図1〜図3に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6 秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
図2〜図5に示すように、遊技盤4の遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10(第1始動領域)、開閉式の第2始動口11a(第2始動領域)を有する第2始動口装置11、ゲート12、開閉式の第1大入賞口13aを有する第1大入賞口装置13、開閉式の第2大入賞口14aとV入賞口14eとを有する第2大入賞口装置14、複数の一般入賞口15が、夫々遊技球が通過可能に図示の配置で設けられている。
第1始動口10、ゲート12、複数の一般入賞口15には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、ゲートSW12a、複数の一般入賞口SW15aが付設されている。
第2始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有し、第2始動口11aは、遊技球が入賞不可能な閉状態(入賞し難い第1状態)と入賞可能な開状態(入賞し易い第2状態)とに作動し得る。
第1大入賞口装置13は、第1大入賞口13a、第1大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、第1大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する第1大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する第1大入賞口SOL13dを有し、第1大入賞口13aは、遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞可能な開状態とに作動し得る。
第2大入賞口装置14は、第2大入賞口14a、第2大入賞口14aを開閉する開閉部材14b、第2大入賞口14aに入賞した遊技球を検出する第2大入賞口SW14c、開閉部材14bを開閉駆動する第2大入賞口SOL14dを有し、第2大入賞口14aは、遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞可能な開状態とに作動し得る。
更に、第2大入賞口装置14は、第2大入賞口14aの内部に設けられたV入賞口14e、V入賞口14eを開閉する開閉部材14f、V入賞口14eに入賞した遊技球を検出するV入賞口SW14g、開閉部材14fを開閉駆動するV入賞口SOL14hを有し、V入賞口14eは、遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞可能な開状態とに作動し得る。
遊技球が入賞口10,11a,13a,14a,15に入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口毎に設定された数(数個〜10数個)の遊技球が貯留皿5に払出される。遊技球が始動口10,11aに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、通常は閉状態の第1,第2大入賞口13a,14aが開状態に作動する特別遊技である大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、通常は閉状態の第2始動口11aが開状態に作動する補助遊技が発生する。
遊技盤4にはセンタ役物16が取付けられ、このセンタ役物16に遊技演出用の画像表示器17及び可動役物装置18が装備されている。センタ役物16は、そのセンタ枠体16aが遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、そのセンタ枠体16aの下部には遊技球が転動するステージ16bが形成されている。
画像表示器17は、画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠体16aの内側を通して視認可能に配置され、この画像表示器17に、大当り抽選等に基づいて大当り期待度を示唆する遊技演出の演出画像(動画)が表示される。可動役物装置18は、画像表示器17に表示される特定の遊技演出の一環として作動して、可動役物18a,18bが画像表示器17の画面前側において遊技盤4の盤面と平行な左右方向へ移動する。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。尚、第1,第2特図表示器19a,19bが所定の図柄表示手段に相当する。
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第1特図保留数に関わらず、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図5に示すように、制御装置20は、遊技制御基板21、払出制御基板22、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25を備え、これら制御基板21〜25に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板23は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板21のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、ゲートSW12a、第1,第2大入賞口SW13c,14c、V入賞口SW14g、複数の一般入賞口SW15aからの信号、払出制御基板22からの制御情報を受けて、第2始動口SOL11d、第1,第2大入賞口SOL13d,14d、V入賞口SOL14h、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板22、演出制御基板23に制御情報を出力する。
払出制御基板22のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報、払出球検出SW26b、球有り検出SW26c、満タン検出SW26dからの信号を受けて、払出モータ26aを制御し、遊技制御基板22に制御情報を出力する。演出制御基板23のコンピュータは、遊技制御基板21、画像制御基板24、ランプ制御基板25からの制御情報、演出ボタンSW6からの信号を受けて、画像制御基板24、ランプ制御基板25に制御情報を出力する。
画像制御基板24のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示器17、スピーカ27を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。ランプ制御基板25のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、遊技演出用の枠ランプ28a、盤ランプ28b、可動役物装置18を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。
図6に示すように、遊技制御基板21の主にコンピュータにより、図示の各手段30〜37,40〜47,50が構成されている。
特図カウンタ手段30は、16ビット構成の所謂ハード乱数である大当り判定値(大当りカウンタ値)を、設定範囲(0 〜65535 )内で微小時間(0.1 μs )毎に順次更新し、また、8 ビット構成の所謂ソフト乱数である特図判定値(特図カウンタ値)を、設定範囲(0 〜199 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新する。更に、ソフト乱数であるリーチ判定値(リーチカウンタ値)と変動パターン判定値(変動パターンカウンタ値)を、夫々設定範囲内で微小時間毎に順次更新する。
特図取得手段31は、第1始動口10を遊技球が通過することにより、第1特図保留数が4未満の場合に始動条件が成立して、特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値、特図判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値を取得し、これらの判定値が1組の第1特図判定情報となる。また、第2始動口11aを遊技球が通過することにより、第2特図保留数が4未満の場合に始動条件が成立して、特図カウンタ手段30により更新された大当り判定値、特図判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値を取得し、これらの判定値が1組の第2特図判定情報となる。この特図取得手段31により取得された特図判定情報が特図保留記憶手段32に一旦記憶(保留)される。
特図保留消化手段33は、特図保留記憶手段32に記憶されている特図判定情報を、特図表示器19a,19bでの図柄変動開始毎に順次1ずつ変動時判定手段34aによる判定に供して特図保留記憶手段32から消去(保留消化)する。その際、特図保留記憶手段32に複数の特図判定情報が記憶されている場合、それら複数の特図判定情報を特図保留記憶手段32に記憶された順番(即ち、特図取得手段31により取得された順番)で消化し、但し、第1,第2特図判定情報の両方が記憶されている場合には、第2特図判定情報を第1特図判定情報よりも優先して消化する。
特図判定手段34は、第1又は第2始動口10又は11aを遊技球が通過することにより、特図取得手段31により取得された(特図保留記憶手段32に記憶された)特図判定情報に基づいて、大当り遊技を行うか否かを判定し、大当り遊技を行うと判定した場合には、当該大当り遊技中の第1,第2大入賞口13a,14aの開閉パターンを選択する。
具体的に、図7に示すように、大当り判定テーブルとして低確テーブルと高確テーブルの何れかを用いて判定し、低確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約1/265 の割合で大当り特定値(3,247 ・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を行うと判定し、高確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約1/46の割合で大当り特定値(3,7 ・・・)の何れかと一致する場合に、大当り遊技を行うと判定と判定する。
大当り遊技を行うと判定した場合には、次に、その大当り判定値と組の特図判定値に基づいて、複数種類の大当り図柄(図8に示す2種類の大当り図柄A,B)の何れか1つを選択する。ここで、第1特図判定情報となる特図判定値に対しては、図8に示す第1図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行い、第2特図判定情報となる特図判定値に対しては、図8に示す第2図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。そして、選択された大当り図柄によって、当該大当り遊技中の第1,第2大入賞口13a,14aの開閉パターンが決定される。
ここで、特図判定手段34の変動時判定手段34aは、特図表示制御手段35により特別図柄が変動表示される際、当該特別図柄の変動表示に係る特図判定情報、即ち特図保留消化手段33により消化された特図判定情報に基づいて、前記の判定を行う。
特図表示制御手段35は、特図判定手段34による判定結果に基づいて、特図保留消化手段33により第1特図判定情報が消化されたことを契機に、第1特図表示器19aに第1特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させ、特図保留消化手段33により第2特図判定情報が消化されたことを契機に、第2特図表示器19bに第2特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定された場合には、選択された大当り図柄A,Bの何れか1つを停止表示させ、大当り遊技を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄を特図表示器19a,19bに停止表示させる。
特図表示制御手段35の変動時間決定手段35aは、特図判定手段34による判定結果に基づいて選択された図柄(大当り図柄A,B、ハズレ図柄の何れか)、及び当該判定に供された特図判定情報のリーチ判定値と変動パターン判定値とに基づいて、図柄変動時間を決定する。そして、特図表示制御手段35は、変動時間決定手段35aにより決定(選択)された図柄変動時間、特別図柄を変動表示させた後に停止表示させる。
ここで、特図保留記憶手段32は、特図表示制御手段35により特別図柄が変動表示されているときに、第1始動口10を遊技球が通過すると、始動条件の成立により特図取得手段31により取得された第1特図判定情報を記憶することで、変動時判定手段34aによる判定の権利を保留して記憶し、また、第2始動口11aを遊技球が通過すると、始動条件の成立により特図取得手段31により取得された第2特図判定情報を記憶することで、変動時判定手段34aによる判定の権利を保留して記憶する(即ち、第2始動領域保留記憶手段に相当する)。
そして、特図判定手段34の事前判定手段34bは、特図取得手段31により特図判定情報が取得された際、特図保留記憶手段32に記憶された前記権利(後に特図保留消化手段33により消化される特図判定情報)に対して大当り遊技を行うか否かを事前に判定(変動時判定手段34aと同等の判定結果を示す判定図柄(大当り図柄A,B、ハズレ図柄)を判別)し、更に、特図表示制御手段35の変動時間決定手段35aにより決定される図柄変動時間を事前に判定することができる。
特別遊技実行手段36は、特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定された場合、特図表示制御手段35により、その判定結果を示す判定図柄(大当り図柄)が停止表示された後、第1,第2大入賞口13a,14aを複数R(ラウンド)に亙って開閉させる遊技者に有利な大当り遊技を行う。図9に示すように、第1,第2大入賞口13a,14aの開閉パターンは、大当り図柄の種類に応じて図示のように設定される。
具体的に、7 R長期開放+1 R短期開放と8 R長期開放では、夫々、1 R〜7 Rの各Rは、第1大入賞口13aを開放して開始後、第1大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過すると、第1大入賞口13aを閉塞して終了する。7 R長期開放+1 R短期開放おける8 R目は、第2大入賞口14aを開放して開始後、例えば1 秒経過すると、第1大入賞口13aを閉塞して終了し、8 R長期開放における8 R目は、第2大入賞口14aを開放して開始後、第2大入賞口14aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過すると、第2大入賞口14aを閉塞して終了する。
また、7 R長期開放+1 R短期開放と8 R長期開放では、夫々、8 R目の第2大入賞口14aの開放に伴ってV入賞口14eが開閉される。ここで、V入賞口14eは、第2大入賞口14aの開放時から例えば約2秒後に開放し、その後一定時間(例えば、約10秒)経過すると閉塞する。7 R長期開放+1 R短期開放では、第2大入賞口14aが短期開放のため、しかも第2大入賞口14aが閉塞してからV入賞口14eが開放するため、遊技球が第2大入賞口14aに入賞しV入賞口14eに入賞する可能性が極めて低い。一方、8R長期開放は、第2大入賞口14aの長期開放中にV入賞口14eが開放するため、遊技球が第2大入賞口14aに入賞しV入賞口14eに入賞する可能性が極めて高い。
確率設定手段37は、特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定される確率として、図7に示す低確テーブルを用いて所定の低確率(約1/265 )又は図5に示す高確テーブルを用いて低確率(約1/265 )よりも高い所定の高確率(約1/46)を設定する。
一方、普図カウンタ手段40は、8 ビット構成のソフト乱数である当り判定値(当りカウンタ値)を、設定範囲(0 〜199 )内で微小時間(4 ms )毎に順次更新する。
普図取得手段41は、遊技球がゲート12を通過したときに普図保留数が4未満の場合に始動条件が成立して、普図カウンタ手段40により更新された当り判定値を取得し、この判定値が普図判定情報となる。この普図取得手段41により取得された普図判定情報が普図保留記憶手段42に一旦記憶(保留)される。
普図保留消化手段43は、普図保留記憶手段42に記憶されている普図判定情報を普図表示器19cでの図柄変動開始毎に順次1ずつ普図判定手段44による判定に供して普図保留記憶手段42から消去(保留消化)する。その際、保留記憶手段42に複数の普図判定情報が記憶されている場合、それら複数の普図判定情報を普図保留記憶手段42に記憶された順番(即ち、普図取得手段41により取得された順番)で消化する。
普図判定手段44は、普図取得手段41により取得された(普図保留記憶手段42に記憶された)普図判定情報に基づいて、詳しくは、普通図柄が変動表示される際、当該普通図柄の変動表示に係る普通判定情報、つまり普図保留消化手段43により消化された普図判定情報に基づいて、補助遊技を行うか否かを判定する。
普図表示制御手段45は、普図判定手段44による判定結果に基づいて、普図保留消化手段43により普図判定情報が消化されたことを契機に、普図表示器19cに普通図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。普図判定手段44により補助遊技を行うと判定された場合には、当り図柄を停止表示させ、補助遊技を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄を停止表示させる。
ここで、普図保留記憶手段42は、普図表示制御手段45により普通図柄が変動表示されているときに、ゲート12を遊技球が通過すると、始動条件の成立により普図取得手段41により取得された普図判定情報を記憶することで、普図判定手段44による判定の権利を保留して記憶する。
補助遊技実行手段46は、普図判定手段44により補助遊技を行うと判定された場合、普図表示制御手段45により、その判定結果を示す判定図柄(当り図柄)が停止表示された後、第2始動口11aを開閉させる補助遊技を行う。図10に示すように、補助遊技中の第2始動口11aの開閉パターンは、第2始動口11aの作動モードに応じて図示のように設定される。
作動モード設定手段47は、図10に示すように、第2始動口11aの作動モードとして、第2始動口11aを開状態に作動させ難い低作動モード又は開状態に作動させ易い高作動モードに設定する。
具体的に、低作動モードでは、普図判定手段44により補助遊技を行うと判定される当り確率が1/10、普図表示器19cでの図柄変動時間が12秒、補助遊技中の第2始動口11aの開閉パターンが0.1 秒×1 回に設定され、高作動モードでは、当り確率が10/10 、図柄変動時間が0.5 秒、開閉パターンが2.0 秒×3 回に設定される。
遊技状態制御手段50は、特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定される確率が低確率に設定される低確率状態または高確率に設定される高確率状態で遊技を制御すると共に、第2始動口11aを開状態に作動させ難い非特定遊技状態または開状態に作動させ易い特定遊技状態で遊技を制御する。
この遊技状態制御手段50において、低確・非時短状態制御手段50aが、通常において前記低確率状態および前記非特定遊技状態で遊技を制御し、低確・時短状態制御手段50bが、特別遊技実行手段36による大当り遊技の終了後に、前記低確率状態および前記特定遊技状態で遊技を制御可能であり、高確・時短状態制御手段50cが、特別遊技実行手段36による特定の大当り遊技の終了後に、前記高確率状態および前記特定遊技状態で遊技を制御可能である。請求項1に記載の第1遊技状態制御手段が前記低確・非時短状態制御手段50a、第2,4遊技状態制御手段が前記高確・時短状態制御手段50c、第3遊技状態制御手段が前記低確・時短状態制御手段50bに夫々相当する。また、請求項2に記載の第1遊技状態制御手段が前記低確・非時短状態制御手段50a、第2,3遊技状態制御手段が前記高確・時短状態制御手段50c、第4遊技状態制御手段が前記低確・時短状態制御手段50bに夫々相当する。
つまり、遊技状態制御手段50は、図11に示す3種類の低確・非時短状態、低確・時短状態、高確・時短状態の何れか1つを設定可能であり、低確・非時短状態と低確・時短状態では、確率設定手段37により低確率が設定され、高確・時短状態では、確率設定手段37により高確率が設定され、また、低確・非時短状態では、作動モード設定手段47により低作動モードが設定され、低確・時短状態と高確・時短状態では、作動モード設定手段47により高作動モードが設定される。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には低確・非時短状態を設定する。
大当り遊技終了後の遊技状態について図9に基づいて詳しく説明する。低確・非時短状態が設定されているときに、第1始動口10を遊技球が通過することによって特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定された場合、当該判定結果に係る大当り遊技が行われているときに、遊技球がV入賞口14eに入賞した場合(第1の条件の成立に相当する)には当該大当り遊技終了後に高確・時短状態が設定され、遊技球がV入賞口14eに入賞しない場合(第2の条件の成立に相当する)、当該大当り遊技終了後、その大当り遊技が7 R長期開放+1 R短期開放である場合には低確・非時短状態が設定され、8 R長期開放である場合には低確・時短状態が設定される。
第1始動口10を遊技球が通過することによって特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定された場合、通常、大当り図柄Aに基づく7 R長期開放+1 R短期開放の大当り遊技が行われると、遊技球がV入賞口14eに入賞せずに大当り遊技終了後に低確・非時短状態が設定されるが、大当り図柄Bに基づく8 R長期開放の大当り遊技が行われると、遊技球がV入賞口14eに入賞(第1の条件の成立に相当する)して大当り遊技終了後に高確・時短状態が設定される。
低確・非時短状態で特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定された場合、当該大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定されると、当該大当り遊技を1セット目として、その後、大当り遊技が所定セット(例えば、5セット)行われるまで、大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定される。
即ち、高確・時短状態が設定されているときに、第2始動口11aを遊技球が通過することによって特図判定手段34により最終セット以外の大当り図柄Bに基づく8 R長期開放の大当り遊技を行うと判定された場合、当該判定結果に係る大当り遊技終了後に再度高確・時短状態が設定され、高確・時短状態が設定されているときに、第2始動口11aを遊技球が通過することによって特図判定手段34により最終セットの大当り図柄Bに基づく8 R長期開放の大当り遊技を行うと判定された場合、当該判定結果に係る大当り遊技終了後に低確・時短状態が設定される。
低確・時短状態が設定されているときに、第2始動口11aを遊技球が通過することによって特図判定手段34により大当り図柄Bに基づく8 R長期開放の大当り遊技を行うと判定された場合、再度、当該大当り遊技を1セット目として、その後、大当り遊技が所定セット行われるまで、大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定される。
こうして、高確・時短状態制御手段50cは、低確・非時短状態制御手段50aにより遊技が制御されているときに、第1始動口10を遊技球が通過することによって特図判定手段34により大当り技を行うと判定された場合よりも、低確・時短状態制御手段50b或いは高確・時短状態制御手段50cにより遊技が制御されているときに、第2始動口11aを遊技球が通過することによって特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定された場合の方が、当該判定結果に係る大当り遊技の終了後に、高確率で前記高確率状態および前記特定遊技状態で遊技を制御可能である。
言い換えれば、8 R長期開放の大当り遊技が特定の大当り遊技(請求項2に記載の所定の特別遊技)に相当し、低確・非時短状態制御手段50aにより遊技が制御されているときに、第1始動口10を遊技球が通過することによって特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定された場合に、特別遊技実行手段36が前記特定の大当り遊技を行う割合よりも、低確・時短状態制御手段50b或いは高確・時短状態制御手段50cにより遊技が制御されているときに、第2始動口11aを遊技球が通過することによって特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定された場合に、特別遊技実行手段36が前記特定の大当り遊技を行う割合が高くなるように構成されている。
尚、高確・時短状態が設定されると、その高確・時短状態は実質的に次回の大当り遊技が開始されるまで継続設定される。低確・時短状態が設定されると、その後、特図表示器19a,19bでの図柄変動回数が100 回に達すると、低確・非時短状態に移行される。
ここで、特図表示制御手段35の変動時間決定手段35aは、第1特別図柄の変動時間を図12に示すテーブルに基づいて決定する。図12(1)に示すように、低確・非時短状態では、大当り遊技を行わないと判定され且つ大当り期待度が低くなる非当選時(1) には、第1特図保留数に応じて9 秒,7秒,5秒,3秒の何れかが決定され、大当り遊技を行わないと判定され且つ大当り期待度が高くなる非当選時(2) 又は大当り遊技を行うと判定された当選時には、第1特図保留数に関わらず13秒,15 秒・・・,50 秒の何れかが決定される。図12(2)に示すように、低確・時短状態又は高確・時短状態では、非当選時(1) には、第1特図保留数に関わらず12秒が決定され、非当選時(2) 又は当選時には、図12(1)同様、第1特図保留数に関わらず13秒,15 秒・・・,50 秒の何れかが決定される。
また、特図表示制御手段35の変動時間決定手段35aは、第2特別図柄の変動時間を図13に示すテーブルに基づいて決定する。図13(1)に示すように、低確・非時短状態では、非当選時(1) には、第2特図保留数に関わらず3 秒が決定され、非当選時(2) 又は当選時には、第2特図保留数に関わらず13秒,15秒・・・,50秒の何れかが決定される。図13(2)に示すように、低確・時短状態では、非当選時(1) には、第2特図保留数に応じて12秒,2.5秒の何れかが決定され、非当選時(2) 又は当選時には、第2特図保留数に関わらず10秒が決定される。図13(3)に示すように、高確・時短状態では、非当選時(1) には、第2特図保留数に応じて12秒,3秒,0.5秒の何れかが決定され、非当選時(2) 又は当選時には、図13(2)同様、第2特図保留数に関わらず10秒が決定される。
図6に示すように、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25の主にコンピュータにより、図示の各手段60〜62が構成されている。
遊技演出制御手段60は、所定の演出手段69に遊技演出を行わせる。尚、演出手段69は、画像表示器17、可動役物装置18、スピーカ27、ランプ28a,28bにより構成されている。
第1遊技演出制御手段61は、特図表示制御手段35により特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに、変動時間決定手段35aにより決定された図柄変動時間に応じた遊技演出を行わせる。具体的に、通常遊技演出として、図14(1)に示すように、低確・非時短状態では、第1変動演出1,2・・・の何れかを選択して行わせ、低確・時短状態では、第2変動演出1,2・・・の何れかを選択して行わせ、高確・時短状態では、第3変動演出1,2・・・の何れかを選択して行わせる。
第1遊技演出制御手段61の特別遊技演出制御手段61aは、事前判定手段34bによる判定結果に基づいて、通常遊技演出(第1,第2,第3変動演出)とは異なる先読み演出である特別遊技演出を行わせることが可能である。具体的に、特別遊技演出として、図14(2)に示すように、低確・非時短状態では、第1特別変動演出1,2・・・の何れかを選択して行わせ、低確・時短状態では、第2特別変動演出1,2・・・の何れかを選択して行わせることが可能である。
特別遊技演出制御手段61aによる特別遊技演出の実行率は、具体的に図15に示すテーブルにより規定され、低確・非時短状態、低確・時短状態、高確・時短状態毎に、大当り遊技を行わないと判定され且つ大当り期待度が低くなる非当選時(1) 、大当り遊技を行わないと判定され且つ大当り期待度が高くなる非当選時(2) 、大当り遊技を行うと判定された当選時に分けて図示のように設定されている。
つまり、特別遊技演出制御手段61aは、図15に示すテーブルに基づいて、低確・非時短状態制御手段50a、低確・時短状態制御手段50bにより遊技が制御されているときには所定の実行確率で特別遊技演出(第1特別変動演出、第2特別変動演出)を行わせ、高確・時短状態制御手段50cにより遊技が制御されているときには特別遊技演出を行わせない。
ここで、画像表示器17に表示される第1,第2,第3変動演出と第1,第2特別変動演出について具体的に説明する。
図16(A)に示すように、低確・非時短状態における第1変動演出では、画像表示器17の画面中央部分に、横方向に並設された比較的大きな3つの図柄表示部17aが設定され、これら図柄表示部17aに、(1)3組の演出図柄列が縦スクロールにて変動し、その後、(2)左側の演出図柄「X」が変動停止し、次に、(3)右側の演出図柄「Y」が変動停止し、最後に、(4)中央の演出図柄「Z」が変動停止し、3つの演出図柄「XZY」が特図判定手段34による判定結果を示す報知図柄列として停止する。
例えば、「X」「Y」「Z」は、夫々、「0」〜「9」の何れかであり、基本的に、特図表示器19a,19bに大当り図柄が停止表示されると、(4)3つの演出図柄「XZY」が同一図柄となる報知図柄列で停止する。また、画像表示器17には、演出図柄とは別に、第1変動演出専用の(第1変動演出1,2・・・毎に異なる)画像(動画を含む)が表示される。(3)演出図柄「XY」が同一図柄で停止して所謂リーチになった場合、その後、(4)3つの演出図柄「XZY」が停止する迄の間、画像表示器17に大当り期待度を示唆する発展演出が表示される。
図17(A)に示すように、低確・時短状態における第2変動演出では、画像表示器17の画面中央部分に、横方向に並設された3つの図柄表示部17bが設定され、これら図柄表示部17bに、(1)3組の特別な演出図柄列が縦スクロールにて変動し、その後、例えば、(2)左側の演出図柄「5000」が変動停止し、次に、(3)中央の演出図柄「5000」が変動停止し、最後に、(4-1)右側の演出図柄「5000」が変動停止し、或いは(4-2)右側の演出図柄「×」が変動停止する。
図18に示すように、高確・時短状態における第3変動演出では、画像表示器17の画面右端側部分に、縦方向に並設された比較的小さな3つの図柄表示部17cが設定され、これら図柄表示部17cに、(1)3組の演出図柄列が横スクロールにて変動し、その後、(2)上側の演出図柄「X」が変動停止し、次に、(3)下側の演出図柄「Y」が変動停止し、最後に、(4)中央の演出図柄「Z」が変動停止して、3つの演出図柄「XZY」が特図判定手段34による判定結果を示す報知図柄列として停止する。また、画像表示器17には、演出図柄とは別に、第3変動演出専用の(第3変動演出1,2・・・毎に異なる)画像(動画を含む)が表示される。
図16(B)に示すように、低確・非時短状態における先読み演出である第1特別変動演出は、図16(A)に示す第1変動演出の背景画面(例えば、昼の背景)を、異なる背景画面(例えば、夕方や夜の背景)に変更したものであり、図17(B)に示すように、低確・時短状態における先読み演出である第2特別変動演出は、図17(A)に示す第2変動演出の背景画面(例えば、昼の背景)を、異なる背景画面(例えば、夕方や夜の背景)に変更したものである。尚、高確・時短状態における先読み演出は行われない。
第2遊技演出制御手段62は、特別遊技実行手段36により大当り遊技が行われているときに、大当り演出を行わせる。ここで、画像表示器17に表示される大当り演出では、具体的に、(1)オープニング演出が表示され、次に、(2)〜(4)ラウンド演出が表示され、最後に、(5)エンディング演出が表示される。
第2遊技演出制御手段62の付加情報記憶手段62aは、遊技状態制御手段50により前記高確率状態で遊技が制御されているとき、即ち高確・時短状態制御手段50cにより遊技が制御されているときに、所定の加算条件が成立する毎に単数又は複数の付加情報を加算して記憶する。
具体的には、付加情報記憶手段62aは、特図表示器19a,19bで特別図柄が変動する毎に、所定の加算条件が成立して、単数又は複数の付加情報として、図20(1)に示すように、付与ポイント1 P〜5 Pの何れかを図示選択率により選択し、前回の大当り遊技の終了後に選択した全付与ポイントの合計である総合ポイントを算出し記憶する。
第2遊技演出制御手段62の特殊演出制御手段62bは、高確・時短状態制御手段50cにより遊技が制御されているときに特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定された場合、特別遊技実行手段36によって当該判定結果に係る大当り遊技が行われた場合、当該大当り遊技が行われているときに、付加情報記憶手62aにより記憶されている付加情報の数に応じた特殊演出を行わせる。
具体的には、特殊演出制御手段62bは、図20(2)に示すように、付加情報の数としての総合ポイントに基づいて、第1〜第4テーブルの何れかを選択し、選択したテーブルに基づいて、そのテーブルに固有の3種類の称号の何れかを図示選択率により選択し、選択した称号を、図19に示す大当り演出の(1)オープニング演出において、画像表示器17の画面に設定された称号表示部17dに表示させる。
図20(2)に示す称号選択テーブルでは、3×4=12種類の称号(1-A、1-B、1-C、2-A ・・・、4-C )があり、それら12種類の称号は全て異なる称号となっている。例えば、1-A、1-B、1-Cの称号の具体例は、夫々、イケメン、朝飯前、夕飯前であり、その他の2-A ・・・、4-C の称号の具体例については省略する。
尚、低確・非時短状態で特図判定手段34により大当り遊技を行うと判定され、当該大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定された場合に、特殊演出制御手段62bは、その後、2セット〜最終セットの4回の大当り遊技において称号を表示させることになるが、その2セット〜最終セットにおいて、前回の大当り遊技で選択表示させた称号が、今回の大当り遊技で選択表示させないように、前回選択したテーブルを記憶しておき、仮に今回同じテーブルを選択した場合には、強制的に前回選択したテーブルと異なる何れかのテーブルを選択し、そのテーブルに基づいて称号を選択するようにしている。
次に、図6に示す各手段30〜37,40〜47,50,60〜62の機能を達成するために、制御装置20(遊技制御基板21、演出制御基板23の各コンピュータ)が実行する主要な処理についてフローチャートに基づいて説明する。
図21に示すように、遊技制御基板21のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4 ms )毎に開始され、そのタイマ割込処理において、乱数更新処理(S1)、スイッチ処理(S2)、図柄処理(S3)、電動役物処理(S4)、賞球処理(S5)、出力処理(S6)が順次実行される。
図22に示すように、S2の始動口SW処理では、第1始動口SW10aがオンの場合(S11;Yes )、第1特図保留数U1が4未満の場合に(S12;Yes )、第1特図保留数U1がU1+1に加算され(S13)、大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値(第1特図判定情報)が取得・格納され(S14)、次に、事前判定処理(S15)が実行され、第1特図保留数増加コマンドがセットされる(S16)。
第2始動口SW11cがオンの場合(S17;Yes )、第2特図保留数U2が4未満の場合に(S18;Yes )、第2特図保留数U2がU2+1に加算され(S19)、大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、及び変動パターン判定値(第2特図判定情報)が取得・格納され(S20)、次に、事前判定処理(S21)が実行され、第2特図保留数増加コマンドがセットされる(S22)。
S15、S21の事前判定処理では、基本的に、次に説明するS3の特別図柄処理のS38とS39と同等の処理が行われ、S16、S22では、S15、S21の事前判定処理の判定結果に関する情報を含む特図保留数増加コマンドがセットされる。S16、S22でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、S6の出力処理により演出制御基板23に送信される。
図23に示すように、S3の特別図柄処理では、当り遊技フラグがON(つまり、大当り遊技が実行中)でない場合(S31;No)、特別図柄が変動中でない場合に(S32;No)、第2特図保留数U2が1以上か否か判定される(S33)。S32の判定がYes の場合、つまり、特別図柄が変動中である場合には、S42へ移行する。
S33の判定がYes の場合、第2特図保留数U2がU2−1に減算され(S34)、S33の判定がNoの場合、第1特図保留数U1が1以上か否か判定される(S35)。S35の判定がYes の場合、第1特図保留数U1がU1−1に減算され(S36)、S35の判定がNoの場合、客待ち設定処理(S46)が実行される。S34又はS36の実行後、客待ちフラグがOFFにされ(S37)、大当り判定処理(S38)が実行され、続いて、変動パターン選択処理(S39)が実行される。
S38の大当り判定処理では、特図保留記憶手段32に記憶されている特図判定情報のうち消化優先順位が最も高い特図判定情報の大当り判定値が、図7を用いて説明したように、大当り特定値か否か判定され、大当り特定値である場合には、前記大当り判定値と組の図柄判定値に基づいて、図8を用いて説明したように、大当り図柄A,Bの何れかが選択設定され、大当り特定値でない場合には、ハズレ図柄が設定される。
S39の変動パターン選択処理では、S38で設定された図柄、及び、前記大当り判定値と組のリーチ判定値、変動パターン判定値に基づいて、図12、図13を用いて説明したように、変動パターン(変動時間)が選択設定される。その後、第1又は第2特別図柄が変動開始され(S40)、S38で設定された特別図柄とS39で設定された変動パターン(変動時間)の情報を含む特図変動開始コマンドがセットされる(S41)。
次に、S39で設定された変動時間が経過した場合(S42;Yes )、第1又は第2特別図柄が変動停止され(S43)、ここで、S38で設定された図柄が第1又は第2特図表示器19a又は19bに表示される。続いて、特図変動停止コマンドがセットされ(S44)、停止中処理(S45)が実行される。
S45の停止中処理では、図9を用いて説明したように、低確・時短状態のときには、前回の大当り遊技の終了時からの特図変動回数が100 回に達すれば低確・非時短状態に移行させる処理が行われる。
S4の大入賞口処理では、図9を用いて説明したように、大当り図柄Aが停止表示された場合には7 R長期開放+1 R短期開放となるように、また、大当り図柄Bが停止表示された場合には8 R長期開放となるように、第1,第2大入賞口13a,14aを開閉制御して、大当り遊技を実行させ、8 R目にはV入賞口14eを開閉制御する。大当り遊技の終了後には、低確・非時短状態、低確・時短状態、高確・時短状態の何れかを設定する。尚、設定又は移行された遊技状態の情報はコマンドにより演出制御基板23に送信される。
図24に示すように、演出制御基板23のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4 ms )毎に開始され、そのタイマ割込処理において、コマンド受信処理(S101)、演出ボタン処理(S102)、コマンド送信処理(S103)が順次実行される。
図25に示すように、S101のコマンド受信処理では、保留数増加コマンドを受信か否か判定され(S111)、S111の判定がYes の場合、保留数加算処理(S112)が実行され、続いて、保留数増加コマンドがセットされ(S113)、次に、先読み演出実行判定処理(S114)が行われる。S113でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、S103のコマンド送信処理により画像制御基板24、ランプ制御基板25に送信される。
S114の先読み演出実行判定処理では、受信した保留数増加コマンドが解析され、その解析情報と、現在の遊技状態に基づいて、図15を用いて説明したように、先読み演出である特別遊技演出行うか否かが判定され、特別遊技演出を行うと判定された場合には、その特別遊技演出の連続回数が特図保留数等に基づいて決定される。次に、特図変動開始コマンドを受信か否か判定され(S115)、S115の判定がYes の場合、図柄変動演出選択処理(S116)が実行され、ポイント加算処理(S117)が実行される。
S116の図柄変動演出選択処理では、受信した特図変動開始コマンドが解析され、その解析情報と、S114における処理結果に基づいて、先読み演出を行わない場合には、図14(1)を用いて説明したように、第1変動演出1,2・・・の何れか、或いは、第2変動演出1,2・・・の何れか、或いは、第3変動演出1,2・・・の何れかが選択され、先読み演出を行う場合には、図14(2)を用いて説明したように、第1特別変動演出1,2・・・の何れか、或いは、第2変動演出1,2・・・の何れかが選択され、選択された図柄変動演出の情報を含む図柄変動演出開始コマンドがセットされる。
S117のポイント加算処理では、高確・時短状態のときにだけ、図20(1)を用いて説明したように、付与ポイント1 P〜5 Pの何れかが選択され、前回の大当り遊技の終了後に選択した全付与ポイントの合計である総合ポイントが算出され記憶される。次に、特図変動停止コマンドを受信した場合(S118;Yes )、図柄変動演出終了中処理(S119)が実行される。
次に、オープニングコマンドを受信した場合(S120;Yes )、当り演出選択処理(S121)が実行され、次に、称号選択処理(S122)が実行される。S121の当り演出選択処理では、図示省略するが、オープニング演出1,2・・・の何れかと、ラウンド演出1,2・・・の何れかが、大当り演出として選択され、S122の称号選択処理では、高確・時短状態のときにだけ、図20を用いて説明したように、複数種類の称号の何れかが選択される。そして、S121で選択され大当り演出の情報と、S122で選択された称号の情報を含む大当り演出開始コマンドがセットされる。
次に、エンディングコマンドを受信した場合(S123;Yes )、エンディング演出選択処理(S124)が実行される。S124のエンディング演出選択処理では、図示省略するが、エンディング演出1,2・・・の何れかが選択され、選択されたエンディング演出の情報を含む大当り演出終了コマンドがセットされる。最後に、客待ちコマンド処理(S125)が実行される。
画像表示制御基板24のコンピュータが実行する処理については、そのフローチャートは図示省略するが、図柄変動演出開始コマンドを受信した場合、その解析情報に基づいて、図16に示すように、第1変動演出1,2・・・又は第1特別変動演出1,2・・・の何れか、或いは、図17に示すように、第2変動演出1,2・・・又は第2特別変動演出1,2・・・の何れか、或いは、図18に示すように、第3変動演出1,2・・・の何れかを画像表示器17に表示させる。
大当り演出開始コマンド、大当り演出終了コマンドを受信した場合、その解析情報に基づいて、図19に示すように、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出を組合せた大当り演出を画像表示器17に表示させる。特に、高確・時短状態で大当り判定された場合、当該判定結果に係る大当り遊技中には、図19(1)に示すように、選択された称号をオープニング演出において表示させる。
以上説明したパチンコ遊技機1の作用・効果について説明する。
低確・非時短状態が設定されているときには、遊技者は発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物16の左側を落下するように、遊技球を発射させる所謂左打ちにより遊技を行い、この左打ちにより第1始動口10を狙うことができ、第1特図保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口10に入賞すると、第1特図判定情報が取得され特図保留記憶手段32に記憶される。
低確・時短状態又は高確・時短状態が設定されているときには、遊技者は発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物16の右側を落下するように、遊技球を発射させる所謂右打ちにより遊技を行い、この右打ちにより第2始動口11aを狙うことができ、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口11aに入賞すると、第2特図判定情報が取得され特図保留記憶手段32に記憶される。
また、遊技者は右打ちによりゲート12を狙うことができ、普図保留数が4未満のときに、遊技球がゲート12を通過すると、普図判定情報が取得され普図保留記憶手段42に記憶される。ここで先ず、普図保留記憶手段42に記憶された普図判定情報は普通図柄の変動開始毎に順次消化(消去)され、この普図判定情報の消化により当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、普図表示器19cに当り図柄が変動停止後、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
低確・時短状態又は高確・時短状態が設定されている場合には、補助遊技作動モードとして高作動モードが設定され、右打ちを行って第2始動口11aへの比較的多くの遊技球の入賞を期待できるため、右打ちにより所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができる。但し、低確・非時短状態が設定されている場合には、右打ちを行っても第1始動口10への遊技球の入賞を殆ど期待できないうえ、補助遊技作動モードとして低作動モードが設定されるため、第2始動口11aへの遊技球の入賞も殆ど期待できないため、左打ちにより所有の遊技球の数を減らしながら遊技を行うことになる。
次に、特図保留記憶手段32に記憶された特図判定情報は特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)されるが、その際、特図保留記憶手段32に複数の特図判定情報が記憶されている場合には、それら複数の特図判定情報は取得された順番で消化され、但し、第1,第2特図判定情報の両方が記憶されている場合には、第2特図判定情報が第1特図判定情報よりも優先消化される。この特図判定情報の消化により大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、特図表示器19a,19bcに大当り図柄が変動停止後、第1,第2大入賞口13a,14aが開放する大当り遊技が発生する。
大当り遊技が発生すると、遊技者は右打ちにより第1,第2大入賞口13a,14aを狙うことができる。変動停止した大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技中の大入賞口13aの開閉パターンとして、7 R長期開放+1 R短期開放、8 R長期開放の何れかが選択実行され、右打ちを行うことにより、7 R長期開放+1 R短期開放では、約850 個の遊技球を獲得でき、8 R長期開放では、約1000個の遊技球を獲得できる。
また、大当り遊技の8 R目の第2大入賞口14aの開放に伴ってV入賞口14eが開閉される。V入賞口14eは、第2大入賞口14aの開放時から約2秒後に開放し、その後約10秒経過すると閉塞するため、右打ちを行うことにより、7 R長期開放+1 R短期開放では、遊技球がV入賞口14eに入賞する可能性が極めて低いが、8 R長期開放では、遊技球がV入賞口14eに入賞する可能性が極めて高くなる。
低確・非時短状態で、第1始動口10を遊技球が通過することで行われる特図判定手段34aによる判定の結果、大当り抽選で当選した場合、当該大当り遊技中の大入賞口13aの開閉パターンは、50%-50 %の割合で、7 R長期開放+1 R短期開放、8 R長期開放の何れかに振分けられるが、7 R長期開放+1 R短期開放となり、遊技球がV入賞口14eに入賞しない場合には、当該大当り遊技の終了後に低確・非時短状態が設定され、8 R長期開放となり、遊技球がV入賞口14eに入賞した場合には、当該大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定される。
更に、当該大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定された場合には、当該大当り遊技を1セット目として、その後、大当り遊技が5セット行われるまで、大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定される。第2始動口11aを遊技球が通過することで行われる特図判定手段34による判定の結果、大当り抽選で当選した場合、当該大当り遊技中の大入賞口13aの開閉パターンは、100 %の割合で、8 R長期開放になり、故に、大当り遊技が5セット行われると、合計で約5000個の遊技球を獲得できる。
このように、低確・非時短状態で大当り抽選で当選した場合、当該大当り遊技が行われているときに、遊技球がV入賞口14eに入賞しないで当該大当り遊技の終了後に低確・非時短状態が設定されるか、或いは、遊技球がV入賞口14eに入賞して当該大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定されるかで、その後の利益が大きく異なってくる。
また、5セット目の大当り遊技の終了後には低確・時短状態が設定され、その後、特図変動回数が100 回に達すると低確・非時短状態に移行されるが、低確・時短状態で、第2始動口11aを遊技球が通過することで行われる特図判定手段34による判定の結果、大当り抽選で当選した場合、再度、当該大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定され、当該大当り遊技を1セット目として、その後、大当り遊技が5セット行われるまで、大当り遊技の終了後に高確・時短状態が設定される。
つまり、低確・時短状態で大当り抽選で当選した場合、新たに、大当り遊技が5セット行われ、合計で約5000個の遊技球を獲得できるため、低確・非時短状態で大当り抽選で当選した場合に、当該大当り遊技が8 R長期開放で行われるか否かと同様、低確・時短状態で大当り抽選で当選するか否かで、その後の利益が大きく異なってくる。
さて、遊技演出に関して、特図変動中に当該図柄変動における大当り期待度を示唆する変動演出が、遊技状態の種類に応じた態様で行われる。通常、低確・非時短状態では図16(1)に示す第1変動演出が行われ、低確・時短状態では図17(1)に示す第2変動演出が行われ、高確・時短状態では図18に示す第3変動演出が行われる。この変動演出により、遊技性、並びに遊技興趣が高められる。
更に、事前判定の結果に基づいて、先読み演出の対象とされた特図判定情報に対して、その特図判定情報の保留消化前から、大当り期待度を示唆する先読み演出である特別変動演出を特図変動中に行うことが可能である。この場合、低確・非時短状態では図16(2)に示す第1特別変動演出を行うことができ、低確・時短状態では図17(2)に示す第2特別変動演出を行うことができる。この特別変動演出(先読み演出)により演出効果(遊技性、遊技興趣)は一層高められる。
ここで、高確・時短状態では、その高確・時短状態が実質次回「大当り」と判定されるまで継続設定され、その間、所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができて、次回の大当り遊技が約束されるため、更に、その次回の大当り遊技の終了後に設定される遊技状態も、最終セット以外の大当り遊技の終了後には高確・時短状態、最終セットの大当り遊技の終了後には低確・時短状態、というように略確定しているため、先読み演出を行う意味は薄い。
つまり、高確・時短状態で先読み演出を行うことは、逆に、遊技者が煩わしく思い、演出効果を低下させる虞がある。一方、高確・時短状態では、次回「大当り」と判定されるまでの時間を短縮し、要するに遊技のスピード化を図りたいという要請があり、そこで、図13(3)に示すように、第2特図表示器19bでの図柄変動時間を一層短縮し、即ち第2特図判定情報の保留消化を一層高速で実現したが、そうとすれば、先読み演出を判り易く行うことが困難になり、この観点からも、先読み演出を行う意味は薄くなる。
そこで、本発明では、前記のように、低確・非時短状態又は低確・時短状態では所定の実行確率で先読み演出である特別変動演出を実行させるが、高確・時短状態では先読み演出を実行させないようにし、こうして、先読み演出を適切に効果的に行い、演出効果(遊技性、遊技興趣)を一層高めることができる。
高確・時短状態では、次回「大当り」と判定されるまでの時間を短縮し、要するに遊技のスピード化を図りたいという要請のもと、変動演出を単純な演出とし、更に、先読み演出を行わないようにすることで、特図変動時間を一層短縮し、即ち特図判定情報の保留消化を一層高速で実現するうえで有利に機能するが、遊技者は次回「大当り」と判定されるのを遊技演出によって興趣を高められずに単に待つだけとなる。
そこで、本発明では、高確・時短状態では、図柄変動毎に単数又は複数の付与ポイントを加算して記憶し、高確・時短状態で当選して大当り遊技が行われた場合、当該大当り遊技が行われているときに、記憶されている総合ポイントに応じた称号を表示させることで、当該大当り遊技が行われるまでの遊技実績を反映した特殊演出を行い、演出効果(遊技性、遊技興趣)を高めることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施が可能であり、本発明については、実施例で開示した所謂セットもの機種以外に、所謂リミッタ機、また、セットもの機種やリミッタ機以外の種々のパチンコ遊技機等の遊技機に適用可能である。