JP5479246B2 - 照明装置、照明システム及び照明方法 - Google Patents

照明装置、照明システム及び照明方法 Download PDF

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Description

本発明は、スーパーマーケット等で陳列された食品、特に、食肉を照明するための照明
装置、照明システム及び照明方法に関する。
従来から、スーパーマーケット等の陳列棚に設置され、陳列棚に並べられた食肉を照明
する照明装置が知られている。この照明装置の光源には、演色性を重視して、白色光を発
する固体発光素子が用いられることが好ましく、このような固体発光素子は、例えば特許
文献1に記載されている。上記照明装置は、白色光を用いた照明により、店舗内であって
も、食肉が自然光下と大差なく鮮やかに見えるようにし、それにより、客から食肉の鮮度
が良く見えるようにしている。しかしながら、食肉をさらに鮮やかに見えるようにしたい
という要望がある。
特開2004−186278号公報
本発明は、上記の従来の問題を解決するためになされたものであり、食肉照明に使用し
たときの演色性の維持及び食肉の彩度向上を図ることができ、食肉をより好ましい色に演
出することができる照明装置、照明システム及び照明方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、白色光を発する固体発光素子を備えた照明装置において、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を630〜680nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第1の蛍光体と、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第2の蛍光体と、を備え、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とは、それぞれ別離された成形体に含有されて分離されていることを特徴とする。
この照明装置において、前記白色光は、3500K以上の色温度を有することが好まし
い。
また、本発明は、白色光を発する固体発光素子を有する複数の発光ユニットを備えた照明装置において、前記複数の発光ユニットは、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を630〜680nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第1の蛍光体を有する第1の発光ユニットと、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第2の蛍光体を有する第2の発光ユニットとを各々1つ以上含み、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とは、それぞれ別離された成形体に含有されて分離されており、当該別離された成形体はそれぞれ前記第1の発光ユニット又は前記第2の発光ユニットに設けられることを特徴とする。
この照明装置において、前記第1の発光ユニットは、前記複数の発光ユニットによる光
照射面の中心を照明するように配置されていることが好ましい。
この照明装置において、前記固体発光素子は、LEDと、前記LEDから発せられる光
を白色光に変換するための蛍光体を含む光変換部とを有することが好ましい。
この照明装置において、前記固体発光素子は、白色光を投光するOLED(Organic Li
ght Emitting Diode)により構成されることが好ましい。
また、本発明は、白色光を発する固体発光素子を有した照明装置を複数、備えた照明システムにおいて、前記複数の照明装置のうちの少なくとも1つは、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を630〜680nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第1の蛍光体を有し、少なくとももう1つは、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第2の蛍光体を有し、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とは、それぞれ別離された成形体に含有されて分離されていることを特徴とする。
また、本発明は、固体発光素子を用い、白色光により照明する照明方法において、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光を、第1の蛍光体を用いて、630〜680nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換し、かつ、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光を、第2の蛍光体を用いて、500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換し、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とは、それぞれ別離された成形体に含有されて分離されていることを特徴とする。


本発明によれば、食肉照明の用途で使用したとき、白色光で食肉を照明することができ
、演色性を維持することができる。また、照明光中の赤色光成分を増やすことができ、従
って、食肉の赤みを強調して食肉の彩度を向上することができる。そのため、食肉の鮮度
がより良いように見え、その結果、食肉をより好ましい色に演出することができる。
本発明の一実施形態に係る照明システムを適用した陳列棚の斜視図。 (a)は上記照明システムの照明装置を下方から見た斜視図、(b)はその照明装置の底面図。 上記照明装置の断面図。 上記照明装置の固体発光素子から発せられる白色光のスペクトル図。 照明対象とする食肉の分光反射率を示す図。 上記照明装置による照明動作のフローチャート。 上記実施形態の照明装置による効果を説明するための放射光スペクトル図。 上記とは別の変形例に係る照明装置の断面図。
以下、本発明の一実施形態に係る照明システムについて図面を参照して説明する。図1
は、本実施形態に係る照明システムの構成を示す。この照明システム1は、店舗内の陳列
棚2に陳列された食肉3等の食品を照明するシステムである。照明システム1は、白色光
を照射する複数の照明装置4を備える。
陳列棚2は、互いに間隔を空けて設けられた複数の棚板21を有する。ここで、各棚板
21の上には、トレイ3aに盛られた食肉3が載置されているとする。陳列棚2は、不図
示の冷気流通機構により冷気を吐出して食肉3を冷やし、食肉3の鮮度を維持する。食肉
3は、牛肉、豚肉、鶏肉等の生肉を含む。
各照明装置4は、各棚板21に対応して設けられ、対応する棚板21の一段上に在る棚
板21又は天板の下底面に配置されており、対応する棚板21を、その棚板21の上方か
ら照明する。照明装置4は、1段の棚板21を照明するため、図示のように複数設けられ
ていてもよいし、又は1つだけ設けられていてもよい。照明装置4は図示の数に限定され
ない。各照明装置4は、コントローラにより一括制御されてもよいし、個別に駆動しても
よい。
図2の(a)、(b)は、各照明装置4の構成を示す。各照明装置4は、複数の発光ユ
ニット5と、それら複数の発光ユニット5を収納する筐体6とを有する。各発光ユニット
5は、筐体6の下面に形成された開口に嵌め込まれている。筐体6の形状は底面視で矩形
であるが、これに限定されない。
発光ユニット5は、例えば6個、設けられ、正三角形状に等間隔で配置されているが、
数及び配置にこれに限定されない。発光ユニット5は、後述するように、蛍光体を有して
おり、蛍光体の種類に応じて2種類に分類される。ここで、一方の種類の発光ユニット5
を発光ユニット5Aといい、他方の種類の発光ユニット5を発光ユニット5Bという。照
明装置4は、発光ユニット5A、5Bを各々1つ以上含む。発光ユニット5Aは3個有り
、全発光ユニット5による光出射面の中央付近に集合するように配置されている。発光ユ
ニット5Bは3個有り、発光ユニット5Aの周囲に配置されている。このような配置構成
により、発光ユニット5Aは、全発光ユニット5による光照射面の中心近傍を照明するよ
うに配置されている。発光ユニット5A、5Bは、それぞれ上記の数に限定されない。発
光ユニット5A、5Bは、マトリクス状に整列配置されていてもよいし、同軸の複数の円
周上に配置されていてもよい。
図3は、発光ユニット5A、5Bの構成を示す。発光ユニット5Aは、白色光を発する
固体発光素子51と、蛍光体52A(第1の蛍光体)を含有させた蛍光体含有成形体(以
下、成形体という)53Aとを有する。発光ユニット5Bは、白色光を発する固体発光素
子51と、蛍光体52B(第2の蛍光体)を含有させた成形体53Bとを有する。蛍光体
52A、52Bは、上記白色光に含まれる、波長が略500nm以下の光を吸収して励起
し、吸収した光よりも長い波長の光を放射し、それにより、光の波長変換を行う点で共通
の構成を有するが、後述の通り、波長変換後に放射する光の波長が異なる。
固体発光素子51は、電圧印加により駆動して光を放射する半導体素子、例えばLED
51aと、LED51aによる放射光の一部の波長を変換する光変換部材51b(光変換
部)とにより構成されており、筐体6に収容されている。
LED51aは、ピーク波長が例えば430〜470nmの範囲内に在る青色光を発す
る。LED51aは、基板54に実装されている。光変換部材51bは、その表面に蛍光
体が塗布された透明部材か、又は、蛍光体から成る蛍光体部材で被覆された透明部材によ
り構成される。上記透明部材は、図示のようにLED51aを封止しているか、LED5
1aを覆うレンズ体である。
光変換部材51bの蛍光体は、LED51aによる放射光により励起され、黄色光、青
色光、緑色光、又は赤色光を放射する蛍光体である。光変換部材51bの蛍光体は、上記
各色光を放射する蛍光体のうち、いずれかにより単独で構成されていてもよいし、いずれ
かと他のいずれかとが混合されて構成されていてもよい。光変換部材51bの蛍光体は、
LED51aによる放射光の一部をそのまま透過できるように、上記透明部材に塗布され
、又は透明部材を被覆している。上記透明部材は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又は
ガラス等を材料とする。上記透明部材がLED51aを封止している場合、蛍光体は透明
部材に含有されていてもよい。また、上記透明部材が上記レンズ体である場合、蛍光体は
樹脂に含有され、その樹脂がレンズ体とLED51aとの間に充填され、LED51aを
封止していてもよい。
LED51aから発せられた光は、光変換部材51bを通過し、その際、一部が蛍光体
により波長変換され、他の一部はそのまま透過し、波長変換された光と透過光とが合成さ
れ、その合成光が各光の混色により白色光になり、照明光になる。
ところで、上記白色光は、図4に示されるように、略560〜580nmの波長領域内
にピーク波長を有する黄色光成分を含む。この黄色光成分は白色光の色温度が低下すると
増大する。黄色光成分が増大した光で食肉3(図1参照)を照明すると、黄色光成分が原
因で食肉3がさえない色に見え、演出効果が低減してしまう。そこで、演出効果を高くす
るために、上記白色光が略3500K以上の色温度を有する光となるように、LED51
aの発光色及び光変換部材51bの蛍光体の放射光色は予め調整されている。
ここで、食肉3の分光反射率の一例を図5に示す。図5に示されるように、食肉3の反
射率は、波長が略600nm以上の赤色光領域で高いことから、この波長領域の光で食肉
3を照明したときには、他の波長領域の光よりも、食肉3による反射光量が増える。その
ため、食肉3が鮮やかで、より好ましい色に見えるようになる。
そこで、蛍光体52Aは、固体発光素子51から放射された白色光のうち、略500n
m以下の波長の光により励起し、その光を、例えば630〜680nmの波長領域内にピ
ーク波長を有する赤色光に変換して放射する。この赤色光の照射により、照明対象の食肉
3は鮮やかに見えるようになる。食肉3をより鮮やかに見せるため、上記ピーク波長は例
えば650〜670nmが好ましく、また、半値幅は小さい方が望ましい。蛍光体52A
は、固体発光素子51の表面に分散して直接塗布されていてもよい。
蛍光体52Bは、固体発光素子51から発せられる白色光に含まれる略500nm以下
の波長の光により励起し、その光を、例えば500〜550nmの波長領域内にピーク波
長を有する緑色光に変換して放射する。この緑色光は、蛍光体52Aから放射される赤色
光と合成され、照明光を自然な光色にする。照明光を自然な光にし、かつ、食肉3をより
鮮やかに見せるため、蛍光体52Bによる放射光の半値幅は小さいほど好ましい。蛍光体
52Bは、蛍光体52Aと比べ、異なる波長の光を放射する点以外では、蛍光体52Aと
同等の構成を有する。
成形体53Aは、蛍光体52Aを透明な樹脂バインダに混入し成形した板状の透明部材
であり、筐体6の開口に嵌め込まれている。蛍光体52Aは、上記樹脂バインダにより保
持されており、樹脂バインダ中に分散している。上記樹脂バインダは、シリコーン樹脂又
はエポキシ樹脂等の透明材料から成り、樹脂バインダには、光拡散材又は顔料が混入され
ていてもよい。この光拡散材の例は、酸化アルミニウム又はシリカ等の無機材料若しくは
フッ素系樹脂等の有機材料から成る粒子である。成形体53Bは、成形体53Aと比べ、
蛍光体52Aではなく、蛍光体52Bを含有する点以外では、成形体53Aと同等の構成
を持つ。
次に、照明装置4による照明方法について説明する。図6は、上記照明方法の手順を示
す。発光ユニット5A、5Bのいずれにおいても、LED51aが点灯し、固体発光素子
51から白色光が発せられ、白色光による照明が開始される(S1)。
固体発光素子51から発せられた白色光はそれぞれ、成形体53A、53Bに入射し、
入射光の一部が成形体53A、53B中の蛍光体52A、52Bに照射され、他の光は、
成形体53A、53Bを透過する。蛍光体52A、52Bは、照射された光のうち、略5
00nmの波長以下の成分を吸収する。蛍光体52Aは、吸収した光を、略630〜68
0nmの波長領域内にピーク波長を有する赤色光に変換し、放射する(S2)。他方、蛍
光体52Bは、吸収した光を、略500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する
緑色光に変換し、放射する(S3)。S2、S3の工程は並行して行われる。蛍光体52
A、52Bにより吸収されずに透過した光と、上記赤色光及び緑色光とは外部に放射され
る。それにより、上記の各光色を混色した照明光が得られる。
次に、照明装置4を使用したときのメトリッククロマ値について説明する。このメトリ
ッククロマ値は、照明対象を照明したときの照明対象の鮮やかさの度合いを示す評価指標
である。メトリッククロマ値が大きいほど、照明対象の彩度が高くなり、照明対象がより
鮮やかになることを示している。メトリッククロマ値は、照明光の分光分布と照明対象の
分光反射率から、L*a*b*色空間における色度座標を算出し、その色度座標a*、b
*の値を基に下記の数式(1)により算出される。
(数1)
C*ab=(a*+b* …(1)
照明装置4の比較例として、色温度が略3000Kの白色光を放射する6つの固体発光
素子を基板に実装した照明装置においては、照明光を食肉3に照射したときのメトリック
クロマ値が略41であった。
それに対して、本実施形態の照明装置4においては、所定の設定下で、照明光を食肉3
に照射したときのメトリッククロマ値が略46であり、上記比較例よりも増加した。上記
設定では、固体発光素子51の白色光の色温度を略7000Kとし、蛍光体52A、52
Bの放射光のピーク波長をそれぞれ、略650nm、略530nmとし、成形体53A、
53Bの樹脂バインダをシリコーン樹脂とした。
本実施形態の照明システム1においては、食肉照明の用途で使用したときに、白色光に
より食肉3を照明することができ、演色性を維持することができる。また、上記白色光の
一部において、略500nm以下の波長の光が、蛍光体52Aにより、略630〜680
nmの波長領域内にピーク波長を有する赤色光に変換されるので、照明光中の赤色光成分
を増やすことができ、従って、食肉3の赤みを強調し際立たせて食肉3の彩度を向上する
ことができる。そのため、食肉3の鮮度がより良いように見え、その結果、食肉3をより
好ましい色に演出することができる。
また、赤色光成分の増加により、照明時に食肉がくすんで見える原因となる、照明光中
の黄色光成分の割合が低減し、黄色光成分が相対的に抑えられ、その結果、食肉3の彩度
がさらに向上する。また、赤色光照明のために赤色光源を別途設ける必要がなくなり、従
って、製造コストを抑制することができる。また、波長変換前の光は、食肉3の分光反射
率が低く、食肉3の彩度向上に貢献し難い波長領域の光であるため、光エネルギを有効利
用して省エネルギ化を図ることができる。
また、上記白色光の一部において、略500nm以下の波長の光が、蛍光体52Bによ
り、略500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する緑色光に変換されるので、
照明光中の緑色光成分を増やすことができる。従って、蛍光体52Aによる赤色光成分が
増加しても、照明光を自然な光色に維持することができる。また、緑色光成分の増加によ
り、照明光中の黄色光成分の割合をさらに抑えることができ、黄色光成分により食肉3が
くすんで見えることをさらに抑制することができる。
また、上記白色光中の略500nm以下の波長成分の光すべてが赤色光又は緑色光に変
換される訳ではなく、一部はそのまま外部に照明光として放射されるので、照明光には青
色光成分が残る。そのため、上記のように赤色光成分及び緑色光成分が増大しても、照明
光の演色性を維持することができる。
また、固体発光素子51から発せられる白色光の色温度が3500K以上であるので、
白色光中の黄色光成分の割合を低減することができる。従って、食肉が照明されたときに
くすんで見える原因となる黄色光成分を相対的に抑えることができる。そのため、上記白
色光を用いた食肉の照明により、食肉がより鮮やかに見えるように演出することができる
ところで、図7に示されるように、蛍光体52Aの放射光は、略630〜680nmの
波長領域内にピーク波長を有した赤色光である(放射光スペクトルS1で示す)。また、
蛍光体52Bの放射光は、略500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有した緑色
光である(放射光スペクトルS2で示す)。そして、蛍光体52Aは、略500nm以下
の波長の光を吸収する特性を有している。そのため、蛍光体52A、52Bが同一の成形
体に含有されていた場合には、蛍光体52Bにより吸収、波長変換、放射された光の一部
が、蛍光体52Aにより再吸収されてしまうことがある。従って、蛍光体52Bから実質
的に放射される光の強度が低下してしまうことがある(放射光スペクトルS2’で示す)
。その結果、各蛍光体52A、52Bの放射光の合成光においては、緑色光成分が増えず
、黄色光成分の割合を抑えることが難しいことがある。
それに対して、本実施形態においては、蛍光体52A、52Bがそれぞれ、別離された
成形体53A、53Bに含有され、しかも、成形体53A、53Bはそれぞれ、互いに異
なる発光ユニット5A、5Bに設けられている。そのため、蛍光体52A、52Bは確実
に分離されている。従って、上記の再吸収現象の発生を防ぐことができ、各蛍光体52A
、52Bの放射光を合成した光において緑色光成分を増加させて、黄色光成分の割合を抑
えることができる。従って、上記合成光が食肉3に照射されたときに、黄色光成分により
食肉3がくすんで見えることを防止することができる。
また、店舗の販売員等は、光照射面の中心付近に照明対象を置く場合が多く、その中心
付近には、固体発光素子51の出射光と蛍光体52Aの放射光とが合成光が他の領域より
も多く照射され、その合成光は赤色光成分を多く含む。従って、上記の場合に照明対象が
食肉であったときには、上記演出効果がさらに高まり、効率良く演出することができる。
ところで、白色光源としては蛍光灯が周知であり、蛍光灯は、紫外線により蛍光体を励
起させ、その蛍光体から発せられる白色光を出力として放射するように構成されている。
それに対して、本実施形態においては、白色光源として、LED51aと、蛍光体を含む
光変換部材51bとの組み合わせが使用されている。従って、蛍光灯に比べ、同程度の明
るさの白色光を得るのに必要な蛍光体の量を低減することができる。蛍光体は高価である
ことから、本実施形態では、製造コストを削減することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様
々な変形が可能である。例えば、複数の照明装置4のうち、少なくとも1つの照明装置4
が蛍光体52A、52Bのうちのいずれか一方を有し、少なくとももう1つの照明装置4
が蛍光体52A、52Bのうちのいずれか他方を有していてもよい。その場合、照明装置
4毎に照明光量を調整することにより、各照明装置4の照明光量の比率を調整することが
でき、照射対象の分光反射率に適した内容の演出が可能になる。
また、発光ユニット5A、5Bは、直線状に配置され、直線中央付近に発光ユニット5
Aが配置され、発光ユニット5Aの両側に発光ユニット5Bが配置されていてもよい。
また、固体発光素子51は、白色光を投光するOLED(Organic Light Emitting Dio
de)により構成されていてもよい。また、固体発光素子51は、赤色LED、緑色LED
及び青色LEDにより構成され、各色LEDの同時点灯により、各色を混色した白色光が
放射されても構わない。また、照明装置4に設けられた複数の固体発光素子のうち、全て
の固体発光素子が蛍光体52A、52Bのいずれかを有していてもよいし、又は、一部の
固体発光素子だけが蛍光体52A、52Bのいずれかを備えていても構わない。LED5
1aは、ピーク波長が例えば350〜430nmの範囲内に在る紫色光を発してもよい。
また、蛍光体52A、52Bは、共通の成形体に混入又は塗布されていてもよく、例え
ば、蛍光体52A、52Bの両方が各成形体53A、53Bに混入又は塗布されていても
構わない。このような構成を有した照明装置を食肉照明に使用したときのメトリッククロ
マ測定値は43になり、上記比較例よりも大きくなった。ただし、上記測定においては、
固体発光素子51の白色光の色温度を略3500Kとし、蛍光体52A、52Bの放射光
のピーク波長をそれぞれ、略650nm、略530nmとし、成形体53A、53Bの樹
脂バインダをシリコーン樹脂とした。上記照明装置において、白色光の色温度を7000
Kとしたときのメトリッククロマ測定値は44であり、この測定値も上記比較例よりも大
きかった。
また、図8に示されるように、成形体53A、53Bは、固体発光素子51の周囲を被
覆するように構成されていてもよい。また、上記の各種変形例のうち、いずれかの変形例
を他の変形例のいずれかと組み合わせてもよい。
1 照明システム
4 照明装置
5A 発光ユニット(第1の発光ユニット)
5B 発光ユニット(第2の発光ユニット)
51 固体発光素子
51a LED
51b 光変換部材(光変換部)
52A 蛍光体(第1の蛍光体)
52B 蛍光体(第2の蛍光体)

Claims (8)

  1. 白色光を発する固体発光素子を備えた照明装置において、
    前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を630〜680nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第1の蛍光体と、
    前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第2の蛍光体と、を備え
    前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とは、それぞれ別離された成形体に含有されて分離されていることを特徴とする照明装置。
  2. 前記白色光は、3500K以上の色温度を有することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 白色光を発する固体発光素子を有する複数の発光ユニットを備えた照明装置において、
    前記複数の発光ユニットは、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を630〜680nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第1の蛍光体を有する第1の発光ユニットと、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第2の蛍光体を有する第2の発光ユニットとを各々1つ以上含み、
    前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とは、それぞれ別離された成形体に含有されて分離されており、当該別離された成形体はそれぞれ前記第1の発光ユニット又は前記第2の発光ユニットに設けられることを特徴とする照明装置。
  4. 前記第1の発光ユニットは、前記複数の発光ユニットによる光照射面の中心を照明するように配置されていることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  5. 前記固体発光素子は、LEDと、前記LEDから発せられる光を白色光に変換するための蛍光体を含む光変換部とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の照明装置。
  6. 前記固体発光素子は、白色光を投光するOLED(Organic Light Emitting Diode)により構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の照明装置。
  7. 白色光を発する固体発光素子を有した照明装置を複数、備えた照明システムにおいて、
    前記複数の照明装置のうちの少なくとも1つは、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を630〜680nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第1の蛍光体を有し、少なくとももう1つは、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光で励起し、その光を500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換する第2の蛍光体を有し、
    前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とは、それぞれ別離された成形体に含有されて分離されていることを特徴とする照明システム。
  8. 固体発光素子を用い、白色光により照明する照明方法において、
    前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光を、第1の蛍光体を用いて、630〜680nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換し、かつ、前記白色光に含まれる500nm以下の波長の光を、第2の蛍光体を用いて、500〜550nmの波長領域内にピーク波長を有する光に変換し、
    前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とは、それぞれ別離された成形体に含有されて分離されていることを特徴とする照明方法。
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