以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図22にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲームを含み、該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12aと第2特別図柄表示装置12bとが配設されている。第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bでは、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果、小当りか否かの内部抽選(小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特別図柄表示装置12aの図柄変動ゲームを「第1特図変動ゲーム」と示し、第1特図変動ゲームで用いる特図を「特図1」と示す。また、第2特別図柄表示装置12bの図柄変動ゲームを「第2特図変動ゲーム」と示し、第2特図変動ゲームで用いる特図を「特図2」と示す。また、以下の説明で、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームを纏めて示す場合には「特図変動ゲーム」と示す。また、以下の説明で、単に「特図」と示す場合には、特図1と特図2の両図柄を示すものとする。
第1特別図柄表示装置12aと第2特別図柄表示装置12bには、複数種類(本実施形態では、106種類)の特図の中から、当り抽選(大当り抽選及び小当り抽選)の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。106種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、小当りを認識し得る図柄となる5種類の小当り図柄(小当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
また、演出表示装置11には、図2(a),(b)に示すように、図柄列毎に7種類の飾図が表示される。図2(a)は、遊技状態が第1の遊技状態(後述する非変短状態)の場合の図柄変動ゲームで用いる第1種飾図を示す。第1種飾図は、所定のキャラクタ(本実施形態では武将)を模した7種類の絵柄に[1]〜[7]までの数字を付加して構成されている。一方、図2(b)は、遊技状態が第2の遊技状態(後述する変短状態)の場合の図柄変動ゲームで用いる第2種飾図を示す。第2種飾図は、硬貨を模した絵柄に[1]〜[7]までの数字を付加して構成されている。そして、各図柄列は、図柄変動ゲームが開始すると、図2(a),(b)に示す矢印方向に図柄の変動(縦スクロール変動)が開始される。具体的には、各図柄列は、数字が昇順となる表示順序([1]→[2]→[3]→・・・[6]→[7])で変動表示されるとともに、[7]に達すると再び[1]から変動表示される。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bにおいて、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。
演出表示装置11は、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、原則、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
また、特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、原則、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、原則、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
また、特図変動ゲームで小当り図柄(小当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11に確変示唆図柄(確変示唆表示結果)が確定停止表示される。また、特図変動ゲームで大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合でも、演出表示装置11に確変示唆図柄(確変示唆表示結果)が確定停止表示される場合もある。なお、確変示唆図柄は、大当り抽選の抽選確率が低確率(通常確率)から高確率に変動する確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される可能性があることを示唆する図柄である。本実施形態において、飾図による確変示唆図柄は、はずれの図柄組み合わせの中でも、特定の図柄組み合わせ([123]や[121]など)が該当する。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
第2特別図柄表示装置12bの上方には、複数個(本実施形態では2個)の第1特図保留発光部を備えた第1特別図柄保留表示装置13aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置13aは、機内部で記憶した第1特図変動ゲーム用の始動保留球(第1始動保留球)の記憶数を遊技者に報知する。以下、第1特図変動ゲーム(特図1)用の始動保留球の記憶数を「第1保留記憶数」と示す。第1保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動手段(第1始動手段)としての第1始動入賞口14に遊技球が入賞(入球)することで「1」加算される一方で、第1特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第1特図変動ゲーム中に第1始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第1保留記憶数は、実行保留中の第1特図変動ゲームの実行回数を示す。
第1特別図柄保留表示装置13aの右側方には、複数個(本実施形態では2個)の第2特図保留発光部を備えた第2特別図柄保留表示装置13bが配設されている。第2特別図柄保留表示装置13bは、機内部で記憶した第2特図変動ゲーム(特図2)用の始動保留球(第2始動保留球)の記憶数を遊技者に報知する。以下、第2特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を「第2保留記憶数」と示す。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動手段(第2始動手段)としての第2始動入賞口15に遊技球が入賞(入球)することで「1」加算される一方で、第2特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第2特図変動ゲーム中に第2始動入賞口15へ遊技球が入賞すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第2保留記憶数は、実行保留中の第2特図変動ゲームの実行回数を示す。
また、画像表示部GHの下方領域には、第1保留記憶数を画像表示するための第1保留画像表示領域H1と、第2保留記憶数を画像表示するための第2保留画像表示領域H2が、各別に形成されている。第1保留画像表示領域H1は、第1保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域を含んで構成されている。また、第2保留画像表示領域H2は、第2保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域を含んで構成されている。第1保留画像表示領域H1と第2保留画像表示領域H2は、遊技者が常に注目する画像表示部GHに形成されている。このため、遊技者は、第1保留画像表示領域H1と第2保留画像表示領域H2のそれぞれにおいて保留有表示の態様で画像表示された個別表示領域の個数から、第1保留記憶数及び第2保留記憶数を認識することになる。
また、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bの下方には、普通図柄表示装置20が配設されている。普通図柄表示装置20では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
第2特別図柄表示装置12bと第1特別図柄保留表示装置13aとの間には、複数個(本実施形態では2個)の普図保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置21が配設されている。普通図柄保留表示装置21は、機内部で記憶した普図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、普図ゲーム用の始動保留球の記憶数を「普図保留記憶数」と示す。普図保留記憶数は、遊技盤10に配設した作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。したがって、普図ゲーム中に作動ゲート19へ遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。普図保留記憶数は、実行保留中の普図ゲームの実行回数を示す。
本実施形態のパチンコ遊技機は、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとが同時に実行されないように構成されている。そして、特図変動ゲームを開始させる際、その時点における第1保留記憶数と第2保留記憶数が共に「1」以上である場合は、第2保留記憶数に基づく第2特図変動ゲームが優先して実行される。一方、特図変動ゲームの開始条件が成立した際、その時点における第1保留記憶数が「1」以上であって、第2保留記憶数が「0(零)」である場合は、第1保留記憶数に基づく第1特図変動ゲームが実行される。すなわち、第2特図変動ゲームは、後述する始動条件が成立すると、その時点において先に第1保留記憶数として記憶されている特図1の始動保留球が存在する場合であっても、その始動保留球よりも先に実行される(割り込み実行される)。なお、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口としての第1入賞口14a(第1入球口)を有する第1始動入賞口14が配設されている。第1始動入賞口14の奥方には入賞した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されている。第1始動入賞口14は、入賞した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、第1特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、第1始動入賞口14の下方には、遊技球の入球口としての第2入賞口15a(第2入球口)を有する第2始動入賞口15が配設されている。第2始動入賞口15は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図4に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根16を備えている。第2始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入賞し易い開放状態(第1状態)とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入賞し難い閉鎖状態(第2状態)とされる。すなわち、開閉羽根16は、第2始動入賞口15の第2入賞口15aを、遊技球が入球し難い閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、第2始動入賞口15の奥方には入賞した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。第2始動入賞口15は、入賞した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、演出表示装置11の左方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図3に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口15の開閉羽根16を開放状態とするか否か(第2始動入賞口15に遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。そして、普図当り抽選に当選すると、開閉羽根16の開放によって第2始動入賞口15に遊技球を入賞させ易くなり、遊技者は、第2特図変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、第2始動入賞口15の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別入賞口)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。大入賞口18は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される場合がある。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、本実施形態において確変状態は、次回の大当りが生起されるまでの間、付与される。確変状態は、大当り抽選の抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利であり、遊技者は、確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な変動短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される場合がある。変短状態では、変短状態が付与されていないとき(非変動時間短縮状態(以下、「非変短状態」と示す)と比べて、特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)の変動時間が短縮される場合がある。また、変短状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、非変短状態と比べて短縮される。また、変短状態では、普図当り抽選の抽選確率(当選確率)が低確率から高確率に変動する。また、変短状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。本実施形態において変短状態は、予め定めた変短上限回数(本実施形態では、40回、50回又は10000回)の特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が終了する迄の間、又は変短上限回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。変短状態は、開閉羽根16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの第2始動入賞口15への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、開閉羽根16の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技及び小当り遊技について図3を参照して以下に説明する。
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、13ラウンド又は2ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口18の開閉が所定回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口18は、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図3に示す10種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。10種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、図3に示すように、特図毎に分類される。
図柄Aには、特図1の大当り図柄として20種類が振分けられている。図柄Bには、特図1の大当り図柄として7種類が振分けられている。図柄Cには、特図1の大当り図柄として2種類が振分けられている。図柄Dには、特図1の大当り図柄として46種類が振分けられている。図柄Eには、特図1の大当り図柄として1種類が振分けられている。図柄Fには、特図1の大当り図柄として5種類が振分けられている。図柄Gには、特図1の大当り図柄として1種類が振分けられている。図柄Iには、特図1の大当り図柄として18種類が振分けられている。また、図柄Kには、特図1の小当り図柄として5種類が振分けられている。
一方、図柄aには、特図2の大当り図柄として27種類が振分けられている。図柄bには、特図2の大当り図柄として1種類が振分けられている。図柄cには、特図2の大当り図柄として17種類が振分けられている。図柄dには、特図2の大当り図柄として30種類が振分けられている。図柄fには、特図2の大当り図柄として2種類が振分けられている。図柄gには、特図2の大当り図柄として3種類が振分けられている。図柄hには、特図2の大当り図柄として2種類が振分けられている。図柄iには、特図2の大当り図柄として8種類が振分けられている。図柄jには、特図2の大当り図柄として10種類が振分けられている。また、図柄kには、特図2の小当り図柄として5種類が振分けられている。
図柄A〜D,a〜dに基づく大当り遊技は、13R大当り遊技である。なお、「R」はラウンドを示す。13R大当り遊技は、規定ラウンド数が「13回」に設定され、1回の大当りに対応する大入賞口18の合計開放時間が相対的に長い大当り遊技である。以下、図柄A,aに基づく大当り遊技を「13R特別確変大当り遊技」と示す。また、図柄B,bに基づく大当り遊技を「ジャンプアップ大当り遊技」と示す。また、図柄C,cに基づく大当り遊技を「ステップアップ大当り遊技」と示す。また、図柄D,dに基づく大当り遊技を「実質7R確変大当り遊技」と示す。
13R大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入賞上限個数が「9球」に設定されている。また、13R特別確変大当り遊技、ステップアップ大当り遊技、及び実質7R確変大当り遊技では、オープニング時間として「10.552(秒)」が、エンディング時間として「10.052(秒)」がそれぞれ設定されている。その一方で、ジャンプアップ大当り遊技では、オープニング時間として「0.020(秒)」が、エンディング時間として「10.052(秒)」がそれぞれ設定されている。
13R特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口18の開放回数として「1回」が、各ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。一方、ジャンプアップ大当り遊技では、1ラウンド目における大入賞口18の開放回数として「3回」が、1ラウンド目を除く各ラウンドにおける大入賞口18の開放回数として「1回」が、2ラウンド目から13ラウンド目までの各ラウンド遊技時間として「25(秒)」が、それぞれ設定されている。また、ジャンプアップ大当り遊技では、1ラウンド目において、開放1回目と開放2回目の開放時間が「0.3(秒)」に、開放3回目の開放時間が「24.4(秒)」に、それぞれ設定されている。また、開放1回目と開放2回目の間にはインターバル時間として「2.0(秒)」が、開放2回目と開放3回目の間にはインターバル時間として「9.1(秒)」が、それぞれ設定されている。これにより、ジャンプアップ大当り遊技の1ラウンド目の合計開放時間は、「0.3(秒)+0.3(秒)+24.4(秒)」からなる「25(秒)」に設定されていることになる。
ステップアップ大当り遊技では、8ラウンド目における大入賞口18の開放回数として「7回」が、8ラウンド目を除く各ラウンドにおける大入賞口18の開放回数として「1回」が、8ラウンド目を除く各ラウンド遊技時間として「25(秒)」が、それぞれ設定されている。また、ステップアップ大当り遊技では、8ラウンド目において、開放1回目から開放6回目までの開放時間が「0.3(秒)」に、開放7回目の開放時間が「23.2(秒)」に、それぞれ設定されている。また、開放1回目と開放2回目の間、開放2回目と開放3回目の間、開放3回目と開放4回目の間、開放4回目と開放5回目の間、開放5回目と開放6回目の間にはインターバル時間として「2.92(秒)」が、開放6回目と開放7回目の間にはインターバル時間として「2.0(秒)」が、それぞれ設定されている。これにより、ステップアップ大当り遊技の8ラウンド目の合計開放時間は、「0.3(秒)×6+23.2(秒)」からなる「25(秒)」に設定されていることになる。
また、図3には図示しないが、13R特別確変大当り遊技、ジャンプアップ大当り遊技、及びステップアップ大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2.0(秒)」にそれぞれ設定されている。なお、各ラウンド遊技は、入賞上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。このため、13R特別確変大当り遊技、ジャンプアップ大当り遊技、及びステップアップ大当り遊技において、1回のラウンド遊技の合計開放時間としては「25(秒)」が最大時間となる。
実質7R確変大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口18の開放回数として「1回」が、1ラウンド目から7ラウンド目までの各ラウンド遊技時間として「25(秒)」が、8ラウンド目から13ラウンド目までの各ラウンド遊技時間として「0.3(秒)」が、それぞれ設定されている。
また、実質7R確変大当り遊技では、7ラウンド目と8ラウンド目との間までの各インターバル時間は、図3には図示しないが「2.0(秒)」に、8ラウンド目と9ラウンド目の間からの各インターバル時間は、図2に示すように、「2.92(秒)」にそれぞれ設定されている。なお、各ラウンド遊技は、入賞上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。このため、実質7R確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技の合計開放時間としては「25(秒)」が最大時間となる。しかし、8ラウンド目から13ラウンド目までの開放時間として「0.3(秒)」が設定されているため、大入賞口18に遊技球が入賞する前に各ラウンド遊技が終了する可能性が高い。このため、実質7R確変大当り遊技では、実質的に7ラウンド大当り遊技と同等の賞球が行われることとなる。また、このように、実質7R確変大当り遊技では、ステップアップ大当り遊技における1ラウンド目の開放から8ラウンド目の7回目の開放までと大入賞口18の開放態様(開放時間、開放回数)は、同じとなっている。
13R大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態が付与されるとともに、10000回の特図変動ゲーム(飾図の図柄変動ゲーム)が終了するまでを変短上限回数として変短状態が付与される。
本実施形態における大当り図柄の振分によれば、13R大当り遊技が付与される場合において、第2特図変動ゲーム(45/75)では、第1特図変動ゲーム(29/75)よりも高い確率で、実質7R確変大当り遊技以外の大当り遊技が付与される。このように、13R大当り遊技における合計開放時間については、第2特図変動ゲームのほうが、第1特図変動ゲームよりも長くなる可能性が高く、有利に規定されている。
図柄E〜G,I,f〜jに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されている。このような大当り遊技は、1回の大当りに対応する大入賞口18の合計開放時間が、13R大当り遊技と比べて相対的に短い2R大当り遊技である。また、図柄Eに基づく大当り遊技は、2R大当り遊技の中でも、大入賞口18の1回の開放時間が相対的に短い2R短縮大当り遊技(短時間開放当り遊技)である。その一方で、図柄F,G,I,f〜jに基づく大当り遊技は、2R大当り遊技の中でも、大入賞口18の1回の開放時間が相対的に長い2R延長大当り遊技(長時間開放当り遊技)である。
以下、図柄Eに基づく大当り遊技を「2R短縮確変大当り遊技」と示す。また、図柄F,fに基づく大当り遊技を「特別2R確変大当り遊技」と示す。また、図柄G,gに基づく大当り遊技を「第1の2R確変大当り遊技」と示す。また、図柄hに基づく大当り遊技を「第2の2R確変大当り遊技」と示す。また、図柄I,iに基づく大当り遊技を「第1の2R非確変大当り遊技」と示す。また、図柄jに基づく大当り遊技を「第2の2R非確変大当り遊技」と示す。
2R大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入賞上限個数が「9球」に設定されている。また、2R大当り遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口18の開放回数として「1回」が設定されている。
また、2R短縮確変大当り遊技では、オープニング時間として「0.020(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.3(秒)」が、エンディング時間として「12.736(秒)」がそれぞれ設定されている。その一方で、2R延長大当り遊技では、オープニング時間として「0.020(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25(秒)」が、エンディング時間として「0.936(秒)」がそれぞれ設定されている。また、図2には図示しないが、2R大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2.0(秒)」にそれぞれ設定されている。
2R短縮確変大当り遊技、特別2R確変大当り遊技、第1の2R確変大当り遊技、又は第2の2R確変大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態が付与される。一方で、第1の2R非確変大当り遊技、又は第2の2R非確変大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)。また、2R大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態が非変短状態である場合、変短状態が付与されない(図2に示す「0回」)。一方で、2R短縮確変大当り遊技、又は特別2R確変大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態が変短状態である場合、10000回の特図変動ゲーム(飾図の図柄変動ゲーム)が終了するまでを変短上限回数として変短状態が付与される。また、第1の2R確変大当り遊技、又は第1の2R非確変大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態が変短状態である場合、50回の特図変動ゲーム(飾図の図柄変動ゲーム)が終了するまでを変短上限回数として変短状態が付与される。また、第2の2R確変大当り遊技、又は第2の2R非確変大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態が変短状態である場合、40回の特図変動ゲーム(飾図の図柄変動ゲーム)が終了するまでを変短上限回数として変短状態が付与される。
本実施形態において、2R短縮大当り遊技と2R延長大当り遊技は、大入賞口18の開放態様が異なることにより、大入賞口18の開放態様から区別可能となっている。一方、本実施形態において、2R延長大当り遊技は、大入賞口18の開放態様が同じであることにより、大入賞口18の開放態様から何れの大当りか、区別不能となっている。また、第1の2R確変大当り遊技及び第1の2R非確変大当り遊技の終了後は、同じ上限回数の変短状態が付与されることにより、何れの大当りか、区別不能となっている。同様に、第2の2R確変大当り遊技及び第2の2R非確変大当り遊技の終了後は、同じ上限回数の変短状態が付与されることにより、何れの大当りか、区別不能となっている。
第2特図変動ゲームにおいて2R延長大当り遊技が付与される場合には、2/100の確率で特別2R確変大当り遊技が選択され、3/100の確率で第1の2R確変大当り遊技が選択され、2/100の確率で第2の2R確変大当り遊技が選択される。一方、第2特図変動ゲームにおいて2R延長大当り遊技が付与される場合には、8/100の確率で第1の2R非確変大当り遊技が選択され、10/100の確率で第2の2R非確変大当り遊技が選択される。
このため、2R延長大当り遊技の終了後に、40回の変動ゲームで変短状態が終了した場合には、第2の2R確変大当り遊技及び第2の2R非確変大当り遊技の選択確率から確変期待度が2/12となる。また、2R延長大当り遊技の終了後に、50回の変動ゲームで変短状態が終了した場合には、第1の2R確変大当り遊技及び第1の2R非確変大当り遊技の選択確率から確変期待度が3/11となる。なお、2R延長大当り遊技の終了後に、51回の変動ゲームで変短状態が終了しなかった場合には、確変状態が付与されることが確定する。これにより、変短状態が継続するほど確変状態が付与される確率が高くなることから、変短状態が継続するか否かによって遊技者に確変期待度を認識させることができる。
また、2R延長大当り遊技が付与されると、その終了後に確変状態を付与しない場合があるが、2R短縮大当り遊技が付与されると、その終了後に必ず確変状態を付与する。また、2R短縮大当り遊技が付与される場合には、2R延長大当り遊技が付与される場合よりも大きい又は同じ変短上限回数が選択される。
また、前述したように、大当り図柄の振分によれば、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとでは、2R短縮大当り遊技、2R延長大当り遊技を付与する確率が異なる。具体的には、第1特図変動ゲーム(1/100)では、第2特図変動ゲーム(0/100)よりも高い確率で、2R短縮大当り遊技が付与され、第2特図変動ゲーム(25/100)では、第1特図変動ゲーム(24/100)よりも高い確率で、2R延長大当り遊技が付与される。
また、第1特図変動ゲームでは、第2の2R確変大当り遊技、及び第2の2R非確変大当り遊技が付与されず、第2特図変動ゲームでは、2R短縮確変大当り遊技が付与されない。このため、第1特図変動ゲームでは、第2特図変動ゲームよりも高い確率で、大きい変短上限回数を決定することになる。詳しくは、第1特図変動ゲーム(6/100)では、第2特図変動ゲーム(2/100)よりも高い確率で、変短上限回数として10000回が選択される。また、第2特図変動ゲームでは、変短上限回数として40回が選択されるが、第1特図変動ゲームでは、変短上限回数として40回が選択されない。このように、変短上限回数については、第1特図変動ゲームのほうが、第2特図変動ゲームよりも大きくなる可能性が高く、有利に規定されている。
本実施形態では、図柄A〜G,I,a〜jに基づく当り(大当り)が、当りの種類となる。そして、13R大当り遊技を付与することになる図柄A〜D,a〜dに基づく当り(大当り)の種類が、大当り遊技中に賞球獲得がし易い第1当り種になる。また、図柄A〜D,a〜dに基づく大当りが、大当り遊技中における賞球獲得数に差を生じさせる複数種類の第1当りになる。なお、本実施形態の13R大当り遊技は、実質7R確変大当り遊技(図柄D,d)<ジャンプアップ大当り遊技(図柄B,b)、ステップアップ大当り遊技(図柄C,c)<13R特別確変大当り遊技(図柄A,a)の順に、大当り遊技中に賞球獲得がし易い大当り遊技として設定している。ジャンプアップ大当り遊技及びステップアップ大当り遊技は、大入賞口18の短時間開放を含むラウンド遊技が存在している点で、13R特別確変大当り遊技に比して、賞球獲得がし難い大当り遊技として位置付けている。一方、実質7R確変大当り遊技は、8回目のラウンド遊技から大入賞口18が短時間開放となることから、13R大当り遊技の中で、大当り遊技中に最も賞球獲得がし難い大当り遊技となる。また、本実施形態では、2R大当り遊技を付与することになる図柄E〜G,I,f〜jに基づく当り(大当り)の種類が、第1当り種よりも、大当り遊技中に賞球獲得がし難い第2当り種になる。なお、第1当り種の当りと第2当り種の当りは、大当り遊技を構成するラウンド遊技の数(13Rと2R)によって、賞球獲得数に差が生じることで、賞球獲得がし易いか又は賞球獲得がし難いかが規定される。
また、図柄K又は図柄kに基づく小当り遊技は、入賞上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。
小当り遊技では、オープニング時間として「0(秒)」が、エンディング時間として「12.764(秒)」がそれぞれ設定されている。また、小当り遊技では、大入賞口18の開放回数として「2回」が設定されている。また、小当り遊技では、開放1回目と開放2回目の開放時間が「0.3(秒)」に設定されているとともに、開放1回目と開放2回目の間にはインターバル時間として「2.0(秒)」が設定されている。これにより、小当り遊技において1回目の開放から2回目の閉鎖までの開閉時間は、「0.3(秒)+2.0(秒)+0.3(秒)」からなる「2.6(秒)」に設定されている。そして、ジャンプアップ大当り遊技の1ラウンド目の開放から2回目の閉鎖までと、2R短縮確変大当り遊技の1ラウンド目の開放から2ラウンド目の閉鎖までと、小当り遊技の1ラウンド目の1回目の開放から2回目の閉鎖までとでは、大入賞口18の開放態様(開放時間、開放回数)が同じである。
小当りでは、小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当りでは、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも確変状態を継続して付与させる一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも確変状態を付与しない。また、小当りでは、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも変短状態を継続して付与させる一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも変短状態を付与しない。本実施形態では、小当り遊技を付与することになる図柄K,kに基づく当り(小当り)の種類が、第1当り種よりも、大当り遊技中に賞球獲得がし難い第2当り種になる。
次に、パチンコ遊技機の制御構成について図4を参照して説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが配設されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、装飾ランプ23の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、スピーカ24の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
ここで、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について図4を参照して以下に説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、第1特別図柄表示装置12a、第2特別図柄表示装置12b、第1特別図柄保留表示装置13a、第2特別図柄保留表示装置13b、普通図柄表示装置20、普通図柄保留表示装置21、普通電動役物ソレノイドSOL1、及び大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、小当り図柄振分用乱数、普図当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)及び小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄となる特図を決定する場合に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、及び小当り抽選で小当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。小当り図柄振分用乱数は、小当り図柄となる特図の種類を決定する場合に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、小当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1582までの全1583通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として4個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は1583分の4となる。一方、本実施形態では、確変状態用の大当り判定値として40個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は1583分の40となる。
小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1582までの全1583通りの整数)の中から、大当り判定値と重複しないように定められている。本実施形態では、特図1(第1保留記憶数)に基づく小当り抽選用の小当り判定値として9個の値が設定されている一方で、特図2(第2保留記憶数)に基づく小当り抽選用の小当り判定値として2個の値が設定されている。これにより、特図1の小当り抽選で当選する確率は1583分の9となり、特図2の小当り抽選で当選する確率は1583分の2となる。本実施形態では、特図2の小当り抽選の当選確率が、特図1の小当り抽選の当選確率に比して低確率に設定されている。換言すれば、本実施形態では、特図1の小当り抽選の当選確率が、特図2の小当り抽選の当選確率に比して高確率に設定されている。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜238までの全239通りの整数)の中から定められている。
普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜232までの全233通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非変短状態用の普図当り判定値として15個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は233分の15となる。一方、本実施形態では、変短状態用の普図当り判定値として232個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は233分の232となる。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。当り変動は、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄又は小当り図柄を確定停止表示させる。一方、当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄又は確変示唆図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄又は確変示唆図柄を導出させる場合がある。
はずれリーチ変動は、大当り抽選及び小当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選、小当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。そして、当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて、図5〜図9を参照して説明する。
本実施形態の変動パターンは、その変動内容が、通常変動系の変動内容と特殊変動系の変動内容に大別される。変動内容には、図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動開始と複数列の変動停止からなる変動サイクルを含む。そして、通常変動系の変動内容は、1回の変動サイクルから構成される。一方で、特殊変動系の変動内容は、1回又は複数回の変動サイクルから構成される。
図5は、非変短状態時の図柄変動ゲームを実行させる場合に選択可能な当り変動用、及びはずれリーチ変動用の変動パターンを示す。これらの変動パターンは、特図1及び特図2の各図柄変動ゲームにおいて共通して選択可能な変動パターンとなっている。
本実施形態では、通常変動系の変動内容を特定し得る変動パターンとして、変動パターンTP6〜TP12の7種類が用意されている。変動パターンTP6は、当り変動用の変動パターンであって、その変動内容は、大当り抽選又は小当り抽選への当選を契機に、遊技状態が変化する可能性があることを示唆する状態移行変動とされている。変動パターンTP7,TP8は、それぞれ当り変動用及びはずれリーチ変動用の変動パターンであって、その変動内容はノーマルリーチ変動とされている。ノーマルリーチ変動は、リーチ演出において、第3停止列となる中列の図柄(飾図)を、その中列の変動を停止させることによって導出する演出である。変動パターンTP9,TP10は、それぞれ当り変動用及びはずれリーチ変動用の変動パターンであって、その変動内容はキャラリーチ変動とされている。キャラリーチ変動は、リーチ演出において、第3停止列となる中列の図柄(飾図)を、所定のキャラクタの動作に合わせて導出する演出である。変動パターンTP11,TP12は、それぞれ当り変動用及びはずれリーチ変動用の変動パターンであって、その変動内容は武将リーチ変動とされている。武将リーチ変動は、リーチ演出において、第3停止列となる中列の図柄(飾図)を、武将の動作に合わせて導出する演出である。本実施形態において武将リーチ変動には、登場する武将が異なる4つの変動内容が設定されている。武将リーチ変動の変動内容に登場する武将は、武将X1,X2,X3,X4とされており、これらの武将X1〜X4は7種類の第1種飾図のうち、4つの第1種飾図のモチーフとされている。具体的に言えば、数字[1]を付加した飾図は武将X1を、数字[2]を付加した飾図は武将X2を、数字[5]を付加した飾図は武将X3を、数字[7]を付加した飾図は武将X4を、それぞれモチーフとしている。なお、キャラリーチ変動に登場するキャラクタは、武将リーチ変動に登場する武将とは異なるキャラクタとなっている。
また、本実施形態では、特殊変動系の変動内容を特定し得る変動パターンとして、変動パターンTP13〜TP23の11種類が用意されている。変動パターンTP13〜TP18は、2回の変動サイクルを含む、擬似2回(図中の擬2)の変動内容とされている。変動パターンTP13,TP14は、それぞれ当り変動用及びはずれリーチ変動用の変動パターンであって、2回目の変動サイクルが、ノーマルリーチ変動とされている。変動パターンTP15,TP16は、それぞれ当り変動用及びはずれリーチ変動用の変動パターンであって、2回目の変動サイクルが、キャラリーチ変動とされている。変動パターンTP17,TP18は、それぞれ当り変動用及びはずれリーチ変動用の変動パターンであって、2回目の変動サイクルが、武将リーチ変動とされている。
変動パターンTP19〜TP22は、3回の変動サイクルを含む、擬似3回(図中の擬3)の変動内容とされている。変動パターンTP19は、当り変動用の変動パターンであって、3回目の変動サイクルが、ノーマルリーチ変動とされている。変動パターンTP20は、当り変動用の変動パターンであって、3回目の変動サイクルが、キャラリーチ変動とされている。変動パターンTP21,TP22は、それぞれ当り変動用及びはずれリーチ変動用の変動パターンであって、3回目の変動サイクルが、武将リーチ変動とされている。
変動パターンTP23は、4回の変動サイクルを含む、擬似4回(図中の擬4)の変動内容とされている。変動パターンTP23は、当り変動用の変動パターンであって、4回目の変動サイクルが、全回転リーチ変動とされている。全回転リーチ変動は、全ての図柄列を同一図柄とした状態(大当りの図柄組み合わせを形成した状態)で、各図柄列を変動表示させ、1つの大当りの図柄組み合わせを導出する演出である。本実施形態において全回転リーチ変動は、その出現によって大当りを確定的に認識し得る大当り確定演出として位置付けられている。
図6は、非変短状態時の図柄変動ゲームを実行させる場合に選択可能なはずれ変動用の変動パターンを示す。これらの変動パターンは、特図1及び特図2の各図柄変動ゲームにおいて共通して選択可能な変動パターンとなっている。
本実施形態では、通常変動系の変動内容を特定し得る変動パターンとして、変動パターンTP1〜TP5の5種類が用意されている。変動パターンTP1,TP2,TP3は、その変動内容が、それぞれ通常変動、短縮変動、超短縮変動とされている。通常変動は、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の図柄(飾図)を予め定めた変動停止順(本実施形態では、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて図柄を導出する演出である。短縮変動は、通常変動よりも変動時間が短く設定され、各図柄列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各図柄列に図柄(飾図)を導出する演出である。超短縮変動は、短縮変動よりも変動時間が短く設定され、各図柄列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各図柄列に図柄(飾図)を導出する演出である。
変動パターンTP4は、その変動内容が、状態移行ガセ変動とされている。状態移行ガセ変動は、状態移行変動と同一態様で実行される変動であって、最終的にはずれとする演出(ガセ演出)、すなわち大当り抽選又は小当り抽選に当選していない場合に実行される。変動パターンTP5は、その変動内容が、擬似ガセ変動とされている。擬似ガセ変動は、1回の変動サイクルによって構成され、擬似変動のように見せ掛けて、最終的にはずれとする演出(ガセ演出)である。
図7は、変短状態時の図柄変動ゲームを実行させる場合に選択可能な当り変動用の変動パターンを示す。これらの変動パターンは、特図1及び特図2の各図柄変動ゲームにおいて共通して選択可能な変動パターンとなっている。
本実施形態では、通常変動系の変動内容を特定し得る変動パターンとして、変動パターンHP4〜HP6の3種類が用意されている。変動パターンHP4は、当り変動用の変動パターンであって、その変動内容が、状態移行変動とされている。変動パターンHP5,HP6は、それぞれ当り変動用の変動パターンであって、その変動内容として、変動パターンHP5は合戦リーチ優勢当り変動とされている一方で、変動パターンHP6は合戦リーチ劣勢当り変動とされている。合戦リーチ優勢当り変動は、自軍が敵軍よりも有利な展開で合戦が進み、自軍の勝利によって、最終的に第3停止列となる中列の図柄(飾図)を導出する演出である。合戦リーチ劣勢当り変動は、自軍が敵軍よりも不利な展開で合戦が進み、自軍の撤退によって、最終的に第3停止列となる中列の図柄(飾図)を導出する演出である。
また、本実施形態では、特殊変動系の変動内容を特定し得る変動パターンとして、変動パターンHP7〜HP12の6種類が用意されている。変動パターンTP7,HP8は、1回の変動サイクルを含む、擬似1回(図中の擬1)の変動内容とされている。変動パターンHP7,HP8は、それぞれ当り変動用の変動パターンであって、1回目の変動サイクルが、合戦リーチ優勢当り変動及び合戦リーチ劣勢当り変動とされている。変動パターンHP9,HP10は、2回の変動サイクルを含む、擬似2回(図中の擬2)の変動内容とされている。変動パターンHP9,HP10は、それぞれ当り変動用の変動パターンであって、2回目の変動サイクルが、合戦リーチ優勢当り変動及び合戦リーチ劣勢当り変動とされている。変動パターンHP11は、3回の変動サイクルを含む、擬似3回(図中の擬3)の変動内容とされている。変動パターンHP11は、当り変動用の変動パターンであって、3回目の変動サイクルが、合戦リーチ優勢当り変動とされている。変動パターンHP12は、4回の変動サイクルを含む、擬似4回(図中の擬4)の変動内容とされている。変動パターンHP12は、当り変動用の変動パターンであって、4回目の変動サイクルが、合戦リーチ優勢当り変動とされている。
図8(a)は、変短状態時にあって、特図1に基づく図柄変動ゲームを実行させる場合に選択可能なはずれ変動用の変動パターンを示す。一方、図8(b)は、変短状態時にあって、特図2に基づく図柄変動ゲームを実行させる場合に選択可能なはずれ変動用の変動パターンを示す。
本実施形態では、通常変動系の変動内容を特定し得る変動パターンとして、変動パターンHP1〜HP3の3種類が用意されている。変動パターンHP1は、その変動内容が、変短時超短縮変動とされている。変短時超短縮変動は、超短縮変動(変動パターンTP3)よりも変動時間が短く設定され、各図柄列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各図柄列に図柄(飾図)を導出する演出である。本実施形態において変動パターンHP1は、全ての変動パターンの中で、最も変動時間が短く設定されている。
変動パターンHP2は、その変動内容が、ロング変動とされている。ロング変動は、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の図柄(飾図)を予め定めた変動停止順(本実施形態では、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて図柄を導出する演出である。また、ロング変動の変動時間は、通常変動(変動パターンTP1)よりも短く、かつ短縮変動(変動パターンTP2)よりも長く設定されている。変動パターンHP3は、その変動内容が、ガセ予兆変動とされている。ガセ予兆変動は、合戦リーチへの発展を示唆する示唆演出の実行後、合戦リーチへ発展することなく、最終的にはずれとする演出である。なお、合戦リーチ優勢当り変動、及び合戦リーチ劣勢当り変動では、合戦リーチへ発展する前に、ガセ予兆変動と同一態様の示唆演出が実行される。
図9は、通常変動系の変動内容と特殊変動系の変動内容を模式的に示す。
図9(a)は、リーチ演出を実行しないはずれ変動を含む通常変動系の変動内容を示す。この変動内容は、1回の変動サイクルから構成されており、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過に伴って図柄列の変動が順次又は一斉に停止し、変動時間の経過によって図柄変動ゲームが終了する。図9(b)は、リーチ演出を実行するリーチ変動を含む通常変動系の変動内容を示す。この変動内容は、1回の変動サイクルから構成されており、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過に伴ってリーチの図柄組み合わせが導出されるとともにリーチ演出が実行され、変動時間の経過によって図柄変動ゲームが終了する。
図9(c)は、擬似1回の変動を含む特殊変動系の変動内容を示す。この変動内容は、1回の変動サイクルから構成されており、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過に伴ってリーチの図柄組み合わせが導出されるとともにリーチ演出が実行され、変動時間の経過によって図柄変動ゲームが終了する。図9(d)は、擬似2回の変動を含む特殊変動系の変動内容を示す。この変動内容は、2回の変動サイクルから構成されており、図柄変動ゲームの開始後、1回目の変動サイクルとして通常変動が行われる。そして、1回目の変動サイクルの終了後は、最終変動サイクルとなる2回目の変動サイクルが開始し、所定時間の経過に伴ってリーチの組み合わせが導出されるとともにリーチ演出が実行され、変動時間の経過によって図柄変動ゲームが終了する。
図9(e)は、擬似3回の変動を含む特殊変動系の変動内容を示す。この変動内容は、3回の変動サイクルから構成されており、図柄変動ゲームの開始後、1回目及び2回目の変動サイクルとして通常変動が行われる。そして、2回目の変動サイクルの終了後は、最終変動サイクルとなる3回目の変動サイクルが開始し、所定時間の経過に伴ってリーチの図柄組み合わせが導出されるとともにリーチ演出が実行され、変動時間の経過によって図柄変動ゲームが終了する。図9(f)は、擬似4回の変動を含む特殊変動系の変動内容を示す。この変動内容は、4回の変動サイクルから構成されており、図柄変動ゲームの開始後、1回目〜3回目の変動サイクルとして通常変動が行われる。そして、3回目の変動サイクルの終了後は、最終変動サイクルとなる4回目の変動サイクルが開始し、所定時間の経過に伴ってリーチの組み合わせが導出されるとともにリーチ演出が実行され、変動時間の経過によって図柄変動ゲームが終了する。
擬似変動を伴う1回の図柄変動ゲームは、図9(c)〜(f)に示すように、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。すなわち、擬似変動を伴う1回の図柄変動ゲームは、1球の始動保留球に対して実行される。そして、本実施形態における擬似変動を伴う図柄変動ゲームでは、最終変動サイクルよりも前の変動サイクルではずれ図柄が導出されるようになっており、これらの変動サイクルにおいて図柄は一旦停止表示されている。そして、擬似変動を伴う図柄変動ゲームでは、最終変動サイクルのみでリーチが形成される一方で、最終変動サイクルよりも前の変動サイクルではリーチが形成されない。また、擬似変動の各変動サイクル中には、擬似変動であることを遊技者に報知するための報知演出(専用演出)が行われる。これにより、遊技者は、図柄変動ゲームの変動内容が擬似変動であることを認識し得る。なお、図7に示す変動パターンHP5,HP6(通常変動系)と変動パターンHP7,HP8(特殊変動系)の変動内容は、何れも1回の変動サイクルで構成されているが、前述した報知演出の有無によって区別される。また、擬似変動において、最終変動サイクルよりも前の変動サイクルで行われる通常変動は、その変動時間が全て同一時間とされている。これにより、遊技者は、変動時間の長短から変動サイクルの回数が判別し得ない。また、1回の変動サイクルには、特定の図柄組み合わせ(大当りの組み合わせやチャンス目)を一旦停止表示させた後、再変動演出を実行させる場合、その再変動演出を含み、再変動演出のみを1回の変動サイクルとしてカウントしない。
次に、統括制御基板31について図4を参照して以下に説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34が接続されている。統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、統括制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、表示制御基板32について図4を参照して以下に説明する。
表示制御基板32には、表示制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機の表示動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。表示制御用CPU32aは、各種制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づいて実行する特別図柄入力処理、特別図柄開始処理などの各種処理について以下に説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に各種処理を実行する。
まず、特別図柄入力処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第1始動入賞口14に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第1保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を「1」加算する。第1保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、加算後の第1保留記憶数を指示する第1保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力するように送信バッファにセットする。第1保留指定コマンドは次周期からの制御周期において出力される。
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第1保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び小当り図柄振分用乱数の各値を取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、第1始動入賞口14に遊技球が入賞していない場合、又は第1始動入賞口14に遊技球が入賞したが第1保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第2始動入賞口15に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第2保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を「1」加算する。第2保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、加算後の第2保留記憶数を指示する第2保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力するように送信バッファにセットする。第2保留指定コマンドは次周期からの制御周期において出力される。
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第2保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び小当り図柄振分用乱数の各値を取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件を判定する。この判定結果が肯定(変動ゲーム中、又は大当り遊技中である)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その一方で、この判定結果が否定(変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第2保留判定処理を実行する。第2保留記憶数が「1」以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の第2特図変動ゲームが存在するので、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第2特図変動ゲームを実行することを示す値「1」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、減算後の第2保留記憶数を指示する第2保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力するように送信バッファにセットする。第2保留指定コマンドは次周期からの制御周期において出力される。
続いて、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。このとき、主制御用CPU30aは、後述する確変フラグの設定値から、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する。そして、主制御用CPU30aは、確変状態の場合、確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率を高確率として大当り判定を行う。一方、主制御用CPU30aは、非確変状態の場合、非確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率を低確率として大当り判定を行う。なお、本実施形態において大当り判定値は、第1特図変動ゲーム(特図1)と第2特図変動ゲーム(特図2)とで共通の値が用いられる。
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分用乱数の値に基づいて、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。本実施形態では、特図に対して当りの種類が対応付けられていることから、特図を決定することによって当りの種類が決定されることになる。続いて、主制御用CPU30aは、特図2の大当り図柄の種類(当りの種類)と、後述する作動フラグの設定値をもとに判定する現在の遊技状態(変短状態か否か)に基づき、当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態において主制御用CPU30aは、非変短状態の場合、図5に示す当り変動用の変動パターンを選択するとともに、変短状態の場合、図7に示す当り変動用の変動パターンを選択する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの小当り判定(小当り抽選)をする。このとき、主制御用CPU30aは、特図2用の小当り判定値を用いることで、当選確率を低確率として小当り判定を行う。小当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための小当り変動処理を実行する。小当り変動処理において主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた小当り図柄振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該小当り図柄振分用乱数の値に基づいて、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2として小当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、後述する作動フラグの設定値をもとに現在の遊技状態(変短状態か否か)を判定し、その判定結果に基づき、当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態において主制御用CPU30aは、非変短状態の場合、図5に示す当り変動用の変動パターンを選択し、変短状態の場合、図7に示す当り変動用の変動パターンを選択する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、上記小当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当り及び小当りとなる値ではないことからはずれを決定する。続いて、主制御用CPU30aは、後述する作動フラグの設定値をもとに現在の遊技状態(変短状態か否か)を判定する。そして、主制御用CPU30aは、非変短状態の場合、第2保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。本実施形態において、主制御用CPU30aは、図10(b)に示すように、現在の遊技状態が確変状態(図中の高確)及び非確変状態(図中の低確)の何れの状態であっても、同一のリーチ判定値を用いてリーチ判定を行う。また、本実施形態において、主制御用CPU30aは、239分の20の当選確率で特図2のリーチ判定を行う。なお、図10(b)に示す「0−7」の数字は、図柄変動ゲームの開始に伴って減算された減算後の第1保留記憶数と第2保留記憶数の合算値を示す。
一方、主制御用CPU30aは、変短状態の場合、リーチ判定を行うことなく、後述するはずれ変動処理を実行する。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機では、変短状態時、特図2に基づく図柄変動ゲームにおいて最終的にはずれとなるリーチ変動が出現しない。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機では、変短状態時、リーチ変動が出現した時点(リーチの図柄組み合わせが導出された時点)で、大当りを確定的に認識し得る。そして、本実施形態では、図7に示すように、変短状態時に選択可能な変動パターンとしてはずれリーチ変動用の変動パターンが用意されていない。
また、リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、非変短状態であるから、図5に示すはずれリーチ変動の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。なお、本実施形態において特図2用のリーチ変動処理は、非変短状態時のみ行われる。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理の実行に伴って減算した減算後の保留記憶数の値と、後述する作動フラグの設定値をもとに判定する現在の遊技状態(変短状態か否か)に基づき、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態において主制御用CPU30aは、非変短状態の場合、保留記憶数として第1保留記憶数と第2保留記憶数の合算値を用いて、図6に示すはずれ変動用の変動パターンを選択する。一方、本実施形態において主制御用CPU30aは、変短状態の場合、保留記憶数として第2保留記憶数を用いて、図8(b)に示すはずれ変動用の変動パターンを選択する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、前述した第2保留判定処理の判定結果が否定である場合(第2保留記憶数が「1」以上ではない)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第1保留判定処理を実行する。第1保留記憶数が「1」以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の第1特図変動ゲームが存在するので、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第1特図変動ゲームを実行することを示す値「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、減算後の第1保留記憶数を指示する第1保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力するように送信バッファにセットする。第1保留指定コマンドは次周期からの制御周期において出力される。
続いて、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。このとき、主制御用CPU30aは、後述する確変フラグの設定値から、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する。そして、主制御用CPU30aは、確変状態の場合、確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率を高確率として大当り判定を行う。一方、主制御用CPU30aは、非確変状態の場合、非確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率を低確率として大当り判定を行う。
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分用乱数の値に基づいて、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、特図1の大当り図柄の種類(当りの種類)と、後述する作動フラグの設定値をもとに判定する現在の遊技状態(変短状態か否か)に基づき、当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態において主制御用CPU30aは、非変短状態の場合、図5に示す当り変動用の変動パターンを選択するとともに、変短状態の場合、図7に示す当り変動用の変動パターンを選択する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの小当り判定をする。このとき、主制御用CPU30aは、特図1用の小当り判定値を用いることで、当選確率を高確率として小当り判定(小当り抽選)を行う。小当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、小当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための小当り変動処理を実行する。小当り変動処理において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた小当り図柄振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該小当り図柄振分用乱数の値に基づいて、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1として小当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、後述する作動フラグの設定値をもとに現在の遊技状態(変短状態か否か)を判定し、その判定結果に基づき、当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態において主制御用CPU30aは、非変短状態の場合、図5に示す当り変動用の変動パターンを選択し、変短状態の場合、図7に示す当り変動用の変動パターンを選択する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、上記小当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当り及び小当りとなる値ではないことからはずれを決定する。続いて、主制御用CPU30aは、後述する作動フラグの設定値をもとに現在の遊技状態(変短状態か否か)を判定する。そして、主制御用CPU30aは、非変短状態の場合、第1保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。本実施形態において、主制御用CPU30aは、図10(a)に示すように、現在の遊技状態が確変状態(図中の高確)及び非確変状態(図中の低確)の何れの状態であっても、同一のリーチ判定値を用いてリーチ判定を行う。また、本実施形態において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理の実行に伴って減算した減算後の保留記憶数の値に基づき、異なる確率を設定してリーチ判定を行う。本実施形態において主制御用CPU30aは、保留記憶数として第1保留記憶数と第2保留記憶数の合算値を用いる。そして、主制御用CPU30aは、特図1のリーチ判定を、保留記憶数が「0,1」の場合には239分の36の当選確率で行い、保留記憶数が「2」の場合には239分の16の当選確率で行い、保留記憶数が「3−7」の場合には239分の3の当選確率で行う。一方、主制御用CPU30aは、変短状態の場合、リーチ判定を行うことなく、後述するはずれ変動処理を実行する。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機では、変短状態時、特図1に基づく図柄変動ゲームで最終的にはずれとなるリーチ変動が出現しない。
また、リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、非変短状態であるから、図6に示すはずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。なお、本実施形態において特図1用のリーチ変動処理は、非変短状態時のみ行われる。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理の実行に伴って減算した減算後の保留記憶数の値と、後述する作動フラグの設定値をもとに判定する現在の遊技状態(変短状態か否か)に基づき、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。本実施形態において主制御用CPU30aは、非変短状態の場合、保留記憶数として第1保留記憶数と第2保留記憶数の合算値を用いて、図6に示すはずれ変動用の変動パターンを選択する。一方、本実施形態において主制御用CPU30aは、変短状態の場合、保留記憶数として第1保留記憶数を用いて、図8(a)に示すはずれ変動用の変動パターンを選択する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理において、特別図柄開始処理の決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき、特別図柄開始処理において当りか否かの当り抽選(大当り抽選及び小当り抽選)を行う主制御用CPU30aが、当り抽選手段(大当り抽選手段及び小当り抽選手段)として機能する。また、本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき、特別図柄入力処理において、第1始動入賞口14及び第2始動入賞口15に入球した遊技球を始動保留球(保留記憶数)として記憶する主制御用RAM30cが、保留記憶手段として機能する。また、本実施形態では、特図を決定することによって大当りの種類が決定されるとともに、確変状態を付与するか否かが決定されることから、特図を決定する主制御用CPU30aが、確変判定手段として機能する。
次に、特別図柄開始処理における変動パターンの決定手法と、遊技状態毎の変動パターンの振分け態様について、図5〜図8にしたがって詳しく説明する。本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき、以下の決定手法にしたがって図柄変動ゲームの変動内容を選択する主制御用CPU30aが、選択手段(変動内容選択手段)として機能する。
変動パターンを選択するにあたって、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから変動パターン振分用乱数の値として、一次振分用乱数の値と二次振分用乱数の値を取得する。一次振分用乱数の値は、当りの種類毎に選択可能とした変動パターンの変動内容の種類を選択するための乱数である。本実施形態では、非変短状態時における変動パターンの変動内容の種類として、図5に示すように、当りの種類毎に、「通常」、「擬似2回(図中の擬2)」、「擬似3回(図中の擬3)」及び「擬似4回(図中の擬4)」の何れかが設定されている。「通常」は、擬似変動を伴わない変動内容を示し、「擬似2回」〜「擬似4回」は、擬似変動を伴う変動内容を示す。一方、変短状態時における変動パターンの変動内容の種類は、当りの種類に対して1種類とされている(図7では、変動内容を図示していない)。また、二次振分用乱数の値は、変動パターンの変動内容の種類に分類される変動パターンの中から1つの変動パターンを選択するための乱数である。
なお、図5及び図7において、A〜Kは、当りの種類を示し、当りAは「図柄A,a」に、当りBは「図柄B,b」に、当りCは「図柄C,c」に、当りDは「図柄D,d」に、当りEは「図柄E」に、それぞれ対応する。また、当りFは「図柄F,f」に、当りGは「図柄G,g」に、当りHは「図柄h」に、当りIは「図柄I,i」に、当りJは「図柄j」に、Kは「図柄K,k」に、それぞれ対応する。また、図5において、変動パターンの変動内容の種類である「通常」、「擬似2回」、「擬似3回」、「擬似4回」に対応付けられている数字は、一次振分用乱数の振分け個数である。本実施形態において一次振分用乱数の値は、0〜240までの全241通りの整数を取り得る数値となっており、当りの種類毎に選択可能とする変動内容に対して241個の数字が、所定個数ずつ振分けられている。また、図5〜図8において、各変動パターンに対応付けられている数字は、二次振分用乱数の振分け個数である。本実施形態において二次振分用乱数の値は、0〜250までの全251通りの整数を取り得る数値となっており、当りの種類毎(変動内容毎)に選択可能とする変動パターンに対して251個の数字が、所定個数ずつ振分けられている。
主制御用CPU30aは、非変短状態時(図5参照)に、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合、当りの種類に応じて、取得した一次振分用乱数の値をもとに変動内容の種類を特定する。続いて、主制御用CPU30aは、取得した二次振分用乱数の値をもとに、先に特定した変動内容に対応付けられている変動パターンの中から1つの変動パターンを特定し、その変動パターンを選択する。具体的に例示すると、主制御用CPU30aは、当りAを決定している場合、一次振分用乱数の値にしたがって、「通常」、「擬似2回」、「擬似3回」及び「擬似4回」の4つの変動内容から1つの変動内容を特定する。仮に、変動内容として「通常」を特定すると、主制御用CPU30aは、その変動内容に対応付けられている変動パターンTP7,TP9,TP11の中から、1つの変動パターンを選択する。なお、本実施形態では、図5に示すように、当りC,Dに対して「通常」、「擬似2回」及び「擬似3回」の3つの変動内容が設定されているとともに、当りB,E〜Kに対して「通常」の1つの変動内容が設定されている。
また、主制御用CPU30aは、非変短状態時に、リーチ抽選に当選した場合、取得した一次振分用乱数の値をもとに変動内容の種類を特定する。続いて、主制御用CPU30aは、取得した二次振分用乱数の値をもとに、先に特定した変動内容に対応付けられている変動パターンの中から1つの変動パターンを特定し、その変動パターンを選択する。具体的に例示すると、主制御用CPU30aは、一次振分用乱数の値にしたがって、「通常」、「擬似2回」及び「擬似3回」の3つの変動内容から1つの変動内容を特定する。仮に、変動内容として「通常」を特定すると、主制御用CPU30aは、その変動内容に対応付けられている変動パターンTP8,TP10,TP12の中から、1つの変動パターンを選択する。
以下、図5にしたがって、非変短状態時における当り変動用及びはずれリーチ変動用の変動パターンの振分け態様について詳しく説明する。
本実施形態では、当りAのみに変動内容「擬似4回」が設定されている。すなわち、変動サイクルの回数が最多回数となる擬似4回の変動内容は、リーチ抽選に当選した場合に選択されない。このため、擬似4回の変動内容となる変動パターンTP23(全回転リーチ変動)に基づく図柄変動ゲームは、その出現によって大当りに当選したことを確定的に認識し得る。さらに、擬似4回の変動内容となる変動パターンTP23は、大当り抽選に当選し、当りAが決定されている場合のみに選択可能な変動パターンでもある。したがって、変動パターンTP23に基づく図柄変動ゲームは、その出現によって当りAに対応する大当り遊技が付与されること確定的に認識し得る。
また、当りA,C,Dに対しては、「擬似2回」の変動内容よりも「擬似3回」の変動内容が選択され易いように一次振分用乱数の値が振り分けられている。一方、はずれリーチに対しては、「擬似3回」の変動内容よりも「擬似2回」の変動内容が選択され易いように一次振分用乱数の値が振分けられている。このため、本実施形態では、非変短状態時において、擬似変動を含む変動内容(特殊変動系の変動内容)の選択割合は、変動内容を構成する変動サイクルの回数が多い場合に、大当りが生起される割合が高くなるように設定されている。より詳しく言えば、非変短状態時に出現する擬似変動は、擬似2回<擬似3回<擬似4回の順に、大当り期待度が高くなる。大当り期待度は、大当りの場合の出現率とはずれの場合の出現率を合算した全体出現率に対する大当りの場合の出現率の割合によって算出される。
上記構成により、非変短状態時において遊技者は、擬似変動を変動内容とする図柄変動ゲームが実行されると、変動サイクルの回数に注目することになる。そして、本実施形態では、擬似2回〜擬似4回について、大当り抽選に当選したか否かのみによって選択割合が規定されている。このため、遊技者は、変動サイクルの回数の多少によって、大当りへの期待感を変化させる。
また、本実施形態では、非変短状態時において、当りA,C,Dに対して、「通常」、「擬似2回」及び「擬似3回」の変動内容毎に選択可能な変動パターンを同一の変動パターンとするとともに、二次振分用乱数の振分け態様も同一態様としている。このため、上記の当りに当選している場合は、同一の変動パターンTP7,TP9,TP11,TP13,TP15,TP17,TP19〜TP21に基づき図柄変動ゲームが実行されることになる。このため、これらの変動パターンに基づく図柄変動ゲームの変動内容からは、何れの当りの種類が決定されているのか、分かり難くなっている。
また、本実施形態では、非変短状態時において、当りB,E〜Kに対して、変動内容として「通常」のみが対応付けられているとともに、選択可能な変動パターンとして変動パターンTP6のみが対応付けられている。このため、上記の当りに当選している場合は、同一の変動パターンTP6に基づき図柄変動ゲームが実行されることになる。すなわち、変動パターンTP6に基づく図柄変動ゲームの変動内容からは、何れの当りの種類が決定されているのか、分かり難くなっている。
次に、変短状態時における当り変動用の変動パターンの決定手法を説明する。
主制御用CPU30aは、非変短状態時と同様に、変短状態時(図7参照)に、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合、当りの種類に応じて、取得した一次振分用乱数の値をもとに変動内容の種類を特定する。なお、変短状態時の変動内容の種類は、各当りにおいて1種類とされている。また、変短状態時の変動内容の種類は、非変短状態時の変動内容の種類とは異なり、通常変動系の変動内容と特殊変動系の変動内容が区別されていない。そして、主制御用CPU30aは、取得した二次振分用乱数の値をもとに、先に特定した変動内容に対応付けられている変動パターンの中から1つの変動パターンを特定し、その変動パターンを選択する。具体的に例示すると、主制御用CPU30aは、当りAを決定している場合、変動内容に対応付けられている変動パターンHP5,HP7,HP9,HP11,HP12の中から、1つの変動パターンを選択する。
以下、図7にしたがって、変短状態時における当り変動用の変動パターンの振分け態様について詳しく説明する。
本実施形態では、当りAのみに擬似4回の変動内容となる変動パターンHP12が対応付けられている。このため、変動パターンHP12に基づく図柄変動ゲームは、その出現によって大当りに当選したことを確定的に認識し得る。さらに、変動パターンHP12に基づく図柄変動ゲームは、その出現によって当りAに対応する大当り遊技が付与されること確定的に認識し得る。
また、本実施形態では、当りA,C,Dに対して、選択可能な変動パターンとして変動パターンHP5,HP7,HP9,HP11が対応付けられている。一方で、これらの変動パターンHP5,HP7,HP9,HP11は、当りB,E〜Kに対して対応付けられていない。このため、これらの変動パターンHP5,HP7,HP9,HP11に基づく図柄変動ゲームは、その出現によって13R大当り遊技が付与されることを確定的に認識し得る。
そして、本実施形態では、これらの変動パターンHP5,HP7,HP9,HP11について、二次振分用乱数の振分け態様を異ならせている。具体的に言えば、変動パターンHP5には、当りA<当りC<当りDの順に、二次振分用乱数の値を多く振分けている。また、変動パターンHP7には、当りA<当りD<当りCの順に、二次振分用乱数の値を多く振分けている。また、変動パターンHP9には、当りD<当りA<当りCの順に、二次振分用乱数の値を多く振分けている。また、変動パターンHP11には、当りD<当りC<当りAの順に、二次振分用乱数の値を多く振分けている。
上記の振分け態様により、変短状態時における通常変動系の変動内容の選択割合は、複数種類の当り(本実施形態では当りA,C,D)のうち、遊技者にとって不利な当り(本実施形態では当りD)が生起される割合が高くなるように設定されている。また、上記の振分け態様により、変短状態時における特殊変動系の変動内容の選択割合は、変動サイクルの回数が多い変動内容の場合に、複数種類の当り(本実施形態では当りA,C,D)のうち、遊技者にとって有利な当り(本実施形態では当りA)が生起される割合が高くなるように設定されている。すなわち、13R大当り遊技を付与する大当りの中で、遊技者にとって最も有利とされる当りAは、擬似1回<擬似2回<擬似3回<擬似4回の順に、生起される割合が高くなる。その一方で、13R大当り遊技を付与する大当りの中で、遊技者にとって最も不利とされる当りDは、擬似4回<擬似3回<擬似2回<擬似1回の順に、生起される割合が高くなる。
また、本実施形態では、当りB,E,Kに対して、選択可能な変動パターンとして変動パターンHP4のみが対応付けられている。このため、上記の当りに当選している場合は、同一の変動パターンHP4に基づき図柄変動ゲームが実行されることになる。すなわち、変動パターンHP4に基づく図柄変動ゲームの変動内容からは、何れの当りの種類が決定されているのか、分かり難くなっている。また、本実施形態では、当りF〜Jに対して、選択可能な変動パターンとして変動パターンHP6,HP8,HP10が対応付けられている。このため、上記の当りに当選している場合は、同一の変動パターンHP6,HP8,HP10に基づき図柄変動ゲームが実行されることになる。すなわち、変動パターンHP6,HP8,HP10に基づく図柄変動ゲームの変動内容からは、何れの当りの種類が決定されているのか、分かり難くなっている。
そして、本実施形態では、これらの変動パターンHP6,HP8,HP10について、二次振分用乱数の振分け態様を異ならせている。具体的に言えば、変動パターンHP6には、確変大当りとなる当りF〜Hよりも、非確変大当りとなる当りI,Jに、二次振分用乱数の値を多く振分けている。また、変動パターンHP8,HP10には、非確変大当りとなる当りI,Jよりも、確変大当りとなる当りF〜Hに、二次振分用乱数の値を多く振分けている。また、上記の図柄には、変動パターンHP10<変動パターンHP8<変動パターンHP6の順に、二次振分用乱数の値を多く振分けている。
上記の振分け態様により、変短状態時における通常変動系の変動内容の選択割合は、複数種類の当り(本実施形態では当りF〜J)のうち、遊技者にとって不利な当り、すなわち非確変大当りのときの方が確変大当りのときよりも、選択する割合が高くなるように設定されている。
また、上記の振分け態様により、変短状態時における特殊変動系の変動内容の選択割合は、変動サイクルの増加に伴って、当りF〜Jに対応する大当りが生起される割合が低くなるように設定されている。そして、変動サイクルの回数が3回(第1の所定回数)を越える場合には、当りF〜Jに対応する大当りが生起される割合が零に設定されている。また、非確変大当り(本実施形態では当りI,J)の場合、変動サイクルの回数が3回(第2の所定回数)以上となる変動内容を選択する割合が零に設定されている。これにより、変動サイクルの回数が3回に達した時点で、確変大当りになることを確定的に認識し得る。また、変動サイクルの回数が3回に達した時点で、13R大当り遊技が付与されることを確定的に認識し得る。また、上記の振分け態様により、非確変大当りの場合、変動サイクルの回数が3回未満であれば、1回よりも2回の変動サイクルを含む変動内容を選択する割合が低く設定されている。これにより、変動サイクルの回数の増加に伴って、非確変大当りが生起される割合が低くなる。
また、上記の振分け態様により、変短状態中に当り変動用の変動パターンを選択する選択割合は、特殊変動系の変動内容を選択する割合よりも、通常変動系の変動内容を選択する割合の方が高められている。特殊変動系の変動内容は、複数回の変動サイクルを含む場合があり、変動時間が長時間となる傾向にある。このため、変短状態中は、当り変動用の変動パターンとして通常変動系の変動内容の選択割合を高めることで、時間効率を向上し得る。なお、本実施形態では、変短状態中、大当り抽選に当選した場合のみに変動時間の長い特殊変動系の変動内容を選択可能としている。このため、最終的にはずれとなる特殊変動系の変動内容の出現による時間効率の低下を抑制し得る。
次に、非変短状態時におけるはずれ変動用の変動パターンの決定手法を説明する。
主制御用CPU30aは、非変短状態時(図6参照)に、大当り抽選、小当り抽選及びリーチ抽選に当選しなかった場合、その時点の保留記憶数(合算値)に応じて、取得した一次振分用乱数の値をもとに変動内容の種類を特定する。なお、変動内容の種類は、1種類とされている。そして、主制御用CPU30aは、取得した二次振分用乱数の値をもとに、先に特定した変動内容に対応付けられている変動パターンの中から1つの変動パターンを特定し、その変動パターンを選択する。具体的に例示すると、主制御用CPU30aは、保留記憶数が零(0)の場合、変動内容に対応付けられている変動パターンTP1,TP4,TP5の中から、1つの変動パターンを選択する。
以下、図6にしたがって、非変短状態時におけるはずれ変動用の変動パターンの振分け態様について詳しく説明する。
本実施形態では、保留記憶数「0,1」の場合に選択可能な変動パターンとして、変動パターンTP1,TP4,TP5が対応付けられているとともに、変動パターンTP1(通常変動)に対して二次振分用乱数の値を最も多く振分けている(約94%)。また、本実施形態では、保留記憶数「2」の場合に選択可能な変動パターンとして、変動パターンTP1,TP2,TP4,TP5を対応付けているとともに、変動パターンTP2(短縮変動)に対して二次振分用乱数の値を最も多く振分けている(約97%)。また、本実施形態では、保留記憶数「3−7」の場合に選択可能な変動パターンとして、変動パターンTP1,TP3,TP4を対応付けているとともに、変動パターンTP3(超短縮変動)に対して二次振分用乱数の値を最も多く振分けている(約98%)。この振分け態様により、非変短状態中は、保留記憶数の数が増加するほど、はずれ変動用の変動パターンの中で最も変動時間を短く設定した変動パターンTP3が選択される割合が高くなる。これにより、始動保留球の消化が促進される。
次に、変短状態時におけるはずれ変動用の変動パターンの決定手法を説明する。
主制御用CPU30aは、変短状態時(図6参照)に、大当り抽選、及び小当り抽選に当選しなかった場合、その時点の保留記憶数(個別値)に応じて、取得した一次振分用乱数の値をもとに変動内容の種類を特定する。なお、変動内容の種類は、1種類とされている。そして、主制御用CPU30aは、取得した二次振分用乱数の値をもとに、先に特定した変動内容に対応付けられている変動パターンの中から1つの変動パターンを特定し、その変動パターンを選択する。具体的に例示すると、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数が零(0)の場合、変動内容に対応付けられている変動パターンHP1〜HP3の中から、1つの変動パターンを選択する。
以下、図8にしたがって、変短状態時におけるはずれ変動用の変動パターンの振分け態様について詳しく説明する。
図8(a),(b)に示すように、特図1及び特図2に対応するはずれ変動用の変動パターンの振分け態様では、保留記憶数「0」及び「1−3」の場合に選択可能な変動パターンとして、変動パターンHP1〜HP3を対応付けている。そして、特図1の振分け態様では、保留記憶数「0」及び「1−3」の何れの場合も、変動パターンHP2(ロング変動)に対して二次振分用乱数の値を最も多く振分けている(約97%)。一方、特図2の振分け態様では、保留記憶数「0」の場合、変動パターンHP2(ロング変動)に対して二次振分用乱数の値を最も多く振分けている(約97%)とともに、保留記憶数「1−3」の場合、変動パターンHP1(変短時超短縮変動)に対して二次振分用乱数の値を最も多く振分けている(約87%)。
上記の振分け態様により、変短状態中、特図2に対応するはずれ変動用の変動パターンの選択割合は、ゲーム開始に際して第2保留記憶数(始動保留球)が1球以上残留する場合において、非変短状態に選択可能な最も変動時間の短い変動パターンTP3よりも変動時間を短く設定した変動パターンHP1を選択する割合が高められている。本実施形態のパチンコ遊技機は、前述したように、特図2の図柄変動ゲームを特図1の図柄変動ゲームよりも優先して実行させる。そして、変短状態中は、第2始動入賞口15への入球率を向上させていることから、特図2の図柄変動ゲームの実行割合が高められる。したがって、上記の振分け態様によれば、変短状態中は、はずれ変動に係る時間が全体的に短くされ、変短状態の時間効率を向上し得る。
その一方、変短状態中、特図2に対応するはずれ変動用の変動パターンの選択割合は、ゲーム開始に際して第2保留記憶数(始動保留球)が零(0球)となる場合において、変動パターンHP1に比して変動時間を長く設定した変動パターンHP2を選択する割合が高められている。そして、変動パターンHP2の変動時間は、普図当り抽選に当選し、開閉羽根16が1回の当選に基づく変短状態時用の動作を終了する迄の時間(本実施形態では7460ms)よりも長く設定されている。したがって、変動パターンHP2に基づく図柄変動ゲーム中に、第2始動入賞口15へ遊技球が入球する可能性を作り出すことで、変短状態中、特図1の図柄変動ゲームが割り込む確率を低くし、特図2の図柄変動ゲームが継続実行される可能性が高くなる。なお、特図2の当りの振分けは、図3に示すように、遊技者にとって最も有利な当り(図柄A,aに対応する当り)に当選する割合が、特図1の当りの振分けよりも高確率に設定されている。このため、特図2の実行割合が高くなる変短状態中は、特図2の図柄変動ゲームを実行させることが好ましい。本実施形態では、変動パターンHP2の変動内容が、特殊はずれ変動内容となる。
また、上記の振分け態様により、変短状態中、特図1に対応するはずれ変動用の変動パターンの選択割合は、ゲーム開始に際しての第1保留記憶数(始動保留球)に拘わらず、変動パターンHP2の選択割合が、他の変動パターンHP1,HP3に比して高められている。変動パターンHP2は、変動内容がロング変動となる変動パターンである。このため、変短状態中、第2始動保留球が零(0球)となって、特図1の図柄変動ゲームが実行される場合であっても、当該変動ゲームの変動時間を長くし、第2始動入賞口15へ遊技球が入球する可能性を作り出すことができる。すなわち、変短状態中、特図1の図柄変動ゲームの実行回数を最小限に止め、特図2の図柄変動ゲームが実行される可能性が高くなる。
次に、大当り遊技の当り遊技処理と、当り遊技終了後の遊技状態処理について説明する。
主制御用CPU30aは、当り変動の図柄変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉17を開動作させて大入賞口18を開放させるとともに、ラウンド終了条件の成立を契機に大入賞口扉17を閉動作させて大入賞口18を閉鎖させる。このとき、主制御用CPU30aは、当り遊技の種類毎に設定されたラウンド遊技中の大入賞口18の開放態様に応じて、大入賞口18を開放及び閉鎖させる。例えば、主制御用CPU30aは、図柄Aに基づく大当り遊技(13R特別確変大当り遊技)の場合、1回のラウンド遊技中に1回、大入賞口18を開放させる。また、主制御用CPU30aは、図柄Bに基づく大当り遊技(ジャンプアップ大当り遊技)の場合、1回目のラウンド遊技中に3回、大入賞口18を開放させるとともに、2回目からのラウンド遊技中に1回、大入賞口を開放させる。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって当り遊技を終了させる。
次に、遊技状態処理を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない場合には確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与しない場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、大当りの種類毎に設定された変短上限回数(40回、50回、又は10000回)を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。
なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、非確変状態で、かつ非変短状態となる。また、主制御用CPU30aは、小当り遊技の場合、小当り抽選の当選時の遊技状態を継続させることから、確変フラグ、作動フラグ及び作動回数の現在の設定値を何れも維持する。
次に、普図ゲームに関する普通図柄入力処理を説明する。
主制御用CPU30aは、遊技球が作動ゲート19を通過したと判定した場合、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。普図保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を「1」加算する。普図保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を普図保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定し、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普図ゲームに関する普通図柄開始処理を説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの実行中又は普図当り抽選の当選に基づく開閉羽根16の動作中か否かの普図実行条件を判定する。この判定結果が肯定(普図ゲーム中又は動作中である)の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その一方で、この判定結果が否定(普図ゲーム中ではなく、かつ動作中でもない)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かの普図保留判定を行う。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
一方、普図保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数の数を「1」減算し、更新後(減算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普図当り判定を行う。このとき、主制御用CPU30aは、作動フラグを確認し、非変短状態の場合、非変短状態用の普図当り判定値を用いる一方で、変短状態の場合、変短状態用の普図当り判定値を用いる。この遊技状態に応じた普図当り判定値の選択により、変短状態中は、普図当り判定(普図当り抽選)の抽選確率が高確率に変動する。本実施形態では、普図当り判定(普図当り抽選)を行う主制御用CPU30aが、開閉手段としての開閉羽根16を閉鎖状態から開放状態へ可変させるか否かの開放抽選を行う開放抽選手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を定めた普図用の変動パターンを選択する。このとき、主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態の場合、第1の変動時間(例えば5秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する一方で、遊技状態が変短状態の場合、第1の変動時間よりも短い第2の変動時間(例えば1秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する。この遊技状態に応じた変動時間の異なる変動パターンの選択により、変短状態中は、普図ゲームの変動時間が短縮される。
続いて、普図用の変動パターンを選択した主制御用CPU30aは、当該変動パターンにしたがって普通図柄表示装置20に普図ゲームを実行させる。そして、主制御用CPU30aは、普図用の変動パターンに定める変動時間の経過時に、普図当り判定を肯定判定している場合には当り図柄を普通図柄表示装置20に確定停止表示させる一方で、普図当り判定を否定判定している場合にははずれ図柄を普通図柄表示装置20に確定停止表示させる。
また、普図当り判定を肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、普図ゲームの終了後(当り図柄の確定停止表示後)、開閉羽根16を所定の動作パターンにしたがって開閉動作させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態時の場合、開閉羽根16を、第1開放時間(本実施形態では0.2秒)で第1回数(本実施形態では1回)分、開放動作させる。一方、主制御用CPU30aは、変短状態時の場合、開閉羽根16を、第1開放時間よりも長い第2開放時間(本実施形態では1.5秒)で、第1回数よりも多い第2回数(本実施形態では3回)分、開放動作させる。この遊技状態に応じた異なる動作パターンによる開閉羽根16の開放動作の制御により、変短状態中は、開閉羽根16の開放時間が長くなる。
なお、変短状態中に開閉羽根16を複数回開放させる場合、開放間にインターバル時間が設定される。具体的に言えば、本実施形態のように変短状態中に開閉羽根16を3回開放させる場合、1回目と2回目の開放間、及び2回目と3回目の開放間に、それぞれインターバル時間(本実施形態では0.98秒)が設定される。これにより、本実施形態では、変短状態時に普図当り判定を肯定判定(普図当り抽選に当選)してから、その当選に基づく開閉羽根16の動作が終了する迄の時間が、次のように規定される。すなわち、前記時間は、変動時間(1秒)と、開放時間(1.5秒×3回)と、インターバル時間(0.98秒×2回)とを合算した「7.46秒(7460ms)」となる。この時間は、変短状態時における特図のはずれ変動用の変動パターンHP2(ロング変動)の変動時間(10.2秒(10200ms)よりも短くなっている。
次に、統括制御基板31の統括制御用CPU31aが、統括制御プログラムに基づいて実行する各種処理を説明する。
統括制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターンの変動内容をもとに、サブ用の変動パターン指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。サブ用の変動パターン指定コマンドは、図柄変動ゲームを構成する変動サイクル単位の変動内容を指示するコマンドである。以下、サブ用の変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンを「サブ変動パターン」と示す。
統括制御用CPU31aは、1回の変動サイクルから構成される変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターンに1対1で対応付けられたサブ変動パターンを指示するサブ用の変動パターン指定コマンドを出力する。一方、統括制御用CPU31aは、複数回の変動サイクルから構成される変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、変動サイクル毎に変動内容(サブ変動パターン)を指示するサブ用の変動パターン指定コマンドを出力する。具体的に言えば、統括制御用CPU31aは、擬似変動の場合、最終回の変動サイクルよりも前の各変動サイクルにおいて、その変動サイクルの開始時に擬似変動を変動内容とするサブ変動パターンを指示するサブ用の変動パターン指定コマンドを出力する。また、統括制御用CPU31aは、最終回の変動サイクルの開始時に、当該変動サイクルで実行させる変動内容(リーチ演出の内容)に対応するサブ変動パターンを指示するサブ用の変動パターン指定コマンドを出力する。
以下、図12及び図15を用いて、非変短状態時に出力されるサブ用の変動パターン指定コマンドと、変短状態時に出力されるサブ用の変動パターン指定コマンドについて、具体的に説明する。
図12に示すように、非変短状態時用のサブ変動パターンは、23種類のメイン用の変動パターンTP1〜TP23に対して、19種類設定されている。より詳しく言えば、1回の変動サイクルから構成される変動パターンTP1〜TP12には、サブ変動パターンS1〜S12が1対1で対応する。一方、複数回の変動サイクルから構成される変動パターンTP13〜TP23には、サブ変動パターンS13〜S19が対応する。これらのサブ変動パターンS13〜S19は、最終回の変動サイクルの変動内容(リーチ演出の内容)に対応する。そして、複数回の変動サイクルのうち、最終回の変動サイクルよりも前の変動サイクルの変動内容(擬似継続)には、サブ変動パターンS5が対応する。これにより、統括制御用CPU31aは、例えば、変動パターンTP19(擬似3回のノーマルリーチ変動)が指示された場合、1回目と2回目の変動サイクルの開始時にサブ変動パターンS5(擬似継続)を指示するサブ用の変動パターン指定コマンドを出力する。そして、統括制御用CPU31aは、最終回(3回目)の変動サイクルの開始時にサブ変動パターンS13(ノーマルリーチ変動(当り))を指示するサブ用の変動パターン指定コマンドを出力する。
なお、統括制御用CPU31aは、変動内容が武将リーチ変動となる変動パターンTP11,TP12,TP17,TP18,TP21,TP22が指示されている場合、武将X1〜X4のうち、何れの武将に基づく演出を実行させるのかを決定する。そして、統括制御用CPU31aは、サブ変動パターンS11,S12,S17,S18とは別に、決定した武将を指示する指示コマンドを出力する。
また、図15に示すように、変短状態時のサブ変動パターンは、12種類のメイン用の変動パターンHP1〜HP12に対して、9種類設定されている。より詳しく言えば、1回の変動サイクルから構成される変動パターンHP1〜HP6には、サブ変動パターンS20〜S25が1対1で対応する。一方、複数回の変動サイクルから構成される変動パターンHP7〜HP12には、サブ変動パターンS26〜S28が対応する。サブ変動パターンS26は、最終回の変動サイクルよりも前の変動サイクルの変動内容(擬似継続)に対応する。また、サブ変動パターンS27,S28は、最終回の変動サイクルの変動内容(リーチ演出の内容)に対応する。これにより、統括制御用CPU31aは、例えば、変動パターンHP11(擬似3回の合戦リーチ優勢当り変動)が指示された場合、1回目と2回目の変動サイクルの開始時にサブ変動パターンS26(擬似継続)を指示するサブ用の変動パターン指定コマンドを出力する。そして、統括制御用CPU31aは、最終回(3回目)の変動サイクルの開始時にサブ変動パターンS27(合戦リーチ優勢当り変動)を指示するサブ用の変動パターン指定コマンドを出力する。
また、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示される特図、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターン、及びサブ変動パターンをもとに、演出表示装置11に一旦停止表示又は確定停止表示させる飾図を生成する。このとき、統括制御用CPU31aは、変動サイクル毎に飾図を生成する。そして、統括制御用CPU31aは、生成した飾図を指示する飾図用の飾図指定コマンドを、各変動サイクルの開始時に、サブ変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドとともに表示制御用CPU32aに出力する。なお、本実施形態における飾図の生成手法は、後に詳細に説明する。
また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。統括制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドに対応する大当り遊技中の演出を指示する演出指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。
また、統括制御用CPU31aは、入力した確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド、及び非作動コマンドから遊技状態を特定し、現在の遊技状態を遊技者に報知するための演出モードを設定するとともに、その設定した演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。統括制御用CPU31aは、上記各コマンドから特定される遊技状態と、当りの種類をもとに、演出モードを以下に説明するように設定する。
統括制御用CPU31aは、当りA〜Dの場合で、遊技状態が確変状態、かつ変短状態のとき、大当り遊技終了後の演出モードを、確変確定モードに設定する。また、統括制御用CPU31aは、当りEの場合で、遊技状態が確変状態、かつ変短状態のとき、大当り遊技終了後の演出モードを、確変確定モードに設定する。一方、統括制御用CPU31aは、当りEの場合で、遊技状態が確変状態、かつ非変短状態のとき、大当り遊技終了後の演出モードを、確変潜伏モードに設定する。確変潜伏モードは、非確変状態及び確変状態の何れの状態でも設定可能な演出モードであって、何れの状態であるかを遊技者に分かり難くする演出モードである。
また、統括制御用CPU31aは、当りF〜Jの場合、遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後の演出モードを確変潜伏モードに設定する。また、統括制御用CPU31aは、当りKの場合、現在の演出モードが通常モード(内部状態が確変状態である可能性が最も低い演出モード)であるとき、演出モードを確変潜伏モードに設定する。また、統括制御用CPU31aは、当りKの場合、現在の演出モードが確変潜伏モード、又は確変確定モードのとき、演出モードを現在の演出モードに維持する。
そして、統括制御用CPU31aは、非変短状態であって、現在の演出モードが確変潜伏モードの場合、所定の契機によりモード移行抽選を行い、その抽選に当選すると、演出モードを通常モードに設定する。なお、所定の契機とは、確変潜伏モードに滞在してからの図柄変動ゲームの実行回数などである。一方、統括制御用CPU31aは、変短状態であって、現在の演出モードが確変確定モード又は確変潜伏モードの場合、変短状態の終了を指示する作動コマンドの入力によって演出モードを通常モードに設定する。
以下、本実施形態における飾図の生成手法を、図11〜図16にしたがって説明する。なお、飾図は、図柄変動ゲームの開始時に、当該ゲームの変動内容を構成する全ての変動サイクル分決定され、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に記憶される。
最初に、非変短状態時における飾図の生成手法を説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンをもとに、図柄変動ゲームで最終的に確定停止表示させる左列(第1停止列)の飾図を、図11に示す最終停止図柄決定テーブルにしたがって決定する。最終停止図柄決定テーブルには、変動パターンTP1〜TP23毎に、決定可能な飾図に対して所定個数ずつ左図柄用乱数の値(0〜66までの全67通りの整数値を取り得る)が振分けられている。
最終停止図柄決定テーブルにおいて、変動パターンTP1〜TP3,TP5には、飾図[1]〜[7]に乱数値が振分けられている。また、変動パターンTP4,TP6には、飾図[1]のみに乱数値が振分けられている。また、当り変動用の変動パターンTP7,TP9,TP11,TP13,TP15,TP17,TP19〜TP21,TP23には、当りの種類に応じて決定し得る飾図に乱数値が振分けられている。具体的に言えば、変動パターンTP7,TP9,TP11,TP13,TP15,TP17,TP19〜TP21では、当りC,Dの場合、飾図[1]、[2]及び[4]〜[6]に乱数値が振分けられている。一方で、変動パターンTP7,TP11,TP13,TP17,TP19,TP21では、当りAの場合、飾図[1]〜[7]に乱数値が振分けられている。また、変動パターンTP9,TP15,TP20では、当りAの場合、飾図[1]〜[6]に乱数値が振分けられている。また、変動パターンTP23では、当りAのみであって、飾図[7]のみに乱数値が振分けられている。
また、はずれリーチ変動用の変動パターンTP8,TP14には、飾図[1]、[2]及び[4]〜[6]に乱数値が振分けられている。また、はずれリーチ変動用の変動パターンTP10,TP16には、飾図[1]〜[6]に乱数値が振分けられている。また、はずれリーチ変動用の変動パターンTP12,TP18,TP22には、飾図[1]〜[7]に乱数値が振分けられている。
なお、変動内容が武将リーチ変動となる変動パターンTP11,TP12,TP17,TP18,TP21,TP22に対する前述した乱数値の振分けは、演出として決定された武将X1〜X4の種類に関係なく共通とされている。また、変動内容が擬似変動となる変動パターンTP13〜TP23が指示されている場合に決定する飾図(左図柄)は、最終回の変動サイクルで導出される飾図であるとともに、最終回よりも前の変動サイクルで導出される飾図でもある。
また、本実施形態において飾図[1]〜[7]のうち、飾図[3]及び[7]は、その大当りの図柄組み合わせ[333]及び[777]から確変大当りを確定的に認識し得る特定図柄(確変図柄)とされている。また、本実施形態において飾図[3]及び[7]を除く他の飾図[1]、[2]及び[4]〜[6]は、その大当りの図柄組み合わせ[111]、[222]、[444]、[555]及び[666]から確変大当りを確定的に認識し得ない非特定図柄(チャンス図柄)とされている。
また、統括制御用CPU31aは、サブ変動パターンをもとに、右列(第2停止列)の飾図を、図12に示す右図柄決定テーブルにしたがって決定する。本実施形態において、右図柄決定テーブルにしたがって決定する右列の飾図は、変動サイクルで導出(一旦停止表示又は確定停止表示)する飾図である。
右図柄決定テーブルには、サブ変動パターンS1〜S19毎に、決定可能な飾図に対して所定個数ずつ右図柄用乱数の値(0〜5までの全6通りの整数値を取り得る)が振分けられている。右図柄決定テーブルでは、右図柄が、先に決定した左図柄に対する差によって決定される。本実施形態において、左図柄に対する差には、「0」、「+1」、「+2」、「+3」、「+4」、「−2」及び「−1」の7種類が設定されている。左図柄に対する差「0」は、左図柄と同一図柄を示すとともに、「+1」〜「+4」は、左図柄に対して表示順序が1〜4だけ後になる図柄を示し、さらに「−2」、「−1」は、左図柄に対して表示順序が1〜2だけ前になる図柄を示す。具体的に左図柄を「1」とした場合を例示すると、差「0」の右図柄は[1]となり、差「+1」〜「+4」の右図柄は[2]、[3]、[4]、[5]となり、差「−2」、「−1」の右図柄は[6]、[7]となる。
右図柄決定テーブルにおいて、サブ変動パターンS1〜S3には、差「+1」〜「+4」と「−2」、「−1」に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS4,S6には、差「+2」に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS5には、差「+1」に乱数値が振分けられている。また、リーチの図柄組み合わせを形成しないサブ変動パターンS1〜S6に対し、リーチの図柄組み合わせを形成するサブ変動パターンS7〜S19には、差「0」に乱数値が振分けられている。
また、統括制御用CPU31aは、サブ変動パターンをもとに、中列(第3停止列)の飾図を、図13に示す中図柄決定テーブルにしたがって決定する。本実施形態において、中図柄決定テーブルにしたがって決定する中列の飾図は、変動サイクルで導出(一旦停止表示又は確定停止表示)する飾図である。
中図柄決定テーブルには、サブ変動パターンS1〜S19毎に、決定可能な中図柄に対して所定個数ずつ中図柄用乱数の値(0〜6までの全7通りの整数値を取り得る)が振分けられている。中図柄決定テーブルでは、中図柄が、先に決定した左図柄に対する差によって決定される場合と、直接的に決定される場合とがある。本実施形態において、左図柄に対する差には、右図柄決定テーブル(図12)と同様に、7種類が設定されている。
中図柄決定テーブルにおいて、サブ変動パターンS1〜S3には、全ての差(「0」、「+1」〜「+4」、「−2」及び「−1」)に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS4,S6には、差「+1」に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS5には、直接的に決定する飾図の種類として定めた[1]〜[7]のうち、決定可能な飾図に対して乱数値が振分けられている。本実施形態においてサブ変動パターンS5については、その変動内容が擬似ガセ変動の場合と擬似継続変動の場合で決定可能な飾図を異ならせているとともに、擬似変動の種類によっても決定可能な飾図を異ならせている。本実施形態の擬似変動の種類には、武将リーチ変動を実行する場合の武将系の擬似変動とそれ以外の場合の図柄系の擬似変動とがある。
そして、サブ変動パターンS5が、図柄系の擬似変動を含む擬似ガセ変動の場合には、飾図[1]のみに乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS5が、武将系の擬似変動を含む擬似ガセ変動の場合には、武将に対応する飾図に対して表示順序が1つ後の飾図のみに乱数値が振分けられている。具体的に言えば、武将X1(飾図[1])では飾図[2]に、武将X2(飾図[2])では飾図[3]に、武将X3(飾図[5])では飾図[6]に、武将X4(飾図[7])では飾図[1]に、乱数値が振分けられている。
また、サブ変動パターンS5が、図柄系の擬似変動を含む擬似継続変動の場合には、飾図[7]のみに乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS5が、武将系の擬似変動を含む擬似継続変動の場合には、武将に対応する飾図のみに乱数値が振分けられている。具体的に言えば、武将X1では飾図[1]に、武将X2では飾図[2]に、武将X3では飾図[5]に、武将X4では飾図[7]に、乱数値が振分けられている。
また、大当りの図柄組み合わせを形成するサブ変動パターンS7,S9,S11,S13,S15,S17,S19には、差「0」に乱数値が振分けられている。また、大当りの図柄組み合わせを形成しないサブ変動パターンS8,S10,S12,S14,S16,S18には、差「+1」に乱数値が振分けられている。
このような飾図の決定手法によれば、以下に示すように、各変動サイクルで導出される図柄組み合わせが決定される。
すなわち、変動パターンTP1〜TP3の場合には、全列の飾図が異なるはずれの図柄組み合わせ、又は右列の飾図が他の2列(左列と中列)の飾図とは異なるはずれの図柄組み合わせを構成する各列の飾図が決定される。また、変動パターンTP4,TP6の場合には、確変示唆図柄となる特定の図柄組み合わせ[123]が決定される。また、リーチ演出を含む通常変動系の変動内容となる変動パターンTP7,TP9,TP11の場合には、左右2列の飾図が同一図柄となり、中列の飾図が左右2列と同一図柄となる大当りの図柄組み合わせを構成する各列の飾図が決定される。また、リーチ演出を含む通常変動系の変動内容となる変動パターンTP8,TP10,TP12の場合には、左右2列の飾図が同一図柄となり、中列の飾図が左右2列と異なる図柄となるはずれの図柄組み合わせを構成する各列の飾図が決定される。
また、擬似変動を含む特殊変動系の変動内容となる変動パターンTP13〜TP23では、各変動サイクルで導出される図柄組み合わせが次に説明するように決定される。すなわち、図柄系の擬似変動を含む場合、最終回の変動サイクルよりも前の変動サイクルでは、右列の飾図が左列の飾図に対して「+1」となり、中列の飾図が[7]となるはずれの図柄組み合わせを構成する各列の図柄が決定される。本実施形態では、このはずれの図柄組み合わせが、次変動サイクルへの継続を確定的に報知する継続図柄組み合わせとなる。また、最終回の変動サイクルでは、左右2列の飾図が同一図柄となり、中列の飾図が左右2列と同一図柄となる大当りの図柄組み合わせ、又は中列の飾図が左右2列と異なる図柄となるはずれの図柄組み合わせを構成する各列の飾図が決定される。具体的に例示すると、3回の変動サイクルを含む場合に左図柄を[6]に決定すると、1回目及び2回目の変動サイクルのはずれの図柄組み合わせは[677]となり、最終回の変動サイクルの図柄組み合わせは[666]又は[676]となる。
一方、武将系の擬似変動を含む場合、最終回の変動サイクルよりも前の変動サイクルでは、右列の飾図が左列の飾図に対して「+1」となり、中列の飾図が武将に応じた飾図となるはずれの図柄組み合わせを構成する各列の図柄が決定される。本実施形態では、このはずれの図柄組み合わせが、次変動サイクルへの継続を確定的に報知する継続図柄組み合わせとなる。また、最終回の変動サイクルでは、左右2列の飾図が同一図柄となり、中列の飾図が左右2列と同一図柄となる大当りの図柄組み合わせ、又は中列の飾図が左右2列と異なる図柄となるはずれの図柄組み合わせを構成する各列の飾図が決定される。具体的に例示すると、3回の変動サイクルを含む場合に左図柄を[1]に決定し、かつ武将X1を決定すると、1回目及び2回目の変動サイクルのはずれの図柄組み合わせは[112]となり、最終回の変動サイクルの図柄組み合わせは[111]又は[121]となる。これにより、擬似変動による武将リーチ変動の場合、最終回の変動サイクルよりも前の変動サイクルで導出されるはずれの図柄組み合わせを構成する中列の図柄により、武将リーチ変動の種類(登場する武将の種類)が示唆されることになる。
また、擬似ガセ変動となる変動パターンTP5では、左右2列の飾図について擬似変動の場合と同じように決定される。一方、中列の飾図は、図柄系の擬似ガセ変動の場合、飾図[7]に対して「+1」の飾図[1]となり、武将系の擬似ガセ変動の場合、武将に対応する飾図に対して「+1」の飾図となる。すなわち、前述したように擬似継続が成立し得ないはずれの図柄組み合わせを構成するように各列の飾図が決定される。
次に、変短状態時における飾図の生成手法を説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンをもとに、図柄変動ゲームで最終的に確定停止表示させる左列(第1停止列)の飾図を、図14に示す最終停止図柄決定テーブルにしたがって決定する。最終停止図柄決定テーブルには、変動パターンHP1〜HP12毎に、決定可能な飾図に対して所定個数ずつ左図柄用乱数の値(0〜66までの全67通りの整数値を取り得る)が振分けられている。
最終停止図柄決定テーブルにおいて、変動パターンHP1〜TP3には、飾図[1]〜[7]に乱数値が振分けられている。また、変動パターンHP4には、飾図[1]のみに乱数値が振分けられている。また、当り変動用の変動パターンHP5〜HP12には、当りの種類に応じて決定し得る飾図に乱数値が振分けられている。具体的に言えば、変動パターンHP5,HP7,HP9,HP11には、当りC,Dの場合、飾図[1]、[2]及び[4]〜[6]に乱数値が振分けられている。一方で、通常変動系の変動内容となる変動パターンHP5には、当りAの場合、飾図[1]〜[6]に乱数値が振分けられている。また、特殊変動系の変動内容となる変動パターンHP7,HP9,HP11には、当りAの場合、飾図[1]〜[7]に乱数値が振分けられている。また、変動パターンHP12では、当りAのみであって、飾図[7]のみに乱数値が振分けられている。
また、通常変動系の変動内容となる当り変動用の変動パターンHP6には、飾図[1]、[2]及び[4]〜[6]に乱数値が振分けられている。また、特殊変動系の変動内容となる当り変動用の変動パターンHP8,HP10には、飾図[1]〜[6]に乱数値が振分けられている。なお、変動内容が擬似変動となる変動パターンHP7〜HP12が指示されている場合に決定する左図柄は、最終回の変動サイクルで導出される飾図であるとともに、最終回よりも前の変動サイクルで導出される飾図でもある。
また、統括制御用CPU31aは、サブ変動パターンをもとに、右列(第2停止列)の飾図を、図15に示す右図柄決定テーブルにしたがって決定する。本実施形態において、右図柄決定テーブルにしたがって決定する右列の飾図は、変動サイクルで導出(一旦停止表示又は確定停止表示)する飾図である。
右図柄決定テーブルには、サブ変動パターンS20〜S28毎に、決定可能な飾図に対して所定個数ずつ右図柄用乱数の値(0〜5までの全6通りの整数値を取り得る)が振分けられている。右図柄決定テーブルでは、図12に示す右図柄決定テーブルと同様に、右図柄が、先に決定した左図柄に対する差によって決定される。右図柄決定テーブルにおいて、サブ変動パターンS20〜S22には、差「+1」〜「+4」と「−2」、「−1」に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS23には、差「+2」に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS24,S25,S27,S28には、差「0」に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS26には、差「−1」に乱数値が振分けられている。
また、統括制御用CPU31aは、サブ変動パターンをもとに、中列(第3停止列)の飾図を、図16に示す中図柄決定テーブルにしたがって決定する。本実施形態において、中図柄決定テーブルにしたがって決定する中列の飾図は、変動サイクルで導出(一旦停止表示又は確定停止表示)する飾図である。
中図柄決定テーブルには、サブ変動パターンS20〜S28毎に、決定可能な飾図に対して所定個数ずつ中図柄用乱数の値(0〜6までの全7通りの整数値を取り得る)が振分けられている。中図柄決定テーブルでは、図13に示す中図柄決定テーブルと同様に、中図柄が、先に決定した左図柄に対する差によって決定される場合と、直接的に決定される場合とがある。中図柄決定テーブルにおいて、サブ変動パターンS20〜S22には、全ての差(「0」、「+1」〜「+4」、「−2」及び「−1」)に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS23には、差「+1」に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS24,S27には、差「0」に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS25,S28には、差「−1」に乱数値が振分けられている。また、サブ変動パターンS26には、飾図[7]に乱数値が振分けられている。
このような飾図の決定手法によれば、以下に示すように、各変動サイクルで導出される図柄組み合わせが決定される。
すなわち、変動パターンHP1〜HP3の場合には、全列の飾図が異なるはずれの図柄組み合わせ、又は右列の飾図が他の2列(左列と中列)の飾図とは異なるはずれの図柄組み合わせを構成する各列の飾図が決定される。また、変動パターンHP4の場合には、確変示唆図柄となる特定の図柄組み合わせ[123]が決定される。また、リーチ演出を含む通常変動系の変動内容となる変動パターンHP5の場合には、左右2列の飾図が同一図柄となり、中列の飾図が左右2列と同一図柄となる大当りの図柄組み合わせを構成する各列の飾図が決定される。一方で、リーチ演出を含む通常変動系の変動内容となる変動パターンHP6の場合には、左右2列の飾図が同一図柄となり、中列の飾図が左右2列と異なる図柄(−1)であって、確変示唆図柄となる特定の図柄組み合わせ(例えば[171])を構成する各列の飾図が決定される。
また、擬似変動を含む特殊変動系の変動内容となる変動パターンHP7〜HP12では、各変動サイクルで導出される図柄組み合わせが次に説明するように決定される。すなわち、最終回の変動サイクルよりも前の変動サイクルでは、右列の飾図が左列の飾図に対して「−1」となり、中列の飾図が[7]となるはずれの図柄組み合わせを構成する各列の図柄が決定される。また、最終回の変動サイクルでは、左右2列の飾図が同一図柄となり、中列の飾図が左右2列と同一図柄となる大当りの図柄組み合わせ、又は中列の飾図が左右2列と異なる図柄(−1)となる特定の図柄組み合わせを構成する各列の飾図が決定される。具体的に例示すると、3回の変動サイクルを含む場合に左図柄を[6]に決定すると、1回目及び2回目の変動サイクルのはずれの図柄組み合わせは[675]となり、最終回の変動サイクルの図柄組み合わせは[666]又は[676]となる。
また、統括制御用CPU31aは、非変短状態時、擬似変動を含む変動パターンが指示されている場合、各変動サイクルにおける擬似変動の演出形態を、図17に示す演出決定用テーブルにしたがって決定する。そして、統括制御用CPU31aは、演出決定用テーブルから決定した演出を指示する擬似用演出指定コマンドを出力する。
本実施形態では、図柄系の擬似変動の演出形態として、「中煽りガセ」、「中煽り継続」及び「ガセ聴牌」が設定されている。演出形態としての「中煽り」は、左右2列に継続図柄組み合わせを構成する飾図を一旦停止表示させた状態で、中列に継続図柄組み合わせを構成する飾図又は構成しない飾図の何れかを導出する演出である。なお、中列に継続図柄組み合わせを構成する飾図を導出する演出形態が「中煽り継続」となり、中列に継続図柄組み合わせを構成しない飾図を導出する演出形態が「中煽りガセ」となる。また、演出形態としての「ガセ聴牌」は、左右2列に同一図柄を一旦停止表示させるとともに中列を変動させ、その状態から、中列の変動停止に伴って右列を再変動させることにより、継続図柄組み合わせを導出する演出である。すなわち、「ガセ聴牌」では、リーチの図柄組み合わせを一旦導出した後、継続図柄組み合わせを導出する。また、「ガセ聴牌」では、次変動サイクルへの継続を予告する継続予兆演出が実行される。本実施形態の継続予兆演出は、右列が再変動するか否か(リーチの図柄組み合わせが継続図柄組み合わせに変化するか否か)を煽る演出であり、具体的には一旦停止表示された右列の飾図に重ねて稲妻画像NGを画像表示させる(図18参照)。
本実施形態では、継続予兆演出を伴う「ガセ聴牌」の演出形態で実行される変動サイクルの内容が第1の変動サイクル内容となる。また、本実施形態では、特定列(左右2列)に同一図柄を一旦停止表示させずに、継続図柄組み合わせを導出する「中煽り継続」の演出形態で実行される変動サイクルの内容が第2の変動サイクル内容となる。なお、本実施形態では、特殊変動系の変動内容に限らず、通常変動系の変動内容においてリーチの図柄組み合わせが導出された際にも、前述した継続予兆演出と同一演出が実行される。これにより、図柄変動ゲームが擬似変動であるのか否かを分かり難くしている。
また、本実施形態では、武将系の擬似変動の演出形態として、武将X1〜X4を紹介する画像を表示させる演出が設定されている。武将系の擬似変動では、最終回よりも前の変動サイクルにおいて「中煽り継続」と同様に継続図柄組み合わせを導出する。そして、最終回の変動サイクルでは、左右2列に同一図柄を導出し、リーチの図柄組み合わせを導出する。
演出決定用テーブルにおいて、変動内容が擬似ガセ変動となる変動パターンTP5の場合(図中の図柄系(ガセ))には、「中煽りガセ」からなる演出パターンW1のみに演出決定用乱数の値が振分けられている。演出決定用乱数の値は、「0〜78」までの全79通りの整数値を取り得る。本実施形態では、擬似ガセ変動において実行される「中煽りガセ」が、第2の変動サイクル内容である「中煽り継続」を擬似した内容となる。
また、演出決定用テーブルにおいて、変動内容が擬似変動となる変動パターンTP13〜TP16,TP19,TP20,TP23の場合であって、最終回よりも前の変動サイクル(図中の図柄系(継続))には、1回目〜3回目の変動サイクルで決定可能な演出に演出決定用乱数の値が振分けられている。具体的に言えば、1回目の変動サイクルでは、「中煽り継続」からなる演出パターンW2又は「ガセ聴牌」からなる演出パターンW3が決定可能とされている。また、2回目、3回目の変動サイクルでは、「ガセ聴牌」からなる演出パターンW3のみが決定可能とされている。また、演出決定用テーブルにおいて、変動内容が擬似変動となる変動パターンTP13〜TP16,TP19,TP20,TP23の場合であって、最終回の変動サイクル(図中の図柄系(リーチ))には、「ガセ聴牌」からなる演出パターンW3のみに演出決定用乱数の値が振分けられている。
このような振分け態様によれば、図柄系の擬似変動では、1回目の変動サイクルにおいて「中煽り」の演出が出現する可能性がある。そして、2回目からの変動サイクルでは、「ガセ聴牌」の演出のみが出現する。これは、本実施形態の擬似変動(所定の複数回以上(2回以上)の変動サイクルを含む変動)が、必ずリーチを含む設定、すなわち複数回の変動サイクルを含む場合にリーチとならずに終了するガセ演出を設定していないことによる。このため、2回目からの変動サイクルでは、必ずリーチへ発展するから、リーチの図柄組み合わせを導出しない演出形態である「中煽り」を出現させなくても、リーチ演出へ移行するか否かを煽る「ガセ聴牌」を出現させれば良い。このように2回目からの変動サイクルでは、「ガセ聴牌」の演出を出現させることで、リーチ演出へ移行するか否か、すなわち当該変動サイクルが最終回の変動サイクルであるか否かを分かり難くしている。
また、演出決定用テーブルにおいて、変動内容が武将リーチ変動となる変動パターンTP11,TP12,TP17,TP18,TP21,TP22(図中の武将系)には、1回目〜4回目の変動サイクルで決定可能な演出に演出決定用乱数の値が振分けられている。本実施形態において武将リーチ変動の場合には、原則、登場する武将に対応する演出が決定されるようになっている。具体的に言えば、武将X1には演出パターンW4が、武将X2には演出パターンW5が、武将X3には演出パターンW6が、武将X4には演出パターンW7が、決定されるようになっている。なお、本実施形態では、1回目の変動サイクル(通常変動系及び特殊変動系の何れも)において当りの場合に限り、登場する武将に対応しない演出が決定されるようになっている。これにより、リーチ演出において、先の演出とは異なる武将が登場した場合、その段階で大当りを確定的に認識し得る。例えば、武将X1の時に演出パターンW5を決定した場合には、演出パターンW5に基づき紹介される武将X2に対し、リーチ演出において武将X1が登場することになり、対応しない演出が実現される。
次に、表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
表示制御用CPU32aは、変動サイクルの開始時に、サブ用の変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動内容をもとに、画像表示用データを選択する。また、表示制御用CPU32aは、擬似変動の場合に擬似用演出指示コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動内容をもとに、画像表示用データを選択する。そして、表示制御用CPU32aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU32aは、各変動サイクルの終了時に飾図指定コマンドで指示される飾り図柄を一旦停止表示させる。また、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。本実施形態では、表示制御用CPU32aが、演出表示装置11に図柄変動ゲームを実行させる制御手段として機能する。
また、表示制御用CPU32aは、オープニング演出、ラウンド遊技、及びエンディング演出の開始に伴って演出指定コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき、大当り遊技中における演出表示装置11の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、モード指定コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき、現在滞在している演出モードを遊技者に報知するためのモード報知画像を画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。本実施形態のモード報知画像は、演出表示装置11における飾図の背面に画像表示される背景画像とされている。また、表示制御用CPU32aは、保留指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示される保留記憶数(第1保留記憶数及び第2保留記憶数)に対応するように第1保留画像表示領域H1及び第2保留画像表示領域H2の画像表示を制御する。
以下、前述した各種制御により実現される図柄変動ゲームについて図18〜図22にしたがって説明する。
最初に、図18にしたがって、非変短状態時における擬似3回(図柄系の擬似変動)の図柄変動ゲームであって、擬似変動の演出形態が「ガセ聴牌」のみの場合について説明する。
演出表示装置11では、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)の開始により、全列の変動が開始する(段階Y1)。そして、演出表示装置11では、変動サイクルの開始後、所定時間の経過毎に左列→右列の順に変動が停止し、左右2列に同一図柄(図18では飾図[6])が一旦停止表示される。また、演出表示装置11では、「ガセ聴牌」の演出により、右列に一旦停止表示された飾図を対象として継続予兆演出(稲妻画像NG)が実行される(段階Y2)。この状態で遊技者は、次変動サイクルへ継続するのか、又はリーチ演出へ発展するのか、判別不能とされる。
次に、演出表示装置11では、中列に、継続図柄組み合わせを構成し得る飾図(本実施形態では飾図[7])に特殊装飾を施した特殊図柄TZが、変動表示される(段階Y3)。この段階においても右列の飾図には、継続予兆演出が実行されている。その後、演出表示装置11では、予め定めた図柄表示位置に特殊図柄TZを一旦停止表示させるように中列の変動が停止し、その変動停止に伴って、継続予兆演出が終了するとともに右列が再変動する(段階Y4)。これにより、演出表示装置11には、継続図柄組み合わせ([677])が一旦停止表示される。なお、右列は、表示順序が次の飾図を一旦停止表示させるように再変動(すべり変動)するとともに、その再変動は、中列の変動停止動作に同調して行われる。同調するとは、本実施形態の場合、中列が変動を停止する直前に右列が再変動し、中列と右列が同時に飾図を一旦停止表示させることである。
次に、演出表示装置11では、1回目の変動サイクルで継続図柄組み合わせが導出されたことにより、2回目の変動サイクルの開始によって再び全列の変動が開始する(段階Y5)。その後、演出表示装置11では、先に説明した段階Y2〜Y4と同様の演出が実行されるとともに、再び継続図柄組み合わせ([677])が一旦停止表示される(段階Y6)。そして、演出表示装置11では、2回目の変動サイクルで継続図柄組み合わせが導出されたことにより、3回目の変動サイクルの開始によって再び全列の変動が開始する(段階Y7)。
その後、演出表示装置11では、変動サイクルの開始後、所定時間の経過毎に左列→右列の順に変動が停止し、左右2列に同一図柄(図18では飾図[6])が一旦停止表示される。また、演出表示装置11では、「ガセ聴牌」の演出により、右列に一旦停止表示された飾図を対象として継続予兆演出(稲妻画像NG)が実行される(段階Y8)。そして、この例では、3回の変動サイクルを含む擬似変動が実行されていることから、段階Y8から次変動サイクルへ継続することなく、リーチ演出へ発展する。リーチ演出への発展は、継続予兆演出の終了によって行われる。
次に、図19にしたがって、非変短状態時における擬似3回(図柄系の擬似変動)の図柄変動ゲームであって、擬似変動の演出形態に「中煽り継続」を含む場合について説明する。
演出表示装置11では、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)の開始により、全列の変動が開始する(段階Y1)。そして、演出表示装置11では、変動サイクルの開始後、所定時間の経過毎に左列→右列の順に変動が停止する。このとき、この例では、「中煽り継続」の演出により、左列の図柄(図19では飾図[6])に対して、表示順序が1つの後の図柄(図19では飾図[7])が、右列の図柄として一旦停止表示される(段階Y2)。
次に、演出表示装置11では、中列に、継続図柄組み合わせを構成し得る飾図(本実施形態では飾図[7])に特殊装飾を施した特殊図柄TZが、変動表示される。その後、演出表示装置11では、予め定めた図柄表示位置に特殊図柄TZを一旦停止表示させるように中列の変動が停止する(段階Y3)。これにより、演出表示装置11には、継続図柄組み合わせ([677])が一旦停止表示される。
次に、演出表示装置11では、1回目の変動サイクルで継続図柄組み合わせが導出されたことにより、2回目の変動サイクルの開始によって再び全列の変動が開始する(段階Y4)。その後、演出表示装置11では、先に説明した図18の段階Y2〜Y4と同様の演出が実行されるとともに(段階Y5)、再び継続図柄組み合わせ([677])が一旦停止表示される。そして、演出表示装置11では、2回目の変動サイクルで継続図柄組み合わせが導出されたことにより、3回目の変動サイクルの開始によって再び全列の変動が開始する(段階Y6)。
その後、演出表示装置11では、変動サイクルの開始後、所定時間の経過毎に左列→右列の順に変動が停止し、左右2列に同一図柄(図19では飾図[6])が一旦停止表示される。また、演出表示装置11では、「ガセ聴牌」の演出により、右列に一旦停止表示された飾図を対象として継続予兆演出(稲妻画像NG)が実行される(段階Y7)。そして、この例では、3回の変動サイクルを含む擬似変動が実行されていることから、段階Y7から次変動サイクルへ継続することなく、リーチ演出へ発展する。リーチ演出への発展は、継続予兆演出の終了によって行われる。
本実施形態では、非変短状態時、前述のように演出表示装置11で擬似変動が実行されることにより、その変動サイクルの回数の多少によって、大当り(当り)となる期待度を示す大当り期待度(当り期待度)の高低を報知する。すなわち、遊技者は、非変短状態時、大当りか否かを認識し得ない状態で擬似変動を視認し得ることから、変動サイクルの回数に注目し、その回数に応じて大当りへの期待感を変化させる。
次に、図20(a)にしたがって、非変短状態時における通常変動系の変動内容のうち、リーチを含む図柄変動ゲームについて説明する。
演出表示装置11では、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)の開始により、全列の変動が開始する(段階Y1)。そして、演出表示装置11では、変動サイクルの開始後、所定時間の経過毎に左列→右列の順に変動が停止し、左右2列に同一図柄(図20では飾図[6])が一旦停止表示される。また、演出表示装置11では、右列に一旦停止表示された飾図を対象として継続予兆演出(稲妻画像NG)と同一演出が実行される(段階Y2)。この状態で遊技者は、次変動サイクルへ継続するのか、又はリーチ演出へ発展するのか、判別不能とされる。そして、演出表示装置11では、段階Y2から次変動サイクルへ継続することなく、継続予兆演出と同一演出の終了とともにリーチ演出へ移行する。
次に、図20(b)にしたがって、非変短状態時における通常変動系の変動内容のうち、擬似ガセ変動を含む図柄変動ゲームについて説明する。
演出表示装置11では、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)の開始により、全列の変動が開始する(段階Y1)。そして、演出表示装置11では、変動サイクルの開始後、所定時間の経過毎に左列→右列の順に変動が停止する。このとき、この例では、「中煽りガセ」の演出により、左列の図柄(図20では飾図[6])に対して、表示順序が1つ後の図柄(図20では飾図[7])が、右列の図柄として一旦停止表示される(段階Y2)。
次に、演出表示装置11では、中列に特殊図柄TZが変動表示されるが、その特殊図柄TZは、予め定めた図柄表示位置で一旦停止表示せずに、通過する(段階Y3)。その結果、演出表示装置11では、特殊図柄TZ(飾図[7])に対して表示順序が1つ後の図柄(図20では飾図[1])が、中列の図柄として一旦停止表示される(段階Y3)。これにより、図柄変動ゲームは、継続図柄組み合わせを導出することなく、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示されて終了する。
次に、図21にしたがって、変短状態時における擬似3回の図柄変動ゲームについて説明する。
演出表示装置11では、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)の開始により、全列の変動が開始する(段階Y1)。そして、演出表示装置11では、1回目の変動サイクルの開始後に、擬似変動の専用演出となる擬似用演出が開始する(段階Y2)。本実施形態では、「援軍」の文字画像EGが、擬似用演出となる。その後、演出表示装置11では、所定時間の経過毎に左列→右列の順に変動が停止する。このとき、演出表示装置11では、右列の変動停止によって左列と同一図柄が一旦停止表示されるが、直ぐに再変動(すべり変動)し、右列に左列とは異なる図柄(図21では飾図[5])が一旦停止表示される(段階Y3)。本実施形態では、右列を変動方向とは逆方向に変動させることにより、表示順序が1つ前の図柄が一旦停止表示される。
次に、演出表示装置11では、次変動サイクルへ継続することを報知するための継続演出が開始する(段階Y4)。本実施形態では、「継続」の文字画像KGが、継続演出となる。そして、演出表示装置11では、1回目の変動サイクルで継続演出が行われたことにより、2回目の変動サイクルの開始によって再び全列の変動が開始する(段階Y5)。なお、本実施形態では、左右2列の変動が停止する一方で、中列が変動中に継続演出が開始されるようになっており、1回の変動サイクルは、中列を変動させたまま終了する。そして、次変動サイクルでは、再び全列の変動が開始する。
その後、演出表示装置11では、先に説明した図21の段階Y2,Y3と同様の演出が実行されるとともに、再び継続演出が行われる(段階Y6)。そして、演出表示装置11では、2回目の変動サイクルで継続演出が行われたことにより、3回目の変動サイクルの開始によって再び全列の変動が開始する(段階Y7)。その後、演出表示装置11では、変動サイクルの開始後、図21の段階Y2と同様に擬似用演出が開始されるとともに、所定時間の経過毎に左列→右列の順に変動が停止し、左右2列に同一図柄(図21では飾図[6])が一旦停止表示される(段階Y8)。すなわち、最終回の変動サイクルにより、右列が再変動しない。そして、この例では、3回の変動サイクルを含む擬似変動が実行されていることから、段階Y8から次変動サイクルへ継続することなく、リーチ演出へ発展する。
次に、図22にしたがって、変短状態時における通常変動系の変動内容(合戦リーチの変動)を含む図柄変動ゲームについて説明する。
演出表示装置11では、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)の開始により、全列の変動が開始する(段階Y1)。そして、演出表示装置11では、1回目の変動サイクルの開始後に、非擬似変動の専用演出となる通常用演出が開始する(段階Y2)。本実施形態では、「敵襲」の文字画像TGが、通常用演出となる。この演出の相違により、遊技者は、擬似変動であるか、又は非擬似変動であるかを判別し得る。その後、演出表示装置11では、所定時間の経過毎に左列→右列の順に変動が停止し、左右2列に同一図柄(図21では飾図[6])が一旦停止表示される(段階Y3)。すなわち、擬似変動ではないことから、右列が再変動しない。そして、この例では、段階Y3から次変動サイクルへ継続することなく、リーチ演出へ発展する。
本実施形態では、変短状態時、前述のように演出表示装置11で擬似変動が実行されることにより、その変動サイクルの回数の多少によって、有利な大当り(当り)となる期待度を示す有利期待度の高低を報知する。すなわち、遊技者は、変短状態時、リーチが形成された時点で大当りを認識し得ることから、擬似変動が実行される場合、変動サイクルの回数に注目し、その回数に応じて有利な大当りへの期待感を変化させる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)遊技状態(変短状態と非変短状態)毎に遊技者が知りたいと望む情報に対応するように、特殊変動系の変動内容を用いて報知する期待度を変化させることにより、図柄変動ゲームの興趣の向上を図ることができる。すなわち、変動サイクルの回数が同一回数であっても、遊技状態に応じて、その回数の多少が意味する事柄が変化するので、図柄変動ゲームが何回の変動サイクルを伴って実行されるのかという点に対し、異なる期待感を遊技者に抱かせることができる。
(2)遊技状態(変短状態と非変短状態)において特殊変動系の変動内容が選択される条件を異ならせた。具体的に言えば、変短状態時は大当り抽選の当選時のみに選択可能とし、非変短状態時は大当り抽選の当選時に加えて非当選時にも選択可能とした。これにより、遊技状態に応じて、変動サイクルの回数の多少が意味する事柄が変化する点を、より顕著に表現することができる。すなわち、非変短状態時には、特殊変動系の変動内容が、大当りとなる場合及びはずれとなる場合の何れでも出現するから、変動サイクルの回数の多少から遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができる。一方、変短状態時には、特殊変動系の変動内容が、大当りとなる場合のみに出現するから、変動サイクルの回数の多少から遊技者が抱く有利期待度を変化させることができる。
(3)大当り遊技中に賞球獲得がし易い第1当り種としての大当り(本実施形態では13R大当り遊技を付与する大当り)を複数種類設定し、その大当りの種類によって変短状態時における特殊変動系の変動内容の選択割合を設定した。これにより、変短状態において、変動サイクルの回数の多少から、大当り後の展開、すなわち、より多くの賞球を獲得できる大当りが生起されるか否かを遊技者に期待させることができる。
(4)大当り遊技中に賞球獲得がし難い第2当り種としての大当り(本実施形態では2R大当り遊技を付与する大当り)を設定し、第1当り種及び第2当り種からなる大当りの種類によって変短状態時における特殊変動系の変動内容の選択割合を設定した。これにより、変短状態において、変動サイクルの回数の多少から、大当り後の展開、すなわち、賞球獲得がし易い大当りが生起されるか否かを遊技者に期待させることができる。
(5)第1当り種の大当りの種類によって変短状態時における通常変動系の変動内容及び特殊変動系の変動内容の選択割合を設定した。これにより、変短状態において、特殊変動系の変動内容を構成する変動サイクルの回数の多少に加えて、通常変動系の変動内容との比較において賞球獲得がし易い大当りが生起されるか否かを遊技者に期待させることができる。
(6)大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かに応じて、特殊変動系の変動内容の選択割合を設定した。これにより、変短状態において、変動サイクルの回数の多少から、大当り後の展開、すなわち、大当りの当選確率が高確率に変動するか否かを遊技者に期待させることができる。
(7)大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かと大当りの種類(第2当り種)に応じて、特殊変動系の変動内容及び通常変動系の変動内容の選択割合を設定した。これにより、変短状態において、特殊変動系の変動内容を構成する変動サイクルの回数の多少に加えて、通常変動系の変動内容との比較において大当りの当選確率が高確率に変動するか否かを遊技者に期待させることができる。
(8)非変短状態時の変動内容の選択割合は、大当り抽選に当選するか否かのみによって規定した。これによれば、非変短状態では、変動サイクルの回数の多少が、大当りの期待度のみを意味することを、より顕著に表現することができる。すなわち、非変短状態時には、特殊変動系の変動内容が、大当りの種類に関係なく出現するから、変動サイクルの回数の多少から遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができる。
(9)非変短状態には、変動サイクルの回数が最多回数(本実施形態では4回)となる特殊変動系の変動内容を大当り抽選に当選した時のみに選択するようにした。これにより、非変短状態において、大当り確定の演出を実現できる。また、特殊変動系の変動内容の図柄変動ゲームの実行に伴って、変動サイクルの回数に対して遊技者をより注目させることができる。
(10)特殊変動系の変動内容において、変動サイクルがリーチ変動サイクルとなる場合及び次変動サイクルに継続する場合の何れでも、同一の演出(継続予兆演出とリーチ形成)を実行させることにより、最終回の変動サイクルか否かを分かり難くすることができる。また、特殊変動系の変動内容で実行する演出(継続予兆演出)を、通常変動系の変動内容におけるリーチ変動サイクルでも実行させることにより、何れの変動内容で図柄変動ゲームが実行されているかを分かり難くすることができる。したがって、図柄変動ゲームに対する興趣の向上を図ることができる。
(11)次変動サイクルへ移行させる場合に、次変動サイクルの直前に実行される変動サイクルの内容を複数種類(実施形態では、「中煽り継続」と「ガセ聴牌」)設定した。これにより、特殊変動系の変動内容の展開にバリエーションを持たせることができる。特に、変動サイクルの内容は、特定列に同一図柄を停止表示させた状態、すなわちリーチを認識し得る状態から継続図柄組み合わせを導出する内容と、リーチを認識し得ない状態から継続図柄組み合わせを導出する内容とからなり、その内容から遊技者が感じる遊技の展開に変化をもたらすことができる。つまり、第1の変動サイクル内容(ガセ聴牌)では、変動サイクルの継続及びリーチ演出への移行を感じさせる一方で、第2の変動サイクル内容(中煽り)では、変動サイクルの継続及びリーチ演出の非移行(ガセ演出としての位置付け)を感じさせる。
(12)第1の変動サイクル内容(ガセ聴牌)を伴う変動サイクルの出現により、当該変動サイクルが、リーチを伴わないはずれ変動になることが否定される。すなわち、変動サイクルの継続、又はリーチ演出への移行が確定する。したがって、変動サイクルが、第1の変動サイクル内容、及び第2の変動サイクル内容の何れで実行されるのかという点に遊技者の興味を抱かせることができる。特に、特殊変動系の変動内容が、変動サイクル数の増加に伴って大当り期待度が高くなるように設定されている場合、第1の変動サイクル内容を伴う変動サイクルの出現により、大当りへの期待感を高めることができる。
(13)所定の複数回以上(本実施形態では2回)の変動サイクルが、第1の変動サイクル内容(ガセ聴牌)で実行されることにより、その変動サイクルがリーチとなるのか、それともさらに変動サイクルが継続するのか、という点に遊技者の興味を抱かせることができる。特に、特殊変動系の変動内容が、変動サイクル数の増加に伴って大当り期待度が高くなるように設定されている場合、リーチが確定する回数以降は、変動サイクルが第1の変動サイクル内容で実行されることで、遊技者の大当りに対する期待感を変化させることができる。
(14)通常変動系の変動内容として、第2の変動サイクル内容を擬似した内容(擬似ガセ変動)を設定した。これにより、特殊変動系の変動内容を伴う図柄変動ゲームの出現に対して期待感を抱かせることができる。
(15)変短状態中は、変動時間の短いはずれ変動内容(実施形態では変動パターンHP1)を選択する割合が高められていることから、図柄変動ゲームの消化効率を向上させることができる。また、変短状態中は、当り変動内容又ははずれ変動内容の図柄変動ゲームのみが出現する。すなわち、最終的にはずれとなる場合のリーチの演出を含む図柄変動ゲームが出現しない。このため、変短状態中は、リーチが形成された時点で大当りになることを遊技者に確定的に認識させることができ、遊技者に大当りへの期待感を高めさせることができる。また、最終的にはずれとなる場合のリーチの演出を含む図柄変動ゲームが出現しないことで、図柄変動ゲームの消化効率を向上させることができる。つまり、通常、リーチの演出を含む変動内容の図柄変動ゲームは、変動時間が長くなることが多いが、本実施形態のパチンコ遊技機によれば、変動時間が長くなることが、大当りに直結するので、変短状態中における興趣の向上を図ることができる。
(16)変短状態中は、図柄変動ゲーム(第2図柄変動ゲーム)の始動条件を付与する第2始動入賞口15への入球率が、開放時間増によって向上する。すなわち、変短状態中の遊技者は、持ち球を大幅に減らすことなく、図柄変動ゲームの始動条件を得ることができる(当り抽選を受けることができる)。このため、遊技者にとって有利な変短状態中の興趣の向上を図ることができる。
(17)第2保留記憶数が零となる場合に実行される特図2に基づく図柄変動ゲームの変動時間を長く設定することにより、第2始動入賞口15への遊技球の入球を促進させることができる。その結果、変短状態中における特図2に基づく図柄変動ゲームの実行回数の減少を抑制できる。
(18)変短状態中における特図1に基づく図柄変動ゲームの変動時間(はずれ変動内容の変動時間)を長く設定することにより、第2始動入賞口15への遊技球の入球を促進させることができる。その結果、変短状態中における特図2に基づく図柄変動ゲームの実行回数の減少を抑制できる。
(19)第2保留記憶数に基づく小当り抽選の当選確率を低確率とすることで、結果的に変短状態中の小当りの出現を抑制することができる。小当りは、遊技状態の変化を伴わないことから、遊技者にとって現状よりも不利な遊技状態へ移行しない反面、有利な遊技状態へも移行しない。このため、変短状態中の小当りへの当選率を低下させることにより、変短状態中における図柄変動ゲームの消化効率を向上させることができる。
(20)変短状態中の当り変動内容として、通常変動系の変動内容と特殊変動系の変動内容を設定することで、当りになるまでの過程に変化(バリエーション)を与えることができる。その一方、特殊変動系の変動内容は、通常変動系の変動内容に比して変動サイクル数が増加することから、変動時間が長くなる傾向にある。このため、当り変動内容として通常変動系の変動内容の選択割合を高めることで、変短状態のスピード感をより強調させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態において、特殊変動系の変動内容、すなわち擬似変動を構成する変動サイクルの回数を変更しても良い。例えば、変動サイクルの最多回数を3回に設定しても良いし、5回以上に設定しても良い。
・ 実施形態において、当りの種類を変更しても良い。
・ 実施形態において、変短状態時に確変大当りを確定とする変動サイクルの回数を4回に設定しても良い。
・ 実施形態において、変動サイクルの回数が3回を越える場合に2R大当り遊技が生起される割合を零に設定しても良い。
・ 実施形態において、有利期待度は、当り遊技中における賞球の獲得し易さのみに設定しても良い。また、実施形態において、有利期待度を、想定される獲得賞球数の多少に変更しても良い。また、実施形態において、有利期待度を、確変大当りか否かのみに変更しても良い。
・ 実施形態において、変短状態中に変動サイクルの回数の多少によって当りとなる期待度を報知し、非変短状態中に変動サイクルの回数の多少によって有利な当りとなる期待度を報知しても良い。
・ 実施形態において、非変短状態中、リーチが確定する擬似変動の変動サイクルの回数を3回以上に設定しても良い。この構成によれば、2回目の変動サイクルにおける擬似変動の演出形態として「中煽りガセ」を設定しても良い。
・ 実施形態において、非変短状態中、リーチが確定する擬似変動の変動サイクルの回数を2回以上に設定する前提のもとで、2回目や3回目の変動サイクルにおいて「中煽り継続」の演出を出現させるように振分けを変更しても良い。「中煽り継続」の演出は、左右2列に継続図柄組み合わせを構成する飾図を一旦停止表示させた状態、すなわち左右2列に異なる飾図を一旦停止表示させた状態で実行される。このため、上記構成によれば、2回目の変動サイクルにおいて「中煽り」の演出が出現した段階で、次変動サイクルへ継続することを確定的に認識し得る。
・ 実施形態において、非変短状態中、4回目の変動サイクルで継続予兆演出(稲妻画像NG)を実行しないようにしても良い。この構成によれば、擬似変動を構成する変動サイクルの継続回数が上限数(Max)に達したことを認識させることができる。また、前記継続回数が上限数に達した場合、その変動サイクルは必ずリーチ演出へ発展することになるので、無駄な煽り演出の実行によって遊技者を混乱させてしまうことを抑制できる。
・ 実施形態において、非変短状態中における擬似変動の演出形態を「ガセ聴牌」のみに変更しても良い。この場合、擬似ガセ変動を設定しなくても良い。
・ 実施形態において、次変動サイクルへ移行させる場合、右列を中列と同調させることなく再変動させても良い。例えば、中列の変動停止後に、右列を再変動させても良い。
・ 実施形態において、次変動サイクルへ移行させる場合、中列と同調させて再変動させる列を左列としても良い。
・ 実施形態において、リーチの図柄組み合わせを、左列と中列の図柄で構成しても良い。この場合、継続予兆演出の対象を左列及び中列の何れに設定しても良く、右列に特殊図柄TZが停止表示される。
・ 実施形態において、2回以上の変動サイクルを含む変動内容を、変短状態中の擬似変動として位置付けても良い。
・ 実施形態において、擬似4回の変動内容を、はずれの場合にも選択するように振分けを変更しても良い。また、擬似4回の変動内容を、当りA以外の場合にも選択するように振分けを変更しても良い。
・ 実施形態において、飾図[1]〜[7]を、予め定めた属性(例えば、色属性)によってさらに分類し、最終回よりも前の変動サイクルで導出する左図柄を、最終停止図柄と同じ属性の中から決定するようにしても良い。この属性は、例えば、確変期待度の高低を示すようなものとする。
・ 実施形態において、変短状態中、図柄変動ゲームを開始させる際の保留記憶数に応じて変動時間の異なる変動パターンを選択するようにしても良い。具体的に言えば、保留記憶数が多くなどほど、変動時間の短い変動を選択するようにしても良い。
・ 実施形態において、2R大当り遊技を付与する大当りに当選した場合、大当り遊技終了後に付与する変短上限回数が多いほど、変動時間の長い変動パターンを選択するように振分けを変更しても良い。
・ 実施形態において、変短状態及び非変短状態の何れの状態に拘わらずリーチ抽選を行った上で、変短状態中はリーチ抽選の抽選結果を考慮せずにはずれ変動処理を実行するようにしても良い。また、変短状態中にリーチ抽選を行い、そのリーチ抽選に当選した場合、図柄変動ゲームでは、リーチの図柄組み合わせを一旦停止表示させることなく、はずれの図柄組み合わせを導出させても良い。すなわち、変短状態中にはずれリーチとなる演出が出現しなければ良い。
・ 実施形態は、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・ 実施形態は、1つの特別図柄を用いるパチンコ遊技機(特図1のみの構成)に具体化しても良い。