以下に添付図面を参照して、本発明に係る記録媒体処理機及びその本人確認方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技を提供する各台計数システムに適用する場合について説明することとする。
まず、実施例1に係る記録媒体処理機を含む各台計数システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る各台計数システムのシステム構成を示すシステム構成図である。同図に示すように、この各台計数システムには、計数機能付きCRユニット10(以下、単にCRユニットと言う)と、パチンコ機20と、島コントローラ30と、価値管理装置50とが設けられている。
CRユニット10は、遊技店内の各パチンコ機20に併設されるカード処理ユニット(記録媒体処理機)であり、本実施例では、パチンコ機20の下皿から投入されるパチンコ玉を計数する計数機能(後述する計数部107)をさらに有する。具体的には、自装置が接続されたパチンコ機20で遊技者が獲得したパチンコ玉の玉数を計数したうえで計数結果である計数値を持ち玉としてプリペイドカードに関連付け、計数値が関連付けられたプリペイドカードを発行する。なお、従来と同様、プリペイドカードに価値付けられたプリペイド残度数を用いた玉貸しも行う。
パチンコ機20は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
島コントローラ30は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のCRユニット10及びパチンコ機20を束ねる中継装置である。
価値管理装置50は、後述する価値管理テーブル54aを用いて、プリペイドカードに関連付けられた各種の価値を管理する装置である。この価値管理テーブル54aは、プリペイドカードの識別情報(以下、プリペイドカードID)、プリペイド残度数、持ち玉数を対応付けて記憶している。例えば、CRユニット10からプリペイド残度数の更新依頼を受け付けた場合には、当該更新依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応する残度数を更新し、また、持ち玉の更新依頼を受け付けた場合には、当該更新依頼に含まれるプリペイドカードIDに対応する持ち玉数を更新する。
このように、各台計数システムにおいては、プリペイドカードにプリペイド残度数に加えて持ち玉がさらに関連付けられることになり、島端に計数機を配設する場合にはあまり問題になっていなかった玉箱の窃盗がプリペイドカード1枚の窃盗でなされてしまう状況にあるため、プリペイドカードの盗難防止処置の必要性が高まっている。
ここで、本実施例に係るCRユニット10は、プリペイドカードに関連付けられる価値項目のうち、プリペイドカードの返却時における価値高の有無を監視する対象とする監視項目を取得し、プリペイドカードの返却時の認証情報としての参照暗証番号を取得し、プリペイドカードの返却要求を受け付けた場合に、監視項目の価値高が存在するか否かを判定し、価値高が存在すると判定した場合に、返却時の認証情報としての入力暗証番号を取得し、取得した入力暗証番号と参照暗証番号との照合を行う点にその特徴がある。
すなわち、本実施例では、プリペイドカードの返却時に入力暗証番号を入力させ、あらかじめ取得したおいた参照暗証番号と照合することで、わざわざプリペイドカードを返却させずとも最終的に退店もしくは台移動する際にだけ入力暗証番号を入力するだけでプリペイドカードの安全性を担保することができ、上述した従来技術のように、遊技客自身が入力暗証番号を入力したり、わざわざ係員を呼び出してキープ鍵スイッチに鍵をセットさせるキープ操作、ひいてはそれに伴うキープ解除操作を離席および帰席の度に行う必要をなくし、店員または遊技客が行う操作量を低減させることができるようにしている。
さらに、本実施例では、プリペイドカードに価値付けられる価値項目、たとえば本実施例で言えばプリペイド残度数や持ち玉などの項目から、あらかじめ遊技客が重要と目した価値項目を監視項目として指定させ、指定の監視項目に対応する価値高が存在する場合にだけ入力暗証番号を入力させる一方で、監視項目に数値が存在する場合以外は、返却操作の受付時にプリペイドカードをそのまま返却することで、遊技客自身が必要でないと考えるケースでは入力暗証番号を入力する必要もなくしており、遊技客による操作量をさらに低減させることができるようにしている。
したがって、本実施例によれば、プリペイドカードの盗難防止処置を実施する場合に、店員または遊技客が行う操作量を低減させることができ、店員または遊技客の操作利便性を損なうことなく、プリペイドカードの盗難防止処置を実施することが可能になる。
また、本実施例によれば、遊技客自身に監視項目を指定させ、該指定された監視項目に対応する価値高が存在する場合にだけ入力暗証番号を入力させるので、プリペイドカードの安全性と操作利便性のバランスを遊技客自身に選択させ、監視項目を指定していなかった価値項目に価値高が存在した場合に起こる盗難、或いは監視項目を全く指定していない場合に起こる盗難についてはその責任を遊技客自身に委ねることが可能になる。
さらに、本実施例によれば、暗証番号等の認証情報を用いた盗難防止処置を実施するので、プリペイドカードの盗難が減少する結果、盗難分のプリペイドカードの補充(さらにはプリペイドカード一体型会員カードの補充も含む)に要する費用をも低減することが可能になる。
続いて、実施例1に係る各台計数システムを構成する各装置の構成(CRユニット10及び価値管理装置50)を説明する。なお、以下では、CRユニット10の構成を説明した後に価値管理装置50の構成を説明することとする。
前述のように、実施例1に係るCRユニット10の構成を説明する。図2は、図1に示したCRユニットの外観を示した正面図である。なお、この図2には、CRユニット10が併設されたパチンコ機20を破線で示している。
図2に示すように、CRユニット10は、係員の呼び出し時などに点灯する状態表示部101と、玉貸しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部102と、持ち玉の払出し(返却)要求を受け付ける持玉返却ボタン103と、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能なタッチパネル104と、持ち玉を払い出すノズルを備えた持ち玉払出部105と、プリペイドカードの受付/返却を行うカード挿入部106と、持ち玉(獲得玉)を計数する計数部107と、持ち玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部108とを有する。
また、パチンコ機20には、パチンコ遊技に使用するパチンコ玉を貯留する上皿210と、上皿210の許容容量を超えて溢れたパチンコ玉を貯留する下皿220とが設けられている。このうち、上皿210には、プリペイドカードの残度数等を表示する7SEG表示部211と、玉貸し要求を受け付ける玉貸しボタン212と、プリペイドカードの返却要求を受け付ける返却ボタン213とがさらに設けられている。なお、本実施例では、玉貸しボタン212及び返却ボタン213をパチンコ機20に設けることとしたが、必ずしもパチンコ機20側に設ける必要はなく、CRユニット10に設けることとしてもよい。
パチンコ玉を借り受ける際には、遊技客がパチンコ機20側の玉貸しボタン212を押下操作すると、玉貸し操作信号がCRユニット10に転送されてCRユニット10側で玉貸し操作が受け付けられ、CRユニット10からパチンコ機20に玉投出指示が行われて貸し玉が上皿210に投出されることになる。
また、持ち玉が計数される際には、パチンコ機20の下皿220から獲得玉を玉貯留部108に投入すると、その投入玉が計数部107に誘導されて獲得玉の数量が計数される。そして、遊技者が持玉返却ボタン103を押下すると、後述する持ち玉・残度数更新部16aによって持ち玉(獲得玉)として管理されている玉数の範囲内であれば、持ち玉が持ち玉払出部105経由でパチンコ機20の上皿210に投出される。
図3は、図2に示したCRユニットの内部構成を示す機能ブロック図である。なお、図3に示す持ち玉系機能部13aおよびプリペイド系機能部13bでは、発明の本質に直結しない機能部をまとめたブロック構成としているが、実際には細分化されており、図示されていないからと言ってその機能部が実在しない訳ではない。
図3に示すように、このCRユニット10は、操作部11と、通信I/F部12aと、遊技機用通信I/F部12bと、持ち玉系機能部13aと、プリペイド系機能部13bと、カード処理部14と、記憶部15と、制御部16とを有する。
操作部11は、図2に示した持玉返却ボタン103やタッチパネル104などの各種ボタン群の総称である。
通信I/F部12aは、プリペイドカードの残度数や持ち玉数を統括管理する価値管理装置50やCRユニット10を遊技島単位に束ねる島コントローラ30などの他の装置の間で各種通信の制御を行うインターフェースである。
遊技機用通信I/F部12bは、当該CRユニット10に併設されるパチンコ機20との間で各種通信(例えば、玉貸し要求や玉投出指示などの)の制御を行うインターフェースである。
持ち玉系機能部13aは、持ち玉の処理に携わる機能部の総称であり、たとえば計数部107や持ち玉払出部105などがこれに相当する。
プリペイド系機能部13bは、プリペイド残度数の処理に携わる機能部の総称であり、たとえば紙幣挿入部102に挿入された紙幣の金種を識別する紙幣識別機(ビルバリユニット)などがこれに相当する。
カード処理部14は、カード挿入部106から挿入された各種カードを取り扱う処理部である。具体的には、プリペイドカードや会員カードなど各種カードに対して情報の読み書きを行うカードリーダライタ、内蔵のプリペイドカード(価値高なしのカード)を収納するカード収納部やカードリーダライタ及びカード収納部間の搬送/繰出を行う搬送/繰出機構部などを含んで構成される。
記憶部15は、制御部16による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、例えば、プリペイドカードの返却時における価値高の有無を監視させる対象とする監視項目(価値項目)を示す価値項目データ15aと、入力暗証番号との比較対象とする参照暗証番号を示す参照暗証番号データ15bとを併せて記憶する。
制御部16は、CRユニット10を全体制御する制御部であり、持ち玉・残度数更新部16aと、監視項目登録部16bと、参照暗証番号登録部16cと、監視項目・暗証番号消去部16dと、価値高有無判定部16eと、本人確認部16fとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、持ち玉・残度数更新部16a、監視項目登録部16b、参照暗証番号登録部16c、監視項目・暗証番号消去部16d、価値高有無判定部16e及び本人確認部16fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
持ち玉・残度数更新部16aは、プリペイド残度数および持ち玉の更新を行う処理部である。
ここで、かかる価値項目のうち、持ち玉については、プリペイドカードの返却が行われるまではCRユニット10内で持ち玉数がローカルに管理され、プリペイドカードの返却時に持ち玉数がプリペイドカードIDに対応付けて価値管理装置50に通知される一方、プリペイド残度数については、CRユニット10および価値管理装置50の間で常に同期を取りつつ最新の残度数が両者によって管理される。
まず、持ち玉の更新について説明すると、持ち玉・残度数更新部16aは、持ち玉系機能部13a所属の計数部107からセンサ出力が得られた場合には、そのセンサ出力を持ち玉・残度数更新部16a内に保持する現持ち玉数にカウントアップする加算更新を行う。また、持玉返却ボタン103の押下操作を受け付けた場合には、価値管理装置50等によりあらかじめ設定された払出し数を内部保持する持ち玉数から減算する減算更新を行うとともに、持ち玉系機能部13a所属の持ち玉払出部105に払出し数分の投出指示を行う。
次に、プリペイド残度数の更新について説明すると、持ち玉・残度数更新部16aは、紙幣挿入部102に挿入された紙幣がプリペイド系機能部13b所属のBVユニット(ビルバリユニット)によって金種および真偽が判別された場合に、当該挿入紙幣分の残度数を内蔵のプリペイドカードに加算するように加算依頼度数およびプリペイドカードIDを含む度数価値付け依頼を価値管理装置50に行う。なお、この度数価値付け依頼を受け付けた価値管理装置50では、後述する価値管理テーブル54a内の該当プリペイドカードIDの残度数に加算依頼度数を加算し、価値付け完了応答を依頼元のCRユニット10に返信する。
一方、持ち玉・残度数更新部16aは、パチンコ機20付設の玉貸しボタン212が押下された場合に、価値管理装置50等によりあらかじめ設定された貸出単位金額分の度数を挿入中のプリペイドカードから減算するように減算依頼度数およびプリペイドカードIDを含む残度数減算依頼を価値管理装置50に行う。なお、この残度数価値付け依頼を受け付けた価値管理装置50では、後述する価値管理テーブル54a内の該当プリペイドカードIDの残度数から減算依頼度数を減算し、減算完了応答を依頼元のCRユニット10に返信する。
また、持ち玉・残度数更新部16aは、カード挿入部106に挿入されたプリペイドカードのプリペイドカードIDがカード処理部14によって読み取られた場合には、当該プリペイドカードIDに対応する持ち玉数および残度数を価値管理装置50に問い合わせる。なお、この問合せを受け付けた価値管理装置50では、後述する価値管理テーブル54a内の該当プリペイドカードIDの持ち玉数およびプリペイド残度数を読み出し、該読み出した持ち玉数およびプリペイド残度数を問合せ元のCRユニット10に返信する。
このようにして、持ち玉・残度数更新部16aでは、持ち玉およびプリペイド残度数の更新を行っており、パチンコ機20付設の返却ボタン213が押下された場合に、内部保持しておいた持ち玉数を挿入中のプリペイドカードIDに紐付けて価値管理装置50に通知し、プリペイドカードに持ち玉が関連付けられた後にカード処理部14によってプリペイドカードが返却される。
監視項目登録部16bは、監視項目を記憶部15に登録する処理部である。具体的にはプリペイドカードに持ち玉またはプリペイド残度数のいずれかの価値項目が関連付けられたことを契機に、タッチパネル104を介して監視項目の選択を受け付け(図7参照)、該受け付けた監視項目を監視項目データ15aとして記憶部15内に登録する。
参照暗証番号登録部16cは、参照暗証番号を記憶部15に登録する処理部である。具体的には、持ち玉およびプリペイド残度数のうち少なくともいずれかの価値項目が監視項目として選択された場合に、タッチパネル104を介してプリペイドカードの返却時に入力させる入力暗証番号との比較対象とする参照暗証番号の入力を受け付け(図8参照)、該受け付けた参照暗証番号を参照暗証番号データ15bとして記憶部15内に登録(格納)する。そして、このようにして受け付けた参照暗証番号と、監視項目登録部16bによって受け付けられた監視項目とを挿入中のプリペイドカードのプリペイドカードIDに紐付けて監視項目および参照暗証番号の登録を価値管理装置50に依頼する。
監視項目・暗証番号消去部16dは、記憶部15内に記憶された監視項目および参照暗証番号を消去する処理部である。具体的には、プリペイドカードに関連付けられたすべての価値項目の価値高がゼロになった場合に、記憶部15内の監視項目データ15aおよび参照暗証番号データ15bを消去する。なお、当然のことながら、プリペイドカードが返却された場合にも監視項目および参照暗証番号を消去することは言うまでもない。
このように、一定の条件下では監視項目および参照暗証番号を消去することとしたのは、プリペイドカードが不特定多数の人物に再帰的に利用されるものであり、以前に登録された遊技客の監視項目および参照暗証番号が後から遊技を行う遊技客に引き継がれる事態を防止するためである。
ところが、かかる事態を防止するためには、同一の遊技客が同一のプリペイドカードを使用する限りにおいては有効としつつ、異なる遊技客が同一のプリペイドカードを使用するおそれがある場合には監視項目および参照暗証番号を無効とする必要、すなわち遊技客個人を一定の度合いで特定する必要がある。
このため、本実施例では、プリペイドカードに関連付けられたすべての価値項目の価値高がゼロになった場合には、遊技客が交代する可能性が高いと想定可能な状況となるため、かかる状況では、記憶部15に監視項目データ15a及び参照暗証番号データ15bとして記憶された監視項目および参照暗証番号をリセットすることとしている。
価値高有無判定部16eは、記憶部15によって監視項目データ15aとして記憶された監視項目に対応する価値高が存在するか否かを判定する処理部である。具体的には、パチンコ機20付設の返却ボタン213が押下された場合に、監視項目として持ち玉が登録されていれば持ち玉数、プリペイド残度数が登録されていればプリペイド残度数数、これら両方が登録されていれば持ち玉数およびプリペイド残度数の両方を持ち玉・残度数更新部16aに問い合わせ、監視項目に対応した価値高の有無を判定する。
本人確認部16fは、記憶部15によって参照暗証番号データ15bとして記憶された参照暗証番号と、タッチパネル104を介して入力を受け付けた入力暗証番号とに基づいて、プリペイドカードの返却要求を行う者が監視項目の価値高を保有する遊技者本人であるか否かを確認する処理部である。
より具体的には、価値高有無判定部16eによって監視項目に対応する価値高が存在すると判定された場合に、タッチパネル104を介して入力暗証番号を受け付けるとともに、記憶部15によって参照暗証番号データ15bとして記憶された参照暗証番号を読み出し、入力暗証番号および参照暗証番号を照合する。
このとき、入力暗証番号および参照暗証番号の両者が一致する場合には、持ち玉・残度数更新部16aによって持ち玉をプリペイドカードに関連付けさせた後にカード処理部14に挿入中のプリペイドカードを返却させ、一方、両者が一致しない場合には、再び入力暗証番号を受け付ける。そして、入力暗証番号を所定回数(例えば、3回)以上受け付けても両暗証番号が一致しない場合には、タッチパネル104、後述する価値管理装置50の出力部52、その他従業員のインカムなどを通じてプリペイドカードの盗難のおそれがある旨を周囲の遊技客、従業員および不正者に報知する。
なお、ここでは、所定回数まで入力暗証番号が参照暗証番号と不一致であっても許容することとしたが、1度でも参照暗証番号と一致しない入力暗証番号が入力された場合には直ちに報知を行うようにしてもかまわない。また、このようにプリペイドカードに盗難のおそれがある場合には、挿入中のプリペイドカードを暫定的に内部のカード収納部に取り込んでしまうようにしてもよい。
次に、本実施例に係る価値管理装置50の構成を説明する。図4は、図1に示した価値管理装置の内部構成を示す機能ブロック図である。なお、図4では、実施例1に係る価値管理装置50の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
同図に示すように、価値管理装置50は、入力部51と、出力部52と、通信I/F部53と、記憶部54と、制御部55とを有する。
入力部51は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、出力部52は、液晶パネルやディスプレイ等の表示デバイスであり、また、通信I/F部53は、CRユニット10及び島コントローラ30との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
記憶部54は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、プリペイドカードに関連付けられる各価値項目の価値高を管理する価値管理テーブル54aを併せて記憶する。
価値管理テーブル54aは、図5に示すように、プリペイドカードIDごとに残度数、持ち玉数、監視項目および参照暗証番号を記憶するテーブルである。
例えば、プリペイドカードID「01234」のカードを例に挙げれば、カード返却時に持ち玉有無の判定を行うように監視項目が設定されており、持ち玉が存在する場合には参照暗証番号「9999」と一致する入力暗証番号が入力された場合のみに挿入中のプリペイドカードを返却するように監視項目および参照暗証番号が設定されていることを示している。また、プリペイドカードID「32345」のカードの場合には、持ち玉およびプリペイド残度数の両方について価値高有無の判定を行うように監視項目が設定されており、いずれかの価値項目の価値高が存在する場合には、参照暗証番号「0028」と一致する入力暗証番号が入力された場合のみに挿入中のプリペイドカードを返却するように参照暗証番号が設定されていることを示している。
制御部55は、価値管理装置50を全体制御する制御部であり、持ち玉・残度数管理部55aと、監視項目・暗証番号登録部55bと、監視項目・暗証番号消去部55cとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、持ち玉・残度数管理部55a、監視項目・暗証番号登録部55b及び監視項目・暗証番号消去部55cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
持ち玉・残度数管理部55aは、価値管理テーブル54aを用いて、プリペイドカードに関連付けられた持ち玉およびプリペイド残度数を管理する処理部である。具体的には、CRユニット10からプリペイドカードIDを含む持ち玉更新依頼を受け付けた場合には、価値管理テーブル54a内の該当プリペイドカードIDの持ち玉数を更新して更新完了応答を依頼元のCRユニット10に返信し、また、CRユニット10からプリペイドカードIDを含む残度数更新依頼を受け付けた場合には、価値管理テーブル54a内の該当プリペイドカードIDの残度数を更新して更新完了応答を依頼元のCRユニット10に返信する。
監視項目・暗証番号登録部55bは、CRユニット10から受け付けた監視項目および参照暗証番号を価値管理テーブル54aに登録する処理部である。具体的には、CRユニット10の参照暗証番号登録部16cからプリペイドカードIDに紐付けられた監視項目および参照暗証番号を受け付け、該受け付けた監視項目および参照暗証番号を価値管理テーブル54a内の該当プリペイドカードIDのフィールドに登録する。
このように、価値管理装置50側においても監視項目および参照暗証番号を管理させることとしたのは、プリペイドカードの返却を受けて異なる遊技台で遊技を行おうとする遊技客、すなわち台移動を行う遊技客に移動先の遊技台で再び監視項目および参照暗証番号を入力させる手間を省くためである。なお、本実施例では、価値管理装置50側で監視項目および参照暗証番号を記憶させることとしが、監視項目および参照暗証番号をプリペイドカードに記録させるようにしてもよい。
このように価値管理装置50で監視項目および参照暗証番号を管理させることに連動して、カード挿入部106にプリペイドカードが挿入された場合に、CRユニット10によってプリペイドカードに関連付けられた持ち玉およびプリペイド残度数だけでなく、監視項目および参照暗証番号が併せて問い合わせられる。
この問合せを受け付けた価値管理装置50の持ち玉・残度数管理部55aは、価値管理テーブル54a内の該当プリペイドカードIDに対応する持ち玉およびプリペイド残度数を返信するとともに、当該プリペイドカードIDに対応する監視項目および参照暗証番号の登録が存在する場合には、監視項目および参照暗証番号をさらに返信する。なお、問合せ結果を得たCRユニット10では、監視項目および参照暗証番号が得られた場合に、監視項目登録部16b及び参照暗証番号登録部16cによって記憶部15内に監視項目および参照暗証番号が登録されることとなる。
監視項目・暗証番号消去部55cは、価値管理テーブル54aに登録された監視項目および参照暗証番号を消去する処理部である。具体的には、持ち玉・残度数管理部55aによって持ち玉または残度数が更新された場合に、当該更新が行われたプリペイドカードIDに対応する持ち玉および残度数を参照し、これら両者の価値高がゼロになった場合には、価値管理テーブル54a内の監視項目および参照暗証番号を消去する。
また、監視項目・暗証番号消去部55cは、図示しないカード精算機(プリペイド残度数を貨幣に精算する装置)や景品管理装置(持ち玉から交換景品相当の玉数を減算する交換制御を行う装置)によって持ち玉または残度数の更新が持ち玉・残度数管理部55aに依頼された場合にも、同様に価値高なしのプリペイドカードになったか否かを監視し、価値高なしのプリペイドカードになった場合には監視項目および参照暗証番号を消去する。
次に、本実施例に係る各台計数システムで行われる処理の流れについて説明する。なお、ここでは、(1)監視項目・暗証番号登録処理、(2)監視項目・暗証番号配信処理、(3)監視項目・暗証番号消去処理、(4)本人確認処理の順に説明を行う。
(1)監視項目・暗証番号登録処理
前述したように、ここでは、本実施例に係る監視項目・暗証番号登録処理について説明する。図6は、実施例1に係る監視項目・暗証番号登録処理の手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、持ち玉・残度数更新部16aによって残度数ゼロからの現金の価値付けが行われるか、或いは持ち玉数ゼロからの持ち玉の加算更新が行われた場合(ステップS101肯定またはステップS102肯定)に、監視項目登録部16bは、タッチパネル104上に図7に示す監視項目選択画面を表示して監視項目の選択を受け付ける(ステップS103)。
このとき、持ち玉およびプリペイド残度数のうち少なくともいずれかの価値項目が監視項目として選択された場合(ステップS104肯定)に、参照暗証番号登録部16cは、タッチパネル104上に図8に示す暗証番号入力画面を表示してプリペイドカードの返却時に入力させる入力暗証番号との比較対象とする参照暗証番号の入力を受け付ける(ステップS105)。なお、監視項目が選択されなかった場合(ステップS104否定)には、監視項目および参照暗証番号の登録をおこなわず、そのまま処理を終了する。
そして、監視項目登録部16bは、タッチパネル104上で受け付けた監視項目を監視項目データ15aとして記憶部15内に登録し、参照暗証番号登録部16cは、同様にタッチパネル104上で受け付けた参照暗証番号を参照暗証番号データ15bとして記憶部15内に登録し、さらに、参照暗証番号登録部16cは、このようにして受け付けた参照暗証番号と、監視項目登録部16bによって受け付けられた監視項目とを挿入中のプリペイドカードのプリペイドカードIDに紐付けて監視項目および参照暗証番号の登録を価値管理装置50に依頼し(ステップS106)、処理を終了する。
(2)監視項目・暗証番号配信処理
次に、本実施例に係る監視項目・暗証番号配信処理について説明する。図9は、実施例1に係る監視項目・暗証番号配信処理の手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、プリペイドカードIDを含むカード情報の問合せを受け付けると(ステップS301肯定)、持ち玉・残度数管理部55aは、価値管理テーブル54a内の該当プリペイドカードIDに対応する持ち玉およびプリペイド残度数を返信する(ステップS302)。
このとき、当該プリペイドカードIDに対応する監視項目および参照暗証番号の登録が存在する場合(ステップS303肯定)には、持ち玉・残度数管理部55aは、監視項目および参照暗証番号をCRユニット10に返信し(ステップS304)、処理を終了する。
(3)監視項目・暗証番号消去処理
続いて、本実施例に係る監視項目・暗証番号消去処理について説明する。図10は、実施例1に係る監視項目・暗証番号消去処理の手順を示すフローチャートである。なお、この処理は、CRユニット10および価値管理装置50の両方で行われるが、ここではCRユニット10で行われる場合について説明する。
同図に示すように、持ち玉・残度数更新部16aによっていずれかの価値項目の価値高が更新されると(ステップS501肯定)、監視項目・暗証番号消去部16dは、持ち玉・残度数更新部16aによって保持されるプリペイド残度数がゼロであるか否かを判定する(ステップS502)。
このとき、プリペイド残度数がゼロであった場合(ステップS502肯定)には、監視項目・暗証番号消去部16dは、持ち玉・残度数更新部16aによって保持される持ち玉数がゼロであるか否かをさらに判定する(ステップS503)。
そして、持ち玉数もゼロであった場合(ステップS503肯定)には、記憶部15内の監視項目データ15aおよび参照暗証番号データ15bを消去し(ステップS504)、処理を終了する。
(4)本人確認処理
次に、本実施例に係る本人確認処理について説明する。図11は、実施例1に係る本人確認処理の手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、プリペイドカードの返却操作、たとえばパチンコ機20付設の返却ボタン213が押下された場合(ステップS701)に、記憶部15内に監視項目が登録されていれば(ステップS702肯定)、価値高有無判定部16eは、監視項目に対応する価値高が存在するか否かを判定する(ステップS703)。
このとき、監視項目が記憶部15に登録されていなかった場合(ステップS702否定)、或いは監視項目に対応する価値高が存在しなかった場合(ステップS703否定)、価値高有無判定部16eは、持ち玉・残度数更新部16aによって持ち玉をプリペイドカードに関連付けさせた後にカード処理部14に挿入中のプリペイドカードを返却させ(ステップS704)、処理を終了する。
一方、監視項目に対応する価値高が存在する場合(ステップS703肯定)には、本人確認部16fは、タッチパネル104を介して入力暗証番号を受け付けるとともに(ステップS705)、記憶部15によって参照暗証番号データ15bとして記憶された参照暗証番号を読み出し、入力暗証番号および参照暗証番号を照合する(ステップS706)。
ここで、入力暗証番号および参照暗証番号の両者が一致する場合(ステップS707否定)には、本人確認部16fは、持ち玉・残度数更新部16aによって持ち玉をプリペイドカードに関連付けさせた後にカード処理部14に挿入中のプリペイドカードを返却させ(ステップS704)、処理を終了する。
また、入力暗証番号および参照暗証番号の両者が一致しない場合(ステップS707肯定)には、本人確認部16fは、照合不一致の回数が所定回数(例えば、3回)に至ったか否かを判定する(ステップS708)。
そして、照合不一致の回数が所定回数未満である場合(ステップS708否定)には、上記のステップS705〜ステップS707までの処理を繰り返し行う。
一方、照合不一致の回数が所定回数に至った場合(ステップS708肯定)には、本人確認部16fは、タッチパネル104、価値管理装置50の出力部52、その他従業員のインカムなどを通じてプリペイドカードの盗難のおそれがある旨を周囲の遊技客、従業員および不正者に報知し(ステップS709)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例によれば、プリペイドカードに関連付けられる価値項目のうち、プリペイドカードの返却時における価値高の有無を監視する対象とする監視項目を取得し、プリペイドカードの返却時の認証情報としての参照暗証番号を取得し、プリペイドカードの返却要求を受け付けた場合に、監視項目の価値高が存在するか否かを判定し、価値高が存在すると判定した場合に、返却時の認証情報としての入力暗証番号を取得し、入力暗証番号と参照暗証番号との照合を行うように構成したので、プリペイドカードの盗難防止処置を実施する場合に、店員または遊技客が行う操作量を低減させることができ、店員または遊技客の操作利便性を損なうことなく、プリペイドカードの盗難防止処置を実施することが可能になる。
また、本実施例によれば、プリペイドカードにいずれかの価値項目が関連付けられたことを契機に監視項目および参照暗証番号の取得を行うように構成したので、遊技客がプリペイドカードの使用を開始する際に監視項目および参照暗証番号を取得することができ、盗難防止処置に必要な情報を可及的速やかに取得することが可能になる。
さらに、本実施例によれば、プリペイドカードに関連付けられたすべての価値項目の価値高がゼロになった場合に、取得した監視項目および参照暗証番号を無効化するように構成したので、遊技客個人を一定の度合いで特定して監視項目および参照暗証番号を消去することができ、以前に登録された遊技客の監視項目および参照暗証番号が後から遊技を行う遊技客に引き継がれる事態を防止することが可能になる。
また、本実施例によれば、価値管理装置50に対して、CRユニット10で受入中のプリペイドカードのプリペイドカードIDに対応付けて監視項目および参照暗証番号を登録するように依頼し、プリペイドカードを新たに受け入れた場合に、該受け入れたプリペイドカードのプリペイドカードIDを用いて、価値管理装置50に登録された監視項目および参照暗証番号を取得するように構成したので、台移動を行う遊技客に移動先の遊技台で再び監視項目および参照暗証番号を入力させる手間を省くことができ、盗難防止処置に伴う遊技客の操作量を効果的に低減することが可能になる。