互に平行に配設されて側壁22によって離間される上部板18および下部板20によって構築される。ポンプ空洞28の下部板20は、その上に多孔質コア媒体14が位置付けられる、底壁を表す。
図2Aは、図1のEOポンプ10の上面図を示す。図2Aに示されるように、上から下に見たときに、上部板18および下部板20、ならびに側壁22は、円形である。図1および2の実施例において、筐体12は、短くて幅の広い管形状または円筒形状で形成され、その中の側壁22は、その直径26未満である縦長さ24を有する。代替的に、筐体12、ポンプ空洞28、および/または多孔質コア媒体14は、異なる形状および他の寸法で構築してもよい。例えば、筐体12、ポンプ空洞28、および/または多孔質コア媒体14は長い縦長さおよび短い直径で配設してもよい。さらなる実施例として、筐体12、ポンプ空洞28、および/または多孔質コア媒体14は、非円形断面を有してもよく、例えば、筐体12は、図2Aのように上から見たときに、正方形、長方形、三角形、長円形、六角形、多角形等である断面を有してもよい。筐体12、ポンプ空洞28、および/または多孔質コア媒体14は、図1のように側部から見たときに、また縦軸24に沿って測定したときに、正方形、球形、円錐、多角形、または長方形の断面を有してもよい。さらなる実施例として、筐体12、ポンプ空洞28、および/または多孔質コア媒体14は、縦長さ24に沿って、および直径26に沿って測定したときに、円形または長円形の断面を伴う、球形ボールとして構築してもよい。
筐体12は、側壁22の内面23の間に横方向に延在し、上部板18および下部板20の内面の間に縦方向に延在する内側ポンプ空洞(概して、ブラケット28で示される)を含む。多孔質コア媒体14は、ポンプ空洞28内に位置付けられ、重力に対して垂直である構成で配向される。例えば、多孔質コア媒体14は、ポンプ空洞28内に直立して配置される円筒フリットを構成してもよい。図1および2の実施例において、多孔質コア媒体14は、開口コア状で管状の形状の、相互に同心円状に形成される内面32と、外面34とを有する。随意に、内面32は、外面34と同心円状である必要はない。例えば、内面32は、上から下を見たときに(例えば、図2A)、長円形または非円形の断面を有してもよく、一方で、外面34は、上から下を見たときに、実質的に円形の断面を保持してもよい。代替的に、内面32は、実質的に円形の経路に倣ってもよく、一方で、外面34は、長円形あるいは非円形の形状で配設される。多孔質コア媒体14の内面32は、内側リザーバ36を表す、開口内部チャンバを包囲する。内側リザーバ36は、縦軸42に沿って相互から離間した対向端部38および40において開口する。
多孔質コア媒体14は、多孔質コア材料14の周囲の湾曲した経路に沿って延在する外側リザーバ30を形成するように、側壁22から内向きに離間している。外側リザーバ30は、多孔質コア媒体14の外面34と側壁22の内部表面23との間の間隙に及んでいる。内側リザーバ36は、縦軸42に沿って中央にある。
多孔質コア媒体14は、そこを通る連続経路のマトリクスを有する多孔質容量として形成し得、経路は、内面32と外面34との間に及んでいる。多孔質コア媒体14は、予め定められた容量形状を維持し、一方で、容量全体の表面電荷を維持することが可能である半剛体材料でできていてもよい。多孔質コア媒体14は、全体に均一な経路(例えば、類似したサイズの開口部)を伴って形成してもよい。代替的に、多孔質コア媒体14を通る経路は、不均一であってもよい。例えば、流れが内側から半径方向外向きに移動するとき、経路は、内面32に近接してより大きい開口部を有してもよく、一方で、媒体14内の開口部/経路のサイズは、経路が外面34へと半径方向外向きに移動するにつれてサイズが低減する。代替的に、流れが外側から半径方向内向きに移動するとき、経路は、外面34に近接するより大きい開口部を有してもよく、一方で、経路内の開口部のサイズは、経路が内面32に向かって半径方向内向きに移動するにつれて低減する。有用な多孔質コア媒体には、例えば、参照することにより本明細書に組み込まれる、US2006/0029851 A1で説明されている、材料、細孔サイズ、および他の特性を有するものが挙げられる。
筐体12は、少なくとも1つの流体入口46と、少なくとも1つの流体出口48と、少なくとも1つのガス出口50とを有する。図1および2の実施形態において、流体入口46は、下部板20の中に位置し、流体を内側リザーバ36に運搬する。下部板20はまた、流体が多孔質コア媒体14を通して送出された時点で、外側リザーバ30から流体を放出する一対の流体出口48を含む。随意に、流体入口46および/または流体出口48は、側壁22の中に位置してもよい。上部板18は、内側リザーバ36および外側リザーバ30より上側に通気孔として配設される複数のガス出口50を含む。流体入口46は、筐体12の底部を通して、ポンプ空洞28に流体を送達し、一方で、流体出口48は、同じく筐体12の底部を通してポンプ空洞28から流体を除去する。ガス出口50は、筐体12の頂部からガスを放出することを可能にするように、流体入口46および流体出口48に対して、反対の端部に位置し、それによって、筐体12の全縦長さ24および直径26と比較して、相互から比較的にかなりの距離を隔てて、流体およびガスの入口および出口を位置させる。ガスは、多孔質コア媒体14を通る流体の流れの方向に対して直角の方向に沿って、ガス出口50に向かって移行する。
電極16および17は、内部チャンバ36の中、および外側リザーバ30の中に位置している。例えば、電極16は、多孔質コア媒体14の内面32に近接するが、そこからわずかに離間して位置してもよい。電極17は、多孔質コア媒体14の外面34に近接するが、そこからわずかに離間して位置してもよい。電極16および17は、所望の流体の流れの方向に依存して、電源7によって反対の電荷が供給される。例えば、半径方向外向きの流れを達成するために、電極16がアノードを構成し、一方で、電極17がカソードを構成してもよい。代替的に、半径方向内向きの流れを達成するために、電極17がアノードを構成し、一方で、電極16がカソードを構成してもよい。反対電荷が電極16および17に印加されるとき、電圧電位および電流フローは、随意に、縦軸42に対して垂直な方向に、多孔質コア媒体14を通して放射状の流体の流れを作成し得る。電極16および17、ならびに多孔質コア媒体14は、内側リザーバ36と外側リザーバ30との間に、多孔質コア媒体14を通る流体の流れを誘発するように協働する。流れの方向は、電極16および17に印加される電荷に依存する。例えば、電極16がアノードを表し、電極17がカソードを表すとき、流体は、多孔質コア媒体の表面電荷が負であれば、内側リザーバ36から外側リザーバ30へと半径方向外向きに流れる。
図1の実施例において、縦軸42は、重力の方向に平行に配向され、重力の方向に対して垂直な方向(例えば、半径方向内向きまたは半径方向外向き)に移動する流体の流れを有する。随意に、筐体12は、縦軸42が重力の方向に対して鋭角または鈍角に配向されるように、傾転またはピッチしてもよい。前述のように、ガスは、電極16および17が流体の流れを誘発するときに発生させられる。ガスは、電極16および17の一方または両方において、ならびに多孔質コア媒体14に沿って、またはその範囲内において生成され得る。筐体12は、ポンプ空洞28からガスを放出および/または吸い込むように、ガス出口50を通してガス除去デバイス52に連結される。電極16および17が流体の流れを誘発するときに発生させられるガスは、水素および酸素を含み得る。ガス除去デバイス52は、ポンプ空洞28に再導入し得る水を形成するために水素および酸素ガスを再結合する触媒を備えてもよい。
筐体12はまた、そこを通る流体の流れを遮断し、ガス出口50を通して内側リザーバ36または外側リザーバ30から液体が流出することを防止するために、液体不透過性であってガス透過性の膜56を含む。膜56は、そこを通してガス出口50にガスが流れることを可能にするためにガス透過性である。膜56は、多孔質コア媒体14の開口端部38と、上部板18との間に保持される。前述のように、多孔質コア媒体14は、内側リザーバ36が少なくとも1つの開口端部38を有するように、縦軸42を包み込む。多孔質コア媒体14の開口端部38は、ガスが内側リザーバ36の中で発生させられたときに、ガスが上方向に移行し、開口端部38を通って内側リザーバ36から脱出して、ガス除去デバイス52へと進行するように、重力に対して内側リザーバ36の垂直方向上側に位置している。ガスは、ガス除去デバイス52によって除去される前に膜56に集まるまで、重力に対して、所定の方向(矢印Aで示される)に移行する。ガス出口50は、ポンプ空洞28からガスが通気させることを可能にするために、図2Aに示されるように一連の通気孔を備えてもよい。随意に、膜56は、上部板18が完全に除去されている、最上層として使用してもよい。したがって、膜56は、EOポンプ10の一部を構成する最外上部構造を表す。
EOポンプ10は、それぞれ、内側リザーバ36および外側リザーバ30の中に適用される運動源58および60を備えてもよい。運動源58および60は、能動的に電極16および17からガス気泡を脱離させるために、電極16および17のうちの少なくとも1つに運動を誘発するように電極16および17と相互作用する。例えば、運動源58および60は、超音波源、圧電アクチュエータ、および/または電磁源を表してもよい。運動源58および60は、対応する電極16および17に直接的に連結されて、それらから電気的に絶縁されてもよい。代替的に、運動源58および60は、対応する電極16および17に近接するが、直接的に係合せずに位置してもよく、間接的に運動を誘発する。例えば、電極に取り付けられるか、または電極の一部を形成する電極材料は、通過する電流を伴うワイヤコイル等の、電磁力の発生器に対する近接性による移動を誘発することができる。運動源58および60は、EOポンプ110の表面からのガス気泡の脱離を誘発するように構成される連続的または周期的エネルギーを導入するために、連続的または周期的に起動されてもよい。随意に、運動源58および60は、筐体12、電極16および17、ならびに/またはガス気泡のうちの少なくとも1つへの運動を導入してもよい。例えば、超音波源は、筐体または電極を物理的に移動させずに、ガス気泡だけに運動を導入するように構成されてもよい。
運動源58および60は、EOポンプ10の表面からのガス気泡の脱離を誘発するように構成される連続的または周期的エネルギーを導入するように、連続的または周期的に活性化してもよい。運動源58および60は、EOポンプ10のポンピング作業に対して、間欠的な手法で制御してもよい。例えば、EOポンプ10は、電極16および17が、ある期間にわたって荷電され、次いでオフにされる、またはある期間にわたって不活性化される、間欠ポンプ活性を有する用途で利用してもよい。運動源58および60は、電極16および17が不活性化され、かつEOポンプ10が休止状態である期間中に、運動を誘発するように制御してもよい。一実施例として、EOポンプが、不活性区間によって分離される一連の送出区間にわたってオンにされたとき、運動源58および60は、不活性区間が送出区間である間、電極16および17に振動を誘発してもよい。
随意に、ポンプ空洞28、多孔質コア媒体14、ならびに/または電極16および17のうちの少なくとも1つの表面は、ガス気泡の付着を低減し、ガス気泡のガス除去デバイス52に向かう移行を誘発するように、親水性材料で被覆されてもよい。例えば、電極16および17は、Wilmington、DelawareのEI DuPont De Nemours and Companyによって製造されるNafion(登録商標)材料等の、プロトン交換膜で被覆されてもよい。代替的に、電極16および17は、イオン交換樹脂として機能し、そこを通して水を容易に輸送し、一方で、ガスを遮断することを可能にする他のコポリマーで被覆されてもよい。
図2Bは、図1のEOポンプ10の一部分の切断面の側面斜視図を示す。図2Bは、種々の構成要素間の関係を示す。図2Bはさらに、側壁22の外辺部の周囲に分布している一連の締結具59を示す。締結具59は、多孔質コア媒体14、およびその間に挟まれる液体不透過性であってガス透過性の膜56とともに、上部板18および下部板20を保持する。ガス出口50は、通気孔のパターンとして示される。代替的に、または加えて、上部板18および下部板20は、側壁22に接着または接合することができる。
本明細書に記載されるEOポンプは、様々な方法を使用して製造することができる。特定の実施形態において、EOポンプチャンバの種々の板および壁は、単一の材料として成形することができる。例えば、ポンプ筐体の全ての、またはいくつかの部分は、射出成形されることができ、いくつかの実施形態では、多孔質材料を金型の中のインサートとして提供することができる。EOポンプはまた、接着剤の添加を伴わずに材料間に分子結合を作成するように熱および圧力を使用する溶融接合によって結合することができるアクリル系構成要素から製造することができる。超音波溶接は、EOポンプに有用なもの等のプラスチック部品を結合するための、別の方法である。いくつかの実施形態では、部品間の界面にシリコーンガスケット材料を使用することができる。シリコンは、ガラスに十分に接合するので、特に有用であることができる。例えば、接着剤は、シリコーンガスケットを接合するために使用することができ、その結果、シリコーンガスケットを多孔質コア媒体に接合することができる。このような製造プロセスは、いくつかの状況下で接着剤がコア多孔質材料の中に入り込むことを回避するという利点を提供する。
図3は、代替の実施形態に従って形成されるEOポンプ110を示す。EOポンプ110は、筐体112と、多孔質コア媒体114と、電極116および117とを含む。筐体112は、下部板120および下部板120上に静置している側壁122によって構築される。下部板120および側壁122は、内側ポンプ空洞128を画定する。多孔質コア媒体114は、ポンプ空洞128内に位置し、重力に対して縦軸142に沿って直立構成で配向される。多孔質コア媒体114は、相互に同心円状に形成される内面132と、外面134とを有する。多孔質コア媒体114の内面132は、縦軸142に沿って相互から離間している対向端部138および140において開口している開口内側リザーバ136を包囲する。電極116および117は、内側リザーバ136および外側リザーバ130の中に位置する。
筐体112は、少なくとも1つの流体入口146と、少なくとも1つの流体出口148とを有する。筐体112は、内側リザーバ136、多孔質コア媒体114、および外側リザーバ130に及ぶ上部領域全体にわたって延在するガス出口150を形成する開口頂部を含む。開口頂部ガス出口150は、ガス透過性で液体不透過性の膜156を受容する。特に有用なガス透過性で液体不透過性の媒体は、改良したPTFEである。ガス透過性であって液体不透過性の膜は、疎水性被覆を有する様々な微細構造材料のうちのいずれかから作製することができる。このような被覆材料には、例えば、参照することによりそれぞれ本明細書に組み込まれる、例えばUS5,888,591およびUS6,156,435において説明される、熱フィラメント化学蒸着(HFCVD)等の方法を使用して、PTFEで被覆されたものが挙げられる。一例に過ぎないが、膜156は、W.L.Gore&Associatesによって提供される、保護通気孔の製品で使用されるもの等の、異なるePTFE膜から形成してもよい。随意に、膜156は、筐体112の頂部に接着(例えば、糊付け)される軟質半透膜であってもよい。膜156は、(図1のように)上部板によって覆われない。図3に示されるように、側壁122は、多孔質コア媒体114の端部138を超える距離を延在して、多孔質コア媒体114より上側、かつ側壁122内にポケットを形成するように、延在部分121を含んでもよい。次いで、膜156は、ポケット内に嵌合させて、周囲空気に露出されてもよい。代替的に、側壁122は、多孔質コア媒体114の高さに等しい高さで成端してもよく、膜156は、側壁122の上縁部全体に及び、これを覆ってもよい。
随意に、EOポンプ110は、筐体112上に提供される、1つ以上の運動源158を備えてもよい。例えば、運動源158は、能動的に多孔質コア媒体114、側壁122、ならびに/または電極116および117からガス気泡を脱離させるように、運動源158が振動したときに、筐体112全体にわたって運動を誘発するように、下部板120に対向して載置されてもよい。運動源158は、超音波源、圧電アクチュエータ、および/または電磁源が例となり得る。運動源158は、筐体112に直接的に連結されて、そこから電気的に絶縁されてもよい。代替的に、運動源158は、側壁122に近接して位置してもよい。例えば、ポンプに取り付けられるか、またはポンプ構成要素の一部を形成する電極材料は、通過する電流を伴うワイヤコイル等の、電磁力の発生器に対する近接性による移動を誘発することができる。運動源158は、EOポンプ110の表面からのガス気泡の脱離を誘発するように構成されるか、連続的または周期的エネルギーを導入するように、連続的または周期的に起動してもよい。
EOポンプ110は、内面132と電極116との間に位置しているフィルタ膜層115と、外面134と電極117との間に位置しているフィルタまたは膜層119とを備える。膜層115および119は、電極116および117と多孔質コア媒体114との間の電荷の伝導を促進する電気伝導性の多孔質材料で形成される。膜層115および119は、ガス気泡のガス出口150に向かう移行を助長するために、親水性材料で形成される。随意に、膜層115および119は、電気絶縁材料で形成され得る。
図4は、実施形態に従って形成される電極216および217の構成を示す。電極217を実線で示し、一方で、電極216を破線で示す。電極217は、多孔質コア材料214の外面に近接して外側リザーバの中に位置し、一方で、電極216は、多孔質コア媒体の内面に近接して内側リザーバの中に位置する。多孔質コア媒体214は、図1に関して前述した配設と同様に、下部板220上に載置される。電極217は、多孔質コア媒体214の外面の周囲で螺旋経路に沿って延在する、螺旋またはばね形状を有する連続的な本体部分215を含む。本体部分215は、本体部分215の基部に形成される、尾部213に結合される。尾部213は、下部板220を通って延在する。
電極216はまた、多孔質コア媒体214の内面に近接する螺旋経路に沿って延在する螺旋またはばね形状を有する連続的な本体部分211を含む。本体部分211は、本体部分211の基部に形成される尾部209に結合される。尾部209は、下部板220を通って内側リザーバから下向きに延在する。尾部213および209は、電極216および217全体の電圧電位を誘発する電源207に電気的に連結される。
随意に、尾部213および209は、下部板220の上面に成端させて、電源207に結合される電気接点に連結してもよい。電極216および217は、多孔質コア媒体214の開口端部238に直接隣接する地点まで、下部板220から上向きに連続してもよい。代替的に、本体部分211および215の一方または両方は、開口端部238まで延在しなくてもよいが、代わりに、開口端部238の下に成端する、またはこれを短絡してもよい。本体部分215および211は、同じまたは反対方向に螺旋状であってもよい。代替的に、本体部分211および215のうちの一方は、螺旋形状でなくてもよく、一方で、本体部分215および211のうちの他方は、螺旋形状のままである。随意に、電極216および217は、ガスが形成されるにつれてガスが直接脱出し得るように、頂部半透過性膜(例えば、図1の媒体56または図3の膜156)に対向して、または直接隣接して配置してもよい。
図5は、代替の実施形態に従って形成される電極316および317の構成を示す。多孔質コア媒体314は、図1に関して前述した構成と同様に、下部板320上に載置される。電極317を実線で示し、一方で、電極316を破線で示す。電極317は、多孔質コア媒体314の外面の周囲で共通の鋭角または螺旋経路で相互に平行に延在する、一連の本体セグメント315を含む。一連の本体セグメント315は、本体セグメント315の基部に形成される共通の尾部313に結合される。尾部313は、下部板220を通して延在して、電源307に連結される。一連の本体セグメント315は、終端リング319によって結合される外側端部を含む。リング319および尾部313は、本体セグメント315を、多孔質コア媒体314の外面からわずかに離間している所望の形状に維持する。
電極316も、多孔質コア媒体314の内面の周囲で共通の鋭角または螺旋経路で相互に平行に延在する一連の本体セグメント311を含む。一連の本体セグメント311は、本体セグメント311の基部に形成される共通の尾部309に結合される。尾部309は、下部板320を通って延在して、電源307に結合される。一連の本体セグメント311は、自由であるか、または代替的に終端リング(図示せず)によって結合される上端部を含んでもよい。
電極は、種々の手法で構築されてもよい。例えば、電極のうちの1つ以上は、ピン形状、メッシュ形状、一連のピン、一連の垂直ストラップ等を含んでもよい。例えば、電極は、側壁22の内面23(図1)の周囲に展開する一連のピンまたは接点のグリッドが例となり得る。随意に、個々の電極用の尾部は、下部板20を通過する必要はない。代わりに、尾部は、側壁22を通して内向き側方に延在し、多孔質コア媒体14に近接するが、接触しない場所まで、外側リザーバ30を通って内向きに突出してもよい。
図6は、代替の実施形態に従って形成されるEOポンプ410を示す。EOポンプ410は、筐体412と、多孔質コア媒体414と、電極416および417とを含む。筐体412は、下部板420および下部板420上に静置している側壁422によって構築される。下部板420および側壁422は、内側ポンプ空洞428を画定する。多孔質コア媒体414は、ポンプ空洞428内に位置し、重力に対して縦軸442に沿って直立構成で配向される。多孔質コア媒体414は、平坦な頂部および平坦な底部(例えば、円錐台形)を有する錐体形状を有する。多孔質コア媒体414は、下部板420から頂端部438の開口部まで先細の鋭角で上向きに延在する、内面432を有する。多孔質コア媒体414は、下部板420から頂端部438の開口部まで先細の鈍角で上向きに延在する外面434を有する。内面432および外面434は、多孔質コア媒体414が一様でないかまたは一様である半径方向厚さを有し得るように、共通の、または異なる角度で上向きに延在してもよい。例えば、多孔質コア媒体414は、底端部440に近接するより厚い基底部405と、頂端部438に近接するより薄い頭端部分403とを含んでもよい。随意に、多孔質コア媒体414は、その長さに沿って一様な半径方向厚さで構築してもよい。多孔質コア媒体の厚さおよび形状のこのような変更は、例えば、他の形状よりも効率的に気泡を通気膜に方向付けるか、または効率的な通気を不可能にする気泡の形成を低減することによって、改良されたガス管理という利点を提供することができる。
多孔質コア媒体414の内面432は、縦軸442に沿って相互から離間して対向する頂端部438および底端部440で開口する開口内側リザーバ436を包囲する。電極416および417は、内側リザーバ436および外側リザーバ430の中に位置する。内側リザーバ436は、頂部で狭幅を有し、底部で広幅を有する、逆円錐形状を含む。側壁422は、外面434に倣っておらず、それによって、外側リザーバ430内に逆円錐形状を形成し、底部に狭幅431を有し、かつ頂部に広幅433を有する、非先細輪郭を有する。筐体412は、少なくとも1つの流体入口446と、少なくとも1つの流体出口448とを有する。ガス透過性で液体不透過性の膜456は、多孔質コア媒体414の頂部開口端部438を覆い、内側リザーバ436および外側リザーバ430の両方に及ぶ。筐体412はまた、膜456の上に延在し、側壁422を結合する、カバー418を含む。カバー418は、その中にガス収集領域459を形成するように、膜456から離間している。カバー418は、ガス出口450を含む。ガスは、ガス出口450を通して排出される間/前に、ガス収集領域459の中に集まる。
電極416は、直線であり、下部板420を通って上向きに突出する一群のピン電極を含む。ピン電極416は、内面432に倣う内側リザーバ436の周囲に分布している。ピン電極416は、異なる長さを有してもよい。各ピン電極416の長さは、内面432に対するピン電極416の場所に基づいてもよい。電極417も、側壁422を通って内向きに突出し、外面434に沿って上向きに屈曲する、一群のピン電極を含んでもよい。ピン電極417は、外面434に倣う外側リザーバ430の周囲に分布している。ピン電極417は、異なる長さを有してもよい。各ピン電極417の長さは、外面434に対するピン電極417の場所に基づいてもよい。随意に、電極は、ポンピング媒体またはポンプ筐体と直接接触して配置することができる。
図7は、本発明の一実施形態に従って形成されるEOポンプ70の側断面図を示す。ポンプ70は、その中に提供される真空空洞74を有する筐体72を備える。筐体72は、真空源78に連結されて真空空洞74内で真空を誘発するように構成される、真空入口76を含む。コア保持部材80は、真空空洞74内に提供される。コア保持部材80は、縦軸84に沿って延在する、内部ポンプチャンバ82を有する。コア保持部材80は、流体入口86と、その対向端部に位置する流体出口88とを有する。コア保持部材は、PTFE AF等のガス透過性かつ流体不透過性である材料でできている。他の有用なコア保持部材は、疎水性被覆を有する様々な微細構造材料のうちのいずれかから作製されるものである。このような被覆材料には、例えば、参照することによりそれぞれ本明細書に組み込まれる、例えばUS5,888,591およびUS6,156,435で説明される、熱フィラメント化学蒸着(HFCVD)等の方法を使用して、PTEEで被覆されたものが挙げられる。随意に、真空源78を完全に除去して、EOポンプ70を、空洞74の中で真空を誘発せずに動作させてもよい。
多孔質コア媒体90は、コア保持部材80内に提供される。多孔質コア媒体90は、流体入口86と流体出口88との間に位置する。多孔質コア媒体は、多孔質コア媒体を通過して流体入口86から流体出口88まで全ての流体を運搬することを必要とするように、実質的にコア保持部材80を断面方向に充填するように配設される。一実施例として、多孔質コア媒体90は、多孔質の均一もしくは非均一の材料、または代替的に、一群のビーズを含んでもよく、それらのうちのいずれかは、表面電荷を保持し、そこを通って流体が流れることを可能にする。他の例示的な材料は、例えば、US2006/0029851 A1で説明され、参照することにより本明細書に組み込まれる。随意に、ポンプ媒体は、PEEK、または生物分析方法で使用される生体適合性ポリマーから作製してもよい。
コア保持部材80は、対向端部96および97で開口する細長い円筒形状を有する。流体入口86および流体出口88は、内部ポンプチャンバ82の対向端部96および97に位置する。コア保持部材80は、例えばPTFE AFから形成される外壁を有する管を表す。流体が、外壁内の管に沿って流れる一方で、ガスは、半径方向外向きに外壁を通過する。
電極92および94は、荷電されたときに、流体入口86から流体出口88への多孔質コア媒体90を通る流体の流れが誘発されるように、コア保持部材80に近接して位置し、相互から離間される。電極92および94は、縦軸84に沿って相互から分離される。図7の例示的な実施形態において、電極92および94は、コア保持部材80の外面81の周囲に載置される、環形状の電極として構築される。電極92および94は、多孔質コア媒体90全体に電気電位差を導入し、多孔質コア媒体90を通して縦軸に沿って矢印Aの方向に流体を流れさせる。前述のように、ガスは、多孔質コア媒体90を通して流体が流れるにつれて、電極で発生させられる。コア保持部材80は、ガス透過性材料で形成され、ガスが、多孔質コア媒体90から離れて、コア保持部材80の長さに沿って半径方向外向きに放散することを可能にする。随意の真空源78は、多孔質コア媒体90から離れて、コア保持部材80を通して外向きに、縦軸84に対して直角の半径方向にガスの移行を誘発するように、真空化空洞74内で真空を導入する。
図示していないが、電極92および94は、図1−6に関して前述した電源に類似した電源に連結される。随意に、EOポンプ70は、電極92および/もしくは94に、ならびに/または筐体72内もしくはその周囲に、1つ以上の運動源を含んでもよい。運動源は、EOポンプ70内の表面からのガス気泡の脱離を誘発するように、図1−6に関して前述した手法で動作する。
種々のポンプ要素をどのように作製または使用できるのかを示す目的で、複数の異なるポンプを本明細書で説明し、図に示す。本発明は、本明細書で説明される特定の実施形態に限定することを意図しない。前述した、および後述する構成要素の種々の組み合わせおよび順列を実施してもよいことを理解されたい。例えば、図に示され、本明細書で説明されるポンプは、電極、筐体、多孔質コア媒体、およびリザーバ等のポンプ構成要素の種々の場所、電極、筐体、多孔質コア媒体、およびリザーバ等のポンプ構成要素の種々の形状、随意の運動源の使用、随意の頂板の存在、随意の締結具の使用、および随意の親水性被覆または膜の使用、が挙げられるが、これらに限定されない、複数の点で異なる。これらの、および他のポンプ構成要素は、本明細書で説明されているか、または従来技術において公知であるかどうかにかかわらず、本明細書の教示に照らして当業者によって理解されるように、種々の組み合わせで使用することができ、または異なるEOポンプ設計で使用してもよい。
本明細書で論じられるEOポンプは、核酸アレイ等の検体アレイの作成および/または分析用の、生化学分析システム、フローセル、または他のマイクロ流体デバイスが挙げられるが、これらに限定されない種々の用途に実装してもよい。本明細書で説明される実施形態は、核酸アレイ等の検体アレイの作成および/または分析に使用してもよい、システム、フローセル、およびマニホールド(または他のマイクロ流体デバイス)を含む。特に、アレイの実施形態は、固体表面上の核酸増幅を通して核酸クラスタを作成することによって形成される。いくつかの実施形態は、アレイを作成し、読み取り、分析するように互いに相互作用する複数のサブシステムを含み得る。サブシステムは、流体流れサブシステムと、温度制御サブシステムと、光および読取機サブシステムと、フローセルおよびマニホールドを保持し得る移動ステージと、他のサブシステムとを操作し、かつ読取値の分析を実施し得る計算サブシステムとを含んでもよい。特に、いくつかのシステムおよびデバイスは、電気浸透流(EO)ポンプと統合してもよく、またはこれを含んでもよい。さらに、システムおよびデバイスは、光学的、機械的、流体的、熱的、電気的、および計算の側面/特徴の種々の組み合わせを含む。これらの部分は本明細書で説明されているが、これらの側面/特徴は、米国仮出願第60/788,248号および第60/795,368号に対する優先権を主張する、国際特許出願第PCT/US2007/007991号(第WO2007/123744号として公開される)、および米国仮出願第60/816,283号に対する優先権を主張する、国際特許出願第PCT/US2007/014649号(第WO2008/002502号として公開される)においてより十分に説明され得、これらは全て参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に用いられる用語は、特定の実施形態だけを説明することを目的とし、限定することを意図しない。例えば、「フローセル」は、本明細書で使用する場合、生化学物質等の化学的検体が検出される(例えば、化学的検体は、フローセルに直接的に付着するポリヌクレオチドであり、または化学的検体は、1つ以上のビーズもしくはフローセル上に配置される他の基板に付着するポリヌクレオチドである)、1つ以上の流体チャネルを有してもよく、ガラス、ケイ素、プラスチック、もしくはそれらの組み合わせ、または他の好適な材料から作製してもよい。特定の実施形態において、検出される化学的検体は、例えば、共有または非共有結合(boding)による表面への検体の付着を介して、フローセルの表面に表示される。本明細書で説明される装置または方法を使用して検出することができる他の検体には、タンパク質、ペプチド、単糖類、生物活性分子、合成分子等のライブラリが挙げられる。説明のために、核酸配列決定に関連して、装置および方法だけを以下に例示する。しかしながら、他の用途は、例えば、RNA発現、遺伝子型決定、プロテオミクス、小分子ライブラリ合成等を評価するために、これらの他の検体の使用を含むことを理解されたい。
さらに、フローセルは、2つ以上のフローセル等の組み合わせを含んでもよい。本明細書で使用する場合、「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、またはヌクレオチド類似体から作製されるDNAまたはRNAのいずれかの類似体を指す。本明細書で使用する用語はまた、例えば逆転写酵素の作用によって、RNAテンプレートから生成される相補的またはコピーDNAであるcDNAを包含する。いくつかの実施形態において、例えば、説明されるシステムの使用を通して配列決定によって分析される核酸は、基板(例えば、フローセル、またはフローセル等の基板上の1つ以上のビーズ等)上に固定化される。「固定化される」という用語は、本明細書で使用する場合、明示的に、または文脈によって特に明記しない限り、直接的または間接的な、共有または非共有結合を包含することを意図する。検体(例えば、核酸)は、固定化したたままであってもよく、または核酸配列決定を必要とする用途等で支持体を使用することを意図する条件下で、支持体に付着させてもよい。
「固体支持体」(または「基板」)という用語は、本明細書で使用する場合、例えば、ガラス表面、プラスチック表面、ラテックス、デキストラン、ポリスチレン表面、ポリプロピレン表面、ポリアクリルアミドゲル、金表面、およびシリコンウエハ等の、核酸を付着させることができるあらゆる不活性基板またはマトリクスを指す。例えば、固体支持体は、ガラス表面(例えば、フローセルチャネルの平面表面)であってもよい。いくつかの実施形態において、固体支持体は、ポリヌクレオチド等の分子への共有結合を可能にする反応基を含む、中間材料の層または被覆を印加すること等によって「官能化された」、不活性基板またはマトリクスを備えてもよい。限定的でない実施例として、このような支持体には、ガラス等の不活性基板上に支持されるポリアクリルアミドヒドロゲルが挙げられる。分子(ポリヌクレオチド)は、中間材料(例えば、ヒドロゲル)に直接的に共有結合することができるが、中間材料は、それ自体が、基板またはマトリクス(例えば、ガラス基板)に非共有結合することができる。支持体は、それぞれが異なる付着検体を有する、複数の粒子またはビーズを含むことができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で説明されるシステムは、合成による配列決定(SBS)に使用してもよい。SBSでは、基板(例えば、フローセル)の表面に存在する増幅DNAの高密度クラスタ(場合により数百万のクラスタ)を配列決定するために、4つの蛍光標識修飾ヌクレオチドを使用する。配列決定のための核酸試料を含有するフローセルは、一連の離散型の別々に検出可能な単一分子、共通の配列を有する増幅核酸等の特定の分子種の均一な集団を含有する一連(または一群の)の特徴、または特徴が核酸の分子を含むビーズであるアレイの形態を取ることができる。核酸は、核酸が未知の標的配列に隣接してオリゴヌクレオチドプライマを含むように調整することができる。最初のSBS配列決定サイクルを開始するために、1つ以上の個別標識化ヌクレオチドおよびDNAポリメラーゼ等を、流体流れサブシステムによってフローセルの中に/を通して流すことができる。単一のヌクレオチドは、同時に添加することができ、または配列決定手順において使用されるヌクレオチドは、可逆的終了特性を有するように特別に設計されることができ、したがって、配列決定反応の各サイクルを、4つ全ての標識ヌクレオチド(A、C、T、G)の存在下で同時に生じさせることを可能にする。4つのヌクレオチドが相互に混合される場合、ポリメラーゼは、組み込む正しい塩基を選択することが可能であり、各配列は、単一塩基によって拡張される。システムを使用するこのような方法において、4つ全ての代替物の間の自然の競合は、反応混合物の中にヌクレオチドが1つだけ存在するよりも高い精度をもたらす(したがって、配列の大部分は、正しいヌクレオチドに露出しない)。特定の塩基が順々に繰り返される配列(例えば、ホモポリマー)は、任意の他の配列と同様に対処されて高い精度を伴う。
図8は、一実施形態に従って形成される電気浸透流(EO)ポンプを利用する検出器システム1150を示す。システム1150は、試薬(例えば、蛍光ヌクレオチド、緩衝液、酵素、卵割試薬等)または他の溶液の流れをフローセル1110および逃し弁1120に方向付けてこれらを通すための流体流れサブシステム1100を含んでもよい。以下に詳述するように、流体流れシステム1100およびフローセル1110は、EOポンプを含んでもよい。フローセル1110は、随意にフローセル1110の基板、ならびに随意に他の構成要素に付着する、配列決定される一群の核酸配列(例えば、約200〜1000塩基の長さ)を有してもよい。フローセル1110はまた、一連のビーズを含んでもよく、各ビーズは、随意に、単一配列の複数のコピーを含有する。システム1150はまた、フローセルチャネルおよび試薬貯蔵領域/容器内の反応条件を調節する温度制御サブシステム1135(および、随意に、カメラ、光学部品、および/または他の構成要素)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、温度制御サブシステム1135の一部であってもよい加熱/冷却素子は、システム1150の動作中にフローセル1110を加熱/冷却するために、フローセル1110の下に位置付けられる。その上にフローセル1110が配置される随意の可動ステージ1170は、フローセルを、基板のレーザ(または他の光1101)励起のために適切な配向にさせて、随意に、基盤の異なる領域の読み取りを可能にするように、レンズ1142およびカメラシステム1140に関して移動させることを可能にする。加えて、システムの他の構成要素はまた、随意に移動可能/調整可能である(例えば、カメラ、対物レンズ、加熱器/冷却器等)。
フローセル1110は、フィルタ切り替えアセンブリ(図示せず)内の種々のフィルタ、レンズ1142、および焦点合わせレーザ/焦点合わせレーザアセンブリ(図示せず)と相互作用することができる、カメラシステム1140(例えば、CCDカメラ)によって監視され、配列決定が追跡される。レーザデバイス1160(例えば、随意に複数のレーザを備えるアセンブリ内の励起レーザ)は、光ファイバ1161(随意に、1つ以上の最撮像レンズ、光ファイバ載置具等)を通したレーザ照明を介して、フローセル1X110内の蛍光配列決定反応を照明してもよい。本明細書の図は、例示的実施形態のものであり、必ずしも限定するものではないことが理解されるであろう。
図9は、図8で前述した検出器システム1150等の撮像または配列決定システムとともに使用し得るフローセル1300を有する読取機サブシステムを示す。示されるように、核酸試料がフローセル1300の表面に蒸着されたときに、光ファイバ1320を通して連結されるレーザは、フローセル1300を照明するように位置してもよい。対物レンズ構成要素1310は、フローセル1300より上側に位置していもよく、蛍光団がレーザまたは他の光によって照明されると、種々の蛍光放射を捕捉および監視する。同じく示されるように、試薬は、適切な試薬貯蔵所等に接続する1つ以上の管1330を通して、フローセル1300を通して方向付けられてもよい。フローセル1300は、移動可能なステージ領域1350上に配置してもよいフローセルホルダ1340内に配置してもよい。フローセルホルダ1340は、配列決定が生じる間、レーザ、レーザ照明を撮像表面上に方向付けるプリズム(図示せず)、およびカメラシステムに関して、フローセル1300を適切な位置または配向に確実に保持する。代替的に、対物レンズ構成要素1310は、フローセル1300より下側に位置付けられる。レーザは、蛍光放射を読み取るように、図9に示されるように位置してもよく、または対物レンズ構成要素1310に従って調整してもよい。別の代替的実施形態において、フローセル1300は、両側(すなわち、頂部および底部)から見ることができてもよい。このように、複数の読取機または撮像システムは、フローセル1300のチャネルから放射する信号を読み取るために使用してもよい。
図10Aおよび10Bは、一実施形態に従って形成されるフローセル1400を示す。フローセル1400は、底層または基層1410(例えば、深さ1000μmのホウケイ酸ガラス)と、基層1410を覆うチャネルスペーサまたは層1420(例えば、深さ100μmのエッチングされたケイ素)と、カバー層1430(例えば、深さ300μm)とを含む。組み立ての際に、層1310、1420、および1430は、それぞれ、カバー層1430を通していずれかの端部に、入口ポート1414および出口ポート1416を有する、密封チャネル3X412を形成する。以下に詳述するように、フローセル1400は、マニホールド810(図15)等のマニホールドと係合するか、または封止可能に噛合するように構成してもよい。代替的に、フローセル1400の入口1414および出口1416は、フローセル1400の底部または側部で開口してもよい。さらに、フローセル1400は、8つのチャネル1412を含むが、代替の実施形態は、他の数を含んでもよい。例えば、フローセル1400は、1つのチャネル1412だけ、または場合により2つ、3つ、4つ、16、またはより多くのチャネル1412を含んでもよい。一実施形態において、チャネル層1420は、標準的なフォトリソグラフィ法を使用して構築してもよい。1つのそのような方法は、100μmのシリコン層を露出させるステップと、および深堀り反応性イオンエッチングまたはウェットエッチングを使用して、露出したチャネルを除去するステップとを含む。加えて、チャネル1412は、異なる深さおよび/または幅を有してもよい(異なるフローセルのチャネル間、および同じフローセル内のチャネル間の両方で異なる)。例えば、図10Bのセルの中に形成されるチャネル1412は、深さ100μmであるが、他の実施形態は、随意に、深さの大きい(例えば、500μm)または深さの小さい(例えば、50μm)チャネルを備えることができる。
図10Cおよび10Dは、代替の実施形態に従って形成されるフローセル構成を示す。図10Cに示されるように、フローセル1435は、フローセル1400に関して説明されるチャネル1412よりも幅の広いチャネル1440、または合計で8つの入口ポート1445および出口ポート1447を有する2つのチャネルを有してもよい。フローセル1435は、付加的な構造的支持のための中心壁1450を含んでもよい。図10Dの実施例において、フローセル1475は、入口ポート1485および出口ポート1490が、それぞれ、フローセル1475の対向端部で千鳥状の列に配設されるように、オフセットチャネル1480を含んでもよい。
フローセルは、多数の可能な材料から形成または構築してもよい。例えば、フローセルは、Foturan(登録商標)(Mikroglas、Mainz、Germany)またはFotoform(登録商標)(Hoya、Tokyo、Japan)等の、感光ガラスから製造してもよく、必要に応じて形成および操作してもよい。他の可能な材料には、優れた光学的性質を有し、温度上昇に耐えることができる、(例えば、Topas(登録商標)(Ticona、Florence、KY)、またはZeonor(登録商標)(Zeon Chemicals、Louisville、KY))が挙げられる。さらに、フローセルは、同じフローセル内で多数の異なる材料からしてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、基層、チャネルの壁、およびカバー層は、随意に、異なる材料であることができる。また、図10Bの実施例は、3つの層で形成されるフローセル1400を示しているが、他の実施形態は、例えば、その中にエッチング/切除/形成されるチャネルを有する基層、およびカバー層等の2つの層を含むことができる。他の実施形態は、その中にエッチング/切除/あるいは形成されるフローチャネルを備える層を1つだけ有するフローセルを含むことができる。
図11は、実施形態に従うフローセルをパターン化するためのプロセスの概略図を与える。最初に、所望のパターンをマスク500によって基板510の表面にマスクし、次いで、UV光に露光する。ガラスを波長290から330nmの間のUV光に露光する。UV露光ステップ中に、銀または他のドープ原子を照射領域(領域520)の中に癒合する。次に、5000℃から6000℃の間の熱処理中に、領域520の中の銀原子の周囲でガラスを結晶化させる。最後に、室温で10%のフッ化水素酸溶液によってエッチング(異方性エッチング)するときに、結晶領域は、ガラス体領域よりも最高で20倍高いエッチング速度を有し、したがって、チャネル530をもたらす。湿式化学エッチングが、超音波エッチングによって、またはスプレーエッチングに対応している場合、結果として生じる構造は、大きい縦横比を示す。
図12A−Eは、一実施形態に従ってフローセルを構築するために使用し得るエッチングプロセスを示す。図12Aは、チャネル600と、貫通孔605とを含む、2層フローセルの端面図を示す。チャネル600および貫通孔605は、カバー層630の中に露出/エッチングされる。カバー層630は、底層620(図12Eに示す)と噛合する。貫通孔605は、試薬/流体がチャネル600の中に進入することを可能にするように構成される。チャネル600は、Invenios(Santa Barbara、CA)から入手可能なもの等の3次元プロセスを介して、層630の中にエッチングすることができる。カバー層630は、Foturanを含んでもよく、UVエッチングしてもよい。Foturanは、UVに露光されるときに色が変化して、光学的に不透明(または擬不透明)になる。図12Bにおいて、カバー層630は、層内に光学的に不透明な領域610を生成するためにマスクされて光に露光される。光学的に不透明な領域は、誤って方向付けられた光、光散乱、またはそうしなければ配列読み取りの質に悪影響を及ぼし得る、他の望ましくない反射を遮断することを促進し得る。代替の実施形態では、不溶な光散乱を遮断することを補助するために、クロムまたはニッケル等の材料の薄い(例えば、100−500nm)層を、随意に、フローセルの層間(例えば、図12Eのカバー層と底層との間)に蒸着する。図12Cおよび12Dは、カバー層630との底層620の噛合を示し、図12Eは、同図の切断図を示す。
フローセルの層は、多数の異なる方法で相互に付着させてもよい。例えば、層は、接着剤、結合(例えば、熱的、化学的等)、および/または機械的方法を介して付着させることができる。当業者は、種々のガラス/プラスチック/シリコン層を相互に付着させる、数多くの方法および技術に精通しているであろう。さらに、特定のフローセル設計および構築が本明細書で説明されるが、そのような説明は、必ずしも限定するものであると取るべきではない。他のフローセルは、本明細書に示されるものとは異なる材料および設計を含むことができ、または本明細書で説明されるものとは異なるエッチング/切除技術もしくは作成方法を通して作成することができる。したがって、特定のフローセルの組成または構築方法は、必ずしも全ての実施形態を限定するものであると取るべきではない。
試薬、緩衝液、および配列決定で使用され得る他の材料は、流体流れサブシステム100(図1)を介して調節されて、分注される。一般に、流体流れサブシステム100は、試薬貯蔵領域(例えば、瓶または他の格納容器)からフローセル110を通して、および随意に、廃棄物受容領域まで、適切な試薬(例えば、酵素、緩衝液、染料、ヌクレオチド等)を適切な速度で、および随意に、適切な温度で輸送する。流体流れサブシステム100は、コンピュータ制御されてもよく、随意に、種々の試薬成分の温度を制御することができる。例えば、特定の構成要素は、随意に、4℃±1℃等の冷却温度に保持され(例えば、酵素含有溶液の場合)、一方で、他の試薬は、随意に、上昇した温度に保持される(例えば、上昇した温度で特定の酵素反応が生じるときに、フローセルを通って流れる緩衝液)。
いくつかの実施形態において、種々の溶液は、随意に、フローセル1110を通して流す前に混合される(例えば、希釈剤、適切なヌクレオチド等と混合される濃縮緩衝液)。このような混合および調節も、随意に、流体流れサブシステム1100によって制御される。さらに、システム1150の構成要素間の距離を最小化することが有利であり得る。ポンプとフローチャネルとの間には1:1の関係があり得、またはフローチャネルは、2つ以上のチャネルに分かれてもよく、および/または流体サブシステムの種々の部分で1つ以上のチャネルに組み合わせられてもよい。流体試薬は、全てが流体流れサブシステム1100に接続される試薬容器の中に貯蔵されてもよい(例えば、室温の緩衝液、5倍SSC緩衝液、酵素緩衝液、水、卵割緩衝液、酵素用の冷却容器、酵素混合物、水、走査混合物等)。
多方向弁はまた、複数のライン/容器の/に対する制御可能なアクセス可能にするために使用されてもよい。試薬がフローセル1110の中へ「進入する準備完了状態である」ように、管類を通して容器から試薬を吸い込むために、プライミングポンプを使用してもよい。したがって、停滞空気、(例えば、管類の中の定着による)間違った温度の試薬等が回避され得る。流体の流れ自体は、随意に、多数のポンプの種類(例えば、正/負の変位、真空、蠕動運動、および電気浸透等)のうちのいずれかによって推進される。
本明細書で使用されるいずれのポンプ/ポンプ型でも、試薬は、随意に、それらの貯蔵領域から管類を通してフローセル1110に輸送される。PTFE等のこのような管類は、例えば、試薬との相互作用を最小化するために、適切に選択することができる。管類の直径は、実施形態間で(および/または随意に、異なる試薬慮増領域間で)変動する可能性があるが、例えば、「死容量」またはラインの中に残る流体の量を減少させたいという要望に基づいて、選択することができる。さらに、管類のサイズは、随意に、一方の流路の領域から他方まで変化する可能性がある。例えば、試薬貯蔵領域からの管サイズは、ポンプからフローセルまでの管のサイズ等と異なる可能性がある。
流体流れシステム1100はさらに、漏れ、遮断、および流量等の、システムの流体性能の特徴を自動的に検出して報告する圧力センサを備えることができる。このような圧力または流量センサは、機器の保守およびトラブルシューティングに有用であり得る。流体系は、例えば以下に説明するように、1つ以上のコンピュータ構成要素によって制御されることができる。種々の実施形態の流体の流れの構成は、例えば、試薬容器の数、管類の長さ、直径、および組成物、切替弁およびポンプの種類等に関して、変動する可能性があることを理解されるであろう。
前述のように、システム1150の種々の構成要素(図8)は、プログラムされた、またはユーザ入力の命令に従ってこれらの機器の動作を指示し、これらの機器からデータおよび情報を受信し、そしてこの情報を翻訳、操作して、ユーザに報告するように機能するプロセッサまたは計算システムに連結してもよい。このように、計算システムは、典型的に、これらの機器/構成要素(例えば、必要に応じてアナログ−デジタルまたはデジタル−アナログ変換器を含む)に適切に連結される。計算システムは、例えばGUIでの設定パラメータフィールドへのユーザ入力の形態で、または、例えば様々な異なる特定の動作(例えば、自動焦点合わせ、SBS配列決定等)のために予めプログラムされる、予めプログラムされた命令の形態で、ユーザの命令を受信するための適切なソフトウェアを含んでもよい。ソフトウェアは、次いで、所望の動作(例えば、流体の方向および輸送、自動焦点合わせ等)を実行するよう訂正動作を指示するために、これらの命令を適切な言語に変換してもよい。加えて、例えば、核酸アレイからの光放射プロファイルまたは他のデータといった、システムから収集されるデータは、印刷形態で出力することができる。印刷形態であっても、電子形態(例えば、モニタに表示されるもの)であっても、データは、例えば、曲線、ヒストグラム、一連の数値、表、グラフ等の、種々の、または複数の形式であることができる。
図13および14は、一実施形態に従ってEOポンプを受容するために構築し得るフローセル700を示す。図13は、フローセル700の平面図であり、図14は、フローセル700の端部分の断面図である。フローセル700は、相互に積み重ねられる1つ以上の基板層から形成し得るフローセル本体702を含む。図14に示されるように、フローセル本体702は、底層704と、チャネルスペーサまたは層706と、カバー層708とを含む。チャネルスペーサ706は、誤って方向付けられた光、光散乱、またはそうしなければ配列読み取りの質に悪影響を及ぼし得る、他の望ましくない反射を遮断するために、光学的に不透明であってもよい。フローセル本体702は、実質的に平面である底面720(図14)と、実質的に平面である頂面722とを有する。表面720および722は、透明であってもよく、そこを通って光が通過することを可能にし、表面720または722(およびそれぞれ対応する層704および708)のいずれかは、システム1150、より具体的には、ホルダサブアセンブリ800(図15に示す)によって保持されるように構成されてもよい。例えば、底層704は、ホルダ806および/または角柱804(どちらも、図15に示す)を係合する、ドリル孔または凹部を有してもよい。層704、706、および708は、フローセル本体702の一方の端部697(図13)の流体入口/出口(I/O)ポート714、および他方の端部699の流体入口/出口(I/O)ポート716(図14)の間に延在し、これらと流体連通している、1つ以上のチャネル712を形成するように構成される。さらに、フローセル本体702は、1つ以上のポンプ空洞724を含んでもよく、それぞれ、チャネル712の一方の端部699と、流体I/Oポート716のうちの1つとの間に間置される。ポンプ空洞724は、以下の詳細に説明される、1つ以上の電気浸透流(EO)ポンプ730を保持するように成形される。
図13に示されるように、ポンプ空洞724は、流体チャネル712およびガス放出チャネル713に結合される。ガス放出チャネル713は、フローセル本体702の側部698または端部699等の共通領域に延在する。ガス放出チャネル713は、ガス除去デバイス(例えば、図1の52)または真空源(例えば、図7の78)に連結されるガスポート717で成端する。ガスポート717は、ホルダアセンブリ800の中の噛合ポートと整合されてもよい。随意に、ポンプ空洞724は、共通のガスポート717を有する共通のガス放出チャネル713に結合されてもよく、それによって、フローセル本体702に出入りするガス結合経路を簡略化する。
ポンプ空洞724は、EOポンプ10(図1)、または本出願で説明される発明で説明されるか、もしくはこれと一貫する任意の他のEOポンプを受容する。便宜上、図14内のEOポンプ10は、図1に関して前述した参照番号で説明される。EOポンプ10は、側壁22と、多孔質コア媒体14と、上部板18および下部板20と、ガス透過性であるが液体不透過性の膜56と、電極16および17と、流体入口46と、流体出口48と、ガス出口50とを含む。電極16および17は、フローセル本体702に挿入される際のEOポンプ10の電気接続を容易にするために、下部板20上の接点19および21で成端する。接点19および21は、フローセル本体702内の噛合接点に結合する。
EOポンプ10がポンプ空洞724に挿入されると、流体入口46は、入口ポート716と整列し、一方で、流体出口48は、流体チャネル715に連結されるポートと整列する。液体流路748は、流体出口48のそれぞれに結合され、EOポンプ10の底板20から流体チャネル715まで延在する。ガス出口50は、膜56を通過するガスを受容する。ガス出口50は、カバー板18の頂部に沿って延びるガス流路713の中にガスを放出する。随意に、EOポンプ10は、側壁22を完全に省略し、ポンプ空洞724の壁を利用して、外側リザーバの外面を画定するように構築してもよい。
電極16および17は、電源(図示せず)によって荷電されてもよい。電源は、バッテリ、AC電源、DC電源、または任意の他の源でもよい。電極16は、正に荷電されて、アノードとして動作する。電極17は、負に荷電されて、カソードとして動作する。さらに、ポンプ空洞724の表面は、電流漏出を防止するために絶縁材で被覆してもよい。絶縁材は、例えば、二酸化シリコン、窒化ケイ素、またはこれらの材料の複数の層であってもよい。
代替の実施形態において、電荷は、直接電気接続ではなく、誘導結合によって生成され得る。例えば、接点16および17は、誘導接点と置換され得る。誘導接点は、フローセルの頂部層および底部層の上部表面および/または下部表面より下側に埋め込まれ得る。誘導接点は、周囲の環境への直接露出を回避するように、絶縁体で覆われ得る。動作に際し、フローセルホルダは、誘導接点が位置付けられるフローセル上の領域に近接する、変圧器源を含む。フローセルがホルダの中に配置されると、変圧器源は、誘導接点を包囲する領域の中に局所電磁場を生成する。EM場は、誘導接点で電流フローを誘発し、それによって、誘導接点間に電圧電位を生成する。
前述のEOポンプ10の構成要素は、EOポンプ10の構成要素が統合ユニットを形成するように、相互に固定または密閉し得る。例えば、構成要素は、アクリル筐体内に固定し得る。このように、フローセル700は、EOポンプ10が故障したとき、または異なる特性を伴うEOポンプが所望されるときに、EOポンプ10を別のEOポンプユニットと置換するのを可能にするように構成し得る。
また、底部フローセルは、クランプではなく真空チャッキングを通してフローセルホルダに保持し得る。したがって、真空は、フローセルをデバイス内の正しい位置に保持することができ、よって、適切な照明および撮像を行うことができる。
加えて、フローセル700は、EOポンプ10が、チャネル712(図14)から上流側に位置付けられ、反応が生じ得る接続通路715を介して、チャネル712の中に流体を押し込む、「押し込み」フローセルを示す。代替の実施形態では、EOポンプ10は、EOポンプ10がチャネル712から下流側(すなわち、反応が生じた後)に配置され、それによって、EOポンプ10が、流体がポンプに侵入する前に、チャネル712を通して溶液または流体を吸い込む、「引き込み」フローセルである。EOポンプ10は、関心の流体を直接的に押し込んでも、もしくは引き込んでもよく、または代替的に、EOポンプ10は、後に圧力勾配を関心の流体に発生させる、作業流体(例えば、脱イオン水)を利用し得る。作業流体は、関心の流体が高いイオン強度であり(例えば、水酸化ナトリウム)、より高い電流を導き、したがって、より多くのガスを発生させるときに好適であり得る。
図15は、一実施形態に従って形成し得る、ホルダサブアセンブリ800の斜視図である。サブアセンブリ800は、読取器システム(図示せず)が読取値を取り込む間、フローセル802を保持するように構成される。フローセル802は、前述のフローセル700に類似したものであってもよく、またはEOポンプを含まなくてもよい。サブアセンブリ800は、1つ以上の入口マニホールド808、プリズム804、フローセル802、および出口マニホールド810を支持するように構成される、ホルダ806を含む。示されるように、各フローセル802は、1つの入口マニホールド808および1つの出口マニホールド810と流体連通している。ライン812は、内側通路(図示せず)を分岐させて、流体をフローセル802上のチャネルのそれぞれに送達する、入口マニホールド808に作業流体を提供し得る。ホルダ806は、例えば、ねじを使用することによってそれに固定される、プリズム804を有し得る。各プリズム804は、フローセル802のうちの1つを保持するように構成され、かつ、例えばレーザによって発生する光を屈折させる、および/または反射することによって、読み取りプロセスを促進するように構成される。サブアセンブリ800はまた、対応するフローセル802および/または対応するプリズム804をホルダ806に保持するための真空(または部分真空)を生成する、各フローセル802の下に位置付けられる、吸引デバイス/真空チャックを含んでもよい。一実施形態において、真空チャックは、フローセルに接触して、フローセルまたはプリズムを適所に保持することに加えて、フローセルの温度を調節する、加熱デバイスまたは熱伝導性の縁/部材を含んでもよい。ライン814は、例えば、対応するプリズム804に対向してフローセル802を保持するように、陰圧を提供するための真空に接続し得る。
随意に、マニホールド810は、その中にEOポンプ811を受容するように構成し得る。EOポンプ811は、EOポンプに加えて、またはその代わりにフローセル802の中に提供し得る。一群のEOポンプ811を、図15のマニホールド810の切り取り部分の中に示す。図15の実施例では、8つのチャネルが、各フローセル802の中に提供され、したがって、8つのEOポンプ811が、各マニホールド810内に提供される。随意に、より多い、またはより少ない(view)EOポンプを提供し得る。随意に、複数のチャネルを通して流体を引き込むように、共通のEOポンプを利用し得る。
図16は、マニホールドの一部分が切り取り形態で示される、出口マニホールド810を形成するために使用される構成要素の分解斜視図である。マニホールド810は、上部層820および下部層822から形成し得る、筐体を含む。層820は、基部826から延在する、チャネルコネクタ824を含む。チャネルコネクタ824は、フローセル802のチャネルと連結するように構成される、1つ以上の通路825を含む。層820はまた、外側面832を含む。通路825は、コネクタ824および基部826を通して外側面832に対して垂直距離Hだけ延在する。基部826は、本体828から側方外向きに延在する。本体828は、通路834と流体連通している、1つ以上のEOポンプ空洞830を含む。ポンプ空洞830は、EOポンプをその中に挿入するのを可能にするように、表面832の中にアクセス開口部を有する。EOポンプは、層820の底部を通して矢印Aの方向に上に挿入し得る。
同じく図16に示されるように、層822は、本体838から側方外向きに延在する、基部836を含む。基部836および本体838は、その中に形成される1つ以上のチャネル溝846を有する、頂部外側面842を共有する。チャネル溝846は、広がりパターンを形成する。噛合チャネル溝を、層820の底面832の中に提供し得る。層822はまた、複数のポンプ空洞844を含み、各ポンプ空洞844は、EOポンプのうちの1つを挿入するのを可能にするように、アクセス開口部831を有する、マニホールド810を形成するために、層820および822は、相互に固定される。例えば、エポキシを、次いで相互に熱的に接着され得る外側面832および842に印加し得る。したがって、EOポンプの第1のサブセットは、上位層820の中に保持してもよく、EOポンプの第2のサブセットは下位層822の中に保持し得る。随意に、EOポンプの全ては、層820および822のうちの1つの中に位置してもよく、またはEOポンプは、層820および822の両方の中に延在して、それらの間に挟まれてもよい。
図26および27は、それぞれ、本発明の一実施形態に従って形成される電気浸透流(EO)ポンプ1610の上面および底面斜視図を示す。図26に示されるように、ポンプ1610は、端部壁1621と、側壁1622と、ポンプ空洞1628を包囲する底部1620とを含む、筐体1612を備える。筐体1612は、長手方向軸1627に沿って延在する長さ、および横軸1625に沿って延在する幅を有する、長方形形状である。ポンプ空洞1628は、パターンまたはアレイで配設される、複数の多孔質コア媒体1614を受容する。多孔質コア媒体1614は、それらの間に、かつポンプ空洞1628内に単一の共通流体リザーバ1630を形成するように、相互から離間される。ポンプ空洞1628の底部1620は、多孔質コア媒体1614がその上に位置付けられる、平坦な内面1619で形成し得る。随意に、底部1620の内面1619は、多孔質コア媒体1614を固定して離間した位置に維持するように、一連の円形凹部等の、陥凹状パターンで形成し得る。
多孔質コア媒体1614は、コア軸1624(矢印1624で示す)に沿ってポンプ空洞1628内に直立配向で配置される、円筒フリットとして構築し得る。コア軸1624は、重力に対して垂直に、かつ筐体1612の横軸1625および長手方向軸1627に直角に配向される。各多孔質コア媒体1614は、開口コアの管形状で相互に同心円状に形成される、内面1632と、外面1634とを有する。各多孔質コア媒体1614の内面1632は、対応する中央または内側リザーバ1636を包囲する。内側リザーバ1636は、コア軸1624に沿って相互から離間される、対向端部1638(図26)および1640(図27)で開口する。多孔質コア媒体1614は、それらの間に流体の流れの間隙を提供するように、側壁1622および端部壁1621から内向きに離間され、かつ相互から分離される。多孔質コア媒体1614を包囲するポンプ空洞1628内の容量は、共通外側リザーバ1630を表す。筐体1612は、液体不透過性でガス透過性の膜から形成される、上部カバー1656を有する。上部カバー1656は、ポンプ空洞1628を完全に覆うように、端部壁1621と側壁1622との間で、多孔質コア媒体1614全体に架かる。上部カバー1656は、ポンプ空洞1628内で発生するガス気泡をそこから排出し、一方で、流体をポンプ空洞1628の中に保持するのを可能にする。上部カバー1656はまた、各多孔質コア媒体1614の内側リザーバ1636を、共通外側リザーバ1630から分離するように機能する。
図27を参照すると、共通電極1617は、ポンプ空洞1628の外側リザーバ1630内に位置付けられる。電極1617は、多孔質コア媒体1614の周囲およびポンプ空洞1628の全体を通して延在するように成形される。図27の実施例において、共通電極1617は、湾曲部1615と、直線部1613とを含む。湾曲部1615は、外面1634の周囲で同心円状の円弧に沿って、外面1634を包んでもよい。湾曲部1615は、多孔質コア媒体1614の外面1634に接触しても、またはこれに密に倣ってもよく、一方で、直線部1613は、多孔質コア媒体1614間の間隙に架かる。共通電極1617は、複数回にわたり、一方の端部壁1621から他方の端部壁1621まで延在して戻る。随意に、2つ以上の共通電極1617を、ポンプ空洞1628内に提供し得る。個々のコア電極16は、各多孔質コア媒体1614の内側リザーバ1636の中に位置付けられる。電極1616は、多孔質コア媒体1614の内面1632に対向して、または近接するが、わずかに離間して位置付けてもよい。電極は、各多孔質コア媒体からの等しい流れを維持するような方法で配置される。代替的に、電極配置は、流速を、相互に対して所望の値に調整する程度であることができる。電極1616および1617は、電源によって反対電荷が供給される。電極1616および1617の極性は、所望の流体の流れの方向に応じて選択される。例えば、内側リザーバ1636から共通外側リザーバ1630への半径方向外向きの流れを達成するように、電極1616がアノードを構成し、一方で、電極1617がカソードを構成し得る。代替的に、半径方向内向きの流れを達成するように、電極1617がアノードを構成し、一方で、電極1616がカソードを構成し得る。電極1616および1617、ならびに多孔質コア媒体1614は、個々の内側リザーバ1636と共通外側リザーバ1630との間に、多孔質コア媒体1614を通る流体の流れを誘発するように協働する。流れの方向は、電極1616および1617に印加される電荷に依存する。
筐体1612は、共通外側リザーバ1630用の各内側リザーバ1632および少なくとも1つの流体出口1648と連通している、少なくとも1つの流体入口1646を有する。例えば、底部1620は、開口端部1640のそれぞれの中に別個の流体入口1646を含み、側壁1622の中に単一の流体出口1648を含んでもよい。1つの流れ方向において、流体入口46は、流体を内側リザーバ1636の中に運搬する。流体が多孔質コア媒体1614を通して送出されると、流体出口1648は、外側リザーバ1630から流体を放出する。随意に、流体入口1646および流体出口1648の流れ方向は、流体が、外側リザーバ1630から、半径方向内向きに、内側リザーバ1636に流れるように逆転させてもよい。上部カバー1656は、筐体1612の頂部からガスを放出するのを可能にする。ガスは、多孔質コア媒体1614を通して流体の流れの半径方向に対して直角な方向に沿って(例えば、コア軸1624に沿って)、上部カバー1656に向かって移入する。
随意に、筐体1612および/またはポンプ空洞1628は、頂部および/または側部から見たときに、正方形、三角形、長円形、六角形、多角形形状等を有し得る。円筒多孔質コア媒体1614は、ポンプ間の流れおよび電流バリアとして作用する。筐体1612の上部カバー1656全体は、軟質頂部通気膜である。随意に、EOポンプ1610は、単一の電圧源または独立に制御される源を使用し得る。複数の電圧源が使用されるとき、EOポンプ1610は、共通電極1617を共有するが、各多孔質コア媒体1614全体の電位は、対応する個々の電圧源によって独立して制御することができる。単一の電圧源が使用されるとき、電場、およびしたがって流速は、共通電極1617の幾何学形状を変動させることによって調整することができる。図26および27の実施形態は、とりわけ、ガス管理のためのより大きいリザーバ、構築の簡略化、コンパクトな形状因子、およびポンプ置換の簡略化を含む、種々の利点を提供する。
図28は、本発明の代替の実施形態に従って形成されるEOポンプ1670の側断面図を示す。ポンプ1670は、その中に提供される真空空洞1674を有する、筐体1672を備える。コア保持部材1680は、真空空洞1674の内に提供される。コア保持部材1680は、長手方向軸1684に沿って延在する流体チャネルを形成する、内部ポンプチャンバ1682を有する。流体入口1686および流体出口1688は、内部ポンプチャンバ1682の対向端部1696および1697に位置する。コア保持部材1680は、ガス透過性かつ流体不透過性である材料でできている。筐体1672は、真空空洞1674内で真空を誘発するよう真空源(図示せず)に連結されるように構成される、真空入口1676を含む。随意に、真空源を完全に除去して、EOポンプ1670を、空洞1674の中で真空を誘発せずに動作させてもよい。
多孔質コア媒体1690は、コア保持部材1680内に提供される。多孔質コア媒体1690は、流体入口1686と流体出口1688との間に位置する。多孔質コア媒体1690は、多孔質コア媒体1690を通過して流体入口1686から流体出口1688まで全ての流体を運搬することを必要とするように、実質的にコア保持部材1680を断面方向に充填するように配設される。一実施例として、多孔質コア媒体1690は、多孔質の均一もしくは非均一材料、一群のビーズ、PEEK、または生体適合性ポリマーを含んでもよく、これらは、表面電荷を保持し、そこを通して流体が流れるのを可能にする。コア保持部材1680は、対向端部1696および1697で開口する、細長い円筒形状を有する。コア保持部材1680は、例えばPTFE AFから形成される外壁を有する、管を表す。流体が、矢印Aの方向に、外壁内の管に沿って流れる一方で、ガスは、矢印Bの方向に、半径方向外向きに外壁を通過する。
電極1692および1694は、荷電されたときに、多孔質コア媒体1690を通る流体入口1686から流体出口1688への多孔質コア媒体1690を通る流体の流れが誘発されるように、コア保持部材1680の中に延在し、多孔質コア媒体1690の対向表面1691および1693に近接して位置する。電極1692および1694は、長手方向軸1684に沿って相互から分離される。電極1692および1694は、多孔質コア媒体1690全体に電気電位差を導入し、多孔質コア媒体1690を通して長手方向軸に沿って矢印Cの方向に流体を流れさせる。前述のように、ガスは、多孔質コア媒体1690を通して流体が流れるにつれて電極で発生する。コア保持部材1680は、ガス透過性材料で形成され、ガスが、多孔質コア媒体1690から離れて、コア保持部材1680から半径方向外向きに放散するのを可能にする。随意の真空源(図示せず)は、多孔質コア媒体1690から離れて、コア保持部材1680を通して外向きに、長手方向軸1684に対して直角の半径方向(矢印Dで示す)にガスの移入を誘発するように、真空化空洞1674内で真空を導入する。電解ガスの通気は、(ガスの発生割合および管類の透過性に応じて)真空ハウジングを使用して向上させることができる。
随意に、ねじ付き取付部品1681および1683は、スライド界面およびマニホールドの既存の管類ネットワークの一部として、筐体1672の対向端部に統合し得る。取付部品1681および1683は、コア保持部材1680の対向端部1697および1696の適所にねじ込んで固定し得る。取付部品1681および1683は、コア保持部材1680を置換するために、コア保持部材1680の対向端部1697および1696上でねじを緩めて外し得る。したがって、既存のスライド界面またはマニホールドのいかなる修正も不要である。
図29は、代替の実施形態に従って形成されるマニホールド1601の端部斜視図を示す。マニホールド1601は、マニホールド1601を通して別個の流体チャネルを形成する、コア保持部材1680(図28)等の、複数のコア保持部材を保持する、真空筐体1603を含む。随意に、流体を複数または全てのチャネルに供給する、単一の入口1686が提供し得る。コア保持部材1680は、対向端部で単一の入口1686および流体出口1688と連通している、入口を有する。真空入口1605および電極入口1607は、マニホールド1601の筐体1603の中に提供される。図29の実施例において、電極入口1607は、8つの対、すなわち、8つのコア保持部材1680のそれぞれに対する別個の対に群化される。電極入口1607は、電極1692および1694(図28)等の電極を受容する。電極1692および1694は、一意的な印加電場を各チャネルに提供し得る。図29の実施例において、8台のポンプは、迅速に変更してもよく、また、全てのポンプが共通真空ライン1605を共有し得る。図29の実施形態は、コンパクトな設計、既存のスライド界面に対する変更が軽微である、通気領域が大きい、押し込みおよび引き込みフローが可能である、および既存のPEEK取付部品技術との適合性等の、種々の利点を提供する。
図30は、一実施形態に従って形成されるポンプ/フローサブシステム1700のブロック図を示す。サブシステム1700は、入口1704で関心の流体1720を受容し、出口1706で関心の流体1720を放出する、フローセル1702を含む。出口1706は、チャネル1710を通じてEOポンプ1708に流体的に連結される。EOポンプ1708は、ポンプ入口1712と、ポンプ出口1714とを含む。ポンプ出口1714は、作業流体1724を貯蔵する作業流体リザーバ1722に連結される。作業流体1724は、チャネル1726を通じてEOポンプ1708に供給される。作業流体1724は、EOポンプ1708を充填し、関心の流体1720と合流するまで、チャネル1710の第1の区域1728の中を通る。関心の流体1720は、チャネル1710の第2の区域1730を充填する。作業流体1724および関心の流体1720は、流体−流体界面1732で相互に接触する。界面1732は、それらの特性に起因して作業流体および関心の流体が混合しないとき等に、単純に流体界面を表し得る。代替的に、界面1732は、作業流体がEOポンプ1708を通して送出されるにつれて、チャネル1710内をそれに沿って移動するのを可能にする、膜を表し得る。
動作に際し、EOポンプ1708は、フローセル1702に向かって、および/またはそこから離れて作業流体1724を押し込むおよび/または引き込むように、方向1736および1738のうちの一方または両方に沿って、作業流体を推進する。作業流体1724がチャネル1710に沿って移動するにつれて、作業流体1724は、関心の流体を強制的に同じ方向に流してフローセル1702を通過させる。関心の流体とは別個で、かつ異なる作業流体1724を利用することによって、作業流体1724は、EOポンプ1708の動作に十分適した所望の特性を有するように選択され得る。EOポンプ1708は、関心の流体1702の特性とは無関係に動作する。
EOポンプ1708は、関心の流体を押し込むか、または引き込んでもよい。作業流体は、脱イオン水を表してもよく、後に圧力勾配を関心の流体1720に発生させる。作業流体1724は、関心の流体1710が、EOポンプ1708を通過する場合に、高いイオン強度であり(例えば、水酸化ナトリウム)、より高い電流を導き、したがって、より多くのガスを発生させるときに好適であり得る。
図17は、層820および822を相互に固定した後のマニホールド810の断面図を示す。例示だけを目的として、1つのEOポンプ10を断面で示す。EOポンプ10は、原寸に比例してないことを認識されたい。EOポンプ10は、図1のEOポンプ10の構造および参照番号を含み、したがって、ここではさらに論じない。
構築されるときに、マニホールド810は、検出器係合端部852と、ライン終端部854とを有する。対応するコネクタ通路825、チャネル溝846、および通路834は、検出器係合端部852からライン終端部854まで延在する、1つのチャネル860を形成する。ライン終端部854は、ポンプ空洞830(図16)と放出ライン884との間で流体連通している、レセプタクルを含む。密閉部材882は、レセプタクルに固定され、放出ライン884をポンプ空洞830のI/Oポートに連結する。さらに、マニホールド810は、ねじ穴851を使用してホルダ806(図15)に固定し得る。マニホールド810が動作中であるとき、コネクタ824は、各チャネル860がフローセル802の中の対応するチャネルに接続するように、フローセル802(図16)に密閉可能に接続される。広がりパターンのチャネル860を分配することによって、EOポンプ10は、より大きい構成要素(例えば、電極および多孔質コア)と適合し得、それによって、より大きい流速を可能にする。さらに、2つの層820と822との間にポンプ空洞830を分配することによって、マニホールド810の所定の幅の範囲内で、より多くのEOポンプ10が使用され得る。
図18は、マニホールド810の中、またはフローセルの中で使用し得るEOポンプ933の断面である。示されるように、ポンプ空洞930は、放出ラインに至る通路934およびI/Oポート916と流体連通している。EOポンプ933は、所定の距離だけ離れて位置付けられ、実質的に相互に平行な方向に延在する本体を有する、少なくとも2つの電極932および934を含む。電極932および934は、例えば、流体の流れを大幅に崩壊させないように、ワイヤコイル電極であってもよい。電極932および934は、接点(図示せず)に電気的に接続し、次に、電源に接続し得る。図18において、電極932は、正に荷電して、アノードとして動作する。そして、電極934は、負に荷電して、カソードとして動作する。
EOポンプ933はまた、電極932と934との間に間置される、コア940を含む。コア940は、前述のコア14に類似していてもよく、そこを通って流体が流れるのを可能にする、多数の小さい経路を含む。コア940は、コア940がポンプ空洞930を2つのリザーバ942および944に実質的に分離するように、ポンプ空洞930を横断して延在する形状を有する。電気電位が電極932と934との間に印加されるとき、流体は、コア940を通してリザーバ942からリザーバ944に流れる。前述のように、印加電位は、ガスの発生を導き得る(例えば、電極934の近くでH2が発生し、電極932の近くでO2が発生する)。ガスは、ガスがコア940を通って流れる流体に干渉しないように、ポンプ空洞930の頂部に向かって上昇し、それによってコア940を回避する。示されるように、ガスは、ポンプ空洞930の頂部に、ポケットを形成し得る(実線FLで示す)。
図18に示されるように、EOポンプ933は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から製造し得る、蒸気透過性膜946を含んでもよい。膜946は、コア940より上側に位置付けてもよく、一実施例では、コア940の外辺部の一部分を包囲する、カラーを形成し得る。膜946は、O2ガスが、リザーバ942からリザーバ944に通過するのを可能にする。同じく示されるように、EOポンプ933は、リザーバ944内に触媒部材948を含んでもよい。触媒部材948は、電極932および934によって発生するガスを再結合するための触媒として動作する。膜946および触媒部材948は、EOポンプ933の動作中に発生させられたときにガスが集まる領域の中で、コア940に近接して位置し得る。ガスをリザーバ944の中で混合するとき、触媒部材948は、H2およびO2ガスの水への再結合を促進し、次いで、流体をリザーバ944内に戻す。
図19は、代替の実施形態に従って形成されるEOポンプ1233の断面図である。EOポンプ1233は、本明細書で論じられるフローセルおよび/またはマニホールドとともに使用してもよく、またはこれと統合し得る。さらに、EOポンプ1233は、フローセル(図示せず)対応するチャネル(図示せず)の上流側、または下流側に位置付けてもよい。EOポンプ1233は、ポンプ空洞1224内に位置付けられる。EOポンプ1233は、所定の距離だけ離れて位置付けられる少なくとも2つの電極1232および1234を含み、実質的に相互に平行な方向に延在する本体を有する。電極1232および1234は、接点(図示せず)に電気的に接続し、次に、電源(図示せず)に接続し得る。図19において、電極1232は、正に荷電して、アノードとして動作し、電極1234は、負に荷電して、カソードとして動作する。EOポンプ1233はまた、電極1232と1234との間に間置される、多孔質コア媒体1240を含む。
図19に示されるように、コア1240は、電極1232を包囲する形状を有する。コア1240は、電極1232を囲む1つの部分を有してもよく、またはそれらの間に間置される電極1232を有する、2つの部分を含んでもよい。電気電位が電極1232と1234との間に印加されるとき、流体は、コア1240を通して内側リザーバ1242から外側リザーバ1244に流れる。前述のように、印加電位は、ガスの発生を導き得る(例えば、電極1234の近くでH2が発生させられ、電極1232の近くでO2が発生する)。ガスは、ガスがコア1240を通って流れる流体に干渉しないように、ポンプ空洞1224の頂部に向かって上昇し、それによってコア1240を回避する。EOポンプ1233はまた、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から製造し得る、蒸気透過性膜1246を含んでもよい。膜1246は、コア1240より上側に位置付けてもよく、一実施例では、コア1240を覆う、頂部を形成し得る。膜1246は、O2ガスが、リザーバ1242からリザーバ1244に通過するのを可能にする。同じく示されるように、EOポンプ1233は、リザーバ1224内に触媒部材1248を含んでもよい。触媒部材748および948と同様に、触媒部材1248は、電極1232および1234によって発生するガスを再結合するための触媒として動作する。膜1246および触媒部材1248は、コア1240に近接して位置し、ガスが集まるガス収集領域1247をそれらの間に画定し得る。リザーバ1247の中でガスを混合するとき、触媒部材1248は、H2およびO2ガスの水への再結合を促進し、次いで、流体をリザーバ1244内に戻す。
図19において、ガスが再結合して水を形成するときに、水が膜1246の上に落ちるように、膜1246は、触媒部材1248より下側に位置付けられる。代替の実施形態では、水が膜1246の上に落ちるように、触媒部材1247は、膜1246の真上に位置付けられない。より具体的には、ポンプ空洞1224は、膜1246の真上にはないガス収集領域にガスを導くように構成し得る。例えば、ガス収集領域1247および触媒部材1248は、図19に示される電極1234より上側に位置付けてもよい。ガスが再結合するとき、水は、電極1234の近くでリザーバ1244によって保持される流体の中に直接的に落ち、それによって、膜1246の上には落ちなくてもよい。
図20および21は、それぞれ、代替の実施形態に従って形成し得る、マニホールド1000および1050を示す。図20は、出口マニホールド1000の斜視図である。出口マニホールド1000は、相互に併合および分岐する、多数の分岐チャネル1010を有する。各チャネル1010は、1つ以上のEOポンプ1015と流体連通し、各EOポンプ1015は、1つ以上のチャネル1010と流体連通している。マニホールド1000は、前述したように、フローセルに密閉可能に接続する。マニホールド1000は、操作者が、異なるEOポンプ1015を異なる種類の溶液に使用するのを可能にする。例えば、操作者は、緩衝液用にEOポンプ1015Aを使用し、別に、試薬溶液用にEOポンプ1015Bを使用し得る。このように、各フローセルチャネル(図示せず)の流体の流速は、2つ以上のEOポンプ1015によって制御されていてもよい。代替的に、EOポンプ1015Aおよび1015Bを、同時に使用し得る。
図21は、入口マニホールド1050の平面図であり、前述したように、フローセルから上流側に位置付けられる複数のEOポンプ1055を含む、「押し込み」マニホールドを示す。マニホールド1050は、反応が生じ得るフローセルからのチャネルと密閉可能に係合する、チャネル1060に強制的に流体を通過させる。
さらに、複数のEOポンプは、1つのチャネルに対して直列(すなわち、カスケード)に、または並列に使用し得る。さらに、前述のEOポンプ10、70、110、410、933、1015、および1055は、対応する電極の極性を変えて、触媒部材または媒体を(必要に応じて)再配置することによって、流れの方向が逆にされ得るという点で、双方向性である。一実施形態において、EOポンプは、筐体によって相互に統合および保持され、それによって、ユーザがEOポンプを反転させて流れの方向を変えるのを可能にする。
図22は、代替の実施形態に従って形成されるフローセル1300の側面図である。フローセル1300は、前述と同様に加工してもよく、基層1305と、チャネル層1310と、カバー層1320とを含んでもよい。フローセル1300は、フローセル1300が読み取られている間、システム50によって垂直に保持される(すなわち、チャネル1350内の流体の流れは、重力と実質的に整合する)。流体の流れは、EOポンプ1333に向かうもの、またはEOポンプ1333から離れるものであり得る。EOポンプ1333は、前述したEOポンプと同様に構成し得る。しかしながら、EOポンプ1333は、例えば、電極(図示せず)によって発生するガスが指定のガス収集領域まで上昇し得るように、上記に示される配向に対して約90度回転させてもよい。フローセル1300はまた、チャネル1350およびEOポンプ1333と流体連通している、通路1340を含む。一実施形態において、EOポンプ1333は、前述したEOポンプと同様に機能し、動作する。代替的に、以下に説明するように、EOポンプ1333は、チャネル1350を通して流体の方向および流速を制御する際に、弁と同様に動作し、機能し得る。
図23は、代替の実施形態に従って形成されるフローセル1400の平面図である。図23は、フローセル1400の同じ端部上に入口および出口を有する、チャネルを示す。より具体的には、フローセル1400は、複数のチャネル1410、1420、1430、および1440を含む。以下、フローセル1400に向かって説明するが、チャネル1410、1420、1430、および1440の説明は、同様に、本明細書で説明される他のフローセルに適用し得る。チャネル1410は、端部1450に入口穴1411を有し、他端部1460までフローセル1400の長さだけ延在する。チャネル1410は、次いで、チャネル1410が出口穴1412に到達するまで、端部1450に向かって引き返すように延在する。チャネル1420は、入口穴1421を含み、端部1460に向かって下方に延在する。端部1460に近接したとき、チャネル1420は、次いで、端部1450および出口1422に向かって引き返すように延在する。図23に示されるように、チャネル1420は、端部1450から端部1460に延在するチャネル1420の一部分が、端部1460から端部1450に延在するチャネル1420の一部分を伴う壁に隣接する、またはこれを共有するように、急に、かつ鋭く端部1450に向かって引き返す。端部1460で、チャネル1420は、チャネル層内で引き返してもよく、またはチャネル層に戻る前に、フローセル1400から延在するものを含む他の層(図示せず)の中に引き返し得る。
同じく図23に示されるように、チャネル1430および1440は、フローセル1400内で相互に並行かつ隣接して延在する。チャネル1430は、入口穴1431と、出口穴1432とを含む。チャネル1440は、入口穴1441と、出口穴1442とを含む。示されるように、流体F5の流れは、流体F6の流れに対して反対の方向である。いくつかの実施形態において、チャネル1430および1440の中の流体は、流体流れシステムの別個のラインに属する。代替的に、チャネル1430および1440内の流体は、出口1432を通って流れる流体が、即時または最終的に、入口1441を通してチャネル1440に戻るように、流体流れシステムの共通ラインに属する。
図24は、1つ以上の加熱機構を統合するフローセル1500の平面図である。フローセル1500は、複数のチャネル1510、1520、1530、1540、1550、1560、および1570を示し、その全てが、対応するチャネルの上流側にある、入口EOポンプ1580を含む。代替的に、EOポンプは、対応するチャネルの下流側に位置付けられる、出口であってもよい。チャネル1510は、対応するEOポンプ1580と流体連通し、接点パッド1590に隣接、または近接して延びる、通路を含む。パッド1590は、チャネル1510内の流体の温度を調節するために、熱エネルギーを発生させる(または代替的に、熱エネルギーを吸収する)ように構成される。パッド1590は、金属合金および/または別の熱伝導性材料から作製し得る。同じく示されるように、チャネル1520および1530は、相互に隣接して延在し、チャネル1520と1530との間に延在する、熱伝導体1595を含む。パッド1590と同様に、熱伝導体1595は、チャネル1520および1530内の流体の温度を調節するように構成され、金属合金および/または別の熱伝導性材料から作製し得る。代替的に、各熱伝導体1595(2つ以上の場合)は、1つの対応するチャネルとだけ使用され得る。さらに、チャネル1540は、チャネル1540の底部を延長して、熱伝導体1595と同様に機能する、熱伝導体1596を利用する。
同じく図24に示されるように、フローセル1500は、隣接するチャネル1550および1570の温度を調節するように、付加的なチャネル1560を利用し得る。より具体的には、チャネル1560を通って流れる流体は、隣接するチャネル1550および1570のための熱エネルギーを発生させる、またはこれらから熱エネルギーを吸収する、所定の温度(計算システムまたは操作者によって決定される)を有し得る。フローセル1500は、複数の種類の統合型加熱機構を示すが、フローセル1500(または本明細書で説明される他のフローセル)は、所望であれば、同じフローセル内の1つだけ、または1つ以上を使用し得る。さらに、各チャネルについて2つ以上の加熱機構を使用し得る。例えば、チャネルの一方を、熱を発生させる熱伝導体によって保温し得る。チャネルの他方は、熱エネルギーを吸収する熱伝導体によって保冷し得る。
図25は、一実施形態に従って形成される流体流れシステム2100を示す。流体流れシステム2100は、異なる種類の溶液を異なるデバイスまたはシステムに送達する際に流体またはマイクロ流体を利用する、システム50等のあらゆるシステムとともに使用し得る。加えて、流体流れシステム2100は、本明細書で論じられるフローセルおよびマニホールドのうちのいずれかを使用し得る。示されるように、流体流れシステム2100は、対応する試薬または溶液を保持する、複数の溶液容器2102−2105を含む。各容器2102−2105は、対応する電気浸透流(EO)スイッチ2112−2115と流体連通している。EOスイッチ2112−2115は、EOポンプ730および833を参照して前述したものに類似した部品および構成要素を含む。しかしながら、EOスイッチ2112−2115は、弁と同様に機能し、動作する。より具体的には、EOスイッチ2112−2115は、ある方向の流体の運動に抵抗する。操作者または計算システムが、容器1102−1105のうちの1つからの溶液を使用するように所望するとき、電圧差動は、低減または完全にオフにされる。
図25に示されるように、流体流れシステム2100は、場合によりEOスイッチ2112−2115等のEOスイッチを利用する、複数弁2120を含んでもよい。複数弁2120は、容器2102−2105からの溶液を相互に、または他の溶液(例えば、希釈用の水)と混合し得る。溶液は、次いで、随意のプライミングポンプ2126に接続し得る、プライミングバルブ(または逃し弁2124)に向かって方向付けてもよい。プライミングポンプ2126は、対応する容器2102−2105から溶液を吸い込むために使用し得る。プライミングバルブ2124(場合によりEOスイッチを含む)は、次いで、システム50等の検出器システムの中に、またはフローセル2110の中に、溶液を導いてもよい。代替的に、溶液は、フローセル2110に取り付けられるマニホールド(図示せず)に方向付けられる。フローセル2110は、場合により、前述したようなEOポンプを含有する。流体流れシステム2100はまた、対応するチャネルを通して溶液を吸い込み、随意に溶液を廃棄物リザーバの中に方向付けてもよい、チャネルポンプ2130を含んでもよい。
前述のように、流体流れシステム2100の多数のスイッチ、弁、およびポンプは、自動化された、または操作者によって制御される、コントローラまたは計算システムによって制御し得る。
さらに、フローセルの中のチャネルおよびマニホールド筐体の位置、サイズ、経路、および断面形状は全て、検出器システム50とともに使用するための所望の流速および/または設計に対して構成し得る。例えば、図16のポンプ空洞830は、相互に共平面関係を有し得る。
図31は、別の実施形態に従って形成されるEOポンプ1810の側断面図を示す。EOポンプ1810は、EOポンプ10、110、および410、または本明細書で説明される他のEOポンプと類似した構成要素および特徴を有し得る。図31に示されるように、EOポンプ1810は、内側ポンプ空洞1828を少なくとも部分的に画定する、筐体1812を含む。EOポンプ1810はまた、ポンプ空洞1828を内側リザーバ1836および外側リザーバ1830に分離する、多孔質コア媒体1814を含む。EOポンプ1810は、内側リザーバ1836の中に位置する複数の内側電極1816と、外側リザーバ1830の中に位置する複数の外側電極1817とを含むことができる。図示される実施形態は、複数の内側電極1816および複数の外側電極1817を示しているが、他の実施形態では、EOポンプ1810は、1つだけの内側電極1816と複数の外側電極1817とを有してもよく、または代替的に、1つだけの外側電極1817と複数の内側電極1816とを有し得る。内側電極1816および外側電極1817は、所定または所望の手法で内側電極1816および外側電極1817に荷電するように構成される、電源1807(図32)に連結し得る。
同じく示されるように、筐体1812は、下部板1820および下部板1820上に静置する側壁1822によって構築し得る。下部板1820および側壁1822は、内側ポンプ空洞1828を少なくとも部分的に画定する。多孔質コア媒体1814は、ポンプ空洞1828内に位置付けられ、重力に対して長手方向軸1842に沿って直立構成で配向される。多孔質コア媒体1814は、相互に同心円状であってもよい、内面1832と、外面1834とを有する。多孔質コア媒体1814の内面1832は、長手方向軸1842に沿って相互から離間される対向端部1838および1840で開口し得る、内側リザーバ1836を包囲する。
筐体1812は、少なくとも1つの流体入口1846と、少なくとも1つの流体出口1848とを有する。筐体1812は、内側リザーバ1836、多孔質コア媒体1814、および外側リザーバ1830に架かる上部領域全体にわたって延在するガス出口1850を形成する、開口頂部を含む。開口頂部ガス出口1850は、ガス透過性で液体非透過性の膜1856(例えば、改良型PTFEまたは他の材料)を受容し得る。示されていないが、膜1856は、EOポンプ1910の、内側リザーバとカバーまたは上部板との間に位置付けてもよい。膜1856はまた、周囲空気に露出し得る。
示されていないが、いくつかの実施形態において、EOポンプ1810は、随意に1つ以上の運動源を備えてもよい。例えば、運動源は、前述の運動源58、60、および158に類似していてもよい。また、随意に、EOポンプ1810は、前述のフィルタ膜層115に類似したフィルタ膜層を含んでもよい。フィルタ膜層は、電極1816および1817と多孔質コア媒体1814との間の電荷の伝導を促進し得る。フィルタ膜層は、ガス気泡のガス出口1850に向かった移入を助長するように、親水性材料を含んでもよい。
図32は、EOポンプ1810の上面図である。示されるように、EOポンプ1810の内側電極1816A−1816Dおよび外側電極1817A−1817Dは、内側リザーバ1836および外側リザーバ1830内の異なる位置に位置し得る。図示の実施形態では、内側電極1816がアノードを構成し、一方で、外側電極1817がカソードを構成し得る。しかしながら、他の実施形態では、外側電極1817がアノードを構成し、内側電極16がカソードを構成し得る。他の実施形態の説明と同様に、内側電極1816および外側電極1817は、アノードとカソードとの間に維持される電圧電位に基づいて、流体の流速を誘発し得る。内側電極1816および外側電極1817、ならびに多孔質コア媒体1814は、内側リザーバ1836および外側リザーバ1830との間に、多孔質コア媒体1814を通る流体の流れを誘発するように協働し得る。動作中に、EOポンプ1810は、ポンプ空洞1828内にガス気泡を発生させ得る。
さらに、内側電極1816および外側電極1817は、ポンプ空洞1828内にガス堆積を分配するように、および/またはポンプ空洞1828内の流体の流れを選択的に制御するように、相互に対して位置付けてもよい。電極1816および1817が荷電されるとき、ガスは、ポンプ空洞1828の特定の領域(例えば、電極表面)の中に集まり得る。このように、電極1816および1817は、ガスが所定または所望の領域内に移入して集まるように位置付けてもよい。代替として、または加えて、内側電極1816および外側電極1817は、流体の流れを制御するように位置付けてもよい。制御された流体の流れは、EOポンプ1810内の表面からのガス気泡の脱離を促進し得る。例えば、流体がポンプ空洞1828内を第1の方向に流れるとき、ガス気泡は、概して、ポンプ空洞1828内の特定の領域の中、または特定の表面に集まり得る。より具体的には、ガス気泡は、内側電極1816および外側電極1817の表面に、または、多孔質コア媒体1814の表面に付着し得る。流体の流れを第1の方向から異なる第2の方向に変化させることで、表面からのガス気泡の脱離を促進し得る。ガス気泡は、次いで、重力の方向に基づいて、ポンプ空洞1828の所定の領域に移入し得る。
図32は、ポンプ空洞1828内のガス堆積および/または流体の流れを制御するための、内側電極1816および外側電極1817の配設の一実施例を示す。示されるように、内側電極1816は、EOポンプ1810の幾何学的中心Cを通って延在する長手方向軸1842の周囲に空間的に分配される。内側電極1816は、各内側電極1816が内部正方形の1つのコーナ部を表す、正方形状の配設で位置付けてもよい。より具体的には、各内側電極1816は、2つの他の内側電極1816から等距離で、第3の内側電極1816に対角線的に向かい合って位置付けてもよい。同様に、外側電極1817は、各外側電極1817が外部正方形の1つのコーナ部を表す、正方形状の配設で位置付けてもよい。より具体的には、各外側電極1817は、2つの他の外側電極1817から等距離で、第3の外側電極1817に対角線的に向かい合って位置付けてもよい。内側電極1816および外側電極1817の正方形状の配設は、中心Cの周囲で相互に同心円状であってもよい。さらに、内側電極1816および外側電極1817の正方形状の配設は、対角線的に離間した外側電極1817が、2つの対角線的に離間した内側電極1816と交差する面上にあるように、中心Cの周囲を回転させてもよい。
同じく図32に示されるように、EOポンプ1810は、配列決定回路1825を通して電源1807に電気的に連結し得る。配列決定回路1825は、所定の配列に従って内側電極1816および外側電極1817を選択的に荷電するように構成し得る。例えば、内側電極1816A−1816Dおよび外側電極1817A−1817Dは、相互に協調して選択的に荷電し得る。内側電極1816および外側電極1817は、EOポンプ1810内のガスの堆積を制御するように、選択的に荷電し得る。電極が荷電されるとき、ガスは、電極の表面に形成し得る。続いて電極が荷電されないとき、表面のガスは、脱離してポンプ空洞の中の所定の領域に移入し得る。このように、内側電極1816および外側電極1817は、ガスをポンプ空洞1828内により均一に分配して、流体の流れの安定化および/またはEOポンプ1810の保守を容易にする。代替として、または加えて、内側電極1816および外側電極1817は、所望に応じて流体の流れを方向付けるように荷電し得る。
表1−3は、内側電極1816A−1816Dおよび外側電極1817A−1817Dによって実行し得る、異なる電荷配列を示す。表1−3に列記される期間Tは、ほぼ等しい、または異なる場合がある。例えば、T0−1は、T1−2または他の期間Tよりも大きく、小さく、またはほぼ等しくなり得る。記号(−)は、負電荷を表し、記号(+)は、正電荷を表し、記号0はいかなる電荷もないことを表す。電荷配列の1つのサイクルが完了した後、電荷配列は、再び連続ループで開始し得る。いくつかの実施形態において、各荷電電極は、電荷量をガス核形成の閾値をわずかに下回るように移入し得る。
表1−3は、図31および32に示されるような内側電極1816A−1816Dおよび外側電極1817A−1817Dの構成に対する、異なる配列を示す。しかしながら、図31および32は、単に、内側電極1816および外側電極1817の1つの例示的な空間的配設を示し、数多くの他の空間的配設を、所望の結果を生成するために使用し得る。例えば、内側電極1816は、三角形状の配設を形成してもよく、外側電極は、六角形状の配設を形成し得る。配設は、いくつかの様式で、相互に同心円状であっても、またはオフセットされてもよい。加えて、内側電極1816および外側電極1817は、等しく離間または分配する必要はないが、複数の電極を相互に群化させ、一方で、他の電極を遠隔に位置させてもよい。さらに、内側電極1816および外側電極1817は、長手方向軸1842に沿って延在する、ピン型電極である必要はない。例えば、内側電極1816および外側電極1817は、前述の電極216および217等の螺旋様式で湾曲していてもよい。内側電極1816および外側電極1817はまた、平面または湾曲した本体を有し得る。
加えて、外側電極に対して等しくない数の内側電極があってもよい。例えば、1つだけの内側電極と、複数の外側電極があってもよい。そのような一実施形態において、外側電極は、所定の電荷配列を通して循環し得る。別の実施例として、1つの外側電極(カソード)を、一対の内側電極(アノード)と関連付けてもよい。内側電極の対は、交替様式で選択的に荷電してもよく、外側電極は、全体を荷電したままでもよい。内部および外側電極の空間的配設に加えて、内側リザーバ1830および外側リザーバ1836、ならびに多孔質コア媒体1814は、異なるサイズおよび形状を有し得る。さらに、種々の他の電荷配列を、例示的実施形態で、または代替の実施形態で使用し得る。
図33は、核酸またはタンパク質等の種またはポリマーを断片化または剪断するための別の実施形態に従って形成される、装置1850を示す。装置1850は、他の場所で説明されるEOポンプと類似した特徴を有し得る。同様に、装置1850はまた、流体の流れを誘発するように構成されるEOポンプであってもよい。生物学的または化学的分析における異なる方法およびシステムは、DNAまたはssDNA断片等の断片を所望し得る。例えば、種々の配列決定プラットフォームは、続いて配列決定される一本鎖核酸テンプレートに分類されるDNA断片を含む、DNAライブラリを使用する。この目的を達成するために、装置1850は、本明細書で説明される種々のEOポンプと同じような手法で動作してもよく、類似した特徴を含んでもよい。装置は、核酸または他の種を含む、試料流体を受容し得る。核酸および他の生体分子は、正または負に荷電し得る。いくつかの場合において、生体分子は、1つの場所では負に荷電し、別の場所では正に荷電し得る。核酸等のポリマーの剪断または断片化に関して例示しているが、化学化合物、細胞、細胞器官、粒子、および分子複合体等の他の種を断片化または剪断するために、類似した装置および方法を使用することができる。
示されるように、装置1850は、試料リザーバ1868を少なくとも部分的に画定する、筐体1852を含む。装置1850は、試料リザーバ1868内に位置付けられ、かつ試料リザーバ1868内に複数のチャンバ1871−1875を画定し得る、複数の剪断壁1861−1865を含んでもよい。より具体的には、剪断壁1861−1865は、複数の内部剪断壁1861−1864を包囲する、外部剪断壁1865を含む。随意に、外部剪断壁1865は、筐体1852から離間され、かつその間に外部チャンバ1875を画定し得る。剪断壁1861−1864は、チャンバ1871−1874を少なくとも部分的に画定し得る。示されるように、第1のチャンバ1871および第2のチャンバ1872を、剪断壁1861によって分離してもよく、第2のチャンバ1872および第3のチャンバ1873を、剪断壁1862によって分離してもよく、第3のチャンバ1873および第4のチャンバ1874を、剪断壁1863によって分離してもよく、また、第4のチャンバ1874および第1のチャンバ1871を、剪断壁1864によって分離し得る。本明細書で使用する場合、剪断壁によって分離されるあらゆる2つのチャンバは、隣接チャンバと称され得る。
示されていないが、装置1850は、頂板および底板、またはカバー含んでもよく、また、前述したもの等の、ガス透過性ガスで液体非透過性の膜を含んでもよい。剪断壁1861−1865はまた、一体構造体に、または本体フィルタ1866の中に相互に結合し得る。本体フィルタ1866は、前述の多孔質コア媒体等の、多孔質材料から形成し得る。多孔質材料はまた、繊維メッシュ、フィルタ、またはスクリーンを備えてもよい。多孔質材料は、そこを通って種が流れるのを可能にするようにサイズ決定される、細孔を有し得る。例えば、多孔質材料は、そこを通って核酸が流れるのを可能にするようにサイズ決定される、細孔を有し得る。特定の実施形態において、細孔は、予め選択されたサイズカットオフより小さい核酸の通過を可能にするように、または核酸を所望のサイズに剪断するようにサイズ決定することができる。本体フィルタ1866は、フリットであり得、より具体的には、チャンバを形成する、内側十字形状壁を有している円筒フリットであり得る。代替的に、剪断壁1861−1865は、異なる材料を含んでもよい。他の実施形態において、剪断壁1861−1865の多孔質コア媒体は、異なる特性(例えば、異なる多孔性)を有する共通の材料を含む。さらに、いくつかの実施形態において、剪断壁1861−1865は、隣接チャンバ間で測定される。壁厚THを有し得る。
さらに、装置1850は、それぞれ、チャンバ1871−1874内に位置する、複数の電極1881−1884を含んでもよい。本明細書で説明される実施形態は、荷電種に力を及ぼす電場を発生させるように、電極を利用し得る。例えば、DNA鎖は、典型的に、負に荷電する。代替として、または加えて、本明細書で説明される実施形態は、種を所望の方向に移動させるように流体の流れを誘発し得る。故に、電極1881−1884は、結果として生じる運動が、荷電種に及ぼされる力によって、および/または試料流体の流れによって引き起こされたかどうかに関わらず、1つ以上の剪断壁1861−1864を通して、核酸または他の生体分子もしくはポリマー等の種を移動させる、電場を発生させるように構成されてもよい。種が剪断壁の細孔を通過するにつれて、種は、より小さい片に断片化(または剪断)され得る。
同じく示されるように、装置1850は、異なる電場を発生させて種を異なる方向に移動させるように、電極1881−1884のうちの1つ以上に選択的に荷電する、電源1890を含んでもよい。例えば、核酸は、核酸をほぼ所望のサイズに断片化するように、所定の配列に従って、剪断壁1861−1864を通って移動させるように構成し得る。代替的に、または加えて、多孔質材料の細孔サイズは、特定の最大サイズまたは特定のサイズ範囲の断片を生成するように選択することができる。例えば、核酸は、最大でも約100ヌクレオチド、500ヌクレオチド、1000ヌクレオチド、2000ヌクレオチド、5000ヌクレオチドまたは10,000ヌクレオチドのサイズに断片化し得る。核酸断片の例示的なサイズ範囲は、約100から約1000ヌクレオチド、約100から約10,000ヌクレオチド、約1000から約10,000ヌクレオチド、約500から約1000ヌクレオチド、約500から約10,000ヌクレオチド、または使用される剪断条件に起因する様々な範囲のうちのいずれかである。
剪断壁用の多孔質材料内の細孔のサイズおよび密度は、その意図する目的のために構成し得る。例えば、平均細孔サイズは、約0.1μm、0.5μm、1μm、2μm、10μm、100μm、または1000μmであってもよい。細孔サイズは、約0.1μm未満、または約0.5μm未満であってもよい。細孔サイズはまた、約0.5μmから約20μm、または、約0.5μmから約10μmであってもよい。より大きい細孔サイズを使用し得る。例えば、細孔サイズは、約10μmから約100μm、または他の実施形態では、約100μmから約1000μm以上であってもよい。さらに、細孔は、細孔を通る流体の流れおよび種の剪断のうちの少なくとも1つを促進するように構成される特性を伴う、表面被覆を有し得る。例えば、細孔の表面被覆は、疎水性であっても、親水性であってもよい。
剪断壁の壁厚THは、流体の流れ方向に沿って測定され得る。壁厚THはまた、その意図する目的のために構成され得る。例えば、壁厚THは、約2μm未満または約10μm未満であってもよい。壁厚THはまた、約25μm未満または約50μm未満であってもよい。より大きい壁厚THを使用し得る。例えば、壁厚THは、約125μm未満、約250μm未満、または約500μm未満であってもよい。壁厚THはまた、約1000μm未満または約10mm未満であってもよい。
表4は、電極を動作させるための1つの所定の配列を示す。しかしながら、試料リザーバ1868を通る流路に沿って種を導くように、種々の所定の配列を構成し得る。剪断壁1861−1865は、種がそこを通って移動するように、流路内に位置付けてもよい。流路は、断片化プロセスに沿って種を移動させる経路である。流路に沿った移動は、試料流体の流れおよび/または種を荷電した場合に種に及ぼされる力によって引き起こし得る。いくつかの実施形態において、試料流体の流れおよび種に及ぼされる力は、共通の方向である。しかしながら、他の実施形態では、試料流体の流れおよび種に及ぼされる力は、反対の(すなわち、相互に打ち消す)方向であってもよい。
表4および図33を参照すると、第1段階において、バイアス電位または電場が荷電種に力を及ぼすように、電極1881および1882は、それぞれ、正および負に荷電され得る。代替的に、または加えて、種の移動は、電気浸透効果による試料流体の流れによって引き起こし得る。他の電極1883および1884は、いかなる電荷も有し得ない。電場は、種を第1のチャンバ1871から第2のチャンバ1872に移動させるように、所定の期間T1にわたって保持し得る。種が剪断壁1861を通過するにつれて、種は、より小さいサイズ(例えば、長さ)に断片化または剪断され得る。
第2段階中に、電極1882および1883は、それぞれ、正および負に荷電され得、他の電極1881および1884は、いかなる電荷も有し得ない。発生する電場は、種を第2のチャンバ1872から第3のチャンバ1873に移動させる。断片が剪断壁1862を通過するにつれて、断片は、より小さいサイズにさらに断片化または剪断され得る。図示の実施形態において、剪断壁1861および1862は、共通の多孔性を有する。しかしながら、代替の実施形態では、剪断壁1861は、剪断壁1862の細孔よりも大きいサイズを有する細孔を有し得る。
第3段階中に、電極1883および1884は、それぞれ、正および負に荷電され得、他の電極1881および1882は、いかなる電荷も有し得ない。発生する電場は、種を第3のチャンバ1873から第4のチャンバ1874に移動させる。種の断片が剪断壁1863を通過するにつれて、断片は、より小さいサイズにさらに断片化または剪断される。図示の実施形態において、剪断壁1862および1863は、共通の多孔性を有する。しかしながら、代替の実施形態では、剪断壁1862は、剪断壁1863の細孔よりも大きいサイズを有する細孔を有し得る。
断片化プロセスの中のいくつかの時点で、一対の電極の電荷を切り替えてもよく、それによって、種の流れが逆転するように、電場を逆転させる。図示の実施形態に示されるように、断片は、第1から第3段階まで時計回り方向に移動する。第4段階から第6段階中に、断片が第4のチャンバから、第3のチャンバ、第2のチャンバ、および第1のチャンバに移動するように、断片を、反対方向(すなわち、反時計回り)に方向付けてもよい。断片化プロセス中に流れの方向を変えることで、電極1881−1884に対する断片の吸着の低減を促進し得る。しかしながら、代替の実施形態では、断片は、時計回りの様式でチャンバからチャンバへの移動を継続し得る。
他の実施形態において、チャンバ1875はまた、その中に1つ以上の電極1885を有し得る。そのような実施形態において、試料流体は、概して、試料リザーバ1868の中に、または特にチャンバ1875の中に導入されてもよい。前述した荷電配列を実行する前に、それに応じて電極1881−1885を荷電することによって、種をチャンバ1871−1874内に移動させてもよい。より具体的には、電極1881−1884を負に荷電し、電極1885を正に荷電し得る。種が概ねチャンバ1871−1874内に位置した後、前述のように種を移動させるために、荷電配列を実行し得る。
所望の断片サイズは、壁厚TH、剪断壁の多孔性、細孔のサイズ、剪断壁を通る種の流速(関連する電極間のバイアス電位によって決定され得る)、断片化される材料の濃度、流体粘度、およびこれらの係数のうちの2つ以上の組み合わせが上げられるが、これらに限定されない、種々の係数を構成することによって得られ得る。
示されていないが、装置1850は、前述の種々の実施形態のように、流体ネットワークの一部分であってもよく、またはフローセル内に位置し得る。装置1850はまた、マイクロプレート等のデバイスで使用し得る。
図34は、本明細書で説明される種々の実施形態によって使用されてもよい、流れシステム(またはサブシステム)1900を示す。示されるように、流れシステム1900は、流体送達ポートまたは入口1902と、流体チャネル1905を通して流体送達ポート1902と流体連通している、電気浸透流(EO)デバイス1904とを含む。EOデバイス1904は、前述したもの等の、様々な種類のEOポンプであってもよく、または、装置1850等の、種断片化装置であってもよい。
図示の実施形態において、EOデバイス1904は、入口ポート1912と、出口ポート1914とを含んでもよい。示されていないが、EOデバイス1904は、多孔質コア媒体によって分離される、別個のリザーバを含んでもよい。入口ポート1912が内側リザーバに、および出口ポート1914が外側リザーバに流体を送達してもよく、または代替的に、入口ポート1912が外側リザーバに、および出口ポート1914が内側リザーバに流体を送達し得る。
流体送達ポート1902は、流体リザーバ1916と流体連通し、かつ流体リザーバ1916からの流体F2を、流体チャネル1905を通って流れている流体F1の中に導入するように構成される。図示の実施形態において、流体送達ポート1902およびEOデバイス1904は、流体チャネル1905に進入する流体F2が、EOデバイス1904の中に直接的に流れるように、相互に直接的に流体連通している。
流体送達ポート1902は、EOデバイス1904の中の流体の所望の流体環境の維持を促進し得る。EOデバイスの動作中に、内部流体環境は、変化し得、または流体内のガスまたは材料によって影響を受け得る。故に、流体送達ポート1902は、その中の流体の電気化学性の維持、および/またはEOデバイス1904内の流速の維持を促進するように、流体F2を導入し得る。流体F2は、電気化学性を維持する、所定の特性または他の特徴を有し得る。故に、流れシステム1900はまた、流体環境調節因子1900と称し得る。
他の実施形態において、流体F2は、EOデバイス内のあらゆる不要な化学薬品または物質を除去するように、流体チャネル1905を通して送達される洗い流しまたは洗浄溶液として排他的に機能し得る。例えば、核酸断片化装置を含む実施形態において、不要なDNA断片は、装置の多孔質コア媒体に付着したままであってもよい。流体F2は、不要なDNA断片を除去するように導入し得る。例えば、流体F2は、所定の荷電配列(すなわち、洗浄配列または洗い流し配列)を使用して、EOデバイスを通して洗い流し得る。故に、流れシステム1900はまた、洗い流しまたは洗浄システム1900と称し得る。
図34には1つの流体リザーバ1916および流体チャネル1905だけしか示されていないが、代替の実施形態では、別個のチャネルがEOデバイス1904と流体連通していてもよい。それぞれの流体は、所望に応じて、EOデバイス1904の内側リザーバのいずれかに導入し得る。
前述の説明は、例示的なものであって、限定的なものではないことを理解されたい。このように、前述の実施形態(および/またはその側面)は、互いに組み合わせて使用し得る。加えて、特定の状況または材料に適合するように、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の教示に多くの変形を行ってもよい。本明細書で説明される種々の構成要素の寸法、材料の種類、種々の構成要素の配向、ならびに数および位置は、特定の実施形態のパラメータを画定することを意図したものであり、決して限定しようとするものではなく、単なる例示的な実施形態に過ぎない。
当業者であれば、前述の説明を検討すれば、請求項の精神および範囲の範囲内にある多数の他の実施形態および変形が明白になるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、それが権利化されるところの同等物の全範囲を参照して決定されるべきである。特許請求の範囲において、「含む(including)」および「ここで(in which)」という語は、それぞれ、「備える(comprising)」および「そこで(wherein)」という語の平易な英語の同等物として使用される。「備える(comprising)」という語は、本明細書でオープンエンドであることを意図しており、列挙された要素だけを含むのではなく、さらにあらゆる付加的な要素を包含する。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」等は、単に標識として使用されるものであり、それらの対象物に対して数値的な要件を加えることを意図していない。さらに、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で記載されておらず、このような特許請求の範囲の限定が、明示的に、フレーズ「のための手段(means for)」を使用し、その後に、さらなる構造を含まない機能が記述されていない限り、またはそのような記述があるまでは、合衆国法典第35巻第112条、第6段落に基づいて解釈されることを意図していない。