JP5481976B2 - 高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5481976B2
JP5481976B2 JP2009163334A JP2009163334A JP5481976B2 JP 5481976 B2 JP5481976 B2 JP 5481976B2 JP 2009163334 A JP2009163334 A JP 2009163334A JP 2009163334 A JP2009163334 A JP 2009163334A JP 5481976 B2 JP5481976 B2 JP 5481976B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
strength
steel sheet
hot
rolled steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009163334A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011017061A (ja
Inventor
博士 中田
力 上
欣哉 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2009163334A priority Critical patent/JP5481976B2/ja
Publication of JP2011017061A publication Critical patent/JP2011017061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5481976B2 publication Critical patent/JP5481976B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

本発明は、原油、天然ガス等を輸送するラインパイプ用として、高靭性が要求される高強度電縫鋼管あるいは高強度スパイラル鋼管等の溶接鋼管素材用として好適な、高張力熱延鋼板およびその製造方法に係り、とくに低温靭性の向上に関する。
なお、ここでいう「高強度電縫鋼管」とは、引張り強さTS:760MPa以上(API5L−X100級相当)の高強度を有する電縫鋼管をいうものとする。また、ここでいう「高強度スパイラル鋼管」とは、API5L−X80級以上の高強度を有するスパイラル鋼管をいうものとする。なお、「鋼板」は、鋼板および鋼帯を含むものとする。
近年、石油危機以来の原油の高騰や、エネルギー供給源の多様化の要求などから、北海、カナダ、アラスカ等のような極寒地での石油、天然ガスの採掘およびパイプラインの敷設が活発に行われるようになっている。さらに、パイプラインにおいては、天然ガスやオイルの輸送効率向上のため、大径で高圧操業を行う傾向となっている。パイプラインの高圧操業に耐えるため、輸送管(ラインパイプ)は厚肉の鋼管とする必要があり、厚鋼板を素材とするUOE鋼管が使用され、さらにAPI5L規格のX80あるいはX100といった高強度グレードの鋼管が使用されるようになってきている。しかし、最近では、パイプラインの施工コストの更なる低減という強い要望や、UOE鋼管の供給能力不足などのために、鋼管の材料コスト低減の要求も強く、輸送管として、厚鋼板を素材とするUOE鋼管に代わり、生産性が高くより安価な、コイル形状の熱延鋼板(熱延鋼帯)を素材とした高強度電縫鋼管あるいは高強度スパイラル鋼管が用いられるようになってきた。
これら高強度グレードの鋼管には、ラインパイプの破壊を防止する観点から、同時に優れた低温靭性を保持することが要求されている。このような強度と靭性とを兼備した鋼管を製造するために、鋼管素材である鋼板では、熱間圧延後の加速冷却を利用した変態強化や、Nb、V、Ti等の合金元素の析出物を利用した析出強化等による高強度化と、制御圧延等を利用した組織の微細化等による高靭性化が図られてきた。
例えば、特許文献1には、C:0.01〜0.07%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.0%、Nb,V,Tiの1種または2種以上を含有する鋼を、熱間圧延を完了したのち、20℃/s以上の冷却速度で冷却する加速冷却を施し、250℃以下の温度で巻き取る高強度電縫鋼管用鋼の製造方法が記載されている。しかし、特許文献1に記載された技術では、硬質な低温変態相による強化により高強度化を図るため、250℃以下という極低温での巻取りを必須の要件としている。このため、コイル状に巻取ることが困難となる場合が多く、コイル形状の悪化を招き、生産性が極めて低下するという問題があった。
また、特許文献2には、C、Si、Mn、Nを適正量含有し、さらにSi、MnをMn/Siが5〜8を満足する範囲において含有し、さらにNb:0.01〜0.1%を含有する鋼片を、加熱後、1100℃以上で行う最初の圧延の圧下率:15〜30%、1000℃以上での合計圧下率:60%以上、最終圧延の圧下率:15〜30%の条件下で粗圧延を行ったのち、いったん5℃/s以上の冷却速度で、表層部の温度をAr点以下まで冷却しついで、復熱または強制加熱で表層部の温度が(Ac−40℃)〜(Ac+40℃)となった時点で仕上圧延を開始し、950℃以下での合計圧下率:60%以上、圧延終了温度:Ar点以上の条件で仕上圧延を終了し、仕上圧延終了後2s以内に冷却を開始し、10℃/s以上の速度で600℃以下まで冷却し、600〜350℃の温度範囲で巻き取る高強度電縫鋼管用熱延鋼板の製造方法が記載されている。特許文献2に記載された技術で製造された鋼板は、高価な合金元素を添加することなく、また鋼管全体を熱処理することなく、鋼板表層の組織が微細化され、低温靭性、とくにDWTT特性に優れた高強度電縫鋼管が製造できるとしている。しかし、特許文献2に記載された技術では、板厚が厚い鋼板では、所望の冷却速度を確保できなくなり、所望の特性を確保するためには、さらなる冷却能力の向上を必要とするという問題があった。
また、特許文献3には、C、Si、Mn、Al、Nを適正量含有し、さらにNb:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%を含み、Cu、Ni、Moのうちの1種または2種以上を含有し、Pcm値が0.17以下である鋼スラブを、加熱したのち、表面温度が(Ar3−50℃)以上の条件で仕上圧延を終了し、圧延後直ちに冷却し700℃以下の温度で巻き取る低温靭性および溶接性に優れた高強度電縫管用熱延鋼帯の製造方法が記載されている。
特開昭63−25916号公報 特開2001−207220号公報 特開2004−315957号公報
しかし、最近、高強度溶接鋼管用鋼板には、更なる低温靭性の向上が要求され、さらに優れた低温靭性、優れた溶接熱影響部靭性を具備することが要求されており、特許文献3に記載された技術では、要求される低温靭性を充分に満足することができないという問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、多量の合金元素添加を必要とすることなく、引張り強さTS:760MPa以上の高強度と、優れた低温靭性とを兼備する高強度電縫鋼管用、あるいはX80級以上の高強度と、優れた低温靭性とを兼備する高強度スパイラル鋼管用として好適な、引張強さTS:760MPa以上の高強度と破面遷移温度vTrs:−100℃以下の高靭性と、さらには破面遷移温度vTrs:−40℃以下の優れた溶接熱影響部靭性とを兼備する高張力熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するため、低温靭性に及ぼす各種要因の影響について鋭意研究した。その結果、化学成分を適正範囲に調整した組成としたうえで、熱間圧延と、熱間圧延後の冷却を適正に調整することにより、ポリゴナルフェライト相、マルテンサイト相、パーライト相の生成を抑制し、組織をベイナイト相あるいはベイニティックフェライト相(これらを含めベイナイト単相ともいう)とし、かつ該ベイナイト相中にNb、Vの炭窒化物が所定量以上、分散した組織とすることができ、所望の高強度化と所望の高靭性化をともに確保できることを知見した。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.03〜0.06%、Si:1.0%以下、Mn:1〜2%、Al:0.1%以下、Nb:0.05〜0.08%、V:0.05〜0.15%、Mo:0.10〜0.30%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、表面から板厚の5%までの領域を除いた組織が、主相と7体積%以下の第二相からなり、前記主相がベイニティックフェライト相であり、前記主相中にNbおよびVの炭窒化物がNbおよびVの合計量換算で0.06%以上分散してなる組織であり、引張強さTS:760MPa以上の高強度と破面遷移温度vTrs:−100℃以下の高靭性とを有することを特徴とする高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%でB:0.0050%以下を含有する組成とすることを特徴とする高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.03%以下を含有する組成とすることを特徴とする高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.005%以下、REM:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
(6)(1)ないし(5)のいずれかに記載の組成を有する鋼素材に、加熱したのち、950℃以下の温度域における累積圧下率が45%以上で、仕上圧延終了温度が(Ar変態点−30℃)以上である熱間圧延を施し、該熱間圧延終了後、10s以内に、板厚中央で20℃/s以上の平均冷却速度で550〜650℃の温度域まで冷却する加速冷却処理を施し、該加速冷却処理終了後30s以内の間、空冷する空冷処理を施したのち、コイル状に巻き取り、該巻き取ったコイルをコイル厚さの1/2位置で1℃/s以下の平均冷却速度で放冷することで、表面から板厚の5%までの領域を除いた組織を、主相と7体積%以下の第二相からなり、前記主相がベイニティックフェライト相であり、前記主相中にNbおよびVの炭窒化物がNbおよびVの合計量換算で0.06%以上分散してなる組織とすることを特徴とする高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板の製造方法
本発明によれば、引張り強さTS:760MPa以上の高強度と高靭性とを有する電縫鋼管用の素材として、あるいはX80級以上の高強度と高靭性とを有する高強度スパイラル鋼管用の素材として、好適な、引張強さTS:760MPa以上の高強度と、破面遷移温度vTrs:−100℃以下の高靭性とを有する高張力熱延鋼板を、多量の合金元素添加を必要とすることなく、容易にしかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。
まず、本発明熱延鋼板の製造において使用する鋼素材の組成限定理由について説明する。なお、とくに断らない限り質量%は単に%で記す。
C:0.03〜0.06%
Cは、鋼の強度を上昇させる作用を有する元素であり、本発明では所望の高強度を確保するために、0.03%以上の含有を必要とする。一方、0.06%を超える過剰な含有は、母材靭性および溶接熱影響部靭性を低下させる。このため、Cは0.03〜0.06%の範囲に限定した。
Si:1.0%以下
Siは、固溶強化、焼入れ性の向上を介して、鋼の強度を増加させる作用を有する。このような効果は0.01%以上の含有で認められる。一方、Siは、電縫溶接時にSiを含有する酸化物を形成し、溶接部品質を低下させるとともに、溶接熱影響部靭性を低下させる。このような観点から、Siはできるだけ低減することが望ましいが、1.0%までは許容できる。このようなことから、Siは1.0%以下に限定した。なお、好ましくは0.4%以下である。
Mn:1〜2%
Mnは、焼入性を向上させる作用を有し、焼入性向上を介し鋼板の強度を増加させる。また、Mnは、MnSを形成しSを固定することにより、Sの粒界偏析を防止してスラブ(鋼素材)割れを抑制する。このような効果を得るためには、1%以上の含有を必要とする。一方、2%を超える含有は、スラブ鋳造時の凝固偏析を助長し、鋼板にMn濃化部を残存させ、セパレーションの発生を増加させる。このMn濃化部を消失させるには、1300℃を超える温度に加熱する必要があり、このような熱処理を工業的規模で実施することは現実的でない。このため、Mnは1〜2%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.4〜1.8%である。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましい。一方、0.1%を超える含有は、電縫溶接時の、溶接部の清浄性を著しく損なう。また、Alは鋼中に固溶されると、Siと同様にフェライト相の形成を促進する作用を有する。このようなことから、Alは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.07%以下である。
Nb:0.05〜0.08%
Nbは、オーステナイトの粒界移動を抑制し、オーステナイト粒の粗大化、再結晶を抑制する作用を有する元素であり、熱間仕上圧延におけるオーステナイト未再結晶温度域圧延を可能にするとともに、オーステナイト未再結晶温度域直上での粗大粒の発生を防止する効果を有する。また、Nbは炭窒化物(析出物)として微細析出することにより、溶接性を損なうことなく、少ない含有量で熱延鋼板を高強度化する作用を有する。このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.08%を超える過剰な含有は、熱間仕上圧延中の圧延荷重の増大をもたらし、熱間圧延が困難となる場合がある。このため、Nbは0.05〜0.08%の範囲に限定した。
V:0.05〜0.15%
Vは、Nbと同様に、炭窒化物(析出物)として微細析出することにより、溶接性を損なうことなく、少ない含有量で熱延鋼板を高強度化する作用を有する。このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.15%を超える過剰な含有は、溶接性を低下させる。このため、Vは0.05〜0.15%の範囲に限定した。
Mo:0.10〜0.30%
Moは、焼入性を向上させるとともに、炭窒化物(析出物)を形成して鋼板を高強度化する作用を有する元素であり、このような効果を得るためには0.10%以上の含有を必要とする。一方、0.30%を超える多量の含有は、溶接性を低下させる。このため、Moは0.10〜0.30%に限定した。
上記した成分が、基本の成分であるが、本発明ではこれら基本の組成に加えてさらに、Cr:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Ti:0.03%以下、および/または、B:0.0050%以下、および/または、Ca:0.005%以下、REM:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有できる。
Cr:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Cr、Ni、Cuは、いずれも焼入れ性を向上させ、鋼板の強度を増加させる元素であり、必要に応じて1種または2種以上を選択して含有できる。
Crは、焼入性の向上を介して、鋼板の強度を増加させる。このような効果は、0.05%以上の含有で顕著となる。一方、0.5%を超える過剰の含有は、抵抗溶接時に溶接欠陥を多発させる傾向となる。このため、Crは0.5%以下に限定することが好ましい。
Niは、焼入性を向上させるとともに、鋼板の靭性をも向上させる作用を有する元素であり、このような効果を得るためには、0.05%以上含有することが望ましい。一方、0.5%を超える多量の含有は、溶接性を低下させるとともに、材料コストの高騰を招く。このため、Niは0.5%以下に限定することが好ましい。
Cuは、焼入れ性を向上させるとともに、固溶強化あるいは析出強化により鋼板の強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.05%以上含有することが望ましいが、0.5%を超える含有は熱間加工性を低下させる。このため、Cuは0.5%以下に限定することが好ましい。
Ti:0.03%以下
Tiは、窒化物を形成し、Nを固定してスラブ(鋼素材)割れを防止する作用を有するとともに、高温における結晶粒の粗大化を防止する作用も有する元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには、0.005%以上含有をすることが好ましいが、0.03%を超えて多量に含有すると、溶接熱影響部靭性が低下する。このため、Tiは0.03%以下に限定することが好ましい。
B:0.0050%以下
Bは焼入性向上を介して鋼の強度を増加させる元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには、0.0001%以上含有することが好ましいが、0.0050%を超える含有はかえって靱性を低下させる。
Ca:0.005%以下、REM:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種
Ca、REMはいずれも、展伸した粗大な硫化物を球状の硫化物とする硫化物の形態制御に寄与する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。このような効果を得るためには、0.0005%以上含有することが望ましいが、0.005%を超える多量の含有は、鋼板の清浄度を低下させる。このため、Ca、REMはいずれも0.005%以下に限定することが好ましい。
上記した成分以外の、残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
なお、不可避的不純物としては、P:0.02%以下、S:0.005%以下、N:0.008%以下が許容できる。
鋼素材の製造方法としては、上記した組成の溶鋼を転炉等の常用の溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法でスラブ等の鋼素材とすることが好ましいが、本発明では、これに限定されることはない。
上記した組成の鋼素材を、好ましくは1100〜1300℃に加熱する。
加熱温度が1100℃未満では、変形抵抗が高く圧延負荷が増大し圧延能率が低下する。一方、加熱温度が1300℃を超えて高温になると、結晶粒が粗大して低温靭性が低下するうえ、スケール生成量が増大し表面性状が低下する恐れがある。このため、熱間圧延における加熱温度は1100〜1300℃とすることが好ましい。
加熱された鋼素材に、ついで、熱間圧延を施す。
熱間圧延は、粗圧延と仕上圧延からなる圧延とする。粗圧延は、所望の寸法形状のシートバーが確保できればよく、とくにその条件を限定する必要はない。一方、仕上圧延は、950℃以下の温度域における累積圧下率が45%以上で、仕上圧延終了温度が(Ar変態点−30℃)以上である圧延とする。
仕上圧延における950℃以下の温度域における累積圧下率が45%未満では、所望の高靭化を達成できない。なお、好ましくは50%以上である。また、仕上圧延終了温度が(Ar変態点−30℃)未満と低温となると、仕上圧延中に、少なくとも表層がγ→α変態(フェライト変態)を生じ、展伸した組織を形成しやすいため、セパレーションに起因して低温靭性が低下しやすい。このようなことから、圧延仕上温度は(Ar変態点−30℃)以上に限定することとした。なお、圧延中の温度は、鋼板表面温度とする。
熱間圧延終了後、直ちに(10s以内に)、ランアウトテーブル上で冷却(加速冷却処理)を施す。加速冷却処理の平均冷却速度は、板厚中心位置で、20℃/s以上とする。平均冷却速度が20℃/s未満では、フェライトが析出し、所望の高強度を確保することができなくなる。本発明における加速冷却処理では、パーライトやポリゴナルフェライトの析出を抑制するため、ポリゴナルフェライトおよびパーライトの析出ノーズを避ける冷却速度とする。ポリゴナルフェライトの析出を抑制するのは、冷却途中の高温でポリゴナルフェライトが析出すると、ポリゴナルフェライト自体が粒成長して粗大化するとともに、残部のオーステナイト中にCが濃化する結果、マルテンサイトのような硬質相の析出量が増加し、靭性を劣化させるためである。
なお、平均冷却速度の上限は、マルテンサイト生成臨界冷却速度とすることが望ましい。マルテンサイト生成臨界冷却速度は、本発明の組成範囲では、100〜150℃/s程度である。マルテンサイト生成臨界冷却速度を超えて急冷すると、マルテンサイトが生成するために、圧延ままでは所望の高靭性を確保することができなくなる。
また、加速冷却処理における冷却停止温度は、550〜650℃の温度域の温度とする。冷却停止温度が、550℃未満と低温になると、Nb、Vの炭窒化物の析出量が不十分となり、所望の高強度を確保できなくなる。一方、650℃を超えて高くなると、その後の冷却(空冷)でフェライト、パーライトが顕著に析出するため、低温靭性の顕著な向上が得られない。なお、加速冷却処理の冷却停止温度は板厚中央位置の温度とする。
加速冷却処理後、ついで空冷処理を施す。空冷処理の時間は、加速冷却停止後、30s以内とする。加速冷却処理後、空冷処理を施すことにより、鋼板表面が復熱し、板厚方向の温度分布が均一化するという効果が期待できる。空冷時間を30sを超えて長くしても、復熱はすでに完了し、更なる効果が期待できないうえ、生産性が低下する。なお、好ましい空冷処理の時間は、20s以内程度である。
所定時間空冷したのち、鋼帯(鋼板)をコイル状に巻き取り、放冷する。鋼帯(鋼板)をコイル状に巻き取り、放冷することにより、Nb、Vの炭窒化物が所望量以上析出し、所望の高強度を確保することができる。鋼帯(鋼板)をコイル状に巻き取り、放冷すると、コイルの厚み方向1/2の位置で、450℃以上の温度域での平均冷却速度が1℃/s以下となり、Nb、Vの炭窒化物が析出するようになる。鋼帯(鋼板)をコイル状に巻き取らない場合には、長さ100m以上にもなる熱延鋼板用の巨大保温炉や加熱装置を必要とし、合理的ではなく、あるいは上記した範囲の平均冷却速度を確保することが難しくなり、所望量のNb、Vの炭窒化物の析出が生起せず、所望の高強度を確保できない。なお、コイルの厚み方向1/2の位置とは、最外層、最内層を除く厚み方向中心位置をいう。
上記した方法で製造された熱延鋼板は、上記した組成を有し、さらにベイナイト相単相で、該ベイナイト相中にNbおよびVの炭窒化物がNbおよびVの合計量換算で0.06%以上分散析出してなる組織を有する。なお、ここでいう「ベイナイト相」には、ベイニティックフェライト相、ベイナイト相を含むものとする。また、ここでいう、「ベイニティックフェライト相」とは、針状フェライト、アシキュラー状フェライトをも含むものとする。
なお、NbおよびVの炭窒化物量は、鋼板から試験片を採取し、マレイン酸系電解液を利用した電解抽出法で抽出した析出物について、ICP発光分析法により析出物中の、Nb、V量を測定して、得られた析出物中のNbとVの合計量を、試験片全量に対する質量%で表示するものとする。
なお、マレイン酸系電解液の組成は、10%マレイン酸―2%アセチルアセトン−5%テトラメチルアンモニウムクロライド−メタノールとした。また、電解抽出にあたっては、低電流電解(約20mA/cm)し、残渣をメンブレンフィルターで補集するものとする。その後、フィルターおよび残渣を圧下したのち、ホウ酸リチウムと過酸化ナトリウムの混合融剤を用いて融解し、融成物を塩酸で溶解し、水で一定量に希釈し、ICP発光分析法で定量化するものとする。
NbおよびVの炭窒化物析出物量が、NbとVの合計量換算で0.06%未満では、所望の高強度を確保できなくなる。このため、ベイナイト相中に析出した、NbおよびVの炭窒化物量はNbとVの合計量換算で0.06%以上に限定した。
なお、本発明の「ベイナイト相単相」とはベイナイト相以外に、7体積%以下の第二相が許容できる。第二相が7体積%を超えて多量となると、靱性が低下する。第二相としては、パーライト、マルテンサイト等が例示される。なお、上記した組織は表層(表面から板厚の5%)領域の組織を除いたものを意味する。
なお、組織の同定、組織分率は、圧延方向断面を研磨、腐食して、光学顕微鏡等で組織観察することにより行うものとする。
以下、さらに実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1に示す組成の鋼素材を用いて、1150〜1250℃に加熱した後、表2に示す熱間圧延条件で熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、表2に示す冷却条件で加速冷却および空冷処理し、コイル状に巻取りしたのち放冷した。なお、一部コイル状に巻取ることなく放冷した。熱延鋼板(鋼帯)の板厚は、12mmとした。
Figure 0005481976
Figure 0005481976
得られた熱延鋼板(鋼帯)から、試験片を採取し、組織観察、引張試験、衝撃試験を実施し、組織、引張特性、靭性を調査した。また、得られた熱延鋼板(鋼帯)から、再現熱サイクル試験片を採取し、シームアニール後の電縫溶接部相当の熱サイクルを付与し、シャルピー衝撃試験を実施し、溶接熱影響部靭性を評価した。付与した熱サイクルは、最高加熱温度:1350℃とし、加熱後急冷、さらに1000℃に加熱し、急冷、ついで600℃に加熱し空冷する熱サイクルとした。なお、試験方法は次のとおりとした。
(1)組織観察
得られた熱延鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向断面を研磨、腐食し、光学顕微鏡(倍率:500倍)で各5視野以上観察し、組織の種類、およびその組織分率を測定した。
なお、得られた熱延鋼板から、電解抽出用試験片を採取し、マレイン酸系電解液を利用した電解抽出法で、析出物(電解残渣)を抽出し、得られた析出物(電解残渣)について、ICP発光分析法により析出物中の、Nb、V量を測定して、得られた析出物中のNbとVの合計量換算で、試験片全量に対する質量%で表示し、NbおよびVの炭窒化物量とした。
(2)引張試験
得られた熱延鋼板の板厚中央部から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるように、ASTM A370の規定に準拠して,板状試験片(ケージ長さ50mm)を採取し、引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTSを求めた。
(3)衝撃試験
得られた熱延鋼板の板厚中央部から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるようにVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrs(℃)を求め、母材靭性を評価した。
(4)溶接熱影響部衝撃試験
得られた熱延鋼板(鋼帯)から、再現熱サイクル試験片を採取し、シームアニール後の電縫溶接部相当の熱サイクルを付与し、シャルピー衝撃試験を実施し、溶接熱影響部靭性を評価した。なお、鋼種が同じものについては代表鋼板についてのみ実施した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0005481976
本発明例はいずれも、適正な組織を有し、引張強さ:760MPa以上の高強度と、vTrsが−100℃以下の高母材靭性と、シームアニール後の溶接熱影響部相当のvTrsが−40℃以下である優れた溶接熱影響部靭性を有し、高強度電縫鋼管素材用熱延鋼板として充分な特性を有している。一方、本発明範囲を外れる比較例は、適正な組織が確保できておらず、強度、母材靭性、溶接熱影響部靭性のいずれか、あるいは全てが低下し、高強度溶接鋼管素材用熱延鋼板として所望の特性を確保できていない。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.03〜0.06%、 Si:1.0%以下、
    Mn:1〜2%、 Al:0.1%以下、
    Nb:0.05〜0.08%、 V:0.05〜0.15%、
    Mo:0.10〜0.30%
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、表面から板厚の5%までの領域を除いた組織が、主相と7体積%以下の第二相からなり、前記主相がベイニティックフェライト相であり、前記主相中にNbおよびVの炭窒化物がNbおよびVの合計量換算で0.06%以上分散してなる組織であり、引張強さTS:760MPa以上の高強度と破面遷移温度vTrs:−100℃以下の高靭性とを有することを特徴とする高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%でB:0.0050%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.03%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
  5. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.005%以下、REM:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の組成を有する鋼素材に、加熱したのち、950℃以下の温度域における累積圧下率が45%以上で、仕上圧延終了温度が(Ar変態点−30℃)以上とする熱間圧延を施し、該熱間圧延終了後、10s以内に、板厚中央で20℃/s以上の平均冷却速度で550〜650℃の温度域まで冷却する加速冷却処理を施し、該加速冷却処理終了後30s以内の間、空冷する空冷処理を施したのち、コイル状に巻き取り、該巻き取ったコイルをコイル厚さの1/2位置で1℃/s以下の平均冷却速度で放冷することで、表面から板厚の5%までの領域を除いた組織を、主相と7体積%以下の第二相からなり、前記主相がベイニティックフェライト相であり、前記主相中にNbおよびVの炭窒化物がNbおよびVの合計量換算で0.06%以上分散してなる組織とすることを特徴とする高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板の製造方法。
JP2009163334A 2009-07-10 2009-07-10 高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法 Active JP5481976B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009163334A JP5481976B2 (ja) 2009-07-10 2009-07-10 高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009163334A JP5481976B2 (ja) 2009-07-10 2009-07-10 高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011017061A JP2011017061A (ja) 2011-01-27
JP5481976B2 true JP5481976B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=43595045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009163334A Active JP5481976B2 (ja) 2009-07-10 2009-07-10 高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5481976B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5776398B2 (ja) * 2011-02-24 2015-09-09 Jfeスチール株式会社 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5776377B2 (ja) * 2011-06-30 2015-09-09 Jfeスチール株式会社 耐サワー性に優れたラインパイプ用溶接鋼管向け高強度熱延鋼板およびその製造方法
CN103687975B (zh) * 2011-07-20 2016-01-20 杰富意钢铁株式会社 低温韧性优良的低屈服比高强度热轧钢板及其制造方法
WO2013099192A1 (ja) * 2011-12-27 2013-07-04 Jfeスチール株式会社 高張力熱延鋼板及びその製造方法
EP2847362B1 (en) 2012-05-08 2016-11-23 Tata Steel IJmuiden BV Automotive chassis part made from high strength formable hot rolled steel sheet
WO2014162680A1 (ja) 2013-04-04 2014-10-09 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板およびその製造方法
JP6128042B2 (ja) * 2014-03-31 2017-05-17 Jfeスチール株式会社 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法
CN104894492B (zh) * 2015-06-26 2017-04-19 山东钢铁股份有限公司 一种超低温大口径wphy80级三通管件专用钢板及其制备方法
CN105803325B (zh) * 2016-04-28 2017-10-27 江阴兴澄特种钢铁有限公司 一种低裂纹敏感性低屈强比特厚钢板及其制备方法
JP6572963B2 (ja) 2017-12-25 2019-09-11 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板およびその製造方法
CN114411054A (zh) * 2021-12-29 2022-04-29 日钢营口中板有限公司 Tmcp+回火超高强管线钢及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011017061A (ja) 2011-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5481976B2 (ja) 高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP5499733B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法
KR101333854B1 (ko) 저온 인성이 우수한 후육 고장력 열연 강판 및 그 제조 방법
JP5195469B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板の製造方法
JP5679114B2 (ja) 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP6572963B2 (ja) 熱延鋼板およびその製造方法
JP5499731B2 (ja) 耐hic性に優れた厚肉高張力熱延鋼板及びその製造方法
JP5418251B2 (ja) 耐hic性に優れた厚肉高張力熱延鋼板の製造方法
JP5533024B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板の製造方法
WO2010087512A1 (ja) 耐hic性に優れた厚肉高張力熱延鋼板及びその製造方法
JP6015602B2 (ja) 高靭性高延性高強度熱延鋼板及びその製造方法
JP5742123B2 (ja) ラインパイプ用高強度溶接鋼管向け高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP5151233B2 (ja) 表面品質および延性亀裂伝播特性に優れる熱延鋼板およびその製造方法
JP5553093B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板
JP5884201B2 (ja) 引張強さ540MPa以上の高強度ラインパイプ用熱延鋼板
JP6149776B2 (ja) 高靭性高延性高強度熱延鋼板及びその製造方法
JP2010196165A (ja) 低温靭性に優れた極厚高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP5401863B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板の製造方法
JP2015190026A (ja) ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管およびその製造方法
WO2014175122A1 (ja) H形鋼及びその製造方法
JP2015175039A (ja) 厚肉熱延鋼板およびその製造方法
JP6384637B1 (ja) コイルドチュービング用電縫鋼管およびその製造方法
JP5347540B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP6303628B2 (ja) 板厚15mm以上の電縫鋼管用熱延鋼板
JP5533025B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120423

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20130614

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20130621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5481976

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250