JP5505885B2 - オフセット輪転印刷機の製作方法 - Google Patents

オフセット輪転印刷機の製作方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5505885B2
JP5505885B2 JP2011094810A JP2011094810A JP5505885B2 JP 5505885 B2 JP5505885 B2 JP 5505885B2 JP 2011094810 A JP2011094810 A JP 2011094810A JP 2011094810 A JP2011094810 A JP 2011094810A JP 5505885 B2 JP5505885 B2 JP 5505885B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
new
plate cylinder
printing
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011094810A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012020572A (ja
Inventor
則之 芝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd filed Critical Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
Priority to JP2011094810A priority Critical patent/JP5505885B2/ja
Publication of JP2012020572A publication Critical patent/JP2012020572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5505885B2 publication Critical patent/JP5505885B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、オフセット輪転印刷機の製作方法及びその製作方法で製作されたオフセット輪転印刷機に係り、特に、印刷単位長さのN倍(Nは2以上の整数)の長さを印刷する刷版を装着可能な周長を有する版胴を備えたオフセット輪転印刷機から、印刷単位長さの1倍の長さを印刷する刷版を装着する周長を有する版胴を備えたオフセット輪転印刷機を製作する方法及びこの方法によって製作されたオフセット印刷機に関するものである。
従来から知られるオフセット輪転印刷機では、印刷速度と印刷品質のレベルを維持する観点から、ブランケット胴及び版胴の剛性をある程度以上確保するために、それら胴の軸方向の長さに対して適当な直径となるように、それら胴の周長を1印刷単位長さの1倍から複数倍の周長を有するような胴径が採用されている。すなわち、幅の広い連続紙に印刷可能な、胴の軸方向の長さが長いオフセット輪転印刷機では、胴の剛性を得るために、1印刷単位長さの複数倍の周長を有する胴径が採用されていた。
ここでいう1印刷単位長さとは、連続紙が、断裁機構によって連続紙の走行方向(長さ方向)と直角な方向に断裁される断裁位置によって区切られる、各断裁範囲に印刷される絵柄や文字の連続紙の走行方向長さ範囲のことである。
具体的な例として、新聞印刷を行う代表的なオフセット輪転印刷機(以下、「新聞印刷機」と記載する。)は、版胴の、刷版を取付ける周面のサイズが、軸方向では一般的な新聞(ブランケット判)1ページの横幅の4倍の長さを有し、周長方向では1ページの縦の長さ(1印刷単位長さ)の2倍の印刷を行う刷版を装着する周長を有しており、ブランケットが装着されたブランケット胴の周面のサイズも前記版胴と略同じである、所謂4×2(フォーバイツー)型と呼ばれるものが主流である(図5参照)。
ところで、昨今、周長が、従来であれば1印刷単位長さの複数倍の周長を必要とする軸方向長さである版胴を有するオフセット輪転印刷機においては、使用する刷版の量が少なくてすみ、オフセット輪転印刷機が小型化でき、それにともなうオフセット輪転印刷機の軽量化や、消費電力が少なくてすむ等の利点があることから、ブランケット胴のサイズは従来と同じでありながら、版胴の直径を従来のような1印刷単位長さの複数倍の周長となる直径ではなく、1印刷単位長さの1倍の周長となる直径である版胴としたオフセット輪転印刷機が提案された。また特に、新聞印刷機の分野にあっては、軸方向に新聞1ページの横幅の4倍の長さに対して、周長方向は新聞1ページの縦の長さの1倍の長さの刷版を装着可能な、所謂4×1(フォーバイワン)型と呼ばれる新聞印刷機が提案されている。
ここで、図8は、4×1型の新聞印刷機の1例である新聞印刷機C1の構成を示す断面図である。新聞印刷機C1は、連続紙Wの両面に印刷可能な新聞印刷機であり、連続紙Wを挟んで、ブランケット胴13、版胴12、インキ供給機構14、湿し水供給機構15がそれぞれ配置され、図示しないモーターによってそれらを回転駆動する構成となっている。
印刷中、版胴12とブランケット胴13とは、転写圧を有する接触をしながら互いに逆方向に回転している。ところが、4×1型の新聞印刷機の版胴12は、軸方向長さに対して径が細いために剛性が低く、そのために版胴12はブランケット胴13との間の転写圧の反力によって、軸受け部を支点にブランケット胴13から遠ざかる方向に生じる撓みが4×2型の新聞印刷機の版胴に比べて大きい。
そして、刷版を装着するために版胴12の周面に開口している溝部が、印刷中に接触しながら回転しているブランケット胴13に対向した際、あるいは、ブランケット胴13の外周面にブランケット装着のために開口する溝に沿って生じるブランケット面の凹部が版胴12に対向した際に、転写圧が一瞬減少、あるいは、ほとんどなくなることによって、転写圧の反力によって生じていた撓みが一瞬減少、あるいは、ほとんどなくなり、版胴12に振動が発生する。そして、その振動が収束するまでに版胴12とブランケット胴13間における転写圧が変動するため、印刷された紙面濃度にむらが生じてしまうという問題が存在していた。
しかし、近年、版胴の、刷版を装着するために開口している溝の幅を極力狭くし、さらに、ブランケット胴の外周面に形成されるとともにブランケット装着のために開口する溝の幅も極力狭くし、比較的薄い金属プレートにブランケットを貼り付けて、巻きつけ方向の前後にブランケットの貼り付けられた範囲より延長された金属プレート部のみをブランケット胴の溝に挿入して緊締することによって、ブランケット面の凹部を挟める技術等が提案されており、このような技術等によって、版胴に発生する振動を実用上問題のない範囲に押さえることができるようになったため、4×1型の新聞印刷機をはじめ、1印刷単位長さの1倍の刷版を装着する周長である版胴のオフセット輪転印刷機が採用されるようになってきた。
新聞においては、毎日異なる記事を印刷するのはもちろんであるが、例えば、1回の朝刊印刷を行う間にも、新聞の配達される地域や、時間の経過にともなって記事の内容が変更されるので、刷版を交換する必要がある。また、最近では、自社の新聞印刷の他に、他社の新聞印刷の委託を受けて印刷を行う場合もあるので、毎日使用される刷版はかなりの量に及ぶ。さらに、新聞以外でも印刷物は少量多品種化する傾向にあるため、刷版の消費量も当然多くなる。
ところが、1印刷単位長さの1倍の刷版を装着する周長である版胴のオフセット輪転印刷機、新聞印刷機の場合であれば、4×1型の新聞印刷機は、従来の4×2型の新聞印刷機に比べ、使用するすべての刷版の量が半分ですむので、刷版製作の費用や時間が節約でき、印刷を行う者にとって、そのメリットは大きい。
なお、上述した従来のオフセット輪転印刷機を開示する先行技術文献として、例えば、下記特許文献1等が存在している。
特開2008−290422号公報
しかしながら、幅の広い連続紙に印刷可能なオフセット輪転印刷機において、1印刷単位長さの1倍の刷版を装着する周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機が実用化に至ったのは最近のことであり、耐用年数が長く、高価なオフセット輪転印刷機を簡単に更新することができない場合もある。また、既存の、1印刷単位長さの複数倍の刷版を装着する周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機を併用しながら、新規に増設しようとするオフセット輪転印刷機を、1印刷単位長さの1倍の刷版を装着する周長の版胴を有するタイプにした場合、複数倍の周長の版胴用の刷版と1倍の周長の版胴用の刷版の両方を製作する必要があり、2種類の版材を準備する手間と、2種類の製版設備を設置する場所を要する問題が生じていた。
本発明は、上述した従来技術が有する問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、既存の、1印刷単位長さの複数倍の刷版を装着する周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機の使用可能な構成、及び部品を活用し、少ない費用で刷版消費量が少なくてすむ1印刷単位長さの1倍の刷版を装着する周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機の製作方法及びその製作方法によって製作したオフセット輪転印刷機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るオフセット輪転印刷機の製作方法は、ブランケット胴と、1回転で1印刷単位長さのN倍(Nは2以上の整数)の長さを印刷する刷版を装着可能な周長の版胴と、インキ供給機構と、を有する元のオフセット輪転印刷機から、新たなオフセット輪転印刷機を製作する方法であって、前記版胴を取り外す工程と、1回転で1印刷単位長さの1倍の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する新たな版胴を、前記ブランケット胴に隣接して設ける工程と、新たな版胴が前記取り外した版胴の回転数のN倍の回転数で駆動可能であるように、版胴駆動手段を改変するか、又は、新たな版胴駆動手段と置き換える工程と、前記インキ供給機構を、新たな版胴に装着された刷版にインキを供給可能であるように改変するか、又は、新たなインキ供給機構と置き換える工程と、を含む処理を実行することを特徴とするものである。
また、本発明に係るオフセット輪転印刷機の製作方法は、前記ブランケット胴を、装着されたブランケット表面の直径が前記ブランケット胴と同一でありながらブランケット装着のための溝を変更した新たなブランケット胴と置き換える工程をさらに含むこととすることができる。
さらに、本発明に係るオフセット輪転印刷機の製作方法は、新たな版胴に装着された刷版に湿し水を供給可能であるように、湿し水供給機構を新設するか、又は、従前の湿し水供給機構を改変するか、若しくは、新たな湿し水供給機構と置き換える工程をさらに含むこととすることができる。
本発明に係る別のオフセット輪転印刷機の製作方法は、ブランケット胴と、1回転で1印刷単位長さのN倍(Nは2以上の整数)の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する版胴と、インキ供給機構と、前記ブランケット胴、前記版胴、及び前記インキ供給機構が装着されたフレームと、を有する元のオフセット輪転印刷機から、新たなオフセット輪転印刷機を製作する方法であって、前記版胴に換えて、1回転で1印刷単位長さの1倍の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する新たな版胴をブランケット胴に隣接して取り付け可能であり、また、新たな版胴を前記取り外した版胴の回転数のN倍の回転数で駆動可能である版胴駆動手段を取り付け可能であり、さらに、新たな版胴に装着された刷版にインキを供給可能であるようにインキ供給機構を取り付け可能である新たなフレームに対して、前記フレームに取り付けられている部品を取り外す工程と、前記新たな版胴を取り付ける工程と、新たな版胴を前記取り外した版胴の回転数のN倍の回転数で駆動可能である版胴駆動手段を取り付ける工程と、新たな版胴に装着された刷版にインキを供給可能であるインキ供給機構を取り付ける工程と、を含む処理を実行することを特徴とするものである。
また、本発明に係る別のオフセット輪転印刷機の製作方法では、新たなフレームに、装着されたブランケット表面の直径が前記ブランケット胴と同一でありながらブランケット装着のための溝を変更した新たなブランケット胴を取り付ける工程をさらに含むこととすることができる。
さらに、本発明に係る別のオフセット輪転印刷機の製作方法において、新たなフレームには、新たな版胴に装着された刷版に湿し水を供給可能であるように湿し水供給機構が取り付け可能であり、新たな版胴に装着された刷版に湿し水を供給可能である湿し水供給機構を取り付ける工程をさらに含むこととすることができる。
本発明に係るオフセット輪転印刷機は、ブランケット胴と、1回転で1印刷単位長さのN倍(Nは2以上の整数)の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する版胴と、インキ供給機構と、を有する元のオフセット輪転印刷機を改変することで新たに製作されたオフセット輪転印刷機であって、前記元のオフセット輪転印刷機から、前記版胴が取り外され、1回転で1印刷単位長さの1倍の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する新たな版胴が、前記ブランケット胴に隣接して設けられ、新たな版胴が前記取り外した版胴の回転数のN倍の回転数で駆動可能であるように、版胴駆動手段が改変されるか、又は、新たな版胴駆動手段と置き換えられ、前記インキ供給機構が、新たな版胴に装着された刷版にインキを供給可能であるように改変されるか、又は、新たなインキ供給機構と置き換えられたことで構成されることを特徴とするものである。
また、本発明に係るオフセット輪転印刷機では、前記ブランケット胴が新たなブランケット胴と置き換えられ、新たなブランケット胴は、装着されたブランケット表面の直径が前記ブランケット胴と同一でありながらブランケット装着のための溝を変更した構成を備えることとすることができる。
さらに、本発明に係るオフセット輪転印刷機では、新たな版胴に装着された刷版に湿し水を供給可能であるように、湿し水供給機構が新設されるか、又は、従前の湿し水供給機構が改変されるか、若しくは、新たな湿し水供給機構と置き換えられた構成をさらに備えることとすることができる。
本発明に係る別のオフセット輪転印刷機は、ブランケット胴と、1回転で1印刷単位長さのN倍(Nは2以上の整数)の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する版胴と、インキ供給機構と、前記ブランケット胴、前記版胴、及び前記インキ供給機構が装着されたフレームと、を有する元のオフセット輪転印刷機を改変することで新たに製作されたオフセット輪転印刷機であって、1回転で1印刷単位長さの1倍の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する新たな版胴を、ブランケット胴に隣接して取り付け可能であり、また、新たな版胴を前記取り外した版胴の回転数のN倍の回転数で駆動可能である版胴駆動手段を取り付け可能であり、さらに、新たな版胴に装着された刷版にインキを供給可能であるようにインキ供給機構を取り付け可能である新たなフレームに対して、前記新たな版胴が設けられ、新たな版胴を前記取り外した版胴の回転数のN倍の回転数で駆動可能である版胴駆動手段が設けられ、新たな版胴に装着された刷版にインキを供給可能であるようにインキ供給機構が設けられて構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る別のオフセット輪転印刷機では、新たなブランケット胴を取り付け可能であり、新たなフレームに、前記ブランケット胴に換えて、装着されたブランケット表面の直径は前記ブランケット胴と同一でありながらブランケット装着のための溝を変更した新たなブランケット胴が取り付けられた構成をさらに含むこととすることができる。
さらに、本発明に係る別のオフセット輪転印刷機において、新たなフレームには、新たな版胴に装着された刷版に湿し水を供給可能であるように、湿し水供給機構が取り付け可能であり、新たな版胴に装着された刷版に湿し水を供給可能である湿し水供給機構を取り付けた構成をさらに含むこととすることができる。
本発明によれば、1印刷単位長さの複数倍の周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機の、少なくともインキ供給機構及び湿し水供給機構の主要部、モーターやその回転を伝えるギヤーの多くの部分などの主要な構成、部品を流用することが可能であるため、新しく1印刷単位長さの1倍の刷版を装着する周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機に更新するのに比べて、必要となる費用が安くて済むという効果を得ることができる。さらに、従前のフレームを流用し、オフセット輪転印刷機が設置されている場所で改変を行えば、オフセット輪転印刷機のフレーム上部に構成されている、連続紙を案内する上部構造、所謂レールフレームがある場合、それを一旦解体する必要がないので、工期も短くてすむという利点が得られる。新たなフレームを採用する場合には、補助フレームを従前のフレーム内面に取り付ける必要がないので、フレーム内面の間隔寸法が狭まることがなく、従前のフレームを流用して補助フレームを使用する構成に比べて、従前のインキ供給機構及び従前の湿し水供給機構を構成する部品を、より多く流用することが可能であるとともに、新たな版胴に対する版胴駆動手段及びインキ供給機構並びに湿し水供給機構を最適な位置に精度よく配置することができる。
4×2型の新聞印刷機C2を、本発明の方法によって改変して製作した4×1型の第1実施例である新聞印刷機C12の構成を示す断面図である。 新聞印刷機C12の版胴アセンブリー120、ブランケット胴アセンブリー30及びインキ供給機構140の一部を軸と平行に展開して示した図である。 モーター11から駆動されている新たな版胴121、ブランケット胴31、そして、インキ供給機構140の新たな第3インキシリンダー147、第2インキシリンダー44及び第1インキシリンダー42、そして湿し水供給機構150の新たな水元ローラー152に駆動力を伝える駆動系統を示した図である。 新聞印刷機C2から不要となる構成及び改変のための構成を取り外した状態を示す断面図である。 新聞印刷機C2の構成を示す断面図である。 新聞印刷機C2の版胴アセンブリー20、ブランケット胴アセンブリー30及びインキ供給機構40の一部を軸と平行に展開して示した図である。 モーター11から駆動されている版胴21、ブランケット胴31、そして、インキ供給機構40の第1インキシリンダー42及び第2インキシリンダー44、湿し水供給機構50の水元ローラー52に駆動力を伝える駆動系統を示した図である。 4×1型の新聞印刷機の1例である、新聞印刷機C1の構成を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
まず、本発明のオフセット輪転印刷機の製作方法について、その実施例として新聞印刷機を例にとって図を参照して説明する。ここで、図5は、4×2型の新聞印刷機C2の構成を示す断面図である。また、図6は、新聞印刷機C2の版胴アセンブリー20、ブランケット胴アセンブリー30及びインキ供給機構40の一部を軸と平行に展開して示した図である。さらに、図7は、モーター11から駆動されている版胴21、ブランケット胴31、そして、図示しないギヤーを介して、インキ供給機構40の第2インキシリンダー44及び第1インキシリンダー42、湿し水供給機構50の水元ローラー52に駆動力を伝える駆動系統を示した図である。なお、図7中の矢印は、駆動されている胴、ローラー及びシリンダーの回転方向を示している。
新聞印刷機C2は、連続紙Wの両面に印刷可能なオフセット輪転印刷機であり、連続紙Wを挟んで、版胴アセンブリー20、ブランケット胴アセンブリー30、インキ供給機構40、湿し水供給機構50と、それらを回転駆動するモーターアセンブリー10がそれぞれ配置された構成となっている。
版胴アセンブリー20は、軸21a、21bを有する版胴21、軸受けが組み込まれたスリーブ22a、22b、軸21aに取り付けられた版胴ギヤー23からなっている。
版胴21の周面には、周長方向に新聞1ページの縦の長さの2倍の寸法、そして、その軸方向に新聞1ページの横幅の2倍の寸法の図示しない刷版を2枚並べて、都合新聞1ページの横幅の4倍の寸法の刷版を装着することができる。
ブランケット胴アセンブリー30は、軸31a、31bを有するブランケット胴31、軸受けが組み込まれたスリーブ32a、32b、軸31aに取り付けられたブランケット胴ギヤー33からなっている。
ブランケット胴31の周面には、幅が新聞1ページの横幅の2倍の寸法に対応する図示しないブランケットが、軸方向に2枚、隙間のないように並べて巻き付けられ、装着されている。ブランケット胴31に装着されているブランケット表面までの直径は、版胴21に装着された刷版表面までの直径と略同じである。なお、ブランケット胴31に装着されているブランケット表面までの直径と、版胴21に装着された刷版表面までの直径との関係については、等径法やトルーローリング法といった考え方が既知である。
版胴21は、両端の軸21a、21bをそれぞれ軸受けが組み込まれたスリーブ22a、22bによって回転可能に支持されている。スリーブ22a、22bは、新聞印刷機C2の一対のフレームf2a、f2bに設けられている穴h2a、h2bに嵌合されている。一方の軸21aは、スリーブ22aよりさらにフレームf2aの外面に突き出ており、版胴ギヤー23が取り付けられている。
ブランケット胴31は、両端の軸31a、31bを、それぞれ軸受けが組み込まれたスリーブ32a、32bによって回転可能に支持されている。そして、スリーブ32a、32bは、新聞印刷機C2の一対のフレームf2a、f2bに設けられている穴に嵌合されている。一方の軸31aは、スリーブ32aよりさらにフレームf2aの外面に突き出ており、ブランケット胴ギヤー33が取り付けられており、ブランケット胴ギヤー33は、隣接する版胴アセンブリー20の版胴ギヤー23と噛み合っている。また、スリーブ32a、32bは、支持している軸31a、31bの中心と、フレームf2a、f2bの穴に嵌合されている外周面の中心が偏心しており、スリーブ32a、32bを適宜な機構によって角変位させることによって、隣接する版胴21に装着されている刷版とブランケット胴31に装着されているブランケットとの相互間に、予め設定された転写圧を発生させる印刷位置と、相互間に隙間が得られる非印刷位置との2位置にブランケット胴31を移動して位置決めできる。
また、隣接する版胴21に装着されている刷版とブランケット胴31に装着されているブランケットとの相互間に予め設定された転写圧を発生させる印刷位置では、一方のブランケット胴31と隣接する他方のブランケット胴31の周面との間に挟んだ連続紙Wに対して予め設定された印圧を発生させ、隣接する版胴21に装着されている刷版とブランケット胴31に装着されているブランケットとの相互間に隙間が得られる非印刷位置では、2つのブランケット胴31、31の周面の間に隙間が得られるように、スリーブ32a、32bの偏心位置関係が設定されている。
モーターアセンブリー10は、モーター11(図5に破線で示す)、フレームf2aの外面にモーター11を取り付ける図示しないブラケット、モーター11の出力軸に取り付けられている図示しない駆動元ギヤー、駆動元ギヤーと版胴アセンブリー20の版胴ギヤー23の双方に噛み合って、モーター11の駆動力を版胴21に伝える図示しないアイドルギヤーからなっており、モーターアセンブリー10と版胴ギヤー23とによって版胴駆動手段を形成している。
版胴ギヤー23は、前述のとおり、モーターアセンブリー10のアイドルギヤーと噛み合っているとともに、ブランケット胴ギヤー33とも噛み合っている。
版胴ギヤー23とブランケット胴ギヤー33は同じ歯数であり、版胴21とブランケット胴31は同じ回転数で逆向きに回転する。
なお、新聞印刷機C2においては、連続紙Wを挟んで左右に配置されている一方のブランケット胴アセンブリー30のブランケット胴ギヤー33と、他方のブランケット胴アセンブリー30のブランケット胴ギヤー33とは、フレームf2a外面からの距離を異ならせてあり、噛み合っていないが、一方のモーター11と他方のモーター11は、印刷を行う際には同期がとられ、1対のブランケット胴31、31及び版胴21、21は同じ回転数で、かつ、連続紙Wの表裏の印刷位置が整合するように制御されて駆動される。
インキ供給機構40は、モーター11とは別の駆動源によって駆動されるインキ供給源41、例えばインキレール、あるいはインキつぼ等から供給されるインキを、第1インキシリンダー42、渡りローラー43、第2インキシリンダー44を経由して2本のインキ着けローラー45、46によって刷版21に供給する。第1インキシリンダー42及び第2インキシリンダー44は、モーター11の駆動力によって駆動されている。図6のギヤー44eは、第2インキシリンダー44の軸44aに取り付けられており、図示しないギヤーを介して、モーター11の駆動力によって回転駆動される。第1インキシリンダー42も同様に図示しないギヤーを介して、モーター11の駆動力によって回転駆動される。第2インキシリンダー44を回転可能に支持しているスリーブ44c、44dには、インキ着けローラー45を回転可能に支持するブラケット45c、45dとインキ着けローラー46を回転可能に支持するブラケット46c、46dが取り付けられている。
湿し水供給機構50は、例えばスプレーノズルである湿し水供給源51から供給される湿し水を、水元ローラー52を経由させて水着けローラー53によって版胴21に装着されている刷版に供給する。水元ローラー52は、図示しないギヤーを介してモーター11の駆動力によって回転駆動されている。
次に、版胴が新聞1ページの縦の長さ(1印刷単位長さ)の1倍の長さを印刷する刷版を装着する周長である新聞印刷機の製作工程及びその工程に従って製作された新聞印刷機について、その概要を説明する。
図1は、4×2型の新聞印刷機C2を、本発明の方法によって改変して製作した4×1型の第1実施例である新聞印刷機C12の構成を示す断面図である。また、図2は、新聞印刷機C12の版胴アセンブリー120、ブランケット胴アセンブリー30及びインキ供給機構140の一部を軸と平行に展開して示した図である。さらに、図3は、モーター11から図示しない新たなアイドルギヤーを介して駆動されている新たな版胴121、ブランケット胴31、そして、図示しないギヤーを介して、インキ供給機構140の新たな第3インキシリンダー147、第2インキシリンダー44及び第1インキシリンダー42、そして湿し水供給機構150の新たな水元ローラー152に駆動力を伝える駆動系統を示す図である。なお、図3中の矢印は、胴、ローラー及びシリンダーの回転方向を示している。
4×1型の新聞印刷機C12を製作するにあたり、まず、4×2型の新聞印刷機C2の版胴アセンブリー20を取り外す。新たな版胴アセンブリー120は、軸121a、121bを有する版胴121、軸受けが組み込まれたスリーブ122a、122b、軸121aに取り付けられた版胴ギヤー123からなっている。そして、新たな版胴アセンブリー120を、版胴121がブランケット胴31に隣接する位置に取り付ける。
版胴121の周面には、周長方向に新聞1ページの縦の長さの1倍、そしてその軸方向に新聞1ページの横幅の2倍の寸法の図示しない刷版を2枚並べて都合新聞1ページの横幅の4倍の寸法の刷版を装着することができる。
版胴121は、両端の軸121a、121bをそれぞれスリーブ122a、122bによって回転可能に支持されており、スリーブ122a、122bは新聞印刷機C12の一対のフレームf2a、f2bの内側に取り付けられた補助フレームf1a、f1bの穴に嵌合されている。一方の軸121aはスリーブ122aよりさらにフレームf2aの外面に突き出ており、版胴ギヤー123が取り付けられている。
前述の、版胴121がブランケット胴31に隣接する位置とは、ブランケット胴アセンブリー30のスリーブ32a、32bを角変位させて、ブランケット胴31を印刷位置と非印刷位置とに移動させることによって、版胴121に装着されている刷版とブランケット胴31に装着されているブランケットとの相互間に、印刷位置では予め設定された転写圧が得られ、また、非印刷位置では相互間に隙間が得られる位置である。
版胴21に換えて新たな版胴121とすることによって、版胴の径が半分になるため、版胴121に装着された刷版にインキを供給する2本のインキ着けローラー45、46と湿し水を供給する水着けローラー45は、版胴周面に接することができなくなる。
そこで、従前のインキ供給機構40は、そのインキ供給源41、第1インキシリンダー42、渡りローラー43、第2インキシリンダー44と1本のインキ着けローラー45までを流用し、インキ着けローラー46を取り外して、インキ着けローラー45に接触可能な新たな第3インキシリンダー147と新たな2本のインキ着けローラー148、149を追加設置する改変を行い、改変インキ供給機構140とする。これによって、新たな版胴121にインキを供給可能にするものである。
また、従前の湿し水供給機構50は、湿し水供給源51の一部、例えば複数のスプレーノズルが装着されたスプレーバーを流用して改変し、改変湿し水供給源151とし、新たな水元ローラー152と新たな水着けローラー153を設置する改変を行い、改変湿し水供給機構150として新たな版胴121に湿し水を供給可能にするものである。
一方、版胴周長が半分になるので、周面速度をブランケット胴31と同じにするために、新たな版胴121は従前の版胴21の2倍の回転数で駆動する必要がある。したがって、新たな版胴121の軸121aに取り付けられている版胴ギヤー123は、従前の版胴21の軸21aに取り付けられていた版胴ギヤー23の半分の歯数となる(ピッチ円直径も半分となる。)。
新たな版胴121は、従前のブランケット胴31に隣接して設けるので、版胴ギヤー123は、フレームf2aの外面からの距離を版胴ギヤー23と同じにすれば、ブランケット胴ギヤー33とは噛み合う位置関係となる。しかし、フレームf2aの外面に取り付けられ、版胴ギヤー23と噛み合っていたモーターアセンブリー10のアイドルギヤーとは、噛み合わなくなる。
そこで、従前のアイドルギヤーを取り外し、モーター11の出力軸に取り付けられている駆動元ギヤーと、版胴ギヤー123との双方に噛み合う、図示しない新たなアイドルギヤーを設けることによって、版胴駆動手段を改変し、新たな版胴121を従前の版胴21の2倍の回転数で駆動可能とする。新たなアイドルギヤーは、適宜な歯数のギヤーをフレームf2aの外面の適宜な位置に取り付けることによって、モーター11の駆動力を版胴121に伝える。なお、モーター11の位置を変えることも可能であり、その場合は、モーター11を取り付けるブランケットを新たなブランケットとしてもよい。
従前の版胴ギヤー23と噛み合ってインキ供給機構40の第2インキシリンダー44、第1インキシリンダー42及び湿し水供給機構50の水元ローラー52に駆動を伝えていた図示しないギヤーも、新たな版胴ギヤー123とは噛み合わなくなる。
しかも、改変インキ供給機構140や改変湿し水供給機構150の駆動されるシリンダー、ローラーの位置や本数が変わるので、それらに駆動を伝えるギヤーも一部を移設し、さらに新たなギヤーを追加する等によって、第1インキシリンダー42、第2インキシリンダー44、新たな第3インキシリンダー147及び新たな水元ローラー152を駆動可能とする。
なお、電気配線、油、水及びエアー配管、カバー類に関しては、説明を省略している。また、インキ着けローラー及び水着けローラーのトリップ機構、各ローラー間のニップ調整機構等の付帯機構の改変は、適宜行うものとして説明を省略する。さらに、構成や取り付け位置に変更はないが、以下に説明する作業を行ううえで、一時的に取り外し、あるいは移動する必要があるものについても説明を省略している。
さらに詳しく説明を加える。まず、4×2型の新聞印刷機C2から不要となる構成及び改変のために取り外す構成を以下に示す。
(1)版胴アセンブリー20。
(2)インキ供給機構40のインキ着けローラー46。
(3)湿し水供給機構50。
(4)モーターアセンブリー10のアイドルギヤー。
図4は、輪転印刷機C2から上記構成(1)〜(4)を取り外した状態を示す断面図である。2点鎖線で示す穴h2a(h2b)は、版胴アセンブリー20のスリーブ22a(22b)が嵌合されていた穴であり、穴h5a(h5b)は、湿し水供給機構50の水元ローラー52のスリーブが嵌合されていた穴である。
次に、フレームf2a、f2bに対して後述する補助フレームf1a、f1bを含む新たな部品や移設する部品を取り付けるために必要なねじ穴等を加工する。また、必要に応じて新たに取り付ける部品が干渉する部位の切り欠きや穴あけ加工も行う。
そして、予め、新たな版胴アセンブリー120、改変インキ供給機構140の新たに追加される第3インキシリンダー147、インキ着けローラー148、149及び改変湿し水供給機構150が取り付けられるように加工がされている補助フレームf1a、f1bを、フレームf2a、f2bの内面にボルト等によって取り付ける。また、加工が施された補助フレームf1a、f1bは、フレームf2a、f2aに加工されている既存の穴や側端面を基準として取り付け位置が決められるようになっている。
フレームf2a、f2bに位置決めされ、取り付けられた補助フレームf1a、f1bに、新たな版胴121を含む新たな版胴アセンブリー120と、新たな版胴121に装着される刷版へインキを供給するために改変された改変インキ供給機構140の新たなインキシリンダー147及びスリーブ147a、147b、新たな2本のインキ着けローラー148及びブラケット148a、148b並びにインキ着けローラー149及びブラケット149a、149bと、新たな版胴121に装着される刷版へ湿し水を供給するために改変された改変湿し水供給機構150の改変された湿し水供給源151と、新たな水元ローラー152及び図示しないスリーブと新たな水着けローラー153と図示しないブラケットを取り付ける。
一方、フレームf2aの外面の、新たな版胴121の軸121aの端部に取り付けられている版胴ギヤー123は、前述のとおり、新たなアイドルギヤーを介してモーター11によって駆動可能とする。
さらに、新たなインキシリンダー147の軸端に取り付けられているギヤー147e、新たな水元ローラー152の軸端に取り付けられている図示しない水元ギヤーに、モーター11から版胴ギヤー123を介して駆動力を伝えるための図示しない新たな複数のギヤーを取り付ける。
上記の工程を行うことによって、4×2型の新聞印刷機C2を基にして4×1型の新聞印刷機C12を製作することができる。なお、本発明の駆動系統については、図3に示すものには限られず、種々の変形形態を採用することが可能である。
上述した第1実施例の新聞印刷機C12の基となる新聞印刷機C2は、連続紙を挟んで右側の版胴及びブランケット胴と左側の版胴及びブランケット胴とを、別々の2台のモーターによって駆動するタイプであったが、左右のブランケット胴の軸端に取り付けられているギヤーが噛み合う構成にして右側、あるいは、左側のモーター1台によって両側の版胴及びブランケット胴を駆動するタイプの印刷機においても、モーターから版胴を駆動するための改造が1個所ですむ他は、本実施例と同様に、1印刷単位長さの1倍の周長である版胴を有するオフセット輪転印刷機に作り変えることができる。
なお、補助フレームに取り付ける新たな構成、あるいは部品及び改変された構成は、本実施形態で説明した形態に限定されるものではなく、一部あるいは全部を直接従前のフレームに取り付けることとしてもよい。したがって、補助フレームを使用しない構成を採用することもできる。
このようにして製作された、版胴周長が1印刷単位長さの1倍であるオフセット輪転印刷機は、ブランケット胴が従前のままであるため、ブランケット胴の外周面にブランケット装着のために開口する溝に沿って生じるブランケット面の凹部が広く、このブランケット面の凹部が印刷中に1印刷単位長さの1倍の周長である新たな版胴に対向することによって、新たな版胴が振動を起こす可能性がある。そこで、ブランケット胴も、従前のブランケット胴を取り外して、装着されたブランケット周面の周長は従前のブランケット胴と同一でありながら、ブランケット面の凹部を狭め、新たなブランケット胴とすることにしてもよい。
また、本出願人が取得した特許第3878622号の技術、すなわち、ブランケット胴のブランケット面の凹部に埋め部材を挿入することによって、ブランケット面の凹部を埋め部材によって充塞し、従前のブランケット胴を使用しつつ、印刷中に1印刷単位長さの1倍の周長である新たな版胴が振動を起こすことを防ぐこともできる。
ところで、印刷に際し互いに接触回転する版胴とブランケット胴間において、従前のブランケット胴の、軸方向に2枚並べて装着されているブランケット装着のために、それぞれブランケット胴周面に開口する溝の周方向位置が、新たに設ける1印刷単位長さの1倍の周長である版胴の、刷版を装着するために版胴の周面に開口している溝の位置と一致する位相関係である必要がある。
新たに設ける1印刷単位長さの1倍の周長である版胴は径が細いために、刷版を装着するための溝を、軸方向で連続する1個所に設けることが一般的である。一方、従前のブランケット胴の周面に開口する溝の位置は、軸方向で連続する1個所に設けられているとは限らない。なぜならば、ブランケット胴の周面に開口する溝の位置を、軸方向で連続する1個所に設けると、ブランケット胴間で印圧をかけられながら送られる連続紙に、印圧の全くかからない状態が周期的に発生するためである。
従って、新聞印刷機では軸方向に2枚並べて装着されるブランケット装着のための溝の位置を、周方向でずらして設ける(スタガー、又は、スタッガリングと言う)ことが多い。180度のスタガーであれば、新たに設けられる1印刷単位長さの1倍の周長である版胴の、軸方向で連続する1個所に設けられた溝とブランケット胴の溝の位置が印刷時に一致する位相関係とすることが可能であるが、ブランケット胴の溝の位置が、180度以外のスタガーであった場合は、従前のブランケット胴を使用することはできない。
その場合は、180度のスタガーの新たなブランケット胴とする。180度スタガーの新たなブランケット胴は、ブランケット装着のために開口する溝に沿って生じるブランケット面の凹部を挟めたブランケット胴とすることも、もちろんよい。
新たに設ける1印刷単位長さの1倍の周長である版胴を、従前の版胴のN倍の回転数で駆動可能となる版胴駆動手段は、歯数及び取り付け位置を変更した新たなアイドルギヤーを設けることによって改変する他にも、モーターの回転方向を逆向きとして、駆動元ギヤーを直接版胴ギヤーに噛み合わせる新たな版胴駆動手段と置き換えるようにしてもよい。また、従前の版胴駆動手段が、駆動元ギヤーと版胴ギヤーとが直接噛み合っているタイプの場合は、モーターの回転方向を逆向きとして、駆動元ギヤーと版胴ギヤーの間に新たに双方に噛み合うアイドルギヤーを追加した新たな版胴駆動手段と置き換えることとしてもよい。
新たに設ける版胴に装着された刷版にインキを供給するインキ供給機構は、従前のインキ供給機構の一部、例えば、インキ供給源及びインキシリンダーや渡りローラーを流用して改変することもできるが、すべてを新しくすることとしてもよい。その場合は、インキ供給経路が必要以上に長くならずにすみ(多数のローラーを経由させることなく)、最新のインキ供給源等を採用することもできるので、印刷品質の向上を図ることができる。
また、インキ供給機構の回転駆動されるインキシリンダーは、新たに設けるギヤーを介して印刷機の駆動モーターから駆動を得る構成に限らず、印刷機の印刷速度に同期可能なインキシリンダー駆動用モーターを新たに設けて駆動するようにしてもよい。
新たに設ける版胴に装着された刷版に湿し水を供給する湿し水供給機構は、従前の湿し水供給機構の一部、例えば、湿し水供給源であるスプレーバーを流用して改変することとしてもよいが、すべてを新しくしてもよい。その場合は、最新の湿し水供給源等を採用することもできるので、印刷品質の向上を図ることができる。
また、湿し水供給機構の回転駆動される水元ローラーは、新たに設けるギヤーを介して印刷機の駆動モーターから駆動を得る構成に限らず、印刷機の印刷速度に同期可能な水元ローラー駆動用モーターを新たに設けて駆動することとしてもよい。
さらに、新たな版胴に装着する刷版に、水なし平板を使用すれば、湿し水供給機構を設ける必要がないので、従前の湿し水供給機構を取り外すか、そのまま放置してもよい。初めから水なし平板を使用するオフセット輪転印刷機であれば、湿し水供給機構を新設して、通常の平板による印刷が可能であるようにしてもよい。
ところで、例えば、基となる4×2型の新聞印刷機(1回転で、1印刷単位長さの複数倍の長さを印刷する刷版を装着可能な周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機)が解体を伴うオーバーホールを行う時期であれば、それに合わせて4×1型の新聞印刷機(1回転で1印刷単位長さの1倍の長さを印刷する刷版を装着する周長の新たな版胴を有するオフセット輪転印刷機)への改変を行えば、従前のフレームに取り付けられている部品の多くが一旦取り外されるので、作業が行いやすい。
さらに、例えば、基となる4×2型の新聞印刷機(1回転で、1印刷単位長さの複数倍の長さを印刷する刷版を装着可能な周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機)の、解体を伴うオーバーホール、すなわち、新聞印刷機を、それが設置されている位置から一旦撤去して、然るべき場所で行う分解整備(例えば、ブランケット胴アセンブリーや版胴アセンブリーの軸受けを交換するために、それらアセンブリーの分解を伴うような整備)と合わせて前記4×2型の新聞印刷機から4×1型の新聞印刷機C12を製作する場合、第2実施例として印刷機の従前のフレームに替えて新たなフレームとすることもよい。
第2実施例では、新たなフレームには、予め、ブランケット胴アセンブリーを取り付けるための穴(ここで言う「穴」とは、軸受けが組み込まれたスリーブが嵌合される穴、及びスリーブを含む部品を取り付け、固定するための位置決め穴、並びにねじ穴を含む。以下同様。)、新たな版胴アセンブリーを取り付けるための穴、新たな版胴を従前の版胴の2倍の回転数で駆動可能とする版胴駆動手段を取り付けるための穴、及び新たな版胴にインキを供給するインキ供給機構並びに湿し水を供給する湿し水供給機構を取り付けるための穴を含む必要な各種加工をしておくことによって、ブランケット胴アセンブリー、新たな版胴アセンブリー、新たな版胴を駆動する改変された版胴駆動手段又は新たな版胴駆動手段、及び新たな版胴にインキを供給する改変されたインキ供給機構又は新たなインキ供給機構並びに湿し水を供給する改変された湿し水供給機構又は新たな湿し水供給機構を新たなフレームに取り付けることとなる。
第1実施例と同様に、ブランケット胴の溝の位置が、180度以外のスタガーであった場合は、180度スタガーの新たなブランケット胴とする。180度スタガーの新たなブランケット胴は、ブランケット装着のために開口する溝に沿って生じるブランケット面の凹部を挟めたブランケット胴とすることも、もちろんよい。
第2実施例では、補助フレームを新聞印刷機の従前のフレーム内面に取り付ける必要がないので、フレーム内面の間隔寸法が狭まることがなく、従前のフレームを流用して補助フレームを使用する構成に比べて、従前のインキ供給機構及び従前の湿し水供給機構を構成する部品を、より多く流用することが可能であるとともに、新たな版胴に対する版胴駆動手段及びインキ供給機構並びに湿し水供給機構を最適な位置に配置することができる。
以上のように、新聞印刷機の従前のフレームに替えて新たなフレームとすることによって、ブランケット胴アセンブリーのブランケット胴を回転可能に支持するスリーブは勿論、新たな版胴アセンブリーを回転可能に支持するスリーブが勘合される穴や、新たな版胴を駆動する版胴駆動手段を取り付けるための各種穴、そして、新たな版胴に、インキを供給するインキ供給機構及び湿し水を供給する湿し水供給機構を取り付けるための各種穴を、予め精度よく加工することが可能であり、しかも、補助フレームを新聞印刷機の従前のフレーム内面に取り付ける必要がないので、フレーム内面の間隔寸法が狭まることがなく、インキ供給機構及び湿し水供給機構を構成する部品を、より多く流用することが可能となる。
なお、上述した実施形態は例であって、印刷機械の用途、構成の違いによって胴、ローラー、シリンダー等の配置や数には様々な種類がある。印刷される連続紙が垂直方向に走行するオフセット輪転印刷機以外にも、連続紙が水平方向に走行するタイプもあり、その場合、ブランケット胴は連続紙を挟んで上下に配置されており、版胴は、上側ブランケット胴に対してはその周面の上側半面に隣接して配置されており、下側ブランケット胴に対してはその周面の下側半面に隣接して配置される。また、連続紙の片面に印刷を行うオフセット輪転印刷機であれば、連続紙はブランケット胴と、印刷機能を持たない、すなわち、版胴が隣接して設けられていない圧胴に挟まれてブランケット胴との間に印圧がかけられている。
1回転で、1印刷単位長さの複数倍の長さを印刷する刷版を装着可能な周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機であれば、いずれのタイプのオフセット輪転印刷機であっても、請求項に記載の方法によって1回転で1印刷単位長さの1倍の長さを印刷する刷版を装着する周長の版胴を有するオフセット輪転印刷機を製作することができる。
C1,C2,C12 新聞印刷機、10 モーターアセンブリー、11 モーター、20 版胴アセンブリー、12,21 版胴、21a,21b 軸、22a,22b スリーブ、23 版胴ギヤー、30 ブランケット胴アセンブリー、13,31 ブランケット胴、31a,31b 軸、32a,32b スリーブ、33 ブランケット胴ギヤー、14,40 インキ供給機構、41 インキ供給源、42 第1インキシリンダー、43 渡りローラー、44 第2インキシリンダー、44a,44b 軸、44c,44d スリーブ、44e ギヤー、45,46 インキ着けローラー、45a,45b,46a,46b ブラケット、15,50 湿し水供給機構、51 湿し水供給源、52 水元ローラー、53 水着けローラー、120 新たな版胴アセンブリー、121 新たな版胴、121a,121b 軸、122a,122b スリーブ、123 版胴ギヤー、140 改変インキ供給機構、147 第3インキシリンダー、147a,147b 軸、147c,147d スリーブ、147e ギヤー、148,149 インキ着けローラー、148a,148b,149a,149b ブラケット、150 改変湿し水供給機構、151 湿し水供給源、152 水元ローラー、153 水着けローラー、f1a,f1b 補助フレーム、f2a,f2b フレーム、W 連続紙。

Claims (5)

  1. ブランケット胴と、
    1回転で1印刷単位長さのN倍(Nは2以上の整数)の長さを印刷する刷版を装着可能な周長の版胴と、
    インキ供給機構と、
    を有する元のオフセット輪転印刷機から、新たなオフセット輪転印刷機を製作する方法であって、
    前記版胴を取り外す工程と、
    1回転で1印刷単位長さの1倍の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する新たな版胴を、前記ブランケット胴に隣接して設ける工程と、
    新たな版胴が前記取り外した版胴の回転数のN倍の回転数で駆動可能であるように、版胴駆動手段を改変するか、又は、新たな版胴駆動手段と置き換える工程と、
    前記インキ供給機構を、新たな版胴に装着された刷版にインキを供給可能であるように改変するか、又は、新たなインキ供給機構と置き換える工程と、
    前記ブランケット胴を、装着されたブランケット表面の直径が前記ブランケット胴と同一でありながらブランケット装着のための溝を変更した新たなブランケット胴と置き換える工程と、
    を含む処理を実行することを特徴とするオフセット輪転印刷機の製作方法。
  2. 請求項1に記載のオフセット輪転印刷機の製作方法において、
    新たな版胴に装着された刷版に湿し水を供給可能であるように、湿し水供給機構を新設するか、又は、従前の湿し水供給機構を改変するか、若しくは、新たな湿し水供給機構と置き換える工程をさらに含むことを特徴とするオフセット輪転印刷機の製作方法。
  3. ブランケット胴と、
    1回転で1印刷単位長さのN倍(Nは2以上の整数)の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する版胴と、
    インキ供給機構と、
    前記ブランケット胴、前記版胴、及び前記インキ供給機構が装着された従前のフレームと、
    を有する元のオフセット輪転印刷機から、新たなオフセット輪転印刷機を製作する方法であって、
    前記従前のフレームに取り付けられている前記ブランケット胴、前記版胴、及び前記インキ供給機構を取り外す工程と、
    前記版胴に換えて、1回転で1印刷単位長さの1倍の長さを印刷する刷版を装着できる周長を有する新たな版胴を前記ブランケット胴又は新たなブランケット胴に隣接して取り付け可能であり、また、新たな版胴を前記取り外した版胴の回転数のN倍の回転数で駆動可能である版胴駆動手段を取り付け可能であり、さらに、新たな版胴に装着された刷版にインキを供給可能であるようにインキ供給機構を取り付け可能である新たなフレームと前記従前のフレームとを取り替える工程と、
    前記新たなフレームに対して、前記新たな版胴を取り付ける工程と、
    前記新たなフレームに対して、前記新たな版胴を前記取り外した版胴の回転数のN倍の回転数で駆動可能である版胴駆動手段を取り付ける工程と、
    前記新たなフレームに対して、前記新たな版胴に装着された刷版にインキを供給可能であるインキ供給機構を取り付ける工程と、
    前記新たなフレームに対して、前記ブランケット胴又は前記新たなブランケット胴を取り付ける工程と、
    を含む処理を実行することを特徴とするオフセット輪転印刷機の製作方法。
  4. 請求項3に記載のオフセット輪転印刷機の製作方法において、
    前記新たなフレームに対して前記ブランケット胴又は前記新たなブランケット胴を取り付ける工程は、前記新たなフレームに、装着されたブランケット表面の直径が前記ブランケット胴と同一でありながらブランケット装着のための溝を変更した新たなブランケット胴を取り付ける工程であることを特徴とするオフセット輪転印刷機の製作方法。
  5. 請求項3又は4に記載のオフセット輪転印刷機の製作方法において、
    新たなフレームには、新たな版胴に装着された刷版に湿し水を供給可能であるように湿し水供給機構が取り付け可能であり、
    新たな版胴に装着された刷版に湿し水を供給可能である湿し水供給機構を取り付ける工程をさらに含むことを特徴とするオフセット輪転印刷機の製作方法。
JP2011094810A 2010-06-16 2011-04-21 オフセット輪転印刷機の製作方法 Expired - Fee Related JP5505885B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011094810A JP5505885B2 (ja) 2010-06-16 2011-04-21 オフセット輪転印刷機の製作方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010137001 2010-06-16
JP2010137001 2010-06-16
JP2011094810A JP5505885B2 (ja) 2010-06-16 2011-04-21 オフセット輪転印刷機の製作方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012020572A JP2012020572A (ja) 2012-02-02
JP5505885B2 true JP5505885B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=45775216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011094810A Expired - Fee Related JP5505885B2 (ja) 2010-06-16 2011-04-21 オフセット輪転印刷機の製作方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5505885B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109866499A (zh) * 2019-04-15 2019-06-11 如皋市昌晨印刷机械有限公司 一种方便内部维护的组合式双面双开水润版胶印机

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009196269A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 輪転印刷機
JP5537271B2 (ja) * 2010-06-07 2014-07-02 西研グラフィックス株式会社 2倍版胴輪転機の1倍版胴取替方法及び輪転機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012020572A (ja) 2012-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7699000B2 (en) Device for mounting a cylinder in a printing unit, and method for adjustment of a print on-position
US7752964B2 (en) Printing unit on a web-fed rotary printing press
US8069785B2 (en) Printing groups of a printing press
US7779757B2 (en) Printing units on a web-fed rotary printing press
US7156018B2 (en) Printing couple in a printing machine with a pivotable transfer cylinder
US8069786B2 (en) Printing groups comprising at least two cooperating cylinders and radially movable bearing units
US20100319560A1 (en) Color deck of a printing machine
US20090205520A1 (en) Drive units of a rotating component of a printing press
US7032510B2 (en) Mounting for cylinders of a printing machines
CN105517803A (zh) 用于调整印刷机的导墨的旋转体的方法和装置
JP5505885B2 (ja) オフセット輪転印刷機の製作方法
CN102666102B (zh) 具有端面上的侧机架的印刷机的印刷单元
US9216567B2 (en) Printing press with several inking units
JP4427628B1 (ja) 印刷胴装置及び印刷胴装置を備えた輪転印刷機
CN104010820B (zh) 印刷机的侧机架
US7484458B2 (en) Printing group including cylinders supported for movement
JP5537271B2 (ja) 2倍版胴輪転機の1倍版胴取替方法及び輪転機
JP4318109B2 (ja) フォーム印刷機における印刷部の紙送り速度調整装置
JP2007509780A (ja) インカ駆動シャフトレスユニット
JP3554303B2 (ja) 新聞オフセット輪転機の版胴
JP5791209B2 (ja) 2倍版胴輪転機の1倍版胴取替方法及び輪転機

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140310

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5505885

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees