JP5535036B2 - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

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本発明は、内側に燃焼室を形成する燃焼筒の後部の外周面と、燃焼室内の燃焼ガスをタービンに導出する尾筒の前部の内周面とが、互いに摺動自在に嵌合して連結されたガスタービン燃焼器に関するものである。
ガスタービン燃焼器では、内側に燃焼室を形成する燃焼筒が燃焼室内の燃焼ガスからの伝熱により高温となるので圧縮機からの圧縮空気の一部を利用して燃焼筒を冷却する冷却構造が設けられている。この冷却構造として、燃焼筒の少なくとも一部を外壁と内壁とからなる二重壁構造とし、圧縮空気を外壁と内壁との間に形成される通路に導入して内壁をインピンジ冷却および対流冷却したのち、燃焼室内に排出するものが知られている(特許文献1参照)。
一方、周壁が一重壁からなる燃焼筒を備えた燃焼器では、燃焼筒が圧縮空気により十分に冷却されないことから熱伸縮する。そこで、この種の燃焼器では、図4に示すように、燃焼筒60の内側の燃焼室61内の燃焼ガスGをタービンに導出する尾筒62の前端部分に、受け筒部66を外嵌して固定し、この受け筒部66に、燃焼筒60の後端縁部の外周面を摺動自在に嵌合することにより、燃焼筒60が尾筒62に対し伸縮自在に連結された嵌合構造63が形成されている。この嵌合構造63は、燃焼筒60および尾筒62の各々の内周面が面一になるよう設定されて、燃焼ガスGが燃焼筒60と尾筒62の境界領域をスムーズに流動するようになっている。
特開2002−155758号公報
しかしながら、燃焼筒を二重壁とする冷却構造は、構造の複雑化に伴ってコスト高になるとともに、燃焼筒に対する十分な冷却効果を得るためには、二重壁内に多量の圧縮空気を導入する必要がある。冷却用空気として二重壁内に導入された圧縮空気はそのまま燃焼室内に導入されるため、燃焼に供される空気が減少し、燃焼器の低NOx化およびガスタービン効率の向上を達成するのが難しい。
一方、図4の燃焼器は、燃焼器ハウジング64および尾筒側ハウジング65と燃焼筒60および尾筒62との間に形成された通路に、圧縮機からの圧縮空気A1を導入して、この圧縮空気A1により尾筒62および燃焼筒60を対流冷却するようになっている。しかしながら、尾筒62および受け筒部66の各々の外周面に沿って流動してきた圧縮空気A1は、受け筒部66の前端と燃焼筒60の外周面との間の段差によって燃焼筒60の外周面から剥離してしまう。その結果、燃焼筒60における嵌合構造63の前側の領域60aは、圧縮空気A1による冷却効果が殆ど得られないために、ヒートスポットが生じて、熱応力が発生し易いという問題がある。
本発明は、燃焼筒と尾筒との嵌合構造を、熱応力や応力集中の発生を招くことなしに、効果的に冷却することで、冷却効率がよく、耐久性に優れ、かつ低NOx化が可能なガスタービン燃焼器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のガスタービン燃焼器は、内側に燃焼室を形成する燃焼筒の外側に圧縮空気の空気通路を有するガスタービン燃焼器であって、前記燃焼筒内の燃焼ガスをタービンに導出する尾筒を有し、前記燃焼筒の周壁は一重壁からなり、前記燃焼筒の後部の外周面と前記尾筒の前部の内周面とを嵌合させる嵌合構造が形成され、前記嵌合構造に、前記圧縮空気を前記嵌合構造の前側から前記燃焼室に導入する導入溝が形成されている。
このガスタービン燃焼器によれば、燃焼筒の外側を流れてきた圧縮空気が導入溝に導入されるときに、燃焼筒における嵌合構造の前側に位置する領域を対流冷却する。また、圧縮空気が導入溝の内部を通って燃焼室内に導入されるときに、嵌合構造を内部から冷却する。したがって、燃焼筒および嵌合構造のヒートスポットが発生せず、熱応力の発生を抑制して燃焼器全体の耐久性を向上させることができる。また、燃焼筒を二重壁構造として冷却する場合と比べて冷却に供する空気が少なく、圧縮空気の大部分を燃焼用空気として利用できるために、燃焼器の低NOx化およびガスタービン効率の向上を図ることができる。さらに、燃焼筒に空気導入孔を設け、空気導入孔から導入した空気により嵌合構造の前側部分をフィルム冷却する場合と比較して、温度差による熱応力や空気導入孔の形状特性による応力集中などの発生が少ない。
また、嵌合構造は、熱による変形を受け易いことから、周上にわたって均一な隙間を設けるのが困難であるとともに、振動が発生し易いことから、燃焼筒の外周面と尾筒の内周面との当たり面を極端に少なくできない。これに対し、このガスタービン燃焼器では、嵌合構造を通って燃焼室内に圧縮空気を導入するための流路が導入溝により形成されているから、燃焼筒と尾筒との間に所要の当たり面を確保して、熱変形や振動に対して十分な強度を得ながらも、所要の冷却効果が得られる空気量を確保することができる。また、導入溝の溝幅、長さおよび深さの選択により、冷却空気量を任意に設定することができる。
本発明において、前記嵌合構造は、前記燃焼室内における前記燃焼筒の後端面の後方に、前記燃焼筒の後部の内周面よりも径方向外方へ凹入した負圧発生部を有していることが好ましい。負圧発生部は、嵌合構造に形成された導入溝に連通するから、前記燃焼室内の燃焼ガスの流動に伴い負圧発生部に発生する負圧が、燃焼筒の外側を流れる圧縮空気を導入溝内に吸引するよう作用するので、導入溝内に圧縮空気を円滑に導入することができる。
本発明において、前記導入溝は前記燃焼筒の軸心と同心状のねじ溝からなることが好ましい。このような構成とすれば、嵌合構造における圧縮空気の流路が長くなって、嵌合構造の十分な冷却効果を得ることができる。また、ねじ溝の幅、深さ、本数、傾斜角度等を適宜設定することによって所望の空気流路を形成し、嵌合構造に対する冷却効果の強弱を任意に設定することができる。
導入溝がねじ溝からなる構成において、前記ねじ溝が前記燃焼筒の外周面に形成されていることが好ましい。一般に、筒体にねじを形成する場合、ねじ加工機と筒体との干渉を避け易いことから、筒体の内周面にねじを形成するよりも、外周面にねじを形成する方が容易である。したがって、燃焼筒の後部の外周面にねじ溝を形成することにより、ねじ溝を有する嵌合構造の製作が容易となる。
ねじ溝を燃焼筒の外周面に形成する構成において、前記嵌合構造を形成する前記燃焼筒の後部の外周面および前記尾筒の前部の内周面の少なくとも一方に、耐磨耗層が形成されていることが好ましい。燃焼筒の後部の外周面と尾筒の前部の内周面とは、熱伸縮により互いに摺動する摺動面であるから、上記構成により、摺動面に摺動に伴う磨耗が発生するのを、耐磨耗層によって効果的に抑制し、燃焼器の長寿命化を図ることができる。
本発明において、さらに、前記圧縮空気の空気通路に配置されて前記圧縮空気を前記導入溝に向かうように案内する案内体を備えていることが好ましい。これにより、嵌合構造の外側を流れる圧縮空気が導入溝内にスムーズに流入するよう整流できるので、所要の冷却効果を得るための冷却空気量を確実に導入溝に導入することができる。
本発明において、前記燃焼筒の外周面における前記嵌合構造よりも前方に、乱れ発生用リブが突設されていることが好ましい。これにより、導入溝に流入せずに燃焼筒の外周面に沿って流れる圧縮空気の流れに乱れを発生させて、圧縮空気による燃焼筒の対流冷却を促進することができる。
本発明のガスタービン燃焼器によれば、燃焼筒の外側を流れてきた圧縮空気が導入溝に導入されるときに嵌合構造の前側に位置する燃焼筒における領域を対流冷却する。また、圧縮空気が導入溝の内部を通って燃焼室内に導入されるときに、嵌合構造を内部から冷却する。したがって、燃焼筒および嵌合構造においてヒートスポットが発生せず、熱応力の発生を抑制して燃焼器全体の耐久性を向上させることができる。また、二重壁構造とは異なり、圧縮空気の大部分を燃焼用空気として利用できるために、燃焼器の低NOx化およびガスタービン効率の向上を図ることができる。また、燃焼筒に空気導入孔を設ける場合と比較して、温度差による熱応力や空気導入孔の形状特性による応力集中などが発生することがない。
また、嵌合構造は、これを通って燃焼室内に圧縮空気を導入するための流路が導入溝により形成されているから、燃焼筒と尾筒との間に所要の当たり面を確保して、熱変形や振動に対して十分な強度を得ながらも、所要の冷却効果が得られる空気量を確保することができる。
本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器を示す縦断面図である。 同上のガスタービン燃焼器における要部の拡大縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るガスタービン燃焼器における要部の縦断面図である。 従来のガスタービン燃焼器を示す縦断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明のガスタービン燃焼器はガスタービンエンジンに使用されるので、圧縮機から供給された圧縮空気と、燃料供給装置から供給される燃料とを燃焼器で燃焼させ、これにより発生する高温高圧の燃焼ガスをタービンに供給して、このタービンを駆動する。圧縮機は回転軸を介してタービンにより駆動される。タービンは、減速機を介して発電機のような負荷を駆動する。
図1は本発明の第1実施形態に係るガスタービン燃焼器1の縦断面図を示し、この燃焼器1は、これに導入される圧縮空気A1と燃焼ガスGとが互いに燃焼器1内の逆方向に流れる逆流缶型であり、円筒状の燃焼器ハウジング2内に、ほぼ円筒状の燃焼筒3が収納され、燃焼筒3の内部に燃焼室4が形成されている。燃焼器ハウジング2の後端部に、円筒状の尾筒側ハウジング8がボルト9とナット10の締結により連結されており、この尾筒側ハウジング8内に、尾筒11が収納され、後述する嵌合構造によって燃焼筒3に連結されている。この燃焼器1は、前述のガスタービンエンジンの軸心と同心状の円周上に等間隔で複数配置されている。
なお、本明細書において、燃焼ガスGの流れ方向の上流側(図1の右側)を燃焼器1の前方(前側)、下流側(図1の左側)を後方(後ろ側)という。
燃焼筒3は、これの前端部に連結された円錐台状の支持体15のみを介して燃焼器ハウジング2の前端部にボルト12により固定されていることにより、熱伸縮することが可能な状態で燃焼器ハウジング2に支持されている。また、燃焼器ハウジング2の前端部には、ヘッダー13がボルト14により固定されている。尾筒11は尾筒側ハウジング8に図示しないステーにより取り付けられている。尾筒11と尾筒側ハウジング8との間および燃焼筒3と燃焼器ハウジング2との間には、圧縮機(図示せず)から導入される圧縮空気A1が燃焼ガスGの流動方向とは逆方向に流れる空気通路18が形成されている。
燃焼筒3の頭部にはバーナユニット19が取り付けられている。このバーナユニット19は、バーナ外ケース20、バーナ内ケース21およびバーナ中央ケース22により構成されており、バーナ外ケース20とバーナ内ケース21との間に空気流路23が形成され、バーナ内ケース21とバーナ中央ケース22との間に低濃度燃料ガス流路24が形成されている。バーナ外ケース20は、燃焼筒3の頂壁28に支持され、バーナ内ケース21は、これの前端部がボルト29によりヘッダー13に固定されている。ヘッダー13の中央部には、高濃度燃料ガス供給管30が貫通して固定されており、この高濃度燃料ガス供給管30の外周面にバーナ中央ケース22が嵌合して固定されている。高濃度燃料ガス供給管30は、これに供給される空気Aと天然ガスNGとを混合したのちに、高濃度燃料ガスF1を燃焼室4内に噴射する。高濃度燃料ガス供給管30には点火栓(図示せず)も内蔵されている。
バーナ外ケース20、バーナ内ケース21およびバーナ中央ケース22の各々の後端は、燃焼室4の上流部で、軸方向に対して面一になっている。高濃度燃料ガス供給管30の先端部に高濃度燃料ノズル31が形成され、前記低濃度燃料ガス流路24の先端部に低濃度燃料ノズル32が形成され、前記空気流路ケース23の先端部に空気ノズル33が形成されている。
低濃度燃料ガス流路24には、低濃度燃料ガスF2として、例えば空気で希釈された天然ガスが供給される。この低濃度燃料ガスF2は、高濃度燃料ガス供給管30を通って高濃度燃料ノズル31から供給される天然ガスNGで着火され、着火後は、高濃度燃料ガスF1と低濃度燃料ガスF2の両方が燃焼室4に供給されて燃焼する。低濃度燃料ガスF2は、ヘッダー13に取り付けられたガス供給ダクト34を介して供給され、ヘッダー13のガス流入口38を通ったのちに、バーナ内ケース21、ヘッダー13、バーナ中央ケース2および高濃度燃料ガス供給管30により区画されたガス供給室39に入り、低濃度燃料ガス流路24の入口のスワーラ40で旋回力を付与されながら低濃度燃料ガス流路24内を流動して、低濃度燃料ノズル32から燃焼室4内に噴射される。
燃焼用の圧縮空気A1は、燃焼筒3の前側の支持体15に形成された空気導入孔41を通ったのち、燃焼筒3、頂壁28、バーナ外ケース20、バーナ内ケース21およびヘッダー13により区画された空気供給室42に入り、空気流路23の入口のスワーラ43で旋回力を付与されながら空気流路23内を流動して、空気ノズル33から燃焼室4内に噴射される。燃焼筒3における低濃度燃料ノズル32および空気ノズル33の近傍部位に対向する箇所には、燃焼器ハウジング2を貫通した補助の点火栓44が、その先端を燃焼室4内に臨ませて配置されている。起動時には、高濃度燃料ガス供給管30に内蔵された点火栓により着火された天然ガスNGが高濃度燃料ノズル31から燃焼室4内に供給され、空気ノズル33から燃焼室4内に噴射された空気A1により火炎領域を制限する。
つづいて、ガス供給ダクト34からの低濃度燃料ガスF2が、低濃度燃料ノズル32から燃焼室4内に噴射され、燃焼室4内に燃焼ガスGの燃焼領域が形成される。このとき、燃焼筒3に形成された複数の空気導入孔45から燃焼室4内に燃焼用の圧縮空気A1が供給され、その下流の希釈用空気孔46から希釈用の圧縮空気A1が供給される。燃焼ガスGの伝熱により高温となる燃焼筒3および尾筒11は、圧縮機から導入されて空気通路18内を流動する圧縮空気A1により対流冷却される。
図1の要部の拡大断面図を示す図2において、燃焼筒3および尾筒11は、嵌合構造48を介して連結されている。この嵌合構造48は、尾筒11の前端部に、燃焼筒3の後部の外径とほぼ同じ内径を有する受け筒部49が、尾筒11の筒本体の前端から張り出す配置で溶接50により固定され、その受け筒部49の内周面に燃焼筒3の後部の外周面が摺動自在に嵌合されることにより、燃焼筒3が受け筒部49を介して尾筒11に対し伸縮可能に連結されている。この嵌合構造48により、前述のとおり、前端部のみが燃焼器ハウジング2に固定された燃焼筒3は、燃焼ガスGからの伝熱により熱膨張したときに、後端が受け筒部49の傾斜内面49aに当接するまでの範囲t内で尾筒11への近接方向に向け伸長することが許容される。これにより、熱伸縮による燃焼筒3と尾筒11との圧接を回避して、熱応力の影響を抑制する。
嵌合構造48を介して互いに連結される、燃焼筒3の後端部3bおよび尾筒11の前端部11aは、各々の内周面が同一径、つまり面一に設定されており、これよって、燃焼ガスGをスムーズに流動させて燃焼ガスGによる局所的な過熱が防止されるようになっている。この面一構造により、燃焼筒3の後端面3cの後方に、燃焼筒3の後部の内周面から受け筒部49の内周面に至る距離だけ径方向外方へ凹んだ箇所が形成される。この凹んだ箇所は、燃焼ガスGの流動に伴って負圧が発生する負圧発生部47となっている。
嵌合構造48の内側半分を形成する燃焼筒後端部3bの外周面には、空気通路18内を流れる圧縮空気A1を燃焼室4内に導入するための導入溝51が形成されている。この実施形態では、導入溝51として、燃焼筒3の軸心Cと同心状の多条ねじ構造のねじ溝が形成されている。このねじ溝からなる導入溝51は、燃焼筒3の外側の空気通路18と負圧発生部47とを連通する。なお、導入溝51は、燃焼筒3の後端部3bの外周面に代えて、尾筒11の前部を構成する受け筒部49の内周面に形成してもよい。また、嵌合構造48を形成する、燃焼筒3の後端部3bの外周面と受け筒部49の内周面の少なくとも一方に、この実施形態では燃焼筒3の後端部3bの外周面に、耐磨耗層が形成されている。耐磨耗層はこの実施形態ではセラミック層であり、噴射によるコーティング加工で形成される。空気通路18を通る圧縮空気A1が燃焼筒3の軸心C回りに旋回している場合、その旋回方向M1に対して、導入溝51の旋回方向M2を逆方向に設定することにより、嵌合構造48を越えて折り返した圧縮空気A1がスムーズに導入溝51に導入される。
この燃焼器1では、燃焼筒3の外側を流れてきた圧縮空気A1が導入溝か51に導入されるときに、燃焼筒3における嵌合構造48の前側に位置する領域3aを対流冷却する。また、圧縮空気A1が導入溝51を通って燃焼室4内に導入されるときに、嵌合構造48を内部から冷却する。したがって、燃焼筒3および嵌合構造48のヒートスポットが発生せず、熱応力の発生を抑制して燃焼器1全体の耐久性を向上させることができる。また、燃焼筒3を二重壁構造として冷却する場合と比べて冷却に供する空気が少なく、圧縮空気A1の大部分を燃焼用空気として利用できるために、燃焼器1の低NOx化およびガスタービン効率の向上を図ることができる。
また、図2の嵌合構造48は、燃焼室4内に圧縮空気A1を導入するための流路が導入溝51により形成されているから、導入溝51の両側の山部が、燃焼筒3の後端部3bと受け筒部49との間の当たり面を形成する。したがって、嵌合構造48における所要面積の当たり面を確保して、熱変形や振動に対して十分な強度を得ながらも、所要の冷却効果が得られる空気量を確保することができる。
また、嵌合構造48は、燃焼筒3の後端部3aの後方に、導入溝51に連通する負圧発生部47を有しており、燃焼ガスGの流動に伴い負圧発生部47に発生する負圧が、導入溝51を通じて、燃焼筒3の外側を流れる圧縮空気A1を冷却空気A2として導入溝51内に吸い込むように作用するので、導入溝51内に冷却空気A2を円滑に導入して、燃焼筒3における嵌合構造48の前側の領域3aと、嵌合構造48とを効率良く冷却することができる。
また、導入溝51を燃焼筒3の軸心Cと同心状のねじ溝としたので、冷却空気A2をねじ溝に沿って周方向に流動させたのちに燃焼室4内に導入することになり、嵌合構造48における冷却空気A2の流路が長くなって所要の冷却効果を得ることができる。また、この燃焼器1では、導入溝51の幅、深さ、本数、燃焼筒3の軸心Cに対する傾斜角度θ等を適宜設定することによって所望の空気流路を形成し、冷却空気A2の流動量を任意に設定することにより、嵌合構造48に対する冷却効果の強弱を任意に設定することができる。
前記導入溝51であるねじ溝が燃焼筒3の後部の外周面に形成されているから、尾筒11の前部を構成する受け筒部49の内周面にねじ溝からなる導入溝を形成する場合に比べて、ねじ溝の加工が容易である。また、製造に際して、ねじ溝からなる導入溝51は、例えば、長い円管の外周面の全体にわたり汎用旋盤によりねじ溝を形成したのち、これを所定の長さに切り分け、燃焼筒3の後部に溶接で連結することにより、導入溝51を容易に設けることができ、製造コストを低減できる。
また、嵌合構造48の形成箇所である燃焼筒3の後端部3b部の外周面および尾筒11の前部を構成する受け筒部49の内周面は、燃焼筒3および受け筒部49の熱伸縮により互いに摺動する摺動面となるが、前記外周面と内周面の少なくとも一方に、耐磨耗層であるセラミック層がコーティングされているので、このセラミック層によって、摺動面の磨耗が効果的に抑制される。
図3は本発明の第2実施形態に係るガスタービン燃焼器1Aを示し、同図において、図2と同一若しくは相当する部分に同一の符号を付して、重複する説明を省略する。この実施形態が図2の第1実施形態と相違するのは、図2の構成に加えて、圧縮空気A1の空気通路18における嵌合構造48の径方向外方に配置されて圧縮空気A1を導入溝51に向かうよう案内する形状を備えた案内体52と、燃焼筒3の外周面における嵌合構造48の前方箇所に一体に突設された複数の環状の乱れ発生用リブ53とを備えるとともに、導入溝51であるねじ溝が、燃焼筒3の軸心Cに対して第1実施形態よりも小さい傾斜角度θに形成された構成のみである。案内体52は複数のステー54を介して受け筒部49の外周面に支持されている。
このガスタービン燃焼器1Aは、第1実施形態で説明したのと同様の効果が得られるのに加えて、嵌合構造48の径方向外方に、圧縮空気A1を導入溝51に向かうように案内する案内体52を備えているので、嵌合構造48の外側を流れる圧縮空気A1が、尾筒11の前部である受け筒部49と燃焼筒3の外周面との段差によって燃焼筒3の後端部3bの外周面から剥離しようとするのを防止できる。これにより、圧縮空気A1の流れが導入溝51内にスムーズに流入するように強制的に整流されるので、所要の冷却効果を得るために十分な量の冷却空気A2を確保することができる。
また、導入溝51に流入せずに燃焼筒3における嵌合構造48に対し前方側の外周面に沿って流れる圧縮空気A1が、複数の乱れ発生用リブ53により、流れに乱れを発生し、この乱れた圧縮空気A1により、燃焼筒3の外周面に対する対流冷却を促進することができる。
さらに、導入溝51が小さい傾斜角度θに形成されているから、第1実施形態よりも導入溝51内に多量の冷却空気A2が流入するので、冷却効果が高められる。なお、導入溝51は、多条ねじ溝構造に限らず、単一ねじ構造、または燃焼筒3の軸心Cに平行な複数の直線状の溝としてもよい。特に、嵌合構造48に比較的強い冷却が必要な場合には、溝幅が広く、かつ深い導入溝51を、燃焼筒3の軸心Cに平行な直線状の形状に設ければよい。
なお、前記実施形態では、燃焼器の後部から導入した圧縮空気が燃焼筒3内の燃焼ガスの流動方向とは逆方向に流れる逆流缶型の燃焼器を例示したが、本発明は圧縮空気が燃焼ガスの流動方向と同一方向に流れる一般的なジェットエンジンを含む航空機用ガスタービンエンジンの燃焼器にも適用可能である。また、本発明のガスタービン燃焼器には、他の燃焼筒の冷却構造を併用してもよく、例えば燃焼筒3における嵌合構造48の近傍に空気導入孔を設けてもよい。さらに、本発明は、以上の各実施形態で示した内容に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1,1A ガスタービン燃焼器
3 燃焼筒
3c 後端面
4 燃焼室
11 尾筒
18 空気通路
47 負圧発生部
48 嵌合構造
51 導入溝
52 案内体
53 乱れ発生用リブ
A1 圧縮空気
A2 冷却空気
G 燃焼ガス

Claims (7)

  1. 内側に燃焼室を形成する燃焼筒の外側に圧縮空気の空気通路を有するガスタービン燃焼器であって、
    前記燃焼筒内の燃焼ガスをタービンに導出する尾筒を有し、
    前記燃焼筒の周壁は一重壁からなり、
    前記燃焼筒の後部の外周面と前記尾筒の前部の内周面とを嵌合させる嵌合構造が形成され、
    前記嵌合構造に、前記嵌合構造の前側から前記圧縮空気を前記燃焼室に導入する導入溝が形成されているガスタービン燃焼器。
  2. 請求項1において、前記嵌合構造は、前記燃焼室内における前記燃焼筒の後端面の後方に、前記燃焼筒の後部の内周面よりも径方向外方へ凹入した負圧発生部を有しているガスタービン燃焼器。
  3. 請求項1または2において、前記導入溝は前記燃焼筒の軸心と同心状のねじ溝からなるガスタービン燃焼器。
  4. 請求項3において、前記ねじ溝が前記燃焼筒の後部の外周面に形成されているガスタービン燃焼器。
  5. 請求項4において、前記嵌合構造を形成する前記燃焼筒の後部の外周面および前記尾筒の前部の内周面の少なくとも一方に、耐磨耗層が形成されているガスタービン燃焼器。
  6. 請求項1から5のいずれか一項において、さらに、前記圧縮空気の空気通路に配置されて前記圧縮空気を前記導入溝に向かうように案内する案内体を備えているガスタービン燃焼器。
  7. 請求項1から6のいずれか一項において、前記燃焼筒の外周面における前記嵌合構造よりも前方に、乱れ発生用リブが突設されているガスタービン燃焼器。
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