以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
[実施形態1]
本実施形態では、2つのビデオカメラで撮影した映像ファイルに対して処理を行う場合について説明する。また、本実施形態では撮影時にMXFファイルを作成して記録を行うものとする。
図1は、本発明の情報記録装置を適用した実施形態1のビデオカメラの概略構成を示すブロック図である。図1において、101はビデオカメラ(以下、カメラ)全体を制御するための制御部である。102はユーザが設定した各種の設定情報を記憶するための設定保存部である。103は被写体の静止画や動画などを撮影するためのレンズやCMOSセンサ等を備える撮像部である。104は撮像部103から出力される映像データをフレームごとに圧縮符号化する画像符号化部である。105は音声を検出するためのマイクである。106はマイク105から出力される音声信号をデジタル符号化する音声符号化部である。
107は画像符号化部104及び音声符号化部106から出力される映像データ、音声データ及び付加データを多重化した映像ファイルを作成する多重化部である。108は多重化されたファイルデータを記録するための記録媒体である。記録媒体108には、当該記録媒体108に記録されているファイルや記録媒体108に関する情報を管理するための管理ファイルも記録されている。本実施形態では、記録媒体108として、カメラに対して着脱可能なSD(登録商標)メモリーカードやCF(登録商標)メモリーカード等が適用可能であるが、これらに限られるものではない。
109は記録媒体108に記録されるファイルに付随する付加情報としてのメタデータを一時的に記憶するためのメタデータバッファである。110はカメラの位置情報を取得するためのGPS(Global Positioning System)である。111はPC等の外部機器と通信を行うための無線LANである。本実施形態では、制御部101がHTTPサーバ機能を有し、他のカメラ等の外部機器は無線LAN111を介してHTTPサーバにアクセスしてカメラの設定やメタデータの入力を行うことができる。
次に、図2を参照してビデオカメラに対するメタデータの入力処理及び各種情報の設定処理について説明する。図2において、ユーザが撮影モードでカメラを起動すると、S201にて制御部101はHTTPサーバ機能を起動する。S202では、制御部101は録画中であるか否かを判定する。録画中ではない場合、S203に進み、ユーザからの録画開始ボタン等による録画開始要求があったか否かを判定する。録画開始要求があった場合、S204で画像符号化部104、音声符号化部106、多重化部107及びメタデータバッファ109の初期化処理を行い、記録媒体108に新規のファイルを作成する。更に、記録媒体に108には、GPS110から位置情報を取得し、この位置情報と後述する設定保存部102に保存されている録画ファイルに共通なメタデータが記録される。また、カメラは不図示の時計機能を有し、録画開始時刻をメタデータとしてファイルに付加して記録する。メタデータを記録した後、映像データや音声データの記録を開始する。
一方、S203で録画開始要求がなかった場合、S205に進み、無線LAN111を介して外部機器からHTTPリクエストを受信したか否かを判定する。HTTPリクエストを受信していない場合はS202に戻る。HTTPリクエストを受信した場合は、S206に進み、受信したHTTPリクエストが設定ページの送信要求であるか否かを判定する。設定ページの送信要求であった場合、S209に進み、カメラの設定を行うための設定ページのデータを無線LAN111を介して外部機器に送信しS202に戻る。この設定ページの内容については後述する。
また、S206で受信したHTTPリクエストが設定ページの送信要求ではない場合、S207でHTTPリクエストが設定入力フォームによる設定要求であるか否かを判定する。設定要求であった場合はS208に進み、設定入力フォームから設定データを検出して設定保存部102に保存するとともに、記録媒体108の管理ファイルに設定を記録する。S208で設定を保存した後、S209で設定内容を反映した設定ページのデータを無線LAN111を介して外部機器に送信してS202に戻る。また、S207で設定入力要求ではない場合、S210でエラーページを示すデータを送信してS202に戻る。
図3は、S209にて送信されるメタデータの設定を行うための設定ページを例示している。図3において、設定ページは、全ての撮影ファイルに共通のメタデータを設定する部分31と、撮影ファイルごとに異なる個別のメタデータを設定する部分32とに分かれている。311は撮影ファイルのタイトルを設定するテキストボックスである。312はカメラマンの名前を設定するテキストボックスである。321は本カメラで記録したメタデータをマスターデータとして使用するか否かを設定するチェックボックスである。322、324、326、328はそれぞれ撮影場所、撮影内容、出演者、イベントメモの入力を撮影ファイルに対して行うか否かを設定するチェックボックスである。323、325、327、329は入力された撮影場所、撮影内容、出演者、イベントメモの個別メタデータを本カメラで撮影したファイルのみに適用するか、他の機器で撮影されたファイルにも適用するかを設定するためのチェックボックスである。
撮影場所、撮影内容、出演者の3つの項目は、1つの撮影ファイルに対してそれぞれ最大で1つのデータのみ入力可能な項目であり、イベントメモは1つの撮影ファイルに対して複数のデータを時間情報とともに設定できる項目である。33は入力した設定をカメラに反映させるためのボタンである。上記各項目の設定が行われていない場合は、図3に示すように全ての項目が空欄もしくは非選択の状態のデータが送信され、設定済みの項目がある場合は、各項目に設定済みの内容がセットされた状態のデータが送信される。カメラのHTTPサーバにアクセスし、設定ページのデータを受信した外部機器では、設定ページを表示した後、ユーザ操作による設定データの入力が可能となる。
図4は、図3の設定ページに対してメタデータが入力された状態を例示している。図4において、共通メタデータ欄にはタイトル及びカメラマンに関する各情報が設定されている。個別メタデータ欄には、本カメラで設定したメタデータをマスターデータとして使用するよう設定されている。また、撮影場所、撮影内容、イベントメモの入力を撮影ファイルに対して行う設定となっている。更に、撮影場所及びイベントメモの各メタデータを他のカメラで撮影されたファイルにも共通に適用する設定となっている。図示の如く設定を入力した後、ユーザが設定ボタン33をクリックすると、入力されたフォームデータが他のカメラに送信される。フォームデータを受信したカメラは、フォームデータを解析して、設定内容を設定保存部102に保存する。また、記録媒体108の管理ファイルには、マスターデータとして使用するか否かの情報や、共有設定のメタデータ項目を示す情報が記録される。
図5は、管理ファイルに記録された情報を例示している。図5において、1行目はマスターデータとして使用することを示す情報である。2行目から5行目はそれぞれ撮影場所、撮影内容、出演者、イベントメモのメタデータ項目を本カメラで撮影したファイルのみに適用するか、他のカメラで撮影されたファイルにも適用するかを示す情報である。”COMMON”と設定された項目が他のカメラで撮影されたファイルにも適用する項目である。
次に、図2を参照してビデオカメラの録画処理について説明する。図2において、S204で録画処理が開始されると、S202で録画中であると判定されてS211に進む。S211では録画停止要求があったか否かを判定する。録画停止要求があった場合、S212に進み、記録媒体108への映像・音声の記録を終了し、メタデータバッファ109に記憶されているメタデータをファイルに付加して録画処理を終了する。
S211で録画停止要求がなかった場合、S213では無線LAN111を介して外部機器からHTTPリクエストを受信したか否かを判定する。HTTPリクエストを受信していない場合はS202に戻る。HTTPリクエストを受信している場合は、S214で受信したHTTPリクエストがメタデータ入力用ページの送信要求であるか否かを判定する。メタデータ入力用ページの送信要求であった場合、S217でメタデータ入力用ページのデータを無線LAN111を介して外部機器に送信しS202に戻る。このメタデータ入力用ページの内容については後述する。
S214で受信したHTTPリクエストがメタデータ入力用ページの送信要求ではない場合、S215でHTTPリクエストがメタデータ入力フォームによるメタデータ入力であるか否かを判定する。メタデータ入力であった場合は、S216で入力フォームデータからメタデータを検出してメタデータバッファ109に保存する。この際、入力されたメタデータ項目がイベントメモであった場合、メタデータを検出した時点の録画中のファイルの位置情報(録画映像のフレーム番号)をイベントメモのメタデータとともに保存する。S216でメタデータを保存した後、S217でメタデータ入力用ページのデータを無線LAN111を介して外部機器に送信しS202に戻る。また、S215でメタデータ入力ではない場合、S210でエラーページを示すデータを送信してS202に戻る。
図6は、図4に示すメタデータの設定が行われている場合において、S214にて送信されるメタデータ入力用ページを例示している。図4では個別メタデータとして、撮影場所、撮影内容、イベントメモの3つの項目が選択されているため、S214では3つの項目の入力を行うためのページデータを作成して送信する。図6において、601、603、605はそれぞれ撮影場所、撮影内容、イベントメモのデータを入力するためのテキストボックスである。602、604、606は各テキストボックス601、603、605に入力された撮影場所、撮影内容、イベントメモの内容をカメラに保存させるためのボタンである。撮影場所及び撮影内容の2つの項目は、現在録画中のファイルに対して入力が行われていない場合は図6のように各項目のテキストボックスが空欄の状態でデータが送信される。また、入力済みの項目がある場合は、各項目に入力済みの内容がセットされた状態でデータが送信される。録画中にカメラのHTTPサーバに対してアクセスを行った場合、アクセスを行った外部機器は入力ページのデータを受信して表示を行い、ユーザは表示されたページに対してメタデータの入力を行ってカメラに送信する。
以下では、サッカー場で特定の選手のプレイ状況を撮影している場合について説明する。図7〜図9は録画中のファイルに対してメタデータを入力した状態を例示している。ユーザが図7に示すように撮影場所のメタデータをテキストボックス601に入力して設定ボタン602をクリックすると、撮影場所のメタデータのフォームデータがカメラに送信される。カメラは図2のS215でメタデータのフォームデータを検出し、S216で撮影場所のメタデータをメタデータバッファ109に保存する。S217では保存済みの撮影場所のメタデータをテキストボックス601にセットしたメタデータ入力ページのデータを生成し、外部機器に送信する。
次にユーザは図8示すように撮影内容のメタデータをテキストボックス603に入力して設定ボタン604をクリックすると、撮影内容のメタデータのフォームデータがカメラに送信される。カメラは図2のS215でメタデータのフォームデータを検出し、S216で撮影内容のメタデータをメタデータバッファ109に保存する。S217では保存済みの撮影場所及び撮影内容のメタデータをテキストボックス601及び603にセットしたメタデータ入力ページのデータを生成し、外部機器に送信する。
次に録画中にゴールが決まったというイベントが発生した場合、ユーザは図9に示すイベントメモのメタデータをテキストボックス605に入力して設定ボタン606をクリックすると、イベントメモのメタデータのフォームデータがビデオカメラに送信される。カメラは図2のS215でメタデータのフォームデータを検出し、S216でイベントメモのメタデータをメタデータバッファ109に保存する。イベントメモの保存時には、メタデータを検出した時点の録画中のファイルの位置情報(録画映像のフレーム番号)をイベントメモのメタデータとともに保存する。
イベントメモの入力後、録画中にさらに別のイベントが発生した場合は同様にメタデータを入力することでメタデータがメタデータバッファ109に保存される。その後、ユーザが録画停止を行うと図2のS212においてメタデータバッファ109に保存されているメタデータが録画ファイルに付加され記録される。録画開始時に記録されるGPSからの位置情報、タイトル及びカメラマンの各メタデータ並びに録画中に入力された撮影場所、撮影内容及びイベントメモの各メタデータは、MXFファイルの記述メタデータ規格であるDMS−1に従って記録される。
表1は各メタデータ項目とDMS−1の項目との対応関係を例示している。表1の各DMS−1の項目は、(フレームワーク)/(セット)/(プロパティ)の形式で示される。「GPS位置情報」のメタデータはファイル全体に関わるClip Frameworkで定義されるLocationセットで定義されるAddressセットのGeographical Coordinateプロパティとして記録される。
「カメラマン」のメタデータは複数のプロパティを用いて記録され、Clip FrameworkのParticipantセットのJob Functionプロパティには”Shooter”という内容が記録される。Clip FrameworkのParticipantセットのPersonセットのFamily Name及びFirst Given Nameプロパティにはカメラマンの名前が記録される。「イベントメモ」のメタデータはClip FrameworkのShotセットのKeypointセットのKeypoint Positionプロパティにイベントが発生したファイル上の位置が記録される。また、Clip FrameworkのShotセットのKeypointセットのKeypoint Valueプロパティにイベント内容が記録される。
次に、第1のビデオカメラと第2のビデオカメラでの撮影に関するメタデータの設定について説明する。第1及び第2のビデオカメラの構成及びフローは、図1及び図2と同一である。図10は、第2のビデオカメラに対して図2のS207で入力されるメタデータ設定例である。図10において、共通メタデータ欄にはタイトル及びカメラマンに関する各情報が設定されている。個別メタデータ欄には、本カメラで設定したメタデータをマスターデータとして使用せず、またいずれのメタデータ項目も第2のビデオカメラでは設定しないようになっている。このため、第2のビデオカメラで撮影した録画ファイルには、GPSからの位置情報、タイトル、カメラマンのメタデータのみが付加され記録される。
図11は第2のカメラの管理ファイルに記録されたメタデータに関する設定例である。図11において、1行目はマスターデータとして使用しないことを示す情報である。2行目から5行目は撮影場所、撮影内容、出演者、イベントメモの各項目の内容を本カメラで撮影したファイルのみに適用するか、他のカメラで撮影されたファイルにも適用するかを示す情報である。全て”PRIVATE”が設定されており、他のカメラで撮影されたファイルには適用しない項目として設定されている。
以上述べた処理により、第1のビデオカメラで撮影した録画ファイルには個別メタデータを含むメタデータが付加され記録される。また、第2のビデオカメラで撮影した録画ファイルには位置情報及び共通メタデータであるタイトル、カメラマンの各メタデータのみが付加され記録される。
次に、第1のカメラで撮影した録画ファイルに記録されている個別メタデータを第2のカメラで撮影した録画ファイルに適用するための処理について説明する。図12は第1及び第2のカメラでそれぞれ撮影されたファイルを例示している。本実施形態では、第1及び第2のカメラは同じサッカー場内の異なる場所で撮影を行い、第2のビデオカメラは途中で別の場所に移動して第1のビデオカメラとは全く異なる内容を撮影した場合について説明する。
図12において、1210が第1のカメラで撮影した第1のファイルであり、1220が第2のカメラで撮影した第2のファイルである。第1のビデオカメラにはファイル1211及び1212の2つのファイルが保存されている。第2のビデオカメラではファイル1221、1222及び1223の3つのファイルが保存されており、各ファイルにはそれぞれ図示のメタデータが録画時に記録されている。
図12の中央の矢印tは時間の経過を表している。例えば、第1のビデオカメラで撮影されたファイル1211には図4のメタデータ設定ページにより設定された「タイトル」、「カメラマン」のメタデータが記録されている。また、ファイル1211には図7、図8のメタデータ入力ページを使用して入力された「撮影場所」、「撮影内容」のメタデータが記録されている。また、図9のメタデータ入力ページにより入力された「イベントメモ」のメタデータがファイル1211の映像フレーム位置t11のイベントメタデータとして記録されている。
第2のカメラで撮影されたファイル1221、1222には、図10のメタデータ設定ページを用いて設定された「タイトル」、「カメラマン」のメタデータのみが記録されている。ファイル1223は、ファイル1222を撮影した後に別の場所に移動して撮影したファイルであり、タイトルの設定が変更されて記録されている。
図30は、本実施形態における記録装置3000の構成を示すブロック図である。
記録装置3000には、前述したように2台のカメラで撮影されたデータが記録された2つのメモリーカードM1、M2が装着される。記録装置3000は、これらメモリーカードに記録された画像ファイルやメタデータを下記のように処理する。
図30において、第1記録再生部3001、第2記録再生部3002は、それぞれ、制御部3004からの指示に従い、装着されたメモリーカードM1、M2に対し、画像ファイルやメタデータファイルなど、各種のデータを記録再生する。なお、第1記録再生部3001、第2記録再生部3002はそれぞれ、メモリーカードM1、M2を自由に装着、排出可能なカードスロットなどのメカニズムや、接続端子などを含む。
信号処理部3003は、メモリーカードM1、M2から再生された画像ファイルに含まれる動画データや静止画データを処理する。具体的には、メモリーカードから再生された画像データをデコードし、表示部3007に表示する等の処理を実行する。
制御部3004は、操作部3005からの指示に従い、記録装置3000の動作を制御する。また、制御部3004は、後述するように、メモリーカードM1、M2の間でメタデータをコピーする際の制御を行う。
操作部3005は、ユーザによる操作を入力するための各種の操作スイッチなどを有する。メモリ3006は、後述するように、メモリーカードM1、M2から読み出されたメタデータを一時保存する。表示部3007は、メモリーカードM1、M2に記録された動画や静止画、メタデータなどを表示する他、必要に応じて各種の情報を表示する。
また、図30の各ブロックは、バス3008によってデータのやりとりを行う。
図13は、第1のカメラで撮影した録画ファイルに記録されている個別メタデータを第2のカメラで撮影した録画ファイルに適用するための処理を示すフローチャートである。図13において、第1のカメラで撮影されたフ第1のファイルは第1のメモリーカード(第1の記録媒体)に、第2のカメラで撮影された第2のファイルは第2のメモリーカード(第2の記録媒体)にそれぞれ記録されているものとする。また、本フローは図30に示す記録装置3000の制御部3004により実行されるものとする。なお、記録装置としてはPCやカードスロットを複数有するビデオカメラであってもよい。
図13において、S1301、S1302では第1記録再生部3001と第2記録再生部3002のいずれかに個別メタデータの記録先である第2のメモリーカード及び個別メタデータの記録元である第1のメモリーカードが挿入されているか否かを検出する。カードスロットの状態からメモリーカードが検出された場合、メモリーカードの管理ファイルを読み込んで設定を確認する。メタデータの記録先及び記録元のメモリーカードを検出した場合、S1303で第1のメモリーカードの管理ファイルを読み込んで、各個別メタデータ項目の設定が共有設定か否かを検出する。第1のメモリーカードに記録された管理ファイルには、図5で説明したように撮影場所及びイベントメモの2つの項目が共有設定として記録されている。
次に、S1304では第1のメモリーカードに記録されている、メタデータの記録元である録画ファイル(以下、マスターファイル)の全てに対して処理が完了済みか否かを判定する。全てのマスターファイルに対する処理が完了している場合は本処理を終了する。未処理のマスターファイルが存在する場合は、S1305で次の未処理のマスターファイルを読み込み、S1306、S1307でマスターファイルに記録されている撮影時刻情報及び位置情報(第1の情報)を取得する。
最初のマスターファイルに対する処理では、図12のファイル1211がマスターファイルとして読み込まれ、撮影時刻情報として録画開始時刻及びファイルの長さ(映像フレーム数)を、GPSから位置情報を取得する。S1308では、S1303で読み込んだ共有設定情報に基づき、マスターファイルに記録されているファイル全体に関する共有ファイルメタデータを読み込む。ファイル1211の場合、共有ファイルメタデータとして撮影場所のデータが読み込まれる。
S1309では第2のメモリーカードに記録されている、メタデータの記録先である録画ファイル(以下、ターゲットファイル)の全てに対して処理が完了済みか否かを判定する。全てターゲットファイルに対する処理が完了している場合はS1304に戻り、第1のメモリーカードの次の未処理のマスターファイルの処理を行う。未処理のターゲットファイルが存在する場合は、S1310で次の未処理のターゲットファイルを読み込む。
S1311でターゲットファイルに記録されている位置情報(第2の情報)を取得する。最初のターゲットファイルに対する処理では、図12のファイル1221がターゲットファイルとして読み込まれ、位置情報を取得する。S1312では、S1307で取得したマスターファイルの位置情報とS1311で取得したターゲットファイルの位置情報とを比較し、所定の関係を満たすか判定する。具体的には、ターゲットファイルの撮影場所がマスターファイルの撮影場所に対して所定の範囲内であるか否かを判定する。この判定は、マスターファイル及びターゲットファイルの各位置情報で示される2点間の距離が一定距離以下であるか否かに基づき判定することができる。2点間の距離は、それぞれの緯度・経度情報を用いて下記式1に示す「ヒュベニの距離計算式」で求めることができる。
S1312の判定結果が所定の範囲内になかった場合、マスターファイルとターゲットファイルの撮影内容に共通性が少ない又は共通性がないと考えられる。このため、ターゲットファイルに対して共有メタデータの適用は行わず、S1309に戻り次の未処理のターゲットファイルの処理を行う。S1312の判定結果が所定の範囲内にあった場合、S1313でターゲットファイルに記録されている撮影時刻情報(第2の情報)を取得する。撮影時刻情報として録画開始時刻及びファイルの長さ(映像フレーム数)を取得する。S1314では、S1306で取得したマスターファイルの撮影時刻情報と、S1313で取得したターゲットファイルの撮影時刻情報とを比較し、所定の関係を満たすか判定する。具体的には、ターゲットファイルの撮影時刻が、マスターファイルの撮影時刻から所定時間内であるか否かを判定する。
上記式2は所定の時間内であるか否かを判定するための判定式を例示している。
本例では、マスターファイルの録画開始時刻(S1)、マスターファイルの録画終了時刻(E1)、ターゲットファイルの録画開始時刻(S2)、ターゲットファイルの録画終了時刻(E2)、所定時間(Δt)を用いる。すなわち、上記S1、S2、E1、E2を用いて式2の(a)、(b)、(c)のいずれかに適合するか否かで判定を行う。なお、マスターファイルの録画終了時刻(E1)は、マスターファイルの録画開始時刻(S1)及びマスターファイルの長さから算出される。また、ターゲットファイルの録画終了時刻(E2)は、ターゲットファイルの録画開始時刻(S2)及びターゲットファイルの長さから算出される。
図14はマスターファイルとターゲットファイルの各撮影時刻の対応関係を説明する図である。図14において、マスターファイルは時刻S1に撮影を開始し、時刻E1で撮影を終了している。ターゲット1、ターゲット2、ターゲット3、ターゲット4の各ファイルの録画開始時刻はいずれもS1の所定時間Δt前からE1の所定時間Δt後の間に含まれるため、式2の(a)に適合する。ターゲット5、ターゲット6の各ファイルの録画終了時刻はいずれもS1の所定時間Δt前からE1の所定時間Δt後の間に含まれるため、式2の(b)に適合する。ターゲット7のファイルに関しては、マスターファイルの録画開始時刻がターゲット7の録画開始時刻と録画終了時刻の間に含まれるため、式2の(c)に適合する。ターゲット8に関しては、式2中のいずれにも該当しない。
式2に適合するターゲット1〜ターゲット7のファイルは、マスターファイルの撮影時刻と時間的に近く、撮影内容の共通性が高いと考えられ、ターゲット8はマスターファイルの撮影時刻と時間的に遠く、撮影内容の共通性が低い考えられる。このため、S1314では式2を用いて処理中のターゲットファイルの撮影内容がマスターファイルの撮影内容と共通性が高いか否かを判定することができる。
S1314で所定の時間内にないと判定された場合は、マスターファイルとターゲットファイルの撮影内容に共通性が少ない又は共通性がないと考えられる。このため、ターゲットファイルに対して共有メタデータの適用は行わず、S1309に戻って次の未処理のターゲットファイルの処理を行う。S1314の判定結果が所定時間内であった場合、S1315でマスターファイルから読み込んだファイル全体に関わるメタデータ項目がターゲットファイルに記録されているか否かを判定する。本実施形態ではメタデータ項目は撮影場所のメタデータであり、既にターゲットファイルに撮影場所のメタデータが記録されている場合は上書きせずにS1317に進む。メタデータが記録されていない場合は、マスターファイルから読み込んだ共有ファイルメタデータである撮影場所のメタデータをターゲットファイルに記録する。
次に、S1317では、マスターファイルに記録されている共有イベントメタデータの全てに対して処理が完了済みか否かを判定する。全ての共有イベントメタデータに対する処理が完了している場合はS1309に戻って第2のメモリーカードの次の未処理のターゲットファイルの処理を行う。未処理の共有イベントメタデータが存在する場合は、S1318で次の未処理の共有イベントメタデータ及びイベントが発生したファイル上の位置情報を読み込む。
S1319ではマスターファイルの録画開始時刻及び読み込んだ共有イベントメタデータのファイル上の位置情報から、イベントが発生した時刻を算出し、イベント発生時刻がターゲットファイルの撮影時間内に含まれるか否かを判定する。撮影時間内にない場合はS1317に戻り、次の未処理のイベントメタデータの処理を行う。撮影時間内である場合は、ターゲットファイルの録画開始時刻及びイベント発生時刻から、イベントが発生したターゲットファイルでのフレーム番号を算出し、イベントメタデータをフレーム番号とともにターゲットファイルに記録して、S1317に戻る。
図15は、図13のフローに従い、図12の第1のメモリーカードのマスターファイルから第2のメモリーカードのターゲットファイルに共有メタデータを適用した例である。図15において、先ずマスターファイル1211を読み込み、ターゲットファイル1221の処理が行われる。ターゲットファイル1221は撮影位置及び撮影時刻がともにマスターファイル1211と近いため、共有ファイルメタデータである撮影場所がターゲットファイル1221にコピーされる。
次にマスターファイル1211のファイル位置t11に相当するファイル位置t21がターゲットファイル1221に存在するため、ファイル位置t11に関連付けられたイベントメモがターゲットファイル1221にコピーされる。ターゲットファイル1222の処理も同様に、撮影位置及び撮影時刻がともにマスターファイル1211と近いため、共有ファイルメタデータである撮影場所がターゲットファイル1222にコピーされる。イベントメモはt11に相当するファイル位置がターゲットファイル1222に存在しないためコピーされない。ターゲットファイル1223の処理では、第2のカメラは第1のカメラと異なる撮影場所に移動し撮影位置が所定の範囲外となるため、メタデータのコピーは行われない。
次にマスターファイル1212を読み込み、再びターゲットファイル1221の処理が行われる。ターゲットファイル1221は撮影時刻がマスターファイル1212から遠いため、メタデータのコピー処理は行われない。次にターゲットファイル1222の処理が行われ、撮影位置及び撮影時刻がともにマスターファイル1212と近いため、メタデータのコピー処理が行われる。しかし、既にマスターファイル1211から撮影場所のメタデータがコピーされているため、ファイルメタデータのコピーは行われない。
次にマスターファイル1212のファイル位置t12に当するファイル位置t22がターゲットファイル1222に存在するため、ファイル位置t12に関連付けられたイベントメモがターゲットファイル1222にコピーされる。マスターファイル1212のファイル位置t13に相当するファイル位置はターゲットファイル1222に存在しないため、ファイル位置t13に関連付けられたイベントメモはコピーされない。最後にターゲットファイル1223の処理では、第2のカメラは第1のカメラと異なる撮影場所に移動し撮影位置が所定範囲外となるため、メタデータのコピーは行われない。
以上述べた処理により、共有設定が行われたメタデータを撮影の関連性の高いファイルに適用することが可能である。
[実施形態2]
以下では、実施形態1と同様に、2つのカメラで撮影したファイルに対して処理を行う場合について説明する。実施形態2のビデオカメラ及び記録装置の各構成は図1及び図30と同一である。図16は、実施形態2のビデオカメラに対するメタデータの入力処理及び各種情報の設定処理を示すフローチャートであり、図2と同一の処理には同一の符号を付して示している。実施形態1の図2とは、S1602で送信される設定ページのデータ、S1601で保存される設定内容、S1604で送信されるメタデータ入力ページのデータ、S1603で保存されるメタデータの内容が異なっている。
図17は、図16のS1602で送信される設定ページを例示している。図17において、メタデータの設定ページは、実施形態1と同様に、全ての撮影ファイルに共通のメタデータを設定する部分31と、撮影ファイルごとに異なる個別のメタデータを設定する部分1701に分かれている。但し、個別メタデータ欄1701のそれぞれの項目については共有設定を行うチェックボックスを持たないページデータとなっている。
図18は、図17の設定ページにメタデータを入力した状態を例示している。図18において、共通メタデータ欄にはタイトル及びカメラマンの各情報が設定されている。個別メタデータ欄には、本カメラで記録したメタデータをマスターデータとして使用し、撮影場所、撮影内容、イベントメモの入力を撮影ファイルに対して行う設定となっている。設定を入力した後、ユーザが設定ボタン33をクリックすると、入力されたフォームのデータがカメラに送信される。S1601でフォームデータを受信したカメラは、フォームデータを解析して、設定内容を設定保存部102に保存する。また、記録媒体108の管理ファイルには、マスターデータとして使用するか否かの情報が記録される。
図19は、管理ファイルに記録されたメタデータに関する設定例である。図19において、管理ファイルにはマスターデータとして使用することを示す情報が記録され、各メタデータ項目を他のカメラで撮影されたファイルにも適用するか否かを示す情報は記録されない。
図20は、図16のS1604で送信するメタデータ入力用ページを例示しており、図6と同一の符号を付した部分は実施形態1で説明した項目と同一であるため説明を省略する。図20において、2001〜2003はそれぞれ、入力したメタデータを他のカメラで撮影されたファイルにも適用するか否かを設定するためのチェックボックスである。各項目601、603、605にメタデータを入力して設定ボタン602、604、606をクリックする際に、チェックボックスにチェックを入れることで入力したメタデータごとに適用するか否かの設定を行うことができる。
図21〜図23は録画中のファイルに対してメタデータを入力した例である。図21において、ユーザが撮影場所のメタデータをテキストボックス601に入力し、同じサッカー場で撮影している他のカメラで撮影されたファイルにメタデータを適用するため、チェックボックス2001をチェックして設定ボタン602をクリックする。すると、撮影場所のメタデータのフォームデータがカメラに送信され、カメラでは図16のS1603で撮影場所のメタデータを共有設定情報とともにメタデータバッファ109に保存する。
次にユーザは図22示すように撮影内容のメタデータをテキストボックス603に入力し、撮影内容は撮影中のカメラに固有の内容であるためチェックボックス2002をチェックせずに設定ボタン604をクリックする。すると、撮影内容のメタデータのフォームデータがカメラに送信され、カメラでは図16のS1603で撮影内容のメタデータを共有設定情報とともにメタデータバッファ109に保存する。
次に録画中に撮影対象であるプレーヤーのゴールが決まったというイベントが発生した場合、ユーザは図23に示すようにイベントの内容をテキストボックス605に入力する。そして、イベント内容は撮影中のカメラに固有の内容であるためチェックボックス2003をチェックせずに設定ボタン606をクリックする。すると、イベントメモのメタデータのフォームデータがカメラに送信され、カメラでは図16のS1603でイベントメモのメタデータを共有設定情報とともにメタデータバッファ109に保存する。
イベントメモのメタデータ保存時には、メタデータ検出時点の録画中のファイルの位置情報(録画映像のフレーム番号)がイベントメモのメタデータとともに保存される。その後、ユーザが録画停止を行うと図16のS212においてメタデータバッファ109に保存されているメタデータが録画ファイルに付加され記録される。各メタデータの記録処理は実施形態1で説明したDMS−1に従って実行される。各メタデータの共有設定情報も同時に記録される。DMS−1で記録される各メタデータには各機器ごとに生成される16バイトの固有ID(UID)が付与される。UID内に共有設定に関するフィールドを設けて記録することができる。
次に、第1のビデオカメラと第2のビデオカメラでの撮影に関するメタデータの設定について説明する。第1及び第2のビデオカメラの構成及びフローは、図1及び図2と同一である。図24は、第2のビデオカメラに対して図16のS207で入力されるメタデータ設定例である。共通メタデータ欄にはタイトル及びカメラマンの情報が設定されている。個別メタデータ欄は、本カメラで記録したメタデータをマスターデータとして使用せず、またいずれのメタデータ項目も第2のカメラでは設定しないようになっている。このため、第2のビデオカメラで撮影した録画ファイルには、GPSからの位置情報、タイトル、カメラマンのメタデータのみが記録される。図25は、第2のカメラの管理ファイルに記録されたメタデータに関する設定例であり、マスターデータとして使用しないことを示す情報が記録される。
以上述べた処理により、第1のカメラで撮影した録画ファイルには個別メタデータを含むメタデータが記録される。第2のカメラで撮影した録画ファイルにはGPSの位置情報及び共通メタデータであるタイトル、カメラマンのメタデータのみが記録される。
次に、第1のカメラで撮影した録画ファイルに記録されている個別メタデータを第2のカメラで撮影した録画ファイルに適用するための処理について説明する。図26は、第1及び第2のカメラで撮影したファイルを例示している。以下では、第1及び第2のカメラにより同じサッカー場内の異なる場所で撮影を行った場合について説明する。図26において、2610が第1のカメラで撮影したファイルであり、2620が第2のカメラで撮影したファイルである。第1のカメラにはファイル2611及び2612の2つのファイルが記録されている。第2のカメラにはファイル2621、2622及び2623の3つのファイルが記録されている。各ファイルにはそれぞれ図示のメタデータが撮影時に記録されている。各メタデータの項目の左側に付した[○]、[×]はそれぞれ記録されたメタデータが共有設定となっているか否かを示している。
図26の中央に記載した矢印tは時間の経過を表している。例えば、第1のカメラで撮影されたファイル2611には図18のメタデータ設定ページを使用して設定された「タイトル」及び「カメラマン」の各メタデータが記録されている。また、ファイル2611には図21及び図22のメタデータ入力ページを使用して入力された「撮影場所」及び「撮影内容」の各メタデータが記録されている。また、図23のメタデータ入力ページを使用して入力された「イベントメモ」のメタデータがファイル2611の映像フレーム位置t11のイベントメタデータとして記録されている。ファイル2612には共通メタデータである「タイトル」及び「カメラマン」の各メタデータ並びに撮影中に記録された「撮影場所」及び「撮影内容」の各メタデータがファイル全体のメタデータとして記録されている。
また、「イベントメモ」のメタデータがファイル2612の映像フレーム位置t12、t13のイベントメタデータとして記録されている。ファイル位置t11及びt13に関連付けて記録されたイベントメタデータは第1のカメラの撮影内容に固有の内容であるため、記録時に共有設定のチェックボックスをチェックせずに記録したデータである。ファイル位置t12に関連付けて記録されたイベントメタデータは他のカメラで撮影した内容にも共通となるイベント内容であるため、記録時に共有設定のチェックボックスをチェックして記録したデータである。また、第2のカメラで撮影されたファイル2621、2622、2623には、図24のメタデータ設定ページを使用して設定された「タイトル」及び「カメラマン」のメタデータのみが記録されている。
図27は、第1のカメラで撮影した録画ファイルに記録されている個別メタデータを第2のカメラで撮影した録画ファイルに適用するための処理を示すフローチャートであり、図13と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。また、本フローは図30に示す記録装置3000の制御部3004により実行されるものとする。なお、記録装置としてはPCやカードスロットを複数有するビデオカメラであってもよい。
図13のフローとは、管理ファイルに共有設定を記録しないため図13のS1303での共有設定読み込み処理が存在しないこと、S2701での共有ファイルメタデータ読み込み処理とS2702での共有イベントメタデータ読み込み処理とが異なっている。
S1307でマスターファイルに記録されている位置情報を取得した後、S2701ではマスターファイルに記録されているファイルメタデータを検索する。そして、メタデータに記録されている共有設定情報を判定して、共有設定で記録されているファイルメタデータを読み込む。ファイル2611の場合、共有ファイルメタデータとして、撮影場所データが読み込まれる。その後、S1309〜S1317までは実施形態1で説明した処理を実行する。S2702ではマスターファイルに記録されているイベントメタデータを検索し、メタデータに記録されている共有設定情報を判定して、共有設定で記録されているイベントメタデータを読み込む。S1319以降の処理は実施形態1で説明した処理と同様である。
図28は、図27のフローチャートに従い図26の第1のメモリーカードのマスターファイルから第2のメモリーカードのターゲットファイルに共有メタデータを適用した例である。図28において、先ずマスターファイル2611を読み込み、ターゲットファイル2621の処理が行われる。ターゲットファイル2621は撮影位置及び撮影時刻がともにマスターファイル2611と近いため、共有ファイルメタデータである撮影場所がターゲットファイル2621にコピーされる。次にマスターファイル2611のイベントメタデータの処理を行うが、ファイル位置t11に関連付けられたイベントメタデータは、第1のカメラの撮影ファイルに固有のメタデータであるためコピーは行わない。ターゲットファイル2622も同様に、撮影位置及び撮影時刻がともにマスターファイル2611と近いため、共有ファイルメタデータである撮影場所がターゲットファイルにコピーされ、ファイル位置t11に関連付けられたイベントメモはコピーされない。ターゲットファイル2623の処理では、撮影時刻がマスターファイル2611の撮影時刻の所定の時間内にないためメタデータのコピーは行われない。
次にマスターファイル2612を読み込み、再びターゲットファイル2621の処理が行われる。ターゲットファイル2621は撮影時刻がマスターファイル2612から遠いため、メタデータのコピー処理は行われない。次にターゲットファイル2622の処理が行われ、撮影位置及び撮影時刻がともにマスターファイル2612と近いため、メタデータのコピーが行われる。しかし、既にマスターファイル2611から撮影場所のメタデータがコピーされているため、ファイルメタデータのコピーは行われない。
次に共有設定で記録されたマスターファイル2612のファイル位置t12に関連付けて記録されたイベントメタデータの処理が行われる。ファイル位置t12に相当するファイル位置t22がターゲットファイル2622に存在するため、ファイル位置t12に関連付けられたイベントメモがターゲットファイル2622にコピーされる。マスターファイル2612のファイル位置t13に関連付けられたイベントメタデータは第1のカメラの撮影ファイルに固有のメタデータであるためコピーは行われない。
最後にターゲットファイル1223の処理では、撮影位置及び撮影時刻がともにマスターファイル2612と近いため、メタデータのコピーが行われ、撮影場所のメタデータがコピーされる。マスターファイル2612の共有設定で記録されたイベントメタデータについてはファイル位置t12に相当するファイル位置がターゲットファイル2623に存在しないため、コピーは行われない。
以上述べた処理により、記録時に個別に共有設定が行われたメタデータを撮影の関連性の高いファイルに適用することが可能である。
[実施形態3]
以下では、2つのビデオカメラで撮影したファイルをアーカイブシステムにコピーする場合について説明する。実施形態3のビデオカメラの構成及び録画処理は実施形態1の図1〜図11で説明した内容と同一であり、図12に示す内容のファイルがそれぞれのカメラに記録されているものとする。アーカイブシステムはファイルサーバとして機能し、例えば図30の記録装置3000に加えて大規模ストレージデバイスが搭載されて、制御部3004がネットワークを介してデータベースの管理やストレージデバイスへのファイルのコピーを行う。図29はカメラで記録したファイルをアーカイブシステムにコピーする処理を示すフローチャートである。本フローはアーカイブシステムの制御部により実行されるものとする。
図29において、S2901ではアーカイブシステムが有するカードスロットに録画ファイルが記録されているメモリーカードが挿入されているか否かを検出する。カードスロットの状態を判定し、メモリーカードを検出した場合、S2902ではメモリーカード上の管理ファイルを読み込んで、各項目の個別メタデータの設定が共有設定か否かを検出する。
次に、S2903ではメモリーカードに記録されている、録画ファイルの全てに対して処理が完了済みか否かを判定する。全ての録画ファイルに対する処理が完了している場合は処理を終了する。未処理の録画ファイルが存在する場合は、S2904で次の未処理の録画ファイルを読み込み、S2905、2906で録画ファイルに記録されている撮影時刻情報及び位置情報を取得する。撮影時刻情報として録画開始時刻及びファイルの長さ(映像フレーム数)を、GPSから位置情報を取得する。S2907では録画ファイルに記録されているファイルメタデータ及びイベントメタデータを読み込んで、撮影時刻情報及び位置情報とともに処理用バッファに保持する。
次に、S2908ではアーカイブシステムが管理している録画ファイルのデータベースを読み込み、S2905、2906で取得した撮影時刻情報及び位置情報を用いて録画ファイルに適用可能なメタデータが存在するか否かを検索する。表2は1つの録画ファイルに対してデータベースに登録されているレコードを例示している。アーカイブシステムに記録されている録画ファイルのパス名並びに実施形態1で説明したメタデータが1つのレコードとして記録される。
S2909ではデータベースに記録されているレコードから録画開始時刻、ファイル長さ及び位置情報を読み出し、S2905、2906で取得した撮影時刻情報及び位置情報が所定の時間内かつ所定の範囲内のレコードを検索する。該当するレコードを検出した場合、共有設定となっているファイルメタデータを読み出して、S2910で録画ファイルのメタデータを保持している処理用バッファに追加する。また、該当レコード中のイベントメモについても共有設定及びファイル位置を判定して、録画ファイルに該当する位置情報が存在する場合は共有設定となっているイベントメタデータを処理用バッファに追加する。
本実施形態では、S2908において撮影時刻情報及び位置情報が所定の時間内かつ所定の範囲内のレコードを検索する場合について説明した。しかし、撮影時刻情報が所定の時間内にあってかつ位置情報が所定の範囲内にない場合は、位置情報に関わるメタデータ、すなわち撮影場所のメタデータはS2910で処理バッファに追加せず、その他のメタデータのみを追加する処理とすることも可能である。
データベースの検索処理を終了すると、S2911で録画ファイルをアーカイブシステムのストレージデバイスにコピーする。S2912ではコピー結果のファイルパス及び処理バッファに保持しているメタデータをデータベースに登録して、S2903に戻る。
図12のメモリーカード1210の録画ファイルをアーカイブシステムで処理すると、ファイル1211及び1212がアーカイブシステムのストレージデバイスにコピーされ、管理用データベースに各ファイルの情報、メタデータが登録される。次にメモリーカード1220の処理を行うと、登録されたファイル1211及び1212のレコード情報からメタデータがコピーされ、図15で示すメタデータがファイル1221及び1222のメタデータとしてコピーされてデータベースに登録される。
本実施形態では、第2のカメラで撮影されたファイル自体にはメタデータの記録は行わない。しかし、アーカイブシステムへの登録時に第1のカメラで撮影したファイルのメタデータを第2のカメラで撮影したファイルのメタデータとしてデータベースに登録することができ、検索等に使用することが可能となる。
[他の実施形態]
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム又は装置に供給しても達成可能である。すなわち、そのシステム又は装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性の半導体メモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合もある。しかし、さらにプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる場合も有得る。その後、プログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。