図1を参照して、この実施例の携帯電話機10は、携帯端末の一種であり、CPUまたはコンピュータと呼ばれるプロセッサ24を含む。また、このプロセッサ24には、無線通信回路14、A/D16、D/A20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、キーバックライト36および電源回路38が接続される。無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D16にはマイク18が接続され、D/A20にはアンプ(図示せず)を介して、スピーカ22が接続される。表示ドライバ28にはディスプレイ30が接続される。そして、電源回路38にはリチウムイオン電池である二次電池40が接続される。
RAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータが記録される。
A/D16は、当該A/D16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、アンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。
キー入力部であるキー入力装置26は、通話キーおよび終話キーなどを備える。そして、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。なお、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、クリック音が鳴る。そして、使用者は、クリック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得ることができる。
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。なお、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリ(図示せず)を含む。
発光部と呼ばれるキーバックライト36はLED52(図2参照)などを含む。そして、キー入力装置26に対してキー操作がされると、プロセッサ24の指示の下、キーの視認性を向上させるためにLED52が発光する。なお、キーバックライト36の構成は後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
電源回路38は電源管理用のICであり、電源回路38は二次電池40の電圧に基づく電源をシステム全体に供給する。ここで、電源回路38が電源をシステム全体に供給している状態を、電源オン状態と言うことにする。一方、電源回路38が電源をシステム全体に供給していない状態を、電源オフ状態と言うことにする。電源回路38は、電源オフ状態で、キー入力装置26によって電源オン操作がされると起動され、電源オン状態で、キー入力装置26による電源オフ操作がされると停止される。さらに、電源オフ状態であっても、電源回路38は、図示しない外部電源コネクタに外部電源が接続され、二次電池40に電力が供給(充電)されると起動し、二次電池40の満充電状態が検出されると停止する。また、「充電」とは、外部電源コネクタが外部電源と接続され外部電源から電力の供給を受け、二次電池40が電気エネルギーを蓄えることを言う。
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて音声発信を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ12を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
また、相手の電話機からの発呼信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、音声着信(着呼ともいう)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。
そして、使用者が、通話キーを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声着信処理を実行し、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
また、通話可能状態に移行した後に終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
なお、携帯電話機10は文章を作成するためのメモ帳機能を有している。そして、メモ帳機能が実行されると、文字を入力・編集するための文字入力機能、および現在入力された文字と使用者によって入力された単語の履歴とに基づいて入力される単語(文字列)を予測する予測変換機能(予測変換モードと言うこともある。)も実行される。
図2はキーバックライト36の電気的な構成を示すブロック図である。図2を参照して、キーバックライト36は、LEDドライバ50、およびそのLEDドライバ50に接続される6つのLED52a−52f(特に、区別しない場合はLED52と言う。)を含む。LEDドライバ50は、電源回路38から供給された電力をLED52にも供給し、プロセッサ24からオン/オフ制御信号および調光信号が入力される。したがって、LEDドライバ50は、オン/オフ制御信号に基づいて、LED56のオン/オフ(発光/消灯)を切り替える。また、LEDドライバ50は、調光信号に基づいて、LED52a−52fの輝度を決定する。
図3は携帯電話機10の外観図である。図3を参照して、携帯電話機10は、ストレート型の形状をしており、平面矩形の筐体Cを有する。図示しないマイク18は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたマイク18に通じる開口OP2は筐体Cの長さ方向一方の主面に設けられる。同じく、図示しないスピーカ22は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたスピーカ22に通じる開口OP1は、筐体Cの長さ方向他方の主面に設けられる。そして、ディスプレイ30は、モニタ画面が筐体Cの主面側から見えるように取り付けられる。
キー入力装置26が備える各種キーは、機能キー26a,26b、確定キー26c、カーソルキー26d、ダイヤルキー26eを備える。また、ダイヤルキー26eは「0」−「9」キー、「*」キーおよび「#」キーを含み、カーソルキー26dは上キー、下キー、左キーおよび右キーを含む。そして、これらのキーは筐体Cの主面に設けられる。
たとえば、使用者は、ディスプレイ30を確認しながら、ダイヤルキー26eを操作して電話番号を入力し、通話キーによって音声発信操作を行い、終話キーによって通話終了操作を行う。また、使用者は、カーソルキー26dおよび確定キー26cを操作することで、GUIのメニューの選択や確定を行う。さらに、ディスプレイ30には、機能キー26a、機能キー26bまたは確定キー26cに対応するソフトキーが表示されることがある。そのため、使用者は、機能キー26a、機能キー26bまたは確定キー26cを操作することで、各ソフトキーに対応する機能を実行することができる。そして、使用者は、終話キーを長押しすることで携帯電話機10の電源をオン/オフする。
なお、上記のソフトキーは、実行中の機能によって、対応付けられる処理が異なる。そのため、本明細書中では、同じ位置に表示されるソフトキーで、対応付けられる処理が異なる場合、各ソフトキーの参照番号は同一であっても、各ソフトキーの名称および添え字のアルファベットが異なる場合がある。
また、文字入力機能が実行された状態では、ダイヤルキー26eは文字入力キーとして利用される。たとえば、数字キーは五十音が対応付けられており、「1」キーが操作されると、「あ」行の文字列を入力され、「2」キーが操作されると「か」行の文字列が入力される。また、入力が未確定の文字がある場合に、カーソルキー26dの上下キーが操作されると変換処理がされ、漢字、平仮名および片仮名などの変換候補がさらに表示される。そして、使用者は、任意の変換候補を選んだ状態で確定キー26cを操作することで、入力した文字を確定する事ができる。
なお、アンテナ12、無線通信回路14、A/D16、D/A20、プロセッサ24、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、キーバックライト36、電源回路38および二次電池40は筐体Cに内蔵されているため、図3では図示されない。
図4は、キーバックライト36のLED52とキー入力装置26との取り付け位置の関係を示す図解図である。図4を参照して、筐体Cの主面側はフロントパネルFPによって覆われており、フロントパネルFPは接着剤などの樹脂によって筐体Cに取り付けられている。また、フロントパネルFPには、ディスプレイ30のモニタ画面を視認するための窓Wと、後述するキートップ群60に対応する複数の穴とが設けられている。
フロントパネルFPが取り外された筐体Cの主面側には、ディスプレイ30およびキー操作を電気信号に変換する基板66が設けられる。そして、フロントパネルFPと筐体Cに設けられる基板66との間には、使用者側から、キートップ群60、導光シート62および接点バネシート64が存在する。
キートップ群60は、通話キー、終話キー、機能キー26a,26b、確定キー26c、カーソルキー26dおよびダイヤルキー26eなどに対応するキートップから構成される。導光シート62は、後述する6つのLED52a−52fが発した光を内部で均一となるように反射させることで、キートップ群60を背面から照明する。接点バネシート64には、各キートップの位置に対応して、ドーム型の接点バネ(図4では点線で示す)が設けられる。また、接点バネシート64には、基板66に設けられたLED52a−52fに対応する位置に穴が設けられている。
したがって、基板66に設けられたLED52a−52fが発した光は、接点バネシート64に設けられた穴を通して導光シート62に入射し、導光シート62を介して、キートップ群60を背面から照射する。そして、キートップ群60は半透明な樹脂によって形成されているため、光が照射されると、キートップ群60の輝度は高くなる。つまり、LED52が発光すると、キートップ群60の視認性が向上する。
図5(A)−図5(C)は、キートップ群60の輝度の変化を示す図解図である。図5(A)は、キーバックライト36の輝度が点灯状態(第1輝度状態)に設定されたときのキートップ群60を示す。また、点灯状態の輝度値は、他の発光状態に比べて最も高い。図5(B)は、キーバックライト36の輝度が微灯状態(第2輝度状態)に設定されたときのキートップ群60を示す。また、微灯状態の輝度値は、点灯状態の輝度値に対して5〜3割程度の値である。図5(C)は、キーバクライト36が消灯状態(第3輝度状態)に設定されたときのキートップ群60を示す。
なお、図5(A)、図5(B)および図5(C)に示される例では、キー全体の輝度が一様に変化しているが、他の実施例ではこのような場合に限定されるものではなく、キー全体が非一様、すなわち、各部分が異なる輝度で発光するとしてもよい。この場合でも、一部の輝度が低下することにより省電力を図ることができる。
また、点灯状態と微灯状態とは、プロセッサ24から出力される調光信号に基づいて切り替わるが、点灯状態または微灯状態から消灯状態に変化する場合は、オン/オフ制御信号に基づいて切り替わる。つまり、消灯状態では、キーバックライト36のLED52はオフにされているため、輝度値は0になる。
さらに、これらの発光状態は、たとえばキー入力の状態によって変化する。たとえば、キー操作が行われると、キーバックライト36は点灯状態に設定される。また、キー操作が継続している間は点灯状態が維持されるが、キー操作がされていない状態(無操作状態)が一定時間(たとえば、30秒)維持されると、キーバックライト36は消灯状態に設定される。そして、消灯状態でキー操作が再び行われると、キーバックライト36の輝度は再び点灯状態に設定される。
ここで、本実施例では、キーバックライト36の発光状態は、使用者のキー操作だけでなく、文字入力の状況に応じて変化する。以下、メモ帳機能を利用した文字入力の流れに沿って、キーバックライト36の輝度の変化について説明する。
図6(A)は、メモ帳機能が実行された直後のディスプレイ30の表示を示す図解図である。図6(A)を参照して、ディスプレイ30の表示領域は、状態表示領域70および機能表示領域72から構成される。状態表示領域70には、アンテナ12による電波受信状態および二次電池40の残電池容量を示すアイコン(ピクトと言うこともある。)と、現在日時とが表示される。なお、現在時刻は、図示しないRTCが出力する時刻情報に基づく。
機能表示領域72には、メモ帳機能が実行されている文字列、現在の入力位置(編集位置)を示すカーソルCuおよびメモ帳機能を終了させるための終了キー74aが表示されている。この状態で、ダイヤルキー26eによって文字が入力されると、機能表示領域72には、カーソルCuの位置に基づいて、未確定の文字が入力(挿入)される。また、機能表示領域72には、入力された文字に基づいて、予測変換の候補(変換文字)も表示される。そして、図6(A)に示す状態では、無操作状態が一定時間維持されない限り、キーバックライト36は点灯状態を維持する。
図6(B)を参照して、たとえば、未確定の文字として「こん」が入力されると、その文字列を含む「こんにちは」および「こんばんは」が予測変換の候補として表示される。また、文字入力がさらに続けば、表示される候補は変化する。そして、キーバックライト36はキー操作が続く限り点灯状態を維持する。
また、図6(B)の状態で、確定キー26c(74b)が操作されると、候補が選択されることなく、「こん」の文字列の入力が確定される。一方、カーソルキー26dの上下キーが操作されると、予測変換の候補が選択できる状態になる。そのため、カーソルキー26の上下キーは予測変換移行部と呼ばれることもある。
図6(C)を参照して、予測変換の候補を選択するためのサブカーソルSCuは、カーソルキー26dによって操作でき、選択された候補は確定キー26cに対するキー操作によって確定される。たとえば、使用者は、カーソルキー26dによって「こんにちは」を選択し、確定キー26cを操作することで、「こんにちは」の文字列の入力を確定できる。なお、確定キー26cおよびカーソルキー26dは、まとめて選択部と呼ばれることもある。
そして、カーソルキー26dの操作により、図6(C)のように予測変換候補が選択できる状態になった場合、キーバックライト36の輝度は微灯状態に設定される。つまり、予測変換候補を選択する場合は、ダイヤルキー26eを入力して文字を入力するのではなく、確定キー26cおよびカーソルキー26dの操作により変換候補(変換文字)を選択すればよいため、キーバックライト36の輝度を微灯状態にして省電力を図れるとともに、キーバックライト36を微灯状態にしても、ユーザの操作性を損なうことが無い。
また、キーバックライト36が微灯状態に設定された後に、無操作状態で所定時間(たとえば、5秒)が経過すると、点灯状態が再設定される。つまり、読点が入力され所定時間が経つと、文章作成のキー操作が再開する可能性が高いため、キーバックライト36の輝度は通常の状態に戻る。
さらに、図7(B)に示すように、キーバックライト36が微灯状態であれば、点灯キー76がさらに表示される。そして、この点灯キー76が操作されると、キーバックライト36は点灯状態に戻る。つまり、使用者は、自身の意思で点灯状態を設定する事ができる。なお、点灯キー76が操作されると、プロセッサ26はキーバックライト36の輝度を第1輝度に設定する命令を発行するため、プロセッサ26が操作設定部と呼ばれることもある。
次に、図7(C)を参照して、予測変換の候補が句点(第2文字)であり、その候補が確定されると、キーバックライト36は消灯状態に設定される。つまり、句点の入力が確定した場合には、文章作成のキー操作が終了する可能性が高いため、キーバックライト36は消灯状態に設定される。そして、変換候補の中から句点が選択された場合は、バックライト36の輝度が低くなるため、二次電池40の消費電力が抑えられる。
このように、本実施例では、予測変換に移行した場合や、予測変換中において入力された文字に応じて、キーバックライト36の輝度を変化させることで、二次電池40の消費電力を抑えることができる。
特に、1つの文章の入力が終了したと判断された場合、キーバックライト36が消灯状態に設定されるため、消費電力は大幅に削減される。
なお、図7(D)に示すように、キーバックライト36が消灯状態に設定された場合も、微灯状態が設定されたときと同様、点灯状態に戻す点灯キー76が機能表示領域72に表示される。
図8は、RAM34のメモリマップ300を示す図解図である。RAM34のメモリマップ300には、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムは、キーバックライト制御プログラム310および輝度制御プログラム312などから構成されている。
キーバックライト制御プログラム310は、キーバックライト36のオン/オフおよび輝度を制御するためのプログラムである。輝度制御プログラム312は、キーバックライト制御プログラム310のサブルーチンであり、キーバックライト36の輝度を制御するためのプログラムである。
なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、音声着信状態を通知するためのプログラム、通話状態を確立するためのプログラム、文字入力機能を実行するためのプログラムなどが含まれる。
続いて、データ記憶領域304には、キー情報バッファ330、予測バッファ332および選択文字バッファ334が設けられるとともに、予測変換辞書データ336およびGUIデータ338が記憶される。さらに、データ記憶領域304には、予測変換フラグ340、無操作カウンタ342および復帰カウンタ344なども設けられる。
キー情報バッファ330には、操作されたキーのキー情報が一時的に記憶される。予測バッファ332には、予測変換機能によって予測された文字列が一時的に記憶される。選択文字バッファ334には、予測バッファ332に格納された候補のうち、サブカーソルSCuによって選択された候補の文字列が一時的に記憶される。
予測変換辞書データ336は、使用者によって入力された文字列(単語)の履歴から構成されるデータである。そのため、予測変換機能が実行されると、予測変換辞書データ336が読み出される。GUIデータ338は、ディスプレイ30に表示されるGUIのデータである。
予測変換フラグ340は、予測変換機能が有効な状態であるか否かを判断するためのフラグである。たとえば、予測変換フラグ340は1ビットのレジスタで構成される。そして、予測変換フラグ340がオン(成立)にされると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、予測変換フラグ340がオフ(不成立)にされると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。なお、予測変換機能が有効であれば、図6(B),(C)に示すように、機能表示領域72に予測変換の候補が表示される。
無操作カウンタ342は、一定時間(30秒)を計測するためのカウンタであり、初期化されるとカウントを開始する。また、無操作カウンタ342は無操作タイマとも呼ばれ、無操作タイマが実行されると、無操作カウンタ342は初期化されてカウントを開始する。
復帰カウンタ344は、所定時間(5秒)を計測するためのカウンタであり、無操作カウンタと同様に初期化されるとカウントを開始する。また、復帰カウンタ344は復帰タイマとも呼ばれる。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、文字列を表示するための文字データなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図9に示すキーバックライト制御処理および図10に示す輝度制御処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
図9はキーバックライト制御処理のフロー図である。たとえば、携帯電話機10のメモ帳機能を実行するキー操作がされ、メモ帳機能が実行されると、プロセッサ24は、ステップS1で点灯状態を設定する。つまり、メモ帳機能を実行するキー操作に応じて、キーバックライト36の輝度を点灯状態に設定する。また、具体的には、プロセッサ24は、LEDドライバ50に対して、LED52の電源をオンにするオン/オフ制御信号と、LED52を点灯状態に設定する調光信号とを出力する。続いて、ステップS3では、無操作タイマを実行する。つまり、時間の計測を開始するために、無操作カウンタ342が初期化される。
続いて、ステップS5では、キー操作がされたか否かを判断する。つまり、キー入力装置26に対してキー操作がされたか否かを判断する。具体的には、キー情報バッファ330に格納されたキー情報が更新されたか否かを判断する。ステップS5で“YES”であれば、つまりキー操作がされると、ステップS7で輝度設定処理を実行する。この輝度設定処理については、図10の輝度制御処理のフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。続いて、ステップS9では、終了操作か否かを判断する。たとえば、メモ帳機能を終了するキー操作がされたか否かを判断する。ステップS9で“YES”であれば、つまりメモ帳機能を終了するキー操作がされれば、キーバックライト制御処理を終了する。一方、ステップS9で“NO”であれば、つまりメモ帳機能を終了するキー操作がされなければ、ステップS5に戻る。
また、ステップS5で“NO”であれば、つまりキー操作がされていなければ、ステップS11で、無操作タイマが満了したか否かを判断する。つまり、プロセッサ24は、無操作カウンタ342によって、キーバックライト36の輝度が点灯状態に設定されてから一定時間(30秒)が経過したか否かを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまりキーバックライト36の輝度が点灯状態に設定されてから一定時間が経過していなければ、ステップS5に戻る。一方、ステップS11で“YES”であれば、つまりキーバックライト36の輝度が点灯状態に設定されてから一定時間が経過していれば、ステップS13で消灯状態を設定する。つまり、無操作状態で一定時間が経過したため、キーバックライト36が消灯状態に設定される。また、具体的には、プロセッサ24は、LEDドライバ50に対して、LED52の電源をオフにするオン/オフ制御信号を出力する。
図10は輝度制御処理のフロー図である。キーバックライト制御処理でステップS7が実行されると、ステップS21で予測変換が有効であるか否かを判断する。つまり、図6(B),(C)に示すように、予測変換の候補が表示された状態であり、予測変換フラグ340がオンであるか否かを判断する。ステップS21で“NO”であれば、たとえば図6(A)に示すように予測変換の候補が表示されていなければ、予測変換フラグ340がオフであるため、ステップS39で点灯状態を設定し、ステップS41で無操作タイマを実行する。そして、ステップS41の処理が終了すれば、輝度制御処理を終了してキーバックライト制御処理に戻る。つまり、通常のキー操作と同様に、キーバックライト36の輝度が点灯状態に設定される。なお、ステップS39の処理を実行するプロセッサ24は第3設定部または第5設定部として機能する。
また、ステップS21で“YES”であれば、つまり予測変換フラグ340がオンであれば、ステップS23で確定操作がされたか否かを判断する。つまり、図6(C)、図7(A)および図7(C)に示すように、予測変換の候補が選択された状態で、確定キー26cが操作されたか否かを判断する。また、具体的には、プロセッサ24は、キー情報バッファ330に格納されたキー情報が確定キー26cのキー情報に更新されたか否かを判断する。ステップS23で“NO”であれば、たとえば表示された予測変換の候補を選択するキー操作がされれば、ステップS31以降の処理を実行する。そして、詳細については後述するが、ステップS31以降の処理が実行されると、キーバックライト36の輝度が微灯状態に設定される。
一方、ステップS23で“YES”であれば、つまり予測変換の候補がサブカーソルSCuによって選択された状態で、確定キー26cが操作されれば、ステップS25で選択文字を取得する。つまり、プロセッサ24は、選択文字バッファ334から、サブカーソルSCuによって選択された文字列を取得する。
続いて、ステップS27では、選択文字が句点であるか否かを判断する。たとえば、ステップS27では、図7(C)に示すように、サブカーソルSCuによって句点が選択された状態で、確定キー26cが操作されたか否かを判断する。ステップS27で“YES”であれば、つまり図7(D)に示すように句点の入力が確定されていれば、ステップS29で消灯状態を設定する。つまり、文章作成のキー操作が終了した可能性が高いため、キーバックライト36を消灯状態に設定する。そして、ステップS29の処理が終了すれば、輝度制御処理を終了して、キーバックライト制御処理に戻る。なお、ステップS29の処理を実行するプロセッサ24は第2設定部または第4設定部として機能する。
一方、ステップS27で“NO”であれば、つまり入力が確定された文字が句点でなければ、たとえば、図7(A)に示すように、サブカーソルSCuによって読点などが選択された状態であれば、ステップS31で微灯状態を設定する。つまり、予測変換の候補を選択する場合は、ダイヤルキー26eを入力して文字を入力するのではなく、確定キー26cおよびカーソルキー26dの操作により変換候補を選択すればよいため、キーバックライト36の輝度を微灯状態にして省電力を図れるとともに、キーバックライト36を微灯状態にしてもユーザの操作性を損なうことが無い。また、具体的には、プロセッサ24は、LEDドライバ50に対して、微灯状態を示す調光信号を出力する。続いて、ステップS33で復帰タイマを実行する。つまり、キーバックライト36の輝度が微灯状態に設定されてからの時間の計測を開始する。また、具体的には、プロセッサ24は、復帰カウンタ344を初期化する。なお、ステップS31の処理を実行するプロセッサ24は第1設定部として機能する。また、ステップS33の処理を実行するプロセッサ24は第1計測部(第2計測部)として機能する。
続いて、ステップS35では、キー操作がされたか否かを判断する。つまり、微灯状態でキー操作がされたか否かを判断する。ステップS35で“NO”であれば、つまり微灯状態でキー操作がされていなければ、ステップS37で復帰タイマが満了したか否かを判断する。つまり、微灯状態のままキー操作がされず、所定時間が経過したか否かを判断する。ステップS37で“NO”であれば、つまり微灯状態でキー操作がされていない時間が所定時間に達していなければステップS35に戻る。
また、ステップS35で“YES”であれば、たとえば使用者によってのキーが操作されれば、ステップS41で無操作タイマを実行する。なお、ステップS35におけるキー操作とは、たとえば、確定キー26cおよびカーソルキー26dの操作により、変換候補を選択する操作や、クリアキーなどの操作により、予測変換モードを終了させる操作などを含む。
また、ステップS37で“YES”であれば、つまり微灯状態でキー操作がされないまま所定時間が経過すれば、ステップS39以降の処理を実行する。つまり、文章作成のキー操作が再開できるように、キーバックライト36の輝度が微灯状態から点灯状態に切り替えられる。
以上の説明から分かるように、携帯電話機10は、キー入力装置26およびキーバックライト36などを備える。そして、キー入力装置26に対してキー操作がされると、キートップ60の視認性を向上させるために、キーバックライト36の輝度は点灯状態となる。また、文字入力機能が実行されている場合、予測変換となると、キーバックライト36の輝度は微灯状態になる。さらに、予測変換によって句点の入力が確定されると、キーバックライト36は消灯状態になる。
このように、予測変換機能が利用されている場合、キーバックライト36の輝度が低くなるため消費電力が抑えられる。また、カーソルキー26dによる変換操作によって予測変換の文字を選択できるので、キーバックライト36の輝度が低くなったとしても、使用者の操作性が損なわれることは無い。
また、予測変換機能が実行されている間において、句点が選択された場合は、さらにキーバックライト36の輝度が低くなり、本実施例では消灯状態となる。つまり、句点が選択された場合のように文章を作成する操作が終了する可能性が高い場合にキーバックライト36の輝度を低くし、消費電力の削減を図るとともに、ユーザの操作性の低下を防止する事ができる。
なお、他の実施例では、句点が入力され、キーバックライト36が消灯状態に設定された後に、所定時間が経過すると第1輝度状態に復帰してもよい。つまり、句点が入力され1つの文章の入力が終わったとしても、次の文章が作成されることがあるため、他の実施例では発光部の輝度が通常の輝度に戻される。また、上記実施例における所定時間を第1所定時間とした場合、他の実施例では第1所定時間とは異なる第2所定時間が経過したときに、消灯状態から第1輝度状態に復帰してもよい。
また、第1文字または第2文字には、改行を示す文字コードや、スペースを示す文字コードなどが含まれていてもよい。
また、本実施例では、第1文字を通常の入力文字とし、第2文字を句点としたが、第2文字として他の言語ではその言語に対応する文字が利用されてもよい。たとえば、英語の場合は、第2文字をピリオドとする。つまり、本実施例は、日本語だけに限らず、多くの言語に対応する携帯電話機10にも適用することができる。さらに、第2文字には、句点に加えて、文章の入力が終了したと判断できる疑問符「?」および感嘆符「!」などの文字が含まれていてもよい。つまり、様々な文字を利用して、1つの文章の入力が終了したことを判断できる。
また、予測変換の候補には、「です。」などのように、第1文字または第2文字が混在していてもよい。そして、句点を含む候補(文字列)の選択が確定された場合には、句点が単独で確定されたときと同じように、キーバックライト36の輝度が設定される。たとえば、予測変換の候補の中から、「です。」の選択が確定された場合には、句点が確定されたときと同じように、キーバックライト36の輝度は消灯状態に設定される。
また、本明細書では、予測変換を利用して文字が確定されていたが、予測変換を利用せずに読点または句点が確定された場合でも、キーバックライト36の輝度が変化してもよい。たとえば、「0」キーは、操作された回数に応じて「わ」、「を」、「ん」、「、」および「。」の順番で文字を選択する事ができる。そして、「0」キーが5回連続して操作され、「。」が入力された状態で、確定キー26cが操作されると、キーバックライト36の輝度は消灯状態に設定される。
また、本実施例では、機械式のキー入力装置によって文字が入力されていたが、ディスプレイ30の表示とタッチパネルとを利用するソフトキーで文字が入力されてもよい。さらに、文字を入力するソフトキーと編集画面とが同一のディスプレイに表示される場合には、編集画面の輝度は変化させずに、ソフトキーが表示される範囲の輝度のみを変化させてもよい。
また、文字入力機能は、メモ帳機能だけに限らず、電子メールやSMS(Short Message Service)などのメッセージを送信する機能や、アドレス帳機能、ブラウザ機能および画像のタイトル編集機能などと同時に実行されてもよい。
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W-CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。
また、キーバックライト制御プログラム310および輝度制御プログラム312は、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、通信を介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、メモリカードなどの記憶媒体にこれらのプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)に適用されてもよい。
そして、本明細書中で挙げた、輝度値やその割合、一定時間および所定時間などの具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。