JP5520055B2 - 音声環境の分類に依存した耳鳴りの軽減のための音質向上 - Google Patents

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Description

本発明は、耳鳴り(tinnitus)を軽減(relief)することに適応された新規な音質向上(sound enrichment)システムに関する。更に、本発明は、音質向上システムの一部を実行するソフトウエアプログラムに関する。更に付加的には、本発明は、耳鳴りを軽減するための音質が向上された音声信号を与えるための方法に関する。
耳鳴りは、対応する外部からの音声がないにもかかわらず、人間の耳には、音声として感知されるものである。耳鳴りは、聴覚系にて生じる幻想の音声であると考えられる。例えば、ベルのリンの音、ブザー音、笛のホイッスル音、あるいは、大きな音声は、耳鳴りとして感知される。耳鳴りは、連続的、又は、断続的でもあり得て、どちらの場合も非常に邪魔であって、そのような障害を持っている人の生活の質を著しく減少させる。
耳鳴りは、それ自身病気ではないが、基になっている、一連の原因から生じる望まない症状である。その症状の中には、ストレスのような精神的要因、病状[感染(infections)、メニエル氏病(Menieres Disease)、耳硬化症(Oto-Sclerosis)、等]、耳の中への異物混入あるいは耳あか(wax)、及び大きな雑音による傷害を含む。耳鳴りは、何らかの投薬による副作用でも起こり、また、異常な程度の心配や意気消沈でも生じる。
感知された耳鳴りの音は、静かな背景の音声から、外部からの音声を完全に消すのに十分な大きな音声まで広がる。”耳鳴り”という用語は、一般的に、多くの深刻な症状について言及する。防音室に入れられた、80人の耳鳴りの無い大学生に対する、1953年の研究の結果では、93%の学生が、ブザー音、脈拍音、又は、笛のホイッスル音が聴こえたと報告した。しかし、この条件が正常だと仮定してはならない。むしろ、学生達は、普通でないレベルの雑音からは、聴覚に対するダメージは、非常に広範囲に及ぶと証明した。
今日まで、耳鳴りは、外科的に直すことは出来ず、そして、今日まで、有効な薬剤治療は確認されていないので、いわゆる、「耳鳴りマスク装置(maskers)」が知られるようになった。これらは、補聴器のように、耳の後ろか、又は、耳の中に付ける小型の電池駆動の装置であり、例えば、補聴器のスピーカを通して、聴覚の管に発せられる人工的な音声によって、結果的に、心理音響的に、耳鳴りをマスクし、耳鳴りを聴くことを減少させている。
マスク装置から発生される人工的な音声は、しばしば、狭帯域の雑音である。雑音のスペクトル上の位置及びその大きさのレベルは、例えば、プログラム装置によって、調整することができ、できるだけ最適なように、個人の耳鳴りの状況に適応させることができる。その上、いわゆる再訓練方法が開発されていて、例えば、耳鳴り再訓練セラピー[ヤステレホフ(Jastreboff)PJ氏、 「耳鳴り慣れセラピー(THI)及び耳鳴り再訓練セラピー(TRI)]である。タイラー(Tyler)RS氏による「耳鳴りハンドブック(HandBook of Tinnitus)」(サンジエゴ(San Diego)、シンギュラー出版(Singular Publishing)、2000年、第357−376頁)によれば、精神的な訓練プログラムと、聴覚の閾値近傍の広帯域の音声(雑音)を与えることによって、静かな条件で耳鳴りを聴くことは、更に、非常に抑制されると、考えられるとのことである。この装置は、”雑音装置(noisers)”又は”音質向上装置(sound enrichment devices)”とも呼ばれる。そのような装置あるいは方法は、例えば、ドイツ特許第29718503号、英国特許第2134689号、米国特許公報第2001/0051776号、同じく第2004/0131200号、及び、米国特許第5403262号にて公知である。
別のシステムは、国際特許公報WO第2004/098690号により公知であり、それによれば、空間的フィルターが、例えば、2つの補聴器を含む補聴器システムである両耳用の補聴システムにおいて使用される。そこでは、多くの異なる方法のうち、2つの補聴器への入力信号が、入力信号の発生源の方向だと感知された方向を変更するような方法で操作される。空間フィルタリングは、到来する音声信号の位相と信号レベルを操作するとともに、到来する音声信号のスペクトル特性を変更することによって、達成できると記載されている。例えば、信号レベルは、自動利得制御回路と類似して、入力信号レベルに依存して、操作される。このようなシステムは、耳鳴りの軽減のみならず、耳鳴りの治療までできる、と主張している。
米国特許第6047074号によれば、耳鳴りセラピーに使用することが出来る、雑音信号を与えるための信号発生器を備えた補聴器が公知である。ここに開示された補聴器は、補聴器の信号レベルを分析することが出来る、信号分析段階(stage)をも備える。このため、入力信号のスペクトラムは、適度に高い信号レベルが、耳鳴りのセラピーに必要な周波数のレンジに、存在するかどうかを判断するために、分析できる。もし、そのようであれば、信号発生器は、駆動されない。しかし、もし、入力信号レベルが低ければ、信号発生器が、駆動される。耳鳴りのセラピーの信号に適用できるかどうかの判断は、このように、単に、補聴器の入力信号に基づくものである。
今日の「耳鳴りマスク装置(maskers)」は、ある程度まで耳鳴りを迅速に軽減させることができるが、一方では、S/N(スピーチ(音声)/雑音)比が、雑音の追加によって低下するという理由のためと、他方では、耳鳴りの被害者は、普通の聴覚を有する人と比較すると、雑音の中にあるスピーチを理解する能力も減少するということでしばしば苦しんでいるという理由のために、この装置により発生されたマスキング音声は、スピーチを理解するには、悪い影響を与えるかもしれない。
多くの人々にとっては、公知の「マスク装置(maskers)」は、耳鳴りの長期にわたる軽減を与えることはないと考えられる。デル・ボー(Del Bo)氏、アムブロセッチ(Armbrosetti)氏、ベチネリ(Bettinelli)氏、ドメニチエリ(Domenichetti)氏、ファガーニ(Fagnani)氏、及び、スコッチ(Scotti)氏による、"耳鳴りセラピーにおける耳を開放した補聴器の利用について(Using Open-Ear Hearing Aids in Tinnitus Therapy)”、[ヒアリング・レビュウ(Hearing Review)、(2006年8月)]が示す最近の研究では、もし、周囲の環境からの音によって音質が向上した音声を利用することによって、いわゆる耳鳴りへの慣れが、耳鳴り被害者の中に導入されるとすれば、より長期にわたり、耳鳴りを軽減する効果が、より良く達成できるかもしれないことが指摘されている。慣れというものの背後にある理論的根拠は、頭脳の機能からの2つの基本的な側面にたよっている。1つ目は、大脳辺縁系(limbic)と交感神経系(sympathetic system)の反応による慣れであり、2つ目は、人間が、耳鳴りの存在を無視しようとする音声感知による慣れである。耳鳴りマスク装置は、耳鳴りだと感知された音声を、部分的あるいは完全に、カバーする音声を発生するが、デル・ボー(Del Bo)氏、アムブロセッチ(Armbrosetti)氏、ベチネリ(Bettinelli)氏、ドメニチエリ(Domenichetti)氏、ファガーニ(Fagnani)氏、及び、スコッチ(Scotti)氏らは、補聴器により増幅された、又は、帯域限定雑音のような人工音声を印加することで増幅された、環境の音を使用することを提案している。
本発明の目的は、耳鳴りの軽減を与えるために適応された音質向上システムであって、音質向上システムの使用の間に、ユーザーがスピーチを理解するのに、悪い影響を与えない音質向上システムを提供することである。
本発明の別の目的は、ユーザーがスピーチを理解するのに、悪い影響を与えないような、耳鳴りの軽減を与えるために、雑音の音質が向上された音声信号を与える代替的な方法を提供することである。
また、本発明の更なる目的は、処理装置で実行された時に、雑音の音質が向上された音声信号を与える方法を、少なくとも一部は実行する、機械で読み取り可能なデータ記憶装置に記憶されたソフトウエアプログラム製品を提供することである。
本発明によれば、上記及びその他の目的は、耳鳴りの軽減を与えるために適応された、音質向上システムによって実現されるものであって、音質向上システムは、雑音信号を与えるための雑音発生器と、音質向上システムを使用する間は、前記雑音信号を、このユーザーに与えられる音響信号に変換するように適応された出力トランスデユーサーとから構成されており、音質向上システムは、更に、音質向上システムの周囲の音声環境を分類するように適応されている環境分類器から構成され、音質向上システムは、前記分類に依存して雑音信号を調整するように適応されている。このように、雑音信号を変換することは、好ましくは、調整された雑音信号を変換することである。本発明の一実施例によれば、調整された雑音信号のみが、音響信号へと変換される。
これにより、例えば、音響的な雑音信号を調整するように適応することのできる音質向上システムが実現される。そのため、雑音が周囲の音声環境に存在するような状況では、音響的な雑音信号は、低い平均信号の抑圧レベルを有してもよい。なぜなら、そのような状況においては、雑音音質向上システムによって、付加的な雑音を与えることは、必要ではないからである。調整することは、更に、どのような種類の雑音が、既に、周囲の雑音環境に存在するのかということに依存して、実行されてもよい。
別の利点は、発生された雑音信号を調整することは、スピーチが周囲の音声環境に存在するかどうかに依存してもよいということである。例えば、発生された雑音信号を調整することは、与えられた音響的な雑音信号が、ユーザーが感知したスピーチと干渉しない程度まで抑えられるような方法で、実現されてもよい。これは、本発明の音質向上システムの多くのユーザーにとって、重要である。なぜなら、スピーチは、しばしば、音質向上システムの多くのユーザーが、聴くことが望ましい音声(sound)であるからである。このことは、耳鳴りに追加して、雑音の中にあるスピーチを理解する能力も減少しているという耳鳴りの被害者にとっては、特に、重要である。なぜなら、音質向上システムによって発生された音響的な雑音信号を追加することが、耳鳴りの被害者がスピーチを理解することに、悪い影響を与えるからである。
本発明の好ましい一実施例によれば、環境分類器は、スピーチ検出器を含む。本発明の好ましい一実施例によれば、環境分類器は、スピーチ検出器である。本発明の一つの観点によれば、スピーチ検出器は、例えば、入力信号の包絡線(envelope)を分析することにより、スピーチの存在を検出するように、適応することができる。本発明の一実施例によれば、環境分類器は、多くの区別可能な音声分類に従って、周囲の環境を分類するように、適応される。これらの音声の分類は、例えば、クリーンなスピーチ(speach)(又は、実質的に、クリーンなスピーチ);及び/又は、雑音又は音楽の中にある声;及び/又は、雑音そのものと、から構成される。雑音の音声分類は、例えば、多くの相違するタイプの雑音の分類、例えば、交通における雑音;風における雑音;レストランにおける雑音;又は、”カクテルパーティ”における雑音に細かく分けることができる。”カクテルパーティ”における雑音とは、普通、多くの(少なくとも2人の)人々が、実質的には同時に、同じ部屋、又は、同じ環境で話している時に発生する、音声フィールドである。音声の分類は、上記した音声の分類のいかなる組み合わせでもよく、即ち、例えば、交通における雑音の中のスピーチ、又は、カクテルパーティにおける雑音の中の音楽、等である。環境分類器により決定されたような音声の分類(個々の音声の分類の組み合わせでもよい)の存在は、好ましくは、発生された雑音信号の特定の調整(又は、変調)に影響を与える。その結果、耳鳴りの軽減に使用される雑音信号の最適な調整が、夫々のタイプの音声環境において、実現することができる。好ましくは、雑音信号の調整は、スピーチの最大の理解度、及び、同時に、耳鳴りの最大の軽減を与えるような方法で行われる。本発明の一実施例によれば、音質向上システムのユーザーは、音質向上システムが、スピーチの最大の理解度、又は、耳鳴りの最大の軽減を与えるようにセットすることができる。本発明の好ましい一実施例によれば、ユーザーは、スピーチの理解度の程度に関連して、耳鳴りの軽減を与える程度を、調整してもよい。ユーザーは、例えば、物理的なスイッチ、例えば、トグル輪(toggle wheel)、又は、他の形式の機械的又は電気的(又は、オプションとして、磁気的、磁気抵抗式、又は、強力な磁気抵抗式)接触(contact)を利用して、前記関連を調整し、又は、セットしてもよい。代替的に、又は、組み合わせられて、そのようなスイッチは、ソフトウエア制御されてもよい。そのようなソフトウエア制御スイッチは、例えば、プログラム(1又は複数)の適切な選択によって、ユーザーにより、能動化又は不能動化されてもよい。
人間の耳鳴り感知の慣れを達成するために、伝統的な音質が向上された音声を、多くの歳月の間、しばしば、使用されなければならないので、使用された音声信号の単調さが、それを聴くユーザーにとって、悩ましく不愉快となる。そこで、本発明の更なる目的は、多くのユーザーがそれを聴くことが快適となるように、耳鳴りの軽減を与えるために適応された、代替的な音声の音質向上システムを提供することである。そして、本発明の一実施例によれば、上記のような調整は、ランダムに、又は、擬似ランダムに、雑音信号を変調することから構成されるようにしてもよい。
このことは、例えば、発生された雑音信号を、ランダムに、あるいは、擬似ランダムに、変調するように適応された信号変調器を、音質向上システムに備えることによって、実現してもよい。このようにして、雑音信号の単調さが無くなり、その結果、(変調された)雑音信号は、それを聴く多くのユーザーにとって、長期間に亘ってさえ、快適なものであるということが、実現される。
雑音信号を変調することは、信号に対する演算(operation)であり、数学的には、信号の数学的表現のマッピング(mapping)、又は、変換(transformation)として理解することができる。このように、変調することは、調整することであるとして理解してもよい。(調整することもまた、数学的には、同一のマッピング(mapping)であり、即ち、この調整するということは、雑音信号の変調はしないことを意味する“零”調整、から構成される)。実際的には、雑音信号を変調することは、雑音信号を、別の適切な信号により乗算することによって、実行してもよい。そこでは、適切な信号は、本発明の音質向上システムの周囲の音声環境の分類に依存して、選択され、又は、発生されてもよい。適切な信号とは、例えば、幾つかの状況では、“零”の信号であってもよく、これによって、雑音信号を、消滅させることが実現される。しかし、他の状況では、前記適切な信号は、適切に変動する信号であってもよい。前記適切な信号は、これによって雑音信号が変調される変調信号であるとして理解してもよい。
変調器及び雑音発生器は、一つのユニットとして構成してもよく、それにより、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調された雑音信号を発生することが可能になる。本発明の一実施例では、更に、雑音発生器及び変調器は、動作可能なように、相互に接続される2つの別々のユニットとして、構成してもよい。
本発明の好ましい一実施例では、雑音発生器は、白色雑音信号を発生する雑音発生器である。「白色雑音」とは、雑音発生器の動作周波数レンジにおいてフラットなパワースペクトル密度を有する、ランダムな信号(又は、プロセス)のことである。換言すれば、信号のパワースペクトル密度は、いかなる中心周波数においても、特定の帯域幅を有し、いかなる周波数帯域においても等しいパワーを有する。
「白色雑音」という用語は、零次自己相関係数(zero autocorrelation)を有する雑音信号に対して一般的に使用される用語である。従って、雑音信号は、周波数ドメインにおいて、“白色”である。本発明の一実施例では、雑音発生器は、周波数ドメインにおいて、白色雑音を発生するように適応してもよい。しかし、時間と非相関なので、信号が取ることができる値を制限しない。値のいかなる分布も可能である。
例えば、1又は0の値のみ取ることが出来る2値信号は、もし、0と1の数列が、統計的に、非相関であれば、白色となる。正規分布(normal distribution)のような連続的な振幅分布を有する雑音は、白色ともなる。ガウス雑音(Gaussian noise)(即ち、ガウス振幅分布をもった雑音)は、必ず、白色雑音であると、しばしば、間違って考えられている。しかし、どちらの特性も他の特性を意味はしない。「ガウス」という用語は、信号の値が分布している方法に関係している。一方、「白色」という用語は、相関は、雑音信号の振幅の分布には依存しないが、2つの区別される時間における相関に関係している。本発明の別の実施例では、雑音発生器は、ガウス白色雑音、又は、ポアソン(Poissonian)白色雑音を発生するように適応してもよい。これによって、多くの実際の世界の状況と良好な近似となり、及び、標準的な数学的モデルを使用することによって発生できる、白色雑音を発生するのに適応した雑音発生器が、与えられる。ガウス白色雑音の更なる利点は、その値が独立していることである。
本発明の音質向上システムのユーザーにとっては、雑音の周波数重み付け(一般的に、色合い(coloration)と呼ぶ)を使用することは、有益である。本発明の代替的な実施例では、前記雑音発生器は、白色以外の別の色、例えば、ピンク、ブルー、または、ブラウンの色、を有する雑音信号を発生するように、適応してもよい。
本発明の一実施例では、前記雑音信号を、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調することは、変調値(modulation values)の事象空間(event space)から、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調値を選択することから構成されてもよい。本発明の一実施例では、変調値の事象空間とは、変調値が選択される所定の事象空間のことである。
代替的、又は、付加的に言えば、前記雑音信号を、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調することは、変調間隔(modulation periods)の事象空間から、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調間隔を選択することから構成されてもよい。本発明の一実施例では、変調間隔の事象空間とは、変調間隔が選択される所定の事象空間のことである。変調間隔は、例えば、2つの選択された変調値の間のタイムスパン(time-span)のような、変調事象の間のタイムスパンであってもよい。好ましくは、変調間隔とは、2つの連続的に選択された変調値の間のタイムスパンである。
本発明の一実施例では、変調器は、変調値の事象空間から、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調値を選択すること;及び、変調間隔の事象空間から、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調間隔を選択すること;のステップから構成された方法によって、雑音信号を変調するように適応させてもよい。
更に、本発明の一実施例では、前記変調値又は変調間隔は、一定の値に固定されている。
本発明の一つの観点は、オーディオ信号を発生するための雑音発生器に関する。(このオーディオ信号は、スピーカ、拡声器、又は、レシーバーのような出力トランスデューサーにおいて音声信号に変換されてもよい。)雑音発生器は、変調値の事象空間から、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調値を選択すること;及び、変調間隔の事象空間から、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調間隔を選択すること;のステップから構成された方法によって、オーディオ信号を変調するように適応させている、信号変調器から構成される。
より単調でない雑音信号を与えるためには、本発明の別の好ましい一実施例の音質向上システムは、雑音信号の振幅を調整するように、適応してもよく、ここでは、前記調整することは、雑音信号を変調することから構成されてもよい。これは、例えば、雑音発生器により発生された雑音信号の振幅を変調するように適応された、少なくとも一つの信号変調器から構成された、音質向上システムにより実現されてもよい。
さらにより単調でない雑音信号を与えるためには、本発明の別の好ましい一実施例の音質向上システムは、雑音信号に内在している振幅の変動の速度よりも遅い速度で、雑音信号の振幅を変調するように、適応されてもよい。これは、雑音信号に内在している振幅の変動の速度よりも遅い速度で、雑音信号の振幅を変調するように適応された、少なくとも一つの信号変調器から構成された音質向上システムによって、実現してもよい。更に、そのようなより遅い変調は、早い変調よりも、多くのユーザーが聴くことをより快適なものにするだろう。
本発明の一実施例によれば、振幅変調が実現される速度は、0.5秒と20秒との間(即ち、この一実施例では、変調間隔の事象空間は、0.5秒と20秒の間隔(interval)である)のある値であり、好ましくは、1秒と15秒との間であり、更に好ましくは、2秒と10秒との間である。本発明の別の実施例によれば、前記間隔(interval)は、変調の間隔と呼ばれる。
代替的には、振幅変調が実行される速度は、雑音信号に内在する振幅変化の速度よりも遅く、大きさが所定の適切に選択された次数(order)である。例えば、振幅変調が実行される速度は、雑音信号に内在する振幅変動の速度よりも遅い、10、20、30、40、50、60、70、80、90,100、200、又は、300の因数(factor)である。
本発明の一実施例によれば、前記雑音信号の振幅変調の大きさ(size)[又は、値(value)]は、0dBと20dBとの間(即ち、この一実施例では、変調値の事象空間は、0dBと20dBとの間隔である)のある値であり、好ましくは、0dBと15dBとの間であり、更に好ましくは、0dBと10dBとの間であり、もっと好ましくは、0dBと7dBとの間である。例えば、前記雑音信号の振幅変調の大きさ(size) [又は、値(value)]は、0dB、又は、1dB、又は、2dB、又は、3dB、又は、4dB、又は、5dB、又は、6dB、又は、7dBのいずれかを、選択してもよい。(おそらく、ランダムに、又は、擬似ランダムに選択される)。変調値も、上記したと同様に、0dBと上記した値以上ではなく、0dBと上記した値以下の値との間で、同じレンジとしてもよいことに留意すべきである。同様に、変調値も、dBにて測定された正及び負の値から構成してもよい。
本発明の音質向上システムの別の好ましい一実施例においては、雑音信号を調整することは、雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することから構成してもよい。これは、例えば、雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調するように適応された、少なくとも一つの変調器を備えた音質向上システムによって実現してもよい。これによって、多くのユーザーが聴くことがより快適になる、単調ではない雑音信号を与えるという、代替的な方法が実現される。本発明のこの代替的な一実施例は、上記記載による一実施例と組み合わせてもよい。
好ましくは、雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することは、雑音信号に内在している、選択されたスペクトル特性の変化の速度よりも遅い速度で、実行してもよい。その結果、多くのユーザーが聴くことが、更により望ましく、快適になる変調された雑音信号を与えることになる。
本発明の好ましい一実施例においては、音質向上システムは、雑音発生器と、変調された雑音信号を発生するように適応される少なくとも一つの信号変調器(おそらくは、単一のユニットとして設けられる)とから構成される。このため、雑音信号の振幅と、選択されたスペクトル特性とが、例えば実質的に同時に、変調される。
本発明の好ましい一実施例においては、音質向上システムは、更に、雑音信号を、少なくとも一部フィルタリングするように適応される、スペクトル整形(shaping)フィルターから構成されてもよく、雑音信号の選択されたスペクトル特性を調整することは、スペクトル整形フィルターの周波数の応答を変動させることから構成してもよい。これは、例えば、スペクトル整形フィルターの周波数応答の変動によって、雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調するように適応された、少なくとも一つの信号変調器を備える、本発明の音質向上システムによって実現してもよい。これによって、標準的なフィルター理論が利用できるように、発生した雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することを実現するものが、容易に構成される。
スペクトル整形フィルターの周波数応答を変調することは、本発明の一実施例によれば、以下のグループから選択されたフィルターパラメーターの、少なくとも一つを変調することから構成される。そのグループとは、停止帯域周波数(Stop-band frequency);傾斜(slope)/オクターブ(octave);フィルター遷移関数(transfer function)のポール(pole)と零の数量、及び/又は、配置(placement);又は、これらフィルターパラメーターの、何らかの組み合わせである。こうして、この場合、前記変調値は、関連するフィルターパラメーター(1又は複数)を特定する1又は複数の値である。
本発明の一実施例によれば、スペクトル整形フィルターは、単一のバンドパスフィルターであってもよい。バンドパスフィルターの周波数レンジは、好ましくは、0.2kHzから15kHzの範囲であり、又は、より好ましくは、0.4kHzから10kHzの範囲か、又は、0.5kHzから7kHzの範囲であり、又は、更により好ましくは、0.7kHzから7kHzの範囲であり、例えば、1kHzから6kHzの範囲である。
スペクトル整形フィルターは、一セットの適切に選択されたフィルターから構成してもよく、例えば、一セットのバンドパスフィルターから構成してもよい。そのため、前記雑音信号はフィルターされることができ、発生した雑音信号の振幅、又は、スペクトル特性の変調は、更に、夫々の帯域において、実行してもよい。更に、発生された雑音信号の振幅、又は、スペクトル特性の変調は、幾つかの帯域においてのみ、実行してもよい。更に、本発明の一実施例によれば、発生された雑音信号の振幅、及び、スペクトル特性の両方の変調は、夫々の帯域において、実行してもよい。更に、発生した雑音信号の振幅、及び、スペクトル特性の変調は、幾つかの帯域においてのみ、実行してもよい。一セットのバンドパスフィルターの周波数レンジは、上記した周波数レンジのいずれかをカバーしてもよい。
本発明の一実施例によれば、スペクトル整形フィルターは、ローパスフィルターと、ハイパスフィルターとから構成されてもよい。ローパスフィルターのカットオフ周波数は、例えば、0.5kHzから3kHzのレンジでよく、ハイパスフィルターのカットオフ周波数は、例えば、2kHzから6kHzのレンジでもよい。
計算を簡単にするために、本発明の一実施例によれば、スペクトル整形フィルターは、バターワース(Butterworth)フィルター、例えば、3次の次数のIIRバターワースフィルターであってもよい。しかし、2次の次数のフィルターも、計算上の要求を減少するために、代わりに、使用してもよい。代替的には、本発明の一実施例によれば、スペクトル整形フィルターは、チェビシェフ(Chebyshev) フィルターか、又は、有限インパルス応答(Finite Impulse Response)(FIR)フィルターから構成してもよい。
好ましくは、レシーバーである、出力トランスデューサーにおける非線形を考慮するために、本発明の音質向上システムは、一実施例においては、更に、雑音発生器と出力トランスデューサーとの間の雑音信号の信号路に設けられた、トランスデューサー応答等価(equalization)フィルターから構成されてもよい。
本発明の音質向上システムの一実施例においては、雑音信号のスペクトル特性を変調することは、例えば、スペクトル整形フィルターの適切に選択された停止帯域、又は、通過帯域周波数を調整することによって、雑音信号の周波数レンジを調整できるようになる。例えば、周波数レンジは、おそらくは、耳鳴り被害者が感知した耳鳴りの周波数レンジを排除するように(例えば、フィルターにより)、個別にでも調整可能である。代替的には、雑音信号の周波数レンジは、所定の適切に選択されたデフォルトのレンジに、調整されてもよく、これにより、所望の慣れが実現できる。本発明の一実施例によれば、雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することは、雑音発生器により発生された雑音信号の、少なくとも1又は複数の部分の周波数をシフト(shift)することから、構成される。例えば、狭い雑音信号は、結果として変調された雑音信号が、所望の周波数レンジをカバーするように、周波数シフトされてもよい。
本発明の音質向上システムの一実施例においては、雑音信号の周波数レンジは、感知された耳鳴りの周波数よりも、実質的に低い周波数から構成されるように、個別に、適応されてもよい。この方法で、感知された耳鳴りへの慣れが、実現されるかもしれない。なぜなら、多くのユーザーは、もっと快適な、ランダム、又は、擬似ランダムに発生された低周波の雑音信号に、潜在意識的に、焦点を当てるからであり、そして、時間の経過とともに、彼らの頭脳は、感知された耳鳴りを、完全に、無視するよう適応するからである。そのような音質向上システムは、マスキング(masking)とは、著しく異なる。なぜなら、マスキング(masking)は、ユーザーの耳の知覚神経組織(sensi-neural cell)により感知された、競合する信号によって、感知した耳鳴りを紛らわせることで、実現されるからである。音質向上は、ユーザーの聴覚システムにおいて、もっと、高いレベルで、影響を及ぼし、耳鳴り被害者が、感知した耳鳴りの少なくとも一部を、無視することを可能にする。
多くの耳鳴りの被害者は、聴覚の損失の被害にも合っているので、本発明の好ましい一実施例の音質向上システムは、補聴器の一部を形成している。これによって、補聴器は、ユーザーが感知した耳鳴りを軽減するのと同様に、ユーザーの聴覚の損失に対しても対応できることが、実現される。本発明の一実施例では、補聴器の出力トランスデューサーは、音質向上システムの出力トランスデューサーと同じである。
補聴器は、本発明の音質向上システムから構成されてもよい。本発明の好ましい一実施例によれば、補聴器は、入力信号を与えるためのマイクロフォンと;前記入力信号を、出力信号に処理するための信号処理装置(processor)であって、補聴器の装着者の聴覚損失を保障するために入力信号を増幅すること(好ましくは、周波数に依存して)を含むものであり;及び、補聴器のユーザーに提供するように、出力信号を出力音声信号に変換するレシーバーを備え、ここで、補聴器は、更に、所定の平均信号レベルを有する雑音信号を与えるための雑音発生器と、雑音信号を信号処理装置の出力信号に加算するための手段とから構成される。更に、補聴器は、雑音信号を、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調するように適応された、少なくとも一つの信号変調器と、変調された雑音信号を信号処理装置の出力信号に加算する手段とから構成されてもよい。
補聴器としては、例えば、耳掛け型(behind-the-ear:BTE)、挿耳型(in-the-ear:ITE)、耳穴型(completely-in-the-canal:CTC)、レシーバー型(receiver-in-the-ear:RIE)の補聴器、又は、その他実装化された補聴器であってもよい。
本発明の一実施例によれば、補聴器は、更に、補聴器の信号処理装置に、例えば、無線か、又は、有線リンクによって、動作可能なように接続される携帯型パーソナル装置(portable personal device)を備えてもよく、前記携帯型パーソナル装置は、所定の平均信号レベルを有する雑音信号を与えるための雑音発生器を有し、補聴器の信号処理装置は、雑音信号の変調を実行するように適応されている。これによって、雑音信号を発生するために必要となる、処理パワーとメモリーとが、補聴器から除かれて、補聴器は、通常、非常に小さな処理パワーとメモリーの能力を有するものとなる。
好ましくは、携帯型パーソナル装置は、身体に容易に取り付けられるようなサイズと重さである。本発明の一実施例においては、携帯型パーソナル装置は、携帯電話(mobile phone)、PDA、専用の携帯型計算機のいずれかであってもよい。携帯型パーソナル装置と補聴器とのリンクは、例えば、電気的配線、あるいはブルートゥース(Blue Tooth)接続のような適切に選択された無線の接続によって、与えられてもよい。
"耳鳴りセラピーにおける開放型の耳補聴器の利用について(Using Open-Ear Hearing Aids in Tinnitus Therapy)”、[ヒアリング・レビュウ(Hearing Review)、(2006年8月)]に報告された、デル・ボー(Del Bo)氏、アムブロセッチ(Armbrosetti)氏、ベチネリ(Bettinelli)氏、ドメニチエリ(Domenichetti)氏、ファガーニ(Fagnani)氏、及び、スコッチ(Scotti)氏により成された科学的研究によれば、もし、いわゆる、開放的に取り付け(フィット)られた補聴器が、音質向上システムと組み合わされて使用されたならば、伝統的に使用されてきたよりも、はるかに短期間の間に、特に良好な結果が得られることを示している。本発明の好ましい一実施例によれば、補聴器(本発明の音質向上システムを備える)は、ユーザーの耳に開放的にフィットさせるのに適応してもよい。そのような、「開放的に取り付けられた補聴器」とは、例えば、反響型補聴器(Resound Air hearing aid)、又は、いくつかの等価な補聴器である。更に、レシーバーが、ユーザーの耳の穴に配置されるように適応されたタイプの反響型補聴器(Resound Air hearing aid)でもよい。音質向上と組み合わさって使用される「開放的に取り付けられた補聴器」に関する科学的研究は、更に、理論的議論によって支持されている。何故なら、例えば、耳鳴りを有する人は、非常にしばしば、典型的には、1.5kHzから2kHzよりも高い周波数の軽度から中程度の聴覚損失の被害を被り、及び、限定された関連する聴覚ハンデキャップを持つ。耳鳴りのいわゆる音の高さ(pitch)は、3kHzから8kHzの周波数レンジにおいて、しばしば見出される。更に、オーディオメーターによる聴力測定の閾値以上である10dBから15dBよりも低いレベルを有する雑音の音質向上は、しばしば、耳鳴りの軽減にとって十分である。開放的に取り付けられた補聴器は、耳の穴を著しく塞がないのと、それ故、いかなる大きな音声の減衰も引き起こさないので、有効なフィードバック抑圧システムを利用すると、2kHzから6kHzのレンジでの良好な増幅が、実現できる。このように、開放的に取り付けられた補聴器は、音質向上のための特別優れた特性を与える。
補聴器は、雑音信号と補聴器のゲインのレベルを制御する間に、切り替えられる(スイッチングする)ように適応されたボリューム制御装置から構成される。それによって、補聴器のボリューム制御は、耳鳴り軽減のための雑音信号の全体にわたるレベルを制御するのに用いられ、及び、補聴器のゲインを制御するのに用いられる。その結果、2つの動作のための2つの別々の制御をすることが避けられて、それ故、補聴器における限定された空間を最大に利用することが、実現される。
補聴器のゲインと雑音信号のレベルを制御する間に、スイッチングすることは、マニュアル(手動)で実現してもよい。代替的には、又は、付加的には、前記スイッチングは、周囲の音声環境の分類に依存して、実行してもよい。マニュアルでスイッチングすることで、ユーザーは、積極的に、ボリューム制御をしている間に、補聴器のゲイン、又は、雑音信号のレベルを制御することを選択してもよいことが、実現される。更に、スイッチングは、周囲の音声環境の分類に依存して、実現することもできるので、例えば、雑音信号のレベルが低い(又は、音質向上システムが作動していない)時には、前記ボリューム制御装置が、補聴器のゲインを制御するように使用されてもよく、同様に、例えば、雑音信号のレベルが高い(又は、単に、音質向上システムが作動している)時には、前記ボリューム制御装置が、雑音信号のレベルを制御するように、使用されてもよい。
本発明の一実施例によれば、ボリューム制御装置は、音質向上システムが作動している時には、自動的に、雑音信号のレベルを制御するように切り替えられ、一方、同時に、補聴器のゲインは、補聴器の自動利得制御回路によって制御される。このような自動利得制御回路は、この技術分野で知られている、いかなる種類の自動利得制御回路であってもよい。
本発明の一実施例によれば、音質向上システム、及び、補聴器のボリューム制御装置は、次のように、動作的に相互にリンクしてもよい。つまり、音質向上システムが作動している時に、周囲の音声環境の分類に依存して、自動的に、又は、ユーザーのマニュアルによって、例えば、適切なプログラムを選択するか、又は、それにスイッチングすることにより、前記ボリューム制御装置は、自動的に、雑音信号のレベルを制御するのに用いられるモードにスイッチされる。
本発明の別の観点は、第1及び第2の補聴器(つまり、2つの補聴器)を備える両耳用の補聴器システムに関する。第1の補聴器、及び/又は、第2の補聴器は、本発明の音質向上システムから構成される。好ましくは、前記両耳用の補聴器システムにおける第1の補聴器、及び、第2の補聴器の両方が、本発明の音質向上システムから構成される。
本発明の一実施例では、両耳用の補聴器システムにおける2つの補聴器は、相互に動作できるように接続され、雑音信号の振幅の幾つか又は全ての可能な変調、及び/又は、雑音信号の選択されたスペクトル特性の幾つかの又は全ての可能な変調は、更に、前記2つの補聴器の間の協調動作によって実行してもよい。本発明の一実施例によれば、2つの補聴器の一つは、他の補聴器に相互に動作可能なように接続され、幾つかの又は全ての可能な変調は、一方の補聴器によって協調される。前記変調は、例えば、2つの補聴器における振幅変調、バンドパスフィルタリングの変調、及び/又は、本出願の明細書で記載した他の種類のいずれかの変調から構成することができる。本発明の一実施例によれば、前記変調は、2つの補聴器の間で、非同期の方法で、協調することであってもよく、又は、前記変調は、例えば、相互に、わずかに位相をシフトすることでもよい。2つの補聴器の間で、振幅の包絡線と、周波数バンドパスフィルタリングの間に、わずかに非同期の関係があれば、それは、あたかも、両耳用の補聴器システムのユーザーが、浜辺に立って波音を聴いているように、砕ける波を聴いているような音声になる。これにより、更に、一層快適な耳鳴りを軽減するための雑音信号が与えられる。
雑音信号を発生すること、及び/又は、雑音信号を調整することは、処理装置で実行された時に、調整された(又は、変調された)雑音信号を発生するように適応してもよい、機械読み取り可能なデータ記憶装置に記憶されたソフトウエアプログラムで実行してもよい。本発明の一実施例では、雑音発生器、及び/又は、信号変調器は、処理装置で実行された時に、変調された雑音信号を発生するように適応された、機械読み取り可能なデータ記憶装置に記憶されたソフトウエアプログラムで実行される。本発明の一実施例では、処理装置は、補聴器における信号プロセッサーであってもよく、好ましくは、これは、デジタル信号プロセッサーであってもよい。更に、スペクトル整形フィルター、及び/又は、信号レベル調整器、及び/又は、レシーバー応答等価フィルターは、上記したような、機械読み取り可能なデータ記憶装置に記憶されたソフトウエアプログラムで実行される。これによって、出力トランスデユーサー以外の音質向上システムの全ての部分は、ソフトウエアで実行されてもよいということが、実現される。このように、音質向上システムが、補聴器の部分を構成していて、音質向上システムの出力トランスデューサーは、補聴器のレシーバーであるという、本発明の音質向上システムのこれらの実施例においては、(ランダムに、又は、擬似ランダムに)変調された雑音信号を発生することが、補聴器の信号プロセッサーにおいて可能になるような標準的なプログラムであるソフトウエアプログラムで実行されてもよい。これは、音質向上システムを、補聴器において使用してもよいという追加的な特徴として使用し、特に、補聴器の一般的なソフトウエアパッケージの追加的な特徴として、使用することを可能にする。
本発明の更なる観点は、耳鳴りの軽減を与えるための、雑音の音質を向上した音声信号を与える方法に関し、前記方法は:
(a) 雑音信号を発生するステップと;
(b) 音声環境の分類に依存して、雑音信号を調整するステップと;
(c) 変調された(調整された)雑音信号から、音響的な雑音信号を発生するステップと;
から構成される。そして、この方法を使用中に、音響的な雑音信号は、耳鳴り被害者に与えられる。
本発明の方法の好ましい一実施例によれば、発生された雑音信号は、ランダムに、又は、擬似ランダムに、発生された雑音信号である。
本発明の方法の一実施例によれば、変調された(調整された)雑音信号を発生するステップは、発生した雑音信号の振幅変調から構成されてもよい。
雑音信号の振幅変調は、雑音信号における振幅変化の平均速度よりも遅い速度で実行してもよい。
変調された(調整された)雑音信号を発生するステップは、雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することから構成してもよい。
雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することは、雑音信号の選択されたスペクトル変化の速度(好ましくは、平均速度)よりも遅い速度で実行してもよい。
雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することは、雑音信号を、少なくとも一つのスペクトル整形フィルターによって、フィルタリングし、スペクトル整形フィルターの周波数特性を変調することによって与えられてもよい。
スペクトル整形フィルターの周波数特性を変調することは、以下のグループから選択されたフィルターパラメーターの少なくとも一つを変調することから構成される。そのグループとは、スペクトル整形フィルターのための、停止帯域周波数;傾斜/オクターブ;フィルター遷移関数のポールと零の数量、及び/又は、配置である。
本発明の更なる観点は、処理装置で実行された時に、上記に記載したような方法のステップの少なくとも一つを実行する、機械読み取り可能なデータ記憶装置に記憶された、ソフトウエアプログラム製品に関する。
本発明の音質向上システムの概略ブロック図である。 分離された信号変調器を有する本発明の音質向上システムの一実施例を示すブロック図である。 本発明の音質向上システムの他の一実施例を示すブロック図である。 本発明の音質向上システムの更なる別の一実施例を示すブロック図である。 本発明の音質向上システムの更なる別の代替的な一実施例を示すブロック図である。 補聴器の一部を構成する本発明の音質向上システムの一実施例を示す。 補聴器の一部を構成する本発明の音質向上システムの他の一実施例を示す。 耳鳴りの軽減を与えるために、雑音の音質を向上させた音声信号を与える方法の概略フローチャートを示す。 補聴器の一部を構成する本発明の音質向上システムの他の一実施例を示す。 本発明の両耳用の補聴器システムの概要図を示す。 時間関数に対する、雑音信号の振幅変調のための減衰カーブの一例を示す。
本発明の特質及び利点の更なる理解は、本発明の明細書及び図面の部分を参照することによって実現される。
本発明の複数の実施例が示された添付する図面を参照して、本発明は、以下に、更に十分に記載される。しかし、本発明は、異なる形式でも実施することが可能であって、本発明は、ここに示された実施例に限定して解釈すべきではない。むしろ、これらの実施例は、この開示が十分で完全なものであることを示していて、当業者にとって発明の範囲を十分に伝えるものである。全体を通じて、同一の参照番号は、同一の要素に対して言及する。このように、同一の要素は、各々の図面の記載に関してのみ、詳細に説明したものではない。
図1は、本発明の音声の音質向上システム2の簡略化されたブロック図である。音質向上システム2は、所定の平均信号レベルを有する雑音信号を与えるための雑音発生器4を備える。雑音信号を、音質向上システム2が使用されている間に、ユーザーに与えられる音響的な信号に変換するように適応している出力トランスデューサー6も示す。音質向上システム2は、更に、前記雑音発生器4との統合された部分を構成する、少なくとも一つの信号変調器(図示せず)を備える。音質向上システム2は、また、雑音発生器4の統合された部分を構成する、少なくとも一つの信号変調器と動作可能に接続された環境分類器32を備える。音質向上システムを使用している間に、少なくとも使用時間の一部において、例えば、マイクロフォンのような入力トランスデユーサー(図示しない)への接続を介して、環境分類器32は、周囲の音声環境に結合されている。代替的には、環境分類器は、単に、雑音発生器それ自身に、動作可能に接続してもよく、その結果、環境の分類に依存して、雑音信号を発生することに影響を与えてもよい。このように、本発明の音質向上システム2は、音質向上システム2の周囲の音声環境の分類に依存して、音質向上を実現するように適応してもよい。なぜなら、雑音信号を発生すること、及び/又は、変調することが、周囲の音声環境の分類に依存して実行されてもよいからである。
図示しない信号変調器は、ランダムに、又は、擬似ランダムに、雑音信号を変調するように適応されている。統合された雑音発生器4と信号変調器(図示せず)は、このように、ランダムに、又は、擬似ランダムに変調された雑音信号を、発生するように適応されている。音質向上システム2は、更に、(オプション的に)信号レベル調整器8を備え、これにより、雑音信号のレベルが、調整されてもよい。雑音信号の信号レベルは、例えば、音質向上システム2のユーザーの特定の聴覚損失に依存して、信号レベル調整器8により、調整されてもよいし、及び/又は、雑音信号の信号レベルは、例えば、音質向上システム2のユーザーの感知された耳鳴りのタイプに依存して、調整してもよい。音質向上システム2の更に代替的な一実施例によれば、環境分類器32は、信号レベル調整器8に、動作可能に、接続されてもよい。(前記接続は、図面には示していない。)これによって、発生された雑音信号の信号レベルは、音質向上システム2の周囲の音声環境の分類に依存して、単純な方法で、調整されてもよい。
出力トランスデューサー6における非線形を考慮するためには、音質向上システム2は、(オプション的に)レシーバー応答等価フィルター10を備えてもよい。しかし、科学的研究によれば、何回か、実際に実行してみると、レシーバー応答等価フィルター10は、必要ではないことが示されている。
図2は、分離された信号変調器12を備える、本発明の音質向上システム2の一実施例を示すブロック図である。信号変調器12は、雑音発生器4により発生された雑音信号を、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調するよう適応されている。本発明の音質向上システム2の一実施例によれば、信号変調器12は、雑音信号の振幅を変調するように適応されている。本発明の音質向上システム2の代替的な一実施例によれば、信号変調器12は、雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調するように適応されている。本発明の音質向上システム2の更に代替的な一実施例によれば、信号変調器12は、雑音信号の振幅及び、選択されたスペクトル特性の両方を変調するように適応されている。また、図2にも示したものは、音声向上システム2の周囲の音声環境を、少なくとも部分的に、分類するように適応されている環境分類器32である。環境分類器32は、少なくとも一つの信号変調器12に、動作可能に接続されている。このように、変調すること、即ち、発生された雑音信号の振幅変調、及び/又は、選択されたスペクトル特性の変調は、音声向上システム2の周囲の音声環境の分類に依存して、実行してもよい。
図3は、図2に示した本発明の音質向上システムの代替的な一実施例を示すブロック図である。信号変調器12は、乗算器22の中で、雑音信号を乗算するための、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変動する変調信号14を発生することによって、雑音発生器4により発生した雑音信号を変調する。
図4は、雑音信号を(少なくとも、一部は)フィルタリングためのスペクトル整形フィルター16を備えた、本発明の音質向上システムの更に別の一実施例を示すブロック図である。少なくとも一つの変調器12は、スペクトル整形フィルター16の周波数応答の変動によって、雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調する。好ましくは、信号変調器12は、スペクトル整形フィルター16の周波数応答を変調するために使用される、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変動する変調信号18を発生する。少なくとも一つの信号変調器12は、環境分類器32に、動作可能に接続されている。そのため、スペクトル整形フィルターの周波数応答を変動することは、音声向上システム2の周囲の音声環境の分類に依存して、実行してもよい。音声向上システム2の代替的な一実施例によれば、環境分類器32は、スペクトル整形フィルター16に、動作可能に、直接接続されてもよい(接続は図面には示されていない)。そのため、スペクトル整形フィルター16の周波数応答は、環境分類器32によって、直接に制御されてもよい。
図5は、本発明の音質向上システム2の更なる別の代替的な一実施例を示すブロック図である。変調器12は、2つの変調信号18と20を発生する。好ましくは、変調信号18と20は、ランダムな、又は、擬似ランダムな信号である。本発明の一実施例によれば、変調信号18と20は、変調器12によって、相互に、独立して発生される。変調信号20は、雑音信号の振幅を変調するのに使用され、変調信号18は、スペクトル整形フィルター16の周波数応答を変動させることによって、雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調するのに使用される。好ましくは、変調信号18と20は、相互に異なり、異なる速度(rate)で動作する。また、図5に示したものは、環境の分類に依存して、変調する変調器12に、動作可能に接続された環境分類器32である。
前記雑音発生器4、及び、前記出力トランスデューサー6との間に位置された図1−5に示されたいずれのブロック図も、どのような順序で配置されてもよいことに留意すべきである。
図1−5のいずれかのブロック図に示された本発明の音質向上システム2(好ましくは、出力トランスデューサー6を除外する)は、単一の補聴器、又は、両耳用の補聴器システムのような、少なくとも一つの補聴器と、リンクするよう適応されたパーソナル携帯装置として構成してもよい。好ましくは、そのようなリンクは無線がよいが、本発明の一実施例としては、そのリンクは、有線でもよい。
図6は、補聴器24の一部を構成する、本発明の音質向上システム2の一実施例を示す。補聴器24は、入力信号を与えるためのマイクロフォン26と;聴覚障害補正出力信号を与えるための、聴覚障害補償ブロック30にある聴覚障害補償アルゴリズムに従って、入力信号を処理するよう適応された信号プロセッサ28とから構成される。補聴器は、更に、聴覚障害補正出力信号を、補聴器24が使用されている間に、ユーザーに与えられる音響的な信号に変換するよう適応された、出力トランスデューサー6(時には、レシーバーと呼ぶ)を備える。音質向上システム2の出力トランスデューサー6は、また、補聴器24の出力トランスデューサーを構成する。雑音発生器4、(オプション的な)レベル調整器8、(オプション的な)レシーバー応答等価フィルター10、スペクトル整形フィルター16、及び、信号変調器12(代替的な本発明の一実施例においては、信号変調器12は、雑音発生器の一部を構成してもよい)のような、音質向上システム2の他のコンポーネントは、例えば、信号プロセッサー28のような処理装置において実行される、機械読み取り可能データ記憶装置に記憶された、ソフトウエアプログラムで、全て実行されてもよい。それによって、本発明の音質向上システム2の主要部分は、一般的な補聴器ソフトウエアのパッケージ(補聴アルゴリズムのソフトウエアを実行するもの)に、付加的なソフトウエアプログラムとして、与えることができる。代替的には、上記したコンポーネントの幾つかだけを、ソフトウエアプログラムで、実行してもよい。例えば、雑音発生器4と信号変調器12は、例えば、信号プロセッサー28のような処理装置において実行される時に、変調された雑音信号を発生するように適応した、機械読み取り可能なデータ記憶装置に記憶された、ソフトウエアプログラムで実行されてもよい。また、(オプション的な)レベル調整器8、(オプション的な)レシーバー応答等価フィルター10、及び、スペクトル整形フィルター16のような他のコンポーネントは、ハードウエアで実行してもよい。しかし、本発明の好ましい一実施例によれば、スペクトル整形フィルター16は、ソフトウエアで実行される。本発明の一実施例によれば、機械読み取り可能なデータ記憶装置に記憶されたソフトウエアプログラムは、雑音発生器4と環境分類器32にて実行されるものから構成される。
変調された雑音信号は、スイッチ36により、加算器34に接続されてもよい。スイッチ36は、ソフトウエアで実行されてもよい。このように、使用されている間に、スイッチ36が駆動されれば、変調された雑音信号は、聴覚障害補正出力信号に加算され、その後、トランスデューサー6において、音響的な雑音信号に変換される。本発明の一実施例によれば、スイッチ36は、補聴器24の内部、又は、その上に配置された、物理的なスイッチ、例えば、トグル輪、又は、他の形式の機械的又は電気的な(又は、オプションとして、磁気的、磁気抵抗式、又は、強力な磁気抵抗式)接触(contact)により、制御できるものでよい。代替的には、スイッチ36は、ソフトウエアで制御されてもよい。そのようなソフトウエアで制御されたスイッチ36は、例えば、補聴器24のユーザーによる、適切なプログラムの選択(通常、補聴器のユーザーは、多くの相違するプログラム、典型的には、2から6の相違するプログラムの間を選択する可能性を有する)によって、能動化されるか、又は、不能動化されてもよい。
多くの耳鳴り被害者にとって、感知された耳鳴りは、高い割合で、時間とともに変動する現象である。幾つかの研究によれば、この時間変動は、ストレスに関係していることが示されている。本発明の一実施例によれば、ここで、(オプション的な)レベル調整器8は、補聴器24が使用中に、補聴器24のボリューム制御装置38によって制御され、ボリューム制御装置38は、ユーザーによって、調整できる。これは、おそらくは時間変動している感知された耳鳴りに依存して、発生された雑音信号のレベルをユーザーが調整することを可能にする。代替的には、レベル調整器は、ユーザー制御ではないが、逆に、(何人かのユーザーには、適当である)デフォルトのレベルに、調整してもよく、又は、補聴器24のユーザーが感知した耳鳴りを最大に軽減するために、使用中に、オプション的に、雑音信号に必要な信号レベルを与えるように、専門家によって、個別に、調整してもよい。
図1−5に図示された音質向上システム2の夫々の(又は、いずれかの)実施例は、補聴器24の一部を構成してもよい。好ましくは、出力トランスデューサー6を除外した図1−5に図示された全てのブロックは、個々に、又は、いくつかを組み合わせて、ソフトウエア製品で、実現してもよい。
少なくとも、一つの変調器12は、雑音信号の振幅、及び/又は、スペクトル特性を変調するように、適応されている。変調器12は、動作可能なように、雑音信号の信号路(path)に接続されている。好ましくは、変調器12は、動作可能なように信号レベル調整器8に接続されている。変調器12は、雑音信号と乗算される、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変動する振幅変調信号20を、発生するように適応されている。それにより、雑音信号の振幅変調が実現される。好ましくは、変調器12は、信号レベル調整器8と、動作可能なように接続し、それによって、雑音信号の全体にわたるレベル調整と、雑音信号の振幅変調が、実現される。変調器12は、更に、スペクトル整形フィルター16と、動作可能なように接続されている。変調器12は、スペクトル整形フィルター16の周波数応答の変動によって、雑音信号の、ランダムに、又は、擬似ランダムに変動する選択されたスペクトル特性に対して、制御信号として使用される、ランダムに、又は、擬似ランダムに変動するスペクトル変調信号18を、発生するように適応される。本発明の代替的な一実施例によれば、変調器12は、雑音信号の振幅又はスペクトル特性を変調するようにのみ、構成されてもよい。本発明の更に代替的な一実施例によれば、変調器12は、相互に、その後に続くステップにおいて、雑音信号の振幅及びスペクトル特性を変調するように、適応させてもよい。本発明の代替的な一実施例によれば、変調器12は、2つの分離された自律したユニットから構成される。
図4又は図5又は図6(又は、以下の図7又は以下の図9)に示すスペクトル整形フィルターは、例えば、2次か又は3次のIIRバターワース(Butterworth)フィルターか、又は、チェビシェフ(Chebyshev) フィルターのようなバンドパスフィルター、好ましくは、ローパスフィルターとハイパスフィルターから構成できる。
補聴器24の一部を構成する音質向上システム2は、分類器32を備える。分類器32は、圧縮器(図示せず)をさらに備える聴覚障害補償ブロック30の一部を構成してもよい。聴覚障害補償ブロック30は、部分的にはハードウエアで実行してもよく、部分的にはソフトウエアで実行してもよい。分類器32は、変調器12に、動作可能なように接続してもよく、それによって、雑音信号の振幅、及び/又は、スペクトル特性を変調することが、周囲の音声環境の分類に依存して、実行してもよい。例えば、もし、周囲の音声環境に雑音が存在していれば、雑音信号の振幅、及び/又は、スペクトル特性を、変調することは、周囲の雑音レベルの一部が音質向上に利用されるように、実行してもよい。代替的には、分類器32は、雑音レベル調整器8に対し、動作可能なように直接的に、接続してもよい(直接接続は図示せず)。これによって、雑音信号のレベルは、周囲の音声環境の分類に依存して、直接的に、調整できる。スピーチは通常、補聴器24のユーザーが、聴くことが望ましい音声であるので、もし、スピーチが、周囲の音声環境に存在すれば、雑音信号の発生は、例えば、切断してもよい。本発明の更に代替的な一実施例によれば、分類器32は、スペクトル整形フィルター16に対し、動作可能なように直接的に、接続されてもよい(直接接続は図示せず)。
上記に記載したように、科学的研究によれば、開放的に取り付けられた補聴器における音質向上は、ユーザーが知覚した耳鳴りに対し、短期間に(典型的には、8ヶ月から1年以下の期間で)、最適な慣れを実現するためには、特に有益であると示されている。出力トランスデューサー6により発せられるいくらかの音声は、マイクロフォン26の背後にリークしてもよく、そのため、聴覚障害補償ブロック30で、再度、増幅してもよい。この問題は、一般的に、フィードバックと呼ばれる。このフィードバック問題は、開放的に取り付けられた補聴器においては、より伝統的な補聴器よりも大きい問題である。このように、本発明の好ましい一実施例によれば、補聴器24は、ユーザーに対して、開放的に装着されるのに適応していて、更に、聴覚障害補償ブロック30の出力信号をフィルターして、それを、加算器42において、マイクロフォンからの入力信号から減算する、フィードバックキャンセルフィルター40を備える。補聴器24の本発明の一実施例によれば、フィードバックキャンセルフィルター40への入力信号は、加算器34の後で引き出され、また、代替的な本発明の一実施例においては、一点鎖線の矢印43で示すように、加算器34の前で、引き出される。
図7は、補聴器24の一部を構成する、本発明の音質向上システム2の代替的な一実施例を示す。図7に示した一実施例は、図6に示した一実施例と、本質的に類似している。それらの間の唯一の相違点を、以下に記載する。図6に示した一実施例と比較して、図7に示した一実施例の相違点は、分類器32が、聴覚障害補償ブロック30の一部を構成しないで、音質向上システム2の統合された部分として、実現されていることである。代替的な一実施例によれば、分類器32は、聴覚障害補償ブロック30と、動作可能なように、接続(図示せず)されていてもよい。分類器32は、ニューラルネットワークベースの分類器、隠し(hidden)マルコフ(Markov)モデル分類器、又は、この分野で知られるいかなる種類の分類器であってもよい。図6または図7に示した分類器32は、ソフトウエアプログラムで、実行されてもよい。更に、本発明の一実施例によれば、図1−7に示した分類器32は、スピーチ検出器でもよい(又は、それを備えてもよい)。本発明の一実施例によれば、スピーチ検出器は、音声向上システム2、又は、補聴器24の、周囲の音声環境の信号包絡線(envelope)を検出するように適応された包絡線検出器でもよい。
図8は、耳鳴りの軽減を与えるための、雑音の音質が向上された音声信号を与える方法の簡略されたフローチャートを示している。その方法は、以下のステップ、即ち、雑音信号を発生するステップ44と;音声環境の分類に依存して、雑音信号を変調する(又は、調整する)ステップ46と;変調された(又は、調整された)雑音信号から、音響的な雑音信号を発生するステップ48とから構成され、この方法を使用している間、音響的な雑音信号は、耳鳴り被害者に与えられる。雑音信号を変調する前記ステップ46は、雑音信号の振幅、及び/又は、雑音信号の選択されたスペクトル特性を、変調するサブステップから構成してもよい。更に、発生された雑音信号は、ランダムの、又は、擬似ランダムの雑音信号でもよい。
図9は、補聴器24の一部を構成する、本発明の音質向上システム2の代替的な一実施例を示している。図9に示した一実施例は、図6に示した一実施例と、本質的に類似している。それらの間の唯一の相違点を、以下に記載する。図6に示した一実施例と、図9に示した一実施例の相違点は、図9に示した一実施例が、スイッチ50を備える点である。スイッチ50は、ソフトウエアで、実現されてもよい。図9に示した一実施例においては、スイッチ50は、2つの位置を有し、一つ目の位置では、ボリューム制御装置38が、聴覚障害補償ブロック30と接続され、2つ目の位置では、ボリューム制御装置38が、信号レベル調整器8と接続されている。これによって、ボリューム制御装置38が、雑音発生器4により発生された雑音信号のレベルを制御するように使用されることができる位置と、ボリューム制御装置38が、聴覚障害補償ブロック30に印加される補聴器のゲインのレベルを制御するように使用されることができる位置との間において、ボリューム制御装置38は、切り替えられるようにすることができる。本発明の一実施例によれば、スイッチ50は、物理的なスイッチ、補聴器24の中にある、又は、その上に配置された、例えば、トグル輪、又は、他の形式の機械的又は電気的(又は、オプションとして、磁気的、磁気抵抗式、又は、強力な磁気抵抗式)接触のようなものによって、制御されてもよい。代替的には、スイッチ50は、ソフトウエア制御してもよい。そのようなソフトウエア制御スイッチ50は、例えば、補聴器24のユーザーによって、適切なプログラムの選択によって、能動化、又は、不能動化されるようにしてもよい。スイッチ50の2つの区別される位置の代わりに、ボリューム制御装置が、聴覚障害補償ブロック30に、部分的に接続され、信号レベル調整器8に、部分的に接続されるような方法で動作する“ソフトスイッチ”として、実現してもよい。本発明の一実施例によれば、スイッチ50の調整が、周囲の音声環境の分類に依存して、実行されるように、スイッチ50は、分類器32に、動作可能なように、接続してもよい。例えば、もし、周囲の音声環境が、かなり静かであると、分類器32において判断されれば、ボリューム制御装置38がレベル調整器8に接続される位置に、スイッチ50を、自動的に、切り替えるようにしてもよい。これは、周囲の音声環境が、かなり静かな時には、ボリューム制御装置を使用して、雑音信号の信号レベルを調整するので、ユーザーは、より大きい有益を得ることがあるという事実による。同様に、もし、前記周囲の音声環境が、スピーチを含んでいると、分類器32において判断されれば、ボリューム制御装置38が、聴覚障害補償ブロック30に接続される位置に、スイッチ50を、自動的に、切り替えるようにしてもよい。これは、周囲の音声環境が、スピーチを含んでいる時には、ボリューム制御装置を使用して、補聴器のゲインを調整するので、ユーザーは、より大きい有益を得ることがあるという事実による。
スイッチ50は、スイッチ36、又は、前記雑音発生器4、又は、調整器12に、動作可能なように接続してもよく、その場合には、ボリューム制御装置は、音質向上システムを制御するために用いてもよく、即ち、雑音発生器4が、動作しているか否か、又は、スイッチ36が能動化されているか否かを制御してもよく、即ち、音質向上システムにより発生された雑音信号が、加算器34において、聴覚障害補償ブロック30からの出力信号に加算されるかどうかを、制御するようにしてもよい。
本発明の一実施例によれば、上記の図9に関して説明されたスイッチ50は、図7に示した補聴器において、実現されてもよい。
音質向上システム2を含む補聴器24の一実施例と同様に、(図6、図7、及び、図9に示した)補聴器24の一部を構成する、本発明の音質向上システム2の一実施例によれば、例えば、聴覚障害補償ブロックに入力される直前に、変調された雑音信号を、マイクロフォン26からの信号に加算することで、音質向上システム2により発生された変調雑音信号を、聴覚障害補償ブロック30の入力に、接続してもよい。そのようなことを、それぞれ、図6、図7、及び、図9に示した一実施例に代わって、加算器34によって、実現してもよい。
図10は、本発明の一つの観点による、両耳用の補聴器システム56の概要を示している。両耳用の補聴器システム56は、第1の補聴器52と、第2の補聴器54とから構成される。
第1の補聴器52は、第1の入力信号を与えるためのマイクロフォン26と;第1の入力信号を第1のデジタル入力信号に変換するためのA/Dコンバーター60と;デジタル化された第1の入力信号を処理するように適応されたデジタル信号プロセッサー(DSP)28と;処理された第1の入力信号を、第1のアナログ出力信号に変換するためのD/Aコンバーター62とから構成される。第1のアナログ出力信号は、その後、レシーバー6において、(ユーザーの第1の耳に与えるための)第1の音響出力信号に、変換される。
同様に、第2の補聴器54は、第2の入力信号を与えるためのマイクロフォン26と;第2の入力信号を第2のデジタル入力信号に変換するためのA/Dコンバーター60と;デジタル化された第2の入力信号を処理するように適応されたデジタル信号プロセッサー(DSP)28と;処理された第2の入力信号を、第2のアナログ出力信号に変換するためのD/Aコンバーター62とから構成される。第2のアナログ出力信号は、その後、レシーバー6において、(ユーザーの第2の耳に与えるための)第2の音響出力信号に、変換される。
両耳用の補聴器システム56は、更に、2つの個々の補聴器52と54の間に、(オプション的に)リンク58を、備えている。好ましくは、リンク58は、無線であるが、別々の実施例としては、有線でもよい。リンク58は、2つの補聴器52と54の少なくとも一つが、他方と、通信するのを可能にする、即ち、2つの補聴器52と54の少なくとも一つの補聴器からの情報を、リンク58を介して、2つの補聴器52と54の他方の補聴器に、送信することを可能にする。本発明の一実施例としては、リンク58は、2つの補聴器52と54が、相互に、通信するのを可能にする。このように、リンク58は、2つのデジタル信号プロセッサー(図10では、共に28として示す)が、両耳用の信号処理を実行するのを可能にする。リンク58は、更に、2つの補聴器52と54が、協調する方法で、2つの補聴器52と54の少なくとも一つの補聴器において発生された雑音信号を変調することを可能にする。補聴器52または54の少なくとも一つは、本発明の音質向上システム2を備える。好ましくは、2つの補聴器52と54の両方ともが、本発明の音質向上システム2を備える。
本発明の一実施例によれば、第1と第2の補聴器52と54は、図6、図7、又は、図9に示した補聴器24である。これにより、雑音信号の振幅及び/又は、選択されたスペクトル特性を変調することが、更に、2つの補聴器52と54の間の、協調的でおそらくは、非同期の仕方で、実行される。変調は、例えば、2つの補聴器52と54における、振幅変調とバンドパスフィルターリングの変調とから構成される。2つの補聴器52と54の間における、振幅包絡線と周波数バンドパスフィルターリングとのわずかな非同期の関係は、変調された雑音信号の音声を、あたかも、両耳用の補聴器システム56のユーザーが、浜辺に立ち、波音を聴いているように、砕ける波を聴くような音声にさせる。これにより、更に、一層快適な耳鳴りを軽減するための雑音信号が与えられる。代替的には、又は、付加的には、第1の補聴器52の変調は、発生した雑音信号の振幅変調から構成されることができ、第2の補聴器54の雑音信号の変調は、発生した雑音信号の選択されたスペクトル特性の変調から構成されることができる。雑音信号の振幅変調、及び、選択されたスペクトル特性の変調は、2つの補聴器52と54の間で、シフトすることでもよく、その結果、例えば、第1の補聴器52は、振幅変調された雑音信号を発生するモードで開始され、一方、第2の補聴器54は、雑音信号の選択されたスペクトル特性が変調される、雑音信号を発生するモードで開始される。所定のタイムスパンの後、2つの補聴器52と54の役割は、逆転する。2つの補聴器52と54のモードの間のこのシフトは、それらが、作動している間は、続行してもよく、またそのシフトの間のタイムスパンは、ランダムに決定されたタイムスパンであってもよく、又は、他の信号によって変調されるタイムスパンでもよい。
本発明の一実施例によれば、両耳用の補聴器システム56の一部を構成する補聴器52と54は、主従(マスターースレーブ)の関係で動作するように、構成されてもよい。両耳用の補聴器システム56の一実施例によれば、2つの補聴器52と54は、主従の関係で動作するように構成されていて、2つの補聴器52と54の一方だけが、音質向上システム2から構成される。それにより、雑音信号の発生と変調、及び、音声環境の分類に関係した信号処理の全ては、補聴器52と54の一方だけで、処理できるようになり、このように変調した雑音信号は、リンク58を介して、他の補聴器に、単に、転送されるようにすることができる。しかし、本発明の一実施例によれば、補聴器52と54の両方とも、本発明の音質向上システム2から構成される。それによって、音質向上システムを制御するために使用された信号だけが、マスターの補聴器から、スレーブの補聴器に、転送されることが必要となる。これは、雑音信号それ自身を、マスターからスレーブに転送することは、少なくとも、5倍のバッテリーパワーが必要になるかも知れないので、エネルギー利用のかなりの節約となる。更に、両耳用の補聴器システム56の一実施例によれば、好ましくは、マスター補聴器として構成された補聴器52と54の一方だけが、図6、図7、及び、図9に示した実施例を参照して説明された、ボリューム制御装置38と、おそらく、スイッチ50をも、備えていることが、更に理解される。また、選択された(自動的に、又は、マニュアルで選択された)ボリューム設定条件も、リンク58を介して、同様に、他の補聴器に自動的に与えられる。
本発明の両耳用の補聴器システム56の更に別の一実施例によれば、両耳用の補聴器システム56の一部分を構成する、2つの補聴器52と54の夫々は、音質向上システム2から構成され、それらの夫々は、ボリューム制御装置を備える。そこで、補聴器52と54の両方において、補聴器52と54の一方のボリューム制御装置は、補聴器52と54の両方における補聴器のゲインを制御するように使用され、補聴器52と54の他方のボリューム制御装置は、音質向上システム2により発生された雑音信号の信号レベルを制御するように使用される。これにより、例えば、(リンク58を介して)左側の補聴器についてのボリューム制御が、左と右の補聴器の両方の補聴器のゲインを制御するように使用されてもよく、例えば、(リンク58を通じて)右側の補聴器についてのボリューム制御が、右と左の補聴器の両方のゲインを制御するように使用されてもよい、という両耳用の補聴器構成が、実現される。このように、夫々の補聴器についての一つのボリューム制御だけが、両耳用の補聴器システムの2つの特徴(補聴器のゲイン、及び、耳鳴りの軽減のために発生する雑音信号のレベル)を制御するために、必要となる。その上、ボリューム制御は、上記した2つの特徴を制御する間に、切り替えられるよう適応することは、必要ではなくなっているかもしれない。
図11に、時間の関数として、雑音信号の振幅変調のための信号変調器12によって与えられる、減衰カーブの一例を示す。図示された例によれば、信号変調器12は、単調さがより少ない雑音信号を得るために、雑音発生器4によって発生された雑音信号に与えることができる減衰カーブを計算する。信号変調器12は、ユーザーの要求にフィットする減衰カーブを与えるために、多くの方法で構成されてよい。信号変調器12は、例えば、カーブ減衰レベル(変調値(value)の事象空間から選択される)の特性と、変調間隔(period)(変調間隔(period)の事象空間から選択される)と一般的に呼ばれるカーブ時間間隔(period)の特性とから、構成されることができる。
図11の実線のカーブは、遷移ノード(node)を表す。夫々の遷移ノードは、減衰レベルの特性、及び、時間軸での以前のノードに対するタイムスパン(span) の特性で、定義される。本発明の一実施例によれば、一つのノードから時間が以前のノードまでのタイムスパンが、変調間隔である。減衰レベル(前記変調値とも呼ばれる)は、ランダムに、又は、擬似ランダムに、減衰レベルをセットするか、又は、減衰レベルを、ある固定した減衰値にセットすることによって選択されてもよく、同様に、以前のノードに対するタイムスパンは、タイムスパンを、ランダムに、又は、擬似ランダムにセットするか、又は、タイムスパンを、ある固定したタイムスパンにセットすることによって、選択されてもよい。可能な減衰レベルの範囲は、変調値の事象空間から選択されてもよく、同様に、2つの連続的なノードの間の可能なタイムスパンの範囲は、変調間隔の事象空間から選択されてもよい。
本発明の一実施例によれば、可能な減衰レベルの範囲は、限定される。即ち、変調値の事象空間も、好ましくは、限定される。例えば、減衰レベルの範囲は、0dBから20dB、又は、0dBから15dB、又は、0dBから12dB、代替的には、0dBから10dBのレンジの減衰レベルに限定してもよい。これらの例では、減衰の最大レベルは、それぞれ、20dB,15dB、12dB、又は、10dBである。図11では、一点鎖線は、変調器12に印加できる、減衰の最大レベルの例を表している。同様に、2つの連続するノードの間のタイムスパンは、限定される。即ち、変調間隔の事象空間も、限定される。例えば、タイムスパンは、0秒から20秒、1秒から15秒、2秒から10秒、又は、2秒から8秒に限定してもよい。これにより、変調値の事象空間から、ランダムに、又は、擬似ランダムに、変調値を選択するステップと、変調間隔の事象空間から変調間隔を、ランダムに、又は、擬似ランダムに、選択するステップとからなる方法によって、前記変調器12が、雑音信号を変調するように適応させることができるという、本発明の一実施例が実現できる。すなわち、2重のランダム化(dual randomization)が実現できる。それは、減衰レベル、即ち変調値と、2つの連続するノードの間のタイムスパン、即ち変調間隔との両方が、夫々の変調値と変調間隔の事象空間から、ランダムに、又は、擬似ランダムに、選択されるからである。
好ましくは、補聴器24、52、及び54は、所定のサンプル数の音声信号を、一括して処理した方がよい。サンプルの間の時間間隔(distance)は、サンプル周波数によって、1分周される。上記したように、図11の実線は、遷移ノードを表す。時間軸のこれらの点において、変調器12のための新しいパラメータのセットが見つけられる。即ち、新しいタイムスパンと、新しい減衰レベルが見つけられる。2つの遷移ノードの間のタイムスパンは、補聴器24、52、及び54において処理された幾つかのブロックに対応してもよい。ここで、ブロックカウンター変数を、タイムスパンが経過した時に、軌跡(track)を保持するために、使用してもよく、これにより、変調器12のための新しいパラメータのセットを見つけることが必要となる。
図11を参照しての振幅変調の記載は、雑音信号の選択されたスペクトル特性の変調にも、同様に応用できる。図11を参照して記載した変調は、例えば、他の図面のいずれかに示された実施例のいずれかをも参照して、本出願に記載した他の実施例にも利用できることがさらに理解される。
2 音質向上システム
4 雑音発生器
6 出力トランスデューサー
8 信号レベル調整器
10 レシーバー応答等価フィルター
12 変調器
14、18、20 ランダム、又は、擬似ランダム変動変調信号
16 スペクトル整形フィルター
22 乗算器
24,52,54 補聴器
26 マイクロフォン
28 信号プロセッサー
30 聴覚障害補償ブロック
32 環境分類器
34 加算器
36 スイッチ
38 ボリューム制御装置
40 フィードバックキャンセルフィルター
42 加算器
43 フィードバックキャンセルフィルターへの代替入力信号
44 雑音信号発生方法ステップ
46 雑音信号変調方法ステップ
48 音響的雑音信号発生方法ステップ
50 ボリューム制御スイッチ
56 両耳用補聴器システム
58 無線リンク
60 A/Dコンバーター
62 D/Aコンバーター

Claims (21)

  1. 音質向上システム(2)が、
    雑音信号を与えるための雑音発生器(4)と;
    前記音質向上システム(2)を使用する間は、前記雑音信号を、ユーザーに提供される音響信号に変換する出力トランスデューサー(6)と;を備え、
    前記音質向上システム(2)は、さらに前記音質向上システム(2)の周囲の音声環境を、分類するように適応された環境分類器(32)を備え、前記音質向上システム(2)は、前記分類に依存して、前記雑音信号を調整するように適応されていることを特徴とする耳鳴りの軽減を与えるための音質向上システム(2)。
  2. 前記雑音信号の調整は、ランダムに、あるいは、擬似ランダムに、変調することからなる請求項1に記載の音質向上システム。
  3. 前記雑音信号のランダムに、あるいは、擬似ランダムに、変調することは、変調値の事象空間から、ランダムに、あるいは、擬似ランダムに、変調値を選択することからなる請求項2に記載の音質向上システム。
  4. 前記雑音信号のランダムに、あるいは、擬似ランダムに、変調することは、変調間隔の事象空間から、ランダムに、あるいは、擬似ランダムに、変調間隔を選択することからなる請求項2又は3に記載の音質向上システム。
  5. 前記雑音信号の変調は、前記雑音信号の振幅を変調することからなる請求項1から4のいずれかに記載の音質向上システム。
  6. 前記雑音信号の前記振幅変調は、前記雑音信号に内在している振幅変化の速度より遅い速度で実行される請求項5に記載の音質向上システム。
  7. 前記雑音信号の調整は、前記雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することからなる請求項1から6のいずれかに記載の音質向上システム。
  8. 前記雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することは、前記雑音信号に内在している選択されたスペクトル特性の変化の速度よりも遅い速度で実行される請求項7に記載の音質向上システム。
  9. 前記音質向上システムは、前記雑音信号の少なくとも一部をフィルタリングするためのスペクトル整形フィルター(16)をさらに備え、前記雑音信号の選択されたスペクトル特性を変調することは、前記スペクトル整形フィルター(16)の周波数応答を変化させることからなる請求項7又は8に記載の音質向上システム。
  10. 前記スペクトル整形フィルター(16)の周波数応答を変調することは、停止帯域周波数;傾斜;ポールと零の数量;及び ポールと零の配置からなるグループから選択された、少なくとも一つのフィルターパラメーターを変調することからなる請求項9に記載の音質向上システム。
  11. 補聴器(24、52、54)の一部を構成する請求項1から10のいずれかに記載の音質向上システム。
  12. 前記補聴器(24、52、54)は、更に、ユーザーの耳に開放的に取り付けられるように適応されている、請求項11に記載の音質向上システム。
  13. 前記補聴器(24、52、54)は、前記雑音信号のレベルの制御、あるいは、前記補聴器(24、52、54)のゲイン制御のどちらかを行うように、スイッチされるボリューム制御装置(38)を備えている請求項11又は12に記載の音質向上システム。
  14. 前記スイッチングは、手動か、又は、前記周囲の音声環境の分類に依存して実行される、請求項13に記載の音質向上システム。
  15. 前記雑音信号を変調することは、スピーチが、前記周囲の音声環境に存在するかどうかに依存している請求項1から14のいずれかに記載の音質向上システム。
  16. 前記環境分類器は、スピーチ検出器から構成される、請求項1から15のいずれかに記載の音質向上システム。
  17. 請求項1から16のいずれかに記載の音質向上システム(2)を備える補聴器(24、52、54)。
  18. 第1及び第2の補聴器(24、52、54)を備え、前記第1の補聴器(24、52、54)は、請求項1から16のいずれかに記載の音質向上システム(2)を備えることを特徴とする両耳用の補聴器システム(56)。
  19. 第1及び第2の補聴器(24,52,54)を備え、前記第1及び第2の補聴器(24,52,54)は、どちらも、請求項1から16のいずれかに記載の音質向上システム(2)を備えることを特徴とする両耳用の補聴器システム(56)。
  20. 前記第1及び第2の補聴器(24、52、54)は、相互に、動作可能なように接続され、前記雑音信号を調整することは、前記第1及び第2の補聴器(24、52、54)の間で、協調的な方法で実行される請求項19に記載の両耳用の補聴器システム(56)。
  21. 機械読み取り可能なデータ記憶装置に記憶されたソフトウエアプログラムであって、前記ソフトウエアプログラムは、請求項1から16のいずれかに記載された音質向上システム(2)において、雑音信号を発生するように適応され、前記ソフトウエアプログラムは、前記音質向上システムに、前記雑音発生器(4)と前記環境分類器(32)としての動作をさせるソフトウエアプログラム。
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