[実施例1における画像収集システムの構成例]
まず、実施例1における画像収集システムについて説明する。実施例1における画像収集システム1は、監視カメラ等の撮影装置によって撮影された画像データを収集する。そして、画像収集システム1は、利用者から画像データの取得要求を受け付けた場合に、利用者の行動履歴を用いた認証処理を行った後に、かかる利用者が写っている可能性のある画像データを利用者に提供する。
このような画像収集システム1による処理について、図1を用いて簡単に説明する。図1は、実施例1における画像収集システムの構成例を示す図である。なお、以下では、画像収集システム1が静止画である画像データを収集する場合を例に挙げて説明するが、画像収集システム1は、動画である画像データを収集してもよい。
図1に例示するように、画像収集システム1は、利用者端末110、120、130及び140と、撮影装置210、220、230及び240と、運用端末310と、画像ストレージ410と、サービスサーバ510と、画像収集装置610とを含む。
利用者端末110、120、130及び140は、利用者に利用される携帯電話機等であり、自端末の所在位置を取得する機能を有する。これらの利用者端末110、120、130及び140は、自端末の所在位置と所在日時等を含む行動情報をサービスサーバ510に定期的に送信する。ここで、図1に示した位置情報210a、220a、230a、240aは、それぞれ利用者端末110、120、130、140の位置情報である。
撮影装置210、220、230及び240は、建物内外に設置された監視カメラ等であり、撮影処理を行うことで画像データを生成する。撮影装置210や撮影装置240は、画像データ等を画像ストレージに送信する。ここで、撮影装置210は、1台の画像ストレージ410と接続され、撮影装置240は、図示しない1台の画像ストレージと接続される。そして、撮影装置210は、画像ストレージ410に画像データ等を送信し、撮影装置240は、図示しない画像ストレージに画像データ等を送信する。これにより、各画像ストレージは、撮影装置によって生成された画像データを蓄積する。一方、撮影装置220や撮影装置230は、撮影処理を行うことで生成した画像データ等を自撮影装置に蓄積する。
また、撮影装置210及び240は、画像データに関する撮影情報をサービスサーバ510に送信する。なお、撮影情報とは、例えば、画像データを識別するための画像IDや、撮影装置により撮影が行われた日時である撮影日時等を含む情報を示す。
運用端末310は、撮影装置210等により撮影された撮影対象の位置である撮影位置を特定し、特定した撮影位置をサービスサーバ510に事前登録する。なお、運用端末310は、撮影装置210の設置時等に、かかる撮影装置210が撮影対象とする撮影位置をサービスサーバ510に事前登録する。ここで、図1に示した撮影位置210b、220b、230b、240bは、それぞれ撮影装置210、220、230、240の撮影位置である。
サービスサーバ510は、利用者端末110等から行動情報を定期的に受信することにより、各利用者の行動履歴を収集する。また、サービスサーバ510は、撮影装置210等から撮影情報を受信することにより、各撮影装置によって生成された画像データに関する撮影情報を収集する。これにより、サービスサーバ510は、各画像ストレージが保持する画像データの撮影情報を集約することができる。
画像収集装置610は、利用者に利用されるPC(Personal Computer)等であり、サービスサーバ510及び画像ストレージ410から画像データを検索する。具体的には、画像収集装置610は、利用者端末110等の利用者の指示に従って、利用者に指定された位置情報や日時情報とともに画像IDの取得要求をサービスサーバ510に送信する。そして、サービスサーバ510は、まず、利用者の行動履歴を用いた認証処理を行い、続いて、行動履歴や事前登録された撮影位置等に基づいて、かかる利用者が写っている可能性のある画像データを示す画像IDを検索し、得られた画像IDを画像収集装置610に送信する。そして、画像収集装置610は、サービスサーバ510から取得した画像IDを用いて画像ストレージ410から画像データを取得する。これにより、利用者端末110等の利用者は、例えば外出先から帰宅した場合等に、画像収集装置610を操作することによって、利用者自身が写っている可能性のある画像データを取得することができる。
なお、上記では、画像収集装置610が画像ストレージ410から画像データを取得する例を示したが、図1に示した撮影装置220及び230は、画像ストレージ410を介さずに利用者端末120又は130に画像データを提供する。
具体的には、撮影装置220は、利用者端末120から画像データの取得要求を受け付け、かかる画像データ取得要求に応じて、画像データを利用者端末120に提供する。これにより、利用者端末120の利用者は、撮影装置220によって撮影された画像データを即座に取得することができる。
また、撮影装置230は、利用者端末130からの画像データ取得要求に応じて、例えばライトを点滅させることにより、利用者端末130の利用者に撮影処理を行うことを認識させた後に撮影処理を行う。そして、撮影装置230は、画像データを利用者端末130に提供する。これにより、利用者端末130の利用者は、利用者自身が望む姿勢で撮影された画像データを即座に取得することができる。
また、画像収集システム1は、利用者が電車10等の交通機関に乗車している場合には、かかる交通機関の画像データを利用者に提供することもできる。具体的には、撮影装置240は、電車10又は電車10が通過する線路等を撮影する監視カメラ等であり、電車10には、電車10の所在位置及び所在日時等を含む乗物情報をサービスサーバ510に定期的に送信する乗物装置が搭載される。そして、画像収集装置610は、利用者端末140の利用者によって操作されることによって、画像IDの取得要求をサービスサーバ510に送信する。そして、サービスサーバ510は、乗物情報を用いた認証処理等を行うことにより、かかる利用者に乗車された電車10が映っている可能性のある画像データを示す画像IDを画像収集装置610に送信し、画像収集装置610は、撮影装置240と接続されている画像ストレージから画像データを取得する。これにより、利用者端末140の利用者は、例えば外出先から帰宅した場合等に、画像収集装置610を操作することによって、利用者自身が乗車した電車10が写っている可能性のある画像データを取得することができる。
このような画像収集システム1のうち、実施例1では、図1に示した利用者端末120、撮影装置220、運用端末310、サービスサーバ510による処理について詳細に説明する。ここで、実施例1では、複数の利用者端末120が存在するものとする。図2を用いて具体的に説明する。図2は、実施例1における利用者端末120の一例を示す図である。図2に示した利用者端末120−1〜120−mは、図1に示した利用者端末120に対応する。利用者端末120−1〜120−mの各々は、サービスサーバ510との間で通信可能に接続されており、定期的に行動情報をサービスサーバ510に送信する。以下では、利用者端末120−1〜120−mを区別する必要がない場合には、これらを総称して「利用者端末120」と表記する場合がある。
[撮影位置の事前登録]
次に、図3及び図4を用いて、撮影位置の事前登録について説明する。図3は、実施例1における画像収集システム1による撮影位置の事前登録を説明するための図であり、図4は、実施例1における撮影位置を説明するための図である。
上述したように、実施例1における画像収集システム1においては、運用端末310が、撮影装置220の撮影位置をサービスサーバ510に事前登録する。サービスサーバ510は、この事前登録された撮影位置を用いて、利用者が写っている可能性のある画像データを示す画像IDを検索する。
ここで、撮影位置とは、撮影装置220により撮影された撮影対象の位置であって、撮影装置220が設置された位置ではない。また、実施例1において、撮影位置は、ある一点ではなく一定領域である。実施例1における運用端末310は、撮影装置220により撮影された画像データを用いて一定領域としての撮影位置を特定し、特定した撮影位置を示す位置情報を、サービスサーバ510に事前登録する。例えば、運用端末310は、撮影装置220の設置時等に、この事前登録を行う。
以下、撮影装置220の設置時に行われる撮影位置の事前登録について、作業者によって行われる作業の一例とともに説明する。まず、作業者は、撮影装置220の設置場所に持参した運用端末310を操作し、運用端末310に対して、撮影装置220の撮影装置IDを入力する。撮影装置IDは、撮影装置220を識別するための情報である。運用端末310は、撮影装置IDの入力を受け付けると、撮影装置IDを記憶部に格納する。
また、作業者は、運用端末310に対して、撮影装置220が設置される位置の位置情報を取得するための操作を行う。すると、運用端末310は、例えば自端末に内蔵するGPS(Global Positioning System)機能を用いて位置情報を測定する。運用端末310のGPS機能は、GPS衛星から送信される信号を受信することにより、撮影装置220が設置される位置の位置情報として、経度及び緯度を検出する。なお、ここで測定される位置情報は、あくまで、撮影装置220が設置される位置の位置情報であって、撮影対象の位置の位置情報ではない。
また、作業者は、建物内外の所定の位置に撮影装置220を設置し、レンズの向きを手動で調節する。そして、作業者が、撮影装置220に対して撮影指示を入力すると、撮影装置220は、撮影を行い、画像データを生成する。この画像データには、撮影装置220により撮影された撮影対象が写される。続いて、作業者は、運用端末310に対して、撮影装置220によって撮影された画像データを入力し、運用端末310は、画像データの入力を受け付ける。
ここで、実施例1における運用端末310は、地図情報を記憶している。地図情報は、地図と、地図上に示される各位置の位置情報と、地図上に示される位置において周辺が撮影されることで生成された地図画像データとが対応付けられたものであり、例えば、Google(登録商標)マップのストリートビュー等である。運用端末310は、このような地図情報を、例えば作業者によって予め入力されることで記憶している。
そして、運用端末310は、図3に示すように、撮影装置220によって撮影された画像データ30と地図画像データ40とを既存の画像認識技術を用いて比較し、地図画像データ40上における画像データ30の重複範囲を探索する。すなわち、一般に、地図画像データ40には、地球上のあらゆる位置において撮影された膨大な地図画像データ40が含まれる。このため、運用端末310は、これらの膨大な地図画像データ40の中から、画像データ30と一致する範囲をパターンマッチング等により探索する。
もっとも、実施例1における運用端末310は、重複範囲の探索を行う前に、比較に用いられる地図画像データ40の比較範囲を絞り込むために、撮影装置220が設置された位置の位置情報を用いる。すなわち、通常、撮影装置220が設置された位置と、撮影装置220により撮影された撮影対象の位置とは近接していると考えられるため、運用端末310は、撮影装置220が設置された位置の位置情報、すなわちGPS機能を用いて測定された位置情報を用いて、地図画像データ40の比較範囲を絞り込む。例えば、運用端末310は、GPS機能を用いて測定された位置情報が示す位置を中心に、一定範囲として例えば半径約100m以内の範囲を比較範囲として絞り込む。
そして、運用端末310は、絞り込んだ比較範囲の中で、地図画像データ40上における画像データ30の重複範囲を探索すると、探索した重複範囲に含まれる地図上の領域を示す位置情報を、地図情報から抽出する。
図4に示すように、例えば、運用端末310は、地図画像データ40から、画像データ30との重複範囲である地図画像データ50を切り出し、切り出した地図画像データ50の中で、ランドマーク的対象物として噴水50aを特定する。ランドマーク的対象物とは、例えば、特徴的な構造物として予め地図情報に登録されたものや、画像認識により特徴的な構造物として認識されたもの等である。
そして、運用端末310は、噴水50aを中心に、撮影位置の登録範囲となる横幅及び奥行幅を設定する。なお、運用端末310は、この横幅及び奥行幅として、例えば、予め作業者によって入力され、運用端末310の記憶部に記憶された設定済みの値を用いる。また、例えば、運用端末310は、作業者が運用端末310の表示部に表示された地図画像データ50を見ながら入力することで、作業者によってその場で入力された値を用いてもよい。
次に、運用端末310は、設定された横幅及び奥行幅で囲まれる矩形の領域を、撮影位置として登録する登録範囲の領域として決定する。そして、運用端末310は、矩形の領域の各角における緯度経度の情報を地図情報から抽出する。例えば、運用端末310は、地図情報において地図と位置情報と地図画像データとが対応付けられているので、その対応関係を用いて、まずランドマーク的対象物の緯度経度の情報を位置情報から抽出し、次に、この緯度経度の情報を用いて、矩形の領域の各角における緯度経度の情報を、例えば算出する等して求める。こうして、運用端末310は、図4に示すように、「緯度X1経度Y1」、「緯度X2経度Y2」、「緯度X3経度Y3」、「緯度X4経度Y4」を抽出する。
なお、ここでは、説明の便宜上、例えば「緯度X1経度Y1」等と表記するが、例えば、「北緯35度39分29秒1572」や「東経139度44分28秒8759」といった値である。もっとも、この値も一例に過ぎず、また、位置情報は、緯度経度によって示されるものに限られない。さらに、実施例1においては、登録範囲の領域として、ランドマーク的対象物を中心とする矩形の領域を例に挙げて説明するが、実施の形態はこれに限られるものではない。登録範囲の領域は、例えば、ランドマーク的対象物を中心とする円の領域であってもよい。また、登録範囲の領域は、必ずしもランドマーク的対象物を中心とすることを必須とするものではない。
そして、図3に示すように、運用端末310は、地図情報から抽出した位置情報を、記憶部に記憶している撮影装置IDとともに、情報通信ネットワーク20を介してサービスサーバ510に送信する。なお、運用端末310は、位置情報をサービスサーバ510に送信する前に、確認ボタンを表示部に表示し、作業者による確認ボタンの押下を受け付けてから、位置情報の送信を行ってもよい。
なお、実施の形態は、上述した例に限られるものではない。例えば、実施例1においては、GPS機能を用いて測定された位置情報を用いて比較範囲の絞込みを行う例を説明したが、実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、作業者は、撮影装置220の設置場所近辺に存在するランドマーク的対象物の位置情報を運用端末310に対して入力してもよい。この場合、運用端末310は、ランドマーク的対象物の位置情報を用いて、例えばこの位置情報が示す位置を中心に、一定範囲として例えば半径約100m以内の範囲を比較範囲として絞り込む。
また、作業者による操作に基づいて行われた処理を、自動で行われる処理としてもよく、反対に、自動で行われた処理を、作業者による操作に基づいて行われる処理としてもよい。例えば、GPS機能を用いた位置情報の測定は、運用端末310によって自動で行われてもよい。この場合、運用端末310は、例えば画像データの入力を受け付けたことを契機として自端末に内蔵するGPS機能を起動し、位置情報を測定すればよい。
また、例えば、地図情報の記憶も、運用端末310によって自動で行われてもよい。この場合、運用端末310は、例えば画像データの入力を受け付けたことを契機として、インターネット等の情報通信ネットワーク20を介して地図情報をダウンロードし、ダウンロードすることで記憶した地図情報を用いて、地図画像データ40上における画像データ30の重複範囲を探索する。さらに、運用端末310は、撮影装置220が設置された位置の位置情報を用いてダウンロードを行うことで、比較範囲の絞込みを行った上で、地図画像データ40をダウンロードしてもよい。
[画像データの取得要求及び送信]
次に、図5を用いて、利用者端末120、撮影装置220及びサービスサーバ510の間で行われる画像データの取得要求及び送信について説明する。図5は、実施例1における画像データの取得要求及び送信を説明するための図である。
上述したように、実施例1における撮影装置220は、利用者端末120から画像データの取得要求を受け付け、かかる画像データ取得要求に応じて、画像データを利用者端末120に提供する。これにより、利用者端末120の利用者は、撮影装置220によって撮影された画像データを即座に取得することができる。
具体的に説明すると、まず、撮影装置220は、予め決められた撮影タイミングで撮影を行い、撮影することにより生成した画像データを記憶している。また、図5に示すように、利用者端末120は、利用者端末120の利用者を示す利用者IDと、利用者端末120が所在する所在位置とを含む行動情報aを、サービスサーバ510に定期的に送信する。サービスサーバ510は、定期的に送信された行動情報aを記憶する。
また、利用者端末120は、画像データの取得を要求する画像データ取得要求bを利用者IDとともに撮影装置220に送信する。例えば、撮影範囲内の地面やその境界部分に予め着色がなされていたり、撮影装置220の設置場所であることを案内する看板が撮影範囲の入口に設置されていたりすることで、利用者は、撮影装置220の設置場所を認識することができるとする。すると、利用者は、利用者端末120を操作し、利用者端末120は、画像データ取得要求bを利用者IDとともに撮影装置220に送信する。
一方、撮影装置220は、画像データ取得要求bを利用者IDとともに利用者端末120から受信すると、認証要求cをこの利用者IDとともにサービスサーバ510に送信する。ここで、認証要求cは、利用者端末120に対して画像データを送信することを許可するか否かの判定を求めるものである。
サービスサーバ510は、認証要求cを利用者IDとともに撮影装置220から受信すると、記憶している行動情報aを参照し、この利用者IDに対応付けて記憶している所在位置が、撮影装置220の撮影位置に相当する所在位置に近似するか否かを判定する。そして、サービスサーバ510は、近似すると判定した場合に、利用者端末120に対して画像データを送信することを許可するとの許諾情報dを撮影装置220に送信する。
撮影装置220は、許諾情報dをサービスサーバ510から受信すると、記憶している画像データeを利用者端末120に送信する。
[装置間の処理の流れ]
次に、図6〜図9を用いて、図1に示した各種装置間における処理の流れを説明する。まず、図6を用いて、運用端末310とサービスサーバ510との間における撮影位置の登録処理について説明する。図6は、実施例1における画像収集システム1による撮影位置の登録処理を示す図である。
図6に示すように、運用端末310は、撮影装置220によって撮影された画像データ30の入力を受け付ける(ステップS11)。次に、運用端末310は、GPS機能を用いて測定された位置情報を用いて比較範囲を絞り込む(ステップS12)。例えば、運用端末310は、GPS機能を用いて測定された位置情報が示す位置を中心に、一定範囲として例えば半径約100m以内の範囲を比較範囲として絞り込む。
続いて、運用端末310は、撮影装置220によって撮影された画像データ30と地図画像データ40とを公知の画像認識技術を用いて比較し、地図画像データ40上における画像データ30の重複範囲を探索する(ステップS13)。すなわち、運用端末310は、地図画像データ40の中から、画像データ30と一致する範囲を探索する。
そして、運用端末310は、地図画像データ40から、画像データ30との重複範囲である地図画像データ50を切り出し、切り出した地図画像データ50の中で、ランドマーク的対象物を特定する(ステップS14)。例えば、運用端末310は、ランドマーク的対象物として噴水50aを特定する。
次に、運用端末310は、ランドマーク的対象物を中心に、撮影位置の登録範囲となる横幅及び奥行幅を設定する(ステップS15)。続いて、運用端末310は、設定された横幅及び奥行幅で囲まれる矩形の領域を登録範囲の領域として決定し、決定した領域を示す位置情報を地図情報から抽出する(ステップS16)。例えば、運用端末310は、矩形の領域の各角における緯度経度の情報を地図情報から抽出する。
そして、運用端末310は、地図情報から抽出した位置情報を、撮影装置IDとともに、情報通信ネットワーク20を介してサービスサーバ510に送信する(ステップS17)。
一方、サービスサーバ510は、位置情報及び撮影装置IDを受信すると(ステップS18)、これらを撮影情報記憶部513に格納する(ステップS19)。このようにして、サービスサーバ510は、撮影装置220の撮影位置を、撮影情報記憶部513に事前登録する。
次に、図7を用いて、利用者端末120とサービスサーバ510との間における行動情報の送受信処理について説明する。図7は、実施例1における画像収集システム1による行動情報の送受信処理を示す図である。
図7に示すように、利用者端末120は、行動情報をサービスサーバ510に送信するタイミングであるか否かを監視する(ステップS21)。なお、行動情報を送信するタイミングは、システムで予め決められている時間毎であってもよいし、利用者によって任意に決定される時間毎であってもよく、例えば、10分毎や1時間毎である。
そして、利用者端末120は、行動情報の送信タイミングである場合に、自端末の所在位置を取得する(ステップS22)。そして、利用者端末120は、取得した所在位置と、かかる所在位置に所在した日時である所在日時と、利用者端末120を利用する利用者を識別するための利用者IDとを含む行動情報を利用者情報記憶部123に格納する(ステップS23)。そして、利用者端末120は、かかる行動情報をサービスサーバ510に送信する(ステップS24)。
サービスサーバ510は、利用者端末120から行動情報を受信すると(ステップS25)、受信した行動情報を利用者情報記憶部512に格納する(ステップS26)。サービスサーバ510は、利用者端末120から行動情報を受信するたびに、かかる行動情報を利用者情報記憶部512に格納する。このようにして、サービスサーバ510は、利用者が所在した位置や日時に関する行動情報を行動履歴として収集する。
次に、図8を用いて、撮影装置220の撮影処理について説明する。図8は、実施例1における画像収集システム1による撮影処理を示す図である。
図8に示すように、撮影装置220は、撮影タイミングであるか否かを監視する(ステップS31)。なお、撮影タイミングは、システムで予め決められている時間毎であってもよいし、撮影装置220を管理する管理者によって任意に決定される時間毎であってもよく、例えば、1分毎や5分毎である。
そして、撮影装置220は、撮影タイミングである場合に、撮影処理を行うことで画像データを生成する(ステップS32)。そして、撮影装置220は、生成した画像データに対応付けて画像IDを払い出し、画像ID、画像データ及び撮影日時を画像記憶部223に格納する(ステップS33)。このとき、撮影装置220は、自装置である撮影装置220を識別するための撮影装置IDとともに画像データ等を画像記憶部223に格納してもよい。
次に、図9を用いて、利用者端末120と撮影装置220とサービスサーバ510との間における画像データの送受信処理について説明する。図9は、実施例1における画像収集システム1による画像データの送受信処理を示す図である。
図9に示すように、利用者端末120は、画像データの取得を要求する画像データ取得要求を、利用者IDとともに撮影装置220に送信する(ステップS41)。例えば、撮影装置220の設置場所で、利用者が利用者端末120を操作することで、利用者端末120は、看板に表示されたQRコード(登録商標)を読み取り、情報通信ネットワーク20を介して撮影装置220のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスする。そして、例えば、利用者端末120は、所定の表示部に、利用者IDの入力ボックスと『画像データ取得要求』のボタンとを表示することで、利用者からの利用者IDの入力とボタン押下とを受け付け、画像データ取得要求を利用者IDとともに撮影装置220に送信する。なお、画像データ取得要求の送信手法はこれに限られるものではない。例えば、利用者端末120は、看板に記載された撮影装置220のURLの入力を利用者から受け付けたり、予め撮影装置220のURLを記憶している等、他の手法で撮影装置220と通信を行ってもよい。
続いて、撮影装置220は、画像データ取得要求を利用者IDとともに受信した場合に、認証要求を、この利用者IDとともにサービスサーバ510に送信する(ステップS42)。ここで、認証要求は、利用者端末120に対して画像データを送信することを許可するか否かの判定を求めるものである。
サービスサーバ510は、認証要求を利用者IDとともに受信した場合に、利用者情報記憶部512に記憶されている行動情報を用いて認証処理を行う(ステップS43)。例えば、サービスサーバ510は、認証要求とともに受信した利用者IDが利用者情報記憶部512に記憶されているか否かを判定することで、サービスサーバ510によって提供されるサービスに利用者が加入しているか否かを判定する。サービスサーバ510は、利用者IDが利用者情報記憶部512に記憶されている場合に認証成功とし、利用者IDが利用者情報記憶部512に記憶されていない場合に認証失敗とする。
続いて、サービスサーバ510は、利用者の所在位置が、撮影装置220の撮影位置に含まれることを確認する(ステップS44)。例えば、サービスサーバ510は、認証要求とともに受信した利用者IDに対応付けて利用者情報記憶部512に記憶されている所在位置が、撮影情報記憶部513に記憶されている撮影装置220の撮影位置に相当する所在位置に近似するか否かを判定する。
例えば、サービスサーバ510は、利用者IDに対応付けて利用者情報記憶部512に記憶されている所在位置のうち、最も日時情報が新しい所在位置について、撮影装置220の撮影位置に相当する所在位置に近似するか否かを判定する。これにより、サービスサーバ510は、画像データの取得を要求する利用者が、撮影装置220の撮影位置近辺に所在するか否かを判定することができ、この結果、取得要求の送信元である利用者の正当性を判定することができる。なお、ここでいう正当性とは、「利用者は、少なくとも撮影装置220の撮影位置近辺に所在する」という正当性である。
続いて、サービスサーバ510は、利用者端末120に対して画像データを送信することを許可する許諾情報を、撮影装置220から受信した利用者IDとともに、撮影装置220に送信する(ステップS45)。
撮影装置220は、サービスサーバ510から許諾情報を受信した場合に、画像記憶部223に記憶されている画像データを、画像データ取得要求の送信元である利用者端末120に送信する(ステップS46)。例えば、撮影装置220は、許諾情報とともに受信した利用者IDを用いて、画像データ取得要求の送信元である利用者端末120を特定し、画像記憶部223に記憶されている画像データのうち、最新の画像データを、利用者端末120に送信する。
[実施例1における各装置の構成]
次に、図10を用いて、実施例1における画像収集システム1に含まれる各装置の構成について説明する。図10は、実施例1における各装置の構成例を示す図である。図10に示すように、実施例1における画像収集システム1には、利用者端末120、撮影装置220、運用端末310、サービスサーバ510が含まれる。
利用者端末120は、図10に例示するように、信号送受信部121と、GPS部122と、利用者情報記憶部123と、制御部124とを有する。
信号送受信部121は、外部装置との間で各種情報を送受信する通信デバイスである。例えば、信号送受信部121は、サービスサーバ510に行動情報を送信し、撮影装置220に画像データ取得要求を送信する。
GPS部122は、利用者端末120の所在位置を検出する。例えば、GPS部122は、GPS衛星から送信される信号を受信することにより、利用者端末120の所在位置として、経度及び緯度を検出する。なお、GPS部122は、後述する位置情報取得部124aによって制御される。
利用者情報記憶部123は、利用者端末120が所在する所在位置、かかる所在位置に利用者端末120が所在した所在日時等を記憶する。なお、利用者情報記憶部123は、後述する位置情報登録部124bによって更新される。
ここで、図11に、利用者情報記憶部123の一例を示す。図11の例では、所在日時「2011年2月24日11時32分」に、利用者端末120が所在位置「経度X10 緯度Y10」に所在したことを示している。また、図11の例では、所在日時「2011年2月24日11時38分」に、利用者端末120が所在位置「経度X20 緯度Y20」に所在したことを示している。
なお、図11に示した例では、利用者情報記憶部123が所在日時及び所在位置を記憶する例を示したが、利用者情報記憶部123は、所在日時及び所在位置に加えて、利用者IDを記憶してもよい。
制御部124は、利用者端末120による各種処理を全体制御する。図10に示した例では、制御部124は、位置情報取得部124aと、位置情報登録部124bと、要求部124cとを有する。
位置情報取得部124aは、GPS部122を制御することにより、利用者端末120の所在位置を取得する。具体的には、位置情報取得部124aは、サービスサーバ510に行動情報を送信するタイミングであるか否かを監視し、送信タイミングになった場合に、GPS部122に利用者端末120の所在位置を取得させる。
位置情報登録部124bは、位置情報取得部124aによって取得された所在位置と、かかる所在位置に利用者端末120が所在した所在日時等を利用者情報記憶部123に登録する。また、位置情報登録部124bは、利用者端末120の利用者を示す利用者IDと、所在位置と、所在日時とを含む行動情報を、信号送受信部121を介してサービスサーバ510に送信する。なお、実施例1においては、行動情報に、利用者IDと、所在位置と、所在日時とが含まれるものとして説明するが、これに限られるものではなく、例えば、所在日時が含まれない行動情報であってもよい。
要求部124cは、利用者から画像データの取得を要求する旨の操作を受け付けた場合に、画像データ取得要求を利用者IDとともに撮影装置220に送信する。
また、図10に例示する撮影装置220は、建物内外に設置された監視カメラやライブカメラ、又は、利用者端末120の利用者以外の他者に携帯されたデジタルカメラ等である。実施例1では、撮影装置220は、建物内外に設置されたカメラであるものとする。
かかる撮影装置220は、図10に例示するように、信号送受信部221と、撮影部222と、画像記憶部223と、制御部224とを有する。
信号送受信部221は、外部装置との間で各種情報を送受信する通信デバイスである。例えば、信号送受信部221は、認証要求をサービスサーバ510に送信し、許諾情報をサービスサーバ510から受信する。撮影部222は、制御部224の制御に従って、撮影処理を行うことで画像データを生成する。
画像記憶部223は、撮影部222によって生成された画像データや、かかる画像データに関する撮影情報等を記憶する。なお、画像記憶部223は、後述する制御部224によって更新される。
ここで、図12に、画像記憶部223の一例を示す。図12に示した例では、画像記憶部223は、「撮影装置ID」、「画像ID」、「画像データ」、「撮影日時」といった項目を有する。「撮影装置ID」は、撮影装置220を識別するための識別子である。例えば、撮影装置220−1の撮影装置IDは「220−1」である。「画像ID」は、画像データを識別するための識別子である。「画像データ」は、撮影装置220によって撮影処理が行われることで生成されるデータである。「撮影日時」は、撮影装置220によって撮影が行われた日時である。
図12の例では、撮影部222によって「2011年2月24日11時35分」に撮影が行われたことで「画像データA」が生成され、かかる画像データAの画像IDが「G10」であることを示している。また、撮影部222によって「2011年2月24日11時40分」に撮影が行われることで、「画像データB」が生成され、かかる画像データBの画像IDが「G11」であることを示している。
制御部224は、撮影装置220による各種処理を全体制御する。具体的には、撮影装置220は、撮影タイミングになった場合に、撮影部222を制御することにより撮影処理を行い、撮影部222によって生成された画像データに画像IDを払い出す。そして、制御部224は、撮影装置ID、画像ID、画像データ及び撮影日時を画像記憶部223に格納する。
また、図10に示した例では、制御部224は、認証要求部224aと、提供部224bとを有する。
認証要求部224aは、利用者端末120から画像データ取得要求を受信した場合に、サービスサーバ510に認証要求を送信する。具体的には、認証要求部224aは、画像データ取得要求を利用者IDとともに利用者端末120から受信した場合に、認証要求をこの利用者IDとともにサービスサーバ510に送信する。ここで、認証要求は、利用者端末120に対して画像データを送信することを許可するか否かの判定を求めるものである。そして、認証要求部224aは、かかる認証要求に応答してサービスサーバ510から許諾情報を受信した場合に、許諾情報を受信した旨を提供部224bに通知する。
提供部224bは、許諾情報を受信した旨の通知を認証要求部224aから受け付けた場合に、画像データを利用者端末120に送信する。例えば、提供部224bは、許諾情報とともに受信した利用者IDを用いて、画像データ取得要求の送信元である利用者端末120を特定し、画像記憶部223に記憶されている画像データのうち、最新の画像データを、利用者端末120に送信する。
また、図10に例示するように、運用端末310は、信号送受信部311と、表示部312と、地図情報記憶部313と、制御部314とを有する。
信号送受信部311は、外部装置との間で各種情報を送受信する通信デバイスである。例えば、信号送受信部311は、サービスサーバ510に位置情報を送信する。表示部312は、各種情報を出力する出力デバイスであり、例えば、液晶ディスプレイ等である。
地図情報記憶部313は、地図情報及び撮影装置IDを記憶する。地図情報は、地図と、地図上に示される各位置の位置情報と、地図上に示される位置において周辺が撮影されることで生成された地図画像データとが対応付けられたものである。また、撮影装置IDは、撮影装置220を識別する情報である。
地図情報記憶部313は、例えば作業者によって予め入力されることで、地図情報を記憶する。また、地図情報記憶部313は、例えば撮影装置220の設置時等に作業者によって入力されることで、撮影IDを記憶する。なお、地図情報記憶部313に記憶された撮影IDは、後述する位置情報登録部314cによってサービスサーバ510に送信された後は、地図情報記憶部313から削除されてもよい。
制御部314は、運用端末310による各種処理を全体制御する。図10に示した例では、制御部314は、画像データ受付部314aと、位置情報抽出部314bと、位置情報登録部314cとを有する。
画像データ受付部314aは、撮影装置220によって撮影された画像データの入力を受け付ける。具体的には、画像データ受付部314aは、作業者によって入力されることで、撮影装置220によって撮影された画像データの入力を受け付ける。
位置情報抽出部314bは、サービスサーバ510に登録する位置情報を地図情報から抽出する。具体的には、位置情報抽出部314bは、画像データ受付部314aにより受け付けた画像データと地図情報記憶部313に記憶された地図画像データとを画像認識により比較することで、地図画像データ上における画像データの重複範囲を探索する。そして、位置情報抽出部314bは、探索した重複範囲に含まれる地図上の領域を示す位置情報を、地図情報記憶部313に記憶された位置情報から抽出する。
位置情報登録部314cは、サービスサーバ510に位置情報を登録する。具体的には、位置情報登録部314cは、位置情報抽出部314bによって抽出された位置情報を、地図情報記憶部313に記憶された撮影IDとともに、信号送受信部311を介してサービスサーバ510に送信する。
また、図10に例示するように、サービスサーバ510は、信号送受信部511と、利用者情報記憶部512と、撮影情報記憶部513と、制御部514とを有する。
信号送受信部511は、外部装置との間で各種情報を送受信する通信デバイスである。例えば、信号送受信部511は、利用者端末120から行動情報を受信し、撮影装置220から認証要求を受信し、運用端末310から位置情報を受信する。また、例えば、信号送受信部511は、撮影装置220に許諾情報を送信する。
利用者情報記憶部512は、利用者端末120の位置情報登録部124bによって送信された行動情報を記憶する。ここで、図13に、利用者情報記憶部512の一例を示す。図13に示した例では、利用者情報記憶部512は、「利用者ID」、「所在日時」、「所在位置」といった項目を有する。これらの「利用者ID」、「所在日時」及び「所在位置」は、利用者端末120によって送信される行動情報であり、後述する格納部514aによって格納される。
図13の例では、利用者ID「120−1」である利用者端末120−1が、「2011年2月24日11時32分」に、「緯度X10 経度Y10」が示す位置に所在したことを示している。また、図13の例では、利用者ID「120−2」である利用者端末120−2が、「2011年2月24日11時38分」に、「緯度X20 経度Y20」が示す位置に所在したことを示している。
撮影情報記憶部513は、運用端末310によって送信された撮影位置を記憶する。ここで、図14に、撮影情報記憶部513の一例を示す。図14に示した例では、撮影情報記憶部513は、「撮影装置ID」及び「撮影位置」といった項目を有する。「撮影装置ID」及び「撮影位置」は、運用端末310によって送信される情報であり、後述する格納部514aによって格納される。
制御部514は、サービスサーバ510による各種処理を全体制御する。図10に示した例では、制御部514は、格納部514aと、認証部514bと、送信部514cとを有する。
格納部514aは、利用者端末120や運用端末310から各種情報を受信した場合に、受信した各種情報を利用者情報記憶部512や撮影情報記憶部513に格納する。具体的には、格納部514aは、利用者端末120から、利用者IDと所在日時と所在位置とを含む行動情報を受信した場合に、受信した行動情報を利用者情報記憶部512に格納する。また、格納部514aは、運用端末310から撮影装置IDと位置情報とを受信した場合に、受信した各種情報を撮影情報記憶部513に格納する。
認証部514bは、認証要求を信号送受信部511を介して撮影装置220から受信した場合に、かかる認証要求とともに受信した利用者IDが、利用者情報記憶部512に記憶されているか否かを判定することで認証を行う。
また、認証部514bは、利用者IDが利用者情報記憶部512に記憶されていると判定すると、続いて、利用者の所在位置が、撮影装置220の撮影位置に含まれることを確認する。具体的には、認証部514bは、利用者IDを用いて利用者情報記憶部512を参照し、この利用者IDに対応付けて記憶されている最新の所在位置を取得する。また、認証部514bは、撮影装置220を識別する撮影装置IDを用いて撮影情報記憶部513を参照し、この撮影装置IDに対応付けて記憶されている撮影位置を取得する。
そして、認証部514bは、所在位置が、撮影位置に相当する所在位置に近似するか否かを判定する。図14に例示した撮影情報記憶部513を用いて説明する。例えば、撮影情報記憶部513に記憶されている撮影位置「緯度X1経度Y1、緯度X2経度Y2、緯度X3経度Y3、緯度X4経度Y4」が示す領域(以下、「領域XY14」とする)に、利用者情報記憶部512から取得した所在位置によって示される位置(以下、「位置Z」とする)が含まれるものとする。かかる場合には、認証部514bは、所在位置が、撮影位置に相当する所在位置に近似すると判定する。
また、上記例において、領域XY14に位置Zが含まれないものとする。このとき、認証部514bは、領域XY14の外周と位置Zとの直線距離が所定の閾値(例えば、5[m])よりも小さい場合には、所在位置が、撮影位置に相当する所在位置に近似すると判定する。
なお、図14に示した例では、撮影情報記憶部513の撮影位置には領域を示す4点の位置情報が記憶されるが、撮影情報記憶部513の撮影位置には、1点の位置を示す位置情報のみが記憶されてもよい。かかる場合には、認証部514bは、例えば、撮影情報記憶部513に記憶されている1点の位置情報を中心点とする所定の半径(例えば、5[m])の円領域内に、位置Zが含まれるか、又は、かかる円領域と位置Zとが近傍に位置する場合(例えば、円領域の円周と位置Zとの直線距離が所定の閾値(例えば、1[m])よりも小さい場合)には、所在位置が、撮影位置に相当する所在位置に近似すると判定する。
このように、実施例1におけるサービスサーバ510は、利用者の所在位置との比較に用いる位置情報として、撮影装置220が設置された位置ではなく、撮影装置220により撮影された撮影対象の位置を用いる。例えば、撮影装置220が建物の屋上に設置された監視カメラ等である場合、撮影装置220が設置された位置は、建物自体であり、撮影装置220により撮影された撮影対象の位置は、例えば建物の前の道路や公園である。利用者が建物の前の公園を散歩し、建物の屋上に設置された撮影装置220によって撮影されたとする。すると、この撮影装置220によって生成された画像データには利用者が写っている可能性があるが、利用者の所在位置(公園)と撮影装置220が設置された位置(建物)とを比較したとしても、必ずしも、利用者の所在位置が、撮影装置220が設置された位置に近似するとの判定結果になるとは限らない。これに対し、利用者の所在位置(公園)と撮影装置220により撮影された撮影対象の位置(建物の前の道路や公園)とを比較すれば、利用者の所在位置が、撮影装置220により撮影された撮影対象の位置に近似するとの判定結果になる可能性は高くなる。
なお、実施例1においては、認証部514bは、利用者IDに対応付けて記憶されている最新の所在位置を用いて上記判定を行ったが、これに限られるものではない。例えば、利用者端末120は、画像データの取得要求を撮影装置220に送信する際に、同時に、行動情報をサービスサーバ510に送信してもよい。この場合、例えば、利用者端末120は、この行動情報が、画像データの取得要求と同時に送信するものであることを示す情報を添付する。そして、サービスサーバ510は、画像データの取得要求と同時に送信された行動情報に含まれる所在位置を用いて、上記判定を行えばよい。
送信部514cは、認証部514bによる認証が成功し、利用者の所在位置が撮影装置220の撮影位置に相当する所在位置に近似すると確認された場合に、許諾情報を利用者IDとともに撮影装置220に送信する。
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1における画像収集システム1は、撮影装置220とサービスサーバ510とを備える。撮影装置220は、建物内外に設置された撮影装置220である。撮影装置220は、画像記憶部223と、認証要求部224aと、提供部224bとを備える。画像記憶部223は、撮影装置220によって撮影されることで生成された画像データを記憶する。認証要求部224aは、画像データ取得要求を、利用者IDとともに利用者端末120から受信した場合に、利用者端末120に対して画像データを送信することを許可するか否かの判定を求める認証要求を、利用者IDとともにサービスサーバ510に送信する。提供部224bは、認証要求に対する判定結果として、利用者端末120に対して画像データを送信することを許可するとの判定結果をサービスサーバ510から受信した場合に、画像記憶部223に記憶された画像データを利用者端末120に送信する。サービスサーバ510は、利用者情報記憶部512と、撮影情報記憶部513と、認証部514bと、送信部514cとを備える。利用者情報記憶部512は、利用者IDと、利用者端末120が所在する所在位置とを含む行動情報を記憶する。撮影情報記憶部513は、撮影装置220により撮影された撮影対象の位置を示す撮影位置を記憶する。認証部514bは、認証要求を利用者IDとともに撮影装置220から受信した場合に、利用者IDと一致する利用者IDに対応付けて利用者情報記憶部512に記憶されている所在位置が、撮影情報記憶部513に記憶されている撮影位置に相当する所在位置に近似するか否かを判定する。送信部514cは、認証部514bによって近似すると判定された場合に、利用者端末120に対して画像データを送信することを許可するとの判定結果を撮影装置220に送信する。
このように、実施例1における撮影装置220は、利用者端末120から画像データの取得要求を受け付け、かかる画像データ取得要求に応じて、画像データを利用者端末120に提供する。このようなことから、利用者端末120の利用者は、撮影装置220によって撮影された画像データを即座に取得することができる。また、実施例1においては、利用者端末120を利用する利用者の所在位置が、撮影装置220の撮影位置に相当する所在位置に近似するか否かが判定され、この判定結果に応じて、利用者端末120に画像データを提供するか否かが決定される。このようなことから、画像収集システム1は、「少なくとも撮影装置220の撮影位置近辺に所在する」という正当性を有する利用者に対して、画像データを提供することができる。
また、実施例1におけるサービスサーバ510は、格納部514aを備える。格納部514aは、利用者IDと所在位置とを含む行動情報を受信した場合に、利用者IDと所在位置とを利用者情報記憶部512に格納する。これにより、サービスサーバ510は、各利用者の行動履歴を集約することでき、この結果、利用者の正当性を判定する認証処理を行うことができる。