JP5478102B2 - 高周波遮断回路 - Google Patents

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本発明は、マイクロ波回路、ミリ波回路等の高周波回路に用いられ、この高周波回路を伝搬する高周波信号を遮断する性質を示す高周波遮断回路に関する。
マイクロ波回路、ミリ波回路等の高周波回路において、例えばFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)を用いた増幅器のドレインバイアス回路に高周波信号の基本波成分やその基本波の高調波成分が漏洩し、ゲートバイアス回路に結合すると、ドレインバイアス回路とゲートバイアス回路との間で帰還ループが形成され、ループ発振が発生して増幅器の不安定動作の要因となる虞がある。このため、ゲートバイアス回路やドレインバイアス回路などへの高周波信号の基本波成分や高調波成分の漏洩を防止する必要がある。
なお、マイクロ波回路、ミリ波回路等の高周波回路において、マイクロストリップ線路導体で形成された平行結合の帯域阻止フィルタの中心周波数を調整する技術を開示した文献として、下記特許文献1などが存在する。
この特許文献1では、信号の1/2波長の長さをもつ共振線路を中心で折り曲げ、端から1/4波長の長さの部分を主伝送路に平行に接近させることで容量性スタブとし、残りの1/4波長の長さの部分をオープンスタブとする帯域阻止フィルタにおいて、中心で折り曲げた部分にスリットを設け、そのスリットを導体板や導電性ペーストで埋めることで、共振線路の共振周波数を調整し、帯域阻止フィルタの中心周波数を調整する技術が開示されている。
特開昭53−128248号公報
しかしながら、上記特許文献1に示された技術では、中心周波数を高周波信号の基本波および複数の高調波に設定した複数の帯域阻止フィルタを構成する必要があり、回路規模が大きくなる、という問題があった。また、例えば増幅器のゲートバイアス回路およびドレインバイアス回路にそれぞれ適用した場合には、互いの帯域阻止フィルタの主伝送路を近接して配置すると、2つの主伝送路で結合線路が形成され、設定した周波数以外の帯域の高調波成分が結合し、ループ発振が発生する虞がある。このため、増幅器を安定して動作させるためには、互いの帯域阻止フィルタの主伝送路を離して配置しなければならず、回路面積が大きくなる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高周波回路の高密度レイアウトを可能とする高周波遮断回路を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、誘電体基板と、誘電体基板の下面に設けられた地導体と、誘電体基板の上面に設けられたマイクロストリップ線路導体とから構成されて複数の高周波回路間に適用される高周波遮断回路であって、前記高周波回路で用いられる高周波信号の基本波成分において1/2波長の長さを有し、両端部を入力端として平行に配設された一対の伝送線路で形成された結合線路と、前記高周波信号の基本波成分において1/4波長の長さを有し、前記各入力端の一方および他方のそれぞれに接続されて形成されたオープンスタブと、を備え、前記結合線路と前記オープンスタブとの接合部前後において前記高周波信号の基本波成分および奇高調波成分の伝搬を抑制し、方向性結合器として作用する前記結合線路において前記高周波信号の偶高調波成分の結合を抑制することを特徴とする。
この発明によれば、基本波成分において1/2波長の長さの2つの伝送線路を平行して配置して結合線路を形成し、2つの伝送線路の両端部に、それぞれ基本波成分において1/4波長の長さのオープンスタブを接続して構成することにより、伝送線路とオープンスタブとの接合部前後において基本波成分および奇高調波成分の伝搬を抑制し、方向性結合器として作用する結合線路において基本波成分、奇高調波成分、および偶高調波成分の結合を抑制するようにしたので、結合線路において対向する入力端間の基本波成分、偶高調波成分、および奇高調波成分の漏洩を防止することができ、高周波回路の高密度レイアウトが可能となる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる高周波遮断回路の一例を示す図である。 図2は、実施の形態2にかかる高周波遮断回路の一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる高周波遮断回路の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
マイクロ波回路、ミリ波回路等の高周波回路において、複数の高周波回路を近接して配置すると、高周波回路を伝搬する高周波信号の基本波成分(以下、単に「基本波成分」という)およびその高調波成分(以下、単に「高調波成分」という)の結合が発生して高周波回路の不安定動作の要因となる虞がある。例えば、FETを用いた増幅器のドレインバイアス回路に基本波成分および高調波成分が漏洩し、ゲートバイアス回路に結合すると、ドレインバイアス回路とゲートバイアス回路との間で帰還ループが形成され、ループ発振が発生する要因となる。したがって、実施の形態1では、例えばFETのドレインバイアス回路およびゲートバイアス回路に適用した場合でも、ゲートおよびドレイン間において互いの基本波成分および高調波成分の漏洩を防止する構成とする。
図1は、実施の形態1にかかる高周波遮断回路の一例を示す図である。まず、実施の形態1にかかる高周波遮断回路の構成について、図1を参照して説明する。図1において、高周波遮断回路100は、基本波成分において1/2波長の長さで特性インピーダンスZとなる伝送線路3および伝送線路4が近接して平行配置され、結合線路30が形成される。各伝送線路3,4の各端部(両端部)には、基本波成分において1/4波長の長さのオープンスタブ5,6,7,8が接続される。なお、伝送線路3,4およびオープンスタブ5,6,7,8は、誘電体基板(図示せず)上において、マイクロストリップ線路導体で形成することができる。
このように構成された高周波遮断回路100において、伝送線路3とオープンスタブ5との接合部を入力端1、伝送線路4とオープンスタブ7との接合部を入力端2、伝送線路3とオープンスタブ6との接合部を入力端9、伝送線路4とオープンスタブ8との接合部を入力端10としている。また、結合線路30は、方向性結合器として作用する。
つぎに、高周波遮断回路100の機能動作について、図1を参照して説明する。ここでは、入力端1に接続された高周波回路(図示せず)において、基本波成分、1/(2N)波長(Nは1以上の整数)の高調波成分(以下、「偶高調波成分」という)、および1/(2N+1)波長の高調波成分(以下、「奇高調波成分」という)を含む信号を扱っている場合の、入力端1から各入力端2,9,10への漏洩防止機能について説明する。
まず、基本波成分および奇高調波成分の漏洩防止機能について説明する。基本波成分および奇高調波成分において、伝送線路3とオープンスタブ5との接合部が接地点と見做せるので、入力端1に接続された高周波回路(図示せず)に全反射される。しかしながら、伝送線路3とオープンスタブ5との接合部を理想的な接地とすることは困難であるので、実際には全反射されず、基本波成分および奇高調波成分の一部は伝送線路3に伝搬する。
伝送線路3に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、基本波成分は基本波の2倍の波長の信号の2倍波と見做せ、奇高調波成分は基本波の2倍の波長の信号の2(2N+1)倍波(Nは1以上の整数)と見做せるので、結合線路30が偶奇モードの電気長が一致する理想的な方向性結合器として作用する場合には、伝送線路3と伝送線路4との間において結合は発生しないが、伝送線路3,4を理想的な方向性結合器とすることは困難であるので、実際には基本波成分および奇高調波成分の一部は結合し、伝送線路4に伝搬する。
伝送線路4に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、伝送線路4とオープンスタブ7との接合部が接地点と見做せるので、伝送線路4側に全反射される。しかしながら、伝送線路4とオープンスタブ7との接合部を理想的な接地とすることは困難であるので、実際には全反射されず、基本波成分および奇高調波成分の一部は入力端2に伝搬する。
すなわち、基本波成分および奇高調波成分が入力端1から入力端2へ伝搬する過程において、伝送線路3とオープンスタブ5との接合部、方向性結合器として作用する結合線路30、伝送線路4とオープンスタブ7との接合部を通過することによって、段階的に入力端1から入力端2へ伝搬する基本波成分および奇高調波成分を減衰させることができる。
また、伝送線路3に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、伝送線路3とオープンスタブ6との接合部が接地点と見做せるので、伝送線路3側に全反射される。しかしながら、伝送線路3とオープンスタブ6との接合部を理想的な接地とすることは困難であるので、実際には全反射されず、基本波成分および奇高調波成分の一部は入力端9に伝搬する。
すなわち、基本波成分および奇高調波成分が入力端1から入力端9へ伝搬する過程において、伝送線路3とオープンスタブ5との接合部、伝送線路3とオープンスタブ6との接合部を通過することによって、段階的に入力端1から入力端9へ伝搬する基本波成分および奇高調波成分を減衰させることができる。
さらにまた、伝送線路4に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、伝送線路4とオープンスタブ8との接合部が接地点と見做せるので、伝送線路4側に全反射される。しかしながら、伝送線路4とオープンスタブ8との接合部を理想的な接地とすることは困難であるので、実際には全反射されず、基本波成分および奇高調波成分の一部は入力端10に伝搬する。
すなわち、基本波成分および奇高調波成分が入力端1から入力端10へ伝搬する過程において、伝送線路3とオープンスタブ5との接合部、方向性結合器として作用する結合線路30、伝送線路4とオープンスタブ8との接合部を通過することによって、段階的に入力端1から入力端10へ伝搬する基本波成分および奇高調波成分を減衰させることができる。
つぎに、偶高調波成分の漏洩防止機能について説明する。偶高調波成分は、基本波の2N倍波(Nは1以上の整数)と見做せるので、結合線路30が理想的な方向性結合器として作用する場合には、伝送線路3と伝送線路4との間において結合は発生しないが、結合線路30を理想的な方向性結合器とすることは困難であるので、実際には偶高調波成分の一部は結合し、伝送線路4に伝搬する。伝送線路4に伝搬した偶高調波成分は、伝送線路4とオープンスタブ7との接合部を通過して入力端2に伝搬する。
すなわち、偶高調波成分が入力端1から入力端2へ伝搬する過程において、方向性結合器として作用する結合線路30を通過することによって、入力端1から入力端2へ伝搬する偶高調波成分を減衰させることができる。
また、伝送線路4に伝搬した偶高調波成分は、伝送線路4とオープンスタブ8との接合部を通過して入力端10に伝搬する。
すなわち、偶高調波成分が入力端1から入力端10へ伝搬する過程において、方向性結合器として作用する結合線路30を通過することによって、入力端1から入力端10へ伝搬する偶高調波成分を減衰させることができる。
一方、偶高調波成分は、伝送線路3とオープンスタブ5との接合部、伝送線路3とオープンスタブ6との接合部を通過し、入力端9に伝搬する。すなわち、入力端1から入力端9に伝搬する偶高調波成分の漏洩防止機能はない。
なお、高周波遮断回路100は、何れの入力端1,2,9,10から見ても同一の構成であるため、入力端2から各入力端1,9,10、入力端9から入力端1,2,10、および入力端10から入力端1,2,9への漏洩防止機能についても、入力端1から入力端2,9,10への漏洩防止機能と同様の動作となる。
以上のように、実施の形態1の高周波遮断回路によれば、基本波成分において1/2波長の長さの2つの伝送線路を平行して配置して結合線路を形成し、結合線路の両端部に、基本波成分において1/4波長の長さのオープンスタブを接続して構成することにより、結合線路とオープンスタブとの接合部前後において基本波成分および奇高調波成分の伝搬を抑制し、方向性結合器として作用する結合線路において基本波成分、奇高調波成分、および偶高調波成分の結合を抑制するようにしたので、結合線路において対向する入力端間の基本波成分、偶高調波成分、および奇高調波成分の漏洩を防止することができる。
したがって、実施の形態1にかかる高周波遮断回路を、例えばFETを用いた増幅器のゲートバイアス回路、およびドレインバイアス回路に適用することにより、ドレインバイアス回路から基本波成分、偶高調波成分、および奇高調波成分がゲートバイアス回路に結合することによるループ発振を防止することができる。
このように、結合線路において対向する入力端間の基本波成分、偶高調波成分、および奇高調波成分の漏洩を防止することができるので、高周波回路の高密度レイアウトが可能となる。また、高密度レイアウトによる誘電体基板の小型化が可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1の高周波遮断回路では、基本波成分において1/2波長の長さの2つの伝送線路を平行して配置して結合線路を形成し、2つの伝送線路の両端部に、それぞれ基本波成分において1/4波長の長さのオープンスタブを接続して構成することにより、伝送線路とオープンスタブとの接合部前後において基本波成分および奇高調波成分の伝搬を抑制し、方向性結合器として作用する結合線路において基本波成分、奇高調波成分、および偶高調波成分の結合を抑制することにより、結合線路において対向する入力端間の基本波成分、偶高調波成分、および奇高調波成分の漏洩を防止する構成としたが、実施の形態2の高周波遮断回路では、各伝送線路に漏れこんだ基本波成分および奇高調波成分を固定抵抗で減衰させることにより、結合線路において対向する入力端間の基本波成分および高調波成分の漏洩防止効果をさらに向上させる構成とする。
図2は、実施の形態2にかかる高周波遮断回路の一例を示す図である。まず、実施の形態2にかかる高周波遮断回路の構成について、図2を参照して説明する。図2において、高周波遮断回路200は、基本波成分において1/4波長の長さで特性インピーダンスZとなる伝送線路11,12からなる結合線路40、基本波成分において1/4波長の長さで特性インピーダンスZとなる伝送線路13,14からなる結合線路50、および基本波成分において1/4波長の長さで特性インピーダンスZとなる伝送線路15,16からなる結合線路60が形成される。結合線路40、結合線路50、および結合線路60は、直列に接続されて3/4波長の長さの結合線路を形成する。
伝送線路11と伝送線路13との接合部、伝送線路12と伝送線路14との接合部、伝送線路13と伝送線路15との接合部、および伝送線路14と伝送線路16との接合部には、それぞれインピーダンスZの固定抵抗17,19,21,23の一端がそれぞれ接続され、固定抵抗17,19,21,23の他端には、基本波成分において1/4波長の長さのオープンスタブ18,20,22,24がそれぞれ接続される。伝送線路11,12,15,16の他端には、基本波成分において1/4波長の長さのオープンスタブ5,6,7,8がそれぞれ接続される。なお、伝送線路11,12,13,14,15,16およびオープンスタブ5,6,7,8,18,20,22,24は、誘電体基板(図示せず)上において、マイクロストリップ線路導体で形成することができる。
このように構成された高周波遮断回路200において、伝送線路11とオープンスタブ5との接合部を入力端1、伝送線路12とオープンスタブ7との接合部を入力端2、伝送線路15とオープンスタブ6との接合部を入力端9、伝送線路16とオープンスタブ8との接合部を入力端10としている。また、結合線路40、結合線路50、および結合線路60は、それぞれ方向性結合器として作用する。
つぎに、高周波遮断回路200の機能動作について、図2を参照して説明する。ここでは、入力端1に接続された高周波回路(図示せず)において、基本波成分、1/(2N)波長(Nは1以上の整数)の偶高調波成分、および1/(2N+1)波長の奇高調波成分を含む信号を扱っている場合の、入力端1から各入力端2,9,10への漏洩防止機能について説明する。
まず、基本波成分および奇高調波成分の漏洩防止機能について説明する。基本波成分および奇高調波成分において、伝送線路11とオープンスタブ5との接合部が接地点と見做せるので、入力端1に接続された高周波回路(図示せず)に全反射される。しかしながら、伝送線路11とオープンスタブ5との接合部を理想的な接地とすることは困難であるので、実際には全反射されず、基本波成分および奇高調波成分の一部は伝送線路11に伝搬する。
伝送線路11に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、伝送線路12に結合して基本波成分および奇高調波成分の一部が伝送線路12に伝搬し、基本波成分および奇高調波成分の一部が伝送線路13に伝搬する。ここで、伝送線路11に伝搬した基本波成分および奇高調波成分に対して、固定抵抗17とオープンスタブ18との接合部が接地点と見做せるため、基本波成分および奇高調波成分のエネルギーの一部が固定抵抗17で終端される。したがって、伝送線路13に伝搬する基本波成分および奇高調波成分のエネルギーが減衰する。また、固定抵抗17とオープンスタブ18との接合部で反射される基本波成分および奇高調波成分のエネルギーも小さくなるため、伝送線路12に伝搬する基本波成分および奇高調波成分のエネルギーも減衰する。
伝送線路12に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、伝送線路12とオープンスタブ7との接合部が接地点と見做せるので、伝送線路12側に全反射される。しかしながら、伝送線路12とオープンスタブ7との接合部を理想的な接地とすることは困難であるので、実際には全反射されず、基本波成分および奇高調波成分の一部は入力端2に伝搬する。
一方、伝送線路13に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、伝送線路14に結合して基本波成分および奇高調波成分の一部が伝送線路14に伝搬する。ここで、伝送線路14に伝搬した基本波成分および奇高調波成分に対して、伝送線路14と固定抵抗19との接合部から見て伝送線路12とオープンスタブ7との接合部が接地点と見做せ、伝送線路12はショートスタブとして作用するため、伝送線路12が開放に見える。また、伝送線路14に伝搬した基本波成分および奇高調波成分に対して、固定抵抗19とオープンスタブ20との接合部が接地点と見做せる。したがって、伝送線路14に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、固定抵抗19で終端され、入力端2に伝搬する。
すなわち、基本波成分および奇高調波成分が入力端1から入力端2に伝搬する過程において、入力端1に漏れこんだ基本波成分および奇高調波成分のエネルギーの大半が固定抵抗17,19によって終端されることによって、入力端1から入力端2に伝搬する基本波成分および奇高調波成分を減衰させることができる。
また、伝送線路13に伝搬した基本波成分および奇高調波成分に対して、伝送線路13と固定抵抗21との接合部から見て伝送線路15とオープンスタブ6との接合部が接地点と見做せ、伝送線路15はショートスタブとして作用するため、伝送線路15が開放に見える。また、伝送線路13に伝搬した基本波成分および奇高調波成分に対して、固定抵抗21とオープンスタブ22との接合部が接地点と見做せる。したがって、伝送線路13に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、固定抵抗21で終端され、入力端9に伝搬する。
すなわち、基本波成分および奇高調波成分が入力端1から入力端9に伝搬する過程において、入力端1に漏れこんだ基本波成分および奇高調波成分のエネルギーの大半が固定抵抗17,21によって終端されることによって、入力端1から入力端9に伝搬する基本波成分および奇高調波成分を減衰させることができる。
同様に、伝送線路14に伝搬した基本波成分および奇高調波成分に対して、伝送線路14と固定抵抗23との接合部から見て伝送線路16とオープンスタブ8との接合部が接地点と見做せ、伝送線路16はショートスタブとして作用するため、伝送線路16が開放に見える。また、伝送線路14に伝搬した基本波成分および奇高調波成分に対して、固定抵抗23とオープンスタブ24との接合部が接地点と見做せる。したがって、伝送線路14に伝搬した基本波成分および奇高調波成分は、固定抵抗23で終端され、入力端10に伝搬する。
すなわち、基本波成分および奇高調波成分が入力端1から入力端10に伝搬する過程において、入力端1に漏れこんだ基本波成分および奇高調波成分のエネルギーの大半が固定抵抗17,23によって終端されることによって、入力端1から入力端10に伝搬する基本波成分および奇高調波成分を減衰させることができる。
つぎに、偶高調波成分の漏洩防止機能について説明する。偶高調波成分は、伝送線路11とオープンスタブ5との接合部を通過して伝送線路11に伝搬し、伝送線路11と伝送線路13との接合部を通過して伝送線路13に伝搬し、伝送線路13と伝送線路15との接合部を通過して伝送線路15に伝搬する。
偶高調波成分に対して、結合線路40、結合線路50、および結合線路60が理想的な方向性結合器として作用する場合には、伝送線路11と伝送線路12との間、伝送線路13と伝送線路14との間、伝送線路15と伝送線路16との間において結合は発生しないが、結合線路40、結合線路50、および結合線路60を理想的な方向性結合器とすることは困難であるので、実際には偶高調波成分の一部は伝送線路11から伝送線路12に結合して伝送線路12に伝搬し、伝送線路13から伝送線路14に結合して伝送線路14に伝搬し、伝送線路15から伝送線路16に結合して伝送線路16に伝搬する。伝送線路12、伝送線路14および伝送線路16に伝搬した偶高調波成分は、伝送線路16と伝送線路14との接合部、伝送線路14と伝送線路12との接合部、およびオープンスタブ7との接合部を通過して入力端2に伝搬する。
すなわち、偶高調波成分が入力端1から入力端2へ伝搬する過程において、方向性結合器として作用する結合線路40、結合線路50、結合線路60を通過することによって、入力端1から入力端2へ伝搬する偶高調波成分を減衰させることができる。
また、伝送線路12、伝送線路14および伝送線路16に伝搬した偶高調波成分は、伝送線路12と伝送線路14との接合部、伝送線路14と伝送線路16との接合部、およびオープンスタブ8との接合部を通過して入力端10に伝搬する。
すなわち、偶高調波成分が入力端1から入力端10へ伝搬する過程において、方向性結合器として作用する結合線路40、結合線路50、結合線路60を通過することによって、入力端1から入力端10へ伝搬する偶高調波成分を減衰させることができる。
一方、偶高調波成分は、伝送線路11とオープンスタブ5との接合部、伝送線路11と伝送線路13との接合部、伝送線路13と伝送線路15との接合部、および伝送線路15とオープンスタブ6との接合部を通過し、入力端9に伝搬する。すなわち、入力端1から入力端9に伝搬する偶高調波成分の漏洩防止機能はない。
なお、高周波遮断回路200は、何れの入力端1,2,9,10から見ても同一の構成であるため、入力端2から各入力端1,9,10、入力端9から入力端1,2,10、および入力端10から入力端1,2,9への漏洩防止機能についても、入力端1から入力端2,9,10への漏洩防止機能と同様の動作となる。
以上のように、実施の形態2の高周波遮断回路によれば、基本波成分において1/4波長の長さの2つの伝送線路からなる3つの結合線路を直列に接続して3/4波長の長さの結合線路を形成し、各伝送線路の接合部に固定抵抗を接続し、その固定抵抗の他端に基本波成分において1/4波長の長さのオープンスタブを接続し、3つの結合線路を直列に接続した3/4波長の長さの結合線路の両端部に基本波成分において1/4波長の長さのオープンスタブを接続して構成することにより、伝送線路とオープンスタブとの接合部前後において基本波成分および奇高調波成分の伝搬を抑制し、方向性結合器として作用する結合線路において偶高調波成分の結合を抑制し、さらに固定抵抗によって基本波成分および奇高調波成分を減衰させるようにしたので、実施の形態1に対して、結合線路において対向する入力端間の基本波成分および奇高調波成分の漏洩防止効果をさらに向上させることができる。
したがって、実施の形態2にかかる高周波遮断回路を、例えばFETを用いた増幅器のゲートバイアス回路、およびドレインバイアス回路に適用することにより、ドレインバイアス回路から基本波成分、偶高調波成分、および奇高調波成分がゲートバイアス回路に結合することによるループ発振を防止することができる。
このように、結合線路において対向する入力端間の基本波成分、偶高調波成分、および奇高調波成分の漏洩を防止することができるので、高周波回路の高密度レイアウトが可能となる。また、高密度レイアウトによる誘電体基板の小型化が可能となる。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
また、実施の形態では、FETを用いた増幅器のゲートバイアス回路、およびドレインバイアス回路を対象として発明内容の説明をしているが、適用分野はこれに限られるものではなく、種々のマイクロ波回路、ミリ波回路等の高周波回路への応用が可能であることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる高周波遮断回路は、高周波回路の高密度レイアウトを可能とすることができる発明として有用であり、特に、伝送線路の入力端間において高周波回路を伝搬する基本波成分、および高調波成分の漏洩を防止する場合に適している。
1 入力端
2 入力端
3 伝送線路
4 伝送線路
5 オープンスタブ
6 オープンスタブ
7 オープンスタブ
8 オープンスタブ
9 入力端
10 入力端
11 伝送線路
12 伝送線路
13 伝送線路
14 伝送線路
15 伝送線路
16 伝送線路
17 固定抵抗
18 オープンスタブ
19 固定抵抗
20 オープンスタブ
21 固定抵抗
22 オープンスタブ
23 固定抵抗
24 オープンスタブ
30 結合線路
40 結合線路
50 結合線路
60 結合線路
100 高周波遮断回路
200 高周波遮断回路

Claims (2)

  1. 誘電体基板と、誘電体基板の下面に設けられた地導体と、誘電体基板の上面に設けられたマイクロストリップ線路導体とから構成されて複数の高周波回路間に適用される高周波遮断回路であって、
    前記高周波回路で用いられる高周波信号の基本波成分において1/2波長の長さを有し、両端部を入力端として平行に配設された一対の伝送線路で形成された結合線路と、
    前記高周波信号の基本波成分において1/4波長の長さを有し、前記各入力端の一方および他方のそれぞれに接続されて形成されたオープンスタブと、
    を備え
    前記結合線路と前記オープンスタブとの接合部前後において前記高周波信号の基本波成分および奇高調波成分の伝搬を抑制し、方向性結合器として作用する前記結合線路において前記高周波信号の偶高調波成分の結合を抑制することを特徴とする高周波遮断回路。
  2. 誘電体基板と、誘電体基板の下面に設けられた地導体と、誘電体基板の上面に設けられたマイクロストリップ線路導体とから構成されて複数の高周波回路間に適用される高周波遮断回路であって、
    前記高周波回路で用いられる高周波信号の基本波成分において3/4波長の長さを有し、両端部を入力端として平行に配設された一対の伝送線路で形成された結合線路と、
    前記高周波信号の基本波成分において1/4波長の長さを有し、前記各入力端の一方および他方のそれぞれに接続されて形成された第1のオープンスタブと、
    前記結合線路の前記各入力端から前記高周波信号の基本波成分において1/4波長の長さの位置の一方および他方のそれぞれに一端が接続され配設された固定抵抗と、
    前記高周波信号の基本波成分において1/4波長の長さを有し、前記各固定抵抗の他端にそれぞれの一端が接続され配設された第2のオープンスタブと、
    を備え
    前記結合線路と前記第1のオープンスタブとの接合部前後において前記高周波信号の基本波成分および奇高調波成分の伝搬を抑制し、方向性結合器として作用する前記結合線路において前記高周波信号の偶高調波成分の結合を抑制し、さらに前記固定抵抗によって前記高周波信号の基本波成分および奇高調波成分を減衰させることを特徴とする高周波遮断回路。
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