JP5492635B2 - 熱式流量センサおよび負圧吸着装置 - Google Patents

熱式流量センサおよび負圧吸着装置 Download PDF

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Description

本発明は熱式流量センサおよび負圧吸着装置に関する。
電子部品などの小型の部品をプリント配線基板上に搬送する場合、吸着ノズルに部品を吸着させて搬送する負圧吸着装置が用いられる。負圧吸着装置は、エジェクタや真空ポンプなどの負圧発生装置で発生した負圧を用いて吸着ノズルの空気吸込口から空気を吸引することにより、吸着ノズルに部品を吸着させる。負圧吸着装置は、部品の吸着/開放が正常に行われていることを知らせるために、吸着確認センサを備えている。下記特許文献1には、部品の吸着の有無を確認するための吸着確認センサとして熱式流量センサを用い、流量の多少に基づいて部品の吸着/開放を判定する負圧吸着装置が開示されている。
特開2004−9166号公報
上記負圧吸着装置は、搬送する部品によってノズルの口径を変える必要がある。多機能な負圧吸着装置の中には、部品の大きさに適合させた口径のノズルを複数搭載するものがある。このような負圧吸着装置では、部品の大きさに応じてヘッドに装着するノズルを選択し、ノズルを付け替えた後に部品の吸着を行う。このとき、ヘッドへのノズルの装着が不完全な状態であると、部品の搭載不良が発生したり、部品吸着の有無を判定する際に支障を来たすこととなり、負圧吸着装置の動作が不安定になるおそれがある。これを防止するために、ノズル交換時にノズルを通過する空気の流量を測定し、標準流量と比較して、ノズルが適正に装着されているか否かを判定する機能を搭載するものがある。この機能を実現するために、上記吸着確認センサを、ノズルの装着状態を判定するために利用できれば、センサを複数搭載する必要がなくなり、負圧吸着装置の小型化、簡素化に寄与することができる。
ところで、吸着確認センサを部品吸着の有無を判定するために用いる場合、タクト時間を短縮するために応答時間を短くすることが要求される。一般的に、部品吸着の有無を判定するために利用される熱式流量センサの応答時間は、2〜5ms程度となる。このような熱式流量センサは、気流の乱れに起因する流速変化にも反応してしまい、乱れによる出力変動(ノイズ)は、流量が増えるにつれて大きくなる。比較的低い流量領域での判定となる部品吸着の有無判定は、出力変動が小さく、判定に問題は生じない。しかしながら、比較的高い流量領域での判定となるノズルの装着状態の正否判定では、出力変動が大きく、判定が困難となる。さらに、熱式流量センサの流量に対する出力電圧により表される出力特性はリニアではなく、例えば、低流量領域では流量に対する出力電圧の変化の度合いが大きいのに対し、高流量領域では流量に対する出力電圧の変化の度合いが小さくなる。この場合、低流量領域での判定となる部品吸着の有無判定は、流量変化による出力変化が大きいため出力変動の影響は少ないが、高流量領域での判定となるノズルの装着状態の正否判定では、出力変動の影響が大きくなる。
このように、熱式流量センサを使用した吸着確認センサを、部品吸着の有無判定に加え、ノズルの装着状態を判定するために用いる場合には、出力変動の影響により、ノズルの装着状態の判定ができないおそれがある。
そこで本発明は、幅広い範囲の流量領域での測定または判定に用いる場合であっても、判定精度を向上させることができる熱式流量センサおよび負圧吸着装置を提供することを目的の一つとする。
本発明にかかる熱式流量センサは、駆動回路から付与される電力によって発熱する発熱素子および当該発熱素子の両側に設けられる一対の温度検出素子を有するセンサと、前記センサの出力を増幅する増幅部と、前記センサの出力の応答時間を変更する応答時間変更回路と、を備える。
かかる構成により、センサの出力の応答時間を変更することができるため、この応答時間に応じて変わる出力波形の平滑化の度合いを変更することが可能となる。したがって、センサの出力に乱れが含まれる場合には、出力の応答時間を伸長することで、出力に含まれる乱れを除去することが可能となる。
また、本発明にかかる負圧吸着装置は、上記流熱式流量センサと、負圧発生装置で発生した負圧を利用して部品を吸着する吸着ノズルと、を備え、前記熱式流量センサは、前記吸着ノズルから吸い込まれる空気の流量を計測する。
かかる構成を採用することで、負圧吸着装置で行う各種の判定に用いる流量に対応する出力電圧から乱れを除去することができるため、乱れのない安定した出力電圧に基づいて判定させることが可能となる。
上記熱式流量センサにおいて、前記温度検出素子の各電気抵抗から求まる流体の測定流量または外部からの信号に応じて前記応答時間を制御する制御部を、さらに備えることとしてもよい。また、上記熱式流量センサにおいて、前記制御部は、前記測定流量が所定流量以上である場合、または、前記外部からの信号が所定流量以上の流量に対する出力を要求する信号である場合に、前記応答時間を伸長させることとしてもよい。また、上記熱式流量センサにおいて、前記応答時間変更回路は、スイッチとコンデンサとを含むこととしてもよい。
本発明によれば、幅広い範囲の流量領域での測定または判定に用いる場合であっても、判定精度を向上させることができる熱式流量センサおよび負圧吸着装置を提供することができる。
実施形態における負圧吸着装置の外観図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。 図1に示す吸着確認センサの分解斜視図である。 図2に示すIII−III線矢視方向断面図である。 図3に示す流量センサの斜視図である。 図4に示すV−V線矢視方向断面図である。 図2に示す制御回路の機能構成図であり 図2に示す制御回路の回路構成図である。 図1に示す吸着確認センサの出力特性を例示する図である。 図1に示す吸着確認センサのスイッチオフ時の応答特性を例示する図である。 図1に示す吸着確認センサのスイッチオン時の応答特性を例示する図である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載では、同一または類似の部分を同一または類似の符号で表す。ただし、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明と照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
図1は本発明の実施形態における負圧吸着装置の外観図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。負圧吸着装置は、例えば、プリント配線基板にチップ部品を実装するためのマウンタ装置に搭載することができる。以下においては、複数の吸着ノズルが直線上に配置されたモジュラー式(XY式)マウンタ装置に搭載した負圧吸着装置について説明するが、本発明は複数の吸着ノズルが円周上に配置されたロータリー式マウンタ装置にも同様に適用することができる。
図1に示す負圧吸着装置は、吸着確認センサ1と、ノズル部3を含む吸着ノズル2と、空気吸引通路4A〜4Cと、バルブ5と、配管6と、負圧発生装置7と、ヘッドユニット9とを有する。負圧発生装置7としては、例えば、エジェクタや真空ポンプ等を用いることができる。
ヘッドユニット9の底部には、5つの吸着ノズル2が等間隔で着脱自在に取り付けられている。ヘッドユニット9は、吸着ノズル2の先端にあるノズル部3の昇降動作や、ノズル部3の上下方向を軸とする回転動作を制御する。
各吸着ノズル2は、空気吸引通路4A、吸着確認センサ1、空気吸引通路4B、バルブ5および空気吸引通路4Cを介して配管6にそれぞれ接続されている。各吸着ノズル2は、負圧発生装置7で発生した負圧を利用して部品を吸着する。
本実施形態における負圧吸着装置は、吸着対象となる部品の大きさに合わせてノズル部3を交換することができる。本実施形態では、以下において、口径の異なる大小2種類のノズル部3を交換して使用する場合について説明する。
バルブ5は、吸着ノズル2への負圧/大気圧の供給を制御して部品の吸着/開放を制御する。吸着確認センサ1は、本発明の熱式流量センサの一例である。吸着確認センサ1は、吸着ノズル2から吸い込まれる空気の流量に基づいて、例えば吸着ノズル2での部品吸着の有無等を判定する。
図2および図3を参照して、吸着確認センサ1について説明する。図2は、吸着確認センサ1の分解斜視図であり、図3は、図2に示すIII−III線矢視方向断面図である。
吸着確認センサ1は、全体として直方体をなしており、プラスチック樹脂製の成型品からなるケース14内に、空気が流れる流路15が形成され、その流路15を流れる空気の流量を計測する流量センサ12が流路15内に配置されている。
流量センサ12は、熱式センサであり、基板11に実装されている。流量センサ12が実装されている基板11の反対側の面には、制御回路13が実装されている。制御回路13は、流量センサ12を制御して流路15内の空気流量を測定し、例えば吸着ノズル2での部品吸着の有無等を示す電気信号を出力する。
図4は、流量センサ12の斜視図であり、図5は、図4に示すV−V線矢視方向断面図である。図4および図5に示すように、流量センサ12は、キャビティ26が設けられた基板20と、基板20上にキャビティ26を覆うように配置された絶縁膜25と、絶縁膜25に設けられた発熱素子としての発熱抵抗体21と、発熱抵抗体21より上流側(図4,図5において左側)に設けられた温度検出素子としての上流側測温抵抗素子22と、発熱抵抗体21より下流側(図4,図5において右側)に設けられた温度検出素子としての下流側測温抵抗素子23と、上流側測温抵抗素子22より上流側に設けられた温度センサ24と、を有する。
絶縁膜25のキャビティ26を覆う部分は、熱容量が小さく、基板20に対して断熱性を有するダイヤフラムを構成する。温度センサ24は、流路15に流入してきた空気の温度を測定する。発熱抵抗体21は、キャビティ26を覆う絶縁膜25の中心に配置されており、駆動回路(不図示)から付与される電力によって発熱する。発熱抵抗体21は、温度センサ24が計測した空気の温度よりも一定温度高くなるように加熱される。上流側測温抵抗素子22は、発熱抵抗体21より上流側の温度を検出するために用いられる。下流側測温抵抗素子23は、発熱抵抗体21より下流側の温度を検出するために用いられる。
ここで、図3に示す流路15中の空気が静止(停止)している場合には、図4および図5に示す発熱抵抗体21によって加えられた熱は、上流方向と下流方向へ対称的に拡散する。したがって、上流側測温抵抗素子22および下流側測温抵抗素子23の温度は等しくなり、上流側測温抵抗素子22および下流側測温抵抗素子23の電気抵抗は等しくなる。これに対し、流路15中の空気が上流から下流に流れている場合には、発熱抵抗体21によって加えられた熱は、下流方向に運ばれる。したがって、上流側測温抵抗素子22の温度よりも、下流側測温抵抗素子23の温度の方が高くなる。そのため、上流側測温抵抗素子22の電気抵抗と下流側測温抵抗素子23の電気抵抗との間に差が生じる。
下流側測温抵抗素子23の電気抵抗と上流側測温抵抗素子22の電気抵抗との差は、流路15を流れる空気の流量と相関関係がある。それゆえに、下流側測温抵抗素子23の電気抵抗と上流側測温抵抗素子22の電気抵抗との差から、流路15を流れる空気の流量を算出することができる。また、流路15中の空気が下流から上流に流れる場合であっても、同様に、上流側測温抵抗素子22の電気抵抗と下流側測温抵抗素子23の電気抵抗との差から、流路15を流れる空気の流量を算出することができる。
図4および図5に示す基板20の材料としては、シリコン(Si)などが使用可能である。絶縁膜25の材料としては、酸化ケイ素(SiO2)などが使用可能である。キャビティ26は、異方性エッチングなどにより形成される。また発熱抵抗体21、上流側測温抵抗素子22、下流側測温抵抗素子23および温度センサ24の各材料には白金(Pt)などが使用可能であり、リソグラフィ法などにより形成可能である。
図6および図7を参照して、制御回路13について説明する。図6は、制御回路13の機能構成図であり、図7は、制御回路13の回路構成図である。
制御回路13は、機能的には、例えば図6に示すように、流量算出部131と、増幅部132と、スイッチ制御部133と、判定部134とを有し、物理的には、例えば図7に示すように、ブリッジ回路Bと、インスツルメンテーションアンプAと、CPU(不図示)と、メモリ(不図示)とを含んで構成される。
図7に示すブリッジ回路Bは、上流側測温抵抗素子22、下流側測温抵抗素子23および抵抗R1,R2を含む。インスツルメンテーションアンプAは、三つのオペアンプOP1〜OP3と、6つの抵抗R3〜R8と、応答時間変更回路ACとを含む。応答時間変更回路ACは、インスツルメンテーションアンプAの出力信号の応答時間を伸長させるコンデンサC1と、応答時間変更回路ACをオン/オフするスイッチSW1と、を含む。インスツルメンテーションアンプAは、所定電圧VBを抵抗R9と抵抗R10とで分圧した電圧を基準電圧として用いる。
図6に示す流量算出部131は、発熱抵抗体21を発熱させたときの上流側測温抵抗素子22および下流側測温抵抗素子23の各電気抵抗(温度)に基づいて、空気の流量を算出する。具体的に、流量算出部131は、下流側測温抵抗素子23の電気抵抗と上流側測温抵抗素子22の電気抵抗との差をブリッジ回路Bで検出し、空気の熱伝導率などの物性値に基づいて空気の流量(質量流量)を算出する。流量算出部131は、所定の検出間隔ごとに流量センサ12を駆動して空気の流量を算出する。
増幅部132は、ブリッジ回路Bで検出された電気抵抗の差をインスツルメンテーションアンプAで増幅し、出力電圧VOを出力する。
図8を参照して、吸着確認センサ1の出力特性について説明する。この出力特性は、流量に対する出力電圧により表される。図8に示すG0は、負圧吸着装置で利用可能な全流量領域をカバーする吸着確認センサ1の出力特性を示す。この出力特性G0は、低流量領域では流量に対する出力電圧の変化の度合いが比較的大きいのに対し、高流量領域に移るにしたがって流量に対する出力電圧の変化の度合いが小さくなる。このような特性は、一般的な熱式センサに共通する特徴である。
本実施形態における負圧吸着装置では、小型のノズル部3を装着したときには、部品吸着時の空気流量が略0L/minとなり、部品開放時の空気流量が略1L/minとなる。したがって、小型のノズル部3を装着した時に部品の吸着の有無を判定する場合には、低流量領域に該当する0〜1L/minの流量に対応する出力電圧に基づいて判定することになる。つまり、出力電圧VOが、0L/minの流量に対応する電圧VLY付近であるときには、部品が吸着状態であると判定することができる。出力電圧VOが、1L/minの流量に対応する電圧VLN付近であるときには、部品が開放状態であると判定することができる。
また、負圧吸着装置において、大型のノズル部3を装着したときには、ノズル部3が正常に装着している時の空気流量が略5L/minとなり、ノズル部3が正常に装着していない時の空気流量が略6L/minとなる。したがって、大型のノズル部3を装着した時にノズル部3の装着状態の正否を判定する場合には、高流量領域に該当する5〜6L/minの流量に対応する出力電圧に基づいて判定することになる。つまり、出力電圧VOが、5L/minの流量に対応する電圧VHY付近であるときには、ノズル部3の装着状態が正常であると判定することができる。出力電圧VOが、6L/minの流量に対応する電圧VHN付近であるときには、ノズル部3の装着状態が異常であると判定することができる。
図8に示すように、低流量領域での判定に用いる流量に対応する出力電圧VLY,VLN間の差VLは比較的大きいのに対し、高流量領域での判定に用いる流量に対応する出力電圧VHY,VHN間の差VHは小さい。
図6に示すスイッチ制御部133は、外部からの信号に応じてスイッチSW1のオン/オフを制御する。スイッチ制御部133がスイッチSW1をオフからオンに切り替えると、応答時間変更回路ACが接続状態となり、インスツルメンテーションアンプAからの出力信号の応答時間が長くなる。スイッチ制御部133がスイッチSW1をオンからオフに切り替えると、応答時間変更回路ACが切断状態となり、インスツルメンテーションアンプAからの出力信号の応答時間が短くなる。
外部からの信号としては、例えば、大型ノズルの装着状態の正否を判定する際に用いる高流量領域の流量(例えば、5L/min〜6L/min)に対する出力を要求する高流量判定要求信号や、小型ノズル装着時の部品の吸着の有無を判定する際に用いる低流量領域の流量(例えば、0L/min〜1L/min)に対する出力を要求する低流量判定要求信号等がある。
スイッチ制御部133は、高流量判定要求信号を受信した場合には、スイッチSW1をオフからオンに切り替える。スイッチ制御部133は、低流量判定要求信号を受信した場合には、スイッチSW1をオンからオフに切り替える。
判定部134は、インスツルメンテーションアンプAからの出力電圧VOに基づいて、流量を用いて行う各種の判定を実行する。各種の判定としては、例えば、ノズルの装着状態の正否判定や部品吸着の有無判定等が該当する。以下に、判定部134による判定について具体的に説明する。
判定部134は、例えば、大型のノズル部3の装着が正常であるか否かを判定する場合には、高流量領域に該当する5〜6L/minの流量に対応する出力電圧に基づいて判定する。具体的に、判定部134は、出力電圧が5L/minに対応する電圧VHY付近である場合には、ノズル部3が正常に装着していると判定し、その旨を示す電気信号を出力する。一方、判定部134は、出力電圧が6L/minに対応する電圧VHN付近である場合には、ノズル部3が正常に装着していないと判定し、その旨を示す電気信号を出力する。
また、判定部134は、例えば、小型のノズル部3装着時に部品吸着の有無を判定する場合には、低流量領域に該当する0〜1L/minの流量に対応する出力電圧に基づいて判定する。具体的に、判定部134は、出力電圧が0L/minに対応する電圧VLY付近である場合には、部品が吸着していると判定し、その旨を示す電気信号を出力する。一方、判定部134は、出力電圧が1L/minに対応する電圧VLN付近である場合には、部品が吸着していないと判定し、その旨を示す電気信号を出力する。
上述のように構成される負圧吸着装置は、例えば、以下のように動作する。
最初に、バルブ5が負圧発生装置7側(オン側)に切り替えられると、負圧発生装置7で発生する負圧を利用して、ノズル部3の空気吸込口から空気を吸い込む。これにより、空気吸引通路4Aを介して吸着確認センサ1に空気が流入し、吸着確認センサ1は、空気の流量を計測する。吸着確認センサ1を通過した空気は、空気吸引通路4B、バルブ5、空気吸引通路4C、配管6を介して負圧発生装置7に到達する。その結果、ノズル部3の空気吸込口の真下に位置する部品がノズル部3の先端に吸着される。
続いて、バルブ5が大気圧側(オフ側)に切り替えられると、空気の吸い込みを停止する。その結果、ノズル部3の先端に吸着されていた部品が開放される。
ノズル部3の先端に部品が吸着している吸着状態では、部品によりノズル部3の空気吸込口の開口面積が狭められるため、吸い込まれる空気量が減少し、吸着確認センサ1の出力は低い出力電圧となる。一方、ノズル部3の先端に部品が吸着していない開放状態では、ノズル部3の空気吸込口から比較的多くの空気が吸い込まれるため、吸着確認センサ1の出力は高い出力電圧となる。また、大型のノズル部3が正常に装着していない場合には、正常に装着している場合に比べて、吸い込まれる空気の流量が増加し、吸着確認センサ1の出力が高くなる。
以下において、スイッチSW1のオン/オフによって変化する吸着確認センサ1の応答特性について説明する。
吸着確認センサを部品吸着の有無を判定するために用いる場合、タクト時間を短縮するために応答時間を短くすることが要求される。一般的に、部品吸着の有無を判定するために利用される熱式流量センサの応答時間は、2〜5ms程度となる。このような応答時間に対応する熱式流量センサは、気流の乱れに起因する流速変化にも反応してしまい、乱れによる出力変動(ノイズ)は、流量が増えるにつれて大きくなる。例として、図9を参照して、スイッチSW1をオフにしたときの吸着確認センサ1の応答特性について説明する。この応答特性は、時間=0.00sでバルブ5が負圧発生装置7側に切り替えられてから経過した時間に対する出力電圧の遷移状態を示すものである。
図9のG1は、流量が1L/minであるときの応答特性を示す。この1L/minは、小型のノズル部3が部品を開放しているときの流量である。流量が1L/minであるときの最終値は電圧VLNとなる。これに対して、小型のノズル部3が部品を吸着しているときの流量は、略0L/minであり、このときの最終値は電圧VLYとなる。0〜1L/minのように低流量である場合には、気流に乱れがほとんど生じないため、各流量に対する出力電圧は、過渡期を経過した後に最終値付近で安定する。したがって、小型のノズル部3が部品を吸着しているか否かを判定する際の基準となる出力電圧の閾値を設定する場合には、電圧VLYから電圧VLNまでの間にある最適な電圧に設定すればよく、容易に設定することができる。
図9のG5は、流量が5L/minであるときの応答特性を示す。この5L/minは、大型のノズル部3が正常に装着されているときの流量である。流量が5L/minであるときの最終値は電圧VHYとなる。これに対して、大型のノズル部3が正常に装着されていないときの流量は、6L/minであり、このときの最終値は電圧VHNとなる。5〜6L/minのように高流量である場合には、気流に大きな乱れが生ずるため、各流量に対する出力電圧は、図9のG5に示すように大きく乱れ、不安定となる。したがって、大型のノズル部3が正常に装着されているか否かを判定する際の基準となる出力電圧の閾値を、電圧VHYから電圧VHNまでの間に設定すると、判定精度が著しく低減してしまう。
図10を参照して、スイッチSW1をオンにしたときの吸着確認センサ1の応答特性について説明する。この応答特性は、時間=0.00sでバルブ5が負圧発生装置7側に切り替えられてから経過した時間に対する出力電圧の遷移状態を示すものである。なお、図10のG5は、図9の応答特性G5と同一の応答特性であり、図10のG5aと比較するために表示したものである。
図10のG5aは、流量が5L/minであるときの応答特性を示す。この応答特性G5aは、出力電圧が過渡期を経過した後に、最終値である電圧VHY付近で安定することを示している。これと同様に、大型のノズル部3が正常に装着されていないときの流量である6L/minに対応する出力電圧も、過渡期を経過した後に、最終値である電圧VHN付近で安定する。これにより、流量が5L/minであるときの出力電圧と、流量が6L/minであるときの出力電圧と、を明確に判別することが可能となる。つまり、スイッチSW1をオンにすることで、大型のノズル部3が正常に装着されているか否かを判定する際の基準となる出力電圧の閾値を、電圧VHYから電圧VHNまでの間にある最適な電圧に設定することが可能となる。それゆえに、高流量領域における判定の精度を向上させることができる。
一方、図9に示す応答特性G5は、最終値の90%に到達するまでに要する時間が、およそ0.05sであるのに対し、図10に示す応答特性G5aは、最終値の90%に到達するまでに要する時間が、およそ0.15sとなる。つまり、応答時間変更回路ACをオン状態にすることで、応答特性の応答時間が伸長され、判定に要する時間が長くなってしまう。したがって、低流量領域の流量を用いて判定する場合には、スイッチSW1をオフにすることで、安定した出力電圧を維持したまま、応答時間を短縮することができるため、高い判定精度を維持したまま、判定に要する時間を短縮することができる。
上述したように、本実施形態における負圧吸着装置によれば、各種の判定に用いる流量に応じてスイッチSW1のオン/オフを制御することで、センサの出力の応答時間を変更することができ、この応答時間に応じて変わる出力波形の平滑化の度合いを変更することが可能となる。したがって、低流量領域および高流量領域の双方で流量に対応する出力電圧を安定させることができるため、幅広い範囲の流量領域での測定や判定に用いる場合であっても、判定精度を向上させることができる。
具体的には、例えば、大型のノズル部の装着の正否を判定する場合には、スイッチSW1をオンにすることで、応答時間を伸長して出力電圧に含まれる乱れを除去することができる。これにより、高流量領域の流量に対する出力電圧を安定して出力させることができるため、判定に用いる出力値の差が小さい場合であっても、判定精度を向上させることが可能となる。
また、例えば、小型のノズル部3での部品の吸着の有無を判定する場合には、スイッチSW1をオフにすることで、安定した出力を維持したまま、応答時間を短縮することができる。これにより、高い判定精度を維持したまま、判定に要する時間を短縮することができる。
[変形例]
本発明を、上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす記述および図面は、この発明を限定するものではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態や運用技術等が明らかになるはずである。
例えば、上述した実施形態では、スイッチSW1のオン/オフを切り替えて一つの出力電圧を出力しているが、これに限定されない。例えば流量が5L/minである場合、応答特性G5に応じた出力電圧を出力し、それとは別に、応答特性G5aに応じた出力電圧を出力することとしてもよい。この場合に、図6に示す制御回路13は、増幅部132の代わりに、応答特性G5に応じた出力電圧を出力可能な第1の増幅部と、応答特性G5aに応じた出力電圧を出力可能な第2の増幅部と、を備えることとすればよい。また、図6に示す制御回路13のスイッチ制御部133は、省略することとすればよい。
第1の増幅部および第2の増幅部について具体的に説明する。第1の増幅部は、ブリッジ回路で検出された電気抵抗の差を、応答時間変更回路ACを含まないインスツルメンテーションアンプで増幅し、出力電圧を出力する。第2の増幅部は、ブリッジ回路で検出された電気抵抗の差を、応答時間変更回路ACを含むインスツルメンテーションアンプで増幅し、出力電圧を出力する。
このように構成することで、各種の判定を行う際に、判定精度を高めることができる出力電圧を選択して判定を行うことが可能となる。
また、上述した実施形態におけるスイッチ制御部133は、外部からの信号に応じてスイッチSW1のオン/オフを制御しているが、これに限定されない。例えば、スイッチ制御部133は、流量算出部131によって算出された空気の流量(測定流量)に応じてスイッチSW1のオン/オフを制御することとしてもよい。具体的には、スイッチ制御部133は、測定流量が高流量領域に属すると判定した場合には、スイッチSW1をオフからオンに切り替える。スイッチ制御部133は、測定流量が低流量領域に属すると判定した場合には、スイッチSW1をオンからオフに切り替える。
また、上述した実施形態では、スイッチSW1のオン/オフを制御する際に、判定に用いる流量が高流量領域であるのか低流量領域であるのかを基準にしているが、これに限定されない。例えば、所定流量を判定基準に設定し、外部からの信号が所定流量以上の流量に対する出力を要求する信号である場合には、スイッチSW1をオンにし、外部からの信号が所定流量未満の流量に対する出力を要求する信号である場合には、スイッチSW1をオフにすることとしてもよい。所定流量は、判定精度と判定時間とを比較考量しながら適宜設定することができる。
最後に、上述した実施形態では、本発明に係る熱式流量センサを、負圧吸着装置の吸着確認センサに適用した場合について説明しているが、これに限定されない。本発明に係る熱式流量センサは、流体の流量に基づいて判定を行う種々の装置に適用することができる。
1…吸着確認センサ、2…吸着ノズル、3…ノズル部、4A〜4C…空気吸引通路、5…バルブ、6…配管、7…負圧発生装置、9…ヘッドユニット、11…基板、12…流量センサ、13…制御回路、14…ケース、15…流路、20…基板、21…発熱抵抗体、22…上流側測温抵抗素子、23…下流側測温抵抗素子、24…温度センサ、25…絶縁膜、26…キャビティ、131…流量算出部、132…増幅部、133…スイッチ制御部、134…判定部、A…インスツルメンテーションアンプ、AC…応答時間変更回路、B…ブリッジ回路、C1…コンデンサ、SW1…スイッチ。

Claims (3)

  1. 駆動回路から付与される電力によって発熱する発熱素子および当該発熱素子の両側に設けられる一対の温度検出素子を有するセンサと、
    前記センサの出力を増幅する増幅部と、
    前記センサの出力の応答時間を変更する応答時間変更回路と、
    前記応答時間変更回路をオン/オフするスイッチと、
    前記温度検出素子の各電気抵抗から求まる流体の測定流量または外部からの信号に応じて前記応答時間を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記測定流量が所定流量以上である場合、または、前記外部からの信号が所定流量以上の流量に対する出力を要求する信号である場合に、前記スイッチをオンすることにより前記応答時間を伸長させる、
    ことを特徴とする熱式流量センサ。
  2. 前記応答時間変更回路は、コンデンサを含むことを特徴とする請求項記載の熱式流量センサ。
  3. 請求項1または2記載の熱式流量センサと、
    負圧発生装置で発生した負圧を利用して部品を吸着する吸着ノズルと、を備え、
    前記熱式流量センサは、前記吸着ノズルから吸い込まれる空気の流量を計測することを特徴とする負圧吸着装置。
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