JP5488017B2 - 等速ジョイントの中間シャフト - Google Patents

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Description

本発明は、車両の駆動力伝達軸部に使用される等速ジョイントの中間シャフトに関する。
車両の駆動力伝達軸部に使用される等速ジョイントは、インボードとアウトボードの2個の等速ジョイントが用いられており、それら2個の等速ジョイントは、中間シャフトによって連結されている。アウトボード側に使用されるボール型等速ジョイントは、図4に示すように、複数の外輪ボール溝31aを有する外輪31と、複数の内輪ボール溝32aを有する内輪32と、外輪ボール溝31aおよび内輪ボール溝32aに転動可能に配設されトルクを伝達する複数のボール33と、外輪31および内輪32の間に配設されてボール33を保持する保持器34とから構成されている。中間シャフト10aは、一端部外周に軸方向に延設された外周スプライン11aが内輪32の内周に軸方向に延設された内周スプライン32bと嵌合されることにより連結されている。この中間シャフト10aは、その一端部外周に設けられたスナップリング溝15a(図5参照)に装着されたスナップリング18により抜け止めされている。
内周スプライン32bと外周スプライン11aは、圧入により嵌合されている。また、内周スプライン32bおよび外周スプライン11aには、トルク負荷時に磨耗や変形が発生するのを防止するために、例えば特許文献1に開示されているような高周波焼き入れ等の熱処理が施されている。特許文献1には、スプラインのスプライン根元部を除いた部分の焼き入れ深さが、スプライン根元部の焼き入れ深さよりも深くなるように熱処理を施すことが記載されている。
なお、中間シャフト10aは、図5(a)(b)に示すように、外周スプライン11aのスナップリング溝15a付近から軸方向先端側の部位が、熱処理部14aに熱処理を施す際に焼き割れの発生を防止するため、熱処理が施されない非熱処理部(未焼き部)13aとなっている。また、外周スプライン11aの軸方向先端部は、内周スプライン32bとの圧入嵌合の開始を容易にするため、オーバーボール径(スプライン歯の歯厚)が先端側に向かうにつれて徐々に小さくなるようにされている。
特開2007−198401号公報
ところで、中間シャフト10aの外周スプライン11aの先端側に形成された非熱処理部13aは、熱処理が施された熱処理部14aに対して硬度が低くなっている。そのため、中間シャフト10aと内輪32との間でトルクが伝達される際に、外周スプライン11aの非熱処理部13aに大きなトルクが負荷されると、非熱処理部13aの磨耗や変形が発生し易い。そのため、中間シャフト10aと内輪32とのスプライン嵌合部の嵌合長が減少し、強度低下や軸ガタ発生の原因となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、外周スプラインの非熱処理部において、トルク伝達時の大きなトルク負荷による磨耗や変形が発生するのを防止し得るようにした等速ジョイントの中間シャフトを提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決する請求項1に係る発明の構成上の特徴は、等速ジョイントの内輪に設けられた内周スプラインと嵌合する軸方向に延設された外周スプラインを有する中間シャフトにおいて、前記外周スプラインは、軸方向の先端側に位置する非熱処理部と軸方向の基端側に位置する熱処理部とを有し、前記熱処理部の熱処理後において、前記外周スプラインの歯厚を規定するオーバーボール径のピークが前記熱処理部の範囲内に位置しているとともに、前記熱処理部の熱処理前における前記オーバーボール径のピークは、前記熱処理部の範囲内に位置していることである。
本発明において、オーバーボール径(以下、「OBD」ともいう。)とは、外周スプラインの歯厚を表す指標となるものであって、図3に示すように、直径方向に対向させてスプライン歯21の間に挿入した2個のボール23の間の径Dを測定することにより正確に知ることができる。この場合、オーバーボール径Dが大きくなれば、外周スプラインの歯厚は大きくなり、オーバーボール径Dが小さくなれば、外周スプラインの歯厚は小さくなる。
請求項2、5、および9に係る発明の構成上の特徴は、請求項1、4、または8に記載の等速ジョイントの中間シャフトにおいて、前記熱処理部の熱処理後における前記オーバーボール径のピークは、前記非熱処理部と前記熱処理部の境界から前記熱処理部側に所定距離ずれた所に位置していることである。
請求項3、6、および10に係る発明の構成上の特徴は、請求項1、2、4、5、8または9に記載の等速ジョイントの中間シャフトにおいて、前記熱処理部は、前記中間シャフトの一端側から他端側に向かって移動しつつ高周波で焼き入れする高周波移動焼き入れ法により熱処理されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、等速ジョイントの内輪に設けられた内周スプラインと嵌合する軸方向に延設された外周スプラインを有する中間シャフトにおいて、前記外周スプラインは、軸方向の先端側に位置する非熱処理部と軸方向の基端側に位置する熱処理部とを有し、前記熱処理部の熱処理後において、前記外周スプラインの歯厚を規定するオーバーボール径のピークが前記熱処理部の範囲内に位置しているとともに、前記外周スプラインは、円柱状の中間シャフト素材に転造加工を施すことにより形成され、転造加工前の前記中間シャフト素材は、前記非熱処理部となる部位の径が前記熱処理部となる部位の径よりも小さくされていることである。
請求項7および11に係る発明の構成上の特徴は、請求項4〜6、8〜10のいずれか一項に記載の等速ジョイントの中間シャフトにおいて、前記熱処理部の熱処理前における前記オーバーボール径のピークは、前記熱処理部の範囲内に位置していることである。
請求項に係る発明の構成上の特徴は、等速ジョイントの内輪に設けられた内周スプラインと嵌合する軸方向に延設された外周スプラインを有する中間シャフトにおいて、前記外周スプラインは、軸方向の先端側に位置する非熱処理部と軸方向の基端側に位置する熱処理部とを有し、前記熱処理部の熱処理後において、前記外周スプラインの歯厚を規定するオーバーボール径のピークが前記熱処理部の範囲内に位置しているとともに、前記外周スプラインは、円柱状の中間シャフト素材に転造ラックで転造加工を施すことにより形成され、前記転造ラックは、前記外周スプラインの軸方向基端側に前記オーバーボール径のピークが存在する第1スプライン歯を成形する第1転写部と、前記外周スプラインの軸方向先端側に前記第1スプライン歯よりも前記オーバーボール径が小さい第2スプライン歯を成形する第2転写部と、を有することである。
請求項12に係る発明の構成上の特徴は、請求項8〜11に記載の等速ジョイントの中間シャフトにおいて、前記第1転写部と前記第2転写部の境界は、前記非熱処理部と前記熱処理部の境界から前記熱処理部側に所定距離ずれた所に位置していることである。
請求項1に係る発明によれば、中間シャフトの外周スプラインは、軸方向の先端側に位置する非熱処理部と軸方向の基端側に位置する熱処理部とを有し、熱処理部の熱処理後において、外周スプラインの歯厚を規定するOBDのピークが熱処理部の範囲内に位置している。これにより、中間シャフトと内輪との間でトルクが伝達される際に、非熱処理部に大きなトルクが負荷され難くなるので、非熱処理部の磨耗や変形の発生を回避することができる。その結果、中間シャフトと内輪とのスプライン嵌合部の嵌合長の減少を回避することができ、強度低下や軸ガタ発生を回避することができる。
また、請求項1に係る発明によれば、熱処理部の熱処理前におけるOBDのピークは、熱処理部の範囲内に位置しているので、熱処理部の熱処理後におけるOBDのピークを、より確実且つ容易に熱処理部の範囲に位置させるようにすることが可能となる。特に、高周波移動焼き入れ法を採用して熱処理部の熱処理を行う場合に効果的となる。
請求項2に係る発明によれば、OBDのピークは、非熱処理部と熱処理部の境界から熱処理部側に所定距離ずれた所に位置しているので、OBDのピークが熱処理部の範囲内に確実に位置するようにすることができる。これにより、より確実に、非熱処理部に大きなトルクが負荷されないようにすることが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、熱処理部は、中間シャフトの一端側から他端側に向かって移動しつつ高周波で焼き入れする高周波移動焼き入れ法により熱処理されている。これにより、長尺状の中間シャフトに対して、効率良く簡易に熱処理を施すことができるので、生産性の向上を図ることができる。
なお、高周波移動焼き入れ法による熱処理が施される際には、外周スプラインの歯厚は、高周波の移動方向に向かって徐々に大きくなるように変化する。そのため、特に、中間シャフトの高周波移動焼き入れ終了側の端部においては、外周スプラインの歯厚が徐々に大きくなる変化は、軸方向の基端側から先端側に向かって進行する。よって、高周波移動焼き入れを行う場合には、熱処理後においても、OBDのピークが、熱処理部から非熱処理部に移動してしまうことのないようにする必要がある。この場合の対応策としては、例えば、熱処理部の熱処理前におけるOBDのピークの位置を、少なくとも、高周波移動焼き入れ時のOBDのピークの移動距離に相当する距離だけ、非熱処理部と熱処理部の境界から熱処理部側にずれた所に設定するようにすればよい。
請求項4に係る発明によれば、中間シャフトの外周スプラインは、軸方向の先端側に位置する非熱処理部と軸方向の基端側に位置する熱処理部とを有し、熱処理部の熱処理後において、外周スプラインの歯厚を規定するOBDのピークが熱処理部の範囲内に位置している。これにより、中間シャフトと内輪との間でトルクが伝達される際に、非熱処理部に大きなトルクが負荷され難くなるので、非熱処理部の磨耗や変形の発生を回避することができる。その結果、中間シャフトと内輪とのスプライン嵌合部の嵌合長の減少を回避することができ、強度低下や軸ガタ発生を回避することができる。
さらに、請求項に係る発明によれば、外周スプラインは、円柱状の中間シャフト素材に転造加工を施すことにより形成され、転造加工前の中間シャフト素材は、非熱処理部となる部位の径が熱処理部となる部位の径よりも小さくされている。これにより、OBDのピークが熱処理部の範囲内に位置するようにされた外周スプラインを簡易に形成することができる。なお、転造加工は、一対の転造ラックを使用し、この転造ラックの間で中間シャフト素材を転がすことによりスプラインを成形する従来より公知の加工法である。
請求項8に係る発明によれば、中間シャフトの外周スプラインは、軸方向の先端側に位置する非熱処理部と軸方向の基端側に位置する熱処理部とを有し、熱処理部の熱処理後において、外周スプラインの歯厚を規定するOBDのピークが熱処理部の範囲内に位置している。これにより、中間シャフトと内輪との間でトルクが伝達される際に、非熱処理部に大きなトルクが負荷され難くなるので、非熱処理部の磨耗や変形の発生を回避することができる。その結果、中間シャフトと内輪とのスプライン嵌合部の嵌合長の減少を回避することができ、強度低下や軸ガタ発生を回避することができる。
さらに、請求項に係る発明によれば、外周スプラインは、円柱状の中間シャフト素材に転造ラックで転造加工を施すことにより形成され、転造ラックは、外周スプラインの軸方向基端側にOBDのピークが存在する第1スプライン歯を成形する第1転写部と、外周スプラインの軸方向先端側に第1スプライン歯よりもOBDが小さい第2スプライン歯を成形する第2転写部とを有する。この転造ラックを用いることにより、OBDのピークが熱処理部の範囲内に位置するようにされた外周スプラインを簡易に形成することができる。
請求項12に係る発明によれば、第1転写部と第2転写部の境界は、非熱処理部と熱処理部の境界から熱処理部側に所定距離ずれた所に位置しているので、OBDのピークが熱処理部の範囲内に確実に位置するようにすることができる。
(a)は実施形態に係る中間シャフトの一端部上半分を示す正面図であり、(b)は中間シャフト素材の転造前径とシャフト端面からの距離との関係を示す図であり、(c)は中間シャフトの熱処理前のOBDとシャフト端面からの距離との関係を示す図であり、(d)は中間シャフトの熱処理後のOBDとシャフト端面からの距離との関係を示す図である。 他の実施形態において使用される一対の転造ラックのうちの一方の転造ラックを示す平面図である。 スプライン歯の歯厚の測定方法を示す説明図である。 中間シャフトが連結されたアウトボード側の等速ジョイントの軸方向に沿う断面図である。 (a)従来の中間シャフトの一端部の上半分を示す正面図であり、(b)は中間シャフトの熱処理後のOBDとシャフト端面からの距離との関係を示す図である。
以下、本発明の等速ジョイントの中間シャフトを具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1(a)は、実施形態に係る中間シャフトの一端部上半分を示す正面図である。図1(b)は、中間シャフト素材の転造前径とシャフト端面からの距離との関係を示す図である。図1(c)は、中間シャフトの熱処理前のOBDとシャフト端面からの距離との関係を示す図である。図1(d)は、中間シャフトの熱処理後のOBDとシャフト端面からの距離との関係を示す図である。なお、図1(b)(c)(d)では、本実施形態の場合が実線で示され、従来の場合が破線で示されている。
本実施形態の中間シャフト10は、車両においてフロント側に設置されるドライブシャフトのアウトボードジョイントとして使用されるボール型等速ジョイント(図4参照)の内輪32とスプライン嵌合により連結されるものである。
図1(a)に示すように、中間シャフト10の一端部外周には、内輪32の内周に軸方向に延設された内周スプライン32bと嵌合する外周スプライン11が設けられている。外周スプライン11は、軸方向に延び周方向に等間隔に配置された複数のスプライン歯12により構成されている。この外周スプライン11は、軸方向先端側に位置する非熱処理部(未焼き部)13と軸方向基端側に位置する熱処理部14とを有する。中間シャフト10の外周面の非熱処理部13と熱処理部14の境界B1から軸方向先端側に所定距離隔てた所には、周方向に延びる円環状のスナップリング溝15が設けられている。スナップリング溝15は、中間シャフト10の外周面から所定の深さを有するように形成されており、外周スプライン11を軸方向に分断している。このスナップリング溝15には、中間シャフト10と内輪32との抜け止め用のスナップリング(図示せず)が装着される。
外周スプライン11は、円柱状の中間シャフト素材に対して、従来より公知の転造ラック(図示せず)で転造加工を施すことにより形成されている。図1(b)に示すように、転造加工前の中間シャフト素材は、従来の場合には径が一定のものが用いられていたのに対して、本実施形態の場合には、主に非熱処理部13となる部位の径が熱処理部14となる部位の径よりも小さくされたものが用いられている。即ち、中間シャフト素材は、主に非熱処理部13となる部位の小径部16と、熱処理部14となる部位の大径部17とを有する。なお、小径部16と大径部17の境界B2は、非熱処理部13と熱処理部14の境界B1から軸方向基端側に所定距離隔てた所まで形成されている。ここでの所定距離は、後で外周スプライン11に対して高周波移動焼き入れ法による熱処理が施される際の、OBDのピークの移動距離に相当する距離以上となるように設定されている。
この中間シャフト素材に対して転造加工が施されることにより、外周スプライン11およびスナップリング溝15が形成される。転造加工により形成された外周スプライン11のOBDは、図1(c)に示すように、大径部17の部位では一定となるようにされ、小径部16の部位では軸方向先端側に向かうに連れて徐々に小さくなるようにされている。即ち、転造加工後(熱処理部14の熱処理前)におけるOBDのピーク(点ではなく、線状に連続している)は、熱処理部14の範囲内に位置している。なお、小径部16の部位でOBDが軸方向先端側に向かって徐々に小さくされているのは、外周スプライン11と内輪32の内周スプライン32bとの圧入嵌合の開始を容易にするためである。
その後、転造加工により形成された中間シャフト素材の外周スプライン11に対して、高周波移動焼き入れ法による熱処理が施される。高周波移動焼き入れは、リング状乃至はコイル状の高周波発生装置(図示せず)内に、中間シャフト素材を一端側(図1(a)の右側)から送り込み、中間シャフト素材を軸方向に移動させつつ熱処理予定部位(熱処理部14)に高周波を照射することにより行われる。このとき、外周スプライン11のOBD(歯厚)は、高周波の移動方向(焼き入れ方向X)に向かって徐々に大きくなるように変化する。即ち、本実施形態では、図1(d)に示すように、外周スプライン11のOBDは、軸方向基端側(図1(d)の右側)から軸方向先端側(図1(d)の左側)に向かって徐々に大きくなるように変化し、左肩上がりに傾斜した状態となっている。
この場合、OBDのピークは、非熱処理部13と熱処理部14の境界B1から熱処理部14側に少しずれた所の1箇所に位置しており、熱処理後においても、熱処理部14の範囲内に位置している。これは、中間シャフト素材に予め設けられた小径部16の範囲が、非熱処理部13と熱処理部14の境界B1から熱処理部14側に、高周波移動焼き入れ時のOBDのピークの移動距離に相当する距離以上離れるように設定されているからである。
なお、中間シャフト素材の一端側(図1(a)の右側)の端部にも外周スプライン(図示せず)が設けられている場合には、その外周スプラインに対しても、上記の外周スプライン11の高周波移動焼き入れに先行して、高周波移動焼き入れを行えばよい。この場合、中間シャフト素材の一端側の端部に設けられた外周スプラインは、軸方向先端側に位置する非熱処理部が高周波発生装置を通過した後、熱処理部への高周波移動焼き入れが施されるので、その高周波移動焼き入れによって、熱処理部の範囲内に位置しているOBDのピークが非熱処理部に移動する恐れはない。
以上のように、本実施形態の中間シャフト10によれば、外周スプライン11は、非熱処理部13と熱処理部14とを有し、熱処理部14の熱処理後において、外周スプライン11のOBDのピークが熱処理部14の範囲内に位置している。これにより、中間シャフト10と内輪32との間でトルクが伝達される際に、非熱処理部13に大きなトルクが負荷され難くなるので、非熱処理部13の磨耗や変形の発生を回避することができる。その結果、中間シャフト10と内輪32とのスプライン嵌合部の嵌合長の減少を回避することができ、強度低下や軸ガタ発生を回避することができる。
また、OBDのピークは、非熱処理部13と熱処理部14の境界B1から熱処理部14側に所定距離ずれた所に位置しているので、OBDのピークが熱処理部14の範囲内に確実に位置するようにすることができる。これにより、より確実に、非熱処理部13に大きなトルクが負荷されないようにすることが可能となる。
特に、本実施形態では、外周スプライン11は、円柱状の中間シャフト素材に転造加工を施すことにより形成され、転造加工前の中間シャフト素材は、主に非熱処理部13となる部位の小径部16と、熱処理部14となる部位の大径部17とを有するものが用いられている。そのため、OBDのピークが熱処理部14の範囲内に位置するようにされた外周スプライン11を簡易に形成することができる。
また、本実施形態では、熱処理部14は、高周波移動焼き入れ法により熱処理されていることから、長尺状の中間シャフト素材に対して、効率良く簡易に熱処理を施すことができるので、生産性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、熱処理部14の熱処理前におけるOBDのピークが、熱処理部14の範囲内に位置するようにしているので、熱処理部14の熱処理後におけるOBDのピークを、より確実且つ容易に熱処理部の範囲に位置させるようにすることができる。特に、本実施形態では、上記のように高周波移動焼き入れ法を採用して熱処理部14の熱処理を行っているので、熱処理部14の熱処理後におけるOBDのピークを、より確実且つ容易に熱処理部14の範囲に位置させるようにする上で効果的となる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、上記の実施形態においては、熱処理部14の熱処理後におけるOBDのピークが、熱処理部14の範囲内に位置するようにされた外周スプライン11を形成するために、転造加工を施す前の中間シャフト素材として、主に非熱処理部13となる部位の小径部16と、熱処理部14となる部位の大径部17とを有するものを用いていたが、外周スプライン11を形成する転造ラックを変更することによっても、OBDのピークが熱処理部14の範囲内に位置するようにされた上記の実施形態と同様の外周スプライン11を形成することが可能である。
図2は、本実施形態で使用される一対の転造ラックのうちの一方の転造ラック25を示す平面図である。この転造ラック25は、外周スプライン11の軸方向基端側にOBDのピークが存在する第1スプライン歯を成形する第1転写部26と、外周スプライン11の軸方向先端側に第1スプライン歯よりもOBDが小さい第2スプライン歯を成形する第2転写部27とを有する。この場合、第1転写部26は図2の右側に設けられ、第2転写部27は図2の左側に設けられている。第1転写部26と第2転写部27の境界B3(図2の破線)は、非熱処理部13と熱処理部14の境界B1から熱処理部14側に所定距離ずれた所に位置している。即ち、この境界B3は、上記の実施形態において、転造加工前の中間シャフト素材に設けられた小径部16と大径部17の境界B2(図1(b)参照)と同じ所に位置するようにされている。
以上のように構成された転造ラック25を使用して中間シャフト素材に転造加工を施すことによって、OBDのピークが熱処理部14の範囲内に確実に位置するようにされた上記の実施形態と同様の外周スプライン11を簡易に形成することができる。
10…中間シャフト、 11…外周スプライン、 12…スプライン歯、 13…非熱処理部、 14…熱処理部、 15…スナップリング溝、 16…小径部、 17…大径部、 25…転造ラック、 26…第1転写部、 27…第2転写部、 31…外輪、 32…内輪、 32b…内周スプライン、 33…ボール、 34…保持器。

Claims (12)

  1. 等速ジョイントの内輪に設けられた内周スプラインと嵌合する軸方向に延設された外周スプラインを有する中間シャフトにおいて、
    前記外周スプラインは、軸方向の先端側に位置する非熱処理部と軸方向の基端側に位置する熱処理部とを有し、
    前記熱処理部の熱処理後において、前記外周スプラインの歯厚を規定するオーバーボール径のピークが前記熱処理部の範囲内に位置しているとともに、
    前記熱処理部の熱処理前における前記オーバーボール径のピークは、前記熱処理部の範囲内に位置していることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  2. 請求項1において、
    前記熱処理部の熱処理後における前記オーバーボール径のピークは、前記非熱処理部と前記熱処理部の境界から前記熱処理部側に所定距離ずれた所に位置していることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  3. 請求項1または2において、
    前記熱処理部は、前記中間シャフトの一端側から他端側に向かって移動しつつ高周波で焼き入れする高周波移動焼き入れ法により熱処理されていることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  4. 等速ジョイントの内輪に設けられた内周スプラインと嵌合する軸方向に延設された外周スプラインを有する中間シャフトにおいて、
    前記外周スプラインは、軸方向の先端側に位置する非熱処理部と軸方向の基端側に位置する熱処理部とを有し、
    前記熱処理部の熱処理後において、前記外周スプラインの歯厚を規定するオーバーボール径のピークが前記熱処理部の範囲内に位置しているとともに、
    前記外周スプラインは、円柱状の中間シャフト素材に転造加工を施すことにより形成され、
    転造加工前の前記中間シャフト素材は、前記非熱処理部となる部位の径が前記熱処理部となる部位の径よりも小さくされていることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  5. 請求項において、
    前記熱処理部の熱処理後における前記オーバーボール径のピークは、前記非熱処理部と前記熱処理部の境界から前記熱処理部側に所定距離ずれた所に位置していることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  6. 請求項4または5において、
    前記熱処理部は、前記中間シャフトの一端側から他端側に向かって移動しつつ高周波で焼き入れする高周波移動焼き入れ法により熱処理されていることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項において、
    前記熱処理部の熱処理前における前記オーバーボール径のピークは、前記熱処理部の範囲内に位置していることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  8. 等速ジョイントの内輪に設けられた内周スプラインと嵌合する軸方向に延設された外周スプラインを有する中間シャフトにおいて、
    前記外周スプラインは、軸方向の先端側に位置する非熱処理部と軸方向の基端側に位置する熱処理部とを有し、
    前記熱処理部の熱処理後において、前記外周スプラインの歯厚を規定するオーバーボール径のピークが前記熱処理部の範囲内に位置しているとともに、
    前記外周スプラインは、円柱状の中間シャフト素材に転造ラックで転造加工を施すことにより形成され、
    前記転造ラックは、前記外周スプラインの軸方向基端側に前記オーバーボール径のピークが存在する第1スプライン歯を成形する第1転写部と、前記外周スプラインの軸方向先端側に前記第1スプライン歯よりも前記オーバーボール径が小さい第2スプライン歯を成形する第2転写部と、を有することを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  9. 請求項において、
    前記熱処理部の熱処理後における前記オーバーボール径のピークは、前記非熱処理部と前記熱処理部の境界から前記熱処理部側に所定距離ずれた所に位置していることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  10. 請求項8または9において、
    前記熱処理部は、前記中間シャフトの一端側から他端側に向かって移動しつつ高周波で焼き入れする高周波移動焼き入れ法により熱処理されていることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項において、
    前記熱処理部の熱処理前における前記オーバーボール径のピークは、前記熱処理部の範囲内に位置していることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
  12. 請求項8〜11のいずれか一項において、
    前記第1転写部と前記第2転写部の境界は、前記非熱処理部と前記熱処理部の境界から前記熱処理部側に所定距離ずれた所に位置していることを特徴とする等速ジョイントの中間シャフト。
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