JP5518312B2 - 潤滑油添加剤組成物、潤滑油組成物及びその製造方法 - Google Patents

潤滑油添加剤組成物、潤滑油組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、潤滑油添加剤組成物、潤滑油組成物及びその製造方法に関する。
内燃機関や変速機をはじめとする種々の機械装置には、その駆動や動作を円滑にするために潤滑油組成物が用いられる。特に、内燃機関用の潤滑油(エンジン油)は、内燃機関の高性能化及び高出力化に応じて、苛酷な条件下での使用に対応できる性能を有することが必要である。
こうした要求性能を満たすため、エンジン油には、摩耗防止剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤など種々の添加剤が配合されている。(例えば、下記特許文献1〜3を参照。)
ところで、最近では、環境問題が注目されていることに伴って、エンジン油の省燃費性能の向上が強く求められている。こうした要求に対応するため、エンジン油には高粘度指数基油や各種摩擦調整剤を用いることなどが検討されている(例えば、下記特許文献4を参照。)。
また、エンジン油などの潤滑油組成物の省燃費性や低摩擦性を向上させるために、潤滑油基油の粘度を低減することや、粘度指数向上剤の配合量を増量することが行われている。このため、粘度指数向上剤の使用量は増加傾向にあり、粘度指数向上剤は潤滑油組成物の添加剤として益々重要な役割を担うようになってきている。
特開2001−279287号 特開2002−129182号 特開平08−302378号 特開平06−306384号
潤滑油添加剤組成物の一種である粘度指数向上剤は、その他の潤滑油添加剤と比べて粘性が格別に高い。潤滑油添加剤と潤滑油基油とを配合することによって得られる潤滑油組成物は、通常、その製造段階において、粘度調整を行う必要がある。このため、一般的に、粘度指数向上剤は、他の潤滑油添加剤とパッケージ化されずに、個別に取り扱われている。
粘度指数向上剤の有効成分(粘度指数の向上効果を有する成分)としては、重量平均分子量(Mw)が1万〜100万のポリ(メタ)アクリレート系化合物などが用いられており、重量平均分子量が大きいもの(Mw:35万〜100万)ほど、粘性が高い傾向がある。
粘度指数向上剤に一定の流動性を持たせ、ハンドリング性を向上させるため、一般に希釈剤で希釈された状態で取り扱われているが、十分な流動性を確保しようとして希釈剤の含有量を増やしすぎると、粘度指数向上剤の有効成分の含有量が低下し、物流効率が悪化してしまう。また、所定の粘度指数向上効果を得るために、結果的に潤滑油基油への添加量が増大して、物流効率の悪化や潤滑油への添加量が増加することによりコストアップとなる。また、低粘度の希釈剤を使用した場合には、潤滑油組成物の性能に対する影響(低粘度希釈剤による蒸発損失や潤滑特性への影響、希釈剤に含まれる硫黄分、窒素分、芳香族分等による熱・酸化安定性への影響)が懸念される。
一方、潤滑油添加剤の流動性を改善する別の手段として、物流段階や潤滑油組成物の製造段階で、粘度指数向上剤や潤滑油組成物を適度に加温することが挙げられる。ところが、このような加温によって、粘度指数向上剤の劣化や潤滑油組成物の貯蔵安定性の悪化が顕在化する傾向がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた粘度指数向上効果と優れた流動性とを兼ね備えた潤滑油添加剤組成物を提供することを目的とする。また、このような潤滑油添加剤組成物を容易に製造する方法を提供することを目的とする。さらに、このような潤滑油添加材組成物を含むことにより、十分に高い粘度指数を有しつつ揮発性が十分に低減された潤滑油組成物、及びこのような潤滑油組成物を容易に製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、(A)重量平均分子量が100000以上、700000以下のポリ(メタ)アクリレート系化合物と、(B)希釈剤と、(C)炭素/酸素原子数比(以下、場合により「C/O比」ともいう。)が10以下のエステル化合物と、を含有し、(C)エステル化合物が、2〜10価の多価アルコールと炭素数1〜20のカルボン酸とのエステル化合物、及び2〜10価の多価カルボン酸と炭素数1〜24のアルコールとのエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、潤滑油添加剤組成物を提供する。
本発明の潤滑油添加剤組成物は、優れた流動性と優れた粘度指数向上効果とを兼ね備えている。すなわち、本発明の潤滑油添加剤組成物は、(B)希釈剤、及び(C)C/O比が10以下のエステル化合物を含有しているため、(B)希釈剤の含有量を低減しても優れた流動性を確保することができる。また、流動性を維持しつつ有効成分である(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物の含有量を増加させることができるため、潤滑油基油に配合した場合に優れた粘度指数向上効果を得ることができる。また、(B)希釈剤の含有量を低減することができるため、物流効率の向上による輸送コストの低減や輸送時の環境負荷を低減でき、潤滑油添加剤組成物及び潤滑油組成物の製造コストを低減するとともに、潤滑油組成物の揮発性を改善することができる。
また、本発明の潤滑油添加剤組成物は、(C)のエステル化合物が、(C1)C/O比10以下の多価アルコールのエステル化合物、(C2)C/O比10以下の多価カルボン酸のエステル化合物、(C3)C/O比10以下のモノエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これによって、(B)希釈剤の含有量を低減しても一層優れた流動性を有する潤滑油添加剤組成物を得ることができる。また、有効成分である(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物の含有量を一層増加させることができるため、潤滑油基油に配合した場合に一層優れた粘度指数向上効果を得ることができる。
また、本発明の潤滑油添加剤組成物は、(C)のエステル化合物が、多価アルコールと炭素数17以下のカルボン酸とのエステル化合物であることが好ましい。当該エステル化合物を用いることによって、(B)希釈剤の含有量を低減しても一層優れた流動性を有する潤滑油添加剤組成物を得ることができる。また、有効成分である(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物の含有量を一層増加させることができるため、潤滑油基油に配合した場合に一層優れた粘度指数向上効果を得ることができる。
本発明ではまた、(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物と、(B)希釈剤と、(C)C/O比が10以下のエステル化合物とを混合する工程を備える潤滑油添加剤組成物の製造方法を提供する。この製造方法によって、優れた流動性と優れた粘度指数向上効果を兼ね備えた潤滑油添加剤組成物を有効に得ることができる。
本発明ではまた、潤滑油基油と、上記本発明の潤滑油添加剤組成物とを含有する潤滑油組成物を提供する。このような潤滑油組成物は、十分に高い粘度指数と十分に低減された揮発性とを兼ね備える。
本発明ではまた、潤滑油基油と、上記本発明の潤滑油添加剤組成物とを混合する工程を備える潤滑油組成物の製造方法を提供する。上記潤滑油添加剤組成物は優れた流動性を有するため、ハンドリング性に優れており、この製造方法によって潤滑油組成物を容易に製造することが可能となる。また、得られる潤滑油組成物は、十分に高い粘度指数と十分に低減された揮発性とを兼ね備える。
本発明によれば、優れた粘度指数向上効果と優れた流動性とを兼ね備えた潤滑油添加剤組成物を提供することができる。また、このような潤滑油添加剤組成物を容易に製造する方法を提供することができる。さらに、このような潤滑油添加材組成物を含むことにより、十分に高い粘度指数を有しつつ揮発性が十分に低減された潤滑油組成物、及びこのような潤滑油組成物を容易に製造する方法を提供することができる。
また、本発明によって、潤滑油添加剤組成物の物流効率の向上による輸送コスト、及び輸送時の環境負荷の低減、並びに潤滑油添加剤組成物及び潤滑油組成物の製造コストを十分に低減することができる。
以下、本発明の潤滑油添加剤組成物及び潤滑油組成物の好適な実施形態について説明する。
本実施形態の潤滑油添加剤組成物は、(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物(以下、場合により「(A)成分」という。)を含有する。このポリ(メタ)アクリレート系化合物は、粘度指数向上剤及び/または流動点降下剤としての機能を有する。なお、本明細書における「ポリ(メタ)アクリレート系化合物」は、ポリアクリレート系化合物及びポリメタクリレート系化合物の総称である。
(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物は、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレートモノマー(以下、「モノマーM−1」という。)を含む重合性モノマーの重合体であることが好ましい。(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物は、モノマーM−1とオレフィン化合物(エチレン、α−オレフィン、スチレン、イソブチレン、ジエン、マレイン酸等)との複合ポリマーであってもよい。
Figure 0005518312

[一般式(1)中、Rは水素又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜200の直鎖状又は分枝状の炭化水素基を示し、それらの誘導体であっても良い。]
上記一般式(1)におけるRで表される炭素数1〜200の直鎖状又は分枝状の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、二重結合の位置も任意である)等が例示できる。
(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物は、モノマーM−1の1種の単独重合又は2種以上の共重合により得られる、いわゆる非分散型ポリ(メタ)アクリレートであってもよい。
(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物は、モノマーM−1と、一般式(2)で表わされる(メタ)アクリレートモノマー(以下、「モノマーM−2」という。)及び一般式(3)で表わされるモノマー(以下、「モノマーM−3」という。)からなる群より選ばれる1種以上のモノマーと、を共重合させたいわゆる分散型ポリ(メタ)アクリレートであってもよい。
Figure 0005518312

[一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Eは窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残基又は複素環残基を示し、aは0又は1を示す。]
上記一般式(2)におけるRで表される炭素数1〜18のアルキレン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、及びオクタデシレン基(これらアルキレン基は直鎖状でも分枝状でもよい。)等が例示できる。
上記一般式(2)におけるEで表されるアミン残基又は複素環残基としては、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、モルホリノ基、ピロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、メチルピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、キノニル基、ピロリドニル基、ピロリドノ基、イミダゾリノ基、及びピラジノ基等が例示できる。
Figure 0005518312

[一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Eは窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残基又は複素環残基を示す。]
上記一般式(3)におけるEで表されるアミン残基又は複素環残基としては、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、モルホリノ基、ピロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、メチルピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、キノニル基、ピロリドニル基、ピロリドノ基、イミダゾリノ基、及びピラジノ基等が例示できる。
一般式(2)及び(3)におけるアミン残基とは、アミンからアミノ基の水素を除いた1価の基をいい、複素環残基とは、複素環構造を有する分子から複素環を構成する炭素に結合した水素を除いた1価の基をいう。
モノマーM−2、モノマーM−3の好ましい具体例としては、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジン、モルホリノメチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、及びこれらの混合物等が例示できる。
(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物は、上記一般式(1)で表されるモノマーと、下記一般式(4)及び(5)から選ばれる1種以上のモノマー(以下、それぞれ「モノマーM−4」及び「モノマーM−5」という。)と、を共重合させたいわゆる複合ポリマーであってもよい。複合ポリマーの中では、(メタ)アクリレート−オレフィン共重合体が好ましい。
Figure 0005518312

[一般式(4)中、Rは水素又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜500の炭化水素基を示す。]
上記一般式(4)におけるRで表される炭素数1〜500の炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、二重結合の位置も任意である);シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基;メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(これらアルキル基のシクロアルキル基への置換位置は任意である);フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基等の炭素数7〜12の各アルキルアリール基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またアリール基への置換位置も任意である);ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12の各フェニルアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);等が例示できる。
Figure 0005518312

[一般式(5)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18のアルキルアルコールの残基(−OR10:R10は炭素数1〜18のアルキル基)又は炭素数1〜18のモノアルキルアミンの残基(−NHR11:R11は炭素数1〜18のアルキル基)を示す。]
上記一般式(5)におけるR及びRで表されるアルキルアルコールの残基としては、メタノール、エタノール、直鎖状又は分岐状のプロパノール、直鎖状又は分岐状のブタノール、直鎖状又は分岐状のペンタノール、直鎖状又は分岐状のヘキサノール、直鎖状又は分岐状のヘプタノール、直鎖状又は分岐状のオクタノール、直鎖状又は分岐状のノナノール、直鎖状又は分岐状のデカノール、直鎖状又は分岐状のウンデカノール、直鎖状又は分岐状のドデカノール、直鎖状又は分岐状のトリデカノール、直鎖状又は分岐状のテトラデカノール、直鎖状又は分岐状のペンタデカノール、直鎖状又は分岐状のヘキサデカノール、直鎖状又は分岐状のヘプタデカノール、直鎖状又は分岐状のオクタデカノールなどの残基が挙げられる。ここでいう残基とは、アルキルアルコールから水酸基の水素を除いた1価の基をいう。
上記一般式(5)におけるR及びRで表されるモノアルキルアミンの残基としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等の炭素数1〜18のアルキル基を有するアミン残基などが挙げられる。ここでいう残基とは、アミンからアミノ基の水素を除いた1価の基をいう。
(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物は、モノマーM−1と、モノマーM−2及びモノマーM−3から選ばれる1種以上のモノマーと、モノマーM−4及びモノマーM−5から選ばれる1種以上のモノマーと、を共重合させたいわゆる分散型複合ポリマーであってもよく、好ましくは分散型(メタ)アクリレート−オレフィン共重合体であってもよい。
モノマーM−1とモノマーM−2及びM−3との共重合体の共重合モル比については特に制限はないが、M−1:M−2及びM−3が、好ましくは99:1〜80:20、より好ましくは98:2〜85:15、さらに好ましくは95:5〜90:10である。
モノマーM−1とモノマーM−2、M−3,M−4及びM−5(M−2〜M−5)との共重合体の共重合モル比については特に制限はないが、M−1:M−2〜M−5が、好ましくは99:1〜20:80、より好ましくは95:5〜40:60、さらに好ましくは90:10〜50:50である。
(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物の製造法は任意であり、例えば、ベンゾイルパーオキシド等の重合開始剤の存在下で、モノマーM−1とモノマーM−2〜M−3の混合物とをラジカル溶液重合させることにより容易に得ることができる。
(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物の重量平均分子量(M)は、5,000以上であることが好ましく、50,000以上であることがより好ましく、100,000以上であることがさらに好ましく、200,000以上であることが特に好ましく、300,000以上であることが最も好ましい。
該重量平均分子量(M)は、1,000,000以下であることが好ましく、700,000以下であることがより好ましく、600,000以下であることがさらに好ましく、500,000以下であることが特に好ましい。
該重量平均分子量が5,000未満の場合には、潤滑油添加剤組成物を潤滑油基油に溶解させた場合に、粘度指数向上効果が小さくなる傾向がある。このため、省燃費性や低温粘度特性の低下、及びコスト上昇のおそれがある。一方、該重量平均分子量が1,000,000を超える場合には、潤滑油添加剤組成物のせん断安定性や潤滑油添加剤組成物の潤滑油基油への溶解性、及び潤滑油添加剤組成物及び潤滑油組成物の十分な貯蔵安定性が損なわれる傾向がある。
(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物のPSSI(パーマネントシアスタビリティインデックス)は、好ましくは50以下、より好ましくは5〜40、さらに好ましくは10〜35、特に好ましくは15〜30、最も好ましくは20〜25である。PSSIが40を超える場合、せん断安定性が損なわれる傾向がある。一方、PSSIが5未満の場合、潤滑油添加剤組成物を潤滑油基油に溶解させた場合に優れた粘度指数向上効果が得られ難くなる傾向がある。このため、得られる潤滑油組成物の十分な省燃費性や低温粘度特性が損なわれる傾向、及びコストが上昇するおそれがある。
なお、本明細書における「PSSI」とは、ASTM D 6022−01(Standard Practice for Calculation of Permanent Shear Stability Index)に準拠し、ASTM D 6278−02(Test Metohd for Shear Stability of Polymer Containing Fluids Using a European Diesel Injector Apparatus)により測定されたデータに基づき計算された、ポリマーの永久せん断安定性指数(Permanent Shear Stability Index)を意味する。
本実施形態の潤滑油添加剤組成物における(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物の含有量は、潤滑油添加剤組成物全量基準で、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%、特に好ましくは15〜35質量%である。当該含有量が1質量%未満の場合、所定の粘度指数向上効果を得るために、潤滑油組成物に配合される潤滑油添加剤組成物の量が多くなって、物流効率が損なわれる傾向、及び潤滑油組成物の製造コストの上昇を招くおそれがある。一方、当該含有量が70質量%を超える場合、潤滑油添加剤組成物のハンドリング性が損なわれて、潤滑油組成物の製造作業において良好な作業性が得られない傾向がある。
本実施形態の潤滑油添加剤組成物は、(B)希釈剤(以下、場合により「(B)成分」という。)を含有する。(B)希釈剤としては、鉱油、合成油およびこれらの混合物が挙げられるが、鉱油系希釈剤であることが好ましい。
鉱油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したものが挙げられる。また、ワックス異性化鉱油、フィッシャートロプシュプロセス等により製造されるGTL WAX(ガストゥリキッドワックス)を異性化する手法で製造される潤滑油基油が挙げられる。
合成油としては、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、炭化水素系合成油が好ましく、特にポリα−オレフィンが好ましい。ポリα−オレフィンとしては、炭素数2〜32、好ましくは6〜16のα−オレフィンのオリゴマー又はコオリゴマー(1−オクテンオリゴマー、デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマー等)及びこれらの水素化物が挙げられる。
(B)希釈剤は、鉱油、合成油又はこれらの中から選ばれる2種以上の油の任意混合物であってもよい。例えば、1種以上の鉱油、1種以上の合成油、1種以上の鉱油と1種以上の合成油との混合油が挙げられる。
(B)希釈剤の100℃における動粘度は、1.5〜10mm/sであることが好ましく、1.8〜8.0mm/sであることがより好ましく、2.0〜6.0mm/sであることがさらに好ましく2.5〜5.0mm/sであることが特に好ましい。(B)希釈剤の100℃における動粘度が1.5mm/s未満の場合、得られる潤滑油組成物の蒸発損失が大きくなる傾向がある。また、該動粘度が10mm/sを超える場合、(A)成分に対する溶解力が損なわれる傾向がある。
(B)希釈剤の%Cは3以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.0以下であることが更に好ましく、1.5以下であることが特に好ましい。(B)希釈剤の%Cが3を超えると、潤滑油添加剤組成物の熱・酸化安定性が損なわれる傾向がある。なお、(B)希釈剤の%Cは0であってもよい。
本明細書における「%C」は、ASTM D 3238−85に準拠した方法(n−d−M環分析)により求められる、全炭素数に対する芳香族炭素数の割合(百分率)を意味する。
(B)希釈剤の硫黄分含有量は0.05質量%以下であることが好ましく、0.04質量%であることがより好ましく、0.03質量%以下であることがさらに好ましく、0.02質量%以下であることが特に好ましい。(B)希釈剤の硫黄分含有量が0.05質量%を超える場合、潤滑油添加剤組成物の熱・酸化安定性が損なわれる傾向がある。
通常、鉱油系希釈剤の硫黄分含有量は、その原料の硫黄分の含有量に依存する。一方、フィッシャートロプシュ反応等により得られる合成ワックス成分のように実質的に硫黄を含まない原料を用いる場合には、実質的に硫黄を含まない希釈剤を得ることができる。また、潤滑油基油の精製過程で得られるスラックワックスや精ろう過程で得られるマイクロワックス等の硫黄を含む原料を用いる場合には、得られる鉱油系希釈剤中の硫黄分は通常0.01質量%以上となる。なお、本明細書における「硫黄分」とは、JIS K 2541−1996に準拠して測定される硫黄分を意味する。
(B)希釈剤の粘度指数については特に制限はないが、80以上が好ましく、100以上がより好ましく、120以上がさらに好ましい。粘度指数の上限については特に制限はなく、ノルマルパラフィン、スラックワックスやGTLワックス等、またはこれらを異性化したイソパラフィン系鉱油のような135〜180程度のものを使用することもできる。希釈剤の粘度指数が80未満の場合、潤滑油添加剤組成物の熱・酸化安定性が損なわれる傾向がある。
潤滑油添加剤組成物における(B)希釈剤の含有量は、潤滑油添加剤組成物全量基準で、1〜98質量%であることが好ましく、10〜95質量%であることがより好ましく、20〜90質量%であることがさらに好ましく、30〜85質量%であることが特に好ましい。該含有量が1質量%未満の場合、潤滑油添加剤組成物のハンドリング性が損なわれて、潤滑油組成物の製造作業において良好な作業性が得られない傾向がある。また、該混合割合が98質量%を超える場合、所定の粘度指数向上効果を得るために、潤滑油組成物に配合される潤滑油添加剤組成物の量が多くなって、物流効率が損なわれる傾向、及び潤滑油製造コストが上昇する傾向がある。
本実施形態の潤滑油添加剤組成物は、(C)炭素/酸素原子数比(C/O比)が10以下のエステル化合物(以下、場合により「(C)成分」という。)を含有する。
潤滑油添加剤組成物は、(C)成分として、(C1)C/O比10以下の多価アルコールのエステル化合物、(C2)C/O比10以下の多価カルボン酸のエステル化合物、(C3)C/O比10以下のモノエステル化合物を含有することが好ましく、(C1)C/O比10以下の多価アルコールのエステル化合物を含有することがより好ましい。
(C−1)C/O比10以下の多価アルコールのエステル化合物としては、具体的には、2〜10価、好ましくは2〜6価の多価アルコールとカルボン酸のエステル化合物が用いられる。
多価アルコールとしては、例えば2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
より優れた流動性を保持し、潤滑油に配合された際に、優れた酸化安定性と加水分解安定性を維持するために、多価アルコールとしては、トリメチロールアルカンおよびペンタエリスリトールであることがより好ましい。
多価アルコールのエステル化に用いるカルボン酸としては、具体的には、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸等の飽和脂肪酸;ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸、ペンタコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘプタコセン酸、オクタコセン酸、ノナコセン酸、トリアコンテン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらのカルボン酸は直鎖状であっても分枝状であってもよい。より優れた流動性を保持するために、直鎖状のカルボン酸であることが好ましく、炭素数は1〜20のカルボン酸であることが好ましく、炭素数が1〜17のカルボン酸であることがより好ましく、炭素数が1〜15のカルボン酸であることがさらに好ましく、炭素数が1〜12のカルボン酸であることが特に好ましく、炭素数が1〜10のカルボン酸であることが最も好ましい。
(C2)C/O比10以下の多価カルボン酸のエステル化合物としては、2〜10価、好ましくは2〜6価の多価カルボン酸とアルコールのエステル化合物が用いられる。具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、等の炭素数1〜30のジカルボン酸、クエン酸、アコニット酸、等の炭素数1〜30のトリカルボン酸が好ましい。
炭素数1〜20の多価カルボン酸がより好ましく、炭素数1〜15の多価カルボン酸がさらに好ましく、炭素数1〜15の多価カルボン酸が特に好ましく、炭素数1〜15の多価カルボン酸が流動性をより向上できる点で最も好ましい。
多価カルボン酸のエステル化に用いるアルコールとしては、具体的には、例えば炭素数1〜24、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜17、さらに好ましくは1〜15、特に好ましくは1〜12、もっとも好ましくは1〜10、のものが用いられる。アルコールは、直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものであっても不飽和のものであってもよいが、直鎖状のアルコールであることがより好ましく、飽和のものであることがより好ましい。炭素数1〜24のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、直鎖状又は分岐状のプロパノール、直鎖状又は分岐状のブタノール、直鎖状又は分岐状のペンタノール、直鎖状又は分岐状のヘキサノール、直鎖状又は分岐状のヘプタノール、直鎖状又は分岐状のオクタノール、直鎖状又は分岐状のノナノール、直鎖状又は分岐状のデカノール、直鎖状又は分岐状のウンデカノール、直鎖状又は分岐状のドデカノール、直鎖状又は分岐状のトリデカノール、直鎖状又は分岐状のテトラデカノール、直鎖状又は分岐状のペンタデカノール、直鎖状又は分岐状のヘキサデカノール、直鎖状又は分岐状のヘプタデカノール、直鎖状又は分岐状のオクタデカノール、直鎖状又は分岐状のノナデカノール、直鎖状又は分岐状のイコサノール、直鎖状又は分岐状のヘンイコサノール、直鎖状又は分岐状のトリコサノール、直鎖状又は分岐状のテトラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
(C3)C/O比10以下のモノエステル化合物としては、具体的には例えば、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、等の炭素数1〜18を有するカルボン酸とメチルアルコールのエステル、炭素数1〜17を有するカルボン酸と炭素数1〜2のアルコールのエステル、炭素数1〜16を有するカルボン酸と炭素数1〜3のアルコールのエステル、炭素数1〜15を有するカルボン酸と炭素数1〜4のアルコールのエステル等、炭素数1〜18を有するカルボン酸と炭素数1〜18を有するアルコールをC/O比10以下となるように組み合わせたエステル化合物が例示される。
(C)成分のC/O比は、10以下であることが必要であり、8以下であることが好ましく、7以下であることがさらに好ましい。C/O比が10を超えると流動性向上効果が劣るため好ましくない。また、C/O比の下限値は特にないが、0.5以上であることが好ましく、1以上であることがより好ましく、2以上であることが更に好ましく、3以上であることがより好ましい。C/O比を0.5以上とすることで、潤滑油への溶解性を向上することができ、流動性との両立に効果が発揮される傾向にある。
(C)C/O比が10以下のエステル化合物は、流動性をより向上できる点において、炭素数が100以下であることが好ましく、炭素数が70以下であることがより好ましく、炭素数が50以下であることがさらに好ましく、炭素数が40以下であることが特に好ましく、炭素数が30以下であることが最も好ましい。
(C)C/O比が10以下のエステル化合物の100℃における動粘度は、1mm/s以上であることが好ましく、2mm/s以上であることがより好ましい。また、の100℃における動粘度は、20mm/s以下であることが好ましく、15mm/s以下であることがより好ましく、10mm/s以下であることがさらに好ましく、7mm/s以下であることが特に好ましく、5mm/s以下であることが最も好ましい。100℃における動粘度を1mm/s以上とすることで、潤滑油に添加された際の蒸発性を低く保つことが出来る。また、100℃における動粘度を20mm/s以下とすることで、流動性の向上能力を高めることが出来る。
(C)C/O比が10以下のエステル化合物の粘度指数は200以下であることが好ましく、180以下であることがより好ましく、170以下であることがさらに好ましく、160以下であることが更に好ましく、150以下であることが最も好ましい。また、粘度指数は0以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましく、50以上であることがさらに好ましく、70以上であることが特に好ましく、100以上であることが最も好ましい。粘度指数を0以上とすることで、潤滑油に添加された際の粘度指数を高くし省燃費性を向上させることが出来る。また、粘度指数を200以下とすることで、流動性の向上能力を高めることが出来る。
潤滑油添加剤組成物中の(C)C/O比が10以下のエステル化合物の含有量は、潤滑油添加剤組成物全量基準で、0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、3〜30質量%であることがさらに好ましく、5〜20質量%であることが特に好ましい。該含有量が0.1質量%未満の場合、潤滑油添加剤組成物のハンドリング性が損なわれて、潤滑油組成物の製造作業において良好な作業性が得られない傾向がある。一方、該含有量が50質量%を超える場合、所定の粘度指数向上効果を得るために、潤滑油組成物に配合される潤滑油添加剤組成物の量が多くなって、高い物流効率が損なわれる傾向、及び潤滑油製造コストが上昇する傾向がある。
また、本発明の潤滑油添加剤組成物の製造方法は、(A)ポリ(メタ)アクリレート系化合物と、(B)希釈剤と、(C)C/O比が10以下のエステル化合物と、を混合する工程を備える。好ましい実施形態として、下記(1)〜(3)に示す工程を備える製造方法を例示できる。
(1)50〜60℃に加温した(C)成分中に、(A)成分を添加して撹拌溶解させてプレミックスを調製し、このプレミックスを50〜60℃に加温した(B)成分中に加えて撹拌混合する。
(2)(B)成分と(C)成分との混合物を、例えば50〜60℃に加温し、その中に(A)成分を添加して撹拌溶解する。
(3)(A)成分の製造後、(A)成分を50〜60℃に加温し、加温した(A)成分の中に(B)成分及び(C)成分を添加して攪拌溶解する。
このようにして得られる本実施形態の潤滑油用添加剤組成物は、所定の性状を有する潤滑油基油に、目標性状を満足するように配合される。これによって、潤滑油用添加剤組成物と潤滑油基油とを含有する潤滑油組成物を得ることができる。本実施形態の潤滑油用添加剤組成物は、各種潤滑油組成物の粘度指数向上剤として機能する。また、この潤滑油用添加剤組成物が配合された潤滑油組成物は低温特性にも十分優れる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜4、比較例1〜5]
潤滑油添加剤組成物を作製するため、下記の原料を準備した。
(A)成分
ポリメタクリレート(非分散型、重量平均分子量:40万、PSSI:20)
(B)成分
水素化分解鉱油(100℃における動粘度:4.1mm/s、%C:0、硫黄分:0.00質量%)
(C)成分
C−1:アゼライン酸2−エチルヘキシル(C/O比6.3)
C−2:トリメチロールプロパンエステル(100℃動粘度4.3mm/s,粘度指数140,C/O比6.0)
C−3:ペンタエリスリトールとペンタン酸のエステル(100℃動粘度3.6mm/s,粘度指数113,C/O比1.9)
C−4:ネオペンチルグリコールとイソノナン酸のエステル(100℃動粘度3.1mm/s,C/O比5.8)
(D)成分(比較成分)
D−1:ネオペンチルグリコールジオレエート(100℃動粘度5.9mm/s,粘度指数206,C/O比10.3)
D−2:ステアリン酸オクチル(100℃動粘度3.1mm/s,粘度指数166,C/O比13)
D−3:オレイン酸2−エチルヘキシル(100℃動粘度2.7mm/s,粘度指数185,C/O比13)
D−4:アルキルベンゼン
上述の原料を配合して、表1に示す組成を有する潤滑油添加剤組成物を製造した。具体的には、50〜60℃に加温した(B)成分中に、(A)成分を添加して撹拌溶解させ、プレミックスを調製した。そして、50〜60℃に加温したプレミックス中に、(C)成分を加えて撹拌混合し、潤滑油添加剤組成物を製造した。
各実施例及び各比較例の潤滑油添加剤組成物の流動性を、下記に示す流動性試験によって評価した。評価結果は表1に示す通りであった。
(流動性試験)
(1)50mLビーカーに、サンプルとして製造した潤滑油添加剤組成物を7g採取し、恒温槽中で当該潤滑油添加剤組成物を40℃まで加熱した。
(2)50mLビーカーを静置し、サンプルの液面(水平面)を基準位置とした。その後、50mLビーカーを横向きに倒してからサンプルが該基準位置から水平方向に1cm及び2cm流動するまでの所要時間を測定した。
Figure 0005518312
(A)成分の含有割合をほぼ一定とした場合、実施例1〜4の潤滑油添加剤組成物は、(C)成分を添加しなかった比較例1及び(C)成分の代わりに(D)成分を添加した比較例2〜5の潤滑油添加剤組成物よりも、優れた流動性を有していた。実施例1〜4の潤滑油添加剤組成物における(A)成分の含有量は十分に高いので、潤滑油基油に添加された場合に、優れた粘度指数向上効果を示す。


Claims (4)

  1. 重量平均分子量が100000以上、700000以下のポリ(メタ)アクリレート系化合物と、希釈剤と、炭素/酸素原子数比が10以下のエステル化合物と、を含有し、
    前記エステル化合物が、2〜10価の多価アルコールと炭素数1〜20のカルボン酸とのエステル化合物、及び2〜10価の多価カルボン酸と炭素数1〜24のアルコールとのエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、潤滑油添加剤組成物。
  2. 前記エステル化合物が、2〜10価の多価アルコールと炭素数1〜17のカルボン酸とのエステル化合物である、請求項に記載の潤滑油添加剤組成物。
  3. 重量平均分子量が100000以上、700000以下のポリ(メタ)アクリレート系化合物と、希釈剤と、炭素/酸素原子数比が10以下のエステル化合物と、を混合する工程を備え
    前記エステル化合物が、2〜10価の多価アルコールと炭素数1〜20のカルボン酸とのエステル化合物、及び2〜10価の多価カルボン酸と炭素数1〜24のアルコールとのエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、潤滑油添加剤組成物の製造方法。
  4. 潤滑油基油と、請求項1又は2に記載の潤滑油添加剤組成物と、を混合する工程を備える潤滑油組成物の製造方法。
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