JP5494699B2 - 収音装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は収音装置及びプログラムに関し、例えば、特定のエリアの音のみを強調し、それ以外のエリアの音を抑圧する場合に適用し得るものである。
特定の方向に存在する音(音声や音響;以下、音声及び音響をまとめて音響と呼ぶこともある)を強調し、それ以外の音を抑圧する技術として、マイクロホンアレイを用いたビームフォーマがある。ビームフォーマとは、各マイクロホンに到達する信号の時間差を利用して指向性や死角を形成する技術である(非特許文献1参照)。
ビームフォーマにおいて基本となる手法は、遅延和法である。図6は、遅延和法に係る構成を示すブロック図である。遅延和法では、複数(図6ではM)のマイクロホン21−1、21−2、…、21−Mが直線上に等間隔(距離d)で配置されたマイクロホンアレイ1と、各マイクロホン21−1、21−2、…、21−Mのそれぞれに対応して設けられ、対応するマイクロホン21−1、21−2、…、21−Mによる捕捉信号x(t)、x(t)、…、x(t)に対して予め自己に設定された遅延時間(遅延量)D、D、…、Dを付与する遅延器22−1、22−2、…、22−Mと、全ての遅延器22−1、22−2、…、22−Mからの出力信号x(t−D)、x(t−D)、…、x(t−D)の総和を求める総和器23が機能する。
マイクロホン21−i(iは1〜M)の正面から目的方向への角度をθL、音速をcとする。目的方向の音源からの音響が、隣り合うマイクロホン(例えば、マイクロホン21−1及び21−2)に到達するのは、(2)式に示す伝搬遅延時間τだけタイミングがずれる。そこで、各遅延量Dを(1)式のように選定すると、全ての遅延器22−1、22−2、…、22−Mからの出力信号x(t−D)、x(t−D)、…、x(t−D)は、目的方向θからの音響成分に対しては位相が揃ったものとなる。(3)式に示すように、以上のように位相が揃った目的方向θからの音響成分の総和を求めることにより、総和器23からの出力信号y(t)は、目的方向の音響を強調したものとなる。なお、他の方向の音は、遅延器群2を介しても位相は揃わずに強調されない。遅延器2−iとして、遅延量Diを変更できるものを適用することにより、目的方向の変更にも容易に対応できる。以上の処理は、時間領域で行うだけでなく、周波数領域でも同様に行うことができる。
Figure 0005494699
実環境では、ある特定のエリアの音響だけを収音したい場合、そのエリアの周囲に多数の雑音が存在する状況が考えられる。通常、ビームフォーマは、直線的にしか指向性を形成することができない。そのため、図7に示すように、目的エリアTRと同方向に雑音が存在する場合、目的エリアTRから発生している音響(以下、目的エリア音と呼ぶ)だけでなく目的エリア方向の雑音まで強調してしまうことになる。
この課題を解決するために、特許文献1では、図8に示すように、2つのマイクロホンアレイ21A、21Bを用いて、別々の位置から、各マイクロホンアレイ21A、21Bの指向性をビームフォーマにより目的エリア方向、目的エリア以外の方向に向け、各出力の周波数成分のパワーの比から目的エリアTRの音響を推定して強調する手法を提案している。
特開2007−235358号公報
大賀寿郎、金田豊、山崎芳男著、"音響システムとディジタル処理"、電子情報通信学会編・発行、1995年3月
しかしながら、特許文献1の提案手法では、マイクロホンアレイ21A、21Bを目的エリアTRから等距離に配置しなければならない。すなわち、マイクロホンアレイ21Aから目的エリアTRへの距離とマイクロホンアレイ21Bから目的エリアTRへの距離を等しくする必要がある。このため、目的エリアTRを変更する場合には、変更の毎にマイクロホンアレイ21A、21Bを配置し直さなければならないという課題がある。
そのため、各マイクロホンアレイの位置を調整することなく、目的エリアが雑音源に囲まれている状況でも目的エリア音のみを特定することができ、目的エリアの変更にも容易に対応できる収音装置及びプログラムが望まれている。
第1の本発明は、(1)複数のマイクロホンアレイと、(2)上記各マイクロホンアレイの出力のそれぞれに対し、ビームフォーマによって目的エリア音方向へ指向性を形成する指向性形成部と、(3)上記各マイクロホンアレイについてのビームフォーマ後の周波数成分のパワーの変化をとらえ、目的エリア方向へのビームフォーマで増幅しているか否かに基づいて、目的エリア方向の音源の周波数成分とそれ以外の雑音成分とを推定し、上記各マイクロホンアレイについての推定結果を統合して、目的エリアに存在する音源からの音の周波数成分を推定する目的エリア音推定部とを備えることを特徴とする。
第2の本発明の収音プログラムは、複数のマイクロホンアレイからの信号が与えられるコンピュータを、(1)上記各マイクロホンアレイの出力のそれぞれに対し、ビームフォーマによって目的エリア音方向へ指向性を形成する指向性形成部と、(2)上記各マイクロホンアレイについてのビームフォーマ後の周波数成分のパワーの変化をとらえ、目的エリア方向へのビームフォーマで増幅しているか否かに基づいて、目的エリア方向の音源の周波数成分とそれ以外の雑音成分とを推定し、上記各マイクロホンアレイについての推定結果を統合して、目的エリアに存在する音源からの音の周波数成分を推定する目的エリア音推定部として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、各マイクロホンアレイの位置を調整することなく、目的エリアが雑音源に囲まれている状況でも目的エリア音のみを特定することができ、目的エリアの変更にも容易に対応できる収音装置及びプログラムを提供することができる。
第1の実施形態に係る収音装置の構成を示すブロック図である。 第1及び第2の実施形態の技術思想の説明図である。 第1の実施形態のマイクロホンアレイの構成要素とその出力とを示す説明図である。 第1の実施形態のマイクロホンアレイの形状が格子状の場合のビームフォーマの説明図である。 第1の実施形態の目的エリア音推定部の処理を示すフローチャートである。 ビームファーマの基本手法である遅延和法に係る構成を示すブロック図である。 1つのマイクロホンアレイから指向性ビームを目的エリア方向に向けた状態を示す説明図である。 複数のマイクロホンアレイを用い、別々の場所から指向性ビームを目的エリア方向に向けた状態を示す説明図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による収音装置及びプログラムの第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
(A−1)第1及び第2の実施形態に共通する技術思想
上述したように、マイクロホンアレイを複数配置したとしても、各マイクロホンアレイ1、2(後述する図1参照)の指向性単独では目的エリア音と同時に目的エリア方向に存在する雑音も強調してしまう。しかし、各マイクロホンアレイ1、2の指向性を比較すると、目的エリア音はどちらの指向性ビームにも含まれるが、目的エリア音と同時に強調される雑音はマイクロホンアレイ1、2毎に変わる。この実施形態では、この特徴を利用することで、目的エリア音の成分を推定する。
音声のスパース性を仮定すれば、目的エリア音と雑音は周波数領域では重なっておらず、ビームフォーマによりそれぞれの周波数成分のパワーは独立に増減することになる。各マイクロホンアレイでのビームフォーマ前後の変化を周波数領域で示したイメージ図が図2である。マイクロホンアレイ1及び2のビームフォーマ後の周波数成分のパワーを比較すると、目的エリア音の成分はどちらでも増幅する。これに対して、マイクロホンアレイ1から見て目的エリア方向と同じ方向の雑音Aは、目的エリア方向と同じ方向に位置するマイクロホンアレイ1のビームフォーマでは増幅するが、別の方向に位置するマイクロホンアレイ2では減衰する。逆に、マイクロホンアレイ2から見て目的エリア方向と同じ方向の雑音Bは、マイクロホンアレイ1では減衰するが、マイクロホンアレイ2では増幅する。換言すると、目的エリア音の成分は、全てのマイクロホンアレイ1及び2においてビームフォーマ後にパワーが増幅するが、雑音の成分は、マイクロホンアレイ1、2毎に増減することになる。この変化の違いから、全マイクロホンアレイ1及び2でビームフォーマ後にパワーが増幅した周波数を目的エリア音の成分であると推定する。各マイクロホンアレイ1、2のビームフォーマ後の出力に対し、目的エリア音以外の周波数成分を減衰させることで、目的エリア音を強調する。
(A−2)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る収音装置の構成を示すブロック図である。収音装置における、デジタル信号に変換された後の処理構成を、CPUと、CPUが実行するプログラムで実現することもできるが、この場合であっても、機能的には、図1で表すことができる。
図1において、収音装置20は、マイクロホンアレイ1、マイクロホンアレイ2、データ入力部3、遅延補正部4、周波数領域変換部5、指向性形成部6、目的エリア音推定部7、目的エリア音強調部8、時間領域変換部9及びデータ出力部10を備える。
マイクロホンアレイ1は、目的エリアが存在する空間の、目的エリアを指向できる場所に配置される。マイクロホンアレイ1は、図3に示すように、M個(M≧2)のマイクロホンa11、a12、…、a1Mから構成され、各マイクロホンa11、a12、…、a1Mが音響を収音(捕捉)して音響信号x11、x12、…、x1Mを当該収音装置20に入力する。
マイクロホンアレイ2は、マイクロホンアレイ1と異なる場所に配置されるが、マイクロホンアレイ1と同様な構成を有する。マイクロホンアレイ2を構成する各マイクロホンa21、a22、…、a2Mから音響信号x21、x22、…、x2Mが入力される。
マイクロホンアレイ1、2を構成するM個のマイクロホンの配置はビームフォーマを実行できる配置であれば良く、例えば、横一列、縦一列、十字状又は格子状のいずれかであっても良い。
データ入力部3は、マイクロホンアレイ1、2で収音した音響信号をアナログ信号からデジタル信号(データ)に変換するものである。
遅延補正部4は、目的エリアの位置とマイクロホンアレイ1、2の位置から、各マイクロホンアレイ1、2への目的エリア音の到達時間を算出する。遅延補正部4は、最も到達時間が遅いマイクロホンアレイを基準として、全てのマイクロホンアレイ1及び2に目的エリア音が同時に到達したと取り扱うことができるように遅延を加える。遅延補正部4によるこの操作により、任意に配置した各マイクロホンアレイ1、2の入力を同時に扱うことが可能となる。
なお、目的エリアが変更されることなく、かつ、その目的エリアと各マイクロホンアレイ1、2との距離が等しい場合には、遅延補正部4を省略することができる。
周波数領域変換部5は、マイクロホンアレイ1、2から入力されたデータを時間領域から周波数領域へ変換する。変換には、例えば、高速フーリエ変換を利用する。ここで、高速フーリエ変換を行う際、ハミング窓などの各種窓関数を用いるようにしても良い。
指向性形成部6は、目的エリアとマイクロホンアレイの位置から角度を求め、上述した(1)式及び(2)式に基づいて、各マイクロホンからのデータに適用する遅延を算出し、目的エリア方向に向けてビームフォーマを行う。この第1の実施形態の場合、指向性形成部6は、目的エリア方向以外の方向に対するビームフォーマも行うものである。ビームフォーマは、遅延和法を始めとした各種法のいずれを適用しても良い。
図4は、マイクロホンアレイ1、2の形状が格子状のときのビームフォーマの説明図である。格子状の場合、まず、列ごとに上下方向のビームフォーマを行い、次にその出力をそれぞれ一つのマイクロホンの出力とみなし左右方向のビームフォーマを行う。なお、この処理の順番は逆であっても良い。
目的エリア音推定部7は、マイクロホンアレイ1、2毎に、目的エリア方向及び目的エリア方向以外のビームフォーマ後の周波数成分のパワーの変化から目的エリア方向と目的エリア方向以外の成分を推定し、さらにその結果を全マイクロホンアレイ1、2間で比較することで、目的エリア音の成分を推定する。目的エリア音推定部7の処理の詳細については、動作の項の説明で明らかにする。
目的エリア音強調部8は、目的エリア音推定部7で推定された目的エリア音以外の成分のパワーを減衰させ、目的エリア音の成分のパワーを強調する。
時間領域変換部9は、目的音強調処理された周波数領域信号を時間領域の信号へ変換する。変換には、例えば、高速フーリエ逆変換を利用する。
データ出力部10は、時間領域変換部9で処理されたデータを出力する。このとき出力するデータは、デジタル信号のままでも良く、アナログ信号に変換しても良い。
(A−3)第1の実施形態の動作
次に、実施形態に係る収音装置20の動作を説明する。
目的エリアが存在する空間に存在する各種の音源からの音響は、マイクロホンアレイ1及び2を構成するマイクロホンa11、a12、…、a1M、a21、a22、…、a2Mによって収音(捕捉)され、得られた音響信号x11、x12、…、x1M、x21、x22、…、x2Mがデータ入力部3に入力されてデジタ信号に変換される。なお、デジタル信号に変換された音響信号に対しても、同じx11、x12、…、x1M、x21、x22、…、x2Mという表記を適用する。
これら音響信号に対し、遅延補正部4によって遅延を加え、全てのマイクロホンアレイ1及び2に捕捉対象の音響(第1の実施形態の場合、目的エリア方向及び目的エリア方向以外の音、後述する第2の実施形態の場合、目的エリア方向の音)が同時に到達したと取り扱うことができるようにする。さらに、各音響信号は、周波数領域変換部5によって時間領域から周波数領域の信号に変換される。各マイクロホンアレイ1、2に係る周波数領域信号のそれぞれに対し、指向性形成部6によって、目的エリア方向に向けたビームフォーマと目的エリア方向以外に向けたビームフォーマとが実行される。
目的エリア音推定部7によって、マイクロホンアレイ1、2毎に、目的エリア方向及び目的エリア方向以外に向けたビームフォーマ後の周波数成分のパワーの変化から、目的エリア方向と目的エリア方向以外の成分が推定され、さらにその結果を全マイクロホンアレイ1、2間で比較することで、目的エリア音の成分が推定される。以下、目的エリア音推定部7の処理の詳細を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、マイクロホンアレイ1を構成するM個のマイクロホンa11、a12、…、a1Mからの入力信号x11、x12、…、x1Mをそれぞれ周波数領域に変換したものをX11、X12、…、X1Mとする。X1i(iは1〜M)はそれぞれ、周波数ごとの値を要素としているベクトルである。周波数領域信号(ベクトル)X1iの絶対値|X1i|の成分は、各周波数のパワーとなる。また、周波数領域信号X11、X12、…、X1Mをビームフォーマしたものを (周波数ごとの値を要素としているベクトルである)とする。このとき、ビームフォーマ後データYは、各周波数領域信号の絶対値|X11|、|X12|、…、|X1M|と同じスケールに合わせてある。同様に、マイクロホンアレイ2の入力信号を周波数領域に変換したものをX21、X22、…、X2Mとし、ビームフォーマ後のデータをYとする。
目的エリア音推定部7は、まず、マイクロホンアレイ1のビームフォーマ後の周波数毎のパワーの変化Zdif1を算出する(S100)。マイクロホンアレイ1のビームフォーマ後の周波数毎のパワーの変化Zdif1(周波数ごとの値を要素としているベクトル)は、(4)式で表すことができる。パワー変化Zdif1は、目的エリア以外の方向にビームフォーマを行い、(4)式のように、目的エリア方向のビームフォーマと目的エリア方向以外のビームフォーマのパワーの変化の比から算出する。パワーの変化Zdif1は、周波数成分毎の比を要素としたベクトルである。
Figure 0005494699
ここで、Y1TAはマイクロホンアレイ1での目的エリア方向のビームフォーマ後のデータであり、Y1NAはマイクロホンアレイ1での目的エリア方向以外のビームフォーマ後のデータである。目的エリア方向と目的エリア方向以外との角度差は、シミュレーションなどで定めるようにしても良く、予め設定するようにしても良い。
次に、パワー変化Zdif1の成分のうち、閾値αを超えているものには1を対応付け、閾値α以下のものに−1を対応付け、対応付けられた各成分の値をベクトル要素とした正規化パワー変化Zpn1を形成する(S101)。ビームフォーマにより、目的エリア方向の音源の成分は増幅され、それ以外の方向の雑音成分は減衰されていることから、正規化パワー変化Zpn1の成分の値が1であれば、目的エリア方向の音源の成分であり、−1であれば目的エリア方向以外の雑音の成分であると推定できる。閾値αの値は、固定値、若しくは周波数ごとのパワーに依存し変化させる。
同様に、マイクロホンアレイ2についても、パワー変化Zdif2を算出した後、正規化パワー変化Zpn2を形成する(S102、S103)。
次に、各マイクロホンアレイ1、2について求めた正規化パワー変化Zpn1、Zpn2から目的エリア音の成分を推定する。例えば、(5)式に従って、正規化パワー変化Zpn1及びZpn2の平均ベクトルZtaを算出し、このベクトルZtaを目的エリア音成分信号とする(S104)。
Figure 0005494699
目的エリア音の周波数成分は、全マイクロホンアレイ1及び2のビームフォーマ後の出力で増幅(強調)しているので、正規化パワー変化Zpn1及びZpn2で共に1となり、その結果、目的エリア音成分信号Ztaでも1となる。それゆえ、目的エリア音成分信号Ztaで値が1である周波数成分は、目的エリア音の成分であると推定することができる。
目的エリア音推定部7で推定された目的エリア音以外の成分は、そのパワーが目的エリア音強調部8によって減衰され、推定された目的エリア音の成分は、そのパワーが目的エリア音強調部8によって強調する。
ここで、パワーの減衰は、各マイクロホンアレイ1、2についてのビームフォーマ後のデータY、Yに対して行われる。減衰の強度は、例えば、目的エリア音成分の平均のパワーに対して、それ以外の全ての成分のパワーが下回るように行う。また、目的エリア音以外の成分のパワーに比例して減衰強度を決定しても良い。さらに、マイクロホンアレイ1、2毎に、目的エリアからの距離に応じて減衰強度に重み付けをするようにしても良い。この場合は、例えば、目的エリアに近い位置にあるマイクロホンアレイでは大きく減衰させるなど、距離によって線形又は非線形に減衰強度を変更する。マイクロホンアレイ1、2についての目的音強調処理された各信号は、位相情報を追加した後、加算して1つのデータとする。若しくは、目的エリアに最も近い位置に配置してあるマイクロホンアレイについて目的音強調処理された信号を選択する。
目的音強調処理された信号は、時間領域変換部9によって、時間領域の信号へ変換される。その後、データ出力部10によって、次段に出力される。
(A−4)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、各マイクロホンアレイについての、目的エリア方向並びに目的エリア方向以外のビームフォーマ後の周波数成分のパワーの変化を利用して目的エリア音の周波数成分を推定して強調するため、各マイクロホンアレイの位置を調整することなく、目的エリアが雑音源に囲まれている状況でも目的エリア音のみを強調することができる。すなわち、上記実施形態によれば、複数のマイクロホンアレイを異なる方向に一度配置するだけで目的エリア音のみを強調することができる。
また、上記実施形態によれば、指向性形成部が形成する指向性を変更することができるので、複数のマイクロホンアレイの位置などを変更することなく、目的エリアの変更にも容易に対応することができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による収音装置及びプログラムの第2の実施形態を簡単に説明する。
第2の実施形態の収音装置も、その構成を、第1の実施形態の説明で用いた図1で表すことができる。第2の実施形態の収音装置は、指向性形成部6及び目的エリア音推定部7の処理が、第1の実施形態と異なっている。
第2の実施形態の指向性形成部6は、目的エリア方向に向けてビームフォーマを行うが、目的エリア方向以外の方向に対するビームフォーマを実行しないものである。
第2の実施形態の目的エリア音推定部7は、パワーの変化Zdif1として、(6)式に示すように、マイクロホンアレイ1のビームフォーマ前後の周波数毎のパワーの変化Zdif1を算出すると共に、同様にして、マイクロホンアレイ2のビームフォーマ前後の周波数毎のパワーの変化Zdif2を算出する。
Figure 0005494699
なお、パワー変化Zdif1は、(6)式のように、マイクロホンアレイ1の全てのマイクロホンa11〜a1Mに係る周波数領域信号を用いて算出するのではなく、マイクロホンアレイ1を構成するマイクロホンa11〜a1Mの中で、中心に位置するものを一つ選んで、その選んだマイクロホンに係る周波数領域信号の絶対値に対するビームフォーマ後データYの比として簡易的に算出するようにしても良い。(6)式は、2つの値の比を適用したが、2つの値の差を適用するようにしても良い。
これ以降の目的エリア音推定部7の処理は、第1の実施形態と同様である。パワー変化Zdif1の成分のうち、閾値αを超えているものには1を対応付け、閾値α以下のものに−1を対応付け、対応付けられた各成分ごとの値をベクトル要素とした正規化パワー変化Zpn1を形成する。
第1の実施形態が、目的エリア方向のビームフォーマのパワー変化と目的エリア方向以外の方向のビームフォーマのパワー変化とから目的エリア方向の音源を推定し、第2の実施形態が、目的エリア方向のビームフォーマ前後のパワー変化から目的エリア方向の音源を推定するという相違はあるが、共通する技術思想の項で説明したように、目的エリア方向のビームフォーマ後のパワー変化では、目的音声の成分は増幅しているという性質を利用している。
第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
(C)他の実施形態
上記各実施形態では、マイクロホンアレイが2つのものを示したが、マイクロホンアレイが3つ以上あっても良い。この場合において、マイクロホンアレイの数に等しい数の正規化パワー変化の平均値をとって求めた目的エリア音成分信号Ztaにおいて1である成分だけを目的エリア音の成分として推定するだけでなく、他の値であっても目的エリア音の成分として推定するようにしても良い。例えば、マイクロホンアレイが4つの場合において、目的エリア音成分信号Ztaにおいて0.75(4つ中3つのマイクロホンアレイの出力で目的エリア音と判定されたことを意味する)である成分も目的エリア音の成分として推定するようにしても良い。
上記各実施形態では、目的エリア音の成分の推定結果を、目的エリア音の強調に用いるものを示したが、他の用途に利用するようにしても良い。例えば、予め音源の種類に対応付けて目的エリア音の成分の推定結果を辞書登録しておき、今回の目的エリア音の成分の推定結果を、辞書の登録内容と照合することにより目的エリア音の音源種類を決定するようにしても良い。
上記各実施形態では、マイクロホンアレイが捕捉して得た音響信号をリアルタイムに処理するものを示したが、マイクロホンアレイが捕捉して得た音響信号を記憶媒体に記憶させ、その後、記憶媒体から読み出して処理して目的エリア音の強調信号を得るようにしても良い。このように記憶媒体を利用する場合には、マイクロホンアレイが設定されている場所と、強調処理する場所とが離れていても良い。同様に、リアルタイムに処理する場合にも、マイクロホンアレイが設定されている場所と、強調処理する場所とが離れていても良く、通信により信号を遠隔地に供給するようにしても良い。
以上のような記憶媒体や通信を利用したりする場合も、本発明の「収音装置」の概念に含まれるものとする。
上記各実施形態では、各マイクロホンアレイにおけるマイクロホンの数が同じものを示したが、各マイクロホンアレイにおけるマイクロホンの数が異なっていても良い。
20…収音装置、1、2…マイクロホンアレイ、3…データ入力部、4…遅延補正部、5…周波数領域変換部、6…指向性形成部、7…目的エリア音推定部、8…目的エリア音強調部、9…時間領域変換部、10…データ出力部。

Claims (4)

  1. 複数のマイクロホンアレイと、
    上記各マイクロホンアレイの出力のそれぞれに対し、ビームフォーマによって、少なくとも目的エリア方向へ指向性を形成する指向性形成部と、
    上記各マイクロホンアレイについてのビームフォーマ後の周波数成分のパワーの変化をとらえ、目的エリア方向へのビームフォーマで増幅しているか否かに基づいて、目的エリア方向の音源の周波数成分とそれ以外の雑音成分とを推定し、上記各マイクロホンアレイについての推定結果を統合して、目的エリアに存在する音源からの音の周波数成分を推定する目的エリア音推定部と
    を備えることを特徴とする収音装置。
  2. 上記目的エリア音推定部は、上記各マイクロホンアレイについての推定結果が全て目的エリア方向の音源の周波数成分と推定しているときに、目的エリアに存在する音源からの音の成分と推定することを特徴とする請求項1に記載の収音装置。
  3. 上記目的エリア音推定部の推定結果に基づいて、目的エリアに存在する音源からの音を強調する目的エリア音強調部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の収音装置。
  4. 複数のマイクロホンアレイからの信号が与えられるコンピュータを、
    上記各マイクロホンアレイの出力のそれぞれに対し、ビームフォーマによって目的エリア音方向へ指向性を形成する指向性形成部と、
    上記各マイクロホンアレイについてのビームフォーマ後の周波数成分のパワーの変化をとらえ、目的エリア方向へのビームフォーマで増幅しているか否かに基づいて、目的エリア方向の音源の周波数成分とそれ以外の雑音成分とを推定し、上記各マイクロホンアレイについての推定結果を統合して、目的エリアに存在する音源からの音の周波数成分を推定する目的エリア音推定部と
    して機能させることを特徴とする収音プログラム。
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