JP5523103B2 - 第12染色体における遺伝子異常を含む方法および使用 - Google Patents

第12染色体における遺伝子異常を含む方法および使用 Download PDF

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Description

本発明は遺伝学および腫瘍学の分野に関し、上皮起源の腫瘍を予想および同定する方法を提供する。詳細には、本発明は、腫瘍イニシエーション、腫瘍プログレッションおよび/または癌腫を予想する新規な方法に関し、方法は上皮起源の腫瘍に関連する遺伝子異常を検出することを含む。本発明は、さらに、癌腫を進展する可能性のある個人を同定する新規な方法に関し、方法は遺伝子異常の検出を含む。本発明は、また、癌腫のプログレッションおよび攻撃型変異型へのそのトランスフォーメーションを予想する方法にも関し、該方法は、癌腫を進展する見込みを示す遺伝子異常の検出を含む。本発明は、また、腫瘍イニシエーション、腫瘍プログレッションおよび/または癌腫を予想するための、特定の染色体領域、遺伝子またはそのフラグメント、および/または遺伝子マーカーの使用にも関する。本発明は、また、療法を開発するための、および上皮起源の腫瘍を治療する薬物を調製するための、療法における特定の染色体領域または遺伝子もしくはそのフラグメントの使用にも関する。
癌は、幾つかの遺伝子異常および後発的な遺伝子異常が蓄積した複雑な疾患である。体腔的に進展した腫瘍の発生の前には、変化する多数の遺伝子変化が必要である。利用可能なデータは、固形腫瘍の進展は複数の染色体セグメントの欠失および増幅の組合せに依存することを示している(Mertensら,Canser Res.57:2765-2780,1997; Mitelmanら,Nature Genet.,15:417-474,1997)。90%を超える全てのヒトの新生組織形成は、上皮由来である。したがって、上皮細胞は生理学的および病理学的条件において重要な役割を演じている。癌腫は上皮細胞由来の悪性腫瘍である。最も一般的な癌腫には、乳癌、前立腺癌、肺癌および結腸直腸癌が含まれる。
結腸直腸癌は年間百万と概算される新たな症例を有する世界的には3番目に最も一般的な癌である(Parkinら,CA Cancer J. Clin.,55:74-108,2005)。先進国における平均寿命リスクはほぼ5%であり、罹患したほぼ半数がそれらの疾患で死亡する(Burt,Gastroenterology,119:837-853,2000)。結腸直腸癌は良性の前駆障害、ポリープを介して進展し、ポリープ切除術を介して防ぐことができる。集団の30%が結腸ポリープを有すると見積もられ、ポリープの発生率は加齢に伴って上昇する。したがって、平均的な無症候性個人におけるスクリーニング結腸内視術は40−49歳の個人の12%に(Imperiale TFら,NEJM 346:1781-1785,2002)、および50−59歳の個人の58%に(Mehran Aら,Surg Endosc. 17:1974-1977,2003)新生生物(アデノーマ)ポリープを明らかにした。苦しむ全結腸直腸癌の約5−10%と考えられるある種の遺伝障害は、多数のポリープ(家族性アデノーマポリープ、FAP)または悪性プログレッションへの高い傾向(遺伝性ポリポシス結腸直腸癌、HNPCC)と関連している(Lynchおよびde la Chapelle,N. Engl. J. Med.,348:919-932,2003)。
生存は診断のステージと極めて関連し、すでに悪性疾患を進展している患者でも:転移性疾患を患う患者の10%未満しか5年後に生存していないのに対して、局所癌を患う患者の90%を超える者が5年後に生存している(Burt,Gastroenterology,119:837-853,2000)。結腸直腸癌は化学療法および放射線療法の両方に対して抵抗性であることはよく知られており、外科的手術だけでは効力のない大部分の患者はそれらの疾患により死亡することが運命付けられる(Globcan,International Agency for Research on Cancer. Available at http:/www-dep.iarc.fr/,2002)。したがって、できるだけ早期に増大したリスクを有する個人を同定できることは、効率的な癌予防または治癒力のある治療を可能とするのに極めて重要である。
遺伝子変化の蓄積に沿った良性前駆体を介した結腸直腸癌進展は、多段階発癌の最もよく知られた例のうちの1つである(Chung DC,Gastroenterology,119:854-865,2000および下記)。結腸直腸癌のこの多段階進展は、早期の癌検出および予防に最良の機会を与えている。結腸直腸癌は、ヌクレオチドレベルおよび/または全体の染色体レベルの突然変異の逐次的蓄積の結果として生じる。圧倒的多数の結腸直腸癌は2の主なゲノム不安定表現型、マイクロサテライト不安定(MSI)または染色体不安定(CIN)のうちの1つを示す(Abdel-Rahmanら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,98:2538-2543,2001)。最近の刊行物には、結腸直腸癌リスクの評価またはこの癌の早期検出に潜在的に使用される多数のバイオマーカーが含まれる;しかしながら、臨床的な確認は大部分が欠いている(UmarおよびSrivastava,Dis Markers 20:87-96,2004)。
最近では、組織学が主な予想因子として腺腫の多様性、高い等級の形成異常、絨毛様の特徴および大きさサイズ(1cmを超える)を増大した癌リスクについて提供している(Winawerら,Gastroenterology,130:1872-1885,2006)。したがって、進んだ病理学の予想因子が腺腫および癌の両方について有用であり、各患者に適当なリスクカテゴリーを割り当てることができる。癌プログレスの傾向の予想因子として作用し得るバイオマーカーは非常に歓迎される。
肺癌は全世界の癌関連の死亡の主要な原因であり、年間ほぼ120万人が死亡する(Ferlayら,2001,GLOBOCAN2000:Cancer Incidence,Mortality and Prevalence Worldwide,Version 1.0 IARC CancerBase No.5. Lyon,IARCPress)。95%にのぼる肺癌は喫煙関連であり、したがってDNA付加物は発癌の鍵となる役割である。
肺癌に罹った患者はほとんど予測、ほぼ50%ないし10%の範囲の5年生存率を有しない場合がある(Hasleton PS,Respiratory system 1.0 in Cancer Handbook. http:www.cancerhandbook.net,London:Nature Publishing Group,2001)。しかしながら、肺癌が早期のステージで検出された場合、外科的手術が可能であり、5年生存率は85%に達する。したがって、腫瘍イニシエーションおよび/または進行の予想因子は、有効な癌予防または療法を可能とするために貴重である。
肺の悪性腫瘍は、組織学的特徴に基づいて小細胞(SCLC)および非−小細胞の肺癌(NSCLC)に分けることができ、後者は主に類表皮癌腫および腺肉腫からなる。最近の研究は、遺伝子背景がこれらの癌のタイプの中で異なることを示している(Kaminskiら,Chest,125 (5増刊):111S-5S,2004、Fongら,Thorax,58:892-900,2003)。しかしながら、臨床的に明らかな肺癌の前には20を超える遺伝的または後生的な異常が必要であると仮定される。典型的に、肺癌腫においては、観察し得る複数の染色体異常がゲノム不安定を示す。新規な腫瘍マーカーは癌の病理を説明し、したがって肺癌における療法および生存を改善する。
診断では、癌の一般的なスクリーニングのための単一のマーカーまたは一連のマーカーが熱望されている。例えば、前立腺特異的抗原(PSA)は、前立腺の細胞によって分泌され、高いレベルのPSAは前立腺腫瘍のマーカーとして使用されている。
上皮腫瘍用の幾つかの他のマーカーは利用可能であるが、それらの使用はそれらの非特異性によって妨げられる:これらのマーカーは炎症障害におけるような悪性腫瘍以外の状態でも上昇する場合がある。臨床において使用されているが特異性および/または感度の要件に合致しないかかるマーカーには、例えば以下のものが含まれる:腫瘍由来大腸−特異的抗原(tCSA)、癌胚抗原(CEA)、α−フェトプロテイン(AFP)、妊娠特異的β−グリコプロテイン1(SP1)、ヒト胎盤性ラクトゲン(HPL)、ヒトβ絨毛性ゴナドトロピン(β-HCG)、トランスフェリン(TF)およびフェリチン(FE)。
攻撃的な癌腫を進展する高いリスクを有する患者を早期に同定することができる新たな方法を開発して効率的に癌を予防することは極めて重要である。また、癌腫進行の傾向の予想因子として作用し得る臨床的に有用な方法に対する要望も存在する。また、イニシエーションの新たなガイドラインの開発および癌療法の追跡調査のためのさらなる手段もおおいに必要である。
染色体12q21異常、詳細にはニューロンナビゲーター3(NAV3)遺伝子異常が、神経芽腫および皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)において同定されている。Coyらによって研究された10の原発性神経芽腫のうちの4はNAV3の低下したまたは欠失した発現を示し、それらのうちの3は両方の対立遺伝子のホモ接合欠失を有していた(Coy JFら,Gene,290:73-94,2002)。CTCLにおいては、研究した7患者のうちの1のみにおいて、NAV3遺伝子の欠失または転座が残りの対立遺伝子中の点突然変異と関連していた(Karenko L.ら,Cancer Res. 65:8101-8110,2005およびEP1476567 A1)。膵臓癌においては、マイクロサテライト分析によって染色体12q21異常が同定された。ヘテロ接合性の消失(LOH)が、NAV3遺伝子を含む染色体領域の境をなすマーカーD12S1684およびD12S1708を用いて検出された(Kimura Mら,Cancer Res. 58:2456-60,1998)。しかしながら、Kimuraらによる文献に記載された染色体領域は大きく、特異的な領域もNAV3遺伝子も膵臓癌腫に相関していることは見出されなかった。それに対して、本願は、特定の染色体領域における上皮起源の腫瘍について特異的である染色体異常を記載する。
潜在的な攻撃型の腫瘍のより有効かつ早期の診断を提供し、標的化療法に感受性の腫瘍を同定する新規なバイオマーカーを保証する。本発明は、腫瘍および癌腫の進行を予想または同定する1つの解決法を提供する。本発明は、上皮腫瘍の臨床的な攻撃型および患者生存を評価するツールも開示する。さらに、本発明は、癌腫の予防または治療のための新たな治療標的を提供する。
かくして、本発明の目的は、癌に罹った患者を診断し、ステージを決定し、およびモニターする新規な方法および手段を提供することにあり、かかる方法および手段により疾患の早期診断が許容される。
本発明のもう1の目的は、腫瘍イニシエーション、腫瘍プログレッションおよび/または癌腫を予想する新規な方法および手段を提供することにある。
本発明のもう1の目的は、癌腫を進展する高いリスクを有する個人を同定する新規な方法および手段を提供することにあり、かかる方法および手段は特異的かつ信頼でき、可能な限り早期の同定を許容する。
本発明のいまだもう1の目的は、癌腫のプログレッションおよび攻撃型形態へのトランスフォーメーションを予想する新規な方法および手段を提供することにあり、かかる方法および手段は時宜を得た治療介入を許容し、人命救助し得る。
本発明のいまだもう1の目的は、イニシエーションおよび治療介入の追跡調査の新たなガイドラインの開発ならびに癌の新たな治療物理療法の開発のための新規な方法および手段を提供し、かかる方法および手段は疾患の軽減ステージを長期化し、疾患を駆逐し患者を回復させる新たな可能性を導入する。
本発明のいまだもう1の目的は、癌の早期検出ならびに癌リスク評価に有用な新規なバイオマーカーを提供することにある。
本発明は、12q21.1−q21.31、具体的には12q21.2の遺伝子異常の存在または不存在を検出し、生物試料における該遺伝子異常の存在を上皮起源の腫瘍と関連付けることによって特徴付けられる腫瘍イニシエーション、腫瘍プログレッションおよび/または癌腫を予想する新規な方法に関する。換言すれば、遺伝子異常は上皮腫瘍、上皮起源の腫瘍のイニシエーションまたはプログレッションおよび/または癌腫の存在を示す。
本発明は、さらに、癌腫を進展する可能性のある個人を同定する新規な方法に関し、方法は12q21.2−q21.31、具体的には12q21.2の遺伝子異常の検出を含み、該遺伝子異常は上皮起源の腫瘍と関連している。すなわち、遺伝子異常は、癌腫を進展する可能性のある上皮起源の腫瘍を示す。
本発明は、さらに、12q21.2−q21.31、具体的には12q21.2の遺伝子異常の検出によって特徴付けられる癌腫の進行および/またはその攻撃型変異型へのトランスフォーメーションを予想する新規な方法に関し、ここに異常は癌腫を進展する見込みを示す。
本発明は、また、腫瘍イニシエーション、腫瘍プログレッションおよび/または癌腫を予想するための、染色体領域12q21.2−q21.31、具体的には12q21.2、および/またはNAV3もしくはそのフラグメントの使用に関し、12q21.2またはNAV3遺伝子の遺伝子異常は上皮起源の腫瘍を示す。
本発明は、腫瘍イニシエーション、腫瘍プログレッション、癌腫を予想するための、遺伝子異常の存在または不存在を検出することによって特徴付けられる12q21.2−q21.31、具体的には12q21.2の遺伝子マーカーの使用に関し、12q21.2−q21.31、具体的には12q21.2における、NAV3遺伝子またはそのフラグメント中の遺伝子異常は上皮起源の腫瘍を示す。該遺伝子異常は上皮起源の腫瘍および/または癌腫と関連する。
本発明は、また、上皮起源の腫瘍を治療するための療法を開発しまたは薬物を調製するための、特定の染色体領域12q21.2−q21.31、具体的には12q21.2、NAV3、そのフラグメントまたはそれらの遺伝子産物の治療における使用に関する。
以下に、添付する図面に参照して好ましい形態によって本発明をより詳細に説明する。
図1は、マッチする正常組織(上)と比較したアデノーマ(中)および癌腫(下)の両方における第12染色体マイクロサテライトD12S1708に見出されたLOHを示す。 図2は、マッチする正常組織(上)と比較した癌腫における第12染色体マイクロサテライトD12S1708に見出されたMSIを示す。 図3は、その合致する正常組織(上)と比較した癌腫におけるLOHを示す単一ヌクレオチドプライマー伸張(SnuPE)を示す。 図4は、CTCLおよびSCLCを有する患者の真正の悪性肺癌腫の核型を示す。 図5aは、乳癌転移を含むNAV3−特異的FISHの結果を示す。黒色バーは実験した細胞における倍数体の量を示し、灰色バーはNAV3欠失細胞の量を示す。結果は、全細胞カウントのパーセンテージとして示す。 図5bは、NAV3欠失を含む乳癌転移の典型的な細胞を示す。緑色シグナルはセントロメアを示し、赤色シグナルはNAV3を示す。 図6は、正常な大腸および大腸癌試料からのNAV3 FISHの結果の比較を示す。NAV3 FISH分析は、正常な大腸および同一の患者(n=36)からのCRC試料の両方を含む。正常な大腸(灰色バー)および大腸癌(黒色バー)の平均値(%)を示す。
12q21.1−q21.31、具体的には12q21.2における異常が上皮起源の腫瘍と関連することを見出した。
染色体12q21.1−q21.31の異常型、具体的には12q21.2の異常型、より具体的にはNAV3遺伝子の異常型が上皮起源の腫瘍の進展に役割を演じていることが見出された。
本発明は、膵臓の癌腫を除く、上皮起源の腫瘍と関連する12q21.1−q21.31、具体的には12q21.2における遺伝子異常を検出する方法に基づいている。
具体的には、染色体位置12q21.1−q21.31、具体的には12q21.2の遺伝子異常がNAV3遺伝子またはその断片に影響する。
具体的には、遺伝子異常がNAV3遺伝子またはそのフラグメント中に検出された。
本発明の方法の1の好ましい形態において、上皮起源の腫瘍はアデノーマおよび/または癌腫である。
本発明の方法のもう1の好ましい形態において、上皮起源の腫瘍の場所は大腸、直腸、肺、膀胱、乳房、扁平上皮細胞または基底細胞である。換言すれば、上皮腫瘍は、大腸癌、直腸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、扁平上皮細胞癌または基底細胞癌である。大腸においては、結腸直腸癌は、腺癌または前癌状態の腺腫もしくはポリープのいずれかとし得、膀胱においては、腫瘍はほとんど分化していない転移上皮ポリープまたは明白な転移癌腫とすることができ、乳癌は管癌または小葉癌のいずれかとすることができ、皮膚においては、腫瘍は基底細胞癌または類上皮癌(扁平上皮癌または有棘細胞癌とも呼ばれる)のいずれかとすることができる。肺においては、腫瘍は類上皮癌または腺癌のいずれかとすることができる。
本発明の方法のさらに好ましい形態において、遺伝子異常はNAV3遺伝子またはそのフラグメントのヘテロ接合性の消失(LOH)によって決定し、ここにNAV3のLOHは腫瘍進行の指標である。
本発明の方法のさらに好ましい形態において、NAV3遺伝子の遺伝子異常は半数体、二倍体および/または倍数体細胞において決定する。
本発明の方法のさらに好ましい形態において、腫瘍細胞はマイクロサテライト安定(MSS)またはマイクロサテライト不安定(MSI)である。
本発明の方法のさらに好ましい形態において、上皮起源の腫瘍は膵臓の癌腫以外である。
本発明は、染色体領域12q21.1−q21.31、具体的には12q21.2、NAV3遺伝子またはそのフラグメント、および/または上皮起源の腫瘍と関連する12q21.1−q21.31、具体的には12q21.2のマーカーの使用にも基づく。
1の好ましい形態において、12q21.1−q21.31のマーカーには、D12S1684、D12S326、D12S1708および/またはrs1852464が含まれる。
1の好ましい形態において、12q21.1−q21.31のマーカーには、D12S326および/またはrs1852464が含まれる。
本明細書において用いる表現「遺伝子異常」とは、12q21.1−q21.31、具体的には12q21.2の転座、欠失、増幅、逆位または他の欠陥の存在をいう。
本明細書において用いる表現「欠失」とは、その不存在が遺伝子の機能に悪影響を与える遺伝子配列中のヌクレオチドまたは複数のヌクレオチドおよび/またはエキソンまたは複数のエキソンの不存在をいう。表現は遺伝子フラグメント、遺伝子または遺伝子を含む染色体フラグメントの不存在もいう。
本明細書において用いる表現「もう1の欠陥」とは、上皮起源の腫瘍と関連する、置換、付加、多型、挿入、逆位ほかのようないずれかの遺伝子変化をいう。
本明細書において用いる表現「ヘテロ接合性の消失(LOH)」とは、細胞のゲノムの一部分に対する単一の親の寄与の消失をいう。LOHは、腫瘍形成を抑制する役割を演じることができる遺伝子の変異型対立遺伝子の覆いを剥ぐ事象と考えることができる。したがって、LOHは腫瘍イニシエーションまたはプログレッションの重要なマーカーである。
本明細書において用いる表現「BLOH」とは、ボーダーラインLOHをいい、腫瘍試料中の対立遺伝子の1がその合致する正常と比較して25%-39%のシグナル低下を有することを意味する。
本明細書において用いる表現「転座」とは、非−相同染色体間の染色体領域の移動をいう。
本明細書において用いる表現「増幅」とは、遺伝子フラグメント、遺伝子または遺伝子を含む染色体フラグメントのような遺伝子材料の獲得をいう。
本明細書において用いる表現「腫瘍」とは、異常に過剰な細胞分裂または正常な細胞死の欠如に起因する異常な組織の塊をいう。腫瘍は良性または悪性とし得、換言すれば癌でないかまたは癌とすることができる。腫瘍には、腺腫、癌腫またはポリープのようなものが含まれる。
本明細書において用いる表現「腺腫」とは、非癌性の腫瘍をいう。
本明細書において用いる表現「癌腫」とは、上皮起源の癌をいう。
本明細書において用いる表現「上皮」とは、身体の内および外の表面に沿った細胞をいう。
本明細書において用いる表現「上皮起源の腫瘍」とは、上皮細胞から生じた腫瘍をいう。上皮起源の腫瘍には、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、膀胱癌、乳癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、前立腺癌、胃癌、食道癌、および口頭/舌癌のようなものが含まれる。
上皮癌は上皮、器官および身体の表面を覆う特定のセットの細胞から生じる。上皮は、呼吸管、乳腺管および小管または腸管の一部分を覆う1の細胞層上皮のような単純なものとし得、または皮膚の上層または膀胱に見出されるような幾つかの細胞層からなる重層とし得る。皮膚の上皮はケラチン化しており、皮膚を覆う表皮の基底細胞は丸く増殖するが、最上部の細胞は平坦で、非−分裂性で、その細胞質はケラチン繊維で満たされていることを意味する。他方、泌尿上皮はケラチン化せず、しかしなお、基底に位置する細胞は丸いが、表面近くに位置する細胞は平坦であり、したがってこのタイプの上皮を移動性という。
本明細書において用いる表現「上皮起源の腫瘍を示す」とは、上皮癌の存在または高い確率もしくは可能性が示され、または記載され、または証明され、または明らかにされることをいう。
本明細書において用いる表現「攻撃型変異型」とは、急速に増殖し、おそらく転移する癌をいう。
本明細書において用いる表現「フラグメント」または「機能的フラグメント」とは、LOH−分析またはFISH−法のような本発明の方法で検出可能であるNAV3遺伝子の一部分をいう。
本明細書において用いる表現「遺伝子産物」とは、遺伝子から直接的または間接的に達成されるmRNA、タンパク質またはいずれの産物をいう。
ニューロンナビゲーター3(NAV3またはPOMFIL1)遺伝子は、unc-53、Caehorhabditis elegansからの軸索案内(axonguidance)遺伝子に対して相同性を示す最近同定されたヒト遺伝子ファミリーのメンバーである(Maesら,Genomics 80:21-30,2002)。それはヒトRAINB1(神経芽腫細胞においてレチノイン酸誘導性)、unc-53の哺乳動物ホモログと相同配列を共有する(Merrillら,PNAS.,99:3422-3427,2002)。構造予想によって、NAV3は細胞シグナリングにおける役割を示唆するカルポニン様ドメインおよびSH3結合部位を有する(Coy JFら,Gene,290:73-94,2002およびMaesら,Genomics,80:21-30)。NAV3は39のエキソンからなり、mRNA検出に基づいてその発現は脳組織に多いに限定される(Maesら,Genomics,80:21-30,2002)。NAV3は異なる長さのタンパク質をコードする転写物を生成することが示されており、それは組織−特異的な選択的なスプライシングに付されているかも知れない。NAV3は構造上はヘリカーゼおよびエキソヌクレアーゼであり、染色体の安定性を維持する役割を有するWernerおよびBloom症候群タンパク質に似ている(Coy JFら,Gene,290:73-94,2002,Maesら,Genomics,80:21-30,2002)。亜細胞的に、NAV3は核前複合体に位置することが報告されており(Coy JFら,Gene,290:73-94,2002)、核輸送、動原体形成および細胞周期制御に役割を有している可能性がある(Fahrenkrog BおよびAebi U,Nat Rev Mol Cell Biol.,4:757-66,2003)。したがって、NAV3は非−古典的ハプロ不全腫瘍サプレッサーである可能性がある(Sherr CJ,Cell,116:235-46,2004)。
本発明において、12q21.1−q21.31、具体的には12q21.2の遺伝子異常は、結腸直腸癌、カルシノーマ肺癌および膀胱癌についてのLOH分析によって実験した。蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション(FISH)は、大腸癌、乳癌、基底細胞癌(BBC)および扁平上皮癌(SCC)、ならびに染色体ポジション12q21.1−q21.31、具体的には12q21.2を精査するための肺癌の比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)にも利用された。
すべてのマイクロサテライトマーカー(D12S1684、D12S326、D12S1708)ならびにSNPマーカー(遺伝子内NAV3 rs1852464)は、直腸結腸の腺腫および癌腫において12q21.1−q21.31のLOHを示した。膀胱癌試料においては、少なくともボーダーラインLOHが該4のマーカーを用いて検出された。マイクロサテライトマーカーは、肺癌においてLOHを示した。さらに、FISHは結腸癌における12q21の消失および乳癌、基底細胞癌および扁平上皮癌における12q21の消失および獲得の両方を明らかにした。CGHは1の肺癌における12q21の消失を明らかにした。したがって、NAV3の損失および獲得は上皮から発生する腫瘍のマーカーと思われる。
また、同一の患者に発生した結腸直腸癌および癌腫はNAV3 LOHを示し、これは癌患者がNAV3 LOHを介して癌腫を進展することを示唆している。NAV3 LOHを有する腺腫基底細胞癌(carcinoma basocellulareまたはbasal cell carcinomasとも呼ばれる)は、表皮の大部分の基底部分に存在する細胞から形成される。一方、扁平上皮癌(carcinoma asquamocellulareまたはspinocellular carcinomaとも呼ばれる)は、より遠位に位置する細胞から形成され、この腫瘍は、角化している細胞の特徴である角化を示す場合がある。乳癌および結腸直腸癌は、単層上皮から生じ、通常は1のみの層を有する悪性腫瘍の例であるが、この場合であっても、乳または粘液のいずれかを分泌する乳腺の外分泌細胞のような分化した細胞型、または消化管上皮における粘膜を分泌する杯細胞を含む。
上皮癌は良性、前悪性または明白な悪性となり得る。我々は、本願においてより詳細に記載した染色体異常を、大部分においては悪性腫瘍、癌腫においてだが、場合においては大腸または直腸の腺腫のような前悪性条件において現実に観察した。
遺伝子異常は上皮起源の腫瘍と関連するため、これらの異常の存在は、上皮起源の腫瘍のイニシエーション、プログレッションおよび/または存在または癌腫の進展、プログレッションおよび/または存在を示す。したがって、生物試料中の該異常型の存在を検出することによって、上皮起源の腫瘍または癌腫を有する患者を診断または同定することができる。また、該異常型の存在を検出することによって、腫瘍がプログレスまたは進展し、あるいは攻撃型変異型にトランスフォームしそうな患者を診断または同定することもできる。患者または疑わしい患者からの生物試料は、該遺伝子異常の存在についてスクリーニングすることができる。
本発明の方法によれば、遺伝子異常の存在または不存在を、転座、欠失、挿入ほかを検出するのに好適ないずれか公知の検出方法によって生物試料から検出することができる。かかる方法は当業者によって簡単に認識され、多色蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション、多発色イン・サイチュ−ハイブリダイゼーション(MFISH)、スペクトル核型(SKY)、結合二元比標識(combined binary ratio labelling、COBRA)、色変化核型(CCK)のような蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーションが含まれる。比較ゲノミック・ハイブリダイゼーション(CGH)においては、遺伝子変化はDNAの獲得および消失として分類される。CGHは染色体および亜染色体レベルの異常を含む特徴的なパターンを明らかにする。従来のG−バンド技術も、獲得、消失または転座の粗い検出が十分と考えられる場合は、用いることができる。好ましい方法は、臨床研究に使用するのに好適なものである。
上皮起源の腫瘍においてNAV3遺伝子の同定を利用する本発明の1の好ましい形態によれば、NAV3遺伝子またはその同等物もしくはフラグメントの存在または不存在は、遺伝子発現(またはコピー数)を検出するのに好適ないずれか公知の検出方法、すなわち、遺伝子(またはDNA)のコピー数を検出することに基づく方法および/または遺伝子発現産物(mRNAまたはタンパク質)を検出することに基づくもの、によって生物試料から検出することができる。かかる方法は当業者によって容易に認識され、従来のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)−法、RT-PCR、FISH、mRNAイン・サイチュ・ハイブリダイゼーションのようなイン・サイチュ・ハイブリダイゼーション、ノザン分析、サザンおよびウェスタン分析、免疫組織化学およびELISAのような他の免疫アッセイが含まれる。好ましい方法は、日常的な臨床研究において使用するのに好適なものである。
NAV3遺伝子の異常を検出するためのLOH分析を利用する本発明のもう1の好ましい形態によれば、欠失、遺伝子転化、有糸分裂組換えおよび染色体消失を検出することができる。癌のLOHは、生殖細胞DNAにおける遺伝子座のヘテロ接合性の存在および腫瘍細胞における同座におけるヘテロ接合性の不存在によって同定することができる。
NAV3遺伝子の異常を検出するのに好適なマーカーを利用する本発明のもう1の好ましい形態によれば、マーカーには、マイクロサテライトマーカー、SNP−マーカー、NAV3遺伝子と関連するいずれかのプローブ、プライマーまたは抗体のようないずれかの生物マーカーが含まれる。多数の方法は、多型、SNP、挿入または欠失のような特定の配列存在について核酸を分析するのに好適である。対立遺伝子変異型は、例えば、酵素的方法、電気泳動的方法および物理的方法によって識別し得る。これらの方法には、例えば、一本鎖コンフォメーション多型(SSCP)、ヘテロ二本鎖分析、フラグメント分析、DNA配列決定、ミニ配列決定、プライマー伸張法、マイクロアレイ、質量分析および変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)が含まれる。PCRは特異的な配列変化を分析することに用いられ、または前記した方法と組み合わせて活用される場合がある。
本発明の方法においては、生物試料は上皮組織またはリンパ節またはいずれかの身体器官もしくは全血中の転移腫瘍障害からのバイオプシのようないずれかの好適な組織試料とすることができる。必要な場合、生物試料は当業者に知られている好適な様式で前処理することができる。
治療においては、NAV3遺伝子の正常な機能の回復を用いることができる。このことは、機能的に一致する遺伝子の発現を高めることによってか、またはインタクトなNAV3遺伝子を導入することによってまたは遺伝子療法に現在利用可能ないずれかの技術でNAV3遺伝子の変化した形態またはNAV3に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いることによって達成して、増殖する疾病の進行を防ぐことができる。詳細には、腫瘍細胞増殖をかかる療法によって速度を落としまたは停止することもできる。かかる技術にはエクス・ビボ(ex vivo)およびイン・サイチュ(in situ)療法が含まれ、前者にはインタクトまたは変化したNAV3遺伝子を組換えまたはペプチド形にまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドとしてまたは患者に対するベクターに導入またはトランスフェクトすることが含まれ、後者には変化した遺伝子またはオリゴヌクレオチドを担体に挿入し、ついでそれを患者に導入することが含まれる。治療する疾病に依存して、一時的な治療または恒久的な治療を達成することができる。あるいは、NAV3タンパク質に結合するモノクローナルもしくはヒト化抗体またはペプチド、または転座の結果として生じた融合遺伝子を用いて変化したNAV3タンパク質の機能を抑制することができ、したがって腫瘍細胞増殖の速度を落とし、または停止することさえできる。
NAV3に対する抗体を用いて、細胞毒性物質のような他の因子を、NAV3遺伝子を過剰発現する癌細胞に運搬することもできる。ついで、かかる因子を用いて癌細胞を特異的に殺すことができる。
遺伝子異常型または染色体変化を理解すること、特に腫瘍イニシエーションに関連することを理解することは、癌の早期診断および患者の治療に寄与するであろう。本発明は、上皮腫瘍におけるNAV3 LOHの役割を初めて開示する。本発明は、NAV3 LOHが結腸直腸腺腫に観察された場合、かかる患者がNAV3 LOHを介して癌腫を発症しそうであろうことも開示する。
したがって、本発明に記載したNAV3遺伝子の検出または他の欠陥の検出は、攻撃型の癌を進展する高い危険性を有する患者の早期同定を許容し、結腸直腸癌または肺癌のような癌腫の新規な診断および追跡の効率的な癌予防および進展を可能とする。上皮腫瘍におけるNAV3の遺伝子異常の発見は、その療法の進歩における新たな可能性の扉を開ける。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために記載する。
技術的進歩として、本発明の概念は種々の方法で実行することができることは当業者に明らかであろう。本発明およびその形態は、以下に記載する例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で変化し得る。
実施例1
a)マイクロサテライトマーカーを用いたNAV3ヘテロ接合性の消失(LOH)分析
ホルマリン固定パラフィン包埋組織試料の組織を組織学者によって確かめた。腫瘍、腺腫または正常な領域を切除して純粋に正常または少なくとも50%の比の癌腫または腺腫組織を標準プロトコールに従ってDNA調製のために得た。パラフィン包埋切片を10μm厚で切り、これから、以下の標準プロトコールに従ってDNAを精製した(Isolaら,Am. J. Pathol.,145:1301-1308,1994)。
NAV3遺伝子に対してLOH分析を行った。12q21.1-q21.31のNAV3遺伝子座に広がり、両方向から遺伝子を取り囲む(http://www.ensembl.orgに従うメガベースの遺伝子座間の物理距離を括弧に記載する)3のマイクロサテライトマーカーを選択した:pter D12S1684-(0.8Mb)-D12S326-(0.2Mb)-NAV3-(3.8Mb)-D12S1708qter。DNA試料を以下のプライマー:D12S1684F 5'cctgcatgcctcagttatga3'、D12S1684R 5'aacaagccataccagtcagg3'、D12S326F 5'accaggctcccctaaaagtg3'、D12S326R 5'agaatgaccagacccacagg3'、D12S1708F 5'gggaacttatgtcaaggctagga3'、D12S1708R 5'gatctagtgctcaagaggttttcaa3'を用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅した。PCR反応は、75-150ngのテンプレートDNA、GeneAmp 10xPCR緩衝液(Applied Biosystems)、0.2mMのdNTP Mix(GE Healthcare Biosciences Ab)、0.8μモルの各プライマーおよび1.5UのAmpliTaqポリメラーゼ(AB)を含有する25μl反応体積で行った。以下のPCRサイクルを増幅に用いた:94℃にて3分間、94℃にて30秒間の変性、60℃にて30秒間のアニーリング温度および72℃にて45秒間の伸張を35サイクル。最後の伸張は、72℃にて5分間とした。前進プライマーをFAMで蛍光標識し、PCRフラグメントをABI3730シークエンサー/ゲノタイパーにかけ、結果をGeneMapper v3ソフトウェア(Applied Biosystems)を用いて分析した。
b)単一ヌクレオチドプライマー伸長、SnuPEを用いたNAV3ヘテロ接合性の消失(LOH)分析
DNAを上記したように調製した。
非放射的方法を用いて、NAV3遺伝子のエキソン19内のコーディングA/G多形(rs 1852464)についてヘテロ接合性である患者における2のNAV3対立遺伝子の相対的発現を定量した。rs 1852464のヘテロ接合性はカフカス人/ヨーロッパ人で0.493に上り、それを非常に有用なマーカーにした。SNuPEの伸長反応は、多形部位の近くにアニールする標識プライマーの異なる伸長を許容するように選択した単一ddNTPの取込みに基づく。
同一個人からの揃った腫瘍および正常なゲノムDNA試料を、プライマーrs1852464F 5'CCTGCTATTTTCATCTTTCAAGC3'およびrs1852464R 5'GGCTGGGATGCTGTTTGAG3'を用いて最初にPCR増幅して、A/G多形を含む130bpのPCRフラグメントを得た。PCR反応は、60-100ngのテンプレートDNA、GeneAmp 10xPCR緩衝液(Applied Biosystems)、0.2mMのdNTP Mix(GE Healthcare Biosience Ab)、0.4μMの各プライマー、および1.5UのAmpliTaqポリメラーゼ(AB)を含む25μlの反応体積で行った。以下のPCRサイクルを増幅に用いた:94℃にて3分間、94℃にて30秒間の変性、56℃にて30秒間のアニーリング温度および72℃にて45秒間の伸長を35サイクル。最後の伸長は72℃にて5分間とした。つづいてPCR産物を、製造業者指示書に従って、エキソヌクレアーゼI(10U/ul)およびSAP(Shrimp アルカリホスファターゼ、2U/ul)(ExoSAP-IT,Amersham Bioscience)によって精製した。
PCR伸長は、蛍光標識した伸長プライマー5’GATGCTGTTTGAGCGCATCATGCTGGGCCC3’および正常なシトシンの代わりに終結ヌクレオチドddCTPを含有するヌクレオチド混合物を用いて行った。50μMの各dATP、dGTP、dTTPおよびddCTP(GE Healthcare Biosciences Ab)、0.2μMのSNuPEプライマー、および6.4Uの高温シークエナーゼDNAポリメラーゼ(GE Healthcate Biociences AB)を含有する20μl反応体積で行った。以下のPCRサイクルを伸長反応に用いた:95℃にて2分間、95℃にて20秒間の変性、56℃にて20分間のアニーリング温度の25サイクル、および70℃にて40秒の伸長。最後の伸長は、70℃にて10分間とした。これにより、鋳型にGまたはAが存在するかに依存して43bpまたは49bpの産物が得られた。プライマー伸長反応の生成物をABI3730シークエンサー/ゲノタイパーにかけ、結果をGeneMapper v3ソフトウェア(Applied Biosystems)を用いて分析した。
c)LOH結果の解釈
腫瘍試料中の対立遺伝子のうちの1がそのマッチングする正常と比較して40%またはそれを超える低下を有する場合、その試料はLOHを示すとスコアした。腫瘍パーセンテージが50%を超える(それは実際この実験において最低限であった)場合は十分に特異的かつ感度が高いこのカットオフ・レベルを用いることについては文献に大きな共通が存在する。正常組織においては23%にのぼるシグナル低下が認められ(例えば、Cleton-Jansenら,Cancer Res.,61:1171,2001)、25%-39%のシグナル低下がグレイ領域になった。公開された文献(Cleton-Jansenら,Cancer Res.,61:1171,2001,Vauhkonenら,Gastric Cancer,8:238-244,2005およびKimら,Virchows Arch.,443:491-500,2003)(図1-3)。
実施例2
a)一連の結腸直腸癌のNAV3 LOH分析。
3シリーズ(本明細書中でA、BおよびCと命名する)を調べた:
シリーズA:59人の患者からの連続するシリーズの56の結腸直腸癌および21の腺腫(合計数=77)。同一患者に生じた腺腫および癌は59症例のうちの10において利用可能であった。調べた3の第12染色体のマイクロサテライト座における不安定性のみによって判定したところ、全ての腺腫がMSSであったが56の癌のうちの14は1またはそれを超えるマーカーでMSIを示した(25%)。
シリーズB:ミスマッチ修復遺伝子生殖系列突然変異について陰性と試験されたよく特徴付けされた一連の家族性結腸直腸癌。これは18のMSS癌、1のMSI癌および4のMSS腺腫(合計数=23癌)からなる。このシリーズは、結腸直腸癌における共通の分子変化について以前に特徴付けされた。
シリーズC:証明されたMMR遺伝子生殖系列突然変異を有するHNPCC家族に生じたよく特徴付けされた一連のMSI−結腸直腸癌(合計数=24癌)。
対応する正常試料は、大部分が正常な粘膜遮断からのものであり、あるいは、これが入手できない場合は、患者から入手可能な他の正常な身体組織からのものとした(例えば、リンパ節、虫垂または血液)。
マイクロサテライト不安定(MSI)とは、DNAミスマッチ修復における失敗の結果としてのDNA内のショートタンデムヌクレオチド域である、マイクロサテライトのゲノム幅長の変化をいい、一方で、マイクロサテライト安定(MSS)とは、マイクロサテライトの一定の長さをいい、換言すればDNAミスマッチ修復における失敗によって引き起こされたマイクロサテライトの長さ変化の欠如をいう。
LOH分析は実施例1に記載したように行った。
調べたすべてのシリーズから得た結果を表1にまとめた。表2は別々に試験した各マーカーの結果を示す。NAV3エキソン19のLOHについての厳密に特異的なマーカーとしての遺伝子内NAV3 SNP rs1852464を用いると、今まで入手可能のデータはMSS癌におけるこの部位のNAV3損失について7/20(35%)の頻度を示したことは特に注記する。これらの7の腫瘍はマイクロサテライトマーカーによってすでに関係付けられた6を含むが、1のみの症例においては、BLOHはrs1852464 SNPにおいて見られたが、フランキングしているマイクロサテライト座には見られなかった。シリーズAのマイクロサテライトマーカーによってLOH/BLOHを示した31の腫瘍のうち、23は情報がないかまたはいまだ継続しており、残りの8症例はSnuPEとの比較のためである。これら8症例のうち6は、SNP rs1852464に一致したNAV3損失を示した。
Figure 0005523103
*シリーズAのMSI癌は14の癌からなり、そのうちの6は情報がない
Figure 0005523103
*注記:通常のLOH頻度は情報を与える症例のみについて計算した。SNuPE試験は、9の癌(8のMSS、1のMSI)および調べた第12染色体マイクロサテライトによりLOHを示したすべての6の腺腫における構造的ホモ接合性に起因して非情報的であった。rs 1852464におけるホモ接合性の発生機会は、マイクロサテライト−対−SNuPEにより入手可能なデータを比較することを危険なものとしている。
2b)同一患者に生じた結腸直腸腺腫および癌のLOH分析
同一患者に生じた腺腫および癌は、シリーズAの59の症例のうちの10において入手可能であった。分析は実施例1に記載したように行った。
これらの10の患者のうちの4において、腺腫はLOHまたはBLOHを示し、これらの4症例のうちの3においては、マッチング癌は情報的であり、大部分がLOH/BLOHと同様のパターンを有する(表3)。このことは、NAV3 LOHが腺腫で観察された場合、かかる患者はNAV3 LOHを介しても癌を進展しそうなことを示唆している。
Figure 0005523103
2c)NAV3 LOHを運搬している結腸直腸癌の形態および組織的特徴
腺腫におけるLOHの出現は、標準的な基準によって癌進展のリスクにあると考えられる症例と関連付けられる傾向があった。LOHを有する5の腺腫のうち平均直径は9mmを超えており、従って1cmの基準レベルに近く、一方でLOHを有していない他の5の症例では平均直径は6mm未満であった(表4)。さらに、LOHを有する腺腫においては、5のうちの1が乏しい分化を示したが、LOH陰性の症例における分化の程度は常に高かった。
Figure 0005523103
*分化の程度1−3
**ミリメートルのサイズ
実施例3
FISHによって検出した結腸直腸癌におけるNAV3欠失
試料
FISH(蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション)アッセイ用の試料は、シリーズA(実施例2aに記載)からの18のランダムに選択した結腸直腸癌症例および陰性対照として慢性湿疹、非−悪性炎症に苦しむ患者から得た皮膚試料を含む7の症例から調製した。すべての組織試料は、通常のホルマリン固定によって処理し、パラフィン中に包埋した。
パラフィン包埋組織からの核の調製
50μmのセクションをホルマリン固定したパラフィン包埋組織から切除した。脱パラフィン操作した後に、各セクションを+37℃にて30分間、プロテアーゼXXIV(Sigma)を用いて消化した。酵素消化の後、2000xgで10分間の遠心によって核をペレット化し、0.1M Tris-HCl、0.07M NaCl、pH7.2に希釈した。核懸濁液を対物スライド上にピペットし、室温にて一晩乾燥した。そのスライドを室温にて4分間、0.01%パラホルムアルデヒドで固定し、つづいて等級エタノール(70%、85%、100%)を用いて脱水した。スライドは-70℃で保存した。
フルオレセイン−12−dUTPおよびAlexa−594−5−dUTPを用いたプローブの標識
NAV3 DNAに特異的な3の細菌人工染色体(BAC)クローン(RP11-494K17、RP11-36P3およびRP11-136F16;Research Genetics Inc.,Huntsville,AL,USA)をAlexa-594-5-dUTP(Invitrogen)を用いて標識し、第12染色体セントロメアプローブ(pA12H8)をニックトランスレーションを用いてdUTP(Roche)を用いて標識した(Hyytinen Eら,Cytometry,16:93-99,1994)。各標識反応について、1-2μgのDNAを合計反応体積50μlに用いた。4μlの各標識したBACおよびセントロメアプローブをヒトCOT1 DNA(Invitrogen)と一緒に混合し、酢酸ナトリウムおよびエタノールで沈殿させた。沈殿したプローブ混合物をハイブリダイゼーション緩衝液(SSC中の15% w/vの硫酸デキストラン、70%ホルムアミド、pH7.0)に希釈し、+76℃にて10分間変性させた。
パラフィン包埋組織から抽出した核を用いたFISH
スライドを1Mのチオシアン酸ナトリウムで+80℃にて5分間前処理し、2×SSCを用いて5分間を3回洗浄した。洗浄後、スライドを50%グリセリン、0.1×SSCを用いて+90℃にて6分間、2×SSCを用いて3分間、蒸留水で2分間を3回処理した。スライドを70%ホルムアミド、2×SSC中、+87℃にて7分間変性させた。変性後に、スライドを等級エタノール(70%、85%、100%)で脱水し、プロテイナーゼK(Sigma;20mM Tris-HCl中の8μg/ml、pH7.5、2mMのCaCl2)を用いて+37℃にて7分間酵素消化した。消化した後、スライドを脱水し、10μlの変性プローブ混合物をスライドにピペット添加した。ハイブリダイゼーションを+37℃にて一晩行った。スライドを1.5Mの尿素、0.1xSSCを用いて10分間を3回洗浄し、0.1xSSCを用いて10分間および4xSSCを用いて5分間を1回洗浄し、つづいてPN緩衝液(0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH8.0、0.1%のNP-40)で3回洗浄した。最後にスライドを蒸留水で濯ぎ、風乾し、DAPIを含むVectashield Mounting Medium(Vector)に載せた。
分析および結果
スライドはフィルターセット8300およびトリプルバンド・エキサイター83103x(Chroma Technology Corp.,Brattleboro,VT,USA)を備えたオリンパスBX50(Tokyo,Japan)と、ソフトウェアImage pro Plus(Media Cybernetics,Silver Spring,MD,USA)を有するコンピュータに結合した冷却CCDカメラ(Sensi Cam,PCO,Computer Optics,Kelheim,Germany)を用いて分析した。各症例から50細胞を分析し、第12染色体セントロメアについて2の標識およびNAV3について2の標識を有する場合には細胞を正常にグループ分けした。倍数体細胞は3またはそれを超えるセントロメア標識を有していた。セントロメア標識の数がNAV3標識の数よりも高い場合は、NAV3欠失を定義した。1のセントロメアおよび1のNAV3標識を有する細胞が少しあり;これは技術的人為要因であるとした。結果(表5)は、大腸癌からの試料が高い頻度の倍数体を有すること、および、これらの細胞が1またはそれを超えるNAV3対立遺伝子の欠失を示す場合があること、を明らかに示している。
Figure 0005523103
*=セントロメアの正常数(2および2)ならびに細胞当たりのNAV3標識
**=細胞当たり2のセントロメア標識を超える
***=細胞当たりのNAV3標識を超えるセントロメア標識の数
****=細胞当たり1のセントロメアおよび1のNAV3標識
実施例4
肺癌のNAV3 LOH分析
他の器官が含まれることも他の夾雑癌のいずれの事実もない、肺癌を患う5人の患者の収容パラフィン包埋試料を調べた。3の肺癌試料はSCLCであり、2は類表皮癌であった。肺癌細胞試料およびその対応する正常な肺組織試料の顕微解剖およびPCR増幅を、以下のプロトコールに従って行った。
ミクロトームを用いて試料から5μmの切片を切除し、スライドガラスに結合した1.35μmの厚さのポリエチレン膜(P.A.L.M. Microlaser Technologies,Bernried,Germany)に載置した。ついで、組織セクションを脱パラフィン化し、前記したようにヘマトキシリンで染色した(Stoeckleinら,Am. J. Pathol.161:43-51,2002)。外形制御のために、ヘマトキシリン−エオシン染色を標準プロトコールに従って行った。200000μm2をカバーする悪性細胞の領域を、P.A.L.M.レーザー−マイクロビームシステム(P.A.L.M. Microlaser Technologies)を用いてレーザー捕捉顕微解剖した。その後に、プロテインキナーゼK消化を行い、DNAを前記したようにSCOMPを用いて増幅した(Kleinら,Pro. Natl. Acad,Sci USA 96:4494-9,1999およびStoeckleinら,Am. J. Pathol.,161:43-51,2002)。増幅の成功は、前記したようにマイクロサテライトマーカーD5S500およびD17S1161についてPCR試験した(Kleinら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:4494-9,1999およびStoeckleinら,Am. J. Pathol. 161:43-51,2002)。
実施例1aに記載した方法に従って、5の肺癌症例は首尾よく分析した。これらの5の肺癌のうち、1は使用したすべての3のマーカーについて情報がなかったが、4の他の症例のうちの2においてヘテロ接合性の消失が見出された(表6)。
Figure 0005523103
??は解釈不可能なパターンを意味する
NO=LOHなし
SCLC=小細胞肺癌
EC=肺の類表皮癌
実施例5
肺癌のCGH-分析
12の患者の肺癌試料をCGHに使用した。これら12の患者はCTCLを有するとも診断された。
CGHはStoeckleinら,2002によって記載された修飾を含むKleinら,1999によって公開されたプロトコールに従って行った(Kleinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,96:4494−9,1999およびStoeckleinら,Am.J.Pathol.,161:43-51,2002)。簡単には、顕微解剖およびプロテインキナーゼK消化したDNAをMseI制限酵素(BioLabs)で消化して256bpの平均長のDNAフラグメントを得、アダプターを5'のオーバーハングに連結し、DNAフラグメントをポリメラーゼ連鎖反応によって増幅した。ついで、増幅したDNAをジゴキシゲニン−dUTP(Roche)で標識し、健全なボランティアの末梢単核細胞から得た、ビオチン−dUTP(Roche)で同様に処理したアリコートの参照DNAで標識した。標識したプローブは、正常な男性の中期スライドに2-3晩ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後の洗浄の後に、蛍光顕微鏡下で中期を観察し、赤色に対する緑色の比の統計的制限を用いたCCDカメラを備えたエピ蛍光顕微鏡(Axioplan imaging 2,Carl Zeiss AG,Oberkochen,Germany)を用いて3色デジタル画像を獲得して、獲得および損失したDNAコピー数を決定した。各症例についての分析において、8ないし12の中期が含まれていた。内部対照として、正常な男性および女性DNAを同時ハイブリダイズさせ、性染色体における差異のみ同定した。
1の肺癌患者の腫瘍細胞においては、12q21の損失がCGHによって示された(図4)。SCLCおよびCTCLを有する患者の核型は、SCLCについての典型的な変化:3q、5q、8p、10qおよび13qの損失ならびに5pおよび19qの獲得を示した。幾つかの他の典型的なSCLC異常(17p損失および8q獲得)は存在しなかった。CTCLについて特徴的な知見には、例えば10q/10および13の損失、ならびに4q、7、17q/17および18の獲得が含まれ、それらはすべてこの症例で実証することができる。興味深いことに、12q21の損失も明らかである。
実施例6
膀胱癌におけるNAV3欠失
組織試料
膀胱の上皮癌を有すると診断された16の患者からの試料を実験のために選択した。試料は中性ホルマリンで通常どおり固定し、パラフィンに包埋した。50μmの厚さの1−3の切片を切断し、実施例3に記載したように核を単離した。
プローブ標識
NAV3 DNAに特異的な2の細菌人工染色体(BAC)クローン(RP11-36P3およびRP11-136F16;Research Genetics Inc.,Huntsville,AL,USA)を、ニックトランスレーション(Hyytinenら,1994)を用いてAlexa594-5-dUTP(Invitrogen)で標識し、第12染色体プローブ(pA12H8;American Type Cell Culture)をAlexa488-5-dUTP(Invitrogen)で標識した。50-75ngの各標識したBACおよび30ngのセントロメアプローブを1μgのヒトCOT1 DNA(Invitrogen)と一緒に混合し、酢酸ナトリウムおよびエタノールで沈殿させた。沈殿したプローブ混合物を10μlのハイブリダイゼーション緩衝液(2xSSC中の15% w/v硫酸デキストラン、70%ホルムアミド、pH7.0)に希釈した。
蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション
核のスライドを+80℃の1Mのチオシアン酸ナトリウムで5分間前処理し、2xSSCを用いて、室温にて5分間洗浄した。洗浄後、スライドを+90℃の50%のグリセリン、0.1xSSCを用いて5分間、2xSSCを用いて3分間、および蒸留水を用いて2分間を3回処理した。スライドをプロテインキナーゼK(Sigma; 20mMのTris-HCl中の8μg/ml、pH7.5、2mMのCaCl2)を用いて+37℃にて8分間酵素消化した。脱水および風乾した後、プローブ混合物をスライドにピペット滴下し、そのスライドをホットプレート上、+85℃にて6分間変性させた。ハイブリダイゼーションは、+37℃にて48時間行った。スライドは1.5Mの尿素、0.1xSSCを用いて+47℃にて10分間を3回洗浄し、0.1xSSCを用いて+47℃にて10分間を1回洗浄し、つづいてPBS、0.1%のNP-40を用いて室温にて3回洗浄した。最後にスライドを蒸留水で濯ぎ、風乾し、4',6-ジアミノ-2-フェニルインドール二塩酸(DAPI;Vector)を含むVectashield Mounting Mediumに載せた。
FISHの結果は、60X 油浸対物レンズおよびAlexa488、Alexa594およびDAPI(Chroma Technology Corp.,Brattleboro,VT,USA)三重バンドパスフィルターを備えたOlympus BX51顕微鏡(Tokyo,Japan)を用いて評価した。各ケースからの200の核を分析し、核を第12染色体セントロメアについて2の標識およびNAV3について2の標識を有する場合を正常としてグループ分けした。倍数体核は3またはそれを超えるセントロメア標識を有していた。セントロメア標識の数がNAV3標識の数よりも多い場合はNAV3欠失が規定され、NAV3標識の数がセントロメア標識よりも多い場合はNAV3増幅が規定された。分析は、2の独立した分析者により、診断または試料同一性について盲検で行った。
マイクロサテライトマーカーを用いたNAV3 LOH分析
LOHアッセイ(ヘテロ接合性の消失)について、患者の正常組織および腫瘍試料に由来する両方のDNAを、標準的な方法に従って10μmの厚さのパラフィン包埋切片から抽出した(Isolaら,Am. J. Pathol.,145:1301-1308,1994)。分析は、実施例1aに記載したように行った。
結果
LOH(およびボーダーラインLOH;BLOH)ならびにFISHアッセイにおけるNAV3コピー数の状態に関する結果を表7に示す。17の膀胱癌試料のうちの7(40%)が、実験で用いたマーカーの少なくとも1を有するLOH/BLOHを示した。64のうちの20(30%)の対立遺伝子はホモ接合体であり、LOH法を用いて分析することができた。FISH分析においては、15の試料のうちの3(20%)がNAV3欠失を示した。NAV3遺伝子重複(増幅)が20%の試料で見られた。1の試料は、NAV3欠失および増幅の両方を有していた。2の試料は、試料の低い品質により、NAV3コピー数変化について分析しなかった。
Figure 0005523103
実施例7
乳癌におけるNAV3欠失
組織試料
我々は、実験材料として乳癌の手術を施す際に4の患者からセンチネルリンパ節を選択することによって、乳癌におけるNAV3欠失の出現を実験した。新たに得たリンパ節または冷凍材料からタッチプレパレート(touch preparate)を行い、NAV3 FISH分析に使用するまで-70℃にて保存した。
プローブ標識
NAV3 DNAに特異的な2の細菌人工染色体(BAC)クローン(RP11-36P3およびRP11-136F16;Research Genetics Inc.,Huntsville,AL,USA)をAlexa594-5-dUTP(Invitrogen)で標識し、第12染色体セントロメアプローブ(pA12H8;American Type Cell Culture)をニックトランスレーション(Hyytinenら,1994)を用いてAlexa488-5-dUTP(Invitrogen)で標識した。50-75ngの各標識したBACおよび10ngのセントロメアプローブを1μgのヒトCOT1 DNA(Invitrogen)と一緒に混合し、酢酸ナトリウムおよびエタノールで沈殿した。沈殿したプローブ混合物を10μlのハイブリダイゼーション緩衝液(15% w/v硫酸デキストラン、2xSSC中の70%ホルムアミド、pH7.0)に希釈した。
蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション
スライドは、氷上、PBS中の4%のパラホルムアルデヒドを用いて1分間固定した。PBS洗浄後に、スライドをプロテインキナーゼK(Sigma,20mMのTris-HCl中の0.66μg/ml、pH7.5、2mMのCaCl2)で+37℃にて6分間酵素消化した。脱水および風乾した後にプローブ混合物をスライド上にピペット滴下し、そのスライドをホットプレート上、+75℃にて5分間変性した。ハイブリダイゼーションを+37℃にて24時間行った。スライドを1.5Mの尿素、0.1xSSCを用いて+47℃にて10分間を3回、0.1xSSCを用いて+47℃にて10分間を1回洗浄し、つづいてPBS、0.1%のNP-40を用いて室温にて3回洗浄した。最後に、スライドを蒸留水で濯ぎ、風乾し、4',6-ジアミノ-2-フェニルインドール二塩酸(DAPI; Vector)を含むVectashield Mounting Mediumに載せた。
FISHの結果は、60X 油浸対物レンズおよびAlexa488、Alexa594およびDAPIを同時に検出するための三重バンドパスフィルター(Chroma Technology Corp.,Brattleboro,VT,USA)を備えたOlympus BX51顕微鏡(Tokyo,Japan)を用いて評価した。試料から見出されたすべての癌細胞を分析し、細胞を第12染色体セントロメアについて2の標識およびNAV3について2の標識を有する場合を正常としてグループ分けした。倍数体細胞は3またはそれを超えるセントロメア標識を有していた。セントロメア標識の数がNAV3標識の数よりも多い場合はNAV3欠失が規定され、NAV3標識の数がセントロメア標識よりも多い場合はNAV3増幅が規定された。分析は、2の独立した分析者により、診断または試料同一性について盲検で行った。
結果
結果を表8および図5aおよび5bに示す。4のケースを分析し、試料から見出されたすべての癌細胞を各ケースからカウントした。第12染色体セントロメアについて2の標識およびNAV3について2の標識を有する場合は、細胞を正常としてグループ分けした。倍数体細胞は3またはそれを超えるセントロメア標識(>2セントロメア)を有していた。NAV3欠失細胞は、NAV3標識よりも多くの数のセントロメア標識を含んでおり(セントロメア>nav)、NAV3増幅細胞はセントロメア標識よりも多くの数のNAV3標識を有していた(セントロメア<nav)。
すべての4の症例は、異常なコピー数のセントロメアおよび/またはNAV3を含んだ細胞を示した。(FISHにおいて2コピー未満のNAV3シグナル)NAV3欠失に加えて、倍数体(2コピー未満の第12染色体)およびNAV3増幅(2コピー未満のNAV3シグナル)を有する細胞の数を分析および記録した。1の症例(症例番号2)においては、より少ない量のNAV3欠失を有する倍数体が観察されたが、残りの3の症例においては倍数体がNAV3対立遺伝子の損失と関連していた。
図5aにおいて、黒色バーは実験した細胞中の倍数体の量を示し、灰色バーはNAV3欠失した細胞の量を示す。結果は、総細胞カウントのパーセンテージとして示す。図5bにおいて、典型的な癌細胞はNAV3欠失を示した。緑色シグナルはセントロメアを示し、赤色シグナルはNAV3コピーを示す。
Figure 0005523103
通常の光学顕微鏡のみを用いてリンパ節タッチプレパレート中の悪性乳癌細胞を見出すことは困難または不可能でさえあるが、NAV3対立遺伝子を特異的蛍光プローブを用いてマークした後にはその仕事が非常にシンプルになったことは注目に値する。約5000の正常なリンパ球の中の単一の細胞でさえ、明らかなコピー数変化を有して同定し得、概して、これらの細胞も癌細胞の特徴的な典型的な核を示した。かかる異常な細胞は光学顕微鏡をもってしては同定するのが極めて困難であろう。
実施例8
基底細胞癌(BBC)および扁平上皮癌(SCC)におけるNAV3コピー数変化
組織試料
基底細胞癌を有すると診断された14の患者および扁平上皮癌に罹った5の患者からの試料を実験するために選択した。試料は通常どおりに中性ホルマリン中で固定し、パラフィン中に包埋した。50ミクロン厚の1-3の切片を切除し、核を実施例3に記載したように単離した。
蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション
プローブ標識およびFISH分析は、実施例6に記載したように行った。
結果
BCCおよびSCC試料のNAV3 FISH分析結果を表9に示す。14のうちの3(21%)のBCC試料が、総細胞カウントの6-11%の欠失範囲を有するNAV3欠失を示した。また、3の試料(21%)がNAV3遺伝子重複(増幅範囲8-11%)を示した。5のSSC試料のうちの1(20%)がNAV3欠失(12%)を示した。
Figure 0005523103
実施例9
大腸癌におけるNAV3コピー数
試料およびNAV3 FISH分析
a)2のMSS−型結腸直腸癌腺癌セルライン[CCL-230(SW403)およびCCL-228(SW480)]および2の正常な大腸セルライン[CRL-1539(CCD-33Co)およびCRL-1541(CCD-112CoN)]をAmerican Type Culture Collection(LGC Promochem AB,Boras,Sweden)から注文し、製造業者の指示書に従って+37℃で増殖させた。遠心分離機を用いて50000−100000の細胞をSuper Frost Plusスライド上にスピンダウンした。スライドを不堪し、アセトンで固定し、NAV3 FISH分析に用いるまで-70℃にて保存した。プローブ標識およびFISH分析は、実施例7における乳癌試料と同様であった。
b)中期調製物については、結腸直腸癌腺癌セルラインCCL-248、SW403、SW480、RKO、DLD、HCA7、LIM1215およびLOVO(American Type Culture Collection,LGC Promochem AB,Bpras,Sweden)をATCCの指示書に従って増殖した。
細胞を低張KCI−溶液で処理し、アセトン:メタノール(1:3)で固定し、細胞懸濁液を対物スライドに滴下して従来の染色体調製物を作成した。
pA12H8の精製DNA(セントロメア12、ATTCからのプラスミド、上記またはKarenko L.ら,J.Invest. Dermatol.,108:22-29,1997に従って精製した)およびRP11-136F16およびBAC RP11-36P3の精製DNA(Karenko L.ら,Cancer Res.,65:8101-8110,2005)をニックトランスレーションを用いて、FITC-dUTP(NEN Life Science products,Inc,Boston,MA US)、Alexa-594-dUTP(Invtrogen Molecular Probes,Leiden,Netherlands)、ビオチン-dATP(Gibco BRL,Gaithersburg,MD,USA)またはジゴキシゲニン-dUTP(Roche,Mannheim,Germany)で標識した。FITCまたはビオチンで標識したセントロメアプローブ(例えば、1-5ng)および1または2のBAC−プローブを混合し、1/10体積の3Mの酢酸ナトリウムおよび2x体積の100%のエタノールを添加することによって沈殿し、遠心した。上清を破棄し、ペレットを乾燥させ、その後DNAを、50%のホルムアミドおよび10%の硫酸デキストラン、2xSSC、pH7および所望によりCot-1 DNA(例えば、125ng;Gibco BRL、Gaithersburg,MD,USA)からなる混合物(本明細書中で、プローブ混合物と呼ぶ)に溶解した。スライド上の標的中期を70%のホルムアミド/2xSSC溶液(pH7.0)に70ないし73℃にて2ないし3分間変性させ、70%、85%および100%のエタノール中で脱水し、20mMのTris/2mMのCaCl2(pH7.5)緩衝液中のプロテインキナーゼK(1μg/ml、Sigma Chemical Co.,St Louis,MO,USA)で37℃にて7.5分間処理し、前記したように脱水した。そのプローブ混合物を70℃にて5分間変性し、温めたプレート(37℃)上の前処理したスライドに加え、Rubber Cement(Starley Chemical Co.,LaGrange,IL,USA)を用いてカバースリップ下にシールし、加湿チャンバー(37℃)中で2ないし3日間ハイブリダイズさせた。スライドは、2xSSC中の50%のホルムアミド、pH4、4xSSCおよび0.1xSSCを用いてすべて45℃にて3回洗浄し、ついで、4xSSC、2xSSCおよびPBSを用いて室温にて洗浄した。ハイブリダイゼーション後の洗浄の後、アビジン-FITC(緑色、Vector Laboratories,Burlingame,CA,USA)を用いてビオチン化プローブを視覚化し、ローダミンとコンジュゲートしたヒツジで生成した抗−ジゴキシゲニン抗体を用いてジゴキシゲニン標識プローブを視覚化した。スライドをDAPIで対比染色し、Vectashield(bothVector Laboratories,Burlingame,CA,USA)に載せた。
風乾した調製物は、0.1%のパラホルムアルデヒドで固定し、一連のエタノール(70%、85%、100%)中で乾燥させた。
中期はUV-顕微鏡(Axioplan imagining 2,Zeiss,Germany)で写真を撮り、MFISH−プログラムモジュールとMetaSystems GmbHのコンピュータプログラムIsisを用いて分析した。
c)MSS−型の結腸直腸腺癌を有すると診断された36の患者、MSI−型の結腸直腸癌を有する14の患者および管状腺腫を有する19の患者からの試料を実験のために選択した。また、58の正常な大腸粘膜試料を参照材料として実験に含めた。試料は、通常行うように中性ホルマリンに固定し、パラフィンに包埋した。50μm厚の1-3の切片を切除し、実施例3に記載したように核を単離した。NAV3特異的FISHアッセイを実施例6に記載したように行った。
結果
a)大腸癌セルライン(SW403およびSW480)の間期のFISH分析結果を表10に示す。両方の癌セルラインは、実験したほぼすべての細胞において優勢な3のセントロメア2のNAV3−型の欠失を示した。正常な大腸セルラインはいずれのNAV3遺伝子コピー数の変化も示さなかった。
Figure 0005523103
b)大腸癌セルライン(CCL-248、SW403、SW480、RKO、DLD、HCA7、LIM1215およびLOVO)の中期細胞のFISH分析結果を表11に示す。NAV3欠失が2のMSSセルライン(CCL-248、SW403)におけるほぼ大部分の中期細胞において検出された。また、MSIセルラインRKOは多くのNAV3欠失を示した。多くのNAV3増幅がセルラインDLD(MSI)において検出された。また、ラインSW480(MSS)は、NAV3シグナルよりも高いセントロメアシグナルを示した。幾つかのNAV3欠失がセルラインHCA7において検出された。
Figure 0005523103
c)パラフィン包埋患者試料から抽出した核を用いたNAV3 FISHアッセイは、31%のMSS−型結腸直腸腺癌試料、7%のMSI−型の結腸直腸腺癌(14のうちの1試料)および16%の管状腺腫試料においてNAV3コピー数の変化を示した。結果を表12に示す。図6は正常な大腸試料およびMSS−型の結腸直腸腺癌からのNAV3 FISH結果の比較を示している。癌細胞と正常な大腸粘膜細胞とは、倍数体およびNAV3コピー数の点で異なる。
Figure 0005523103

Claims (11)

  1. 身体から分離した生物試料中のニューロンナビゲーター−3(NAV−3)遺伝子またはそのフラグメント中の12q21.2における遺伝子異常の存在または不存在を検出することを含み、該遺伝子異常の存在は生物試料中の上皮起源の腫瘍および/または癌腫のイニシエーションまたはプログレッションを示すことによって特徴付けられる、腫瘍イニシエーション、腫瘍プログレッションおよび/または癌腫を予想することを補助する方法。
  2. 身体から分離した生物試料中のニューロンナビゲーター−3(NAV−3)遺伝子またはそのフラグメント中の12q21.2における遺伝子異常を検出することを含み、ここに該遺伝子異常が上皮起源の腫瘍を示す、上皮起源の癌腫を進展する可能性のある個体を同定することを補助する方法。
  3. 身体から分離した生物試料中のニューロンナビゲーター−3(NAV−3)遺伝子またはそのフラグメント中の12q.21.2における遺伝子異常を検出することを含み、ここに該異常が癌腫を進展する見込みを示すことによって特徴付けられる、上皮起源の癌腫のプログレッションおよび/またはその攻撃型変異型へのトランスフォーメーションを予想することを補助する方法。
  4. 上皮起源の腫瘍が腺腫および/または癌腫であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 上皮起源の腫瘍が、大腸、直腸、肺、膀胱、乳房または扁平上皮細胞または基底細胞に存在することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 遺伝子異常が、蛍光イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション(FISH)によって判定される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. NAV3遺伝子またはその機能的フラグメントのヘテロ接合性の消失(LOH)を判定することによって特徴付けられる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  8. NAV3遺伝子の遺伝子異常を半数体、二倍体および/または倍数体細胞において判定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 腫瘍細胞がマイクロサテライト安定またはマイクロサテライト不安定であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 腫瘍イニシエーション、腫瘍プログレッションおよび/または癌腫を予想するための身体から分離した生物試料中のNAV3遺伝子またはそのフラグメントの使用であって、NAV3の遺伝子異常が上皮起源の腫瘍を示すことを補助するための該使用。
  11. 身体から分離した生物試料中のNAV3の遺伝子異常の存在または不存在を検出することによって特徴付けられる腫瘍イニシエーション、腫瘍プログレッションおよび/または癌腫を予想するための、身体から分離した生物試料中の12q21.2の遺伝子マーカーの使用であって、該遺伝子異常が上皮起源の腫瘍を示すことを補助するための該使用
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