JP5483090B2 - 移動体位置検出システムおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、移動体位置検出システムおよび方法に関するものである。
従来、平面上に配置したパターン(模様)を利用して、平面上を移動する移動体の位置の検出を行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
これに対し、本発明者内の一部を含む発明者らは、既に特願2008−274680号および特願2008−274681号の移動体位置検出システムを提案している。
この移動体位置検出システムは、図17および図18に示すように、既知のドットパターン3が描画してある床面2上に配置した移動体4から床面2を撮像し、撮像した画像中にあるドット5のドットパターン3の特徴量を、床面2全体のドットパターン3の特徴量が格納されたデータベース6と照合することで、撮像した画像中のドットが床面2上のどのドットに相当するのかを割り出し、床面2上における移動体4の位置を検出するものである。
一方、カメラによる撮像位置および方向を判別する技術として、スウェーデンのアノト社が開発したデジタルペン技術が知られている(関連文献として特許文献1がある)。これは、図19に示すように、ユニークなドットパターン80が印刷された紙とカメラ81内蔵のペン82を用い、文字を書く際のペン先83の紙面上での位置を検出し、これをデジタルデータとして記録するものである。ドットパターン80は、XY位置座標値を符号化パターンにしたものであり、逆に符号化パターンを復元することでXY座標値を得ることができる。ただし、この技術は、規定のコードを表現するドットパターン80を正確に描く必要があり、自然発生的なドットパターンを利用した位置検出はできないという問題がある。
また、図20に示すように、2次元情報がコード化された模様84を平面85上に描画し、それをカメラ86で読み取って位置を検出する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。この技術は、数種類の図形でパターンを描画することが前提となっており、デザイン上の制約がある。例えば、ドットのみでパターンを構成することはできない。
また、宇宙空間で宇宙機87の姿勢同定に使われる機器(スターセンサー)に用いる撮像恒星点群の恒星配置図88(スターマップ)への照合アルゴリズムとして、ポールスターアルゴリズムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。図21に示すように、スターセンサーは、宇宙機87に搭載されたカメラで天空89を撮像し、撮像領域の恒星点の配列を既知のスターマップ88と照合することによりカメラの向いている姿勢を特定するセンサーである。恒星の配置は自然発生的であり必ずしも均一に点は分布していないが、ポールスターアルゴリズムは、このような対象に対する照合に有効である。
このポールスターアルゴリズムは、平面上にランダムに広く点が分散しているとき、一部分の点分布から、その部分の平面上の位置を特定する方法である。このアルゴリズムの概略の処理手順は、図22に示すように、画像取得して画像中の点にラベリングをし(ステップS1)、この画像点群を用いてポールスター照合を行い(ステップS2)、星点候補群について多角形照合を行って(ステップS3)、カメラ姿勢の計算をする(ステップS4)という手順である。
ここで、ステップS2のポールスター照合においては、平面上の任意の点を中心として規定半径の円内に存在する周辺点までの直線は、複数存在するが、その複数の直線の長さの組み合わせは、その中心点に関して特有のものであることを利用している。このような各点周辺の点分布を表す特徴量をポールスター特徴量として定義する。この特徴量に関するデータベースは、図23に示すステップS5〜S8の処理により、オフラインで事前に作成しておく。
そして、取得画像中の各画像点のポールスター特徴量をデータベースと照合することで照合星点(データベース点)候補を求める。ステップS3の多角形照合においては、画像点を結んで作った多角形による照合により照合候補点群から幾何学的な関係が画像点群と整合性のある候補を選別する。そして、ステップS4において、残った画像点群と照合点群の座標値の組み合わせから撮像カメラ姿勢・位置を計算する。
次に、図23の各ステップの処理内容について、図24〜図29を参照しながら具体的に説明する。
(1)ポールスター特徴量の計算(ステップS6)
図24に示すように、ある点(Pn)を中心として規定の分布半径R内に存在する周辺点までの直線の長さ(以下、アーム長という。)を求め、アーム長を単位長さDで分割してインデックス化する(以下、アーム長インデックスという。)。
ai=fix(ri/D)+1
amax=fix(R/D)+1
ここで、ri:アーム長、ai:アーム長インデックス、D:インデックス単位長さ、R:分布半径、amax:最大アーム長インデックスである。また、fixは小数点以下を切り捨てて整数値を返す演算子である。
アーム長インデックスの組み合わせをその点周辺の点分布を表す特徴量(以下、ポールスター特徴量という。)とする。ここで、中心点に対して同一のアーム長インデックスが複数計算されても、ポールスター特徴量としてのアーム長インデックス列は変わらない。
(2)ポールスターデータベースの作成(ステップS7〜S8:オフライン)
対象とする点(以下、データベース点という。)全てについて、上記の(1)のポールスター特徴量を計算し、ルックアップテーブルとして整理し蓄積する(ステップS7)。
ルックアップテーブルは、図25に示すように、1〜amaxの各アーム長インデックスに対して、そのアーム長インデックスをポールスター特徴量中にもつデータベース点を羅列することで整理した表である。
(3)ポールスター照合(ステップS2:オンライン)
カメラで画像を取得し、取得した画像中の各点(以下、画像点という。)の位置を抽出する。図26に示すように、取得画像の画像点についてポールスター特徴量を計算する。
画像点のポールスター特徴量中の各アーム長インデックスについて、図25のルックアップテーブルを使って、図27に示すように、そのアーム長インデックスをもつデータベース点(複数)を調べる。
また、図28に示すように、各データベース点(P1〜Pmax)に対応したカウンタを用意し、上記の処理でデータベース点が出てくる毎に対応する点のカウンタをインクリメントする。
最大カウンタ値をとる点が画像点に対応する照合点候補となる。各画像点のポールスター特徴量について同様の処理を行うことで各画像点に対する照合点候補が求められる。カウンタには下限を設定し、最大カウンタ値がこの下限以下の場合には、当該の画像点に関して照合不能とし、その画像点は以降の照合の対象から除く。
(4)多角形照合(ステップS3:オンライン)
上記の(3)で得られた各画像点に対応するデータベース点に対して、図29に示すように、いくつかの画像点を結んで作った多角形と、それらの画像点に対応するデータベース点を結んで作った多角形とが一致する点の組み合わせを選ぶことで、一致確度の高い画像点とデータベース点の組み合わせを求める。図29においては、1、3、4、7の点の組が最終的に照合されている。
(5)カメラ姿勢計算による位置・方向の算出(ステップS4:オンライン)
上記の(4)で得られた3点以上の画像点と照合点のXY座標値の組み合わせから、カメラの姿勢(位置・方向)を求める。
特開2006−141061号公報 特開2008−52403号公報
E. SILANI, M. LOVERA : Ploitecnico di Milano Italy, "Star Identification Algorithms : Novel Approach & Comparison Study", IEEE Transactions on Aerospace and Electronic Systems, Vol.42, No.4 October 2006
ところで、上記の従来の移動体位置検出システムの平面上の点群照合のアルゴリズムとして上記のポールスターアルゴリズムをそのまま適用すると、誤った点と照合する問題(以下、誤照合という。)、照合ができない問題(以下、照合不能という。)、多くの点と照合して特定できない問題(以下、多照合という。)が発生するおそれがある。このような照合不良は、上記のスターマップ照合と平面上の点群照合の前提条件の違いにより引き起こると考えられる。これら照合の前提条件およびその違いは以下のとおりである。
[スターマップ照合の前提条件]
(1)レンズの歪やカメラの姿勢に起因する撮像面上の恒星点間の相対的位置関係の変動は極めて少ない。
(2)上記の(1)により、恒星点の位置を画像中で極めて細かい分解能で計算できる。
(3)スターマップ中の恒星点数(データベース点)は、等級(輝度を表す)により選別でき、おおよそ数千程度である。
[平面上の点群照合の前提条件]
(1)広角レンズを用いるためレンズ歪が大きく、かつ、点群のある平面までの対物距離が短いため、カメラ姿勢変動による点間の相対的位置関係の変動は無視できないほど大きい。
(2)処理速度の向上を図るため、撮像解像度を高くできないとともに、上記の(1)により、点位置を細かい分解能で算出できない。
(3)点群数(データベース点)は、対象とする平面の広さによるが、約20平米程度で数万個とスターマップに比べて多い。
上記の(1)の条件の違いにより、誤照合および照合不能の問題が発生し、上記の(2)、(3)の条件の違いにより、多照合の問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ポールスターアルゴリズムを用いた際の照合不良を起こし難くして、検出の信頼性を確保した移動体位置検出システムおよび方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る移動体位置検出システムは、平面上を移動する移動体の位置を検出する移動体位置検出システムであって、前記平面上に配置された複数のドットからなるドットパターンと、前記移動体に備えられ、前記移動体が位置する平面上の領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により取得した画像中のドットと、このドットに対応するポールスターアルゴリズムのポールスターデータベース中のドットとの間の誤差を吸収するための尤度を設定したポールスター特徴量を用いてポールスター照合を行うポールスター照合手段と、前記ポールスター照合手段により照合された照合ドット候補から所定の照合ドットに絞り込む絞り込み手段と、前記絞り込み手段により絞り込んだ所定の照合ドットからなるドットパターンの位置関係に基づいて、前記移動体の現在位置および方向を検出する検出手段と、を備え、前記絞り込み手段は、前記ポールスター照合手段により照合された照合ドット候補について照合ドット候補が存在する所定の共通領域を求め、前記共通領域内に存在する照合ドットに絞り込む処理を含むことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る移動体位置検出システムは、上述した請求項1において、前記ポールスター照合手段は、前記ポールスターデータベースにおける照合範囲を複数の領域に分割してこの各領域でポールスター照合を行い、照合率が最大となる領域を求めることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る移動体位置検出方法は、平面上を移動する移動体の位置を検出する移動体位置検出方法であって、前記平面上には複数のドットからなるドットパターンが配置され、前記移動体には前記移動体が位置する平面上の領域を撮像する撮像手段が備えられ、前記撮像手段により取得した画像中のドットと、このドットに対応するポールスターアルゴリズムのポールスターデータベース中のドットとの間の誤差を吸収するための尤度を設定したポールスター特徴量を用いてポールスター照合を行い、照合された照合ドット候補について照合ドット候補が存在する所定の共通領域を求め、前記共通領域内に存在する所定の照合ドットに絞り込み、絞り込んだ所定の照合ドットからなるドットパターンの位置関係に基づいて、前記移動体の現在位置および方向を検出することを特徴とする。
本発明によれば、平面上を移動する移動体の位置を検出する移動体位置検出システムであって、前記平面上に配置された複数のドットからなるドットパターンと、前記移動体に備えられ、前記移動体が位置する平面上の領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により取得した画像中のドットと、このドットに対応するポールスターアルゴリズムのポールスターデータベース中のドットとの間の誤差を吸収するための尤度を設定したポールスター特徴量を用いてポールスター照合を行うポールスター照合手段と、前記ポールスター照合手段により照合された照合ドット候補から所定の照合ドットに絞り込む絞り込み手段と、前記絞り込み手段により絞り込んだ所定の照合ドットからなるドットパターンの位置関係に基づいて、前記移動体の現在位置および方向を検出する検出手段と、を備える。このため、ポールスターアルゴリズムを用いた際の照合不良を起こし難くして、検出の信頼性を確保することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る移動体位置検出システムの実施例を示す構成図である。 図2は、ドットパターンと取得画像の一例を示す図である。 図3は、取得画像から位置を検出する概念を説明する図である。 図4は、本発明の実施例1を示すフローチャート図である。 図5は、本発明の実施例2を示すフローチャート図である。 図6は、照合点存在領域を説明する図である。 図7は、本発明の実施例3を示すフローチャート図である。 図8は、照合床エリアの分割を説明する図である。 図9は、本発明の実施例4を示すフローチャート図である。 図10は、従来の在庫ロケーション管理(1)を示す平面図である。 図11は、従来の在庫ロケーション管理(2)、(3)を示す側面図である。 図12は、従来の在庫ロケーション管理(2)、(3)を示す平面図である。 図13は、従来の在庫ロケーション管理(2)、(3)を示す平面図である。 図14は、本発明に係る移動体位置検出システムを在庫ロケーション管理に応用した場合の斜視図である。 図15は、本発明に係る移動体位置検出システムを在庫ロケーション管理に応用した場合の平面図である。 図16は、本発明に係る移動体位置検出システムを在庫ロケーション管理に応用した場合の斜視図である。 図17は、従来の移動体位置検出システムの概略構成図である。 図18は、従来の移動体位置検出システムのドットパターンと取得画像の一例を示す図である。 図19は、従来のデジタルペン技術を示す図である。 図20は、従来のコード化された模様による位置検出技術を示す図である。 図21は、従来の宇宙機の姿勢同定に使われるスターセンサー技術を示す図である。 図22は、従来のスターセンサー技術に用いられるポールスターアルゴリズムの要部フローチャート図である。 図23は、従来のスターセンサー技術に用いられるポールスターアルゴリズムのフローチャート図である。 図24は、ポールスター特徴量を説明する図である。 図25は、ルックアップテーブルを示す図である。 図26は、画像点のポールスター特徴量を説明する図である。 図27は、アーム長インデックスとデータベース点の対応を示す図である。 図28は、ルックアップテーブルを使った照合を説明する図である。 図29は、多角形照合の概念を説明する図である。 図30は、ポールスタービットを説明する図である。 図31は、ポールスターデータベース行列の作成を説明する図である。 図32は、ポールスター特徴量とポールスタービットを説明する図である。 図33は、ポールスターデータベース行列による演算式を示す図である。 図34は、尤度を±1と設定した場合のポールスターデータベースを説明する図である。 図35は、画像点と対応する照合点候補を説明する図である。 図36は、imgArmLsMtxを示す図である。 図37は、flrArmLsMtxを示す図である。 図38は、ソースコードの一例を示す図である。 図39は、mchArmLsMtxを示す図である。 図40は、列方向の和算の繰り返しを説明する図である。 図41は、残った画像点群−データベース点群の組を示す図である。 図42は、位置・方向を求める行列演算式を示す図である。 図43は、アドレス行列の作成を説明する図である。 図44は、照合率の計算を説明する図である。
以下に、本発明に係る移動体位置検出システムおよび方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本発明に係る移動体位置検出システム10は、建物内の床面(平面)12上に配置されたドットパターン14と、移動体16に備えられ、移動体16とともに床面12上を移動する移動体位置検出装置18とから構成されている。ここで、移動体16とは、例えば搬送台車、ロボット、人間等である。ドットパターン14は、印刷や描画等の手段によって床面12上にランダムに配置されている。
移動体位置検出装置18は、移動体16が位置する床面12上の領域を撮像する撮像手段20と、ポールスター特徴量格納手段22と、ポールスター照合手段24と、絞り込み手段26と、撮像手段20によって撮像した画像に基づいて移動体16の位置を検出する検出手段28と、を備える。
撮像手段20は、CCDカメラ等の画像取得装置である。撮像手段20は移動体16に固定されており、移動体16とともに移動しながら、移動体16の位置する床面12上の領域を所定の時間間隔で撮像し、図2に示したような画像を取得する。本実施の形態では、高速度カメラを用いて、例えば10ms程度の時間間隔で画像を取得している。また、図1に示すように、撮像手段20と床面12との間の距離は数センチメートルであり、照明30を用いることで、外乱光の影響の少ない画像を取得することができる。
ポールスター特徴量格納手段22は、図3に示すように、移動体16の検出を行う前に、床面12上のドットパターン14におけるすべてのドット32のポールスター特徴量を予め算出し、これをポールスターデータベース34に格納するためのものである。
ポールスター照合手段24は、取得画像中の複数のドット32から所定のドット32aを選択し、ドット32aや周辺に位置する複数のドット32b〜32b等から得られるポールスター特徴量を、予め作成したポールスターデータベース34と照合するためのものである。
ここで、このポールスター照合手段24は、尤度を設定したポールスター特徴量を用いて、ポールスター照合を行うものである。ここで、この尤度は、撮像手段20により取得した画像中のドットと、このドットに対応するポールスターアルゴリズムのポールスターデータベース34中のドットとの間の誤差を吸収するためのものである。
絞り込み手段26は、ポールスター照合手段24により照合された照合ドット候補から所定の照合ドットに絞り込むためのものである。
検出手段28は、絞り込み手段26により絞り込んだ所定の照合ドットからなるドットパターンの位置関係に基づいて、移動体16の床面12上での現在位置および方向を検出するというものである。
以下に、本発明の実施例1〜4について説明する。
[実施例1]
図4に示すように、本発明の実施例1は、画像取得して画像中の点にラベリングをし(ステップS11)、この画像点群を用いてポールスター照合手段24で尤度を導入したポールスター照合を行い(ステップS12)、照合床点候補群について絞り込み手段26で点群相互間距離の組み合わせの照合を行って(ステップS13)、検出手段28でカメラ位置・方向の計算をし(ステップS14)、照合率による確認をする(ステップS15)という手順である。
次に、実施例1の具体的な処理手順について図30〜図44を参照しながら説明する。
(1)ポールスター特徴量のビット表現
図30に示すように、ポールスター特徴量をビットで表現したポールスタービットを作成する。
(2)ポールスターデータベース行列(以下、PSD行列という。)の作成
図31に示すように、各データベース点(P1〜Pmax)のポールスター特徴量を計算する。それぞれビット表現して縦方向に並べることで、PSD行列を作成する。
(3)画像点のポールスター照合
図32に示すように、ある画像点についてポールスター特徴量を計算する。
次に、前述のPSD行列を用いて、図33に示すような演算を行う。各データベース点と注目している画像点のアーム長インデックスの一致数が一致アームカウンタとして計算される。一致アームカウンタの中で、最大値をとる要素が、照合点となる。
(4)尤度の追加
実際の各画像点には誤差があるので、ポールスター特徴量のアーム長インデックスもポールスターデータベース中の対応データベース点とは異なっている。この誤差を吸収するために、ポールスターデータベースに尤度(幅)を持たせる。
例えば、図34に示すように、PSD行列の各データベース点のポールスタービットに対して1に隣接する左右のビットに尤度に応じた幅の1を設定することで実現する。
このことにより、誤差は吸収され、誤差のために画像点のポールスタービットの1の位置が尤度範囲内でずれたとしても、一致アームカウンタの対応するデータベース点の位置に正照合時と同じアーム長インデックス一致数が出力される。ただし、アーム長インデックスの一致は全体として増加するため、最大一致数をとるデータベース点が正しい対応データベース点以外に複数あらわれることが考えられる。
(5)ポールスター照合後の絞込み
データベースによる照合時点では、一つの画像点に対して複数のデータベース点が照合する可能性がある。また、ゴミや点の消失などがあると照合したデータベース点の中には間違えが紛れ込んでいる可能性もある。そこで、正しく対応している画像点群とデータベース点群の間では、任意の2つの画像点の距離とその画像点に対応する2つのデータベース点の距離は一致することを利用して、多くの照合点候補から正しい照合点を絞り込む。
(5−1)画像点群データとデータベース点群データの準備
図35に示すように、データベース点候補と画像点が一対一となるように画像点群データとデータベース点群データを準備する。
画像点は、データベース点候補に対応して設定する。つまり、1つの画像点に複数のデータベース点候補があった場合には、画像点も同一の画像点をデータベース点候補に対応して複数設ける。
画像点間の相互距離を計算して、図36に示すような行列imgArmLsMtxが得られる。また、対応する照合データベース点間の相互距離を計算して、図37に示すような行列flrArmLsMtxが得られる。ここで、各要素は、行に相当する点と列に相当する点の間の距離を表す。ただし、同一の画像点に対応したデータベース点間の距離はNAとする。
次に、imgArmLsMtxと、flrArmLsMtxで距離差を求め、尤度の範囲内の場合には要素を1とする。この演算は、例えば、図38に示すようなソースコードを用いて行うことができる。なお、NAの要素については、0とする。この演算により、図39に示すような行列MchArmLsMtxが得られる。
図40に示すように、MchArmLsMtxを列方向に和算すると、各データベース点についてそれを起点とした他のデータベース点までの距離が、対応する画像点と他の画像点までの距離と一致した数が算出される。行列の中で、距離の一致数が最も少ない行および列を削除する。
再度、列方向に和算すると、残ったデータベース点に対して同様の一致数が計算される。この操作を全ての一致数が等しくなるまで繰り返す。
画像点間相互距離と対応するデータベース点間相互距離が全て一致する場合には、一致数は、点数−1となり、残った画像点群とデータベース点群の組は、それぞれの点群の相対位置関係が幾何学的に一致していると考えられる。なお、これは鏡映関係の場合も含む。
(6)カメラ位置・方向の算出
図41に示すように、画像点群と床点群の座標値を用いてカメラの位置・方向を算出する。図42に示すような演算式から、床座標系からみた画像座標原点の位置・方向が求められる。
画像点群の位置・方向からの移動体の位置および方向は、以下の演算式により算定することができる。
位置=[x,y]
方向θ=tan−1((−c1×c2/s1×s2)1/2
(7)照合率の計算
(ア)アドレス行列の作成(オフライン)
図43に示すように、事前に床を升目状のブロックにエリア分割し、ブロック単位でアドレスを振る。各アドレスでの点の有無を調べて、アドレスに対応した行列(以下、アドレス行列という。)を用意し、アドレスでの点が有る場合には1を、ない場合には0を代入しておく。
(イ)照合率
図44に示すように、求められた移動体位置・方向を元に、画像中の画像点全てを床座標系へ座標変換する。変換された座標に対応するアドレス行列に点が存在する割合を求めて、照合率とする。
このため、本発明の実施例1によれば、点分布照合に幅を持たせることで照合過程で正しい照合が排除されることを防ぎ、従来のアルゴリズムで発生するおそれがある誤照合や照合不能といった照合不良を起こし難くすることができる。また、取得画像中の点群相互間距離と床の照合点候補群相互間距離がすべて一致する組み合わせを求める手法により、画像点群と床照合点群の組を抽出し、多照合といった照合不良を起こし難くすることができる。
また、照合結果としてのカメラ位置方向検出値を使って、画像中の全点(画像座標系)を床座標系へ座標変換し、各点の座標位置に対応したアドレス行列の要素が1である割合(=照合率)を算出する。この割合が規定以下の場合には不確実な検出として排除することで、出力値の信頼性を確保することができる。
また、本発明では自然発生的なランダム点群パターンを位置検出に利用できるため、以下の(1)、(2)の効果が見込まれる。
(1)チップ材混入による床パターンへの応用
工場などで利用が多い塗り床のように、床上への印刷が困難、あるいは、コストがかかるものに対しても、塗り床材にチップを混入することによりランダム点群パターンを作成することで、位置検出用の床として利用することが可能となる。また、床タイルについても、製造工程の中でチップ材を混入し表面にランダム点群パターンを作成することができるタイプのものがあるが、こういったタイプの床タイルにも適用可能となる。
(2)広い床への対応
一般にタイル印刷の場合には、印刷の版の種類が限定的になるため、広い範囲で異なる点分布パターンを実現することは困難である。自然発生的なランダム点群パターンでは、類似性のない点分布が広い範囲で実現できるため、広い床における位置検出に対応することができる。
[実施例2]
本発明の実施例2は、正しい候補点群は、撮像中の点分布の範囲に収まって分布していることを利用して、正しい候補点のあるデータベース中の床領域を絞り込むものである。
具体的の処理手順としては、図5に示すように、本発明の実施例2は、画像取得して画像中の点にラベリングをし(ステップS21)、この画像点群を用いてポールスター照合手段24で尤度を導入したポールスター照合を行い(ステップS22)、照合床点候補群1について絞り込み手段26で床点分布可能エリアの計算を行い(ステップS23)、各分布可能エリアを求め(ステップS24)、分布可能エリア内の床点を抽出する(ステップS25)。
そして、照合床点候補群2について絞り込み手段26で点群相互間距離の組み合わせの照合を行って(ステップS26)、検出手段28でカメラ位置・方向の計算をし(ステップS27)、照合率の計算と最大照合率エリアの抽出を行って(ステップS28)、最大照合率のエリアのカメラ位置・方向を求め(ステップS29)、最大照合率の確認をする(ステップS30)という手順である。
つまり、絞り込み手段26が、ポールスター照合手段24により照合された照合ドット候補について照合ドット候補が存在する所定の共通領域を求め、共通領域内に存在する照合ドットに絞り込む処理を含むようにしたものである。
ところで、上記の実施例1の処理では、場合によっては、多照合による必要な計算メモリが増大する可能性が考えられる。つまり、取得画像中の画像点数が少ない、あるいは、画像点の点分布が一様に近い場合には、ポールスター特徴量を構成するアーム長インデックスの数が少ないケースなどが発生する。この場合、データベースの多くの点が照合候補となるため、多くの計算メモリが必要となり、実質上計算の継続が困難になる場合があった。
そこで、この実施例2の処理においては、正しい候補点群は、撮像中の点分布の範囲に収まって分布していることを利用して、正しい候補点のあるデータベース中の床領域を絞り込む。任意の画像点を中心とし、それと最も遠い距離にある画像点までの直線を半径とする円内に、他の画像点が存在している。このとき、対応するデータベース点についても同様の関係が成り立つことを利用して、対応するデータベース点の存在する領域を求め、照合候補データベース点をその領域内のものに制限することで絞り込みを行う。このようにすることで、上記の実施例1の課題を解決することができる。
[照合点存在共通領域]
例えば、図6に示すように、画像点C1を中心として最も遠い距離にある点はC4であり、その距離がRだったとすると、C1に対応するデータベース点f1を中心として半径Rの円内に他画像点に対応するデータベース点は存在する。したがって、各画像点に対して、同様の他点群存在範囲半径を求め、対応する各照合候補データベース点を中心とした円を描き、その和領域を照合点存在領域とすると、正しく対応する点群は、各画像点に対する照合点存在領域の重なりが最も多く重なっている領域(=照合点存在共通領域)に入っている。
ステップS22のポールスター照合+尤度の処理後の照合点候補についてこの共通領域を求め、共通領域内に存在する点に絞り込むことで、照合点候補を大幅に削減することができる。
[重なり数の設定]
また、ゴミ点が画像点に紛れ込んでいる場合には、誤った照合点存在領域があるため、最大の重なり領域では、正しい対応データベース点が排除される可能性があるため、照合点存在共通領域とする最小の重なり数は、画像点数から混入するであろうゴミの数を引いた数より小さく設定する。
[複数共通領域の取り扱い]
照合点存在共通領域は、複数存在する可能性がある。その場合には、各領域について個別に照合候補点群を求め、照合率の計算を行う。最後に各領域での照合率の計算結果から、最も照合率の高い領域の照合点群を答えとする。
この実施例2によれば、多照合により必要な計算メモリの増大を抑えることができるために、以下の効果を奏することができる。
(1)広い床範囲を対象とした位置検出が可能となる。
(2)比較的位置誤差の大きな画像点入力でも位置検出が可能となる。
(3)画像分解能が低いカメラでも位置検出が可能となる。
[実施例3]
本発明の実施例3は、照合するデータベースの床エリアをあらかじめ分割し、その分割エリア内での照合を行うものである。全分割エリアの照合後、計算された各分割エリアでの照合率を元に、最も照合率の高いエリアの結果を正しい答えとして出力する。
具体的の処理手順としては、図7に示すように、画像取得して画像中の点にラベリングをし(ステップS31)、ポールスター照合手段24で探索床エリアを分割するとともに(ステップS32)、各探索エリアについて尤度を導入したポールスター照合を行う(ステップS33、S34)。
そして、照合床点候補群2について絞り込み手段26で点群相互間距離の組み合わせの照合を行って(ステップS35)、照合率の計算と最大照合率エリアの抽出を行って(ステップS36)、検出手段28で最大照合率のエリアのカメラ位置・方向を求め(ステップS37)、最大照合率の確認をする(ステップS38)という手順である。
つまり、ポールスター照合手段24が、ポールスターデータベース34における照合範囲を複数の領域に分割してこの各領域でポールスター照合を行い、照合率が最大となる領域を求めるものである。
ところで、上記の実施例1の処理では、場合によっては、多照合による必要な計算メモリが増大する可能性が考えられる。つまり、取得画像中の画像点数が少ない、あるいは、画像点の点分布が一様に近い場合には、ポールスター特徴量を構成するアーム長インデックスの数が少ないケースなどが発生する。この場合、データベースの多くの点が照合候補となるため、多くの計算メモリが必要となり、実質上計算の継続が困難になる場合があった。
しかしながら、この実施例3の処理においては、照合するデータベースの床エリアをあらかじめ分割し、その分割エリア内での照合を行い、全分割エリアの照合後、計算された各分割エリアでの照合率を元に、最も照合率の高いエリアの結果を正しい答えとして出力するので、上記の実施例1の課題を解決することができる。
[照合床エリアの分割]
図8に示すように、対象とする照合床エリアを適当な大きさに分割する。例えば、画像視野の25倍くらいの大きさとする。
[照合および結果]
各照合床分割エリアで、ポールスター照合+尤度および点群相互間距離組み合わせ照合を行い、照合率を計算する。最大の照合率を得た領域の検出値を答えとする。
この実施例3によれば、多照合により必要な計算メモリの増大を抑えることができるために、以下の効果を奏することができる。
(1)広い床範囲を対象とした位置検出が可能となる。
(2)比較的位置誤差の大きな画像点入力でも位置検出が可能となる。
(3)画像分解能が低いカメラでも位置検出が可能となる。
[実施例4]
本発明の実施例4は、上記の実施例3の照合床エリアの分割と、実施例2の点群存在共通領域の絞り込みを組み合わせた手法であり、上記の実施例1の課題を解決することができる。
具体的な処理手順としては、図9に示すように、画像取得して画像中の点にラベリングをし(ステップS41)、ポールスター照合手段24で探索床エリアを分割するとともに(ステップS42)、各探索エリアについて尤度を導入したポールスター照合を行う(ステップS43、S44)。照合床点候補群1について絞り込み手段26で床点分布エリアの計算を行い(ステップS45)、各分布エリアを求め(ステップS46)、分布エリア内の床点を抽出する(ステップS47)。
そして、照合床点候補群2について点群相互間距離の組み合わせの照合を行って(ステップS48)、検出手段28でカメラ位置・方向の計算をし(ステップS49)、照合率の計算と最大照合率エリアの抽出を行って(ステップS50)、最大照合率のエリアのカメラ位置・方向を求め(ステップS51)、探索エリアでの最大照合率とその時のカメラ位置・方向の保存を行い(ステップS52、S53)、最大照合率の確認をする(ステップS54)という手順である。
つまり、照合床エリアを適切な大きさで分割して、各照合床分割エリアの照合について、尤度を考慮したポールスター照合の後、点群存在共通領域(複数)を計算する。各点群存在共通領域内の照合候補点群について点群相互間距離組み合わせ照合を行い、カメラの位置・方向の計算を実施後、照合率の計算をする。全ての点群存在領域について計算し、当該の照合分割エリアでの最大照合率とその時のカメラ位置・方向とする。これを全ての照合分割エリアについて実施し、最終的に、全ての照合分割エリアで最も照合率の高かったカメラの位置・方向を検出結果とする。
この実施例4によれば、多照合により必要な計算メモリの増大を抑えることができるために、以下の効果を奏することができる。
(1)広い床範囲を対象とした位置検出が可能となる。
(2)比較的位置誤差の大きな画像点入力でも位置検出が可能となる。
(3)画像分解能が低いカメラでも位置検出が可能となる。
次に、本発明の応用例1、応用例2について説明する。本発明に係る移動体位置検出システム10は、病院や工場等における搬送システムに応用可能である。
[本発明の応用例1]
まず、本発明の応用例1として、ロボットを用いた病院デリバリーサービスに応用する場合について説明する。
まず、従来技術の課題について説明する。従来、病院の入院患者が雑誌などの商品を購入したい場合には、通常、患者自身が病院内の売店に移動して購入するが、大型病院においては、患者が居る病室から売店までの距離が遠い場合があり、患者にとって利便性が低い。また、患者が自力で移動できない場合もある。こうした環境下にある患者に対応するために、売店での購入・配達を代行するデリバリーサービスを導入している病院がある。しかし、このような病院においては、サービスに係る人件費が発生したり、サービスを享受できる人数に限りがあり、患者に迅速に配達できないなどの問題があった。
そこで、本発明に係る移動体位置検出システム10をこのデリバリーサービスに応用し、患者に対する新たなサービスを提供する。具体的には、移動体位置検出システム10における移動体16を商品配達ロボットして用い、患者は、病室のベッドサイドに設けた端末機器からデリバリーしたい商品を注文する。すると、売店のロボットは、注文を受けた商品を、端末機器の置かれたベッドサイドまで配達するように移動する。この移動は、例えば、売店から端末機器までの移動ルートを、床面上に描いたドットパターンを用いて端末機器毎に紐付けしておき、所定の端末機器からの注文信号を受けた際に、その所定の端末機器にロボットが自動的に移動するように設定しておくことで可能である。これにより、病室のベッドサイドまでロボットが入って行くことができる。なお、ロボットの移動ルートや移動に関するルールは適宜自由に設定してもよい。
このように、本発明を病院内のデリバリーサービスに適用すると、ロボットを床面に描いたドットパターンで誘導することができる。このため、従来必要であった配達ロボットを誘導するための誘導線を廊下、病室内に敷設する大掛かりな工事は必要なくなる。また、床面に描いたドットパターンで誘導することから、将来的な建物内のレイアウト変更にも柔軟に対応することができる。また、人ではなくロボットが配達することから、従来の病院内のデリバリーサービスに比べて人件費が掛からず、ランニングコストを抑えることができる。さらに、ロボットによる配達距離を短くすることで、リードタイムを短縮でき、患者の満足度を向上することができる。
[本発明の応用例2]
次に、本発明の応用例2として、平倉庫フリーロケーション管理に応用する場合について説明する。
まず、従来技術の課題について説明する。従来、平倉庫において固定棚を用いずにパレット等を保管する場合の在庫ロケーション管理方法として主に以下の技術が知られている。
(1)図10に示すように、床にライン50を引き、エリアを区画して柱52に合わせた柱番号などで保管エリアIDを認識し、荷物と紐付けを行う。
(2)図11に示すように、決められた荷姿の荷物60(パレットなど)に合わせてグリッドを設定し、その天井に固有のIDを発信する超音波発信器62を設置する。フォークリフト70で荷物60をグリッドに置いたときのその天井にある超音波発信器62から発信されるIDを、フォークリフト70に設置したリーダー64でロケーションを読み取り、荷物と紐付けを行う。
(3)上記の(2)と同様であるが、図11に示すように、超音波発信器62でなく床にパッシブ式RFID66を埋め込み、フォークリフト70に設置したリーダー68でIDを読み取る。
しかし、上記の(1)では、エリアには複数の荷物が存在するので、荷物の詳細な位置を迅速に把握することができない。また、人手による作業を伴うので人為的ミスによるロケーションの間違いが発生するおそれがある。
また、上記の(2)、(3)では、図12(a)に示すように、荷物を一定方向に向けて配置する必要がある。荷物60とフォークリフト70に取り付けたリーダー64(68)の位置に差があるためである。図12(b)に示すように、横から置くと超音波発信器62やRFID66の位置とリーダー64、68に位置ずれが生じ対応できなくなる。さらに、図13(a)に示すように、荷物の荷姿が同じ形態でなければならず、図13(b)に示すように、超音波発信器62やRFID66の配置に対して、異なる寸法のパレットの混在やパレットとカゴ車など別の種類の荷物には対応できない。
そこで、本発明に係る移動体位置検出システム10をこの平倉庫フリーロケーション管理に応用する。具体的には、図14および図15に示すように、移動体位置検出システム10における移動体16をフォークリフト70や人として、カメラ(撮像手段20)をこれらに取り付ける。一方、床面または天井面にドットパターン32を描画して、カメラ20が撮像した画像によりフォークリフト70や人の位置や向きを検出し、平倉庫のどこに荷物を置いたかを自動的に認識する。
また、荷物60の平面中心とカメラ20の距離を予め所定の値に設定しておき、カメラ20の撮像画像によって荷物の中心を認識させることで、図16(a)、(b)に示すように、どの方向からも荷物の位置を認識できるようになり、形態が異なる荷物を様々な方向から平倉庫内に置くことができる。このため、平倉庫の利用態様の自由度が高まり、入出庫作業の効率化が図れる。また、上記の従来技術においては、施工時にパレットの数だけ超音波発信器またはRFIDを設置して、IDとロケーションを登録する必要があったが、これをする必要がなくなる。
以上説明したように、本発明によれば、平面上を移動する移動体の位置を検出する移動体位置検出システムであって、前記平面上に配置された複数のドットからなるドットパターンと、前記移動体に備えられ、前記移動体が位置する平面上の領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により取得した画像中のドットと、このドットに対応するポールスターアルゴリズムのポールスターデータベース中のドットとの間の誤差を吸収するための尤度を設定したポールスター特徴量を用いてポールスター照合を行うポールスター照合手段と、前記ポールスター照合手段により照合された照合ドット候補から所定の照合ドットに絞り込む絞り込み手段と、前記絞り込み手段により絞り込んだ所定の照合ドットからなるドットパターンの位置関係に基づいて、前記移動体の現在位置および方向を検出する検出手段と、を備える。このため、ポールスターアルゴリズムを用いた際の照合不良を起こし難くして、検出の信頼性を確保することができる。
以上のように、本発明に係る移動体位置検出システムおよび方法は、建物内の床面上などの平面上に配置した移動体の位置検出に有用であり、特に、位置検出アルゴリズムとしてポールスターアルゴリズムを用いた際の照合不良を起こし難くして、検出の信頼性を確保するのに適している。
10 移動体位置検出システム
12 床面(平面)
14 ドットパターン
16 移動体
18 移動体位置検出装置
20 撮像手段
22 ポールスター特徴量格納手段
24 ポールスター照合手段
26 絞り込み手段
28 検出手段
30 照明
32 ドット
34 ポールスターデータベース

Claims (3)

  1. 平面上を移動する移動体の位置を検出する移動体位置検出システムであって、
    前記平面上に配置された複数のドットからなるドットパターンと、
    前記移動体に備えられ、前記移動体が位置する平面上の領域を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により取得した画像中のドットと、このドットに対応するポールスターアルゴリズムのポールスターデータベース中のドットとの間の誤差を吸収するための尤度を設定したポールスター特徴量を用いてポールスター照合を行うポールスター照合手段と、
    前記ポールスター照合手段により照合された照合ドット候補から所定の照合ドットに絞り込む絞り込み手段と、
    前記絞り込み手段により絞り込んだ所定の照合ドットからなるドットパターンの位置関係に基づいて、前記移動体の現在位置および方向を検出する検出手段と、
    を備え
    前記絞り込み手段は、前記ポールスター照合手段により照合された照合ドット候補について照合ドット候補が存在する所定の共通領域を求め、前記共通領域内に存在する照合ドットに絞り込む処理を含むことを特徴とする移動体位置検出システム。
  2. 前記ポールスター照合手段は、前記ポールスターデータベースにおける照合範囲を複数の領域に分割してこの各領域でポールスター照合を行い、照合率が最大となる領域を求めることを特徴とする請求項1に記載の移動体位置検出システム。
  3. 平面上を移動する移動体の位置を検出する移動体位置検出方法であって、
    前記平面上には複数のドットからなるドットパターンが配置され、
    前記移動体には前記移動体が位置する平面上の領域を撮像する撮像手段が備えられ、
    前記撮像手段により取得した画像中のドットと、このドットに対応するポールスターアルゴリズムのポールスターデータベース中のドットとの間の誤差を吸収するための尤度を設定したポールスター特徴量を用いてポールスター照合を行い、照合された照合ドット候補について照合ドット候補が存在する所定の共通領域を求め、前記共通領域内に存在する所定の照合ドットに絞り込み、絞り込んだ所定の照合ドットからなるドットパターンの位置関係に基づいて、前記移動体の現在位置および方向を検出することを特徴とする移動体位置検出方法。
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