JP5524069B2 - 植込み型巾着縫合糸張力調整装置 - Google Patents

植込み型巾着縫合糸張力調整装置 Download PDF

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Description

本発明は、概して外科的切開の閉鎖に関し、より詳細には、一時的に挿入された細長の医療装置の周囲の、及びそれが抜き取られた後の巾着縫合糸の張力を調整するための装置及び方法に関する。
巾着縫合は、様々な外科手技において止血を得るために用いられる。一例としては、心臓組織にカニューレが挿入される心臓手術中があげられる。組織に巾着縫合が設けられてから、その縫合部を通じてカニューレが挿入される。巾着縫合は、挿入中の出血を抑えるためと、挿入後に、及び手技全体を通じて、カニューレの周囲に止血封鎖部を設けるためとの双方に用いられる。
特に、巾着縫合が用いられる手技の一つに僧帽弁修復術がある。僧帽弁修復術は、参照によって本明細書に援用される米国特許第7,175,660号明細書に記載されるとおり、調整可能な環状のインプラントを欠陥のある僧帽弁に植え込むことによって行われ得る。インプラントは、最適な効果を達成するため、植込み後のある期間にわたって調整される。この調整は、取外し可能な調整機構によって制御される。この調整機構は、植込み手技の最後に切開が閉鎖された後にも、患者の心房及び胸部を通じて延在したまま残り得る。術後の調整期間中は、調整用具の周囲に止血封鎖部が維持されなければならない。調整期間の後、用具をインプラントから切り離して患者から取り出すときは、患者を再び開胸して心房へのアクセスを確保し、用具を取り出した後に再び止血を実現することが必要とななるかもしれない。かかる手技には、植込み型であって、調整期間中はカテーテル又は調整用具の周囲に巾着縫合の封鎖部を維持し、カテーテルが取り出された際、内部の切開を閉鎖するためのさらなる外科的介入を必要とすることなく、縫合糸を締め上げて止血を得ることのできる装置を提供することが望ましい。
伝統的に、巾着縫合糸は、チョーカースリーブ、又はRomelターニケットなどの装置を使用して締められている。かかる装置では、縫合糸の端部を細いシースに挿通し、縫合糸と対向する側にある鉗子で把持する。次に、縫合糸が適切に締まるまで、スリーブを縫合糸ループの方に押しやりながら、鉗子を用いて縫合糸の端部を引き寄せる。或いは、縫合糸の端部をシースの周りに巻回し、次にシースをひねることで縫合糸を締め上げてもよい。締めた後、巾着縫合糸がカニューレを囲んで締め上げられたまま保たれるよう、例えば、シースをテープで留めるか、又はその他の方法でその場に固持し得る。
Romelターニケットに代わり巾着縫合糸を締め上げるものとして、他のタイプの装置が開発されている。一つの代替例は、最小侵襲手術において使用され得るもので、ノット−プッシャである。ノット−プッシャを使用するには、巾着縫合糸を縫い付けた後、端部を一重結びに結ぶ。次に、縫合糸が適切に締まるまで、ノットプッシャによってこの一重結びを縫合糸ループの方に押す。最小侵襲手術については、トロカールに通して使用するため、ノット−プッシャは長くて細いものであり得る。
米国特許第5,911,728号明細書は、体外で使用するための巾着縫合糸締付け装置を開示している。これは、カニューレ又はカテーテルが組織構造中にある間、その周囲を締め付けたまま維持する。この締付け装置は、縫合糸の端部が中を通って延在するスプリングと、縫合糸と対向する側にあるスプリングに固定された締付け手段とを備える。スプリング手段が圧縮されている間は縫合糸の端部は締め付けられ、次にスプリングが、カニューレの周囲の封鎖部を維持するための一定の張力を与える。
これらの例、及びその他の巾着縫合糸を締め上げる装置は、欠陥を有する。第一に、Romelターニケットは、縫合される部位に直接到達することが必要とされる。さらに、このターニケットは、縫合糸が弛んだとしても、張力を維持するように調整することができない。ノット−プッシャで必要となる部位への到達は最小限ですむが、ノット−プッシャは、外科的切開を閉鎖後、締め上げた状態を維持することができない。ノット−プッシャはまた、縫合糸の弛みを調整することもできない。巾着縫合糸締付け装置は、カニューレと共に、カニューレを抜き取ることは含まず体外で使用するために設計され、及び植込みが可能なものではない。
従って、植込み型であり、且つ、細長の医療装置の周囲に、及びその装置の抜き取り後に巾着縫合の封鎖部を維持することが可能な、新規の、且つ改良された巾着縫合糸張力調整装置を提供したならば、有利であろう。
手動でさらに調整することなく巾着縫合の周囲にわたり止血封鎖部を維持することができるような、植込み型の巾着縫合糸張力調整装置及び使用方法が提供される。上述した巾着縫合の周囲には、最小侵襲性の装置、又は制御ワイヤ若しくはガイドワイヤを取り囲むものと、巾着縫合内の物体が完全に抜き取られた後のものとが含まれる。この装置は、患者に内在する形で植え込むことのできる大きさ及び形状を有する。
本発明の一目的は、外科手技中に細長の医療装置を囲む巾着縫合の継続的な封鎖を可能とする装置及び方法を提供することである。本発明はまた、外科手技後にその場に残された細長の医療装置を囲む巾着縫合の継続的な封鎖を可能とする装置及び方法も提供する。本発明はまた、切開の中心部から医療装置が抜き取られた後に、巾着縫合の自動的な張力調整及び継続的な封鎖を可能とする装置及び方法も提供する。
従って本発明は、患者を再度切開して組織に到達し、手動で巾着縫合糸の張力を調整することなしに、一時的に挿入された医療装置の抜き取りを可能とし、且つ必要な巾着縫合糸の張力調整を動的に提供する装置及び方法を提供する。本発明の別の目的は、巾着縫合に挿入される様々な医療器具についての、又はそうした器具がない場合の、ある範囲の所要張力により巾着縫合の封鎖が可能な装置を提供することである。本発明の以上の、及び他の多くの利点及び特徴は、好ましい実施形態の本明細書を読むことで、当業者には明らかとなるであろう。
一態様において、本装置は、近位端と遠位端とを有する少なくとも1つの圧縮性の張力調整要素を備える。本装置はまた、近位面と、抜け出る巾着縫合糸に隣接して位置する遠位面と、巾着縫合糸を受け入れるための少なくとも1つの貫通する通路とを有する縫合糸ガイド要素も備える。本装置は、巾着縫合糸の少なくとも一方の端部を張力調整要素の近位に固定するように構成された少なくとも1つの縫合糸保持要素をさらに備え得る。縫合糸ガイド要素は、張力調整要素に隣接した縫合糸を様々な形態で安定させ、それにより張力調整要素が、止血を維持するための必要に応じて、巾着縫合糸の長さの変化する間中所定の圧力負荷の下、余分な縫合糸の長さを吸収することができる。本装置は、患者に内在する形で植え込むことのできる大きさ及び形状を有する。
本装置の一実施形態において、ガイド要素を貫通する通路は直線状である。別の実施形態において、ガイド要素を貫通する通路は非直線状である。別の実施形態において、縫合糸は、ガイド要素を貫通する通路に組織の平面と実質的に垂直に入り、その通路から組織の平面と実質的に平行に出る。さらなる実施形態において、ガイド要素は、縫合糸の別々の端部を受け入れるための複数の通路を有する。
一実施形態において、張力調整要素は、巾着縫合糸張力調整装置の使用前に、着脱自在な張力保持要素によって圧縮形態に固定される。一実施形態では、張力保持要素を取り外すことによって張力調整要素を圧縮されていない状態に戻すことができる。特定の実施形態において、張力保持要素はC型クリップ又は同様の着脱自在のクランプである。別の実施形態において、張力保持要素はピンである。さらなる実施形態において、張力保持要素は吸収性の縫合糸である。
張力調整装置はまた、複数の縫合糸保持要素を有することもできる。一実施形態において、縫合糸保持要素は隔壁要素を含み、その近位端の周囲で縫合糸の端部を結ぶことができる。一実施形態において、縫合糸保持要素はガイド要素の近位端に位置する。一実施形態において、縫合糸保持要素は張力調整要素に取り付けられる。一実施形態において、各縫合糸保持要素は巾着縫合糸の一方の端部に対応する。さらなる実施形態において、各縫合糸保持要素は1つの張力調整要素に対応する。縫合糸保持要素は、対応する張力調整要素に取り付けることができる。
好ましい実施形態において、ガイド要素は2つのテレスコープ型要素を含み、それによって、そこを通る縫合糸の長さを、張力調整要素の制御下において変えることができる。好ましい実施形態において、ガイド要素の少なくとも一部分は張力調整要素を貫通して延在する。別の実施形態において、張力調整要素の少なくとも一部分は、ガイド要素を貫通するか、又はその周囲に延在する。一実施形態において、ガイド要素は張力調整要素の遠位端に取り付けられる。一実施形態において、ガイド要素の近位端は張力調整要素の遠位端と接触し、張力調整要素がガイド要素を通り抜けることが防止される。好ましい実施形態において、張力調整要素はいかなる伸縮状態にあっても包囲されており、患者の身体との接触が防止される。
別の態様において、本装置は、近位端と、遠位端と、巾着縫合糸を受け入れるための少なくとも1つの貫通する通路とを有するガイド要素と、2つの側端を有する圧縮性の張力調整要素とを備える。張力調整要素の各側端に対応して、巾着縫合糸のそれぞれの各端部を遠位から受け入れるための通路要素がある。縫合糸の端部は、張力調整要素の近位に共に固定される。本装置は、患者に内在する形で植え込むことのできる大きさ及び形状を有する。
有利には、本装置は、巾着縫合部に挿入された細長の医療装置があるとき、及び、それがないときに求められるある範囲の張力によりその巾着縫合を封鎖することができる。
別の態様において、植込み型巾着縫合糸張力調整装置を使用して、細長の医療装置を囲む巾着縫合を内部で封鎖するための方法が提供される。この方法は、ガイド要素を通じて巾着縫合糸の少なくとも一方の端部を挿入するステップと、巾着縫合糸の少なくとも一方の端部を、圧縮された張力調整要素の近位で少なくとも1つの縫合糸保持要素の周囲に固定するステップと、装置を囲んで組織を閉鎖するステップとを含み得る。張力調整要素は、巾着縫合糸の端部が固定されている間、圧縮形態にある。巾着縫合糸の端部が固定された後、張力調整要素にかかる圧縮が取り除かれると、縫合糸全体にわたり張力が提供される。
或いは、本方法は、ガイド要素を通じて巾着縫合糸の双方の端部を挿入するステップと、巾着縫合糸の各端部を通路要素に挿通するステップと、縫合糸の端部を張力調整要素の近位で共に固定するステップと、装置を囲んで組織を閉鎖するステップとを含み得る。張力調整要素は、縫合糸の端部が固定されている間、圧縮形態に維持され、その後、張力調整要素は圧縮されていない状態になる。
本方法の一実施形態において、組織は心臓である。一実施形態において、巾着縫合内の細長の医療装置はカニューレである。一実施形態において、張力調整要素は、張力調整装置の使用前に、張力保持要素によって圧縮形態に固定される。さらなる実施形態において、張力保持要素を取り外すと、張力調整要素を圧縮されていない状態にすることができる。一実施形態において、張力保持要素は、縫合糸の端部が縫合糸保持要素の周囲に固定された後に取り外される。
本発明の目的及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面と併せて考察すると、より良く理解でき、且つより容易に明確となるであろう。添付の図面は、例として、巾着縫合糸張力調整装置の好ましい実施形態を示すものである。
巾着縫合糸張力調整装置の一実施形態の概略図である。圧縮位置にある巾着縫合糸張力調整装置の図を示し、医療装置が縫合部を貫通して延在している。 巾着縫合糸張力調整装置の一実施形態の概略図である。部分的に圧縮が取り除かれた位置にある巾着縫合糸張力調整装置の図を示し、医療装置が縫合部を貫通して延在している。 巾着縫合糸張力調整装置の一実施形態の概略図である。縫合部から医療装置を抜き取った後の、圧縮されていない位置にある巾着縫合糸張力調整装置の図を示す。 巾着縫合糸張力調整装置の一実施形態の概略図である。圧縮されていない位置にある巾着縫合糸張力調整装置の断面図を示す。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。圧縮位置にある巾着縫合糸張力調整装置の図を示し、医療装置が縫合部を貫通して延在している。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。部分的に圧縮が取り除かれた位置にある巾着縫合糸張力調整装置の図を示し、医療装置が縫合部を貫通して延在している。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。縫合部から医療装置を抜き取った後の、圧縮されていない位置にある巾着縫合糸張力調整装置の図を示す。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。圧縮されていない位置にある巾着縫合糸張力調整装置の断面図を示す。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の概略図である。圧縮位置にある巾着縫合糸張力調整装置を示す。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の概略図である。圧縮されていない位置にある巾着縫合糸張力調整装置を示す。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。圧縮位置にある巾着縫合糸張力調整装置の図を示し、医療装置が縫合部を貫通して延在している。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。部分的に圧縮が取り除かれた位置にある巾着縫合糸張力調整装置の図を示し、医療装置が縫合部を貫通して延在している。 巾着縫合糸張力調整装置の別の実施形態の概略図である。縫合部から医療装置を抜き取った後の、圧縮されていない位置にある巾着縫合糸張力調整装置の図を示す。 巾着縫合糸張力調整装置の実施形態の動作を時間的な順序に沿って示す一連の斜視図である。組織に切開が設けられているところの斜視図である。 巾着縫合糸張力調整装置の実施形態の動作を時間的な順序に沿って示す一連の斜視図である。図8の切開の周囲に配置された巾着縫合糸の斜視図である。 巾着縫合糸張力調整装置の実施形態の動作を時間的な順序に沿って示す一連の斜視図であり、切開に隣接して配置された図1の巾着縫合糸張力調整装置を示す斜視図であり、張力調整要素は圧縮形態にあり、及び縫合糸は結紮されている。 巾着縫合糸張力調整装置の実施形態の動作を時間的な順序に沿って示す一連の斜視図であり、切開に隣接して配置された図1の巾着縫合糸張力調整装置を示す斜視図であり、張力保持要素を取り外した後で、張力調整要素は部分的に圧縮が取り除かれた形態にある。 切開に隣接して配置された図1の巾着縫合糸張力調整装置を示す斜視図であり、切開部から手術器具を抜き取った後で、張力調整要素は圧縮されていない形態にある。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の概略図である。弛緩した形態にある実施形態を示す。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の概略図である。事前に圧縮された位置にある装置を示し、医療装置が縫合部を貫通して延在している。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の概略図である。張力保持要素が取り外された後の装置を示し、医療装置が縫合部を貫通して延在している。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の概略図である。縫合部から医療装置を抜き取った後の、圧縮されていない位置にある装置を示す。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。圧縮形態にある実施形態を示す斜視図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。圧縮形態にある実施形態を示す断面図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。伸長形態にある実施形態を示す断面図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。伸長形態にある実施形態を示す斜視図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。伸長形態にある実施形態を示す断面図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。圧縮形態にある実施形態を示す断面図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。圧縮形態にある実施形態を示す斜視図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。圧縮形態にある実施形態を示す別の斜視図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。圧縮形態にある実施形態を示す斜視断面図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。伸長形態にある実施形態を示す斜視断面図である。 巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態の図である。伸長形態にある実施形態を示す斜視図である。 一連となって動作する複数個の巾着縫合糸張力調整装置の一実施形態を示す概略図である。
要求事項として、ここに本発明の詳細な実施形態が開示される。しかしながら、開示される実施形態は、様々な形態で具体化され得る本発明の例示に過ぎないことは理解されなければならない。従って、ここに開示される特定の構造上及び機能上の詳細は、限定として解釈されてはならず、単に、特許請求の範囲の基礎であり、且つ、事実上いかなる適切に詳細化される構造においても本発明を様々に用いるための、当業者に対する教示の代表的な基礎に過ぎないものとして解釈されるべきである。
巾着縫合は当該技術分野において周知であり、主に、止血を得て失血を防止するために用いられる。巾着縫合は、標的組織を通じて環状のパターンに連続的な縫い目を作ることによって設けられる。医療装置と共に用いられるとき、巾着縫合の直径は、縫合部を通じて挿入される装置の直径に従い選択される。針を用いて縫い目が設けられる間、縫合糸の一方の端部は組織の外側に残り、環状の縫い目が完成した後、他方の端部が組織の外側に引き戻される。次に、縫合針が縫合糸から切り離され得る。
縫合部の中心に細長の医療器具を挿入する前に、終端部を引っ張って緊張させることにより縫合糸に張力をかける。器具が挿入されたら、再び端部を引っ張って緊張させ、器具の周囲に止血封鎖部を形成する。この封鎖部は、器具が組織に留まっている限り、器具の周囲に維持されなければならない。組織から器具が抜き取られた際、再び縫合部を締め上げて、器具がない状態での封鎖部を設けなければならない。
カニューレ又はカテーテルなどの最小侵襲性の細長の医療装置を囲む封鎖部を維持し、さらに、細長の医療装置を抜き取った後にも組織を封鎖して止血するために用いられる、改良された巾着縫合糸張力調整装置を開発した。従って、この巾着縫合糸張力調整装置は植込み型であり、一時的に挿入された医療装置を囲む封鎖部を維持するための手段を提供し、及び医療装置が抜き取られると、自己調整して止血を得る。有利には、この張力調整装置は、細長の医療装置が患者の体内にある間、縫合糸を緊張させておくよう縫合糸の弛みを調整することができる。さらに、この張力調整装置は、医療装置が抜き取られたとき、患者を再切開する必要なしに縫合糸の余分な弛みを吸収することが可能である。
本発明の一態様において、巾着縫合糸張力調整装置は、近位端と遠位端とを有する少なくとも1つの圧縮性の張力調整要素を備える。本装置はまた、近位面と、遠位面と、巾着縫合糸を受け入れるための少なくとも1つの貫通する通路とを有するガイド要素も備える。本装置は、巾着縫合糸の少なくとも一方の端部を張力調整要素の近位に固定するように構成された少なくとも1つの縫合糸保持要素をさらに備え得る。ガイド要素は、張力調整要素に隣接した縫合糸を安定させるように動作し、それにより張力調整要素が、止血を維持するための必要に応じて、巾着縫合糸の長さが変化する間中所定の圧力負荷の下、余分な縫合糸の長さを吸収する。本装置は、患者に内在する形で植え込むことのできる大きさ及び形状を有する。
様々な実施形態において、ガイド要素を貫通する通路は、直線状か、又は非直線状である。好ましい実施形態において、縫合糸は、ガイド要素を貫通する通路に組織の平面と実質的に垂直に入り、その通路から組織の平面と実質的に平行に出る。他の好ましい実施形態において、ガイド要素は、巾着縫合糸のそれぞれの端部を受け入れるための2本の別個の通路を有する。
張力調整要素は、いかなる圧縮可能形状であってもよい。張力調整構造は、コイル状、ヘアピン状、又は付勢力を付与するような任意の公知の構造であり得る。好ましい実施形態において、張力調整要素はコイルばねである。張力調整要素の長さ及び圧縮強度は様々であってよく、特定の手術に適合するように選択されなくてはならない。圧縮距離、すなわち張力調整要素の圧縮された位置と圧縮されていない位置との間の長さの差は、縫合部から医療器具を抜き取ったときに縫合糸に生じる弛みを吸収するのに必要なだけの長さを有しなくてはならない。この長さは、巾着縫合内での使用が意図される手術用具の大きさに依存する。
本発明の張力調整装置のある実施形態において、ガイド要素の少なくとも一部分が張力調整要素を貫通して延在する。或いは、ガイド要素は、張力調整要素の少なくとも一部分を貫通して延在する。さらなる実施形態において、張力調整要素の少なくとも一部分がガイド要素を貫通して延在し、又は張力調整要素は、ガイド要素の少なくとも一部分を貫通して延在する。
本発明は、ある実施形態において、張力調整装置に、張力調整要素を圧縮形態に保持する着脱自在な張力保持要素が備わることを提供する。張力保持要素は、例えば、C型クリップ若しくは同様のクランプ又はピンであってもよい。張力保持要素は、装置を外科手術的に配置し、縫合糸をガイド要素に挿通し、及び巾着縫合糸の端部を固定する間、張力調整要素にかかる圧縮を保持する。手術前及び手術中に、この小さい部品の動きをたどるのに役立ち、且つ身体から取り除き易くするため、張力保持要素は、好ましくは縫合糸ループ又は他のハンドルに取り付けられる。或いは、張力保持要素は吸収性縫合糸であってもよい。
本発明は、縫合糸ガイド要素が複数のテレスコープ型要素をさらに含む様々な実施形態を提供する。テレスコープ型要素は、そこを通る縫合糸の長さを変えることができる。例えば、本発明は、ガイド要素が近位ガイド要素と遠位ガイド要素とをさらに含み得ることを提供する。これらのガイド要素は、互いにテレスコープ式に嵌まり合い、縫合糸通路の長さを伸ばしたり、又は縮めたりすることができる。ある実施形態において、張力調整要素がいかなる伸縮状態にあるときも張力調整要素は完全に包囲されており、患者の身体との接触が防止される。
ある実施形態において、本発明は、外科手技中又は外科手技後に巾着縫合糸を固定するための縫合糸保持要素をさらに提供する。縫合糸保持要素は、結紮用クリート(tie-off cleat)、シンチ(cinch)又は他の物理的な延在部の形態であってよく、その周囲に縫合糸の端部を巻き付け、及び/又は結び留めることで、縫合糸を一時的又は永久的に固定することができる。一実施形態において、縫合糸保持要素は、巾着縫合糸の各端部用としてガイド要素内にある別個の通路の間にある近位隔壁である。縫合糸の端部は、隔壁の近位に永久的に結紮されてもよい。別の実施形態において、縫合糸保持要素としては、周囲に縫合糸の端部を巻き付けて結び留めるようなガイド要素内の構造を含む。
本発明は、上記の巾着縫合糸張力調整装置を使用して、細長の医療装置を囲む巾着縫合を封鎖するための方法を提供する。この方法は、a)巾着縫合糸の少なくとも一方の端部をガイド要素の遠位面から挿入するステップと、b)巾着縫合糸の少なくとも一方の端部を張力調整要素の近位に固定するステップであって、巾着縫合糸の少なくとも一方の端部が固定されている間、張力調整要素が圧縮形態にある、ステップと、c)張力調整要素にかかる圧縮を取り除き、巾着縫合糸全体にわたり張力を提供するステップと、c)装置を囲んで組織を閉鎖するステップとを含む。本方法の好ましい実施形態において、組織は心臓、特に心臓の心房壁である。他の好ましい実施形態において、巾着縫合内に挿入される細長の医療装置は、人工僧帽弁などの植え込まれた医療装置を術後に調整するための、カニューレ、カテーテル、ガイドワイヤ又は制御ワイヤである。
本発明の装置の代替的実施形態は、近位面と遠位面と巾着縫合糸を受け入れるための少なくとも1つの貫通する通路とを有するガイド要素と、第1の側端及び第2の側端とを有する張力調整要素と、巾着縫合糸のそれぞれの端部を受け入れるための複数の通路要素であって、各々が張力調整要素の各端部に取り付けられる通路要素と、を含む植込み型巾着縫合糸張力調整装置であって、患者に内在する形で植え込むことのできる大きさ及び形状を有する装置を含む。かかる実施形態において、張力調整要素は、組織の平面と実質的に平行であり得る。さらに、かかる実施形態において、ガイド要素を貫通する通路は、直線状であっても、又は非直線状であってもよく、巾着縫合糸の別個の端部を受け入れるため、2本の別個の通路が存在してもよい。この実施形態も同様に、巾着縫合部の中に挿入された細長の医療装置があるとき、及びそれがないときに求められるある範囲の張力によりその巾着縫合を封鎖する装置を提供する。
本発明は、上記の実施形態の使用方法を提供する。この方法は、ガイド要素を通じて巾着縫合糸の端部を挿入するステップと、巾着縫合糸の各端部を対応する通路要素に挿通するステップと、縫合糸の端部を共に固定するステップであって、縫合糸の端部が固定されている間、張力調整要素が圧縮形態にある、ステップと、装置を囲んで組織を閉鎖するステップとを含む。
この巾着縫合糸張力調整装置は、図1〜図16に示される例示的で非限定的な実施形態を参照してさらに理解され得る。
巾着縫合糸張力調整装置の一実施形態が、図1A〜Dに示される。張力調整装置100は、ガイド要素14の周囲に配置されるコイルばね張力調整要素12を備える。ガイド要素14は、近位面16と、患者の組織15に隣接するように構成された遠位面18とを有する。ガイド要素14は、巾着縫合糸10の別個の端部を受け入れるための、ガイド要素14を貫通する2本の別個の通路20を有する。ガイド要素通路20は、縫合糸保持要素19として機能する隔壁によって分割される。縫合糸保持要素19を使用して、巾着縫合糸10の端部を張力調整要素12の近位に結紮することができる。巾着縫合糸10(組織15上のステッチ(stitch)として示される)は、カニューレ、カテーテル、又は制御ワイヤなどの、組織15を貫通する手術器具24を取り囲む。組織15における巾着縫合10の周長は、器具24が縫合部10を通り抜けることができるよう、手術器具24の周長より大きくなければならない。
図1Aの装置100は圧縮位置で示され、張力保持要素22によってそのように維持されている。装置100は手術前に圧縮されてもよく、又は事前に圧縮された位置で販売されてもよい。後者の場合、張力保持要素22は既に所定位置にある。先述のとおり、張力保持要素22によって装置100の配置が可能となる。配置するときには、巾着縫合糸10に圧力をかけることなく縫合糸10の端部をガイド要素14の通路20に挿通し、縫合糸端部を結ぶことが含まれる。また、張力保持要素22により、端部が通路20に挿通されて共に固定される間に張力調整要素12を圧縮するための人員も不要となる。縫合糸10の端部が適切に配置及び固定された後、張力保持要素22を取り外してもよく、それにより張力調整要素12を所定の大きさの張力まで伸長させることができ、ひいては巾着縫合糸10のいかなる弛みも引き取られて、図1Bに示されるとおり、カニューレ、カテーテル、又は制御ワイヤなどの器具24の周囲に切開25の止血封鎖部が提供される。加えて、張力調整要素12が強く圧縮されているときに端部を固定するため、張力保持要素22を取り外したときに縫合糸10に最大限の張力をかけることが可能となり、且つ、縫合糸10を引張応力下で固定することによって起こり得る縫合糸10の破損が回避される。
図1Cは、切開部25から手術器具24を引き抜いた後、縫合糸10の弛みを引き取ってさらに伸長した張力調整要素12を示し、これは以下でさらに詳細に説明される。
張力調整要素12の大きさ及び圧縮距離、すなわち圧縮形態と伸長形態との間の長さの差は、切開部25から手術器具24を抜き取ったときに、縫合糸10の弛みを全て引き取るのに十分な大きさを有するように選択されなくてはならない。張力調整要素12の所要の圧縮距離は、医療装置25、及びそれに応じた縫合糸10の周長と、弛みを引き取る張力調整要素12の個数と、装置100内で縫合糸が折り重なる量とに基づき異なる。例えば、図1Dに示されるとおり、1つの張力調整要素12があり、縫合糸10の両端がガイド要素14内で均等に引っ張られている。従って張力調整要素12の圧縮距離としては、吸収される縫合糸の弛み長さの少なくとも半分が必要となる。好ましい実施形態において、圧縮距離は5mm〜15mmの間で異なり得る。
張力調整要素によって及ぼされる張力の大きさは、止血を得るのに十分な大きさを有するように選択されなくてはならない。止血を得るための所要の張力は、手術適用並びに縫合が設けられる患者の年齢及び器官の状態などの要因に従い異なり得る。一実施形態において、望ましい圧力の大きさは、1ポンド〜5ポンドの間で異なり得る。患者の心臓が関与する適用については、望ましい圧力の大きさは、1.5〜3.5ポンド、好ましく2〜3ポンドの間で異なり得る。張力調整要素は、望ましい大きさの張力を及ぼすように調整され得る。
図1A〜Dを見ると分かるとおり、この実施形態のガイド要素14は、テレスコープ型の部分材で構成される。遠位ガイド部分材26が近位ガイド部分材28の中にテレスコープ式に嵌まり込み、伸縮することができる。この伸縮は、切開25の部位に求められる所望の大きさの止血圧力に対して、巾着縫合糸10にかかる張力調整要素12の拮抗する力に基づく。代替的実施形態において、容易には、近位ガイド部分材26が遠位ガイド部分材28の中にテレスコープ式に嵌め込まれ得ることは理解されるであろう。
さらに、ガイド要素14と、そこを貫通する通路20との形状及び寸法は、幅広く異なり得る。図1A〜Dに示されるとおり、ガイド要素は円筒形であり得るが、ガイド要素はまた、その装置が患者への植込みに適している限り、楕円形、角が丸みを帯びた矩形、又は様々な他の形状であってもよい。いかなる形状においても、本装置は好ましくは、湾曲部や丸みがある角部を有し、患者の体内での刺激作用を最小限に抑える。ガイド要素を貫通する通路は、単一のチャンネルであっても、又は図1Dの断面図に示されるとおり、2本の別個のチャンネルであってもよく、加えて、直線状であっても、又は以下に例示されるとおり非直線状であってもよい。以下で考察される代替的実施形態では、別個に包囲された通路を中に有するのではなく、通路は、ガイド要素の中空チャンネル全体である。
ガイド要素に対する1つの又は複数の通路の向きは、特定の用途及び解剖学的な障害物又は妨害物に対する優先度によって異なり得る。図1A〜Dに示される実施形態の通路20は直線状で、その全長にわたり組織15の平面と実質的に垂直である。図2A〜Dに示される実施形態の通路220は、各々、2つの直線状区間を有して直角の屈曲部を伴い、従って縫合糸210の端部は組織の平面と垂直に各通路220に入り、組織215の平面と平行に通路220から出る。図2Dの断面図に別個の通路220の向きが示される。
図2A〜Dの張力調整装置200は、ガイド要素214の周囲に配置されたコイルばね張力調整要素212を備える。ガイド要素214は、近位面216と、患者の組織215に隣接するように構成された遠位面218とを有する。ガイド要素214は、巾着縫合糸210の別個の端部を受け入れるための、ガイド要素214を貫通する2本の別個の通路220を有する。ガイド要素通路220は、縫合糸保持要素219として機能する隔壁によって分割される。縫合糸保持要素219を使用して、縫合糸210の端部を張力調整要素212の近位に結紮することができる。
図2Aの装置は圧縮位置で示され、張力保持要素222によってそのように維持されている。縫合糸210の端部が適切に配置及び固定された後、次に張力保持要素222を取り外してもよく、それにより張力調整要素212を伸長させることができ、ひいては図2Bに示されるとおり、外科手技中の巾着縫合糸210のいかなる弛みも引き取られる。切開部225から手術器具224を抜き取ると、図2Cに示されるとおり、張力調整要素212はさらに伸長してさらなる弛みを引き取る。
図2A〜Dを見ると分かるとおり、この実施形態のガイド要素214は、テレスコープ型の部分材で構成される。遠位ガイド部分材226が近位ガイド部分材228の中にテレスコープ式に嵌まり込み、伸縮することができる。この伸縮は、切開225の部位に求められる所望の大きさの縫合210及び所望の大きさの止血圧力に対して、巾着縫合糸210にかかる張力調整要素212の拮抗する力に基づく。代替的実施形態において、近位ガイド部分材228が遠位ガイド部分材226の中にテレスコープ式に容易に嵌め込まれ得ることは理解されるであろう。
図3A及び図3Bは、様々な圧縮状態にある本発明の代替的実施形態を示す。この実施形態において、張力調整要素312は、遠位ガイド部分材326の周囲、且つ近位ガイド部分材328の内側に配置される。近位ガイド部分材328は、有利には張力調整要素312の一部分を被覆して、患者の組織との接触を防止する。組織315に隣接したガイド要素314の遠位面318が示され、及び縫合糸保持要素319に結紮された縫合糸310の端部が示される。図3Aには、巾着縫合糸310に張力がかからないよう、張力調整要素312が張力保持要素322によって圧縮形態に保たれている実施形態が示される。図3Bでは、テレスコープ型の部分材326、328は部分的に伸長した位置にあり、手術器具324を囲む縫合糸310にいくらかの張力が生じている。
図14A〜Cは、テレスコープ型の部分材を含む本発明の別の実施形態を示す。図14A及び図14Bは、圧縮形態にある実施形態の異なる図である。図14Cは、伸長形態にある実施形態を示す。既に開示された実施形態のいくつかと同じく、この実施形態1400は、テレスコープ型の部分材で構成されるガイド要素を有する。遠位ガイド部分材1426が、近位ガイド部分材1428の中にテレスコープ式に嵌まり込む。各ガイド部分材は、その遠位端にリムを有する。遠位ガイド部分材1426のリム1432は組織(図示せず)に隣接し、2つの開口を備える。これらの開口は巾着縫合糸(図示せず)の端部を受け入れ、それらの端部を遠位ガイド部分材1426の2本の別個の通路1420(図14B及び14Cで見ることができる)に送り通す。近位ガイド部分材1428のリム1434は、張力調整要素1412が完全に圧縮されているとき、遠位ガイド部分材1426のリム1432上に載置される。装置1400は、張力保持要素1422を使用してこの圧縮位置に保つことができる。張力保持要素1422は、クリップ又はクランプであってもよい。代替的実施形態において、張力保持要素1422はピンである。遠位ガイド部分材か、又は近位ガイド部分材のいずれかのリムが、他方のリムの対応する凹部の中に延在する突起を有してもよい。ピンが、一方のリムの穴と、それと整列する、他方のリムの突起にある穴との中を横断するように貫通して延在することにより、2つのリムは、ピンが取り外されるまで一体に固定される。好ましい実施形態において、張力保持要素1422は縫合糸であり、これは、図14A及び図14Bに示されるとおり、リム1432、1434の整列した穴に通され、次にリム1432、1434の外表面を囲んで結び留められる。クリップ、クランプ、又はピンの代わりに縫合糸を張力保持要素1422として用いると、手術中にそうした追加の部品が不要となり、患者の体内に小さい部品が残る潜在的リスクがなくなる。縫合糸の張力保持要素1422は、患者の体内に残っても害を及ぼすことのない吸収性材料であってもよい。
先述の実施形態にあるとおり、張力調整要素1412の近位端には縫合糸保持要素(図示せず)がある。縫合糸保持要素は、隔壁か、又は縫合糸の端部を固定する任意の他の手段であり得る。巾着縫合糸に弛みがあるとき、図14Cに示されるとおり、張力調整要素1412が伸長して弛みを引き取り、テレスコープ型の部分材1426、1428が摺動して離れる。巾着縫合糸1410は、遠位ガイド要素1426の通路1420を通じ、張力調整要素1412の中空の中心部によって作り出される通路の中まで延在する。或いは、張力調整要素1412の中心部内に、遠位ガイド部分材1426を貫通するような画定された1つの又は複数の通路があってもよい。この実施形態において、張力調整要素1412はいかなる伸縮状態にあっても遠位ガイド部分材1426に完全に包囲され、患者の身体との接触が回避される。このように包囲することで、有利には、張力調整要素1412と接触することによって起こり得る刺激作用又は挟み込みが防止される。
図15A〜Cは別の実施形態を示し、ここで張力調整要素は、いかなる伸縮状態にあっても完全に包囲される。図15A及び図15Bは、伸長形態にある実施形態の、それぞれ斜視図及び断面図である。図15Cは、圧縮形態にある実施形態を示す。実施形態1500は、円筒形のガイド要素1514と、ガイド要素1514内に収容される張力調整要素1512、縫合糸保持要素1519、及びストッパ1536とを含む。ガイド要素1514の遠位面は組織(図示せず)1520に接触し、縫合糸1510の端部は遠位面の開口に受け入れられ、ガイド要素1514の通路に送り通される。通路1520は、図15Bに示されるとおり、ガイド要素1514の中空チャンネル全体であってもよく、又はガイド要素1514内に、先述の実施形態にあったような画定された1つの又は複数の通路があってもよい。張力調整要素1512はガイド要素1514内で伸縮する。張力調整要素1512の遠位端はガイド要素1514の遠位内表面に当接し、張力調整要素1512の近位端は縫合糸保持要素1519に当接する。縫合糸保持要素1519は張力調整要素1512の近位端に取り付けられてもよく、張力調整要素1512の伸縮に従いガイド要素1514内で摺動する。ストッパ1536は、スナップリングを含む多くの形状をとり得るもので、図15Cに示されるとおり、ガイド要素1514内の他の部品が移動してもガイド要素1514の近位端から動かない。
張力調整要素1522が伸長すると、縫合糸保持要素1519の近位面がストッパ1536に接触し、その時点でそれ以上の伸長は阻止され得る。ストッパ1536はまた、縫合糸保持要素1519がガイド要素1514から抜け出るのを防止する。ガイド要素1514内で伸長可能な長さは、医療装置を抜き取ったときの縫合糸の弛みを全て吸収するのに十分な大きさでなければならない。この長さは縫合部の周長に依存し、ひいては、外科手技のタイプ、医療装置の周長、及びガイド要素1514内で縫合糸が折り重なる量に依存する。
縫合糸保持要素1519は様々な形状を有し得る。縫合糸保持要素1519は、張力調整要素1512を貫通して延在し、且つ縫合糸1510の端部を結紮するための開孔を含む狭まった部分と、張力調整要素1512の近位端に当接する円筒形の部分とを備えることが示される。縫合糸の端部は、装置1500の植込み中、図15Cのとおり張力調整要素1512が圧縮されている間に、開孔に通して結紮される。縫合糸保持要素1519は張力保持要素1522を使用してその場に保持され、それによって張力調整要素1512が圧縮された状態に保たれる。一実施形態において、張力保持要素1522は、ガイド要素1514の2つ以上の穴(図15Aに示される)を通じて延在する縫合糸、ピン、又は他の構造である。縫合糸、ピン、又は他の構造は、縫合糸保持要素1519の近位面に接触してガイド要素1514を通じた移動を阻止し、それによって縫合糸保持要素1519及び張力調整要素1512をその場に固持する。別の実施形態において、張力保持要素1522は、ガイド要素1514と縫合糸保持要素1519との整列した穴を通じて延在する。図15Aの穴はガイド要素1514の遠位端の方に示されるが、これらの穴は、ガイド要素1514の長さに沿ったいずれの場所に位置してもよい。穴の大きさ及び形状もまた様々であってよい。張力調整要素1512は、外科手技で使用する前に圧縮位置に固定されてもよく、その場合、張力保持要素1522は既に所定位置にあり、手術中、装置1500が植え込まれた後に取り外される。或いは、ストッパ1536が着脱自在であることにより、外科手技中、張力調整要素1512にアクセスして圧縮することが可能とされてもよい。
図16A〜Eに示される実施形態は、代替的な縫合糸保持要素を有する。実施形態1600は、ガイド要素1614と、ガイド要素1614内に収容される張力調整要素1612、縫合糸保持要素1619、及びストッパ1636とを含む。図16Aには、張力調整要素1612が圧縮された実施形態が示される。張力調整要素1612は、他の実施形態に関連して考察されたとおり、ガイド要素1614の整列した穴(図16B〜Eで見ることができる)を通じて縫合糸保持要素(図示せず)を延在させることによって、かかる形態に保たれ得る。
縫合糸保持要素1619は、円筒形の部分と、そこから延びる4本の延長部1640とを含む。4本の延長部1640は2つの対を形成し、図16Aに示されるとおり、各対が、延長部1640の間に延在する円筒形のロッド1642又は他の構造を有する。延長部1640は、張力調整要素1612が圧縮されているとき、図16Aに示されるとおり、ガイド要素1614の遠位端を越えたところまで達する。ガイド要素1614は、その遠位端の近傍にそれを貫通する円筒形のロッド1638又は他の構造を備える。以下で考察されるとおり、このロッド1638は、ガイド要素1614の遠位端で縫合糸を安定させるために用いられ、且つ縫合糸1610がより多く折り重なるように促進する。張力調整要素1612が圧縮され、従って延長部1640が前進してガイド要素1614の遠位端から出ると、ガイド要素ロッド1638は、取り付けられた延長部1640の2つの対の間に延在する。植え込む間、縫合糸1610の各端部は、図16Cに示されるとおり、縫合糸保持要素の延長部1640の対を接続するロッド1642の上方、且つガイド要素ロッド1638の下方に挿通される。次に縫合糸1610の両端部は延長部ロッド1642の下側で結び合わされるか、或いは、縫合糸の両端部は延長部ロッド1642の下側で共に締め上げられるか、又は他の方法で締め付けられ得る。
ガイド要素ロッド1638及び延長部ロッド1640は、張力調整要素1612の伸縮に伴い往復動する。この往復動する設計により、図16C及び16Dに示されるとおり、張力調整要素1612が伸長すると、縫合糸1610がガイド要素1614内で折り重なる。これにより、より小さい範囲の張力調整要素1612の伸長で、より長い弛みを吸収することが可能となり、従って、ガイド要素1614及び装置1600全体をより小さく作製することが可能となる。
先述のとおり、ガイド要素の形状、そこを貫通する通路の向き、及びガイド要素に対する張力調整要素の位置は、幅広く異なり得る。図4〜図7は、巾着縫合糸張力調整装置の様々な実施形態を示す。図4〜図7に示される実施形態において、ガイド要素の形状は楕円形か、又は角部が丸みを帯びた矩形である。図4の張力調整装置400において、ガイド要素414は、組織415に隣接する遠位面418と、近位面416と、ガイド要素414を貫通する単一の直線状通路420とを有する。装置400はまた、ガイド要素414の近位に単一の張力調整要素412と、張力調整要素412の近位に縫合糸保持要素419とを有する。図示されるとおり、縫合糸保持要素419には縫合糸410の端部を挿通し、次に結紮することができる。
図5に示される実施形態500は、2本の通路520を有するガイド要素514と、2個の張力調整要素512とを含み、1つの通路520と1つの張力調整要素512とが、巾着縫合糸510の各端部に対応する。通路520は直線状であり、ガイド要素514の遠位面518からガイド要素514の近位面516に向かって僅かに外側に傾いて延在する。各張力調整要素512は、対応する通路520の近位に位置する。縫合糸510の端部がそれぞれの通路520及び張力調整要素512に挿通された後、縫合糸510の端部は張力調整要素512の近位に結紮されるか、又はその他の方法で固定される。
図6に示される実施形態600は、ガイド要素614を貫通する湾曲した単一の通路620を有する。縫合糸610の端部は、組織615の平面とほぼ垂直に通路620に入り、組織615の平面とほぼ平行に抜け出る。縫合糸610がガイド要素614から出たところから組織615の平面とほぼ平行な方向に、単一の張力調整要素512が延在している。
図6に示される実施形態は、図2A〜Dに示されるような他のものと共に、縫合糸の端部が組織の平面と平行にガイド要素通路から出て、有利には低い外形を有する。他の特徴、例えば、ガイド要素の大きさ及び形状、ガイド要素に対する張力調整要素の向き、及び縫合糸保持要素のタイプもまた、低い外形を得るように選択され得る。
低い外形を有する別の実施形態が、図7A〜Cに示される。図7Aに示されるとおり、張力調整装置700は、遠位面718と、近位面716と、2本の貫通する通路720とを有するガイド要素714と、張力調整要素712と、張力調整要素712の各端部に対応する通路要素730と、張力保持要素722とを備える。ガイド要素714は、そこを貫通する2本の通路720を有し、その各々は直線状であり、組織715の平面と実質的に垂直である。張力調整要素712はガイド要素714の近位にあり、組織715の平面と実質的に平行である。縫合糸710の端部をガイド要素通路720に挿通した後、各端部は、張力調整要素712の側端に対応する通路要素730に挿通される。各通路要素730は張力調整要素712の対応する側端に取り付けられてもよく、又はその一部であってもよい。一実施形態において、通路要素730は、張力調整要素712の各端部に取り付けられたビーズ状構造である。巾着縫合糸710の弛みの変化に応じて張力調整要素712の圧縮が変化するとき、縫合糸710の端部は通路要素730を通じて自在に摺動できなければならないため、端部は通路要素730に固定されない。図7Aには、張力調整要素712がC型クランプなどの張力保持要素722によって圧縮形態に固持されている装置700が示される。図7Bでは、張力保持要素722が取り外され、張力調整要素712が部分的に圧縮を取り除かれたことで縫合糸710の弛みが引き取られ、手術器具724の周囲に止血が設けられている。図7Cは、切開部725から手術器具724を抜き取ったときに、止血を設けるよう自己調整した後の装置700を示す。
巾着縫合糸張力調整装置の代替的実施形態が、図13A〜Dに示される。装置1200は、2本の通路1220を備えるガイド要素1214と、周囲に縫合糸1210の端部を結ぶことのできる縫合糸保持要素1219と、ガイド要素1214を縫合糸保持要素1219と接続する張力調整要素1212とを含む。張力調整要素1212は、保護スリーブ又はシース(図示せず)によって被覆されてもよい。図13Aは、弛緩した形態にある装置1200を示す。図13Bは、動作中の装置1200を示し、クリップ又はクランプなどの張力保持要素1222によって所定位置に固持されている。ガイド要素1214は、遠位面1218と共に組織1215の近くに配置される。縫合糸保持要素1219がガイド要素1214の近位にあり、その長軸が組織1215の平面と実質的に平行となるようにして、張力調整要素1212が屈曲され、固持される。縫合糸保持要素1219の大きさ及び形状は、幅広く異なり得る。縫合糸保持要素1219は、細長く丸いものであり、2つの幅広の端部と、真ん中に、周囲に縫合糸の端部を結び付けるための細い区間とを有することが示される。図13Cでは、張力保持要素1222が取り外され、巾着縫合糸1210が締め上げられるにつれて、ガイド要素1214と縫合糸保持要素1218とが僅かに引き離されている。図13Dでは、手術器具1224が抜き取られており、縫合糸保持要素1219がガイド要素1214からさらに離れるにつれ、巾着縫合糸1210が切開1225の周囲を締め上げている。
巾着縫合糸張力調整装置は、限定はされないが、ステンレス鋼及びチタンを含む任意の生体適合性材料で作製することができる。装置の要素はまた、抗生物質、抗ウイルス性組成物又は抗凝固組成物などの様々な治療用コーティングを伴い構成することもできる。また、巾着縫合糸張力調整装置の全て又は一部が、生物学的に適合性を有するケースで被覆されてもよい。このケースは滑らかな縁端を有してもよく、張力調整装置を植え込む間の身体に対する任意の刺激作用が軽減される。
巾着縫合糸張力調整装置の時間的な順序に沿った動作が、図1の実施形態を用いて図8〜図11に示される。他の実施形態の動作も同様であり、当業者は理解するであろう。図8は、標的組織15に小切開25が設けられているところを示す。図9では、巾着縫合糸10が切開25の周囲に配置されている。巾着縫合10の直径は、そこを通じて挿入される医療器具の大きさに従い選択されなくてはならない。縫合糸10がループとして内部組織15又は器官に配置されると、縫合糸10の終端部が巾着縫合式に一つにまとめて引っ張られ、緊張した状態にされる(図示せず)。図10に示されるとおり、手術器具24が切開25に挿入される。次に、クランプなどの張力保持要素22によって張力調整要素12が圧縮されている間に、縫合糸10の端部がガイド要素14及び張力調整要素12に挿通される。張力調整要素がなお圧縮されている間に、端部が縫合糸保持要素19の周囲に結紮される。
縫合糸の端部が圧縮された張力調整要素12の近位に固定されると、張力保持要素22が取り外され、そのため、図11に示されるとおり、張力調整要素12が部分的に圧縮されていない状態に戻り、且つテレスコープ型の部分材26、28が伸長することによって、縫合糸10のいかなる弛みも引き取られる。これは、外科手技中、弛みを生じさせる器具24のいかなる動きも補償するため有利である。外科手技中の動きによってさらなる弛みが必要となった場合に、さらに圧縮することができるよう、縫合糸10の端部が縫合糸保持要素19の周囲に固定される時点では、張力調整部材12は完全には圧縮されなくともよい。圧縮連続体に沿った縫合糸の正確な長さは、切開の大きさ、巾着縫合部に一時的に挿入される最小侵襲性の細長の医療装置の大きさ、並びに特定のタイプの組織及び患者の病態に望ましい張力に従い異なり得る。
図12に示されるとおり、切開部25から手術器具24が引き抜かれると、張力調整要素12が圧縮されていない状態に戻り、そのため縫合糸10が締め上げられ、器具24のない状態での止血封鎖部が提供される。或いは、外側シース又は医療器具24の別の構成部品のみが最初に引き抜かれ、ガイドワイヤ、カメラ、又は他の細長の装置は挿入されたまま残されてもよい。このとき張力調整要素12は部分的に圧縮が取り除かれ、それにより部品を抜き取ったときの弛みを引き取って、残った装置の周囲に封鎖部を提供し得る。その後、残った装置が抜き取られると、張力調整要素12の圧縮がさらに取り除かれ、切開部にいかなる器具又は装置も残っていない状態での封鎖部が提供される。
より大きい切開については、複数の張力調整装置の使用が望ましいこともある。図17に示されるとおり、図1の装置の実施形態を使用して、縫合糸を組織と複数の張力調整装置とに順番に貫通して延在させることができる。図17は、一連の3つの装置100を示すが、装置100の数は手術適用に従い異なり得る。装置100がより多くあるほど、手術器具を抜き取ったときの、又は術後の他の要因に起因する縫合糸の弛みを、より長い長さにわたり引き取ることが可能となる。巾着縫合糸10の端部は、一連の装置のうち、最後の装置100(図17では最上部の装置として示される)の縫合糸保持要素17によってのみ保持される。他の装置100については、縫合糸10は、ガイド要素14の第1の通路20を組織15から離れるほうに貫通し、隔壁19をまたぎ、及びガイド要素の第2の通路20を通って組織15のほうに戻る(図17において左下の装置に示されるとおり)。縫合糸10はその長さに沿ったいかなる点においても装置100には固定されず、従って装置100の任意の1つが縫合糸10の弛みを引き取ることにより、縫合糸10にかかる張力が全体として変化する。
多くの外科手技は、複数の巾着縫合を必要とする。例えば上行大動脈のカニューレ挿入は、当該領域から失血する可能性が高いことをふまえ、典型的には2つの同心状の巾着縫合を伴い行われる。複数の巾着縫合の場合、各縫合について別個の張力調整装置又は複数の張力調整装置が用いられてもよく、又は複数の縫合について単一の張力調整装置が用いられてもよい。

Claims (12)

  1. a)近位端と遠位端とを有する少なくとも1つの圧縮性の張力調整要素と、
    b)近位面と、遠位面と、巾着縫合糸のそれぞれの端を受け入れるための少なくとも2つの別個の直線状の貫通する通路とを有する縫合糸ガイド要素であって、前記張力調整要素に隣接した前記縫合糸を安定させ、それにより、止血を維持するため、所定の圧力下に余分な縫合糸の長さを吸収可能な縫合糸ガイド要素と、
    を含む植込み型巾着縫合糸張力調整装置であって、
    患者に内在する形で植え込むことのできる大きさ及び形状を有する、装置。
  2. 前記ガイド要素の少なくとも一部分が、前記張力調整要素を貫通して延在する、請求項1に記載の張力調整装置。
  3. 前記張力調整要素の少なくとも一部分が、前記ガイド要素を貫通して延在する、請求項1または2に記載の張力調整装置。
  4. 前記張力調整要素を圧縮形態に保持する着脱自在な張力保持要素をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の張力調整装置。
  5. 前記縫合糸ガイド要素が、そこを通る前記縫合糸の長さを変化させることが可能な複数のテレスコープ型要素をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の張力調整装置。
  6. 縫合糸保持要素をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の張力調整装置。
  7. 前記縫合糸保持要素が、巾着縫合糸の各端部用の別個の通路間にある近位隔壁である、請求項6に記載の張力調整装置。
  8. 巾着縫合部に挿入された細長の医療装置があるとき、及び前記医療装置がないとき、ある範囲の張力により前記巾着縫合部を封鎖する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の張力調整装置。
  9. a)近位端と遠位端とを有する少なくとも1つの圧縮性の張力調整要素と、
    b)近位面と、遠位面と、巾着縫合糸を受け入れるための少なくとも2つの別個の直線状の貫通する通路とを有するガイド要素であって、前記張力調整要素に隣接した前記縫合糸を安定させ、それにより、止血を維持するため、所定の圧力下に余分な縫合糸の長さを吸収可能な縫合糸ガイド要素と、
    c)前記巾着縫合糸のそれぞれの端部を受け入れるための複数の通路要素であって、各々が前記張力調整要素の各端部に取り付けられる、複数の通路要素と、
    を含む植込み型巾着縫合糸張力調整装置であって、
    患者に内在する形で植え込むことのできる大きさ及び形状を有する、装置。
  10. 前記張力調整要素に取り付けられた縫合糸保持要素であって、巾着縫合糸の端部を固定するように構成された縫合糸保持要素をさらに含む、請求項に記載の張力調整装置。
  11. 前記張力調整要素が、組織の平面と実質的に平行である、請求項または10に記載の張力調整装置。
  12. 巾着縫合部に挿入された細長の医療装置があるとき、及び前記医療装置がないとき、ある範囲の張力により前記巾着縫合部を封鎖する、請求項11のいずれか一項に記載の張力調整装置。
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