[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明に係る遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。本実施形態に係る遊技機は、始動入賞により発生する始動権利に基づいて、条件装置の作動を伴う大当たり又は条件装置の作動を伴わない小当たりに当選したか否かを判定し(特図当たり抽選)、この判定結果に応じて遊技者に利益を付与するように構成されている。特図当たり抽選では、特図当たり判定用乱数と大当たり判定値又は小当たり判定値を比較することにより大当たり又は小当たりの当否を判定する。
図1は本発明を適用した遊技機100の正面図であり、図2は遊技機100に備わる遊技盤1を示す正面図である。図1に示すように、遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部にわたる部分に、遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち、遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されている。遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。
クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、内部にLED161(図3参照)を備える枠側連続予告表示装置(枠装飾装置)72、音声を出力するスピーカ145、145などが設けられている。なお、枠側連続予告表示装置72は、後述する保留先読み予告や擬似連続予告に関する演出を様々な発光態様により実現する。
前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば、左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば、右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。上皿153の周囲には、液晶表示装置50における演出に関連して遊技者が操作可能な演出用ボタン157が設けられている。開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ145などが設けられている。
図2に示すように、遊技盤1の遊技領域1aには、センターケース200、普図始動ゲート21、特図1始動口24、特図2始動口25、第1大入賞口26、一般入賞口27、・・・、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。また、遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴29が設けられており、センターケース200の右上方には遊技領域1aに発射された遊技球の発射勢を吸収する発射勢吸収部28がガイドレール2の内側面に沿って設けられている。
遊技盤1の前面右下であってガイドレール2の外側には、遊技状態表示装置160が設けられている。この遊技状態表示装置160には、普図変動表示ゲームを表示する普図表示器23、特図1変動表示ゲームを表示する特図1表示器22A、特図2変動表示ゲームを表示する特図2表示器22B、普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)を表示する普図記憶表示器20、特図1変動表示ゲームの未処理回数(特図1始動記憶数)を表示する特図1記憶表示器12、特図2変動表示ゲームの未処理回数(特図2始動記憶数)を表示する特図2記憶表示器13、特図1/特図2変動表示ゲームにおける結果が2R当たりか15R当たりかを表示する決定ラウンド数表示器14が設けられている(図3参照)。なお、普図記憶表示器20、普図表示器23、特図1表示器22A、特図2表示器22B、特図1記憶表示器12、特図2記憶表示器13、決定ラウンド数表示器14は、セグメントLEDとして一体に設けられている。
センターケース200は、遊技領域1aの略中央に取り付けられ、特図変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の表示領域となる窓部10aを有している。このセンターケース200に形成された窓部10aの後方には、液晶表示装置50が配設されている。液晶表示装置50は、例えば、液晶ディスプレイからなる表示部を備え、センターケース200の窓部10aを介して遊技盤1の前面側から表示内容を視認可能となっている。なお、液晶表示装置50の代わりに、ELやCRT等のディスプレイを表示装置として用いるようにしてもよい。
センターケース200の上部には、前方に庇状に突出した鎧部230が設けられている。鎧部230は、その前端が遊技領域1aの前側を規制するガラス板の裏面近傍に配置され、これにより遊技球がセンターケース200の内側に流入するのを防止している。鎧部230は、その上端部から左下側に傾斜して形成された傾斜面部231を具備し、その傾斜面部231の中途部に第2大入賞口61を開閉する可動部材(特別電動役物)61bが設けられている。第2大入賞口61の内部(入賞領域)には、当該第2大入賞口61に入った遊技球を検出する第2大入賞口センサ61a(図3参照)が配設されている。また、傾斜面部231の下端部に連続して左側面部232が形成され、その左側面部232の略中央やや下側部分にワープ入口を具備するワープ流路構成部材240が設けられている。
後述する8種類の大当たりのうちの2R当たり(2R通常当たり、2R確変当たり)に当選したときと小当たりに当選したときに、可動部材61bの開閉動作により、第2大入賞口61が2R開放されるようになっている。すなわち、遊技領域1aに設けられた特別電動役物を遊技球の入賞が容易な状態とするようにしている。ただし、可動部材61bの開閉時間は極めて短時間に設定されているため、賞球はほとんど期待できない。
センターケース200の右部には、円形窓部から内部のLEDの発光を視認可能に構成された4つの発光部を有する盤側連続予告表示装置71が設けられている。この盤側連続予告表示装置71における様々な発光態様の演出により、液晶表示装置50で実行される変動表示ゲームの演出を装飾するとともに、保留先読み予告や擬似連続予告を実現する。例えば、4つの発光部71a〜71dが、何ゲームにわたって保留先読み予告を実行するかを示す保留先読み予告に係る連続変動数に対応して点灯/消灯するようなっている。また、擬似連続予告が何回連続して実行されているかを示す擬似連数に対応して点灯/消灯するようになっている。
センターケース200の左側には、普図始動ゲート21が設けられている。普図始動ゲート21内には、普図始動ゲート21を通過した遊技球を検出するための普図ゲートセンサ21a(図3参照)が設けられている。遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート21を通過して普図ゲートセンサ21aにより検出されると、普図変動表示ゲームが普図表示器23で行われる。そして、普図変動表示ゲームにおいて所定の結果態様が導出されると、普図当たりとなり、後述する可動部材25b(普通電動役物)の開閉動作により、特図2始動口25が開放される。なお、普図変動表示ゲームは、液晶表示装置50の表示領域の一部に表示するようにしても良く、この場合は、識別図柄(識別情報)として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などの飾り普通図柄を用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。
センターケース200の下側には特図1始動口24が設けられ、その内部には特図1始動口センサ24a(図3参照)が備えられている。特図1始動口センサ24aによって遊技球を検出することに基づいて、特図1変動表示ゲームを開始する特図1始動権利が発生するようになっている。特図1始動口24の下部には特図2始動口25が設けられ、その内部には特図2始動口センサ25a(図3参照)が備えられている。特図2始動口センサ25aによって遊技球を検出することに基づいて、特図2変動表示ゲームを開始する特図2始動権利が発生するようになっている。特図2始動口25は、左右一対の可動部材(普通電動役物)25b,25bを具備している。この一対の可動部材25b,25bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態を保持しており、特図1始動口24により上部が閉塞されることで、特図2始動口25に遊技球を受け入れ不可能な状態となっている。一方、普図当たりとなった場合には、駆動装置としての普電SOL25c(図3参照)によって逆「ハ」の字状に所定時間(例えば、0.5秒間)開放され、遊技球を受け入れ可能な状態となる。これにより、特図2始動口25に遊技球が入賞し易くなるので、特図2変動表示ゲームの始動が容易となる。
このように、遊技機100は、遊技領域に設けられた第1始動口(特図1始動口24)と、普通電動役物としての可動部材(25b,25b)の開閉動作により遊技球が入賞しやすい状態(第2状態)と遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態(第1状態)とに変換される第2始動口(特図2始動口25)を備えている。また、遊技球が入賞又は通過することにより、第1始動権利又は第2始動権利と異なる第3始動権利を発生させる第3始動口(普図始動ゲート21)を備えている。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器22A及び特図2表示器22Bで実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームが行われる。液晶表示装置50では、各特図変動表示ゲームに対応させて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、特図1表示器22A、特図2表示器22B及び液晶表示装置50は、可変表示装置として、複数の図柄による変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム、飾り特図変動表示ゲーム)を表示する。
そして、特図1表示器22A若しくは特図2表示器22Bで実行される特図変動表示ゲームにおいて、特別結果態様(例えば、「7」)が導出され、特図当たり(いわゆる大当たり)となると、特別遊技状態(いわゆる大当たり状態)が発生する。また、これに対応して液晶表示装置50で実行される飾り特図変動表示ゲームにおいても特別結果態様(例えば15R大当たりの場合は「777」等のゾロ目数字のいずれか)が導出される。また、特図変動表示ゲームにおいて、小当たり結果態様(例えば、「8」)が導出され、小当たりとなると、小当たり状態が発生する。また、これに対応して飾り特図変動表示ゲームにおいても小当たり結果態様(例えば「7小7」、“小”は小当たり図柄)が導出される。なお、本実施形態では、飾り特図変動表示ゲームにおける特別結果態様の一部(2R当たりに対応する結果態様)と小当たり結果態様とを同じ図柄構成とし、飾り特図変動表示ゲームの結果態様からいずれの当たりに当選したのか認識できないようにしている。また、遊技機100に特図1表示器22A及び特図2表示器22Bを備えずに、液晶表示装置50のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
特図2始動口25の下側には、第1大入賞口26が設けられている。第1大入賞口26は、上端側が手前側に倒れる方向に回動可能なアタッカー形式の開閉扉(特別電動役物)26bを具備している。開閉扉26bは、例えば、駆動装置としての第1大入賞口SOL26c(図3参照)により駆動される。第1大入賞口26の内部(入賞領域)には、当該第1大入賞口26に入った遊技球を検出する第1大入賞口センサ26c(図3参照)が配設されている。特別遊技状態中は、開閉扉26bの開閉動作により、第1大入賞口26は閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開いた状態(遊技者にとって有利な状態)に変換され、遊技球の流入が容易となる。すなわち、遊技領域1aに設けられた特別電動役物を遊技球の入賞が容易な状態とするようにしている。
一般入賞口27には、当該一般入賞口27に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ27a(図3参照)が配設されている。遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口27、・・・、特図2始動口25、特図1始動口24、第1大入賞口26、第2大入賞口61等の入賞口のいずれかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した賞球に関する情報が排出制御装置(図示略)に出力されるようになっている。排出制御装置は、排出装置を制御し、所定数の遊技球を排出する(払い出す)ようになっている。
遊技機100では、特図1/特図2変動表示ゲームを始動するための特図1始動権利(第1始動権利)又は特図2始動権利(第2始動権利)は、それぞれ上限数(例えば、4個)の範囲内で特図1始動記憶又は特図2始動記憶として記憶可能となっている。また、普図変動表示ゲームを始動するための普図始動権利(第3始動権利)は、上限数(例えば、4個)の範囲内で普図始動記憶として記憶可能となっている。また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行されることはなく、特図2変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームに優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1始動記憶と特図2始動記憶の両方がある場合に、特図変動表示ゲームの実行が可能になると、特図2変動表示ゲームが実行されるようになっている。
したがって、遊技開始時、すなわち特図1/特図2始動記憶数が0(保留0)で、特図1/特図2変動表示ゲームが実行されていない状態において、特図1始動口24に遊技球が入賞すると、特図1始動権利の発生に伴って特図1始動記憶数が1加算される。そして、この特図1始動記憶に係る特図1始動権利に基づいて、直ちに特図1変動表示ゲームが開始され、この際に特図1始動記憶数が1減算される。また、遊技開始時、すなわち特図1/特図2始動記憶数が0(保留0)で、特図1/特図2変動表示ゲームが実行されていない状態において、特図2始動口25に遊技球が入賞すると、特図2始動権利の発生に伴って特図2始動記憶数が1加算される。そして、この特図2始動記憶に係る特図2始動権利に基づいて、直ちに特図2変動表示ゲームが開始され、この際に特図2始動記憶数が1減算される。
一方、特図1/特図2変動表示ゲーム中や特別遊技状態中など特図1変動表示ゲームが直ちに開始できない状態において、特図1始動口24に遊技球が入賞した場合は、特図1始動記憶数が上限数まで1ずつ加算されて特図1始動権利が記憶されることになる。そして、特図1始動記憶数が1以上となっている状態(特図1の保留1〜4)で、特図1変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームが終了、又は特別遊技状態が終了し、特図2始動記憶がない状態)となると、特図1始動記憶数が1減算されるとともに、記憶されていた特図1始動権利に基づいて特図1変動表示ゲームが開始される。また、特図1/特図2変動表示ゲーム中や特別遊技状態中など特図2変動表示ゲームが直ちに開始できない状態において、特図2始動口25に遊技球が入賞した場合は、特図2始動記憶数が上限数まで1ずつ加算されて特図2始動権利が記憶されることになる。そして、特図2始動記憶数が1以上となっている状態(特図2の保留1〜4)で、特図2変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームが終了、又は特別遊技状態が終了した状態)となると、特図2始動記憶数が1減算されるとともに、記憶されていた特図2始動権利に基づいて特図2変動表示ゲームが開始される。
なお、特図1始動記憶数は、特図1記憶表示器12にて表示されるとともに、液晶表示装置50に飾り特図始動記憶表示として表示される。また、特図2始動記憶数は、特図2記憶表示器13にて表示されるとともに、液晶表示装置50に飾り特図始動記憶表示として表示される。普図変動表ゲームを始動するための始動権利についても、特図始動権利と同様に上限数(例えば、4個)の範囲内で普図始動記憶として記憶可能となっている。普図始動記憶数は、普図記憶表示器20にて表示されるようになっているが、液晶表示装置50に表示するようにしてもよい。それぞれの始動記憶表示器12、13、20は、例えば上下2つのLEDを備えて構成される。そして、始動記憶数が「1」の場合には上のLEDを点灯し、始動記憶数が「2」の場合には下のLEDも点灯する。始動記憶数が「3」の場合には上のLEDを点滅し、始動記憶数が「4」の場合には下のLEDも点滅する。2つのLEDをこのように点灯/点滅させることにより、始動記憶数を判別可能としている。
図3は、遊技機100の制御系の一部を示すブロック図である。図3に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御するメイン制御装置としての遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置40とを備えている。
遊技制御装置30は、CPU31a、RAM31b、ROM31c等を有する遊技用マイクロコンピュータ31、クロック(発振器:CLK)32、入出力I/F33等を備えている。このうち、CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数なども生成している。各種乱数には、特図変動表示ゲームにおける特図当たり(大当たり)の当否を判定するための特図当たり判定用乱数、普図変動表示ゲームにおける普図当たりの当否を判定するための普図当たり判定用乱数、特図大当たり時の図柄決定(確変大当たり/通常大当たり)に用いられる図柄決定用乱数、特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)の決定に用いられる変動パターン決定用乱数などが含まれる。
RAM31bは、特図1始動口24に設けられた特図1始動口センサ24a、特図2始動口25に設けられた特図2始動口センサ25aのオン信号などを記憶する記憶領域や、普図始動ゲート21に設けられた普図ゲートセンサ21aのオン信号を記憶する記憶領域、各種乱数の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、特図変動表示ゲームの大当たり又は小当たりの当否を判定するための特図当たり判定値を有する特図判定テーブル、普図変動表示ゲームの普図当たりの当否を判定するための普図当たり判定値を有する普図判定テーブルなどが書き込まれている。
入出力I/F33には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特図1始動口センサ24a、特図2始動口センサ25a、普図ゲートセンサ21a、一般入賞口センサ27a、第1大入賞口センサ26a、第2大入賞口センサ61a等からの各種信号が入力される。そして、これら各種信号は、入出力I/F33により中継されて、CPU31aに対し出力される。また、CPU31aから出力される各種の制御信号は、入出力I/F33を介して、特図1表示器22A、特図2表示器22B、特図1記憶表示器12、特図2記憶表示器13、決定ラウンド数表示器14、普図表示器23、普図記憶表示器20、特図2始動口25の可動部材25b,25bの駆動手段としての普電SOL25c、第1大入賞口26を開閉する駆動手段としての第1大入賞口SOL26c、第2第2大入賞口61を開閉する駆動手段としての第2大入賞口SOL61c、外部情報端子611、演出制御装置40などに出力される。
遊技制御装置30には、電源供給装置(図示略)から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
演出制御装置40は、CPU41a、RAM41b、ROM41c、クロック(発振器:CLK)43、入出力I/F43等を備えている。CPU41aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置30から送信された演出制御コマンドを受信して、当該演出制御コマンドの振り分け、スピーカ145からの効果音の出力制御、装飾ランプ・LED161の発光制御、下桃用モータ441aの駆動制御、第1上桃用ソレノイド(SOL)431aの駆動制御、第2上桃用ソレノイド(SOL)431bの駆動制御、第1上桃用モータ433aの駆動制御、第2上桃用モータ433bの駆動制御、液晶表示装置50における画像の表示制御等を行う。
RAM41bは、各種データの記憶領域や、CPU41aの作業領域等を備えている。ROM41cは、CPU41aにより実行される各種制御プログラムや制御データを記憶している。また、音声ROMとして、スピーカ145から出力される効果音等に係る音データを記憶している。さらに、図柄ROMとして、液晶表示装置50に表示される画像等に係る画像データを記憶している。なお、図3では、RAM41bとROM41cを別部材として設けているが、一体的に第1メモリ(図示略)として設けるようにしてもよい。さらに、第1メモリとCPU41aを一体化したチップを設けるようにしてもよい。
入出力I/F43には、スピーカ145、装飾ランプ・LED161、下桃用モータ441a、第1上桃用SOL431a、第2上桃用SOL431b、第1上桃用モータ433a、第2上桃用モータ433b、第1上桃位置検出センサ423a、第2上桃位置検出センサ423b、下桃位置検出センサ441q、演出用ボタンセンサ157a、SELECTボタンセンサ157b、液晶表示装置50、盤側連続予告表示装置71、枠側連続予告表示装置72が接続されている。CPU41aから出力された制御信号は、入出力I/F43を介して、これらのブロックに出力される。
次に、遊技制御装置30による遊技制御処理について説明する。この遊技制御処理は、遊技を統括的に制御するメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2mSecごと)に行われるタイマ割込処理とからなる。図4は、メイン処理を説明するためのフローチャートである。このメイン処理は、遊技制御装置30のCPU31aが、起動直後に、ROM31bに記憶されているメイン処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図4に示すように、メイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理として、電源投入時の初期化処理を行い(ステップS1)、停電復旧処理を行う(ステップS2)。次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、割込みタイマを起動する処理を行って、CTC(カウンタ・タイマ・サーキット)を起動する(ステップS3)。次に、割込みを禁止する処理を行い(ステップS4)、当たり判定用乱数などの乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を行う(ステップS5)。その後、割込みを許可する処理を行う(ステップS6)。
そして、RAM31bの停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かの判定を行う(ステップS7)。停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。ステップS7において、停電が発生していないと判定した場合は、ステップS4に移行し、ステップS4〜S7の処理を繰り返す。一方、ステップS7において、停電が発生したと判定した場合は、停電発生時の処理を行う(ステップS8)。停電発生の直後は、バックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
この停電発生時の処理では、まず、割込みを禁止する処理を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理を行い、停電検査領域をクリアする処理を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM31bの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM31bへのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAM31bに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
図5は、タイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込処理は、メイン処理のステップS6において割込み許可がなされたときに実行される。図5に示すように、ステップS11では、タイマ割込要求が発生したとき(割込許可がなされたとき)に、レジスタに格納されているデータをRAM31bに待避する。ステップS12では、各種センサ(特図1始動口センサ24a、特図2始動口センサ25a、普図ゲートセンサ21a、一般入賞口センサ27a、第1大入賞口センサ26a、第2大入賞口センサ61a等)からの検出信号を入力する。また、各種処理でセットされた出力データをソレノイド(第1大入賞口SOL26c、第2大入賞口SOL61c、普電SOL25c)や表示器22A、22B、23等に出力する。
ステップS13では、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置40等に出力する(コマンド送信処理)。ステップS14では、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、普図当たり判定用乱数を更新する(乱数更新処理1)。ステップS15では、乱数の時間的な規則性を崩すために乱数の初期値を更新する(初期値乱数更新処理)。
ステップS16では、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数、変動パターン決定用テーブルを設定するためテーブル判定用乱数を更新する(乱数更新処理2)。ステップS17では、特図1始動口センサ24a、特図2始動口センサ25a、普図ゲートセンサ21a、一般入賞口センサ27a、第1大入賞口センサ26a、第2大入賞口センサ61a等から検出信号の入力があるか否かを監視する(入賞口SW監視処理)。ステップS18では、各入賞口に対応して設けられたセンサ、球切れセンサ、払出球検出センサ、オーバーフローセンサ、枠開放検出センサ(何れも図示略)等からの検出信号に基づいて、異常状態が発生していないかを監視する(エラー監視処理)。
ステップS19では、特図変動表示ゲームに関する処理を行う(特図ゲーム処理)。この特図ゲーム処理についての詳細は後述する。ステップS20では、普図変動表示ゲームに関する処理を行う(普図ゲーム処理)。この普図ゲーム処理において普図当たり抽選が実行される。ステップS13において演出制御装置40等に送信される演出制御コマンドは、主としてステップS19の特図ゲーム処理又はステップS20の普図ゲーム処理により生成される。ステップS21では、遊技に関する各種情報を表示する表示器(セグメントLED)に関する処理を行う(セグメントLED編集処理)。
ステップS22では、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理を行う(外部情報編集処理)。ステップS23では、タイマ割込処理が終了したことを宣言する処理を行う。ステップS24では、ステップS11でRAM31bに待避しておいたレジスタのデータを復帰する処理を行う。ステップS25では、タイマ割込処理が完了し、割込要求を受け付け可能な状態となったことを設定する処理を行う。
図6は、特図ゲーム処理(図5のステップS19)の一例について示すフローチャートである。図6のステップS101では、図5のステップS17(入賞口SW監視処理)における監視結果(検出信号の有無)に基づいて、特図1始動口24への入賞(特図1始動入賞)があるか否かを判定する。そして、特図1始動口24への入賞があると判定した場合はステップS102に移行し、特図1始動口24への入賞がないと判定した場合はステップS107に移行する。ステップS102では、現在の特図1始動記憶数(保留数)を取得する。ステップS103では、特図1始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特図1始動記憶数が4以上であると判定した場合、すなわち、特図1始動記憶の上限数を超えている場合(保留4)はステップS107に移行し、特図1始動記憶数が4以上でない(保留0〜3)と判定した場合はステップS104に移行する。ステップS104では、特図1始動記憶数を1加算して更新する。
ステップS105では、更新した特図1始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特図1始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。ステップS106では、更新された保留数を示す保留数コマンドや、保留先読み予告の実行を制御するための連続予告コマンドを、特図1始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、図5のステップS13で演出制御装置40に送信される。演出制御装置40では、この演出制御コマンドに基づき、保留先読み予告に関する処理や飾り特図始動記憶表示を行う処理などを行う。
ここで、連続予告コマンドとは、当該始動記憶に係る特図当たり判定用乱数が大当たり判定値又は小当たり判定値と一致するか否かを判定した結果(特図当たり抽選結果)と、変動パターン決定用乱数に対応する変動パターンを判定した結果を含む先読みに関する情報である。例えば、保留された始動権利に係る変動表示ゲームで、「ハズレ・ノーマルリーチ以下」や「大当たり」となることを演出制御装置40に前もって指示する。なお、遊技制御装置30は、連続予告コマンドを演出制御装置40に送信した後は、先読みに関する情報を保持せず、後述する特図ゲーム分岐処理において改めて特図当たり抽選及び変動パターンの決定を実行する。
ステップS107では、図5のステップS17における監視結果に基づいて、特図2始動口25への入賞(特図2始動入賞)があるか否かを判定する。そして、特図2始動口25への入賞があると判定した場合はステップS108に移行し、特図2始動口25への入賞がないと判定した場合はステップS113に移行する。ステップS108では、現在の特図2始動記憶数を取得する。ステップS109では、特図2始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特図2始動記憶数が4以上であると判定した場合、すなわち、特図2始動記憶の上限数を超えている場合はステップS113に移行し、特図2始動記憶数が4以上でないと判定した場合はステップS110に移行する。ステップS110では、特図2始動記憶数を1加算して更新する。
ステップS111では、更新した特図2始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特図2始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。ステップS112では、更新された保留数を示す保留数コマンドや、保留先読み予告の実行を制御するための連続予告コマンドを、特図2始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、図5のステップS13で演出制御装置40に送信される。演出制御装置40では、この演出制御コマンドに基づき、保留先読み予告に関する処理や飾り特図始動記憶表示を行う処理などを行う。
ステップS113では、特図ゲーム処理番号を取得する。ステップS114では、ステップS113で取得した特図ゲーム処理番号に基づき特図ゲーム分岐処理を行う。この特図ゲーム分岐処理の詳細については後述する。ステップS115では、後述する特図タイマの更新等を行うための特図変動制御処理を実行する。そして、特図ゲーム処理を終了する。
以上のことから、遊技制御装置30が、遊技球が流下する遊技領域に設けられた始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)に遊技球が入賞したことを検出する検出手段をなす。また、遊技制御装置30が、検出手段(遊技制御装置30)による遊技球の検出に基づき、抽選手段(遊技制御装置30)による抽選を行う権利を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶手段をなす。また、遊技制御装置30が、始動記憶手段(遊技制御装置30)に記憶された乱数値を当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段をなす。また、演出制御装置40が、始動記憶手段(遊技制御装置30)に記憶された始動記憶を表示する始動記憶表示手段をなす。
図7は、特図ゲーム分岐処理(図6のステップS114)の一例を示すフローチャートである。この特図ゲーム分岐処理は、始動記憶(始動権利)に基づく特図変動表示ゲームの実行を制御するための処理であり、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの両方に共通の処理である。
ステップS121では、特図ゲーム処理番号が“0”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“0”であると判定した場合はステップS122に移行し、特図ゲーム処理番号が“0”でないと判定した場合はステップS123に移行する。ステップS122では、特図当たり抽選などを行うための特図普段処理を実行する。遊技機100では、特図2始動権利に基づく変動表示ゲームが特図1始動権利に基づく変動表示ゲームに優先して実行されるようになっている。すなわち、特図普段処理では、まず特図2始動記憶があるか否かを判定し、特図2始動記憶があると判定した場合に、この特図2始動記憶に係る特図当たり判定用乱数により特図2当たり抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“1”に変更して、元の処理(図6のステップS115)に復帰する。また、特図2始動記憶がない場合は特図1始動記憶があるか否かを判定し、特図1始動記憶があると判定した場合に、この特図1始動記憶に係る特図当たり判定用乱数により特図1当たり抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“2”に変更して、元の処理に復帰する。なお、特図1始動記憶又は特図2始動記憶がない場合は、演出制御装置40に液晶表示装置50における客待ちデモ画像の表示制御を指示する客待ちデモコマンドを設定して、特図ゲーム処理番号は“0”のまま元の処理に復帰する。
ステップS123では、特図ゲーム処理番号が“1”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“1”であると判定した場合はステップS124に移行し、特図ゲーム処理番号が“1”でないと判定した場合はステップS125に移行する。ステップS124では、特図2変動表示ゲームに係る情報を設定するための特図2変動開始処理を実行する。この特図2変動開始処理では、例えば、特図2当たり抽選の結果が大当たりの場合に、図6のステップS111で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄(大当たり種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブルを参照し、図6のステップS111で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。大当たり図柄及び変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(変動開始コマンド、変動パターンコマンド、保留数コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、元の処理に復帰する。
ステップS125では、特図ゲーム処理番号が“2”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“2”であると判定した場合はステップS126に移行し、特図ゲーム処理番号が“2”でないと判定した場合はステップS127に移行する。ステップS126では、特図1変動表示ゲームに係る情報を設定するための特図1変動開始処理を実行する。この特図1変動開始処理では、例えば、特図1当たり抽選の結果が大当たりの場合に、図6のステップS105で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄(大当たり種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブルを参照し、図6のステップS105で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。大当たり図柄及び変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(変動開始コマンド、変動パターンコマンド、保留数コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、元の処理に復帰する。
ステップS127では、特図ゲーム処理番号が“3”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“3”であると判定した場合はステップS128に移行し、特図ゲーム処理番号が“3”でないと判定した場合はステップS129に移行する。ステップS128では、特図変動表示ゲームの変動時間を監視するための特図変動中処理を実行する。特図タイマ(変動時間)が0になると、特図変動表示ゲームの結果を停止表示させる時間(停止図柄表示時間)を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“4”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(変動時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“3”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS129では、特図ゲーム処理番号が“4”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“4”であると判定した場合はステップS130に移行し、特図ゲーム処理番号が“4”でないと判定した場合はステップS131に移行する。ステップS130では、図柄停止後の変動表示ゲームの制御などを行う特図表示中処理を実行する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になると、特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりであるかを判定する。特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりであると判定した場合には、大当たり又は小当たりが開始されることを演出で報知する時間(大当たり/小当たり開始時間)を特図タイマにセットし、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(大当たり/小当たり開始コマンド)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“5”に変更して、元の処理に復帰する。一方、特図当たり抽選結果がハズレであると判定した場合には、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“4”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS131では、特図ゲーム処理番号が“5”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“5”であると判定した場合はステップS132に移行し、特図ゲーム処理番号が“5”でないと判定した場合はステップS133に移行する。ステップS132では、大当たり又は小当たり発生時の初期化などを行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する。特図タイマ(大当たり/小当たり開始時間)が0になると、大当たり又は小当たりの種類に応じて規定ラウンド数(例えば、15R又は2R)をセットするとともに、大入賞口開放時間(例えば、25秒又は1秒)を特図タイマにセットする。また、ラウンド数及び大入賞口の入賞カウンタを初期化し、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“6”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(大当たり/小当たり開始時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“5”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS133では、特図ゲーム処理番号が“6”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“6”であると判定した場合はステップS134に移行し、特図ゲーム処理番号が“6”でないと判定した場合はステップS135に移行する。ステップS134では、開閉扉26b又は可動部材61bを開閉動作させて、第1大入賞口26又は第2大入賞口61を開放するための大入賞口開放中処理を実行する。大入賞口の入賞カウンタが10以上となるか、特図タイマ(大入賞口開放時間)が0になると、大入賞口閉鎖時間を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“7”に変更して、元の処理に復帰する。大入賞口の入賞カウンタが10以上又は特図タイマ(大入賞口開放時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“6”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS135では、特図ゲーム処理番号が“7”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“7”であると判定した場合はステップS136に移行し、特図ゲーム処理番号が“7”でないと判定した場合はステップS137に移行する。ステップS136では、第1大入賞口26又は第2大入賞口61を閉鎖した後に、第1大入賞口26又は第2大入賞口61内に残存するすべての遊技球を流下させるために一定時間待機する大入賞口残存球処理を実行する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になると、ラウンド数が規定ラウンド数に達しているか判定する。規定ラウンド数に達している場合は、大当たり又は小当たりが終了したことを演出で報知する時間(大当たり終了時間)を特図タイマにセットするとともに、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(大当たり終了コマンドなど)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“8”に変更して元の処理に復帰する。一方、規定ラウンド数に達していない場合は、大入賞口開放時間を特図タイマにセットする。そして、ラウンド数を1加算して更新するとともに、大入賞口の入賞カウンタを0に初期化し、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始コマンドなど)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“6”に変更して元の処理に復帰する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“7”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS137では、特図ゲーム処理番号が“8”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“8”であると判定した場合はステップS138に移行し、特図ゲーム処理番号が“8”でないと判定した場合はそのまま元の処理に復帰する。ステップS138では、大当たり又は小当たり終了後の確率状態などを大当たり又は小当たりの種類に応じて変更するための大当たり終了処理を実行する。特図タイマ(大当たり終了時間)が0になると、大当たり抽選結果又は小当たり抽選結果に応じて確率状態を設定するとともに、次の特図変動表示ゲーム以降で参照する変動パターン決定用テーブルを設定する処理を行い、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(確率状態コマンド、移行先モードコマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、元の処理に復帰する。特図ゲーム分岐処理は、以上のようにして実行される。
上述したように、遊技制御装置30は、特図ゲーム処理(図5のステップS19)において、始動入賞に基づいて変動表示ゲームの特図当たり判定用乱数を抽出し、始動記憶に対応付けて記憶する。また、特図当たり判定用乱数値とROM31cに記憶されている大当たり判定値又は小当たり判定値を比較し、大当たり又は小当たりの当否を判定する(特図当たり抽選)。そして、特図始動記憶に係る始動権利に基づいて、特図1表示器22A又は特図2表示器22Bにおいて特図変動表示ゲームを実行する。特図当たり抽選結果が大当たりの場合は、特図1表示器22A又は特図2表示器22Bに特別結果態様を表示させるとともに特別遊技状態を発生させる。特図当たり抽選結果が小当たりの場合は、特図1表示器22A又は特図2表示器22Bに小当たり結果態様を表示させるとともに小当たり状態を発生させる。一方、特図変動表示ゲームの結果がハズレの場合は、特図1表示器22A又は特図2表示器22Bにハズレの結果態様を表示させる。
特別遊技状態では、例えば、第1大入賞口SOL26cにより開閉扉26bを開放させ、第1大入賞口26への遊技球の流入を可能とする。または、第2大入賞口SOL61cにより可動部材61bを回動させ、第2大入賞口61への遊技球の流入を可能とする。そして、第1大入賞口26又は第2大入賞口61に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、第1大入賞口26又は第2大入賞口61の開放から所定時間(例えば、25秒または1秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまでを1ラウンド(ラウンド遊技)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15Rまたは2R)継続する制御を行う(サイクル遊技)。小当たり状態では、例えば、第2大入賞口SOL61cにより可動部材61bを回動させ、第2大入賞口61への遊技球の流入を可能とする。そして、第2大入賞口61の開放から所定時間(例えば、1秒)が経過するまでを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、2R)継続する制御を行う。なお、特別遊技状態において、第1大入賞口26又は第2大入賞口61のうち、何れの大入賞口を開放状態とするかは、例えば、特図変動表示ゲームの結果態様(当選した大当たりの種類)に基づいて決定される。
また、遊技制御装置30は、普図ゲーム処理(図5のステップS20)において、普図始動ゲート21を遊技球が通過することに基づいて普図当たり判定用乱数を抽出し、この普図当たり判定用乱数値とROM31cに記憶されている普図当たり判定値を比較し、普図当たりの当否を判定する(普図当たり抽選)。そして、普図始動記憶に係る始動権利に基づいて、普図表示器23において普図変動表示ゲームを実行する。普図当たり抽選結果が当たりの場合は、普図表示器23に特別の結果態様を表示させるとともに、普電SOL25cにより可動部材25b,25b(普通電動役物)を所定時間開放し、特図2始動口25への遊技球の流入を可能とする。一方、普図当たり抽選結果がハズレの場合は、普図表示器23にハズレの結果態様を表示させる。
上述した特図ゲーム処理及び普図ゲーム処理では、特図変動表示ゲーム又は普図変動表示ゲームに応じて演出装置(例えば、液晶表示装置50等)を制御するための演出制御コマンドが生成され、演出制御装置40に出力される。演出制御装置40は、遊技制御装置30からの演出制御コマンドに基づいて、例えば、液晶表示装置50で特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを表示させたり、始動記憶数に対応する飾り特図始動記憶を表示させたりする処理を行う。また、スピーカ145からの音の出力、装飾ランプ・LED161の発光を制御する処理、下桃用モータ441aの回転駆動を制御する処理、第1上桃用ソレノイドの駆動を制御する処理、第2上桃用ソレノイドの駆動を制御する処理、第1上桃用モータ433aの回転駆動を制御する処理、第2上桃用モータ433bの回転駆動を制御する処理等を行う。
また例えば、演出制御装置40は、図6のステップS106又はS112で設定された連続予告コマンドに基づいて、保留先読み予告や擬似連続予告を実行するか否かを抽選し、この抽選に当選した場合に保留先読み予告や擬似連続予告を実行する。
ここで、保留先読み予告とは、保留された始動権利(始動記憶)に基づく特図当たり抽選の結果に基づいて、その保留より前に保留された始動権利に係る特図変動表示ゲームにおいて実行される予告演出である。保留先読み予告では、保留先読み予告を実行するか否かの抽選(保留先読み抽選)に当選した時点で保留されている始動権利に係る特図変動表示ゲームにおいて、相互に関連性のある演出が連続して実行される。例えば、保留先読み予告抽選に当選した時点の保留数(始動記憶数)が4である場合は、保留1〜4の4回にわたる特図変動表示ゲーム、又は実行中の特図変動表示ゲームを含めた5回にわたる特図変動表示ゲームにおいて保留先読み予告が実行される。また、飾り特図記憶表示を通常とは異なる保留先読み予告表示とすることで、当該始動権利に基づく特図当たり抽選において当たりに当選している可能性が高いことを予告する場合もある。ここで、n番目の入賞により発生した始動権利の記憶を保留nと表している。この保留先読み予告によれば、保留内での大当たりに対する期待感を段階的に増幅させることができる。
また、擬似連続予告とは、1回の特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおいて、一時的に図柄の変動表示を停止した後、再び図柄の変動表示と停止を行い、擬似的に複数回特図変動表示ゲームが行われているように見せる予告演出である。言い換えれば、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行う、いわゆる擬似連変動表示態様により行う予告演出である。また別の表現をすれば、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するいわゆる擬似連変動表示態様により行う予告演出である。
ここで、保留先読み予告や擬似連続予告やを実行するか否かの抽選では、特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりである場合の当選確率が、ハズレである場合の当選確率より高く設定されている。したがって、保留先読み予告や擬似連続予告が実行されると、大当たり又は小当たりに対する遊技者の期待感が高まる。なお、保留先読み予告や擬似連続予告を実行するか否かの抽選を、演出制御装置40ではなく遊技制御装置30で実行するようにしてもよい。この場合、保留先読み予告や擬似連続予告の実行を指示する情報が連続予告コマンドとして演出制御装置40に送信されることとなる。さらに、演出制御装置40は、確率状態コマンドに基づいて、現在の確率状態(当選確率の状態)を明確に又は不明瞭に報知するステージ・モード演出を制御する。
以上のことから、遊技制御装置30が、遊技球が流下する遊技領域1aに設けられた始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)に遊技球が入賞したことを条件に、当たりであるか否かの抽選を実行する抽選手段をなす。また、検出手段(遊技制御装置30)により遊技球の入賞を検出したことを条件に、当たりであるか否かの抽選を実行する抽選手段をなすとも言える。また、始動入賞により発生する始動権利に基づいて、条件装置の作動を伴う大当たり又は条件装置の作動を伴わない小当たりに当選したか否かを判定する抽選手段をなすとも言える。
また、遊技制御装置30が、抽選手段(遊技制御装置30)による抽選結果に基づいて可変表示装置に図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動過程(特図変動表示ゲーム)を制御する図柄制御手段をなす。また、遊技制御装置30が、抽選結果に対応する変動表示ゲームを実行させるための変動パターン(変動時間)を設定する変動パターン設定手段をなす。また、遊技制御装置30、演出制御装置40、液晶表示装置50等が、設定された変動パターンに従って特図変動表示ゲームを実行する変動表示手段をなす。また、遊技制御装置30が、始動記憶に係る変動パターンによる特図変動表示ゲームの実行を順次指示する変動表示指示手段をなす。ここで、始動記憶に係る変動パターンとは、始動記憶に対応付けて記憶されている変動パターン決定用乱数に基づいて決定された変動パターンのことである。
また、遊技制御装置30が、図柄制御手段(遊技制御装置30)による図柄変動過程(特図変動表示ゲーム)の制御の終了から所定期間経過した後に、図柄制御手段による図柄の変動表示を待機する待機状態を設定(客待ちデモコマンドの設定)する待機状態設定手段をなす。また、遊技制御装置30が、抽選手段(遊技制御装置30)の抽選結果が当たりである場合に、図柄制御手段(遊技制御装置30)により図柄を変動表示させた後に予め定められた当たり図柄を停止表示させ、遊技領域1aに設けられた特別電動役物を遊技球の入賞が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段をなす。また、抽選結果が大当たり又は小当たりとなる場合に、大入賞口26,61を所定の態様で開放することにより遊技者に利益を付与する利益付与手段をなすとも言える。また、遊技制御装置30が、抽選手段(遊技制御装置30)の抽選結果が当たりである場合に、ラウンド遊技の実行回数を予め定められた複数通りの実行回数のうちから(図柄決定用乱数に基づき)選択するラウンド遊技実行回数選択手段をなす。
図8は、遊技機100の稼働状態を説明するための状態遷移図である。図8において、客待ち状態(待機状態)ST1は、特図変動表示ゲームが実行されず所定時間放置されている状態であり、始動入賞に基づいて始動権利が発生するのを待機している状態である。このとき、液晶表示装置50には客待ちデモ画像が表示される。この客待ち状態ST1において、特図1始動口24や特図2始動口25に遊技球が入賞して始動権利が発生すると、変動状態ST2に移行する。
変動状態ST2は、特図変動表示ゲームを実行している状態である。変動状態ST2において特図当たり抽選に当選すると、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出され、大当たり状態ST3に移行する。変動状態ST2において特図当たり抽選に外れると、特図変動表示ゲームでハズレに対応する結果態様が導出される。その後、特図始動記憶があれば(特図1始動記憶1〜4又は特図2始動記憶1〜4)、次回の特図変動表示ゲームが開始される。一方、特図始動記憶がなければ(特図1始動記憶、特図2始動記憶ともに0)、所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。
大当たり状態ST3は、第1大入賞口26又は第2大入賞口61が所定回数(所定ラウンド数)だけ開放され、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態が発生している状態である。大当たり状態ST3が終了したときに、特図始動記憶があれば次回の特図変動表示ゲームが開始され、特図始動記憶がなければ所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。
図9は遊技機100における条件装置の作動を伴う大当たり種類について示す説明図であり、図10は大当たり当選時の内訳について示す説明図である。ここで、条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当たりが発生(大当たり図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当たり状態が発生して特別電動役物としての開閉扉(26a)又は可動部材(61a)を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当たり抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
図9において、2R通常当たりとは、大当たり発生時に可動部材61bの開閉動作により第2大入賞口61が1秒×2R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が相対的に低い第1当選確率(例えば、1/316)に設定される大当たりである。2R確変当たりとは、大当たり発生時に可動部材61bの開閉動作により第2大入賞口61が1秒×2R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第1当選確率より高い第2当選確率(例えば、第1当選確率の約10倍)に設定される大当たりである。
15R通常当たりとは、大当たり発生時に開閉扉26bの開閉動作により第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第1当選確率に設定される大当たりである。15R確変当たりとは、大当たり発生時に開閉扉26bの開閉動作により第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第2当選確率に設定される大当たりである。
電サポ(電サポ状態)とは、特図変動表示ゲームが所定回数消化されるまで、普図変動表示ゲームにおける普図当たりの当選確率を高くするとともに、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮することにより、普通電動役物としての可動部材25b,25bの開閉動作を頻発させて特図2始動口25に遊技球が入賞しやすくした電動役物サポート状態であり、時短とも呼ばれる。
ここで、大当たり終了後、特図変動表示ゲームが100回消化されるまで継続される電サポを電サポ1、次回大当たりまで継続される電サポを電サポ2と区別して表すこととする。したがって、例えばNO.2の2R通常当たり後の遊技状態は通常状態(電サポ1)と表され、NO.7の2R確変当たり後の遊技状態は確変状態(電サポ2)と表される。
遊技機100では、電サポなしの状態(例えば、通常状態)における普図変動表示ゲームの変動表示時間は比較的長時間(例えば、30秒)に設定されている。そして、普図変動表示ゲームにおいて普図当たりとなったときの特図2始動口25の開放時間は短時間(例えば、0.3秒)に設定され、1回の普図当たりに対する特図2始動口25の開放回数も少なく設定されている(例えば1R)。これに対して、電サポありの状態(例えば、通常状態(電サポ1))における普図変動表示ゲームの変動表示時間は電サポなしの場合に比較して短時間(例えば、2〜5秒)に設定されている。そして、普図変動表示ゲームにおいて普図当たりとなったときの特図2始動口25の開放時間は電サポなしの場合に比較して長時間(例えば、1秒)に設定され、1回の普図当たりに対する特図2始動口25の開放回数も電サポなしの場合に比較して多く設定されている(例えば3R)。
このように、電サポありの状態(いわゆる電サポ中)は、電サポなしの状態よりも特図2始動口25の開放回数が増加され、特図2始動口25に遊技球が入賞しやすくなっているので、特図2始動記憶はほとんど途切れることなく、電サポありの状態が終了するまで特図2変動表示ゲームが主として実行されることとなる。
なお、本実施形態では、15Rよりも少ないラウンド数で大入賞口の開放時間を短くした(例えば、1秒)、いわゆる短時間開放当たりの一例として2R当たり(2R通常当たり、2R確変当たり)を採用しているが、大入賞口の開放ラウンドが2R以外となる短時間開放当たりを採用してもよい。
図9に示す大当たりの内訳は図10(a)、(b)に示す通りである。図10(a)、(b)に示すように、特図2変動表示ゲームにおける大当たり当選時は、特図1変動表示ゲームにおける大当たり当選時に比較して、No.4の2R確変当たり(電サポなし)に振り分けられる割合が低く設定され、その分No.8の15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に振り分けられる割合が高く設定されている。つまり、図7のステップS124,S126で実行される大当たり図柄の判定処理では、特図2始動権利に基づく当たり抽選において当選した方が、特図1始動権利に基づく当たり抽選において当選したときより、15R大当たりとなる割合が大きくなっている。電サポ中は特図2変動表示ゲームが実行されやすくなるので、遊技者に付与される利益が最も大きいNo.8の大当たりが発生しやすくなる。
また、遊技機100では、大当たり判定値とは別の小当たり判定値(小当たりの当選確率は、例えば、1/220)と特図当たり判定用乱数を比較することにより当否を判定される小当たりを発生可能に構成されている。小当たり発生時には、2R当たりと同様に、可動部材61bの開閉動作により第2大入賞口61が1秒×2R開放されるがこのとき条件装置は作動していない。小当たり発生時の挙動は、厳密には2R当たり発生時の挙動と同一でなくてもよく、類似の挙動であっても構わない。大当たり当選時とは異なり、小当たり当選時には遊技状態の移行は一切行われない。
このように、遊技機100では、条件装置の作動を伴う大当たりを、図9のNo.3,6,8に対応する第1当たり(15R当たり)と、図9のNo.1,2,4,5,7に対応する第2当たり、第4当たり(2R当たり)とで構成している。そして、遊技機100が備える利益付与手段(遊技制御装置30)は、当たり抽選において第1当たり(15R当たり)に当選した場合に、遊技球が容易に入賞可能な第1態様で大入賞口(第1大入賞口26)を開放することにより遊技者に第1の利益を付与する第1利益付与手段と、当たり抽選において第2当たり、第4当たり(2R当たり)に当選した場合に、第1態様よりも開放時間が短い第2態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に前記第1の利益よりも価値の低い第2の利益を付与する第2利益付与手段と、当たり抽選において小当たり(第3当たり)に当選した場合に、第2態様と同一又は類似の態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に小利益を付与する小利益付与手段と、を有している。なお、条件装置の作動を伴う大当たりを特別結果とし、条件装置の作動を伴わない小当たりは特定結果として区別することも可能である。
または、2R通常当たり(図9のNo.1,2)と2R確変当たり(図9のNo.4,5,7)を区別すると、以下のように表現される。すなわち、遊技機100では、条件装置の作動を伴う大当たりを、図9のNo.3,6,8に対応する第1当たり(15R当たり)と、図9のNo.4,5,7に対応する第2当たり(2R確変当たり)と、図9のNo.1,2に対応する第4当たり(2R通常当たり)とで構成している。そして、遊技機100が備える利益付与手段(遊技制御装置30)は、当たり抽選において第1当たり(15R当たり)に当選した場合に、遊技球が容易に入賞可能な第1態様で大入賞口(第1大入賞口26)を開放することにより遊技者に第1の利益を付与する第1利益付与手段と、当たり抽選において第2当たり(2R確変当たり)に当選した場合に、当選確率変更手段(遊技制御装置30)により第2遊技状態(確変状態)への変更を行うとともに、第1態様よりも開放時間が短い第2態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に前記第1の利益よりも価値の低い第2の利益を付与する第2利益付与手段と、当たり抽選において第4当たり(2R通常当たり)に当選した場合に、当選確率変更手段により第1遊技状態(通常状態)への変更を行うとともに、第1態様よりも開放時間が短い第2態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に前記第1の利益よりも価値の低い第3の利益を付与する第3利益付与手段と、当たり抽選において小当たり(第3当たり)に当選した場合に、当選確率変更手段により遊技状態の変更が行なわれることなく、第2態様と同一又は類似の態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に小利益を付与する小利益付与手段と、を有している。
さらに、遊技機100が備える利益付与手段(遊技制御装置30)は、第1利益付与手段により第1の利益が付与され、又は第2利益付与手段により第2の利益が付与された場合に、可動部材(25b,25b)を通常状態よりも頻繁に作動させて第2始動口(特図2始動口25)に遊技球が入賞しやすくなる電サポ状態を発生させる電サポ制御手段を有している。なお、遊技制御装置30が、特別遊技の終了後、所定期間を限度として、普通電動役物(25b,25b)の変換制御を変更することで始動入賞口(特図2始動口25)への入賞を容易にした特定遊技状態(電サポ状態)を発生させる特定遊技状態発生手段をなすとも言える。
図11は、当たり終了後に移行する遊技状態について示す説明図である。図11における丸囲み数字は、図9の大当たり種類を示す番号に対応している。なお、図11では、通常状態Dにおいて特図当たり抽選に当選した場合について示しているが、遊技状態E〜Hにおいて特図当たり抽選に当選した場合もほぼ同様である。大当たりに当選することを契機とする遊技状態の移行は、遊技制御装置30により制御される。具体的には、特図ゲーム処理(図5のステップS19)内で行われる。
通常状態DにおいてNo.1の2R通常当たり(電サポなし)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態Dに移行する。No.2の2R通常当たり(電サポ100回付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態(電サポ1)Fに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態(電サポ1)Fから通常状態Dに移行する。
No.3の15R通常当たり(電サポ100回付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態(電サポ1)Fに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態(電サポ1)Fからは通常状態Dに移行する。No.4の2R確変当たり(電サポなし)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態Eに移行する。
No.5の2R確変当たり(電サポ100回付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると確変状態(電サポ1)Gから確変状態Eに移行する。No.6の15R確変当たり(電サポ100回付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると確変状態(電サポ1)Gから確変状態Eに移行する。
No.7の2R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ2)Hに移行する。次回大当たりが発生するまでこの状態Hが継続される。No.8の15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ2)Hに移行する。次回大当たりが発生するまでこの状態Hが継続される。
また、通常状態Dにおいて小当たりに当選すると、小当たり状態Aが発生し、2R当たり状態Bと同様に第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、小当たり終了後に通常状態Dに戻る。なお、通常状態Dとは異なる遊技状態E〜Hのいずれかにおいて小当たり抽選に当選した場合は、小当たり終了後には元の遊技状態に戻ることとなる。つまり、例えば確変状態Eにおいて小当たり抽選に当選した場合は、小当たり終了後も確変状態Eは継続される。
このように、遊技機100は、大当たりの当選確率を相対的に低く設定した第1遊技状態(通常状態)と、この第1遊技状態よりも大当たりの当選確率を高く設定した第2遊技状態(確変状態)とを、大当たりに当選したことを条件に変更可能な確率状態設定手段(遊技制御装置30)を備えている。また、遊技制御装置30が、抽選手段(遊技制御装置30)の抽選結果が当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定する当選確率変更手段をなすとも言える。なお、当選確率変更手段(遊技制御装置30)は、抽選手段(遊技制御装置30)の抽選結果が条件装置の作動を伴う当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が条件装置の作動を伴う当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定するようにしている。
そして、15R通常当たり及び15R確変当たりが所定期間実行される第1特別遊技を発生させるものであり、2R確変当たり及び2R通常当たりが第1特別遊技状態よりも遊技者に付与する利益の少ない第2特別遊技、第4特別遊技を発生させるものである。また、15R通常当たり及び15R確変当たりが、条件装置の作動を伴う当たりであって、第1特別遊技を実行するとともに、該第1特別遊技の終了後に当選確率変更手段により第1当選確率もしくは第2当選確率が設定される第1当たりをなす。また、2R確変当たりが、条件装置の作動を伴う当たりであって、第1特別遊技よりも遊技者に付与する利益の少ない第2特別遊技を実行するとともに、該第2特別遊技の終了後に当選確率変更手段により第2当選確率が設定される第2当たりをなす。また、小当たりが、条件装置の作動を伴わない当たりであって、第2特別遊技と同一又は類似の第3特別遊技を実行する第3当たりをなす。また、2R通常当たりが、条件装置の作動を伴う当たりであって、第2特別遊技と同一又は類似の第4特別遊技を実行するとともに、該第4特別遊技の終了後に当選確率変更手段により第1当選確率が設定される第4当たりをなす。
上述のように、大当たり又は小当たり終了後は、通常状態D、確変状態E、通常状態(電サポ1)F、確変状態(電サポ1)G、確変状態(電サポ2)Hのいずれかに滞在することとなる。そして、通常状態(D、F)と確変状態(E、G、H)の何れに滞在しているかを遊技者に認識させるために、遊技機100はステージ・モード演出を実行可能に構成されている。例えば、通常状態に対応するステージと確変状態に対応するステージが設けられ、液晶表示装置50における背景表示により滞在している遊技状態を遊技者が認識可能となっている。なお、電サポのあり/なしは特図2始動口25の挙動により明白なので、通常状態か確変状態かを報知されれば、遊技者は上述した遊技状態D〜Hを区別できることとなる。
また、このステージ・モード演出において、通常状態(D、F)又は確変状態(E、G、H)の何れに滞在しているかを明確に報知しない、すなわち、1つのステージを複数の遊技状態に対応させることで、何れの遊技状態にも滞在している可能性があるように不明瞭に報知することも可能となっている。例えば、図11において点線で示す移行先の状態、すなわち小当たり終了後の通常状態D、2R通常当たり(電サポなし)終了後の通常状態D、2R確変当たり(電サポなし)終了後の確変状態Eは、当たり発生時の第2大入賞口61の挙動及び当たり終了後の特図2始動口25の挙動から何れの状態となっているか判別できない。そこで、これらの当たり終了後には、同じステージ・モード演出(不明瞭ステージ1、図12(b))を実行することにより、何れの遊技状態に滞在しているかを明確に報知しない(不明瞭に報知する)ようにしている。これにより、2R確変当たりであったことが完全に否定されないので、遊技者に確変状態Eに移行しているかもしれないと期待させることができる。
また例えば、図11において太線で示す移行先の状態、すなわち2R通常当たり(電サポ100回付き)終了後の通常状態(電サポ1)F、2R確変当たり(電サポ100回付き)終了後の確変状態(電サポ1)Gは、当たり発生時の第2大入賞口61の挙動及び当たり終了後の特図2始動口25の挙動から何れの状態となっているか判別できない。そこで、これらの当たり終了後には、同じステージ・モード演出(不明瞭ステージ2、図12(c))を実行することにより、何れの遊技状態に滞在しているかを明確に報知しないようにしている。これにより、2R確変当たりであったことが完全に否定されないので、遊技者に確変状態(電サポ1)Gに移行しているかもしれないと期待させることができる。なお、特図変動表示ゲームが100回消化された後は、上述した不明瞭ステージ1に移行し、なおも確変状態であることを完全に否定しないようにしてもよい。
一方、図11において細線で示す移行先の状態、すなわち2R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)終了後の確変状態(電サポ2)H、15R確変当たり(電サポ100回付き)終了後の確変状態(電サポ1)G及びこの電サポ終了後の確変状態E、並びに15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)終了後の確変状態(電サポ2)Hでは、それらの状態を明確に報知するステージ・モード演出(確変確定ステージ、図12(d))が実行されるようになっている。また、15R通常当たり(電サポ100回付き)終了後の通常状態(電サポ1)F及びこの電サポ終了後の通常状態Dでは、それらの状態を明確に報知するステージ・モード演出(通常確定ステージ、図12(a))が実行されるようになっている。
このように、遊技機100は、第1遊技状態又は第2遊技状態の何れに滞在しているかを確定的に報知可能な遊技状態報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)を備えている。この遊技状態報知手段は、第1遊技状態(通常状態)又は第2遊技状態(確変状態)の何れにも滞在している可能性があることを不明瞭ステージにより不明瞭に報知可能(遊技状態を明確に報知しない)に構成されている。また、遊技制御装置30及び演出制御装置40が、当選確率の状態を明瞭に報知する明瞭報知状態(確変確定ステージ、通常確定ステージ)と、当選確率の状態を不明瞭に報知する不明瞭報知状態(不明瞭ステージ1,2)と、の何れかを設定する報知状態設定手段をなすとも言える。また、報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、第2特別遊技(2R確変当たりに基づく特別遊技)、第3特別遊技(小当たりに基づく特別遊技)及び第4特別遊技(2R通常当たりに基づく特別遊技)の終了後に、不明瞭報知状態とするようにしたこととなる。
また、不明瞭報知状態においては、所定条件の成立に基づき明瞭報知状態とするか否かを決定するための報知ゲームを行う。報知ゲームを開始するための所定条件は、例えば、始動記憶が所定数(上限値など)となることや、不明瞭報知状態で所定回数の特図変動表示ゲームを実行したことである。また、遊技制御装置30からの特定のコマンド(始動記憶の発生にかかる制御コマンドや変動開始にかかるコマンド)の受信に基づき、演出制御装置40で報知ゲームを行うか否かの抽選を行った結果、報知ゲームを行うと決定されたことである。なお、これ以外の条件としても良い。
この報知ゲームは、図13に示すようなものであって、報知ゲームを開始する所定条件の成立に基づき図13(a)に示すように、液晶表示装置50に報知条件を提示する提示表示51(「ここから電チューに2個入賞せよ!」)が表示される。そして、図13(b)に示すように報知条件が満たされる(特図2始動口25に2個入賞する)と、図13(c)に示すように報知条件を満たした旨の表示である条件成立表示52(「ミッションクリア」)がなされる。その後、図13(d)に示すように当選確率が報知されるとともに明瞭報知状態とされる。
図14には、このような報知ゲームを行うために演出制御装置40で行われる報知条件設定監視処理を示した。ステップS140では報知ゲームが実行中であるか否かを判定する。そして、報知ゲームが実行中であると判定した場合はステップS145に移行する。また、報知ゲームが実行中でないと判定した場合はステップS141に移行する。ステップS141では不明瞭報知状態であるか否かを判定する。そして、不明瞭報知状態でない場合は報知条件設定処理を終了する。また、不明瞭報知状態である場合はステップS142に移行する。
ステップS142では、上述した報知ゲームを開始する所定条件が成立したかを判定する。そして、報知ゲームを開始する所定条件が成立していない場合は報知条件設定監視処理を終了する。また、報知ゲームを開始する所定条件が成立している場合はステップS143に移行する。
ステップS143では、所定の監視期間と、報知条件を成立させるために監視期間において特図2始動口25に入賞させる遊技球の数である特定結果との組み合わせからなる報知条件を選択する処理を行う。複数の報知条件はROM41cに記憶されており、乱数などにより一の報知条件を選択する。すなわち、演出制御装置40が、監視期間と特定結果との組み合わせからなる複数の報知条件を記憶した条件記憶手段をなすとともに、報知条件記憶手段に記憶された複数の報知条件から、一の報知条件を選択する条件選択手段をなす。また、ステップS143では、選択した報知条件を設定する処理を行い、これにより監視期間が開始される。すなわち、演出制御装置40が、不明瞭報知状態における所定条件の成立に基づき、所定の監視期間を設定する監視期間設定手段をなす。
この報知条件の選択において現在の当選確率を考慮した選択を行うようにしても良い。例えば、当選確率が第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率である場合には、容易に達成できる条件を選択する。これにより、明確に第2当選状態であることが報知された状態で次回の大当たりへの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、当選確率が第1当選確率である場合には、達成が困難な条件を選択する。これにより、不明瞭報知状態において第2当選状態であることへの期待感を維持することができ、遊技の興趣を向上することができる。
ステップS144では、設定された報知条件を液晶表示装置50に表示する処理を行う。この処理により液晶表示装置50に報知条件を提示する提示表示51が表示される。この提示表示51では、条件選択手段により選択された報知条件が成立するために特図2始動口25に入賞すべき遊技球数が表示される。すなわち、演出制御装置40が、条件選択手段(演出制御装置40)により選択された報知条件を遊技者に報知する条件提示手段をなす。
ステップS145では、特図2始動口25への入賞があるかを判定する。この判定では、特図2始動記憶が発生した場合に遊技制御装置30から送信されるコマンドに基づき判定を行う。そして、特図2始動口25への入賞がある場合はステップS146に移行した後ステップS147に移行する。また、特図2始動口25への入賞がない場合はステップS147に移行する。なお、特図2始動記憶が上限数である場合に発生した特図2始動口25への入賞(オーバーフロー入賞)については、特図2始動口25への入賞があると判定しても良いし、ないと判定しても良い。ただし、特図2始動口25への入賞があると判定する場合は、遊技制御装置30から特図2始動記憶に関するコマンドが送信されないため、例えば、別途のコマンドを遊技制御装置30から出力するようにして、特図2始動記憶を発生しない特図2始動口25への入賞を演出制御装置40で検出できるようにする。
ステップS146では監視期間に特図2始動口25へ入賞した遊技球を計数する報知ゲーム用カウンタを1インクリメントする処理を行う。すなわち、演出制御装置40が、監視期間において始動入賞口(特図2始動口)に入賞した遊技球の数を計数する計数手段をなす。また、ステップS147では報知ゲーム用カウンタの値が特定結果であるか否かを判定する。そして、報知ゲーム用カウンタの値が特定結果でない場合、すなわち、報知条件が成立していない場合はステップS148に移行する。また、報知ゲーム用カウンタの値が特定結果である場合、すなわち、報知条件が成立している場合はステップS149に移行する。
ステップS148では監視期間が終了したか否かを判定する。そして、監視期間が終了していない場合は報知条件設定処理を終了し、監視期間が終了している場合はステップS150に移行する。ステップS150では報知ゲームを終了する処理を行い、報知条件設定監視処理を終了する。なお、この場合は不明瞭報知状態が継続される。
ステップS149では明瞭報知状態を設定する。すなわち、演出制御装置40が、計数手段(演出制御装置40)による計数結果が特定結果である場合に、明瞭報知状態に変更する報知状態変更手段をなす。その後、ステップS150に移行して報知ゲームを終了した後、報知条件設定監視処理を終了する。
なお、報知ゲームの実行態様は図13に示すものに限られるものではない。例えば、図15に示すように、提示表示51において監視期間(ここでは10分)と、条件選択手段により選択された報知条件が成立するために特図2始動口25に入賞すべき遊技球数(ここでは30個)とを示すようにしても良い。
また、図16に示すように、報知ゲームにおいて報知条件の成立にかかわった始動記憶について先読み情報を表示する先読み表示53を行うようにしても良い。すなわち、監視期間において始動入賞口に入賞した遊技球の数を計数する(演出制御装置40)による計数結果が特定結果である場合に、当該監視期間における始動入賞口への入賞に基づく抽選結果を事前に報知するようにしても良い。
また、本実施形態の報知ゲームでは、監視期間に指定した個数以上の遊技球が入賞すれば報知条件が成立するものとしており、例えば、図13に示す報知ゲームでは特図2始動口25に遊技球が2個以上入賞すれば報知条件が成立するものとしているが、特図2始動口25に遊技球が指定した個数入賞した場合のみ報知条件が成立するものとしても良い。すなわち、図13では2個入賞した場合のみ報知条件が成立したものとし、3個以上入賞した場合は報知条件が成立していないものとしても良い。
また、報知ゲームに関する制御を演出制御装置40で行っているが遊技制御装置30で行うようにしても良い。また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの二種類の特図変動表示ゲームを実行するようにしているが、特図1始動口24と特図2始動口25の何れに入賞しても同じ一種類の特図変動表示ゲームのみを実行するようにしても良い。
以上のことから、図柄の変動表示が可能な可変表示装置(特図1表示器22A、特図2表示器22B及び液晶表示装置50)と、遊技球が流下する遊技領域1aに設けられた始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)に遊技球が入賞したことを条件に、当たりであるか否かの抽選を実行する抽選手段(遊技制御装置30)と、抽選手段による抽選結果に基づいて可変表示装置に図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動過程を制御する図柄制御手段(遊技制御装置30)と、抽選手段の抽選結果が当たりである場合に、図柄制御手段により図柄を変動表示させた後に予め定められた当たり図柄を停止表示させ、遊技領域1aに設けられた特別電動役物(開閉扉26b、可動部材61b)を遊技球の入賞が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段(遊技制御装置30)とを備えた遊技機において、抽選手段の抽選結果が当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定する当選確率変更手段(遊技制御装置30)と、当選確率の状態を明瞭に報知する明瞭報知状態と、当選確率の状態を不明瞭に報知する不明瞭報知状態と、の何れかを設定する報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)と、を備え、報知状態設定手段は、不明瞭報知状態における所定条件の成立に基づき、所定の監視期間を設定する監視期間設定手段(演出制御装置40)と、監視期間において始動入賞口に入賞した遊技球の数を計数する計数手段(演出制御装置40)と、該計数手段による計数結果が特定結果であった場合に、明瞭報知状態に変更する報知状態変更手段(演出制御装置40)と、を備えていることとなる。
ここで、可変表示装置は、図柄の表示のみを行うものであっても良いし、図柄の表示の他に演出表示を行うもの(例えば、液晶表示装置50)であっても良い。また、「計数手段による計数結果が特定結果であった場合」は、計数結果が特定の数と一致する場合や、計数結果が特定の数以上である場合などである。また、「当選確率の状態を明瞭に報知する」とは、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良く、当選確率の数値までを詳細に報知しなくても良い。また、文字情報でなくても背景などの画像や音声などにより、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良い。また、「当選確率の状態を不明瞭に報知」とは、当選確率についての情報をまったく報知しないことや、当選確率を示唆する報知を行うが明確に報知しないことを含む。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、始動入賞口に入賞する遊技球の数により当選確率の報知がなされるか否かが決定されるので、遊技者の遊技の結果が報知に反映されるようになり、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。また、当選確率の報知と始動入賞口への入賞に関連を持たせることで、従来の遊技機に比べて始動入賞口への入賞に対する遊技者の興味を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、監視期間と特定結果との組み合わせからなる複数の報知条件を記憶した条件記憶手段(演出制御装置40)と、報知条件記憶手段に記憶された複数の報知条件から、一の報知条件を選択する条件選択手段(演出制御装置40)と、条件選択手段により選択された報知条件を遊技者に報知する条件提示手段(演出制御装置40)と、を備えていることとなる。
ここで、「報知条件を遊技者に報知する」とは、例えば、可変表示装置に表示を行うことである。また、音声やランプの発光などにより報知を行うものでも良い。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、報知条件を様々に変化させることで当選確率の報知にかかわる演出に変化を持たせることができ、興趣を向上することができる。また、報知条件を遊技者に報知することで、報知された報知条件をクリアするという目標を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、始動入賞口は、第1始動入賞口(特図1始動口24)と、所定条件の成立に基づき、遊技球が入賞困難もしくは入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な普通電動役物(可動部材25b)を備えた第2始動入賞口(特図2始動口25)と、を備え、計数手段(演出制御装置40)は、監視期間において第2始動入賞口に入賞した遊技球の数を計数するようにしていることとなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、始動入賞口に入賞する遊技球の数により当選確率の報知がなされるか否かが決定されるが、始動入賞口への入賞確率も変化することで当選確率の報知にかかわる演出により変化を持たせることができ、興趣を向上することができる。
また、当選確率変更手段(遊技制御装置30)は、抽選手段(遊技制御装置30)の抽選結果が条件装置の作動を伴う当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が条件装置の作動を伴う当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定し、抽選手段による抽選結果には、条件装置の作動を伴う当たりであって、第1特別遊技を実行するとともに、該第1特別遊技の終了後に当選確率変更手段により第1当選確率もしくは第2当選確率が設定される第1当たり(15R通常当たり及び15R確変当たり)と、条件装置の作動を伴う当たりであって、第1特別遊技よりも遊技者に付与する利益の少ない第2特別遊技を実行するとともに、該第2特別遊技の終了後に当選確率変更手段により第2当選確率が設定される第2当たり(2R確変当たり)と、条件装置の作動を伴わない当たりであって、第2特別遊技と同一又は類似の第3特別遊技を実行する第3当たり(小当たり)と、が含まれ、報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、第2特別遊技及び第3特別遊技の終了後に、不明瞭報知状態とするようにしていることとなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、特別遊技が同一又は類似する当たりの後に不明瞭報知状態となるため、特別遊技の実行態様から当選確率を推測することが困難となり、当選確率の報知にかかわる演出に対する期待感を高め、遊技の興趣を向上することができる。
また、抽選手段(遊技制御装置30)による抽選結果には、条件装置の作動を伴う当たりであって、第2特別遊技と同一又は類似の第4特別遊技を実行するとともに、該第4特別遊技の終了後に当選確率変更手段(遊技制御装置30)により第1当選確率が設定される第4当たり(2R通常当たり)を含み、報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、第2特別遊技、第3特別遊技及び第4特別遊技の終了後に不明瞭報知状態とするようにしていることとなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、より特別遊技の実行態様から当選確率を推測することが困難となり、当選確率の報知にかかわる演出に対する期待感を高め、遊技の興趣を向上することができる。また、不明瞭報知状態が発生しやすくなるため、遊技者が第2当選確率(高確率状態)に対して期待する機会が増え、遊技者の興趣を高めることができる。
また、条件提示手段(演出制御装置40)は、条件選択手段(演出制御装置40)により選択された報知条件が成立するために第2始動入賞口(特図2始動口25)に入賞すべき遊技球数を可変表示装置(液晶表示装置50)に表示するようにしていることとなる。したがって、遊技者が報知条件を明確に認識することができる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、計数手段(演出制御装置40)による計数結果の増加に伴い、推測困難度の低い状態に順次変更するようにしている。
不明瞭報知状態1,2にはそれぞれ推測困難度の異なる複数の状態として、推測困難度が高い状態から順にAモード、Bモード、Cモードの3つが用意されている。推測困難度が異なる複数の状態とは、例えば、当選確率についての示唆の内容や示唆の頻度が異なり、当選確率の推測の困難さが異なる複数の状態である。すなわち2つの状態を比較した場合に推測困難度が低い一方の状態は、他方の状態よりも示唆の内容から容易に当選確率を推測できたり、他方の状態よりも示唆の頻度が高く容易に当選確率を推測できたりするものである。
本変形例での報知ゲームでは、提示表示51として入賞した数と移行するモードとの関係を表示するとともに現在の入賞数を表示するようになっている。図17に示す例では、所定の監視期間において入賞数が0から40個であればAモードに移行し、入賞数が41個から80個であればBモードに移行する。そして、入賞数が81個から100個であればCモードに移行するように設定されている。なお、101個以上であれば明瞭報知状態へ移行する。また、現在の入賞数がグラフで表示され(網掛けの部分)、移行するモードが容易に認識できるようにされている。
本変形例の遊技機では、図14に示した報知条件監視処理に替えて図18に示す報知条件監視処理を行う。この報知条件監視処理では、特定結果とならず(ステップS147;N)、監視期間が終了した場合(ステップS148;Y)に、報知ゲーム用カウンタ値に基づきモードを選択する処理(ステップS160)を行うようになっている。カウンタ値に基づきモードを選択する処理(ステップS160)では、入賞数に基づき推測困難度が異なるAモード、Bモード、Cモードのうちから何れかが選択されて設定される。
以上のことから、不明瞭報知状態には、当選確率の推測困難度が異なる複数の状態が含まれ、報知状態変更手段(演出制御装置40)は、特定結果となる前において計数手段(演出制御装置40)による計数結果の増加に伴い、推測困難度の低い状態に順次変更するようにしていることとなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、特定結果となる前(報知条件が成立する前)における遊技の結果を当選確率の推測に関連づけることができ、特定結果となる前の遊技についても興趣を向上することができる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)への遊技球の入賞と、操作手段をなす演出用ボタン157の操作とが所定の期間内に発生した場合に、明瞭報知状態に変更するようにしている。
本変形例での報知ゲームでは、提示表示51として「電チュー入賞と同時にボタンを押せ!」と表示する。また、図14に示した報知条件設定監視処理における特定結果であるか否かの判定(ステップS147)を所定タイミングで演出用ボタン157の操作があったか否かの判定とし、所定タイミングで演出用ボタン157の操作があった場合はステップS149に移行し、所定タイミングで演出用ボタン157の操作がなかった場合はステップS148に移行するようにする。
以上のことから、遊技者が操作可能な操作手段(演出用ボタン157)を備え、報知状態変更手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)への遊技球の入賞と、操作手段の操作とが所定の期間内に発生した場合に、明瞭報知状態に変更するようにしたこととなる。
したがって、遊技者の技量が当選確率の報知に反映され、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。
なお、「操作手段」は、ボタンを押下するものや、タッチパネル、トラックボール、十字キーなど遊技者による操作を検出するものであればなんでも良い。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、複数の開放期間毎の計数手段による計数結果が、全て特定結果であった場合に明瞭報知状態に変更するようにしている。
本変形例の報知ゲームは、図19に示すように、普通電動役物をなす可動部材25bの複数回の開放期間(t1からt2、t3からt4、t5からt6)に亘る監視期間を設定する。また、各開放期間において特図2始動口25に入賞すべき遊技球数が設定されるとともに対応する提示表示がなされる。すなわち、一回目の開放期間では提示表示51として「2個入れろ!」と表示され、二回目の開放期間では「0個入れろ!」、三回目の開放期間では「1個入れろ!」と表示される。そして、各開放期間において提示した条件を全て満たした場合に明瞭報知状態に変更するようにしている。なお、図19に示す例では電サポあり状態での報知ゲームを示しており、一の普図変動表示ゲームの当たりに対する可動部材25b(普通電動役物)の開放期間のそれぞれに条件を設定した場合を示した。
本変形例の遊技機では、図14に示した報知条件監視処理に替えて図20に示す報知条件監視処理を行う。この報知条件監視処理では、報知条件として複数回の開放期間に亘る特定報知条件が設定される場合があるため、計数手段による計数結果が特定結果となっていない場合(ステップS147;N)に、監視期間が終了したか否かの判定(ステップS148)に替えて開放期間が終了したか否かの判定(ステップS170)を行う。これにより、特定報知条件が設定された場合における途中の開放期間において、特定結果とならなかった場合に、その時点で報知ゲームが終了するようになり、報知条件を満たさないことが明らかとなった後にまで報知ゲームが継続することを防止できる。なお、開放期間の終了間際に特図2始動口に入賞した遊技球を検出するために、開放期間の終了から所定時間は開放期間が終了していないと判定するようにしても良い。
また、計数手段による計数結果が特定結果となった場合(ステップS147;Y)に、監視対象の開放期間が全て終了したか否かの判定(ステップS171)を行うようになっている。上述のように特定報知条件が設定された場合における途中の開放期間で特定結果とならなかった場合は報知ゲームが終了するので、監視対象の開放期間が全て終了した場合(ステップS171;Y)は、全ての開放期間で特定結果となった場合である。よって、監視対象の開放期間が全て終了した場合(ステップS171;Y)は、ステップS149に移行する。また、監視対象の開放期間が全て終了していない場合(ステップS171;N)は、ステップS172に移行して開放期間の終了後に報知ゲーム用カウンタをクリアし、ステップS143に戻る。
このような処理により、報知条件は、普通電動役物が第2状態となる開放期間を複数回含む監視期間と、開放期間毎に設定された特定結果と、の組み合わせからなる特定報知条件を含み、条件選択手段により特定報知条件が選択された場合に、計数手段は開放期間毎に入賞した遊技球の数を計数し、報知状態変更手段は開放期間毎の計数手段による計数結果が、全て特定結果であった場合に明瞭報知状態に変更することとなるので、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、当選確率の報知にかかわる演出を行う時間が長くなることで、興趣の高い状態を長時間維持できる。また、報知条件の成立が難しくなり、不明瞭報知状態での遊技を継続させて第2当選確率(高確率状態)への期待感を長時間維持することができる。また、報知条件の成立を難しくすることで成立した際の達成感が高まり、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、報知条件は、普通電動役物(可動部材25b)が第2状態となる開放期間を複数回含む監視期間と、開放期間毎に設定された特定結果と、の組み合わせからなる特定報知条件を含み、条件選択手段(演出制御装置40)により特定報知条件が選択された場合に、計数手段(演出制御装置40)は、開放期間毎に入賞した遊技球の数を計数し、報知状態変更手段(演出制御装置40)は、開放期間毎の計数手段による計数結果が、全て特定結果であった場合に明瞭報知状態に変更するようにしたこととなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、抽選手段(遊技制御装置30)による抽選結果が当たりとなった場合に明瞭報知状態に変更するようにしている。
本変形例の報知ゲームでは、図21(a)に示すように特図変動表示ゲームが開始した後に、図21(b)に示すように提示表示51(「電チューに2個入れろ!」)がなされる。ここまでは上述した報知ゲームと同様である。その後、図21(c)に示すように、報知条件を満たしていないにもかかわらず報知条件を満たした旨の表示である条件成立表示52(「ミッションクリア」)がなされ、図21(d)に示すように当選確率が報知される。そして、図21(e)に示すように特別結果態様(「7,7,7」)が表示されて特別遊技状態となる。
本変形例の遊技機では、図14に示した報知条件監視処理に替えて図22に示す報知条件監視処理を行う。この報知条件監視処理では、報知ゲーム開始条件が成立したか否かの判定(ステップS142)における報知ゲームを開始する所定条件として、抽選手段による抽選結果が大当たりである場合を含むようにする。なお、抽選結果が大当たりであることは、例えば、特図変動表示ゲームの変動開始時に遊技制御装置30から送信されるコマンドにより判定する。
また、特定結果であるか否かの判定(ステップS180)において、特定結果でない場合(ステップS147;N)に、抽選結果が大当たりであるか否かの判定(ステップS180)を行う。この抽選結果が大当たりであるか否かの判定(ステップS180)において、抽選結果が大当たりである場合(ステップS180;Y)、明瞭報知状態に設定する処理(ステップS149)を行う。また、抽選結果が大当たりでない場合(ステップS180;N)は、監視期間が終了したか否かの判定(ステップS148)を行う。
このような処理により、不明瞭報知状態において抽選手段(遊技制御装置30)による抽選結果が当たりとなった場合に、監視期間設定手段(演出制御装置40)が監視期間を設定するとともに、条件提示手段(演出制御装置40)によって報知条件が遊技者に報知された後に報知状態変更手段(演出制御装置40)が明瞭報知状態に変更することとなるので、不明瞭報知状態での当選確率が不明のままになってしまうことを防止することができる。
以上のことから、不明瞭報知状態において抽選手段(遊技制御装置30)による抽選結果が当たりとなった場合に、監視期間設定手段(演出制御装置40)が監視期間を設定するとともに、条件提示手段(演出制御装置40)によって報知条件が遊技者に報知された後に報知状態変更手段(演出制御装置40)が明瞭報知状態に変更するようにしたこととなる。
なお、本変形例の報知ゲームにおいて、実際に報知条件を満たした場合にも図21(c)以降の表示がなされる。また、抽選結果が大当たりである場合の報知条件として、例えば、特図2始動口に0個や1個入賞させることで成立するような容易に成立する条件を選択するようにしても良い。
また、上述した各変形例の構成と第1実施形態の構成とは、一の遊技機において組み合わせて適用することも可能である。さらに、各変形例の構成どうしも一の遊技機において組み合わせて適用することも可能である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機では、特別遊技状態で大入賞口に入賞した遊技球の数に基づき様々な設定を行うようにしており、特に、2R大当たりや小当たりで第2大入賞口61に入賞した遊技球の数に基づき様々な設定を行うようにしている。
演出制御装置40では、2R大当たりもしくは小当たりで第2大入賞口61に入賞した遊技球の個数を計数するための図23に示す入賞数計数処理を行う。ステップS190では、2R大当たりもしくは小当たりであるか否かを判定する。そして、2R大当たりもしくは小当たりでなければ入賞数計数処理を終了する。また、2R大当たりもしくは小当たりであればステップS191に移行する。ステップS191では、第2大入賞口61に遊技球が入賞する毎に遊技制御装置30から演出制御装置40に出力されるカウント情報を受信したか否かを判定する。このカウント情報を受信していない場合は入賞数計数処理を終了する。また、カウント情報を受信している場合はステップS192に移行して大入賞口カウンタを1インクリメントする処理を行い、入賞数計数処理を終了する。すなわち、演出制御装置40が、特別遊技中に大入賞口(第2大入賞口61)に入賞した遊技球の数を計数する計数手段をなす。
また、演出制御装置40では、特別遊技状態の終了時に図24に示す報知状態設定処理を行う。ステップS200では大入賞口カウンタの値を取得してステップS201に移行する。ステップS201では、取得した大入賞口カウンタの値に基づき入賞個数が所定数以上であるか(特定結果であるか)を判定する。そして、入賞個数が所定数以上でなければ報知状態設定処理を終了する。この場合は大当たりの種類により不明瞭報知状態か明瞭報知状態が設定される。また、入賞個数が所定数以上であればステップS202に移行し、明瞭報知状態に設定して報知状態設定処理を終了する。
なお、遊技制御装置30で2R大当たりや小当たりにおける第2大入賞口61への入賞数を計数し、大当たりの終了時に入賞した遊技球の数についての情報を含む入賞個数コマンドを演出制御装置40に出力するようにしても良い。そして、演出制御装置40において、受信した入賞個数コマンドに基づき図24に示した報知状態設定処理を行うようにする。この場合は遊技制御装置30が特別遊技中に大入賞口(第2大入賞口61)に入賞した遊技球の数を計数する計数手段をなす。また、2R大当たりや小当たりにおける第2大入賞口61への入賞に基づき報知状態を設定する処理を行ったが、15R大当たりにおける第1大入賞口26への入賞に基づき報知状態を設定する処理を行うようにしても良い。
以上のことから、図柄の変動表示が可能な可変表示装置(特図1表示器22A、特図2表示器22B及び液晶表示装置50)と、遊技球が流下する遊技領域1aに設けられた始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)に遊技球が入賞したことを条件に、当たりであるか否かの抽選を実行する抽選手段(遊技制御装置30)と、抽選手段による抽選結果に基づいて可変表示装置に図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動過程を制御する図柄制御手段(遊技制御装置30)と、抽選手段の抽選結果が当たりである場合に、図柄制御手段により図柄を変動表示させた後に予め定められた当たり図柄を停止表示させ、遊技領域1aに設けられた特別電動役物(開閉扉26b、可動部材61b)を動作して大入賞口(第1大入賞口26、第2大入賞口61)への遊技球の入賞が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段(遊技制御装置30)とを備えた遊技機において、抽選手段の抽選結果が当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定する当選確率変更手段(遊技制御装置30)と、当選確率の状態を明瞭に報知する明瞭報知状態と、当選確率の状態を不明瞭に報知する不明瞭報知状態と、の何れかを設定する報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)と、を備え、報知状態設定手段は、特別遊技中に大入賞口(第1大入賞口26、第2大入賞口61)に入賞した遊技球の数を計数する計数手段(演出制御装置40)を備え、計数手段による計数結果が特定結果であった場合には特別遊技の終了後に明瞭報知状態とし、計数手段による計数結果が特定結果でなかった場合には特別遊技の終了後に不明瞭報知状態とするようにしたこととなる。
ここで、可変表示装置は、図柄の表示のみを行うものであっても良いし、図柄の表示の他に演出表示を行うもの(例えば、液晶表示装置50)であっても良い。また、「計数手段による計数結果が特定結果であった場合」は、計数結果が特定の数と一致する場合や、計数結果が特定の数以上である場合などである。また、「当選確率の状態を明瞭に報知する」とは、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良く、当選確率の数値までを詳細に報知しなくても良い。また、文字情報でなくても背景などの画像や音声などにより、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良い。また、「当選確率の状態を不明瞭に報知」とは、当選確率についての情報をまったく報知しないことや、当選確率を示唆する報知を行うが明確に報知しないことを含む。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、大入賞口に入賞する遊技球の数により当選確率の報知がなされるか否かが決定されるので、遊技者の遊技の結果が報知に反映されるようになり、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。また、当選確率の報知と大入賞口への入賞に関連を持たせることで、従来の遊技機に比べて大入賞口への入賞に対する遊技者の興味を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者が当選確率の報知を目的として特別電動役物が開放した際に球を多く入れようとするので、特別電動役物が開放している時だけでなく、その前後でも遊技球を発射するようになり、遊技機の稼動率を高めることができる。
また、当選確率変更手段(遊技制御装置30)は、抽選手段(遊技制御装置30)の抽選結果が条件装置の作動を伴う当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が条件装置の作動を伴う当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定し、抽選手段による抽選結果には、条件装置の作動を伴う当たりであって、第1特別遊技を実行するとともに、該第1特別遊技の終了後に当選確率変更手段により第1当選確率もしくは第2当選確率が設定される第1当たり(15R通常当たり及び15R確変当たり)と、条件装置の作動を伴う当たりであって、第1特別遊技よりも遊技者に付与する利益の少ない第2特別遊技を実行するとともに、該第2特別遊技の終了後に当選確率変更手段により第2当選確率が設定される第2当たり(2R確変当たり)と、条件装置の作動を伴わない当たりであって、第2特別遊技と同一又は類似の第3特別遊技を実行する第3当たり(小当たり)と、が含まれ、報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、第2特別遊技及び第3特別遊技の終了後に、計数手段(演出制御装置40)による計数結果が特定結果であった場合には明瞭報知状態とし、計数手段による計数結果が特定結果でなかった場合には不明瞭報知状態とするようにしたこととなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、特別遊技が同一又は類似する当たりの後に不明瞭報知状態となるため、特別遊技の実行態様から当選確率を推測することが困難となり、当選確率の報知にかかわる演出に対する期待感を高め、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1特別遊技よりも遊技者に付与する利益の少ない第2特別遊技及び第3特別遊技と当選確率の報知を関連付けることで、第2特別遊技及び第3特別遊技における興趣を高めるとともに、報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。また、遊技者が当選確率の報知を目的として特別電動役物が開放した際に球を多く入れようとするので、特別電動役物が開放している時だけでなく、その前後でも遊技球を発射するようになり、遊技機の稼動率を高めることができる。特に、第2特別遊技及び第3特別遊技で特別電動役物が開放する時間を極めて短くした場合は、入賞をあきらめて遊技球の発射をやめてしまうこと(いわゆる止め打ち)が考えられるが、当選確率の報知と関連付けたことで止め打ちを防止でき、遊技機の稼働率が低下することを防止できる。
また、抽選手段(遊技制御装置30)による抽選結果には条件装置の作動を伴う当たりであって、第2特別遊技と同一又は類似の第4特別遊技を実行するとともに、該第4特別遊技の終了後に当選確率変更手段(遊技制御装置30)により第1当選確率が設定される第4当たり(2R通常当たり)を含み、報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、第2特別遊技、第3特別遊技及び第4特別遊技の終了後に、計数手段(演出制御装置40)による計数結果が特定結果であった場合には明瞭報知状態とし、計数手段による計数結果が特定結果でなかった場合には不明瞭報知状態とするようにしたこととなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、より特別遊技の実行態様から当選確率を推測することが困難となり、当選確率の報知にかかわる演出に対する期待感を高め、遊技の興趣を向上することができる。また、不明瞭報知状態が発生しやすくなるため、遊技者が第2当選確率(高確率状態)に対して期待する機会が増え、遊技者の興趣を高めることができる。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、大入賞口に入賞した遊技球の数に基づき、特別遊技の終了後における当選確率の報知状態として、推測困難度が異なる複数の状態から一の状態を選択するようにしている。
不明瞭報知状態1,2には、それぞれ推測困難度の異なる複数の状態として、推測困難度が高い状態から順にAステージ、Bステージ、Cステージ、Dステージ、Eステージの5つの状態が用意されている。推測困難度が異なる複数の状態とは、例えば、当選確率についての示唆の内容や示唆の頻度が異なり、当選確率の推測の困難さが異なる複数の状態である。すなわち2つの状態を比較した場合に推測困難度が低い一方の状態は、他方の状態よりも示唆の内容から容易に当選確率を推測できたり、他方の状態よりも示唆の頻度が高く容易に当選確率を推測できたりするものである。
本変形例の遊技機では、2R大当たりや小当たりにおける第2大入賞口61に入賞した遊技球の数に基づき、図25に示すように特別遊技の終了後における当選確率の報知状態として、AステージからEステージの何れか一つを選択する。なお、2R大当たりや小当たりにおける特別遊技では、第2大入賞口61が1秒開放される動作が2回繰り返されるのみであり、多くの遊技球を入賞させることは難しいため、多くの遊技球を入賞させることができた場合に推測困難度の低い状態となるようにされている。すなわち、計数手段(演出制御装置40)による計数結果の増加に伴い、推測困難度の低い状態に順次変更するようにしていると言える。
このような報知状態(ステージ)の選択を行うために、図24に示した報知状態設定処理においては、ステップS201、ステップS202に替えて、図25に示すようなテーブルに従い入賞個数(大入賞口カウンタ値)に応じた状態を設定する処理を行うようにする。
以上のことから、不明瞭報知状態には、当選確率の推測困難度が異なる複数の状態が含まれ、報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、計数手段(演出制御装置40)による計数結果の増加に伴い、推測困難度の低い状態に順次変更するようにしていることとなる。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、大入賞口に入賞した遊技球の数に基づき、電サポ状態の期間の報知態様を設定するようにしている。ここで、本変形例の遊技機では、電サポ1として、大当たり終了後に電サポを継続する特図変動表示ゲームの回数が20回である電サポ1−1(電サポ期間20)、50回である電サポ1−2、100回である電サポ1−3があり、図柄決定用乱数に基づき何れかが選択されるものとする。なお、大当たりが発生した場合に、これら3つの状態のうち何れが選択されたかは遊技者には分からないようになっている。
図26、27には本変形例の遊技機における表示例を示した。図26に示す例では、電サポ1−1(電サポ期間20回)を伴う2R大当たりに当選した場合を示した。2R大当たりに当選すると、図26(a)に示すように特別結果が表示された後、特別遊技が開始される。この特別遊技においては、図26(b)に示すように大当たり終了後の電サポ状態で実行可能な特図変動表示ゲームの残り回数を示す残り時短回数表示54が表示される。この残り時短回数表示54に表示される値である時短表示回数は、図28に示すように、第2大入賞口61への入賞ごとに10ずつ増加するようになっている。すなわち、図26(b)に示す状態では、第2大入賞口61に1個目の遊技球が入賞した状態である。
時短表示回数は第2大入賞口61への入賞ごとに10ずつ増加するが、図柄決定用乱数に基づき決定された回数以上にはならないようになっている。この例では、第2大入賞口61に2個目の遊技球が入賞した際には、残り時短回数表示54に表示される時短表示回数が20回とされる。しかし、第2大入賞口61に3個目の遊技球が入賞した際には、図26(c)に示すように、時短回数表示54に表示される時短表示回数は20回のままとされるとともに、これ以上増加しない旨を報知する最大回数表示55が表示される。
なお、2R大当たりで電サポなしの場合や小当たりの場合には、残り時短回数表示54に表示される時短表示回数は0回のままとなる。また、2R大当たりで電サポ2の場合は、第2大入賞口61への入賞個数に応じて順次増加するようにするが、電サポ1では100回が最大回数となるので、11個以上第2大入賞口61に入賞した場合は時短表示回数として「次回大当たりまで」と表示しても良い。
図27には、大当たり終了後の電サポ状態における表示例を示した。なお、図27に示す例では、電サポ1−3(電サポ期間100回)を伴う2R大当たりに当選した後の電サポ状態を示している。また、この例では、特別遊技において第2大入賞口61に遊技球が2個しか入賞しておらず、図27(a)に示すように大当たり終了時の残り時短回数表示54に表示される時短表示回数は20回となっている。
時短回数表示54に表示される時短表示回数は特図変動表示ゲームの開始時に減算されるようになっており、図27(b)に示すように、大当たり終了後20回目の特図変動表示ゲームでは時短表示回数が0となる。しかし、実際には、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで電サポ状態であるので、大当たり終了後20回目の特図変動表示ゲームにおける停止表示時間において、時短回数表示54に表示される時短表示回数を実際の残り回数である80回に変更するようになっている。遊技者は電サポ状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数が分からないため、このように遊技者に20回目の特図変動表示ゲームで電サポ状態が終了するものと思わせた後に実際の回数を報知することで、遊技者に得をした感覚を与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。
演出制御装置40では、特別遊技中において図29に示す時短回数表示54に表示される時短表示回数を設定する時短表示回数設定処理を行う。ステップS210では、特別遊技が2R大当たりもしくは小当たりに基づくものであるかを判定する。そして、特別遊技が2R大当たりもしくは小当たりに基づくものでなければ時短表示回数設定処理を終了する。また、特別遊技が2R大当たりもしくは小当たりに基づくものであればステップS211に移行する。ステップS211では、第2大入賞口61に遊技球が入賞する毎に遊技制御装置30から演出制御装置40に出力されるカウント情報を受信したか否かを判定する。このカウント情報を受信していない場合は時短表示回数設定処理を終了する。また、カウント情報を受信している場合はステップS212に移行して大入賞口カウンタを1インクリメントする処理を行い、ステップS213に移行する。すなわち、演出制御装置40が、特別遊技中に大入賞口(第2大入賞口61)に入賞した遊技球の数を計数する計数手段をなす。
ステップS213では、大入賞口カウンタの値からと図28に示すテーブルに従って時短表示回数を取得し、ステップS214に移行する。ステップS214では、取得した時短表示回数の方が実際の電サポ期間よりも大きいかを判定する。そして、取得した時短表示回数の方が実際の電サポ期間よりも大きくない場合はステップS213に移行して時短表示回数を10増加させる処理を行い、時短表示回数設定処理を終了する。また、取得した時短表示回数の方が実際の電サポ期間よりも大きい場合は時短表示回数設定処理を終了する。なお、この場合に最大回数表示55(図26(c)参照)が表示されていなければ、最大回数表示55を表示する処理を行う。
また、演出制御装置40では、大当たり終了後の電サポ状態における表示を制御するために図30に示す時短表示回数制御処理を行う。ステップS220では、電サポ状態中であるかを判定し、電サポ状態中でなければ時短表示回数制御処理を終了する。また、電サポ状態中であればステップS221に移行する。ステップS221では、特図変動表示ゲームの開始タイミングであるかを判定し、開始タイミングでなければ時短表示回数制御処理を終了する。また、開始タイミングであればステップS222に移行して時短表示回数を1減少させる処理を行い、ステップS223に移行する。
ステップS223では、時短表示回数が0であるかを判定し、0でなければ時短表示回数制御処理を終了する。また、0であればステップS224に移行する。ステップS224では、電サポ状態が実行中の特図変動表示ゲームで終了するかを判定する。そして、電サポ状態が実行中の特図変動表示ゲームで終了する場合は時短表示回数制御処理を終了する。また、電サポ状態が実行中の特図変動表示ゲームで終了しない場合はステップS225に移行する。ステップS225では、実行中の特図変動表示ゲームの終了時に時短回数を更新する処理を行い、この処理により実際の残り回数が時短表示回数とされる。すなわち、演出制御装置40が、特定遊技状態(電サポ状態)とする期間を遊技者に報知する期間報知手段をなす。
以上のことから、始動入賞口(特図2始動口25)は、所定条件の成立に基づき、遊技球が入賞困難もしくは入賞不可能な第1状態と遊技球が入賞可能な第2状態とに状態変換可能な普通電動役物(可動部材25b)と、特別遊技の終了後、所定期間を限度として、普通電動役物の変換制御を変更することで始動入賞口への入賞を容易にした特定遊技状態(電サポ状態)を発生させる特定遊技状態発生手段(遊技制御装置30)と、特定遊技状態とする期間を遊技者に報知する期間報知手段(演出制御装置40)と、を備え、期間報知手段は、計数手段(演出制御装置40)による計数結果に基づき報知態様を設定するようにしたこととなる。
ここで、「所定条件の成立に基づき」とは、例えば、普通電動役物を開放するか否かを決定するゲームで開放すると決定されることである。また、期間の報知は、例えば、可変表示装置に表示を行うことである。また、音声やランプの発光などにより報知を行うものでも良い。
したがって、決定された期間の報知態様も大入賞口への入賞に関連を持たせることができ、従来の遊技機に比べて大入賞口への入賞に対する遊技者の興味を高めることができて遊技の興趣を高めることができる。
なお、図27に示したように時短回数表示54に表示した時短表示回数が実際の回数とは異なる場合に、第1実施形態で示したような報知ゲームを行い、報知条件を満たした場合に実際の残り回数を表示するようにしても良い。すなわち、期間報知手段(演出制御装置40)は、特定遊技状態における所定条件の成立に基づき、所定の監視期間を設定する監視期間設定手段(演出制御装置40)と、監視期間において始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)に入賞した遊技球の数を計数する計数手段(演出制御装置40)と、監視期間と特定結果との組み合わせからなる複数の報知条件を記憶した条件記憶手段(演出制御装置40)と、報知条件記憶手段に記憶された複数の報知条件から、一の報知条件を選択する条件選択手段(演出制御装置40)と、条件選択手段により選択された報知条件を遊技者に報知する条件提示手段(演出制御装置40)と、を備え、計数手段による計数結果が特定結果であった場合に、抽選手段(遊技制御装置30)による抽選結果に基づく特定遊技状態の期間を遊技者に報知する報知態様変更手段(演出制御装置40)を備えるようにしても良い。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、大入賞口に入賞した遊技球の数に基づき、電サポ状態の期間を設定するようにしている。ここで、本変形例の遊技機では、電サポ1については大当たり終了後に電サポを継続する特図変動表示ゲームの回数が不定とされている。
遊技制御装置30では、特別遊技の終了時に図31に示す時短回数設定処理を行う。ステップS230では、特別遊技が2Rでかつ電サポ1となる大当たりに基づくものであるかを判定する。特別遊技が2Rでかつ電サポ1となる大当たりに基づくものでなければ時短回数設定処理を終了する。また、特別遊技が2Rでかつ電サポ1となる大当たりに基づくものであればステップS231に移行する。ステップS231では、例えば、図28に示すようなテーブルに従い、入賞個数から電サポ期間を設定する処理を行って時短回数設定処理を終了する。すなわち、本変形例では遊技制御装置30が、特別遊技中に大入賞口(第2大入賞口61)に入賞した遊技球の数を計数する計数手段をなす。
以上のことから、特定遊技状態発生手段は、計数手段(遊技制御装置30)による計数結果に基づき特定遊技状態とする期間を設定するようにしたこととなる。
ここで、「所定期間」は、例えば、抽選手段による抽選回数、すなわち、当たりはずれを判定するゲームの回数である。
したがって、特定遊技状態とする期間の決定と大入賞口への入賞に関連を持たせることができ、従来の遊技機に比べて大入賞口への入賞に対する遊技者の興味を高めることができて、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者が特定遊技状態とする期間が長くなること目的として特別電動役物が開放した際に球を多く入れようとするので、特別電動役物が開放している時だけでなく、その前後でも遊技球を発射するようになり、遊技機の稼動率を高めることができる。さらに、大入賞口への入賞が当選確率の報知とも関連するので、より遊技の興趣を高めることができる。特に、特別遊技で特別電動役物が開放する時間を極めて短くした場合は、入賞をあきらめて遊技球の発射をやめてしまうこと(いわゆる止め打ち)が考えられるが、当選確率の報知や特定遊技状態となる期間と関連付けたことで止め打ちを防止でき、遊技機の稼働率が低下することを防止できる。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、大入賞口へ入賞した遊技球により当選確率を報知するための報知装置500を備えている。
図33(a)に示すように報知装置500は、報知部510と、第2大入賞口61に入賞した遊技球を報知部510へ誘導する誘導手段520を備える。ここで、図33等においては第2大入賞口61及び可動部材(特別電動役物)61bを第1大入賞口26及び開閉扉(特別電動役物)26bと同じ形状としているが、報知装置500は、不明瞭報知状態に移行する契機となる大当たりの際に開放される大入賞口からの遊技球を受け入れるものであれば良く、大入賞口や可動部材の形状は何でも良い。よって、第2大入賞口61からの遊技球を受け入れるようにしたが、第1大入賞口からの遊技球を受け入れるようにしても良いし、両方から遊技球を受け入れるようにしても良い。
誘導手段520は、第2大入賞口61に入賞して第2大入賞口センサ61aを通過した遊技球を一列に流下させることが可能な内径を有する筒状の流路であり、下流側の端部である接続部521は報知部510の一端に接続している。
報知部510は、遊技盤1の前後方向に沿った回転軸531を中心として回転可能な回転体530と、該回転体530を収納する収納部(図示略)を備えている。回転体530は前面が回転軸531を中心とした円形であって、この前面には、回転体530の外周側から遊技球を1個受入可能となるように形成された凹部532が、周方向に沿って複数形成されている。この凹部532のうち一つが遊技球の流入により当選確率が第2当選確率となることを報知する高確率報知領域532aをなし、その他の凹部532は遊技球が流入しても当選確率を報知しない非報知領域532bをなす。なお、高確率報知領域532aには遊技者が認識できるように「V」の文字が表示されている。
回転体530を収納する図示しない収納部は、回転体530の外周を囲む周囲壁と、回転体530の前面を覆う前面カバーとを有している。周囲壁は回転体530の外周に近接するように形成されており、回転体530の凹部532に流入した遊技球を凹部532内に保持する機能を有する。また、周囲壁には誘導手段520の下流側端部である接続部521が接続する連通部が形成されており、この連通部から回転体530の凹部532に遊技球を導入できるようになっている。また、周囲壁には、回転体530の下方となる位置に遊技機100の外部へ遊技球を誘導する排出部が形成されている。回転体530の凹部に流入した遊技球は、この排出部が形成された位置で凹部532から下方に流下して排出部に流入し、遊技機100の外部に排出されるようになっている。なお、連通部と排出部の回転体530の周方向に沿った距離は、回転体530の凹部532の間隔よりも近く、回転体530の複数の凹部532に遊技球が保持された状態とすることができる。また、回転体530の前面を覆う前面カバーは透明な材質からなり、遊技者が回転体530を視認できるようにされている。この前面カバーは、回転体530の凹部532に保持された遊技球の前端と近接する位置に配されており、凹部532に保持された遊技球が前方に落下することを防止するようになっている。
また、報知装置500は、回転体530を回転させるための駆動部(図示略)と、回転体530の回転位相を検出するための回転体センサ(図示略)と、と備えている。また、駆動部や回転体530などの報知装置500の制御は演出制御装置40が行うようになっている。すなわち、演出制御装置40が、高確率報知領域532aへの遊技球の流入を制御する流入制御手段をなす。
次に、報知装置500による当選確率の報知について説明する。回転体530は初期位置が図32(a)に示す位置となっている。この初期位置では、誘導手段520の接続部521が接続された連通部511と対向する位置には凹部532が位置せず、また、高確率報知領域532aが連通部511の上方に位置するようになっている。このような初期位置とすることで、第2大入賞口61に入賞した遊技球が1個であっても高確率報知領域532aと非報知領域532bの何れかに流入させることができる。なお、少なくとも特別遊技の開始時に初期位置にあればよく、特別遊技以外では常時回転させるようにしても良い。
図32(b)に示すように、特別遊技において可動部材61bが動作すると、第2大入賞口61が開放されて遊技球Bが流入可能となる。そして、図32(c)に示すように、第2大入賞口61に流入した遊技球Bは、第2大入賞口センサ61aに検出された後に、誘導手段520に流入して接続部521に至る。また、第2大入賞口センサ61aで遊技球が検出されると、検出信号が遊技制御装置30に入力されるとともに、遊技制御装置30から遊技球を検出した旨の情報が演出制御装置40に出力される。演出制御装置40は、この情報に基づき回転体530を回転させる。
なお、図32、33に示す例では、大当たりの終了後に当選確率を報知しない不明瞭報知状態とすることが選択された場合の報知装置500の動作を示す。このときの回転体530の回転態様は、まず、図32(b)に示す初期位置において連通部511の下方に位置する非報知領域532bが図32(c)に示すように連通部511に臨むように回転させる。なお、以下の説明ではこのときの回転方向を正方向とし、正方向と反対の回転方向を逆方向とする。その後、回転方向を逆方向として、連通部511に臨ませた非報知領域532bが、図33(b)に示すように回転体530の下方に位置する排出部に臨むように回転させる。そして、再び回転方向を正方向として、排出部に臨ませた非報知領域532bが、図33(c)に示すように連通部511に臨むようにする。
この動作を繰り返すことで、図33(a)に示すように、接続部521に至った遊技球Bが連通部511を介して非報知領域532bに流入し、図33(b)に示すように排出部へ排出される。なお、図33(b)に示す状態では、高確率報知領域532aは連通部511よりも上方(回転体530の回転方向で正方向側)にずれた位置にあって、接続部521にある遊技球Bが流入できないようになっている。また、図33(c)に示すように、接続部521で待機していた遊技球Bも非報知領域532bに流入して排出部へ排出される。
第2当選確率であることを報知する場合は、高確率報知領域532aを連通部511に臨ませて遊技球を高確率報知領域532aに受け入れる。その後、上述のように回転体530を逆方向に回転させて排出部に排出しても良いが、高確率報知領域532aに遊技球が流入したことを遊技者に明確に見せるために、遊技球を受け入れた後に正方向に回転して排出部に排出することが望ましい。また、第2当選確率を報知する場合でも、特別遊技の開始から所定期間では非報知領域532bに遊技球を流入させるようにし、その後、高確率報知領域532aに遊技球を流入させるようにしても良い。このようにすることで、特別遊技の間において第2当選確率であることに対する期待感を維持させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、凹部532に遊技球が流入したことを検出するセンサを設けて、遊技球が凹部532に流入したことを検出できるようにしても良い。このようなセンサは回転体530の各凹部532に設けるようにしても良いし、最も重要な高確率報知領域532aにのみ設けるようにしても良い。また、遊技球が待機する接続部521や遊技球が通過する連通部511にセンサを設けて凹部532に遊技球が流入したことを検出しても良い。
また、非報知領域532bに遊技球が流入した場合は当選確率が報知されないとしたが、非報知領域532bを遊技球の流入により第1確率状態を報知するものとしても良い。また、回転体530を略垂直に配するようにしたが、前方に傾斜させた状態で配しても良い。さらに、回転体530を水平に配しても良く、この場合は排出部となる位置であって凹部532の下方となる位置に排出孔を設けて遊技球を排出するようにする。
また、報知装置500は、回転体530以外の構成により当選確率を報知するようにしても良く、高確率報知領域とそれ以外の領域に遊技球を振り分ける構成があればよい。また、報知装置500の配設位置は、遊技者が視認可能な位置であれば良い。さらに、大入賞口に入賞した遊技球を自然流下させて報知部510へ誘導する構成としたが、誘導手段520に遊技球を移送する手段を設けても良い。また、誘導手段520に設ける遊技球を移送する手段として遊技球を上方へ揚送する揚送手段を設ければ、報知装置500の配設位置が大入賞口の下方に限られることがなく任意の位置に設けられる。
以上のことから、大入賞口(第1大入賞口26、第2大入賞口61)に入賞した遊技球により当選確率を報知する報知装置500を備え、報知装置500は、遊技球の流入により当選確率が第2当選確率となることを報知する高確率報知領域532aを有する報知部510と、該報知部510へ大入賞口に入賞した遊技球を誘導する誘導手段520と、高確率報知領域532aへの遊技球の流入を制御する流入制御手段(演出制御装置40)と、を備えることとなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、大入賞口に入賞した遊技球を用いて当選確率の報知が行われるという従来にない演出が可能となり、興趣を向上することができる。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の第4変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、誘導手段520に流路選択手段をなす開閉部材540を備えている。
本変形例の誘導手段520は、報知部510へ遊技球を誘導する第1流路522と、該第1流路522における接続部521よりも上流側の位置に連通し、遊技球を遊技機100の外部へ誘導する第2流路523とを有する。また、第1流路522と第2流路523の連通部分に、流下する遊技球を第1流路522と第2流路523の何れかに振り分ける流路選択手段をなす開閉部材540を有する。
開閉部材540は、第1流路522と第2流路523の連通部分であって第2流路523の上流側端部の下端となる部分を軸として回動可能な板状の部材である。この開閉部材540は図示しない駆動手段により駆動されるようになっていて、図34(a)に示すように第1流路522の側壁に沿うとともに第2流路523を閉鎖する閉鎖位置と、図34(b)に示すように第1流路522内に回動して第2流路523を開放する開放位置との間で回動可能となっている。なお開放位置にある場合は、開閉部材540の第2流路523側の板面が第2流路523の底面と同一面上に位置するようになっており、遊技球を円滑に第2流路523へ誘導できるようにされている。これにより、図34(a)に示すように開閉部材540が閉鎖位置である場合は第2大入賞口61に流入した遊技球は第1流路522を流下し、図34(b)に示すように開閉部材540が開放位置である場合は第2大入賞口61に流入した遊技球は第2流路523へ流下するようになる。なお、開閉部材540を駆動する駆動手段は演出制御装置40により制御される。
このような開閉部材540を備える報知装置500では、特別遊技の開始時には開閉部材540を閉鎖位置として第2大入賞口61に流入した遊技球を第1流路522へ流下させる。そして、第2大入賞口61に回転体530の凹部532の数と同じ数の遊技球が流入した後は開閉部材540を開放状態に変換して第2流路523へ流下させるようにする。すなわち、第1流路522に回転体530の凹部532の数と同じ数の遊技球が流入するようにする。なお第2大入賞口61への流入数は第2大入賞口センサ61aで遊技球を検出した場合に遊技制御装置30から送信される情報に基づき演出制御装置40で計数する。また、回転体530は開閉部材540が開放状態となるまで初期位置として図34(b)に示すように第1流路522に遊技球を貯留し、開閉部材540がを開放状態に変換された後に回転体530による当選確率の報知を行うようにする。
回転体530による当選確率の報知では、初期位置から正方向に回転体530を回転して図35(a)に示すように各非報知領域532bに遊技球を流入させ、第1流路522に貯留された最後の遊技球が高確率報知領域532aに流入するか否かにより報知を行うようにする。大当たりの終了後に当選確率を報知しない不明瞭報知状態とすることが選択された場合には、高確率報知領域532aが連通部511に臨む前に回転体530の回転方向を逆方向とする。そして、図35(b)に示すように、高確率報知領域532aよりも正方向側にある非報知領域532bが排出部に臨むようにして当該非報知領域532bの遊技球を排出した後、再び正方向に回転させて当該非報知領域532bに遊技球を受け入れるようにする。
また、第2当選確率であることを報知する場合は、回転体530を正方向に回転して各非報知領域532bに遊技球を流入させた後も回転体530を正方向に回転させ、高確率報知領域532aに遊技球を流入させる。なお、図35(b)のように高確率報知領域532aよりも正方向側にある非報知領域532bが排出部に臨むようにして当該非報知領域532bの遊技球を排出した後にそのまま回転体530を逆方向に回転させ、高確率報知領域532aに遊技球を流入させる演出も可能である。
なお、第2大入賞口61に回転体530の凹部532の数と同じ数の遊技球が流入した後に開閉部材540を開放状態とするとしたが、大入賞口が開放されてから所定時間の経過後に開閉部材540を開放状態としても良い。また、回転体530による当選確率の報知態様は、回転体530の凹部532の数と同じ数の遊技球を用いるものの他にも実行可能である。第1流路522に流入した遊技球の数は計数可能であるので、この場合には計数結果に基づき回転体530による当選確率の報知態様を決定するようにする。すなわち、演出制御装置40が、大入賞口(第1大入賞口26、第2大入賞口61)に入賞した遊技球の数に基づき、当選確率の報知態様を決定する報知態様決定手段を備える王にしても良い。
以上のことから、誘導手段520は、報知部510へ遊技球を誘導する第1流路522と、遊技機100の外部へ遊技球を誘導する第2流路523と、大入賞口(第1大入賞口26、第2大入賞口61)に入賞した遊技球を第1流路522と第2流路523の何れかに流下させる流路選択手段(開閉部材540)と、を備えていることとなる。したがって、報知部510への遊技球の流入数を適切な数にすることができる。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の第5変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、可動部材(開閉扉26b、可動部材61b)の動作と流路選択手段をなす開閉部材540の動作を関連付けている。
本変形例の特別遊技では、図36に示すように、ラウンド遊技(t11からt14)において特別電動役物をなす可動部材61bを、ラウンド遊技の開始から所定の特定入賞期間の間(t11からt12)開状態とした後に一時閉状態(t12からt13)として再度開状態とする(t13からt14)ようにしている。そして、流路選択手段をなす開閉部材540を、特定入賞期間に第2大入賞口61に入賞した遊技球を第1流路522に誘導するようにするともに、特定入賞期間以外に第2大入賞口61に入賞した遊技球を第2流路523に誘導するように制御している。なお、入賞した遊技球が報知装置500に誘導されることとなる大入賞口の特別電動役物を上述のような動作とすれば良く、対象とする特別電動役物は第1大入賞口26の開閉扉26bと第2大入賞口61の可動部材61bの何れでも良い。
このようにすることで、報知部510への遊技球の流入数を適切な数にすることができるとともに、特別電動役物をなす可動部材61bの開放前から遊技球を発射するようになり、遊技機の稼動率を高めることができる。
以上のことから、特別電動役物(開閉扉26b、可動部材61b)は、大入賞口(第1大入賞口26、第2大入賞口61)への遊技球の入賞が不能な閉状態と、遊技球の入賞が可能な開状態とに変換可能であり、特別遊技実行手段(遊技制御装置30)は、特別遊技として、所定期間の経過か、大入賞口に所定数の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立することにより終了するラウンド遊技を複数回実行し、ラウンド遊技において特別電動役物を、ラウンド遊技の開始から所定の特定入賞期間の間開状態とした後に一時閉状態とし、再度開状態とするように制御し、流路選択手段(開閉部材540)は、特定入賞期間に大入賞口に入賞した遊技球を第1流路522に誘導し、特定入賞期間以外に大入賞口に入賞した遊技球を第2流路523に誘導するようにしたこととなる。
なお、上述の第2実施形態及び該第2実施形態の各変形例において、条件装置の作動を伴う大当たり種類および大当たり当選時の内訳を図37に示すような設定としても良い。図37に示す大当たりは、同じ2Rであるが開放時間が異なる。ただし、開放時間の差は僅かな時間としており、遊技者が何れの大当たりであるかを認識しにくくしている。また、ここに示す大当たりの終了後には不明瞭報知状態が設定される。また、大当たり終了後に第1当選確率(通常確率)となる場合よりも、大当たり終了後に第2当選確率(高確率)となる場合の方が、長い開放時間が選択されやすくなっている。すなわち、大当たり終了後に第1当選確率(通常確率)となる場合よりも、大当たり終了後に第2当選確率(高確率)となる場合の方が、第2大入賞口61に多くの遊技球が入賞する可能性が高くなっている。これにより、上述の第2実施形態及び該第2実施形態の各変形例において、第2大入賞口61に多くの遊技球が入賞した場合に遊技者に与えられる特典を獲得しやすくしている。
このようにすることで、第2実施形態及び該第2実施形態の第1変形例では、大当たり終了後に第1当選確率(通常確率)となる場合よりも、大当たり終了後に第2当選確率(高確率)となる場合の方が、当選確率が明確に報知されやすい又は推測が容易となる。
また、第2実施形態の第2変形例では、大当たり終了後に第1当選確率(通常確率)となる場合よりも、大当たり終了後に第2当選確率(高確率)となる場合の方が大当たり終了時の時短回数表示の値が高くなりやすくなる。また、当初から実際の残り回数が表示されやすくもなる。なお、第2変形例の場合は、図37に示す各大当たりについて、大当たり終了後の電サポ期間を20、50、100回のうちから何れかを選択するようにする。
また、第2実施形態の第3変形例では、大当たり終了後に第1当選確率(通常確率)となる場合よりも、大当たり終了後に第2当選確率(高確率)となる場合の方が、電サポ期間が長くなりやすく遊技者に有利となる。なお、第3変形例の場合は、図37に示す大当たりの場合に入賞個数から電サポ期間を設定するようにする。
また、第2実施形態の第4から6変形例では、大当たり終了後に第1当選確率(通常確率)となる場合よりも、大当たり終了後に第2当選確率(高確率)となる場合の方が、報知装置500による報知態様を多彩なものとすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第2実施形態において、上述した各変形例の構成と第2実施形態の構成とは、一の遊技機において組み合わせて適用することも可能である。さらに、各変形例の構成どうしも一の遊技機において併用することが可能であり、組み合わせて適用することも可能である。さらには、第1の実施形態及び第1の実施形態の各変形例の構成を組み合わせて適用することも可能である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、大当たりの終了後に第1当選確率となる場合よりも第2当選確率となる場合の方が、特別遊技でのラウンド回数が多くなるようにされている。
本実施形態の遊技機では、条件装置の作動を伴う大当たり種類および大当たり当選時の内訳を図38に示すような設定としている。特図1変動表示ゲームでは、10R確変当たりと10R時短当たりの二種類が設定されている。10R確変当たりとは、大当たり発生時に開閉扉26bの開閉動作により第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×10R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第2当選確率に設定される大当たりである。また、大当たりの終了後に次回の大当たりまで電サポ状態が継続される。10R時短当たりとは、大当たり発生時に開閉扉26bの開閉動作により第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×10R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第1当選確率に設定される大当たりである。また、大当たりの終了後に100回の特図変動表示ゲームを実行するまで電サポ状態が継続される。
特図2変動表示ゲームでは、2R確変当たり、3R確変当たり、15R確変当たり、2R時短当たり、3R時短当たりの五種類が設定されている。15R確変当たりとは、大当たり発生時に開閉扉26bの開閉動作により第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第2当選確率に設定される大当たりである。また、大当たりの終了後に次回の大当たりまで電サポ状態が継続される。2R確変当たりと3R確変当たりは、大当たり発生時に可動部材61bの開閉動作により第2大入賞口61が0.5秒又は10個入賞×2Rもしくは3R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第2当選確率に設定される大当たりである。また、大当たりの終了後に次回の大当たりまで電サポ状態が継続される。2R時短当たりと3R時短当たりは、大当たり発生時に可動部材61bの開閉動作により第2大入賞口61が0.5秒又は10個入賞×2Rもしくは3R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第1当選確率に設定される大当たりである。また、大当たりの終了後に100回の特図変動表示ゲームを実行するまで電サポ状態が継続される。
これらの大当たりのうち何れの大当たりが選択されるかは、第1実施形態の遊技機と同様に遊技制御装置30において図柄決定用乱数に基づき選択されるようになっている。すなわち、遊技制御装置30が、抽選手段(遊技制御装置30)の抽選結果が当たりである場合に、ラウンド遊技の実行回数を予め定められた複数通りの実行回数のうちから(図柄決定用乱数に基づき)選択するラウンド遊技実行回数選択手段をなす。
ここで、特図2変動表示ゲームで選択可能な、2R確変当たり、3R確変当たり、2R時短当たり、3R時短当たりの選択割合においては、確変当たりの場合の方が時短当たりの場合よりも3Rの選択確率が高くなっている。すなわち、第1当選確率が設定される場合よりも第2当選確率が設定される場合の方が、ラウンド数が多くなっている。よって、ラウンド数から当選確率を推測できるという従来にない演出を行うことができ、興趣を向上することができる。
また、本実施形態の遊技機では、特別遊技において大入賞口に入賞した遊技球の数に基づき特別遊技の終了後に明瞭報知状態とする確率である報知確率を選択し、選択された報知確率に従って、特別遊技の終了後に明瞭報知状態とするか否かを選択するようになっている。
このような制御を行うため、演出制御装置40では、特別遊技で第1大入賞口26もしくは第2大入賞口61に入賞した遊技球の個数を計数するための処理を行う。この処理は、第2実施形態の遊技機における図23に示す入賞数計数処理により行うことができる。ただし、ステップS190の2R大当たりもしくは小当たりであるか否かの判定は行わない。すなわち、演出制御装置40が、特別遊技中に大入賞口に入賞した遊技球の数を計数する計数手段をなす。
そして、演出制御装置40では、明瞭報知状態とするか否かを決定する処理を行う。この処理は、第2実施形態の遊技機における図24に示す報知状態設定処理により行うことができる。ただし、ステップS201、ステップS202に替えて、図39に示すようなテーブルに従い入賞個数(大入賞口カウンタ値)に応じて報知確率を設定する処理を行うようにする。そして、設定した報知確率に従って明瞭報知状態とするか否かを決定する。なお、図39に示すテーブルでは、入賞個数が20個以上(特定結果)である場合は必ず明瞭報知状態とするようになっている。よって、演出制御装置40が、計数手段(演出制御装置40)による計数結果に基づき、特別遊技の終了後に明瞭報知状態とする確率である報知確率を選択する報知確率選択手段をなす。
以上のような構成とすることで、大当たり終了後に第1当選確率(通常確率)となる場合よりも、大当たり終了後に第2当選確率(高確率)となる場合の方が、特別遊技におけるラウンド数が多く、より多くの遊技球が大入賞口に入賞するようになる。このため、大当たり終了後に第1当選確率(通常確率)となる場合よりも、大当たり終了後に第2当選確率(高確率)となる場合の方が、明瞭報知状態となる可能性が高くなる。このように、第2当選状態である場合には明確に第2当選確率であることが報知される可能性が高いので、次回の大当たりへの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、第1当選確率である場合には不明瞭報知状態となる可能性が高いので、不明瞭報知状態において第2当選状態であることへの期待感を維持することができ、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、図柄の変動表示が可能な可変表示装置(特図1表示器22A、特図2表示器22B及び液晶表示装置50)と、遊技球が流下する遊技領域1aに設けられた始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)に遊技球が入賞したことを条件に、当たりであるか否かの抽選を実行する抽選手段(遊技制御装置30)と、抽選手段による抽選結果に基づいて可変表示装置に図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動過程を制御する図柄制御手段(遊技制御装置30)と、抽選手段の抽選結果が当たりである場合に、図柄制御手段により図柄を変動表示させた後に予め定められた当たり図柄を停止表示させ、遊技領域1aに設けられた特別電動役物(開閉扉26b、可動部材61b)を動作して大入賞口(第1大入賞口26、第2大入賞口61)への遊技球の入賞が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段(遊技制御装置30)とを備えた遊技機において、抽選手段の抽選結果が当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定する当選確率変更手段(遊技制御装置30)と、当選確率の状態を明瞭に報知する明瞭報知状態と、当選確率の状態を不明瞭に報知する不明瞭報知状態と、の何れかを設定する報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)と、を備え、特別遊技実行手段は、特別遊技として、所定期間の経過か、大入賞口に所定数の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立するまで特別電動役物を遊技球の入賞が容易な状態とするラウンド遊技を複数回実行し、抽選手段の抽選結果が当たりである場合に、ラウンド遊技の実行回数を予め定められた複数通りの実行回数のうちから選択するラウンド遊技実行回数選択手段(遊技制御装置30)を備え、ラウンド遊技実行回数選択手段は、当選確率変更手段が第1当選確率を設定する場合よりも第2当選確率を設定する場合の方が、選択する実行回数が多いこととなる。
ここで、可変表示装置は、図柄の表示のみを行うものであっても良いし、図柄の表示の他に演出表示を行うもの(例えば、液晶表示装置50)であっても良い。また、「当選確率の状態を明瞭に報知する」とは、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良く、当選確率の数値までを詳細に報知しなくても良い。また、文字情報でなくても背景などの画像や音声などにより、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良い。また、「当選確率の状態を不明瞭に報知」とは、当選確率についての情報をまったく報知しないことや、当選確率を示唆する報知を行うが明確に報知しないことを含む。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、ラウンド遊技の実行回数から当選確率を推測できるという従来にない演出を行うことができ、興趣を向上することができる。
また、報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、特別遊技中に大入賞口に入賞した遊技球の数を計数する計数手段(演出制御装置40)と、該計数手段による計数結果に基づき、特別遊技の終了後に明瞭報知状態とする確率である報知確率を選択する報知確率選択手段(演出制御装置40)と、を備え、報知確率選択手段により選択された報知確率に従って、特別遊技の終了後に明瞭報知状態とするか否かを選択するようにしたこととなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、遊技者の遊技の結果が報知に反映されるようになり、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。
また、選択された当選確率が第2当選確率であればラウンド遊技の実行回数が多く、大入賞口に入賞する遊技球の数も多くなるため明瞭報知状態となりやすく、遊技の興趣を向上することができる。また、選択された当選確率が第1当選確率であってラウンド遊技の実行回数が少なく、大入賞口に入賞する遊技球の数が少ない場合は不明瞭報知状態となりやすいが、不明瞭報知状態である期間は遊技者に第2当選確率であることに対する期待感を持たせることができるので遊技の興趣が低下することを防止できる。
また、報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、計数手段(演出制御装置40)による計数結果が特定結果であった場合に、特別遊技の終了後に明瞭報知状態とするようにしたこととなる。
ここで、「計数手段による計数結果が特定結果であった場合」は、計数結果が特定の数と一致する場合や、計数結果が特定の数以上である場合などである。
したがって、遊技者の遊技の結果が報知に反映されるようになり、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。
なお、第3実施形態において示した構成と、第1、第2実施形態及び各実施形態の各変形例の構成とは、一の遊技機において組み合わせて適用することも可能である。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、予め定められた報知時刻になることに基づき現在の当選確率を報知するようになっている。
予め定められた報知時刻は、図40に丸印で示す時刻である。また、報知時刻は、曜日によって異なっている。このように報知時刻において当選確率の報知を行うために、演出制御装置40は時刻を計時する計時手段を備えている。また、演出制御装置40は時刻の他に少なくとも曜日を管理する暦管理手段を備えている。なお、図40に示す報知時刻は遊技店において変更可能とすることが望ましい。
そして、演出制御装置40では、予め設定された報知時刻になった際に当選確率を報知するための処理として、図41に示す確率状態報知処理を行う。ステップS240では、報知時刻であるか否かを判定する。この報知時刻であるか否かの判定は、例えば、計時手段及び暦管理手段で管理される現在の時刻及び曜日を取得して図40に示すような情報を有するテーブルに参照することで行われる。そして、報知時刻でない場合は確率状態報知処理を終了する。また、報知時刻である場合はステップS241に移行する。
ステップS241では、確率状態報知処理として当選確率を報知する処理を行う。この処理により行われる当選確率の報知は、例えば、図42に示すようなものであって、当選確率が第2確率状態であれば図42(a)に示すように液晶表示装置50に「確変」の文字情報を表示する。また、当選確率が第1確率状態であれば図42(b)に示すように液晶表示装置50「通常」の文字情報を表示する。すなわち演出制御装置40が、予め定められた報知時刻になることに基づき現在の当選確率を報知する当選確率報知手段をなす。
なお、当選確率の報知態様は図42に示されるものに限られず、遊技者に当選確率を報知するものであればなんでも良い。例えば、第2確率状態であれば特定のキャラクタを表示するものとしても良い。また、音声やランプの発光により当選確率を報知しても良い。さらに、明確に当選確率を報知するものの他、当選確率を示唆する情報を表示するようにしても良い。また、暦管理手段が日付を管理するようにして、日付や月により報知時刻を変更するようにしても良い。また、当選確率の報知状態が明瞭報知状態である場合には報知時刻における当選確率の報知を行わないようにしても良い。
以上のことから、図柄の変動表示が可能な可変表示装置(特図1表示器22A、特図2表示器22B及び液晶表示装置50)と、遊技球が流下する遊技領域1aに設けられた始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)に遊技球が入賞したことを条件に、当たりであるか否かの抽選を実行する抽選手段(遊技制御装置30)と、抽選手段による抽選結果に基づいて可変表示装置に図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動過程を制御する図柄制御手段(遊技制御装置30)と、抽選手段の抽選結果が当たりである場合に、図柄制御手段により図柄を変動表示させた後に予め定められた当たり図柄を停止表示させ、遊技領域1aに設けられた特別電動役物(開閉扉26b、可動部材61b)を遊技球の入賞が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段(遊技制御装置30)とを備えた遊技機において、抽選手段の抽選結果が当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定する当選確率変更手段(遊技制御装置30)と、抽選手段の抽選結果が当たりとなることを条件に、当選確率の状態を明瞭に報知する明瞭報知状態と、当選確率の状態を不明瞭に報知する不明瞭報知状態と、の何れかを設定する報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)と、時刻を計時する計時手段(演出制御装置40)と、を備え、報知状態設定手段は、不明瞭報知状態である場合に、計時手段で計時された時刻が、予め定められた報知時刻になることに基づき現在の当選確率を報知する当選確率報知手段(演出制御装置40)を備えることとなる。
ここで、可変表示装置は、図柄の表示のみを行うものであっても良いし、図柄の表示の他に演出表示を行うもの(例えば、液晶表示装置50)であっても良い。また、「当選確率の状態を明瞭に報知する」とは、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良く、当選確率の数値までを詳細に報知しなくても良い。また、文字情報でなくても背景などの画像や音声などにより、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良い。また、「当選確率の状態を不明瞭に報知」とは、当選確率についての情報をまったく報知しないことや、当選確率を示唆する報知を行うが明確に報知しないことを含む。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、遊技の進行とは異なる別の条件である報知時刻になることを条件としているので、従来にない意外性のある報知を行うことができ、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。
また、時刻手段(演出制御装置40)は、少なくとも曜日を管理する暦管理手段(演出制御装置40)を備え、報知時刻は曜日により異なる時刻を設定可能であり、当選確率報知手段(演出制御装置40)は、計時手段で計時された時刻が、暦管理手段により管理される曜日における予め定められた報知時刻になることに基づき現在の当選確率を報知するようにしたこととなる。
したがって、遊技者の来店傾向や遊技店の営業形態に合わせることができ、適切な報知を行うことができる。
なお、当選確率の報知を行った後に不明瞭報知状態から明瞭報知状態に変更するようにしても良い。すなわち、報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、当選確率報知手段(演出制御装置40)によって当選確率を報知した後に明瞭報知状態とするようにしてもよい。このようにすることで当選確率を明確に報知することができる。
次に、上述した第4実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、報知時刻において特図変動表示ゲームを実行中である場合にのみ当選確率の報知を行うようにしている。
本変形例の遊技機では、図41に示す確率状態報知処理に替えて図43に示す確率状態報知処理を行う。この確率状態報知処理では、報知時刻である場合(ステップS240;Y)に、特図変動表示ゲームが実行中であるか否かの判定(ステップS250)を行う。なお、演出制御装置40では、特図変動表示ゲームに関連して飾り特図変動表示ゲームを行うようになっているため、遊技制御装置30から特図変動表示ゲームに関する様々な情報(コマンド)が送信されるようになっており、特図変動表示ゲームを実行中であるかの判定を行うことが可能である。また、特図変動表示ゲームが実行中とは、図柄の変動表示を行っている期間の他、結果態様を表示している時間も含む。
この特図変動表示ゲームが実行中であるか否かの判定(ステップS250)において特図変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップS250;N)は、確率状態報知処理を終了する。また、特図変動表示ゲームが実行中である場合(ステップS250;Y)は、当選確率を報知する処理(ステップS241)を行って、確率状態報知処理を終了する。
以上のことから、当選確率報知手段(演出制御装置40)は、報知時刻において、図柄制御手段(遊技制御装置30)による図柄変動過程(特図変動表示ゲーム)の制御が行われている場合に当選確率の報知を行うようにしたこととなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、遊技を実行している場合に当選確率の報知を行うので、遊技を行っている遊技者に対してのみ報知を行うという特典を与えることができ、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。また、遊技者が居らず稼動していない遊技機についても、報知時刻の近傍になれば遊技者が遊技を行うようになるため、遊技機の稼働率を上げることができる。
次に、上述した第4実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、報知時刻において、客待ち状態である場合には当選確率の報知を行わないようにしている。
本変形例の遊技機では、図43に示す確率状態報知処理に替えて図44に示す確率状態報知処理を行う。この確率状態報知処理では、報知時刻である場合(ステップS240;Y)であって、特図変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップS250;N)に、客待ち状態であるか否かの判定(ステップS260)を行う。
客待ち状態とは、特図変動表示ゲームの終了後、所定期間始動記憶がない状態となった場合に移行する状態であり、特図変動表示ゲームの実行を待機する待機状態である。この客待ち状態は、遊技制御装置30から客待ちデモコマンドを受信した後、所定時間経過することで開始されるものであり、例えば、液晶表示装置50に客待ちデモ画像が表示される。
客待ち状態であるか否かの判定(ステップS260)において、客待ち状態でない場合(ステップS260;N)は、当選確率を報知する処理(ステップS241)を行って、確率状態報知処理を終了する。この場合は、始動記憶がないが特図変動表示ゲームの終了から所定期間が経過していない場合である。また、客待ち状態である場合(ステップS260;Y)は、確率状態報知処理を終了する。すなわち、この場合は当選確率の報知は行われない。
以上のことから、図柄制御手段(遊技制御装置30)による図柄変動過程の制御の終了から所定期間経過した後に、図柄制御手段による図柄の変動表示を待機する待機状態を設定する待機状態設定手段(遊技制御装置30)を備え、当選確率報知手段は、報知時刻において、待機状態である場合には当選確率の報知を行わないようにしたこととなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、遊技が行われていない場合には報知を行わないため、遊技を行っている遊技者に対してのみ報知を行うという特典を与えることができ、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。また、遊技者が居らず稼動していない遊技機についても、報知時刻の近傍になれば遊技者が遊技を行うようになるため、遊技機の稼働率を上げることができる。また、始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)への入賞率が悪く、連続して図柄変動過程が行われない場合であっても、図柄変動過程の制御の終了から所定期間である場合は報知が行われるので、遊技を行っている遊技者の間での不公平感をなくすことができる。
次に、上述した第4実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、報知時刻において、大当たり中(特別遊技中)である場合には当選確率の報知を行わないようにしている。
本変形例の遊技機では、図41に示す確率状態報知処理に替えて図45に示す確率状態報知処理を行う。この確率状態報知処理では、報知時刻である場合(ステップS240;Y)に、大当たり中であるか否かの判定(ステップS270)を行う。この大当たり中であるか否かの判定(ステップS270)において、大当たり中でない場合(ステップS270;N)は、当選確率を報知する処理(ステップS241)を行って、確率状態報知処理を終了する。また、大当たり中である場合(ステップS270;Y)は、確率状態報知処理を終了する。すなわち、この場合は当選確率の報知は行われない。
以上のことから、当選確率報知手段は、報知時刻において、特別遊技中である場合には当選確率の報知を行わないようにしたこととなる。
したがって、当選確率の報知が特別遊技の邪魔になることを防止できる。また、特別遊技中は第1当選確率であるので、不必要な当選確率の報知を防止できる。なお、報知時刻において特別遊技中であった場合は、当該特別遊技の終了後に当選確率の報知を行うようにしても良い。
次に、上述した第4実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、操作手段をなす演出用ボタン157の操作があった場合に当選確率の報知を行う。
本変形例の遊技機では、報知時刻の所定時間前になると図46に示すような報知時刻となるタイミングを報知する表示がなされる。報知時刻の10秒前となると、図46(a)に示すように「10」の文字表示が表示され、その後、図46(b)に示すように1秒ごとにカウントダウンするように文字表示が表示される。そして、図46(c)に示すように報知時刻になって「0」の文字表示が表示された際に、遊技者が演出用ボタン157を押すと、当選確率が報知されるようになっている。
演出制御装置40では、図41に示す確率状態報知処理に替えて図47に示す確率状態報知処理を行う。ステップS280では、報知時刻の所定時間前であるかを判定する。そして、報知時刻の所定時間前でない場合はステップS282に移行する。また、報知時刻の所定時間前である場合はステップS281に移行する。ステップS281では、例えば図46に示したような報知時刻となるタイミングを報知する表示を行うタイミング報知処理を行い、ステップS282に移行する。すなわち、演出制御装置40が、報知時刻の所定時間前から当該報知時刻となるタイミングを報知するタイミング報知手段をなす。
ステップS282では、演出用ボタン157の操作を受け付ける所定期間であるかを判定する。演出用ボタン157の操作を受け付ける所定期間は、例えば、タイミング報知手段により報知するタイミング(図46では「0」を表示するタイミング)の前後の時間である。演出用ボタン157の操作を受け付ける所定期間でなければ確率状態報知処理を終了する。また、演出用ボタン157の操作を受け付ける所定期間であればステップS283に移行する。
ステップS283では、演出用ボタン157の操作があったかを判定し、操作がなかった場合は確率状態報知処理を終了する。また、操作があった場合は、当選確率を報知する処理(ステップS241)を行って、確率状態報知処理を終了する。
なお、報知時刻となった際にタイミングを報知する表示を開始し、報知時刻の所定時間後に当選確率の報知を可能とするようにしても良い。また、当選確率の報知に演出用ボタン157の操作を必要としていることから、特図変動表示ゲームが実行されている場合(遊技者が遊技をしている場合)にのみ当選確率の報知を可能とするようにしても良い。
以上のことから、遊技者が操作可能な操作手段(演出用ボタン157)を備え、当選確率報知手段(演出制御装置40)は、報知時刻の所定時間前から当該報知時刻となるタイミングを報知するタイミング報知手段(演出制御装置40)を備え、報知時刻の近傍の所定期間内に操作手段の操作があった場合に当選確率の報知を行うようにしたこととなる。
ここで、「操作手段」は、ボタンを押下するものや、タッチパネル、トラックボール、十字キーなど遊技者による操作を検出するものであればなんでも良い。また、「タイミングを報知」とは、例えば、報知時刻の10秒前からカウントダウンする表示を行うことである。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、当選確率の報知に対して遊技者が参加するゲームの要素を与えることができ、興趣を向上することができる。また、当選確率を知りたくない遊技者は操作手段の操作を行わなければ良く、遊技者の意思に沿った報知を行うことができる。
次に、上述した第4実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、報知時刻となる前の所定期間において特図変動表示ゲームが連続して実行されている場合に当選確率の報知を行うようになっている。
本変形例の遊技機では、図41に示す確率状態報知処理に替えて図48に示す確率状態報知処理を行う。この確率状態報知処理では、報知時刻である場合(ステップS240;Y)に、5分前から継続して特図変動表示ゲームが実行されているか否かの判定(ステップS290)を行う。
なお、演出制御装置40では、特図変動表示ゲームに関連して飾り特図変動表示ゲームを行うようになっているため、遊技制御装置30から特図変動表示ゲームに関する様々な情報(コマンド)が送信されるようになっており、特図変動表示ゲームを実行中であるかの判定を行うことが可能である。また、特図変動表示ゲームが実行中とは、図柄の変動表示を行っている期間の他、結果態様を表示している時間も含む。よって、演出制御装置40で報知時刻の前の所定期間(例えば5分間)における特図変動表示ゲームの実行状況を監視することも可能である。
5分前から継続して特図変動表示ゲームが実行されているか否かの判定(ステップS290)において、5分前から継続して特図変動表示ゲームが実行されていない場合(ステップS290;N)は、確率状態報知処理を終了する。すなわち、この場合は当選確率の報知は行われない。また、5分前から継続して特図変動表示ゲームが実行されている場合(ステップS290;Y)は、当選確率を報知する処理(ステップS241)を行って、確率状態報知処理を終了する。
以上のことから、当選確率報知手段(演出制御装置40)は、報知時刻となる前の所定期間において、図柄制御手段(遊技制御装置30)による図柄変動過程の制御が継続して行われている場合に当選確率の報知を行うようにしたこととなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、遊技を継続して行っている遊技者に対してのみ報知を行うという特典を与えることができ、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。また、遊技者が居らず稼動していない遊技機についても、報知時刻となる前の所定期間が開始する頃になれば遊技者が遊技を行うようになるため、遊技機の稼働率を上げることができる。
次に、上述した第4実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、翌日以降の報知時刻を報知する予告報知を行うようになっている。
翌日以降の報知時刻の予告報知は、液晶表示装置50に図49に示すような文字情報を表示することで行う。予告報知を行う時刻はいつでも良いが、例えば閉店の所定時間前に行うようにする。このような予告報知を行うために、演出制御装置40では、予告報知を行う時刻であるかを判定する。そして、予告報知を行う時刻である場合に、予告報知の対象となる日(例えば翌日)の曜日に基づき、図40に示すような情報を有するテーブルに記憶されている報知時刻を取得し、図49に示すように液晶表示装置50に表示する処理を行う。
以上のことから、当選確率報知手段(演出制御装置40)は、翌日以降の報知時刻を報知する予告報知手段(演出制御装置40)を備えていることとなる。したがって、当日のみでなく翌日以降についても集客効果を発揮することができる。
次に、上述した第4実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、当選確率を報知する報知装置700を備えている。
報知装置700は、遊技盤1における液晶表示装置50よりも前側の位置に配されている。そして、動作手段をなす第1上桃用モータ433a及び第2上桃用モータ433b(図2参照)により、図50(a)に示すように液晶表示装置50の前方から退避させた退避位置と、図50(b)に示すように液晶表示装置50の前方に重なる重複位置との間で移動可能となっている。なお、動作手段をなす第1上桃用モータ433a及び第2上桃用モータ433bの制御は演出制御装置40で行われる。
また報知装置700の略中央には、当選確率を表示する当選確率表示部710が設けられている。当選確率表示部710は、図示しない発光部と、該発光部の前方に配された第1表示部711と、該第1表示部711の前方に配された第2表示部712と、を備える。発光部は、第1発光色での発光と、第1発光色とは異なる第2発光色での発光が可能となっている。また、第1表示部711は発光部を覆うように配されている。さらに、第2表示部712は、桃の形を模した左右一対の部材からなり、図50(a)に示すように第1表示部711を覆った閉鎖状態と、図50(b)に示すように左右に回動して第1表示部711を視認可能とする開放状態とに変換可能となっている。
そして、図50(b)に示すように第2表示部712を開放状態として第1表示部711が視認可能な状態とし、この状態で第1発光色での発光を行うことで、第1表示部711において「確変」の文字が視認可能となるようになっている。また、図50(c)に示すように第2表示部712を閉鎖状態とした状態で第2発光色での発光を行うことで、第2表示部712において「通常」の文字が視認可能となるようになっている。
演出制御装置40では当選確率を報知する処理(ステップS241、例えば図41参照)により、このような報知装置700による当選確率の報知を行う。報知時刻になると、まず報知装置700を図50(a)に示す退避位置から図50に示す重複位置へ移動する。そして、第2当選確率であることを報知する場合は、図50(b)に示すように第2表示部712を開放状態として第1表示部711が視認可能な状態とし、この状態で発光部を第1発光色で発光して、第1表示部711に「確変」の文字を視認可能とする。また、第1当選確率であることを報知する場合は、図50(c)に示すように第2表示部712を閉鎖状態とした状態で発光部を第2発光色で発光し、第2表示部712において「通常」の文字が視認可能となるようにする。
以上のことから、当選確率を報知する報知装置700を備え、報知装置700は、当選確率を表示する当選確率表示部710と、当該報知装置700を可変表示装置(液晶表示装置50)の前方から退避させた退避位置と、可変表示装置の前方に重なる重複位置との間で動作可能な動作手段(第1上桃用モータ433a、第2上桃用モータ433b、演出制御装置40)と、を備え、当選確率報知手段(演出制御装置40)は、不明瞭報知状態において計時手段(演出制御装置40)で計時された時刻が予め定められた報知時刻になることに基づき、動作手段により報知装置700を退避位置から重複位置に移動するとともに当選確率表示部710に当選確率を表示するようにしたこととなる。
したがって、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。すなわち、従来にない斬新な報知態様とすることができ、当選確率の報知にかかわる演出の興趣を向上することができる。
なお、第4実施形態において、上述した各変形例の構成と第4実施形態の構成とは、一の遊技機において組み合わせて適用することも可能である。さらに、各変形例の構成どうしも一の遊技機において組み合わせて適用することが可能である。さらには、第4実施形態及び当該第4実施形態の各変形例において示した構成と、上述した構成と第1から第3実施形態及び各実施形態の各変形例の構成とは、一の遊技機において組み合わせて適用することが可能である。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、所定時間内に始動口に複数の遊技球が入賞する連続入賞が発生した場合に、様々な処理を行うようにしている。
連続入賞とは、図51に示すように始動入賞口(特図1始動口24と特図2始動口25の何れでも良い)への入賞(t20)が発生した後、連続入賞有効時間内(t20からt22)に再び始動入賞口(特図1始動口24と特図2始動口25の何れでも良い)への入賞(t21)が発生することである。
この連続入賞の発生の監視は、例えば演出制御装置40で行われるようになっている。ここで、始動口への入賞は、特図始動記憶が発生した場合に遊技制御装置30から送信されるコマンドに基づき判定を行う。なお、特図始動記憶が上限数である場合に発生した始動口への入賞(オーバーフロー入賞)については、特図始動口への入賞があると判定しても良いし、ないと判定しても良い。ただし、特図始動口への入賞があると判定する場合は、遊技制御装置30から特図始動記憶に関するコマンドが送信されないため、例えば、別途のコマンドを遊技制御装置30から出力するようにして、特図始動記憶を発生しない特図始動口への入賞を演出制御装置40で検出できるようにする。そして、始動口への入賞を検出した場合において、連続入賞有効時間内であれば連続入賞が発生した旨の情報(フラグ)をセットする。また、連続入賞有効時間内でなければ連続入賞有効時間を設定する処理を行うようにする。
また、演出制御装置40では、このような連続入賞の発生に基づき対応する表示を行うための図52に示す連続入賞表示処理を行う。ステップS300では、連続入賞が発生したかが判定される。そして、連続入賞が発生していなければ連続入賞表示処理を終了する。また、連続入賞が発生していればステップS301に移行する。
ステップS301では、連続入賞が発生したことを遊技者に報知する処理を行う。この処理により、液晶表示装置50における飾り特図始動記憶表示おいて、連続入賞にかかる始動記憶についての表示が他の始動記憶についての表示とは異なる特定の表示とされる。この特定の表示は、例えば図53に示すように、連続入賞にかかる始動記憶についての飾り特図始動記憶表示を一体的に表示するとともに「連」の文字情報を表示するものである。すなわち、演出制御装置40が、所定時間内に検出手段により複数の遊技球を検出する連続入賞の発生を検出した場合に、当該連続入賞の発生を報知する連続入賞報知手段をなす。
なお、連続入賞における入賞の順序によって連続入賞を報知する特定の表示の色を選択するようにしても良い。例えば図54に示すように、連続入賞が特図1始動口24へ入賞した後に連続入賞有効期間に再び特図1始動口24へ入賞することで成立した場合は、特定の表示の色を青色にする。このようにすることで、連続入賞における入賞順序も報知することができる。
以上のことから、図柄の変動表示が可能な可変表示装置(特図1表示器22A、特図2表示器22B及び液晶表示装置50)と、遊技球が流下する遊技領域1aに設けられた始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)に遊技球が入賞したことを検出する検出手段(遊技制御装置30)と、該検出手段により遊技球の入賞を検出したことを条件に、当たりであるか否かの抽選を実行する抽選手段(遊技制御装置30)と、抽選手段による抽選結果に基づいて可変表示装置に図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動過程を制御する図柄制御手段(遊技制御装置30)と、抽選手段の抽選結果が当たりである場合に、図柄制御手段により図柄を変動表示させた後に予め定められた当たり図柄を停止表示させ、遊技領域1aに設けられた特別電動役物(開閉扉26b、可動部材61b)を遊技球の入賞が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段(遊技制御装置30)とを備えた遊技機において、所定時間内に検出手段により複数の遊技球を検出する連続入賞の発生を検出した場合に、当該連続入賞の発生を報知する連続入賞報知手段(演出制御装置40)を備えることとなる。
ここで、可変表示装置は、図柄の表示のみを行うものであっても良いし、図柄の表示の他に演出表示を行うもの(例えば、液晶表示装置)であっても良い。また、「連続入賞の発生を報知」とは、特定の画像の表示や、音声、ランプなどによる報知などである。
したがって、始動入賞口への入賞により遊技の興趣を向上することができる。すなわち、遊技者に連続して入賞が発生したことを報知でき、遊技者に連続して入賞したことに対する特典を与えることができて、興趣を向上することができる。また、連続した入賞を報知することで、始動入賞口への入賞の頻度が高い印象を与えることができるので、遊技者が当該遊技機で遊技を継続する意欲を高めることができ、遊技機の稼働率を高めることができる。
また、検出手段(遊技制御装置30)による遊技球の検出に基づき、抽選手段(遊技制御装置30)による抽選を行う権利を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置30)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶を表示する始動記憶表示手段(演出制御装置40)と、を備え、連続入賞報知手段(演出制御装置40)は、連続入賞の発生を検出した場合に、始動記憶表示手段(演出制御装置40)による連続入賞にかかる始動記憶についての表示を、他の始動記憶についての表示とは異なる特定の表示とするようにしたこととなる。
したがって、始動入賞口への入賞により遊技の興趣を向上することができる。すなわち、遊技者に連続して入賞が発生したことを確実に報知でき、遊技者に連続して入賞したことに対する特典を与えることができて、興趣を向上することができる。また、連続した入賞を報知することで、始動入賞口への入賞の頻度が高い印象を与えることができるので、遊技者が当該遊技機で遊技を継続する意欲を高めることができ、遊技機の稼働率を高めることができる。
次に、上述した第5実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第5実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、連続入賞の発生に基づき当選確率の報知を行うようにしている。
本変形例の遊技機では、演出制御装置40において図55に示す確率状態報知処理を行う。この確率状態報知処理では、まず連続入賞が発生した場合(ステップS300;Y)であって、不明瞭報知状態である場合(ステップS310;Y)に、当選確率を報知する処理(ステップS311)を行う。当選確率を報知する処理(ステップS311)では、現在の当選確率を例えば第4実施形態で説明したような態様で報知する処理を行う。すなわち、演出制御装置40が、連続入賞の発生を検出することに基づき現在の当選確率を報知する当選確率報知手段をなす。
以上のことから、抽選手段(遊技制御装置30)の抽選結果が当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定する当選確率変更手段(遊技制御装置30)と、当選確率の状態を明瞭に報知する明瞭報知状態と、当選確率の状態を不明瞭に報知する不明瞭報知状態と、の何れかを設定する報知状態設定手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)と、不明瞭報知状態において連続入賞報知手段(演出制御装置40)により連続入賞の発生を検出することに基づき現在の当選確率を報知する当選確率報知手段(演出制御装置40)と、を備えることとなる。
ここで、「当選確率の状態を明瞭に報知する」とは、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良く、当選確率の数値までを詳細に報知しなくても良い。また、文字情報でなくても背景などの画像や音声などにより、第1当選確率(低確率)である状態と第2当選確率(高確率)である状態との何れの状態であるかを遊技者が認識できれば良い。また、「当選確率の状態を不明瞭に報知」とは、当選確率についての情報をまったく報知しないことや、当選確率を示唆する報知を行うが明確に報知しないことを含む。
したがって、始動入賞口への入賞により遊技の興趣を向上することができる。すなわち、遊技者に連続して入賞したことに対する特典を与えることができて興趣を向上することができる。
なお、連続して入賞したことに対する特典として当選確率を報知することの他、連続入賞にかかる始動記憶については連続的な演出を行うようにしても良い。また、連続的な演出を保留先読み予告として、連続入賞にかかる始動記憶の結果を事前に報知するようにしても良い。
次に、上述した第5実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第5実施形態の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、連続入賞の発生の可能性を報知するようにしている。
本変形例の遊技機は、センターケース200において後方に液晶表示装置50が配される窓部10aの周囲の構成が図56,57に示すような構成となっている。図56に示すように、センターケース200の中央部は、前側が開口するとともに後方に窪んだ凹室201となっており、凹室201の最奥部に窓部10aが形成され、その後方に液晶表示装置50が配されている。センターケース200の左側面部232には、隣接する遊技領域1aを流下する遊技球を受け入れてセンターケース200内に誘導する第1誘導流路250の第1流入口251と、第2誘導流路260の第2流入口261が設けられている。そして、センターケース200内には、第1誘導流路250、第2誘導流路260によりセンターケース200内に誘導された遊技球を転動させる転動部として、第1転動部270、第2転動部280、第3転動部290が設けられている。
第1誘導流路250は、遊技球が流下可能な筒状の流路であって、センターケース200の左側面部232に流入口をなす第1流入口251を備え、ここから左側面部232に沿って後方へ延在し、さらに窓部10aに臨む液晶表示装置50の上方及び右方に沿って延在するように形成されている。この第1誘導流路250の下流側端部252は窓部10aに臨む液晶表示装置50の右端側にあって、この下流側端部252には左右方向に延在する板状の第1転動部270の左端部が接続している。また、第1誘導流路250における第1流入口251の近傍には、第1誘導流路250に流入した遊技球を検出するための第1流入検出手段253が設けられている。また、この第1流入検出手段253からの遊技球の検出信号は演出制御装置40に入力されるようになっている。
第1転動部270は、上面が左方及び前方へ下る傾斜面となっている。また第1転動部270の右端部には、転動する遊技球が右方へ流下するのを阻止するための阻止壁271が略垂直に立設されている。この第1転動部270に流入した遊技球の多くは、第1転動部270の左端から右方へ流下し、阻止壁271に衝突して前方へ流下するようになっている。
第2誘導流路260は、遊技球が流下可能な筒状の流路であって、センターケース200の左側面部232に流入口をなす第2流入口261を備え、ここから左側面部232に沿って後方へ延在するように形成されている。この第2誘導流路260の下流側端部262は窓部10aに臨む液晶表示装置50の左端側にあって、この下流側端部262には第2転動部280への誘導路264が接続している。また、第2誘導流路260における第2流入口261の近傍には、第2誘導流路260に流入した遊技球を検出するための第2流入検出手段263が設けられている。また、この第2流入検出手段263からの遊技球の検出信号は演出制御装置40に入力されるようになっている。
第2転動部280は、第1転動部270の下方に位置するように凹室201の底面である第3転動部290に設けられている。なお各転動部間の距離は遊技球の直径よりも広くなっている。第2転動部280は円形皿状であって、いわゆるクルーンと呼ばれるものであり、上面は中央に向かって下る傾斜面となっていて、略中央部に遊技球を下方の第3転動部290へ流下させる連通孔281が形成されている。誘導路264を介してこの第2転動部280に流入した遊技球は、周回しながら徐々に中央へ流下し、連通孔281から第3転動部290へ流下するようになっている。また、第2転動部280の中央には、第1転動部270から流下した遊技球を前方へ誘導する誘導部282が形成されている。
第3転動部290は凹室201の底面をなす部分であって、前方へ向かって傾斜する面となっており、流入した遊技球はセンターケース200の下方の遊技領域1aへ流下するようになっている。
このような構成を有することで、図57に示すように第1転動部270から第2転動部280の誘導部282へ流下した遊技球は、誘導部282及び第2転動部280の傾斜によって上方へ跳ねて特図1始動口24へ直接流入する。また、図56に示すように、第1転動部270から第2転動部280の誘導部282へ流下した遊技球が、第2転動部280における誘導部282の前方に位置する遊技球に衝突すると、二つの遊技球が特図1始動口24へ直接流入して連続入賞が発生することとなる。このように遊技球の転動態様が多彩になり遊技の興趣を向上することができる。
そして、演出制御装置40では、転動部から流下する遊技球により連続入賞が発生する可能性が高い場合に、所定の報知を行うようになっている。このような報知を行うために、図58に示すチャンス状態報知処理を行う。ステップS320では、第1流入検出手段253及び第2流入検出手段263からの検出信号の入力タイミングが、連続入賞を発生させる可能性があるものかを判定する。そして、第1流入検出手段253及び第2流入検出手段263からの検出信号の入力タイミングが、連続入賞を発生させる可能性がある場合にはステップS321に移行する。
ここで、連続入賞を発生させる可能性があるとは、例えば、第1流入検出手段253により検出した遊技球が第1転動部270から第2転動部280へ流下した際に、第2流入検出手段263により検出した遊技球に衝突可能となるタイミングで第1流入検出手段253及び第2流入検出手段263による遊技球の検出があった場合であるすなわち、図56に示したような流下態様となる可能性がある場合である。また、第1流入検出手段253での遊技球の検出後、連続入賞有効期間内に再び第1流入検出手段253で遊技球を検出した場合や、第2流入検出手段263での遊技球の検出後、連続入賞有効期間内に再び第2流入検出手段263で遊技球を検出した場合である。
ステップS321では不明瞭報知状態であるかを判定し、不明瞭報知状態でなければチャンス状態報知処理を終了し、不明瞭報知状態であればステップS332に移行する。ステップS332では、連続入賞のチャンス状態であることを報知する処理を行う。この処理により、例えば、図59に示すように液晶表示装置50に「チャンス」の文字情報が表示される。
すなわち、演出制御装置40が、所定時間内に流入検出手段(第1流入検出手段253、第2流入検出手段263)により複数の遊技球を検出する連続流入の発生を検出した場合に、当該連続流入の発生を報知する連続流入報知手段をなす。また、演出制御装置40が、第1流入検出手段253及び第2流入検出手段263による遊技球の検出が所定のタイミングであった場合に、当該所定のタイミングであったことを報知する検出タイミング報知手段をなす。
以上のことから、始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)の上方に設けられ、遊技球が転動可能であるとともに始動入賞口へ向けて遊技球を流下させる転動部(第1転動部270、第2転動部280)と、遊技球が流下する遊技領域1aの遊技球を受け入れて転動部へ誘導する誘導流路(第1誘導流路250、第2誘導流路260)と、誘導流路へ流入した遊技球を検出する流入検出手段(第1流入検出手段253、第2流入検出手段263)と、を備え、連続入賞報知手段(演出制御装置40)は、所定時間内に流入検出手段により複数の遊技球を検出する連続流入の発生を検出した場合に、当該連続流入の発生を報知する連続流入報知手段(演出制御装置40)を備えることを特徴とする。
ここで、「連続流入の発生を報知」とは、特定の画像の表示や、音声、ランプなどによる報知などである。
したがって、連続して誘導流路へ流入した際の興趣を向上することができ、連続して入賞した際の興趣を向上することができる。すなわち、誘導流路へ連続して流入した場合は、転動部から始動入賞口へ連続して入賞する可能性が高く、連続した入賞が発生する前段階から興趣を高め、連続して入賞した場合の興趣を高めることができる。また、連続した流入を報知することで、転動部を経た始動入賞口への入賞の頻度が高い印象を与えることができるので、遊技者が当該遊技機で遊技を継続する意欲を高めることができ、遊技機の稼働率を高めることができる。
また、転動部は、第1転動部270と、該第1転動部270よりも下方に設けられ、該第1転動部270からの遊技球の流入が可能な第2転動部280と、を備え、第1転動部270から第2転動部280へ流下した遊技球が、第2転動部280を転動する遊技球に衝突し、二つの遊技球が共に始動入賞口(特図1始動口24、特図2始動口25)へ向けて流下可能とされ、誘導流路は、第1転動部270に遊技球を誘導する第1誘導流路250と、第2転動部280に遊技球を誘導する第2誘導流路260と、を備え、流入検出手段は、第1誘導流路250へ流入した遊技球を検出する第1流入検出手段253と、第2誘導流路260へ流入した遊技球を検出する第2流入検出手段263と、を備え、連続流入報知手段(演出制御装置40)は、第1流入検出手段253及び第2流入検出手段263による遊技球の検出が所定のタイミングであった場合に、当該所定のタイミングであったことを報知する検出タイミング報知手段(演出制御装置40)を備え、検出タイミング報知手段は、所定のタイミングとして、第1流入検出手段253により検出した遊技球が第1転動部270から第2転動部280へ流下した際に、第2流入検出手段263により検出した遊技球に衝突可能となるタイミングで、第1流入検出手段253及び第2流入検出手段263による遊技球の検出があった場合に報知を行うようにしたこととなる。
したがって、二つの誘導流路へ所定のタイミングで流入した際の興趣を向上することができ、連続して入賞した際の興趣を向上することができる。すなわち、二つの誘導流路へ所定のタイミングで流入した場合は、転動部から始動入賞口へ連続して入賞する可能性が高く、連続した入賞が発生する前段階から興趣を高め、連続して入賞した場合の興趣を高めることができる。また、連続した流入を報知することで、転動部を経た始動入賞口への入賞の頻度が高い印象を与えることができるので、遊技者が当該遊技機で遊技を継続する意欲を高めることができ、遊技機の稼働率を高めることができる。
また、転動部(第1転動部270、第2転動部280)は可変表示装置(液晶表示装置50)の前方もしくは下方に位置し、第1誘導流路250は、可変表示装置の一側方に隣接する遊技領域1aを流下する遊技球を受け入れ、第1転動部270における可変表示装置の他側方側に位置する端部へ遊技球を誘導し、第2誘導流路260は、可変表示装置の一側方に隣接する遊技領域1aを流下する遊技球を受け入れ、第2転動部280における可変表示装置の一側方側に位置する端部へ遊技球を誘導するようにしたこととなる。
したがって、可変表示装置での表示と転動部での遊技球の転動とを同時に見ることができる。また、二つの誘導流路へ所定のタイミングで流入した際の興趣を向上することができ、連続して入賞した際の興趣を向上することができる。すなわち、二つの誘導流路で経路の長さを大きく異ならせることができ、同時ではない所定のタイミングで誘導流路に流入した二つの遊技球が、転動部で衝突して始動入賞口へ流下するという興趣の高い転動態様とすることができる。
なお、第5実施形態において、上述した各変形例の構成と第5実施形態の構成とは、一の遊技機において組み合わせて適用することも可能である。さらに、各変形例の構成どうしも一の遊技機において組み合わせて適用することが可能である。さらには、第5実施形態及び当該第5実施形態の各変形例において示した構成と、上述した構成と第1から第4実施形態及び各実施形態の各変形例の構成とは、一の遊技機において組み合わせて適用することが可能である。
次に、上述した第6実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、大当たりや小当たりを契機に特図変動表示ゲームの実行態様を決定するための変動パターンテーブルを変更可能としている。
図60、図62は第6実施形態に係る変動パターン決定用テーブルの一例を示す説明図であり、図61は図62に示す変動パターン決定用テーブルに従う変動表示ゲームの一例を示す説明図である。図60に示す変動パターン決定用テーブルは、特図変動開始処理(図7のステップS124又はS126)において参照され、始動入賞時に図6のステップS111で抽出・記憶した変動パターン決定用乱数(乱数値:1〜100)が、どの変動パターン(変動時間)に対応しているか判定するのに用いられる。
図60(a)に示す変動パターン決定用テーブル1では、変動パターン決定用乱数が1〜30のときに変動時間が10秒の変動パターンが選択され(選択率30%)、変動パターン決定用乱数が31〜40のときに変動時間が15秒の変動パターンが選択され(選択率10%)、変動パターン決定用乱数が41〜50のときに変動時間が30秒の変動パターンが選択される(選択率10%)。また、図示を省略しているが、変動パターン決定用乱数が51〜のときは、変動時間が30秒よりも長い変動パターンが選択される。以下、図60(a)に示す変動パターン決定用テーブル1に従って変動パターンが判定される演出モードを通常モードという。
ここで、変動時間が10秒の変動パターンは、液晶表示装置50において、例えば、3つの図柄が所定の時間間隔で1図柄ずつ停止表示されるパターンであり、いわゆるリーチなし・ハズレ、ノーマルリーチ・ハズレ又はノーマルリーチ・当たり(図61(a)、図62参照)のいずれかとなる。変動時間が15秒の変動パターンは、液晶表示装置50において、例えば、左右2つの図柄が所定の時間間隔で1図柄ずつ停止表示されてリーチ態様が発生し、ノーマルリーチ時よりも長く中図柄が変動して停止表示されるパターンであり、いわゆるロングリーチ・ハズレ又はロングリーチ・当たりのいずれかとなる。変動時間が30秒の変動パターンは、液晶表示装置50において、例えば、左右図柄が所定の時間間隔で1図柄ずつ停止表示されてリーチ態様が発生し、ロングリーチ時よりも長く中図柄が変動して停止表示されるパターン(派手な演出表示を伴う場合が多い)であり、いわゆるスーパーリーチ・ハズレ又はスーパーリーチ・当たりのいずれかとなる。
図60(b)に示す変動パターン決定用テーブル2では、変動パターン決定用乱数が1〜90のときに変動時間が3秒の変動パターンが選択され(選択率90%)、変動パターン決定用乱数が91のときに変動時間が15秒の変動パターンが選択され(選択率1%)、変動パターン決定用乱数が92のときに変動時間が30秒の変動パターンが選択される(選択率1%)。また、図示を省略しているが、変動パターン決定用乱数が93〜のときは、変動時間が30秒よりも長い変動パターンが選択される。以下、図60(b)に示す変動パターン決定用テーブル2に従って変動パターンが判定される演出モードを招き猫モードという。ここで、変動時間が3秒の変動パターンは、特図当たり抽選結果に関わらず、液晶表示装置50において、例えば、3つの図柄が所定時間変動した後、3図柄が同時に停止表示されるパターンである(図61(b)参照)。変動時間が15秒と30秒の変動パターンは、通常モードと同様である。招き猫モードでは、通常モードに比較してリーチ発展率が低く、また短い変動パターンが高確率で選択されるようになっているので、変動表示ゲームが淡々と短時間で消化されることとなる。なお、確変大当たり終了後は、必ず招き猫モードに移行されるようになっている。
図60(c)に示す変動パターン決定用テーブル3では、変動パターン決定用乱数が1〜90のときに変動時間が10秒の変動パターンが選択され(選択率90%)、変動パターン決定用乱数が91のときに変動時間が15秒の変動パターンが選択され(選択率1%)、変動パターン決定用乱数が92のときに変動時間が30秒の変動パターンが選択される(選択率1%)。また、図示を省略しているが、変動パターン決定用乱数が93〜のときは、変動時間が30秒よりも長い変動パターンが選択される。以下、図60(c)に示す変動パターン決定用テーブル3に従って変動パターンが判定される演出モードをえべっさんモードという。ここで、変動時間が10秒、15秒、30秒の変動パターンは、いずれも通常モードと同様である。このえべっさんモードでは、通常モードに比較してリーチ発展率が低いので、変動表示ゲームが淡々と消化されることとなる。
なお、図60に示す変動パターン決定用テーブル1〜3は特図当たり抽選に外れた場合に参照されるものとし、特図当たり抽選において大当たり又は小当たりに当選した場合には別の変動パターン決定用テーブルが参照されるようにする。図62は、通常モードにおいて特図当たり抽選に当選した場合に参照される変動パターン決定用テーブルの一例を示す説明図である。図62に示す特図当たり時の変動パターン決定用テーブルでは、特図当たり抽選に外れた場合に参照される変動パターン決定用テーブル1(図60(a))に比較して、長い変動パターンとなる割合が大きくなっている。すなわち、リーチ発生率・リーチ発展率の高いテーブルといえる。このように、特図当たり抽選に当選した場合には、長い変動パターンによる変動表示ゲームが発生しやすくなるようにし、長い変動パターンによる変動表示ゲームが実行されたときに遊技者の期待感が増大するようにしている。また、招き猫モード又はえべっさんモードにおいて特図当たり抽選に当選した場合に参照される変動パターン決定用テーブルについても同様に、特図ハズレ時に比較して長い変動パターンとなる割合が大きくなるようにする。図60に示すように、招き猫モードやえべっさんモードでは、特図ハズレ時に長い変動パターンとなる可能性は低いので、長い変動パターンによる変動表示ゲームが実行されると、遊技者の特図当たりに対する期待感がいっそう高まる。
図63は、特図当たり抽選において大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される変動パターン決定用テーブル変更処理の一例について示すフローチャートである。この処理は、大当たり終了処理(図7のステップS138)で行われる。図63のステップS401では、当該当たりが大当たりであるか否かを判定する。そして、大当たりであると判定した場合は大当たり時テーブル変更処理を実行し(ステップS402)、大当たりでないと判定した場合は小当たり時テーブル変更処理を実行する(ステップS403)。
ステップS402の大当たり時テーブル変更処理は、図64に示すフローチャートに従って実行される。すなわち、図64のステップS411では、当該大当たりが電サポ付き当たり(図9のNo.2,3,5〜8)か否かを判定する。そして、電サポ付き当たりであると判定した場合はステップS413に移行し、電サポ付き当たりでない(図9のNo.1,4)と判定した場合はステップS412に移行する。ステップS412では、当該大当たりが確変当たりか否かを判定する。そして、確変当たりである(図9のNo.4)と判定した場合はステップS413に移行し、確変当たりでない(図9のNo.1)と判定した場合はステップS414に移行する。ステップS413では、変動パターン決定用テーブル2を設定する。ステップS414では、テーブル判定用乱数を抽出する。ステップS415では、抽出したテーブル判定用乱数に基づいて設定する変動パターン決定用テーブルを判定する。そして、判定結果に応じて分岐し、ステップS416で変動パターン決定用テーブル2を設定するか、又はステップS417で変動パターン決定用テーブル3を設定する。
したがって、特図当たり抽選において大当たりに当選した場合、電サポ付き当たり又は確変当たりであれば必ず招き猫モードとなり、通常当たり(電サポ無し)であれば抽選により招き猫モード又はえべっさんモードとなる。
図63のステップS403の小当たり時テーブル変更処理は、図65に示すフローチャートに従って実行される。すなわち、図65のステップS421では、テーブル判定用乱数を抽出する。ステップS422では、抽出したテーブル判定用乱数に基づいて、設定する変動パターン決定用テーブルを判定する。そして、判定結果に応じて分岐し、ステップS423で変動パターン決定用テーブル1を設定するか、ステップS424で変動パターン決定用テーブル2を設定するか、又はステップS425で変動パターン決定用テーブル3を設定する。すなわち、特図当たり抽選において小当たりに当選した場合は、抽選により通常モード、招き猫モード又はえべっさんモードとなる。なお、電サポ付き状態(招き猫モード)で小当たりに当選した場合は、抽選することなく招き猫モードが継続されるようにしてもよい。
図63〜65の変動パターン決定用テーブル変更処理により、大当たり又は小当たり終了後の変動パターン決定用テーブルが設定されると、対応する移行先モードを演出制御装置40に指示するための移行先モードコマンドが演出制御コマンドとして設定される。演出制御装置40は、この移行先モードコマンドに基づいて、移行先の演出モードを報知する演出表示を実行する。
図66は、通常モードにおいて小当たりが発生したときのモード移行の一例について示す画面表示である。招き猫モードは、特図当たり抽選において大当たり又は小当たりに当選した場合に移行する可能性がある。図66には、小当たりに当選した場合について示しているが、2R当たりに当選した場合も同様の画面表示となる。通常モードでは、図62に示す当たり時の変動パターン決定用テーブルを参照して決定された変動パターンに従って、特図変動表示ゲームが実行される。このとき、特図当たり抽選で2R当たり又は小当たりに当選していれば、図66(a)に示すように、左右図柄により「7」のリーチ態様が形成される。そして、図66(b)に示すように、中図柄に2R当たり又は小当たりであることを示す「小」図柄が停止表示され、2R当たり又は小当たりが確定する。遊技者は、特図変動表示ゲームの結果態様からいずれの当たりに当選したかを認識することはできない。
図66(c)では、中図柄が「小」から「招き猫」図柄に変化し、招き猫モードに突入することが報知される。次の特図変動表示ゲーム以降では、変動パターン決定用テーブル2を参照して変動パターンが決定される。図66(d)に示すように、招き猫モードでは、表示領域の大部分を招き猫の画像が占め、特図変動表示ゲームは左上隅に小さく表示される。変動パターン決定用テーブル2を参照して変動パターンが決定されるため、ほとんどの特図変動表示ゲームでは3秒という短時間の変動表示を経て結果態様が停止表示されることとなる。なお、先の当たりが2R確変当たり(電サポ付き)の場合に電サポが付与され、先の当たりが2R確変当たり(電サポなし)又は小当たりの場合には電サポは付与されない。
このように、遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、複数の変動パターンが設定されている変動パターン決定用テーブル(変動パターン決定用テーブル1,2,3のいずれか)を参照し、所定条件の成立(例えば始動入賞)に関連して取得した変動パターン決定用乱数値に対応する変動パターンを前記複数の変動パターンの中から決定するように構成されている。そして、小利益付与手段(遊技制御装置30)により小利益が遊技者に付与されること(小当たりの発生)に基づいて、参照する変動パターン決定用テーブルを変更する。
第6実施形態に係る遊技機100によれば、大当たり終了や電サポ終了などを契機として変動パターン決定用テーブルを変更するだけでなく、小当たりを契機に変動パターン決定用テーブルを変更するので、通常遊技中も変化に富んだ変動表示ゲームを提供することができる。
特に、変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、小利益付与手段により小利益が遊技者に付与されること(小当たり発生)に基づいて、参照する変動パターン決定用テーブルを、第2遊技状態(確変状態)の場合に参照される第1変動パターン決定用テーブルと同一の第2変動パターン決定用テーブル(変動パターン決定用テーブル2)に変更可能となっている。つまり、確変当たり発生時に移行する招き猫モードに、小当たり発生時にも移行可能となっている。ここで、「第1変動パターン決定用テーブルと同一の第2変動パターン決定用テーブル」とは、完全に同一の場合に限らず、変動時間や選択率が一部異なるが、液晶表示装置50における特図変動表示ゲームが体感上区別できない程度となるテーブルも含まれる。
従来の遊技機における変動表示ゲームでは、通常状態の変動時間よりも確変状態における変動時間が短く設定され、また、異なる演出表示が行われるようになっている。しかしながら、頻繁に確変状態となるわけではないので、遊技者は滅多に確変中の変動表示ゲームを見ることができない。また、確変状態では大当たり確率が高く設定されているため、すぐに次の大当たりが発生してしまい通常状態に移行してしまうこともある。すなわち、遊技者は確変中の変動表示ゲームを稀にしか堪能することができない。これに対して、第6実施形態に係る遊技機100によれば、小当たりが発生すると招き猫モードに移行することがあるので、遊技者は内部的には通常状態であっても、表面的に確変中の変動パターン(確変中の演出モード)による変動表示ゲームを楽しむことができる。また、小当たり発生時に招き猫モードに移行可能とすることで、小当たり発生後の確率状態が確変状態となっていることを遊技者に期待させることができる。
図67は、特図変動表示ゲームにおける図柄列の一例について示す説明図である。通常モード又はえべっさんモードでは、図67(a)に示すように「1」〜「7」の7種類の識別図柄による特図変動表示ゲームが実行される。これに対して、招き猫モードでは、図67(b)に示すように「1」〜「3」の3種類の識別図柄による特図変動表示ゲームが実行される。
このように、遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、小利益付与手段により小利益が遊技者に付与されること(小当たり発生)に基づいて、参照する変動パターン決定用テーブルを第2変動パターン決定用テーブルに変更した場合に(変動パターン決定用テーブル2を参照する招き猫モード)、変動表示手段(演出制御装置40、液晶表示装置50)は、変動表示ゲームにおいて変動する図柄列中の図柄数を減少する(図67では、7種類→3種類)。これにより、小当たり発生時に、確変状態と同じ変動パターン決定用テーブルに変更するだけでなく、変動表示する図柄列中の図柄数を減らすので、遊技者に確変状態であることを期待させやすくなる。
図68は、始動入賞時の変動パターン決定用テーブル変更処理の一例について示すフローチャートである。この処理は、例えば、図6のステップS105又はステップS111で実行される。つまり、第6実施形態において、始動入賞時に変動パターン決定用テーブルを変更するようにしている。図68のステップS441では、当該始動入賞により発生した始動記憶に係る特図当たり抽選に当選しているか否かを判定する。そして、特図当たり抽選に当選していると判定した場合はステップS442に移行し、特図当たり抽選に当選していないと判定した場合は処理を終了する。ステップS442では、当該当たりが2R当たり又は小当たりであるか否かを判定する。そして、2R当たり又は小当たりであると判定した場合はステップS443に移行し、2R当たり又は小当たりでない(すなわち15R当たり)と判定した場合は処理を終了する。ステップS443では、変動パターン決定用テーブル2を設定する。なお、図60に示す変動パターン決定用テーブル2の代わりに、変動時間が短く設定された変動パターン決定用テーブル(例えば、変動時間が乱数値に関係なく3秒となるテーブル)を設けるようにしてもよい。
当該入賞以前の始動記憶(保留)に係る変動表示ゲームでは、変動パターン決定用テーブル2を参照して変動パターンが決定されることとなるので、3秒の変動パターンが選択されやすくなり、短時間で結果態様が表示されるようになる。つまり、保留されている分の変動表示ゲームを短時間で実行することで、保留先読み予告を行っていることとなる。なお、2R当たり又は小当たり終了時には、大当たり終了処理において改めて変動パターン決定用テーブル変更処理が実行される(図63参照)。
このように、遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、抽選結果が第2当たり(2R当たり)又は小当たりの場合に、その時点で、参照する変動パターン決定用テーブルを相対的に変動時間の短い第3変動パターン決定用テーブル(例えば、変動パターン設定用テーブル2)に変更する。これにより、2R当たり又は小当たりという15R当たりに比較して価値の低い当たりを長時間の演出を伴うことなく短時間で発生させるとともに、その後の確変状態を期待させる演出モードにすばやく移行するので、15R当たりでなかったことに対する遊技者の失望感を効果的に軽減できる。
[第6実施形態の変形例]
変形例では、図63のステップS403の小当たり時テーブル変更処理を、図69に示すフローチャートに従って実行する。すなわち、図69のステップS431では、演出用ボタンセンサ157aからの入力に基づいて、遊技者によってボタン操作(演出用ボタン157の操作)が行われたか否かを判定する。そして、ボタン操作ありと判定した場合はステップS432に移行し、ボタン操作なしと判定した場合はステップS435に移行する。ステップS432では、招き猫モードの選択操作かえべっさんモードの選択操作かを判定する。具体的には、演出用ボタン157が操作されたときに液晶表示装置50上で選択されている演出モードを、移行先に選択された演出モードと判定する。そして、招き猫モードの選択操作であると判定した場合はステップS433で変動パターン決定用テーブル2を設定し、えべっさんモードの選択操作であると判定した場合はステップS434で変動パターン決定用テーブル3を設定する。すなわち、特図当たり抽選において小当たりに当選した場合は、遊技者によるモード選択操作により招き猫モード又はえべっさんモードとなる。一方、ステップS435では、図65と同様の小当たり時テーブル変更処理1を実行し、抽選により通常モード、招き猫モード又はえべっさんモードとなる。
図70は、通常モードにおいて小当たりが発生したときのモード移行の他の一例について示す画面表示である。通常モードでは、図62に示す当たり時の変動パターン決定用テーブルを参照して決定された変動パターンに従って、特図変動表示ゲームが実行される。このとき、特図当たり抽選で小当たりに当選していれば、図70(a)に示すように、左右図柄により「7」のリーチ態様が形成される。そして、図70(b)に示すように、中図柄に小当たりであることを示す「小」図柄が停止表示され、小当たりが確定する。
図70(c)に示すように、小当たり終了時にはモード選択画面が表示され、所定時間内に移行先の演出モードを選択するようにボタン操作が促される。このモード選択画面では、例えば、それぞれの移行先を示すカーソルが、所定時間間隔で交互に選択表示される。図70(c)では、えべっさんモードに移行させるためのカーソルが網掛け表示とされ、選択された状態となっている。そして、所望の移行先モードが選択されている状態で、遊技者が演出用ボタン157を押下操作すると、その演出モードが移行先モードとして決定される。招き猫モードが選択されると、図70(d)に示すように、表示領域の大部分を招き猫の画像が占め、特図変動表示ゲームは左上隅に小さく表示される。変動パターン決定用テーブル2を参照して変動パターンが決定されるため、ほとんどの特図変動表示ゲームでは3秒という短時間の変動表示を経て結果態様が停止表示されることとなる。一方、えべっさんモードが選択されると、図70(e)に示すように、表示領域の大部分を恵比寿様の画像が占め、特図変動表示ゲームは左上隅に小さく表示される。変動パターン決定用テーブル3を参照して変動パターンが決定されるため、ほとんどの特図変動表示ゲームではロングリーチ以上に発展することなく10秒という通常の変動表示を経て結果態様が停止表示されることとなる。なお、図70(c)に示す小当たり終了時のモード選択画面において、所定時間内にボタン操作がなければ、ボタン操作なしと判定され、抽選により通常モード、招き猫モード又はえべっさんモードのいずれかとなる。または、予め設定されているモード(例えば、通常モード)に移行するようにしてもよい。
このように、遊技機100は、参照する変動パターン決定用テーブルを遊技者に選択させるための操作部(演出用ボタン157)を遊技機前面に備え、変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、小利益付与手段により小利益が遊技者に付与されたとき(小当たり発生時)に、操作部からの入力に基づいて、参照する変動パターン決定用テーブルを設定する。
従来、遊技者に演出用ボタンを操作させることで、演出表示上の演出モードを変更する遊技機があったが、実際の変動パターン(変動時間)まで変更するものではなかった。これに対して、変形例に係る遊技機100では、小当たり終了時に、遊技者に移行先の演出モードを選択させ、その選択操作に従って以降の特図変動表示ゲームにおいて参照される変動パターン決定用テールを実際に変更するので、遊技者は自らの意思で演出モード(変動パターン決定用テーブル)を変更することができ、今までにない、新たなゲーム性を創出することができる。
[第7実施形態]
第7実施形態では、特図当たり抽選において電サポ付き大当たりに当選した場合に、第6実施形態における変動パターン決定用テーブル2(招き猫モード)よりもさらに短い変動時間が設定された変動パターン決定用テーブルに変更可能となっている。なお、第7実施形態に係る遊技機の基本構成は第6実施形態に係る遊技機100と同様である。
図71は第7実施形態に係る変動パターン決定用テーブルの一例を示す説明図である。図71に示す変動パターン決定用テーブルは、特図変動開始処理(図7のステップS124又はS126)において参照され、始動入賞時に図6のステップS111で抽出・記憶した変動パターン決定用乱数(乱数値:1〜100)が、どの変動パターン(変動時間)に対応しているか判定するのに用いられる。図71(a)〜(c)に示す変動パターン決定用テーブル1〜3は第6実施形態で説明した変動パターン決定用テーブル(図60参照)と同じであり、図71(d)に示す変動パターン決定用テーブル4が第7実施形態に特有の変動パターン決定用テーブルとなっている。
図71(d)に示す変動パターン決定用テーブル4では、変動パターン決定用乱数が1〜90のときに変動時間が1秒の変動パターンが選択され(選択率90%)、変動パターン決定用乱数が91のときに変動時間が15秒の変動パターンが選択され(選択率1%)、変動パターン決定用乱数が92のときに変動時間が30秒の変動パターンが選択される(選択率1%)。また、図示を省略しているが、変動パターン決定用乱数が93〜のときは、変動時間が30秒よりも長い変動パターンが選択される。以下、図71(d)に示す変動パターン決定用テーブル4に従って変動パターンが判定される演出モードを超時短モードという。ここで、変動時間が1秒の変動パターンは、特図当たり抽選結果に関わらず、液晶表示装置50において、例えば、3つの図柄が所定時間変動した後、3図柄が同時に停止表示されるパターンである。変動時間が15秒と30秒の変動パターンは、通常モードと同様である。超時短モードでは、通常モードに比較してリーチ発展率が低く、また招き猫モードよりもさらに短い変動パターンが高確率で選択されるようになっているので、変動表示ゲームが淡々と極めて短時間で消化されることとなる。なお、超時短モード以外で電サポ付き大当たりに当選した後や、超時短モードで15R大当たりに当選した後に、超時短モードに移行されるようになっている。
なお、第6実施形態と同様に、図71に示す変動パターン決定用テーブル1〜4は特図当たり抽選に外れた場合に参照されるものとし、特図当たり抽選において大当たり又は小当たりに当選した場合には別の変動パターン決定用テーブルが参照されるようにする。
第7実施形態における変動パターン決定用テーブル変更処理は、第6実施形態と同様に図62に示すフローチャートに従って行われる。ただし、図62のステップS402の大当たり時テーブル変更処理は図72のフローチャートに従って実行され、ステップS403の小当たり時テーブル変更処理は図73のフローチャートに従って実行される。
図72は、第7実施形態に係る大当たり時テーブル変更処理の一例について示すフローチャートである。図72のステップS501では、特図当たり抽選において大当たりとなった現在の演出モードが超時短モードか否かを判定する。そして、超時短モードであると判定した場合はステップS502に移行し、超時短モードでない(通常モード、招き猫モード、えべっさんモードのいずれか)と判定した場合はステップS506に移行する。ステップS502では、当該大当たりが電サポ付き当たり(図9のNo.2,3,5〜8)か否かを判定する。そして、電サポ付き当たりであると判定した場合はステップS503に移行し、電サポ付き当たりでない(図9のNo.1,4)と判定した場合はステップS507に移行する。ステップS503では、当該大当たりが2R当たり(図9のNo.2,5,7)か否かを判定する。そして、2R当たりであると判定した場合はステップS504に移行し、2R当たりでない(図9のNo.3,6,8)と判定した場合はステップS505に移行する。ステップS504では、変動パターン決定用テーブル2を設定する。ステップS505では、変動パターン決定用テーブル4を設定する。つまり、超時短モードにおいて2R電サポ付き当たりに当選した場合は通常の時短モードである招き猫モードとなり、超時短モードにおいて15R電サポ付き当たりに当選した場合は超時短モードが継続される。
ステップS506では、電サポ付き当りであるか否かを判定する。そして、電サポ付き当たりである(図9のNo.2,3,5〜8)と判定した場合はステップS505に移行して変動パターン決定用テーブル4を設定し、電サポ付き当たりでない(図9のNo.1,4)と判定した場合はステップS507に移行する。ステップS507では、当該大当たりが確変当たりか否かを判定する。そして、確変当たりである(図9のNo.4)と判定した場合はステップS508に移行し、確変当たりでない(図9のNo.1)と判定した場合はステップS509に移行する。ステップS508では、変動パターン決定用テーブル2を設定する。ステップS509では、テーブル判定用乱数を抽出する。ステップS510では、抽出したテーブル判定用乱数に基づいて設定する変動パターン決定用テーブルを判定する。そして、判定結果に応じて分岐し、ステップS511で変動パターン決定用テーブル2を設定するか、又はステップS512で変動パターン決定用テーブル3を設定する。つまり、超時短モード以外のモードにおいて、電サポ付き当たりに当選した場合は超時短モードとなり、確変当たり(電サポなし)に当選した場合は招き猫モードとなり、通常当たり(電サポなし)に当選した場合は抽選により招き猫モード又はえべっさんモードとなる。
図73は、第7実施形態に係る小当たり時テーブル変更処理の一例について示すフローチャートである。図73のステップS521では、特図当たり抽選において小当たりとなった現在の演出モードが超時短モードか否かを判定する。そして、超時短モードであると判定した場合はステップS527に移行して変動パターン決定用テーブル2を設定し、超時短モードでない(通常モード、招き猫モード、えべっさんモードのいずれか)と判定した場合はステップS522に移行する。ステップS522では、テーブル判定用乱数を抽出する。ステップS523では、抽出したテーブル判定用乱数に基づいて、設定する変動パターン決定用テーブルを判定する。そして、判定結果に応じて分岐し、ステップS524で変動パターン決定用テーブル1を設定するか、ステップS525で変動パターン決定用テーブル2を設定するか、又はステップS526で変動パターン決定用テーブル3を設定する。つまり、超時短モードにおいて小当たりに当選した場合は、通常の時短モードである招き猫モードとなる。一方、超時短モード以外のモードにおいて小当たりに当選した場合は、抽選により通常モード、招き猫モード又はえべっさんモードとなる。なお、招き猫モードで小当たりに当選した場合は、抽選することなく招き猫モードが継続されるようにしてもよい。
このように、第7実施形態に係る遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、複数の変動パターンが設定されている変動パターン決定用テーブルを参照し、所定条件の成立(始動入賞)に関連して取得した変動パターン決定用乱数値に対応する変動パターンを複数の変動パターンの中から決定するように構成されている。そして、超時短モード以外のモードで抽選結果が第1当たり(15R当たり)又は第2当たり(2R当たり)となり、電サポ制御手段により電サポ状態が発生される場合に、参照する変動パターン決定用テーブルを、第1変動パターン(例えば、変動時間1秒)が高確率で選択される第1変動パターン決定用テーブル(変動パターン決定用テーブル4)に変更する。また、第1変動パターン決定用テーブルが参照されている電サポ状態(超時短モード)において抽選結果が前記第2当たり又は小当たりとなり、電サポ制御手段により電サポ状態が継続される場合に、参照する変動パターン決定用テーブルを、第1変動パターンよりも長い第2変動パターン(例えば、変動時間3秒)が高確率で選択される第2変動パターン決定用テーブル(変動パターン決定用テーブル2)に変更する。つまり、超時短モードにおいて2R当たり又は小当たりが発生した場合には、超時短モードにおいて参照される変動パターン決定用テーブルよりも長い変動時間が設定された変動パターン決定用テーブルが参照されるようになっている。
さらに、遊技機100が備える変動表示指示手段(遊技制御装置30)は、第2始動記憶に係る変動パターンによる変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を、第1始動記憶に係る変動パターンによる変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に優先して実行するように指示し、抽選手段は、第1始動権利に基づく抽選よりも第2始動権利に基づく抽選のほうが、第1当たり(15R当たり)に当選する割合が大きくなるように構成されている。
第7実施形態に係る遊技機100によれば、電サポ付き当たりを契機に変動パターン決定用テーブルを変更するので、通常遊技中も変化に富んだ変動表示ゲームを提供することができる。超時短モードでは特図2始動記憶を維持することは困難となり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが均等に実行されることとなるので、電サポ状態で特定の大当たり(15R当たり)に偏って当選することもなく、変化に富んだ遊技となる。また、トイレ休憩を我慢して遊技を継続しても特図2変動表示ゲームを維持できるとは限らないため、遊技者は気軽に遊技を中断することができる。さらに、超時短モードにおいて2R当たりや小当たりという15R当たりに比較して価値の低い当たりに当選した場合には、通常の時短モード(招き猫モード)に移行するので、特図2始動記憶を維持することが容易となり15R当たりに当選しやすくなる。したがって、15R当たりでなかったことに対する遊技者の失望感を効果的に軽減できる。
上述した説明では、超時短モードにおいて、特図1始動記憶に係る変動パターンも特図2始動記憶に係る変動パターンも同じ変動パターン決定用テーブル4を参照するようにしているが、参照する変動パターン決定用テーブルを別々に設定することもできる。例えば、特図2始動記憶に係る変動パターンは変動パターン決定用テーブル4を参照して決定され、特図1始動記憶に係る変動パターンは変動パターン決定用テーブル2を参照して決定されるようにする。
すなわち、遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、抽選結果が第1当たり(15R当たり)又は第2当たり(2R当たり)となり、電サポ制御手段により電サポ状態が発生される場合に、第2始動記憶に係る変動パターンを決定するために参照する変動パターン決定用テーブルを第1変動パターン決定用テーブル(変動パターン決定用テーブル4)に変更するとともに、第1始動記憶に係る変動パターンを決定するために参照する変動パターン決定用テーブルを第2変動パターン決定用テーブル(変動パターン決定用テーブル2)に変更する。そして、第1変動パターン決定用テーブルが参照されている電サポ状態(超時短モード)において抽選結果が第2当たり又は小当たりとなり、電サポ制御手段により電サポ状態が継続される場合に、第2始動記憶に係る変動パターンを決定するために参照する変動パターン決定用テーブルを第2変動パターン決定用テーブルに変更する。これにより、特図2始動記憶はもとより特図1始動記憶も早期に消化され、液晶表示装置50上で変動表示ゲームが実行されないという状況が生じるのを防止できる。
なお、図72のフローチャートに従うと、超時短モードにおいて15R当たりに当選した場合(ステップS503で“NO”)は超時短モードが継続されることとなるが、例えば、特図2変動表示ゲームで大当たりとなった場合は通常の時短モード(招き猫モード)に移行するようにしてもよい。また例えば、超時短モードか否かに関わらず、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームで15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選した場合(例えば、「777」が結果態様として表示される)は、通常の時短モードとするようにしてもよい。
図74は、始動入賞時の変動パターン決定用テーブル変更処理の一例について示すフローチャートである。この処理は、例えば、図6のステップS105又はステップS111で実行される。つまり、第7実施形態において、始動入賞時に変動パターン決定用テーブルを変更するようにしている。図74のステップS531では、当該始動入賞により発生した始動記憶に係る特図当たり抽選に当選しているか否かを判定する。そして、特図当たり抽選に当選していると判定した場合はステップS532に移行し、特図当たり抽選に当選していないと判定した場合は処理を終了する。ステップS532では、特図当たり抽選において当たり(小当たりを含む)となった現在の演出モードが超時短モードか否かを判定する。そして、超時短モードであると判定した場合はステップS533に移行し、超時短モードでない(通常モード、招き猫モード、えべっさんモードのいずれか)と判定した場合は処理を終了する。ステップS533では、変動パターン決定用テーブル2を設定する。なお、図71に示す変動パターン決定用テーブル2の代わりに、変動時間が短く設定された変動パターン決定用テーブル(例えば、変動時間が乱数値に関係なく3秒となるテーブル)を設けるようにしてもよい。
当該入賞以前の始動記憶(保留)に係る変動表示ゲームでは、変動パターン決定用テーブル2を参照して変動パターンが決定されることとなるので、3秒の変動パターンが選択されやすくなり、1秒の変動パターンに従って実行されていたそれまでの変動表示ゲームより変動時間が明らかに長くなる。つまり、保留されている分の変動表示ゲームを短時間ではあるがそれ以前よりも長い変動時間とすることで、保留先読み予告を行っていることとなる。なお、当たり終了時には、大当たり終了処理において改めて変動パターン決定用テーブル変更処理が実行される(図63,図72,図73参照)。
このように、遊技機100が備える抽選手段(遊技制御装置30)は、始動入賞時に当たり抽選を実行し(先読み)、変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、第1変動パターン決定用テーブルが参照されている電サポ状態(変動パターン決定用テーブル4を参照する超時短モード)において、抽選結果が第1当たり(15R当たり)、第2当たり(2R当たり)又は小当たりとなる場合に、その時点で、参照する変動パターン決定用テーブルを第2変動パターン決定用テーブル(変動パターン決定用テーブル2)に変更する。これにより、変動表示ゲームの変動時間が明らかに延長されるので、保留先読み予告として特図当たり抽選に当選したことを遊技者に報知することができる。また、当たりが発生するまでに特図2始動記憶を増加できる可能性が高まるので、遊技者にとって有利となる。
図75は、変動パターン決定用テーブル変更処理の他の一例について示すフローチャートである。この処理は、例えば、特図普段処理(図7のステップS122)で実行される。つまり、第7実施形態において、超時短モードで変動表示ゲームが相当数実行された場合に変動パターン決定用テーブルを変更するようにしている。図75のステップS541では、現在の演出モードが超時短モードか否かを判定する。そして、超時短モードであると判定した場合はステップS542に移行し、超時短モードでない(通常モード、招き猫モード、えべっさんモードのいずれか)と判定した場合は処理を終了する。ステップS542では、超時短モードで実行されたゲーム数が50ゲームを超えたか否かを判定する。そして、超時短モードで実行されたゲーム数が50ゲームを超えていると判定した場合はステップS543に移行し、50ゲームを超えていないと判定した場合は処理を終了する。ステップS543では、変動パターン決定用テーブル2を設定する。
このように、遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、第1変動パターン決定用テーブルが参照されている電サポ状態(変動パターン決定用テーブル4を参照する超時短モード)において、所定数(例えば、50ゲーム)の変動表示ゲームが実行されることに基づいて、参照する変動パターン決定用テーブルを第2変動パターン決定用テーブルに変更する(変動パターン決定用テーブル2を参照する招き猫モードに移行する)。これにより、超時短モードにおいて2R当たりや小当たりに当選しなくても、通常の電サポ状態(招き猫モード)に切り替わるので、電サポ状態という遊技者にとって有利な状態であるにもかかわらず、特図1始動記憶又は特図2始動記憶が早期に消化され、液晶表示装置50上で変動表示ゲームが実行されないという状況が生じることに対する遊技者の不安感、不信感を払拭し、安心感を与えることができる。
また、第7実施形態では、超時短モードにおいて、普図当たりに当選したときに可動部材25b,25bを長時間開放することで、特図2始動記憶が増加しやすいようにしている。すなわち、遊技機100が備える電サポ制御手段(遊技制御装置30)は、第1変動パターン決定用テーブルが参照されている電サポ状態(超時短モード)では、第2変動パターン決定用テーブルが参照される電サポ状態(招き猫モード)よりも、可動部材(25b,25b)の開放時間を長くする。これにより、電サポ状態という遊技者にとって有利な状態であるにもかかわらず、特図1始動記憶又は特図2始動記憶が早期に消化され、液晶表示装置50上で変動表示ゲームが実行されないという状況が生じることに対する遊技者の不安感、不信感を払拭し、安心感を与えることができる。
上述したように、第7実施形態に係る遊技機100において超時短モードで変動表示ゲームが消化されると、液晶表示装置50上で変動表示ゲームが実行されなくなるとうい状況が生じかねない。そこで、このような状況が生じた場合には、お詫びを兼ねて液晶表示装置50にプレミアムお詫び画像を表示させる。図76はプレミアムお詫び画像を表示する際のタイミングチャートである。図76に示すように、特図1始動入賞又は特図2始動入賞に伴い特図変動表示ゲームが実行される(タイミングt1)。そして、この特図変動表示ゲームが終了した時点で特図1始動記憶も特図2始動記憶もなければ液晶表示装置50にプレミアムお詫び画像が表示される(タイミングt2)。その後、特図1始動入賞又は特図2始動入賞に伴いプレミアムお詫び画像は非表示とされるとともに、特図変動表示ゲームが実行される(タイミングt3)。図77はプレミアムお詫び画像の一例を示す画面例である。図77に示す画面例では、「高確率かも?」「高確率の可能性が高い」「高確率確定!!」というテキスト表示のうち、「高確率確定!!」が強調表示されている。この表示により、遊技者は現在の確率状態が確変状態であることを知得することができる。なお、プレミアムお詫び画像としては、「○○%の割合で高確率状態です」というテキスト表示を特図変動表示ゲームが中断されるごとに段階的に報知するなど様々な形態が考えられる。
このように、遊技機100は、第1変動パターン決定用テーブルが参照されている電サポ状態(超時短モード)において、変動表示手段で変動表示ゲームが実行されない状況が発生した場合に、遊技者にとって有利となる情報(例えば、確率状態に関する情報)を報知する報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、液晶表示装置50)を備える。
これにより、わずかな時間でも特図変動表示ゲームが実行されないことに対して遊技者が不満に感じるのを防止できる。
[第8実施形態]
図11において点線で示す移行先の状態、すなわち小当たり終了後の通常状態D、2R通常当たり(電サポなし)終了後の通常状態D、2R確変当たり(電サポなし)終了後の確変状態Eでは、不明瞭ステージ1(図12(b)参照)となっている。また、図11において太線で示す移行先の状態、すなわち2R通常当たり(電サポ100回付き)終了後の通常状態(電サポ1)F、2R確変当たり(電サポ100回付き)終了後の確変状態(電サポ1)Gでは、不明瞭ステージ2(図12(c)参照)となっている。第8実施形態では、不明瞭ステージ1,2における所定ゲーム数の特定変動表示ゲームで、遊技状態(確率状態)を報知するための特定変動パターン決定用テーブルが参照されるようになっている。なお、第8実施形態に係る遊技機の基本構成は第6実施形態又は第7実施形態に係る遊技機100と同様である。
図78は第8実施形態において参照される変動パターン決定用テーブルの概要を示す説明図である。説明を簡素化するため、特図当たり抽選において2R確変当たり(電サポ100回付き)に当選し、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに滞在する場合について説明する。図78に示すように、2R確変当たり(電サポ100回付き)直後は、ステージ・モード演出により不明瞭ステージ2(不明瞭報知状態)となる。そして、不明瞭ステージ2で100ゲームが消化されると電サポ終了となり、確変状態Eに移行して不明瞭ステージ1となる。
この2R確変当たり(電サポ100回付き)終了後の200ゲームは、通常用の変動パターン決定用テーブルを参照して変動パターンが決定される。ここで、通常用の変動パターン決定用テーブルとは、図63で示すフローチャートに従って設定される変動パターン決定用テーブルである。例えば、図63のステップS402の大当たり時テーブル変更処理が図64に従って実行されると、2R確変当たり(電サポ100回付き)後は、変動パターン決定用テーブル2が設定されることとなる(招き猫モード)。つまり、背景が不明瞭ステージ2とされ、前景で招き猫モードによる特図変動表示ゲームが実行される。また、不明瞭ステージ2で100ゲーム消化された後は、背景が不明瞭ステージ1に移行するが、継続して変動パターン決定用テーブル2が参照される。
このように、大当たり又は小当たりの種類によって、その後の不明瞭ステージ1又は不明瞭ステージ2で参照される変動パターン決定用テーブルは決定されているが、第8実施形態では、例えば10ゲーム間隔で遊技状態(確率状態)を報知するための特定変動パターン決定用テーブルが参照されるようになっている。このとき、演出制御装置40では、この特定変動パターン決定用テーブルを参照して決定された変動パターンに従って、確変状態と通常状態のいずれに滞在しているかのヒントとなるような遊技状態を示唆する演出が行われる。この遊技状態を示唆する演出を行うため、特定変動パターン決定用テーブルでは比較的長い変動パターン(例えば、変動パターン決定用テーブル2の主変動時間(3秒)よりも長い変動時間)が設定されている。
図79は、第8実施形態に係る変動パターン決定処理の一例について示すフローチャートである。この変動パターン決定処理は、例えば特図変動開始処理(図7のステップS124又はS126)で行われる。図79のステップS611では、現在のステージが不明瞭ステージ(不明瞭報知状態)であるか否かを判定する。そして、不明瞭ステージであると判定した場合はステップS612に移行し、不明瞭ステージでないと判定した場合(確定ステージ(明瞭報知状態)の場合)はステップS614に移行する。ステップS612では、当該特図変動表示ゲームは、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数(例えば、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム、・・・)のゲームであるか否かを判定する。そして、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数のゲームであると判定した場合はステップS613に移行し、所定ゲーム数のゲームでないと判定した場合はステップS614に移行する。
ステップS613では、確率状態報知時の変動パターン決定用テーブル(特定変動パターン決定用テーブル)を参照して変動パターンを決定する。ステップS614では、大当たり終了処理における変動パターン決定用テーブル変更処理で設定された変動パターン決定用テーブル(例えば、招き猫モードでは変動パターン決定用テーブル2)を参照して変動パターンを決定する。ステップS613又はステップS614で決定された変動パターンは、変動パターンコマンドとして演出制御装置40に送信される。
図80は、遊技状態を報知するための登山演出の一例について示す画面表示である。図80に示すように、遊技状態を報知するための演出は、例えば、ゲーム数が増加するごとに徐々に遊技状態を示唆しつつ最終的に遊技状態を確定的に報知する演出とする。図80では、例えば、変動表示ゲームのゲーム数が増加するごとに山頂を目指して山を登り、最終的に山頂まで到達すると確変状態の確定報知となる登山演出について示している。
図80に示すように、10ゲーム目では登頂すべき山の全貌が表示されている。図80(a)では、前半が緩やかで後半が急な傾斜の山となっているので、頂上まで到達する可能性が低い、すなわち現在の遊技状態は通常状態である可能性が高いことを示している。一方、図80(b)では、前半が急で後半が緩やかな傾斜の山となっているので、前半を登りきれば頂上まで到達する可能性が高い、すなわち現在の遊技状態は確変状態である可能性が高いことを示している。また、30ゲーム目では3合目を登山している演出が表示され、70ゲーム目では7合目を登山している演出が表示される。このときの登山者の表情(例えば、余裕がある表情や疲弊した表情)で、登頂できる可能性を示している。そして、100ゲーム目で登頂できると確変状態が確定となる。なお、100ゲーム以前に遊技状態を確定的に報知するようにしてもよい。
図81は、第8実施形態に係る確率状態報知処理の一例について示すフローチャートである。この確率状態報知処理は、例えば特図変動開始処理(図7のステップS124又はS126)で行われる。図81のステップS621では、現在のステージが不明瞭ステージであるか否かを判定する。そして、不明瞭ステージであると判定した場合はステップS622に移行し、不明瞭ステージでないと判定した場合(確定ステージの場合)は処理を終了する。ステップS622では、当該特図変動表示ゲームは、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数目(例えば、10ゲーム目、20ゲーム目、30ゲーム目、・・・)の特定変動表示ゲームであるか否かを判定する。そして、特定変動表示ゲームであると判定した場合はステップS623に移行し、特定変動表示ゲームでないと判定した場合は処理を終了する。
ステップS623では、確率状態を報知するか否かを判定する。そして、確率状態を報知すると判定した場合はステップS624に移行して確定報知コマンドを設定し、確率状態を報知しないと判定した場合はステップS625に移行して不明瞭報知コマンドを設定する。ステップS624で設定された確定報知コマンド又はステップS625で設定された不明瞭報知コマンドは、変動パターンコマンドとして演出制御装置40に送信される。演出制御装置40に確定報知コマンドが送信されると液晶表示装置50において遊技状態を確定的に報知する演出が行われ、不明瞭報知コマンドが送信されると液晶表示装置50において遊技状態を不明瞭に報知する演出が行われる。
図82は、通常状態を報知する際の登山演出の一例について示す画面表示である。図82では、不明瞭ステージの30ゲーム目に実行される登山演出について示している。この登山演出では、図82(a)に示す3合目を登山している状態から、図82(b)に示す登山者が斜面を滑る状態へと移行する。そして、遊技状態を確定報知する場合は、図82(c)に示すように登山者が転落する演出により通常状態に滞在していることが確定的に報知される。通常状態に滞在していることが確定した後は、背景が不明瞭ステージ1又は不明瞭ステージ2から通常確定ステージ(図12(a)参照)に移行する。一方、遊技状態を明確に報知しない場合は、図82(d)に示すように登山者が踏ん張り登山が継続される演出が行われる。
図83は、確変状態を報知する際の登山演出の一例について示す画面表示である。図83では、不明瞭ステージの30ゲーム目に実行される登山演出について示している。この登山演出では、図83(a)に示す3合目を登山している状態から、図83(b)に示す登山者がロケット噴射により飛行する状態へと移行する。そして、遊技状態を確定報知する場合は、図83(c)に示すように登山者が一気に山頂まで飛行して着陸する演出により確変状態に滞在していることが確定的に報知される。確変状態に滞在していることが確定した後は、背景が不明瞭ステージ1又は不明瞭ステージ2から確変確定ステージ(図12(d)参照)に移行する。一方、遊技状態を明確に報知しない場合は、図83(d)に示すようにロケット噴射が不発に終わり登山が継続される演出が行われる。
なお、図82、図83に示すように、遊技状態を報知する演出が行われるときには、特図変動表示ゲームは画面右上に小さく表示される。この特図変動表示ゲームは、特図当たり抽選結果やリーチとなるか否かに関わらず、左右中の3図柄が同時に停止表示されるようになっている。
このように、第8実施形態に係る遊技機100は、第1遊技状態(通常状態、第1当選確率)又は第2遊技状態(確変状態、第2当選確率)の何れに滞在しているかを遊技者に報知可能な遊技状態報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)を備え、この遊技状態報知手段は、第2当たり(2R確変当たり)、第4当たり(2R通常当たり)又は小当たり(第3当たり)のいずれかが発生した場合に、第1遊技状態又は第2遊技状態の何れにも滞在している可能性があることを不明瞭ステージにより不明瞭に報知可能(遊技状態を明確に報知しない、不明瞭報知状態とする)に構成されている。そして、遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)ごとに、遊技状態(確率状態)を報知するための特定変動パターン決定用テーブルを参照して変動パターンを決定する。
また、遊技機100の変動表示手段(演出制御装置40,液晶表示装置50)は、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数で、変動表示ゲームにおいて複数の識別図柄の変動表示を同時に停止させる演出を行う。具体的には、リーチとなる場合であってもリーチアクションを発展させない。
第8実施形態に係る遊技機100によれば、不明瞭ステージにおける変動表示ゲームの変動パターン(変動時間)が多様化され、所定ゲームごとに遊技状態(確率状態)を示唆する報知演出が実行されるので、変動表示ゲームが単調となるのを防止できる。したがって、変動表示ゲームの興趣性が一層向上する。また、リーチを見せることよりも確変状態かどうかを重点的に遊技者に報知することができる。
第8実施形態において、遊技状態を報知するための演出を行う特図変動表示ゲームで特図当たり抽選に当選している場合もあり得る。この場合は、特図変動表示ゲームにおいて当たり結果態様(特別結果態様又は小当たり結果態様)を導出するとともに、滞在していた遊技状態を演出により報知する。図84は、特図当たり抽選に当選したときに遊技状態を報知する際の登山演出の一例について示す画面表示である。図84では、不明瞭ステージの30ゲーム目で特図当たり抽選に当選したときに実行される登山演出について示している。この登山演出では、図84(a)に示す3合目を登山している状態から、図84(b)に示す登山者がロケット噴射により飛行する状態へと移行する。そして、現在の遊技状態が確変状態であれば、図84(c)に示すように登山者が一気に山頂まで飛行して着陸する演出が行われるとともに、特図変動表示ゲームで当たり結果態様(例えば、「555」)が導出される。一方、現在の遊技状態が通常状態であれば、図84(d)に示すようにロケット噴射が不発に終わり登頂しないまま登山が終了される演出が行われるとともに、特図変動表示ゲームで当たり結果態様(例えば、「555」)が導出される。
このように、遊技機100が備える変動表示手段(演出制御装置40、液晶表示装置50)は、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数で、当たり抽選において大当たり又は小当たりに当選した場合に、現在滞在している遊技状態に応じた演出を行う。これにより、不明瞭ステージであっても、特定のゲームで特図当たり抽選に当選すれば、滞在していた遊技状態が遊技者に報知されるので、遊技の興趣性が向上する。
図81のフローチャートに従うと、抽選により遊技状態を報知するか否かを判定するが、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数で、演出用ボタン157を連打することを要求し、連打数が所定数以上となった場合に遊技状態を報知するようにしてもよい。例えば、特定変動パターン決定用テーブルにおいて、遊技者が演出用ボタン157を操作する時間を加味した変動パターン(例えば、変動時間60秒)が設定されている。そして、変動パターン決定処理においてこの変動パターンが決定された場合に、遊技者に演出用ボタン157を連打させる演出が実行される。
図85は、遊技者の操作に応じて遊技状態を報知する際の登山演出の一例について示す画面表示である。図85では、不明瞭ステージの30ゲーム目で実行される登山演出について示している。この登山演出では、図85(a)に示す3合目を登山している状態において、遊技者に演出用ボタンを連打することを要求する内容が表示される。遊技者により演出用ボタン157が操作されると、この演出用ボタン157が操作されたことを示すコマンドが演出制御装置40に送信され、図85(b)に示すように、演出用ボタン157が操作された回数に応じてロケットが噴射して登山者が徐々に飛行する演出が行われる。そして、連打回数が所定回数以上となれば、図85(c)に示すように登山者が一気に山頂まで飛行して着陸する演出により現在の滞在状態(例えば、確変状態に滞在していること)が確定的に報知される。一方、連打回数が所定回数に満たなければ、図85(d)に示すように、ロケット噴射が不発に終わり登山が継続される演出が行われる。
なお、演出用ボタン157の連打回数が所定数以上となった場合に必ず確定報知を行うようにしてもよいし、抽選で確定報知するか否かを決定するようにしてもよい。また、滞在している遊技状態が通常状態である場合には、登山者の転落演出による確定報知をすぐには行わずに所定ゲーム数まで登山演出を継続させるようにしてもよい。
このように、遊技機100が備える変動表示手段(演出制御装置40、液晶表示装置50)は、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数で、遊技者により操作部(演出用ボタン157)が操作されることを条件に、現在の遊技状態を報知する演出を行う。遊技者による演出用ボタン157の実際の操作に基づいて遊技状態を報知するか否かを決定するので、遊技者にとって有意な演出となり、遊技の興趣性がいっそう向上する。
上述した説明では、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数目(例えば、10ゲーム目、20ゲーム目、・・・)にあたる1ゲームに限って登山演出を行うようにしているが、複数のゲームにわたって登山演出を実行するようにしてもよい。図86は、確率状態連続報知処理の一例について示すフローチャートである。この処理は、例えば、図6のステップS105又はステップS111で実行される。つまり、第8実施形態において、始動入賞時に変動パターン決定用テーブルを変更するようにしている。
図86のステップS631では、現在のステージが不明瞭ステージであるか否かを判定する。そして、不明瞭ステージであると判定した場合はステップS632に移行し、不明瞭ステージでないと判定した場合(確定ステージの場合)は処理を終了する。ステップS632では、当該特図変動表示ゲームは、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数目(例えば、10ゲーム目、20ゲーム目、・・・)の特定変動表示ゲームであるか否かを判定する。そして、特定変動表示ゲームであると判定した場合はステップS633に移行し、特定変動表示ゲームでないと判定した場合は処理を終了する。ステップS633では、当該始動記憶より前の始動記憶に係る特図当たり抽選に当選しているか否かを判定する。そして、始動記憶内で特図当たり抽選に当選していないと判定した場合はステップS635に移行し、始動記憶内で特図当たり抽選に当選していると判定した場合は処理を終了する。
ステップS635では、確率状態報知時の変動パターン決定用テーブル(特定変動パターン決定用テーブル)を設定する。ステップS636では、確率状態連続報知コマンドを設定する。演出制御装置40は、この確率状態連続報知コマンドに従い、現時点の始動記憶に係る複数ゲームにわたって確率状態を報知する演出を実行する。例えば、30ゲーム目の特図変動表示ゲームに対応する始動入賞による始動権利が始動記憶3(保留3)として記憶された場合、28〜30ゲームにわたって特定変動パターン決定用テーブルが参照されることとなる。例えば、28ゲーム目では図83(a)に示す演出が行われ、29ゲーム目では図83(b)に示す演出が行われ、30ゲーム目では図83(c)又は図83(d)に示す演出が行われる。なお、30ゲーム目で特図当たり抽選に当選している場合は、たとえば図84に示す演出が3ゲームにわたって実行されることとなる。
このように、遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数に対応する始動入賞があった時点の始動記憶に係る当たり抽選結果が第1当たり(15R当たり)、第2当たり(2R確変当たり)又は小当たりとならない場合に、その時点で、参照する変動パターン決定用テーブルを前記特定変動パターン決定用テーブルに変更する。これにより、複数ゲームにわたって、現在の遊技状態を報知するための演出を実行することができるので、遊技の興趣性が向上する。
なお、不明瞭ステージにおける所定ゲーム数目(例えば、10ゲーム目、20ゲーム目、30ゲーム目、・・・)の特定変動表示ゲームである場合に、第1実施形態で示した報知ゲームの開始条件が成立したものとして、第1実施形態で示した報知ゲームを行うようにしても良い。また、第1実施形態では報知ゲームに関する処理や不明瞭報知状態の設定に関する処理を演出制御装置40で行うようにしているが、これらを遊技制御装置30で行うようにしても良い。この他、第2から第5実施形態の構成を組み合わせても良い。
[第9実施形態]
第9実施形態では、変動パターン決定処理において参照する変動パターン決定用テーブルを、普図始動記憶数に応じて変更するようにしている。すなわち、図60や図71に示す各モードに対応する変動パターン決定用テーブルが、普図始動記憶数に応じて複数用意されている。図87は、第9実施形態に係る変動パターン決定用テーブルの一例を示す説明図である。図87には、図60及び図71における招き猫モード用の変動パターン決定用テーブル2について示している。図87(a)に示す変動パターン決定用テーブル2−1は、普図始動記憶数が3又は4のときに参照されるテーブルで、図60及び図71における変動パターン決定用テーブル2と同じである。つまり、変動パターン決定用テーブル2−1では、通常モードに比較してリーチ発展率が低く、また短い変動パターンが高確率で選択されるようになっている。
図87(b)に示す変動パターン決定用テーブル2−2は、普図始動記憶数が1又は2のときに参照されるテーブルである。変動パターン決定用テーブル2−2では、変動パターン決定用乱数が1〜30のときに変動時間が10秒の変動パターンが選択され(選択率30%)、変動パターン決定用乱数が31〜40のときに変動時間が15秒の変動パターンが選択され(選択率10%)、変動パターン決定用乱数が41〜50のときに変動時間が30秒の変動パターンが選択される(選択率10%)。また、図示を省略しているが、変動パターン決定用乱数が51〜のときは、変動時間が30秒よりも長い変動パターンが選択される。つまり、変動パターン決定用テーブル2−2では、変動パターン決定用テーブル2−1に比較して、長い変動パターンが高確率で選択されるようになっている。図87(c)に示す変動パターン決定用テーブル2−3は、普図始動記憶数が0のときに参照されるテーブルである。変動パターン決定用テーブル2−3では、変動パターン決定用乱数が1〜50のときに変動時間が30秒の変動パターンが選択され(選択率50%)、変動パターン決定用乱数が51〜60のときに変動時間が40秒の変動パターンが選択され(選択率10%)、変動パターン決定用乱数が61〜70のときに変動時間が50秒の変動パターンが選択される(選択率10%)。また、図示を省略しているが、変動パターン決定用乱数が71〜のときは、変動時間が50秒よりも長い変動パターンが選択される。つまり、変動パターン決定用テーブル2−3では、変動パターン決定用テーブル2−2に比較して、さらに長い変動パターンが高確率で選択されるようになっている。
図88は、第9実施形態に係る変動パターン決定処理の一例について示すフローチャートである。この変動パターン決定処理は、例えば特図変動開始処理(図7のステップS124又はS126)で行われる。図88のステップS701では、普図始動記憶数が0であるか否かを判定する。そして、普図始動記憶数が0であると判定した場合はステップS702に移行して変動パターン決定用テーブル2−3を参照して変動パターンを決定する。普図始動記憶数が0のときは特図2始動記憶が保留されずに消化されるだけとなり、短時間の変動パターンで特図2変動表示ゲームが実行されると、すぐに特図1変動表示ゲームが実行されてしまう。そうすると、特図2当たり抽選の方が遊技者に大きな利益を付与する可能性が高いにも関わらず、その恩恵を受けることができなくなるため、このような状況が生じないように、普図始動記憶数が0のときは比較的長い変動パターンで特図2変動表示ゲームが実行されるようにしている。
ステップS701で普図始動記憶数が0でないと判定した場合はステップS703に移行して、普図始動記憶数が1又は2であるか否かを判定する。そして、普図始動記憶数が1又は2であると判定した場合はステップS704に移行して変動パターン決定用テーブル2−2を参照して変動パターンを決定する。普図始動記憶数が1又は2のときは特図2始動記憶が保留されながら消化されることとなるが、短時間の変動パターンで特図2変動表示ゲームが実行されると、特図1変動表示ゲームが実行されてしまう虞がある。そうすると、特図2当たり抽選の方が遊技者に大きな利益を付与する可能性が高いにも関わらず、その恩恵を受けることができなくなるため、このような状況が生じないように、普図始動記憶数が1又は2のときは通常時と同程度の変動パターン(変動時間10秒)で特図2変動表示ゲームが実行されるようにしている。
ステップS703で普図始動記憶数が1又は2でないと判定した場合はステップS705に移行して変動パターン決定用テーブル2−1を参照して変動パターンを決定する。つまり、普図始動記憶数が3又は4の場合は特図2始動記憶が次々に発生しやすい状態といえるので、特図2変動表示ゲームを短時間で消化するようにしている。
このように、第9実施形態に係る遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、複数の変動パターンが設定されている変動パターン決定用テーブルを参照し、所定条件の成立(始動入賞)に関連して取得した変動パターン決定用乱数値に対応する変動パターンを前記複数の変動パターンの中から決定するように構成されている。そして、第3保留手段(普図始動記憶)に保留されている第3始動記憶数(普図始動記憶数)に基づいて、第2変動パターン(特図2変動表示ゲームの変動パターン)を設定するための変動パターン決定用テーブルを設定する。
第9実施形態に係る遊技機100によれば、電サポ状態における変動表示ゲームの変動パターン(変動時間)が多様化され、普図始動記憶数に応じて変更されるので、変動表示ゲームが単調となるのを防止できる。したがって、変動表示ゲームの興趣性が一層向上する。例えば、普図始動記憶数が少ないときには長い変動時間が選択されやすい変動パターン決定用テーブル(例えば、変動パターン決定用テーブル2−3又は2−2)を設定され、特図2変動表示ゲームの変動時間が長くなるので、その間に普図始動入賞が発生し普図始動記憶が増加しやすくなる。その結果、普図当たりにより可動部材25b,25bが開状態とされ、特図2始動口25に遊技球が入賞するので、特図2始動記憶を維持することができる。
図89は、第9実施形態に係る変動パターン決定処理の他の一例について示すフローチャートである。この変動パターン決定処理は、例えば特図変動開始処理(図7のステップS124又はS126)で行われる。図89のステップS711では、大当たり終了後の1ゲーム目であるか否かを判定する。そして、大当たり終了後の1ゲーム目であると判定した場合はステップS712に移行し、大当たり終了後の1ゲームでないと判定した場合はステップS714に移行する。ステップS712では、電サポ付き大当たりであるか否かを判定する。そして、電サポ付き大当たりであると判定した場合はステップS713に移行し、電サポ付き大当たりでないと判定した場合はステップS714に移行する。ステップS713では、変動パターン決定用テーブル2−3を参照して変動パターンを決定する。ステップS714では、図88に示すフローチャートに従って変動パターンを決定する。つまり、電サポ付き大当たり終了後の1回転目は、特図変動表示ゲームを長時間で実行することにより、その間に普図始動記憶及び特図2始動記憶が確保されるようにしている。
このように、遊技機100が備える変動パターン設定手段(遊技制御装置30)は、特別遊技状態終了後に電サポ状態が発生する場合は、1ゲーム目を相対的に長い変動時間が選択されやすい変動パターン設定用テーブルを参照して変動パターンを設定する。これにより、仮に特別遊技状態終了時に普図始動記憶がなかったとしても、電サポ状態突入時の最初の特図変動表示ゲームで普図始動記憶が発生しやすくなる。その結果、特図2始動記憶も発生しやすくなるので、遊技者に有利な状態を保持することができる。
また、電サポ付き当たりにより発生した特別遊技状態中から電サポ状態を発生させるようにしてもよい。すなわち、遊技機100が備える電サポ制御手段(遊技制御装置30)は、特別遊技状態中に電サポ状態を発生する。これにより、特別遊技状態中に確実に特図2始動記憶が発生するので、特別遊技状態終了直後に特図1変動表示ゲームが実行されるという遊技者に不利な状態となるのを回避することができる。
図90は、第9実施形態に係る普図変動パターン決定処理の一例について示すフローチャートである。この普図変動パターン決定処理は、例えば普図ゲーム処理(図5のS20)で行われる。図90のステップS721では、特図2始動記憶数が0〜2であるか否かを判定する。そして、特図2始動記憶数が0〜2であると判定した場合はステップS722に移行して普図変動パターン1(例えば、変動時間1秒)を選択する。特図2始動記憶数が0〜2のときは、短時間の変動パターンで特図2変動表示ゲームが実行されると、すぐに特図1変動表示ゲームが実行されてしまう。そうすると、特図2当たり抽選の方が遊技者に大きな利益を付与する可能性が高いにも関わらず、その恩恵を受けることができなくなるため、このような状況が生じないように、普図変動表示ゲームを極めて短時間で実行し、特図2始動記憶が維持されやすい状態となるようにしている。
ステップS721で特図2始動記憶数が0〜2でないと判定した場合はステップS723に移行して、特図2始動記憶数が3であるか否かを判定する。そして、特図2始動記憶数が3であると判定した場合はステップS724に移行して普図変動パターン2(例えば、変動時間5秒)を選択する。一方、ステップS723で特図2始動記憶数が3でないと判定した場合はステップS724に移行して普図変動パターン3(例えば、変動時間10秒)を選択する。特図2始動記憶数が3又は4のときは、短時間の変動パターンで特図2変動表示ゲームが実行されても、同程度の変動時間で普図当たりが導出されれば特図2始動記憶はなくなりにくいので、このような状態が保持されるように適度な変動時間が選択されるようにしている。
このように、遊技機100が備える電サポ制御手段(遊技制御装置30)は、第2保留手段に保留されている第2始動記憶数(特図2始動記憶数)に基づいて、可動部材(25b,25b)を開状態とする所定期間を調整する。これにより、普図始動記憶数を一定に維持しつつ、特図2始動記憶がなくなるのを回避できるので、遊技者に有利な状態を保持することができる。なお、普図変動表示ゲームの変動時間を調整する代わりに、1回の普図当たりで開状態とする回数や時間を増減することで、可動部材25b,25bを開状態とする期間を調整するようにしてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、第6〜第9実施形態では、変動開始時の特図記憶数に関わらず同じ変動パターン決定用テーブルを参照して特図2変動表示ゲームの変動パターンを決定するようにしているが、例えば、変動開始時の特図記憶数に応じて異なる変動パターン決定用テーブルを参照するようにしてもよい。図91は、通常モードにおいて、特図始動記憶数に応じて参照される変動パターン決定用テーブルの一例を示す説明図である。図91(a),(b)に示すように、特図始動記憶数が3,4のときには、特図始動記憶数が0〜2のときに比較して、短い変動パターンとなる割合が大きくなっている。このようなテーブルによれば、特図始動記憶数が少ないときは変動表示ゲームが途切れないように変動表示ゲームを長くして新たな特図始動記憶が発生しやすくできるとともに、特図始動記憶数が多いときは遊技の進行を重視して変動表示ゲームを短時間で消化することができる。また、第6〜第9実施形態の構成は第1〜第5実施形態の構成と組み合わせることが可能である。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。