JP5521836B2 - 撮像装置及び画像処理装置 - Google Patents
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Description
デジタルカメラが鮮明で美しい画像を撮影するためには、大別して二つのアプローチがある。一つは、撮像素子自体の技術革新である。もう一つは、撮像した画像データを加工する技術である。
このような撮影画像中のノイズを除去して、鮮明で美しい画像を得るための手法として、「連写加算ノイズリダクション」という技術がある。
ブロックマッチングは、一般的な風景や人物の撮影には良好に作用する。しかし、ブロックマッチングの基本は、画像内のテクスチャ、つまり色彩及び明度(コントラスト)の変化のパターンの類似度を探す、という処理である。このことは、ブロックマッチングが画像内のテクスチャに依存することを意味する。
そして、ブロックマッチングはテクスチャが平坦な画像に弱い、ということも言える。表面の凹凸が極めて少なく、且つ、光源の光を明瞭に反射できるほど滑らかな面ではない撮影対象の場合、デジタルカメラにとってテクスチャの認識は極めて難しい。
このようなテクスチャが極めて少ない被写体は、例えば、乳幼児の顔がこれに該当する。
また、加算強度算出部が出力する前記加算強度を記憶する加算強度テーブルと、画像メモリから画像データを順次読み出して、1枚目の画像データと2枚目以降の画像データとの間の動きベクトルを出力する動き検出部と、画像メモリから画像データを順次読み出して、1枚目の画像データに対して2枚目以降の画像データを動き検出部が出力する動きベクトルと、加算強度テーブルから順次読み出す加算強度に基づいて加算処理を行う加算処理部を備える。
そして、加算強度算出部は、撮影処理部から得られる被写体とのフォーカス距離情報を参照して、このフォーカス距離情報が所定の値を下回る場合は、加算強度をフォーカス距離情報が所定の値以上の場合と比べて小さい値として算出するようにしている。
デジタルカメラ101は筐体102の正面に図示しないズーム機構及びフォーカス調整機構を内蔵する鏡筒103が設けられており、鏡筒103の中にはレンズ104が組み付けられている。また、鏡筒103の側にはストロボ105が設けられている。
筐体102の上側にはシャッターボタン106が設けられている。
筐体102の裏面にはファインダーを兼用する液晶ディスプレイモニタ107が設けられている。液晶ディスプレイモニタ107の右側には操作ボタン108が複数設けられている。
図示しない筐体102の下側には不揮発性ストレージであるフラッシュメモリを格納する蓋が設けられている。
デジタルカメラ101は、一般的なマイクロコンピュータを構成する。
バス201には、デジタルカメラ101全体の制御に必要な、周知のCPU202、ROM203、RAM204が接続されている他、DSP205が接続されている。DSP205は、本実施形態で説明する連写加算ノイズリダクションを実現するために必要な、デジタル画像データという大量のデータに対する、大量の演算処理を担当する。
モータドライバ208によって駆動されるモータ209は、鏡筒103を通じてレンズ104を駆動し、ピントとズームの制御を行う。
ストロボ105はストロボドライバ210によって発光駆動される。
撮影されたデジタル画像データは、ファイルとして不揮発性ストレージ211に記録される。
パソコン等の外部機器と不揮発性ストレージ211に格納されているファイルの送受信を行うために、USBインターフェース212が設けられている。
表示部213は液晶ディスプレイモニタ107である。
操作部214はシャッターボタン106及び操作ボタン108である。
選択スイッチ301が画像メモリ302とデータ処理部303を接続させている時、被写体から発される光はレンズ104によって撮像素子206上に結像して、電気信号に変換される。変換された信号はA/D変換器207によってRGBのデジタル信号に変換された後、データ処理部303によってデータの並べ替えや欠陥補正、サイズ変更等の各種処理が行われて、選択スイッチ301を通じてRAM204内に構成される画像メモリ302に一旦蓄えられる。
画像メモリ302は連写加算ノイズリダクションを実施するために必要な撮影回数(枚数)分の記憶容量を備えている。一例として、本実施形態では6枚(n=6)とする。
以上、レンズ104、撮像素子206、A/D変換器207及びデータ処理部303は、生のデジタル画像データを形成して画像メモリ302に記憶させる、撮影処理部であるとも言える。
選択スイッチ301が画像メモリ302と加算強度算出部304を接続させている時、加算強度算出部304は、画像メモリ302に記憶された6枚分のデジタル画像データを順次読み込み、1枚目のデジタル画像データに対して2枚目以降のデジタル画像データがどの程度変化を生じているのかを大まかに検出する。そして、得られた値に基づいて、後述する現像処理部305に対し、加算処理の際にどの程度加算すべきかを示す「加算強度」という係数を作成する。作成した加算強度は、RAM204内に構成される加算強度テーブル306に順次記憶させる。
選択スイッチ301が画像メモリ302と現像処理部305を接続させている時、現像処理部305は、画像メモリ302に記憶された6枚分のデジタル画像データを順次読み込み、1枚目のデジタル画像データに対して2枚目以降のデジタル画像データがどの程度動いているのかを、周知のブロックマッチングのアルゴリズムを用いて詳細に検出する。そして、得られた動きベクトルに基づいて、加算処理を行う。この加算処理の際、加算強度算出部304が作成した加算強度テーブル306を参照する。そして、周知のJPEGフォーマット等に変換して、不揮発性ストレージ211にファイルとして記録する。
(1)先ず選択スイッチ301が画像メモリ302とデータ処理部303を接続した状態で、撮影処理部が生のデジタル画像データを画像メモリ302に蓄積する(撮影処理)。
(2)次に選択スイッチ301が画像メモリ302と加算強度算出部304を接続した状態で、加算強度算出部304が画像メモリ302からデジタル画像データを順次読み出して、加算強度を算出し、加算強度テーブル306に記憶させる(加算強度算出処理)。
(3)そして、最後に選択スイッチ301が画像メモリ302と現像処理部305を接続した状態で、現像処理部305が画像メモリ302からデジタル画像データを順次読み出して、加算処理及びJPEGフォーマットへの変換処理を行って、不揮発性ストレージ211にJPEGエンコード処理された画像データファイルを記録する(現像処理)。
検波部401は、選択スイッチ402を通じて画像メモリ302に記憶されている生のデジタル画像データを読み込み、「検波処理」を行う。本実施形態における検波処理とは、マルチパターン測光枠の輝度算出処理である。つまり、デジタル画像データを縦横に予め定められた均等な大きさの「枠」で分割して、その枠に含まれるピクセルデータの輝度の積分値を算出する。検波部401が出力するデータは、測光枠毎の積分値が、測光枠の数だけ存在することとなる。
なお、選択スイッチ402は図3の選択スイッチ301とは異なるが、選択スイッチ301と同様に明示的にハードウェアとして存在する訳ではなく、デジタル画像データの流れを明示的に説明するために設けた、概念的な存在である。
平均値算出部408は、ずれ量テーブル407の各レコードの輝度差値の平均値を算出して、平均値メモリ410に記憶する。平均値メモリ410はRAM204内に設けられる変数である。
最大値算出部409は、ずれ量テーブル407の各レコードの輝度差値の絶対値と、平均値メモリ410に記憶されている平均値とを比較して、最も差が大きい値を最大値として取り出し、最大値メモリ411に記憶する。最大値メモリ411も平均値メモリ410と同様に、RAM204内に設けられる変数である。
もし、比較基準となる一枚目のデジタル画像データと、比較対象となるデジタル画像データとの間に全く動きが無いなら、ずれ量テーブル407の各レコードの値は全て「0」であり、平均値も最大値も「0」となり、第二減算器412の出力値も「0」となる。しかし、比較基準のデジタル画像データと比較対象のデジタル画像データとの間に動きが生じていれば、マルチパターン測光枠毎に輝度を比較すると、何れかの測光枠で輝度の変化が生じる可能性がある。この輝度の変化を、平均値と絶対値との差で導出することで、画像全体に動きが生じているか否かを大まかに検出できる。
例えば、減算値が「0」以上「3」未満であれば加算強度を「10」とし、減算値が「3」以上「10」未満であれば加算強度を「5」とし、減算値が「10」以上「15」未満であれば加算強度を「3」とし、減算値が「15」以上であれば加算強度を「0」とする、というような、減算値に対応する加算強度の対応表である。
一方、「赤ちゃん」の場合は、被写体との距離は極めて近く、被写体はよく動くので画像全体の動きは大きくなりがちであり、テクスチャの把握が困難な場合があるので、加算強度を大きくすると加算ミスを引き起こす可能性があるので、加算強度を小さくすることが望ましい。
画像の動きは、被写体自体の動きのみならず、デジタルカメラ101のユーザの手ブレや、ユーザの意志に基づくデジタルカメラ101の移動によって引き起こされる。この画像の動きは、デジタルカメラ101に対する被写体との距離が近ければ近いほど大きくなる。そこで、制御部307がモータ209を駆動制御することで得たフォーカス情報を利用して、変換テーブルから導き出す加算強度に変化を与える。
動き検出部501は、選択スイッチ502を通じて画像メモリ302に記憶された6枚分のデジタル画像データを順次読み込み、1枚目のデジタル画像データに対して2枚目以降のデジタル画像データがどの程度動いているのかを、周知のブロックマッチングのアルゴリズムを用いて詳細に検出し、動きベクトルを算出する。
加算処理部503が加算処理を完遂したら、エンコーダ504で周知のJPEGフォーマット等に変換して、不揮発性ストレージ211にファイルとして記録する。
図6は、本実施形態のデジタルカメラ101の、連写加算ノイズリダクションを用いた撮影の動作の流れを示すフローチャートである。
シャッターボタン106を押すと(S601)、最初に撮影処理部はn枚の連写撮影処理を行って、画像メモリ302にn枚の画像データを記憶させる(S602)。次に加算強度算出部304は加算強度算出処理を行う(S603)。最後に現像処理部305は現像処理を行って(S604)、一連の処理を終了する(S605)。
処理を開始すると(S701)、最初に検波部401は制御部307によって制御される選択スイッチ402を通じて画像メモリ302内の1枚目の画像データを読み込み、検波処理、すなわちマルチパターン測光枠の輝度算出処理を行う。そして、輝度算出処理の結果の値を切替スイッチ403を通じて基準値テーブル404に格納する(S702)。
次に、制御部307はRAM204内にカウンタ変数iを設け、初期値として「2」を格納する(S703)。
検波部401は制御部307によって制御される選択スイッチ402を通じて画像メモリ302内のi枚目の画像データを読み込み、検波処理を行う。そして、輝度算出処理の結果の値を制御部307によって制御される切替スイッチ403を通じて比較値テーブル405に格納する(S704)。
次に、最大値算出部409はずれ量テーブル407の全てのレコードの値の絶対値を導き出した後に平均値メモリ410に格納されている平均値を参照して、絶対値の最大値を抽出し、最大値メモリ411に格納する(S707)。
ステップS706及びS707を経て、ずれ量テーブル407という配列データ(ベクトルデータ)は、平均値と最大値というスカラ値に変換される。
こうして得られた加算強度は、選択ポインタ416を通じて、加算強度テーブル306のi−1番目のレコードに格納する(S709)。
処理を開始すると(S801)、制御部307は最初にRAM204内にカウンタ変数iを設け、初期値として「1」を格納する(S802)。
動き検出部501は、制御部307によって制御される選択スイッチ502を通じて、1枚目のデジタル画像データに対してi枚目のデジタル画像データがどの程度動いているのかを、周知のブロックマッチングのアルゴリズムを用いて詳細に検出し、動きベクトルを算出する(S803)。
(1)前述の本実施形態に係るデジタルカメラ101で実現される発明は、連写加算ノイズリダクションの改良である。図3及び図6を参照すると、撮影処理部の処理以外の、撮影後の画像処理の改良である。そして、このことは図2を参照すると、マイコンの制御プログラムとDSPの演算処理プログラム、つまりソフトウェアの改良である。
そこで、近年大容量化の傾向にあるフラッシュメモリの特性を生かし、デジタルカメラ自身は連写加算ノイズリダクションの画像処理部分を行わず、連写のみを実行し、画像処理部分をパソコン等の外部の情報処理装置に任せる、というシステム構築も考えられる。
画像メモリ302に画像データが記憶された以降の動作は、図3のデジタルカメラ901と同等である。
連写加算ノイズリダクションを実行する際、マルチパターン測光枠毎の輝度の平均値を算出し、画面全体の輝度の平均値と絶対値の最大値とのずれ量を算出して、画面全体の動きの指標とする。撮影シーンに応じた変換テーブルとフォーカス距離を参照して、加算強度を算出し、加算処理の係数とする。
従来の連写加算ノイズリダクションが苦手とする、テクスチャが少なく、フォーカス距離が近く、動きの多い被写体を撮影する際、ブロックマッチングに基づく動きベクトルの検出にミスが生じる可能性を、計算量が少ない処理で加算処理の係数として導き出し、加算処理を弱めることで排除し、加算ムラに起因する画像の乱れを防ぐことができる。
Claims (8)
- 所定の撮影指令を受けて、被写体を連続して撮影して複数枚の画像データを出力する撮影処理部と、
前記複数枚の画像データを記憶する画像メモリと、
前記画像メモリから前記画像データを順次読み出して、1枚目の前記画像データと2枚目以降の前記画像データとの間の変化に基づく加算強度を算出する加算強度算出部と、
前記加算強度算出部が出力する前記加算強度を記憶する加算強度テーブルと、
前記画像メモリから前記画像データを順次読み出して、1枚目の前記画像データと2枚目以降の前記画像データとの間の動きベクトルを出力する動き検出部と、
前記画像メモリから前記画像データを順次読み出して、1枚目の前記画像データに対して2枚目以降の前記画像データを前記動き検出部が出力する動きベクトルと、前記加算強度テーブルから順次読み出す前記加算強度に基づいて加算処理を行う加算処理部と
を備え、
前記加算強度算出部は、前記撮影処理部から得られる前記被写体とのフォーカス距離情報を参照して、前記フォーカス距離情報が所定の値を下回る場合は、前記加算強度を前記フォーカス距離情報が所定の値以上の場合と比べて小さい値として算出する、撮像装置。 - 前記加算強度算出部は、
入力される前記画像データに対し、マルチパターン測光枠毎に輝度平均値を算出する検波部と、
前記検波部の出力データに基づいて、前記画像データの輝度の平均値を算出する平均値算出部と、
前記検波部の出力データに基づいて、前記画像データの輝度の絶対値の最大値を算出する最大値算出部と、
前記最大値から前記平均値の差の値に対応する加算強度を導き出すための変換テーブルと、
前記最大値から前記平均値の差の値と前記変換テーブルとに基づいて前記加算強度を導き出す加算強度導出部と
を備える請求項1に記載の撮像装置。 - 前記変換テーブルは撮影シーン毎に複数存在する、請求項1または2に記載の撮像装置。
- 前記加算強度が所定値を下回る場合は、前記加算処理部の加算処理を打ち切る、請求項1〜3のいずれかに記載の撮像装置。
- 連写により得られる複数の画像データを記憶する画像メモリと、
前記複数の画像データに含まれる第一の画像データと、前記複数の画像データに含まれる第二の画像データとの間の変化に基づき加算強度を算出する加算強度算出部と、
前記加算強度に基づいて、前記第一の画像と前記第二の画像との加算処理を行う加算処理部と、を備え、
前記第一の画像データは、前記連写における第一回目の撮影の基づく画像データであり、
前記加算強度算出部は、前記第一の画像データと、前記第一の画像データを除く前記複数の画像データに含まれる個々の画像データとの間の変化に基づき、前記個々の画像データに対する加算強度をそれぞれ算出し、
前記加算処理部は、前記個々の画像データに対する加算強度に基づいて、前記第一の画像データと、前記第一の画像データを除く前記複数の画像データの加算処理を行い、
前記変化は、マルチパターン測光枠毎に検出される輝度に基づき検出される変化である、
画像処理装置。 - 前記加算強度算出部は、前記個々の画像データ毎に対応するフォーカス情報に基づき、前記個々の画像データに対する前記加算強度を算出する、
請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記加算強度算出部は、前記画像データが撮影されたときの撮影シーンに基づき前記加算強度を算出する、
請求項5または6に記載の画像処理装置。 - 前記加算処理部は、前記複数の画像データを前記連写における撮影の順に加算処理を行い、前記加算強度が所定の値よりも小さくなった場合は、以降の加算処理を打ち切る、
請求項5〜7のいずれかに記載の画像処理装置。
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