JP5535159B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は遊技機に関し、特に保留数の表示に係る制御に関する技術である。
近年主流のパチンコ遊技機においては、遊技球が始動口に入賞したことを条件に判定値(大当り判定値)が取得され、この判定値に基づいて大入賞口が複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技を発生させるか否か判定され、この大当り判定の結果を示す図柄が図柄表示器に変動表示後に停止表示される。図柄表示器に図柄を変動表示中に遊技球が始動口に入賞した場合に、取得された判定値は保留記憶部に記憶され、この保留記憶部に記憶されている判定値の数が保留数になる。この保留数が1以上の場合、図柄表示器に図柄が停止表示された後、保留記憶部に記憶されている判定値のうち消化優先順位が最も高い判定値が、大当り判定に供され保留記憶部から消去(つまり、消化)される。
一方、遊技球が始動口に入賞したことを条件に、図柄表示器に図柄を変動表示中に画像表示器に遊技演出が表示される。この遊技演出は大当り判定を演出するものであり、その大当り判定の結果等に基づいて、複数種類の遊技演出パターンの中の何れか1つが択一的に選択され、その遊技演出パターンに応じた遊技演出が表示される。この遊技演出では、その演出の一部として、大当り判定の結果を示す演出図柄が変動表示後に停止表示される。尚、保留記憶部に記憶されている判定値は遊技演出を表示させる権利でもあり、その判定値の数(つまり、保留数)は遊技演出を表示させる権利の数でもある。この種のパチンコ遊技機では、一般に、画像表示器に保留数が相当数の保留アイコンにより表示される。
ところで、少なくとも画像表示器の画面前側領域を移動可能な役物部材を設け、この役物部材を作動させて大当り期待度が高い遊技演出を行うパチンコ遊技機が広く実用に供されている。しかし、画像表示器に表示された保留アイコンが役物部材によって隠されると、遊技者が保留数を誤認する虞がある。但し、この問題は、画像表示器に役物部材が作動することがない基本遊技演出を表示中には保留アイコンを表示させるが、その後の役物部材が作動し得る特別遊技演出(発展遊技演出)を表示中には保留アイコンの表示を消去することで解消される。尚、画像表示器に保留数をそもそも表示させないものもある。
ここで、特許文献1の保留表示制御技術では、図柄の変動停止時には、画像表示器に通常の保留アイコン(例えば、●)が表示され、図柄の変動時には、特別な保留アイコンが表示される。この特別な保留アイコンとして、図柄変動後に確定する図柄列の少なくとも一部(例えば、保留数が1の場合「7」)が大当り期待度と共に予告表示される。この特別な保留アイコンが表示されているとき、つまり図柄の変動時に、保留数が増加したときには、特別な保留アイコンが全体的に変更(例えば、保留数が1から3に増加した場合に「7」から「77?」に変更)され表示される。
特許文献2の保留表示制御技術では、保留アイコンを使用した先読み演出が行われる。保留記憶部に記憶されている判定値が消化されるまでに、特定の判定値か否か事前に判定する事前判定が行われ、その事前判定の結果に基づいて、画像表示器に表示される各保留アイコンに係る大当り期待度が、その保留アイコンの表示色により報知される。
特開2007−82858号公報 特開2004−329538号公報
前記のように、画像表示器に役物部材が作動することがない基本遊技演出を表示中には保留アイコンを表示させるが、その後の役物部材が作動し得る特別遊技演出を表示中には保留アイコンの表示を消去する保留表示制御は、大当り期待度とは全く無関係に必ず行われる。一方、従来の保留アイコンを使用した先読み演出では、特許文献2の技術のように、画像表示器に表示される各保留アイコンに係る大当り期待度が、その保留アイコンの表示形態(表示色)により報知される。しかし、この保留アイコンの表示形態の変更は、基本的に保留アイコンの表示開始時に行われ、基本遊技演出から特別遊技演出に切換わる(発展する)こと、つまり特別遊技演出を実行させることを契機に行われるものではない。
また、特許文献1に記載の技術では、図柄が変動停止状態から変動状態に切換えられることで、保留アイコンが通常の保留アイコンから特別な保留アイコンに変更表示され、また、図柄の変動時に保留数が増加した場合にも、特別な保留アイコンが全体的に変更され表示されるが、前記同様、これらの保留アイコンの表示形態の変更は、特別遊技演出を実行させることを契機に行われるものではない。このように、保留アイコンの表示形態を変化させる演出は斬新さに欠ける。
本発明の目的は、特別遊技演出を表示させる場合に、保留数の表示態様を変更するか否かを判定して、その保留数表示態様の変更有無によって斬新な遊技演出を実現する遊技機を提供することである。
第1の発明(遊技機)は、遊技球が流下可能な遊技領域(4a)に設けられた始動領域(10,11a)と、前記始動領域(10,11a)を遊技球が通過したことを条件に判定情報を取得する取得手段(40)と、前記取得手段(40)により取得された前記判定情報に基づいて遊技者に有利な特別遊技を発生させるか否か判定する判定手段(41)と、前記判定手段(41)による判定結果を示す図柄を画像表示手段(16)に変動表示後に停止表示させる演出表示制御手段(50)と、前記画像表示手段(16)に図柄を変動表示中に前記始動領域(10,11a)を遊技球が通過した場合に、前記取得手段(40)が取得した判定情報を記憶する保留記憶手段(42)と、前記保留記憶手段(42)に記憶されている前記判定情報の数に対応する記憶数だけの保留画像を所定の表示態様で前記画像表示手段(16)に表示させて記憶数を報知する保留数報知表示制御手段(55)とを備え、前記演出表示制御手段(50)は、前記取得手段(40)により取得された判定情報に基づいて、前記特別遊技を発生させると判定されたことを示唆する特別遊技演出を、前記画像表示手段(16)に表示可能に構成され、前記保留数報知表示制御手段(55)は、前記演出表示制御手段(50)によって前記特別遊技演出が表示される際に、前記画像表示手段(16)に前記所定の表示態様で表示されている前記保留画像の表示態様を変更するか否かを判定する表示態様変更判定手段(56)と、前記表示態様変更判定手段(56)により前記保留画像の表示態様を変更すると判定されると、当該保留画像の表示態様を前記所定の表示態様とは異なる特殊表示態様に変更して表示させて前記記憶数を報知する保留数報知変更表示制御手段(57)とを有し、前記表示態様変更判定手段(56)は、前記特別遊技を発生させると判定された期待度に応じた確率で前記保留画像の表示態様を変更すると判定することを特徴とする。
本発明(遊技機)によれば、特別遊技演出を表示させる場合に、保留数の表示態様を変更するか否かを判定して、その保留数表示態様の変更有無によって斬新な遊技演出を実現することができる。
実施例1のパチンコ遊技機の斜視図である。 役物部材が退避位置にあるときの遊技盤の正面図である。 役物部材が進出位置にあるときの遊技盤の正面図である。 パチンコ遊技機の制御系のブロック図である。 可動役物装置の正面図である。 可動役物装置の後面図である。 パチンコ遊技機の機能ブロック図である。 大当り判定テーブルを含む図表である。 複数種類の遊技演出パターンを示す図表である。 複数種類の遊技演出パターンの選択率を示す図表である。 特図保留数の表示態様を変更するか否かの判定割合を示す図表である。 役物部材を進出させるか否かの判定割合を示す図表である。 遊技制御基板におけるタイマ割合処理のフローチャートである。 始動口SW処理のフローチャートである。 特別図柄処理のフローチャートである。 大当り判定処理のフローチャートである。 演出制御基板におけるタイマ割合処理のフローチャートである。 コマンド受信処理のフローチャートである。 演出選択処理のフローチャートである。 画像制御基板におけるタイマ割合処理のフローチャートである。 演出表示制御のフローチャートである。 ランプ制御基板におけるタイマ割合処理のフローチャートである。 役物制御のフローチャートである。 保留数の表示有無の説明図である。 保留数の表示有無によっての役物部材の作動有無の説明図である。 実施例2の役物部材が進出位置にあるときの遊技盤の正面図である。 実施例2の保留数の表示位置の変更有無の説明図である。 実施例2の保留数の表示位置の変更有無によっての役物部材の作動有無の説明図である。
以下、発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
図2〜図4に示すように、遊技盤4の遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10(第1始動領域10)、開閉式の第2始動口11a(第2始動領域11a)を有する始動口装置11、ゲート12、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13、複数の一般入賞口14が設けられている。第1始動口10、ゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、ゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有する。大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有する。
遊技球が入賞口10,11a,13a,14に入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数の遊技球が貯留皿5に払出される。遊技球が始動口10,11aに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の大入賞口13aが複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の第2始動口11aが1又は複数回開閉する補助遊技が発生する。
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示器16(画像表示手段16)及び可動役物装置17が装備されている。センタ役物15は遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着されたセンタ枠体15aを有し、このセンタ枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成され、そのステージ15bの下側に第1始動口10が位置している。
画像表示器16はその画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠体15aの内側を通して視認できるように配置されている。画像表示器16には、大当り抽選を演出する遊技演出が表示され、その遊技演出では、複数の演出図柄が変動後停止するように表示され、また、複数の演出図柄以外の大当り抽選演出用の動画が表示される。また、大当り遊技中には大当り遊技演出用の動画が表示される。
可動役物装置17は、大当り抽選に関する報知(例えば、大当り抽選での当選、或いは当選期待度が高い旨の報知等)を行うために作動して、左右1対の役物部材21,22が画像表示器4の画面前側領域を遊技盤4の盤面と平行な左右方向へ移動する。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
ここで、図2に示すように、少なくとも可動役物装置17が作動していないことを条件に、第1特図保留数が1以上の場合、第1特図保留ランプ19dでの表示とは別に、画像表示器16の画面左下部に、第1特図保留数が相当数の第1特図保留アイコン16a(例えば、丸形のアンコン)により表示され、第2特図保留数が1以上の場合、第2特図保留ランプ19eでの表示とは別に、画像表示器16の画面右下部に、第2特図保留数が相当数の第2特図保留アイコン16b(例えば、星形のアイコン)により表示される。
可動役物装置17について説明する。
図5、図6に示すように、可動役物装置17は、センタ役物15の後面部に取付けられたベース枠20と、図5、図6に実線で示す退避位置と図3に実線で示し図5、図6に仮想線で示す進出位置とに亙って少なくとも画像表示器16の画面前側領域を移動可能に設けられた左右1対の役物部材21,22(可動部材21,22)と、1対の役物部材21,22を左右方向(接近・離隔方向)へ夫々移動自在にガイドするガイド機構23と、1対の役物部材21,22を左右方向へ対称に移動させる電動モータ25(ステッピングモータ25)を有する役物駆動機構24(役物駆動手段24)とを備えている。
1対の役物部材21,22は、夫々、画像表示器16の画面上下長と略同じ上下長と、画像表示器16の画面左右長の約1/4の左右長とを有する。1対の役物部材21,22は、画像表示器16の画面前側領域からその左右両端側に退いてセンタ役物15の後側に隠れて退避位置になり、画像表示器16の画面前側領域に現れてそれらの対向端縁同士が当接して進出位置(合体位置)になり、そこで、所定の物体(例えば、人物の顔)を形成する。尚、1対の役物部材21,22は、夫々その前面部を電飾可能に構成されている。
役物ガイド機構23は、左右方向に延びる上部ガイドロッド23a及び下部ガイド板23bを有する。上部ガイドロッド23aはその左右両端部がベース枠20の上部に固定され、この上部ガイドロッド23aに、1対の役物部材21,22の上部連結部21a,22aが夫々左右方向へ移動自在にガイド支持されている。下部ガイド板23bはベース枠20の下部に固定され、この下部ガイド板23bに、1対の役物部材21,22の下部連結部21b,22bが夫々左右方向へ摺動自在に当接してガイドされている。
役物駆動機構24は、電動モータ25と、電動モータ25により駆動されるギヤ列26と、ギヤ列26に連動連結され且つ1対の役物部材21,22に夫々固定的に設けられた1対のラック27,28とを有する。ギヤ列26の下流部分は1対のピニオン26a,26bに分岐し、この1対のピニオン26a,26bが夫々1対のラック27,28に噛合している。電動モータ25が駆動されると、ギヤ列26により、1対のピニオン26a,26bが逆方向に同期回転し、これにより、1対のラック27,28を夫々介して1対の役物部材21,22が左右方向へ対称に移動駆動される。
ベース枠20には、1対の役物部材21,22が退避位置(原点位置,初期位置)にあるか否か検出する位置検出センサSW29が取付けられている。この位置検出センサ29は、右側の役物部材22の移動領域の右端側に配置された光学センサ(フォトインタラプタ)からなり、一方、右側の役物部材22の上部連結部22aに遮蔽板部22c設けられ、1対の役物部材21,22が退避位置のとき、位置検出センサSW29は、その発光部と受光部との間が遮蔽板部22cにより遮られることにより、1対の役物部材21,22が退避位置にあることを検出する。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図4に示すように、制御装置30は、遊技制御基板31、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35を備え、これら制御基板31〜35に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板33は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板31のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号と、払出制御基板32からの情報とを受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板32と演出制御基板33とに制御情報(遊技情報)を出力する。
払出制御基板32のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報と、払出球検出SW36b、球有り検出SW36c、満タン検出SW36dからの信号とを受けて、払出モータ36aを制御し、遊技制御基板32に制御情報(払出情報)を出力する。演出制御基板33のコンピュータは、遊技制御基板31、画像制御基板34、ランプ制御基板35からの制御情報と、演出ボタンSW6からの信号とを受けて、画像制御基板34、ランプ制御基板35に制御情報を出力する。
画像制御基板34のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示器16とスピーカ37とを制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。ランプ制御基板35のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、主に画像制御基板34のコンピュータによる制御に同期させて、遊技演出用の枠ランプ38aと盤ランプ38bと可動役物装置17とを制御する。
次に、遊技制御基板31、演出制御基板33、画像制御基板34、及びランプ制御基板35のコンピュータによる機能について説明する。
先ず、図7に示すように、遊技制御基板31のコンピュータにより、判定値取得手段40、大当り判定手段41、保留記憶手段42が構成されている。
判定値取得手段40は、第1又は第2始動口10又は11aを遊技球が通過したことを条件に大当り判定値(判定情報)を取得する。遊技制御基板31には、カウンタ値を設定範囲(例えば、図8に示す「0〜65535」)内で微小時間毎に順次更新するカウンタ回路(図示略)が設けられており、第1特図保留数が4未満の場合に、遊技球が第1始動口10に入賞した時にカウンタ回路により更新されたカウンタ値が第1大当り判定値として取得され、第2特図保留数が4未満の場合に、遊技球が第2始動口11aに入賞した時にカウンタ回路により更新されたカウンタ値が第2大当り判定値として取得される。
大当り判定手段41は、判定値取得手段40により取得された大当り判定値に基づいて遊技者に有利な特別遊技である大当り遊技を発生させるか否か判定する。図8に示すように、取得された大当り判定値が予め設定され複数の大当り特定値の何れか否か判定され、大当り特定値である場合に大当り遊技を発生させると判定され、大当り特定値でない場合に大当り遊技を発生させないと判定される。
この大当り判定手段41による判定結果を示す特別図柄が第1又は第2特図表示器19a又は19b(図柄表示手段19a又は19b)に変動表示後に停止表示される。このパチンコ遊技機1では、図8に示すように、取得された大当り判定値が大当り特定値と一致する大当り確率(大当り特定値の割合)について、低確状態(約1/300)とそれよりも高確率の高確状態(約10/300)とに択一的に切換えられる。
保留記憶手段42は、第1又は第2特図表示器19a又は19bに特別図柄を変動表示中(つまり、画像表示器16に演出図柄を変動表示中)に第1又は第2始動口10又は11aを遊技球が通過した場合に、判定値取得手段40が取得した大当り判定値を記憶する。遊技球が第1始動口10に入賞することで取得された第1大当り判定値、遊技球が第2始動口11aに入賞することで取得された第2大当り判定値は、第1又は第2特図表示器19a又は19bに図柄が変動表示中には保留記憶手段42に記憶されるが、第1又は第2特図表示器19a又は19bに図柄が変動表示中でない場合でも、第1又は第2特図保留数が1以上の場合、取得された第1大当り判定値は保留記憶手段42に記憶され、また、第2特図保留数が1以上の場合、取得された第2大当り判定値は保留記憶手段42に記憶される。
保留記憶手段42に1以上の大当り判定値が記憶されている場合、つまり第1又は第2特図保留数が1以上の場合、第1又は第2特図表示器19a又は19bに特別図柄が停止表示された後、保留記憶手段42に記憶されている大当り判定値のうち消化優先順位が最も高い大当り判定値が、大当り判定手段41による大当り判定に供され保留記憶手段42から消去(つまり、消化)される。ここで、保留記憶手段42に最も先に記憶された大当り判定値から消化されるが、第1大当り判定値よりも第2大当り判定値の方が優先して消化される。こうして、保留記憶手段42には、第1特図保留数と相当数の第1大当り判定値が記憶され、第2特図保留数と相当数の第2大当り判定値が記憶される。
次に、図7に示すように、演出制御基板33及び画像制御基板34のコンピュータにより、第1又は第2始動口10又は11aを遊技球が通過したことを条件に、第1又は第2特図表示器19a又は19bに図柄を変動表示中に画像表示器16に遊技演出を表示させる演出表示制御手段50が構成されている。この遊技演出は大当り判定手段41による大当り判定を演出するものであり、この遊技演出では、大当り判定手段41による判定結果を示す演出図柄が変動表示後に停止表示されるとともに、演出図柄以外の遊技演出が表示される。
演出表示制御手段50は遊技演出選択手段51を有し、その遊技演出選択手段51が、画像表示器16に遊技演出を表示させる場合に、当該図柄変動に係る大当り判定値(大当り判定手段41による大当り判定の結果等)に基づいて、図9に示す複数種類の遊技演出パターン(遊技演出パターンa、遊技演出パターンb・・・、遊技演出パターンA、遊技演出パターンB・・・、遊技演出パターンE)の中の何れか1つを択一的に選択し、その遊技演出パターンに応じた遊技演出が画像表示器16に表示される。具体的に、遊技演出選択手段51は演出制御基板33のコンピュータにより構成されている。
図9に示すように、遊技演出パターンa、遊技演出パターンb・・・は、役物部材21,22が作動することがない基本遊技演出を主体に構成され、遊技演出パターンA、遊技演出パターンB・・・、遊技演出パターンEは、基本遊技演出とその後の役物部材21,22が作動し得る特別遊技演出(発展遊技演出)とを主体に構成されている。つまり、演出表示制御手段50は、判定値取得手段40により取得された大当り判定値に基づいて画像表示器16に特別遊技演出を表示可能に構成され、特別遊技演出を表示させる場合に、遊技演出選択手段51が複数種類の遊技演出パターンA〜Eの中の何れかを選択する。ここで、保留記憶手段42に記憶されている大当り判定値は遊技演出を表示させる権利でもあり、その大当り判定値の数(特図保留数)は遊技演出を表示させる権利の数でもある。
例えば、図10に示すように、複数種類の遊技演出パターンA〜Eは、遊技演出選択手段51により選択される選択率が異なるように設定されている。具体的に、大当り判定手段41による大当り判定の結果、大当り判定値が大当り特定値と一致する場合、遊技演出パターンA→B→C→D→Eの順に選択率が4%→6%→20%→30%→40%と高くなっていき、大当り判定値が大当り特定値と一致しない場合、遊技演出パターンA→B→C→D→Eの順に選択率が40%→30%→20%→6%→4%と低くなっていく。これにより、複数種類の遊技演出パターンA〜Eは、大当り判定手段41により大当り判定値が大当り特定値と一致して大当り遊技を発生させると判定される大当り期待度が異なるように設定され、具体的に、遊技演出パターンA→B→C→D→Eの順に大当り期待度が高くなっていく。
次に、図7に示すように、演出制御基板33及び画像制御基板34のコンピュータにより、保留記憶手段42に記憶されている大当り判定値の数に対応(相当)する、つまり保留記憶手段42に記憶されている遊技演出を表示させる権利の数に対応(相当)する特図保留数を画像表示器16に表示させる保留表示制御手段55(保留数報知表示制御手段)が構成されている。
基本的に、特図保留数が1以上の場合、その特図保留数が画像表示器16に表示され、この場合、前記(図2)のように、第1特図保留数が1以上の場合、画像表示器16の画面左下部に、第1特図保留数が相当数の第1特図保留アイコン16aにより表示され、第2特図保留数が1以上の場合、画像表示器16の画面右下部に、第2特図保留数が相当数の第2特図保留アイコン16bにより表示される。
保留表示制御手段55は、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に特図保留数の表示態様を変更するか否かを判定する表示態様変更判定手段56と、この表示態様変更判定手段56により特図保留数の表示態様を変更すると判定された場合に画像表示器16に表示された特図保留数の表示態様を変更する表示態様変更手段57とを有する。具体的に、表示態様変更判定手段56は演出制御基板33のコンピュータにより構成され、表示態様変更手段57は画像制御基板34のコンピュータにより構成されている。
本実施例では、特図保留数の表示を消去することを、特図保留数の表示態様を変更することとし、つまり、表示態様変更判定手段56は、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に特図保留数の表示を消去するか否かを判定する保留表示消去判定手段56であり、表示態様変更手段57は、この保留表示消去判定手段56により特図保留数の表示を消去すると判定された場合に画像表示器16から特図保留数の表示を消去する保留表示消去手段57である。
表示態様変更判定手段56は、大当り判定手段41による大当り判定の結果、及び、遊技演出選択手段51により選択された演出パターンに基づいて、特図保留数の表示態様を変更するか否かを判定する。例えば、図11に示すように、この表示態様変更判定手段56により特図保留数の表示態様を変更すると判定される確率として、複数種類の遊技演出パターンA〜Eに夫々対応付けて複数の異なる確率が設定されている。
具体的に、特図保留数の表示態様を変更しないと判定する割合(確率)について、大当り判定手段41による大当り判定の結果、大当り判定値が大当り特定値と一致する場合、遊技演出パターンA→B→C→D→Eの順に50%→40%→30%→20%→10%と低くなっていき、大当り判定値が大当り特定値と一致しない場合も、遊技演出パターンA→B→C→D→Eの順に5%→4%→3%→2%→1%と低くなっていく。
次に、図7に示すように、演出制御基板33及びランプ制御基板35のコンピュータにより、1対の役物部材21,22を移動させる役物駆動機構24(電動モータ25)を制御する役物制御手段60が構成されている。
役物制御手段60は、画像表示器16に特別遊技演出を表示中に役物部材21,22を進出位置に移動させるか否かを判定する進出移動判定手段61を有し、この進出移動判定手段61は、表示態様変更手段57が保留数の表示態様を変更する場合には所定の確率で役物部材21,22を進出位置に移動させると判定し、保留数の表示態様を変更しない場合には役物部材21,22を進出位置に移動させないと判定する。具体的に、進出移動判定手段61は演出制御基板33のコンピュータにより構成されている。但し、進出移動判定手段61はランプ制御基板35のコンピュータにより構成されてもよい。
進出移動判定手段61は、大当り判定手段41による大当り判定の結果等に基づいて役物部材21,22を進出位置へ移動させるか否か判定し、例えば、図12に示すように、特別遊技演出を表示中に表示態様変更手段57が特図保留数の表示態様を変更する場合、大当り判定において大当り判定値が大当り特定値と一致した場合には、抽選により比較的高い割合(例えば、40%)で役物部材21,22を進出位置に移動させると判定し、大当り判定値が大当り特定値と一致しない場合には、抽選により比較的低い割合(例えば、3%)で役物部材21,22を進出位置に移動させると判定する。
つまり、特別遊技演出を表示中に特図保留数の表示態様が変更された場合には、役物部材21,22が進出位置へ移動した場合に移動しない場合よりも、大当り判定に係る大当り期待度が高くなる。また、進出移動判定手段61は、例えば、図12に示すように、特別遊技演出を表示中に表示態様変更手段57が特図保留数の表示態様を変更しない場合、大当り判定において大当り判定値が大当り特定値と一致した場合にも一致しない場合にも、100%の割合で役物部材21,22を進出位置に移動させないと判定する。
図7に示す各手段40〜42,50〜51,55〜57,60〜61の機能を達成するために、遊技制御基板31、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35の各コンピュータが実行する主要な処理についてフローチャートに基づいて説明する。
図13に示すように、遊技制御基板31のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、乱数更新処理(S1)、スイッチ処理(S2)、図柄処理(S3)、電動役物処理(S4)、賞球処理(S5)、出力処理(S6)が順次実行される。
図14に示すように、S2の始動口SW処理では、第1始動口SW10aがオンの場合(S11;Yes )、第1特図保留数U1が4未満の場合に(S12;Yes )、第1特図保留数U1がU1+1に加算され(S13)、大当り判定値と図柄判定値が取得・格納され(S14)、第1特図保留数増加コマンドがセットされる(S15)。
次に、第2始動口SW11cがオンの場合(S16;Yes )、第2特図保留数U2が4未満の場合に(S17;Yes )、第2特図保留数U2がU2+1に加算され(S18)、大当り判定値と図柄判定値が取得・格納され(S19)、第2特図保留数増加コマンドがセットされる(S20)。尚、S15、S20でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、図13のS6の出力処理により演出制御基板33(又は払出制御基板32)に送信される。
図15に示すように、S3の特別図柄処理では、当り遊技フラグがON(つまり、大当り遊技中や小当り遊技中)でない場合(S31;No)、特別図柄が変動中でない場合に(S32;No)、第2特図保留数U2が1以上か否か判定され(S33)、S32の判定がYes の場合、つまり、特別図柄が変動中である場合には、S42へ移行する。
S33の判定がYes の場合、第2特図保留数U2がU2−1に減算され(S34)、S33の判定がNoの場合、第1特図保留数U1が1以上か否か判定される(S35)。S35の判定がYes の場合、第1特図保留数U1がU1−1に減算され(S36)、S35の判定がNoの場合、客待ち設定処理(S46)が実行される。S34又はS36の実行後、客待ちフラグがOFFにされ(S37)、大当り判定処理(S38)が実行され、続いて、変動パターン選択処理(S39)が実行される。
図16に示すように、S38の大当り判定処理では、先ず、大当り判定値処理(S51)が実行され、ここで、保留記憶手段42に記憶されている大当り判定値のうち消化優先順位が最も高い、そして図15のS34又はS36で減算された特図保留数に対応する大当り判定値が、図8等を用いて説明したように大当り特定値か否か判定されることで、大当りか否か判定される(S52) 。
S52の判定がYes の場合、図柄判定値処理(S53)が実行され、ここで、保留記憶手段42に記憶されている図柄判定値のうち消化優先順位が最も高い図柄判定値に基づいて、大当り図柄が複数種類の大当り図柄の中から選択設定される(S54)。S52の判定がNoの場合、大当り判定値が小当り特定値か否か判定されることで、小当りか否か判定される(S55)。S55の判定がYes の場合、小当り図柄が設定され(S56)、S55の判定がNoの場合、ハズレ図柄が設定される(S57)。尚、この大当り判定処理に供された大当り判定値、図柄判定値は保留記憶手段42から消去される。
図15に示すように、S38の大当り判定処理の実行後、S39の変動パターン選択処理では、S38(図16のS54又はS56又はS57)で設定された図柄の種類等から、遊技演出用に変動パターン(変動時間)が選択設定される。その後、第1又は第2特別図柄が変動開始され(S40)、S38で設定された特別図柄の種類とS39で設定された変動パターン(変動時間)の情報を含む変動開始コマンドがセットされる(S41)。
次に、S39で設定された変動時間が経過した場合(S42;Yes )、第1又は第2特別図柄が変動停止され(S43)、ここで、S38で設定された図柄が第1又は第2特別図柄表示器19a又は19bに表示される。続いて、変動停止コマンドがセットされ(S44)、停止中処理(S45)が実行される。尚、S45の停止中処理では、遊技状態を移行させる為の処理等が実行される。
図17に示すように、演出制御基板33のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、コマンド受信処理(S61)、演出ボタン処理(S62)、コマンド送信処理(S63)が順次実行される。
図18に示すように、S61のコマンド受信処理では、保留数増加コマンドを受信か否か判定され(S71)、S71の判定がYes の場合、保留数加算処理(S72)が実行され、保留数増加コマンドがセットされる(S73)。演出制御基板33のコンピュータでは、第1,第2特図保留数が管理されており、S71で受信した保留数増加コマンドの種類に応じて、S72では第1又は第2特図保留数が1加算され、S73では第1又は第2特図保留数増加コマンドがセットされる。
次に、変動開始コマンドを受信か否か判定され(S74)、S74の判定がYes の場合、演出選択処理(S75)が実行される。また、変動停止コマンドを受信した場合には(S76;Yes )、遊技演出終了中処理(S77)が実行され、オープニングコマンドを受信した場合には(S78)、当り演出選択処理(S79)が実行され、エンディングコマンドを受信した場合には(S80)、エンディング演出選択処理(S81)が実行される。最後に、客待ちコマンド処理(S82)が実行される。尚、S73でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、図17のS63のコマンド送信処理により画像制御基板34、ランプ制御基板35に送信される。
図19に示すように、S75の演出選択処理では、S74で受信した変動開始コマンド(特別図柄の種類と変動パターン(変動時間)の情報を含む)が解析され(S91)、演出制御基板33のコンピュータにより管理されているモードフラグが参照され(S92)、保留数減算処理(S93)が実行される。S93では当該図柄変動に係る第1又は第2特図保留数が1減算される。
次に、S91で解析された変動開始コマンドに含まれる情報とS92で参照されたモードフラグとに基づいて遊技演出パターン選択処理(S94)が実行される。この遊技演出パターン選択処理において、例えば図9に示す複数種類の遊技演出パターン中の何れか1つが選択される。ここで、遊技演出パターンA〜Eの何れかを選択する場合、各遊技演出パターンA〜Eの選択率は図10のようになる。次に、S94で特別遊技演出(発展遊技演出)を含む遊技演出パターンを選択か否か、つまり、例えば図9に示す遊技演出パターンA〜Eの何れかを選択か否か判定される(S95)。
S95判定Yes の場合、保留数の表示態様変更判定処理(S96)が実行され、そこで、S91で解析された変動開始コマンドに含まれる情報、S94で選択される遊技演出パターン、S92で参照されたモードフラグ等に基づいて、図11を用いて説明したように、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に特図保留数の表示態様を変更するか否かが判定される。S95の判定がNoの場合、或いはS96の実行後、S94で選択された遊技演出パターンの情報を含む遊技演出開始コマンド、更にS95の判定がYes の場合にはS96での判定情報を含む遊技演出開始コマンドがセットされる(S97)。
図20に示すように、画像制御基板34のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、画像表示制御(S101)、スピーカ(音声出力)制御(S102)が順次実行される。
図21に示すように、S101の演出表示制御では、保留数増加コマンドを受信か否か判定され(S111)、S111の判定がYes の場合、保留数加算処理(S112)が実行される。画像制御基板34のコンピュータでは、第1,第2特図保留数が管理されており、S111で受信した保留数増加コマンドの種類に応じて、S112では第1又は第2特図保留数が1加算される。
次に、遊技演出開始コマンドを受信か否か判定され(S113)、S113の判定がYes の場合、その遊技演出開始コマンド(S94で選択された遊技演出パターンの情報、更にS95の判定がYes の場合にはS96での判定情報を含む)が解析され(S114)、保留数減算処理(S115)が実行される。S115では当該図柄変動に係る第1又は第2特図保留数が1減算される。その後、選択された遊技演出パターンに応じた遊技演出を画像表示器16に表示させる表示制御が実行される(116)。一方、S113の判定がNoの場合、他のコマンドを受信か否か判定され(S117)、S117の判定がYes の場合、対応する他の処理が実行される(S118)。
次に、特図保留数が1以上か否か判定され(S119)、S119の判定がYes の場合、画像表示器16に特別遊技演出を表示中か否か判定される(S120)。S120の判定がYes の場合、S114で解析されたS96での判定情報に基づいて、保留数表示の消去判定(保留数表示態様の変更判定)か否か判定され(S121)、S121の判定がNoの場合、特図保留数が画像表示器16に表示され(S122)、S122の判定がYes の場合、特図保留数の表示が画像表示器16から消去され(S123)、こうして、特図保留数の表示態様が変更される。
一方、S120の判定がNoの場合、保留数表示の指定画面か否か判定される(S124)。画像表示器16に基本遊技演出を表示中の場合、或いは待受画面を表示中の場合、S124の判定がYes になり、特図保留数が画像表示器16に表示される(S125)。
図22に示すように、ランプ制御基板35のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、ランプ制御(S131)、役物制御(S132)が順次実行される。
図23に示すように、S132の役物制御では、遊技演出開始コマンドを受信か否か判定され(S141)、S141の判定がYes の場合、その遊技演出開始コマンド(S94で選択された遊技演出パターンの情報、更にS95の判定がYes の場合にはS96での判定情報を含む)が解析される(S142)。その解析の結果、役物部材21,22を作動させる遊技演出パターン(例えば図9に示す遊技演出パターンA〜Eの内の遊技演出パターンC〜E)が選択されたか否か判定される(S143)。
S143の判定がYes の場合、次に、S96での判定情報に基づいて、保留数表示の消去判定(保留数表示態様の変更判定)か否か判定される(S144)。S144の判定がYes の場合、役物部材21,22の作動開始タイミングか否か判定され(S145)、S145の判定がYes の場合、役物部材21,22を退避位置から進出位置へ移動させ、その後進出位置から退避位置へ移動させる作動制御(S146)が実行される。一方、S144の判定がNoの場合、役物部材21,22の作動が禁止される(S147)。
以上説明したパチンコ遊技機1の作用・効果について説明する。
先ず、保留記憶手段42に記憶されている大当り判定値の数、つまり遊技演出を表示させる権利の数に対応(相当)する特図保留数を画像表示器16に表示させる保留表示制御手段55を備え、その保留表示制御手段55は、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に特図保留数の表示態様を変更するか否かを判定する表示態様変更判定手段56と、この表示態様変更判定手段56により特図保留数の表示態様を変更すると判定された場合に画像表示器16に表示された特図保留数の表示態様を変更する表示態様変更手段57とを有する。
具体的に、図24に示すように、画像表示器16に、基本遊技演出とその後の特別遊技演出とを主体に構成された遊技演出を表示させる場合に、特図保留数が1以上の場合(図24では、第1特図保留数が3、第2特図保留数が2)、基本遊技演出を表示中には全ての場合において、図24(A)(B)に示すように、特図保留アイコン16a,16bが表示されるが、特別遊技演出を表示中には、図24(A)に示すように、特図保留アイコン16a,16bが表示されない場合と、図24(B)に示すように、特図保留アイコン16a,16bが表示される場合とがあるように構成することができる。
そして、画像表示器16に特別遊技演出を表示中に特図保留数(特図保留アイコン16a,16b)の表示を消去するか否か、つまり、表示態様変更判定手段56により特図保留数の表示態様を変更するか否かを判定する場合、その判定を、前記実施例に開示のように、大当り判定の結果(つまり、大当り判定値が大当り特定値に一致するか否か)、及び、遊技演出選択手段51により選択された遊技演出パターンに基づいて実行する。
ここで、遊技演出選択手段51により選択された遊技演出パターンによって大当り期待度を異ならせ、具体的には、図10に示すように、遊技演出パターンA→B→C→D→Eの順に大当り期待度が高くなっていくように設定し、また、遊技演出選択手段51により選択された遊技演出パターンによって表示態様変更判定手段56が特図保留数の表示態様を変更すると判定する割合を異ならせ、具体的には、図11に示すように、遊技演出パターンE→D→C→B→Aの順に、特図保留数の表示態様を変更しないと判定する割合が高くなっていくように設定している。
各遊技演出パターンに対して、画像表示器16に特別遊技演出を表示中に特図保留数が表示された場合(図24(B))に表示されない場合(図24(A))よりも、当該大当り判定に係る大当り期待度が高くなるように構成することができる。その結果、画像表示器16に表示された基本遊技演出が特別遊技演出に切換わったとき、その特別遊技演出を表示中に通常は表示されない特図保留数が表示された場合、遊技者は、その特別遊技演出を表示中に表示された特図保留数を見て大当りする期待感を高めることができる。
このとき、前記のように、遊技演出パターンE→D→C→B→Aの順に、特図保留数の表示態様を変更しない(つまり、表示を消去しない)と判定する割合が高くなっていくように設定しているため、演出パターンだけを考慮すれば、遊技演出パターンA→B→C→D→Eの順に大当り期待度は高くなっていき、遊技者はできるだけ大当り期待度が高い遊技演出パターンが実行されることを期待する筈である。
しかし、大当り期待度が低い遊技演出パターンが実行された場合でも、それよりも大当り期待度が低い遊技演出パターンと比べて、特図保留数の表示を通常消去するところを消去しない割合を高くして、大当り期待感を高め得る演出効果を発揮することができる。このように、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に、特図保留数を表示させるか否かを判定して、その特別遊技演出を表示中の特図保留数の表示有無によって斬新な遊技演出を実現することができる。しかし、画像表示器16に特図保留数が表示されている場合に、その特図保留数の表示が画像表示器16の画面前側領域を移動可能な役物部材21,22によって隠される虞がある。
そこで、役物部材21,22を移動させる役物駆動機構24を制御する役物制御手段60は、画像表示器16に特別遊技演出を表示中に役物部材21,22を進出位置に移動させるか否かを判定する進出移動判定手段61を有し、その進出移動判定手段61は、保留表示消去手段57が特図保留数の表示を消去する場合には所定の確率で役物部材21,22を進出位置に移動させると判定し、特図保留数の表示を消去しない場合には役物部材21,22を進出位置に移動させないと判定する。
従って、役物部材21,22を作動させる遊技演出パターンが選択された場合、図25(A)に示すように、画像表示器16に特別遊技演出を表示中に特図保留数が消去された場合には、役物部材21,22が所定のタイミングで退避位置→進出位置→退避位置と移動するように作動するが、図25(B)に示すように、画像表示器16に特別遊技演出を表示中に特図保留数が消去されない場合には、役物部材21,22の作動が禁止されるように構成することができる。
つまり、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に、特図保留数を表示させるか否かを判定して、その特別遊技演出を表示中の特図保留数の表示有無によって斬新な遊技演出を実現するとともに、特図保留数を表示させる場合には、役物部材21,22の作動を禁止して、役物部材21,22によって保留アイコンが隠されることを防止して、遊技者が保留数を誤認する虞がないようにすることができる。
尚、保留表示消去判定手段56が特図保留数の表示を消去すると判定した場合、保留表示消去手段57は、基本遊技演出の表示段階から特図保留数を消去するようにしてもよいし、或いは、特別遊技演出の表示中でも、最初の段階では特図保留数を表示させておいて、保留表示消去手段57は、役物部材21,22が作動開始する前(例えば直前)に特図保留数を消去するようにしてもよい。
尚、従来のように、画像表示器16において基本遊技演出から特別遊技演出に切換わったとき、必ず画像表示器16から特図保留数が消去されるものでは、この状況下で、遊技者が画像表示器16の表示から特図保留数を確認できなくなる。例えば、特別遊技演出の実行中、特図保留数が4未満の場合には特図保留数を増やす為に遊技球を発射し、特図保留数が4の場合には無駄打ちをしないように遊技球を発射停止する、という遊技球の発射調整を行う遊技者にとって、画像表示器16から特図保留数を確認できないと、前記発射調整を思うように行えないという課題がある。本発明では、基本遊技演出から特別遊技演出に切換わっても特図保留数を消去しないようにして、前記課題が解消される。
実施例2は実施例1を部分的に変更したものである。先ず、実施例1の可動役物装置17の代わりに、図26に示す可動役物装置17Aが設けられている。この可動役物装置17Aは、1つの役物部材21Aを図26に仮想線で示す退避位置と図26に実線で示す進出位置とに亙って移動させ、役物部材21Aは画像表示器16の左部の画面前側領域を横切らないように構成されている。この可動役物装置17Aは、実施例1の可動役物装置17において、1対の役物部材21,22を一体化させ、役物駆動機構24のうち役物部材21を駆動する為の構造(ギヤ列26のピニオン26a、ラック27等)を省略して構成することができる。
次に、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に特図保留数の表示態様を変更するか否かを判定する表示態様変更判定手段56、この表示態様変更判定手段56により特図保留数の表示態様を変更すると判定された場合に画像表示器16に表示された特図保留数の表示態様を変更する表示態様変更手段57に関して、実施例2では、特図保留数の表示位置を変更することを、特図保留数の表示態様を変更することとしている。
つまり、表示態様変更判定手段56は、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に特図保留数の表示位置を変更するか否かを判定する保留表示位置変更判定手段56であり、表示態様変更手段57は、この保留表示位置変更判定手段56により特図保留数の表示位置を変更すると判定された場合に画像表示器16に表示された特図保留数の表示位置を第1表示位置(所定の表示態様)から第2表示位置(特殊表示態様)へ変更する保留表示位置変更手段57(保留数報知変更表示制御手段)である。
特図保留数の第1表示位置は、実施例1と同様、図27()等に示すように、画像表示器16の画面下部であり、その画面左下部に、第1特図保留数が相当数の第1特図保留アイコン16aにより表示され、その画面右下部に、第2特図保留数が相当数の第2特図保留アイコン16bにより表示され、第1,第2特図保留数が、夫々複数存在する場合には、第1,第2特図保留アイコン16a,17aが左右方向に並べて表示される。
一方、特図保留数の第2表示位置は、図27()等に示すように、画像表示器16の画面左部であり、その画面上左部に、第1特図保留数が相当数の第1特図保留アイコン16aにより表示され、その画面下左部に、第2特図保留数が相当数の第2特図保留アイコン16bにより表示され、第1,第2特図保留数が、夫々複数存在する場合には、第1,第2特図保留アイコン16a,17aが上下方向に並べて表示される。
特図保留数が第2表示位置に表示された場合、前記可動役物装置17Aの構成上、その役物部材21Aが退避位置と進出位置とに亙って移動しても、第1,第2特図保留アイコン16a,16bの表示は、役物部材21Aにより隠されることはない。表示態様変更判定手段56において、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に特図保留数の表示位置を変更するか否かの判定手法は、実施例1の画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に特図保留数の表示を消去するか否かの判定手法と同様である。尚、その他の構成は実施例1と同様である。
然るに、図27に示すように、画像表示器16に、基本遊技演出とその後の特別遊技演出とを主体に構成された遊技演出を表示させる場合に、特図保留数が1以上の場合(図27では、第1特図保留数が3、第2特図保留数が2)、基本遊技演出を表示中には全ての場合において、図27(A)(B)に示すように、特図保留アイコン16a,16bが第1表示位置に表示されるが、特別遊技演出を表示中には、図27(A)に示すように、特図保留アイコン16a,16bが第2表示位置に表示される場合と、図27(B)に示すように、特図保留アイコン16a,16bが引き続き第1表示位置に表示される場合とがあるように構成することができる。
そして、図28(A)に示すように、画像表示器16に特別遊技演出を表示中に特図保留数が第2表示位置に表示されている場合には、役物部材21Aが所定のタイミングで退避位置→進出位置→退避位置と移動するように作動するが、図28(B)に示すように、画像表示器16に特別遊技演出を表示中に特図保留数が第1表示位置に表示されている場合には、役物部材21,22の作動が禁止されるように構成することができる。実施例2では、実施例1と基本的に同様の作用・効果を奏する。
尚、実施例2では、基本遊技演出から特別遊技演出に切換わる場合に、特図保留数の表示位置を変更させる場合があるが、特図保留数の表示を消去しないため、全ての遊技演出において、特図保留数を最初から最後まで表示させることができ、つまり、特図保留数によって遊技球の発射調整を思うように行えないという課題を完全に解消できる。
尚、表示態様変更判定手段56、表示態様変更手段57に関して、特図保留数の表示位置を変更すること、ではなく或いはそれと併用して、特図保留数のアイコンのサイズや形状を変更すること、特図保留数を相当数のアイコンから数字で表示するように変更すること等を、特図保留数の表示態様を変更することとしてもよい。
尚、実施例1,2の変更形態として、保留記憶手段42に記憶されている大当り判定値(判定情報)が特定の判定情報(例えば、大当り特定値を含む複数の事前判定特定値の何れか)か否か事前に判定する事前判定手段を設け、表示態様変更判定手段56は、画像表示器16に特別遊技演出を表示させる場合に、前記事前判定手段による判定結果に基づいて、特図保留数の表示態様を変更するか否かを判定するようにしてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施が可能である。例えば、実施例1,2の技術を組み合わせてもよい。具体的には、特図保留数の表示態様を変更する場合、その特図保留数の表示を消去する場合と、その特図保留数の表示位置を変更する場合とを択一的に選択してもよい。更に、この場合、特図保留数の表示を消去する場合と表示位置を変更する場合とで大当り期待度を異ならせるようにしてもよい。また、例えば、役物部材21,22、21Aの代わりに種々の役物部材を適用可能である。そして、本発明は、退避位置と進出位置とに亙って移動可能に設けられた役物部材を備えた種々のパチンコ遊技機に適用可能である。
1 パチンコ遊技機
4a 遊技領域
10 第1始動口
11a 第2始動口
16 画像表示器
21,22 役物部材
24 役物駆動機構
42 保留記憶手段
50 演出表示制御手段
55 保留表示制御手段
56 表示態様変更判定手段
57 表示態様変更手段
60 役物制御手段
61 進出移動判定手段

Claims (1)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動領域と、
    前記始動領域を遊技球が通過したことを条件に判定情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記判定情報に基づいて遊技者に有利な特別遊技を発生させるか否か判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果を示す図柄を画像表示手段に変動表示後に停止表示させる演出表示制御手段と、
    前記画像表示手段に図柄を変動表示中に前記始動領域を遊技球が通過した場合に、前記取得手段が取得した判定情報を記憶する保留記憶手段と、
    前記保留記憶手段に記憶されている前記判定情報の数に対応する記憶数だけの保留画像を所定の表示態様で前記画像表示手段に表示させて記憶数を報知する保留数報知表示制御手段とを備え、
    前記演出表示制御手段は、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、前記特別遊技を発生させると判定されたことを示唆する特別遊技演出を、前記画像表示手段に表示可能に構成され、
    前記保留数報知表示制御手段は、
    前記演出表示制御手段によって前記特別遊技演出が表示される際に、前記画像表示手段に前記所定の表示態様で表示されている前記保留画像の表示態様を変更するか否かを判定する表示態様変更判定手段と、
    前記表示態様変更判定手段により前記保留画像の表示態様を変更すると判定されると、当該保留画像の表示態様を前記所定の表示態様とは異なる特殊表示態様に変更して表示させて前記記憶数を報知する保留数報知変更表示制御手段とを有し、
    前記表示態様変更判定手段は、前記特別遊技を発生させると判定された期待度に応じた確率で前記保留画像の表示態様を変更すると判定することを特徴とする遊技機。
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