JP5495242B2 - 加工状態検出方法、加工状態検出プログラム、記録媒体、加工状態検出装置 - Google Patents

加工状態検出方法、加工状態検出プログラム、記録媒体、加工状態検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、被加工物に対する切削加工時に発生する振動または音を測定して加工状態を検出する加工状態検出方法、加工状態検出プログラム、記録媒体、加工状態検出装置に関するものである。
例えば薄肉円筒状の被加工物に対する切削加工において、被加工物の変形や被加工物の切削機への取り付け時の異物の付着などが生じると、被加工物の偏芯や浮き上がりなどが生じて被加工物の加工精度が低下し、精度不良となってしまう。そこで、このような切削加工における精度不良を検出する必要がある。
ここで、特許文献1には、ワーク(被加工物)が装着されたホルダと当該ホルダを脱着可能に保持する保持部との当接面における異物の挟み込みを検出する技術が開示されている。そして、この特許文献1の技術では、加工時に発生する実振動量のピーク値が加工前にホルダと保持部とを空回転させた時の基準振動量を超えると、ホルダと保持部との当接面に異物を挟み込んでいると判定している。
特開2007−283461号公報
しかしながら、特許文献1の技術はホルダと保持部とがアンバランスに当接していることにより加工時に発生する負荷変動を検出するものであるが、ワークの偏芯や浮き上がりなどによるワークの加工時のアンバランス量は極めて小さい。そのため、特許文献1の技術ではワークの偏芯や浮き上がりなどによる切削加工における精度不良を検出することは困難であり、切削加工におけるワークの加工状態を確実に検出することができない。
また、予めスプラインが形成された円筒状の被加工物に対して切削加工により溝を形成する場合には、断続的に切削が行われる断続切削加工となる。そして、このような断続切削加工において、被加工物の偏芯や浮き上がりなどが生じても加工時に発生する振動や音の周波数は一定である。そのため、加工時に発生する振動や音の周波数をもとに被加工物の加工状態を検出することは困難である。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、切削加工における被加工物の加工状態を確実に検出することができる加工状態検出方法、加工状態検出プログラム、記録媒体、加工状態検出装置を提供すること、を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、切削加工機により被加工物に対し周状に溝または段差部を形成する切削加工の加工状態検出方法において、前記切削加工機または前記被加工物が発生する振動または音の時間波形を測定し、前記時間波形の輪郭を抽出した輪郭波形をもとに前記切削加工を行う本加工時間領域における任意の時間から時間を遡って前記本加工時間領域の開始時間を特定し、前記本加工時間領域の開始時間よりも前の時間における前記切削加工を行わない無加工時間領域を特定し、前記無加工時間領域の前記輪郭波形にて前記本加工時間領域の前記輪郭波形の振幅の値よりも小さく良否判定閾値よりも大きい振幅の値からなる異常波形の有無を判定して前記被加工物の加工状態を検出すること、を特徴とする。
ここで、被加工物の偏芯や浮き上がりなどが発生したときに、本加工時間領域よりも前の無加工時間領域において切削加工機の切削歯が被加工物の浮き上がり部などに部分的に接触した場合には、無加工時間領域の輪郭波形にて異常波形が発生しうる。そこで、前記の態様のように、この異常波形の有無を判定することにより、被加工物の偏芯や浮き上がりなどが発生したことによる被加工物の加工精度の不良を検出することができる。このようにして、切削加工における被加工物の加工状態を確実に検出することができる。なお、良否判定閾値は、電気的ノイズや周囲の振動などにより発生しうる波形の振幅の値よりも大きく、切削加工における被加工物の加工精度の良・不良を判定する振幅の境界値である。
また、測定した振動や音の時間波形の輪郭を抽出した輪郭波形をもとに、本加工時間領域における任意の時間から時間を遡って切削開始時間を特定するので、被加工物の加工前の寸法などの仕様の影響を受けることなく本加工時間領域と無加工時間領域を特定することができる。そのため、検出対象の被加工物の加工前の寸法などの仕様の影響を受けることなく、切削加工における被加工物の加工状態を確実に検出することができる。
上記の態様においては、前記時間波形に対しフィルタをかけて前記切削加工により発生する周波数成分を抽出すること、が好ましい。
この態様によれば、ノイズや周囲の振動などの外乱の影響を受けることなく、切削加工により発生する周波数成分だけを抽出することができる。そのため、ノイズや周囲の振動などの外乱の影響を受けることなく、切削加工における被加工物の加工状態を確実に検出することができる。
上記の態様においては、前記被加工物は歯形部品であり、前記切削加工は、断続的に切削を行う断続切削加工であることが好ましい。
この態様によれば、切削加工時に発生する振動の周波数は一定である断続切削加工においても、切削加工における被加工物の加工状態を確実に検出することができる。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の態様は、切削加工機により被加工物に対し周状に溝または段差部を形成する切削加工の加工状態検出プログラムにおいて、前記切削加工機または前記被加工物が発生する振動または音の時間波形を測定するステップと、前記時間波形の輪郭を抽出した輪郭波形をもとに前記切削加工を行う本加工時間領域における任意の時間から時間を遡って前記本加工時間領域の開始時間を特定するステップと、前記本加工時間領域の開始時間よりも前の時間における前記切削加工を行わない無加工時間領域を特定するステップと、前記無加工時間領域の前記輪郭波形にて前記本加工時間領域の前記輪郭波形の振幅の値よりも小さく良否判定閾値よりも大きい振幅の値からなる異常波形の有無を判定して前記被加工物の加工状態を検出するステップと、をコンピュータに実行させること、を特徴とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の態様は、切削加工機により被加工物に対し周状に溝または段差部を形成する切削加工の加工状態検出プログラムを記録した記録媒体において、前記切削加工機または前記被加工物が発生する振動または音の時間波形を測定するステップと、前記時間波形の輪郭を抽出した輪郭波形をもとに前記切削加工を行う本加工時間領域における任意の時間から時間を遡って前記本加工時間領域の開始時間を特定するステップと、前記本加工時間領域の開始時間よりも前の時間における前記切削加工を行わない無加工時間領域を特定するステップと、前記無加工時間領域の前記輪郭波形にて前記本加工時間領域の前記輪郭波形の振幅の値よりも小さく良否判定閾値よりも大きい振幅の値からなる異常波形の有無を判定して前記被加工物の加工状態を検出するステップと、をコンピュータに実行させるための加工状態検出プログラムを記録したこと、を特徴とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の態様は、切削加工機により被加工物に対し周状に溝または段差部を形成する切削加工の加工状態検出装置において、前記切削加工機または前記被加工物が発生する振動または音の時間波形を測定する測定手段と、前記時間波形の輪郭を抽出した輪郭波形をもとに前記切削加工を行う本加工時間領域における任意の時間から時間を遡って前記本加工時間領域の開始時間を特定し、前記本加工時間領域の開始時間よりも前の時間における前記切削加工を行わない無加工時間領域を特定し、前記無加工時間領域の前記輪郭波形にて前記本加工時間領域の前記輪郭波形の振幅の値よりも小さく良否判定閾値よりも大きい振幅の値からなる異常波形の有無を判定して前記被加工物の加工状態を検出する検出手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る加工状態検出方法、加工状態検出プログラム、記録媒体、加工状態検出装置によれば、切削加工における被加工物の加工状態を確実に検出することができる。
振動判定機の構成図である。 ワークの例を示す図である。 加工状態検出方法の内容を表したフローチャート図である。 振動データのサンプリング例を示す図である。 振動波形に対しエンベロープ処理を行った例を示す図である。 ワークに対する全周加工の開始時間を特定する手法を示す図である。 ワークの精度不良の検出例を示す図である。 円筒状のワークに段差部を形成する例を示す図である。 円盤状のワークの面に溝を形成する例を示す図である。
以下、本発明を具体化した実施例について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
〔振動判定機の構成の説明〕
まず、本発明の加工状態検出装置の一例である振動判定機1の構成について説明する。振動判定機1は、図1に示すように、加速度ピックアップ10、振動計12(アンプ部)、FFT分析装置14、インタフェース装置16などを有する。この振動判定機1は、ワーク(被加工物)を切削する工作機械18(切削加工機)における振動を判定し、この判定結果からワークの加工状態を検出する。
なお、ここでは一例として、工作機械18により図2に示すようなワーク20を製作する例を挙げて、以下に説明する。図2に示すように、ワーク20は、円筒状のドラムであり、全周にわたってスプライン22が形成されている。そして、ワーク20の内周側のスプライン22に溝24が形成されている。工作機械18は、切削歯(不図示)によるワーク20の径方向(ラジアル方向、肉厚方向)の切削によりワーク20の内周側のスプライン22に溝24を形成する。これにより、ワーク20の内周側に溝24を断続的に周状に形成する。このように、ワーク20は全周にわたってスプライン22が形成されており、工作機械18により溝24を形成する際には断続的にスプライン22のみを切削することから、工作機械18によるワーク20の製作においては断続切削加工を行うことになる。そして、このような断続切削加工を行う時には、一定の周波数の振動や一定間隔の音が発生することになる。
図1の説明に戻り、加速度ピックアップ10(振動ピックアップ)は、感知した振動に応じて電気信号に変換するセンサである。振動計12は、この加速度ピックアップ10で変換した電気信号から振動の時間波形(例えば時間軸に対する出力電圧値の波形、以下、振動波形という)を測定する測定手段である。FFT分析装置14は、振動計12で測定された振動波形をもとに周波数を分析する装置である。インタフェース装置16は、工作機械18とのインタフェースを行う装置であり、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用コンピュータシステムが考えられる。
また、インタフェース装置16は、測定された振動波形をもとにワーク20の加工状態を検出する検出手段であり、以下に説明する加工状態検出方法を規定した加工状態検出プログラムを実行することによりワーク20の加工状態を検出する。なお、加工状態検出プログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録された加工状態検出プログラムをインタフェース装置16に読み込ませるようにしておいてもよい。
〔加工状態検出方法の説明〕
次に、工作機械18により切削加工を行うときに、前記のような構成を有する振動判定機1を使用してワーク20の加工状態を検出する加工状態検出方法について、図3を用いて説明する。なお、図3は、加工状態検出方法の内容を表したフローチャート図である。
まず、振動判定機1を初期状態に設定し(ステップS1)、振動判定機1を構成する加速度ピックアップ10、振動計12、FFT分析装置14、インタフェース装置16などにおける各種設定を初期状態にする。
次に、工作機械18に対しインタフェース装置16からタレット旋回信号(加工指示信号)を送信すると同時に、振動判定機1による判定をスタートさせる(ステップS2)。これにより、工作機械18は、タレット(旋回式の刃物台)の旋回を開始して、切削歯をワーク20に近づけていき、やがて切削歯がワーク20に接触してワーク20を切削することにより溝24を形成する。また、同時に、振動判定機1はワーク20の加工状態を検出する動作を開始する。
次に、振動判定機1は振動データのサンプリングを行う(ステップS3)。具体的には、工作機械18がワーク20のタレットの旋回を開始して加工動作を開始した時から、確実に工作機械18の切削歯がワーク20に接触してワーク20の全周加工する時間までに加速度ピックアップ10と振動計12で測定した振動データを採取する。より具体的には、工作機械18が加工動作を開始した時(図4における時間=0)から、工作機械18がワーク20の全周加工を始めてしばらく経過した時までの時間T1(図4では一例としてT1=2secとしている)における振動データを採取する。そして、採取した振動データをFFT分析装置14に記録する。
次に、FFT分析装置14に記録した振動データに対してフィルタを施して必要な周波数成分を抽出する(ステップS4)。これにより、FFT分析装置14に記録した振動データについて、断続切削により発生する周波数成分だけを抽出する。
次に、無加工時間領域での振幅から閾値aを決める振動データを抽出する(ステップS5)。具体的には、無加工時間領域において、工作機械18が加工動作を開始した直後の一部の時間t(図4参照、例えばt=0.05sec)内における振動データを抽出する。これにより、無加工時間領域の振動の実効値(電気的ノイズや周囲の振動などの外乱により発生する振幅値)を把握する。ここで、工作機械18がワーク20の全周を加工する時間領域を本加工時間領域とすると、無加工時間領域とは工作機械18が加工動作を開始した後の時間領域であって本加工時間領域より前の時間領域である。すなわち、無加工時間領域とは、工作機械18がワーク20の全周加工を開始する前の時間領域である。そして、このように抽出した振動データをもとに、振幅の閾値aを設定する。閾値aは、例えば無加工時間領域の振動の実効値の1.5倍の値とし、電気的ノイズや周囲の振動などの外乱の影響を受けない値とする。
次に、エンベロープ処理により振動波形の輪郭を求める(ステップS6)。具体的には、加速度ピックアップ10で測定された振動データをもとに作成し、前記のように断続切削により発生する周波数成分だけを抽出して得られた振動波形に対してエンベロープ処理を行う。そして、これにより、図5に示すように振動波形の輪郭を捉えた輪郭波形を作成する。
次に、振動波形の輪郭をもとにワーク20の全周加工を開始する時間T2を求める(ステップS7)。具体的には、振動波形の輪郭を捉えた輪郭波形の終端側から時間を遡って最初に閾値a以下の振幅となった時間T2を、ワーク20の全周加工を開始する時間(本加工時間領域の開始時間)であると特定する。すなわち、図6に示すように、振動波形の輪郭を捉えた輪郭波形において、前記の時間T1から時間を遡って振幅が最初に閾値a以下となった時間T2を、ワーク20の全周加工を開始する時間であると特定する。なお、図6では、説明の便宜上、出力が「+」側のみの輪郭を示している。
次に、加工開始から時間T2までの間(無加工時間領域D1)に良否判定閾値bを超える振幅のピーク値が存在するか否かを判定する(ステップS8)。図7に示すように、良否判定閾値bは、前記のステップS5にて把握した無加工時間領域D1の振動の実効値よりも大きな値であって、ワーク20の加工精度の良否を判定するための閾値である。本実施例では、良否判定閾値bは、前記の閾値aよりも大きく設定している。なお、図7では、説明の便宜上、出力が「+」側のみの輪郭を示している。
そして、加工開始から時間T2までの間(無加工時間領域D1)に良否判定閾値bを超える振幅のピーク値が存在すると判定した場合には、切削加工の終了後にワーク20を不良品シュート(不良品回収部への誘導路)へ搬送することを指示する(ステップS9)。具体的には、振動波形の輪郭を捉えた輪郭波形において無加工時間領域D1に良否判定閾値bを超える振幅のピーク値が表れる異常波形が存在する場合には、ワーク20の偏芯や浮き上がりなどが生じ、ワーク20の全周加工の開始前に切削歯がワーク20の浮き上がり部などを部分的に切削しているものと考えられる。そのため、ワーク20を楕円状に加工する楕円加工などが行われて、ワーク20の加工精度が低下する。したがって、インタフェース装置16から工作機械18に対し、ワーク20を不良品回収部(不図示)にて回収するように指示を送る。なお、前記の異常波形の振幅は、図7に示すように、本加工時間領域D2における輪郭波形の振幅よりも小さい。
一方、加工開始から時間T2までの間(無加工時間領域D1)に良否判定閾値bを超える振幅のピーク値が存在しないと判定した場合には、切削加工の終了後にワーク20を良品シュート(良品供給部への誘導路)へ搬送することを指示する(ステップS10)。具体的には、振動波形の輪郭を捉えた輪郭波形において無加工時間領域D1に良否判定閾値bを超える振幅のピーク値が存在しない場合には、ワーク20の偏芯や浮き上がりなどが生じていないと考えられる。あるいは、ワーク20の偏芯や浮き上がりなどが生じていても、ワーク20の加工精度に影響はないと考えられる。そのため、ワーク20の加工精度は良好であるので、インタフェース装置16から工作機械18に対し、ワーク20を良品供給部(不図示)へ供給するように指示を送る。
次に、前記のように測定や判定を行った各種データをFFT分析装置14に記録しておく(ステップS11)。次に、新たなワーク20の切削加工を行うか否かを判定し(ステップS12)、新たなワーク20の切削加工を行う場合には再びステップS1に戻り、新たなワーク20の切削加工を行わない場合にはそのまま終了する。以上のようにして、ワーク20の加工状態を検出する。
〔本実施例の効果の説明〕
以上説明したように、ワーク20の偏芯や浮き上がりなどが発生したときに、本加工時間領域D2よりも前の無加工時間領域D1において工作機械18の切削歯がワーク20の浮き上がり部などに部分的に接触した場合には、無加工時間領域D1の輪郭波形にて本加工時間領域D2の輪郭波形の振幅の値よりも小さく良否判定閾値bよりも大きい振幅の値からなる異常波形が発生しうる。そこで、本実施例によれば、この異常波形の有無を判定することにより、ワーク20の偏芯や浮き上がりなどが発生したことによるワーク20の加工精度の不良を検出することができる。このようにして、切削加工におけるワーク20の加工状態を確実に検出することができる。なお、良否判定閾値bは、電気的ノイズや周囲の振動などにより発生しうる波形の振幅の値よりも大きく、切削加工におけるワーク20の加工精度の良・不良を判定する振幅の境界値である。
また、本実施例によれば、工作機械18がワーク20の全周加工を開始する時間T2を特定して、工作機械18がワーク20の全周加工を開始する前の時間領域である無加工時間領域D1を特定し、当該無加工時間領域D1においてワーク20を部分的に切削していか否かを判定して、ワーク20の加工状態を検出する。そのため、ワーク20の肉厚のバラツキなどの個体差の影響を受けることなく安定してワーク20の加工状態を検出することができる。
また、加速度ピックアップ10を工作機械18に取り付けるだけでよいので、ワーク20の製造工程ラインの小さなスペースに短時間で設置することができ、製造工程ラインの小スペース化や、振動判定機1の設置時間の短縮化を図ることができる。
また、切削加工時に発生する振動の周波数は一定である断続切削加工においても、切削加工におけるワーク20の加工状態を確実に検出することができる。
なお、前記の説明においてはワーク20の内周側に溝24を形成する実施例を挙げたが、これに限定されず、本発明は、ワーク20の外周側に溝24を形成する実施例にも適用できる。また、前記の説明においては予めスプライン22が形成された円筒状のワーク20に対し溝24を形成する断続切削加工を実施例に挙げたが、これに限定されず、本発明は、スプラインが形成されていない円筒状のワークに対し溝を形成する連続切削加工であって切削加工時に一定の周波数の振動や音などが発生する場合の実施例にも適用できる。
また、本発明は、例えば、図8に示すように円筒状のワーク26に対し段差部28を形成する実施例や、図9に示すように円盤状のワーク30の面32に溝34や段差部(不図示)を切削加工により形成する実施例にも適用できる。
また、前記の説明においては工作機械18の振動を測定したが、これに限定されず、ワーク20の振動を測定する実施例も考えられる。また、その他、工作機械18またはワーク20で発生する切削音を測定して、その測定結果から算出した切削音の時間波形をもとに加工状態を検出する実施例も考えられる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
1 振動判定機
10 加速度ピックアップ
12 振動計
14 FFT分析装置
16 インタフェース装置
18 工作機械
20 ワーク
22 スプライン
24 溝

Claims (6)

  1. 切削加工機により被加工物に対し周状に溝または段差部を形成する切削加工の加工状態検出方法において、
    前記切削加工機または前記被加工物が発生する振動または音の時間波形を測定し、
    前記時間波形の輪郭を抽出した輪郭波形をもとに前記切削加工を行う本加工時間領域における任意の時間から時間を遡って前記本加工時間領域の開始時間を特定し、
    前記本加工時間領域の開始時間よりも前の時間における前記切削加工を行わない無加工時間領域を特定し、
    前記無加工時間領域の前記輪郭波形にて前記本加工時間領域の前記輪郭波形の振幅の値よりも小さく良否判定閾値よりも大きい振幅の値からなる異常波形の有無を判定して前記被加工物の加工状態を検出すること、
    を特徴とする加工状態検出方法。
  2. 請求項1の加工状態検出方法において、
    前記時間波形に対しフィルタをかけて前記切削加工により発生する周波数成分を抽出すること、
    を特徴とする加工状態検出方法。
  3. 請求項1または2の加工状態検出方法において、
    前記被加工物は歯形部品であり、
    前記切削加工は、断続的に切削を行う断続切削加工であること、
    を特徴とする加工状態検出方法。
  4. 切削加工機により被加工物に対し周状に溝または段差部を形成する切削加工の加工状態検出プログラムにおいて、
    前記切削加工機または前記被加工物が発生する振動または音の時間波形を測定するステップと、
    前記時間波形の輪郭を抽出した輪郭波形をもとに前記切削加工を行う本加工時間領域における任意の時間から時間を遡って前記本加工時間領域の開始時間を特定するステップと、
    前記本加工時間領域の開始時間よりも前の時間における前記切削加工を行わない無加工時間領域を特定するステップと、
    前記無加工時間領域の前記輪郭波形にて前記本加工時間領域の前記輪郭波形の振幅の値よりも小さく良否判定閾値よりも大きい振幅の値からなる異常波形の有無を判定して前記被加工物の加工状態を検出するステップと、をコンピュータに実行させること、
    を特徴とする加工状態検出プログラム。
  5. 切削加工機により被加工物に対し周状に溝または段差部を形成する切削加工の加工状態検出プログラムを記録した記録媒体において、
    前記切削加工機または前記被加工物が発生する振動または音の時間波形を測定するステップと、
    前記時間波形の輪郭を抽出した輪郭波形をもとに前記切削加工を行う本加工時間領域における任意の時間から時間を遡って前記本加工時間領域の開始時間を特定するステップと、
    前記本加工時間領域の開始時間よりも前の時間における前記切削加工を行わない無加工時間領域を特定するステップと、
    前記無加工時間領域の前記輪郭波形にて前記本加工時間領域の前記輪郭波形の振幅の値よりも小さく良否判定閾値よりも大きい振幅の値からなる異常波形の有無を判定して前記被加工物の加工状態を検出するステップと、をコンピュータに実行させるための加工状態検出プログラムを記録したこと、
    を特徴とする記録媒体。
  6. 切削加工機により被加工物に対し周状に溝または段差部を形成する切削加工の加工状態検出装置において、
    前記切削加工機または前記被加工物が発生する振動または音の時間波形を測定する測定手段と、
    前記時間波形の輪郭を抽出した輪郭波形をもとに前記切削加工を行う本加工時間領域における任意の時間から時間を遡って前記本加工時間領域の開始時間を特定し、前記本加工時間領域の開始時間よりも前の時間における前記切削加工を行わない無加工時間領域を特定し、前記無加工時間領域の前記輪郭波形にて前記本加工時間領域の前記輪郭波形の振幅の値よりも小さく良否判定閾値よりも大きい振幅の値からなる異常波形の有無を判定して前記被加工物の加工状態を検出する検出手段と、
    を有することを特徴とする加工状態検出装置。
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