JP5509018B2 - スリップリング装置 - Google Patents
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Description
また、別の一実施形態によれば、軸周りに回転可能に支持される軸体と、それぞれこの軸体に空隙を介して回転可能に積層配置され、各外周壁又は各内周壁の上に金パターンが周回形成された複数の電極リングと、これらの電極リングごとに設けられ、それぞれ同じ第1の曲げ半径を持つ複数本の金ワイヤを有し、各金ワイヤの途中部が前記金パターンと接触し金接点スリップリングを構成する第1の金ワイヤブラシと、前記複数の電極リングごとに設けられ、それぞれ前記第1の曲げ半径と異なる同じ第2の曲げ半径を持つ複数本の金ワイヤを有し、各金ワイヤの途中部が前記金パターンと接触し金接点スリップリングを構成する第2の金ワイヤブラシと、を備え、前記第1の金ワイヤブラシの固有振動数と、前記第2の金ワイヤブラシの固有振動数とを変えることにより、前記複数の電極リングの回転による共振の発生を防止するスリップリング装置が提供される。
実施の形態の説明に先立って、実施の形態に係るスリップリング装置に至る過程で本発明者が検討した内容について述べる。従来例のスリップリング装置は銀黒鉛を用いたブラシを用いている。銀黒鉛ブラシは酸化により粉体が剥離するという性質を有する。スリップリング装置の電極リングが停止している間、銀黒鉛ブラシはさびる。ブラシはスプリング等によって強いブラシ圧を与えられた状態でリング外周面に押し当てられる。スリップリング装置の運転再開時、銀黒鉛ブラシの表面が削り落とされる。粉や片が落下する。回転、停止を繰返す運転パターンでスリップリング装置が運転される状況では、このスリップリング装置の運転再開時、電極リングの外周面の一部に生じるさびを除去する必要がある。運転再開前には、ならし回転を行って、接触面を覆うさびを除去し電極リング及びブラシ間の接触面を確保し、電流を導通させる。銀黒鉛ブラシの表面から削り落とされた粉や片が発生する。
そこで本発明者は、金ワイヤブラシ及びリング外周面間の接触面積を大きくし、接触電圧を降下させないようにした実施の形態に係るスリップリング装置を提案するに至った。以下、実施の形態に係るスリップリング装置について説明する。
図1は第1の実施形態に係るスリップリング装置の正面図である。図2(a)は電極リング、ブラシ及びブラシホルダの配置構造を示すスリップリング装置の下面図である。これらの図ではカバーを取り払った状態の同じスリップリング装置の構造例が示されている。
スリップリング装置1は、金ワイヤブラシを用いた金接点スリップリングを有する縦型の回転体装置である。スリップリング装置1は、例えば固定側の電源と、回転側の負荷との間に接続され、これらの電源から負荷に対して電力を伝送するものである。スリップリング装置1は、駆動機構から駆動力を受け上下軸線方向に沿って回転する軸体(回転軸)2と、この軸体2の回転とともに回転する中空円筒状の電源段リング3と、軸方向から見て左右一対で「ハ」の字状に配置され且つ上下複数段設けられ、それぞれ電源段リング3の導電部位に接触してこの電源段リング3と電気的に結合する複数段の金ワイヤブラシ4と、電源段リング3の外周部を覆うカバー20とを備えている。
図6(a)は比較例に係るスリップリング装置の下面図である。図6(b)は同図中、Bと付した部分を拡大した金ワイヤ及びリング間の接触部位を示す水平断面図である。既述の符号を付した要素はそれらと同じ要素を表す。スリップリング装置100は、電極リング101と、この電極リング101の外周面に点接触する金ワイヤブラシ102とを備えている。1つの金ワイヤブラシ102は複数本の金ワイヤ103から成る。図6(b)のように、円筒状の電極リング101は厚みを持つ外周壁を有し、この外周壁面上で金ワイヤ103の先端部が一点で接触している。接触面積は非常に小さい。金ワイヤブラシ102及びリング間での接触電圧降下が大きい。点接触により、エネルギが失われ、失われたエネルギによって熱が発生する。点接触は、金ワイヤ103の先端部が異常に摩耗することにつながる恐れがある。
スリップリング装置1により、金接点スリップリングを用いても接触電圧降下を低減させることができ、摩耗粉を発生させず、絶縁不良を防止できる。摩耗粉が発生する度に要する保守点検が不要となる。
第1の実施形態に係るスリップリング装置は、上記スリップリング装置1に更に熱源28を内蔵し、グリースの硬化を起こさせないようにする。熱源28は例えば予熱を供給しておくことが可能なヒータである。熱源28には熱を蓄積しておくことが可能な蓄熱素子を用いてもよい。
このスリップリング装置は、接地電極リング7及びプラス電極リング8の各リング表面にグリースを塗布し、金ワイヤブラシ4と溝14、18との摺動抵抗を減らす。低温環境下においては、熱源を加熱することにより、加温されるため、潤滑グリースが低温で硬化して生じるスリップリング装置の電力瞬断がなくなる。
上記第1の実施形態では、各段のプラス電極リング8の間で、各金ワイヤブラシ4は同じ機械的構成を有し、これらの金ワイヤブラシ4はほぼ同じ固有振動数を有する。各段の接地電極リング7の間で、各金ワイヤブラシ19は同じ機械的構成を有し、これらの金ワイヤブラシ19はほぼ同じ固有振動数を有する。10本の金ワイヤ15はいずれも同じ形状を有する。電源段リング3は、回転駆動機構や回転力の伝達機構を介して回転力を受けて回転する。絶縁板9から下半分側では、回転により生じる振動の固有振動数と、金ワイヤ15の固有振動数が同じである場合、10本の金ワイヤが回転による振動に共振してこれらの金ワイヤは大きく振れる。リング外周面側の複数段の金ワイヤブラシ4どうしが回転による振動に共振し、これらの金ワイヤブラシ4は大きく振れる。上半分のリング内周面上のスリップリングの例も同様である。回転により生じる振動の固有振動数と、図示しない金ワイヤの固有振動数が同じである場合、この振動に共振してこれらの金ワイヤは大きく振れ、あるいは、複数段の金ワイヤブラシ19どうしが共振し、これらの金ワイヤブラシ4は大きく振れる。このため、リング外周面側のスリップリングに対する接触圧と、リング内周面側のスリップリングに対する接触圧とが同時に低下する可能性が存在する。いずれかのスリップリングにおいて良好な電気的結合状態を維持することができない。いずれかのスリップリングにおいて接触圧が不足するなど摺接の異常が生じ、摩耗粉が発生する可能性がある。
スリップリング装置1Aは電源段リング21を備え、この電源段リング21は、上側複数段の接地電極リング7Aと、下側複数段のプラス電極リング8Aとを備える。接地電極リング7Aはリング外周面にスリップリングを構成し、プラス電極リング8Aはリング内周面にスリップリングを構成する。
また、共振が発生した際に起きるブラシ、リング間の接触抵抗が増加することの発生を防止できるようになる。
上記の第1の実施形態及び第2の実施形態では、金ワイヤブラシのブラシ形状を変えて曲げ半径を変えることができる。
上記の第1の実施形態から第3の実施形態では、ブラシ側と、リング側とのうちの一方の形状を変えることができる。
電源段リングの代わりに信号段リングについて金接点スリップリングを用いても良い。
上記実施形態では、金パターンとして、接地電極リング7及びプラス電極リング8の金めっき部12、17の例を説明したが、金パターンには金膜や金層でもよい。各内周面又は各外周面に多層の金属層を形成し最外層に金を露出させてもよい。例えば真鍮プレートの上にニッケルなどの層を形成し、このニッケル層の上に金を周回形成してもよい。
複数の溝14の溝形状は、溝壁の傾斜を変えたり、丸溝にしたりするなど種々変更可能である。金ワイヤ15の本数や曲率、長さ、溝14、18の溝形状等は種々変更可能である。
上記実施形態では、1段の接地電極リング7又はプラス電極リング8に対して1段の金ワイヤブラシ4を接触させていたが、1段の接地電極リング7又はプラス電極リング8について複数段の金ワイヤブラシ4を接触させてもよい。
上記実施の形態では、プラス電極リング8の上に接地電極リング7を積重した例であったが、接地電極リング7の上にプラス電極リング8を積重してもよい。接地電極リング7、プラス電極リング8に、それぞれ例えば1段あるいは3段以上のスリップリングを設けるように構成してもよい。接地電極リング7の外周壁に金ワイヤブラシ4を対向させ、プラス電極リング8の内周壁に金ワイヤブラシ4を対向させてもよい。
Claims (7)
- 軸周りに回転可能に支持される軸体と、
それぞれこの軸体に空隙を介して回転可能に積層配置され、各外周壁又は各内周壁の上に金パターンが周回形成された複数の電極リングと、
これらの電極リングごとに設けられ、それぞれが複数本の金ワイヤを有し、前記複数本の金ワイヤの途中部が前記金パターンと接触し金接点スリップリングを構成する複数段の金ワイヤブラシと、
予熱を供給しておくことが可能な熱源、又は熱を蓄積しておくことが可能な蓄熱素子と、を備え、
前記熱源又は前記蓄熱素子からの熱により、前記電極リングのリング表面に塗布される潤滑油の硬化を防ぐスリップリング装置。 - 軸周りに回転可能に支持される軸体と、
それぞれこの軸体に空隙を介して回転可能に積層配置され、各外周壁又は各内周壁の上に金パターンが周回形成された複数の電極リングと、
これらの電極リングごとに設けられ、それぞれ同じ第1の曲げ半径を持つ複数本の金ワイヤを有し、前記複数本の金ワイヤの途中部が前記金パターンと接触し金接点スリップリングを構成する第1の金ワイヤブラシと、
前記複数の電極リングごとに設けられ、それぞれ前記第1の曲げ半径と異なる同じ第2の曲げ半径を持つ複数本の金ワイヤを有し、これらの金ワイヤの途中部が前記金パターンと接触し金接点スリップリングを構成する第2の金ワイヤブラシと、を備え、
前記第1の金ワイヤブラシの固有振動数と、前記第2の金ワイヤブラシの固有振動数とを変えることにより、前記複数の電極リングの回転による共振の発生を防止するスリップリング装置。 - 前記金ワイヤは、この金ワイヤおよび前記電極リングの表面との間の接触面積を増加させて接触電圧降下を減らすことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスリップリング装置。
- 前記電極リングの前記金パターンに凹状の溝が形成され、この溝の断面形状を前記金ワイヤの断面形状に合わせたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のスリップリング装置。
- 前記金ワイヤは端部および湾曲部を有し、前記湾曲部が、前記電極リングの外周壁又は内周壁の曲面に沿った曲率で予め曲げられたことを特徴とする請求項3記載のスリップリング装置。
- 前記金ワイヤは端部および湾曲部を有し、前記端部が、前記電極リングのリング表面の丸みに合わせて凹状に予め加工されたことを特徴とする請求項3記載のスリップリング装置。
- 前記電極リングが信号段リングに用いられ、前記スリップリング装置が、信号伝送線路が多重化された信号伝送線路のうちの一信号伝送線路であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のスリップリング装置。
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