JP5521131B1 - 呼吸相判定装置、呼吸相判定方法、および呼吸相判定プログラム - Google Patents

呼吸相判定装置、呼吸相判定方法、および呼吸相判定プログラム Download PDF

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Abstract

被測定者間の呼吸の個人差および被測定者個人の呼吸の変動に対してロバストで、かつ、キャリブレーションの必要なく呼吸相判定を行える呼吸相判定装置。この装置は、呼吸区間における第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出する第1区間特徴量抽出部(106)と、呼吸区間における第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出する第2区間特徴量抽出部(107)と、第1区間特徴量と第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出する特徴量相対化合成部(108)と、近傍に位置する2つの呼吸区間の合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、2つの呼吸区間が吸気相または呼気相であるかを判定する呼吸相判定部(109)と、を備える。

Description

本発明は、呼吸音に基づいて呼吸相を判定する呼吸相判定装置、呼吸相判定方法、および呼吸相判定プログラムに関するものである。
従来、肺呼吸を行う動物の呼吸音に基づいて、呼吸相を判定する呼吸相判定装置が知られている。呼吸音は、呼吸に伴って発生する音である。また、呼吸相は、肺に空気を取り込む吸気相と、肺から空気を排出する呼気相とからなり、これら2つの相は、通常、交互に繰り返される。なお、呼吸相判定装置は、例えば、喘息に関わる検査用の肺音分析装置等に用いられる。
呼吸相判定装置の一般的な動作は、次の通りである。まず、呼吸相判定装置は、被測定者の呼吸音から、吸気と呼気の間のポーズで区切った呼吸区間と、特徴量とを抽出する。そして、呼吸相判定装置は、特徴量が所定の基準(条件式)に当てはまるか否かにより、呼吸区間が吸気相(「吸気区間」ともいう)であるか、または呼気相(「呼気区間」ともいう)であるかを判定する。この判定は、以下「呼吸相判定」という。
上記特徴量は、大別すると、以下の3つに分類できる。
1つ目は、パワーや振幅の大小を基準とする特徴量である。この特徴量は、例えば、胸部の呼吸音のパワー(非特許文献1)、頚部の呼吸音のパワー(特許文献1、非特許文献2)、頚部の呼吸音の最大振幅(特許文献1)などが知られている。
2つ目は、呼吸区間の長さの長短を基準とする特徴量である。この特徴量は、例えば、呼吸区間長(特許文献1、非特許文献2)、1/2ガウス幅(特許文献1)が知られている。
3つ目は、短時間のパワーの時間変化の緩急を基準とする特徴量である。この特徴量は、例えば、頚部の呼吸音の前半のパワー(非特許文献2)、頚部の呼吸音の前から1/3区間と後ろから1/3区間とのパワーの差(非特許文献2)、立ち上がりの傾斜角度(特許文献1)、立下りの傾斜角度(特許文献1、非特許文献2)などが知られている。
米国特許出願公開第2010/0262031号明細書
Z. K. Moussavi et al., "Computerised acoustical respiratory phase detection without airflow measurement", Medical & Biological Engineering & Computing 2000 Vol.38, P198-P203 Saiful Huq et al., "Acoustic breath-phase detection using tracheal breath sounds", Medical & Biological Engineering & Computing 2012 Vol.50, P297-P308
しかしながら、非特許文献1、2の呼吸相判定装置は、頚部の呼吸音または胸部の呼吸音のいずれか一方から抽出した特徴量に基づいて呼吸相判定を行うため、被測定者間の呼吸の個人差により基準が合わなかったり、被測定者個人の呼吸の変動により基準からずれたりする。このため、判定結果がロバスト性に欠けるという課題がある。
一方で、上述した各基準が被測定者間の呼吸の個人差によって基準が合わないことの対策として、キャリブレーションにより被測定者に基準を合わせる技術が知られている。例えば、特許文献1の呼吸相判定装置は、一部の測定データに対して、被測定者本人による教師信号を与え、複数の基準の中から被測定者個人によく当てはまる基準を選択する。しかしながら、キャリブレーションは手間がかかるという課題がある。
本発明の目的は、被測定者間の呼吸の個人差および被測定者個人の呼吸の変動に対してロバストで、かつ、キャリブレーションの必要なく呼吸相判定を行える呼吸相判定装置、呼吸相判定方法、および呼吸相判定プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る呼吸相判定装置は、被測定者の身体の第1位置から取得された第1呼吸音、および、前記被測定者の身体の第2位置から前記第1呼吸音と同期して取得された第2呼吸音の少なくとも1つに基づいて、呼吸区間を推定する呼吸区間推定部と、前記呼吸区間における前記第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出する第1区間特徴量抽出部と、前記呼吸区間における前記第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出する第2区間特徴量抽出部と、前記第1区間特徴量と前記第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出する特徴量相対化合成部と、近傍に位置する2つの呼吸区間の前記合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、前記2つの呼吸区間が吸気相であるかまたは呼気相であるかを判定する呼吸相判定部と、を備える。
本発明の一態様に係る呼吸相判定方法は、被測定者の身体の第1位置から取得された第1呼吸音、および、前記被測定者の身体の第2位置から前記第1呼吸音と同期して取得された第2呼吸音の少なくとも1つに基づいて、呼吸区間を推定するステップと、前記呼吸区間における前記第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出するステップと、前記呼吸区間における前記第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出するステップと、前記第1区間特徴量と前記第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出するステップと、近傍に位置する2つの呼吸区間の前記合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、前記2つの呼吸区間が吸気相であるかまたは呼気相であるかを判定するステップと、を有する。
本発明の一態様に係る呼吸相判定プログラムは、被測定者の身体の第1位置から取得された第1呼吸音、および、前記被測定者の身体の第2位置から前記第1呼吸音と同期して取得された第2呼吸音の少なくとも1つに基づいて、呼吸区間を推定する処理と、前記呼吸区間における前記第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出する処理と、前記呼吸区間における前記第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出する処理と、前記第1区間特徴量と前記第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出する処理と、近傍に位置する2つの呼吸区間の前記合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、前記2つの呼吸区間が吸気相であるかまたは呼気相であるかを判定する処理と、をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、被測定者間の呼吸の個人差および被測定者個人の呼吸の変動に対してロバストで、かつ、キャリブレーションの必要なく呼吸相判定を行うことができる。
本発明の実施の形態における呼吸相判定装置の構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態における呼吸相判定装置の動作例を示すフローチャート 本発明の実施の形態における呼吸相判定装置をロバスト化する動作の原理を説明する図 本発明の実施の形態における呼吸相判定装置のロバスト化のデータの分布を示す図 本発明の実施の形態における呼吸相判定装置をデータによって性能評価した結果を示す図 本発明の実施の形態における呼吸相判定装置の区間のイレギュラー処理の動作原理を説明する図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<呼吸相判定装置の構成>
まず、本発明の実施の形態に係る呼吸相判定装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る呼吸相判定装置の構成例を示すブロック図である。
図1において、呼吸相判定装置は、第1センサ101、第1呼吸音抽出部102、第2センサ103、第2呼吸音抽出部104、呼吸区間推定部105、第1区間特徴量抽出部106、第2区間特徴量抽出部107、特徴量相対化合成部108、呼吸相判定部109、および結果出力部110を有する。なお、本実施の形態では、第1センサ101と第2センサ103とで取得する生体音が異なる。そのため、以下では、第1センサ101が取得する生体音は、「第1生体音」という。また、第1生体音に含まれる呼吸音は、「第1呼吸音」という。同様に、第2センサ103が取得する生体音は、「第2生体音」という。また、第2生体音に含まれる呼吸音は、「第2呼吸音」という。
第1センサ101は、被測定者から、第1呼吸音を含む第1生体音を取得するセンサである。第1センサ101は、被測定者の身体において、肺胞呼吸音を取得可能な範囲(第1位置の一例)に取り付けられる。この範囲は、例えば、右鎖骨中線第2肋間や右鎖骨中線第3肋間の他に、肺胞呼吸音が聞こえる胸部または背中の所定の位置が挙げられる。第1センサ101は、取得した第1生体音を、第1呼吸音抽出部102へ通知する。
第1呼吸音抽出部102は、バンドパスフィルタを用いて、第1生体音から第1呼吸音を抽出する。第1呼吸音は、パワーパターンを構成する。そして、第1呼吸音抽出部102は、抽出した第1呼吸音を、第1区間特徴量抽出部106へ通知する。
第2センサ103は、上述した第1生体音の取得と同期して、同じ被測定者から、第2呼吸音を含む第2生体音を取得するセンサである。第2センサ103は、例えば、被測定者の身体において、気管呼吸音または気管支呼吸音を取得可能な範囲(第2位置の一例)に取り付けられる。この範囲は、例えば、頚部気管上や第2肋間胸骨右縁の他に、気管呼吸音または気管支呼吸音が聞こえる胸部または背中の所定の位置が挙げられる。第2センサ103は、取得した第2生体音を、第2呼吸音抽出部104へ通知する。
第2呼吸音抽出部104は、バンドパスフィルタを用いて、第2生体音から第2呼吸音を抽出する。第2呼吸音は、パワーパターンを構成する。そして、第2呼吸音抽出部104は、抽出した第2呼吸音を、呼吸区間推定部105および第2区間特徴量抽出部107へ通知する。
呼吸区間推定部105は、第2呼吸音のパワーパターンに基づいて、呼吸区間を推定する。呼吸区間は、上述した通り、吸気と呼気の間のポーズ(後述するポーズフレーム)で区切った区間である。1つの呼吸区間のパワーパターンは、例えば山型となり、吸気相または呼気相のいずれかに該当する。呼吸区間推定部105は、推定した呼吸区間を、第1区間特徴量抽出部106および第2区間特徴量抽出部107へ通知する。
第1区間特徴量抽出部106は、呼吸区間ごとに第1呼吸音の平均パワーを算出する。この平均パワーは、第1区間特徴量という。1つの呼吸区間のパワーパターンは、複数のフレーム(1フレームは、20ms等の短時間に対応する)に区切られる。よって、平均パワーとは、フレーム単位のパワーを平均した値である。そして、第1区間特徴量抽出部106は、算出した第1区間特徴量を、特徴量相対化合成部108へ通知する。
第2区間特徴量抽出部107は、呼吸区間ごとに第2呼吸音の平均パワーを算出する。この平均パワーは、第2区間特徴量という。そして、第2区間特徴量抽出部107は、算出した第2区間特徴量を、特徴量相対化合成部108へ通知する。
特徴量相対化合成部108は、第1区間特徴量と第2区間特徴量を相対化して特徴量を合成する。すなわち、特徴量相対化合成部108は、第2区間特徴量から第1区間特徴量をデシベル単位で減算して、合成特徴量を算出する。そして、特徴量相対化合成部108は、算出した合成特徴量を、呼吸相判定部109へ通知する。
呼吸相判定部109は、近傍(例えば、隣接する等)に位置する2つの呼吸区間における合成特徴量を比較する。呼吸相判定部109は、比較の結果と、予め定められた基準とに基づいて、それぞれの呼吸区間が呼気相であるか吸気相であるかを判定する。例えば、呼吸相判定部109は、合成特徴量が大きい方の呼吸区間を呼気相であると判定し、合成特徴量が小さい方の呼吸区間を吸気相であると判定する。そして、呼吸相判定部109は、判定の結果を、結果出力部110へ通知する。
結果出力部110は、判定の結果を所定の方法(例えば、ファイル出力、画面表示等)で出力する。
以上で、本実施の形態に係る呼吸相判定装置の構成についての説明を終える。
<呼吸相判定装置の動作>
次に、本実施の形態に係る呼吸相判定装置の動作例について説明する。図2は、本実施の形態に係る呼吸相判定装置の動作例を示すフローチャートである。
ステップS201において、第1センサ101は、被測定者の第1生体音を取得する。また、第2センサ103は、同じ被測定者から第2生体音を取得する。第1生体音、第2生体音には、呼吸音の他に、心音や筋音など生体由来の音が含まれ、また、外来のノイズも含まれている。
ステップS202において、第1呼吸音抽出部102は、バンドパスフィルタを用いて第1生体音から第1呼吸音を抽出する。また、第2呼吸音抽出部104は、バンドパスフィルタを第2生体音から第2呼吸音を抽出する。なお、バンドパスフィルタを利用するのは、心音や高域のノイズを除くためである。
ステップS203において、呼吸区間推定部105は、第2呼吸音のパワーパターンに基づいて、呼吸区間を推定する。この動作は、具体的には次の通りである。まず、呼吸区間推定部105は、第2呼吸音のパワーパターンを区切ったフレームのうち、予め設定した閾値を下回るフレーム(以下、「ポーズフレーム」という)を抽出する。そして、呼吸区間推定部105は、ポーズフレームではないフレームが連続した区間を、呼吸区間候補とする。そして、呼吸区間推定部105は、呼吸区間候補のうち、予め定められた長さより短いものをノイズとして除外し、残ったものを呼吸区間であると推定する。推定された呼吸区間は、例えば、山型のパワーパターンである。なお、呼吸区間推定部105は、推定した呼吸区間に対して、予め定められた長さより長い区間は分割したり、予め定められた長さより短い区間は連結したりしてもよい。
なお、呼吸区間は、第2呼吸音から推定する方がダイナミックレンジの点で有利であるが、第1呼吸音から推定してもよいし、第1呼吸音および第2呼吸音の両方を使って推定してもよい。第2呼吸音から推定する呼吸区間と第1呼吸音から推定する呼吸区間は、呼吸動作に同期するため、概ね一致する。
ステップS204において、第1区間特徴量抽出部106は、推定された呼吸区間において、第1区間特徴量を抽出する。また、第2区間特徴量抽出部107は、推定された呼吸区間において、第2区間特徴量を抽出する。第1区間特徴量は、例えば、推定された呼吸区間における第1呼吸音の平均パワーである。また、第2区間特徴量は、例えば、推定された呼吸区間における第2呼吸音の平均パワーである。
なお、区間特徴量の信頼性を高めるために、呼吸区間における全てのフレームを使わずに、平均パワーを算出してもよい。例えば、第1区間特徴量抽出部106および第2区間特徴量抽出部107は、呼吸区間のうち帯域パワーの上位50%の区間や上位20%の区間に絞り、その区間のフレームに基づいて平均パワーを求めてもよい。また、例えば、第1区間特徴量抽出部106および第2区間特徴量抽出部107は、通過帯域内のノイズを低減するために、音響分析フレーム間での変動が大きい部分を外れ値処理により除いてもよい。
ステップS205において、特徴量相対化合成部108は、第1区間特徴量と第2区間特徴量の合成を行う。すなわち、特徴量相対化合成部108は、第2区間特徴量から第1区間特徴量を減算し、その結果を合成特徴量とする。第1区間特徴量は肺胞呼吸音であり、吸気相の方が呼気相よりも音が大きいという傾向(以下、「第1基準」という)がある。一方、第2区間特徴量は気管呼吸音または気管支呼吸音であり、呼気相の方が吸気相よりも大きいという傾向(以下、「第2基準」という)がある。一方で、第1区間特徴量と第2区間特徴量は同時に増減するため、相関が高く、イレギュラーにより1つの区間の呼吸音がたまたま小さければ、第1区間特徴量も第2区間特徴量も同時に小さくなる。従って、2つの区間特徴量の差を取る(第2区間特徴量から第1区間特徴量を減じる)と、基準は逆の符号を持つので、合成された区間特徴量の基準は、平均マージンが加算されるとともに、イレギュラーによる変動を相殺するということが期待できる。このポイントについては、後でさらに詳しく説明する。
ステップS206において、呼吸相判定部109は、呼吸相判定を行う。この呼吸相判定の動作は、次の通りである。まず、呼吸相判定部109は、近傍に位置する2つの呼吸区間の合成特徴量を比較する。すなわち、呼吸相判定部109は、所定の呼吸区間の合成特徴量と、その呼吸区間の近傍(例えば、隣接する)にある呼吸区間の合成特徴量とを比較する。そして、呼吸相判定部109は、比較の結果と、予め定められた基準とに基づいて、それぞれの呼吸区間が呼気相であるか吸気相であるかを判定する。ここで、呼吸相判定は、呼吸区間のペアごとに行う。しかし、通常の呼吸は、先行する吸気の換気量と後続する呼気の換気量がほぼ一致する。そのため、吸気から呼気という順に並ぶ呼吸区間のペアが抽出されるように事後的にペアを選ぶ方がよい。
ステップS207において、結果出力部110は、呼吸相判定の結果を出力する。この結果の出力は、例えば、呼吸区間の始端・終端および呼吸相の種類を、ファイルに出力しても良いし、または、グラフィカルにディスプレイに出力してもよい。あるいは、結果出力部110は、呼吸相判定の結果に基づいて、呼吸相に応じた呼吸音の分析を行った結果を出力してもよい。
以上が全体のフローであるが、各ステップの処理の基本時間単位は異なる。ステップS201は、AD変換のブロック単位である。また、ステップS202、S203は、音響分析の処理フレーム単位である。また、ステップS204、S205は、推定された呼吸区間単位である。また、ステップS206、S207は、複数の呼吸区間にまたがる処理となっている。そして、各ステップは、パイプライン処理として結合される。
以上で、本実施の形態に係る呼吸相判定装置の動作についての説明を終える。
次に、図3〜図5を用いて、本発明の実施の形態に係る呼吸相判定装置の特徴について、さらに詳細に説明する。
まず、図3について説明する。図3は、本実施の形態の呼吸相判定装置がロバスト化の動作を実現する原理を説明する図である。
図3Aは、第1呼吸音のパワーの時間変化をパワーパターンにより表している。図3Bは、第2呼吸音のパワーの時間変化をパワーパターンにより表している。図3Aおよび図3Bに示すように、第1呼吸音のパワーおよび第2呼吸音のパワーは、それぞれ、第1〜第4の4つの呼吸区間(以下、「区間」という)において、山型のパワーパターンである。図3Aにおいて、パワーパターンAは第1区間における第1呼吸音のパワー、パワーパターンCは第2区間における第1呼吸音のパワー、パワーパターンEは第3区間における第1呼吸音のパワー、パワーパターンGは第4区間における第1呼吸音のパワーを表している。また、図3Bにおいて、パワーパターンBは第1区間における第2呼吸音のパワー、パワーパターンDは第2区間における第2呼吸音のパワー、パワーパターンFは第3区間における第2呼吸音のパワー、パワーパターンHは第4区間における第2呼吸音のパワーを表している。また、第1区間が吸気相、第2区間が呼気相、第3区間が吸気相、第4区間が呼気相であると想定している。また、最初の2区間である第1区間と第2区間は、隣接していることから、「第1区間ペア」という。第1区間ペアは、通常の呼吸パターンを表している。また、次の2区間である第3区間と第4区間は、隣接していることから、「第2区間ペア」という。第2区間ペアは、第4区間が小さめになってしまったというイレギュラーな呼吸パターンを表している。
図3Cは、第1呼吸音の平均パワーの区間差を示す。平均パワーの区間差とは、2つの区間の区間特徴量の差である。下向き矢印で示す区間差aは、パワーパターンCの平均パワー(第1区間特徴量の一例)とパワーパターンAの平均パワー(第1区間特徴量の一例)との差である。なお、パワーパターンCの平均パワーとは、上述した通り、パワーパターンCを複数のフレームに区切り、各フレームのパワーを平均した値である。同様に、パワーパターンAの平均パワーとは、上述した通り、パワーパターンAを複数のフレームに区切り、各フレームのパワーを平均した値である。下向き矢印で示す区間差bは、パワーパターンGの平均パワー(第1区間特徴量の一例)とパワーパターンEの平均パワー(第1区間特徴量の一例)との差である。なお、パワーパターンGの平均パワーとは、上述した通り、パワーパターンGを複数のフレームに区切り、各フレームのパワーを平均した値である。同様に、パワーパターンEの平均パワーとは、上述した通り、パワーパターンEを複数のフレームに区切り、各フレームのパワーを平均した値である。
図3Cにおいて、区間差aの矢印が下向き(マイナス)を示すことから、第2区間(パワーパターンC)の平均パワーは第1区間(パワーパターンA)の平均パワーよりも小さいことになる。よって、第1基準(呼気相<吸気相、すなわち、平均パワーが大きい方が吸気相)に照らすと、第1区間が吸気相、第2区間が呼気相と判定される。また、第1基準(下向き矢印が正解)に照らせば、その判定結果は正しいことになる。同様に、図3Cにおいて、区間差bの矢印が下向きを示すことから、第4区間(パワーパターンG)の平均パワーは第3区間(パワーパターンE)の平均パワーよりも小さいことになる。よって、第1基準に照らすと、第3区間は吸気相、第4区間が呼気相と判定され、その判定結果は正しいことになる。
図3Dは、第2呼吸音の平均パワーの区間差を示す。上向き矢印で示す区間差cは、パワーパターンDの平均パワー(第2区間特徴量の一例)とパワーパターンBの平均パワー(第2区間特徴量の一例)との差である。下向き矢印で示す区間差dは、パワーパターンHの平均パワー(第2区間特徴量の一例)とパワーパターンFの平均パワー(第2区間特徴量の一例)との差である。
図3Dにおいて、区間差cの矢印が上向き(プラス)を示すことから、第2区間(パワーパターンD)の平均パワーは第1区間(パワーパターンB)の平均パワーよりも大きいことになる。よって、第2基準(吸気相<呼気相、すなわち、平均パワーが大きい方が呼気相)に照らすと、第1区間が吸気相、第2区間が呼気相と判定される。また、第2基準(上向き矢印が正解)に照らせば、その判定結果は正しいことになる。しかし、図3Dにおいて、区間差dの矢印が下向きを示すことから、第4区間(パワーパターンH)の平均パワーは第3区間(パワーパターンF)の平均パワーよりも小さいことになる。よって、第2基準に照らすと、第3区間は呼気相、第4区間は吸気相と判定され、その判定結果は不正解(誤り)となる。
このように、図3Dにおいて、通常の呼吸パターンである第1区間と第2区間は、呼吸相が正しく判定される一方で、イレギュラー(第4区間の平均パワーが小さめとなった場合)の呼吸パターンである第3区間と第4区間は、呼吸相が正しく判定されない。すなわち、第2区間特徴量の区間差だけに基づいて呼吸相判定を行う場合、イレギュラーな呼吸パターンがあると、正しい判定が行われないといった事態が生じうる。そこで、本実施の形態では、第1区間特徴量と第2区間特徴量とを合成した特徴量に基づいて、呼吸相判定を行うようにする。これにより、イレギュラーな呼吸パターンの場合に、正しい判定が行われないといった事態を回避できる。その詳細について、図3Eを用いて、以下に説明する。
図3Eは、第1呼吸音の平均パワーの区間差と第2呼吸音の平均パワーの区間差との相対値を示す。上向き矢印で示す相対値eは、区間差aと区間差cとの相対値である。また、上向き矢印で示す相対値fは、区間差bと区間差dとの相対値である。なお、相対値eは、換言すれば、パワーパターンBの平均パワーとパワーパターンAの平均パワーとの相対値(上記合成特徴量の一例)と、パワーパターンDの平均パワーとパワーパターンCの平均パワーとの相対値(上記合成特徴量の一例)との区間差と言える。また、相対値fは、換言すれば、パワーパターンFの平均パワーとパワーパターンEの平均パワーとの相対値(上記合成特徴量の一例)と、パワーパターンHの平均パワーとパワーパターンGの平均パワーとの相対値(上記合成特徴量の一例)との区間差と言える。
図3Eにおいて、第1区間ペアについては、相対値eに示すように、第1区間から第2区間にかけて第2呼吸音の平均パワーと第1呼吸音の平均パワーの差が広がっており、第1区間が吸気相、第2区間が呼気相と正しく判定される。さらに、図3Eでは、区間差aと区間差cとが加算されて相対値eとなることで、基準が強化され、個人差の影響を受けにくくなると考えられる。
また、図3Eにおいて、第2区間ペアについては、相対値fに示すように、通常の呼吸パターンとからの変動分がほぼ相殺されており、安定した区間差が得られ、正解となる。このように、個人の呼吸のイレギュラーに対してもロバストになると考えられる。
次に、図4について説明する。図4は、本発明の実施の形態における呼吸相判定装置のロバスト化のデータの分布を示す図である。
以下、図4を参照して、本実施の形態の呼吸相判定装置へ所定のデータを入力して行った検証について、説明する。この入力データは、45名の小児の呼吸音を、呼吸フロー計の出力とともに記録したものである。また、この入力データは、呼吸区間とその呼吸相(呼気相or呼吸相)は呼吸フロー計の値から定義しており、先行する吸気区間と後続の呼気区間をペアとして組み合わせている。
図4Aは、区間特徴量の分布を表したものである。図4Aでは、吸気相と呼気相のペアごとに1点としてプロットしている。図4Aにおいて、m1、m2、m3は基準線を示す。縦軸は、第1区間特徴量である胸部呼吸音のパワーについて吸気相から呼気相を引いた値を示す。この値が0以上であれば、第1基準に当てはまる。また、横軸は、第2区間特徴量である頚部呼吸音のパワーについて呼気相から吸気相を引いた値を示す。この値が0以上であれば、第2基準に当てはまる。各軸とも、0以下の領域にプロットされる点が約15%存在しており、それらは、各基準に対して誤りとなる。ここで、両方の基準で0以下となる領域には点が存在しない。本実施の形態の呼吸相判定装置は、この図4Aの45度方向の軸Lに沿って特徴量を合成する。原点を通る傾き−1の点線よりも右上にある点は、上述した第3基準(図3E参照)に当てはまる。上記点線よりも左下にある点はほとんど存在しないので、ほとんどの区間ペアが第3基準に当てはまることがわかる。
図4Bは、区間特徴量の被測定者個人の平均マージンの分布を表したものである。図4Aでは、被測定者によらず、区間ペアごとに1としてプロットしたのに対し、図4Bでは、被測定者ごとに平均値を求めてプロットしている。このプロットした点が基準線(m1、m2、m3)からどれだけ離れているかで、基準に対する個人のマージンがわかる。縦軸を見ると、0以下の領域にある点は、特徴量の個人性により、第1基準に合わない被測定者を表す。また、横軸を見ると、0以下の領域にある点は、特徴量の個人性(個人差)により、第2基準に合わない被測定者を表す。この図4Bを45度方向(軸L)に見ると、本実施の形態の呼吸相判定装置によって合成された特徴量の個人性が示され、基準を満たさない被測定者が検証データの中に存在しないことがわかる。
図4Cは、被測定者個人の平均値からのずれの分布を表したものである。各人の平均特徴量の平均値を原点に取り、各区間ペアの値と、被測定者個人の平均値の差を原点からの直線で表している。これは、片方の呼吸相の呼吸音が大きめになったり、小さめになったりする被測定者個人の呼吸パターンの変動が起こったときに、特徴量空間でどのようにずれるのかを示しており、その分布は、強い負の相関を示すことがわかる。つまり、縦軸または横軸の1軸を基準とした場合には、大きく不利になる場合があるが、第3基準に対しては、基準線m3と平行に近い方向にずれるために影響が低減されることがわかる。
以上のように検証された被測定者の呼吸の個人差および被測定者個人の呼吸の変動に対するロバスト性は、肺胞呼吸音と気管呼吸音が持つ性質を利用している。なお、ロバスト化がうまくいかない組み合わせの例として、次の場合がある。例えば、左右の2つの位置で肺胞呼吸音を収録して、同様に相対化を行っても、被測定者個人の変動分の相殺は行える。しかし、2つの基準が同種類である(どちらも吸気相の方が大きい)ので、差分を取った被測定者個人の平均マージンは、0を中心に正負の領域に分布してしまう。
次に、図5について説明する。図5は、本発明の実施の形態における呼吸相判定装置をデータによって性能評価した結果を示す図である。
図5は、図4で説明した入力データを用いて、区間ペアごとにそれらのデータと基準とが適合する割合を調べた結果を示している。基準は4つである。すなわち、図5において左から、区間長基準、頚部パワー基準、胸部パワー基準、合成基準である。区間長基準は、呼気相は吸気相よりも区間長が長いという基準である。また、頚部パワー基準は、上述した第2基準であり、呼気相は吸気相よりもパワーが大きいという基準である。また、胸部パワー基準は、上述した第1基準であり、吸気相は呼気相よりもパワーが大きいという基準である。また、合成基準は、上述した第3基準であり、胸部パワーに対する頚部パワーの相対値については呼気相が吸気相よりも大きいという基準である。
図5に示すように、データ全体での基準適合率は、それぞれ、85.7%、87.3%、84.3%、98.4%であった。本実施の形態の呼吸相判定装置は、87.3%の適合率となる特徴量と84.3%の適合率となる特徴量とを合成(相対化)することで、98.4%と適合率が大幅に改善された。
また、図5は、それぞれの基準について、被測定者を年齢順に4等分して、それぞれの年齢ゾーンごとの基準適合率も示している。そして、4つの基準の中で、特に区間長基準は、年齢依存性が高く、低年齢になるほど基準適合率が低くなることがわかる。頚部パワー基準および胸部パワー基準も、区間長基準ほど極端ではないが、低年齢では基準適合率が低くなっている。このように、区間長基準、頚部パワー基準、および胸部パワー基準では、年齢によって基準適合率が低下した。これに対し、合成基準では、年齢ゾーンによらず、高い基準適合率が得られた。
なお、複数の基準を利用して多数決で呼吸相を判定する技術(例えば、非特許文献2の技術)を適用した場合、すなわち、区間長基準、頚部パワー基準、および胸部パワー基準の3つの基準のそれぞれに基づく判定結果から多数決で呼吸相判定を行った場合、基準適合率は、94.3%であった。これに対し、合成基準に基づいて呼吸相判定を行った場合、基準適合率は、98.4%である。したがって、非特許文献2の技術のように単に複数の基準を用いて不適合をカバーするよりも、本実施の形態の呼吸相判定装置のように合成基準を用いた方が、ロバスト化の効果が大きい。
このように、本実施の形態に係る呼吸相判定装置は、気管呼吸音と肺胞呼吸音など、吸気相と呼気相の大小関係が逆である別々の取得位置の呼吸音からそれぞれ特徴量を抽出し、抽出した2つの特徴量を合成し、合成した特徴量に基づいて呼吸相判定を行う。これにより、本実施の形態の呼吸相判定装置は、基準のマージンの増加(加算)と、イレギュラーによる特徴量のずれの軽減(相殺)とを実現できる。基準のマージンの増加は、図4Bに示すように、被測定者間の呼吸の個人差に対してロバストである。また、イレギュラーによる特徴量のずれの軽減は、図4Cに示すように、被測定者個人の呼吸の変動に対してロバストである。したがって、本実施の形態の呼吸相判定装置は、被測定者間の呼吸の個人差および被測定者個人の呼吸の変動に対してロバストで、かつ、キャリブレーションの必要なく呼吸相判定を行うことができる。
<実施の形態の変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上記説明は一例であり、種々の変形が可能である。以下、実施の形態の変形例について説明する。
例えば、本実施の形態の呼吸相判定装置は、上述した処理に加えて、以下に説明するコンフリクト対応処理を行ってもよい。ここで、コンフリクト対応処理の必要性について説明する。上述した通り、呼吸相判定の基本単位は、2つの呼吸区間である。そして、呼吸相判定装置は、2つの呼吸区間の特徴量の大小関係に基づいて、呼吸相判定を行う。ここで、呼吸相判定装置が2つの呼吸区間を連続して採った場合、奇数番目から始まる区間ペアと、偶数番目から始まる区間ペアとが考えられる。そして、呼吸相判定装置は、これらの区間ペアの全てに対して呼吸相判定を行った場合、1区間当たり、2つの判定結果を得ることができる。このとき、2つの判定結果が一致すれば問題ないが、2つの判定結果が一致しないコンフリクトが起こる場合がある。このようなコンフリクトに対応するための処理が、以下に説明するコンフリクト対応処理である。
図6は、本発明の実施の形態の呼吸相判定装置が行うコンフリクト対応処理の動作原理を説明する図である。コンフリクト対応処理は、呼吸相判定部109が呼吸相判定(図2のステップS206)を行う際に追加で行う。
図6Aは、コンフリクトの第1パターンを示している。図6Aの例は、破線部g、hの2箇所連続でコンフリクト(判定結果Aと判定結果Bの不一致)が起こっている。この場合、呼吸相判定部109は、コンフリクト対応処理として、破線部gの前と破線部hの後を考慮し、吸気相と呼気相が交互となる方の判定結果を残す。すなわち、図6Aのパターン1の場合、呼吸相判定部109は、判定結果Aを残す。
図6Bは、コンフリクトの第2パターンを示している。図6Bの例は、呼吸自体のイレギュラー(※二度吸い)によって吸気相が連続している部分があり、破線部iでコンフリクト(判定結果Aと判定結果Bの不一致)が起こっている。この場合、呼吸相判定部109は、コンフリクト対応処理として、基準からの差(マージン)が大きい方を残す。換言すれば、呼吸相判定部109は、コンフリクトが起こった区間(破線部i)を含む区間ペアにおける合成特徴量(例えば、矢印x、矢印y)を比較し、合成特徴量の大きい方の区間ペアを含む判定結果を残す。
このように、本発明の実施の形態の呼吸相判定装置は、コンフリクト対応処理を行うことで、2つの判定結果にコンフリクトが起こっても、適切な判定結果を得ることができる。
なお、上記実施の形態およびその変形例では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連係においてソフトウェアでも実現することも可能である。
以上、本開示の呼吸相判定装置は、被測定者の身体の第1位置から取得された第1呼吸音、および、前記被測定者の身体の第2位置から前記第1呼吸音と同期して取得された第2呼吸音の少なくとも1つに基づいて、呼吸区間を推定する呼吸区間推定部と、前記呼吸区間における前記第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出する第1区間特徴量抽出部と、前記呼吸区間における前記第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出する第2区間特徴量抽出部と、前記第1区間特徴量と前記第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出する特徴量相対化合成部と、近傍に位置する2つの呼吸区間の前記合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、前記2つの呼吸区間が吸気相であるかまたは呼気相であるかを判定する呼吸相判定部と、を備える。
また、本開示の呼吸相判定装置は、前記第1呼吸音と前記第2呼吸音は、吸気相と呼気相の大小関係が逆である別々の取得位置の呼吸音である。
本開示の呼吸相判定装置は、前記呼吸相判定部が、前記判定を行ったときに、1つの呼吸区間当たり2つの判定結果を得、かつ、当該2つの判定結果に不一致があった場合、一連の呼吸区間において吸気相と呼気相が交互となる方の判定結果を採用する、または、前記基準からの差が大きい方の判定結果を採用する。
本開示の呼吸相判定装置は、前記第1位置に取り付けられ、前記第1呼吸音を含む第1生体音を取得する第1センサと、前記第2位置に取り付けられ、前記第2呼吸音を含む第2生体音を取得する第2センサと、前記第1生体音から前記第1呼吸音を抽出する第1呼吸音抽出部と、前記第2生体音から前記第2呼吸音を抽出する第2呼吸音抽出部と、をさらに備える。
本開示の呼吸相判定装置は、前記呼吸相判定部による判定結果を所定の方法で出力する結果出力部をさらに備える。
本開示の呼吸相判定装置は、前記第1呼吸音が気管呼吸音または気管支呼吸音であり、前記第2呼吸音が肺胞呼吸音である。
また、本開示の呼吸相判定方法は、被測定者の身体の第1位置から取得された第1呼吸音、および、前記被測定者の身体の第2位置から前記第1呼吸音と同期して取得された第2呼吸音の少なくとも1つに基づいて、呼吸区間を推定するステップと、前記呼吸区間における前記第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出するステップと、前記呼吸区間における前記第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出するステップと、前記第1区間特徴量と前記第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出するステップと、近傍に位置する2つの呼吸区間の前記合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、前記2つの呼吸区間が吸気相であるかまたは呼気相であるかを判定するステップと、を有する。
また、本開示の呼吸相判定プログラムは、被測定者の身体の第1位置から取得された第1呼吸音、および、前記被測定者の身体の第2位置から前記第1呼吸音と同期して取得された第2呼吸音の少なくとも1つに基づいて、呼吸区間を推定する処理と、前記呼吸区間における前記第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出する処理と、前記呼吸区間における前記第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出する処理と、前記第1区間特徴量と前記第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出する処理と、近傍に位置する2つの呼吸区間の前記合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、前記2つの呼吸区間が吸気相であるかまたは呼気相であるかを判定する処理と、をコンピュータに実行させる。
2012年12月28日出願の特願2012−287619の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明にかかる呼吸相判定装置、呼吸相判定方法、および呼吸相判定プログラムは、呼吸音に基づいて呼吸相を判定する、装置、方法、およびプログラムなどに有用である。また、本発明は、呼吸相と連動したCG(コンピューターグラフィックス)の制御等の用途にも応用できる。
101 第1センサ
102 第1呼吸音抽出部
103 第2センサ
104 第2呼吸音抽出部
105 呼吸区間推定部
106 第1区間特徴量抽出部
107 第2区間特徴量抽出部
108 特徴量相対化合成部
109 呼吸相判定部
110 結果出力部

Claims (8)

  1. 被測定者の身体の第1位置から取得された第1呼吸音、および、前記被測定者の身体の第2位置から前記第1呼吸音と同期して取得された第2呼吸音の少なくとも1つに基づいて、呼吸区間を推定する呼吸区間推定部と、
    前記呼吸区間における前記第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出する第1区間特徴量抽出部と、
    前記呼吸区間における前記第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出する第2区間特徴量抽出部と、
    前記第1区間特徴量と前記第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出する特徴量相対化合成部と、
    近傍に位置する2つの呼吸区間の前記合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、前記2つの呼吸区間が吸気相であるかまたは呼気相であるかを判定する呼吸相判定部と、
    を備える呼吸相判定装置。
  2. 前記第1呼吸音と前記第2呼吸音は、
    吸気相と呼気相の大小関係が逆である別々の取得位置の呼吸音である、
    請求項1記載の呼吸相判定装置。
  3. 前記呼吸相判定部は、
    前記判定を行ったときに、1つの呼吸区間当たり2つの判定結果を得、かつ、当該2つの判定結果に不一致があった場合、
    一連の呼吸区間において吸気相と呼気相が交互となる方の判定結果を採用する、または、前記基準からの差が大きい方の判定結果を採用する、
    請求項1記載の呼吸相判定装置。
  4. 前記第1位置に取り付けられ、前記第1呼吸音を含む第1生体音を取得する第1センサと、
    前記第2位置に取り付けられ、前記第2呼吸音を含む第2生体音を取得する第2センサと、
    前記第1生体音から前記第1呼吸音を抽出する第1呼吸音抽出部と、
    前記第2生体音から前記第2呼吸音を抽出する第2呼吸音抽出部と、をさらに備える、
    請求項1記載の呼吸相判定装置。
  5. 前記呼吸相判定部による判定結果を所定の方法で出力する結果出力部をさらに備える、
    請求項1記載の呼吸相判定装置。
  6. 前記第1呼吸音は、気管呼吸音または気管支呼吸音であり、
    前記第2呼吸音は、肺胞呼吸音である、
    請求項1記載の呼吸相判定装置。
  7. 被測定者の身体の第1位置から取得された第1呼吸音、および、前記被測定者の身体の第2位置から前記第1呼吸音と同期して取得された第2呼吸音の少なくとも1つに基づいて、呼吸区間を推定するステップと、
    前記呼吸区間における前記第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出するステップと、
    前記呼吸区間における前記第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出するステップと、
    前記第1区間特徴量と前記第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出するステップと、
    近傍に位置する2つの呼吸区間の前記合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、前記2つの呼吸区間が吸気相であるかまたは呼気相であるかを判定するステップと、
    を有する呼吸相判定方法。
  8. 被測定者の身体の第1位置から取得された第1呼吸音、および、前記被測定者の身体の第2位置から前記第1呼吸音と同期して取得された第2呼吸音の少なくとも1つに基づいて、呼吸区間を推定する処理と、
    前記呼吸区間における前記第1呼吸音の特徴を表す第1区間特徴量を抽出する処理と、
    前記呼吸区間における前記第2呼吸音の特徴を表す第2区間特徴量を抽出する処理と、
    前記第1区間特徴量と前記第2区間特徴量とを相対化して合成特徴量を算出する処理と、
    近傍に位置する2つの呼吸区間の前記合成特徴量を比較し、比較の結果と、予め定めた基準とに基づいて、前記2つの呼吸区間が吸気相であるかまたは呼気相であるかを判定する処理と、
    をコンピュータに実行させる呼吸相判定プログラム。
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