本発明の一実施形態に係る制御装置を、図面を参照して説明する。
1.第1実施形態
第1実施形態に係る制御装置は、図1に示す、車両1に搭載される制御装置1000である。車両1のユーザ(通常、運転者)が、図2に示す入力装置100を操作すると、制御装置1000は、その操作に応じた各種動作を車載電子機器20に実行させる。
(車両1の構成)
車両1は、図2に示すように、ステアリング10と、車載電子機器20と、を備える。
ステアリング10は、車両1の操舵装置の一部であり、本体部11と、ステアリングホイール12と、を備える。
本体部11は、車両1の図示しないステアリングシャフトと接続されるスポーク部であり、右側に入力装置100を備える。また、本体部11には、入力装置100の形状にあわせた取付孔(図示せず)が形成されている。取付孔に入力装置100が取り付けられることにより、入力装置100の後述する操作面のみが露出する。
ステアリングホイール12は、本体部11に取り付けられる、運転者が車両1を操舵する際に握るリング形状の部材である。
車載電子機器20は、オーディオ装置、カーナビゲーション装置等であり、制御装置1000と電気的に接続され、制御装置1000から受信した制御信号に従って動作する。また、車載電子機器20は、その表示部21に動作に対応した画像を表示する。
(制御装置1000の構成)
制御装置1000は、入力装置100と、制御部200と、記憶部300と、を備える。
入力装置100は、図3(a)及び(b)に示すように、接触センサ110と、スイッチ装置120と、を備える。
接触センサ110は、ユーザが、親指等でその操作面上を所定の軌跡を描くようになぞる操作(以下、ジェスチャ操作と言う)を行った際に、後述する制御部200の制御のもと、親指等が操作面に触れた位置を検出するタッチパッド装置であり、表面カバー111と、センサシート112と、スペーサ113と、下ケース114と、上ケース115と、を備える。
表面カバー111は、アクリル樹脂等の絶縁材料からシート状に形成され、ジェスチャ操作が行われる際に、ユーザの指等が触れる操作面を有する。表面カバー111の操作面は、図4(b)に示すように、凹凸を有し、これによってこの操作面には段差が形成されている。このような操作面は、平面部111a、隆起部111b、窪み部111c、隙間部111dから構成される。
平面部111aは、表面カバー111の平面状の部分である。
隆起部111bは、図4(b)に示すように、平面部111aから表側方向に盛り上がるように隆起する部分である。表側から見れば、図4(a)に示すように、円弧状に形成された隆起部111bが、円を略囲むように、所定の間隔をおいて複数配置されていることがわかる。なお、「表側」とは、図3(a)の両端矢印で示すように、入力装置100に対してユーザ側をいい、「裏側」とは、その反対側をいうものとする。
窪み部111cは、図4(b)に示すように、操作面の略中央に位置し、平面部111aから裏側方向に沈むように窪んだ部分であり、図4(a)に示すように、円状に配置された隆起部111bよりも内側に形成されている。
隙間部111dは、図4(a)に示すように(4つの隙間部111dのうちの一つを二点鎖線で示した)、円弧状の各隆起部111bの間の部分である。隙間部111dは、平面部111aの一部であるが、後に行う「隆起部を基準としたジェスチャ操作」の説明にあたり、平面部111aとは別の名称とした。
平面部111aと隆起部111bと窪み部111cとは、ユーザのジェスチャ操作を妨げることがないように、図4(b)に示すように、その断面形状は、互いになめらかに繋がって形成されている。
センサシート112は、指等の被検出体の位置を検出するための複数のセンサ1120(検出電極)を有する投影静電容量方式のセンサシートであり、表面カバー111の裏面側に位置する。
センサシート112は、図5に示すように、X方向における被検出体の位置を検出するための第1のセンサ列112aを有する層と、Y方向における被検出体の位置を検出するための第2のセンサ列112bを有する層を重ね合わせ概略構成されている。第1のセンサ列112aと第2のセンサ列112bが合わさることにより、結果的に、センサシート112には、センサ1120がマトリックス状に配置されることになる。第1のセンサ列112aと第2のセンサ列112bは、各々、後述する制御部200と電気的に接続されている。
表面カバー111に指等の被検出体が触れると、その裏面側に位置するセンサ1120と被検出体との間の静電容量が変化する。制御部200と各センサ1120とは電気的に接続されているので、制御部200は、各センサにおける静電容量の変化を検出できる。制御部200は、この静電容量の変化に基づいて、被検出体の接触位置を示す入力座標値(X,Y)を算出する。入力座標値は、操作面上に予め設定されている、各センサ1120におけるXY座標系における座標値である。入力座標値は、X方向における静電容量の変化の分布の重心位置(例えば、静電容量が一定の閾値よりも高くかつ最も大きいセンサ1120の位置)に割り当てられているX座標と、Y方向における静電容量の変化の分布の重心位置(例えば、静電容量が一定の閾値よりも高くかつ最も大きいセンサ1120の位置)に割り当てられているY座標と、によって表される。制御部200は、このX座標及びY座標を算出することによって入力座標値(X,Y)を算出する。
図4に戻って、センサシート112は、絞り加工により表面カバー111と一体成形されることで、表面カバー111と同様の形状に加工される(図4(b)参照)。このように一体成形されることで、表面カバー111とセンサシート112は、一枚のシートのようになり、操作面が有する隆起部111b、窪み部111c等の段差形状は、その一枚のシートの曲がった部分で構成されることになる。また、このように一体成形されることで、表面カバー111の裏面とセンサシート112の表面とが当接する。これにより、表面カバー111の段差形状に対応して、センサ1120が配置されることになる。このようにセンサ1120が配置されているため、隆起部111b等の段差形状を有した操作面上で行われたジェスチャ操作であっても、制御部200は、各センサにおける静電容量の変化を検出できる。
スペーサ113は、センサシート112の裏面側に位置し、図4(b)に示すように、一体成形された表面カバー111とセンサシート112の形状に合わせて形成され、ユーザ操作により表面カバー111の表側から押圧が加わった際にこれらの形状を保持する部材である。
図3に戻って、下ケース114は、合成樹脂等から形成される箱状の部材であり、その表側に上記の各部111〜113を収納する。
上ケース115は、上記の各部111〜113を収納した下ケース114を表側から覆う蓋部であり、表面カバー111の操作面を露出させる開口部を有して、合成樹脂等から形成される。
スイッチ装置120は、接触センサ110の裏面側に位置し、制御部200と電気的に接続される。ユーザが入力装置100の操作面を押下する操作(以下、入力確定操作という)を行うと、スイッチ装置120は押され、所定の入力信号を制御部200に送信する。入力確定操作は、後述するように、所定のジェスチャ操作で選択したコマンドを確定する際になされる。
ここで、入力装置100は、ステアリング10の本体部11に、例えば、接触センサ110の上ケース115が本体部11と軟質樹脂で溶着されることにより、取り付けられる。このように取り付けられることにより、ユーザが操作面を押下すると、接触センサ110が沈み、スイッチ装置120が押される仕組みとなっている。
以上の各部により、入力装置100は構成される。入力装置100の組み付け後の概観を図3(b)に示す。
図1に戻って、制御部200は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、記憶部300に格納されている動作プログラムを実行して、各種の処理や制御を行う。制御部200は、その少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の各種専用回路によって構成されてもよい。
記憶部300は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等から構成され、制御部200を構成するCPUのワークエリア、CPUが実行する動作プログラムを記憶するプログラムエリア、データエリア等として機能する。
プログラムエリアには、i)後述する車載電子機器制御処理を実行するためのプログラム、ii)スイッチ装置120が受け付けた入力確定操作に応じて所定の制御信号を車載電子機器20に送信するためのプログラム、等の動作プログラムが記憶される。
データエリアには、図示するように、ジェスチャ辞書G、対応動作データC、後述するジェスチャ特徴量の所定値である設定値Q、等が予め記憶されている。
ジェスチャ辞書Gは、行われているジェスチャ操作を認識するために必要となるデータであり、ジェスチャ操作によって描かれる軌跡の特徴を示す複数のパターンを含む。ジェスチャ操作の特徴を示すパターンは、後述するジェスチャ特徴量の各成分の組合せから構成されている。本実施形態において、このパターンは、後述する「隆起部を基準としたジェスチャ操作」の特徴を示すパターンである。
対応動作データCは、車載電子機器20に所定の動作を実行させる制御信号のデータである。対応動作データCは、複数あり、その各々が、ジェスチャ辞書Gが含む複数のパターンと対応付けられている。例えば、隆起部111bに沿った円弧状のジェスチャ操作の特徴を示すパターンには、車載電子機器20にオーディオ音量の変更を実行させる音量制御信号を送信するコマンドのデータが対応動作データCとして対応付けられて予めデータエリアに記憶されている。
設定値Qは、ジェスチャ特徴量の所定値のデータであり、制御信号を車載電子機器20へ送信するトリガーの役割となるデータである。設定値Qは、ジェスチャ辞書Gが含む複数のパターンごとに対応付けられている。つまり、設定値Qは複数ある。ここで、設定値Qとの比較対象として選択されるジェスチャ特徴量は、例えば、複数の入力座標値を、時系列順に直線で繋いだ軌跡における、軌跡の長さSである。
制御装置1000の動作については、後に詳細に述べるが、ここで、ジェスチャ辞書G、対応動作データC、設定値Q、それぞれの役割について簡潔に述べる。i)ジェスチャ辞書Gは、行われているジェスチャ操作が、予め定められたどのパターンに属するか(即ち、どのような種類のジェスチャ操作であるか)を認識するために用いられる。ii)対応動作データCは、ジェスチャ辞書Gを基に認識したジェスチャ操作に応じてどのような制御信号を車載電子機器20に送信するか、を判別するために用いられる。iii)設定値Qは、認識されたジェスチャ操作に係るジェスチャ特徴量がどのような値に達したら、対応動作データCに基づく制御信号を送信するか、を判別するために用いられる。
なお、記憶部300に格納される各データは、既知のデータ登録手法を用いて、デフォルト値として或いはユーザ自身の操作により適宜格納される。
(動作)
以上の構成からなる制御装置1000は、接触センサ110の操作面上で行われた、本実施形態に特有の「隆起部を基準としたジェスチャ操作」に応じて、車載電子機器20の各種動作を制御する。このような制御を実現する車載電子機器制御処理について説明する。
[車載電子機器制御処理]
図6のフローチャートに係る処理は、制御部200により実行される。この処理は、例えば、車載電子機器20の起動を条件に開始される。
制御部200は、処理を開始すると、接触センサ110において操作入力中であるかを判別する(ステップS101)。操作入力中であるかは、制御部200が、X方向及びY方向において、静電容量が前記の一定の閾値よりも高くなっているセンサ1120があるか否かによって判別される。このようなセンサ1120がX方向及びY方向においてある場合、被検出体が操作面を触れている可能性が高いので、操作入力が行われている可能性が高い。このため、制御部200は、この場合に、操作入力を受け付けていると判別し(ステップS101;Yes)、ステップS102の処理を行う。制御部200は、それ以外の場合には、操作入力を受け付けていないと判別し(ステップS101;No)、ステップS101の処理を行う。制御部200は、このようにして、操作入力が行われるまで待機する。なお、制御部200は、図示しないタイマ等によって計時を行うが、既に計時が行われており、かつ、ステップS101でNoと判別した場合には、計時を終了する。また、制御部200は、ステップS101でYesと判別した場合に、既に計時を行っている場合には、計時を続行するが、計時が行われていない場合には、計時を開始する。このようにして、制御部200は、最初の接触から接触が解除されるまで、連続的に計時を行うことになる。
ステップS102で、制御部200は、入力座標値(X,Y)を算出して(上記参照)、ステップS103へ進む。なお、制御部200は、算出した入力座標値を時系列順に記憶部300に記録する。入力座標値は、時系列に沿って計時が終了又は記録されてから所定期間が経過するまで、記録されるものとする。これによって、現在とこの現在から所定の時間遡ったタイミングとの間に算出された複数の入力座標値が記録される。
ステップS103で、制御部200は、各種のジェスチャ特徴量を算出して、ステップS104へ進む。
ここで、ジェスチャ特徴量とは、現在行われているジェスチャ操作によって描かれる軌跡の特徴を示す量である。ジェスチャ特徴量は、計時時間、計時開始後最初に算出された入力座標値(X0,Y0)及び現在算出された入力座標値(X,Y)に基づいて算出される量である。計時開始後最初に算出された入力座標値(X0,Y0)は、つまり、操作入力を開始したときの最初の位置を表す。
ジェスチャ特徴量は、現在算出された入力座標値(X,Y)、入力座標値(X0,Y0)から入力座標値(X,Y)への、X方向の座標間距離(Lx)及びY方向の座標間距離(Ly)、方向(d)、移動時間(t)である(図7(a)参照)。Lxは、X−X0、Lyは、Y−Y0、dは、LxとLyから算出される量、tは、計時開始からの時間間隔である。これらのジェスチャ特徴量の組合せにより、制御部200は、ユーザが入力装置の操作面上をなぞった軌跡を表す情報を取得することができる。
ジェスチャ特徴量は、ジェスチャ操作に描かれる軌跡の特徴を抽出した量であればよいので、上記のパターンに限られない。ジェスチャ特徴量として、どのような量を選択するか、選択した量をどのように組み合わせるかは、認識させたいジェスチャ操作の性質を鑑みて適宜決定される。回転方向のジェスチャ操作を認識させたいのであれば、ジェスチャ特徴量として回転方向(θ)を算出してもよいし(図7(b)参照)、座標間距離(L={(Lx)2+(Ly)2}1/2)、速さ(V=L/t)、を算出してもよい。
なお、ステップS102で、2つの入力座標値が記憶されていない場合は、ジェスチャ特徴量が算出されないため、図示はしていないが、ステップS101に戻ることになる。また、ステップS103で、算出されたジェスチャ特徴量は、計時が終了するまで、記憶される。
ステップS104で、制御部200は、ステップS103で算出し、記憶したジェスチャ特徴量に基づいて、行われているジェスチャ操作がジェスチャ辞書Gに含まれる複数のジェスチャ操作のパターンのいずれかに該当するかを、所定の照合方法で認識する処理を行う。この所定の照合は、算出したジェスチャ特徴量の組合せとジェスチャ辞書Gが含むジェスチャ操作のパターンを、NN法(Nearest Neighbor algorithm)、k-NN法(k-Nearest Neighbor algorithm)等により比較することにより行われる。つまり、このステップS104では、行われているジェスチャ操作が、どのような種別に該当するかを判別する処理を行う。
行われているジェスチャ操作が認識された場合(ステップS104;Yes)、ステップS105へ進む。一方、行われているジェスチャ操作が認識されない場合(ステップS104;No)、ステップS101に戻る。
ステップS105で、制御部200は、算出したジェスチャ特徴量が、ステップS104で認識されたジェスチャ操作に係るパターンと対応付けられた設定値Qに達したか否かを判別する。ここで、設定値Qと比較されるジェスチャ特徴量は、ジェスチャ辞書Gに含まれる複数のパターンごとに、認識させたいジェスチャ操作の特性に応じて、適宜、定められている。例えば、認識されたジェスチャ操作が、隆起部111bに沿って操作面上を円弧状になぞる操作であれば、当該ジェスチャ操作のパターンと対応付けられた設定値Qと比較されるジェスチャ特徴量は、複数の入力座標値を、時系列順に直線で繋いだ軌跡における、軌跡の長さSである。ジェスチャ特徴量が所定の設定値に達していた場合(ステップS105;Yes)、ステップS106へ進む。一方、ジェスチャ特徴量が所定の設定値Qに達していない場合(ステップS105;No)、ステップS101に戻る。
ステップS106で、制御部200は、記憶部300から対応動作データCを読み出し、認識されたジェスチャ操作に対応した制御信号を車載電子機器20に送信して、ステップS101に戻る。
ステップS104〜ステップ106の流れを簡潔に説明すれば、i)制御部200は、行われているジェスチャ操作が、ジェスチャ辞書Gに含まれている複数のパターンのいずれかに該当するかを判別する(即ち、行われているジェスチャ操作を認識する)。ii)認識されたジェスチャ操作に係るパターンに対応付けられた設定値Qに、算出したジェスチャ特徴量が達しているかを判別する。iii)ジェスチャ特徴量が設定値Qに達していた場合、認識されたジェスチャ操作に係るパターンに対応した制御信号を送信する。という流れになる。
以上が、車載電子機器制御処理の手順である。次に、この処理が実際のジェスチャ操作をどのように認識するかの一例を、隆起部111bに沿ったジェスチャ操作が行われている場合を想定して、簡潔に説明する。なお、下記の符合は、図8(a)に示すところに拠る。
制御部200は、計時開始後最初に算出した入力座標値(X0,Y0)と、その次に算出した第1の入力座標値(X1,Y1)から第1のジェスチャ特徴量(座標間距離L1,方向d1等)を算出する(ステップS103)。
例えば、第1のジェスチャ特徴量から、ジェスチャ操作が認識されなかった場合(ステップS104;No)、制御部200は、入力座標値(X0,Y0)と、第1の入力座標値(X1,Y1)の次に算出した入力座標値(X2,Y2)から第2のジェスチャ特徴量(座標間距離L2,方向d2等)を算出する(ステップS103)。
そして、第1のジェスチャ特徴量と第2のジェスチャ特徴量の組合せから、前記方法でジェスチャ操作を認識する処理を行う(ステップS104)。
例えば、図8(b)に示す、点線で表した2つの円の間の領域内を描く、隆起部に沿ったジェスチャ操作の特徴を示すパターンがジェスチャ辞書Gに含まれているものとすれば、第1のジェスチャ特徴量であるL1,d1と第2のジェスチャ特徴量L2,d2を組合せたデータより、第2の入力座標値が算出された時点では、第1の入力座標値が算出された時点に比べて、座標間距離Lが大きくなり、かつ、方向dの推移によりX方向に向かっている(時計回りに、隆起部に沿ったジェスチャ操作が行われた可能性が高い)という情報が得られる。このような情報からジェスチャ操作を認識することができる。
隆起部111bに沿ったジェスチャ操作以外であっても、上記同様、隆起部111bが形成された位置、及び、その近傍の範囲、を示す座標値に基づき、認識させたいジェスチャ操作の特徴を示す複数のパターンを作成し、ジェスチャ辞書Gにデータとして含ませれば、様々な、ジェスチャ操作を認識し、認識したジェスチャ操作に対応した制御信号を車載電子機器20に送信できる。以下に、図9〜図13を参照して、本実施形態に特有の「隆起部を基準としたジェスチャ操作」とそれに応じて車載電子機器20が実行する動作の一例を挙げる。
(隆起部を基準としたジェスチャ操作の一例)
<隆起部に沿ったジェスチャ操作OP10>
イグニッションのオンに伴って、動作電力が供給されると、車載電子機器20は、表示部21に、図9に示す初期画面21aを表示する。初期画面21aの状態で、ユーザが、操作面の窪み部111cを隆起部111bに沿って時計回りになぞるジェスチャ操作OP10を行うと、制御部200は、OP10を認識して、認識したOP10に対応付けられた音量制御信号を送信する。音量制御信号を受信した車載電子機器20は、初期画面21aを音量操作画面21bに切り替えるとともにOP10に応じてオーディオ音量を変更する。このように、ユーザはOP10を行って、車載電子機器20のオーディオ音量を変更することができる。
<外側から内側に隆起部を乗り越えるジェスチャ操作OP20>
図10に示すように、初期画面21aの状態で、入力装置100の操作面を、外側から順に、平面部111a、隆起部111b、窪み部111cの順でなぞるジェスチャ操作OP20(本例では、初期画面21aの“AUDIO”に対応した右方向から内側に向かう操作)を行うと、初期画面21aはオーディオ操作画面21cに切り替わる。
<隙間部を通過するジェスチャ操作OP30>
図11に示すように、オーディオ操作画面21cの状態で、入力装置100の操作面を、窪み部111cから隙間部111d(本例では、オーディオ操作画面21cの“Source”に対応した右上の隙間部111d)を通って平面部111aへなぞるジェスチャ操作OP30を行うと、オーディオ操作画面21cは音源選択画面21dに切り替わる。なお、ジェスチャ操作OP30により所定のカーソルが動くのみで、音源選択画面21dへの切り替えは、スイッチ装置120が受け付けた入力確定操作により実行されてもよい。
<内側から外側に隆起部を乗り越えるジェスチャ操作OP40>
図12に示すように、オーディオ操作画面21cの状態で、入力装置100の操作面を、内側から順に、窪み部111c、隆起部111b、平面部111aの順でなぞるジェスチャ操作OP40(本例では、オーディオ操作画面21cの“Search”に対応した右側の隆起部111bを乗り越える操作)を行うと、オーディオ操作画面21cは楽曲サーチ画面21eに切り替わる。なお、ジェスチャ操作OP40により所定のカーソルが動くのみで、楽曲サーチ画面21eへの切り替えは、スイッチ装置120が受け付けた入力確定操作により実行されてもよい。
<窪み部内でのジェスチャOP50>
図13に示すように、楽曲サーチ画面21eの状態において、窪み部111cから隆起部111bに向かって小さくスライドさせるジェスチャ操作OP50を行うと、所定のカーソルがそのスライド方向に対応して動き、所望の楽曲を選択することができる。選択された楽曲は、スイッチ装置120が受け付けた入力確定操作により、再生される。
上記に挙げた例は、ジェスチャ辞書Gに、ジェスチャ操作OP10〜50のそれぞれによって描かれる軌跡の特徴を示す複数のパターンが含まれ、これらの複数のパターンのそれぞれに、設定値Q及び対応動作データCが対応付けられていることを条件に、上記の車載電子機器制御処理を実行することにより実現される。各パターンに対応付けられる、設定値Qの比較対象となるジェスチャ特徴量の種類・値は、認識させたいジェスチャ操作の特性に鑑みて、適宜、定められる。また、各パターンに対応付けられる、対応動作データCの種類は、認識させたいジェスチャ操作の特性に鑑みて、適宜、定められる。
本実施形態に係る制御装置1000においては、ユーザは、操作面上に設けられた隆起部111b等の段差形状を指先で感じながら、適確に意図する操作を行うことができる。そして、制御装置1000は、車載電子機器制御処理により、隆起部111b等の段差形状を基準として行われたジェスチャ操作を認識し、認識したジェスチャ操作に応じて、車載電子機器20の動作を制御することができる。即ち、本実施形態に係る制御装置1000によれば、ユーザがジェスチャ接触を行いやすい。また、操作面上の隆起部111b等の段差形状により、ユーザが、車両1の走行中に、入力装置100の操作面を見ないで操作(アイズフリー操作)を行った場合でも、的確なジェスチャ操作を行いやすい。
また、本実施形態に係る制御装置1000においては、入力装置100の操作面に隆起部111bを円弧状に形成し、かつ、隆起部111bに沿ったジェスチャ操作OP10を認識対象としている。これにより、車両1の走行中においても、ステアリングホイール12を握っている状態でユーザが親指の付け根を中心として親指を動かす場合に想定される円弧状の動きに合わせた、スムーズな操作入力が可能である。
また、本実施形態に係る制御装置1000においては、入力装置1000の操作面に隆起部111bを形成し、かつ、隆起部111bを乗り越えるジェスチャ操作OP20及びOP40を認識対象としている。これにより、車両1の走行中においても、ユーザは、段差形状を乗り越えたという感覚を指先で感じとることができ、アイズフリー操作においても、操作入力が容易である。
また、本実施形態に係る制御装置1000においては、入力装置1000の操作面に隣り合う隆起部111bの間に隙間部111dを形成し、かつ、この隙間部111dを通過するジェスチャ操作OP30を認識対象としている。これにより、車両1の走行中においても、ユーザは、隙間部分を通過したという感覚を指先で感じとることができ、アイズフリー操作においても、操作入力が容易である。
また、操作面には、窪み部111cが形成されているため、ユーザが操作面上をジェスチャ操作する際に指の収まりがよい。それとともに、窪み部111cと隆起部111cは、互いになめらかに繋がって形成されているため、ユーザが隆起部111bに沿ったジェスチャ操作OP10や、隆起部111bを乗り越えるジェスチャ操作OP20及びOP40を行うときに、運指をスムーズに行うことができる。
2.第2実施形態
第1実施形態において、制御装置1000は、車載電子機器制御処理を実行したが、これに加えて、ユーザの誤操作を防止する処理を実行できれば、より車両1の運転に集中することができ、安全である。
以下では、車載電子機器制御処理を包含するとともに、ユーザの意図する操作を可能とする誤操作防止処理を行う制御装置1000について説明する。なお、制御装置1000を含むシステムの基本的な構成と動作は、第1実施形態と同様であり、理解を容易にするため、差異点を中心に説明する。
この実施形態では、記憶部300には、図14に示すように、ジェスチャ辞書G、対応動作データC、第1の設定値Q1(以下、単にQ1とも言う)と、Q1より小さい値である第2の設定値Q2(以下、単にQ2とも言う)と、が格納されている。
Q1及びQ2は、ジェスチャ特徴量の所定値のデータであり、制御信号を車載電子機器20へ送信するトリガーの役割となるデータである。Q1及びQ2は、ジェスチャ辞書Gが含む複数のパターンごとに対応付けられている。つまり、Q1及びQ2は複数ある。
Q1及びQ2との比較対象として選択されるジェスチャ特徴量は、例えば、複数の入力座標値を、時系列順に直線で繋いだ軌跡における、軌跡の長さSであり、Q1は、ユーザが誤って入力装置100の操作面に瞬間的に触れた場合に、算出されると想定されるジェスチャ特徴量の値よりも大きい値に設定されている。また、Q1よりも小さい値であるQ2は、ジェスチャ操作と、それに応じて車載電子機器20で実行される動作の特性を鑑みて、ユーザが感覚的に操作しやすいように設定されている。なお、Q1及びQ2との比較対象として選択されるジェスチャ特徴量は、軌跡の長さSに限られない。ジェスチャ特徴量は、ジェスチャ操作の目的に応じて、適宜選択される。
また、記憶部300のプログラムエリアには、誤操作防止処理を実行するための動作プログラムが記憶されている。
(動作)
誤操作防止処理では、ユーザの意図する操作を実現すべく、なされたジェスチャ操作に伴うジェスチャ特徴量がQ1又はQ2に達することを要求する。ここで、一例として、Q1又はQ2との比較対象として選択されるジェスチャ特徴量を、前述の軌跡の長さSとする。また、図15に示すように、一回の連続したジェスチャ操作によって、操作面上に指等をおいてからジェスチャ特徴量がQ1に達するまでに描かれる軌跡を第1軌跡、ジェスチャ特徴量がQ1に達してから、さらにQ2に達するまでに描かれる軌跡を第2軌跡とする。Q1はQ2よりも大きいため、図15に示すように、第1軌跡の長さS1は第2軌跡の長さS2よりも大きくなる。すると、ジェスチャ操作OP10を例に挙げれば、同じ量の音量変化をさせるために要求される軌跡の長さSは、第1軌跡のほうが第2軌跡よりも大きくなければならなくなる。
このように、ユーザがOP10を行い、車載電子機器20に音量制御信号が送信されるまでに、必要とされるジェスチャ特徴量を最初だけ大きくすることにより(逆に言えば、ジェスチャ特徴量がQ1に達した後は、Q1より緩い条件であるQ2にジェスチャ特徴量が達することが要求される)、車両1の運転中等に、ユーザが誤って入力装置100の操作面に触れた場合に、制御部200がジェスチャ操作OP10を認識して、意図せずオーディオ音量が大きくなったりすることを防ぐことができる。以下、処理手順を説明する。
[誤操作防止処理]
本実施形態に係る誤操作防止処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。この誤操作防止処理のステップS201〜S204は、第1実施形態の車載電子機器制御処理のステップS101〜S104と同様である。よって、以下では、車載電子機器制御処理と相違する点を中心に説明する。
ステップS205で、制御部200は、ステップS204で認識されたジェスチャ操作が、前回処理で認識されるとともに制御信号を送信させたジェスチャ操作であるか否かを判別する。
ここで、「前回処理」とは、指等が操作面上を継続してなぞっている間に繰り返される図15のフローチャートに示す処理における、現在処理の前の処理を言うのであって、指等が操作面上から離れてジェスチャ操作が一度終了し、再度ジェスチャ操作を行っている場合における、前回のジェスチャ操作に応じて実行された処理を言うのではない。
ステップS205における判別は、後述するステップS209において、更新され、記憶部300に記憶された操作履歴に基づいて判別される。
現在処理で認識されたジェスチャ操作が、前回処理で認識されるとともに制御信号を送信させたジェスチャ操作でない場合(ステップS205;No)、ステップS206へ進む。一方、前回処理で認識されるとともに制御信号を送信させたジェスチャ操作である場合(ステップS205;Yes)、ステップS207へ進む。
ステップS206で、制御部200は、算出したジェスチャ特徴量が、ステップS204で認識されたジェスチャ操作に係るパターンに対応付けられた第1の設定値Q1に達しているか否かを判別する。この場合、現在の判別対象に係る操作は、なされてすぐのジェスチャ操作であり、図15で言えば、第1軌跡を描いているジェスチャ操作であることになる。
ステップS207で、制御部200は、算出したジェスチャ特徴量が、ステップS204で認識されたジェスチャ操作に係るパターンに対応付けられた第2の設定値Q2に達しているか否かを判別する。この場合、現在の判別対象に係る操作は、ジェスチャ特徴量がQ1に達した後も継続しているジェスチャ操作であり、図15で言えば、第2軌跡を描いているジェスチャ操作であることになる。
ここで、Q1及びQ2と比較されるジェスチャ特徴量は、ジェスチャ辞書Gに含まれる複数のパターンごとに、認識させたいジェスチャ操作の特性に応じて、適宜、定められている。例えば、認識されたジェスチャ操作が、隆起部111bに沿って操作面上を円弧状になぞる操作であれば、当該ジェスチャ操作のパターンと対応付けられたQ1及びQ2と比較されるジェスチャ特徴量は、複数の入力座標値を、時系列順に直線で繋いだ軌跡における、軌跡の長さSである。このように、同じパターンに対応付けられたQ1及びQ2においては、Q1の比較対象となるジェスチャ特徴量とQ2の比較対象となるジェスチャ特徴量は、同種のジェスチャ特徴量である。
ステップS206でジェスチャ特徴量がQ1に達したと判別された場合(ステップS206;Yes)、又は、ステップS207でジェスチャ特徴量がQ2に達したと判別された場合(ステップS207;Yes)、ステップS208へ進む。
ステップS208で、制御部200は、記憶部300から対応動作データCを読み出し、認識されたジェスチャ操作に対応した制御信号を車載電子機器20に送信して、ステップS209へ進む。
ステップS209で、制御部200は、今回制御信号を送信させたジェスチャ操作に係る情報を、前回の情報に上書きして記憶部300に記憶する。この情報は、ジェスチャ辞書Gが含むパターンであってもよいし、今回送信した制御信号に係る対応動作データCであってもよい。次回、上述したステップS205における処理で、今回制御信号を送信させたジェスチャ操作であるか否かを判別できればよいのであって、その手法は、任意である。このステップS209で、制御信号を送信させたジェスチャ操作に係る操作履歴が更新されることになる。操作履歴を更新すると、ステップS201に戻る。
以上の誤操作防止処理は、第1実施形態で例とした挙げたジェスチャ操作OP10のように、継続して操作面上をなぞる操作において、特に効果的である。Q1及びQ2は、ジェスチャ操作の特性と、それに応じて車載電子機器20が実行する動作の特性を鑑みて、適宜、設定すればよい。
また、ジェスチャ操作OP10を例に挙げれば、ジェスチャ操作を順方向にのみ行う場合は勿論、操作面から指等を離さなければ、図17に示すように、ジェスチャ操作を順方向(この場合時計回り)から逆方向に行う場合も、制御部200が、ジェスチャ操作を認識することができるように、ジェスチャ辞書Gが含むパターンを決定すればよい。この場合、ジェスチャ操作OP10に伴うジェスチャ特徴量がQ1に達するまでは、音量は変化しないが、その後は順方向から逆方向に移動させても(例えば、一連の動作で音量を上げ過ぎてすぐに音量を下げたい場合の移動)、ジェスチャ特徴量がQ2に達する毎になめらかに音量が変化することになる。順方向と逆方向に移動を反転しつづけるような場合であっても、操作面上から指等を離さない限りにおいては、同様である。
また、ジェスチャ操作に応じて、車載電子機器20が実行する動作の性質に合わせ、ジェスチャ特徴量の設定値を2つ以上設けてもよい。
本実施形態に係る制御装置1000は、車載電子機器制御処理を包含する誤操作防止処理を行う。これにより、ユーザが入力装置100の操作面に誤接触をした場合等には、車載電子機器20へ制御信号を送信しないため、車載電子機器20は不意に動作を実行しない。即ち、本実施形態に係る制御装置1000によれば、車載電子機器20に対してユーザの意図しない制御を行うことを抑制することができる。
3.第3実施形態
この実施形態に係る制御装置1000は、第2実施形態に係る誤操作防止処理に加えて、車両1の運転中に、特に注意力を要する、急カーブ時・高速移動時等において、制御装置1000が車載電子機器20に対して行う制御を禁止する、操作禁止処理を実行する。なお、制御装置1000を含むシステムの基本的な構成と動作は、第2実施形態と同様であり、理解を容易にするため、差異点を中心に説明する。
本実施形態に係る車両1は、図18に示すように、車速センサ30と、舵角センサ40と、をさらに備える。
車速センサ30は、制御装置1000と電気的に接続され、制御装置1000に車両1の車速値(走行速度)を示す車速信号を送信する。
舵角センサ40は、制御装置1000と電気的に接続され、制御装置1000に車両1の舵角値(操舵量の値)を示す舵速信号を送信する。
また、記憶部300のデータエリアには、車速値及び舵角値の所定の閾値のデータ(図示せず)が記憶され、プログラムエリアには、操作禁止処理を実行するための動作プログラムが記憶されている。
[操作禁止処理]
車速信号、又は、舵角信号を受信した制御装置1000は、これらに基づいて算出される車速値、又は、舵角値が、所定の閾値を超えたか否かを判別し、超えていた場合、誤操作認識処理を中止する。すると、制御部200が、ジェスチャ操作を認識し、ジェスチャ操作に対応した所定の制御信号を車載電子機器20に送信することができなくなる。これにより、急カーブ時等に誤って指等が入力装置100の操作面に触れても車載電子機器20が誤作動することなく、また、ユーザは運転に集中することができるため、安全な運転操作環境を提供することができる。
なお、操作禁止処理においては、ユーザの安全のため、運転に集中する必要がある局面で、制御装置1000が車載電子機器20に対して行う制御を禁止できればよいので、制御を禁止するための車両1の走行状態を示す値は、車速値や舵角値に限られない。例えば、車両1が角度センサを備え、急な坂道等で制御を禁止するようにしてもよいし、車両1が備えるワイパーの稼働速度が最大になったときに(これにより、強雨が想定される)、制御を禁止してもよい。
4.変形例
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。以下に変形の例を示す。
入力装置100の操作面が有する段差形状は、以上の実施形態に係る形状に限られない。図19(a)及び(b)に示すように、様々な形状のものが考えられる(図19(b)では、4つある隙間部111dのうちの1つを二点差線で囲った)。このような隆起部111bに基づくジェスチャ操作を認識できる、ジェスチャ辞書Gを記憶部300に記憶させれば、車載電子機器制御処理及び誤動作防止処理を同様に実行することができる。なお、図19(b)に示す操作面のように、隆起部111bを、円形の窪み部111cの円周方向と隆起部111bの長手方向が直角になるようにして、窪み部111cの円周方向に沿って配置することも広義に「円弧状の配置」ということができる。
また、本発明の第2実施形態に係る誤操作防止処理を行う制御装置1000が備える、入力装置100の操作面には、隆起部111b等の段差形状が設けられていなくともよい。誤操作防止処理においては、操作面に隆起部111b等の段差形状が設けられていなくとも、本発明の目的を達成することができる。
また、制御装置1000が、入力装置100を備える例を示したが、これに限られない。制御装置1000が入力装置100を設けず、外部の入力装置と協調することによって、車載電子機器20を制御してもよい。
また、制御部200及び記憶部300は、制御装置1000に備えられずに、車載電子機器20の制御系統又は車両1のECU(Electronic Control Unit)の回路と共通化され、一体化されることで、車載電子機器制御処理、又は、誤操作防止処理を行ってもよい。
また、以上の実施形態においてセンサシート112は、投影静電容量方式であるとしたが、これに限られない。表面静電容量方式であってもよいし、抵抗膜方式等の静電容量方式以外のものであってもよい。この場合においても、センサシート112を表面カバー111(操作面)と一体成形すればよい。
また、以上の実施形態においては、ステアリング10に入力装置100を1つのみ設けたがこれに限られない。入力装置100は、ステアリング10に複数配置されてもよい。例えば、ステアリング10の本体部11の、ユーザがステアリング10を把持しながら左手親指で操作できる位置に入力装置100をもう1つ設けることで、ステアリング10に計2つの入力装置100を配置してもよい。また、このように設けられた2つの入力装置100の背面(本体部11の裏面側)に、両手の人差し指で操作できるようにさらに2つの入力装置100を設け、ステアリング10に計4つの入力装置100を配置してもよい。
また、以上の実施形態においては、入力装置100はステアリング10の本体部11に配置されたが、これに限られない。ユーザが車両1を運転しながら、操作しやすい位置であれば、入力装置100の配置は任意である。例えば、入力装置100をステアリングホイール12に配置してもよいし、図示しないシフトレバーや、パワーウインドスイッチ付近に配置してもよい。
また、以上の実施形態では、制御装置1000と入力装置100が搭載される乗り物の一例を車両としたが、これに限られない。船舶、航空機等に搭載することも可能である。
また、第1実施形態においては、設定値Qが複数ある例を示したが、これに限られない。認識させたいジェスチャ操作が1つの場合であれば、当然に、設定値Qは1つである。また、認識させたいジェスチャ操作が複数ある場合であっても、当該ジェスチャ操作に係るパターンのそのすべてに設定値Qを対応付けなくともよい。
また、第2実施形態においては、Q1及びQ2が複数ある例を示したが、これに限られない。認識させたいジェスチャ操作が1つの場合であれば、当然に、Q1及びQ2は1つである。また、認識させたいジェスチャ操作が複数ある場合であっても、当該ジェスチャ操作に係るパターンのそのすべてにQ1及びQ2を対応付けなくともよい。適宜、誤操作を招きやすいジェスチャ操作に係るパターンにQ1及びQ2を対応付ければよい。
また、本発明を実現するために実行するプログラムは、記憶部300に予め記憶されているものとして説明したが、このような動作プラグラム及び各種データは、制御装置1000に含まれるコンピュータに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供されてもよい。さらに、動作プログラム及び各種データは、電気通信ネットワーク等を介して接続された他の機器からダウンロードすることによって配布されるようにしてもよい。
そして、各処理の実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、電気通信ネットワーク等を介してダウンロードした動作プログラム及び各種データを内蔵の記憶装置に一旦格納することにより実行可能としてもよいし、電気通信ネットワーク等を介して接続された他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行してもよい。さらには、他の機器と電気通信ネットワーク等を介して各種データの交換を行うことにより各処理を実行してもよい。
なお、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。