JP5532730B2 - Cnr測定装置,方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

Cnr測定装置,方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は,患者の脳を撮影した脳画像を含み,NMRの信号強度を持つボクセルで構成されるMRI画像の品質評価に利用されるCNRを測定するための技術に関する。
NMR(NMR: nuclear magnetic resonance,核磁気共鳴)を利用し,患者の脳内組織を画像化して表示するMRIシステム(MRI: Magnetic Resonance Imaging,核磁気共鳴画像法)は,認知症の検査などに普及している。
認知症の検査では,MRIシステムを用いて患者の脳を撮影し,脳画像を含む3次元のMRI画像から,認知症に係わる関心領域(Region of Interest)の容量を求め,該関心領域の容量の正常値と検査値を比較し,脳内組織の異常の有無を判別する。
本出願人が特許文献1で開示している診断支援装置は,疾病に係わる関心領域を自動設定できる装置で,特許文献1の診断支援装置の機能を備えたMRIシステムを利用すれば,これまで医師が手動で設定していた関心領域を自動設定でき,関心領域の設定誤差が生じにくくなるため,客観的な診断結果を患者に提示することができるようになる。
しかし,疾病に係わる関心領域を自動設定できたとしても,MRIシステムで撮影された患者のMRI画像の品質が悪ければ,正しく診断することは困難になるため,検査に利用されるMRI画像の品質の評価値があるレベル以上でなければ,患者のMRI画像を再撮影する必要がある。
MRI画像の画質を評価する手法としては,非特許文献1で開示されているCNR測定法(CNR: Contrast-to-noise ratio)を用いると良好な結果が得られることが知られている。
非特許文献1で開示されているCNR測定法では,脳の白質及び灰白質の領域,並びに,脳画像以外の領域に含まれる信号強度の統計値(平均値,標準偏差)を変数とする数式によって,MRI画像のCNRが測定される。
特許第4025823号公報
小倉明夫・前田富美恵・宮井明・本郷隆治:MRI臨床画像のCNR測定法に関する精度.日本放射線技術学会雑誌,1543-1549,(20041120)
確かに,非特許文献1で開示されているCNR測定法は,MRI画像の画質を測定するのに有用であるが,CNRの測定に利用される統計値を算出する関心領域,すなわち,脳の白質組織及び灰白質組織の関心領域は手動で設定されるため,MRI画像の画質に係わる評価値を安定して得られない問題があった。
そこで,本発明は,患者の脳を撮影した脳画像を含むMRI画像の品質評価に利用されるCNRの測定に利用される統計値を算出する関心領域,すなわち,脳の白質組織及び灰白質組織の関心領域を自動で設定することのできるCNR測定装置,方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
上述する課題を解決する第1の発明は,脳を撮影した脳画像を含み,NMRの信号強度を持つボクセルで構成されるMRI画像の品質評価に利用されるCNRを測定するCNR測定装置であって,事前に得られている白質組織及び灰白質組織のクラスタモデルとして,白質組織と灰白質組織の信号強度の分布がモデル化された信号強度分布モデル及び白質組織と灰白質組織の存在確率がモデル化された存在確率モデルを少なくとも用い,前記MRI画像を白質組織及び灰白質組織に3次元的に組織分離することで,白質組織に属する確からしさを示す白質組織の度合,および,灰白質組織に属する確からしさを示す灰白質組織の度合を前記MRI画像に含まれるボクセル毎に求め,CNRの測定に利用する統計値を算出する関心領域として,前記白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を白質領域として設定し,前記灰白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を灰白質領域として設定し,更に,前記MRI画像の隅近傍の定められたサイズの領域を,患者の脳が撮影されていない空中領域として設定する関心領域設定手段と,前記関心領域設定手段が設定した前記白質領域及び前記灰白質領域に含まれるボクセルが持つ信号強度から,前記MRI画像の3次元座標軸の一軸方向から得られるスライス画像毎にCNRを測定するための統計値を算出する統計値算出手段と,前記統計値算出手段が算出した統計値を利用して,前記スライス画像毎に前記MRI画像のCNRを測定するCNR測定手段を備えていることを特徴とするCNR測定装置である。
第1の発明の様に,白質組織及び灰白質組織のクラスタモデルを用い,前記MRI画像を白質組織及び灰白質組織に組織分離して得られる度合いは,前記MRI画像が各脳組織に属する確からしさを示す数値であるため,前記白質組織に属する度合いが閾値以上のボクセルは白質組織であると信頼できるボクセルとして判定でき,また,前記灰白質組織に属する度合いが閾値以上のボクセルは灰白質組織であると信頼できるボクセルであると判定できるため,白質組織及び灰白質組織の関心領域を自動で設定できるようになり,人手を介すことなくCNRを測定することができるようになる。
また,の発明によれば,前記MRI画像の隅近傍には患者の脳が撮影されないため,CNRの測定に必要で,患者の脳が撮影されていない空中領域を自動で設定し,前記MRI画像のCNRを測定できるようになる。
患者の診断には前記MRI画像から得られるスライス画像が利用されるため,第の発明のように,前記MRI画像の軸方向のスライス画像毎にCNRを測定することが好適である。
更に,第の発明は,前記CNR測定装置の前記関心領域設定手段には,脳組織の特徴を示したクラスタモデルとして,信号強度の分布を正規分布としてモデル化した信号強度分布モデルと,前記MRI画像の3次元空間における脳組織の存在確率をモデル化した存在確率モデルが事前に設定され,前記関心領域設定手段は,定められた数式を用い,前記信号強度分布モデル及び前記存在確率モデルが共に成立する組織分布モデルを求め,前記MRI画像に含まれるボクセル毎に,ボクセルが白質組織及び灰白質組織に属する度合いを算出することを特徴とする,第2の発明に記載しているCNR測定装置である。
の発明のように,前記MRI画像を白質組織及び灰白質組織に組織分離する処理は,脳組織の特徴を示したクラスタモデルとして,信号強度の分布を正規分布としてモデル化した信号強度分布モデルと,前記MRI画像の3次元空間における脳組織の存在確率をモデル化した存在確率モデルを用意しておき,前記信号強度分布モデル及び前記存在確率モデルが共に成立する組織分布モデルを求めればよい。
更に,第の発明は,前記CNR測定装置の前記関心領域設定手段は,正規脳画像が事前に設定され,前記MRI画像から抽出した脳画像の空間位置及びサイズを前記正規脳画像の空間位置及びサイズに正規化変換する処理を実行し,正規化後の前記MRI画像を前記白質領域及び前記灰白質領域に設定する処理を実行した後,正規化後の前記MRI画像における前記白質領域及び前記灰白質領域を逆正規化変換することで,正規化する前の前記MRI画像における前記白質領域及び前記灰白質領域を求めることを特徴とする,第の発明に記載しているCNR測定装置である。
の発明のように,前記MRI画像の3次元空間における脳組織の存在確率をモデル化した前記存在確率モデルを利用する場合,第6の発明のように,前記MRI画像の3次元空間における脳組織の存在確率は,大勢の人の脳画像を利用して設定される前記正規化脳画像に基づき決定されるため,前記MRI画像における前記白質領域及び前記灰白質領域を求める前に,前記MRI画像を前記正規化脳画像に正規化変換し,その後に逆正規化変換することが必要になる。
更に,第の発明は,脳を撮影した脳画像を含み,NMRの信号強度を持つボクセルで構成されるMRI画像の品質評価に利用されるCNRを測定するCNR測定方法であって,CNRを測定させる装置に,事前に得られている白質組織及び灰白質組織のクラスタモデルとして,白質組織と灰白質組織の信号強度の分布がモデル化された信号強度分布モデル及び白質組織と灰白質組織の存在確率がモデル化された存在確率モデルを少なくとも用い,前記MRI画像を白質組織及び灰白質組織に3次元的に組織分離することで白質組織に属する確からしさを示す白質組織の度合,および,灰白質組織に属する確からしさを示す灰白質組織の度合を前記MRI画像に含まれるボクセル毎に求める処理を実行させるステップa,前記装置に,CNRの測定に利用する統計値を算出する関心領域として,前記白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を白質領域として設定し,前記灰白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を灰白質領域として設定し,更に,前記MRI画像の隅近傍の定められたサイズの領域を,患者の脳が撮影されていない空中領域として設定する処理を実行させるステップb,前記装置に,前記白質領域,前記灰白質領域及び前記空中領域に含まれるボクセルが持つ信号強度から,前記MRI画像の3次元座標軸の一軸方向から得られるスライス画像毎にCNRを測定するための統計値を算出する処理を実行させるステップc,前記装置に,算出した統計値を用い,前記スライス画像毎にCNRを測定する処理を実行させるステップd,を含むことを特徴とするCNR測定方法である。
更に,第の発明は,事前に得られている白質組織及び灰白質組織のクラスタモデルとして,白質組織と灰白質組織の信号強度の分布がモデル化された信号強度分布モデル及び白質組織と灰白質組織の存在確率がモデル化された存在確率モデルを少なくとも用い,脳を撮影した脳画像を含み,NMRの信号強度を持つボクセルで構成されるMRI画像を白質組織及び灰白質組織に3次元的に組織分離することで,白質組織に属する確からしさを示す白質組織の度合,および,灰白質組織に属する確からしさを示す灰白質組織の度合を前記MRI画像に含まれるボクセル毎に求めるステップa,CNRの測定に利用する統計値を算出する関心領域として,前記白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を白質領域として設定し,前記灰白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を灰白質領域として設定し,更に,前記MRI画像の隅近傍の定められたサイズの領域を,患者の脳が撮影されていない空中領域として設定するステップb,前記白質領域,前記灰白質領域及び前記空中領域に含まれるボクセルが持つ信号強度から,前記MRI画像の3次元座標軸の一軸方向から得られるスライス画像毎にCNRを測定するための統計値を算出するステップc,算出した統計値を用い,前記スライス画像毎にCNRを測定するステップd,をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
上述した第の発明は,本願発明の方法に係わる請求項で,第の発明は,本願発明のコンピュータプログラムに係わる請求項である。
上述した本発明によれば,患者の脳を撮影した脳画像を含むMRI画像の品質評価に利用されるCNRの測定に利用される統計値を算出する関心領域,すなわち,脳の白質組織及び灰白質組織の関心領域を自動で設定することのできるCNR測定装置,方法及びコンピュータプログラムを提供できる。
CNR測定装置が設置されたMRIシステムの構成を説明する図。 MRI撮影装置によって撮影されるMRI画像を説明する図。 スライス画像の濃淡画像の一例を示した図。 CNR測定装置のハードウェア構成を説明する図。 CNR測定装置の機能ブロック図。 CNR測定装置の画像処理部が実行する手順を説明するフロー図。 信号強度分布モデルを説明する図。 存在確率モデルを説明する図。 設定される灰白質領域及び白質領域を説明する図。 CNR測定装置が出力するCNRの測定結果の一例を示した図。
ここから,本願発明の実施形態について,本願発明の技術分野に係わる当業者が,本願発明の内容を理解し,本願発明を実施できる程度に説明する。
図1は,本実施形態に係わるCNR測定装置2が設置されたMRIシステム1の構成を説明する図である。図1で図示したMRIシステム1には,超伝導電磁石などを利用して強磁場を発生し,患者内部の3次元画像であるMRI画像3を撮影するMRI撮影装置1aと,MRI撮影装置1aから得られる3次元のMRI画像3を測定対象とし,CNR測定法のCNRを測定する装置であるCNR測定装置2が設置されている。
図2は,MRI撮影装置1aによって撮影されるMRI画像3を説明する図である。MRI撮影装置1aは,所定サイズの空間を持ったボクセル31(voxel)単位で,ボクセル31内の成分に依存するNMR(核磁気共鳴)に係わる信号強度を3次元で測定し,NMR(核磁気共鳴)に係わる信号強度を持つボクセル31を最小単位とする3次元のMRI画像3を出力する。なお,患者の脳を撮影した場合,患者の脳が撮影された脳画像がMRI画像3に含まれることになる。
患者の疾病を検査するときに目にすることのある脳の断面写真は,MRI画像3の3次元座標軸(図2では,xyz軸)内のz軸方向から得られるスライス画像30に含まれるボクセル31が持つ信号強度を白黒濃淡で表した2次元の濃淡画像である。
図3は,axial(横断面)にスライスして得られるスライス画像の濃淡画像の一例を示した図である。MRI撮影装置1aでは,T1強調画像とT2強調画像がセットで撮影されるが,CNR測定装置2の測定対象となるMRI画像3は,水分が低信号になるT1強調画像である。
図3で図示したように,TI強調画像であるMRI画像3において,患者の頭部以外の領域である空中の箇所(例えば,図3のD点)及び脳脊髄液の箇所(例えば,図3のC点)は信号強度が低く,濃淡画像では黒色に表示され,脳細胞の一つである白質の箇所(例えば,図3のA点)は信号強度が高く,白黒濃淡画像では白に表示され,脳細胞の一つである灰白質の箇所(例えば,図3のB点)は信号強度が脳脊髄液と白色の中間になり,濃淡画像では灰色に表示される。
図1で図示したCNR測定装置2は,MRI撮影装置で撮影されたMRI画像3のz軸方向のスライス画像30毎に,CNR測定法のCNRを測定する装置で,CNR測定装置2に備えられた機能は,MRI画像3を表示するコンピュータに具備させるとよい。
なお,MRI画像3は3次元の画像であるため,z軸方向のスライス画像30であるaxial(横断面)の他に、x軸方向のスライス画像30であるsagittal(矢状断面)と、y軸方向のスライス画像30であるcoronal(冠状断面)があるが,本願発明は,スライス画像30の軸方向に依存するものではない。
図4は,CNR測定装置2のハードウェア構成を説明する図で,図5は,CNR測定装置2の機能ブロック図である。
CNR測定装置2は,汎用のコンピュータ装置で実現でき,図4に図示しているように,CNR測定装置2には,CPU2a(CPU: Central Processing Unit)と、BIOSが実装されるROM2b(ROM: Read-Only Memory)と、コンピュータのメインメモリであるRAM2c(RAM: Random Access Memory)と、外部記憶装置として大容量のデータ記憶装置であるハードディスク2dと,外部デバイスとデータ通信するための入出力インターフェース2eと、ネットワーク通信するためのネットワークインターフェース2fと、表示デバイス2g(例えば,液晶ディスプレイ)と,文字入力デバイス2h(例えば,キーボード)と,ポインティングデバイス2i(例えば,マウス)などが備えられている。
図5に図示したように,CNR測定装置2は,図4で図示したハードウェアを利用したコンピュータプログラムによって実現される機能として,MRI画像3の入出力インターフェースであるインターフェース部21,MRI画像3を処理する画像処理部20,画像処理部20が利用する各種テンプレートが記憶されるデータベース部22を備え,該コンピュータプログラムはハードディスク2dに記憶されている。
CNR測定装置2のインターフェース部21には,画像処理の対象となるMRI画像3が入力される画像入力手段210と,CNRの測定結果を出力する測定結果出力手段211が含まれる。
インターフェース部21の画像入力手段210の具体的な内容は,MRI画像3の入力形態に依存し,MRI画像3がDVD(Digital Versatile Disk)などのメディアを介してCNR測定装置2に入力される場合,インターフェース部21の画像入力手段210は,入出力インターフェース2eに接続されたメディア読み取り装置を利用した手段になり,MRI画像3がネットワークを介してCNR測定装置2に入力される場合,インターフェース部21の画像入力手段210は,ネットワークインターフェース2fを利用した手段になる。
更に,CNR測定装置2のインターフェース部21の測定結果出力手段211の具体的な内容は,MRI画像3を処理する画像処理部20から得られるCNRの測定結果の出力形態に依存する。CNRの測定結果は表示デバイス2gやハードディスク2dに出力されることが一般的であるため,インターフェース部21のCNRの測定結果出力手段211は,液晶ディスプレイなどの表示デバイス2gにCNRの測定結果を表示する手段や,CNRの測定結果をハードディスク2dに保存する手段で実現される。
CNR測定装置2の画像処理部20には,CNR測定法で利用される統計値の算出対象となる関心領域(ROI: Region of Interest)として,白質組織に属すると信頼性高く判定できるボクセル31の集合を白質領域として設定し,更に,灰白質組織に属すると信頼性高く判定できるボクセル31の集合を灰白質領域として設定する関心領域設定手段200と,関心領域設定手段200が設定した領域に含まれるボクセル31が持つ信号強度から,CNR測定法で利用される統計値を算出する統計処理手段201と,統計処理手段201が算出した統計値からCNR測定法のCNRを測定するCNR測定手段202が含まれ,データベース部には,関心領域設定手段200が利用するテンプレート22として,正規化脳画像テンプレート220,白質テンプレート221,灰白質テンプレート222及び脳脊髄液テンプレート223が記憶されている。
本実施形態において,CNR測定装置2の画像処理部20のCNR測定手段202は,非特許文献1に記載されている(1)から(4)の4つの測定法に従いCNRを測定する。
(1)組織間測定法(空中雑音)"Inter-tissues method<air>"
組織間測定法(空中雑音)では,数式1が用いられてCNRが測定される。
(2)組織間測定法(組織雑音)"Inter-tissues method<tissue noise>"
組織間測定法(組織雑音)では,数式2が用いられてCNRが測定される。
(3)組織間測定法(空中信号)"Inter-tissues method<air signal >"
組織間測定法(空中信号)では,数式3が用いられてCNRが測定される。
(4)全体測定法“Whole-tissues method”
全体測定法では,数式4が用いられてCNRが測定される。
CNR測定装置2に備えられた画像処理部20の関心領域設定手段200は,数式1から数式4に従いCNRを測定するために,事前に得られている白質組織及び灰白質組織のクラスタモデルを少なくとも用い,MRI画像3に含まれるボクセル31を白質組織及び灰白質組織に組織分離し,CNR測定法で利用される統計値(例えば,数式1のSIa)を算出する関心領域として,データベース部22に記憶されているテンプレートを用い,白質領域,灰白質領域を設定し,更に,空中領域をも自動的に設定する。
詳しくは後述するが,CNR測定装置2に備えられた画像処理部20の関心領域設定手段200は,CNRの測定対象となるMRI画像3に含まれる脳画像を正規化変換した後,事前に得られている白質組織及び灰白質組織のクラスタモデルを少なくとも用い,白質領域及び灰白質領域を設定する。
また,CNR測定装置2に備えられた画像処理部20の関心領域設定手段200は,患者の頭部が絶対に撮影されていないと信頼できる領域として,データベース部に記憶されたテンプレートを用いず,MRI画像3の4隅の所定のサイズの領域を空中領域として設定する。
CNR測定装置2に備えられた画像処理部20の関心領域設定手段200が,MRI画像3に含まれる脳画像を正規化変換するときに利用するテンプレートは正規化脳画像テンプレート220で,正規化脳画像テンプレート220には,正規化脳画像に係わるデータが記憶される。
CNR測定装置2に備えられた画像処理部20の関心領域設定手段200が組織分離処理するときに利用するクラスタモデルとは,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液の特徴を示したモデルで,本実施形態において,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液の特徴を示したモデルとして,脳組織の信号強度の特徴を示し,信号強度の分布をモデル化した信号強度分布モデルと,脳組織の空間位置の特徴を示し,MRI画像の3次元空間における脳組織の存在確率をモデル化した存在確率モデルが利用され,白質テンプレート221には白質の信号強度分布モデル及び存在確率モデルに係わるデータが,灰白質テンプレート222には灰白質の信号強度分布モデル及び存在確率モデルに係わるデータが,脳脊髄液テンプレート223には脳脊髄液の信号強度分布モデル及び存在確率モデルに係わるデータがそれぞれ含まれている。
CNR測定装置2の画像処理部の統計処理手段201は,関心領域設定手段200が設定した関心領域内(例えば,白質領域)に含まれる信号強度の統計処理を行い,CNR測定法で利用されるすべての統計値(例えば,数式1のSIa)を算出し,CNR測定装置2のCNR測定手段202は,統計処理手段が算出した統計値を用いてCNRを測定し,CNR測定装置2の測定結果出力手段211は,CNR測定手段202が測定したCNRの測定結果を液晶ディスプレイなどの表示デバイス2gに出力する。
図6は,CNR測定装置2の画像処理部20が実行する手順を説明するフロー図で,図6で図示したように,CNR測定装置2の画像処理部20は,測定対象となるMRI画像3から得られるスライス画像30毎に,撮像方向や解像度がCNR測定装置2に設定されている条件に適合しているか否かをチェックした後,CNR測定法で利用される統計値を算出する関心領域を設定する関心領域設定処理S1と,関心領域設定処理S1で設定した関心領域に含まれる信号強度からCNR測定法で利用される統計値を算出する統計処理とS2,統計処理で算出した統計値からCNR測定法のCNRを測定するCNR測定処理とS3,CNRの測定結果を出力する測定結果出力処理S4を順に実行する。
ここから,図6で図示した各処理について説明する。MRI画像3が、CNR測定装置2の設定条件に適合して入力されていることが確認された場合、CNR測定装置2の画像処理部20は,関心領域設定手段200を作動させ,関心領域設定手段200に関心領域設定処理S1を実行させる。
関心領域設定手段200は,関心領域設定処理S1を開始すると,まず,アフィン変換を用いて,測定対象となるMRI画像3に含まれる脳画像のサイズや空間位置を正規脳画像に正規化変換する正規化変換処理S10を実行する。
なお,正規化変換処理S10に利用されるテンプレートは正規化脳画像テンプレート220で,測定対象となるMRI画像3は3次元画像であり,空間的なねじれも存在するため,正規化変換は3次元で処理される。
正規化脳画像テンプレート220には,測定対象となるMRI画像3に含まれる脳画像の正規化に係わるデータとして,多くの人から得られた脳画像の平均画像である正規化脳画像の空間位置やサイズが含まれている。
CNR測定装置2の画像処理部の関心領域設定手段200は,測定対象となるMRI画像3に含まれる脳画像と正規化脳画像の空間位置の差及びMRI画像3に含まれる脳画像と正規化脳画像のサイズの差の平方和が最小となるように、移動,回転,拡大・縮小,シアーそれぞれの座標変換行列を推定し,該座標変換行列を組み合わせてMRI画像3から抽出した脳画像をアフィン変換することで,測定対象となるMRI画像3に含まれる脳画像を正規化脳画像に正規化変換する。
なお,図3で図示したように,T1強調画像のMRI画像3から得られるスライス画像30の濃淡画像において信号強度が低い箇所(黒色の箇所)は,患者の頭部以外の領域である空中と脳脊髄液になり,空中は患者の頭部の外側に存在し,脳脊髄液は脳の中心に存在するため,MRI画像3の外側から信号強度の変化を検出していけば,患者の脳画像をMRI画像3から抽出することができる。
また,正規化変換に利用したアフィン変換の座標変換行列は,逆正規化変換で利用されるため,関心領域設定手段200は,正規化変換に利用したアフィン変換の座標変換行列をRAM2cなどに一時的に記憶する。
次に,関心領域設定手段200は,正規化変換した後のMRI画像3に含まれるボクセル31をクラスタリングし,MRI画像3に含まれるボクセル31を白質組織及び灰白質組織それぞれに組織分離する組織分離処理S11を実行する。
組織分離処理S11に利用されるテンプレートは,上述したように,脳組織の信号強度の分布がモデル化された信号強度分布モデル及び脳組織の存在確率がモデル化された存在確率モデルが含まれる白質テンプレート221,灰白質テンプレート222及び脳脊髄液テンプレート223である。
なお,これらのテンプレートに含まれる存在確率モデルは,MRI画像3の3次元空間位置において,テンプレートに対応する脳組織が存在する存在確率をモデル化したものであるため,組織分離処理は3次元で処理される。
図7は,信号強度分布モデルを説明する図である。図7(a)は,患者の脳が撮影された脳画像に含まれるすべてのボクセル31が持つ信号強度のヒストグラムを説明する図で,上述したように,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液それぞれで信号強度は異なるため,図7(a)で図示したように,該ヒストグラムには,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液それぞれの信号強度に対応する3つのピークが現れる。
信号強度分布モデルは,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液それぞれの信号強度が含まれるヒストグラム(図7(a))を参照し,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液それぞれの信号強度の分布を正規分布としてモデル化したもので,図7(b)は脳脊髄液の信号強度分布モデル,図7(c)は灰白質組織の信号強度分布モデル,そして,図7(d)は白質組織の信号強度分布モデルを図示している。
図7(b)から図7(d)で図示したように,脳脊髄液,灰白質組織及び白質組織の信号分布モデルはそれぞれ正規分布であるが,それぞれでピークの信号強度は異なり,ピークの信号強度が低い順に並べると,脳脊髄液,灰白質組織,白質組織の信号強度分布モデルの順になる。
図8は,存在確率モデルを説明する図で,存在確率モデルは,MRI画像3に含まれるボクセル31毎に,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液それぞれが存在する存在確率をモデル化したものである。
MRI画像3の3次元空間における白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液の分布は、個人差はあるものの傾向がおおよそ似通っているため、多くの人の脳の画像を集めて集計することで、MRI画像3に含まれるボクセル31毎に,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液が存在する確率である存在確率を事前に計算しておくことができる。
例えば、図8で図示したように,x=512,y=512,z=512のボクセル31の集合でMRI画像3が構成され,3次元座標(x,y,z)=(250,250,250)にあるボクセル31の存在確率(白質組織、灰白質組織、脳脊髄液)は,存在確率(10%,20%,70%)であるという具合に設定される。即ち、存在確率モデルは,個人差による空間的な分布の違いを確率で表現したモデルと言える。
CNR測定装置2の画像処理部の関心領域設定手段200は,正規化後のMRI画像3に含まれる各ボクセル31をクラスタリングするとき,信号強度分布モデル及び存在確率モデルが共に両立するような最適な脳組織分布モデルを推定する処理を実行する。具体的には数式5の値が最大となるような脳組織分布モデルを求めることで,正規化後のMRI画像3に含まれるボクセル31を組織分離する。
なお,数式5の値が最大となるような脳組織の分布モデルを求めることで,正規化後のMRI画像3に含まれるボクセル31毎に,ボクセル31が各脳組織に属する度合いが求められ,この度合いは「0」から「1」の範囲で,度合いが「1」に近づくほど,ボクセル31がその脳組織(例えば,白質組織)に属する度合いが高い。
なお、上記の2つのモデルに加えて、MRI特有の不均一性雑音モデルも導入した、組織抽出方法の詳細が、Ashburner J,Friston KJ:Voxel-Based Morphometry…The Methods.Neu測定領域mage 11(6Ptl):pp.805-821,2000に説明されている。
このようにして,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液それぞれの存在確率モデルと,白質組織,灰白質組織及び脳脊髄液それぞれの信号分値布モデルを用い、正規化後のMRI画像3に含まれる各ボクセル31をクラスタリングし,正規化後のMRI画像3に含まれるボクセル31を組織分離すると,関心領域設定手段200は,正規化後のMRI画像3に含まれるボクセル31毎に求められた度合いを利用し,CNR測定法で利用される統計値を算出する関心領域として,正規化後のMRI画像3における白質領域及び灰白質領域を自動で設定する領域設定処理S12を実行する。
なお,正規化後のMRI画像3において,白質領域及び灰白質領域を自動で設定する領域設定処理S12は,正規化変換後のMRI画像3に含まれるボクセル31単位で実行される。
具体的に,CNR測定装置2の画像処理部20の関心領域設定手段200は,正規化後のMRI画像3に含まれるボクセル31において,灰白質組織の度合いが閾値以上(例えば,0.95以上)のボクセル31を,灰白質組織であると信頼できるボクセル31として抽出し,該ボクセル31の集合を灰白質領域として自動で設定する。
同様に,関心領域設定手段200は,正規化後のMRI画像3に含まれるボクセル31において,白質組織の度合いが閾値以上(例えば,0.95以上)のボクセル31を,白質組織であると信頼できるボクセル31として抽出し,該ボクセル31の集合を白質領域として設定する。
図9は,設定される灰白質領域及び白質領域を説明する図で,図9(a)は,灰白質組織の度合いを白黒濃淡で表した画像で,図9(b)は,図9(b)から得られる灰白質領域を白で表した画像である。また,図9(c)は,白質組織の度合いを白黒濃淡で表した画像で,図9(d)は,図9(c)から得られる白質領域を白で表した画像である。
図9を参照すればわかるように,組織分離処理S11で求められる灰白質組織の割合を白黒濃淡で表した画像において,白色にほぼ近い領域が灰白質領域として設定される。また,同様に,組織分離処理S11で求められる白質組織の度合いを白黒濃淡で表した画像において,白色にほぼ近い領域が白質領域として設定される。
このようにして,正規化後のMRI画像3において灰白質領域及び白質領域を設定すると,正規化変換に利用したアフィン変換の座標変換行列の逆行列を求め,正規化後のMRI画像3における灰白質領域及び白質領域を逆正規化変換処理S13し,測定対象となるMRI画像3における白質領域及び灰白質領域を求める。
測定対象となるMRI画像3における白質領域及び灰白質領域を求めると,CNR測定装置2は統計処理手段201を作動させ,関心領域設定手段200が設定した白質領域及び灰白質領域に含まれるボクセル31の信号強度の平均値や標準偏差など,数式1から数式4で示したCNRの測定に利用される統計値を,測定対象となるMRI画像3から得られるスライス画像30毎に算出する統計処理S2を実行する。
CNR測定装置2の統計処理手段201が,CNR測定法で利用される統計値をすべて算出すると,CNR測定装置2はCNR測定手段202を作動させ,統計処理手段201が算出した統計値を利用して,数式1から数式4で示している数式に従い,測定対象のMRI画像3から得られるスライス画像30毎に,CNR測定法のCNRを測定するCNR測定処理S3を実行する。
CNR測定装置2はCNR測定処理S3を実行すると,CNR測定装置2は測定結果出力手段211を作動させ,CNRの測定結果を出力する測定結果出力処理S4を実行する。
図10は,CNR測定装置2が出力するCNRの測定結果の一例を示した図で,CNR測定装置2が出力するCNRの測定結果は,表計算ソフトウェアで扱い易い形式(例えば,CSV形式,TSV形式,XLS形式など)で出力される。
1 MRIシステム
1a MRI撮影装置
2 CNR測定装置
20 画像処理部
200 関心領域設定手段
201 統計処理手段
202 CNR測定手段
21 インターフェース部
210 画像入力手段
211 測定結果出力手段
22 データベース部
220 正規化脳画像テンプレート
221 白質テンプレート
222 灰白質テンプレート
223 脳脊髄液テンプレート
3 MRI画像
30 スライス画像
31 ボクセル

Claims (5)

  1. 脳を撮影した脳画像を含み,NMRの信号強度を持つボクセルで構成されるMRI画像の品質評価に利用されるCNRを測定するCNR測定装置であって,事前に得られている白質組織及び灰白質組織のクラスタモデルとして,白質組織と灰白質組織の信号強度の分布がモデル化された信号強度分布モデル及び白質組織と灰白質組織の存在確率がモデル化された存在確率モデルを少なくとも用い,前記MRI画像を白質組織及び灰白質組織に3次元的に組織分離することで,白質組織に属する確からしさを示す白質組織の度合,および,灰白質組織に属する確からしさを示す灰白質組織の度合を前記MRI画像に含まれるボクセル毎に求め,CNRの測定に利用する統計値を算出する関心領域として,前記白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を白質領域として設定し,前記灰白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を灰白質領域として設定し,更に,前記MRI画像の隅近傍の定められたサイズの領域を,患者の脳が撮影されていない空中領域として設定する関心領域設定手段と,前記関心領域設定手段が設定した前記白質領域及び前記灰白質領域に含まれるボクセルが持つ信号強度から,前記MRI画像の3次元座標軸の一軸方向から得られるスライス画像毎にCNRを測定するための統計値を算出する統計値算出手段と,前記統計値算出手段が算出した統計値を利用して,前記スライス画像毎に前記MRI画像のCNRを測定するCNR測定手段を備えていることを特徴とするCNR測定装置。
  2. 前記CNR測定装置の前記関心領域設定手段には,脳組織の特徴を示したクラスタモデルとして,信号強度の分布を正規分布としてモデル化した信号強度分布モデルと,前記MRI画像の3次元空間における脳組織の存在確率をモデル化した存在確率モデルが事前に設定され,前記関心領域設定手段は,定められた数式を用い,前記信号強度分布モデル及び前記存在確率モデルが共に成立する組織分布モデルを求め,前記MRI画像に含まれるボクセル毎に,ボクセルが白質組織及び灰白質組織に属する度合いを算出することを特徴とする,請求項1に記載しているCNR測定装置。
  3. 前記CNR測定装置の前記関心領域設定手段は,正規脳画像が事前に設定され,前記MRI画像から抽出した脳画像の空間位置及びサイズを前記正規脳画像の空間位置及びサイズに正規化変換する処理を実行し,正規化後の前記MRI画像を前記白質領域及び前記灰白質領域に設定する処理を実行した後,正規化後の前記MRI画像における前記白質領域及び前記灰白質領域を逆正規化変換することで,正規化する前の前記MRI画像における前記白質領域及び前記灰白質領域を求めることを特徴とする,請求項2に記載しているCNR測定装置。
  4. 脳を撮影した脳画像を含み,NMRの信号強度を持つボクセルで構成されるMRI画像の品質評価に利用されるCNRを測定するCNR測定方法であって,CNRを測定させる装置に,事前に得られている白質組織及び灰白質組織のクラスタモデルとして,白質組織と灰白質組織の信号強度の分布がモデル化された信号強度分布モデル及び白質組織と灰白質組織の存在確率がモデル化された存在確率モデルを少なくとも用い,前記MRI画像を白質組織及び灰白質組織に3次元的に組織分離することで白質組織に属する確からしさを示す白質組織の度合,および,灰白質組織に属する確からしさを示す灰白質組織の度合を前記MRI画像に含まれるボクセル毎に求める処理を実行させるステップa,前記装置に,CNRの測定に利用する統計値を算出する関心領域として,前記白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を白質領域として設定し,前記灰白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を灰白質領域として設定し,更に,前記MRI画像の隅近傍の定められたサイズの領域を,患者の脳が撮影されていない空中領域として設定する処理を実行させるステップb,前記装置に,前記白質領域,前記灰白質領域及び前記空中領域に含まれるボクセルが持つ信号強度から,前記MRI画像の3次元座標軸の一軸方向から得られるスライス画像毎にCNRを測定するための統計値を算出する処理を実行させるステップc,前記装置に,算出した統計値を用い,前記スライス画像毎にCNRを測定する処理を実行させるステップd,を含むことを特徴とするCNR測定方法。
  5. 事前に得られている白質組織及び灰白質組織のクラスタモデルとして,白質組織と灰白質組織の信号強度の分布がモデル化された信号強度分布モデル及び白質組織と灰白質組織の存在確率がモデル化された存在確率モデルを少なくとも用い,脳を撮影した脳画像を含み,NMRの信号強度を持つボクセルで構成されるMRI画像を白質組織及び灰白質組織に3次元的に組織分離することで,白質組織に属する確からしさを示す白質組織の度合,および,灰白質組織に属する確からしさを示す灰白質組織の度合を前記MRI画像に含まれるボクセル毎に求めるステップa,CNRの測定に利用する統計値を算出する関心領域として,前記白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を白質領域として設定し,前記灰白質組織に属する度合いが事前に定めた閾値以上のボクセルの集合を灰白質領域として設定し,更に,前記MRI画像の隅近傍の定められたサイズの領域を,患者の脳が撮影されていない空中領域として設定するステップb,前記白質領域,前記灰白質領域及び前記空中領域に含まれるボクセルが持つ信号強度から,前記MRI画像の3次元座標軸の一軸方向から得られるスライス画像毎にCNRを測定するための統計値を算出するステップc,算出した統計値を用い,前記スライス画像毎にCNRを測定するステップd,をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
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