JP5509590B2 - 電子カメラ - Google Patents

Description

本発明は、表示装置の表示画面上に元画像と共に、元画像の一部を拡大した拡大画像を表示させる電子カメラに関するものである。

一般に、デジタルスチルカメラなどの電子カメラにより撮像した被写体の画像内容は、その再生画像を電子カメラの背面側に設けられた表示部上に表示することにより確認することができる。そして、こうした場合に、その画像の一部を拡大させて確認するときは、例えば特許文献１の表示制御装置のように、拡大対象とされる画像（以下、「元画像」という。）において確認したい部分を所定の拡大率で拡大させた再生画像（以下、「拡大画像」という。）を表示部上に全画面表示するようにしていた。
特開２００６−１５７８１０号公報

ところで、特許文献１の表示制御装置によれば、元画像の一部を拡大させて確認する際には、表示部上の表示内容が元画像の全画面表示状態から拡大画像の全画面表示状態へと切り替えられる。そのため、ユーザは、その表示部上に全画面表示された拡大画像だけを見ていると、その拡大画像が元画像におけるどの部分を拡大させたものであるのかを把握できず、表示内容の理解に混乱を生じる虞があった。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮像された画像の一部を画像内での位置を把握しつつ拡大して確認することができる電子カメラを提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明の電子カメラは、画像が表示される第１表示面を備える電子カメラであって、前記第１表示面よりも画素数の多い第２表示面を備える外部表示装置へ画像データを出力する出力部と、前記画像データに基づく画像の全体画像と前記全体画像の一部を区画した領域を示す枠画像とを前記第２表示面内の前記第２表示面よりも面積が小さい第１表示領域に重畳表示させるとともに前記枠画像により区画された領域を拡大した拡大画像を前記第１表示領域と前記第２表示面内の前記全体画像が表示されない第２表示領域とに跨った領域を有する第３表示領域に表示させる制御部と、前記第２表示面における前記枠画像の表示位置を示す枠画像座標情報と前記第２表示面における前記拡大画像の表示位置を示す拡大画像座標情報とを比較して、前記第２表示面に表示される前記枠画像と前記第２表示面に表示される前記拡大画像とが重畳するか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記枠画像と前記拡大画像とが重畳すると判定された場合、前記拡大画像が前記枠画像と重畳しない位置に表示されるように前記拡大画像座標情報を前記第３表示領域において前記枠画像座標情報とは重畳しない位置の座標情報に変更した画像を示す画像データを生成する画像データ生成部と、を備え、前記制御部は、前記画像データ生成部により生成された画像データを前記出力部を介して前記外部表示装置へ出力して前記画像データ生成部により生成された画像データに基づく画像の前記全体画像及び前記枠画像を前記第１表示領域に表示させるとともに前記拡大画像を前記第３表示領域に表示させることを特徴とする。
また、本発明の電子カメラは、前記第１表示領域における前記枠画像の表示位置を指定する操作部を更に備え、前記判定部は、前記操作部により指定された前記枠画像の前記枠画像座標情報と前記拡大画像座標情報とを比較して、前記第２表示面に表示される前記枠画像と前記第２表示面に表示される前記拡大画像とが重畳するか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明の電子カメラは、被写体を撮像して画像データを生成する撮像部と、前記撮像部で生成された画像データを記録する記録部と、を更に備え、前記出力部は、前記記録部で記録された画像データを前記外部表示装置へ出力することを特徴とする。

本発明によれば、撮像された画像の一部を画像内での位置を把握しつつ拡大して確認することができる。

以下、本発明を電子カメラの一種であるデジタルスチルカメラ（以下、「デジタルカメラ」という。）を含んで構成される表示システムにおける表示制御方法及び表示制御装置に具体化した一実施形態を図１〜図７に基づいて説明する。

図１に示すように、本実施形態における表示システム１１は、デジタルカメラ１２と、表示装置としてのテレビ１３と、操作手段としてのテレビリモコン１４とを有している。デジタルカメラ１２は、略直方体状のカメラ本体１５を有しており、そのカメラ本体１５の上面にはレリーズボタン１６が設けられている。また、カメラ本体１５の背面側には、矩形状をなす表示部としての液晶表示モニタ（以下、「モニタ」と略す。）１７と、そのモニタ１７に表示される画面の切り替えやデジタルカメラ１２における各種設定の変更を行う際などにユーザにより操作されるセレクトボタン１８が設けられている。

図２に示すように、デジタルカメラ１２は、撮像光学系１９を通過した被写体光を撮像光学系１９の像空間側において結像した像を撮像するための撮像素子２０をカメラ本体１５内に有している。この撮像素子２０はＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）イメージセンサなどからなり、その撮像面に結像した被写体像に対応した信号電荷を蓄積し、その蓄積した信号電荷を画素信号と呼ばれるアナログ信号として出力するようになっている。そして、撮像素子２０の出力側にはＡ／Ｄ変換回路２１と信号処理回路２２とが直列に接続され、撮像素子２０から出力されたアナログ信号からなる画素信号は、Ａ／Ｄ変換回路２１においてデジタル信号に変換された後、信号処理回路２２に入力されて各種の画像処理が施されるようになっている。

また、デジタルカメラ１２のカメラ本体１５内には、デジタルカメラ１２における各種動作を統括的に制御するＭＰＵ（Micro Processing Unit）２３が設けられており、このＭＰＵ２３から信号処理回路２２に対して画像処理のための各種の制御信号が入力されるようになっている。すなわち、信号処理回路２２は、デジタル化された画素信号に対してＭＰＵ２３からの制御信号に基づき各種の画像処理を施して所定の画像信号を生成する。そして、そのように生成された画像信号は同じくＭＰＵ２３に接続されたバッファメモリとして機能する画像メモリ２４に一時記憶され、さらに不図示のカードスロットを介してデジタルカメラ１２に着脱可能とされたカード型メモリに所定のフォーマット態様で記録されるようになっている。なお、ＭＰＵ２３には不揮発性メモリであるＲＯＭ（図示略）が設けられており、このＲＯＭにデジタルカメラ１２の制御処理を実行するプログラムは格納されている。

図２に示すように、デジタルカメラ１２のカメラ本体１５内において、ＭＰＵ２３には既述したレリーズボタン１６、モニタ１７、セレクトボタン１８、信号処理回路２２及び画像メモリ２４の他に、ＨＤＭＩ（High Definition Multimedia Interface）インターフェース２５が接続されている。そして、このＨＤＭＩインターフェース２５にＨＤＭＩケーブル２６の一端が接続されると共に、そのＨＤＭＩケーブル２６の他端がテレビ１３側に設けられたＨＤＭＩインターフェース（図示略）に接続されることにより、デジタルカメラ１２とテレビ１３との間では画像信号・音声信号・制御信号が双方向通信可能とされている。この点で、ＨＤＭＩインターフェース２５は、デジタルカメラ１２とテレビ１３との間で表示画面２７上に表示される画像に関する情報を通信可能な通信部として機能する。

一方、テレビ１３は、デジタルカメラ１２のモニタ１７よりも画面サイズが大きい液晶の表示画面２７を有する高精細テレビであり、ＨＤＭＩケーブル２６を介してデジタルカメラ１２と接続されることにより、そのデジタルカメラ１２の画像メモリ２４やＭＰＵ２３のＲＯＭ（図示略）に記憶されている画像情報及びＭＰＵ２３によって加工された画像情報に対応した画像を表示画面２７上に表示可能とされている。ちなみに、このテレビ１３の表示画面２７は、その画素数がデジタルカメラ１２のモニタ１７の画素数（６４０×４８０画素程度）に比して約７倍程度の情報量を表示できる高画素数（１９２０×１０８０画素程度）に設定されている。

また、テレビリモコン１４は、テレビ１３の表示画面２７の表示内容を切り替える際にユーザにより操作されるものであり、図３に示すように、その上面にて構成される操作面の前端部右側寄りの位置にはテレビ１３のメイン電源をオン・オフするときに操作される電源ボタン２８が設けられている。また、テレビリモコン１４の操作面上において、電源ボタン２８の左側となる位置にはテレビ１３の音量調整ボタン２９が設けられると共に、それら電源ボタン２８と音量調整ボタン２９よりも後端側となる領域にはチャンネル数に対応した１２個のチャンネル切り替えボタン３０が設けられている。

さらに、テレビリモコン１４の操作面上においてチャンネル切り替えボタン３０よりも後端側となる位置には上下左右各方向を向く矢印が記された円環状をなす移動キー３１が設けられると共に、その移動キー３１の中央部には円形状をなす決定キー３２が設けられている。移動キー３１は、テレビ１３の表示画面２７上に表示された画像内容のうち所定の画像（例えば、後述する枠画像など）を移動させる場合にユーザにより操作されるキーであり、決定キー３２はユーザの意思決定（例えば、後述する枠画像で囲まれている部分を拡大して表示させるという意思決定など）を反映させた表示内容を実現させる際に操作されるキーである。

そして更に、図３に示すように、テレビリモコン１４の操作面上において移動キー３１よりも後端側となる位置には、青色キー３３ａ、赤色キー３３ｂ、緑色キー３３ｃ、及び黄色キー３３ｄからなる４つの着色キー３３が左側から右側に所定間隔をおいて並列配置されている。各着色キー３３（３３ａ〜３３ｄ）は、デジタルカメラ１２とテレビ１３がＨＤＭＩケーブル２６を介して接続されることにより表示モードがデジタルカメラモードとなったテレビ１３の表示画面２７上において、デジタルカメラ１２が有する各種の機能のうち所定の機能（例えば拡大表示機能など）を択一的に実現させる際に選択操作されるものである。

ちなみに、本実施形態のテレビリモコン１４では、一例として、青色キー３３ａが選択操作された場合には、テレビ１３の表示機能が拡大モードになり、表示画面２７上に表示された画像内容の少なくとも一部をテレビリモコン１４の操作内容に基づき拡大して表示できるようになる。また、赤色キー３３ｂが選択操作された場合には、テレビ１３の表示機能が機能設定モードになり、表示画面２７上にデジタルカメラ１２における各種の機能を設定する場合に選択する複数のメニュー項目を配列したメニュー画面が表示されるようになる。

また、緑色キー３３ｃが選択操作された場合には、赤色キー３３ｂの選択操作に基づき表示されているメニュー画面内に配列された複数のメニュー項目のうちで、その緑色キー３３ｃを選択操作した時点でハイライト表示されているメニュー項目に関する説明文等が表示画面２７上に表示されるようになる。また、黄色キー３３ｄが選択操作された場合には、緑色キー３３ｃの選択操作に基づき表示された説明文に関する最新情報を当該情報が記録されているカメラメーカーのホームページにアクセスしてテレビ１３の表示画面２７上に表示できるようになる。

次に、デジタルカメラ１２のＭＰＵ２３が実行する拡大表示制御処理ルーチンの概要を図７のフローチャートを参照しながら以下簡単に説明する。
さて、ＭＰＵ２３は、デジタルカメラ１２が電源ＯＮ状態においてテレビリモコン１４の青色キー３３ａが選択操作された場合に図７の拡大表示制御処理ルーチンを開始する。そして、ステップＳ１において、ＭＰＵ２３は、その時点でテレビ１３の表示画面２７上に全画面表示されている全体画像の上に矩形の枠画像を重畳させた画像の画像信号を生成する。なお、この場合における全体画像上での枠画像の重畳位置は予め初期位置として設定されている。そして、ＭＰＵ２３は、そのように生成した画像信号をＨＤＭＩインターフェース２５を介してテレビ１３側に送信した後、その処理を次のステップＳ２に移行する。

すると、次のステップＳ２において、ＭＰＵ２３は、ステップＳ１の処理終了後に移動キー３１が全体画像上での枠画像の位置を変更させるために押されていないか否かを判定する。そして、ＭＰＵ２３は、移動キー３１が押されている（ステップＳ２＝Ｎｏ）と判定した場合には、その処理を再びステップＳ１に戻し、移動キー３１の操作内容に応じて枠画像を全体画像上に重畳させた画像の画像信号を生成し、その画像信号をテレビ１３側に送信する。その一方、移動キー３１は押されていない（ステップＳ２＝Ｙｅｓ）と判定した場合、ＭＰＵ２３は、その処理を次のステップＳ３に移行する。

すると、次のステップＳ３において、ＭＰＵ２３は、ステップＳ２の処理終了後に決定キー３２が押されたか否かを判定する。そして、ＭＰＵ２３は、決定キー３２は押されていない（ステップＳ３＝Ｎｏ）と判定した場合には、その処理をステップＳ１に移行する。その一方、決定キー３２が押された（ステップＳ３＝Ｙｅｓ）と判定した場合、ＭＰＵ２３は、その処理を次のステップＳ４に移行する。

すると、次のステップＳ４において、ＭＰＵ２３は、その時点での枠画像が表示される位置の座標と、その枠画像で区画した部分の拡大画像が表示されることになっている位置の座標が重畳するか否かを判定する。そして、枠画像と拡大画像の表示位置座標が重畳する（ステップＳ４＝Ｙｅｓ）と判定した場合、ＭＰＵ２３は、その処理を次のステップＳ５に移行する。そして、次のステップＳ５において、ＭＰＵ２３は、拡大画像の表示位置座標を枠画像の表示位置座標と重畳しない別の表示位置座標に変更した後、その処理を次のステップＳ６に移行する。なお、ステップＳ４において、枠画像と拡大画像の表示位置座標は重畳しない（ステップＳ４＝Ｎｏ）と判定した場合、ＭＰＵ２３は、ステップＳ５を経由することなく、その処理を直接にステップＳ６に移行する。

そして、ステップＳ６において、ＭＰＵ２３は、枠画像と拡大画像を互いに重畳させることなく双方の画像を全体画像上に別々の位置にて重畳させた画像の画像信号を生成し、そのように生成した画像信号をＨＤＭＩインターフェース２５を介してテレビ１３側に送信した後、この拡大表示制御処理ルーチンを終了する。

そこで次に、以上のように構成された本実施形態の表示システム１１の作用について、特にデジタルカメラ１２で撮像した画像の一部をテレビリモコン１４の操作によりテレビ１３の表示画面２７上に拡大して表示させる場合の作用に着目して以下説明する。

さて、図１に示すように、ＨＤＭＩケーブル２６を介してデジタルカメラ１２とテレビ１３が接続されると、デジタル機器同士間を連携するリンク機能であるＨＤＭＩ−ＣＥＣ（High Definition Multimedia Interface - Consumer Electronics Control）が働いて、テレビリモコン１４はデジタルカメラ１２とテレビ１３の双方を操作できるようになる。そして、テレビ１３は表示モードがデジタルカメラモードとなり、デジタルカメラ１２のＭＰＵ２３は、画像メモリ２４に記憶されている各画像についてモニタ１７用の画像信号とは画素数及びフォントなどが異なる表示画面２７用の画像信号を生成し、その生成した表示画面２７用の画像信号をテレビ１３側にＨＤＭＩインターフェース２５及びＨＤＭＩケーブル２６を介して送信する。

すなわち、本実施形態の場合、ＭＰＵ２３は、一例としてデジタルカメラ１２において最後に撮像した画像（以下、「最後撮像画像」という。）上に最後撮像画像を含む最後から５番目までに撮像した５つの撮像画像のサムネイル画像を重畳させた合成画像の画像信号を生成し、その画像信号をテレビ１３側にＨＤＭＩインターフェース２５及びＨＤＭＩケーブル２６を介して送信する。すると、図４に示すように、テレビ１３の表示画面２７上には、そのデジタルカメラ１２での最後撮像画像４０が全画面表示されると共に、その最後撮像画像４０上に重畳して最後撮像画像を含む最後から５番目までに撮像した５つの撮像画像が画面の下半分の領域に小さな横並びのサムネイル画像４１として表示される。

ここで、各サムネイル画像４１のうち全画面表示されている撮像画像のサムネイル画像（図４の場合は最後撮像画像４０のサムネイル画像）４１は、そのサムネイル画像４１を縁取る枠表示が他のサムネイル画像４１を縁取る枠表示とは枠の色が異なるなどして識別可能な識別枠表示とされている。また、ユーザは、テレビリモコン１４における移動キー３１を操作することにより、その識別枠表示を横並び表示されている他のサムネイル画像４１に移動させることが可能とされている。そして、何れか一つのサムネイル画像４１に識別枠表示が付された状態において、ユーザがテレビリモコン１４における決定キー３２を押圧操作すると、その時点で識別枠表示が付されていたサムネイル画像４１だけが表示画面２７上に全画面表示され、各サムネイル画像４１は消滅するようになる。

なお、最後撮像画像４０上に各サムネイル画像４１が重畳表示された状態で、ユーザがテレビリモコン１４を使った操作を何もしないで所定時間（例えば５秒程度）が経過すると、テレビ１３の表示画面２７上には各サムネイル画像４１が消滅して最後撮像画像４０だけが全画面表示されるようになる。また、テレビリモコン１４には不図示の戻しボタンが設けられており、その戻しボタンが押圧操作されることにより、テレビ１３の表示画面２７は元の表示状態に戻るようになっている。

いま仮に、図４に示す表示状態において横並び表示されている各サムネイル画像４１のうち左から二番目の集合写真に係るサムネイル画像４１の枠表示が識別枠表示となるようにテレビリモコン１４の移動キー３１が操作された後に決定キー３２が押圧操作されたとすると、テレビ１３の表示画面２７上には、その集合写真に係るサムネイル画像４１だけが全画面表示されるようになる。そして、その状態において、ユーザがテレビリモコン１４の着色キー３３のうち青色キー３３ａを選択操作すると、テレビ１３は表示画面２７上の表示モードが拡大モードに切り替えられる。

具体的には、集合写真に係るサムネイル画像４１だけが全画面表示された状態においてテレビリモコン１４の青色キー３３ａが選択操作されると、デジタルカメラ１２のＭＰＵ２３は、その集合写真の全体画像上に、その全体画像の一部を区画して表示する枠画像を移動可能に重畳表示させる画像をテレビ１３の表示画面２７上に表示可能とする画像信号を生成し、その画像信号をテレビ１３側にＨＤＭＩインターフェース２５及びＨＤＭＩケーブル２６を介して送信する。すると、テレビ１３の表示画面２７上には、図５に示すように、最前列が５人、中央列が４人、そして最後列が５人という集合写真の全体画像４２が全画面表示されると共に、その集合写真の全体画像４２の一部（図５では最後列で真ん中の人物の顔と対応する部分）を区画する矩形の枠画像４３が全体画像４２上に移動可能に重畳表示されるようになる。

また、この状態において、ユーザは、テレビリモコン１４における移動キー３１を操作することにより、その枠画像４３の位置をテレビ１３の表示画面２７上において上下左右の各方向に移動させることが可能とされている。そして、その状態において、ユーザがテレビリモコン１４における決定キー３２を押圧操作すると、その時点で全体画像４２中の枠画像４３により区画されている部分を所定の拡大率で拡大した拡大画像４４が全体画像４２に重畳して表示画面２７上に表示されるようになる。

具体的には、テレビ１３の表示画面２７が図５に示す状態においてテレビリモコン１４の決定キー３２が押圧操作されると、デジタルカメラ１２のＭＰＵ２３は、集合写真の全体画像４２の表示面積を決定キー３２が押圧操作される前の状態（図５に示す表示状態）よりも小さくすると共に、その小さくした全体画像４２上に枠画像４３及び該枠画像４３で区画した部分の拡大画像４４を重畳表示させる画像をテレビ１３の表示画面２７上に表示可能とする画像信号を生成し、その画像信号をテレビ１３側にＨＤＭＩインターフェース２５及びＨＤＭＩケーブル２６を介して送信する。

すると、テレビ１３の表示画面２７上には、図６に示すように、集合写真において最後列で真ん中の人物の顔と対応する部分に枠画像４３が重畳表示された全体画像４２が図５に示す場合よりも表示面積を全体的に縮小された画像内容で表示される。また、その縮小された全体画像４２上には、枠画像４３にて区画された最後列で真ん中の人物の顔の部分を大きく拡大した細部確認用の拡大画像４４が枠画像４３とは重畳しないように表示される。なお、この場合において、拡大画像４４の拡大率は、例えばテレビリモコン１４における音量調整ボタン２９の操作に基づき調整可能とされている。

また、図６に示す表示画面２７上で枠画像４３により区画される矩形の上下左右の辺の長さは、拡大画像４４の拡大率が最も小さい場合の長さを示している。そして、その状態から音量調整ボタン２９を使用した拡大画像４４の拡大率がより大きくなるような操作に応じて、枠画像４３により区画される矩形の上下左右の辺の長さは、より短くなることになる。その一方、図６に示す拡大画像４４により区画される矩形の上下左右の辺の長さは拡大画像４４の拡大率に応じて、変化しないものとする。つまり、音量調整ボタン２９を使用した拡大画像４４の拡大率がより大きくなるような操作に応じて、拡大画像４４として表示される画像内容はより細部を確認可能な画像内容となる。

以上のように本実施形態のデジタルカメラ１２のＭＰＵ２３は、通信部として機能するＨＤＭＩインターフェース２５を介してテレビ１３との間で表示画面２７上に表示される画像に関する情報（画像信号）を通信することにより、その表示画面２７上での表示内容を制御する制御部として機能する。そして、本実施形態では、こうした通信部として機能するＨＤＭＩインターフェース２５と制御部として機能するＭＰＵ２３とにより表示システム１１の表示制御装置が構成されており、この点で、ＨＤＭＩインターフェース２５とＭＰＵ２３とをカメラ本体１５内に有する構成のデジタルカメラ１２は、上記の表示制御装置を備えているといえる。

なお、このように全体画像４２と枠画像４３及び拡大画像４４が一緒に表示された表示画面２７上において、全体画像４２が表示される位置と拡大画像４４が表示される位置とは、拡大画像４４が全体画像４２上の枠画像４３と重畳しない位置関係となるように予め設定されている。すなわち、図６に矩形の点線枠で示すように、表示画面２７上には拡大画像４４の表示位置となり得る複数（本実施形態では２つ）の領域Ａ，Ｂが予め区画設定されている。

そして、領域Ａの右端と領域Ｂの左端との間の長さは、拡大画像４４の拡大率が最小倍率時の枠画像４３により区画される矩形の上下の辺の長さよりも長く設定されている。つまり、少なくとも領域Ａまたは領域Ｂの何れか一つの領域は、図６に示した枠画像４３とは重ならない領域となる。そして、何れか一つの領域（例えば、左側の領域Ａ）が優先的に拡大画像４４の表示位置として選択される優先表示領域となっている。しかしながら、全体画像４２上に重畳表示される枠画像４３についてはテレビリモコン１４の移動キー３１の操作に基づき上下左右各方向に移動自在であるため、次のような不具合が発生することがあり得る。

すなわち、テレビリモコン１４の移動キー３１の操作に基づき、図５に示すように集合写真の全体画像４２上において枠画像４３を例えば最後列で真ん中の人物の顔と対応する部分に移動させ、その状態で決定キー３２を押圧操作した場合には、その枠画像４３と図６に示す左側の領域Ａとが表示画面２７上で重畳することになる。つまり、表示画面２７上において、拡大画像４４の表示位置を優先表示領域である領域Ａにした場合には、全体画像４２上の枠画像４３が領域Ａ内に表示される拡大画像４４によって隠蔽されてしまうことになり、ユーザは、その拡大画像４４が元画像となる全体画像４２におけるどの部分を拡大させた画像なのかを把握できないことになる。

そこで、そのような不具合が発生することを未然に抑制するため、デジタルカメラ１２のＭＰＵ２３は、図６に示す表示画面２７用の画像の画像信号を生成する際に、表示画面２７上における枠画像４３が表示される位置の座標情報と拡大画像４４が表示される位置（この場合、優先表示領域である領域Ａ）の座標情報とを比較するようにしている。そして、両者の座標情報が位置的に重畳すると判別される場合、ＭＰＵ２３は、優先表示領域（領域Ａ）以外の他の領域（領域Ｂ）が拡大画像４４の表示位置となる画像信号を生成する。

すなわち、ＭＰＵ２３は、拡大画像４４が表示される位置の座標情報を枠画像４３が表示される位置の座標情報とは重畳しない位置の座標情報となるように変更し、そのように拡大画像４４の表示される位置の座標情報だけを変更した画像信号をテレビ１３側に送信する。そのため、表示画面２７上には、枠画像４３と拡大画像４４が互いに重畳しないように元画像となる全体画像４２と共に同時に表示される。

以上説明した本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
（１）デジタルカメラ１２で撮像した被写体の画像における細部を確認するべく、その画像の一部を拡大させた拡大画像４４を表示させる場合に、デジタルカメラ１２のモニタ１７よりも画素数が多い高精細テレビ１３の表示画面２７上に表示するようにしたので、拡大率を上げた場合でも鮮明な拡大画像４４で細部を確認できる。

（２）テレビ１３の表示画面２７上に拡大画像４４を表示する場合には、元画像となる全体画像４２及びその全体画像４２上で拡大画像４４と対応する部分を区画して表示する枠画像４３が拡大画像４４と一緒に表示されるので、撮像された画像（元画像）の一部を当該画像内での位置を把握しつつ拡大して確認することができる。

（３）表示画面２７上で元画像となる全体画像４２と共に枠画像４３と拡大画像４４を同時に表示するに際して、枠画像４３と拡大画像４４は両者が重畳しないように表示画面２７上での表示内容が制御されるので、ユーザは、全体画像４２内における枠画像４３で区画された部分を見ることにより、拡大画像４４が全体画像４２におけるどの部分を拡大したものなのかを容易に把握することができる。

（４）全体画像４２内において枠画像４３の位置はテレビリモコン１４の移動キー３１を操作することにより移動自在であるので、元画像となる全体画像４２内の任意の位置を容易に拡大して確認することができる。

（５）また、全体画像４２内において枠画像４３の位置を移動させたことにより、表示画面２７上で枠画像４３が表示される位置の座標情報と拡大画像４４が表示される位置の座標情報とが重畳することになる場合には、拡大画像４４の座標情報を変更することで、枠画像４３と拡大画像４４とが重畳しないように容易に調整できる。

なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、拡大画像４４を表示可能な位置として表示画面２７上に予め設定される領域はＡ，Ｂは、２箇所以外の複数箇所であってもよい。また、各領域は領域同士が部分的に重複した位置関係にあってもよい。さらに、何れか一つが優先表示領域とされることなく、各領域のうち枠画像４３との座標情報の比較において最も離れた位置にある領域が拡大画像４４の表示位置とされるようにしてもよい。

・上記実施形態において、表示画面２７上で元画像となる全体画像４２と共に枠画像４３と拡大画像４４を同時に表示するに際して、枠画像４３が表示される位置の座標情報と拡大画像４４が表示される位置の座標情報とが重畳することになる場合に、枠画像４３を重畳させた全体画像４２が表示される位置の座標情報を変更することにより、枠画像４３と拡大画像４４とが重畳しないように調整してもよい。

・上記実施形態において、元画像となる全体画像４２において拡大して確認したい部分を区画して表示する枠画像４３の大きさ及び形状については実施形態における矩形のものに限定されず任意の大きさ形状であってもよい。

・上記実施形態において、枠画像４３で区画した部分の拡大画像４４を決定キー３２の押圧操作に基づき全体画像４２上に重畳表示させる場合における全体画像４２の表示面積は、決定キー３２が押圧操作される前の表示状態の表示面積よりも小さくされない構成であってもよい。

・上記実施形態において、デジタルカメラ１２とテレビ１３とがＨＤＭＩケーブル２６を介して接続された状態でテレビリモコン１４の操作によりテレビ１３の表示機能を拡大モードにする場合には、青色キー３３ａ以外のキー、例えば他の着色キー３３（３３ｂ，３３ｃ，３３ｄ）等を選択操作する設定であってもよい。

・上記実施形態において、表示画面２７上に全体画像４２と枠画像４３と拡大画像４４とを一緒に表示する場合に、全体画像４２と拡大画像４４とは重畳しないように表示してもよい。

・上記実施形態において、テレビリモコン１４の代わりに、デジタルカメラ１２の背面側に設けられたセレクトボタン１８を、枠画像４３を移動させたり、拡大画像４４とする部分を決定したりする際に操作される操作手段として使用してもよい。

・上記実施形態において、デジタルカメラ１２とテレビ１３との間に通信部として機能するＨＤＭＩインターフェースと制御部として機能するＭＰＵとを備えた制御ユニットを表示制御装置として配置し、その制御ユニットに対してデジタルカメラ１２とテレビ１３とをＨＤＭＩケーブル２６を介して各々接続するようにしてもよい。

・上記実施形態において、デジタルカメラ１２とテレビ１３とをＨＤＭＩケーブル２６を介した有線接続によらずに無線接続により画像信号・音声信号・制御信号を双方向通信可能とするようにしてもよい。

・上記実施形態において、表示装置は、デジタルカメラ１２のモニタ１７よりも画面のサイズが小さい表示画面を有する表示装置、例えば画像信号に基づいた画像内容を小さな表示画面上に表示すると共に、その表示画面上の画像内容を大きなスクリーンなどに投影表示させるプロジェクタであってもよい。その表示装置（プロジェクタ）における表示画面の画素数が高解像度となるように設定されていれば、スクリーンに投影される拡大画像は鮮明なものとなる。

・上記実施形態は、高精細テレビと共に電子カメラの一種であるデジタルスチルカメラを使用した表示システムに具体化したが、同じく電子カメラの一種であるデジタルビデオカメラを高精細テレビと共に使用した表示システムに具体化してもよい。

表示システムの全体概要図。 デジタルカメラの回路構成を示すブロック図。 テレビリモコンの操作面を示す平面図。 デジタルカメラとテレビがＨＤＭＩケーブルで接続されたときの表示画面の表示内容を示す説明図。 テレビの表示機能が拡大モードになったときの表示画面の表示内容を示す説明図。 テレビの表示画面が元画像の一部を拡大して表示するときの表示内容を示す説明図。 デジタルカメラのＭＰＵが実行する拡大表示制御処理ルーチンの概要を説明するフローチャート。

符号の説明

１１…表示システム、１２…デジタルカメラ（電子カメラ）、１３…テレビ（表示装置）、１４…テレビリモコン（操作手段）、１７…モニタ（表示部）、１８…セレクトボタン（操作手段）、２３…表示制御装置を構成するＭＰＵ（制御部）、２５…表示制御装置を構成するＨＤＭＩインターフェース（通信部）、２７…表示画面、４２…全体画像、４３…枠画像、４４…拡大画像。

Claims (3)

1. 画像が表示される第１表示面を備える電子カメラであって、
   前記第１表示面よりも画素数の多い第２表示面を備える外部表示装置へ画像データを出力する出力部と、
   前記画像データに基づく画像の全体画像と前記全体画像の一部を区画した領域を示す枠画像とを前記第２表示面内の前記第２表示面よりも面積が小さい第１表示領域に重畳表示させるとともに前記枠画像により区画された領域を拡大した拡大画像を前記第１表示領域と前記第２表示面内の前記全体画像が表示されない第２表示領域とに跨った領域を有する第３表示領域に表示させる制御部と、
   前記第２表示面における前記枠画像の表示位置を示す枠画像座標情報と前記第２表示面における前記拡大画像の表示位置を示す拡大画像座標情報とを比較して、前記第２表示面に表示される前記枠画像と前記第２表示面に表示される前記拡大画像とが重畳するか否かを判定する判定部と、
   前記判定部により前記枠画像と前記拡大画像とが重畳すると判定された場合、前記拡大画像が前記枠画像と重畳しない位置に表示されるように前記拡大画像座標情報を前記第３表示領域において前記枠画像座標情報とは重畳しない位置の座標情報に変更した画像を示す画像データを生成する画像データ生成部と、を備え、
   前記制御部は、前記画像データ生成部により生成された画像データを前記出力部を介して前記外部表示装置へ出力して前記画像データ生成部により生成された画像データに基づく画像の前記全体画像及び前記枠画像を前記第１表示領域に表示させるとともに前記拡大画像を前記第３表示領域に表示させることを特徴とする電子カメラ。
2. 請求項１に記載の電子カメラにおいて、
   前記第１表示領域における前記枠画像の表示位置を指定する操作部を更に備え、
   前記判定部は、前記操作部により指定された前記枠画像の前記枠画像座標情報と前記拡大画像座標情報とを比較して、前記第２表示面に表示される前記枠画像と前記第２表示面に表示される前記拡大画像とが重畳するか否かを判定することを特徴とする電子カメラ。
3. 請求項１又は請求項２に記載の電子カメラにおいて、
   被写体を撮像して画像データを生成する撮像部と、
   前記撮像部で生成された画像データを記録する記録部と、を更に備え、
   前記出力部は、前記記録部で記録された画像データを前記外部表示装置へ出力することを特徴とする電子カメラ。

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