JP5499026B2 - ベクトル化されたdslクロストークキャンセル - Google Patents

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Description

[優先権の主張および関連出願への相互参照]
本願は、米国特許法第119条(e)項およびその他の米国法等の法に基づいて、以下の優先権の利益を主張する。
「DATA COMMUNICATION NETWORKING METHOD FOR CROSSTALK CANCELLATION IN DMT−BASED DIGITAL SUBSCRIBER LINE SYSTEM(DMTに基づくデジタル加入者線システムにおけるクロストークキャンセルのためのデータ通信ネットワーク接続方法)」という名称の、2008年6月10日出願の米国特許出願第61/060,415号(代理人整理番号2202−p91p)。当該出願の全開示内容を、あらゆる目的のために参照により全体として本明細書に援用する。
「INCREMENTALLY DEPLOYABLE NODE−SCALE VECTORED DSL ONT/DSLAM SYSTEM(増分的に配備可能なノード規模でベクトル化されたDSL ONT/DSLAMシステム)」という名称の、2008年11月19日出願の米国特許出願第61/116,034号(代理人整理番号2202−p95p)。当該出願の全開示内容を、あらゆる目的のために参照により全体として本明細書に援用する。
[技術分野]
本発明は、概して、ベクトル化されたDSL通信システムの分野に関する。
[背景]
デジタル加入者線(DSL)通信は、クロストークを含む様々な形態の干渉を受ける。この干渉およびそれがデータ伝送に及ぼす悪影響と闘うために様々な技術が開発されている。
ベクトル化されたDSLは、かねてから開発における対策の1つとなっている。各DSL回線のベクトル化の際にデータ伝送およびデータ処理のボトルネックを生じることなく、改良されたベクトル化されたDSL性能および動作を提供するシステム、装置および/または他のハードウェア実装は、当該技術における重要な進歩となるであろう。
本発明は、添付の図面と共に以下の詳細な発明によって容易に理解されよう。当該図面においては、同じ参照符号は同じ構造要素を示す。
図1は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトル化されたDSLシステムのブロック図である。 図2は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトル化されたDSLシステムの一部分のブロック図である。 図3は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトル化されたDSLシステムのブロック図である。 図4は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトル化モジュールあるいはベクトル化カードのブロック図である。 図5は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトル化されたDSLシステムのブロック図である。 図6は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトル化されたDSLシステムのブロック図である。 図7は、本発明の実施形態を実装することができるDSLデータ処理ストリームのブロック図である。 図8は、本発明の実施形態を実装することができるDSLAMモデムのブロック図である。 図9A〜図9Dは、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトル化されたDSLシステムとのDSLAMモデムチップインタフェースのブロック図である。 図10A〜図10Eは、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトル化データネットワーク構成の様々なブロック図である。 図11は、本発明の1つまたは複数の実施形態に関連して用いられる例示的なデータ伝送構成を示すブロック図である。 図12は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトルプロセッサユニットの例示的な論理実装である。 図13は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係る、2つのVPUを実装しかつ少なくとも1つのモデムチップとインタフェースする例示的なベクトルプロセッサである。 図14は、ベクトル化用のユーザデータを提供する4つの回線カードを備えた専用のベクトル化モジュールを示すDSLAMアーキテクチャの実施形態である。 図15は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトル化されたDSLシステムにおける構成要素のクロック同期を示す。 図16は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るパケット構造の一例である。
[詳細な説明]
以下の詳細な説明では1つまたは複数の実施形態に言及するが、本発明はこのような実施形態に限定されない。むしろ、当該詳細な説明および提示されるあらゆる実施形態はあくまで例示のためのものである。当業者には、本発明がこれらの限定された実施形態だけにとどまらないため、図面に関連して本明細書中に示された詳細な説明は説明の目的で提供されているということが容易に理解されよう。
特定のシステム構成要素に言及するために、説明および特許請求の範囲の全体にわたってある決まった用語を用いる。当業者に理解されるように、コンピュータ企業などの企業は、構成要素を異なる名称で呼ぶことがある。本開示は、名称は異なるが実質的には異ならない構成要素を区別することを目的としているわけではない。「に結合される」および「に接続される」などのような語句は、本明細書中、2つのデバイス、要素、および/または構成要素間の接続を説明するために用いられ、物理的および/または電気的に、直接に結合されること、あるいは、例えば1つもしくは複数の介在要素もしくは構成要素を介してかまたは適切な場合には無線接続によって、間接的に結合されることを意味するものである。「チップ」という用語は、例えばデータを処理するために、規定されたように動作するハードウェアデバイスを広く指称し、様々な種類のこのようなデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理(DSP)チップ、特定用途向け集積回路(ASIC)、集積回路(IC)など)を含み得る。「システム」という用語は、2つ以上の構成要素の集合を広く指称し、システム全体(例えば、コンピュータおよび/もしくは通信システム、または、1つもしくは複数のコンピュータや通信構成要素などを含むネットワーク)、より大きいシステムの一部として設けられたサブシステム(例えば、個々のコンピュータ内部のサブシステム)、ならびに/あるいはこのようなシステムもしくはサブシステムの動作に関連するプロセスまたは方法を指称するために用いられ得る。本明細書および添付の特許請求の範囲においては、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。本明細書中で用いられる技術的および科学的用語は、別に定義されていなければ、本明細書中に開示および論述された主題に関係のある技術分野における通常の知識を有する者にとって矛盾しない同一の意味を有する。
本明細書において本発明の「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、「一実施形態」などに言及することは、このような実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体にわたって様々な箇所に前述の語句が出てくるが、必ずしもそのすべての場合において同一の実施形態に言及しているわけではない。
クロストークがなければ、理論的には、既存の銅線電話インフラストラクチャで、離散マルチトーン(DMT)デジタル加入者線(DSL)モデム技術を用いて毎秒数十〜数百メガビットを約5000フィートまでの距離に搬送することが可能である。DMTモデムは、利用可能帯域幅を、同期されかつデジタルQAMデータで独立して変調される多くのサブキャリアに分割し、ネットワークと加入者との間に集合的通信チャネルを形成する。DMTに基づくDSLシステムは、典型的に、周波数分割多重化(FDM)を用い、特定のサブキャリアを、下り(すなわち、ネットワーク/COから加入者/ユーザへ)または上り(加入者/ユーザからネットワーク/COへ)方向のいずれかに割り当てる。このFDM戦略は、近端クロストーク(NEXT)を制限する。DMTシステムは、典型的に、無線周波数干渉(RFI)およびその他の種類の周波数選択的ノイズ(もしくは干渉)またはチャネル分散の存在下で非常に頑強である。これは、システム要件および所望のビット誤り率を満たすために、各サブキャリアを適切な量のデータおよび電力で独立して変調することが可能であるからである。
典型的な電話バインダケーブルは、典型的に、10〜50の非シールド銅ツイストペア線を含む(そして、これらのバインダは束ねられてより大きいケーブルにされる)。製造時のばらつきと不完全なケーブル設置(例えば、曲げなど)により、バインダ内部の各ツイストペア線間(および隣接するバインダ間)に重大なレベルの遠端クロストーク(FEXT)が発生する。FEXTに関するより具体的な論述は、カリフォルニア州レッドウッドシティのアダプティブ・スペクトラム・アンド・シグナル・アラインメント社(Adaptive Spectrum and Signal Alignment)およびスタンフォード大学(Stanford University)によって出願された様々な特許出願に記載されている。特に、以下の特許および公開された出願を、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用する。
文献番号・公開日・名称
US6,512,797・2003年1月28日・Peak to average power ratio reduction(ピーク対平均電力比の低減)
US6,424,681・2002年7月23日・Peak to average power ratio reduction(ピーク対平均電力比の低減)
US6,314,146・2001年11月6日・Peak to average power ratio reduction(ピーク対平均電力比の低減)
US7,394,752・2008年7月1日・Joint reduction of NEXT and FEXT in xDSL systems(xDSLシステムにおけるNEXTおよびFEXTの共同低減)
US7,158,563・2007年1月2日・Dynamic digital communication system control(動的なデジタル通信システムの制御)
US7,027,537・2006年4月11日・Iterative multi−user detection(反復マルチユーザ検出)
US6,990,196・2006年1月24日・Crosstalk identification in xDSL systems(xDSLシステムにおけるクロストーク識別)
US6,829,307・2004年12月7日・Express bit swapping in a multicarrier transmission system(マルチキャリア伝送システムにおける高速ビットスワッピング)
US5,479,447・1995年12月26日・Method and apparatus for adaptive, variable bandwidth, high−speed data transmission of a multicarrier signal over digital subscriber lines(デジタル加入者線を通じたマルチキャリア信号の適応型可変帯域幅高速データ伝送のための方法および装置)
US20020136397・2002年9月26日・Crosstalk identification in xDSL systems(xDSLシステムにおけるクロストーク識別)
US20030086362・2003年5月8日・Joint reduction of NEXT and FEXT in xDSL systems(xDSLシステムにおけるNEXTおよびFEXTの共同低減)
US20030086514・2007年5月8日・Dynamic digital communication system control(動的なデジタル通信システムの制御)
US20070081582・2007年4月12日・Dynamic digital communication system control(動的なデジタル通信システムの制御)
WO/2005/057857・2005年6月23日・DSL system estimation and parameter recommendation(DSLシステム推定およびパラメータ推奨)
WO/2005/057315・2005年6月23日・Adaptive margin and band control(適応マージン制御及び適応帯域制御)
WO/2005/057837・2005年6月23日・Adaptive FEC codeword management(適応FEC符号語管理)
WO/2005/094052・2005年10月6日・High speed multiple loop DSL system(高速マルチループDSLシステム)
WO/2005/114861・2005年12月1日・FEXT determination system(遠端漏話決定システム)
WO/2005/114924・2005年12月1日・Incentive−based DSL system(奨励を基本としたDSLシステム)
WO/2006/051359・2006年5月18日・Interference cancellation system(干渉キャンセルシステム)
WO/2006/018716・2006年2月23日・DSL data collection system(ディジタル加入者線のデータ収集システム)
WO/2006/048770・2006年5月11日・Communication device identification(通信デバイスの識別)
WO/2006/092730・2006年9月8日・DSL system estimation including known DSL line scanning and bad splice detection capability(既知のDSL回線走査及び不良スプライス検出機能を含むDSLシステム推定)
WO/2006/103557・2006年10月5日・DSL state and line profile control(DSL状態及びラインプロファイルの制御)
WO/2006/120511・2006年11月16日・QR decomposition in DSL equalizers using real givens rotations(実数ギブンズ(REAL GIVENS)回転を使用するDSLイコライザにおけるQR分解)
WO/2006/120521・2006年11月16日・DSL system estimation and control(DSLシステム推定および制御)
WO/2006/120510・2006年11月16日・Phantom use in DSL systems(DSLシステムにおける擬似使用)
WO/2006/129141・2006年12月7日・Tonal precoding in multi−user vectored DSL transmission(マルチユーザベクトル化DSL転送におけるトーナルプリコーディング)
WO/2006/129140・2006年12月7日・DSL system training(DSLシステムトレーニング)
WO/2006/129143・2006年12月7日・Adaptive GDFE(適応GDFE)
WO/2006/131792・2006年12月14日・User−preference−based DSL system(ユーザ嗜好ベースDSLシステム)
WO/2006/131794・2006年12月14日・User−preference−based DSL system(ユーザ嗜好ベースDSLシステム)
WO/2006/131793・2006年12月14日・DSL system loading and ordering(DSLシステムのローディングとオーダリング)
WO/2006/131791・2006年12月14日・Vectored DSL nesting(ベクトル化されたDSLネスティング)
WO/2006/136883・2006年12月18日・Dynamic minimum−memory interleaving(動的最小メモリインタリーブ)
WO/2006/129145・2006年12月7日・Self−learning and self−adjusting DSL system(自己学習および自己調整DSLシステム)
WO/2006/120513・2006年11月16日・Binder identification(バインダ識別)
WO/2007/008835・2007年1月18日・DSL system estimation(デジタル加入者回線システムの推定)
WO/2007/008836・2007年1月18日・Adaptive margin and band control(マージンおよび帯域の適応制御)
WO/2007/044326・2007年4月19日・DSL system(DSLシステム)
WO/2007/130877・2007年11月15日・Methods and apparatus to combine data from multiple sources to characterize communication systems(多数のソースからのデータを組み合わせて通信システムの特性を決定するための方法および装置)
WO/2007/130878・2007年11月15日・Methods and apparatus to perform line testing at customer premises(顧客宅内で回線テストを行うための方法および装置)
WO/2007/130879・2007年11月15日・Video streaming diagnostics(ビデオストリーミング診断)
WO/2007/146048・2007年12月21日・Vectored DSL system(ベクトル化DSLシステム)
WO/2008/016585・2008年2月7日・Method and apparatus for analyzing and mitigating noise in a digital subscriber line(デジタル加入者線における雑音を分析しかつ低減する方法及び装置)
WO/2008/045332・2008年4月17日・Interference cancellation system(干渉除去システム)
WO/2008/045525・2008年4月17日・High speed multiple user multiple loop DSL system(高速マルチユーザマルチループDSLシステム)
WO/2008/073327・2008年6月19日・DSL ring signal compatibility(DSL呼出信号互換性)
典型的なケーブル敷設、設置および配備技術の結果として、各ツイストペア線は、そのバインダ内(または外)の他の多くのツイストペア線と、ケーブル内でかなりの距離にわたって物理的に隣接する。製造上のばらつきによりFEXTレベルにばらつきは出るが、最終的には、すべての銅ペア線がケーブル内の事実上すべての他の銅ペア線にいくらかの量のFEXTを与えることになる。多くの場合において、FEXTは回線上のバックグラウンドノイズレベルよりも40dB以上も高くなり得、クロストークは典型的には周波数とともに増加する。ケーブル測定により、1つ1つの回線がその回線の性能に影響を及ぼす妨害源を少なくとも5〜10、しばしばそれよりも多く有することが示されている。このため、FEXTは、比較的短いループ(例えば、4,000フィート未満)上のDMT DSLシステムにおいて高いデータ速度に到達する上での主な障害となっている。
「ベクトル化」と呼ばれる高度な信号処理技術は、銅電話ケーブル内部のツイストペア線間のFEXTをキャンセルし、格段に高いデータ速度を可能にすることができる。ベクトル化は、当業者によく知られており、G.ギニス(Ginis)およびJ.チオッフィ(Cioffi)による「Vectored Transmission for Digital Subscriber Line Systems(デジタル加入者線システムのためのベクトル化された伝送)」(IEEE JSAC ツイストペア伝送特集号(special issue on twisted−pair transmission)、20巻、5号、1085−1104頁、2002年6月)ならびにG.ギニスおよびJ.チオッフィによる「Vectored−DMT: A FEXT Canceling Modulation Scheme for Coordinating Users(ベクトル化されたDMT:ユーザを調和させるためのFEXTキャンセル変調スキーム)」(IEEE ICC 2001 会報(Proceedings of IEEE ICC 2001)、1巻、ヘルシンキ、フィンランド、305−09頁、2001年6月)においてより詳細に説明されている。これらの両文献を、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用する。
ベクトル化の基本原理は、電話ケーブル内のすべてのツイストペア線間で通信を調和させるというものである。当該ケーブル内のツイストペア線のすべてがDSLAM(DSLアクセス多重化装置)として知られる1つの中心位置で終端するため、DSLAMは、この通信を調和させる当然の位置となる。ベクトル化システムにおいて効果的にモデムをベクトル化するには、モデムが、同一DMTシンボルクロックに同期されていなければならず、かつ、被害モデムに特定の妨害源−被害モデムペア間のクロストークチャネル特性を識別させるために、予め決められたトレーニングデータパターン(モデムそれぞれに特有である)を有する同期されたトレーニング/トラッキング周期を有していなければならない。当業者に理解されるように、このようなシステムにおいてクロストークを識別するための技術は、DSLシステムおよびそれらの実装に関する様々な適用可能な規格に記載されているかもしれない1つまたは複数の技術を含めて、様々なものが存在する。
トレーニングなどの際に決定された「クロストークトポグラフィ」つまりマッピング(典型的には、DSL回線間の様々な相互作用/クロストーク関係を表す行列とみなされるまたは考えられる)を用いて、伝送予補償(例えば、プリコーディング)を下り方向(DSLAMから顧客敷地へ)で用いることが可能である。実際には、所与のモデムについての伝送波形を、多くの他のモデム(すなわち、当該所与のモデムの信号に著しく影響を及ぼすFEXTを与えるその他のモデム)によって使われている伝送波形に基づいて予め歪ませ、予め歪ませられたモデム信号がその顧客側端末に到達する時までに、干渉FEXTが効果的に相殺されその影響がなくなるようにする。上り方向(顧客敷地からDSLAMへ)では、上流の受信側で上りFEXTをキャンセルするために、DSLAMにおいてMIMO(多入力・多出力)空間フィルタリングが用いられる。FEXTフィルタキャンセル係数の識別およびトラッキングは、当業者によく知られているように、LMS(最小平均二乗)適応アルゴリズムなどの最小二乗タイプの方法を用いて行われ得る。FEXTフィルタ係数の識別をサポートするためのトレーニング信号は、VDSL2のような公知のDSL規格の改訂版に組み込まれ得る。
1つの電話会社(telco)の「電話局(central office)」、「CO」、「ノード」、「キャビネット」などで終端する典型的な電話ケーブルまたは多数のケーブルの集まりは、50から2,000辺りの(またはそれを超える)ツイストペア線を含み得、ツイストペア線は十数のバインダケーブルに分けられ得る。電話会社の配備慣行の結果として、同一バインダケーブル内のツイストペア線に割り当てられたモデムが同一の回線カードまたはDSLAMシャーシに接続されないことがある。このことは、顧客がDSLサービスに加入するときに電話会社がシャーシに回線カードを追加する(または1つもしくは複数の追加のシャーシを増設する)ために起こる。モデムポートは、ユーザの身元や下流端末の位置などに基づいてグループにまとめられるのではなく、「先着順」に割り当てられる。たとえ電話会社の慣行が異なっていても、電話回線をその元のバインダに従って分離する(バインダグループ管理として知られる慣行)のは、操作上の(誤りを起こしがちな)難題である。経験的なケーブル測定によると、電話会社のノードにおける「切換盤(cross box)」つまりパッチパネルの使用により、隣接するバインダ、または同じ電話会社のノードで終端する異なるケーブルからでも、重大なFEXT結合が生じ得ることが示されている。これらのパッチパネルは、個々の銅ペア線(異なるバインダまたは電話会社ケーブルからのものも含み得る)をDSLAM回線カード上の特定のモデムポートにマッピングするために用いられる。
別の関連した問題は、多数のモデムポートを接合する慣行である。接合することで、単一のモデムポートでは所望のデータ速度を提供できない状況において、顧客データ速度を増加させることが可能になる。単一のモデムポートで始めた顧客は、その顧客への付加サービスを提供するためにアップグレードとして追加された第2のポートを得ることができる(このため、多ポートDSLサービスは、より多くのデータを搬送する、より速い速度で動作する、などの潜在能力を有する)。多くの現行システムでは、接合されたモデムポートは同一の回線カードに接続されることが要求される。このことは、上述のように、バインダグループ管理が実用的でないのと同様の理由で、ほとんどの電話会社にとって実用的でない。
最後に、DSLベクトル化の演算要求、特にユーザデータ信号に関してのクロストーク情報のリアルタイム処理が、データ伝送および処理のボトルネックなどの問題を生じさせる。迅速に処理する(待ち時間/遅延を低減するため)ことが必要な大容量のデータを、効率的に伝送および処理しなければならない。本発明の実施形態は、これらの大量のデータのこのような効率的な取り扱いおよび処理を、ベクトル化中のDSL回線の待ち時間および/または性能に悪影響をほとんど与えることなく提供するシステム、装置および方法を提供するものである。
ベクトル化を実施するには、シャーシ内の各モデムが、当該シャーシ(またはさらには多数のシャーシユニット)内のその他のモデムと、リアルタイムのFEXT情報を交換しなければならない。典型的なDSLモデムは、4kHz〜8kHzの範囲のDMTシンボルレートを用いており、FEXTキャンセルは、エンドツーエンド(end−to−end)のモデムシステムの全体の待ち時間の悪化を回避するために、ベクトル化される帯域幅について、DMTシンボル当たり1回、数DMTシンボル程度(またはそれ以下)の処理遅延で行われなければならない。このことにより、各回線カードがそのモデムのそれぞれからのリアルタイムのFEXT情報をシステム内のその他のモデム(システム内の別の回線カードまたはシャーシ上のモデムを含み得る)のそれぞれと共有する、複雑で難しいデータネットワーク接続環境が作られる。典型的なDSLAMシステムにおいては、ベクトル化情報の通信フローが毎秒数十ギガビットになり得る。現世代のDSLAM銅バックプレーンは、一般に、このさらなる通信負荷を取り扱うことができず、将来のDSLAM銅バックプレーンには、合理的な複雑性および動作性能でこの通信フローに対処するための実用的な方法が必要である。
本発明の実施形態は、ベクトル化されたDSLシステムに立ちはだかる通信ボトルネックをなくすまたは大幅に低減する装置、システム、方法などを含む。これらの実施形態は、ポート数が少ないシステム(例えば、単一回線カードシステム)から、数千のモデムポートが多数の回線カードおよび/または多数のシャーシに散在するはるかに大きいシステムに至るまで、スケーラブルである。本発明の実施形態は、光相互接続技術(多シャーシシステムまたは従来のシャーシ設備に対する回線カードアップグレードの場合)ともうまく機能し、すべての通信が銅バックプレーン上の単一のDSLAM内部をまたは高帯域幅銅相互接続を用いて流れる将来の銅相互接続技術ともうまく機能する。本発明の実施形態は、電話会社が多数の回線カードおよび/または多数のシャーシに渡ってモデムポートを仮想的に接合できるようにする「仮想接合(virtual bonding)」を可能にもする。
図1は、ツイストペア回線114上の通信を制御するDSLモデム112(例えば、マルチポートデバイス)を回線カード110が含むベクトル化データ通信システム100を示す。多数の回線カード110が、図1のXAUI回線108などのような高速通信装置を介して、集中ベクトル化モジュール120(例えばベクトル化カードであってもよい)であり得るかまたはそれを含み得るベクトル化制御エンティティ(VCE)に接続される。XAUIは、10ギガビット・イーサネット(10GbE)のMACおよびPHY層間のXGMII(10ギガビット・メディア・インディペンデント・インタフェース)を拡張するための規格であり、モデム112を回線カードベクトルルータ構成要素(VRC−L)118に接続するために、このような高速データ通信回線116を用いることができる。モデム112は1つのVRC−L118のみに接続すればよく、したがって、特定のベクトル化配備の複雑性(例えば、ポートや回線カードなどの数)が各モデム112から隠されるため、VRC−L118はモデム112のための抽象化層を形成する。
各モデム112から各自のVRC−L118へのベクトル化データフローは、下りおよび上りの通信についての周波数領域サンプル、すなわち下りベクトル化用のIFFT入力伝送(TX)データおよび/または上りベクトル化用のFFT出力受信(RX)データを含む。ベクトル化モジュール120からVRC−L118を介して各モデム112へ返されるデータは、他のベクトル化システムモデムからのクロストーク干渉を防止および/または除去するために調整および/または処理された、モデムのクロストークが調節された(すなわち、ベクトル化された)IFFT入力および/またはFFT出力データである。各回線カード110内のVRC−L118は、当該回線カードのモデム112とベクトル化モジュール120との間のインタフェースとして働く。高速通信回線108(例えば、10〜40Gbpsもしくはそれ以上の光または銅相互接続)は、各回線カード110上のVRC−L118を、ベクトル化モジュール120上の対応するVRC−V122にネットワーク接続する。10〜40Gbpsは、ベクトル化モジュール120と各回線カード110との間で実装可能な一般的なデータ通信要件である。現在は、これは、電気的バックプレーンを通じてであろうと光ケーブルを通じてであろうと、たいてい、5Gbpsもしくは10GbpsのXAUI回線またはそれと同様のものの集合体である。
ベクトル化モジュール120上のVRC−V122は、モデムベクトル化データストリームを、システム要件によって規定された通りに、1つまたは複数のベクトルプロセッサ(VPC)124におけるその後のクロストークキャンセル用のサブ帯域に細分する。ベクトルプロセッサは、「ベクトルプロセッサ構成要素」および/または「演算デバイス」などとも指称されることがある。すなわち、各モデムにおける通常の(すなわち、ベクトル化されていない)データストリームからデータを取り出し、周波数単位で(例えば、トーンごとに、トーンのグループで、など)データのクロストーク処理を行うことができるように、周波数特性によって定義されるデータ束に再編成する。処理が済むと、データを、クロストーク除去処理用の周波数単位の束からもう一度再編成し、モデムによる伝送/使用のために再構築する。
例えば、上りおよび下りの帯域を、1つまたは複数のVRC(例えば、VRC−L/VRC−Vの対)によって、個々のVPCへとベクトルルーティングすることができる。ベクトルルータは、処理またはデータ伝送のボトルネックを回避するためにモデムとベクトルプロセッサとの間でベクトル化データを効率的に移動させる目的でイーサネットネットワークと同様であり得る特殊化された「プライベート」データネットワークを実装する、特殊化されたデータネットワーク接続デバイスまたはサブシステムである。ベクトル化データのパケットは、各モデムとベクトルプロセッサデバイスとの間に専用のリンクを必要とせずにデータネットワークを通じてベクトル化データを効率的にルーティングすることを可能にするヘッダおよび/または他の状態情報を含み得る。このために、ベクトルルータは、ベクトルデータパケットを、モデムによって容易に供給されるフォーマットから、ベクトルプロセッサによって当然に利用されるフォーマットに変換もし、その後、ベクトル化実行後にまた変換して元に戻す(例えば、モデムベクトル化データストリームのインタリーブおよびデインタリーブ)。このタスクは、構成に応じて、VRC−LとVRC−Vとの間で分担されてもよく、どちらか一方のみにおいて実行されてもよい。あるいは、VPC割り当ては、均等に間隔があけられたサブ帯域(上りおよび下りの帯域割り振りとは無関係である)単位で行うことができる。ベクトル化モジュール120上のVRC−V122とVPC124との間のデータ伝送は、高速相互接続回線126(例えば、XAUIなど)を用いて行うことができる。
図16に示す例示的なパケット構造は、数多くのDSLAM側モデム(例えば、VTU−O)とベクトル化制御エンティティ(VCE)との間でのデータのリアルタイムなベクトル化を可能にする。ベクトル化用の未処理のユーザデータ(すなわち、クロストークの影響が補償されていないユーザデータ、本明細書中では「未補正の」データまたは信号ともいう)の形態のペイロードデータを含む要求パケットが、ベクトルプロセッサなどへ送信され、そこで、ベクトル化処理により、未処理のユーザデータDSL信号におけるクロストークの影響が補償される。処理済みDSLデータは、その後、ペイロードデータとして再パックされ、未処理のユーザデータの供給元であるそれぞれのモデムへ返信パケットで返信される(要求および返信パケットは典型的には同様の構成を用いる)。パケットは、すべてのモデムから送信されたベクトル化されていないデータで構築され(例えば、VRC−Lによって)、このパケットが、各トーンおよびモデム/ポート範囲ごとにシンボル当たり1回、ベクトル化処理のために送信される。基本的に、VPCへ送信されたベクトル化されていないデータは、アンパックされ、ベクトル化処理され、当該ベクトル化されていないデータパケットと同様の返信パケットに再パックされ、その後、モデムによって伝送された当該ベクトル化されていないデータと同じフォーマットでベクトル化されたデータを返す返信パケットでモデムへ伝送し戻される。VRC−Lなどによるデータのパックおよびアンパックは、回線カードおよび/またはモデムポートマップに従うので、ベクトル化されたデータが、対応するベクトル化されていないデータの抽出元モデム/ポートへ返される(すなわち、要求パケットおよび返信パケットは、それらの発生元モデムまたはモデムポートによって識別可能である)。
他のタイプのパケットを本発明の実施形態に関連して用いることが可能である。例えば、ベクトル化されたDSLシステムを適宜構成、調節などするために(例えば、モデムチップを構成、制御もしくは同期またはベクトルプロセッサを構成、制御もしくは同期するために)、上記のベクトルデータパケットとともに、ベクトルエラーパケット、ベクトル構成パケットおよびベクトル制御パケットを、ベクトル化データネットワークの全体にわたって送信可能である。本明細書中に記載のパケットはいずれも、パケットのトラッキングおよびアドレス指定が達成されるように、1つまたは複数のモデムポート識別子、モデムチップ識別子、回線カード識別子、シャーシ識別子、または少なくとも1つのDMTトーン範囲を識別する情報を含み得る。
ベクトル要求パケットに関しては、ペイロードデータは、要求パケットヘッダにおいて識別される複数のモデムポートおよびトーンセットに関する逆高速フーリエ変換サンプル、要求パケットヘッダにおいて識別される複数のモデムポートおよびトーンセットに関する高速フーリエ変換サンプル、要求パケットヘッダにおいて識別される複数のモデムポートおよびトーンセットに関する下り周波数領域データならびに/または要求パケットヘッダにおいて識別される複数のモデムポートおよびトーンセットに関する上り周波数領域データを含み得る。パケットの追加フィールドおよび構成要素を利用することが可能である(例えば、巡回冗長検査つまりCRC)。ベクトルエラーパケットは、要求パケットヘッダにおいて識別されるモデムポートおよびトーンセットに関する上りトレーニングエラーサンプル、要求パケットヘッダにおいて識別されるモデムポートおよびトーンセットに関する上りトラッキングエラーサンプル、要求パケットヘッダにおいて識別されるモデムポートおよびトーンセットに関する上りDMT同期シンボル、要求パケットヘッダにおいて識別されるモデムポートおよびトーンセットに関する下りトレーニングエラーサンプル、要求パケットヘッダにおいて識別されるモデムポートおよびトーンセットに関する下りトラッキングエラーサンプル、ならびに/または要求パケットヘッダにおいて識別されるモデムポートおよびトーンセットに関する下りDMT同期シンボルを含み得る。
図16の実施形態は、N個のポートを提供するモデム用に定義されたベクトル化データパケットフォーマットを示し、DSLベクトル化データネットワーク(「プライベートネットワーク」、「ルーティングサブシステム」、「ベクトルルーティングネットワーク」、「特殊なネットワーク」などともいう)を通じてモデムへ/から伝送されるベクトル化データはこのフォーマットを有する。VRC−Lは、モデムチップおよび回線カードを識別するためにこのようなパケットにヘッダを付加するので、パケットがVRC−Vへ(または、ベクトル化カード上にVRC−Vがない場合は、ベクトル化カード内で用いられている宛先へ)そしてさらにVPC/VPUへと流れて行っても、データ源がわかる。ベクトル処理済みデータがベクトル化カードからVRC−Lへ(または、VRC−Lが用いられていない場合は、ベクトル化データの抽出および伝送元モデムへ)戻るとき、このヘッダは、パケットを適切なモデムチップに分散し戻す前に除去される。VRC−Lおよび/またはVRC−Vは、モデムのデータ提供方法に応じて、多数のモデムチップからのパケットをVPC用のフォーマットに再構築してもよい。このようなパケットおよびヘッダの使用は(いくつかの実施形態においては、ベクトルルータの使用と相まって)、ベクトル化されたDSLシステムを、より多い(またはより少ない)ポート数に合わせて拡張(縮小)できるようにするので、各モデムとベクトルプロセッサとの間の配線による/専用のデータバスは必要ない。よって、適切なエラー信号パケットならびに構成および制御メッセージもまたネットワークを通じて流れることが可能である。
VRC118と122を対にする構成は、少なくともクロストークキャンセルの前処理に向けて、データ構成を、モデムポート単位からVPC帯域単位(または周波数セット単位)に有効に変換する。クロストークキャンセルは、周波数領域において、トーン単位、帯域単位またはトーンセット単位で行われると最も有効かつ容易に行われるため、この変換は、ベクトル化システムの実装の複雑性を大きく低減させる。VPC124内部において、各被害モデムと任意の妨害モデムのセットまたはサブセットとの間のクロストークキャンセルを可能にするために、ベクトル化システム100内のすべてのモデム112からの一致するサブ帯域(すなわち、「トーングループ」、「トーンセット」、「サブ帯域」などと指称される同じ1つまたは複数の周波数のグループ)が収集および集約される。
当業者に理解されるように、各VPC124に割り当てられるサブ帯域は、システム内の連続した周波数からなる必要がない。例えば、ベクトル化モジュール120内に6つのVPC124がある場合は、連続した各VPC124が隣の周波数または周波数ビンを取る、つまり、「第1の」VPC124が周波数1、7、13、19などを受け取り、「第4の」VPC124が周波数4、10、16などを受け取るということであってもよい。あるいは、各VPC124にトーンセット、例えば8トーンずつのグループを送信し、それにより、第1のVPC124がトーン0〜7を受け取り、第2のVPC124がトーン8〜15を受け取るようにすることができる。このようなデータ分散により、利用可能な資源のより「均等な」使用、例えば、該当VRC122から単一のVPC124へのデータダンプにより1つまたは複数の所与の通信回線126に「詰まり」が生じるのに、残りのVPC124および回線126は使用されていないという状況を防止することが可能になる。
システム100のプライベートベクトル化データネットワーク上のデータは、伝送元モデム112および伝送先VPC124を識別する特殊目的パケットからなる。あるいは、パケットタイミングによって、伝送元および伝送先アドレスを暗示することができる。各パケットは、1つのモデム112へ/からの1つのサブ帯域に関するIFFT入力(および/またはFFT出力)データからなる。DMTに基づくDSLシステムは、DMTシンボル周期(例えば、4kHzまたは8kHz)を用いて動作するため、モデム112からVPC124へのデータ通信およびその戻りのデータ通信は、利用可能なネットワーク接続帯域幅および演算資源をより効率的に使用するためにおそらくは通信および演算のパイプライン方式を用いて、DMTシンボルごとに繰り返される。トーンごとのトレーニング/トラッキングエラー信号、モデム112へ/からの診断データ、ならびに他の構成および/または管理データは、同じネットワーク接続通信経路およびパケット構造を用いることができる。
本発明の実施形態を実装するために、様々なハードウェアデバイスおよび/または構成要素を用いることができる。様々な現在のFPGAなどは、本明細書中に示す実施形態に係る構成を構築するのに好適である。例えば、アルテラ社(Altera)のStratix IV GX FPGAデバイス(例えば、EP4SGX70、EP4SGX110、EP4SGX230など)がこのような実装に適している。本発明のいくつかの実施形態においては、各VPC124は、以下に定義するような多数のVPUがプログラムされた別個のチップ(FPGA、ASICなど)である。他のハードウェア構成は当業者に明らかであろう。
図2に示すように、各VPC124は、1つまたは複数の専用のベクトル処理ユニット242(VPU)を含みまたは実装し、当該ベクトル処理ユニットのそれぞれが、モデムおよび/または妨害源のサブセットについてベクトル化を行う。VPU資源の割り振りおよび/または共有が、場合によっては有利であり、様々な方法で達成することができる。例えば、各VPC124は、所与のサブ帯域内のベクトル化のためのモデム112のすべてで時分割されたVPU242の集中セットを含み得る。あるいは、各VPC124は、当該VPC124に割り当てられたサブ帯域内の特定のモデム112専用に各VPU242が用いられるVPU242の分散セットを含み得る。多数のVPU242は、VPUディスパッチャ244などを用いて、それらのホストVPC124と1つまたは複数のVRC−V122との間の通信を調和させることができる。
VPU242は、ベクトル化されたDSLシステムを構成するすべてのモデムについてのあるトーンセット(例えば、単一のトーン、トーンのグループ、トーンの帯域またはサブ帯域など)ごとのIFFT/FFTデータのすべてを処理する。VPU242は、このデータをDMTシンボル当たり1回、やや周期的に、処理する。前述のように、いくつかの実施形態においては、各VPC124が1つまたは複数のVPU242の集合であり、各VPU242は他のVPU242と明示的な通信をすることなく独立してトーンのバッチを処理する。簡単な例示的場面においては、システムは、4096のトーンと2つのVPUとN個のモデムとを用い得る。各VPU242は、トーンを16トーンのバッチで取り扱う。
トーンは、以下のようにVPUに割り当てることができる。
VPU0:トーン0〜15、32〜47、・・・
VPU1:トーン16〜31、48〜63、・・・
この例では、モデムは、それらのFFT/IFFTデータを、0〜4095のトーン順に、VRCに基づくプライベートネットワークへ提供する。FFT/IFFTデータがVPCへルーティングされるとき、VRCは、データを、「トランプを配る」ように、2つのVPUに16トーンのバッチで分散する。このことにより、データネットワーク接続経路およびVPUは、ボトルネックが生じることなく均一にビジーな状態に維持される。トーンごとに、VPUは、ベクトル化を実行するために、NxNの行列の乗算に相当することを行う(または、ベクトル化行列が「疎」である場合には完全なNxNの乗算とはいえないかもしれない)。
各VPUは、利用された論理設計およびチップ技術に基づいて、所定の処理能力レベル(例えば、1秒当たりの複素乗算回数)を有する。さらに、ベクトル化システムにとっての「トーン当たりの」所要処理電力レベルは、モデム数Nの増加とともに高くなる。このため、所要VPU数は、システム内のモデム数と、DMT帯域幅のベクトル化されるトーンの数との関数である。したがって、ベクトル化されるトーンの数が多くかつ/またはモデム数が多いシステムは、ベクトル化を行うために、より多数のVPU資源(ひいてはVPCチップ)を必要とすることになる。すなわち、ベクトル化されたシステム内でモデム数が増加するにつれて、処理が必要な追加モデムのデータのために、各VPUが処理可能なトーン数が減少する。当業者に理解されるように、各サブ帯域の大きさは、所与の実装についてのコストおよび複雑性の限度、ならびに設計によってサポートされるDSL帯域プロファイルによって決定され得る。例えば、17MHzのVDSLプロファイルと384のモデムとを有し、モデム当たり64までの妨害源をベクトル化するシステムのための実装においては、実用的なシステムであれば、約128のVPUを有し、各VPUがDMTシンボル当たり32のトーンを処理するであろう。システムの寸法(モデム数、ベクトル化されるトーンの数など)のいかなる変化をも反映するためにVPU論理が再構成されると、ベクトルルーティングがそれに応じて調節される。
図3に示す実施形態のような本発明の実施形態においては、ベクトル化システム300が、ベクトル化モジュール120として用いられる単一のカードについての実用的な複雑性を超えることがある(例えば、消費電力、カード面積など)。図3に示すシステムは、システム300のベクトル化処理を(1つのシャーシ内、1つのモジュール内または多数のモジュール内の)多数のベクトル化カード320に分担させるあるいは割り振ることを可能にし、各カード320は、全DSL周波数帯域の一部についてクロストークキャンセルを行う。この構成を用いると、数百または数千もの同時に動作するモデムを有するシステムにおいてベクトル化を行うことができる。VPCは、モデムから流れてくるFFT/IFFTデータおよびトレーニング信号のフローによって暗黙的にほぼ同期されるものの、典型的には明示的に相互通信する必要がない。
図4に示す本発明の実施形態においては、各モデム412からベクトル化カード420へのベクトル化データ伝送経路を、二重の機能を提供し、「仮想接合」を行うためにさらに利用することができる。接合されたモデムグループ(すなわち、接合された形でユーザのために働く2つ以上のモデム)における各モデム412は、クロストークキャンセルデータを送ることに加え、顧客データストリーム(例えば、IPパケット)をこの同じ通信経路に沿って送ることができる。ベクトル化カード420上の(補助的VRC(sVRC)、接合エージェント(bonding agent)、および/または制御装置として働く)1つまたは複数の接合ルータ438が、VRC−V418を介して各回線カード上の各VRCに接続する。各接合ルータ438は、VRC−Vひいてはそれらにそれぞれ対応するVRC−L間のルーティングを行う。このことにより、ベクトル化システム内の任意の2つ以上のモデム間にデータパスが有効に作成され、当業者に理解されるように、2つのモデムのうちの一方が、集約機能を果たし、接合されたデータストリーム全体をDSLAMのアップリンク経路へ送るとすると、ベクトル化システム内で多数のモデムポートを接合することが可能になる。
図5に示す本発明のさらに別の実施形態においては、簡素化されたシステム500が単一の回線カード510に収まる(図10Aも参照)。ここでもやはり、VRC資源518が(例えば、単一のVRCが、または背面同士を合わせた2つのVRCが交互に)、モデムポートと、指定されたサブ帯域の処理を提供するVPC524との間のルーティングを提供する。
ネットワーク接続通信帯域幅があまり大きくない少数ポートシステムにおいては、図6にシステム600として示した実施形態において示されるように、VRC機能618を、各VPC624内部に直接配置することができる。例えば、FGPAがVPC624として用いられる場合、FPGA構成の一部分をルーティング機能専用にする。この場合、独立したベクトルルーティングデバイスをシステムからなくすことによって実現されるコスト削減が、追加される通信要件を上回る。図6には、VPC624間のデイジーチェーンおよびメッシュネットワーク接続650の両方が示されている。実用上は、システムの通信要件およびトレードオフに基づいて、どちらか一方が利用されるであろう(両方ではない)。
図7は、本発明の1つまたは複数の実施形態を用いて下りFEXT予補償器701および上りFEXT後補償器702の効率的な実装が達成可能であるベクトル化動作700の概略動作を示す。下り方向においては、複数のモデムからの複数のQAMデータシンボルが、すべてのモデム間の通信をトーン単位で調和させる、つまり「ベクトル化」することによってFEXT予補償され、その後、FEXT補償済みの信号を電話会社の銅ペア線上に伝送するために、IFFTおよびデジタル−アナログ変換動作がモデム単位で行われる。上り方向においては、複数の受信されたFFTサンプルが、すべてのモデム間の通信をトーン単位で調和させる、つまり「ベクトル化」することによってFEXT後補償され、その後、QAMデータシンボルの復号化がモデム単位で行われる。
図8は、本発明の1つまたは複数の実施形態を用いてベクトル化された通信をサポートするために修正された、一般に入手可能なDSLAM側VDSLモデムデバイス800のための汎用モデムポートを示す。上りFFT802の出力および下りIFFT804の入力は、ベクトルパケット符号器/復号器806(または「ベクトル化データ抽出器」)によってインターセプトされ、ベクトル化グループ内のすべてのモデム間のデータストリームのベクトル化を可能にするために、インタフェース807を介してベクトルプロセッサ808へ送信される。データストリームからデータを取り出し、処理し、「再挿入」することによって、このようなベクトルプロセッサシステムは、少数のシンボル分の待ち時間をモデムの送受信データパスに導入し得る。
図9A〜図9Dは、ベクトルプロセッサチップと通信するためのDSLAM側モデム構成のいくつかの具体的な実施形態を提供し、具体的には、モデムチップとVRCとの間の考えられ得るインタフェースを示している。図9Aは、ベクトル化に対応した、12ポート、ITU993.2プロファイル30a準拠プロファイルの、ベクトル化されたVDSL DSLAM側モデムチップ(例えば、5Gのシリアライザ/デシリアライザつまり「Serdes」タイプ)の構成を示す。マルチポートモデムチップ上のI/Oピンを効率的に利用して消費電力を低減するために、XAUIなどのような高速シリアルインタフェースを用いて、各モデムデバイスからのFFT/IFFTデータを、単一のデータネットワーク接続リンクを通じて、直接にベクトルプロセッサチップへまたは後でベクトルプロセッサへ転送するためにベクトルルータチップへ集約することが可能である。図9Bは、ベクトル化に対応した、12ポート、ITU993.2のプロファイル30a準拠プロファイルの、ベクトル化されたVDSL DSLAM側モデムチップを示す。本実施形態においては、低電圧差動信号(LVDS)インタフェース回路(1つのモデムポートにつき1つのLVDS)が用いられる。図9Cは、ベクトル化に対応した、12ポート、ITU993.2プロファイル17a準拠の、ベクトル化されたVDSL DSLAM側モデムチップ(例えば、5GのSerdes タイプ)を示す。図9Dは、ベクトル化に対応した、12ポート、ITU993.2プロファイル17a準拠の、ベクトル化されたVDSL DSLAM側モデムチップ(例えば、LVDSタイプ、2つのモデムポートにつき1つのLVDSを有する)を示す。
図10Aは、単一の回線カードがすべてのモデムポートとベクトルルータチップと必要とされるベクトル処理チップ(この例では3つのVPC)とを保持する48ポートの単一回線カードベクトル化データ通信システムの1つの実施形態を示す。48のポートは比較的簡単な構成で提供され、本システムは、効率的にFFT/IFFTデータを集約しかつ回線カードとベクトル化カードとの間をインタフェースするために、銅バックプレーンまたは光ケーブル通信のいずれかを利用する。図10Bは、ITU993.2プロファイル17a準拠の例において192のモデムポートを提供する多回線カードベクトル化データ通信システムを示す。図10Cに示す実施形態においては、VRC−Vが不要であり、そのため、VPUが各回線カードのVRC−Lと直接通信する。同様に、図10Dは、VRC−Lが不要である実施形態を示し、各モデムチップがVRC−Vと直接通信する。この実施形態においては、「手前の」2つの回線カード上のモデムチップが「手前の」VRC−Vと通信し、「奥」の2つの回線カード上のモデムチップが「奥の」VRC−Vと通信する。図10Eは、さらに別の実施形態を示す。
表1に例示的なシステム構成を示す。
Figure 0005499026
ITU993.2プロファイル8a準拠で192のポートを有するものは、〜200mW/ポート、システム全体では40Wの推定電力損失を生じる(17a準拠プロファイルで192のポートを有するものについては250mW/ポートおよび48W、30a準拠プロファイルについては400mW/ポートおよび40W)。
図11は、ベクトルルータチップ1110、1115が6つのモデム1105(モデム数は適宜変動し得る)からのデータを4つのVPC1125(VPC数もまた適宜変動し得る)へ伝達する本発明の一実施形態を示し、モデム1105からデータを収集するための掃引選択1112と、収集されたデータをベクトルプロセッサチップ1125へ分散するための掃引分散1117とを用いて当該伝達を行う。図11から分かるように、VRC−L1110は、適切な相互接続1120によってVRC−V1115に結合される。使用される/必要とされる/要求されるバス帯域幅は、例えば次のように決定することができる。
Figure 0005499026
ここで、「2」は複素演算を示す。最後に、図11に示す「ストライピング」を用いて帯域幅ボトルネックを回避することが可能である。
図12は、ベクトルプロセッサユニットの1つの例示的な論理実装を示す。この例において、サブユニットは単一トーンの処理が可能であり、図12は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係るベクトルプロセッサコアのデータパスをたどるものである。この例示的なVPUは、1度に1つのDMTトーンを処理する能力がある。各モデムからのIFFT/FFTサンプルがベクトルルータから到着すると、VPUは、この妨害源に関してFEXTをキャンセルしなければならない「被害」モデムのリストを決定する。係数表からの所定のFEXTキャンセル係数および被害モデムアドレスリストを用いて、この妨害源の影響を被害モデムごとの部分結果表に蓄積することができる(FEXTキャンセル動作の部分結果)。このトーンについて妨害源データの完全なセットがベクトルルータから受信され、FEXTキャンセルが完了すると、この部分結果表は、現在のDMTトーンについての結果として得られたベクトル化されたIFFT/FFTサンプルを含んでいることになり、その後、このベクトル化されたデータは、元のモデムポートへ伝送するためにベクトルルータへ返信される。
図13は、2つのVPU1342を実装し、少なくとも1つのモデムチップ1312とインタフェースする例示的なベクトルプロセッサ1324を示す。ベクトルプロセッサ1324は、本発明のいくつかの実施形態においては、モデムチップ1312などに接続された単一のFPGA、ASICなどに実装され得る。
図14のベクトル化データ通信システムは、ベクトル化用のユーザデータを提供する4つの回線カードを備えた専用のベクトル化モジュール1430を示すDSLAMアーキテクチャの実施形態を例示している。回線カード1410はシャーシなど1405に搭載され、各回線カードは、いくつかのモデムチップ1415とベクトル化インタフェースデバイス1420とを含む。各インタフェースデバイス1420は、ピザボックス型または回線カードであり得るベクトル化モジュール1430と光相互接続1425を介して通信する。各モジュール1430は、回線カード1410上のインタフェースデバイス1420のうちの1つと対応する回線カードインタフェースチップ1435を含む。数多くの処理チップ1440が、ユーザデータのベクトル処理に利用可能である。
図15におけるマスタ回線カード1510とスレーブ回線カード1511とを有するシステム1500に示すように、ベクトル化を正しく機能させるためには、ベクトルグループ内のすべてのモデム1512が、35.328MHzおよび4kHzとそれぞれ示されたADC/DACサンプルクロック1534およびDMTシンボルクロック1535の両方に同期されなければならない。DSLAM側モデム1512は、DSL回線1514を介して、数多くの顧客側DSLモデム1513に接続される。高速のサンプルクロックはバックプレーンまたは専用ケーブルを通じて何らかの形で分散されるとする。そして、VRC−L1518は、高速のサンプルクロックに位相固定し、低ノイズのサンプルクロックをモデムチップ1517に再分散することができる。専用の4kHzDMTシンボルクロックをバックプレーンまたは専用ケーブルを通じて送信することを回避するために、ベクトル化データの伝送を目的とする高速通信インタフェース(XAUIまたはそれと同様のもの)を用いてタイミング情報をデータパケットで送信すると有利である。高速インタフェースは十分に速い速度で動作するので、このようなタイミングパケットからおおよそのDMTシンボルタイミングを決定することができる。正確なDMTシンボルタイミング(例えば、VDSLプロトコルにおけるサイクリックプレフィックス(cyclic prefix)およびサイクリックエクステンション(cyclic extension)によって可能となる)にいくらかの許容誤差があるため、VRC−L1518は、おおよそのシンボルタイミングがその後一定のままである(すなわち、ある固定数の高速サンプルクロック周期に同期されている)とすると、おおよそのシンボルタイミングのみを決定すればよい。
本発明の多くの特徴および利点は記述から明らかであり、よって、添付の特許請求の範囲は、このような特徴および利点のすべてを包含するものである。さらに、当業者であれば多くの変形および変更を容易に想到するであろうから、本発明は、図示および記載された通りの動作および構成に限定されるわけではない。したがって、記載された実施形態は、例示的なものであって限定的なものではなく、本発明は、本明細書中に示された詳細に限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲と、現在または未来において予見可能であろうと予見不可能であろうと、その均等物の全範囲とによって定められるべきである。

Claims (47)

  1. 複数の回線カードとベクトル化モジュールとを含むベクトル化されたDSLシステムであって、
    各回線カードが、
    複数のDSLポートをそれぞれが含む複数のDSLモデムであって、各DSLポートがDSL回線に結合されている、複数のDSLモデムと、
    前記複数のDSLモデムのそれぞれに結合された回線カードベクトルルータとを含み、
    前記ベクトル化モジュールが、
    それぞれが異なる回線カードベクトルルータに結合された複数のベクトル化モジュールベクトルルータと、
    それぞれが各ベクトル化モジュールベクトルルータに結合された複数のベクトルプロセッサとを含み、
    各ベクトルプロセッサは、複数のベクトル処理ユニットを含み、各ベクトル処理ユニットは、DMTトーンのセットごとに前記複数のモデム中のすべてのモデムか、または、当該ベクトル化されたDSLシステム内の主たるクロストーク妨害源を含む前記複数のモデムのサブセットかの一方からのデータをベクトル処理するように構成され、
    さらに、ベクトル処理ユニットによるベクトル処理がクロストーク干渉を補償するシステム。
  2. 請求項1に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    各ベクトルプロセッサが、チップ、FPGA、DSPチップ、IC、ASICのうちの少なくとも1つを含むDSLシステム。
  3. 請求項1または2に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    前記複数のベクトルモジュールベクトルルータが、前記複数のベクトルプロセッサとともにベクトル化カード上に実装されるベクトル化されたDSLシステム。
  4. 請求項1、2または3に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    各回線カードベクトルルータが、
    下りベクトル化用のIFFT入力データ、
    上りベクトル化用のFFT出力データ、
    のうちの少なくとも一方を、前記複数のDSLポートから抽出し、対応するベクトル化モジュールベクトルルータへ伝送するように構成されたベクトル化されたDSLシステム。
  5. 請求項4に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    各ベクトル化モジュールベクトルルータが、回線カードベクトルルータから受信したいかなるIFFT入力データおよびFFT出力データをも、前記複数の結合されたベクトルプロセッサのうちの1つまたは複数に分散するベクトル化されたDSLシステム。
  6. 請求項1、2、3、4または5に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    各ベクトル化モジュールベクトルルータが、その結合された回線カードベクトルルータへ、前記ベクトルプロセッサのうちの1つまたは複数からの処理済みデータを伝送するように構成され、該処理済みデータは、
    下りクロストークを補償するために予め歪ませられたIFFT入力データ、
    上りクロストークを補償するためにフィルタにかけられたFFT出力データ、
    のうちの少なくとも一方を含むベクトル化されたDSLシステム。
  7. ベクトル化されたDSLシステムを動作させる方法であって、
    複数のモデムから未処理のユーザデータを収集することと、
    前記未処理のユーザデータを、ベクトルルーティングネットワークを介して、複数のベクトルプロセッサへルーティングすることと、
    前記未処理のユーザデータを、DSLトーングループ単位で、前記複数のベクトルプロセッサ中のベクトルプロセッサに分散することと、
    前記未処理のユーザデータにクロストークが及ぼす影響を補償するために、前記ベクトルプロセッサにおいて前記未処理のユーザデータを処理することによって処理済みユーザデータを生成することと、
    前記処理済みユーザデータを、前記未処理のユーザデータの収集元であるモデムに分散することとを含む方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、
    前記複数のモデムが、
    単一の回線カード上の構成、または、
    多数の回線カードにわたって分散された構成、
    のうちの一方にある方法。
  9. 請求項7に記載の方法であって、
    前記複数のモデムが、多数のシャーシ上にある方法。
  10. 請求項7に記載の方法であって、
    前記複数のベクトルプロセッサが、単一のベクトルモジュール上にある方法。
  11. 請求項7に記載の方法であって、
    前記複数のベクトルプロセッサが、多数のベクトルモジュールに分散された方法。
  12. 請求項7、8、9、10または11に記載の方法であって、
    前記DSLトーングループが、DSLトーンのサブ帯域であり、さらに、前記未処理のユーザデータを前記複数のベクトルプロセッサ中のベクトルプロセッサに分散することが、前記複数のモデム中のすべてのモデムについての第1のDSLトーンのサブ帯域に対応するデータを第1のベクトルプロセッサへ伝送することを含み、かつ、前記複数のモデム中のすべてのモデムについての第2のDSLトーンのサブ帯域に対応するデータを第2のベクトルプロセッサへ伝送することをさらに含む方法。
  13. 請求項7に記載の方法であって、
    前記複数のベクトルプロセッサが、単一のベクトル化モジュール上にあり、さらに、各ベクトルプロセッサが、DSPチップ、FPGA、またはASICである方法。
  14. ベクトル化されたDSLシステムにおけるクロストークを低減するための方法であって、
    前記DSLシステム内の複数のモデムから、未処理のユーザデータ信号を抽出することと、
    前記未処理のユーザデータを、専用のベクトルデータネットワークを通じて、複数のベクトルプロセッサへ伝送することと、
    前記未処理のユーザデータを、DSLトーンのグループ単位で、前記複数のベクトルプロセッサに割り振ることと、
    前記未処理のユーザデータにクロストークが及ぼす影響を打ち消すために、前記ベクトルプロセッサにおいて前記未処理のユーザデータを処理することによって処理済みユーザデータを生成することと、
    前記専用のベクトルデータネットワークを介して、前記処理済みユーザデータを、前記複数のベクトルプロセッサから、前記未処理のユーザデータの抽出元であるモデムへ伝送することとを含む方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、
    各ベクトルプロセッサが、チップ上に実装され、各チップが、IC、FPGA、DSPチップ、ASICのうちの少なくとも1つである方法。
  16. 請求項14または15に記載の方法であって、
    前記処理済みユーザデータを生成することが、第1のベクトルプロセッサにおける前記未処理のユーザデータを、該第1のベクトルプロセッサ内に実装された複数の処理ユニットに分散することを含む方法。
  17. ベクトル化されたDSLシステムにおける未処理のユーザデータおよび処理済みユーザデータを、複数のベクトル化されたDSLモデムと、未処理のユーザデータをトーングループ単位で処理するように構成された複数の処理ユニットとの間で伝送するためのベクトル化データネットワークであって、
    前記複数のDSLモデムと、
    1つまたは複数のベクトル化カード上に実装された1つまたは複数のベクトルプロセッサ上に実装された前記複数の処理ユニットと、
    前記複数のDSLモデムを前記複数の処理ユニットに結合するルーティングサブシステムであって、前記複数のDSLモデムからの未処理のユーザデータを前記処理ユニットへルーティングするように構成され、かつ、前記複数の処理ユニットからの処理済みユーザデータを前記複数のDSLモデムへルーティングするようにさらに構成された、ルーティングサブシステムとを含むネットワーク。
  18. ベクトルDSLシステムにおけるクロストークを低減するための方法であって、
    前記ベクトルDSLシステム内のすべてのモデムから、未補正のDSL信号を抽出することと、
    前記未補正のDSL信号を、特殊なネットワークを通じて、1つまたは複数の演算デバイスへ伝送することと、
    複数のトーンセットに関してクロストーク補正を演算することと、
    前記トーンセット単位でクロストークを補償するために前記未補正のDSL信号を補正して補正済みDSL信号を生成することと、
    補正済みDSL信号を、前記特殊なネットワークを通じて前記モデムへ返すこととを含む方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、
    前記未補正のDSL信号が、前記特殊なネットワークを通じて伝送される前にパケットに編成される方法。
  20. 請求項18または19に記載の方法であって、
    前記ベクトルDSLシステム内の前記すべてのモデムが、単一の回線カード上にある方法。
  21. 請求項18または19に記載の方法であって、
    前記ベクトルDSLシステム内の前記すべてのモデムが、複数の回線カード上にある方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、
    前記複数の回線カードが複数のシャーシ上にある方法。
  23. 請求項18、19、20、21または22に記載の方法であって、
    前記未補正のDSL信号が、複数のベクトル化カードに分散された複数のベクトルプロセッサへ伝送される方法。
  24. ベクトル化されたDSLシステムにおける複数のDSL回線を接合するための方法であって、
    未補正のDSL信号を、ベクトル化ネットワークを通じて、前記未補正のDSL信号のベクトル化を行うように構成された1つまたは複数のベクトルプロセッサへ伝送することによって、複数のモデムポートからのDSL回線を集約することと、
    クロストークの影響を補償するために前記未補正のDSL信号を補正することによってベクトル化を行うことと、
    ベクトル化を行いながら、前記複数のDSL回線の動作を調和させることとを含む方法。
  25. ベクトル化データネットワークを用いて第1のベクトル化カードに結合された複数の回線カードを含むベクトル化されたDSLシステムであって、
    各回線カードが、未処理のユーザデータを前記ベクトル化データネットワークを介して前記第1のベクトル化カードへ送信するように構成された複数のDSLモデムを含み、
    さらに、前記第1のベクトル化カードが、前記複数のDSLモデム中のすべてのDSLモデムからDSLトーンセット単位で未処理のユーザデータを取り出してベクトル処理を行い、前記未処理のユーザデータにクロストークが及ぼす影響の除去を補償して、前記複数のDSLモデムへ伝送される処理済みユーザデータを生成するように構成された複数のベクトルプロセッサを含むシステム。
  26. 請求項25に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    各ベクトルプロセッサが、DSPチップ、IC、FPGA、またはASICを含むベクトル化されたDSLシステム。
  27. 請求項25または26に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    前記ベクトル化データネットワークが、1つまたは複数のベクトルルータを含むベクトル化されたDSLシステム。
  28. 請求項27に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    少なくとも1つのベクトルルータが各回線カード上にあり、かつ、少なくとも1つのベクトルルータが前記第1のベクトル化カード上にあり、前記ベクトルルータが、前記未処理のユーザデータをトーンセット単位で編成し、前記トーンセット単位の未処理のユーザデータを前記第1のベクトル化カード上の割り当てられたベクトルプロセッサへルーティングするように構成されたベクトル化されたDSLシステム。
  29. 請求項25、26、27または28に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    各ベクトルプロセッサが、未処理のユーザデータをDSLトーンセット単位で処理するように構成された複数の処理ユニットを含むベクトル化されたDSLシステム。
  30. 請求項25、26、27、28または29に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    前記第1のベクトル化カード上の接合エージェントをさらに含み、前記接合エージェントが、前記複数のDSLモデム中の2つ以上のDSLモデムを仮想的に接合するように構成されたベクトル化されたDSLシステム。
  31. 請求項30に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    前記接合エージェントが、補助的ベクトルルータ、チップ、FPGA、DSPチップ、IC、ASICのうちの少なくとも1つを含むベクトル化されたDSLシステム。
  32. 請求項25に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    前記複数の回線カードに結合された第2のベクトル化カードをさらに含み、前記第1および第2のベクトル化カードが協働して前記複数のDSLモデムからの前記未処理のユーザデータのDSLベクトル化を行うベクトル化されたDSLシステム。
  33. ベクトル化データネットワークを用いて複数のベクトルプロセッサに結合された複数のDSLモデムを含むベクトル化カードを含むベクトル化されたDSLシステムであって、
    前記複数のDSLモデム中のすべてのDSLモデムが、未処理のユーザデータを、すべてのトーンについてモデムごとに、ベクトル化データネットワークを介して前記複数のベクトルプロセッサへ送信するように構成され、
    さらに、前記複数のベクトルプロセッサが、トーングループ単位で前記未処理のユーザデータからクロストークの影響を除去し、前記複数のDSLモデムへ送信される処理済みユーザデータを生成するために、ベクトル処理を行うように構成されたシステム。
  34. 請求項33に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    前記ベクトル化データネットワークが、前記ベクトル化カード上のベクトルルータを含むベクトル化されたDSLシステム。
  35. ベクトル化データネットワークを用いて複数のベクトルプロセッサに結合された複数のDSLモデムを含むベクトル化カードを含むベクトル化されたDSLシステムであって、
    各ベクトルプロセッサが2つのDSLモデムに結合され、
    さらに、前記複数のベクトルプロセッサが、デイジーチェーンまたはメッシュネットワークのいずれかを用いて相互接続され、
    さらに、前記複数のDSLモデム中のすべてのDSLモデムが、未処理のユーザデータを、前記ベクトル化データネットワークを介して、該DSLモデムが結合されたベクトルプロセッサへ送信するように構成され、
    さらに、前記複数のベクトルプロセッサが、トーンセット単位で前記未処理のユーザデータからクロストークの影響を除去し、前記複数のDSLモデムへ送信される処理済みユーザデータを生成するために、ベクトル処理を行うように構成されたシステム。
  36. 請求項35に記載のベクトル化されたDSLシステムであって、
    各ベクトルプロセッサがベクトルルータを含み、
    さらに、前記ベクトル化データネットワークが、前記複数のベクトルプロセッサ上の前記複数のベクトルルータを含むベクトル化されたDSLシステム。
  37. DSLAMモデムポートであって、
    下りデータを符号化するための符号化モジュールと、
    符号化された下りデータに対して逆高速フーリエ変換を行うためのIFFTモジュールと、
    該モデムポートによって受信された上りデータに対して高速フーリエ変換を行うためのFFTモジュールと、
    FFT変換された上りデータを復号化するための復号化モジュールと、
    前記DSL伝送符号化モジュールから符号化された下りデータを取り出して、前記取り出された符号化された下りデータをベクトル化処理のためにベクトル化データネットワークに伝え、
    ベクトル化処理した処理済みの符号化された下りデータを前記IFFTモジュールに伝え、
    前記FFTモジュールからFFT変換された上りデータを取り出して、前記取り出されたFFT変換された上りデータをベクトル化処理のために前記ベクトル化データネットワークに伝え、
    ベクトル化処理した処理済みのFFT変換された上りデータを前記受信側復号化モジュールに伝えるように構成されたベクトル化データ抽出器とを含むモデムポート。
  38. 複数のベクトル化されたDSLモデムポートからの未処理のユーザデータを含む要求パケットを、未処理のユーザデータをトーンセット単位で処理するように構成されたベクトル化モジュールへ伝送するように構成され、かつ、ベクトル化されたDSLシステムにおいてベクトル化処理されたユーザデータを含む返信パケットを、前記ベクトル化モジュールから前記複数のベクトル化されたDSLモデムポートへ伝送するようにさらに構成されたベクトル化データネットワークであって、
    前記複数のDSLモデムポートに高速通信装置を用いて結合された第1のルータと、
    前記ベクトル化モジュールに高速通信装置を用いて結合された第2のルータと、
    前記第1および第2のルータを結合する高速通信装置とを含み、
    各要求パケットが、要求パケットヘッダと、前記未処理のユーザデータを含む要求パケットペイロードデータとを含むネットワーク。
  39. 請求項38に記載のベクトル化データネットワークであって、
    要求パケットが、ベクトルデータパケット、ベクトルエラーパケット、ベクトル構成パケット、ベクトル制御パケットのうちの少なくとも1つであるように構成されたベクトル化データネットワーク。
  40. 請求項38または39に記載のベクトル化データネットワークであって、
    前記要求パケットヘッダが、1つまたは複数のモデムポート識別子、モデムチップ識別子、回線カード識別子、シャーシ識別子、少なくとも1つのDMTトーン範囲を識別する情報のうちの少なくとも1つを含むベクトル化データネットワーク。
  41. 請求項38、39または40に記載のベクトル化データネットワークであって、
    前記要求パケットペイロードが、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される複数のモデムポートおよびトーンセットに関する逆高速フーリエ変換サンプル、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される複数のモデムポートおよびトーンセットに関する高速フーリエ変換サンプル、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される複数のモデムポートおよびトーンセットに関する下り周波数領域データ、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される複数のモデムポートおよびトーンセットに関する上り周波数領域データ、
    のうちの少なくとも1つを含むベクトル化データネットワーク。
  42. 請求項38、39、40または41に記載のベクトル化データネットワークであって、
    前記要求パケットが、追加フィールド、巡回冗長検査のうちの少なくとも1つをさらに含むベクトル化データネットワーク。
  43. 請求項38、39、40、41または42に記載のベクトル化データネットワークであって、
    前記要求パケットが、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される前記モデムポートおよびトーンセットに関する上りトレーニングエラーサンプル、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される前記モデムポートおよびトーンセットに関する上りトラッキングエラーサンプル、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される前記モデムポートおよびトーンセットに関する上りDMT同期シンボル、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される前記モデムポートおよびトーンセットに関する下りトレーニングエラーサンプル、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される前記モデムポートおよびトーンセットに関する下りトラッキングエラーサンプル、
    前記要求パケットヘッダにおいて識別される前記モデムポートおよびトーンセットに関する下りDMT同期シンボル、
    のうちの少なくとも1つを含むベクトルエラーパケットであるベクトル化データネットワーク。
  44. 請求項38、39、40、41または42に記載のベクトル化データネットワークであって、
    前記要求パケットが、モデムチップを構成、制御もしくは同期またはベクトルプロセッサを構成、制御もしくは同期するように構成された情報を含むフィールドを含むベクトル構成および制御パケットであるベクトル化データネットワーク。
  45. 請求項38、39、40、41、42または43に記載のベクトル化データネットワークであって、
    前記要求パケットが、その発生元モデムポートによって識別されるベクトル化データネットワーク。
  46. 請求項38、39、40、41、42または43に記載のベクトル化データネットワークであって、
    各返信パケットが、その対応する要求パケットと同様に構成されたベクトル化データネットワーク。
  47. 複数の回線カード上の複数のベクトル化されたDSLモデムポートからの未処理のユーザデータを含む要求パケットを、未処理のユーザデータをトーンセット単位で処理するように構成されたベクトル化モジュールへ伝送するように構成され、かつ、ベクトル化されたDSLシステムにおいてベクトル化処理されたユーザデータを含む返信パケットを、前記ベクトル化モジュールから前記複数のベクトル化されたDSLモデムポートへ伝送するようにさらに構成されたベクトル化データネットワークを含み、該ネットワークが、
    各回線カード上に配され、該回線カード上の前記複数のDSLモデムポートのために働く回線カードルータと、
    前記ベクトル化モジュールのために働くベクトル化モジュールルータと、
    各回線カードルータを対応するベクトル化モジュールルータに結合する高速通信装置とを含むベクトル化されたDSLシステムであって、
    前記ベクトル化データネットワークが、各ベクトル化されたDSLモデムポートからの未処理のユーザデータを、モデムポートごとのすべてのトーンについてのデータの集合から、トーンのサブ帯域ごとの多数のベクトル化されたDSLモデムポートからのデータの集合に変換し、
    さらに、各要求パケットが、要求パケットヘッダと、未処理のユーザデータを含む要求パケットペイロードデータとを含むシステム。
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