JP5509402B2 - 熱損失係数推定装置、熱損失係数推定方法、およびプログラム - Google Patents

熱損失係数推定装置、熱損失係数推定方法、およびプログラム Download PDF

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Description

この発明は、建物の熱損失係数を効果的に推定する熱損失係数推定装置に関する。
平成12年4月1日に、住宅の品質確保と消費者の保護を目的として「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行され、そこで、様々な住宅の性能をわかりやすく表示する「住宅性能表示制度」が制定された。この「住宅性能表示制度」における性能表示事項の一つが温熱環境に関する事項であり、より具体的には、省エネルギー対策等級というものである。
省エネルギー対策等級が高ければ、それだけ建物の断熱性が上がり、暖冷房費を節約することができる。消費者は、こうした省エネルギーの指標を参考にして、より好ましい住宅の購入を検討することができる。また、近年、省エネルギーや環境問題に対する意識の高まりを背景に、省エネルギー対策等級が高い住宅に対しては、さまざまな補助・助成制度が設けられている。たとえば、平成22年には、国土交通省、経済産業省、環境省の三省合同事業として、住宅のエコリフォームやエコ住宅の建築に着工した場合に、様々な商品等と交換可能な住宅エコポイントが与えられる制度が開始されている。
省エネルギー対策等級は、熱損失係数(Q値)や夏期日射取得係数(μ値)といった、省エネルギーに関する性能情報を利用した一定の基準によって判定される。ここで、熱損失係数は、建物の断熱性能を表す数値であり、建物の内部と外気の温度差を1℃としたときに、建物内部から建物外部へ逃げる時間あたりの熱量を床面積で除した数値のことを指す。したがって、このQ値が小さいほど住宅の断熱性能が高いことになり、省エネルギー対策等級等の省エネ基準の判断においては有利なものとなる。
こうした、省エネルギーに関する性能情報を求めるために各種ソフトウエアが用意されている。代表的なタイプは、建物全体の情報や各部屋についての詳細な仕様など(たとえば、間取り、床・天井・壁の仕様、使用している断熱材の種類等)を用い、定義にしたがって上記性能情報を理論的に計算するソフトウエアである。また、建物の仕様に関するデータを入力するとともに、建物の様々な場所で温度を測定し、これらのデータから省エネルギーに関する性能情報を計算するソフトウエアもある。
しかしながら、これらの既存のソフトウエアで上記性能情報を求めようとする場合、建物の仕様に関する詳細なデータを大量に入力する必要があり、このようなデータ入力は極めて煩雑であるとともに長時間を要するものである。こうした問題に対応するために、特許文献1では、データ入力を簡略化した個別建物の性能情報提示装置が提案されている。特許文献1の性能情報提示装置は、基本的な仕様を有する建物についてあらかじめ取得したシミュレーション結果から導き出した熱損失係数−暖房負荷近似線情報に基づいて暖房負荷を予測する。
特開2002−4403号公報
しかしながら、特許文献1のような性能情報提示装置では、Q値の計算を従来の方法で行う必要があり、依然として多くのデータ入力が要求される。たとえば、Q値を求めるために、少なくとも個別建物の開口部データおよび建物寸法データなどの入力が必要である(ここで、開口部データとは窓等の大きさ、配置、向き等であり、建物寸法データとは外壁の面積や向き等である)。
したがって、本発明の目的は、ユーザに煩雑なデータ入力を強いることなく、再現性の高い温度予測を行い、高い精度でQ値を推定することができる熱損失係数推定装置、熱損失係数推定方法、およびプログラムを提供することである。
本発明の第1の実施態様は、診断対象の建物に関し、暖房装置または冷房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力手段と、測定室測定データ、建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定手段とを有する熱損失係数推定装置である。ここで、熱移動モデルは、測定室と建物外部との間に建物内の仮想的な部屋を設けることによって、測定室から建物外部への熱移動を2段階で把握する熱移動モデルであり、また、熱損失係数推定手段は、方程式における未知数の一部に複数パターンの値を設定するとともに、建物外部測定データを用いて、パターンごとに方程式を計算し、測定タイミングごとの測定室の温度を求め、方程式の計算により得られた測定室の温度と、測定室測定データとを測定タイミングごとに比較して近似度を求め、近似度が最も高いパターンで使用された未知数の値に基づいて、熱損失係数を推定する。
本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様の熱損失係数推定装置において、熱移動モデルが、時間の経過に伴って、測定室から仮想的な部屋への熱移動による第1の温度変化が生じ、さらに、仮想的な部屋から建物外部への熱移動による第2の温度変化が生じる熱移動モデルであるように構成される。
本発明の第3の実施態様は、第2の実施態様の熱損失係数推定装置において、第1の温度変化は、測定室から仮想的な部屋への熱の逃げやすさを示す未知数の1つと関連し、第2の温度変化は、仮想的な部屋から建物外部への熱の逃げやすさを示す未知数の1つと関連するよう構成される。
本発明の第4の実施態様は、第2の実施態様の熱損失係数推定装置において、方程式は、熱移動モデルにおける温度変化を示すものを含み、1つの測定タイミングにおける測定室の温度は、その直前の測定タイミングにおける測定室の温度の関数として表され、1つの測定タイミングにおける仮想的な部屋の温度は、その直前の測定タイミングにおける仮想的な部屋の温度の関数として表されるよう構成される。
ここで、所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式は、たとえば、後述する式1ないし式4であり、近似度が最も高いパターンで使用された未知数(β)の値に基づいて、たとえば、後述する式5により、熱損失係数、すなわちQ値が推定される。
本発明の第5の実施態様は、第1の実施態様の熱損失係数推定装置において、方程式の計算を行う際に、近似度が最も高いパターンを求めるために、発見的手法を用いるように構成される。
本発明の第6の実施態様は、診断対象の建物に関し、暖房装置または冷房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力手段と、測定室測定データ、建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定手段とを有する熱損失係数推定装置である。ここで、熱移動モデルは、測定室と建物外部との間に建物内の仮想的な部屋を設けることによって、測定室から建物外部への熱移動を2段階で把握する熱移動モデルである。
また、本発明の第6の実施態様で利用する熱移動モデルは、上述の第2ないし第4の実施態様と同様のものとすることができる。さらに、所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式として、後述の式1ないし式4が採用されうる。
本発明の第7の実施態様は、診断対象の建物に関し、暖房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力手段と、測定室測定データ、建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定手段とを有する熱損失係数推定装置である。ここで、熱損失係数推定手段は、方程式における未知数の一部に複数パターンの値を設定するとともに、建物外部測定データを用いて、パターンごとに方程式を計算し、測定タイミングごとの測定室の温度を求め、方程式の計算により得られた測定室の温度と、測定室測定データとを測定タイミングごとに比較して近似度を求め、近似度が最も高いパターンで使用された未知数の値に基づいて、熱損失係数を推定するように構成される。また、熱移動モデルは、測定室と建物外部との間に建物内の仮想的な部屋を設けることによって、測定室から建物外部への熱移動を2段階で把握し、時間の経過に伴って、測定室から仮想的な部屋への熱移動による第1の温度降下が生じ、さらに、仮想的な部屋から建物外部への熱移動による第2の温度降下が生じる熱移動モデルであるように構成される。
また、本発明の第6の実施態様で利用する熱移動モデルは、上述の第3および第4の実施態様と同様のものとすることができる。さらに、所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式として、後述の式1ないし式4が採用されうる。
本発明の第8の実施態様は、診断対象の建物に関し、暖房装置または冷房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力ステップと、測定室測定データ、建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定ステップとを有する熱損失係数推定方法である。ここで、熱移動モデルは、測定室と建物外部との間に建物内の仮想的な部屋を設けることによって、測定室から建物外部への熱移動を2段階で把握するモデルであり、熱損失係数推定ステップは、方程式における未知数の一部に複数パターンの値を設定するとともに、建物外部測定データを用いて、パターンごとに方程式を計算し、測定タイミングごとの測定室の温度を求め、方程式の計算により得られた測定室の温度と、測定室測定データとを測定タイミングごとに比較して近似度を求め、近似度が最も高いパターンで使用された未知数の値に基づいて、熱損失係数を推定するように構成される。
また、本発明の第8の実施態様で利用する熱移動モデルは、上述の第2ないし第4の実施態様と同様のものとすることができる。さらに、所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式として、後述の式1ないし式4が採用されうる。
本発明の第9の実施態様は、コンピュータに、診断対象の建物に関し、暖房装置または冷房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力手段、および、測定室測定データ、建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定手段として機能させるためのプログラムである。ここで、熱移動モデルは、測定室と建物外部との間に建物内の仮想的な部屋を設けることによって、測定室から建物外部への熱移動を2段階で把握するモデルであり、熱損失係数推定手段は、 方程式における未知数の一部に複数パターンの値を設定するとともに、建物外部測定データを用いて、パターンごとに方程式を計算し、測定タイミングごとの測定室の温度を求め、方程式の計算により得られた測定室の温度と、測定室測定データとを測定タイミングごとに比較して近似度を求め、近似度が最も高いパターンで使用された未知数の値に基づいて、熱損失係数を推定するように構成される。
また、本発明の第8の実施態様で利用する熱移動モデルは、上述の第2ないし第4の実施態様と同様のものとすることができる。さらに、所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式として、後述の式1ないし式4が採用されうる。
本発明に係る熱損失係数推定装置によって、従来のように、建物の仕様に関する多くのデータを入力することなく、今までにない熱移動モデルを用いて、高い精度でQ値の推定を行うことが可能となる。
本発明に係る熱損失係数推定装置を含む熱損失係数推定システムの概要を示す略線図である。 本発明に係る熱損失係数推定装置で使用する熱移動モデルを説明するための略線図である。 本発明に係る熱損失係数推定装置の機能ブロック図である。 本発明に係る熱損失係数推定装置で使用されるロガーデータおよび保存データの例を示す略線図である。 本発明に係る熱損失係数推定装置に関し、表示装置に表示される画面の例を示す略線図である。 本発明に係る熱損失係数推定装置に関し、表示装置に表示される画面の例を示す略線図である。 本発明に係る熱損失係数推定装置における熱損失係数推定処理の手順の例を示すフローチャートである。 本発明に係る熱損失係数推定装置における熱損失係数推定処理の具体的な計算過程の例を示す略線図である。 本発明に係る熱損失係数推定装置を構成するコンピュータのハードウエア構成の例を示す略線図である。
本発明の熱損失係数推定装置は、冬期に実際の建物において、冷房装置または暖房装置の稼働を停止した以降の、建物内部と建物外部の温度を測定し、それらの測定データと今までにない熱移動モデルを用いて、熱損失係数、すなわちQ値の推定を行う。
最初に、本発明の一実施形態に係る熱損失係数推定装置を含む熱損失係数推定システム1の概要を、図1を参照して説明する。熱損失係数推定システム1は、建物10、温度計20、温度計22、および熱損失係数推定装置30を含むよう構成される。建物10は、居住のための住宅のほか、事務所や集合住宅など、様々な目的の建造物を含む。建物10には、冷暖房装置12が配置または配設される。測定室14は建物10の内部にある部屋であり、基本的には冷暖房装置12が配置等され、冷房により室内の空気が冷やされるかまたは、暖房により室内の空気が温められる部屋である。なお、本発明の熱損失係数推定装置は、冷房または暖房のどちらかにより実現可能であり、したがって、冷房機能のみを備えた冷房装置や暖房機能のみを備えた暖房装置を用いることもできる。ここでは、冷暖房装置12での暖房機能を利用した例について説明する。
温度計20は、測定室14に(通常または一時的に)設置され、測定期間内に、少なくとも暖房停止時以降の室温を所定時間、所定のインターバルで測定して、測定結果をメモリー等に記憶する温度データロガーである。上記所定時間は、たとえば6時間であり、インターバルは1分である。温度計20は、測定室14の床から約120cmの高さに配置され、冷暖房装置12の温風が直接あたらないなど、冷暖房装置12による局所的な影響を受けない場所であることが好ましい。温度計20のメモリー等に記憶された測定結果(測定室測定データ24)は、測定期間の終了後、ユーティリティ等を利用することにより、たとえばUSBケーブルを介して熱損失係数推定装置30に提供される。
温度計22は、温度計20と同様の温度データロガーであり、建物10の外部に(通常は一時的に)配置され、特に、建物10に近接した場所、たとえば玄関先など、建物10の外部の温度を適切に代表する場所に配置されることが望ましい。また、温度計22は、測定期間内に、建物10の外気温を温度計20と同じ時間、同じインターバルで測定する。このとき、温度計22の測定タイミングは温度計20のそれぞれの測定タイミングに対応し、対応する両方の測定タイミングが完全に一致していることが望ましい。メモリー等に記憶された測定結果(建物外部測定データ26)は、測定期間の終了後、ユーティリティ等を利用することにより、たとえばUSBケーブルを介して熱損失係数推定装置30に提供される。
熱損失係数推定装置30は、たとえば、パーソナルコンピュータや携帯端末のようなコンピュータ機器である。熱損失係数推定装置30は、温度計20から取得した測定室測定データ24、温度計22から取得した建物外部測定データ26、および所定の熱移動モデルに基づいて、その建物10の熱損失係数、すなわちQ値を推定し、必要に応じて熱損失係数推定装置30の表示装置にQ値の表示を行う。この実施形態では、熱損失係数推定装置30がスタンドアロンで測定データを取得し、Q値の推定を行う。
図1の熱損失係数推定装置37は、本発明の別の実施形態に係る熱損失推定装置である。PC38は、たとえば、ASPサービスとして提供される熱損失係数推定サービスを利用してQ値を取得し、必要に応じてPC38の表示装置に、そのQ値を表示する。この場合、PC38は、熱損失係数推定装置30と同様に、温度計20および温度計22からそれぞれ測定データを取得する。その後、これらの測定データを、ユーザ等の指示により、インターネットのようなネットワーク39を介して、ASPサーバである熱損失係数推定装置37に送信する。熱損失係数推定装置37は、入力したこれらの測定データと所定の熱移動モデルに基づいて、その建物10の熱損失係数、すなわちQ値を推定し、これをPC38にネットワーク39経由で送信する。
ここでは、本発明の熱損失係数推定装置が、スタンドアロンで実施されるケースとASPサービスとして実施されるケースを例示したが、これ以外にも、複数の様々なタイプのコンピュータとネットワークを用いて様々な形態で本発明の熱損失係数推定装置を実現することができる。
また、図1の例では、温度データロガーによって測定室と建物外部の温度を測定期間の間、測定・記憶し、測定が終了した後にUSBケーブルを介して熱損失係数推定装置30やPC38に測定データをコピーするようにしているが、これも一例に過ぎず、様々なデータ提供方法が考えられる。たとえば、温度計が、ほぼリアルタイムに測定データを送信することができれば、熱損失係数推定装置30やPC38は、その都度当該測定データを受信することも可能であり、また、遠方で測定された測定データについては、これを外部記録媒体に記録し、メールや郵便によって熱損失係数推定装置30等の操作部門に送付するようにもできる。
図2は、本発明の熱損失係数推定装置で用いられる熱移動モデルの概念を示す図である。図2の建物50には、測定室51、仮想室52、熱供給体54、および熱供給体55が含まれる。建物50の外部には、建物外部53が設けられる。この熱移動モデルは、測定室51と建物外部53の間に、建物50の内部にある仮想的な部屋(上述の仮想室52)を設定することにより、測定室51から建物外部53への2段階の熱移動を把握する。このために、比較的単純な熱移動モデルでありながら、実際の測定室の測定データとよく整合した温度変化グラフを再現することができる。仮想室52を用いない単純な熱移動モデルを考えることもできるが、この熱移動モデルでは、測定室の測定データについて高い再現性が得られない。ここで、仮想室52とは、測定室51と建物外部53の間にあって、熱供給体である暖房装置が停止した際に、測定室51と建物外部53の間の温度を持つ部屋として仮想的に設定されたものである。
この熱移動モデルを、図2を参照して説明する。測定室51に対して、エア・コンディショナーなどの暖房装置を含む家電製品および人体や地熱等の熱供給体54から熱が供給される。ここで、熱供給体54からの熱による1分間の温度上昇をHs1とする。一方、測定室51から仮想室52への熱移動が存在する。ここで、暖房停止後、i〜i+1分目の間の熱移動による温度変化(温度降下)をH1とする。測定室51の温度は、暖房停止後、i分目の温度をT1とする。
仮想室52に対して、暖房装置などの家電製品および人体や地熱等の熱供給体55から熱が供給される。ここで、熱供給体55からの熱による1分間の温度上昇をHs2とする。一方、仮想室52から建物外部53への熱移動が存在する。ここで、暖房停止後、i〜i+1分目の間の熱移動による温度変化(温度降下)をH2とする。仮想室52の温度は、暖房停止後、i分目の温度をT2とする。
建物外部53の温度は、暖房停止後i分目の温度をT3とする。そして、このような熱移動モデルに基づいて、測定室51の温度降下を計算するための以下の方程式が与えられる。
T1i+1=T1−H1+Hs1 ・・・ 式1
H1 =(T1−T2)×α
・・・ 式2
T2i+1=T2−H2+Hs2 ・・・ 式3
H2 =(T2−T3)×β
・・・ 式4
β = Q × 60 ÷ C ・・・ 式5
iは、暖房停止時よりi分後を示しており、温度計22により求めた建物外部測定データ26を、T3〜T3360、すなわち、暖房停止時(0分後)から、6時間後(360分後)の測定データとする。同様に、測定室51について計算により求めた温度(計算データ)は、T1〜T1360である。なお、温度計20により求めた測定室測定データ24は、T0〜T0360とする。
ここで、式1と式3は、i分目の温度を使用して、i+1分目の温度を求める、いわゆる漸化式に類する構成となっている。また、αは、測定室51から仮想室52への熱の逃げやすさを表す定数であり、βは、仮想室52から建物外部53への熱の逃げやすさを表す定数である。また、α、β、T2の初期値として、所定の値が採用される。また、Hs1やHs2、建物50の床面積当たりの熱容量C、T1についても所定の値が採用される。ここで、所定の値は、あらかじめ定められた定数のほか、測定データ等の既知のデータに関連した数値であってもよい。なお、式5の「Q」は、Q値を示している。
上述した初期値および定数を設定するとともに、T3〜T3360の建物外部測定データ26を使用して、式1から式4の計算をそれぞれ、i=0からi=359について順次繰り返すと、最終的に、測定室51の温度に関する計算データとして、T1〜T1360が求められる。次に、この計算データと、測定室測定データ24のT0〜T0360を、各タイミングで比較し、両者の近似度を求める。近似度は、たとえば、各タイミングの値の差における絶対値を累積した値Zで表される。すなわち、Z=Σ[|(T1−T0)|+|(T1−T0)|+|(T1−T0)|+・・・+|(T1360−T0360)|]である。この値Zが小さいほど、近似度が高いと言える。
この後、上記の値Zを最小にするように(すなわち、近似度が最も高くなるように)、α、β、T2の未知数のうち少なくとも1つを変化させて再び式1から式4によりT1〜T1360を順次計算し、T0〜T0360との比較を繰り返す。このように、複数パターンの未知数の組(α、β、T2)を用いて繰り返し計算を行うことにより、最も高い近似度を得る未知数の最適値(α、β、T2)が求められる。こうして求められた最適値のβを用いて式5を計算することによって、最適なQ値が推定される。こうした計算手順の具体的な例については、図7および図8を参照して後で説明する。
ここで、最適値(α、β、T2)を求めるには、α、β、T2について、可能な取り得る値の組み合わせをすべて試す計算(いわゆる総当たり的計算)を行い、値Zが最小となった場合のα、β、T2を最適値とすることができるが、このような方法では計算量が膨大となり、極めて長時間の計算時間を要することになる。したがって、発見的手法(山登り法)といったアプローチによって、最小の値Zに効率よく短時間でたどり着くように、α、β、T2の各値の変化を制御することが望ましい。
また、ここでは、比較対象の温度差の絶対値を累積した値Zによって近似度を判断しているが、これは一例に過ぎない。標準偏差や、所定値以上の差となったデータの頻度など、他の基準に基づく値によって近似度を判断することができる。また、これらの基準を複数組み合わせることによって近似度を判断してもよい。
また、この例では、測定室測定データ24および建物外部測定データ26は、暖房停止時から、同じタイミングで1分ごとに6時間分測定され、これらの測定データがQ値の推定に利用されているが、他のインターバルおよび他の時間で測定室および建物外部の温度を測定するようにしてもよい。
図3は、本発明の熱損失係数推定装置の機能ブロック図である。図3の熱損失係数推定装置30は、図1に関して説明したとおり、スタンドアロンタイプの熱損失係数推定装置の例である。熱損失係数推定装置30は、測定データ入力部31、熱損失係数推定部32、温度降下グラフ描画処理部33、表示部34、および入力部35を含む。また、熱損失係数推定装置30が備える記憶装置40には、ロガーデータ41、および保存データ42が記憶されている。
測定データ入力部31は、記憶装置40のロガーデータ41から、温度計20により測定された測定室測定データ24と温度計22により測定された建物外部測定データ26を入力する。ロガーデータ41には、測定室測定データ24および建物外部測定データ26が含まれており、これらの測定データは通常、ユーティリティなどによりUSBケーブル等を介して事前に温度計20および温度計22から熱損失係数推定装置30にコピーされ、連結されているものである。
ロガーデータ41は、たとえば、図4Aに示すようなデータであり、データ種別、日付、時間、測定温度といった項目を含む。この例では、データ種別が「ch2」と「ch6」となっているが、「ch2」は、床から約120cmの位置で測定室の温度を測定したデータ(測定室測定データ24)であり、「ch6」は、外気を測定したデータ(建物外部測定データ26)である。これらの測定データは、いずれも、2010年2月1日12時10分0秒から、暖房停止時の22時55分0秒を含み、暖房停止6時間後の2010年2月2日4時55分0秒まで、1分おきに取った測定データであり、暖房停止以降については、それぞれ合計で361の測定データが記録されている。ロガーデータ41は、テキスト形式やCSV形式のほか、様々なタイプのファイルとして構成することができる。
上記のような時間に暖房停止を行い、かつ暖房停止6時間後まで温度測定を行うことは、暖房停止時の測定室の温度と外気の温度との差が大きい時間帯での温度を取得することになり、このことは結果的に、Q値推定の精度向上に貢献する。また、建物に居住する者がいる場合は、上記時間帯のために、その者の生活に大きな影響を与えることなく有効な測定データを取得することができる。
なお、測定室測定データ24の測定タイミングと、これに対応する建物外部測定データ26の計測タイミングは、Q値の推定精度を考慮すると、秒単位あるいはミリ秒単位といった精度で同期付けられていることが好ましいが、このような厳密な同期レベルが常に要求されるわけではない。通常は、温度計20および温度計22に対する設定により、計測タイミングの同期が図られる。
熱損失係数推定部32は、測定室測定データ24と建物外部測定データ26を用い、上述の熱移動モデルに基づく方程式(式1から式5)を利用してQ値の推定を行う。温度降下グラフ描画処理部33は、測定室測定データ24と建物外部測定データ26を時系列のグラフとして表示するとともに、熱損失係数推定部32により求められたαとT2の最適値を用いて、等級(省エネルギー対策等級)が2から4の場合に、時間経過に伴う温度降下がどのようになるかを、各等級に対応するQ値を用いることによって(T1を)求め、グラフとして表示する。
表示部34は、たとえば、LCDなどのディスプレイ装置を含み、ユーザの操作等に応じて、熱損失係数推定部32で推定されたQ値や、温度降下グラフ描画処理部33で作成されたグラフを表示するよう制御する。入力部35は、ユーザの指示を入力するためのデバイスであり、キーボードやマウス等がこれに相当する。
ここでは、ASPサーバとして構成される熱損失係数推定装置37についての詳細な説明は省略したが、図3の熱損失係数推定装置30と同様に、測定データ入力部31および熱損失係数推定部32を有し、さらに、PC38で稼働するWEBブラウザ等のリクエストに応答する形で、推定結果のQ値をPC38に送信する推定結果送信部36(不図示)を有する。
図4Bに示す保存データ42は、図5の診断メニュー画面100のデータ保存ボタン125を押下したときに記憶装置40に記憶される。この例では、図5に関して説明する建物情報入力画面で入力する建物情報と、診断対象の測定室測定データ24と建物外部測定データ26を含むロガーデータ41のファイル名を含むように構成されている。もちろん、ロガーデータ41の内容そのものを含むように構成することもできる。保存データ42は、ロガーデータ41と同様テキスト形式やCSV形式であり、様々なタイプのファイルとして構成することもできる。
図5は、アプリケーションが表示する画面の例である。当該アプリケーションは、スタンドアロンの場合は、ユーザの起動指示によって熱損失係数推定装置30で実行されるプログラムであり、ASPサービスとして実現される場合は、たとえば、PC38で実行されるWEBブラウザである。このWEBブラウザを介して、ASPサーバである熱損失係数推定装置37に測定データが送信され、熱損失係数推定装置37から送信されてきたQ値の推定結果が表示される。
図5の診断メニュー画面100は、対象表示エリア110とボタン表示エリア120を備え、対象表示エリア110には、建物情報入力画面(不図示)で入力された診断対象の建物の名称および当該建物の仕様が表示される。建物の名称と建物の仕様は、データを識別するためのものである。
ボタン表示エリア120には、新規作成ボタン121、既存データ読込ボタン122、建物情報入力ボタン123、暖房停止後温度降下グラフ表示ボタン124、データ保存ボタン125、および終了ボタン126がある。
新規作成ボタン121を押下すると、ロガーデータ41の一覧が表示されたロガーデータ選択画面(不図示)が表示され、ユーザがそのなかから、Q値の推定に用いるロガーデータをマウス等でクリックすることにより選択すると、続いて建物情報入力画面(不図示)が表示される。その後の操作は、建物情報入力ボタン123を押下した場合(後述)と同様である。ロガーデータ41には、測定室測定データ24と建物外部測定データ26が含まれており、これらのデータは、あらかじめユーティリティなどにより、温度計20および温度計22のメモリーから(たとえばUSBケーブル経由で)熱損失係数推定装置30の記憶装置40にコピーされている。
既存データ読込ボタン122を押下すると、データ保存ボタン125の押下によってすでに保存されている保存データ42の一覧が表示された保存データ選択画面(不図示)が表示され、ユーザがそのなかから、Q値の推定に用いる保存データ42をマウス等でクリックすると当該保存データ42の選択が行われ、ふたたび診断メニュー画面100に戻る。保存データ42は、Q値の推定に使用する測定室測定データ24と建物外部測定データ26のファイル名(またはデータそのもの)のほかに、建物情報を含んでいる。
建物情報入力ボタン123を押下すると、建物情報入力画面(不図示)が表示され、そこで、建物の名称と建物の仕様を入力する。さらに、ここで、地域区分と測定情報が入力される。地域区分は、等級1から等級4までの温度降下グラフを作成する際に使用される。また、測定情報には、測定期間、暖房停止時刻、および使用時間(Q値の推定に使用する測定データの時間)等が含まれる。建物情報入力画面においてOKボタンを押下すると、ふたたび診断メニュー画面100に戻る。
新規作成ボタン121または既存データ読込ボタン122の押下によって、測定室測定データ24と建物外部測定データ26が指定され、かつ建物情報の入力が完了している場合に、暖房停止後温度降下グラフ表示ボタン124が押下されると、Q値の推定処理が行われ、図6に示すような暖房停止後温度降下グラフ表示画面140が表示される。
データ保存ボタン125を押下すると、測定室測定データ24と建物外部測定データ26を含むロガーデータ41のファイル名、および建物情報が、保存データ42として熱損失係数推定装置30の記憶装置40に記憶される。終了ボタン126を押下すると、このアプリケーションが終了する。
図6は、暖房停止後温度降下グラフ表示画面140の例を示している。暖房停止後温度降下グラフ表示画面140には、Q値表示エリア150とグラフ表示エリア160が表示されている。Q値表示エリアには、本発明の熱損失係数推定装置により推定されたQ値(たとえば、図6の例では「6.01」)が表示される。また、グラフ表示エリア160には、指定された測定室測定データ24と建物外部測定データ26に基づいて、測定室の温度(グラフでは、「床から120cm」として点線で表されている)と建物外部の温度(グラフでは「外気」として実線で表されている)の時間経過による変化が示されている。
さらに、グラフ表示エリア160には、熱損失係数を推定する過程で求められた最適値(α、β、T2)と等級(省エネルギー対策等級)ごとのQ値を用いて、各等級に対応する温度降下グラフが表示される。なお、Q値は、地域区分ごとにそれぞれ等級2から等級4まで設定されている。ここで計算されるのは、時間経過に伴う温度変化であり、これが、グラフ表示エリア160に示された各等級の領域の間にある境界線に相当する。
たとえば、等級3と等級4の境界線161は、等級4のQ値を元に計算される。より具体的には、Q値が式5にあてはめられることにより、βの値が求まり、さらに、αおよびT2が、Q値を推定する過程で求められた最適値に設定される(ただし、T2は、等級に応じて微調整を行う)。T1、Hs1、Hs2、Cの値は、Q値の推定を行ったときと同じである。このような条件で、式1から式4を順次計算し、T1〜T1360を求め、これらの点を線で結んで境界線161とする。この計算は、α、β、T2を固定しているので、発見的手法や総当たり法等による繰り返しはない。以下、同様に、等級2と等級3との境界線、等級1と等級2の境界線を、対応するQ値を用いて計算し、グラフを完成させる。
グラフ画像保存ボタン141を押下すると、暖房停止後温度降下グラフ表示画面140に表示されているグラフが、たとえばJPEG形式の画像ファイルとして保存される。閉じるボタン142の押下により、暖房停止後温度降下グラフ表示画面140が閉じられる。なお、暖房停止後温度降下グラフ表示画面140では、推定されたQ値の表示とともに、温度降下グラフも表示しているが、こうしたグラフ表示を省略したり、別の画面で表示するようにもできる。
図7は、本発明に係る熱損失係数推定装置でQ値を推定する手順を示すフローチャートである。このフローを開始するまでに、測定室と建物外部の温度が測定され、測定結果が測定データ(測定室測定データ24、建物外部測定データ26)として取得されていることが前提である。この例では、推定に用いられる測定データの時間は暖房停止時から6時間であり、測定のインターバルは1分である。
まず、上述した式1から式4を使用して、暖房停止の1分後(i=1)から暖房停止の6時間後(i=360)までの測定室の温度T1をそれぞれ求める。そのために、ステップS10において、α、β、T2の初期値を設定する。T2については、暖房停止時(i=0)の値T2のみを設定する。次に、ステップS12において、ステップS10で決定されたα、β、T2の近傍の探索候補をいくつか設定する。
たとえば、α、β、T2について、それぞれ基準となる値付近の7通りの近傍を設定する。したがって、この場合、探索候補の組み合わせは、ステップS10で設定された初期値の組(α、β、T2)を含み、7^3通り存在することになる。
次に、ステップS14で、設定されたα、β、T2の組についてそれぞれ式1から式4の計算を行い、T1からT1360を求める。ここで、式2および式4は、いわゆる漸化式に類する構造であり、直前の測定タイミング(i)の値を用いて次の測定タイミング(i+1)の値が求められるため、測定タイミングの経過にしたがって、順次計算を行う必要がある。この結果、たとえば、初期値である第1候補のα、β、T2について、T1からT1360が求められ、その近傍として設定された第2候補α、β、T2について、別のT1からT1360が求められる。この例では、こうした計算が7^3回、繰り返されることになる。
次に、ステップS16において、各探索候補について計算された計算データ(T1からT1360)が、測定室についての実際の測定データであるT0からT0360とそれぞれ比較され、両データの近似度が計算される。ここで、計算データと測定データは通常、同じ測定タイミングのデータ同士で比較される。たとえば、T1はT0と比較され、T1はT0と比較される。この例では、こうした各測定タイミングにおける比較が360回行われ、さらに各探索候補ごとに7^3回、繰り返される。この例では、近似度が、上述したような値Z(各測定タイミングにおける測定値と計算値の差の絶対値を累積加算したもの)で判断される。
その後、ステップS18において、これまでに得られている最も高い近似度と、今回の探索候補のなかで求められた近似度が比較され、今回の探索候補のなかで最も高い近似度が、これまでの近似度より高い(すなわち、今回の最小の値Zがこれまで最小の値Zより小さい)場合は、さらに探索候補を設定して計算を行うために、ステップS20に進む(最初のループでは、以前の近似度が設定されていないため、必ずステップS20に進む)。今回の探索候補のなかで最も高い近似度が、これまでの近似度と同じ、または低い場合は、探索を終了し、最も高い近似度に関するα、β、T2を最適値として決定する。
ステップS20では、近似度が最も高い候補の組(α、β、T2)を選択し、ステップS22において、この候補の組についての近傍の探索候補を設定する。この探索候補は、ステップS12と同様の方法により決定される。ただし、これまでに計算が終了している候補が再び候補となる可能性もあるため、そのような候補については計算を重複して行わないよう排除する。
その後、探索候補についての計算で、これまでに得られている近似度と同じ、または低い近似度しか得られなくなるまで、ステップS14以降の処理を繰り返す。この例では、7^3通りの設定候補を設定してT1の計算を行い、ステップS18でまとめて以前の近似度と比較しているが、近傍の設定候補を1つずつ設定して計算し、これを繰り返すようもできるし、より多くの設定候補を一気に計算するようにしてもよい。
また、この例では、ステップS18の判定が示すように、設定された探索候補において1つでも以前より高い近似度の計算値(T1)を達成できなければループが終了するが、その場合に、何回か猶予を与えてさらに別の探索候補を設定して計算を繰り返すように制御することもできる。また、ステップS18による終了条件を削除し、事前に設定した処理時間の間、当該ループを繰り返すようにもできる。このようなケースでは、新たな別の探索候補を設定するための基準となるα、β、T2の値を決定しておく必要がある。
このように、図7のフローチャートに示す手順は、α、β、T2の値に関していくつかのシミュレーションを行い、発見的手法の1つである、いわゆる山登り法により最適値を求めるものであるが、本発明に係る熱損失係数推定装置では、発見的手法に関するその他の既知の手法を用いて、α、β、T2を効率的に求めることもできる。
ただし、本発明に係る熱損失係数推定装置では、総当たり法やその他の既知の解法の使用を排除するものではない。たとえば、α、β、T2の値について効果的な範囲を設けたうえで総当たり法を使用するなど、計算量を低減させつつ最適値を効果的に求めるよう制御することもできる。
また、この例では、α、β、T2の初期設定に関して、所定の値を用いているが、たとえば、所定のタイミングにおける測定室や建物外部の温度、温度差、温度変化の態様等に基づいて決定することもできる。α、β、T2の初期値を、最終的に得られる最適値に、より近い値に設定することができれば、Q値の推定精度および処理速度の点で非常に有利である。また、Hs1、Hs2やCについても、建物の内部条件や断熱仕様によって定められる値とすることができる。
こうして得られた最適値のβを式5に代入して、診断対象の建物に関するQ値を求めることができる。
図8は、本発明に係る熱損失係数推定装置で最適なα、β、T2を求めるための計算課程を簡単な例で具体的に示すものである。測定室測定データ24のT0は、暖房停止時から6分後まで(T0からT0)が取得されており、同様に、建物外部測定データ26のT3も、同じく暖房停止時から6分後まで(T3からT3)が取得されている。高精度なQ値の推定では、数時間におよぶ多くの測定データを取得することが望ましいが、ここでは、説明を簡略にするため、上記のような短時間の測定データとした。
図8の表は、T0、T1、T3、H1、T2、およびH2の各変数の内容が、測定タイミング(i)においてどのような値をとるかを示したものである。また、最下行には、各測定タイミングにおける「T0とT1との差」が示されており、その右端には、これらの差の累積加算値(上述の値Z)が示されている。この値Zが小さいほどT0とT1の全体の近似度が高いということになる。
最初に、図8を参照して、α、β、T2の初期設定値を用いた計算を説明する。ここで、α=Vα_1、β=Vβ_1、T2=VT2_1であり、T1=VT1、Hs1=VHs1、Hs2=VHs2とする(ここでVT1は、たとえば、T0の値(この例では、20.000)に基づいて定められる)。そうすると、式1から式4は、以下のように順次計算される。
式2:H1=(T1−T2)×α=(VT1−VT2_1)×Vα_1=VH1
式4:H2=(T2−T3)×β=(VT2_1−10.000)×Vβ_1=VH2
式1:T1=T1−H1+Hs1=VT1−VH1+VHs1=VT1
式3:T2=T2−H2+Hs2=VT2_1−VH2+VHs2=VT2
式2:H1=(T1−T2)×α=(VT1−VT2)×Vα_1=VH1
式4:H2=(T2−T3)×β=(VT2−10.000)×Vβ_1=VH2
式1:T1=T1−H1+Hs1=VT1−VH1+VHs1=VT1
以降、T1が求められるまで計算を繰り返す。
次に、求めたT1の近似度を計算する。この例では、それぞれの測定タイミングでのT0とT1の差の絶対値を累積加算した値Zを計算する。したがって、計算式は以下のようになる。
Z=Σ[|(VT1−20.000)|+|(VT1−19.000)|+|(VT1−18.000)|+|(VT1−18.000)|+|(VT1−17.000)|+|(VT1−16.000)|]
次に、図8の近傍の探索候補として、αを変更し、α=Vα_2、β=Vβ_1、T2=VT2_1を設定し、図8と同様の計算を行う。そして、値Zが、上記の計算結果より小さくなれば(すなわち、近似度が高くなれば)好ましい値であることが分かる。このように、前回より高い近似度となった場合は計算処理を繰り返し、より最適な値に近づけるようにする。この例では、説明を簡単にするため、新たな探索候補を、α、β、T2のうち1つの値を変更して1つだけ設定し計算処理を繰り返したが、図7のフローチャートに示すように、探索候補を一度に多数設定して計算を行うこともできる。
次に、図9を参照して、本発明に係る熱損失係数推定装置30または熱損失係数推定装置37として用いられるコンピュータのハードウエア構成の例について説明する。ただし、図9のコンピュータ300は、本発明の機能を実現するコンピュータの代表的な構成を例示したに過ぎない。また、WEBブラウザ等が実行されるPC38についても同様の構成要素により構成されうる。
コンピュータ300は、CPU(Central
Processing Unit)301、メモリ302、音声出力装置303、音声入力装置312、ネットワークインタフェース304、ディスプレイコントローラ305、ディスプレイ306、データインタフェース313、入力機器インタフェース307、キーボード308、マウス309、外部記憶装置310、外部記録媒体駆動装置311、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス314を含んでいる。
CPU301は、コンピュータ300の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、本発明に係る熱損失係数推定装置の各機能(たとえば、測定データ入力部31、および熱損失係数推定部32の機能)を実行する。
メモリ302は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMには、コンピュータ300の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、CPU301で実行されるプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用する測定データ(測定室測定データ24や建物外部測定データ26)が一時的に格納される。
音声出力装置303は、たとえば、スピーカ等の機器であり、動画プレイヤー等から音声データを受け取り、音声を出力する。音声入力装置312は、たとえば、マイクロフォン等の機器であり、音声を入力する。
ネットワークインタフェース304は、ネットワーク320に接続するためのインタフェースである。ネットワーク320は、たとえば、図1に示したネットワーク39に対応する。ネットワークインタフェース304は、ASPサーバである熱損失係数推定装置37では必須であるが、スタンドアロンとして稼働する熱損失係数推定装置30では不要である。
ディスプレイコントローラ305は、CPU301が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ305で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、ディスプレイ306に出力される。ディスプレイ306は、たとえば、LCD(Liquid Crystal
Display)やCRT(Cathode Ray
Tube)で構成される表示装置である。
データインタフェース313は、たとえば、USB端子を備えたデータインタフェースで、たとえば、USBケーブルで接続された機器のメモリーやハードディスクに記憶されたデータを、外部記憶装置310やメモリ302に転送する。本発明で利用する測定データ(測定室測定データ24や建物外部測定データ26)も、代表的には、こうした経路で温度計からコンピュータ300に取り込まれる。
入力機器インタフェース307は、キーボード308やマウス309から入力された信号を受信して、その信号パターンに応じて所定の指令をCPU301に送信する。キーボード308やマウス309は、たとえば、熱損失係数推定装置30のユーザが、コンピュータに対して入力や指示を行うために用いる。
外部記憶装置310は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置であり、この装置内には上述したプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ302のRAMにロードされる。図3に示す記憶装置40は、こうした装置で構成される。
外部記録媒体駆動装置311は、CD(Compact Disc)、MO(Magneto-Optical Disc)、DVD(Digital
Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc)などの可搬型の外部記録媒体330の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。外部記録媒体330には、本発明に係る熱損失係数推定装置や熱損失係数推定方法を実現するためのプログラムも記録することが可能である。外部記録媒体330に記録されているデータは、外部記録媒体駆動装置311を介して外部記憶装置310に格納され、プログラムであれば、実行時にメモリ302のRAMにロードされる。
また、本発明に係る熱損失係数推定装置や熱損失係数推定方法を実現するためのプログラムの他の流通形態としては、ネットワーク上の所定のサーバから、ネットワーク320およびネットワークインタフェース304を介して外部記憶装置310に格納されるというルートが考えられる。こうして格納されたプログラムは、上記と同様に、実行時にメモリ302のRAMにロードされ、実行される。
ここまで、本発明に係る熱損失係数推定装置を、冬期において冷暖房装置12の暖房機能を停止させた後の温度遷移(実質的には温度降下の状況)の測定データを用いてQ値の推定を行う装置として説明してきたが、上述のように、夏期において冷暖房装置12の冷房機能を停止させた後についても同じ論理で本発明の熱損失係数推定装置によるQ値の推定を行うことができる。すなわち、本発明に係る熱損失係数推定装置では、冷房機能を停止させた後の温度遷移(実質的には温度上昇の状況)の測定データを用いてQ値の推定を行うことができる。このとき、図2に示す熱移動モデルにおける熱移動の方向は、マイナスの熱が移動する方向とみなすことができ、H1やH2で示される温度降下は温度上昇に読み替えることができる。また、測定室51は、冷房装置により直接的または間接的に冷房される部屋とし、仮想室52は、熱供給体である冷房装置が停止した際に、測定室51と建物外部53の間の温度を持つ部屋とする。また、冬期における温度測定では、暖房停止時の測定室の温度と外気の温度との差が大きい時間帯を選択して、Q値推定の精度を高めるよう考慮しているが、夏期の場合においても、同様の理由のために、適切な測定の時間帯を選択することができる。
1・・・熱損失係数推定システム、10・・・建物、12・・・冷暖房装置、14・・・測定室、20,22・・・温度計、24・・・測定室測定データ、26・・・建物外部測定データ、30,37・・・熱損失係数推定装置、38・・・PC、39・・・ネットワーク、50・・・建物、51・・・測定室、52・・・仮想室、53・・・建物外部、54,55・・・熱供給体

Claims (9)

  1. 診断対象の建物に関し、暖房装置または冷房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで前記建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、前記測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力手段と、
    前記測定室測定データ、前記建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、前記診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定手段とを有し、
    前記熱移動モデルは、
    前記測定室と前記建物外部との間に前記建物内の仮想的な部屋を設けることによって、前記測定室から前記建物外部への熱移動を2段階で把握する熱移動モデルであり、
    前記熱損失係数推定手段は、
    前記方程式における未知数の一部に複数パターンの値を設定するとともに、前記建物外部測定データを用いて、前記パターンごとに前記方程式を計算し、前記測定タイミングごとの前記測定室の温度を求め、
    前記方程式の計算により得られた前記測定室の温度と、前記測定室測定データとを前記測定タイミングごとに比較して近似度を求め、
    前記近似度が最も高いパターンで使用された前記未知数の値に基づいて、熱損失係数を推定することを特徴とする熱損失係数推定装置。
  2. 前記熱移動モデルは、
    時間の経過に伴って、前記測定室から前記仮想的な部屋への熱移動による第1の温度変化が生じ、さらに、前記仮想的な部屋から前記建物外部への熱移動による第2の温度変化が生じる熱移動モデルであることを特徴とする請求項1記載の熱損失係数推定装置。
  3. 前記第1の温度変化は、前記測定室から前記仮想的な部屋への熱の逃げやすさを示す前記未知数の1つと関連し、
    前記第2の温度変化は、前記仮想的な部屋から前記建物外部への熱の逃げやすさを示す前記未知数の1つと関連することを特徴とする請求項2記載の熱損失係数推定装置。
  4. 前記方程式は、前記熱移動モデルにおける温度変化を示すものを含み、1つの測定タイミングにおける前記測定室の温度は、その直前の測定タイミングにおける前記測定室の温度の関数として表され、1つの測定タイミングにおける前記仮想的な部屋の温度は、その直前の測定タイミングにおける前記仮想的な部屋の温度の関数として表されることを特徴とする請求項2記載の熱損失係数推定装置。
  5. 前記方程式の計算において、前記近似度が最も高いパターンを求めるために、発見的手法を用いることを特徴とする請求項1記載の熱損失係数推定装置。
  6. 診断対象の建物に関し、暖房装置または冷房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで前記建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、前記測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力手段と、
    前記測定室測定データ、前記建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、前記診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定手段とを有し、
    前記熱移動モデルは、
    前記測定室と前記建物外部との間に前記建物内の仮想的な部屋を設けることによって、前記測定室から前記建物外部への熱移動を2段階で把握する熱移動モデルであることを特徴とする熱損失係数推定装置。
  7. 診断対象の建物に関し、暖房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで前記建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、前記測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力手段と、
    前記測定室測定データ、前記建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、前記診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定手段とを有し、
    前記熱損失係数推定手段は、
    前記方程式における未知数の一部に複数パターンの値を設定するとともに、前記建物外部測定データを用いて、前記パターンごとに前記方程式を計算し、前記測定タイミングごとの前記測定室の温度を求め、
    前記方程式の計算により得られた前記測定室の温度と、前記測定室測定データとを前記測定タイミングごとに比較して近似度を求め、
    前記近似度が最も高いパターンで使用された前記未知数の値に基づいて、熱損失係数を推定し、
    前記熱移動モデルは、
    前記測定室と前記建物外部との間に前記建物内の仮想的な部屋を設けることによって、前記測定室から前記建物外部への熱移動を2段階で把握し、
    時間の経過に伴って、前記測定室から前記仮想的な部屋への熱移動による第1の温度降下が生じ、さらに、前記仮想的な部屋から前記建物外部への熱移動による第2の温度降下が生じる熱移動モデルであることを特徴とする熱損失係数推定装置。
  8. 診断対象の建物に関し、暖房装置または冷房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで前記建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、前記測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力ステップと、
    前記測定室測定データ、前記建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、前記診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定ステップとを有し、
    前記熱移動モデルは、
    前記測定室と前記建物外部との間に前記建物内の仮想的な部屋を設けることによって、前記測定室から前記建物外部への熱移動を2段階で把握するモデルであり、
    前記熱損失係数推定ステップは、
    前記方程式における未知数の一部に複数パターンの値を設定するとともに、前記建物外部測定データを用いて、前記パターンごとに前記方程式を計算し、前記測定タイミングごとの前記測定室の温度を求め、
    前記方程式の計算により得られた前記測定室の温度と、前記測定室測定データとを前記測定タイミングごとに比較して近似度を求め、
    前記近似度が最も高いパターンで使用された前記未知数の値に基づいて、熱損失係数を推定することを特徴とする熱損失係数推定方法。
  9. コンピュータに、
    診断対象の建物に関し、暖房装置または冷房装置を停止した以降の所定時間内における複数の測定タイミングで前記建物内の測定室の温度を測定して得られた測定室測定データと、前記測定タイミングに対応するタイミングで建物外部の温度を測定して得られた建物外部測定データを入力する測定データ入力手段、および、
    前記測定室測定データ、前記建物外部測定データ、および所定の熱移動モデルに基づく複数の方程式を用いて、前記診断対象の建物に関する熱損失係数を推定する熱損失係数推定手段として機能させるためのプログラムであって、
    前記熱移動モデルは、
    前記測定室と前記建物外部との間に前記建物内の仮想的な部屋を設けることによって、前記測定室から前記建物外部への熱移動を2段階で把握するモデルであり、
    前記熱損失係数推定手段は、
    前記方程式における未知数の一部に複数パターンの値を設定するとともに、前記建物外部測定データを用いて、前記パターンごとに前記方程式を計算し、前記測定タイミングごとの前記測定室の温度を求め、
    前記方程式の計算により得られた前記測定室の温度と、前記測定室測定データとを前記測定タイミングごとに比較して近似度を求め、
    前記近似度が最も高いパターンで使用された前記未知数の値に基づいて、熱損失係数を推定することを特徴とするプログラム。
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