JP5525466B2 - プレス成形品の製造方法、及び電池の製造方法 - Google Patents
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Description
図1に示すように、電池モジュールは、所要の電力容量を得るべく複数(例えば6個)の単電池11を電気的に直列接続して構成される。電池モジュールは、複数の個別の直方体状からなる単電池11を角形の収容部を構成するとともに収容体としての電槽13の最も表面積の広い面(長側面)を縦に見てその側面にあたる短側面同士が互いに対向するように配列した構造となっている。
本実施の形態の集電板16の上部には、接続端子30との接続側となる上面から見た集電板16の平面図及び斜視図を図3(a)及び(b)に示すように、集電板接続部16dが貫通孔19の中心に対応する中心軸Oを中心として環状に凸接されている。また、集電板凹部16eは、集電板接続部16dの外周に環状に連なった1つの凹部として凹設されている。この集電板凹部16eは、その底面に、第1のO−リング40の取り付け時に同第1のO−リング40によりシールされる部分であるシール面16f(当接面)を有している。本実施の形態では、こうした集電板凹部16eのシール面16fに第1のO−リング40が当接されることによって同第1のO−リング40のシール性能が発揮されることに鑑み、シール面16fが特に平坦となるように成形されている。なお、こうした集電板接続部16dや集電板凹部16eを有する集電板16は、導電性の帯状体がプレス成形されることによって製造されるものである。また、集電板凹部16eの内側壁には、第1のO−リング40の取り付け時に、同第1のO−リング40を固定する複数のストッパ16gが環状に配置されている。
貫通孔19を介して接続端子30の端子接続部35と集電板16の集電板接続部16dとが接続されると、接続端子30は、その端子基端部34が小径穴19aに嵌合されて貫通孔19に位置決めされる。また、集電板16は、その集電板接続部16dが小径穴19aに嵌合されて貫通孔19に位置決めされる。そして、第1の環状空間S1に配置された第1のO−リング40は、集電板凹部16e(シール面16f)と端側壁10aの内側側面との間にて圧縮変形されることによる弾性力(復元力)により貫通孔19と集電板16との間の密閉性(シール性)を保持する。そしてこのとき、集電板凹部16eのシール面16fが特に平坦化された面性状となるように成形されていることにより、このシール面16fと第1のO−リング40との協働により、集電板16と端側壁10aとの間での密閉性が高く保持される。さらに、第2の環状空間S2に配置された第2のO−リング41は、接続端子30の端子凹部34aと環状面部10cとの間にて圧縮変形されることによる弾性力(復元力)により端側壁10aの外側と接続端子30との間の密閉性(シール性)を保持する。すなわち、第1のO−リング40と第2のO−リング41とにより、電池モジュールの電槽13の密閉性(シール性)が高く維持される。
図5(a)に、集電板16の加工に用いられる一対の第1のプレス型51及び第2のプレス型52と加工対象となる集電板16との断面構造を示すように、本実施の形態の集電板16は、一対の第1のプレス型51及び第2のプレス型52を用いたプレス成形製法により加工される。本工程に用いられる第1のプレス型51は、その上面に凹設された円環状の第1のプレス成形面51aを有している。この第1のプレス型51のプレス成形面51aには、集電板16の上記第1のO−リング40に当接されるシール面16fとなる領域の裏面16iに沿って、例えば断面半円状の突起51bが設けられている。突起51bは、第1のO−リング40の形状、換言すれば、同第1のO−リング40に当接されるシール面16fの裏面形状に対応した円環状の1本の突起として形成されている。さらに、本実施の形態の突起51bは、集電板16のプレス時において集電板16の円環状のシール面16fが形成される領域の裏面16iの外周寄りとなる位置に設けられている。なお、突起51bは、第1のプレス型51及び第2のプレス型52が複数枚の集電板16の加工に用いられることに鑑み、加工時における摩耗等を考慮した量産性の高い大きさに形成されている。
集電板のシール面の面性状と上記電解液の漏出量との関係を解析すべく試験的に加工された集電板70の集電板凹部71の拡大断面構造を図7(a)に示すように、集電板凹部71の底面であるシール面72の面性状とは、そのプレス加工に用いられるプレス型の形状が反映された形状となっている。すなわち、図7(a)のα領域におけるシール面72の拡大断面構造を図7(b)に示すように、シール面72の面性状は、例えば、プレス加工時の集電板70の材料移動に起因して平坦化されなかった非フラット領域R1と、プレス加工を通じて平坦化されたフラット領域R2とを有した形状となっている。
(1)集電板16を押圧加工する際、集電板16の上記第1のO−リング40に当接される部分であるシール面16fの裏面16iに沿って突起51bが設けられた第1のプレス型51と、シール面16fに対向する平面のプレス成形面52aを有する第2のプレス型52とを同時に用いることとした。このため、第1のO−リング40が当接されるシール面16fの形成領域に十分なプレス加工を行うことが可能となり、凹凸の少ない安定したシール面16fを有した集電板16を製造することができる。これにより、集電板16のシール性の向上を通じて、同集電板16を備えた電池における電解液の漏出抑制効果を高めることができるようになる。
・上記第1のプレス型として、円環状の突起51bが上記集電板16のシール面16fの裏面16iの外周寄りに対応する位置に設けられたプレス型51を用いることとした。これに限らず、円環状の突起51bが設けられる位置とは、集電板16のシール面16fの裏面16iに対応する位置であればよく、同裏面16iの内周寄りや、同裏面16iの外周と内周との中心でもよい。
Claims (7)
- 電池の構成部品のうち、シール材と当接する面を有して成形されるプレス成形品の製造方法であって、
前記シール材との当接面の裏面に沿って突起が設けられた第1のプレス型と、前記シール材との当接面に対向する第2のプレス型とを同時に用いて前記プレス成形品を両面から押圧加工する工程を含む
ことを特徴とするプレス成形品の製造方法。 - 正極および負極を有する極板群が電槽内に電解液とともに収容され、前記正極または負極に電気的に接続された集電板がシール材と当接するように設けられる電池の製造方法であって、
前記集電板の前記シール材に当接される部分の裏面に沿って突起が設けられた第1のプレス型と、同集電板の前記シール材に当接される部分に対向する第2のプレス型とを同時に用いて前記集電板を両面から押圧加工する工程を含む
ことを特徴とする電池の製造方法。 - 前記集電板は、その一部がプレス成形により突き出し加工されて該突き出し加工された部分が電槽の壁部に設けられた貫通孔に挿入されるとともに、この突き出し加工された部分の周囲がシール材を介して前記電槽の壁部と相対するように設けられてなる
請求項2に記載の電池の製造方法。 - 前記シール材は円環状のシール材からなるとともに、前記集電板の前記シール材に当接される部分も円環状の形状からなり、
前記第2のプレス型として、前記集電板の前記シール材に当接される部分の形状に対応した円環状のプレス型を用いるとともに、前記第1のプレス型として、前記集電板の前記シール材に当接される部分の裏面形状に対応した円環状の突起が設けられたプレス型を用いる
請求項2または3に記載の電池の製造方法。 - 前記第1のプレス型として、前記円環状の突起が1本だけ設けられたプレス型を用いる
請求項4に記載の電池の製造方法。 - 前記第1のプレス型として、前記円環状の突起が前記集電板の前記シール材に当接される部分の裏面の外周寄りに設けられたプレス型を用いる
請求項4または5に記載の電池の製造方法。 - 前記電池がアルカリ性の電解液を用いたニッケル水素蓄電池であり、前記集電板に対する押圧加工を、当該電池の少なくとも負極側に対応する集電板であってかつ、前記電槽の側壁に設けられた貫通孔を介して外部接続用の外部端子に接続される集電板を対象として行う
請求項2〜6のいずれか一項に記載の電池の製造方法。
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