以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられている。
第1図柄表示装置37のLED37aは、パチンコ機10の遊技状態を点灯状態で示すものであり、パチンコ機10が確変中であるか、時短中であるか、通常中であるかの遊技状態や、変動中であるか否かが点灯状態により示される。例えば、後述する「確変大当たり」に対応した第1図柄や、「通常大当たり」に対応した第1図柄や、「外れ」に対応した第1図柄を点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。また、7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
このパチンコ機10では、大当たりの抽選結果として、第1図柄の「確変大当たり」と、第1図柄の「通常大当たり」と、第1図柄の「外れ」との3つの抽選結果が設けられている。そして、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄の「確変大当たり」であるか、第1図柄の「通常大当たり」であるか、第1図柄の「外れ」であるかが抽選される。
そして、抽選の結果、パチンコ機10が第1図柄の「確変大当たり」となった場合には、第1図柄の大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態となり、さらに、後述する第2図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64(図2参照)に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い遊技の状態となる。以後、この状態のことを、確変中(確変状態)と称する。
また、パチンコ機10が第1図柄の「通常大当たり」となった場合には、第1図柄の大当たり確率が通常の状態となり、第2図柄の当たり確率のみがアップして、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い遊技の状態となる。以後、この状態のことを、時短中(時短状態)と称し、確変中(確変状態)、及び、時短中(時短状態)以外の状態を、通常中(通常状態)と称する。
なお、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、パチンコ機10が第1図柄の「外れ」となった場合には、確変中でも時短中でもない遊技の状態(第1図柄の大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)となる。
なお、本実施の形態における第1図柄の「確変大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、次に第1図柄の大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間は、第1図柄の大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に、第2図柄の当たり確率もアップする大当たり(16R確変大当たり)のことである。
また、第1図柄の「通常大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、第1図柄の大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行し、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率のみがアップする大当たり(16R通常大当たり)のことである。
なお、本実施の形態では、第1図柄の「通常大当たり」となった場合には、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、次の第1図柄の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率のアップを継続するように構成しても良い。
また、本実施の形態では、第1図柄の「確変大当たり」又は第1図柄の「通常大当たり」となった場合には、最大ラウンド数を16ラウンドとしているが、ラウンド数は任意の数(例えば、8ラウンドや、15ラウンドなど)としても良い。また、第1図柄の「確変大当たり」と、第1図柄の「通常大当たり」とでは、ラウンド数が異なるようにしても良い。例えば、第1図柄の「確変大当たり」の場合は、最大ラウンド数を16ラウンドとし、第1図柄の「通常大当たり」の場合は、最大ラウンド数を8ラウンドとしても良い。
また、本実施の形態では、第1図柄の「確変大当たり」となった場合には、次の第1図柄の大当たりの抽選結果が決定されるまで、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しても良い。
なお、これ以後では、第1図柄の「確変大当たり」のことを単に「確変大当たり」と記載し、第1図柄の「通常大当たり」のことを単に「通常大当たり」と記載し、第1図柄の「外れ」のことを単に「外れ」と記載する。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦又は横にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている(図11参照)。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。なお、本実施の形態では、第1図柄表示装置37において主制御装置110の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示が行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において、停止図柄(確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37により示されると共に、特図保留ランプ85の点灯個数においても示される。以後、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称する。なお、特図保留ランプ85は、最大保留回数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の上方左側に配設されている。
なお、本実施の形態においては、第1入球口64への入賞が最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特図保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37において保留回数を表示するようにしても良い。なお、その場合は、特図保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施の形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(図4参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を20個としても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37のLED37aを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37aが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110から該サブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
主制御装置110は、MPU201と、バスライン204と、入出力ポート205とを有している。MPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。また、入出力ポート205には、払出制御装置111、演出制御装置117、第1図柄表示装置37、第2図柄表示部83、第2図柄保留ランプ84や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
主制御装置110のMPU201は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU201には、MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。なお、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の具体的構成については、図7を参照しつつ後述する。
ROM202は、MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、変更可能期間メモリ202aを有している。この変更可能期間メモリ202aには、第3図柄表示装置81において実行開始された変動演出の停止図柄を、別の停止図柄に変更可能な期間(以後、「変更可能期間」と称する)が格納されている。
ここで、図5(a)を参照して、主制御装置110の変更可能期間メモリ202aについて説明する。図5(a)は、主制御装置110の変更可能期間メモリ202aの内容の一例を示す概略図である。この変更可能期間メモリ202aは、第3図柄表示装置81において実行開始された変動演出の変更可能期間が格納されているメモリである。
詳細について後述するが、本実施の形態のパチンコ機10には、通常の変動演出のパターン(図8(a)参照)として、例えば、外れ変動(11秒間の演出)、ノーマルリーチ変動(20秒間の演出)、スーパーリーチ変動(40秒間の演出)、スペシャルリーチ変動(60秒間の演出)などが設けられている。なお、変動演出の全体の時間は、変動演出のパターン毎に異なるが、1つ目および2つ目の図柄列が停止するまでの時間は共通(10秒)である。
例えば、外れ変動(11秒間)と決定された変動演出では、演出が開始されたら直ぐに、3つある図柄列(Z1〜Z3、又は、Z1’〜Z3’、図11参照)がそれぞれ高速変動し、そして、1つ目の図柄列が9秒後に停止し、2つ目の図柄列が10秒後に停止し、最後の図柄列が11秒後に停止するという演出が行われる。そのため、本実施の形態では、1つ目の図柄列がまだ高速変動中である変動開始からの8秒間を変更可能期間として、変更可能期間メモリ202aに記憶している。
なお、外れ変動(11秒間)の変動演出において、8秒から9秒までの1秒間は、1つ目の図柄を高速変動から中速変動に切り替え、更に低速変動に切り替えて停止させるなどの制御処理を確実に実行させる(追従させる)ために設けられたマージン期間である。よって、制御処理の内容によっては(例えば、制御的負担が少ない場合には)、変更可能期間を9秒に近づけても良い。その場合には、変更可能期間を長く確保できるので、連続チャンス目演出を行う機会をさらに増やすことができる。
また、上述したように、本実施の形態では、変動演出のパターンに関わらず、変更可能期間を全て同一時間(8秒)としているが、変動演出のパターン毎に、それぞれ変更可能期間を変化させても良い。例えば、変動演出のパターン毎に、変動開始してから1つ目の図柄列が高速変動から中速変動に切り替わるまでの時間を変化させて、変動演出のパターン毎に、それぞれ変更可能期間を変化させても良い。
次に、図5(b)を参照して、主制御装置110のRAM203について説明する。図5(b)は、主制御装置110のRAM203の内容の一例を示す概略図である。RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
更にRAM203は、保留球格納エリア203aと、保留球実行エリア203bと、特図保留球カウンタ203cと、ワークエリア203dと、先読み用高確率状態フラグ203eと、停止図柄指示格納テーブルメモリ203fと、チャンス目連続数カウンタ203gと、変動時間カウンタ203hと、停止図柄変更可能期間フラグ203iと、チャンス目表示回数選択カウンタ203jと、擬似変動チャンス目表示数メモリ203kとを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図13参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
保留球格納エリア203aは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1(図7参照)、第1当たり種別カウンタC2(図7参照)、及び停止パターン選択カウンタC3(図7参照)の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。この保留球格納エリア203aには、第1入球口64への一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)される。なお、この保留球格納エリア203aの具体的構成については、図7を参照しつつ後述する。
また、詳細については後述するが、第1入球口64への入賞(入球)が検出されて、各カウンタC1〜C3の各値が保留球格納エリア203aに記憶(保留)される場合には、直ちに、変動演出の開始時とは別に、その記憶(保留)される各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、抽選結果および停止図柄のパターンが取得される。なお、入賞が検出されたら直ちに、変動演出の開始時とは別に、入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、抽選結果および停止図柄のパターンを取得することを、以後、抽選結果や停止図柄のパターンを先読みすると称する。
そして、先読みが終了すると直ちに、先読みされた抽選結果および停止図柄のパターンに基づいて、停止図柄を(後述する)「チャンス目(外れの停止図柄の一つ)」とする変動演出(変動表示)を連続させて、第3図柄表示装置81において行う(以後、「連続チャンス目演出」と称する)かが判定される。なお、「チャンス目」の具体例については、図12(a),(b)を参照して後述するが、本実施の形態では、「リーチチャンス目」と、「外れチャンス目」という2種類のチャンス目を設けている。
「リーチチャンス目」とは、連続チャンス目演出が行われている場合に、変動演出において外れリーチが発生したら表示される停止図柄であり、当たりとはならないが同一の図柄が3つ表示されて停止する停止図柄である。また、「外れチャンス目」とは、リーチは発生しないが同一の図柄が3つ表示されて停止する停止図柄である。なお、以後の説明において、「リーチチャンス目」及び「外れチャンス目」の両方を示す場合や、どちらか一方を示せば良い場合には、単に「チャンス目」と記載する。
本実施の形態のパチンコ機10は、まだ演出を開始していない変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更可能な上、さらに、第3図柄表示装置81において変動演出中の停止図柄を、変動演出の途中で「チャンス目」に変更可能に構成されている。よって、まだ演出を開始していない変動演出の停止図柄だけを「チャンス目」に変更する構成と比較して、変動演出中の停止図柄を「チャンス目」に変更できる分、即ち、1回多くチャンス目を表示できる。
従って、まだ演出を開始していない変動演出の停止図柄だけを「チャンス目」に変更する場合よりも、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができるので、遊技者の期待感を向上させることができる。また、停止図柄を「チャンス目」にすることで、連続チャンス目演出中であることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができる。よって、遊技への参加を遊技者に促すことができる。
保留球実行エリア203bは、大当たりの判定や、第1図柄表示装置37の表示の設定等の処理の実行時に参照されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が記憶されるメモリである。大当たりの判定や、第1図柄表示装置37の表示の設定などの処理が実行される場合には、上述した保留球格納エリア203aに記憶されている各入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)のうち、一の入賞に対応するデータが、この保留球実行エリア203bにシフトされてくる。なお、本実施の形態におけるシフトとは、データが記憶されている領域から、そのデータを別の領域へ移動させることを示す。また、この保留球実行エリア203bの具体的構成については、図7を参照しつつ後述する。
特図保留球カウンタ203cは、第1入球口64についての入賞の保留回数、即ち、特図保留球数Nを計数するカウンタである。また、特図保留球カウンタ203cは、最大値が「4」であり、RAMの初期設定(図13のS113参照)時に「0」に初期化される。なお、上述した特図保留ランプ85(図2参照)では、特図保留球数Nと同一数のランプが点灯される。より具体的には、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が変化すると、主制御装置110から演出制御装置117に対して、カウンタ値が変化した後の特図保留球数Nの値を示す保留数コマンドが送信される。演出制御装置117では、主制御装置110から送信されてくる保留数コマンドを受信した場合に、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプを特図保留ランプ85において点灯させる。
ワークエリア203dは、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2に関するデータなど(例えば、カウンタ値など)を記憶するための領域である(図7参照)。各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、このワークエリア203d内に設けられており、各カウンタの値は、ワークエリア203d内に設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。
先読み用高確率状態フラグ203eは、新たに保留される入賞のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、その抽選結果や停止図柄のパターンを先読みする場合に、大当たり確率が高確率状態であるものとして入賞のデータを解析するか、大当たり確率が低確率状態(通常の状態)であるものとして入賞のデータを解析するかを示すフラグである。また、先読み用高確率状態フラグ203eは、RAMの初期設定(図13のS113参照)時にオフに初期化される。
この先読み用高確率状態フラグ203eがオンの場合には、大当たり確率が高確率状態であるものとして入賞のデータが解析され、先読み用高確率状態フラグ203eがオフの場合には、大当たり確率が低確率状態であるものとして入賞のデータが解析される。一般的なパチンコ機では、大当たりの抽選が行われ、その抽選結果が「確変大当たり」の場合には、次に大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間、大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行する。一方、抽選結果が「通常大当たり」又は「外れ」の場合には、大当たり確率が通常の状態へと移行する。
つまり、直近の大当たりの抽選結果によって、次回の大当たり抽選の大当たり確率が決まる。そこで、本実施の形態では、新たに保留される入賞のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を、保留される際に解析し、更に、解析した抽選結果に応じて、先読み用高確率状態フラグ203eの状態を順次更新している。これにより、新たな入賞のデータが保留球格納エリア203aに記憶された後、その記憶された入賞のデータに対応する変動演出の開始時まで待って抽選結果を取得しなくても、新たな入賞のデータを取得した際に、その抽選結果を先読み用高確率状態フラグ203eの状態に基づいて解析(先読み)できる。
停止図柄指示格納テーブルメモリ203fは、停止図柄指示格納テーブルを記憶するためのメモリである。停止図柄指示格納テーブルは、実行中の変動演出、及び、実行予定の各変動演出について個別に、その変動演出が実行される際に設定すべき停止図柄を示す設定値を記憶するためのテーブルである。
ここで、図6(a)〜(c)を参照して、停止図柄指示格納テーブルについて説明する。図6(a)は、停止図柄指示格納テーブルの内容の一例を示す概略図であり、図6(b)は、停止図柄指示格納テーブルに記憶される設定値と、停止図柄との関係の一例を示す概略図であり、図6(c)は、入賞の抽選結果と、その抽選結果に応じて設定される設定値との一例を示す概略図である。
停止図柄指示格納テーブルは、実行中の変動演出、及び、実行予定の各変動演出について個別に、その変動演出が実行される際に設定すべき停止図柄を示す設定値を記憶するためのテーブルである。図6(a)に示す通り、停止図柄指示格納テーブルには、実行エリアと、第1保留エリアと、第2保留エリアと、第3保留エリアと、第4保留エリアと、次回保留エリアとが設けられている。
実行エリアには、実行中の変動演出の停止図柄を示す設定値が記憶され、第1〜第4保留エリアと、次回保留エリアとには、実行予定の変動演出が実行される際に設定すべき停止図柄の設定値が記憶される。より具体的には、第1保留エリアには、次に実行予定の変動演出、即ち、実行予定の順序が1番目の変動演出が実行される際に設定すべき停止図柄の設定値が記憶される。
以下同様に、第2保留エリアには、実行予定の順序が2番目の変動演出、第3保留エリアには、実行予定の順序が3番目の変動演出、第4保留エリアには、実行予定の順序が4番目の変動演出が実行される際に設定すべき停止図柄の設定値がそれぞれ記憶される。また、次回保留エリアには、第1〜第4保留エリアにそれぞれ設定値が記憶されている場合に限り、設定値が記憶されるエリアである。この次回保留エリアには、第4保留エリアの設定値に対応する変動演出が終了して、その次の変動演出が実行される際に設定すべき停止図柄の設定値が記憶される。
例えば、図6(a)に示すように、実行エリアには設定値として「外れ」が記憶されている。以後、設定値であることを明確にするために、設定値を示す場合には、各設定値の前に、“設定値:”を記載する。例えば、設定値が「外れ」の場合には、「設定値:外れ」と記載する。そして、第1保留エリアおよび第2保留エリアには「設定値:チャンス目」が記憶されている。以下同様に、第3保留エリアには「設定値:チャンス目&確変大当たり」が、第4保留エリアには「設定値:大当たり後スキップ」が記憶され、次回保留エリアには何も記憶されていない。
なお、詳細は図15を参照しつつ後述するが、実行エリアの設定値に対応する変動演出が終了し、次の変動演出が開始される場合には、保留データ順送り処理(図16参照)により、第1保留エリアの設定値が実行エリアへシフトされる。そして、第2〜第4保留エリアの各設定値がそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3保留エリア)へシフトされ、次回保留エリアの設定値が、第4保留エリアへシフトされる。これにより、実行エリアには、実行中の変動演出の停止図柄を示す設定値が記憶される。なお、各保留エリア(第1〜第4保留エリア、次回保留エリア)の設定値をシフトする場合には、例えば、シフト元の保留エリアに設定値が記憶されている場合にのみ行えば良い。これにより、データのシフト回数を軽減することができるので、制御的負担を軽減することができる。また、シフト元の保留エリアに設定値が記憶されているか否かに関わらず、各保留エリア(第1〜第4保留エリア、次回保留エリア)の設定値をそれぞれシフトするように構成しても良い。
次に、停止図柄指示格納テーブルに格納される設定値と、変動演出における停止図柄との関係について説明する。図6(b)は、停止図柄指示格納テーブルに記憶される設定値と、変動演出における停止図柄との関係の一例を示す概略図である。図6(b)に示す通り、本実施の形態では、設定値が8種類設けられている。具体的には、設定値として、「設定値:外れ」、「設定値:チャンス目」、「設定値:外れ後スキップ」、「設定値:大当たり後スキップ」、「設定値:初回スキップ」、「設定値:大当たり」、「設定値:チャンス目&確変大当たり」、「設定値:チャンス目&通常大当たり」とが設けられている。
停止図柄指示格納テーブルの実行エリアの設定値が「設定値:外れ」の場合に変動演出が実行されると、その変動演出の停止図柄は「チャンス目以外の外れ図柄」となり、実行エリアの設定値が「設定値:チャンス目」の場合に変動演出が実行されると、その変動演出の停止図柄が「チャンス目」となる。以下同様に、実行エリアの設定値が「設定値:外れ後スキップ」、「設定値:大当たり後スキップ」、「設定値:初回スキップ」の場合に変動演出が実行されると、その変動演出の停止図柄がそれぞれ「チャンス目以外の外れ図柄」となり、実行エリアの設定値が「設定値:大当たり」の場合に変動演出が実行されると、その変動演出の停止図柄が、「確変大当たり図柄」または「通常大当たり図柄」となる。なお、何れの大当たりの停止図柄にするかは、後述する停止図柄コマンドによって、主制御装置110から演出制御装置117へ指示される。
また、実行エリアの設定値が「設定値:チャンス目&確変大当たり」の場合に変動演出が実行されると、その変動演出では、少なくとも1回以上「チャンス目」が表示され、最終的には停止図柄が「確変大当たり図柄」となる。また、実行エリアの設定値が「設定値:チャンス目&通常大当たり」の場合に変動演出が実行されると、その変動演出では、少なくとも1回以上「チャンス目」が表示され、最終的には停止図柄が「通常大当たり図柄」となる。
次に、停止図柄指示格納テーブルに新たな設定値が記憶されるタイミングについて説明する。図6(c)は、入賞の抽選結果と、その抽選結果に応じた設定値との一例を示す概略図である。主制御装置110において、入賞が新たに検出されると、その入賞の抽選結果が先読みされ、その先読みされた抽選結果に応じた設定値が、停止図柄指示格納テーブルに新たに記憶される。その場合には、4つの保留エリア(第1〜第4保留エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号の小さい順番に設定値が記憶される。
図6(c)に示す通り、新たな入賞の抽選結果が「前後外れリーチ」、「前後以外外れリーチ」、「完全外れ」なら、「設定値:外れ」が、停止図柄指示格納テーブルに新たに記憶される。また、新たな入賞の抽選結果が、「確変大当たり」、「通常大当たり」なら、「設定値:大当たり」が、停止図柄指示格納テーブルに新たに記憶される。
なお、詳細については後述するが、新たな入賞の抽選結果が先読みされ、その先読みされた抽選結果に応じた設定値が停止図柄指示格納テーブルに記憶されると、停止図柄指示格納テーブルに記憶されている設定値の内容に応じて、停止図柄指示格納テーブルの内容が更新される(図22のS1507、S1508、S1510参照)。この更新が行われると、停止図柄指示格納テーブルに記憶されている「設定値:外れ」や、「設定値:大当たり」が、上述した8種類の設定値の何れかに変更される。
ここで、図5に戻り、説明を続ける。チャンス目連続数カウンタ203gは、停止図柄を「チャンス目」とした変動演出を連続で実行した回数を示すカウンタである。このチャンス目連続数カウンタ203gは、停止図柄を「チャンス目」とした変動演出が実行される度に1が加算され、連続チャンス目演出が終了する場合(図19のS479参照)と、RAMの初期値設定(図13のS113参照)時に「0」に初期化される。変動時間カウンタ203hは、第3図柄表示装置81において変動演出が開始されてからの経過時間が記憶されるカウンタである。
停止図柄変更可能期間フラグ203iは、第3図柄表示装置81において実行開始された変動演出の停止図柄を、別の停止図柄に変更可能な期間(即ち、変更可能期間)であるか否かを示すフラグである。この停止図柄変更可能期間フラグ203iがオンの間は、第3図柄表示装置81において実行中の変動演出の停止図柄を、別の停止図柄に変更できる(即ち、変更可能期間内である)。一方、停止図柄変更可能期間フラグ203iがオフの場合は、実行中の変動演出の停止図柄を変更できない場合であり、具体的には、変更可能期間を超えているか、変動演出が実行されていない場合などである。
チャンス目表示回数選択カウンタ203jは、例えば1〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後、1に戻る構成となっている。連続チャンス目演出中に、スーパーリーチ変動に代えてチャンス目スーパー変動A〜Dを実行する場合、又は、スペシャルリーチ変動に代えてチャンス目スペシャル変動A〜Fを実行する場合には、このチャンス目表示回数選択カウンタ203jの値が参照される。そして、チャンス目スーパー変動A〜D、又は、チャンス目スペシャル変動A〜Fの中で、参照した値と同じ回数の「チャンス目」を表示するものが選択されて実行される。
擬似変動チャンス目表示数メモリ203kは、チャンス目ノーマル変動、チャンス目スーパー変動A〜D、又は、チャンス目スペシャル変動A〜Fが実行される場合に、その変動演出における「チャンス目」の連続表示回数が記憶されるメモリである。
次に、図7を参照して、RAM203のワークエリア203d内に設けられている保留球格納エリア203aや、保留球実行エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等について説明する。図7は、各種カウンタや、保留球格納エリア203aや、保留球実行エリア203bの構成を模式的に示した模式図である。
保留球格納エリア203aや、保留球実行エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度(図14および図20参照)、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図14参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図20参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア203dに設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
図7に示すように、RAM203には、保留球格納エリア203aと、保留球実行エリア203bとが設けられている。上述した通り、保留球格納エリア203aは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。
この保留球格納エリア203aは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)で構成されている。この保留球格納エリア203aの4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3とが設けられている。各格納エリア203a1〜203a3には、各カウンタC1〜C3の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、保留球格納エリア203aの中に、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3とを設けているが、3つの各エリア203a1,203a2,203a3が必ず保留球格納エリア203aの中に設けられている必要はない。例えば、保留球格納エリア203aとは別に、新たな格納エリアを設けておき、3つの各エリア203a1,203a2,203a3のうち、一部を保留球格納エリア203aの中に設け、残りを新たな格納エリアの中に設けても良い。
上述した通り、この保留球格納エリア203aには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203bは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203bには、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3とが設けられている。
また、詳細は図15を参照しつつ後述するが、大当たりの抽選が開始される場合には、保留データ順送り処理(図16参照)により、保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が、この保留球実行エリア203bの各エリア203b1〜203b3にそれぞれシフトされる。そして、保留球実行エリア203bにシフトされたデータは、変動開始処理(図17参照)において参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定され、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37などに行われることになる。
より具体的には、大当たりの抽選が開始される場合には、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1の乱数値が、保留球実行エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1へシフトされる。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2の乱数値が、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2へシフトされ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3の乱数値が、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3へシフトされる。
そして、保留球実行エリア203bへのデータのシフトが終了すると、保留第1エリアが空き状態となるため、後述する保留データ順送り処理(図16参照)により、保留球格納エリア203aの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理が行われる。なお、本実施の形態では、保留球格納エリア203aにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、保留球格納エリア203aにおいてのデータシフトについて説明する。例えば、特図保留球カウンタ203cの値が「4」であり、保留球格納エリア203aの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203bへシフトされ、保留第1エリアが空き状態となると、他のエリア(第2〜第4)のデータがそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトされる。即ち、保留第2エリアのデータが、保留第1エリアへシフトされ、保留第3エリアのデータが、保留第2エリアへシフトされ、保留第4エリアのデータが、保留第3エリアへシフトされる。
また、例えば、特図保留球カウンタ203cの値が「2」であれば、保留第2エリアのデータのみが、保留第1エリアへシフトされ、以上でデータのシフトが終了する。上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくできるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
また、本実施の形態では、保留球格納エリア203aに記憶されているデータの数(保留数)を、特図保留数カウンタ203cにより計数しており、第1入球口64において新たな入賞が生じた場合には、特図保留数カウンタ203cが示す値(特図保留球数N)に応じた保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)に、新たな入賞に対応するデータを記憶している。
よって、保留球格納エリア203aにおいて、新たな入賞に対応するデータが、保留エリアに記憶(保留)されているデータに上書きされることがないので、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアせずに、そのまま残すことができる。従って、データのシフト後に、シフト元のエリアのデータをクリアする場合と比較して、制御的負担を軽減することができる。なお、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成しても良い。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(図20参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図14参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203aに記憶される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(大当たり確率が通常の状態)と高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)との2種類設定されており、低確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」であり、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203aに記憶される。「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる乱数の値は「1,2,3」であり、「大当たり終了後に低確率状態(通常大当たり)」となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、「確変大当たり」と「通常大当たり」との2種類の大当たりに対応した表示態様と、外れに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
なお、本実施の形態では、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されたデータに基づいて、「大当たり」および「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」と判定された場合には「確変大当たり」となり、「大当たり」および「大当たり終了後に低確率状態(通常大当たり)」と判定された場合には「通常大当たり」となる。また、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、通常大当たりか確変大当たりかを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される停止図柄(停止演出)のパターンが1つ選択される。より具体的には、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止図柄(停止演出)のパターン(動的表示の表示結果の態様)の中から、1つのパターンが選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203aに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、停止図柄のパターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられており、停止図柄のパターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止図柄のパターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留数カウンタ203cの値(特図保留球数N)等に応じて、各停止図柄のパターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」のパターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球格納エリア203aに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」のパターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
次に、3つの変動種別カウンタCS1,CS2,CS3について説明するが、まず、2つの変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
本実施の形態では、第1変動種別カウンタCS1によって、外れ変動(11秒間の演出)、ノーマルリーチ変動(20秒間の演出)、スーパーリーチ変動(40秒間の演出)、スペシャルリーチ変動(60秒間の演出)の4つの変動演出のパターンの中から、パターン(表示態様)が1つ決定される。このパターンが決定されることによって、図柄変動のおおまかな変動時間が決定される。なお、上述した通り、この4つの変動演出のパターンのことを、通常の変動演出のパターンと称する。
ここで、図8〜図10を参照して、本実施の形態に設けられている変動演出のパターンについて説明する。本実施の形態では、変動演出のパターンが15種類設けられており、上述した外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動の4つに加えて、チャンス目ノーマル変動(20秒間の演出)、チャンス目スーパー変動A〜D(各40秒間の演出)、チャンス目スペシャル変動A〜F(各60秒間の演出)が設けられている。
なお、詳細については後述するが、チャンス目ノーマル変動は、所定の条件を満たした場合にノーマルリーチ変動に代えて実行されるものであり、以後同様に、チャンス目スーパー変動A〜Dは、所定の条件を満たした場合にスーパーリーチ変動に代えて、チャンス目スペシャル変動A〜Fは、所定の条件を満たした場合にスペシャルリーチ変動に代えて実行されるものである。このチャンス目ノーマル変動、チャンス目スーパー変動A〜D、チャンス目スペシャル変動A〜Fが実行されると、その変動時間内に「チャンス目」が1回以上表示されてから停止図柄が表示される。なお、所定の条件については、図30および図31を参照して後述する。
まず、通常の変動演出のパターンについて説明する。図8(a)は、通常の変動演出のパターンと、その演出内容との一例を説明するための概略図である。図8(a)に示す通り、外れ変動では、演出(例えば、高速変動)が実行開始されてから11秒後に停止図柄が表示される。以下同様に、ノーマルリーチ変動では、演出が実行開始されてから20秒後、スーパーリーチ変動では40秒後、スペシャルリーチでは60秒後にそれぞれ停止図柄が表示される。なお、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動とはそれぞれ、リーチを発生させると共に派手な演出(以後、「リーチ変動」と称する)を行って、遊技者に有利な遊技状態への期待感を持たせるものである。
次に、チャンス目ノーマル変動について説明する。図8(b)は、チャンス目ノーマル変動と、その演出内容との一例を説明するための概略図である。チャンス目ノーマル変動(20秒間)は、ノーマルリーチ変動(20秒間)に代えて実行されるものであり、その変動時間内に「チャンス目」を1回表示するように構成されている。より具体的には、図8(b)に示す通り、チャンス目ノーマル変動は、外れ変動(11秒間)と、リーチ変動(9秒間)とにより構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」の外れ変動が実行され、続けてリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。
次に、チャンス目スーパー変動A〜Dについて説明する。図9は、チャンス目スーパー変動A〜Dと、その演出内容との一例を説明するための概略図である。チャンス目スーパー変動A〜D(各40秒間)は、スーパーリーチ変動(40秒間)に代えて実行されるものである。チャンス目スーパー変動A,Bは、その変動時間内に「チャンス目」を1回表示するように構成されており、以下同様に、チャンス目スーパー変動Cは2回、チャンス目スーパー変動Dは3回表示するように構成されている。より具体的には、図9に示す通り、チャンス目スーパー変動Aは、外れ変動(11秒間)と、リーチ変動(29秒間)とにより構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」の外れ変動が実行され、続けてリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。
以下同様に、チャンス目スーパー変動Bは、2つのノーマルリーチ変動(各20秒間)により構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」のノーマルリーチ変動が実行され、続けてもう一度、ノーマルリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。また、チャンス目スーパー変動Cは、2つの外れ変動(各10秒間)と、ノーマルリーチ変動(20秒間)とにより構成されており、実行開始されると、停止図柄が「チャンス目」の外れ変動が2回連続で実行され、続けてノーマルリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。また、チャンス目スーパー変動Dは、4つの外れ変動(各10秒間)により構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」の外れ変動が3回連続で実行され、続けてもう一度、外れ変動が実行されて停止図柄が表示される。なお、通常の外れ変動(図8(a)参照)が11秒間の演出であるのに対し、この10秒間の外れ変動では、例えば、変動開始後の高速変動の時間を1秒間短縮している。
次に、チャンス目スペシャル変動A〜Fについて説明する。図10は、チャンス目スペシャル変動A〜Fと、その演出内容との一例を説明するための概略図である。チャンス目スペシャル変動A〜F(各60秒間)は、スペシャルリーチ変動(60秒間)に代えて実行されるものである。チャンス目スペシャル変動A,Bは、その変動時間内に「チャンス目」を1回表示するように構成されており、以下同様に、チャンス目スペシャル変動C,Dは2回、チャンス目スペシャル変動Eは3回、チャンス目スペシャル変動Fは4回表示するように構成されている。より具体的には、図10に示す通り、チャンス目スペシャル変動Aは、外れ変動(11秒間)と、リーチ変動(49秒間)とにより構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」の外れ変動が実行され、続けてリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。
以下同様に、チャンス目スペシャル変動Bは、ノーマルリーチ変動(20秒間)と、スーパーリーチ変動(40秒間)とにより構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」のノーマルリーチ変動が実行され、続けてスーパーリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。また、チャンス目スペシャル変動Cは、3つのノーマルリーチ変動(各20秒間)により構成されており、実行開始されると、停止図柄が「チャンス目」のノーマルリーチ変動が2回連続で実行され、続けてもう一度、ノーマルリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。
また、チャンス目スペシャル変動Dは、2つの外れ変動(各10秒間)と、スーパーリーチ変動(40秒間)とにより構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」の外れ変動が2回連続で実行され、続けてスーパーリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。また、チャンス目スペシャル変動Eは、2つの外れ変動(各10秒間)と、2つのノーマルリーチ変動(各20秒間)とにより構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」の外れ変動が2回連続で実行され、続けて停止図柄が「チャンス目」のノーマルリーチ変動が実行される。そして最後に、ノーマルリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。また、チャンス目スペシャル変動Fは、5つの外れ変動(10秒間または16秒間)により構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」の外れ変動(16秒間)が実行され、続けて停止図柄が「チャンス目」の外れ変動(10秒間)が3回連続で実行される。そして最後にもう一度、外れ変動が実行されて停止図柄が表示される。なお、通常の外れ変動(図8(a)参照)が11秒間の演出であるのに対し、この16秒間の外れ変動では、例えば、変動開始後の高速変動の時間を5秒間延長している。
以上説明した通り、本実施の形態では、通常の変動演出(外れ変動や、ノーマルリーチ変動や、スーパーリーチ変動など)を組み合わせて「チャンス目ノーマル変動(20秒間)」や、「チャンス目スーパー変動A〜D(40秒間)」や、「チャンス目スペシャル変動(60秒間)」を構成しているので、「チャンス目ノーマル変動」や、「チャンス目スーパー変動A〜D」や、「チャンス目スペシャル変動A〜F」に応じた変動演出を実行する場合には、通常の変動演出に用いる演出用のデータを組み合わせて実行すれば良い。よって、「チャンス目ノーマル変動」や、「チャンス目スーパー変動A〜D」や、「チャンス目スペシャル変動A〜F」のためだけに、特別に演出用のデータ(後述する変動演出データ)を用意する必要がないので、後述する演出制御装置117のキャラクタROM275に記憶する変動演出データの量を抑制でき、キャラクタROM275の消費を抑制できる。
ここで、図7に戻り、説明を続ける。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。そして、変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、演出制御装置117により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。
従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。これらの変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図14参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、本実施の形態では、変動種別カウンタCS1,CS2の組み合わせによって図柄変動態様を決定しているが、第1変動種別カウンタCS1のみで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
ここで、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)と表示態様の種別とを対応付けたテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられており、変動種別カウンタCS1の値から表示態様の種別(変動演出のパターン)を選択する場合には、かかるテーブルが参照される。同様に、変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から最終停止図柄が停止するまでの変動時間(変動図柄数)を選択するためのテーブル(図示せず)も、ROM202内に設けられている。
次に、変動種別カウンタCS3について説明する。変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。
具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算(例えば、+1秒、+2秒など)したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。
なお、上記した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される予告演出の演出のパターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留数カウンタ203cの値(特図保留球数N)等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。かかるテーブル(図示せず)は、変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、ROM202内に設けられている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理(図20参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図20参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図14参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
ここで、図4に戻り説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払い出し制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図保留ランプ85におけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)や大当たり演出を制御するものである。これらの制御は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドに基づいて実行される。例えば、特図保留ランプ85におけるランプの点灯や消灯に関する制御は、主制御装置110から送信されてくる保留数コマンドに基づいて実行される。
演出制御装置117は、MPU271と、画像コントローラ274と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。入出力ポート277には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン279を介してMPU271が接続されている。また、入出力ポート277には、主制御装置110、画像コントローラ274、音声出力装置226、特図保留ランプ85、電飾部29〜33、及び、表示ランプ34などがそれぞれ接続されている。
また、画像コントローラ274には、キャラクタROM275、ビデオRAM276がそれぞれ接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
また、本実施の形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを音声ランプ制御装置で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を表示制御装置で行うように構成しても良い。
演出制御装置117のMPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273などの各種回路とが内蔵されている。
RAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、変動時間メモリ273aと、変動時間カウンタ273bと、変動開始フラグ273cと、停止図柄設定中フラグ273dと、停止図柄設定済フラグ273eとを有している。
変動時間メモリ273aは、第3図柄表示装置81において実行すべき変動演出の変動時間が記憶されるメモリである。主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドが受信されると、変動時間メモリ273aに変動時間が記憶される(図38のS1402参照)。
なお、変動パターンコマンドは、実行開始すべき変動演出のパターン(外れ変動や、ノーマルリーチ変動や、スーパーリーチ変動や、スペシャルリーチ変動等)を示すコマンドであり、演出時間加算コマンドは、実行開始すべき変動演出の予告演出のパターンを示すコマンドである。上述した通り、本実施の形態では、変動演出のパターンごとに、それぞれ変動時間が決まっており、予告演出のパターンごとに、それぞれ延長時間や短縮時間が決まっている。よって、この変動時間メモリ273aには、変動パターンコマンドに対応する変動時間と、演出時間加算コマンドに対応する延長時間(短縮時間)とを合計した時間が記憶される。
変動時間カウンタ273bは、第3図柄表示装置81において変動演出が開始されてからの経過時間が記憶されるカウンタである。変動開始フラグ273cは、第3図柄表示装置81における変動演出の開始を、主制御装置110から指示された場合にオンされ、変動演出を開始したらオフされるフラグである。具体的には、変動開始フラグ273cは、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信した場合にオンに設定され(図38のS1402参照)、第3図柄表示装置81において変動演出を開始した場合にオフに設定される(図37のS1305参照)。
停止図柄設定中フラグ273dは、第3図柄表示装置81において実行開始される(又は、実行開始された)変動演出の停止図柄を設定している最中か、否かを示すフラグである。停止図柄設定中フラグ273dがオンの場合には、実行開始される(又は、実行開始された)変動演出の停止図柄を設定している最中であることを示し、停止図柄設定中フラグ273dがオフの場合には、停止図柄の設定が終了したか、停止図柄の設定がまだ行われていないことを示す。
停止図柄設定済フラグ273eは、第3図柄表示装置81において実行開始される(又は、実行開始された)変動演出の停止図柄が設定されたか、否かを示すフラグである。この停止図柄設定済フラグ273eは、停止図柄の設定が終了するとオンに設定される。停止図柄設定済フラグ273eがオフである場合には、停止図柄の設定がまだ行われていないことを示す。
キャラクタROM275は、第3図柄表示装置81に表示する図柄(背景図柄や第3図柄や装飾図柄)などの演出用のデータが、圧縮された形式で格納されているメモリである。このキャラクタROM275には、例えば、変動演出に用いられる演出用の各種データや、第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。演出用の各種データとしては、外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動の各変動演出に用いるデータ(以後、「変動演出データ」と称する)などが該当する。
なお、上述した通り、チャンス目ノーマル変動、チャンス目スーパー変動A〜D、チャンス目スペシャル変動A〜Fの各変動演出は、外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動の各変動演出を組み合わせたものなので、チャンス目ノーマル変動、チャンス目スーパー変動A〜D、チャンス目スペシャル変動A〜Fの各変動演出のためだけに用いる変動演出データは記憶されていない。しかし、チャンス目ノーマル変動、チャンス目スーパー変動A〜D、チャンス目スペシャル変動A〜Fの各変動演出のためだけに用いる変動演出データも用意して、キャラクタROM275に記憶させておいても良い。
キャラクタROM275には、記憶するデータ量を少なくするために、上記のような演出用のデータが圧縮された状態で記憶されている。本実施の形態では、演出用のデータは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのデータが、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタROM275に記憶されている。キャラクタROM275に圧縮され記憶されている演出用のデータは、必要なものだけが読み出されて、解凍された後に、ビデオRAM276の所定の領域に書き込まれる。
ビデオRAM276は、第3図柄表示装置81に表示する演出用のデータを、解凍した状態(直ぐに使用可能な状態)で記憶するためのメモリである。ビデオRAM276は、変動演出データ記憶領域276aと、停止図柄データ記憶領域276bとを有している。
変動演出データ記憶領域276aは、第3図柄表示装置81において高速変動などの変動演出を行うための変動演出データを記憶するためのメモリであり、停止図柄データ記憶領域276bは、第3図柄表示装置81において表示する停止図柄の画像データ(以後、「停止図柄データ」と称する)を記憶するためのメモリである。
本実施の形態では、第3図柄表示装置81に表示される1回分の変動演出は、変動演出データと、停止図柄データとに基づいて行われる。詳細については後述するが、変動演出が開始されると、まず、変動演出データ(変動演出)に対応する画像が時間に応じて、第3図柄表示装置81に表示され、その後、停止図柄の表示時間となる度に、停止図柄(停止図柄データ)が表示される(図37のS1310,S1311参照)。
演出制御装置117は、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信すると、その受信したコマンドに対応する変動パターン(変動時間)の変動演出データを、キャラクタROM275から読み出して、この変動演出データ記憶領域276aに記憶する(図39のS1903〜S1905参照)。一方、主制御装置110から送信されてくる停止図柄コマンドを受信すると、その受信したコマンドに対応する停止図柄のパターンの停止図柄データを、キャラクタROM275から読み出して、この停止図柄データ記憶領域276bに記憶する(図40のS2001〜S2003参照)。
なお、各種データをキャラクタROM275から読み出し、変動演出データ記憶領域276aや、停止図柄データ記憶領域276bに記憶するのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためである。例えば、演出データをキャラクタROM275から読み出しながら第3図柄表示装置(LCD)81に表示する構成にすると、読み出すデータ量が大きい場合には読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができない場合があるからである。また、RAMに記憶する方が、表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからでもある。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208や、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧のうち、各制御装置110〜114等が必要とする電圧を各々に供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図26参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図26参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2が入力されると、RAM203におけるバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図11を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図11は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、図11(a)は、表示画面が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図であり、図11(b)は、表示画面が縦スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。
また、本実施の形態のパチンコ機10では、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」に移行する場合は、奇数番号に対応する主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たり終了後に低確率状態(通常大当たり)」に移行する場合は、偶数番号に対応する主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。
また、本実施の形態のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81に表示される変動表示の方向(縦スクロール、又は、横スクロール)は、保留球実行エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の値に応じて変化するように構成されている。
具体的には、保留球実行エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の値が偶数である場合には、図11(a)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(矢印X方向)へスクロール(横スクロール)するように変動表示される。なお、図11(a)に示すように、かかる横スクロール時には、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
一方で、保留球実行エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の値が奇数である場合には、図11(b)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって上から下(矢印Y方向)へスクロール(縦スクロール)するように変動表示される。なお、図11(b)に示すように、かかる縦スクロール時には、各図柄列は、左・中・右の3つの図柄列Z1’,Z2’,Z3’が表示される。この場合、左図柄列Z1’においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2’及び右図柄列Z1’においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図11(a)及び図11(b)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列(Z1〜Z3又はZ1’〜Z3’)毎に左・中・右又は上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、第3図柄表示装置81の表示画面には、縦スクロール時及び横スクロール時のいずれの場合も5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図11(a)に示すように、横スクロール時には、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。また、図11(b)に示すように、縦スクロール時には、上ラインL1’、中ラインL2’、下ラインL3’、右上がりラインL4’、左上がりラインL5’の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
そして、毎回の遊技に際して、縦又は横にスクロールする変動表示の停止時にいずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ(本実施の形態では、同一の主図柄の組み合わせ)が揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。なお、横スクロールの場合(図11(a))には、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、縦スクロールの場合(図11(b))には、左図柄列Z1’→右図柄列Z3’→中図柄列Z2’の順に変動表示が停止する。
次に、図12(a),(b)を参照して、第3図柄表示装置81に表示される「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」について説明する。この図12(a),(b)では、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の変動方向が横スクロールする場合の停止図柄の一例を示している。図12(a)は、第3図柄表示装置81に表示される「外れチャンス目」の一例を示す模式図であり、図12(b)は、第3図柄表示装置81に表示される「リーチチャンス目」の一例を示す模式図である。
まず、「外れチャンス目」について説明する。上述した通り、「外れチャンス目」とは、リーチは発生しないが同一の図柄が3つ表示されて停止する停止図柄である。図12(a)では、上図柄列Z1の左ラインL1と、中図柄列Z2の右ラインL3と、下図柄列Z3の中ラインL2とに、それぞれ「カメ」の図柄が表示されているが、5つの有効ラインL1〜L5の何れでも、リーチは発生していない。
本実施の形態では、このように、リーチは発生せずに、単に、同一図柄(ここでは、「カメ」)が3つ表示されている停止図柄のことを「外れチャンス目」としている。なお、図12(a)に示す一例では、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3に表示されている同一図柄が「カメ」であるが、図柄が同じであれば、他の図柄(例えば、「サメ」や「タコ」など)でも良い。
次に、「リーチチャンス目」について説明する。上述した通り、「リーチチャンス目」とは、リーチが発生した後、当たりとはならないが同一の図柄が3つ表示されて停止する停止図柄である。図12(b)では、上図柄列Z1の左ラインL1と、中図柄列Z2の中ラインL2と、下図柄列Z3の左ラインL1とに、それぞれ「カメ」の図柄が表示されている。よって、5つの有効ラインL1〜L5のうち、有効ラインL1においてリーチが発生しているが、当たりとはなっていない。
本実施の形態では、このように、リーチが発生しているが当たりとはならず、同一図柄(ここでは、「カメ」)が3つ表示されている停止図柄のことを「リーチチャンス目」としている。なお、図12(a)に示す一例と同様に、同一図柄は、図柄が同じであれば、他の図柄(例えば、「サメ」や「タコ」など)でも良い。
また、上述した図12(a)に示す「外れチャンス目」や、図12(b)に示す「リーチチャンス目」は一例であり、同一図柄の停止位置をこれに限定するものではない。例えば、上図柄列Z1の右ラインL3と、中図柄列Z2の左ラインL1と、下図柄列Z3の中ラインL2とに同一図柄表示されている場合は「外れチャンス目」である。また、上図柄列Z1の左ラインL1と、中図柄列Z2の左ラインL1と、下図柄列Z3の右ラインL3とに同一図柄表示されている場合は「リーチチャンス目」である。
次に、図13から図26のフローチャートと、図27から図31に示す表とを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図13参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図14参照)と、定期的に(本実施の形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理(図20参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図26参照)とがある。
説明の便宜上、まず始めに、図27から図29を参照して、連続チャンス目演出が開始される条件と、開始された場合に表示される「チャンス目」の連続表示回数との一例について説明する。次に、図30から図31を参照して、連続チャンス目演出において表示される「チャンス目」の連続表示回数が増加する条件と、増加した場合の最終的な「チャンス目」の連続表示回数との一例について説明する。その後、タイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
上述した通り、本実施の形態では、主制御装置110において新たな入賞が検出された場合に、入賞時の各カウンタC1〜C3の各値に対応する抽選結果が先読みされ、その抽選結果に基づいて連続チャンス目演出を行うか否かが判定される。そして、連続チャンス目演出を開始すると判定された場合には、実行中や実行予定の変動演出の停止図柄を「チャンス目」とするために、停止図柄指示格納テーブルメモリ203fの停止図柄格指示納テーブルの更新など(各エリアの設定値の更新など)が行われる。
本実施の形態では、連続チャンス目演出を行うか否かの判定は、新たな入賞の抽選結果が「確変大当たり」、「通常大当たり」又は「前後外れリーチ」の場合にだけ行われる。また、連続チャンス目演出の開始時に予定される「チャンス目」の連続表示回数は、新たな入賞の抽選結果が取得されたタイミングと、その取得された抽選結果と、停止図柄指示格納テーブルの内容との組み合わせに応じて決まる。
なお、詳細については後述するが(図30から図31参照)、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数は、連続チャンス目演出の開始時には確定しておらず増加することがある。より具体的には、連続チャンス目演出の最終的な抽選結果が「確変大当たり」又は「通常大当たり」である場合に、最後の変動演出が「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」になると、その最後の変動演出中に、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの値と同一回数の「チャンス目」が表示される。よって、この場合に、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの値が2以上なら、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数が増加することになる。
まず、図27から図29を参照して、連続チャンス目演出が開始される条件と、開始された場合に表示される「チャンス目」の連続表示回数との一例について説明する。図27から図29の各表はそれぞれ、停止図柄指示格納テーブル(図6参照)の内容の一例を示した表である。図に向かって左側(左図と称す)には、新たな入賞の抽選結果に応じた設定値が記憶された直後のテーブルの内容を示し、図に向かって右側(右図と称す)には、更新後のテーブルの内容を示している。
まず、図27について説明する。図27(a)は、停止図柄を変更可能な期間(変更可能期間)内に、抽選結果が「確変大当たり」である入賞を検出した場合の停止図柄指示格納テーブルの内容の一例を示す表である。図27(b)は、停止図柄を変更不可能な期間に、抽選結果が「確変大当たり」である入賞を検出した場合の停止図柄指示格納テーブルの内容の一例を示す表である。
図27(a)の左図の一段目は、実行エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、抽選結果が「確変大当たり」である入賞を検出し、その結果、第1保留エリアに「設定値:大当たり(確変)」が新たに記憶されたことを示している。その後、テーブルが更新されると、右図の一段目に示す通り、実行エリアには「設定値:チャンス目」が記憶される。これは、変更可能期間内に入賞を検出したからである。また、第1保留エリアには「設定値:チャンス目&確変大当たり」が記憶され、第2保留エリアには「設定値:大当たり後スキップ」が記憶される。
その結果、実行中の変動演出と、その次(1番目に実行予定)の変動演出とにおいてそれぞれ「チャンス目」が表示されるので、連続チャンス目演出において「チャンス目」が2回連続で表示される。つまり、実行中の変動演出から停止図柄が「チャンス目」となるので、実行予定の変動演出から停止図柄が「チャンス目」となるよりも、1回多く「チャンス目」が表示される。
また、左図の二段目に示す通り、実行エリアおよび第1保留エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、第2保留エリアに「設定値:大当たり(確変)」が新たに記憶されて、テーブルが更新されると、右図の2段目に示す通り、連続チャンス目演出において「チャンス目」が3回連続で表示される。以下、三段目および四段目についても同様な説明となるので、その説明を省略する。
図27(b)は、停止図柄を変更不可能な期間に、抽選結果が「確変大当たり」である入賞を検出した場合の停止図柄指示格納テーブルの内容の一例を示す表である。図27(b)の左図の一段目は、実行エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、抽選結果が「確変大当たり」である入賞を検出し、その結果、第1保留エリアに「設定値:大当たり(確変)」が新たに記憶されたことを示している。しかし、その後、テーブルが更新されても、右図の一段目に示す通り、実行エリアおよび第1保留エリアは変更されないため、この場合には、連続チャンス目演出は行われない。これは、停止図柄を変更不可能な期間に入賞を検出したので、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更できず、その結果、連続チャンス目演出を行えないからである。
また、左図の二段目に示す通り、実行エリアおよび第1保留エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、第2保留エリアに「設定値:大当たり(確変)」が新たに記憶されて、テーブルが更新されると、右図の2段目に示す通り、実行エリアは変更されず、第1保留エリアには「設定値:チャンス目」が記憶され、第2保留エリアには「設定値:チャンス目&確変大当たり」が記憶され、第3保留エリアには「設定値:大当たり後スキップ」が記憶される。
その結果、実行中の変動演出では「チャンス目以外の外れ図柄」が表示され、実行中の次(1番目に実行予定)の変動演出と、2番目に実行予定の変動演出とにおいてそれぞれ「チャンス目」が表示される。よって、連続チャンス目演出において「チャンス目」が2回連続で表示される。以下、三段目および四段目についても同様な説明となるので、その説明を省略する。
次に、図28について説明する。図28(a)は、停止図柄を変更可能な期間(変更可能期間)内に、抽選結果が「通常大当たり」である入賞を検出した場合の停止図柄指示格納テーブルの内容の一例を示す表である。図28(b)は、停止図柄を変更不可能な期間に、抽選結果が「通常大当たり」である入賞を検出した場合の停止図柄指示格納テーブルの内容の一例を示す表である。
図28(a)の左図の一段目は、実行エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、抽選結果が「通常大当たり」である入賞を検出し、その結果、第1保留エリアに「設定値:大当たり(通常)」が新たに記憶されたことを示している。その後、テーブルが更新されると、右図の一段目に示す通り、実行エリアには「設定値:チャンス目」が記憶される。これは、変更可能期間内に入賞を検出したからである。また、第1保留エリアには「設定値:チャンス目&通常大当たり」が記憶され、第2保留エリアに「設定値:大当たり後スキップ」が記憶される。
その結果、図28(a)の一段目の場合と同様に、実行中の変動演出と、その次(1番目に実行予定)の変動演出とにおいてそれぞれ「チャンス目」が表示されるので、連続チャンス目演出において「チャンス目」が2回連続で表示される。つまり、実行中の変動演出から停止図柄が「チャンス目」となるので、実行予定の変動演出から停止図柄が「チャンス目」となるよりも、1回多く「チャンス目」が表示される。以下、二段目および三段目については同様な説明となるので、その説明を省略する。
また、左図の四段目に示す通り、実行エリアから第3保留エリアまでの各エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、第4保留エリアに「設定値:大当たり(通常)」が新たに記憶されて、テーブルが更新されると、右図の四段目に示す通り、実行エリアは変更されず、第1保留エリアから第3保留エリアまでの各エリアには「設定値:チャンス目」が記憶される。また、第4保留エリアには「設定値:チャンス目&通常大当たり」が記憶され、次回保留エリアには「設定値:大当たり後スキップ」が記憶される。
その結果、実行中の変動演出では「チャンス目以外の外れ図柄」が表示され、実行中の次(1番目に実行予定)から4番目に実行予定までの各変動演出においてそれぞれ「チャンス目」が表示される。よって、連続チャンス目演出において「チャンス目」が4回連続で表示される。なお、この場合に、実行中の変動演出の停止図柄が「チャンス目」とならないのは、連続チャンス目演出が実行され、その最終的な抽選結果が「通常大当たり」となる場合には、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数を最大4回までに制限しているためである。
図28(b)は、停止図柄を変更不可能な期間に、抽選結果が「通常大当たり」である入賞を検出した場合の停止図柄指示格納テーブルの内容の一例を示す表である。図28(b)の左図の一段目は、実行エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、抽選結果が「通常大当たり」である入賞を検出し、その結果、第1保留エリアに「設定値:大当たり(通常)」が新たに記憶されたことを示している。しかし、その後、テーブルが更新されても、右図の一段目に示す通り、実行エリアおよび第1保留エリアは変更されないため、この場合には、連続チャンス目演出は行われない。
これは、図28(b)の一段目の場合と同様な理由によるものであり、停止図柄を変更不可能な期間に入賞を検出したので、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更できず、その結果、連続チャンス目演出を行えないからである。
また、左図の二段目に示す通り、実行エリアおよび第1保留エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、第2保留エリアに「設定値:大当たり(通常)」が新たに記憶されて、テーブルが更新されると、右図の2段目に示す通り、実行エリアは変更されず、第1保留エリアには「設定値:チャンス目」が記憶され、第2保留エリアには「設定値:チャンス目&通常大当たり」が記憶され、第3保留エリアには「設定値:大当たり後スキップ」が記憶される。
その結果、実行中の変動演出では「チャンス目以外の外れ図柄」が表示され、実行中の次(1番目に実行予定)の変動演出と、2番目に実行予定の変動演出とにおいてそれぞれ「チャンス目」が表示される。よって、連続チャンス目演出において「チャンス目」が2回連続で表示される。以下、三段目および四段目についても同様な説明となるので、その説明を省略する。
次に、図29について説明する。図29は、変更可能期間であるか否かに関わらず、抽選結果が「前後外れリーチ」である入賞を検出した場合の停止図柄指示格納テーブルの内容の一例を示す表である。
図29の左図の一段目は、実行エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、抽選結果が「前後外れリーチ」である入賞を検出し、その結果、第1保留エリアに「設定値:外れ(前後外れ)」が新たに記憶されたことを示している。しかし、その後、テーブルが更新されても、右図の一段目に示す通り、実行エリアおよび第1保留エリアは変更されないため、この場合には、連続チャンス目演出は行われない。
これは、抽選結果が「前後外れリーチ」である入賞を検出した場合には、変更可能期間であるか否かに関わらず、実行中の変動演出の停止図柄を変更しないからであり、その結果、連続チャンス目演出を行えないからである。
また、左図の二段目に示す通り、実行エリアおよび第1保留エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、第2保留エリアに「設定値:外れ(前後外れ)」が新たに記憶されて、テーブルが更新されると、右図の2段目に示す通り、実行エリアは変更されず、第1保留エリアおよび第2保留エリアには「設定値:チャンス目」が記憶され、第3保留エリアには「設定値:外れ後スキップ」が記憶される。
その結果、実行中の変動演出では「チャンス目以外の外れ図柄」が表示され、実行中の次(1番目に実行予定)の変動演出と、2番目に実行予定の変動演出とにおいてそれぞれ「チャンス目」が表示される。よって、連続チャンス目演出において「チャンス目」が2回連続で表示される。以下、三段目についても同様な説明となるので、その説明を省略する。
また、左図の四段目に示す通り、実行エリアから第3保留エリアまでの各エリアに「設定値:外れ」が記憶されている場合に、第4保留エリアに「設定値:外れ(前後外れ)」が新たに記憶されて、テーブルが更新されると、右図の四段目に示す通り、実行エリアは変更されず、第1保留エリアには「設定値:初回スキップ」が記憶され、第2保留エリアから第4保留エリアまでの各エリアには「設定値:チャンス目」が記憶され、次回保留エリアには「設定値:外れ後スキップ」が記憶される。
その結果、実行中、及び、その次(1番目に実行予定)の変動演出では「チャンス目以外の外れ図柄」が表示され、2番目に実行予定から4番目に実行予定までの各変動演出においてそれぞれ「チャンス目」が表示される。よって、連続チャンス目演出において「チャンス目」が3回連続で表示される。なお、この場合に、1番目に実行予定の変動演出の停止図柄が「チャンス目」とならないのは、連続チャンス目演出が実行され、その最終的な抽選結果が「前後外れリーチ」となる場合には、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数を最大3回までに制限しているためである。
以上説明した通り、本実施の形態では、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数の最大値を、「確変大当たり(制限なし)」の場合と、「通常大当たり(最大4回連続まで)」の場合と、「前後外れリーチ(最大3回連続まで)」の場合とで異なるように構成している。これにより、遊技者は、連続チャンス目演出が実行されると、「チャンス目」の連続表示回数に応じて一喜一憂することになるので、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
次に、図30から図31を参照して、連続チャンス目演出において表示される「チャンス目」の連続表示回数が増加する条件と、増加した場合の最終的な「チャンス目」の連続表示回数との一例について説明する。
図30から図31の各表はそれぞれ、連続チャンス目演出中に実行される各変動演出の停止図柄の内容の一例を示す表である。図に向かって左側(左図と称す)には、連続チャンス目演出の開始時に予定された各変動演出の停止図柄の内容を示し、図に向かって右側(右図と称す)には、予定が変更された後の各変動演出の停止図柄の内容を示している。
上述した通り、連続チャンス目演出の最終的な抽選結果が「確変大当たり」又は「通常大当たり」である場合に、最後の変動演出が「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」になると、その最後の変動演出中に、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの値と同一回数の「チャンス目」が表示される。よって、この場合に、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの値が2以上なら、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数が増加することになる。
まず、図30について説明する。図30(a)は、連続チャンス目演出の最終的な抽選結果が「確変大当たり」の場合に、その最後の変動演出のパターンが「スーパーリーチ変動(40秒間)」となり、その結果、表示予定の停止図柄の内容が変更された場合の変更内容の一例を示す表である。図30(b)は、連続チャンス目演出の最終的な抽選結果が「通常大当たり」の場合に、最後の変動演出のパターンが「スーパーリーチ変動(40秒間)」となり、その結果、表示予定の停止図柄の内容が変更された場合の変更内容の一例を示す表である。
図30(a)の左図の一段目は、連続チャンス目演出の開始時に「チャンス目」の連続表示回数が2回と予定されたことを示しており、通常であれば、連続チャンス目演出の開始後、1回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、2回目の変動演出では「チャンス目」の後に、「確変大当たり図柄」が表示されることを示している。なお、図30および図31の図中では、一の変動演出において、「チャンス目」の後に「確変大当たり図柄」が表示されることを、「チャンス目+確変大当たり」と記載している。また、「通常大当たり図柄」についても同様に記載している。
ここで、最後(2回目)の変動演出のパターンが「スーパーリーチ変動」となると、その「スーパーリーチ変動」に代えて、「チャンス目スーパー変動A〜D」(図9参照)の何れかが実行される。すると、右図の一段目に示す通り、最後の変動演出では「チャンス目」が最大3回表示され、その後、「確変大当たり図柄」が表示される。なお、最後の変動演出における「チャンス目」の表示回数は、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの値によって決定される。例えば、チャンス目表示回数選択カウンタ203jを参照した際の値が「2」であれば、最後の変動演出における「チャンス目」の表示回数が2回となる。
その結果、1回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、2回目の変動演出では「チャンス目」が最大3回表示される。よって、連続チャンス目演出において「チャンス目」が最大4回連続で表示される。
また、左図の二段目に示す通り、通常であれば、連続チャンス目演出の開始後、1回目および2回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、3回目の変動演出では「チャンス目」の後に、「確変大当たり図柄」が表示される場合に、最後(3回目)の変動演出のパターンが「スーパーリーチ変動」となると、右図の二段目に示す通りとなる。
即ち、最後の変動演出では「チャンス目」が最大3回表示され、その後、「確変大当たり図柄」が表示される。よって、連続チャンス目演出の開始時に3回連続と予定されていた「チャンス目」が、最大5回連続で表示される。以下、三段目および四段目についても同様な説明となるので、その説明を省略する。
図30(b)は、連続チャンス目演出の最終的な抽選結果が「通常大当たり」の場合に、最後の変動演出のパターンが「スーパーリーチ変動(40秒間)」となり、その結果、表示予定の停止図柄の内容が変更された場合の変更内容の一例を示している。図30(b)の左図の一段目は、連続チャンス目演出の開始時に「チャンス目」の連続表示回数が2回と予定されたことを示しており、通常であれば、連続チャンス目演出の開始後、1回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、2回目の変動演出では「チャンス目」の後に、「通常大当たり図柄」が表示されることを示している。
ここで、最後(2回目)の変動演出のパターンが「スーパーリーチ変動」となると、その「スーパーリーチ変動」に代えて、「チャンス目スーパー変動A〜D」(図9参照)の何れかが実行される。すると、右図の一段目に示す通り、最後の変動演出では「チャンス目」が最大3回表示され、その後、「通常大当たり図柄」が表示される。なお、上述した通り、最後の変動演出における「チャンス目」の表示回数は、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの値によって決定される。
その結果、1回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、2回目の変動演出では「チャンス目」が最大3回表示される。よって、連続チャンス目演出において「チャンス目」が最大4回連続で表示される。
また、左図の二段目に示す通り、通常であれば、連続チャンス目演出の開始後、1回目および2回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、3回目の変動演出では「チャンス目」の後に、「通常大当たり図柄」が表示される場合に、最後(3回目)の変動演出のパターンが「スーパーリーチ変動」となると、右図の二段目に示す通りとなる。
即ち、最後の変動演出では「チャンス目」が最大2回表示され、その後、「通常大当たり図柄」が表示される。よって、連続チャンス目演出の開始時に3回連続と予定されていた「チャンス目」が、最大4回連続で表示される。なお、この場合に、最後の変動演出において「チャンス目」が最大3回表示とならないのは、連続チャンス目演出が実行され、その最終的な抽選結果が「通常大当たり」となる場合には、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数を最大4回までに制限しているためである。以下、三段目および四段目についても同様な説明となるので、その説明を省略する。
次に、図31について説明する。図31(a)は、連続チャンス目演出の最終的な抽選結果が「確変大当たり」の場合に、その最後の変動演出のパターンが「スペシャルリーチ変動(60秒間)」となり、その結果、表示予定の停止図柄の内容が変更された場合の変更内容の一例を示す表である。図31(b)は、連続チャンス目演出の最終的な抽選結果が「通常大当たり」の場合に、最後の変動演出のパターンが「スペシャルリーチ変動(60秒間)」となり、その結果、表示予定の停止図柄の内容が変更された場合の変更内容の一例を示す表である。
図31(a)の左図の一段目は、連続チャンス目演出の開始時に「チャンス目」の連続表示回数が2回と予定されたことを示しており、通常であれば、連続チャンス目演出の開始後、1回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、2回目の変動演出では「チャンス目」の後に、「確変大当たり図柄」が表示されることを示している。
ここで、最後(2回目)の変動演出のパターンが「スペシャルリーチ変動」となると、その「スペシャルリーチ変動」に代えて、「チャンス目スペシャル変動A〜F」(図10参照)の何れかが実行される。すると、右図の一段目に示す通り、最後の変動演出では「チャンス目」が最大4回表示され、その後、「確変大当たり図柄」が表示される。なお、上述した通り、最後の変動演出における「チャンス目」の表示回数は、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの値によって決定される。例えば、チャンス目表示回数選択カウンタ203jを参照した際の値が「3」であれば、「チャンス目」の表示回数が3回となる。
その結果、1回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、2回目の変動演出では「チャンス目」が最大4回表示される。よって、連続チャンス目演出において「チャンス目」が最大5回連続で表示される。
また、左図の二段目に示す通り、通常であれば、連続チャンス目演出の開始後、1回目および2回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、3回目の変動演出では「チャンス目」の後に、「確変大当たり図柄」が表示される場合に、最後(3回目)の変動演出のパターンが「スペシャルリーチ変動」となると、右図の二段目に示す通りとなる。
即ち、最後の変動演出では「チャンス目」が最大4回表示され、その後、「確変大当たり図柄」が表示される。よって、連続チャンス目演出の開始時に3回連続と予定されていた「チャンス目」が、最大6回連続で表示される。以下、三段目および四段目についても同様な説明となるので、その説明を省略する。
図31(b)は、連続チャンス目演出の最終的な抽選結果が「通常大当たり」の場合に、最後の変動演出のパターンが「スペシャルリーチ変動(60秒間)」となり、その結果、表示予定の停止図柄の内容が変更された場合の変更内容の一例を示している。図31(b)の左図の一段目は、連続チャンス目演出の開始時に「チャンス目」の連続表示回数が2回と予定されたことを示しており、通常であれば、連続チャンス目演出の開始後、1回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、2回目の変動演出では「チャンス目」の後に、「通常大当たり図柄」が表示されることを示している。
ここで、最後(2回目)の変動演出のパターンが「スペシャルリーチ変動」となると、その「スペシャルリーチ変動」に代えて、「チャンス目スペシャル変動A〜F」(図10参照)の何れかが実行される。すると、右図の一段目に示す通り、最後の変動演出では「チャンス目」が最大3回表示され、その後、「通常大当たり図柄」が表示される。なお、上述した通り、最後の変動演出における「チャンス目」の表示回数は、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの値によって決定される。
また、この場合に、最後の変動演出において「チャンス目」が最大4回表示とならないのは、連続チャンス目演出が実行され、その最終的な抽選結果が「通常大当たり」となる場合には、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数を最大4回までに制限しているためである。
その結果、1回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、2回目の変動演出では「チャンス目」が最大3回表示される。よって、連続チャンス目演出において「チャンス目」が最大4回連続で表示される。
また、左図の二段目に示す通り、通常であれば、連続チャンス目演出の開始後、1回目および2回目の変動演出では「チャンス目」が表示され、3回目の変動演出では「チャンス目」の後に、「通常大当たり図柄」が表示される場合に、最後(3回目)の変動演出のパターンが「スペシャルリーチ変動」となると、右図の二段目に示す通りとなる。
即ち、最後の変動演出では「チャンス目」が最大2回表示され、その後、「通常大当たり図柄」が表示される。よって、連続チャンス目演出の開始時に3回連続と予定されていた「チャンス目」が、最大4回連続で表示される。
なお、この場合に、最後の変動演出において「チャンス目」が最大4回表示とならないのも、上述した通り、連続チャンス目演出が実行され、その最終的な抽選結果が「通常大当たり」となる場合には、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数を最大4回までに制限しているためである。以下、三段目および四段目についても同様な説明となるので、その説明を省略する。
以上説明した通り、本実施の形態では、連続チャンス目演出の最終的な抽選結果が「確変大当たり」又は「通常大当たり」である場合に、最後の変動演出が「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」になったら、「チャンス目」の連続表示回数を増加させる構成としている。これにより、遊技者は、連続チャンス目演出が実行されると、「チャンス目」の連続表示回数に応じて一喜一憂することになるので、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。なお、「チャンス目」の連続表示回数を増加させる変動演出を、最後の変動演出に限らなくても良く、連続チャンス目演出における変動演出であれば、どのタイミングの変動演出でも良い。また、「チャンス目」の連続表示回数を増加させる変動演出を1つの変動演出に限らず、複数の変動演出で行っても良い。
次に、図13から図26のフローチャートについて説明する。まず、タイマ割込処理(図20参照)とNMI割込処理(図26参照)とを説明し、その後立ち上げ処理(図13参照)とメイン処理(図14参照)とを説明する。
図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図20は、主制御装置110のタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、MPU201により例えば2ms周期で繰り返し実行される処理である。タイマ割込処理では、まず、各種スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。ここでは、例えば、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込み、各種の入賞口(一般入賞口63、特定入賞口65a、第1入球口64など)に設けられているスイッチにおいて入賞が検出されている場合には、当該入賞口に対応する賞球数の球を払出制御装置111により払い出しさせるための賞球コマンドを、RAM203の所定領域に設定(記憶)する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている第1初期値乱数カウンタバッファに記憶する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のワークエリア203dに設けられている第2初期値乱数カウンタバッファに記憶する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている各カウンタC1〜C4に対応するバッファに記憶する。
次に、RAM203のチャンス目表示回数選択カウンタ203jの更新を実行する(S504)。具体的には、チャンス目表示回数選択カウンタ203jに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値(本実施形態では4)に達した際、1にリセットする。
そして、RAM203の停止図柄変更可能期間フラグ203iがオンであるかを判定し(S505)、停止図柄変更可能期間フラグ203iがオンの場合には(S505:Yes)、RAM203の変動時間カウンタ203hを更新する(S506)。なお、上述した通り、停止図柄変更可能期間フラグ203iは、実行中の変動演出の停止図柄を変更可能な期間内だけオンされるフラグであるので、フラグがオンなら必ず変動演出が実行されている。
次に、変動時間カウンタ203hの値が、ROM202の変更可能期間メモリ202aの値を超えたかを判定し(S507)、変動時間カウンタ203hの値が、変更可能期間メモリ202aの値を超えた場合には(S507:Yes)、実行中の変動演出の停止図柄を変更不可能な期間になったので、停止図柄変更可能期間フラグ203iをオフに設定し(S508)、変動時間カウンタ203hによる変動時間のカウントを停止する(S509)。
一方、S507の処理において、変動時間カウンタ203hの値が、変更可能期間メモリ202aの値を超えていない場合には(S507:No)、S508〜S509の各処理をスキップして、S510の処理へ移行する。また、S505の処理において、停止図柄変更可能期間フラグ203iがオフである場合には(S505:No)、上述したS506〜S509の各処理をスキップして、S510の処理へ移行する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S510)、発射制御処理を実行して(S511)、タイマ割込処理を終了する。なお、始動入賞処理については、図21を参照して後述する。また、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示しない)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S510)について説明する。図21は、始動入賞処理(S510)を示すフローチャートである。始動入賞処理(S510)は、第1入球口64への入賞を検出した場合に、その入賞に応じたデータを保留球格納エリア203aに記憶(保留)すると共に、その入賞の抽選結果に応じた設定値を停止図柄指示格納テーブルメモリ203fに記憶するための処理であり、上記したタイマ割込処理(図20参照)の中で実行される処理である。
この始動入賞処理(S510)では、まず、第1入球口スイッチ208aの状態(オンまたはオフ)を読み取り、球が第1入球口64に入賞(入球)したか否かを判定する(S651)。S651の処理において、第1入球口スイッチ208aの状態がオフであり、第1入球口64への入賞がないと判定された場合には(S651:No)、何も行うことなく、この始動入賞処理(S510)を終了してタイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
一方で、第1入球口スイッチ208aの状態がオンであり、球が第1入球口64に入賞(入球)したと判定された場合には(S651:Yes)、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が、予め規定されている上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する(S652)。
S652の処理において、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が4である場合、即ち、既に上限値に到達している場合には(S652:No)、S653〜S662の各処理をスキップし、この始動入賞処理(S510)を終了して、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。一方、S652の処理において、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が4未満であれば(S652:Yes)、特図保留球カウンタ203cに1を加算する(S653)。
次に、タイマ割込処理(図20参照)におけるS503の処理により更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、特図保留球数Nに応じたエリアの中の各格納エリア203a1〜203a3に記憶する(S654)。
例えば、S653の処理により更新された特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)が「1」である場合には、保留第1エリアの各格納エリア203a1〜203a3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。即ち、特図保留球数Nが「X」であれば、保留第Xエリアの各格納エリア203a1〜203a3に、各カウンタC1〜C3の各値をそれぞれ記憶する。
次に、記憶した各カウンタC1〜C3の各値と、先読み用高確率状態フラグ203eの状態とに基づいて、新たな入賞の抽選結果を取得する(S655)。より具体的には、先読み用高確率状態フラグ203eがオンなら、大当たり確率が高確率状態であるとして、記憶した各カウンタC1〜C3の各値を解析し、先読み用高確率状態フラグ203eがオフなら、大当たり確率が低確率状態であるとして、記憶した各カウンタC1〜C3の各値を解析する。そして、抽選結果として、「大当たり」又は「外れ」であるかと、大当たりの場合なら「確変大当たり」又は「通常大当たり」であるかと、外れの場合なら停止図柄が「前後外れリーチ」、「前後外れ以外リーチ」又は「完全外れ」であるかとを取得する(先読みする)。
そして、停止図柄指示格納テーブル更新処理を実行する(S656)。なお、停止図柄指示格納テーブル更新処理については、図22を参照して後述するが、取得した抽選結果に応じた設定値を、停止図柄指示格納テーブルに記憶するための処理である。
この停止図柄指示格納テーブル更新処理(S656)が終了したら、新たな入賞の抽選結果が大当たりであるかを判定し(S657)、新たな入賞の抽選結果が大当たりの場合には(S657:Yes)、その大当たりが確変大当たりであるかを判定する(S658)。そして、大当たりが確変大当たりの場合には(S658:Yes)、先読み用高確率状態フラグ203eをオンに設定し(S659)、大当たりが通常大当たりの場合には(S658:No)、先読み用高確率状態フラグ203eをオフに設定する(S660)。一方、S657の処理において、新たな入賞の抽選結果が外れの場合には(S657:No)、S658〜S660の各処理をスキップして、S661の処理へ移行する。
次に、保留数コマンドを設定する(S661)。ここでは、特図保留数カウンタ203cの値(特図保留球数N)を示す保留数コマンドを設定する。ここで設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図14参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
次に、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37におけるLED37aを点灯させ、新たな保留回数を点灯状態により示す(S662)。S662の処理が終了したら、この始動入賞処理(S510)を終了してタイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
以上の図21の始動入賞処理(S510)によれば、第1入球口スイッチ208aにより、第1入球口64への入賞が検出された場合に、その入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を、保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、保留球格納エリア203aにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。
また、第1入球口64への入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)の抽選結果を先読みし、その抽選結果に応じた設定値を、停止図柄指示格納テーブルに記憶することができる。また、新たな入賞に対応するデータの抽選結果を先読み(取得)する度に、その抽選結果に基づいて、先読み用高確率状態フラグ203eの状態を更新できる。よって、その新たな入賞に対応する変動演出の開始時まで待って抽選結果を取得しなくても、新たな入賞のデータを取得した際に、その抽選結果を先読み用高確率状態フラグ203eの状態に基づいて解析(先読み)できる。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される停止図柄指示格納テーブル更新処理(S656)について説明する。図22は、主制御装置110の停止図柄指示格納テーブル更新処理(S656)を示すフローチャートである。停止図柄指示格納テーブル更新処理(S656)は、新たな入賞の抽選結果に応じた設定値を、停止図柄指示格納テーブルに記憶するための処理であり、入賞を検出する度に実行される処理である。なお、上述した始動入賞処理(図21参照)の中で実行される処理である。
この停止図柄指示格納テーブル更新処理(S656)では、まず、新たな入賞の抽選結果が「外れ」であるかを判定する(S1501)。この新たな入賞の抽選結果とは、図21のS655の処理で取得された抽選結果であり、具体的には、「大当たり」又は「外れ」であるかや、大当たりの場合なら「確変大当たり」又は「通常大当たり」であるかや、外れの場合なら停止図柄が「前後外れリーチ」、「前後外れ以外リーチ」又は「完全外れ」である。
S1501の処理において、新たな入賞の抽選結果が「外れ」である場合には(S1501:Yes)、停止図柄指示格納テーブルメモリ203fの停止図柄指示格納テーブルの中で、今回の入賞の設定値を記憶するエリアの設定値を取得する(S1502)。次に、取得した設定値が「設定値:当たり後スキップ」、又は、「設定値:外れ後スキップ」であるかを判定し(S1503)、取得した設定値が「設定値:当たり後スキップ」、又は、「設定値:外れ後スキップ」である場合には(S1503:Yes)、既に設定値が設定されている場合なので、何もせずにS1505の処理へ移行する。
一方、取得した設定値が「設定値:当たり後スキップ」、又は、「設定値:外れ後スキップ」でない場合には(S1503:No)、まだ設定値が設定されていない場合なので、S1504の処理へ移行する。また、S1501の処理において、新たな入賞の抽選結果が「当たり」の場合には(S1501:No)、S1504の処理へ移行する。
S1504の処理では、新たな入賞の抽選結果に応じた設定値を、停止図柄指示格納テーブルの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)のうち、特図保留球カウンタ203cの値に応じたエリアに記憶する(S1504)。例えば、特図保留球カウンタ203cの値が「1」である場合には、第1保留エリアに、新たな入賞の抽選結果に応じた設定値を記憶する。即ち、特図保留球カウンタ203cの値が「X」であれば、第X保留エリアに、新たな入賞の抽選結果に応じた設定値を記憶する。
なお、新たな入賞の抽選結果に応じた設定値とは、図6(c)を参照して上述した通り、入賞の抽選結果が「前後外れリーチ」、「前後以外外れリーチ」、「完全外れ」なら、「設定値:外れ」であり、入賞の抽選結果が「確変大当たり」、「通常大当たり」なら、「設定値:大当たり」である。
次に、新たな入賞の抽選結果が「大当たり」であるかを判定し(S1505)、新たな入賞の抽選結果が「大当たり」である場合には(S1505:Yes)、それが「確変大当たり」であるかを判定する(S1506)。新たな入賞の抽選結果が「確変大当たり」である場合には(S1506:Yes)、確変大当たり入賞処理を実行して(S1507)、この停止図柄指示格納テーブル更新処理を終了し、始動入賞処理(図21参照)へ戻る。なお、確変大当たり入賞処理については、図23を参照して後述するが、最終的な抽選結果が「確変大当たり」である連続チャンス目演出を開始するかを、停止図柄指示格納テーブルの内容に基づいて決定するための処理である。
一方、S1506の処理において、新たな入賞の抽選結果が「通常大当たり」である場合には(S1506:No)、通常大当たり入賞処理を実行して(S1508)、この停止図柄指示格納テーブル更新処理を終了し、始動入賞処理(図21参照)へ戻る。なお、通常大当たり入賞処理については、図24を参照して後述するが、最終的な抽選結果が「通常大当たり」である連続チャンス目演出を開始するかを、停止図柄指示格納テーブルの内容に基づいて決定するための処理である。
また、S1505の処理において、新たな入賞の抽選結果が「外れ」の場合には(S1505:No)、それが「前後外れリーチ」であるかを判定する(S1509)。抽選結果が「前後外れリーチ」である場合には(S1509:Yes)、前後外れリーチ入賞処理を実行して(S1510)、この停止図柄指示格納テーブル更新処理を終了し、始動入賞処理(図21参照)へ戻る。なお、前後外れリーチ入賞処理については、図25を参照して後述するが、最終的な抽選結果が「外れ(チャンス目)」である連続チャンス目演出を開始するかを、停止図柄指示格納テーブルの内容に基づいて決定するための処理である。
一方、S1509の処理において、新たな入賞の抽選結果が「前後外れリーチ」でない場合には(S1509:No)、何もせずに、この停止図柄指示格納テーブル更新処理を終了し、始動入賞処理(図21参照)へ戻る。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される確変大当たり入賞処理(S1507)について説明する。図23は、主制御装置110の確変大当たり入賞処理(S1507)を示すフローチャートである。確変大当たり入賞処理(S1507)は、最終的な抽選結果が「確変大当たり」である連続チャンス目演出を開始するかを、停止図柄指示格納テーブルの内容に基づいて決定するための処理であり、上述した停止図柄指示格納テーブル更新処理(図22参照)の中で実行される処理である。
この確変大当たり入賞処理(S1507)では、まず、停止図柄指示格納テーブルメモリ203fの停止図柄指示格納テーブル(図27の左図参照)の各設定値を取得する(S1601)。次に、停止図柄指示格納テーブル全体(実行エリアも含む)で、前回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、前方のエリアに続く「設定値:外れ」の数を計数して、外れ連続数とする(S1602)。
なお、ここでの「前方のエリア」とは、実行エリアに近づく方向のエリアを示す。具体的には、各エリアは、「次回保留エリア」→「第4保留エリア」→「第3保留エリア」→「第2保留エリア」→「第1保留エリア」→「実行エリア」という順で、前方に続いているものとする(図27参照)。
次に、計数した「設定値:外れ」の中で、実行エリアの設定値が最前の「設定値:外れ」であるかを判定し(S1603)、計数した「設定値:外れ」の中で、実行エリアの設定値が最前の「設定値:外れ」である場合は(S1603:Yes)、実行中の変動演出の停止図柄を変更する可能性がある。よって、この場合は、まず、「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」の実行中であるかを判定する(S1604)。一方、計数した「設定値:外れ」の中で、実行エリアの設定値が最前の「設定値:外れ」でない場合は(S1603:No)、実行予定(未実行)の変動演出の停止図柄だけを変更する場合であるので、S1609の処理へ移行する。
S1604の処理において、「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」の実行中である場合は(S1604:Yes)、連続チャンス目演出の開始よりも、実行中の変動演出(即ち、リーチ演出)の継続を優先させる。そこで、S1609の処理へ移行する。これは、連続チャンス目演出よりも、「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」のリーチ演出の方が、一般的に遊技価値の高い演出となるからである。
一方、S1604の処理において、「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」を実行していない場合は(S1604:No)、実行中の変動演出の停止図柄を変更する可能性があるので、次に、停止図柄変更可能期間フラグ203iがオンであるかを判定する(S1605)。停止図柄変更可能期間フラグ203iがオフである場合は(S1605:No)、実行中の変動演出の停止図柄を変更不可能な期間であるので、S1609の処理へ移行する。
一方、S1605の処理において、停止図柄変更可能期間フラグ203iがオンである場合は(S1605:Yes)、実行中の変動演出の停止図柄を変更する場合である。この場合は、直ちに、停止図柄変更コマンドを演出制御装置117へ出力する(S1606)。なお、停止図柄変更コマンドは、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更することを、演出制御装置117に指示するコマンドである。ここでは、メイン処理の外部出力処理(図14のS201参照)を待たずに、直ちに、停止図柄変更コマンドを演出制御装置117へ出力する。メイン処理は4msごとに実行されるので、直ちに停止図柄変更コマンドを送信すれば、そのコマンドを最大約4ms早く演出制御装置117へ送信することができる。
また、主制御装置110では、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して送信すべきコマンドが集中すると、例えば、メイン処理が実行されている期間内に、数回に分けてコマンドが送信されたり、メイン処理が実行されている期間内に、一定数のコマンドだけ送信され、残りのコマンドはその後に実行されるメイン処理で送信されることもある。よって、メイン処理の実行タイミングで、他のコマンドと同様に停止図柄変更コマンドを送信するように構成すると、送信すべきコマンドが集中した場合に、最も早いメイン処理の実行タイミングで停止図柄変更コマンドが送信できず、送信が繰り越される可能性がある。しかしながら、本実施の形態では、停止図柄変更コマンドと、その他のコマンド(例えば、保留数コマンド)とを別々に演出制御手段117へ送信するので、停止図柄変更コマンドを早く確実に演出制御手段117へ送信できる。
また、主制御装置110では、停止図柄変更コマンドと、その他のコマンド(例えば、保留数コマンド)とを別々に演出制御手段117へ送信できるので、同じタイミングで送信する場合と比較して、制御的負担を分散させることができる。さらに、演出制御装置117では、停止図柄変更コマンドと、その他のコマンド(例えば、保留数コマンド)とを別々のタイミングで受信できるので、各コマンドに対応する処理を別のタイミングで実行することができ、制御的負担を分散させることができる。
なお、本実施の形態では、停止図柄変更コマンドを直ちに出力しているが、ここでは、停止図柄変更コマンドの設定だけを行い、次のメイン処理の実行タイミングの外部出力処理により演出制御装置117へ出力するように構成しても良い。その場合には、停止図柄変更コマンドを最優先に送信するように構成すれば、停止図柄変更コマンドを早く確実に演出制御手段117へ送信できる。
そして、S1606の処理が終了したら、チャンス目連続数カウンタ203gに1を加算する(S1607)。なお、上述した通り、チャンス目連続数カウンタ203gは、停止図柄を「チャンス目」とした変動演出を連続で実行した回数を示すカウンタである。次に、停止図柄指示格納テーブルの中で、前回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、実行エリアまでの各エリアの設定値を全て「設定値:チャンス目」に変更し(S1608)、S1612の処理へ移行する。
S1609の処理では、停止図柄指示格納テーブルの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)内で、前回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、前方のエリアに続く「設定値:外れ」の数を計数して、外れ連続数とする(S1609)。次に、外れ連続数が1以上であるかを判定する(S1610)。
外れ連続数が1以上の場合は(S1610:Yes)、少なくとも、(実行予定の)前回の入賞の変動演出と、(実行予定の)今回の入賞の変動演出とを利用して、連続チャンス目演出を実行できる。よって、この場合は、停止図柄指示格納テーブルの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)内で、前回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、前方のエリアに続く「設定値:外れ」を全て「設定値:チャンス目」に変更して(S1611)、S1612へ移行する。
一方、S1610の処理において、外れ連続数が1未満の場合は(S1610:No)、連続チャンス目演出を開始できない場合なので、この確変大当たり入賞処理を終了し、停止図柄指示格納テーブル更新処理(図22参照)へ戻る。
S1612の処理では、停止図柄指示格納テーブルの中で、今回の入賞の設定値が記憶されているエリアの「設定値:大当たり」を、「設定値:チャンス目&確変大当たり」に変更する(S1612)。そして、停止図柄指示格納テーブルの中で、次回の入賞の設定値を記憶すべきエリアに、「設定値:大当たり後スキップ」を設定して(S1613)、この確変大当たり入賞処理を終了し、停止図柄指示格納テーブル更新処理(図22参照)へ戻る。
以上の図23の確変大当たり入賞処理(S1507)によれば、実行予定の変動演出の停止図柄だけを「チャンス目」に変更する場合と比較して、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更できる分、即ち、1回多く「チャンス目」を表示できる。従って、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができるので、遊技者の期待感を向上させることができる。また、停止図柄を「チャンス目」とする変動演出は、少なくとも2回以上連続で実行される。即ち、単発での実行を禁止できるので、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
また、停止図柄変更コマンドを、メイン処理の外部出力処理(図14のS201参照)を待たずに、直ちに、演出制御装置117へ出力できる。直ちに停止図柄コマンドを出力(送信)することで、コマンドを最大約4ms早く演出制御装置117へ送信することができる。また、メイン処理の外部出力処理により送信すべきコマンドが集中している場合でも、停止図柄変更コマンドを早く確実に演出制御手段117へ送信できる。
また、主制御装置110では、停止図柄変更コマンドと、その他のコマンド(例えば、保留数コマンド)とを別々に演出制御手段117へ送信できるので、同じタイミングで送信する場合と比較して、制御的負担を分散させることができる。さらに、演出制御装置117では、停止図柄変更コマンドと、その他のコマンド(例えば、保留数コマンド)とを別々のタイミングで受信できるので、各コマンドに対応する処理を別のタイミングで実行することができ、制御的負担を分散させることができる。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される通常大当たり入賞処理(S1508)について説明する。図24は、主制御装置110の通常大当たり入賞処理(S1508)を示すフローチャートである。通常大当たり入賞処理(S1508)は、最終的な抽選結果が「通常大当たり」である連続チャンス目演出を開始するかを、停止図柄指示格納テーブルの内容に基づいて決定するための処理であり、上述した停止図柄指示格納テーブル更新処理(図22参照)の中で実行される処理である。
この通常大当たり入賞処理(S1508)では、まず、停止図柄指示格納テーブルメモリ203fの停止図柄指示格納テーブル(図28の左図参照)の各設定値を取得する(S1701)。次に、停止図柄指示格納テーブル全体(実行エリアも含む)で、前回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、前方のエリアに続く「設定値:外れ」の数を計数して、外れ連続数とする(S1702)。なお、上述した通り、各エリアは、「次回保留エリア」→「第4保留エリア」→「第3保留エリア」→「第2保留エリア」→「第1保留エリア」→「実行エリア」という順で、前方に続いているものとする。
次に、外れ連続数が4であるかを判定し(S1703)、外れ連続数が4である場合は(S1703:Yes)、実行エリアから第3保留エリアまでの各エリアに「設定値:外れ」が記憶され、第4保留エリアに「設定値:当たり(通常)」が記憶されている場合である。ここで、連続チャンス目演出を開始して、実行中の変動演出から「チャンス目」を表示させると、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数が5回以上となるので、実行中の変動演出の停止図柄は変更しない。そこで、S1710の処理へ移行する。即ち、最終的な抽選結果が「通常大当たり」であるので、「チャンス目」の連続表示回数を最大4回までに制限するために、S1710の処理へ移行する。
一方、S1703の処理において、外れ連続数が4以外(0〜3の何れか)の場合には(S1703:No)、計数した「設定値:外れ」の中で、実行エリアの設定値が最前の「設定値:外れ」であるかを判定する(S1704)。計数した「設定値:外れ」の中で、実行エリアの設定値が最前の「設定値:外れ」である場合は(S1704:Yes)、実行中の変動演出の停止図柄を変更する可能性があるので、まず、「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」の実行中であるかを判定する(S1705)。
一方、S1704の処理において、計数した「設定値:外れ」の中で、実行エリアの設定値が最前の「設定値:外れ」でない場合は(S1704:No)、実行予定(未実行)の変動演出の停止図柄だけを変更する場合であるので、S1710の処理へ移行する。
S1705の処理において、「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」の実行中である場合は(S1705:Yes)、連続チャンス目演出の開始よりも、実行中の変動演出(即ち、リーチ演出)の継続を優先させる。そこで、S1710の処理へ移行する。これは、上述した通り、連続チャンス目演出よりも、「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」のリーチ演出の方が、一般的に遊技価値の高い演出となるからである。
一方、S1705の処理において、「スーパーリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」を実行していない場合は(S1705:No)、実行中の変動演出の停止図柄を変更する可能性があるので、次に、停止図柄変更可能期間フラグ203iがオンであるかを判定する(S1706)。停止図柄変更可能期間フラグ203iがオフである場合は(S1706:No)、実行中の変動演出の停止図柄を変更不可能な期間であるので、S1710の処理へ移行する。
一方、S1706の処理において、停止図柄変更可能期間フラグ203iがオンである場合は(S1706:Yes)、実行中の変動演出の停止図柄を変更する場合である。この場合は、直ちに、停止図柄変更コマンドを演出制御装置117へ出力する(S1707)。ここでは、上述した図23のS1606の処理と同様に、メイン処理の外部出力処理(図14のS201参照)を待たずに、直ちに、停止図柄変更コマンドを演出制御装置117へ出力する。
そして、S1707の処理が終了したら、チャンス目連続数カウンタ203gに1を加算する(S1708)。なお、上述した通り、チャンス目連続数カウンタ203gは、停止図柄を「チャンス目」とした変動演出を連続で実行した回数を示すカウンタである。次に、停止図柄指示格納テーブルの中で、前回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、実行エリアまでの各エリアの設定値を全て「設定値:チャンス目」に変更し(S1709)、S1713の処理へ移行する。
S1710の処理では、停止図柄指示格納テーブルの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)内で、前回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、前方のエリアに続く「設定値:外れ」の数を計数して、外れ連続数とする(S1710)。次に、外れ連続数が1以上であるかを判定する(S1711)。
外れ連続数が1以上の場合は(S1711:Yes)、少なくとも、(実行予定の)前回の入賞の変動演出と、(実行予定の)今回の入賞の変動演出とを利用して、連続チャンス目演出を実行できる。よって、この場合は、停止図柄指示格納テーブルの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)内で、前回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、前方のエリアに続く「設定値:外れ」を全て「設定値:チャンス目」に変更して(S1712)、S1713へ移行する。
一方、S1711の処理において、外れ連続数が1未満の場合は(S1711:No)、連続チャンス目演出を開始できない場合なので、この通常大当たり入賞処理を終了し、停止図柄指示格納テーブル更新処理(図22参照)へ戻る。
S1713の処理では、停止図柄指示格納テーブルの中で、今回の入賞の設定値が記憶されているエリアの「設定値:大当たり」を、「設定値:チャンス目&通常大当たり」に変更する(S1713)。そして、停止図柄指示格納テーブルの中で、次回の入賞の設定値を記憶すべきエリアに、「設定値:大当たり後スキップ」を設定して(S1714)、この通常大当たり入賞処理を終了し、停止図柄指示格納テーブル更新処理(図22参照)へ戻る。
以上の図24の通常大当たり入賞処理(S1508)によれば、確変大当たり入賞処理(図23参照)の場合と同様に、実行予定の変動演出の停止図柄だけを「チャンス目」に変更する場合と比較して、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更できる分、即ち、1回多く「チャンス目」を表示できる。従って、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができるので、遊技者の期待感を向上させることができる。また、停止図柄を「チャンス目」とする変動演出は、少なくとも2回以上連続で実行される。即ち、単発での実行を禁止できるので、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
また、停止図柄変更コマンドを、メイン処理の外部出力処理(図14のS201参照)を待たずに、直ちに、演出制御装置117へ出力できる。直ちに停止図柄コマンドを出力(送信)することで、コマンドを最大約4ms早く演出制御装置117へ送信することができる。また、メイン処理の外部出力処理により送信すべきコマンドが集中している場合でも、停止図柄変更コマンドを早く確実に演出制御手段117へ送信できる。
また、主制御装置110では、停止図柄変更コマンドと、その他のコマンド(例えば、保留数コマンド)とを別々に演出制御手段117へ送信できるので、同じタイミングで送信する場合と比較して、制御的負担を分散させることができる。さらに、演出制御装置117では、停止図柄変更コマンドと、その他のコマンド(例えば、保留数コマンド)とを別々のタイミングで受信できるので、各コマンドに対応する処理を別のタイミングで実行することができ、制御的負担を分散させることができる。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される前後外れリーチ入賞処理(S1510)について説明する。図25は、主制御装置110の前後外れリーチ入賞処理(S1510)を示すフローチャートである。前後外れリーチ入賞処理(S1510)は、最終的な抽選結果が「外れ(チャンス目)」である連続チャンス目演出を開始するかを、停止図柄指示格納テーブルの内容に基づいて決定するための処理であり、上述した停止図柄指示格納テーブル更新処理(図22参照)の中で実行される処理である。
この前後外れリーチ入賞処理(S1510)では、まず、停止図柄指示格納テーブルメモリ203fの停止図柄指示格納テーブル(図29の左図参照)の各設定値を取得する(S1801)。
次に、停止図柄指示格納テーブルの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)内で、前回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、前方のエリアに続く「設定値:外れ」の数を計数して、外れ連続数とする(S1802)。なお、上述した通り、各エリアは、「次回保留エリア」→「第4保留エリア」→「第3保留エリア」→「第2保留エリア」→「第1保留エリア」→「実行エリア」という順で、前方に続いているものとする。また、ここで、図23のS1602の処理や、図24のS1702の処理のように、実行エリアまでの各エリアの「設定値:外れ」を計数していないのは、最終的な抽選結果が「外れ(チャンス目)」である連続チャンス目演出の場合には、実行中の停止図柄を変更しないからである。
次に、外れ連続数が3であるかを判定し(S1803)、外れ連続数が3である場合は(S1803:Yes)、第1保留エリアから第3保留エリアまでの各エリアに「設定値:外れ」が記憶され、第4保留エリアに「設定値:外れ(前後外れ)」が記憶されている場合である。
ここで、連続チャンス目演出を開始して、1番目に実行予定の変動演出から「チャンス目」を表示させると、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数が4回となり、3回を超えてしまう。よって、この場合は、1番目に実行予定の変動演出の停止図柄は「チャンス目」としない。そこで、停止図柄指示格納テーブルの中で、第1保留エリアの「設定値:外れ」を、「設定値:初回スキップ」に変更し(S1804)、S1806の処理へ移行する。
一方、S1803の処理において、外れ連続数が3以外(0〜2の何れか)の場合には(S1803:No)、外れ連続数が1以上であるかを判定する(S1805)。外れ連続数が1以上の場合は(S1805:Yes)、少なくとも、(実行予定の)前回の入賞の変動演出と、(実行予定の)今回の入賞の変動演出とを利用して、連続チャンス目演出を実行できる。そこで、この場合は、S1806の処理へ移行する。一方、S1805の処理において、外れ連続数が1未満の場合は(S1805:No)、連続チャンス目演出を開始できない場合なので、この前後外れリーチ入賞処理を終了し、停止図柄指示格納テーブル更新処理(図22参照)へ戻る。
S1806の処理では、停止図柄指示格納テーブルの保留エリア(第1保留エリア〜第4保留エリア)内で、今回の入賞の設定値が記憶されているエリアから、前方のエリアに続く「設定値:外れ」を全て「設定値:チャンス目」に変更する(S1806)。そして、停止図柄指示格納テーブルの中で、次回の入賞の設定値を記憶すべきエリアに、「設定値:外れ後スキップ」を設定して(S1807)、この前後外れリーチ入賞処理を終了し、停止図柄指示格納テーブル更新処理(図22参照)へ戻る。
以上の図25の前後外れリーチ入賞処理(S1510)によれば、停止図柄指示格納テーブルの中で、次回の入賞の設定値を記憶すべきエリアに、「設定値:外れ後スキップ」を設定できる。よって、連続チャンス目演出が終了した次の変動演出の停止図柄を、必ず「チャンス目」以外の停止図柄にできるので、最終的な抽選結果が「外れ(チャンス目)」である連続チャンス目演出を実行した場合に、「チャンス目」の連続表示回数を3回までに確実に制限できる。
例えば、連続チャンス目演出(例えば、「チャンス目」を3回連続で表示)の終了後に、続けて、別の連続チャンス目演出(例えば、「チャンス目」を3回連続で表示)が実行されると、あたかも、停止図柄を「チャンス目」とする変動演出が6回連続で行われたように見えてしまう。しかし、本実施の形態では、連続チャンス目演出が終了した次の変動演出の停止図柄を、必ず、「チャンス目」以外の停止図柄にできるので、連続チャンス目演出が連続で実行されることを防止できる。
また、例えば、連続チャンス目演出(例えば、「チャンス目」を3回連続で表示)の終了後に、続けて、最終的な抽選結果が「通常大当たり」である連続チャンス目演出(例えば、「チャンス目」を4回連続で表示)が実行された場合にも、あたかも、停止図柄を「チャンス目」とする変動演出が7回連続で行われたように見えてしまう。しかし、このような場合でも、上述の説明と同様の理由により、連続チャンス目演出が連続で実行されることを防止できるので、連続チャンス目演出を正確に実行できる。また、停止図柄を「チャンス目」とする変動演出は、少なくとも2回以上連続で実行される。即ち、単発での実行を禁止できるので、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201、および、払出発射制御装置111内のMPU211により実行されるNMI割込処理について説明する。図26は、主制御装置110および払出発射制御装置111のNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、実行される処理である。
まず、主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、払出発射制御装置111において実行されるNMI割込処理について説明する。かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図13を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図13は、主制御装置110の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、主制御装置110の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU201がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ制御装置(払出制御装置111、演出制御装置117等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する(S102)。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、メイン処理(図14参照)のS215の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを払出制御装置111へ送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。一方、主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0でクリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、払出制御装置111を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを払出制御装置111へ送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述する主制御装置110のメイン処理(図14参照)に移行する。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図14は、主制御装置110のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、パチンコ機10の主要な制御を実行するための処理であり、上記した主制御装置110の立ち上げ処理(図13参照)の終了後に実行され、その後は4ms周期で繰り返し実行される処理である。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S207の各処理が実行され、その残余時間でS210,S211,S212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
このメイン処理では、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ制御装置(払出制御装置111、演出制御装置117等)に送信する(S201)。例えば、タイマ割込処理(図20参照)のS501の処理により、賞球コマンドが設定された場合には、その賞球コマンドを払出制御装置111へ送信する。また、例えば、上述した始動入賞処理(図21参照)により設定された保留数コマンドや、後述する変動開始処理(図17参照)により設定された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等の各種コマンドをそれぞれ演出制御装置117に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
なお、これらのコマンド等の出力データの送信は、コマンド等の出力データが設定された順番に行われる。そして、演出制御装置117は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81に表示される変動演出や大当たり演出の態様や、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を設定する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている各カウンタCS1〜CS3に対応するバッファに記憶する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、RAM203のチャンス目表示回数選択カウンタ203jの更新を実行する(S203)。具体的には、チャンス目表示回数選択カウンタ203jに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値(本実施形態では4)に達した際、1にリセットする。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S205)。なお、変動処理については、図15を参照して後述する。
変動処理(S205)の終了後、パチンコ機10が大当たり状態である場合に、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S206)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数(例えば、16ラウンド)繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示部83における第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S207)。簡単に説明すると、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示部83において第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄における当たりの判定が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放され、球が第1入球口64へ入球し易い状態となる。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S208)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S208:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S209)、既に所定時間が経過していれば(S209:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201〜S209の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S209:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2の更新(S210)と、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新(S211)と、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの更新(S212)とを繰り返し実行する。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S210)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている各カウンタCINI1,CINI2に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S211)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203のワークエリア203dに設けられている各カウンタCS1〜CS3に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
そして、チャンス目表示回数選択カウンタ203jの更新を実行する(S212)。具体的には、チャンス目表示回数選択カウンタ203jに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値(本実施形態では4)に達した際、1にリセットする。
上述したS201〜S207の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができる。また、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についても、チャンス目表示回数選択カウンタ203jについてもランダムに更新することができる。
また、S208の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S208:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図26のNMI割込処理が実行されたということなので、S213以降の電源遮断時の処理を実行する。まず、各割込処理の発生を禁止し(S213)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドをサブ制御装置(払出制御装置111、演出制御装置117等)に対して送信する(S214)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S215)、RAM203のアクセスを禁止して(S216)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S208の処理は、S201〜S207で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS210〜S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、立ち上げ処理(図13参照)の初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S205)について説明する。図15は、主制御装置110の変動処理(S205)を示すフローチャートである。変動処理(S205)は、入賞に対応するデータが、保留球格納エリア203aに記憶(保留)されている場合に、そのデータに対応する変動表示を開始させるための処理であり、メイン処理(図14参照)の中で実行される処理である。
この変動処理(S205)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中(即ち、「確変大当たり」、「通常大当たり」の2つ)と、大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、何も行うことなく、この変動処理(S205)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)を取得する(S303)。
そして、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別し(S304)、S304の処理により確認した結果、特図保留球数Nが0であれば(S304:No)、S305〜S306の処理をスキップし、この変動処理(S205)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)に戻る。一方で、特図保留球数Nが1以上であれば(S304:Yes)、保留データ順送り処理を実行する(S305)。
なお、保留データ順送り処理については、図16を参照して後述するが、大当たりの判定に用いるデータを、保留球格納エリア203aから保留球実行エリア203bへシフトすると共に、大当たりの判定に応じた変動演出を実行する際に、その停止図柄の設定に用いるデータを停止図柄指示格納テーブル内の保留エリアから実行エリアへシフトするための処理である。
保留データ順送り処理(S305)が終了したら、第1図柄表示装置37の変動表示を開始する変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図17を参照して後述する。そして、この変動処理(S205)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)へ戻る。
また、この変動処理(S205)は、メイン処理において実行されるサブルーチンであるので、4ms毎に実行されるが、大当たり中の場合(S301:Yes)、または、変動中の場合(S302:Yes)には、S305〜S306の処理がスキップされるので、変動処理が実行される度に、変動表示が開始されたり、保留中の入賞に対応するデータが消耗されることはない。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、この変動処理(S205)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)へ戻る。
一方、S307の処理において、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S308)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる図柄か、「大当たり終了後に低確率状態(通常大当たり)」となる図柄かが決定される。
本実施の形態では、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」になる場合には赤色のLEDが点灯され、「大当たり終了後に低確率状態(通常大当たり)」になる場合には緑色のLEDが点灯され、外れである場合には青色のLEDが点灯される。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
また、第1図柄表示装置37では、複数のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
S308の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドを設定する(S309)。演出制御装置117は、この停止コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において実行中の変動表示を終了させる。より具体的には、第3図柄表示装置81では、変動時間が経過すると変動が休止した状態となり、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。そして、S309の処理が終了したら、この変動処理(S205)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図14参照)へ戻る。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される保留データ順送り処理(S305)について説明する。図16は、主制御装置110の保留データ順送り処理(S305)を示すフローチャートである。保留データ順送り処理(S305)は、大当たりの判定に用いるデータを、保留球格納エリア203aから保留球実行エリア203bへシフトすると共に、大当たりの判定に応じた変動演出を実行する際に、その停止図柄の設定に用いるデータを停止図柄指示格納テーブル内の保留エリアから実行エリアへシフトするための処理である。なお、この保留データ順送り処理は、変動処理(図15参照)の中で実行される処理であり、特図保留球数Nが1以上である場合に実行される処理である。
この保留データ順送り処理(S305)では、まず、保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各データを、保留球実行エリア203bへシフトする(S351)。S351の処理では、具体的には、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に記憶されているデータを、保留球実行エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2に記憶されているデータを、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2へ、停止パターン選択カウンタ格納エリア203a3に格納されるデータを、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3へシフトする。
次に、保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へシフトする(S352)。なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
また、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
S352の処理が終了したら、次に、停止図柄指示格納テーブル内の各エリアの設定値を、実行エリアの方向に(前方に)1エリア分それぞれシフトする(S353)。なお、停止図柄指示格納テーブル内では各エリアは、「次回保留エリア」→「第4保留エリア」→「第3保留エリア」→「第2保留エリア」→「第1保留エリア」→「実行エリア」という順で、前方に続いているものとする。即ち、「第1保留エリア」の設定値を「実行エリア」にシフトし、「第2保留エリア」の設定値を「第1保留エリア」にシフトする。以下同様に、「第3保留エリア」の設定値を「第2保留エリア」に、「第4保留エリア」の設定値を「第3保留エリア」に、「次回保留エリア」の設定値を「第4保留エリア」に、それぞれシフトする。
なお、本実施の形態では、設定値が記憶されているエリアについてのみデータ(設定値)のシフトを行う。よって、設定値が記憶されていないエリアについては、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
また、設定値の有無に関わらず、各エリアのデータ(設定値)を、1エリア分前方のエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、各エリアにデータが記憶されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
S353の処理が終了したら、次に、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)を1減算し(S354)、減算した後の特図保留球数カウンタ203cの値(特図保留球数N)を示す保留数コマンドを設定する(S355)。ここで設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図14参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
次に、特図保留球カウンタ203cの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S356)。S356の処理が終了したら、この保留データ順送り処理(S305)を終了して変動処理(図15参照)へ戻る。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S306)について説明する。図17は、主制御装置110の変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。変動開始処理(S306)は、保留球実行エリア203bに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、大当たりであるか外れであるかを判定し、その判定結果に応じた変動表示を開始させるための処理であり、変動処理(図15参照)の中で実行される処理である。
この変動開始処理(S306)では、まず、RAM203の保留球実行エリア203bに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。即ち、保留球実行エリア203bの第1乱数カウンタ格納エリア203b1に記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2に記憶されている第1当たり種別カウンタC2の値と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3に記憶されている停止パターン選択カウンタC3の値とを取得する。
そして、S401の処理により取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S402)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値と、その時々のモード(低確率状態または高確率状態)との関係に基づいて判別する。前述した通り、通常の低確率時(大当たり確率が通常の状態)には、第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)には、「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
さらに、大当たりと判別された場合には、S401の処理により取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、2種類ある大当たり(「確変大当たり」、「通常大当たり」)のうち、どの大当たりであるか当たり種別を判別する。前述した通り、大当たりの場合に、第1当たり種別カウンタC2の数値(「0〜4」)が「0,4」でれば、「大当たり終了後に低確率状態(通常大当たり)」となり、「1,2,3」であれば、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」となる。
S402の処理において、大当たりであると判別された場合には(S402:Yes)、大当たり変動内容設定処理を実行する(S403)。なお、大当たり変動内容設定処理については、図18を参照して後述するが、大当たりに応じて開始させる変動演出の内容(例えば、変動時間や停止図柄など)を設定するための処理である。この大当たり変動内容設定処理では、変動パターン(変動時間)を示す変動パターンコマンドや、停止図柄のパターンを示す停止図柄コマンドが設定される。
一方で、S402の処理で大当たりではないと判別された場合には(S402:No)、外れ変動内容設定処理を実行する(S404)。なお、外れ変動内容設定処理については、図19を参照して後述するが、外れ応じて開始させる変動演出の内容(例えば、変動時間や停止図柄など)を設定するための処理である。この外れ変動内容設定処理では、変動パターン(変動時間)を示す変動パターンコマンドや、停止図柄のパターンを示す停止図柄コマンドが設定される。
そして、大当たり変動内容設定処理(S403)、又は、外れ変動内容設定処理(S404)が終わると、次に、その大当たり変動内容設定処理(S403)、又は、外れ変動内容設定処理(S404)の中で、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算する演出時間を決定する(S405)。このとき、RAM203のワークエリア203dのカウンタ用バッファに記憶されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と、変動表示時間を1秒加算する場合と、変動表示時間を2秒加算する場合と、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S405の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定し(S406)、保留球実行エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の値に応じた変動方向コマンドを設定する(S407)。S407の処理により設定される変動方向コマンドは、第3図柄表示装置81において表示される変動表示を縦スクロールとするか、横スクロールとするかを規定するコマンドである。本実施の形態では、保留球実行エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の値が、偶数である場合には、横スクロールに対応する変動方向コマンドが設定され、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の値が奇数である場合は、縦スクロールに対応する変動方向コマンドが設定される。
S407の処理が終了したら、RAM203の変動時間カウンタ203hの値をリセットし(0に設定し)、変動時間カウンタ203hによる変動時間のカウントを開始する(S408)。そして、RAM203の停止図柄変更可能期間フラグ203iをオンに設定し(S409)、この変動開始処理(S306)を終了して、変動処理(図15参照)へ戻る。
なお、上述した通り、変動時間カウンタ203hは、第3図柄表示装置81において変動演出が開始されてからの経過時間が記憶されるカウンタであり、停止図柄変更可能期間フラグ203iは、実行中の変動演出の停止図柄を変更可能な期間内だけオンされるフラグである。
以上の図17の変動開始処理(S306)によれば、大当たりであるか外れであるかを判定し、その判定結果に応じた変動表示を開始させる各種コマンドを設定できる。この変動開始処理(S306)において設定された各コマンドは、次のメイン処理(図14参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。なお、演出制御装置117は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81に表示される変動演出や大当たり演出の態様や、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を設定する。
ここで、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81において変動表示が開始される場合に、主制御装置110から演出制御装置117へ送信されるコマンドの順番について説明する。上述した通り、メイン処理(図14参照)の外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが送信される。また、変動開始処理(S306)の実行前には、必ず、保留データ順送り処理(S305)が実行される。
よって、保留データ順送り処理(S305)により、「保留数コマンド」が設定され、その後、変動開始処理(S306)により、「変動パターンコマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」、「変動方向コマンド」の順で、コマンドが設定される。よって、主制御装置110から演出制御装置117へは、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」、「変動方向コマンド」の順に各種コマンドが送信される。
なお、「変動方向コマンド」を設けずに、「変動方向コマンド」が示す情報を「変動パターンコマンド」の中に含める構成としても良い。また、「演算時間加算コマンド」を設けずに、「演算時間加算コマンド」が示す情報を「変動パターンコマンド」の中に含める構成としても良い。また、それぞれを組み合わせた構成としても良い。
また、これらのコマンドは、順序を入れ替えて送信しても良い。また、コマンドの設定順序を入れ替えて、送信する順序を入れ替えても良い。例えば、主制御装置110から演出制御装置117へ「変動パターンコマンド」と「変動方向コマンド」とを真っ先に送信すれば、他のコマンドを送信する前に変動表示を開始して、変動表示を迅速に開始することができる。これは、「保留数コマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」等は、変動表示の開始に影響を与え無いからである。
また、1回の外部出力処理(S201)の実行によって、外部へ送信するコマンドの最大数を所定数(例えば、3個)までに制限するようにしても良い。例えば、送信するコマンドの数が多い場合(例えば、6個)であれば、2回のメイン処理(今回実行されるメイン処理、及び、次回実行されるメイン処理)にわたって送信する。これは、一度に送信するコマンドが多い場合には、送信に時間が掛かり、メイン処理を4msごとに実行できなくなる可能性があるからである。このように構成した場合には、優先度の高いコマンドから送信するように構成しても良い。具体的には、上述した通り、主制御装置110から演出制御装置117へ「変動パターンコマンド」と「変動方向コマンド」とを真っ先に送信し、その後、「保留数コマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」等を、1回または複数回のメイン処理にわたって送信する。なお、1回の外部出力処理(S201)の実行によって、外部へ送信するコマンドの最大数は、メイン処理の残余時間や、各メイン処理内で処理すべき情報量などに応じて変更しても良い。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり変動内容設定処理(S403)について説明する。図18は、主制御装置110の大当たり変動内容設定処理(S403)を示すフローチャートである。大当たり変動内容設定処理(S403)は、大当たりに応じて開始させる変動演出の内容(例えば、変動時間や停止図柄など)を設定するための処理であり、変動開始処理(図17参照)の中で実行される処理である。
この大当たり変動内容設定処理(S403)では、まず、RAM203の保留球実行エリア203bに記憶されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様を設定する(S431)。より具体的には、S431の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」へ移行するか、「大当たり終了後に低確率状態(通常大当たり)」へ移行するかを設定する。大当たり終了後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。本実施の形態では、「大当たり終了後に高確率状態(確変大当たり)」になる場合には赤色のLEDが点灯され、「大当たり終了後に低確率状態(通常大当たり)」になる場合には緑色のLEDが点灯され、外れである場合には青色のLEDが点灯される。
なお、上述した通り、第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものなので、大当たり終了後の移行状態が設定され、第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81で停止表示させる大当たりの停止図柄のパターンも一意的に決まる。即ち、S431の処理により、第3図柄表示装置81における停止図柄のパターンも決定される。
次に、RAM203のワークエリア203dに設けられているカウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づいて、大当たり時の変動演出のパターンを取得する(S432)。より具体的には、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)、スペシャルリーチ変動(60秒間)の中から、変動演出のパターンを1つ取得する。
なお、ここでは、変動演出のパターンを決定するために変動演出のパターンを取得しているのでは無く、変動時間を決定するために取得している。変動演出のパターンの決定については、後述する処理(S435、S437、S443、S444)によって行われる。即ち、ここでは、変動演出のパターンを1つ取得して、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定している。これにより、第1図柄表示装置37の表示時間と、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間とが決定する。
そして、上述した通り、変動種別カウンタCS1,CS2の値と、変動時間との関係は、テーブル等により予め既定されている。上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決めるように構成しても良い。
次に、停止図柄指示格納テーブルにおける実行エリアの設定値を取得し(S433)、取得した設定値が「設定値:チャンス目&確変大当たり」又は「設定値:チャンス目&通常大当たり」であるかを判定する(S434)。取得した設定値が「設定値:チャンス目&確変大当たり」又は「設定値:チャンス目&通常大当たり」でない場合は(S434:No)、連続チャンス目演出が実行されていない状態で、単に、「通常大当たり」又は「確変大当たり」の変動演出を開始する場合である。この場合は、S432の処理で取得した変動演出のパターンを、実行開始する変動演出のパターンに決定し(S435)、S445の処理へ移行する。
一方、S434の処理において、取得した設定値が「設定値:チャンス目&確変大当たり」又は「設定値:チャンス目&通常大当たり」である場合は(S434:Yes)、最終的な抽選結果が「確変大当たり」又は「通常大当たり」である連続チャンス目演出が実行されている状態で、その最後の変動演出を開始する場合である。この場合は、まず、S432の処理で取得した変動演出のパターンが「ノーマルリーチ変動(20秒間)」であるかを判定する(S436)。
S436の処理において、変動演出のパターンが「ノーマルリーチ変動(20秒間)」である場合は(S436:Yes)、ノーマルリーチ変動(20秒間)に代えて、チャンス目ノーマル変動(20秒間)(図8(b)参照)を実行する場合である。この場合は、S432の処理で取得した「ノーマルリーチ変動(20秒間)」では無く、「チャンス目ノーマル変動(20秒間)」を、実行開始する変動演出のパターンに決定し(S437)、S445の処理へ移行する。なお、「チャンス目ノーマル変動(20秒間)」が実行されても、「チャンス目」の連続表示回数は変化しない。
一方、S436の処理において、変動演出のパターンが「ノーマルリーチ変動(20秒間)」でない場合は(S436:No)、S432の処理で取得した変動演出のパターンが、「スーパーリーチ変動(40秒間)」又は「スペシャルリーチ変動(60秒間)」である場合なので、「チャンス目スーパー変動A〜Dの何れか」又は「チャンス目スペシャル変動A〜Fの何れか」を実行する。そこで、まず、どの変動を実行するかを決定するために、RAM203のチャンス目表示回数選択カウンタ203jの値を取得して、RAM203の擬似変動チャンス目表示数メモリ203kに記憶する(S438)。
次に、S433の処理で取得した設定値が「設定値:チャンス目&通常大当たり」であるかを判定し(S439)、取得した設定値が「設定値:チャンス目&通常大当たり」である場合には(S439:Yes)、RAM203のチャンス目連続数カウンタ203gの値と、擬似変動チャンス目表示数メモリ203kの値との合計値が4を超えているかを判定する(S440)。
なお、上述した通り、チャンス目連続数カウンタ203gは、停止図柄を「チャンス目」とした変動演出を連続で実行した回数を示すカウンタであり、擬似変動チャンス目表示数メモリ203kは、チャンス目ノーマル変動、チャンス目スーパー変動A〜D、又は、チャンス目スペシャル変動A〜Fが実行される場合に、その変動演出における「チャンス目」の連続表示回数が記憶されるメモリである。よって、チャンス目連続数カウンタ203gの値と、擬似変動チャンス目表示数メモリ203kの値との合計値が、実行中の連続チャンス目演出の最終的な「チャンス目」の連続表示回数となる。
そして、S440の処理において、チャンス目連続数カウンタ203gの値と、擬似変動チャンス目表示数メモリ203kの値との合計値が4を超えている場合は(S440:Yes)、最終的な抽選結果が「通常大当たり」となる連続チャンス目演出において、「チャンス目」の連続表示回数が4回を超えてしまうため、それを最大4回までに制限する。そこで、「4−チャンス目連続数カウンタ203gの値」を演算して、その値を擬似変動チャンス目表示数メモリ203kに記憶する(S441)。これにより、最終的な抽選結果が「通常大当たり」となる連続チャンス目演出を実行している場合に、「チャンス目」の連続表示回数を最大4回までに制限できる。
S439の処理において、取得した設定値が「設定値:チャンス目&確変大当たり」である場合には(S439:No)、S440〜S441の各処理をスキップして、S442の処理へ移行する。また、S440の処理において、チャンス目連続数カウンタ203gの値と、擬似変動チャンス目表示数メモリ203kの値との合計値が4以下である場合には(S440:No)、S441の処理をスキップして、S442の処理へ移行する。
S442の処理では、S432の処理で取得した変動演出のパターンが「スーパーリーチ変動(40秒間)」であるかを判定し(S442)、取得した変動演出のパターンが「スーパーリーチ変動(40秒間)」である場合は(S442:Yes)、スーパーリーチ変動(40秒間)に代えて、チャンス目スーパー変動A〜D(40秒間)(図9参照)の何れかを実行する場合である。なお、「チャンス目」の連続表示回数は、増加する可能性がある。この場合は、チャンス目スーパー変動A〜Dの中で、擬似変動チャンス目表示数メモリ203kに記憶されている値と同一数の「チャンス目」を表示する変動演出のパターンを1つ取得して、それを実行開始する変動演出のパターンに決定する(S443)。
一方、S442の処理において、取得した変動演出のパターンが「スペシャルリーチ変動(60秒間)」である場合は(S442:No)、スペシャルリーチ変動(60秒間)に代えて、チャンス目スペシャル変動A〜F(40秒間)(図10参照)の何れかを実行する場合である。なお、「チャンス目」の連続表示回数は、増加する可能性がある。この場合は、チャンス目スペシャル変動A〜Fの中で、擬似変動チャンス目表示数メモリ203kに記憶されている値と同一数の「チャンス目」を表示する変動演出のパターンを1つ取得して、それを実行開始する変動演出のパターンに決定する(S444)。
次に、S435の処理、S437の処理、S443の処理、又は、S444の処理で決定した変動演出のパターンに対応する変動パターンコマンドを設定して(S445)、S431の処理で設定された表示態様(停止図柄のパターン)に対応する停止図柄コマンドを設定する(S446)。そして、S446の処理が終了したら、この大当たり変動内容設定処理を終了して、変動開始処理(図17参照)へ戻る。
以上の図18の大当たり変動内容設定処理(S403)によれば、最終的な抽選結果が「確変大当たり」又は「通常大当たり」である連続チャンス目演出が実行されている場合に、最後の変動演出のパターンとして「スーパーリーチ変動(40秒間)」、又は、「スペシャルリーチ変動(60秒間)」が取得されたら、それに代えて、チャンス目スーパー変動A〜D、又は、チャンス目スペシャル変動A〜Fを設定することができる。その結果、チャンス目スーパー変動A〜D、又は、チャンス目スペシャル変動A〜Fを実行でき、「チャンス目」の連続表示回数を増加させることができる。よって、連続チャンス目演出において実行される変動演出の数が少なく、「チャンス目」の連続表示回数が少ない場合でも、「チャンス目」の連続表示回数を増加させることができる。従って、遊技者は、「チャンス目」の連続表示回数が増える度に、有利な遊技状態への期待感を向上させることになり、その結果、遊技者は、「チャンス目」の連続表示回数に応じて一喜一憂することになる。故に、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
また、連続チャンス目演出において実行される変動演出の数が少ない場合でも、見かけ上、実行される変動演出の数が増えるので、連続チャンス目演出における変動演出を多様なものにできる。よって、遊技者が遊技に対して単調な印象を持つことを回避し、高い興趣性を有する遊技を提供することが可能となる。
なお、上述した通り、本実施の形態では、最終的な抽選結果が「確変大当たり」又は「通常大当たり」である連続チャンス目演出が実行されている場合に、最後の変動演出のパターンとして「ノーマルリーチ変動(20秒間)」、「スーパーリーチ変動(40秒間)」、「スペシャルリーチ変動(60秒間)」を取得すると、「チャンス目ノーマル変動」、「チャンス目スーパー変動A〜D」の何れか、「チャンス目スペシャル変動A〜F」の何れかをそれぞれ実行する構成としている。これに対して、最後の変動演出のパターンとして「スーパーリーチ変動(40秒間)」、「スペシャルリーチ変動(60秒間)」を取得した場合に限り、少なくとも1回は「ノーマルリーチ変動(20秒間)」を実行した上で、「チャンス目」の連続表示回数を増加させるように構成しても良い。
具体的には、最後の変動演出のパターンとして「スーパーリーチ変動(40秒間)」を取得したら、「チャンス目スーパー変動B,C」の何れかを実行するように構成し、また、最後の変動演出のパターンとして「スペシャルリーチ変動(60秒間)」を取得したら、「チャンス目スペシャル変動B〜E」の何れかを実行するように構成する。このように構成すれば、「チャンス目」の連続表示回数を増加させると共に、少なくとも1回は「ノーマルリーチ変動」又は「スペシャルリーチ変動」を実行できる。上述した通り、ノーマルリーチ変動や、スーパーリーチ変動はそれぞれ、リーチを発生させると共に派手な演出を行って、遊技者に有利な遊技状態への期待感を持たせるものであるので、「チャンス目」の連続表示回数の増加と、遊技者に有利な遊技状態への期待感を持たせる演出との組み合わせにより、遊技者の期待感をより強く向上させることができる。従って、「チャンス目」の連続表示回数を増加させる場合と、増加させない場合とに応じて、遊技者に与える期待感に強弱の変化をつけることができるので、遊技者が遊技に対して単調な印象を持つことを回避し、高い興趣性を有する遊技を提供することが可能となる。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される外れ変動内容設定処理(S404)について説明する。図19は、主制御装置110の外れ変動内容設定処理(S404)を示すフローチャートである。外れ変動内容設定処理(S404)は、外れに応じて開始させる変動演出の内容(例えば、変動時間や停止図柄など)を設定するための処理であり、変動開始処理(図17参照)の中で実行される処理である。
この外れ変動内容設定処理(S404)では、まず、RAM203の保留球実行エリア203bの停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3に記憶されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、外れ時の表示態様を取得する(S471)。より具体的には、S471の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3に記憶されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止図柄のパターンを、「前後外れリーチ」、「前後外れ以外リーチ」、及び、「完全外れ」の中から1つ取得する。
なお、ここでは、停止図柄のパターンを取得しているだけであり、パターンの決定については、後述する処理(S475、S477)によって行われる。また、本実施の形態では、上述したように、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるか、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるか、特図保留数カウンタ203cの値(特図保留球数N)等に応じて、各停止図柄のパターンの選択比率が変更されるように、各停止図柄のパターンに対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、RAM203のワークエリア203dに設けられているカウンタ用バッファに記憶されている変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づいて、外れ時の変動演出パターンを決定する(S472)。より具体的には、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ変動(11秒間)、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)、スペシャルリーチ変動(60秒間)の中から、変動演出のパターンを1つ取得し、それを実行開始する変動演出のパターンに決定する。なお、S471の処理において、外れ時の表示態様として「前後外れリーチ」又は「前後外れ以外リーチ」が取得された場合には、S472の処理によって必ずリーチ変動(ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)の何れかが決定されるように、予めテーブルが設定されている。
ここでは、変動演出のパターンの決定により、大まかな図柄変動の変動時間が決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2又は中図柄列Z2’の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定する。即ち、第1図柄表示装置37の表示時間と、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間とが決定する。
次に、停止図柄指示格納テーブルにおける実行エリアの設定値を取得し(S473)、取得した設定値が「設定値:チャンス目」であるかを判定する(S474)。取得した設定値が「設定値:チャンス目」でない場合は(S474:No)、連続チャンス目演出が実行されていない状態で、単に、「外れ」の変動演出を開始する場合である。この場合は、S471の処理で取得した停止図柄のパターンを、外れの停止図柄のパターンに決定する(S477)。
そして、S473の処理で取得した設定値が「設定値:当たり後スキップ」又は「設定値:外れ後スキップ」であるかを判定し(S478)、取得した設定値が「設定値:当たり後スキップ」又は「設定値:外れ後スキップ」の場合には(S478:Yes)、RAM203のチャンス目連続数カウンタ203gをリセット(0に設定)して(S479)、S480の処理へ移行する。一方、S478の処理において、S473の処理で取得した設定値が「設定値:当たり後スキップ」又は「設定値:外れ後スキップ」でない場合には(S478:No:No)、S479の処理をスキップして、S480の処理へ移行する。
一方、S474の処理において、S473の処理で取得した設定値が「設定値:チャンス目」である場合は(S474:Yes)、連続チャンス目演出が実行されている状態で、停止図柄を「チャンス目」とする変動演出を開始する場合である。この場合は、「チャンス目」を外れの停止図柄のパターンに決定して(S475)、チャンス目連続数カウンタ203gに1を加算し(S476)、S480の処理へ移行する。なお、上述した通り、チャンス目連続数カウンタ203gは、停止図柄を「チャンス目」とした変動演出を連続で実行した回数を示すカウンタである。
S480の処理では、S472の処理で決定した変動演出のパターンに対応する変動パターンコマンドを設定して(S480)、S475の処理、又は、S477の処理で決定した(外れの)停止図柄のパターンに対応する停止図柄コマンドを設定する(S481)。そして、S481の処理が終了したら、この外れ変動内容設定処理を終了して、変動開始処理(図17参照)へ戻る。
以上の図19の外れ変動内容設定処理(S403)によれば、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3に記憶されている停止パターン選択カウンタC3の値と、停止図柄指示格納テーブルにおける実行エリアの設定値とに基づいて、第3図柄表示装置81において実行開始する変動演出の停止図柄のパターンを設定できる。
本実施の形態では、上述した通り、停止図柄指示格納テーブルを設けているので、実行開始する変動演出の停止図柄のパターンを決定する場合には、複雑な判断を行うことなく、停止図柄指示格納テーブルの実行エリアの設定値を参照することで、適切な停止図柄のパターンを決定できる。言い換えると、連続チャンス目演出において表示すべき「チャンス目」の連続表示回数や、連続チャンス目演出を開始してから連続で表示した「チャンス目」の回数などの状況に基づいて、今回の変動演出の停止図柄のパターンを決定する判断を行い、適切な停止図柄のパターンを決定する必要がない。よって、制御的負担を軽減できる。
なお、本実施の形態では、停止図柄指示格納テーブルを設けているが、これを止めて、連続チャンス目演出において表示すべき「チャンス目」の連続表示回数を計数するカウンタや、連続チャンス目演出を開始してから連続で表示した「チャンス目」の回数を計数するカウンタなどを設けておき、各種カウンタの内容などの状況に基づいて、今回の変動演出の停止図柄のパターンを決定する判断を行い、適切な停止図柄のパターンを設定しても良い。
次に、図32から図33を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU211の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図32を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理について説明する。図32は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、払出制御装置111の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU211がリセットされた場合に実行される処理である。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S802)、外部割込ベクタの設定を行う(S803)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してのデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S804)、記憶されていなければ(S804:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS811へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S804:Yes)、RAM判定値を算出し(S805)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S806:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS811へ移行する。払出制御装置111のメイン処理(図33参照)のS917の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S811,S812のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S811)、RAM213の初期値を設定する(S812)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、払出制御装置111のメイン処理(図33参照)へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S804:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S806:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S807)、賞球や貸出球の払い出しを開始させるために、球の払出し許可を設定する(S808)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、後述する払出制御装置111のメイン処理(図33参照)へ移行する。
次に、図33を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を説明する。図33は、払出制御装置111のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、球の払い出し制御を実行するための処理であり、上記した払出制御装置111の立ち上げ処理(図32参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
このメイン処理では、まず主制御装置110から送信されてくる賞球コマンドや払出復帰コマンド、払出初期化コマンドなどを受信すると共に、それらコマンドの種別を判定するコマンド判定処理を行う(S901)。このコマンド判定処理は、主制御装置110から送信されて受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するための処理であり、ここでは、例えば、主制御装置110より送信された払出復帰コマンドや、払出初期化コマンドや、賞球コマンドを受信すると、賞球や貸出球の払い出しが許可される。
コマンド判定処理(S901)が終わると、払い出しが許可されているか否かが判別され(S902)、払い出しが許可されていなければ(S902:No)、未だ主制御装置110は立ち上がった状態にないので、かかる場合には、コマンド判定処理(S901)において払い出しの許可がなされるまでコマンド判定処理(S901)を繰り返し実行する。一方、S902の処理において払い出しが許可されていれば(S902:Yes)、状態復帰スイッチ120をチェックし、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S903)。
その後、下皿50の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S904)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S905)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態がある場合には、払出制御装置111に設けた7セグメントLEDにより報知する(S906)。
次に、S907〜S909の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ記憶した総賞球個数が0でなければ(S907:No,S908:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S909)。一方、賞球の払出不可状態(S907:Yes)または総賞球個数が0であれば(S908:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
S910〜S912の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S910:No,S911:Yes)、貸球を払い出しために貸球制御処理を開始する(S912)。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合には(S911:No)、処理をS913へ移行する。また、貸球制御処理(S912)の終了後も、同様に、処理をS913へ移行する。
S913の処理では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134の制御(バイブモータ制御)を実行する(S913)。その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S914)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S914:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないので、かかる場合には、処理をS901へ移行して、上述したS901〜S913の各処理を繰り返し実行する。
一方、S914の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S914:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図26のNMI割込処理が実行されたということである。よって、かかる場合には、各割込処理の発生の禁止をし(S915)、主制御装置110から送信されてくるコマンドの受信漏れを防止するために、再度、コマンド判定処理を実行する(S916)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S917)、RAM213のアクセスを禁止して(S918)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S914の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合には、処理を立ち上げ処理の終了後、S901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、メイン処理を開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、払出制御装置111の初期設定の処理(S801)(図32参照)において、スタックポインタを所定値(初期値)に設定することで、処理をS901から開始することができる。従って、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
次に、図34から図40のフローチャートを参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信される各種コマンドを受信する度に実行されるコマンド受信割込処理とがある。説明の便宜上、まず始めに、コマンド受信割込処理を説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
まず、図38を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図38は、演出制御装置117のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。コマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信するための割込処理であり、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信する度に実行される処理である。
このコマンド受信割込処理では、まず、変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信したかを判定し(S1401)、変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、変動演出設定処理を実行する(S1402)。なお、上述した通り、変動パターンコマンドは、実行すべき変動演出の変動時間(変動演出のパターン)を示すコマンドであり、演出時間加算コマンドは、実行すべき変動演出の延長時間または短縮時間を示すコマンドである。また、変動演出設定処理については、図39を参照して後述するが、第3図柄表示装置81において変動演出を実行開始するために必要な変動演出データを設定するための処理である。
この変動演出設定処理(S1402)が終了したら、S1403の処理へ移行する。一方、S1401の処理において、変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信していない場合には(S1401:No)、上述したS1402の処理をスキップして、S1403の処理へ移行する。
S1403の処理では、停止図柄コマンドを受信したかを判定し(S1403)、停止図柄コマンドを受信していない場合には(S1403:No)、S1404〜S1407の各処理をスキップして、S1408の処理へ移行する。なお、上述した通り、停止図柄コマンドは、実行開始する(又は実行中の)変動演出の停止図柄のパターンを示すコマンドである。
S1403の処理において、停止図柄コマンドを受信した場合には(S1403:Yes)、RAM273の停止図柄設定済フラグ273eがオンであるかを判定する(S1404)。上述した通り、停止図柄設定済フラグ273eは、第3図柄表示装置81において実行開始される(又は、実行開始された)変動演出の停止図柄が設定されると、オンされるフラグである。ここで、停止図柄設定済フラグ273eが既にオンである場合とは、変動演出の開始が指示されてから(即ち、変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信してから)、停止図柄コマンドよりも先に停止図柄変更コマンドが受信され、その結果、実行開始する(又は実行中の)変動演出の停止図柄が「チャンス目」に設定された場合である。
S1404の処理において、停止図柄設定済フラグ273eがオンである場合には(S1404:Yes)、S1405〜S1407の処理をスキップして(停止図柄の設定は行わずに)、S1408の処理へ移行する。一方、停止図柄設定済フラグ273eがオフである場合には(S1404:No)、停止図柄設定中フラグ273dをオンに設定して(S1405)、停止図柄設定処理を実行する(S1406)。
なお、停止図柄設定処理については、図40を参照して後述するが、第3図柄表示装置81において実行開始する(又は実行中の)変動演出の停止図柄を設定するための処理である。この停止図柄設定処理(S1406)が終了したら、停止図柄設定中フラグ273dをオフに設定して(S1407)、S1408の処理へ移行する。
S1408の処理では、停止図柄変更コマンドを受信したかを判定する(S1408)。なお、上述した通り、停止図柄変更コマンドは、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更することを、主制御装置110が演出制御装置117に指示するコマンドである。S1408の処理において、停止図柄変更コマンドを受信していない場合には(S1408:No)、S1409〜S1412の各処理をスキップして、S1413の処理へ移行する。
一方、S1408の処理において、停止図柄変更コマンドを受信した場合には(S1408:Yes)、停止図柄設定中フラグ273dがオンであるかを判定し(S1409)、停止図柄設定中フラグ273dがオンの場合は(S1409:Yes)、上述した停止図柄設定処理(図40参照)の実行中であるので、フラグがオフになるまで待機する。一方、停止図柄設定中フラグ273dがオフの場合には(S1409:No)、上述した停止図柄設定処理による停止図柄の変更を禁止するために、停止図柄設定済フラグ273eをオンに設定する(S1410)。ここで、停止図柄設定済フラグ273eがオンに設定することで、停止図柄変更コマンドを受信した後に、停止図柄コマンドを受信しても、停止図柄の設定がスキップされるので、停止図柄の変更を禁止できる。
そして、「チャンス目」となる停止図柄の組み合わせを取得する(S1411)。なお、停止図柄の組み合わせとは、「0」から「9」の数字に対応する各キャラクタ図柄(第3図柄)の中から、3つのキャラクタ図柄を重複可能に組み合わせたものであるが、ここでは、3つのキャラクタ図柄の組み合わせに対応する数値を取得する。
また、S1411の処理では、実行開始する(又は実行中の)変動演出のパターンに応じて、「外れチャンス目」となる組み合わせか、「リーチチャンス目」となる停止図柄の組み合わせを取得する。より具体的には、実行開始する(又は実行中の)変動演出のパターンが、「外れ変動(11秒間)」なら「外れチャンス目」となる停止図柄の組み合わせを取得する。また、実行開始する(又は実行中の)変動演出のパターンが、「ノーマルリーチ変動(20秒間)」、「スーパーリーチ変動(40秒間)」、又は、「スペシャルリーチ変動(60秒間)」なら「リーチチャンス目」となる停止図柄の組み合わせを取得する。
このようにすれば、連続チャンス目演出において、表示される「チャンス目」に変化を持たせることができるので、遊技者が遊技に対して単調な印象を持つことを回避し、高い興趣性を有する遊技を提供することが可能となる。なお、「リーチチャンス目」となる停止図柄の組み合わせだけを取得しても良いし、「外れチャンス目」となる停止図柄の組み合わせだけを取得しても良い。また、「リーチチャンス目」となる停止図柄の組み合わせと、「外れチャンス目」となる停止図柄の組み合わせとを交互に取得しても良い。
次に、S1411の処理で取得した停止図柄の組み合わせに対応する停止図柄データ(停止図柄の画像データ)を、キャラクタROM275から取得して、ビデオRAM276の停止図柄データ記憶領域276bに記憶する(S1412)。上述したS1408〜S1412の処理により、停止図柄変更コマンドを受信した場合に、実行開始する(又は実行中の)変動演出の停止図柄が既に設定済みであっても、その停止図柄を「チャンス目」に変更できる。また、停止図柄が設定されていない場合には、停止図柄を「チャンス目」に設定でき、それ以降の停止図柄の変更を禁止できる。
そして、S1412の処理が終了したら、S1413の処理へ移行する。S1413の処理では、停止コマンドを受信したかを判定し(S1413)、停止コマンドを受信した場合には(S1413:Yes)、第3図柄表示装置81において実行中の変動演出を終了して(S1414)、S1415の処理へ移行する。一方、S1413の処理において、停止図柄コマンドを受信してない場合には(S1413:No)、上述したS1414の各処理をスキップして、S1415の処理へ移行する。
S1415の処理では、その他のコマンドを受信したかを判定し(S1415)、その他のコマンドを受信した場合には(S1415:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行する(S1416)。
例えば、電源断コマンドを受信した場合なら、RAM273の所定領域に電源断の発生情報を記憶するなどの処理である。また、例えば、保留数コマンドを受信した場合なら、保留個数表示更新処理(図36のS1203参照)が実行された際に、受信した保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが、特図保留ランプ85において点灯されるよう設定するなどの処理である。
一方、S1415の処理において、その他のコマンドを受信していない場合には(S1415:No)、上述したS1416の処理をスキップして、このコマンド受信割込処理を終了する。
以上の図38のコマンド受信割込処理によれば、停止図柄変更コマンドを受信した場合に、実行開始する(又は実行中の)変動演出の停止図柄が既に設定済みであっても、その停止図柄を「チャンス目」に変更できる。また、停止図柄が設定されていない場合には、停止図柄を「チャンス目」に設定でき、それ以降の停止図柄の変更を禁止できる。
次に、図39を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される変動演出設定処理(S1402)について説明する。図39は、演出制御装置117の変動演出設定処理(S1402)を示すフローチャートである。変動演出設定処理(S1402)は、第3図柄表示装置81において変動演出を実行開始するために必要な変動演出データを設定するための処理であり、変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信する度に実行される処理である。なお、上述したコマンド受信割込処理(図38参照)の中で実行される処理である。
この変動演出設定処理(S1402)では、まず、RAM273の変動開始フラグ273cをオンに設定し、停止図柄設定済フラグ273eをオフに設定する(S1901)。なお、上述した通り、変動開始フラグ273cは、第3図柄表示装置81における変動演出の開始を、主制御装置110から指示された場合にオンされ、変動演出を開始したらオフされるフラグであり、停止図柄設定済フラグ273eは、第3図柄表示装置81において実行開始される(又は、実行開始された)変動演出の停止図柄が設定されると、オンされるフラグである。
次に、受信した変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドから変動時間を抽出し、それをRAM273の変動時間メモリ273aに記憶する(S1902)。なお、上述した通り、変動パターンコマンドは、実行すべき変動演出の変動時間(変動演出のパターン)を示すコマンドであり、演出時間加算コマンドは、実行すべき変動演出の延長時間または短縮時間を示すコマンドである。
次に、受信した変動パターンコマンドから実行すべき変動演出のパターンを抽出する(S1903)。具体的には、上述した「外れ変動」、「ノーマルリーチ変動」、「スーパーリーチ変動」、「スペシャルリーチ変動」、「チャンス目ノーマル変動」、「チャンス目スーパー変動A〜D」、「チャンス目スペシャル変動A〜F」の15種類設けられている変動演出のパターンの中で、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターンを抽出する。
次に、抽出した変動演出のパターンに対応する変動演出データを、キャラクタROM275から取得して(S1904)、そのデータを、ビデオRAM276の変動演出データ記憶領域276aに記憶する(S1905)。そして、この変動演出設定処理を終了して、コマンド受信割込処理(図38参照)へ戻る。
次に、図40を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される停止図柄設定処理(S1406)について説明する。図40は、演出制御装置117の停止図柄設定処理(S1406)を示すフローチャートである。停止図柄設定処理(S1406)は、第3図柄表示装置81において実行開始する(又は実行中の)変動演出の停止図柄を設定するための処理であり、停止図柄コマンドを受信する度に実行される処理である。また、上述したコマンド受信割込処理(図38参照)の中で実行される処理である。
停止図柄設定処理(S1406)では、まず、受信した停止図柄コマンドから、停止図柄のパターンを抽出する(S2001)。具体的には、「確変大当たり」、「通常大当たり」、「チャンス目」、「前後外れリーチ」、「前後外れ以外リーチ」、「完全外れ」の6種類の中で、受信した停止図柄コマンドに対応する変動演出のパターンを抽出する。
次に、抽出した停止図柄のパターンに対応する停止図柄の組み合わせを取得する(S2002)。なお、停止図柄の組み合わせとは、「0」から「9」の数字に対応する各キャラクタ図柄(第3図柄)の中から、3つのキャラクタ図柄を重複可能に組み合わせたものであるが、ここでは、3つのキャラクタ図柄の組み合わせに対応する数値を取得する。例えば、「確変大当たり」に対応する停止図柄の組み合わせなら、3つの同一の奇数で構成される数字の組み合わせ(「111」や「333」など)を取得し、「通常大当たり」に対応する停止図柄の組み合わせなら、3つの同一の偶数で構成される数字の組み合わせ(「222」や「444」など)を取得する。
また、S2001の処理において、停止図柄のパターンとして「チャンス目」が抽出された場合には、実行開始する(又は実行中の)変動演出のパターンに応じて、「外れチャンス目」となる組み合わせか、「リーチチャンス目」となる停止図柄の組み合わせを取得する。より具体的には、実行中の変動演出のパターンが、「外れ変動(11秒間)」なら「外れチャンス目」となる停止図柄の組み合わせを取得する。また、実行中の変動演出のパターンが、「ノーマルリーチ変動(20秒間)」、「スーパーリーチ変動(40秒間)」、又は、「スペシャルリーチ変動(60秒間)」なら「リーチチャンス目」となる停止図柄の組み合わせを取得する。
このようにすれば、連続チャンス目演出において、表示される「チャンス目」に変化を持たせることができるので、遊技者が遊技に対して単調な印象を持つことを回避し、高い興趣性を有する遊技を提供することが可能となる。なお、「リーチチャンス目」となる停止図柄の組み合わせだけを取得しても良いし、「外れチャンス目」となる停止図柄の組み合わせだけを取得しても良い。また、「リーチチャンス目」となる停止図柄の組み合わせと、「外れチャンス目」となる停止図柄の組み合わせとを交互に取得しても良い。
また、S2002の処理では、実行開始する(又は実行中の)変動演出のパターンが、「チャンス目ノーマル変動」、「チャンス目スーパー変動A〜D」、「チャンス目スペシャル変動A〜F」の場合には、それぞれの変動演出において表示する「チャンス目」の停止図柄の組み合わせを「チャンス目」の表示回数に応じて取得する。例えば、実行開始する(又は実行中の)変動演出のパターンが、「チャンス目スーパー変動C」なら、その変動演出において「チャンス目」を2回表示するので、「チャンス目」となる停止図柄の組み合わせも2回分取得する。
次に、S2002の処理で取得した停止図柄の組み合わせに対応する停止図柄データ(停止図柄の画像データ)を、キャラクタROM275から取得して、ビデオRAM276の停止図柄データ記憶領域276bに記憶する(S2003)。そして、停止図柄設定済フラグ273eをオンに設定し(S2004)、停止図柄設定処理を終了して、コマンド受信割込処理(図38参照)へ戻る。
以上の図40の停止図柄設定処理(S1406)によって、停止図柄コマンドを受信した場合に、受信した停止図柄コマンドが示す停止図柄のパターンに基づいて、第3図柄表示装置81において実行開始する(又は実行中の)変動演出の停止図柄を設定できる。
次に、図34を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を説明する。図34は、演出制御装置117の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。
電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
電源投入報知処理が終了したら、次に、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置81(LCD)に表示する(S1004)。
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図35のS1108参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって判定する(S1005)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図35を参照しつつ後述するが、演出制御装置117では、電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(図35のS1108参照)を実行する。そして、かかる電源断処理の実行前には、電源断処理中フラグをオンし、電源断処理の終了後には、電源断処理中フラグをオフする。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。1つ目の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
2つ目の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図35のS1108参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
3つ目の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
上述した3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合には(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
例えば、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされたとしても、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出に関する制御を継続することできる。ここで、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされた場合に、RAM273のデータが必ず初期化される構成であると、連続チャンス目演出を開始するかの判定も、初期状態からやり直す必要がある。しかしながら、本実施の形態では、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出を開始するかの判定を継続して行えるので、連続チャンス目演出を行う機会が減少することを抑制できる。
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1011の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図35のS1108参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1011の処理へ移行する。
S1005の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合には(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図35のS1108参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
S1007の処理では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックする(S1007)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
次に、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1010)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
S1011の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1011)。電源断フラグは、電源断処理(図35のS1108参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる(図35のS1108参照)。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
従って、かかる場合には(S1011:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリアをクリアし(S1012)、RAM273の初期値を設定した後(S1013)、割込み許可を設定して(S1014)、メイン処理へ移行する。なお、RAM273の作業エリアとしては、RAM273の各メモリ273a〜273eなどが該当する。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
よって、かかる場合には(S1011:No)、RAM273の作業領域のクリア処理であるS1012をスキップして、処理をS1013へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1013)、割込み許可を設定して(S1014)、メイン処理へ移行する。
なお、S1012のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。例えば、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされたとしても、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出に関する制御を継続することできる。ここで、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされた場合に、RAM273のデータが必ず初期化される構成であると、連続チャンス目演出を開始するかの判定も、初期状態からやり直す必要がある。しかしながら、本実施の形態では、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出を開始するかの判定を継続して行えるので、連続チャンス目演出を行う機会が減少することを抑制できる。
また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、既にRAM273のすべての記憶領域はクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図35を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理について説明する。図35は、演出制御装置117のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上記した演出制御装置117の立ち上げ処理(図34参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、前回の判定(S1101の処理)が実行されてから、1m秒以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定(S1101の処理)が実行されてから、1m秒以上経過している場合には(S1101:Yes)、音声ランプ演出処理を実行する(S1102)。なお、音声ランプ演出処理については、図36を参照して後述するが、主に、各種ランプの点灯制御や、音声出力制御を実行するための処理である。この音声ランプ演出処理(S1102)が終了したら、S1103の処理へ移行する。
一方、前回の判定(S1101の処理)が実行されてから、1m秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102の処理をスキップして、S1103の処理へ移行する。このS1101の処理によって、前回の判定が実行されてから1m秒以上経過したか否かを判定するのは、S1102の処理が、主にランプの点灯制御や、音声出力制御に関する処理であるので、短い周期(1m秒以内)で実行する必要がないからである。
S1103の処理では、前回の判定(S1103の処理)が実行されてから、20m秒以上が経過したか否かを判定し(S1103)、前回の判定(S1103の処理)が実行されてから、20m秒以上経過している場合には(S1103:Yes)、変動演出処理を実行する(S1104)。なお、変動演出処理については、図37を参照して後述するが、第3図柄表示装置81(LCD)に、変動演出に応じた動画(画像)を表示させるための処理である。この変動演出処理(S1104)が終了したら、S1105の処理へ移行する。
一方、前回の判定(S1103の処理)が実行されてから、20m秒以上経過していなければ(S1103:No)、S1104の処理をスキップして、S1105の処理へ移行する。このS1103の処理によって、前回の判定が実行されてから20m秒以上経過したか否かを判定するのは、S1104の処理が、第3図柄表示装置81(LCD)に表示させる画像を変動時間に応じて更新する処理であるので、短い周期(20m秒以内)で実行する必要がないからである。
S1105の処理では、RAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する(S1105)。なお、電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1105の処理において、電源断の発生情報が記憶されている場合には(S1105:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1107)、電源断処理を実行する(S1108)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1109)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、表示ランプ34、及び、第3図柄表示装置81への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。なお、各出力ポートをオフするのは、異常な表示や、異常な音声出力が行われることを防止するためであり、異常な表示や、異常な音声出力によって、遊技者を困惑させないようにするためである。
S1105の処理において、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1105:No)、RAM273に記憶されるキーワード「55AAh」(図34のS1009の処理参照)に基づき、RAM273が破壊されているか否かを判別し(S1106)、RAM273が破壊されていなければ(S1106:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1106の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1106の処理において、RAM273が破壊されていれば(S1106:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図36を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される音声ランプ演出処理(S1102)について説明する。図36は、演出制御装置117の音声ランプ演出処理(S1102)を示すフローチャートである。音声ランプ演出処理(S1102)は、主に、ランプの点灯制御や、音声出力制御を実行するための処理であり、上述したメイン処理(図35参照)の中で実行される処理である。
音声ランプ演出処理(S1102)では、まず、後述するS1205の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1201)。そして、S1202の客待ち演出処理を実行し、その後、保留個数表示更新処理を実行する(S1203)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などを行う。また、保留個数表示更新処理では、主制御装置110から送信されて受信した保留数コマンドに基づいて、特図保留ランプ85の点灯数が更新される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理を実行する(S1204)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1204の処理は省略する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1205)、その後、音編集・出力処理を実行する(S1206)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などを設定する。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどを設定し、その設定に応じて音声出力装置226から音を出力させる。
S1206の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1207)、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理(図35参照)へ戻る。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信されて受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間を設定する。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1205のランプ編集処理を実行する。なお、S1206の音編集・出力処理も、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行する。
次に、図37を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される変動演出処理(S1104)について説明する。図37は、演出制御装置117の変動演出処理(S1104)を示すフローチャートである。変動演出処理(S1104)は、第3図柄表示装置81(LCD)に、変動演出に応じた動画(画像)を表示させるための処理であり、上述したメイン処理(図35参照)の中で実行される処理である。
変動演出処理(S1104)では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている変動演出が大当たり用の演出であるか(即ち、大当たり中であるか)否かを判別し(S1301)、大当たり中であれば(S1301:Yes)、大当たり演出処理を実行する(S1302)。大当たり演出処理では、ラウンド数を更新したり、賞球数を更新したり、ラウンド毎に背景の画像を更新するなど(例えば、ラウンド毎に、キャラクタROM275から演出データを読み出して、ビデオRAM276の所定領域に書き込むなど)を行う。大当たり演出処理(S1302)の終了後は、変動演出処理を終了して、メイン処理(図35参照)へ戻る。
一方、S1301の処理において、大当たり中でなければ(S1301:No)、第3図柄表示装置81において変動演出の実行中(変動中)であるか否かを判定し(S1303)、変動中でない場合には(S1303:No)、RAM273の変動開始フラグ273cがオンであるかを判定する(S1304)。上述した通り、変動開始フラグ273cは、第3図柄表示装置81における変動演出の開始を、主制御装置110から指示された場合にオンされ、変動演出を開始したらオフされるフラグである。具体的には、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信した場合にオンに設定されるフラグである(図38のS1402参照)。
S1304の処理において、変動開始フラグ273cがオフである場合には(S1304:No)、その他の表示処理を実行して(S1313)、この変動演出処理を終了する。その他の表示処理とは、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に実行する客待ち演出などの表示処理である。
一方、S1304の処理において、変動開始フラグ273cがオンである場合には(S1304:Yes)、まず、変動開始フラグ273cをオフする(S1305)。そして、RAM273の変動時間カウンタ273bをリセットして(0に設定して)、変動時間のカウントを開始し(S1306)、S1308の処理へ移行する。なお、上述した通り、変動時間カウンタ273bは、第3図柄表示装置81において変動演出が開始されてからの経過時間が記憶されるカウンタである。
一方、S1303の処理において、変動演出の実行中(変動中)である場合には(S1303:Yes)、変動時間カウンタ273bの値を更新して(S1307)、S1308の処理へ移行する。S1308の処理では、主制御装置110から送信されてくる停止コマンドの受信の有無を確認することで、変動演出時間内であるか否かを判断する(S1308)。例えば、変動演出を開始してから、停止コマンドを受信するまでの間なら、変動演出時間内であると判断する。
S1308の処理において、変動演出時間内であると判定された場合には(S1308:Yes)、停止図柄の表示時間であるか判定する(S1309)。例えば、変動時間カウンタ273bの経過時間が、実行中の変動演出に対して定められている停止図柄の表示時間になったかを判定し、経過時間が停止図柄の表示時間となったら、停止図柄を表示する時間であると判定する。
S1309の処理において、まだ停止図柄の表示時間でない場合には(S1309:No)、ビデオRAM276の変動演出データ記憶領域276aに記憶されている変動演出データを使用して、第3図柄表示装置81(LCD)に、変動演出データ(高速変動などの変動演出)に対応する画像を表示する(S1310)。上述した通り、本実施の形態では、第3図柄表示装置81に表示される1回分の変動演出は、高速変動などの変動演出を行うための変動演出データと、停止図柄の画像データである停止図柄データとに基づいて行われる。そして、S1310の処理が終了したら、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図35参照)へ戻る。
一方、S1309の処理において、停止図柄の表示時間である場合には(S1309:Yes)、ビデオRAM276の停止図柄データ記憶領域276bに記憶されている停止図柄データを使用して、第3図柄表示装置81(LCD)に、停止図柄を表示する(S1311)。そして、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図35参照)へ戻る。
S1308の処理において、変動演出時間内でない場合(S1308:No)、即ち、変動演出の時間が終了した場合には、第3図柄表示装置81(LCD)における変動演出を休止する(S1312)。例えば、第3図柄表示装置81(LCD)に、新たな画像を表示することを停止する。その結果、第3図柄表示装置81(LCD)では、表示中の画像がそのまま表示され続ける。S1312の処理が終了したら、変動演出処理を終了して、メイン処理(図35参照)へ戻る。
以上の図37の変動演出処理(S1104)によって、第3図柄表示装置81(LCD)に、変動演出に応じた動画(画像)および停止図柄を表示することができる。また、第3図柄表示装置81(LCD)に表示される1回分の変動演出を、変動演出データと、停止図柄データとに基づいて行うことができる。具体的には、変動演出を開始したら、まず、変動演出データ記憶領域276aに記憶されている変動演出データを読み出し、その変動演出データ(高速変動などの変動演出)に対応する画像を第3図柄表示装置81に表示する。そして、停止図柄の表示時間となる度に、停止図柄データ記憶領域276bに記憶されている停止図柄データを読み出して停止図柄を表示する。
つまり、1回分の変動演出に使用するデータを、それぞれ異なる記憶領域276a、276bに記憶し、必要に応じて読み出す構成としているので、変動演出の時間内であり、且つ、停止図柄の表示時間前であれば、変動演出の開始後に一度設定(記憶)した停止図柄データを、別の停止図柄データに書き換える(上書きする)ことができる。よって、第3図柄表示装置81(LCD)において変動演出が開始された後に(即ち、変動演出の途中で)、停止図柄を「チャンス目」に変更できる。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、まだ演出を開始していない変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更可能な上、さらに、第3図柄表示装置81において変動演出中の停止図柄を、変動演出の途中で「チャンス目」に変更できる。よって、まだ演出を開始していない変動演出の停止図柄だけを「チャンス目」に変更する構成と比較して、変動演出中の停止図柄を「チャンス目」に変更できる分、即ち、1回多く「チャンス目」を表示できる。従って、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができるので、遊技者の期待感を向上させることができる。また、停止図柄を「チャンス目」とする変動演出は、少なくとも2回以上連続で実行される。即ち、単発での実行を禁止できるので、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
また、最終的な抽選結果が「確変大当たり」又は「通常大当たり」である連続チャンス目演出が実行されている場合に、最後の変動演出のパターンとして「スーパーリーチ変動(40秒間)」、又は、「スペシャルリーチ変動(60秒間)」が取得されたら、それに代えて、チャンス目スーパー変動A〜D、又は、チャンス目スペシャル変動A〜Fを設定することができる。その結果、チャンス目スーパー変動A〜D、又は、チャンス目スペシャル変動A〜Fを実行でき、「チャンス目」の連続表示回数を増加させることができる。よって、連続チャンス目演出において実行される変動演出の数が少なく、「チャンス目」の連続表示回数が少ない場合でも、「チャンス目」の連続表示回数を増加させることができる。従って、遊技者は、「チャンス目」の連続表示回数が増える度に、有利な遊技状態への期待感を向上させることになり、その結果、遊技者は、「チャンス目」の連続表示回数に応じて一喜一憂することになる。故に、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
また、連続チャンス目演出において実行される変動演出の数が少ない場合でも、見かけ上、実行される変動演出の数が増えるので、連続チャンス目演出における変動演出を多様なものにできる。よって、遊技者が遊技に対して単調な印象を持つことを回避し、高い興趣性を有する遊技を提供することが可能となる。
以上、上記各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態では、連続チャンス目演出を行うか否かの判定を、主制御装置110において行っているが、その代わりに、演出制御装置117において連続チャンス目演出を行うか否かの判定を行う構成としても良い。例えば、演出制御装置117において、連続チャンス目演出を行うか否かの判定を行う場合には、主制御装置110において入賞が検出される度に、その入賞の抽選結果を示す入賞情報コマンドを演出制御装置117に送信する。演出制御装置117では、入賞情報コマンドを受信する度に、受信した入賞情報コマンドが示す抽選結果を記憶すると共に、その抽選結果に基づいて連続チャンス目演出を行うか否かの判定を行う。このように構成すれば、主制御装置110では、連続チャンス目演出を行うか否かの判定の処理や、停止図柄変動指示格納テーブルそのものや、付随する処理などが不用となるので、主制御装置110の制御的負担を軽減できる。
また、上記実施の形態では、主制御装置110において、新たな入賞が検出される度に、その入賞の抽選結果に応じた設定値を、停止図柄指示格納テーブルに記憶するように構成しているが、それぞれの抽選結果をそれぞれ識別可能な設定値を記憶するように構成しても良い。具体的には、例えば、受信した入賞情報コマンドが示す抽選結果が「前後外れリーチ」なら「設定値:前後外れリーチ」を停止図柄指示格納テーブルに新たに記憶する。以下同様に、「前後以外外れリーチ」なら「設定値:前後以外外れリーチ」を、「完全外れ」なら「設定値:完全外れ」を、「確変大当たり」なら「設定値:確変大当たり」を、「通常大当たり」なら「設定値:通常大当たり」を、停止図柄指示格納テーブルに新たに記憶する。このように構成すれば、停止図柄指示格納テーブルの内容を参照すれば、停止図柄のパターンを識別できるので、保留されている変動演出を新たに開始する場合に、もう一度、その保留されている変動演出に対応するデータから、抽選結果を取得する処理を実行しなくて良い。よって、主制御装置110の制御的負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、連続チャンス目演出における最後の変動演出が「確変大当たり」又は「通常大当たり」で終わる場合には、その最後の変動演出を開始したら、1回以上の「チャンス目」を表示して演出を続け、その後、「確変大当たり」又は「通常大当たり」に対応する停止図柄を表示しているが、最後の変動演出では、「チャンス目」の表示を行う演出を行わずに、通常通りに演出を行って「確変大当たり」又は「通常大当たり」に対応する停止図柄を表示するようにしても良い。
また、上記実施の形態では、停止図柄を変更可能な期間(変更可能期間)内に、抽選結果が「通常大当たり」である入賞を検出した場合に、停止図柄指示格納テーブルにおける実行エリアから第3保留エリアまでにそれぞれ「設定値:外れ」が記憶されていると、「チャンス目」の表示を最大4回連続までに制限するために、現在実行中の変動演出の停止図柄を変更しない。これに代えて、現在実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更し、その後、1回目から3回目までの各変動演出の停止図柄もそれぞれ「チャンス目」に変更する。そして、最後の変動演出である4回目の変動演出の停止図柄では、「チャンス目」を表示せずに、単に、「通常大当たり」に対応する停止図柄を表示するようにして、「チャンス目」の表示を最大4回連続までに制限しても良い。
また、上記実施の形態では、連続チャンス目演出における「チャンス目」の連続表示回数の最大値を、「確変大当たり(制限なし)」の場合と、「通常大当たり(最大4回連続まで)」の場合と、「前後外れリーチ(最大3回連続まで)」の場合とで異なるように構成しているが、この最大値は、任意に設定しても良い。
また、上記実施の形態では、連続チャンス目演出の終了後に、続けて、別の連続チャンス目演出が行われないようにしているが、連続チャンス目演出を連続で行うように構成しても良い。例えば、連続チャンス目演出を連続で行う場合には、それぞれの連続チャンス目演出が連続で実行されることで、あたかも連続しているように表示される「チャンス目」の合計数が、後続の連続チャンス目演出の最終的な抽選結果に応じた最大連続回数を超えないようにする。具体的には、後続の連続チャンス目演出の抽選結果が「確変大当たり」なら、「チャンス目」の連続表示回数の制限を行わず、「通常大当たり」なら最大4回連続までとし、「前後外れリーチ又は外れチャンス目」なら最大3回連続までとする。これにより、停止図柄を「チャンス目」とする変動演出の連続回数が増加するので、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、変更可能期間を全て同一時間(8秒)としているが、各図柄列(Z1〜Z3又はZ1’〜Z3’)の第3図柄の停止タイミングと、停止図柄とに基づいて、変更可能期間を定めても良い。例えば、各図柄列(Z1〜Z3又はZ1’〜Z3’)毎に、停止図柄を設定(指定)できるように構成しておき、また、変動演出前に、各図柄列(Z1〜Z3又はZ1’〜Z3’)において表示する停止図柄を、各図柄列毎に設定し記憶しておく。上述した通り、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の変動方向が、横スクロールの場合(図11(a)参照)であれば、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止する。つまり、上図柄列Z1で第3図柄が停止していても、下図柄列Z3で第3図柄が停止するまでは、下図柄列Z3および中図柄列Z2の停止図柄を変更する(即ち、上図柄列Z1の停止図柄に変更する)ことで、「チャンス目」を表示可能であるので、変更可能期間とする。また、上図柄列Z1および下図柄列Z3で第3図柄が停止していても、同一の第3図柄が停止しているなら、中図柄列Z2の停止図柄を変更する(その同一の第3図柄に変更する)ことで、「チャンス目」を表示可能であるので、変更可能期間とする。なお、縦スクロールの場合(図11(b)参照)については、上図柄列Z1が左図柄列Z1’となり、下図柄列Z3が右図柄列Z3’となり、中図柄列Z2’が中図柄列Z2’となるだけで、同様である。
また、上記実施の形態の連続チャンス目演出では、停止図柄を「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」とする変動演出を連続で行っているが、停止図柄を「チャンス目」とする代わりに、変動演出中の効果音(動的表示の効果音の態様、例えば、第3図柄の停止音など)を、通常の変動演出中とは異なる効果音に変えても良い。この効果音により、連続チャンス目演出中であることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができる。よって、遊技への参加を遊技者に促すことができる。また、停止図柄を「チャンス目」とした上に、更に、変動演出中の効果音(動的表示の効果音の態様、例えば、第3図柄の停止音など)を、通常の変動演出中とは異なる効果音に変えても良い。
また、上記実施の形態の連続チャンス目演出では、停止図柄を「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」とする変動演出を連続で行っているが、停止図柄を「チャンス目」とする代わりに、変動演出中の電飾部29〜33や、表示ランプ34の点灯パターン(動的表示の演出の態様)を、通常の変動演出中とは異なるパターンに変えても良い。通常とは異なる点灯パターンにより、連続チャンス目演出中であることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができる。よって、遊技への参加を遊技者に促すことができる。また、停止図柄を「チャンス目」とした上に、更に、変動演出中の電飾部29〜33や、表示ランプ34の点灯パターン(動的表示の演出の態様)を、通常の変動演出中とは異なるパターンに変えても良い。
また、上記実施の形態の連続チャンス目演出では、停止図柄を「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」とする変動演出を連続で行っているが、その代わりに、通常とは異なる特別な変動演出を連続で行うようにしても良い。例えば、同一の変動演出(動的表示の演出の態様が同一)を連続で行っても良いし、それぞれ異なる変動演出を所定の順番に連続で行っても良い。この特別な変動演出により、連続チャンス目演出中であることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができる。よって、遊技への参加を遊技者に促すことができる。
また、上記実施の形態の連続チャンス目演出では、停止図柄を「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」とする変動演出を連続で行っているが、その際に、変動演出中の効果音(動的表示の効果音の態様、例えば、第3図柄の停止音など)を、通常の変動演出中とは異なる効果音に変えたり、変動演出中の電飾部29〜33や表示ランプ34の点灯パターン(動的表示の演出の態様)を、通常の変動演出中とは異なるパターンに変えたり、通常とは異なる特別な変動演出を連続で行うようにしても良い。また、それぞれを複数組み合わせて行っても良い。
また、上記実施の形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを音声ランプ制御装置で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を表示制御装置で行うように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、大当たりの判定が開始される入球口として、第1入球口64を1つ設ける構成としたが、この第1入球口は2つ以上であっても良い。そして、遊技球が入賞した第1入球口に応じて、連続チャンス目演出の演出態様を変化させる(例えば、演出のスクロール方向(縦横)を変化させる)ように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81で表示される演出パターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)を決定する場合に、停止パターン選択カウンタC3のカウンタ値に基づいて決定しているが、停止パターン選択カウンタC3を設けずに、その他のカウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、および、変動種別カウンタCS1〜CS3)のカウンタ値に基づいて決定するように構成しても良い。なお、第3図柄表示装置81で表示される演出パターンは、変動種別カウンタCS1〜CS3のうちの一のカウンタ値と、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値と、第1当たり種別カウンタC2のカウンタ値とに基づいて決定しても良いし、変動種別カウンタC1〜C3のうちの複数のカウンタ値と、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値と、第1当たり種別カウンタC2のカウンタ値とに基づいて決定しても良い。
また、上記実施の形態における第1当たり乱数カウンタC1では、0〜738の範囲の数値をカウントしているが、カウントする範囲は適宜決定すれば良い。ここで、0〜738の範囲の数値をカウントするには、少なくとも2バイトの領域(2バイトでカウント可能な範囲は0〜65535)が必要である。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が2バイトで構成されているなら、2バイトによりカウント可能な最大範囲である0〜65535の範囲の数値をカウントしても良いし、0〜32768(最上位ビットのみビット値が「1」、その他のビットはビット値「0」)の範囲の数値をカウントしても良い。
同様に、上記実施の形態における第1当たり種別カウンタC2では、0〜4の範囲の数値をカウントし、停止パターン選択カウンタC3では、0〜238の範囲の数値をカウントしているが、カウントする範囲は適宜決定すれば良い。ここで、0〜4の範囲、および、0〜238の範囲の数値をカウントするには、少なくとも1バイトの領域(1バイトでカウント可能な範囲は0〜255)が必要である。例えば、第1当たり種別カウンタC2、および、停止パターン選択カウンタC3が1バイトで構成されているなら、1バイトによりカウント可能な最大範囲である0〜255の範囲の数値をカウントしても良いし、0〜128(最上位ビットのみビット値が「1」、その他のビットはビット値「0」)の範囲の数値をカウントしても良い。
ここで、カウントする範囲の最大値を分母とし、一のカウント値を分子として確率を算出する場合に、カウントする範囲が広ければ広いほど、様々な確率を設けることが容易となる。例えば、分母が100であれば、1%毎にしか確率を設けることができないが、分母が1000であれば、0.1%毎に確率を設けることができる。つまり、カウントする範囲が広ければ広いほど、確率の微調整を簡単に行うことができる。パチンコ機では、変動演出や大当たり演出が同一で大当たりの確率が異なる機種を製作することが一般的に行われるので、確率の微調整を簡単に行うことができるようパチンコ機を構成することにより、大当たりの確率の微調整を機種毎に簡単に行うことができ、設計負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、「変動方向コマンド」を設けているが、本発明を、「変動方向コマンド」が設けられていないパチンコ機等で実施しても良い。また、上記実施の形態では、「演算時間加算コマンド」を設けているが、本発明を、「演算時間加算コマンド」が設けられていないパチンコ機等で実施しても良い。
また、上記実施の形態では、主制御装置110により、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出が決定されているが、主制御装置110の代わりに、演出制御装置117が、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定しても良い。なお、演出制御装置117が、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定する場合には、特図保留ランプ85により、第1入球口64についての保留数の表示をしなくても良いし、しても良い。保留数の表示をしない場合には、主制御装置110における保留数コマンドの送信回数を軽減することができので、主制御装置110の制御的負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、特図保留球数Nを特図保留ランプ85の点灯によって報知しているが、特図保留ランプ85を設けずに、特図保留球数Nを第3図柄表示装置81に表示するように構成しても良い。なお、表示は、保留数を視覚的に区別可能に表示する(例えば、数字または、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)として表示する)ようにする。また、特図保留球数Nを特図保留ランプ85の点灯によって報知すると共に、特図保留球数Nを第3図柄表示装置81に表示するように構成しても良い。
また、上記実施の形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回保留できるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
また、上記実施の形態では、第1入球口64の特図保留球数Nを計数するカウンタとして特図保留球カウンタ203cを設けるように構成したが、カウンタ203cを設けずに、必要に応じて(例えば、変動開始の際に)、保留球格納エリア203aの内容を確認する(データがあるエリアの数を計数)ことによって、第1入球口64の特図保留球数Nを得るように構成しても良い。この場合は、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成する。
また、上記実施の形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦又は横方向にスクロールさせるものに限定されず、L字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、斜めにスクロールさせても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、上記実施の形態においては、第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組み合わせが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。識別情報を表示する表示手段と、遊技媒体が入球する入球口と、その入球口への遊技媒体の入球を検出する検出手段と、遊技機に関する主な制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの指示に応じて識別情報の動的表示を前記表示手段において実行させる周辺制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う入球情報を取得する入球情報取得手段と、その入球情報取得手段により取得された入球情報を記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて前記表示手段において実行させる動的表示を選択する動的表示選択手段と、その動的表示選択手段により選択された動的表示の実行を前記周辺制御手段に指示する動的表示実行指示手段と、前記入球情報取得手段により取得された入球情報に基づいて、入球の抽選結果を示す抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、その抽選情報取得手段により取得された抽選情報に対応する動的表示の態様を示す態様情報を記憶する態様情報記憶手段と、その態様情報記憶手段の内容に基づいて前記周辺制御手段により実行されている動的表示の態様を所定の態様に変更可能かを判定する変更可否判定手段と、その変更可否判定手段により変更可能と判定された場合に、前記周辺制御手段により実行されている動的表示を前記所定の態様に変更することを前記周辺制御手段に指示する態様変更指示手段と、その態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が前記動的表示選択手段により選択されたら、その選択された動的表示を前記所定の態様で実行させることを前記周辺制御手段に指示する第1指示制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段では、検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、その入球に伴う入球情報が入球情報取得手段により取得され、その入球情報が入球情報記憶手段に記憶される。そして、その入球情報記憶手段の内容に基づいて表示手段において実行させる動的表示が動的表示選択手段により選択され、その選択された動的表示の実行が周辺制御手段に動的表示実行指示手段により指示される。一方、周辺制御手段では、主制御手段からの指示に応じて識別情報の動的表示が表示手段において実行される。また、主制御手段では、入球情報取得手段により取得された入球情報に基づいて入球の抽選結果を示す抽選情報が抽選情報取得手段により取得され、その抽選情報に対応する動的表示の態様を示す態様情報が態様情報記憶手段に記憶される。そして、その態様情報記憶手段の内容に基づいて周辺制御手段により実行されている動的表示の態様を所定の態様に変更可能かが変更可否判定手段により判定され、変更可能と判定されると、周辺制御手段により実行されている動的表示の態様を所定の態様に変更することが周辺制御手段に態様変更指示手段により指示される。更に、態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が動的表示選択手段により選択されると、その選択された動的表示を所定の態様で実行させることが周辺制御手段に第1指示制御手段により指示される。
周辺制御手段は、主制御手段から指示された動的表示を実行するので、周辺制御手段により実行される動的表示の態様は、その実行に応じて定められる。しかしながら、周辺制御手段により実行されている動的表示の態様を所定の態様に変更することを周辺制御手段に態様変更指示手段により指示できるので、実行に応じて定められた動的表示の態様を、その動的表示の実行中に所定の態様に変更できる。よって、動的表示の態様を連続で所定の態様に変更する際には、既に実行されている実行中の動的表示の態様から所定の態様に変更できるので、その次に実行される未実行の動的表示の態様から所定の態様に変更するよりも、1回多く動的表示の態様を所定の態様に変更することができる。従って、動的表示の態様を連続で所定の態様に変更する機会を増やすことができる。
遊技機A1において、前記態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が前記動的表示選択手段により選択されたら、選択された1の動的表示の内容に応じて前記第1指示制御手段による指示の代わりに、前記動的表示選択手段により選択された前記1の動的表示に代えてその動的表示とは異なる動的表示を前記所定の態様で複数実行させることを前記周辺制御手段に指示する第2指示制御手段を備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が動的表示選択手段により選択されると、選択された1の動的表示の内容に応じて第1指示制御手段による指示の代わりに、動的表示選択手段により選択された1の動的表示に代えてその動的表示とは異なる動的表示を所定の態様で複数実行させることが周辺制御手段に第2指示制御手段により指示される。よって、周辺制御手段では、態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の動的表示として、動的表示選択手段により選択された1の動的表示とは異なる動的表示を所定の態様で複数実行させることができる。従って、動的表示を代えずに1の動的表示を所定の態様で実行させる場合と比較して、動的表示を代えてその1の動的表示とは異なる動的表示を所定の態様で複数実行させる場合には、1回以上多く所定の態様の動的表示を実行させることできる。従って、所定の態様の動的表示の実行回数を増やすことができる。
遊技機A2において、前記周辺制御手段は、前記表示手段において実行させる動的表示の演出内容が定められている演出情報を記憶する演出情報記憶手段を備え、前記主制御手段の第2指示制御手段は、前記演出情報記憶手段に記憶されている演出情報により定められている動的表示の中から、前記所定の態様で実行させる複数の動的表示を指示するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、周辺制御手段には、表示手段において実行させる動的表示の演出内容が定められている演出情報が演出情報記憶手段に記憶されており、主制御手段の第2指示制御手段は、その演出情報により定められている動的表示の中から、所定の態様で実行させる複数の動的表示を指示する。よって、動的表示選択手段により選択された動的表示に代えて、その動的表示とは異なる動的表示を複数実行させるためだけに、特別に演出情報を用意して記憶領域に記憶しておく必要が無い。従って、記憶領域の消費を抑制できる。
遊技機A2又はA3において、前記演出情報には、遊技者の期待感を高める動的表示の演出内容と、その動的表示とは異なる動的表示の演出内容とが、それぞれの動的表示の実行時間と共に定められており、前記主制御手段の第2指示制御手段は、前記態様変更指示手段により態様の変更が指示された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が前記動的表示選択手段により選択されたら、その選択された動的表示の実行時間内に、前記遊技者の期待感を高める動的表示を含めた複数の動的表示をそれぞれ実行可能であるかを判定する実行可否判定手段を備え、前記実行可否判定手段により実行可能と判定されたら、前記第1指示制御手段による指示の代わりに、前記動的表示選択手段により選択された動的表示に代えて前記遊技者の期待感を高める動的表示を含めた複数の動的表示をそれぞれ実行させることを前記周辺制御手段に指示するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、演出情報には、遊技者の期待感を高める動的表示の演出内容と、その動的表示とは異なる動的表示の演出内容とが、それぞれの動的表示の実行時間と共に定められており、主制御手段では、態様変更指示手段により態様の変更が指示された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が動的表示選択手段により選択されたら、その選択された動的表示の実行時間内に、遊技者の期待感を高める動的表示を含めた複数の動的表示をそれぞれ実行可能であるかが実行可否判定手段により判定される。そして、実行可能であると判定されたら、第1指示制御手段による指示の代わりに、動的表示選択手段により選択された動的表示に代えて遊技者の期待感を高める動的表示を含めた複数の動的表示をそれぞれ実行させることが周辺制御手段に第2指示制御手段により指示される。よって、主制御手段の動的表示選択手段により選択された動的表示に代えて、複数の動的表示の実行が指示される場合には、必ず遊技者の期待感を高める動的表示が実行されるので、遊技者に期待感を持たせることができ、更に、動的表示が複数実行されるので、動的表示の演出内容も多様なものにできる。従って、主制御手段の動的表示選択手段により選択された動的表示をそのまま実行する場合と、選択された動的表示に代えて複数の動的表示をそれぞれ実行する場合とで、遊技者に与える期待感に高低の変化をつけることができるので、遊技者に高い興趣性遊技を提供できる。
遊技機A1からA4の何れかにおいて、前記主制御手段は、前記抽選情報取得手段により抽選情報を取得する度に、その抽選情報に対応する未実行の動的表示の態様を示す態様情報を、抽選情報の取得順序に関連づけて前記態様情報記憶手段に記憶する態様情報記憶実行手段を備え、前記動的表示実行指示手段は、前記動的表示選択手段により選択された動的表示に対応する動的情報を、抽選情報の取得順序に基づいて前記態様情報記憶手段から取得する態様情報取得手段を備え、前記動的表示選択手段により選択された動的表示を、前記態様情報取得手段により取得された態様情報が示す態様で実行させることを前記周辺制御手段に指示し、前記第1指示制御手段は、前記変更可否判定手段により変更可能と判定された場合に、前記態様情報記憶手段に記憶されている未実行の動的表示の態様情報をそれぞれ、前記所定の態様を示す態様情報に変更する態様情報変更手段を備えていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、主制御手段では、抽選情報取得手段により抽選情報が取得される度に、その抽選情報に対応する未実行の動的表示の態様を示す態様情報が、態様情報記憶実行手段より抽選情報の取得順序に関連づけられて態様情報記憶手段に記憶される。また、変更可否判定手段により変更可能と判定されると、態様情報記憶手段に記憶されている未実行の動的表示の態様情報がそれぞれ、所定の態様を示す態様情報に態様情報変更手段により変更される。そして、動的表示選択手段により選択された動的表示に対応する動的情報が、抽選情報の取得順序に基づいて態様情報記憶手段から態様情報取得手段により取得されると、その態様情報が示す態様で動的表示選択手段により選択された動的表示を実行させることが周辺制御手段に動的表示実行指示手段により指示される。よって、実行させる動的表示の態様を周辺制御手段に指示する場合には、単に、実行させる動的表示に対応する態様情報を取得し、その態様情報が示す態様を実行させる動的表示の態様として周辺制御手段に指示すれば良い。即ち、動的表示実行指示手段により動的表示の実行を指示する度に、動的表示の態様を連続で所定の態様にしているかなどの状況を判断して、適切な態様を指示する必要が無いので、制御的負担を軽減できる。
遊技機A5において、前記態様情報変更手段により前記所定の態様を示す態様情報に変更された各態様情報に対応する全ての動的表示が実行された次に実行される動的表示の態様を、前記所定の態様とは別の態様に制限する態様制限手段を備えていることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、態様情報変更手段により所定の態様を示す態様情報に変更された各態様情報に対応する全ての動的表示が実行された次に実行される動的表示の態様が、所定の態様とは別の態様に態様制限手段により制限される。よって、態様情報変更手段により所定の態様を示す態様情報に変更された各動的情報に対応する全ての動的情報が実行されたら、その次に実行される動的表示の態様は所定の態様とは別の態様に制限され実行される。また、その動的表示が実行されている間は、実行されている動的表示の態様を所定の態様に変更可能と変更可否判定手段により判定されても、実行中の動的表示の態様は変更されずそのまま実行される。従って、動的表示の態様が連続で所定の態様にされた後に、再度、動的表示の態様が連続で所定の態様にされることを防止できるので、予定回数を超えて動的表示の態様が連続し続けることを防止できる。
遊技機A1からA6の何れかにおいて、前記主制御手段は、前記態様変更指示手段により前記周辺制御手段に指示される前記動的表示を所定の態様に変更することの指示とは別に、前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数に応じた制御の指示を前記周辺制御手段に指示する入球制御指示手段を備えていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、主制御手段では、態様変更指示手段により周辺制御手段に指示される動的表示を所定の態様に変更することの指示とは別に、入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数に応じた制御の指示が周辺制御手段に入球制御指示手段により指示される。よって、周辺制御手段では、動的表示を所定の態様に変更することの指示と、入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数に応じた制御の指示とを別々に受けることができるので、各指示に対応する処理を別のタイミングで実行することができ、制御的負担を分散させることができる。また、主制御手段では、動的表示を所定の態様に変更することの指示と、入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数に応じた制御の指示とを別々に周辺制御手段に指示できるので、同じタイミングで指示する場合と比較して、制御的負担を分散させることができる。
遊技機A1からA7の何れかにおいて、前記所定の態様には、動的表示の演出の態様、動的表示の表示結果の態様、動的表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、所定の態様には、動的表示の演出の態様、動的表示の表示結果の態様、動的表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれているので、動的表示が所定の態様に変更されたことを遊技者に認識させることができ、遊技者の関心を引きつけることができる。
なお、動的表示の態様を連続で所定の態様とする際に、各動的表示ごとに所定の態様を変化させても良い。例えば、1番目の動的表示では、所定の態様を動的表示の演出の態様とし、2番目の動的表示では、所定の態様を動的表示の表示結果の態様とし、3番目の動的表示では、所定の態様を動的表示の効果音の態様とする。このように、動的表示の態様を変化させれば、動的表示の変化が多彩となるので、遊技者の関心をより強く引きつけることができる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機B2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、識別情報を表示する表示手段と、遊技媒体が入球する入球口と、その入球口への遊技媒体の入球を検出する検出手段と、遊技機に関する主な制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの指示に応じて識別情報の動的表示を前記表示手段において実行させる周辺制御手段とを備えたものであり、前記主制御手段は、前記検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う入球情報を取得する入球情報取得手段と、その入球情報取得手段により取得された入球情報を記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて前記表示手段において実行させる動的表示を選択する動的表示選択手段と、その動的表示選択手段により選択された動的表示の実行を前記周辺制御手段に指示する動的表示実行指示手段と、前記入球情報取得手段により取得された入球情報に基づいて、入球の抽選結果を示す抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、その抽選情報取得手段により取得された抽選情報に対応する動的表示の態様を示す態様情報を記憶する態様情報記憶手段と、その態様情報記憶手段の内容に基づいて前記周辺制御手段により実行されている動的表示の態様を所定の態様に変更可能かを判定する変更可否判定手段と、その変更可否判定手段により変更可能と判定された場合に、前記周辺制御手段により実行されている動的表示を前記所定の態様に変更することを前記周辺制御手段に指示する態様変更指示手段と、その態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が前記動的表示選択手段により選択されたら、その選択された動的表示を前記所定の態様で実行させることを前記周辺制御手段に指示する第1指示制御手段とを備えている。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が前記動的表示選択手段により選択されたら、選択された1の動的表示の内容に応じて前記第1指示制御手段による指示の代わりに、前記動的表示選択手段により選択された前記1の動的表示に代えてその動的表示とは異なる動的表示を前記所定の態様で複数実行させることを前記周辺制御手段に指示する第2指示制御手段を備えている。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記抽選情報取得手段により抽選情報を取得する度に、その抽選情報に対応する未実行の動的表示の態様を示す態様情報を、抽選情報の取得順序に関連づけて前記態様情報記憶手段に記憶する態様情報記憶実行手段を備え、前記動的表示実行指示手段は、前記動的表示選択手段により選択された動的表示に対応する動的情報を、抽選情報の取得順序に基づいて前記態様情報記憶手段から取得する態様情報取得手段を備え、前記動的表示選択手段により選択された動的表示を、前記態様情報取得手段により取得された態様情報が示す態様で実行させることを前記周辺制御手段に指示し、前記第1指示制御手段は、前記変更可否判定手段により変更可能と判定された場合に、前記態様情報記憶手段に記憶されている未実行の動的表示の態様情報をそれぞれ、前記所定の態様を示す態様情報に変更する態様情報変更手段を備えている。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3の何れかに記載の遊技機において、前記所定の態様には、動的表示の演出の態様、動的表示の表示結果の態様、動的表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれている。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、主制御手段では、検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、その入球に伴う入球情報が入球情報取得手段により取得され、その入球情報が入球情報記憶手段に記憶される。そして、その入球情報記憶手段の内容に基づいて表示手段において実行させる動的表示が動的表示選択手段により選択され、その選択された動的表示の実行が周辺制御手段に動的表示実行指示手段により指示される。一方、周辺制御手段では、主制御手段からの指示に応じて識別情報の動的表示が表示手段において実行される。また、主制御手段では、入球情報取得手段により取得された入球情報に基づいて入球の抽選結果を示す抽選情報が抽選情報取得手段により取得され、その抽選情報に対応する動的表示の態様を示す態様情報が態様情報記憶手段に記憶される。そして、その態様情報記憶手段の内容に基づいて周辺制御手段により実行されている動的表示の態様を所定の態様に変更可能かが変更可否判定手段により判定され、変更可能と判定されると、周辺制御手段により実行されている動的表示の態様を所定の態様に変更することが周辺制御手段に態様変更指示手段により指示される。更に、態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が動的表示選択手段により選択されると、その選択された動的表示を所定の態様で実行させることが周辺制御手段に第1指示制御手段により指示される。
周辺制御手段は、主制御手段から指示された動的表示を実行するので、周辺制御手段により実行される動的表示の態様は、その実行に応じて定められる。しかしながら、周辺制御手段により実行されている動的表示の態様を所定の態様に変更することを周辺制御手段に態様変更指示手段により指示できるので、実行に応じて定められた動的表示の態様を、その動的表示の実行中に所定の態様に変更できる。よって、動的表示の態様を連続で所定の態様に変更する際には、既に実行されている実行中の動的表示の態様から所定の態様に変更できるので、その次に実行される未実行の動的表示の態様から所定の態様に変更するよりも、1回多く動的表示の態様を所定の態様に変更することができる。従って、動的表示の態様を連続で所定の態様に変更する機会を増やすことができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の各動的表示が動的表示選択手段により選択されると、選択された1の動的表示の内容に応じて第1指示制御手段による指示の代わりに、動的表示選択手段により選択された1の動的表示に代えてその動的表示とは異なる動的表示を所定の態様で複数実行させることが周辺制御手段に第2指示制御手段により指示される。よって、周辺制御手段では、態様変更指示手段により態様が変更された動的表示に続けて実行させる未実行の動的表示として、動的表示選択手段により選択された1の動的表示とは異なる動的表示を所定の態様で複数実行させることができる。従って、動的表示を代えずに1の動的表示を所定の態様で実行させる場合と比較して、動的表示を代えてその1の動的表示とは異なる動的表示を所定の態様で複数実行させる場合には、1回以上多く所定の態様の動的表示を実行させることできる。従って、所定の態様の動的表示の実行回数を増やすことができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2記載の遊技機の奏する効果に加え、主制御手段では、抽選情報取得手段により抽選情報が取得される度に、その抽選情報に対応する未実行の動的表示の態様を示す態様情報が、態様情報記憶実行手段より抽選情報の取得順序に関連づけられて態様情報記憶手段に記憶される。また、変更可否判定手段により変更可能と判定されると、態様情報記憶手段に記憶されている未実行の動的表示の態様情報がそれぞれ、所定の態様を示す態様情報に態様情報変更手段により変更される。そして、動的表示選択手段により選択された動的表示に対応する動的情報が、抽選情報の取得順序に基づいて態様情報記憶手段から態様情報取得手段により取得されると、その態様情報が示す態様で動的表示選択手段により選択された動的表示を実行させることが周辺制御手段に動的表示実行指示手段により指示される。よって、実行させる動的表示の態様を周辺制御手段に指示する場合には、単に、実行させる動的表示に対応する態様情報を取得し、その態様情報が示す態様を実行させる動的表示の態様として周辺制御手段に指示すれば良い。即ち、動的表示実行指示手段により動的表示の実行を指示する度に、動的表示の態様を連続で所定の態様にしているかなどの状況を判断して、適切な態様を指示する必要が無いので、制御的負担を軽減できるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3の何れかに記載の遊技機の奏する効果に加え、所定の態様には、動的表示の演出の態様、動的表示の表示結果の態様、動的表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれているので、動的表示が所定の態様に変更されたことを遊技者に認識させることができ、遊技者の関心を引きつけることができるという効果がある。
なお、動的表示の態様を連続で所定の態様とする際に、各動的表示ごとに所定の態様を変化させても良い。例えば、1番目の動的表示では、所定の態様を動的表示の演出の態様とし、2番目の動的表示では、所定の態様を動的表示の表示結果の態様とし、3番目の動的表示では、所定の態様を動的表示の効果音の態様とする。このように、動的表示の態様を変化させれば、動的表示の変化が多彩となるので、遊技者の関心をより強く引きつけることができるという効果がある。