JP5513491B2 - 手持ち塗布装置 - Google Patents

Description

本発明は、把手と、噴出口を通る液体又は粘性材料の流速を変える制御器とを有する手持ち塗布装置（Handauftraggeraet）に関し、例えば粘着材の塗布又は噴霧用である。

このような装置は、複雑な接着作業又は連続的産業用途のために考えられることが多く、そのため人間工学性、便利さ及び多様な操作性に関する高度の要求に応えなければならない。

本出願の出願人は、供給管の一端に付属物を備える手持ち塗布装置を「Ecoline」の名称で市場に投入している。以下を参照。
www.mkhotmelt.fi/robatech_tuotteet/sulateliimalaitteet/sulateliimalaitteet_1/esite_ecoline_3.pdf
付属物の前部側には把手が固定され、供給管及びその上に位置する付属物の体軸から約１００゜の角度に噴出口を有する。更に、この公知の手持ち塗布装置は、噴出口の流速を変化させる制御器を有している。

しかしながら、この公知の手持ち塗布装置は、特定の用途では人間工学性、便利さ、特に適応可能性に制約があり、改良の余地があることが分かってきている。

実験の示すところでは、噴出口を供給管体軸の延長上に配置することと、把手を供給管の体軸にほぼ垂直な角度で回転可能かつ調節可能に取り付け配置することにより、上述の目的を達成できる。把手を回転可能に取り付けることは剛性ピボット軸受の使用により達成されるが、好適な設計変更では、剛性ピボット軸受の代わりに、玉継手や球面軸受を備える。このような軸受では、回転に加え、横方向調節も可能となる。

対応する案内具を持つ略半円形のブラケットを回転可能に取り付け、固着することにより、更に有利な第２の回転軸回りの回転調整能力がもたらされる。対応して設計された把手を回転可能に取り付けることにより、第３の回転軸回りの、すなわち把手自体の体軸回りの第３の回転調整能力がもたらされる。このように設計された本発明の手持ち塗布装置は、供給管前部にある付属物の第４回転調整能力によって補助することができる。したがって、種々の作業条件、応用及び空間的関係への多様な適応の可能性、接近しづらい粘着性表面への到達可能性向上、並びに手への粘着材落下防止の改善及び粘着材の更に経済的な取り扱いがもたらされる。更なる効果は、加熱要素を付属物に配置でき、熱が把手にほとんど伝わらないことである。

全てのピボット軸受は、係止具を設けることもできる。

更に、本発明の手持ち塗布装置における個別要素の配置により、新規で進歩性のある噴出口流速制御器の配置又は統合の可能性が開ける。

本発明による第１の制御器では、把手に引金が設けられる。人間工学的改良では、これを、１本指用だけでなく、２本又はそれ以上の指用に設計することも可能である。好ましくは、ばね荷重が掛けられ、例えば、低圧力動作の場合には少量の粘着材が噴出口を流れ、高圧力動作の場合にはより大量になる。しかしながら、応用によっては逆の制御器が望ましいことも考えられる。いずれにせよ、本発明の第１の制御器には、引金に接続された直流回路のような回路が備えられる。引金に圧力を加えると、可変抵抗器を用いて以後の制御過程用の操作変数として電気制御信号が発生される。可変抵抗器としては、摺動接点を有する抵抗器、ポテンショメータ、「切」位置付き摺動接点を有する抵抗器、又は電圧依存抵抗器、所謂バリスタをも考慮することができる。そして、可変抵抗器で発生された制御信号により引金位置の関数として弁を制御する。この弁は、電気的動作可能であり、例えば電磁弁（ソレノイド・バルブ）である。この弁の構成には、考え得るあらゆる種類の弁が考慮されるが、例えば、ニードル弁、ボール弁、ダイヤフラム弁、ストップコック弁である。そして、この弁は、噴出口を通る粘着剤の流速を制御する。

本発明の第２の制御器は、光電気的に動作する。これは、基本的には所謂光結合器を用いて行われるが、光源は引金の位置に応じて駆動され、これに応じてフォトダイオード又はフォトトランジスタが対応する放射量を受ける。制御信号に対する外光の悪影響を防止するため、光学的導波路を用いて放射量を伝達することが望ましい。そして、上記のように、対応する放射量は噴出口制御弁に対する制御信号を発生する。

本発明の第３の制御器は、電気回路と空気圧回路を組み合わせる。この場合、電磁制御弁が作動され、この電磁制御弁を通って導かれる圧縮空気又は液体は、引金動作の関数として変更される。更なる弁、好ましくはシーケンス弁又は圧力制御弁を駆動することができ、噴出口を通る粘着剤の流速量がその結果となる。

第４の制御器は、ばねと、該ばねで制御され、ばね荷重がかけられる逆止弁を用い、機械的に動作する。

説明した４種の制御器は、相互に組み合わせることができる。したがって、例えば、流体ポンプの直接駆動と、引金からの電気信号を用いた噴出口弁の位置決めも考えられる。しかし、逆も同様であり、引金を空気圧回路に統合して実施することも可能であり、制御弁は機械的に動作し、この機械的動作が噴出口弁の位置決めに影響を及ぼす。

これまでに開示した制御器では、引金について説明している。しかし、本発明の手持ち塗布装置は、その粘着剤配送制御に足による制御器又は口による制御器を用いることもできる。このような制御器は、特に接着中に両手が必要な場合に薦められる。

噴出口流速変更のための位置決め弁への制御信号伝送は、有線でも、非接触方式でも、例えば赤外線又は無線信号でも行うことができる。上記のように、光学的導波路による伝送を考慮することもできる。

本発明の他の実施形態は、図面及び従属請求項で具体的に示されている。

参照符号の一覧表は、本開示の一部である。

本発明は、図面に基いて、象徴的にかつ例示の目的で詳細に説明される。

図面は、一貫した、かつ分かりやすい形式で描かれている。同一の参照符号は同一の部品を示し、異なる添え字を有する参照符号は機能的に同一か類似の部品を示している。

従来技術の手持ち塗布装置を示す。 本発明の手持ち塗布装置を示す。 図２に示した本発明の手持ち塗布装置の他の図を示す。 可変抵抗器を有する、本発明の手持ち塗布装置による本発明制御器の回路図を示す。 光結合器を有する、本発明の手持ち塗布装置用の本発明制御器の他の回路図を示す。 電気回路及び空気圧回路を有する、本発明の手持ち塗布装置用の本発明制御器の他の回路図を示す。

図１は、従来技術の手持ち塗布装置１を示す。これは、体軸８を持つ供給管６を有する。液状粘着剤のような液体材料４は、供給管６を通して手持ち塗布装置１に供給される。供給管６の一端１１には、付属物７が位置している。把手２は、引金２１を用いる制御器３を有しているが、更に付属物７上に位置している。制御器３は、引金２１の位置によって噴出口５を通る液体材料４の流速を変えるために用いられる。

図２は本発明の手持ち塗布装置１を示し、付属物７が供給管６の端部１１上に位置し、噴出口５が供給管６の体軸８の延長上に留まっている。付属物７は、加熱要素１４（象徴的に破線で示されている）を収容していてもよく、冷却溝１５を持つこともできる。ピボット軸受９は付属物７の下側に位置しており、これに固着された略半円形のブラケット１２が供給管６の体軸８にほぼ垂直な回転軸１０の回りに回転することを可能とする。ピボット軸受９は、係止できるようにしてもよい。更に、ブラケット１２を湾曲案内板１８に載置し、その周に沿って案内された回転運動をブラケット回転軸１３の回りに行わせることができる。案内板１８は係止ネジ１６を持ち、これによってブラケット１２を任意の位置に固定することができる。更に、ブラケット１２は把手２の取付台であり、２個のピボット軸受を用いている。また、把手は、他の回転軸の回りで、すなわち把手本体軸２８の回りで回転可能であり、選択的に固定可能としてもよい。

図３は、本発明の手持ち塗布装置１の図２とは異なる図を示す。この図の場合に明らかなように、付属物７は両側に冷却溝１５及び１５ａを有する。また、ブラケット１２は、溝１７を形成する２個のブラケット半体１２ａ及び１２ｂを有する。案内板１８の下側を形成するばね１９は、ネジ１７にはめ込まれている。２個のブラケット半体１２ａ及び１２ｂは、固定具２０により結合されている。

図４は、図２又は図３に示された本発明の手持ち塗布装置１における本発明の制御器３ａ用の回路図を示している。該回路図は、象徴的、例示的な目的で、直流電源が負極から正極への電流を発生することを示している。把手２上の引金２１を引くと、可変抵抗器すなわちポテンショメータ２２が弁２３への操作量としての制御信号を発生する。可変抵抗器又はポテンショメータ２２としては、摺動接点を有する抵抗器、「切」位置を有する抵抗器又は電圧依存抵抗器、所謂バリスタも考慮される。弁２３は、噴出口５の流速を変える。

図５は、図２又は図３に示された本発明の手持ち塗布装置１における本発明の他の制御器３ｂ用の回路図を示している。この場合、光結合器２４が引金２１の動作により駆動され、電気可変弁２３ａを調節し、次に噴出口５の流速を変える。

図６は、図２又は図３に示された本発明の手持ち塗布装置１における本発明の他の制御器３ｃ用の回路図を示している。この場合、引金２１の動作が電磁制御弁２５に作用し、空気圧回路２６の流速を変える。空気ポンプ又は圧縮機２７により圧縮空気又は液体の一方向への流れが保証され、まず電磁制御弁２５中に流れ、その結果、引金位置による設定に応じてシーケンス弁又は圧力制御弁２３ｂを制御する。次に、噴出口５の流速を変化させる。

１ 手持ち塗布装置
２ 把手
３、３ａ−３ｃ 制御器
４ 液体材料、粘着剤
５ 噴出口
６ 供給管
７ 付属物
８ ６の体軸
９ ピボット軸受
１０ 回転軸
１１ ６の端部
１２ ブラケット
１２ａ、１２ｂ ブラケット半体
１３ ブラケット回転軸
１４ 加熱要素
１５、１５ａ 冷却溝
１６ 係止ネジ
１７ 溝
１８ 案内板
１９ ばね
２０ 固定具
２１ 引金
２２ ポテンショメータ
２３、２３ａ−２３ｃ ５の流速を変える弁
２４ 光結合器
２５ 電磁制御弁
２６ 空気圧回路
２７ 圧縮機
２８ 把手の体軸

Claims (15)

1. 把手（２）と噴出口（５）を通る液体材料（４）の流速を変える制御器（３）を有し、
   体軸（８）を持つ供給管（６）と該供給管（６）の一端（１１）上の付属物（７）を有し、
   噴出口（５）が付属物（７）上で供給管（６）の体軸（８）の延長上に位置し、
   かつ、把手（２）がピボット軸受（９）に回転可能なように取付られ、ピボット軸受回転軸（１０）が体軸（８）に対して４５゜から１３５゜までの角度範囲に位置し、
   半円形のブラケット（１２）が、ピボット軸受（９）と把手（２）との間に位置し、
   把手（２）がピボット軸受回転軸（１０）に垂直なブラケット回転軸（１３）の回りを回転するようにしてある
   ことを特徴とする手持ち塗布装置（１）。
2. ピボット軸受回転軸（１０）が体軸（８）に対して９０°の角度をなすように設けられていることを特徴とする、請求項１記載の手持ち塗布装置（１）。
3. 把手（２）が略半円形のブラケット（１２）内で把手の体軸（２８）回りに回転可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項１又は２記載の手持ち塗布装置（１）。
4. 供給管（６）の一端（１１）上にある付属物（７）が供給管（６）の体軸（８）回りに回転可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項１から３のいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
5. ピボット軸受回転軸（１０）回りの回転、ブラケット回転軸（１３）回りの回転、体軸（２８）回りの把手（２）の回転、及び供給管（６）の体軸（８）回りの付属物（７）の回転の１つ又は複数が係止可能であることを特徴とする、請求項４記載の手持ち塗布装置（１）。
6. ピボット軸受（９）が球面軸受又は玉継手であることを特徴とする、請求項１から５までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
7. 加熱要素（１４）が付属物（７）内に位置することを特徴とする、請求項１から６までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
8. 制御器（３）が、把手（２）内に位置する引金（２１）、機械的ばね構造及び噴出口（５）の流速を変えるための弁ばねを持つばね仕掛けの逆止弁（２３ｃ）を含み、引金（２１）の位置に応じて張力が弁ばねに伝達されることを特徴とする、請求項１から７までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
9. 制御器（３）が、把手（２）内に位置する引金（２１）、ポテンショメータ（２２）及び噴出口（５）の流速を変えるための弁（２３）を含み、弁（２３）に対する電気制御信号がポテンショメータ（２２）により引金（２１）の位置に応じて出力されることを特徴とする、請求項１から６までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
10. 制御器（３）が、把手（２）内に位置する引金（２１）、光結合器（２４）及び噴出口（５）の流速を変えるための弁（２３ａ）を含み、弁（２３ａ）に対する電気制御信号が光結合器（２４）により引金（２１）の位置に応じて出力されることを特徴とする、請求項１から７までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
11. 制御器（３）が、把手（２）内に位置する引金（２１）、電磁制御弁（２５）及び噴出口（５）の流速を変えるための空気圧弁（２３ｂ）を含み、弁（２３ｂ）の空気圧が電磁制御弁（２５）により引金（２１）の位置に応じて変えられることを特徴とする、請求項１から７までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
12. 制御器（３）が足踏みペダルを含むことを特徴とする、請求項９から１１までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
13. 噴出口（５）の流速を変えるための弁（２３）に対する制御信号が非接触方式で伝達されることを特徴とする、請求項１０から１２までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
14. 噴出口（５）の流速を変えるための弁（２３）に対する制御信号が接触方式で伝達されることを特徴とする、請求項１０から１２までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）。
15. 粘着材（４）を塗布又は噴霧するための、請求項１から１４までのいずれかに記載の手持ち塗布装置（１）を使用する方法。

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