JP5498227B2 - 滑り覚検知装置及び滑り覚検知方法 - Google Patents

滑り覚検知装置及び滑り覚検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、多軸力センサなどの力覚センサを用いて滑り覚を検知する滑り覚検知装置及び滑り覚検知方法に関する。
ロボットハンド等の自動作業機械では、その作業動作上で、作業対象物に対して力を加えたり、外界から力の作用を受けたりする。この場合、自動作業機械では、自身に加わる外部からの力やモーメントを検出し、当該力やモーメントに対応した制御を行うことが要求される。力やモーメントに対応する制御を高精度で行うためには、外部から加わる力とモーメントを正確に検出することが必要となる。
そこで従来から、外力に比例した変形量に基づき力を測定する弾性式力覚センサが提案されている。弾性式力覚センサは、原理的な構造として、外力に応じて弾性変形する起歪体の部分に複数の歪検出用抵抗素子を設けた構造を有するものが知られている。弾性式力覚センサの起歪体に外力が加わると、起歪体の変形度合い(応力)に応じた電気信号が複数の歪検出用抵抗素子から出力される。これらの電気信号に基づいて起歪体に加わった2成分以上の力等を検出することができる。弾性式力覚センサで生じる応力の測定は、上記電気信号に基づいて算出される。
弾性式力覚センサの一種として、起歪体部分に複数の歪検出用抵抗素子を備えた多軸力センサが知られている。例えば、6軸力センサは、外力を、直交座標系の3軸(X軸、Y軸、Z軸)の各軸方向の応力成分(力:Fx,Fy,Fz)と、各軸方向のトルク成分(モーメント:Mx,My,Mz)に分け、6軸成分として検出するものである。
6軸力センサの従来例として特許文献1に開示される6軸力センサは、半導体製造プロセスを利用して半導体基板上の起歪体の部分に複数の歪検出用抵抗素子を所定の配置パターンで一体的に組み付けている。当該6軸力センサは、ほぼ正方形の平面形状を有する板状の半導体基板から成り、周囲部分の支持部と、中央部分に位置する平面形状がほぼ正方形の作用部と、正方形の作用部の4つの辺の各々と支持部の対応部分との間を連結する連結部とから構成されている。歪検出用抵抗素子は、正方形作用部の各辺と連結部との間の境界部に設けられる。この6軸力センサによれば、起歪体の部分の形態を改良し、複数の歪検出用抵抗素子の配置パターンを最適化するとともに、歪検出用抵抗素子と同等の熱影響を受ける位置であって、かつ応力の影響を受けない位置に温度補償用抵抗素子を設けることで、高精度な応力検出を行うことができる。
一方、ロボットハンド等の自動作業機械では、把持した対象物が滑って落下することなどを防止するために、対象物から受ける接触力や、接触力の作用位置等を測定して、対象物の滑りを滑り覚として検知することが行われている。
例えば、特許文献2には、接触力の作用に対抗して固定されるべき根元片の先端部に、センサ片を介して、接触力を直接に受けるべき指先片を突設し、センサ片には、根元片寄りの第1検出位置と指先片寄りの第2検出位置の夫々に、各検出位置に作用する曲げモーメントを検出するためのセンサを設け、第1検出位置及び第2検出位置における曲げモーメントの検出値に基づいて、指先片に作用する接触力の作用位置を導出する触覚センサ装置が開示されている。この触覚センサ装置によれば、接触力の作用位置の変化に基づいて、把持した対象物が滑っているか否かを感知することができる。
特開2006−125873号公報 特開平8−254471号公報
しかしながら、ロボットハンド等の自動作業機械に滑り覚を検知させるために、前記した多軸力センサなどの力覚センサの他に、特許文献2に記載のような触覚センサ装置を設けると、部品点数が大幅に増加して、装置の複雑化や大型化に加え、製造コストの増大を招くこととなる。
そのため、力覚センサだけで滑り覚をも検知することが望まれていた。
本発明は、これらの事情に鑑みて成されたものであり、力覚センサを用いて滑り覚を検知する滑り覚検知装置及び滑り覚検知方法を提供することを課題とする。
本発明に係る滑り覚検知装置は、対象物と前記対象物に接触する接触部との間に生じた滑りを検知する滑り覚検知装置であって、歪検出用抵抗素子を用いて前記接触部に印加された外力を検出する力覚センサと、前記歪検出用抵抗素子に所定周波数の初期信号を入力する信号入力部と、前記歪検出用抵抗素子からの出力信号を周波数解析する周波数解析部と、前記周波数解析部において検出された周波数成分のうち、前記初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が閾値を超える場合は、前記対象物と前記接触部との間に滑りが生じたと判定し、前記初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が前記閾値以下である場合は、前記対象物と前記接触部との間に滑りが生じていないと判定する滑り覚判定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る滑り覚検知方法は、対象物と前記対象物に接触する接触部との間に生じた滑りを検知する滑り覚検知方法であって、前記接触部に印加された外力を検出する力覚センサに設けられた歪検出用抵抗素子に所定周波数の初期信号を入力する初期信号入力ステップと、前記歪検出用抵抗素子からの出力信号を周波数解析する周波数解析ステップと、前記周波数解析部において検出された周波数成分のうち、前記初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が閾値を超える場合は、前記対象物と前記接触部との間に滑りが生じたと判定し、前記初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が前記閾値以下である場合は、前記対象物と前記接触部との間に滑りが生じていないと判定する滑り判定ステップと、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、対象物と接触部との間に滑りが生じた場合、対象物と接触部との摩擦による振動が力覚センサに伝達され、歪検出用抵抗素子の抵抗値が周期的に変化する。歪検出用抵抗素子には、所定周波数の初期信号が入力されているため、歪検出用抵抗素子からの出力信号は、初期信号による所定周波数の波形と、この周波数とは異なる摩擦の振動による周波数の波形との合成波形となる。そして、この検知信号を周波数解析し、初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が予め設定した所定の閾値を超える場合には、対象物と接触部との間に滑りが生じたと滑り覚判定部が判定する。これにより、力覚センサ以外のセンサを設けることなく、対象物と接触部との間に滑りが生じたことを検知することができる。
また、前記接触部の表面はエラストマーで被覆されており、前記初期信号の周波数は、前記エラストマーの固有周期よりも高く設定されているのが好ましい。
かかる構成によれば、接触部の表面がエラストマーで被覆されているので、対象物が滑ったときに振動を生じ易い。また、エラストマーの固有周期は金属などの固有周期に比較して低い(例えば数十Hz程度)ため、初期信号の周波数を高く(例えば数kHz程度)設定することによって、初期信号の周波数成分と滑りによる周波数成分との相違が明確になり、検出精度を向上させることができる。
本発明によれば、力覚センサを用いて滑り覚を検知する滑り覚検知装置及び滑り覚検知方法を提供することができる。
本実施形態に係る滑り覚検知装置を適用した自動作業機械の概略側面図である。 (a)は、接触部と力覚センサの断面図であり、(b)は、力覚センサの斜視図である。 配線を除外して示した力覚センサの平面図である。 力覚センサの平面図である。 歪検出用抵抗素子と温度補償用抵抗素子の電気接続関係を示す回路図である。 (a)は、センサ出力信号の処理回路を示すブロック図であり、(b)は、演算部のブロック図である。 (a)は、センサ出力信号の波形を模式的に示すグラフであり、(b)は、時間t1から時間t2におけるセンサ出力信号を周波数解析したスペクトル分布図である。 滑り覚検知装置の動作フロー図である。
本発明の第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態では、部品などの対象物を把持して製品に組み付ける自動作業装置に本発明を適用した場合を例にとって説明する。
図1は、本実施形態に係る滑り覚検知装置を適用した自動作業機械の概略側面図である。
図1に示すように、自動作業装置Rは、例えばいわゆるロボットハンドであり、製品を製造する工場のラインに沿って設置されている。自動作業装置Rは、床面に設置された装置本体R1と、装置本体R1の上部に設置された腕部R2と、腕部R2の先端に設けられた把持部R3と、を有している。
腕部R2は、複数の関節部rを有しており、水平方向或いは垂直方向に回動して、先端の把持部R3を所望の位置や向きに配置することが可能になっている。
把持部R3は、対象物たる部品Pに接触する一対の接触部R4と、一対の接触部R4を互いに近接・離間させる駆動部R5とを有している。接触部R4の内部には、接触部R4が部品Pから受ける外力Fを検知するための力覚センサ1が設置されている。
装置本体R1は、腕部R2や把持部R3の動作を制御する制御部R6や電源装置(図示省略)等を有している。
自動作業装置Rは、例えば、予め記憶されたプログラムにしたがって、作業台Dに載置された対象物たる部品Pを把持部R3で把持した後、腕部R2を駆動して製品の取付位置まで部品Pを運搬し、部品Pを製品に取り付ける動作を行う。
図2の(a)は、接触部と力覚センサの断面図であり、(b)は、力覚センサの斜視図である。
図2(a)に示すように、接触部R4は、中空筒状を呈する金属製の本体部R4aと、この本体部R4aの表面に被覆されたエラストマーR4bと、を有している。
接触部R4には、部品Pを把持するときに部品Pから受ける反力F1と、部品Pが滑ったときに、部品PとエラストマーR4bとの間に生じる摩擦力F2と、が作用する。
なお、以下の説明においては、反力F1と摩擦力F2とを合わせて外力Fという場合がある。
本体部R4aの先端側は、ドーム状に形成されて閉塞されており、本体部R4aの基端側は、駆動部R5(図1参照)に連結されている。
エラストマーR4bは、いわゆるゴムであり、例えばシリコーンゴムやフッ素ゴムなどで構成されている。エラストマーR4bは、本体部R4aを構成する金属材料などに比較して低い固有振動数を有しており、接触部R4と部品Pとの間に滑りが生じたときに、低い周波数の振動を発生させる機能を有している。
力覚センサ1は、例えば6軸力センサであり、外力Fを、直交座標系の3軸(X軸、Y軸、Z軸)の各軸方向の応力成分(力:Fx,Fy,Fz)と、各軸方向のトルク成分(モーメント:Mx,My,Mz)に分け、6軸成分として検出する機能を有している。
力覚センサ1は、図2(a),(b)に示すように、台座11と、円筒形の減衰機構12と、力覚センサ用チップ2とから構成される。
台座11は、例えばステンレス材(SUS)で作られた支持台部分を形成している。台座11の一端側(図2では下側)には、中央部にセンサチップ支持部11aが設けられ、周縁部に減衰機構支持部11bが設けられている。センサチップ支持部11aにはガラス台座13及び接合層14を介して力覚センサ用チップ2が取り付けられている。また減衰機構支持部11bには、接合層15を介して減衰機構12が取り付けられている。台座11の他端側11cは、本体部R4aの内部に充填された樹脂などに固定されている。
減衰機構12は、外力や荷重を受け、当該外力を連結ロッド16を介して力覚センサ用チップ2に伝達するとき、力覚センサ用チップ2に伝達される当該外力を弱くする緩衝機構である。減衰機構12は、接合部18を介して連結ロッド16の一端側を保持する円筒状の保持部12aと、保持部12aよりも大径に形成されて力覚センサ用チップ2を覆う円筒状のケース部12bと、を備えている。保持部12aは、本体部R4aの先端側の内壁に固定されている。ケース部12bには、肉抜き用の長孔12cが周方向に沿って複数形成されている。
連結ロッド16は、図2(a)に示すように、円柱状の部材であり、一端側を保持部12aに接合部18を介して保持され、他端側を力覚センサ用チップ2の作用部21(図3参照)に絶縁性を有する接合部19を介して接続されている。
次に、力覚センサ用チップ2の構成について、図3および図4を参照しながら詳細に説明する。図3は、配線を除外して示した力覚センサの平面図である。図4は、配線を含む力覚センサの平面図である。
力覚センサ用チップ2は、6軸力センサチップであり、図3に示すように、平面視で略正方形のベース部材20上に構成されている。そして、当該ベース部材20は、図3に示すように、外力F(図2、符号F1,F2参照)が伝達される作用部21と、連結部23を介して作用部21を支持する支持部22と、作用部21と支持部22とを連結する連結部23と、を備えている。
また、ベース部材20上の所定位置には、図3に示すように、外力Fの大きさや方向を検出する歪検出用抵抗素子Sと、歪検出用抵抗素子Sの温度補償を行うための素子である温度補償用抵抗素子27と、が配置されている。歪検出用抵抗素子Sおよび温度補償用抵抗素子27は、図4に示すように、配線28を介して信号電極パッド25およびGND電極パッド26と接続されている。
ベース部材20は、力覚センサ用チップ2の土台となる部材である。ベース部材20は、図3に示すように、作用部21と、支持部22と、連結部23と、を有している。また、ベース部材20には、図3に示すように、貫通孔G,H,I,J,K,L,M,Nが形成されている。ベース部材20は、例えば、シリコン等の半導体基板で構成することができる。
ベース部材20の外周縁には、各辺に沿って所要の幅にてほぼ正方形リング状のGND(接地(GROUND))配線29が形成されている。このGND配線29には、後記するGND電極パッド26が接続されている。なお、正方形リング状のGND配線29は一例であり、一定電位にするものであれば、どのようなものでもよい。
作用部21は、外力Fが印加される領域である。作用部21は、図3に示すように、力覚センサ用チップ2の中央部に形成されている。また作用部21は、前記したように、絶縁性を有する接合部19を介して減衰機構12の連結ロッド16と接合されている(図2(a)参照)。
支持部22は、連結部23を介して作用部21を支持する領域である。支持部22は、図3に示すように、力覚センサ用チップ2の周縁部に形成され、四角枠状をなしている。また支持部22は、前記したように、その全部または一部がガラス台座13及び接合層14を介して台座11のセンサチップ支持部11aと接合されている(図2(a)参照)。なお、支持部22の形状は、作用部21を支持できる形状であれば四角枠状に限られず、例えば円形枠状とすることもできる。
連結部23は、作用部21と支持部22とを連結する領域である。連結部23は、図3に示すように、作用部21と支持部22の間に形成されている。また、連結部23には、後記するように、細長いスリット状の貫通孔G,H,I,J,K,L,M,Nが所定の箇所に形成されている。
連結部23は、図3に示すように、弾性部23a1,23b1,23c1,23d1と、橋梁部23a2,23b2,23c2,23d2と、からなるT字梁状の領域23a,23b,23c,23dをそれぞれ備えている。弾性部23a1,23b1,23c1,23d1は、図3に示すように、長さ方向における両端部が支持部22の内周と接続され、中心部がそれぞれに対応する橋梁部23a2,23b2,23c2,23d2の一方の端部と接続されている。また、橋梁部23a2,23b2,23c2,23d2は、図3に示すように、長さ方向における一方の端部がそれぞれに対応する弾性部23a1,23b1,23c1,23d1と接続され、他方の端部が作用部21と接続されている。
T字梁状の領域23a,23b,23c,23dは、図3に示すように、作用部21の中心に対して4回対称となるように、力覚センサ用チップ2の四辺に対応して形成することが好ましい。このように、作用部21を中心として4回対称となるようにT字梁状の領域23a,23b,23c,23dを形成することで、支持部22が4方向からバランス良く作用部21を支持することができる。
このように、T字梁状の領域23a,23b,23c,23dを剛性の低い領域と剛性の高い領域とに分けて形成することで、作用部21に外力Fが印加された際に、弾性部23a1,23b1,23c1,23d1が、橋梁部23a2,23b2,23c2,23d2にかかる余分な歪みを吸収し、一方向への力またはモーメントの印加による力覚センサ用チップ2全体の歪みの発生を抑制することができる。従って、特定の方向の力またはモーメントに対応する歪検出用抵抗素子Sに選択的に歪みを発生させることができ、他軸干渉を大幅に抑制することができる。
なお、他軸干渉とは、単一成分の力の入力があった際に、その他の成分の力の入力が「0」であるにも関わらず、ノイズ等の外乱によって測定結果が「0」とならない現象、すなわち、力またはモーメントの測定値が他軸の力またはモーメントによって変動する現象のことを指している。
貫通孔(第1貫通孔)G,H,I,Jは、図3に示すように、ベース部材20の厚さ方向に貫通して形成された略直線状のスリット孔である。貫通孔G,H,I,Jは、前記した作用部21と支持部22と連結部23とを機能的に分離する役割を果たしている。力覚センサ用チップ2は、このような貫通孔G,H,I,Jを有することにより、作用部21に印加された外力Fを支持部22等に分散させずに、後記する歪検出用抵抗素子Sに集中させることができ、作用部21に印加された外力Fをより正確に検出することができる。
貫通孔(第2貫通孔)K,L,M,Nは、図3に示すように、ベース部材20の厚さ方向に貫通して形成された鉤状のスリット孔である。貫通孔K,L,M,Nは、前記した剛性の低い領域とした弾性部23a1,23b1,23c1,23d1と、剛性の高い領域とした橋梁部23a2,23b2,23c2,23d2と、を機能的に分離する役割を果たしている。力覚センサ用チップ2は、このような貫通孔K,L,M,Nを有することにより、作用部21に印加された外力Fを支持部22等に分散させずに、後記する歪検出用抵抗素子Sに集中させることができ、作用部21に印加された外力Fをより正確に検出することができる。
歪検出用抵抗素子Sは、力覚センサ用チップ2において、外力Fの大きさや方向を検出するための素子である。歪検出用抵抗素子Sは、変形に比例して抵抗値が変化する物質で構成されており、外力Fの印加による歪みを抵抗値の変化として検出する。歪検出用抵抗素子Sは、例えば、半導体製造工程においてベース部材20にボロン等の不純物をイオン注入することで形成することができる。歪検出用抵抗素子Sは、圧縮による歪みが発生した場合に抵抗値が減少し、引っ張りによる歪みが発生した場合に抵抗値が増加する。
歪検出用抵抗素子Sは、図3に示すように、ベース部材20上に形成されるとともに、作用部21と連結部23との接続部分にあたる変形発生部に複数形成されている。ここで変形発生部とは、図3に示すように、作用部21に印加される外力Fによる歪みが最も発生する作用部21と橋梁部23a2,23b2,23c2,23d2との接続部分近傍のことを指している。歪検出用抵抗素子Sは、図3に示すように、橋梁部23a2,23b2,23c2,23d2の長軸方向に対して各々が平行となるように形成されている。
歪検出用抵抗素子Sは、図4に示すように、配線28を介して信号電極パッド25およびGND電極パッド26と接続されている。
信号電極パッド25およびGND電極パッド26は、歪検出用抵抗素子Sおよび温度補償用抵抗素子27に対して所定周波数の電圧信号を印加するための電極パッドである。信号電極パッド25およびGND電極パッド26は、図4に示すように、配線28を介して、それぞれの歪検出用抵抗素子Sおよび温度補償用抵抗素子27と接続されている。
また、信号電極パッド25は、後記する信号入力部9(図5参照)と接続されている。
温度補償用抵抗素子27は、歪検出用抵抗素子Sの温度補償を行うための素子である。温度補償用抵抗素子27は、環境温度の変化によって抵抗値が変化する物質で構成されており、環境温度の変化を抵抗値の変化として検出する。温度補償用抵抗素子27は、例えば、半導体製造工程においてベース部材20にボロン等の不純物をイオン注入することで形成することができる。
温度補償用抵抗素子27は、歪検出用抵抗素子Sと温度条件が同じ素子で構成されている。また、温度補償用抵抗素子27は、図3に示すように、ベース部材20上に形成されるとともに、ベース部材20上の12個の歪検出用抵抗素子Sと対応させて、歪検出用抵抗素子Sの近傍である所定の位置に12個配置されている。
温度補償用抵抗素子27は、図3に示すように、印加される外力Fによる歪みの影響を受けない場所に配置されている。すなわち、温度補償用抵抗素子27のそれぞれは、図3に示すように、対応する歪検出用抵抗素子Sの近傍であって、自由端となっている貫通孔K,L,M,Nの内側周縁部の近くに配置されている。力覚センサ用チップ2は、このように外力Fの影響を受けない場所に温度補償用抵抗素子27を配置することで、チップ周辺の環境温度のみを検出することができる。
温度補償用抵抗素子27は、図4に示すように、配線28を介して信号電極パッド25およびGND電極パッド26と接続されている。
配線28は、図4に示すように、歪検出用抵抗素子Sと温度補償用抵抗素子27と、信号電極パッド25とGND電極パッド26と、を接続するための配線である。配線28は、歪検出用抵抗素子Sと温度補償用抵抗素子27とが後記するようなブリッジ回路を形成できるように、ベース部材20上で両者を接続している。
次に、力覚センサ用チップ2における歪検出用抵抗素子Sと温度補償用抵抗素子27の電気接続関係について、図5を参照しながら簡単に説明する。図5は、歪検出用抵抗素子と温度補償用抵抗素子の電気接続関係を示す回路図である。
歪検出用抵抗素子Sと温度補償用抵抗素子27は、図5に示すように、力覚センサ用チップ2の内部において、フルブリッジ回路FBの下半分に対応するハーフブリッジ回路HBを構成している。
歪検出用抵抗素子Sおよび温度補償用抵抗素子27の一端側(本図上の下側)は、図5に示すように、配線28を介して相互に連結されるとともに、グラウンド電位GND(GND配線29)に接続されている。また、歪検出用抵抗素子Sおよび温度補償用抵抗素子27の他端側(本図上の上側)は、それぞれ信号電極パッド25と接続されている。そして、信号電極パッド25の他端側(図5の上側)は、力覚センサ用チップ2の外部に設けられた外付抵抗31,32とそれぞれ接続された後に相互に連結され、同じくセンサ外部に設けられた信号入力部9に接続されている。
信号入力部9は、例えば交流電源で構成されており、歪検出用抵抗素子Sおよび温度補償用抵抗素子27に、所定電圧の初期信号を所定周波数Aで入力する機能を有している。
このように構成したフルブリッジ回路FBにおいて、歪検出用抵抗素子Sおよび温度補償用抵抗素子27の他端側(外付抵抗31,32側)は、図5に示すように、後記するフィルタ部51と接続され、歪検出用抵抗素子Sおよび温度補償用抵抗素子27によって検出されるそれぞれの出力信号の差(Vs−Vm)が、センサの出力信号Vs’となる。
ここで、本実施形態におけるセンサ出力信号Vsは、外力Fの変化に応じて歪検出用抵抗素子Sに生じた歪に対応した抵抗値の変化を、電圧値の変化として取り出した信号のことを指している。センサ出力信号Vsは、信号入力部9によって入力される初期信号の周波数成分と、接触部R4に対して部品Pが滑ることによって接触部R4(より詳しくは力覚センサ1)に入力した摩擦力F2の周波数成分と、を有している。
また、温度補償出力信号Vmとは、環境温度の変化に比例して温度補償用抵抗素子27に生じた歪に対応した抵抗値の変化を、電圧値の変化として取り出した信号のことを指している。温度補償出力信号Vmは、信号入力部9によって入力される初期信号の周波数成分を有している。
なお、温度補償用抵抗素子27は、前記したように、環境温度によってのみ抵抗値が変化する位置に配置されているため、温度補償出力信号Vmは、外力Fの影響を受けていない純粋な環境温度を示す値となる。そして、この温度補償出力信号Vmは、環境温度の影響が含まれるセンサ出力信号Vsを、環境温度の影響が含まれないセンサ出力信号Vs’へと温度補償するための手段として用いられる。
力覚センサ用チップ2は、回路全体としてフルブリッジ回路FBに構成することで、歪検出用抵抗素子Sの抵抗値の変化から、環境温度の変化による抵抗値の変化をより適切にキャンセルし、歪検出用抵抗素子Sにおける外力Fによる抵抗値の変化のみを適切に取り出すことができる。従って、作用部21に印加された外力Fをより正確に検出することができる。
なお、本実施形態では、力覚センサ用チップ2の外部に外付抵抗31,32を設ける構成としたが、外付抵抗31,32を力覚センサ用チップ2の内部に設けて、力覚センサ用チップ2の内部にフルブリッジ回路FBを構成してもよい。
次に、図6(a),(b)を参照して、センサ出力信号Vsおよび温度補償出力信号Vmの処理回路の構成について説明する。
図6の(a)は、センサ出力信号の処理回路を示すブロック図であり、(b)は、演算部のブロック図である。
図6に示すように、センサ出力信号Vsおよび温度補償出力信号Vmの処理回路は、フィルタ部51と、バッファ部52と、A/D変換部53と、演算部60と、出力部54と、を備えている。
フィルタ部51は、センサ出力信号Vsおよび温度補償出力信号Vmに含まれる不要な周波数成分(ノイズ)を取り除くものである。フィルタ部51は、例えば、ローパスフィルタであり、図示は省略するが、入力信号に並列するコンデンサと入力信号に直列する抵抗器とによって実現することができる。
バッファ部52は、センサ出力信号Vsおよび温度補償出力信号Vmの電圧波形を増幅する増幅器である。
A/D変換部53は、連続量であるアナログ信号を、離散化されたデジタル信号に変換するものである。A/D変換部53は、例えば公知のA/Dコンバータで構成されている。
これにより、センサ出力信号Vsおよび温度補償出力信号Vmは、フィルタ部51においてノイズがカットされ、バッファ部52において増幅され、A/D変換部53においてアナログ信号からデジタル信号に変換されて、温度補償されたセンサ出力信号Vs’となって演算部60に出力されることとなる。
演算部60は、センサ出力信号Vs’に対して周波数解析を行うとともに、接触部R4に対して部品Pが滑っているか否かを判定する機能を有している。演算部60は、例えば中央演算処理装置(CPU,Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置と、記憶装置に格納された機能プログラムと、で構成されている。
演算部60は、図6(b)に示すように、機能ブロックとして、出力値記憶部61と、周波数解析部62と、滑り覚判定部63と、基準値記憶部64と、を備えている。
出力値記憶部61は、A/D変換部53でデジタル信号に変換されたセンサ出力信号Vs’を時間t(図7(a)参照)に関連付けて時系列的に記憶するものである。
周波数解析部62は、出力値記憶部61に記憶保持されたセンサ出力信号Vs’のデータを所定時間単位で読み出して周波数分析してスペクトル分布を求めるものである。周波数解析の手法としては、例えば、FFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)やMEM(最大エントロピー法:Maximum Entropy Method)を用いることができる。
周波数解析部62は、検出した周波数成分とその強度とを、滑り覚判定部63に出力する。
ここで、センサ出力信号Vs’に含まれる周波数成分について、図7を参照して説明する。図7の(a)は、センサ出力信号の波形を模式的に示すグラフであり、(b)は、時間t1から時間t2におけるセンサ出力信号を周波数解析したスペクトル分布図である。
図7(a)に示すように、初期状態では、力覚センサ用チップ2の歪検出用抵抗素子Sには、信号入力部9によって、所定周波数Aの初期信号が入力されている。ここで、説明の便宜のため、信号入力部9による初期信号をf(t)=sinAtと仮定する。
把持部R3(図2参照)が部品Pを一定の力で把持している場合、接触部R4が受ける反力F1は一定であるので、初期信号f(t)の振幅も一定である。
時間t1から時間t2において、部品Pが滑った場合、接触部R4に摩擦力F2が作用する(図2参照)。摩擦力F2が周波数Bの周期性を持った入力である場合、摩擦力F2は、周波数Bの振動として力覚センサ用チップ2の作用部21に入力し、これに応じて歪検出用抵抗素子Sの抵抗値が変化する。
説明の便宜のため、摩擦力F2による入力をg(t)=sinBtと仮定すると、時間t1から時間t2におけるセンサ出力信号Vs’は、下式のようになる。
f(t)+g(t)=sinAt+sinBt
=2sin(A/2+B/2)cos(A/2−B/2)
したがって、時間t1から時間t2にかけて得られたセンサ出力信号Vs’を、周波数解析部62によって周波数解析することにより、図7(b)に示すように、周波数成分A、周波数成分B、周波数成分(A/2+B/2)、周波数成分(A/2−B/2)、の4つの周波数成分とそれぞれの強度が検出されることになる。
なお、図7(b)に示す周波数成分は一例であり、本発明はこれに限定されないことはいうまでもない。
滑り覚判定部63は、周波数解析部62で検出した周波数成分とその強度に基づいて、接触部R4と部品Pとの間に滑りが生じたか否かを判定するものである。滑り覚判定部63は、後記する基準値記憶部64からデータを読み出し可能に構成されているとともに、後記する出力部54に判定結果を出力可能に構成されている。
滑り覚判定部63における具体的な判定手法は、図8を参照して後に詳しく説明する。
基準値記憶部64は、初期信号の周波数成分Aの値と、周波数成分の強度に関して予め設定された閾値と、を記憶するものである。閾値は、滑り覚の検出精度を確認する事前実験などを行うことにより、予め求めることができる。
出力部54は、図6(a)に示すように、滑り覚判定部63の判定結果に基づいて、所定の動作に関する命令信号を出力するものである。出力部54は、例えば、演算部60と共通の中央演算処理装置や記憶装置や機能プログラムなどで構成されている。
本実施形態では、出力部54は、例えば、滑り覚判定部63において、接触部R4と部品Pとの間に滑りが生じていると判定された場合に、把持部R3の把持力を増加させる命令信号を、自動作業装置Rの制御部R6に出力するように設定されている。
なお、出力部54の設定は、これに限られるものではなく、警告灯(図示省略)を点灯させたり、部品Pを作業台Dに戻したりするように設定してもよい。
次に、本実施形態に係る滑り覚検知装置の動作について、図1乃至図8(特に図8)を参照して説明する。図8は、滑り覚検知装置の動作フロー図である。
例えば、図1に示すように、自動作業装置Rの動作が開始されると、力覚センサ1に備えられた歪検出用抵抗素子Sに、信号入力部9(図5参照)から所定電圧の初期信号が所定周波数で入力される(ステップS1)。
このとき、自動作業装置Rの接触部R4には、部品Pを把持する力の反力F1が作用しており、この反力F1が、力覚センサ1によって検知される。なお、力覚センサ1による反力F1の検知については、例えば特開2006−125873に詳細に記載されているので、その説明を省略する。
一方、この部品Pが接触部R4に対して滑った場合には、図8に破線で示すように、部品Pの滑りによる振動が、摩擦力F2(図2参照)として力覚センサ1に入力する(ステップS2)。
部品Pの滑りによる振動が、初期信号の周波数成分Aと異なる周期性を有する場合には、歪検出用抵抗素子Sから出力されるセンサ出力信号Vsに、初期信号の周波数成分Aと異なる周波数成分が含まれることになる。
次に、センサ出力信号Vsおよび温度補償出力信号Vmは、図6(a)に示すように、フィルタ部51においてノイズがカットされ、バッファ部52において増幅され、A/D変換部53においてアナログ信号からデジタル信号に変換されて、温度補償されたセンサ出力信号Vs’となって演算部60に出力される(ステップS3)。
そして、周波数解析部62は、演算部60に入力したセンサ出力信号Vs’に対して周波数解析を行い、図7(b)に示すようなスペクトル分布を求める(ステップS4)。
次に、滑り覚判定部63は、センサ出力信号Vs’に、初期信号の周波数成分Aと異なる周波数成分が含まれているか否かを判定する(ステップS5)。
具体的には、例えば、周波数解析部62から入力された各周波数成分と、基準値記憶部64から読み出した初期信号の周波数成分Aとの差分を順次算出する。そして、滑り覚判定部63は、すべての差分が0である場合は、初期信号の周波数成分A以外の周波数成分が含まれていないと判定し(ステップS5,No)、接触部R4と部品Pとの間に滑りが生じていないと判定する(ステップS8)。
一方、滑り覚判定部63は、周波数解析部62から入力された各周波数成分の中に、初期信号の周波数成分Aとの差分が0にならない周波数成分が存在する場合(ステップS5,Yes)は、次に、当該周波数成分の強度と、予め設定された閾値と、を比較する(ステップS6)。
そして、滑り覚判定部63は、初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が、予め設定された閾値以下である場合(ステップS6,No)には、接触部R4と部品Pとの間に滑りが生じていないと判定する(ステップS8)。
なお、初期信号の周波数成分と異なる周波数成分が複数ある場合は、すべての周波数成分の強度が予め設定された閾値以下となる場合に、接触部R4と部品Pとの間に滑りが生じていないと判定するのが好ましい。
一方、滑り覚判定部63は、初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が、予め設定された閾値を超える場合(ステップS6,Yes)には、接触部R4と部品Pとの間に滑りが生じたと判定する(ステップS7)。
なお、初期信号の周波数成分と異なる周波数成分が複数ある場合は、そのうちの少なくともいずれか一つの周波数成分の強度が予め設定された閾値を超える場合に、接触部R4と部品Pとの間に滑りが生じたと判定するのが好ましい。
そして、滑り覚判定部63において接触部R4と部品Pとの間に滑りが生じていると判定された場合に、出力部54は、把持部R3の把持力を増加させる命令信号を、自動作業装置Rの制御部R6に出力する(ステップS9)。
以上のように、本実施形態に係る滑り覚検知装置によれば、歪検出用抵抗素子Sからのセンサ出力信号Vs(Vs’)を周波数解析し、初期信号の周波数成分Aと異なる周波数成分の強度が予め設定した所定の閾値を超える場合には、部品Pと接触部R4との間に滑りが生じたと判定することにより、力覚センサ1以外のセンサを設けることなく、部品Pと接触部R4との間に滑りが生じたことを検知することができる。
また、接触部R4の表面がエラストマーR4bで被覆されているので、部品Pが滑ったときに振動を生じ易い。また、エラストマーR4bの固有周期は金属などの固有周期に比較して低い(例えば数十Hz程度)ため、初期信号の周波数を高く(例えば数kHz程度)設定することによって、初期信号の周波数成分と滑りによる周波数成分との相違が明確になり、検出精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、初期信号の周波数成分Aと異なる周波数成分の強度が閾値を超えるか否かを判定したが、閾値を0(ゼロ)に設定することにより、実質的に強度の判定を省略して、初期信号の周波数成分Aと異なる周波数成分を検出した場合に直ちに部品Pが滑ったと判定するようにしてもよい。
また、事前実験によって、接触部R4に入力する摩擦力F2と、力覚センサ1で検出される初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度との相関関係を、例えば基準値記憶部64に予め記憶しておき、初期信号の周波数成分と異なる周波数成分を検出した場合に、予め記憶しておいた相関関係を参照して、初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度に基づいて、摩擦力F2の強度を算出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図2に示すように、接触部R4の表面にエラストマR4bを設けたが、本発明はこれに限られるものではなく、エラストマR4bを省略してもよい。このような場合でも、信号入力部9から入力する初期信号の周波数を調整することにより、摩擦による振動の周波数との差異を明確にすれば、周波数解析部62において、部品Pの滑りによる周波数成分を好適に検出することができる。
また、本実施形態では、図1に示すように、工場における自動作業装置Rを例にとって説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば人型ロボット等の多数の指(例えば五指)を備える把持部(図示省略)に適用してもよいことはいうまでもない。
R 自動作業装置
R4 接触部
R4a 本体部
R4b エラストマー
1 力覚センサ
2 力覚センサ用チップ
S 歪検出用抵抗素子
60 演算部
61 出力値記憶部
62 周波数解析部
63 滑り覚判定部
64 基準値記憶部

Claims (3)

  1. 対象物と前記対象物に接触する接触部との間に生じた滑りを検知する滑り覚検知装置であって、
    歪検出用抵抗素子を用いて前記接触部に印加された外力を検出する力覚センサと、
    前記歪検出用抵抗素子に所定周波数の初期信号を入力する信号入力部と、
    前記歪検出用抵抗素子からの出力信号を周波数解析する周波数解析部と、
    前記周波数解析部において検出された周波数成分のうち、前記初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が閾値を超える場合は、前記対象物と前記接触部との間に滑りが生じたと判定し、前記初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が前記閾値以下である場合は、前記対象物と前記接触部との間に滑りが生じていないと判定する滑り覚判定部と、
    を備えることを特徴とする滑り覚検知装置。
  2. 前記接触部の表面はエラストマーで被覆されており、前記初期信号の周波数は、前記エラストマーの固有周期よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の滑り覚検知装置。
  3. 対象物と前記対象物に接触する接触部との間に生じた滑りを検知する滑り覚検知方法であって、
    前記接触部に印加された外力を検出する力覚センサに設けられた歪検出用抵抗素子に所定周波数の初期信号を入力する初期信号入力ステップと、
    前記歪検出用抵抗素子からの出力信号を周波数解析する周波数解析ステップと、
    前記周波数解析部において検出された周波数成分のうち、前記初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が閾値を超える場合は、前記対象物と前記接触部との間に滑りが生じたと判定し、前記初期信号の周波数成分と異なる周波数成分の強度が前記閾値以下である場合は、前記対象物と前記接触部との間に滑りが生じていないと判定する滑り判定ステップと、
    を備えることを特徴とする滑り覚検知方法。
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