JP5513459B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
しかし、従来のアンテナは、利得が小さく、夫々が補えるサービスエリアが狭いため、所定面積当りの設置数が多くなるという欠点があった。
また、アンテナ本体は、水平面状に設けたクローバーリーフ型アンテナエレメントから成るものである。
また、上記無給電素子の半径は、上記アンテナ本体の所定整合周波数に対応する波長の0.5倍〜1.1倍に設定されているものである。
図1と図2に示すように、本発明のアンテナ装置は、水平面内で無指向性を示すアンテナ本体1を具備し、アンテナ本体1の鉛直方向上下位置に円盤状導体から成る上下一対の無給電素子2,2を水平状に配設している。
無給電素子2は、Cu,Fe,Al等の導体で作製され、円盤板状、又は、円盤網状、又は、円盤状パンチングメタルとして形成されている。なお、無給電素子2は、円盤網状とした場合の網の目、又は、円盤状パンチングメタルの孔の直径が、アンテナ本体1の所定整合周波数Fに対応する波長λの1/50倍(0.02λ)より小さく形成されているのが好ましい。
クローバーリーフ型アンテナエレメント10は、全体として略正方形状になるように形成され、望ましくは、一枚の金属薄板をもって構成する。具体的には、クローバーリーフ型アンテナエレメント10は、略正方形状に成形される4個の薄片面状アンテナ素子11を一点C廻りに回転対称として、かつ、微小間隙部13をもって相互に近接して配設している。薄片面状アンテナ素子11は、一点Cから最も離れた箇所に最外角部14を備えると共に、一点Cから最外角部14へ向かうラジアルスリット12を有している。さらに、ラジアルスリット12の内端は、微小間隙部13の内端に連続している。図示省略するが、各アンテナ素子11の外周縁部又は内周端縁に、スリットを切欠形成するも好ましい。
また、アンテナエレメント10は、一点Cを、4個のアンテナ素子11の共通の第1給電点E1とし、ラジアルスリット12の内端と微小間隙部13の内端とが連続する内角部15に第2給電点E2を配設している。アンテナ本体1には、アンテナエレメント10の第1給電点E1から第2給電点E2に通電するように図示省略の導線が接続されている。
言い換えると、アンテナ本体1と無給電素子2,2との間隔寸法Lは、0.5λ≦L≦0.9λで示す関係式を満たすように設定されている。仮に、間隔寸法Lが、0.5λ未満であったり、0.9λを越えた場合には、後述する利得向上の作用効果が薄くなる虞れがある。より好ましくは、間隔寸法Lは、0.63λ≦L≦0.83λに設定するのが良い。
言い換えると、無給電素子2の半径rは、0.5λ≦r≦1.1λで示す関係式を満たすように設定されている。仮に、無給電素子2の半径rが、0.5λ未満であったり、1.1λを越えた場合には、後述する利得向上の作用効果が薄くなる虞れがある。より好ましくは、半径rは、0.75λ≦r≦0.92λに設定するのが良い。
図3は、本発明の実施例及び比較例の利得特性を示した図である。
本発明の実施例として、アンテナ本体1の所定整合周波数Fが2000MHz,無給電素子2の半径rが0.58λ,アンテナ本体1と無給電素子2,2との間隔寸法Lが0.83λに設定されたアンテナ装置を用いて得られる利得特性を、図中実線のグラフにて示している。なお、図中2点鎖線にて示されるのは、比較例のアンテナの利得特性であって、前記実施例と同等のアンテナ本体を用い、無給電素子を取り除いた状態で得られるグラフを図示したものである。
図4と表1に示すように、アンテナ本体1と無給電素子2,2との間隔寸法Lの変化は、利得に比較的大きな影響を与えており、利得特性を示すグラフは、間隔寸法Lの増減に伴って変化する。このことから、アンテナ本体1の上下に、適切な間隔寸法L(ここでは、0.5λ≦L≦0.9λ)をもって無給電素子2,2を配置することで、アンテナ本体1の上方向、又は、仰角・俯角(±40°)方向への放射を抑制し、その分、水平方向への利得が増加していることがわかった。この結果から、無給電素子2,2による利得増加の効果を読み取ると、無給電素子を取り除いた比較例に比べて、間隔寸法L=0.83λで、最大4.0dBの利得向上がみられる。
図5と表2に示すように、無給電素子2は、半径rの変化によって利得に影響を与えており、無給電素子2の半径rが大きくなるにつれて、一旦、仰角・俯角(±40°)方向への放射の落込みが大きくなり、その後、上下方向に複雑な放射パターンを形成する。このことから、アンテナ本体1の上下に、適切な大きさの半径r(ここでは、0.5λ≦r≦1.1λ)を有する無給電素子2,2を配置することで、放射エネルギーの損失を抑制しつつ水平方向に高い利得を獲得できることがわかった。
つまり、本発明のアンテナ装置に於て、アンテナ本体1と無給電素子2,2との間隔寸法L、及び、無給電素子2の半径rについては、いずれも適切な範囲があり、最適な条件としては、間隔寸法L=0.83λとし、かつ、半径r=0.75λとした際に、水平方向の利得が最大限に向上し、その効果は、4.6dBの利得向上が得られることが確認できている。
さらに、アンテナ本体1は、例えばダイポールアンテナのように、一つの平面内で無指向性を示すものであれば良い(図示省略)。
また、無給電素子2,2は、厚み方向に丸みを帯びた半球殻形状、又は、浅皿状に形成された導体をもって構成するも良い。
図示省略するが、本発明に係るアンテナ装置は、水平面内で無指向性を示すアンテナ本体1を具備し、アンテナ本体1の鉛直方向上方位置又は下方位置に円盤状導体から成る無給電素子2を水平状に配設したものであって良い。
つまり、無指向性のアンテナ本体1の上方位置か下方位置の片側だけに(適切な間隔寸法をもって)無給電素子2を設置した場合であっても、アンテナ本体1の放射の一部が局部的に抑制され、その分、水平方向への利得を向上させ得る。
なお、この場合、アンテナ本体1と無給電素子2との間隔寸法Lを0.83λとし、かつ、無給電素子2の半径rを0.75λとした際に、無給電素子を取り除いた比較例に比べて、最大3.5dBの利得向上が得られる。
2 無給電素子
10 クローバーリーフ型アンテナエレメント
L 間隔寸法
F 整合周波数
λ 波長
r 半径
Claims (4)
- 水平面内で無指向性を示すアンテナ本体(1)を具備し、該アンテナ本体(1)の鉛直方向上下位置に円盤状導体から成る上下一対の無給電素子(2)(2)を水平状に配設し、
上記無給電素子(2)は、上記アンテナ本体(1)から上下方向に所定の間隔寸法(L)をもって離間しており、該間隔寸法(L)が、上記アンテナ本体(1)の所定整合周波数(F)に対応する波長(λ)の0.5倍〜0.9倍に設定されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 水平面内で無指向性を示すアンテナ本体(1)を具備し、該アンテナ本体(1)の鉛直方向上方位置又は下方位置に円盤状導体から成る無給電素子(2)を水平状に配設し、
上記無給電素子(2)は、上記アンテナ本体(1)から上下方向に所定の間隔寸法(L)をもって離間しており、該間隔寸法(L)が、上記アンテナ本体(1)の所定整合周波数(F)に対応する波長(λ)の0.5倍〜0.9倍に設定されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 上記アンテナ本体(1)は、水平面状に設けたクローバーリーフ型アンテナエレメント(10)から成る請求項1又は2記載のアンテナ装置。
- 上記無給電素子(2)の半径(r)は、上記アンテナ本体(1)の所定整合周波数(F)に対応する波長(λ)の0.5倍〜1.1倍に設定されている請求項1,2又は3記載のアンテナ装置。
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