以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
簡易化のためキャリア周波数2GHzと800MHzの2キャリアによるマルチキャリア化を例にして構成を示す。なお、使用するキャリア周波数については、無線伝播路特性が異なるならば、特に上記の周波数である必要はない。
まず、本発明の原理について説明する。図2に示すように、使用帯域幅(BW)が5MHzにてキャリア周波数が2GHzおよび800MHzのマルチキャリア化を行った場合、基地局、移動局のアンテナ高および伝播距離が同じとすると、(1)式により、両者の伝播損失の差は約10.4[dB]となる。
このため、キャリア周波数が2GHzに対してキャリア周波数800MHzのキャリアを使用することにより高い通信品質を得ることが可能となる。
また、図2に示すように、使用帯域幅(BW)が5MHzにてキャリア周波数が2GHzおよび800MHzのマルチキャリア化を行った場合、両者の最大ドップラー周波数の比は、約40%となる。
このため、キャリア周波数2GHzに対して、キャリア周波数800MHzのキャリアを使用することにより高い通信品質を得ることが可能となる。
本発明は、上記のような無線伝搬路特性が異なることに着目したものである。
図3に本発明の一実施形態のセル構成を示す。同図中、キャリア周波数800MHzの基地局1が形成するセル3を破線で示し、キャリア周波数2GHzの基地局2が形成するセル4を実線で示している。
ここでは、前述のとおりキャリア周波数が高くなるにつれて伝播損失が大きくなることから、図示のように、キャリア周波数2GHzのセル半径が小さく、キャリア周波数800MHzのセル半径が大きいセル構成を採用している。
<第1実施形態>
図4は本発明の第1実施形態のブロック構成図、図5は本発明の第1実施形態の動作シーケンスを示す。図4において、基地局10では、報知情報送信部11は報知情報および共通制御情報を出力する。データ送信部12は制御データおよびユーザデータを出力する。周波数変換部13は供給される報知情報および共通制御情報、または、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数2GHzに変換する。
周波数変換部14は、供給される報知情報および共通制御情報、または、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数800MHzに変換する。混合部15は上記キャリア周波数2GHzと800MHzの送信信号を混合してアンテナより送信する。
受信部16はアンテナで受信した信号を復調して移動局20が送信した受信電界強度の比較結果を抽出する。使用周波数制御部17は抽出した受信電界強度の比較結果に基づいてスイッチ18を制御し、データ送信部12からの制御データ及びユーザデータを周波数変換部13,14のいずれか一方に供給する。
移動局20では、周波数変換部21はアンテナで受信した信号をキャリア周波数2GHzと800MHzの成分に分離して、キャリア周波数2GHzの成分を受信電界強度変換部22に供給し、キャリア周波数800MHzの成分を受信電界強度変換部23に供給する。受診電界強度測定部22,23は、それぞれのキャリア周波数における受信品質相当値としての受信電界強度の測定を行う。
比較情報生成部24は、受信電界強度の比較を行って比較結果を送信部25に供給すると共に、比較結果に基づいてスイッチ26を制御する。送信部25は受信電界強度の比較結果を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングし、アンテナより基地局10に送信する。
スイッチ26は周波数変換部21の出力するキャリア周波数2GHzと800MHzの成分のいずれか一方を受信部27に供給する。受信部27は供給される信号の復調を行う。
図5において、基地局10からの報知情報および共通制御情報は、キャリア周波数2GHz、800MHz双方で送信される(ステップS10)。
移動局20においては、周波数変換部21で受信信号を2つのキャリア周波数成分に分離する(ステップS11)。受診電界強度測定部22,23では、キャリア周波数2GHz、800MHzそれぞれにおける受信電界強度の測定を行う(ステップS12,S13)。
比較情報生成部24は、受信電界強度の比較を行い(ステップS14)、送信部25は、受信電界強度の比較結果を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングしてキャリア周波数2GHzで基地局10に送信する(ステップS15)。なお、移動局10から受信電界強度の比較結果を送信するキャリア周波数は2GHzまたは800MHzもしくは双方の周波数でも良い。
基地局10では、受信部16において、移動局20から送信された受信電界強度の比較結果を抽出し、使用周波数制御部17は、受信電界強度の比較結果を使用して、報知情報および共通制御情報以外のデータ(制御データおよびユーザデータ)を送信する周波数を決定する(ステップS16)。
決定手法は、受信電界強度の高い周波数を選択することにより実現される。ここで、選択に使用する受信電界強度は、瞬時データ、一定期間の平均値および移動平均値等が使用可能である。
これにより、報知情報および共通制御情報以外のデータは、受信品質が高いキャリア周波数2GHzと800MHzのいずれか一方から送信される(ステップS17,S18)。
移動局20では、比較結果に基づいてスイッチ26を制御しており、受信品質が高いキャリア周波数2GHzと800MHzのいずれか一方が受信部27で復調される(ステップS19,S20)。
これにより、移動局20において受信電界強度が大きい周波数、つまり受信品質の高い周波数にて通信が可能となる。例えば、図3に示すセル構成においては、位置#1の移動局は、キャリア周波数800MHzの基地局1から遠く、キャリア周波数2GHzの基地局2に近いため、キャリア周波数2GHzの受信電界強度がキャリア周波数800MHzの受信電界強度より大きくなり、キャリア周波数2GHzで制御データおよびユーザデータの通信に使用される。
また、位置#2における移動局では、キャリア周波数800MHzの基地局1に近く、キャリア周波数2GHzの基地局2から遠いため、キャリア周波数800MHzの受信電界強度が大きくなり、キャリア周波数800MHzで制御データおよびユーザデータの通信が行われる。
<第2実施形態>
図6は本発明の第2実施形態のブロック構成図、図7は本発明の第2実施形態の動作シーケンスを示す。図6中、図4と同一部分には同一符号を付す。
図6において、基地局10では、報知情報送信部11は報知情報および共通制御情報を出力する。データ送信部12は制御データ及びユーザデータを出力する。周波数変換部13は供給される報知情報および共通制御情報、または、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数2GHzに変換する。
周波数変換部14は、供給される報知情報および共通制御情報、または、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数800MHzに変換する。混合部15は上記キャリア周波数2GHzと800MHzの送信信号を混合してアンテナより送信する。
受信部16はアンテナで受信した信号を復調して移動局20が送信した位置情報を抽出する。使用周波数制御部29は抽出した位置情報と、基地局が有しているセル構成情報に基づいてスイッチ18を制御し、データ送信部12からの制御データおよびユーザデータを周波数変換部13,14のいずれか一方に供給する。
移動局20では、位置情報検出部31にて現在の位置情報の検出を行う。本構成では、GPS(Global Positioning System)30を使用して移動局20の位置情報の検出を行っている。検出された位置情報は送信部25に供給され、送信部25は位置情報を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングして基地局10に送信する。
周波数変換部21はアンテナで受信した信号をキャリア周波数2GHzと800MHzの成分に分離して使用周波数制御部32に供給する。使用周波数制御部32は、キャリア周波数2GHzの成分とキャリア周波数800MHzの成分のいずれかで伝搬損失の比較結果を受信し、この伝搬損失の比較結果に基づいてスイッチ26を制御する。スイッチ26は周波数変換部21の出力するキャリア周波数2GHzと800MHzの成分のうち、制御データおよびユーザデータを送信しているキャリア周波数成分を受信部27に供給する。受信部27は供給される信号の復調を行う。
図7において、基地局10からの報知情報および共通制御情報は、キャリア周波数2GHz、800MHz双方で送信される(ステップS30)。
移動局20では、基地局10からの報知情報および共通制御情報を受信すると共に(ステップS31)、位置情報検出部31にてGPS情報を受信し(ステップS32)、現在の位置情報の検出を行う(ステップS33)。検出された位置情報は送信部25に供給され、送信部25は位置情報を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングして、基地局10に送信する(ステップS34)。なお、移動局10から位置情報を送信するキャリア周波数は2GHzまたは800MHzもしくは双方の周波数でも良い。
基地局10では、受信部16で移動局20から送信された位置情報を抽出して使用周波数制御部29に供給する。使用周波数制御部29は受信した移動局20の位置情報および基地局の位置情報(セル構成情報)を使用して、キャリア周波数2GHz、800MHz双方の伝搬損失を計算し(ステップS35,S36)、報知情報および共通制御情報以外のデータ(制御データおよびユーザデータ)を送信する周波数を決定する(ステップS37)。
決定手法は、移動局20の位置情報および基地局の位置情報を基に(1)式から得られる伝播損失が小さいほうの周波数を選択する。ここで、選択に使用する伝播損失は、瞬時データ、一定期間の平均値および移動平均値等が使用可能である。
これにより、伝搬損失の比較結果から受信品質の高いキャリア周波数2GHzもしくは800MHzからのみ送信され(ステップS38,S39)、制御データおよびユーザデータが受信品質の高いキャリア周波数2GHzもしくは800MHzからのみ送信されることとなる(ステップS40,S41)。
移動局20では、受信した伝搬損失の比較結果に基づいてスイッチ26が制御され(ステップS42)、受信品質が高いキャリア周波数2GHzと800MHzのいずれか一方が受信部27で復調される(ステップS43,S44)。
これにより、移動局において伝播損失が小さい周波数、つまり受信品質の高い周波数にて通信が可能となる。例えば、図3に示すセル構成においては、位置#1の移動局は、キャリア周波数800MHzの基地局1から遠く、キャリア周波数2GHzの基地局2に近いため、キャリア周波数2GHzの伝搬損失がキャリア周波数800MHzのより小さくなり、キャリア周波数2GHzで制御データおよびユーザデータの通信に使用される。
また、位置#2における移動局では、キャリア周波数800MHzの基地局1に近く、キャリア周波数2GHzの基地局2から遠いため、キャリア周波数800MHzの伝搬損失が小さくなり、キャリア周波数800MHzで制御データおよびユーザデータの通信が行われる。
本実施形態では、位置情報を使用して周波数選択を行っている。このため、受信電界強度を指標として周波数選択を行う第1実施形態に対して、平均的に受診電界強度が高い周波数の選択を行うことが可能となる。一方、第1実施形態では、ビル影等の電波が届きにくい場所において、より通信品質が高い周波数の選択が可能である。
<第3実施形態>
図8は本発明の第3実施形態のブロック構成図、図9は本発明の第3実施形態の動作シーケンスを示す。図8中、図6と同一部分には同一符号を付す。
図8において、基地局10では、報知情報送信部11は報知情報および共通制御情報を出力する。データ送信部12は制御データ及びユーザデータを出力する。周波数変換部13は供給される報知情報および共通制御情報、または、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数2GHzに変換する。
周波数変換部14は、供給される報知情報および共通制御情報、または、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数800MHzに変換する。混合部15は上記キャリア周波数2GHzと800MHzの送信信号を混合してアンテナより送信する。
受信部16はアンテナで受信した信号を復調して移動局20が送信した位置情報及び移動速度を抽出する。使用周波数制御部33は抽出した位置情報と、基地局が有しているセル構成情報、及び移動速度に基づいてスイッチ18を制御し、データ送信部12からの制御データ及びユーザデータを周波数変換部13,14のいずれか一方に供給する。
移動局20では、位置情報検出部31にてGPS30を使用し、現在の移動局20の位置情報を検出する。また、移動速度検出部34ではGPS30を使用し、移動局20の移動速度を検出する。
検出された位置情報及び移動速度は送信部25に供給され、送信部25は位置情報を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングして基地局10に送信する。
周波数変換部21はアンテナで受信した信号をキャリア周波数2GHzと800MHzの成分に分離して使用周波数制御部32に供給する。使用周波数制御部32は、キャリア周波数2GHzの成分とキャリア周波数800MHzの成分のいずれかで伝搬損失の比較結果を受信し、この伝搬損失の比較結果に基づいてスイッチ26を制御する。スイッチ26は周波数変換部21の出力するキャリア周波数2GHzと800MHzの成分のうち、制御データおよびユーザデータを送信しているキャリア周波数成分を受信部27に供給する。受信部27は供給される信号の復調を行う。
図9において、基地局10からの報知情報および共通制御情報は、キャリア周波数2GHz、800MHz双方で送信される(ステップS50)。
移動局20では、基地局10からの報知情報および共通制御情報を受信すると共に(ステップS51)、位置情報検出部31にてGPS情報を受信し(ステップS52)、現在の位置情報の検出を行う(ステップS53)。また、移動速度の検出を行う(ステップS54)。検出された位置情報及び移動速度は送信部25に供給され、送信部25は位置情報及び移動速度を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングして、基地局10に送信する(ステップS55)。なお、移動局10から位置情報を送信するキャリア周波数は2GHzまたは800MHzもしくは双方の周波数でも良い。
基地局10では、受信部16で移動局20から送信された位置情報及び移動速度を抽出して使用周波数制御部29に供給する。使用周波数制御部29は受信した移動局20の位置情報および基地局の位置情報(セル構成情報)を使用して、キャリア周波数2GHz、800MHz双方の伝搬損失を計算する(ステップS56,S57)。また、キャリア周波数2GHz、800MHz双方の最大ドップラー周波数を計算する(ステップS58,S59)。
そして、キャリア周波数2GHz、800MHzそれぞれの伝搬損失と最大ドップラー周波数からキャリア周波数2GHz、800MHzそれぞれの受信品質を推定し(ステップS60,S61)、報知情報および共通制御情報以外のデータ(制御データおよびユーザデータ)を送信する周波数を決定する(ステップS62)。
決定手法は、移動局20の位置情報および基地局の位置情報、及び移動速度を基に(1)式から伝播損失を求め、(2)式から最大ドップラー周波数を求め、さらに、伝播損失および基地局から送信される各キャリア周波数の送信電力より移動局の受信電界強度を推定し、この受信電界強度と各キャリアにおける最大ドップラー周波数より、受信品質の推定を行う。この結果、受信品質の高いほうの周波数を選択する。ここで、選択に使用する伝播損失および最大ドップラー周波数は、瞬時データ、一定期間の平均値および移動平均値等が使用可能である。
これにより、受信品質の比較結果が受信品質の高いキャリア周波数2GHzもしくは800MHzからのみ送信され(ステップS63,S64)、制御データおよびユーザデータが受信品質の高いキャリア周波数2GHzもしくは800MHzからのみ送信されることとなる(ステップS40,S41)。
移動局20では、受信した受信品質の比較結果に基づいてスイッチ26が制御され(ステップS67)、受信品質が高いキャリア周波数2GHzと800MHzのいずれか一方が受信部27で復調される(ステップS68,S69)。
本実施形態では、位置情報に加え移動速度を使用して周波数選択を行っている。このため、位置情報のみを指標として周波数選択を行う第2実施形態に対して、指標とする情報量が増えるため、周波数選択よる高品質通信をより最適に行うことが可能となる。
<第4実施形態>
図10は本発明の第4実施形態のブロック構成図、図11は本発明の第4実施形態の動作シーケンスを示す。図10中、図4と同一部分には同一符号を付す。図10において、基地局10では、報知情報送信部11は報知情報および共通制御情報を出力する。データ送信部36は制御データおよびユーザデータを出力する。周波数変換部13は供給される報知情報および共通制御情報と、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数2GHzに変換する。
周波数変換部14は、供給される報知情報および共通制御情報と、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数800MHzに変換する。混合部15は上記キャリア周波数2GHzと800MHzの送信信号を混合してアンテナより送信する。
受信部16はアンテナで受信した信号を復調して移動局20が送信した受信電界強度の比を抽出する。使用周波数制御部37は抽出した受信電界強度の比に基づいて分配比率を決定し、データ送信部36はこの分配比率に従って制御データ及びユーザデータを周波数変換部13,14に分配する。
移動局20では、周波数変換部21はアンテナで受信した信号をキャリア周波数2GHzと800MHzの成分に分離して、キャリア周波数2GHzの成分を受信電界強度変換部22に供給し、キャリア周波数800MHzの成分を受信電界強度変換部23に供給する。受診電界強度測定部22,23は、それぞれのキャリア周波数における受信電界強度の測定を行う。
比情報生成部38は、キャリア周波数2GHzと800MHzの受信電界強度の比を生成して送信部25に供給すると共に、基地局10から受信した分配比率に基づいて受信部39を制御する。送信部25は受信電界強度の比を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングし、アンテナより基地局10に送信する。受信部39は、周波数変換部21の出力するキャリア周波数2GHzと800MHzの成分それぞれを復調し、分配比率に従って合成する。
図11において、基地局10からの報知情報および共通制御情報は、キャリア周波数2GHz、800MHz双方で送信される(ステップS70)。
移動局20においては、周波数変換部21で受信信号を2つのキャリア周波数成分に分離する(ステップS71)。受診電界強度測定部22,23では、キャリア周波数2GHz、800MHzそれぞれにおける受信電界強度の測定を行う(ステップS72,S73)。
比情報生成部38は、受信電界強度の比を算出し(ステップS74)、送信部25は、受信電界強度の比を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングしてキャリア周波数2GHzで基地局10に送信する(ステップS75)。なお、移動局10から受信電界強度の比を送信するキャリア周波数は2GHzまたは800MHzもしくは双方の周波数でも良い。
基地局10では、受信部16において、移動局20から送信された受信電界強度の比を抽出し、使用周波数制御部37は、受信電界強度の比を使用して、報知情報および共通制御情報以外のデータ(制御データおよびユーザデータ)を送信する各キャリア周波数におけるデータ量の分配比率を決定し(ステップS76)、この分配比率を移動局20に送信する(ステップS77)。
決定手法は、受信電界強度の比に応じて、受信電界強度が大きい周波数には、多くのデータ量、受信電界強度の低い周波数には、少ないデータ量が送信されるようにする。
また、データの分配比率に関しては、例えば受信電界強度の比から推定されるBER(Bit Error Rate)等の受信品質が同じになるように、データを符号化する際の誤り訂正符号の符号化率を可変制御することにより決定可能である。なお、符号化率が小さくなるほどBERは小さくなる。ここで、選択に使用する受信電界強度は、瞬時データ、一定期間の平均値および移動平均値等が使用可能である。
これにより、制御データおよびユーザデータは、キャリア周波数2GHzと800MHzから送信される(ステップS78,S79)。
移動局20では、基地局10から分配比率を受信し(ステップS80)、受信部39はキャリア周波数2GHzと800MHzの成分それぞれを復調し(ステップS81,S82)、上記分配比率に従って合成する。
これにより、制御データおよびユーザデータは、情報量(データ量)が異なるが、受信品質が同一の環境にて通信可能となる。本実施形態では、受信電界強度の比を使用して各キャリア周波数で送信するデータ量の制御を行っている。このため、受信電界強度を指標として周波数選択を行う第1実施形態に対し、2つの周波数を使用するためより多くのデータ送信が可能となる。さらに、2つの周波数を使用することにより、一方の周波数において著しく受信電界強度が低下し、通信不可能な状況となっても、他方の周波数において通信できる可能性があるので、通信が途切れる可能性を低減できる。
<第5実施形態>
図12は本発明の第5実施形態のブロック構成図、図13は本発明の第5実施形態の動作シーケンスを示す。図12中、図6、図10と同一部分には同一符号を付す。
図12において、基地局10では、報知情報送信部11は報知情報および共通制御情報を出力する。データ送信部36は制御データ及びユーザデータを出力する。周波数変換部13は供給される報知情報および共通制御情報と、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数2GHzに変換する。
周波数変換部14は、供給される報知情報および共通制御情報と、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数800MHzに変換する。混合部15は上記キャリア周波数2GHzと800MHzの送信信号を混合してアンテナより送信する。
受信部16はアンテナで受信した信号を復調して移動局20が送信した位置情報を抽出する。使用周波数制御部40は抽出した位置情報と、基地局が有しているセル構成情報に基づいて分配比率を決定し、データ送信部36はこの分配比率に従って制御データ及びユーザデータを周波数変換部13,14に分配する。
移動局20では、位置情報検出部31にてGPS30を使用して移動局20の位置情報の検出を行う。検出された位置情報は送信部25に供給され、送信部25は位置情報を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングして基地局10に送信する。
周波数変換部21はアンテナで受信した信号をキャリア周波数2GHzと800MHzの成分に分離して使用周波数制御部41に供給する。使用周波数制御部41は、キャリア周波数2GHzとキャリア周波数800MHzの分配比率を基地局10から受信し、この分配比率に基づいて受信部39を制御する。受信部39は、周波数変換部21の出力するキャリア周波数2GHzと800MHzの成分それぞれを復調し、分配比率に従って合成する。
図13において、基地局10からの報知情報および共通制御情報は、キャリア周波数2GHz、800MHz双方で送信される(ステップS90)。
移動局20では、基地局10からの報知情報および共通制御情報を受信すると共に(ステップS91)、位置情報検出部31にてGPS情報を受信し(ステップS92)、現在の位置情報の検出を行う(ステップS93)。検出された位置情報は送信部25に供給され、送信部25は位置情報を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングして、基地局10に送信する(ステップS94)。なお、移動局10から位置情報を送信するキャリア周波数は2GHzまたは800MHzもしくは双方の周波数でも良い。
基地局10では、受信部16で移動局20から送信された位置情報を抽出して使用周波数制御部29に供給する。使用周波数制御部29は受信した移動局20の位置情報および基地局の位置情報(セル構成情報)を使用して、キャリア周波数2GHz、800MHz双方の伝搬損失を計算し(ステップS95,S96)、伝搬損失の比を求め(ステップS97)、報知情報および共通制御情報以外のデータ(制御データおよびユーザデータ)を送信する各キャリア周波数におけるデータ量の分配比率を決定し(ステップS98)、この分配比率を移動局20に送信する(ステップS99)。
決定手法は、移動局20の位置情報および基地局の位置情報を基に(1)式から得られる伝播損失の比に応じて、伝播損失が少ない周波数で多くのデータ量、伝播損失が大きい周波数で少ないデータ量が送信されるように分配比率を決定する。
また、データの分配比率に関しては、例えば伝播損失および基地局から送信される各キャリア周波数の送信電力から移動局における受信電界強度を推定し、受信電界強度から推定されるBER等の受信品質が同じになるように、データを符号化する際の誤り訂正符号の符号化率を可変制御することにより決定可能である。ここで、選択に使用する伝播損失は、瞬時データ、一定期間の平均値および移動平均値等が使用可能である。
これにより、制御データおよびユーザデータは、キャリア周波数2GHzと800MHzから送信される(ステップS100,S101)。
移動局20では、基地局10から分配比率を受信し(ステップS102)、受信部39はキャリア周波数2GHzと800MHzの成分それぞれを復調し(ステップS103,S104)、上記分配比率に従って合成する。
これにより、制御データおよびユーザデータは、情報量(データ量)が異なるが、受信品質が同一の環境にて通信可能となる。本実施形態では、伝播損失を使用して各キャリア周波数で送信するデータ量の制御を行っている。このため、伝播損失を指標として周波数選択を行う第2実施形態に対し、2つの周波数を使用するためより多くのデータ送信が可能となる。さらに、2つの周波数を使用することにより、一方の周波数において著しく伝播損失が増加し、通信不可能な状況となっても、他方の周波数において通信できる可能性があるので、通信が途切れる可能性を低減することができる。
<第6実施形態>
図14は本発明の第6実施形態のブロック構成図、図15は本発明の第6実施形態の動作シーケンスを示す。図14中、図8、図10と同一部分には同一符号を付す。
図14において、基地局10では、報知情報送信部11は報知情報および共通制御情報を出力する。データ送信部36は制御データ及びユーザデータを出力する。周波数変換部13は供給される報知情報および共通制御情報と、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数2GHzに変換する。
周波数変換部14は、供給される報知情報および共通制御情報と、制御データおよびユーザデータの送信信号をキャリア周波数800MHzに変換する。混合部15は上記キャリア周波数2GHzと800MHzの送信信号を混合してアンテナより送信する。
受信部16はアンテナで受信した信号を復調して移動局20が送信した位置情報及び移動速度を抽出する。使用周波数制御部43は抽出した位置情報と、基地局が有しているセル構成情報、及び移動速度に基づいて分配比率を決定し、データ送信部36はこの分配比率に従って制御データ及びユーザデータを周波数変換部13,14に分配する。
移動局20では、位置情報検出部31にてGPS30を使用し、現在の移動局20の位置情報を検出する。また、移動速度検出部34ではGPS30を使用し、移動局20の移動速度を検出する。
検出された位置情報及び移動速度は送信部25に供給され、送信部25は位置情報を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングして基地局10に送信する。
周波数変換部21はアンテナで受信した信号をキャリア周波数2GHzと800MHzの成分に分離して使用周波数制御部44に供給する。使用周波数制御部44は、キャリア周波数2GHzとキャリア周波数800MHzの分配比率を基地局10から受信し、この分配比率に基づいて受信部39を制御する。受信部39は、周波数変換部21の出力するキャリア周波数2GHzと800MHzの成分それぞれを復調し、分配比率に従って合成する。
図15において、基地局10からの報知情報および共通制御情報は、キャリア周波数2GHz、800MHz双方で送信される(ステップS110)。
移動局20では、基地局10からの報知情報および共通制御情報を受信すると共に(ステップS111)、位置情報検出部31にてGPS情報を受信し(ステップS112)、現在の位置情報の検出を行う(ステップS113)。また、移動速度の検出を行う(ステップS114)。検出された位置情報及び移動速度は送信部25に供給され、送信部25は位置情報及び移動速度を報知情報に対応する物理チャネルにマッピングして、基地局10に送信する(ステップS115)。なお、移動局10から位置情報を送信するキャリア周波数は2GHzまたは800MHzもしくは双方の周波数でも良い。
基地局10では、受信部16で移動局20から送信された位置情報及び移動速度を抽出して使用周波数制御部43に供給する。使用周波数制御部43は受信した移動局20の位置情報および基地局の位置情報(セル構成情報)を使用して、キャリア周波数2GHz、800MHz双方の伝搬損失を計算する(ステップS116,S117)。また、キャリア周波数2GHz、800MHz双方の最大ドップラー周波数を計算する(ステップS118,S119)。
そして、キャリア周波数2GHz、800MHzそれぞれの伝搬損失と最大ドップラー周波数からキャリア周波数2GHz、800MHzそれぞれのBER等の受信品質を推定し(ステップS120,S121)、受信品質の比を求め(ステップS122)、報知情報および共通制御情報以外のデータ(制御データおよびユーザデータ)を送信する各キャリア周波数におけるデータ量の分配比率を決定し(ステップS123)、この分配比率を移動局20に送信する(ステップS124)。
決定手法は、移動局20の位置情報および基地局の位置情報、及び移動速度を基に(1)式から伝播損失を求め、(2)式から最大ドップラー周波数を求め、さらに、伝播損失および基地局から送信される各キャリア周波数の送信電力より移動局の受信電界強度を推定し、この受信電界強度と各キャリアにおける最大ドップラー周波数より、受信品質(BER)の推定を行って、受信品質の比を求める。この結果、受信品質の高いほうの周波数には、多くのデータ量、受信品質の低い周波数には、少ないデータ量が送信されるように分配比率を決定する。
また、データの分配比率に関しては、例えば推定されるBER等の受信品質が同じになるように、データを符号化する際の誤り訂正符号の符号化率を可変制御することにより決定可能である。
これにより、制御データおよびユーザデータは、キャリア周波数2GHzと800MHzから送信される(ステップS125,S126)。
移動局20では、基地局10から分配比率を受信し(ステップS127)、受信部39はキャリア周波数2GHzと800MHzの成分それぞれを復調し(ステップS128,S129)、上記分配比率に従って合成する。
これにより、制御データおよびユーザデータは、情報量(データ量)が異なるが、受信品質が同一の環境にて通信可能となる。本実施形態では、推定される受信品質を使用して各キャリア周波数で送信するデータ量の制御を行っている。このため、推定される受信品質を指標として周波数選択を行う第3実施形態に対して、2つの周波数を使用するためより多くのデータ送信が可能となる。さらに、2つの周波数を使用することにより、一方の周波数において著しく受信品質が低下し、通信不可能な状況となっても、他方の周波数において通信できる可能性があるので、通信が途切れる可能性を低減することができる。
なお、受信電界強度測定部22,23が請求項記載の受信品質相当値検出手段に相当し、送信部25が通知手段に相当し、位置情報検出部31が位置情報検出手段に相当し、移動速度検出部34が移動速度検出手段に相当し、使用周波数制御部17,29,33がキャリア周波数決定手段に相当し、使用周波数制御部37,40,43が分配比率決定手段に相当する。