以下、本発明の最良の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る表示装置100は、図1(a)に示すような照度センサ181で検出した光の照度が所定値よりも低い場合(つまり、暗い環境に設置された場合)に、表示パネル110のグレア処理が施されたグレア領域に情報を表示し、そうでない場合には、表示パネル110のアンチグレア処理が施されたアンチグレア領域に情報を表示する。
表示装置100は、図2に示すように、表示パネル110、駆動回路120、バックライト170、照度センサ181、操作部182、及び制御装置190を備える。
表示パネル110は、図3に示すように、主走査方向に向かって連続して並べられ、かつ同じ走査信号線G1に接続する画素E11からE16で構成される画素行RE1、画素行RE1と同様の構成を有する画素行RE2からRE4、及びアジャスタ回路CAを備える。尚、表示パネル110が備える画素行の数、及び画素行を構成する画素の数は、これらに限定される訳ではない。
画素E11からE46の構成はそれぞれ同様であるため、以下、画素E11について説明する。
画素E11は、図4(a)に示すように、シール材111で互いに対向するように接着された透明基板112及び113を有し、シール材111、透明基板112及び113で画定される内部空間114には、液晶が封入されている。
透明基板112及び113には、それぞれ画素電極115lと共通電極115cとが設けられている。このため、画素電極115lと共通電極115cとの間に電圧差が生じると、生じた電圧差に応じて内部空間114に収められた液晶の配向状態が変化する。このため、光の液晶に対する透過率が変化し、透過率の変化した液晶がバックライト170から照射されたバックライト光を透過すると、画素E11は点灯を行う。
尚、透明基板112と画素電極115lとの間には、カラーフィルタ117が設けられているため、画素E11からE46は、光の三原色であるRGB(Red Green Blue)の内1つの色で点灯を行う。また、画素E11からE46が表示する色の階調値は、バックライト光に対する液晶の透過率に依存して変化する。つまり、画素E11などがそれぞれ有する画素電極115lと共通電極115cとの電圧差を変化させれば、画素E11などが表示する色の階調値を変化させることができる。
画素E11は、図4(b)に示すようなTFT(Thin Film Transistor)116をさらに有する。TFT116のゲート電極116g、ソース電極116s、及びドレイン電極116lは、それぞれ走査信号線G1、表示信号線S1、及び画素電極115lに接続している。また、共通電極115cは、共通信号線Comに接続している。
このため、走査信号線Gから所定の電位よりも高い電位(以下、値「H」という)の走査信号が出力されることで、ゲート電極116gに印加される電圧が、ゲートオフ電圧からゲートオン電圧に切り換わる。ゲート電極にゲートオン電圧が印加されることでTFT116がオン状態となると、画素電極115lの電圧は、表示信号線Sから出力される表示信号の値によって変化する。
また、共通電極115cの電圧は、画素が接続する共通信号線Comから出力される共通信号の値によって変化する。このため、画素E11が接続する走査信号線G1の走査信号の値が上記所定の電位よりも低い場合(以下、値「L」という)、及び走査信号の値が値「H」であっても、画素E11が接続する表示信号線S1の表示信号が、共通信号線Comから出力される共通信号の同相信号(以下、OFFデータという)である場合には、画素電極115lと共通電極115cとに電位差が十分に生じない。このため、液晶の配向状態が十分に変化せず、画素E11は点灯しない。これに対して、走査信号線G1から値「H」の走査信号が出力され、かつ表示信号がOFFデータでない場合(以下、点灯条件という)には、画素E11が点灯する。
図3のアジャスタ回路CAは、汎用の表示パネルの駆動回路から出力される走査信号を、本件実施形態に係る表示パネル110の駆動に適した走査信号に変換する回路である。
アジャスタ回路CAは、走査信号線g1からg2及びG1からG4、並びに論理回路LC1からLC4を有する。
論理回路LC1は、駆動回路120に接続された走査信号線g1と、制御装置190に接続された選択信号線SELと、画素行RE1を構成する画素E11からE16のゲート電極のそれぞれに接続された走査信号線G1とに接続する。論理回路LC1は、走査信号線g1から入力された走査信号の値と、選択信号線SELから入力された選択信号の値との論理積を表す値の信号を走査信号線G1へ出力する。尚、選択信号は、画素行RE1及びRE3(つまり、奇数行の画素行)と、画素行RE2及びRE4(つまり、偶数行の画素行)のいずれを点灯させるかを択一的に選択する信号をいう。
つまり、論理回路LC1は、図5(a)から(c)に示すように、走査信号線g1の走査信号が値「H」である時刻t1からt2までの期間に、選択信号線SELから出力された選択信号が値「H」であると、値「H」の信号を走査信号線G1へ出力する。このため、選択信号が値「H」である期間において、走査信号線G1に接続する画素行RE1の画素は、上記の点灯条件を満たす表示信号及び共通信号が入力されると点灯を行う。
これに対して、論理回路LC1は、図5(e)から(g)に示すように、走査信号線g1の走査信号が値「H」である時刻t1からt2までの期間に、選択信号が値「L」であると、値「L」の信号を走査信号線G1へ出力する。このため、選択信号が値「L」である期間において、画素行RE1の画素は、上記の点灯条件を満たす表示信号及び共通信号が入力されても点灯を行わない。
図3の論理回路LC2は、走査信号線g1と選択信号線SELと画素行RE2を構成する画素E21からE26のゲート電極のそれぞれに接続された走査信号線G2とに接続する。論理回路LC2は、走査信号線g1から入力された走査信号の値と、選択信号線SELから入力された選択信号の論理否定値との論理積を表す信号を走査信号線G2へ出力する。
つまり、論理回路LC2は、図5(a)、(b)、及び(d)に示すように、走査信号線g1の走査信号が値「H」である時刻t1からt2までの期間に、選択信号が値「H」であると、値「L」の信号を走査信号線G2へ出力する。このため、走査信号線G2に接続する画素行RE2の画素は、画素行RE1の画素と異なり、選択信号が値「H」である期間において、上記の点灯条件を満たす表示信号及び共通信号が入力されても点灯を行わない。
これに対して、論理回路LC2は、図5(e)、(f)、及び(h)に示すように、走査信号線g1の走査信号が値「H」である時刻t1からt2までの期間に、選択信号が値「L」であると、値「H」の信号を走査信号線G2へ出力する。このため、画素行RE2の画素は、画素行RE1の画素と異なり、選択信号が値「L」である期間において、上記の点灯条件を満たす表示信号及び共通信号が入力されると点灯を行う。
尚、論理回路LC3は、駆動回路120に接続された走査信号線g2と選択信号線SELと画素行RE3のゲート電極に接続された走査信号線G3とに接続し、論理回路LC1と同様の構成を有する。また、論理回路LC4は、駆動回路120に接続された走査信号線g2と選択信号線SELと画素行RE4のゲート電極に接続された走査信号線G4とに接続し、論理回路LC2と同様の構成を有する。
ここで、画素E11からE46が有する外側の透明基板112は、図4(a)に示すような透明板118で覆われている。外部から加えられる衝撃から画素E11からE46を保護するためである。また透明板118の外側表面は、図1(b)に示すような光学フィルム119で覆われている。つまり、本明細書において、画素E11は、画素E11が有する液晶を透過したバックライト光をさらに透過する透明板118の一領域及び光学フィルム119の一領域をも含む。
光学フィルム119の表面は、領域R11からR16、R21からR26、R31からR36、及びR41からR46を有する。領域R11からR46は、それぞれ画素E11からE46に対応する位置に形成されている。つまり、領域R11からR46が、画素E11からE46それぞれの透過光が照射される位置と一致するように、光学フィルム119は、透明板118に接着されている。このため、光学フィルム119の領域R11からR46は、透明板118を介して画素E11からE46の透明基板112をそれぞれ覆う。
領域R11からR16及び領域31からR36は、それぞれグレア処理が施されたグレア領域であり、領域R21からR26及び領域R41からR46は、それぞれアンチグレア処理が施されたアンチグレア領域である。
また光学フィルム119の表面は、グレア領域行RR1及びRR3、並びにアンチグレア領域行RR2及びRR4で構成される。グレア領域行RR1及びRR3は、グレア領域R11からR16及びR31からR36がそれぞれ主走査方向に連続して形成されている。同様に、アンチグレア領域行RR2及びRR4は、アンチグレア領域R21からR26及びR41からR46がそれぞれ主走査方向に連続して形成されている。これらのグレア領域行とアンチグレア領域行は、光学フィルム119の全域に渡って(つまり、表示パネル110の表示面の全域にわたって)、副走査方向に1行間隔で交互に形成されている。
ここで、選択信号線SELから値「H」の選択信号が出力される場合に、図2の駆動回路120によって走査信号線g1及びg2に対して順に値「H」の走査信号が出力されると、画素行RE1の画素であって、上記の点灯条件を満たす表示信号及び共通信号が入力される画素、及び画素行RE3の画素であって上記の点灯条件を満たす信号が入力される画素が順に点灯する。
つまり、グレア領域行RR1の領域及びグレア領域行RR3の領域が順に点灯する。同様に、選択信号線SELに値「L」の選択信号が表示パネル110に入力される場合には、アンチグレア領域行RR2の領域及びアンチグレア領域行RR4の領域が順に点灯する。
これらの構成によれば、光学フィルム119のグレア領域を構成する画素が点灯すれば、アンチグレア領域よりも光の反射率が高いグレア領域に情報を表示でき、光学フィルム119のアンチグレア領域を構成する画素が点灯すれば、光の反射率が低いアンチグレア領域に情報を表示できる。このため、1つの表示パネル110が有する光の反射率が異なる表示面に対して情報を選択的に表示させることができる。よって、例えば、表示装置100の設置された場所が、グレア領域で生じる反射光によって、グレア領域で透過される光の視認性が妨げられる程に明るい場合には、アンチグレア領域を構成する画素を点灯させることで、反射光の発生を抑制しながらアンチグレア領域に情報を表示できるので、情報の視認性を向上させることができる。
またこれらの構成によれば、グレア領域とアンチグレア領域とは、表示パネル110の全域に渡って交互かつ均一に形成されているので、表示パネル110がグレア領域を構成する画素を点灯させることで情報を表示する状態(以下、グレアモードという)であっても、アンチグレア領域を構成する画素を点灯させることで情報を表示する状態(以下、アンチグレアモードという)であっても、光学フィルム119で覆われた表示パネル110の表示面の全域に渡って情報を表示できるため、情報の視認性が向上する。
さらにこれらの構成によれば、グレア領域とアンチグレア領域とは、主走査方向に連続して配置された画素で構成される画素行を構成し、かつ同じ画素行を構成する複数の画素は、それぞれ同じ走査信号線から出力される走査信号に従って点灯する。このため、表示パネル110を駆動させる図2の駆動回路120は、走査信号の出力先を、グレア領域を構成する画素行が接続する走査信号線と、アンチグレア領域を構成する画素行が接続する走査信号線とで切り替えることで、グレアモードとアンチグレアモードとの切り替えを容易に実行できる。
またこれらの構成によれば、走査信号を出力する図2の走査信号出力回路122が汎用的な表示パネルを駆動させる駆動回路の走査ドライバであっても、選択信号が表示パネル110に対して入力されさえすれば、グレア領域行を構成する画素行を点灯させるか、アンチグレア領域行を構成する画素行を点灯させるかを容易に制御できる。
図2の駆動回路120は、タイミングコントローラ121、走査信号出力回路122、表示信号出力回路123、及び共通信号出力回路124で構成される。
タイミングコントローラ121は、走査信号出力回路122、表示信号出力回路123、及び共通信号出力回路124に対して、それぞれが同期するために用いるクロック信号と、走査信号出力回路122が走査信号を出力するタイミングを定める垂直制御信号と、表示信号出力回路123が表示信号を出力するタイミングを定める水平制御信号とを出力する。また、タイミングコントローラ121は、制御装置190から出力された情報データを表示信号出力回路123へ出力する。
走査信号出力回路122は、汎用的な走査信号出力回路であり、タイミングコントローラ121から垂直制御信号を入力されると、走査信号線g1及びg2に対して順に所定の期間に渡って値「H」の走査信号を出力する。
表示信号出力回路123は、タイミングコントローラ121から水平制御信号を入力されると、タイミングコントローラ121から入力された情報データに従った値の表示信号を、表示信号線S1からS6に対して順に所定の期間に渡って出力する。
共通信号出力回路124は、表示パネル110を長寿命化させるために、表示信号における電圧極性の変化と同期させてコモン信号(以下、共通信号という)を出力する。
このため、制御装置190が同じ情報データを表示信号出力回路123へ出力する場合には、選択信号が「H」である場合において点灯する奇数番号のグレア領域行の領域(たとえば、R11)が表示する色と、選択信号が「L」である場合において、当該グレア領域よりも副走査方向に1つ進んだ位置にあるアンチグレア領域(たとえば、R21)が表示する色とが同色かつ同階調になる。
このためこれらの構成によれば、値「H」の選択信号が表示パネル110へ入力されると、情報データで表される情報を表示パネル110の表示面の全域に所定の割合で形成されたグレア領域に表示させることができ、値「L」の選択信号が表示パネル110へ入力されると、同じ情報データで表される同じ情報を表示パネル110の表示面の全域に形成されたアンチグレア領域に表示させることができる。
バックライト170は、制御装置190に制御されて点灯し、表示パネル110の裏面に対して光を照射する。
照度センサ181は、図1(a)に示すように、表示装置100の正面に設置されている。照度センサ181は、表示パネル110に照射される外光の照度を検出し、検出した照度を表す照度信号を制御装置190へ出力する。
操作部182は、図1(a)に示すように、表示装置100の上面に設置されている。操作部182は、ユーザによってグレアモードと、アンチグレアモードと、オートモードとを切り替える操作を行われ、行われた操作に応じた操作信号を制御装置190へ出力する。尚、オートモードとは、照度センサ181が検出する照度に基づいて、表示装置100がグレアモード又はアンチグレアモードに自動で切り替わる状態をいう。
制御装置190は、図2(b)に示すようなマイクロコンピュータで構成される。制御装置190は、CPU(Central Processing Unit)190a、RAM(Random Access Memory)190b、ROM(Read Only Memory)190c、及びI/O(Input / Output)ポートを有する。CPU190aは、ROM190cが記憶するプログラムで表されるソフトウェア処理を実行することで、制御装置190の全体制御を行う。RAM190bは、CPU190aがソフトウェア処理を実行する場合に、処理の対象とされるデータを一時的に記憶する。I/Oポートは、図2(a)の照度センサ181から出力された照度信号及び操作部182から出力された操作信号などをCPU190aへ入力し、CPU190aから出力される信号を、表示パネル110、駆動回路120、及びバックライト170などへ出力する。
次に、CPU190aが実行するソフトウェア処理の一例について説明する。
CPU190aは、表示装置100のモードをグレアモード又はアンチグレアモードへ切り替える、図6に示すようなモード切換処理を実行することで、図2(c)に示すような信号取得部191、切替判定部192、及び表示切替制御部193として機能する。
先ず、ユーザが表示装置100をグレアモードに切り替える操作を操作部182に対して行った場合に実行されるモード切換処理について説明する。
図6のモード切換処理が開始されると、図2(c)の信号取得部191は、操作部182から操作信号を取得する(ステップS01)。次に、切替判定部192は、取得した操作信号が、グレアモードへ切り替える操作に対応した信号であると判断する(ステップS02;Yes)。その後、表示切替制御部193は、選択信号線SELを介して値「H」の選択信号を駆動回路120へ出力した後に(ステップS09)、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
その後、表示装置100は、選択信号に従って、図1(b)に示すグレア領域(つまり、領域R11からR14及びR31からR34)に情報を表示する。
次に、ユーザが表示装置100をアンチグレアモードに切り替える操作を操作部182に対して行った場合に実行されるモード切換処理について説明する。
モード切換処理が開始されると、ステップS01が実行される。その後に、切替判定部192は、ステップS01で取得された操作信号が、グレアモードへ切り替える操作に対応した信号ではなく、アンチグレアモードへ切り替える操作に対応した信号であると判断する(ステップS02;No及びステップS03;Yes)。
その後、表示切替制御部193は、駆動回路120へ値「L」の選択信号を出力した後に(ステップS07)、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。その後、表示装置100は、選択信号に従って、図1(b)に示すアンチグレア領域(つまり、領域R21からR24及びR41からR44)に情報を表示する。
次に、ユーザが表示装置100をオートモードに切り替える操作を操作部182に対して行った場合に実行されるモード切換処理について説明する。
モード切換処理が開始されると、ステップS01からS03が実行される。切替判定部192によって、操作信号がグレアモードへ切り替える操作に対応した信号でも、アンチグレアモードへ切り替える操作に対応した信号でもない(つまり、オートモードへ切り替える操作に対応した信号である)と判断されると(ステップS02;No及びステップS03;No)、信号取得部191は、照度センサ181から照度信号を取得する(ステップS04)。次に、切替判定部192は、照度信号で表される照度が所定の照度閾値を超えているか否かを判断する(ステップS05)。
その後、切替判定部192は、照度信号で表される照度が所定の照度閾値を超えていると判断すると(ステップS05;Yes)、アンチグレアモードへ切り替えることが適当であると判定する(ステップS06)。アンチグレア領域の方がグレア領域よりも外光を反射し難いためである。その後、表示切替制御部193は、駆動回路120へ値「L」の選択信号を出力した後に(ステップS07)、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
また、切替判定部192は、照度信号で表される照度が所定の照度閾値を超えていないと判断すると(ステップS05;No)、グレアモードへ切り替えることが適当であると判定する(ステップS08)。グレア領域の方がアンチグレア領域よりも画素の点灯光を透過し易いためである。その後、表示切替制御部193は、駆動回路120へ値「H」の選択信号を出力した後に(ステップS09)、ステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
これらの構成によれば、情報データで表される情報を、表示パネル110の全域に所定の割合で形成されたグレア領域に表示するか、同様に表示パネル110の全域に所定の割合で形成されたアンチグレア領域に表示するかを選択できる。よって、1つの表示パネル110が有する光の反射率が異なる表示面に対して情報を選択的に表示させることができる。
またこれらの構成によれば、表示パネル110に照射される外光の照度が所定の照度よりも強いために、表示パネル110で反射された外光が、表示パネル110に表示される情報の視認性を低下させる場合には、情報を反射率が低いアンチグレア領域に情報を表示するため、情報の視認性を向上させることができる。逆に、表示パネル110に照射される外光の照度が所定の照度よりも弱いために、表示パネル110に表示される情報が十分に視認される場合には、画素の点灯光に対する透過率が高いグレア領域に情報を表示するため、情報の視認性をさらに向上させることができる。アンチグレア処理を施された光学フィルム119の表面領域は、グレア処理の施された表面領域よりも光の反射率だけでなく透過率も低いためである。
またこれらの構成によれば、ユーザの切り替え操作に応じて、グレア領域に情報を表示するか、アンチグレア領域に情報を表示するかを切り替えることができるため、情報の視認性及び表示装置の利便性が向上する。
尚、本実施形態1において、表示パネル110は、TFT液晶パネルであるとして説明したが、これに限定される訳ではなく、例えば、TFTなどのスイッチング素子を備えないパネルであってもよい。また、表示パネル110は、プラズマパネル、又はEL(Electro Luminescence)パネルのような自発光パネルであっても良い。
(実施形態1の変形例1)
本実施形態において、光学フィルム119は、表面に形成された領域R11からR46の位置と、画素E11からE46の点灯光が照射される位置とがそれぞれ一致するように、透明板118に対して接着されるとして説明した。しかし、これに限定されるのではなく、表示パネル110は、透明板118を有さず、画素E11からE46がそれぞれ有する透明基板に光学フィルム119を直接接着しても良い。また、表示パネル110は、光学フィルム119を有さず、透明板118又は画素E11からE46を構成する透明基板112に対してシリカ粉末を塗布してアンチグレア処理を施しても良いし、レーザー加工などによって透明板118又は画素E11からE46を構成する透明基板112の表面に対して凹凸をつけても良い。この画素E11からE46を構成する透明基板112のそれぞれに対してグレア処理又はアンチグレア処理を施す構成によれば、光学フィルム119に形成された領域の位置と画素の位置とを合わせる必要がないため、グレアモード(又はアンチグレアモード)において点灯する画素の位置とグレア領域(又はアンチグレア領域)の位置とを容易かつ完全に一致させることができる。
(実施形態1の変形例2)
本実施形態において、図1(b)に示すように、光学フィルム119の表面に形成されたグレア領域行とアンチグレア領域行とは、副走査方向に向かって1行毎に交互に形成されているとして説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、図7(a)に示すように、光学フィルム119の表面は、グレア領域行RR1及びRR2並びにRR5及びRR6と、アンチグレア領域行RR3及びRR4並びにRR7及びRR8とが形成され、これらのグレア領域行とアンチグレア領域行とは、副走査方向に向かって複数行毎(図7(a)では2行毎)に交互に形成されていても良い。
この構成によれば、光学フィルム119の表面には、グレア領域行とアンチグレア領域行とが副走査方向に向かって2行毎に交互に形成されているため、光学フィルム119に形成された領域の位置と画素の位置とが副走査方向に最大1行分ずれても、少なくとも1つのグレア領域行(又はアンチグレア領域行の位置)と、グレアモード(又はアンチグレアモード)において点灯する画素行の位置とを一致させることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明を行う。
本発明の実施形態2に係る表示装置200は、汎用の表示パネルを実施形態1で説明した光学フィルム119で覆った表示パネル210を備える。
表示装置200は、図8に示すような表示パネル210、駆動回路220、バックライト270、照度センサ281、操作部282、及び制御装置290で構成される。尚、本実施形態において、実施形態1と共通する構成についての説明を以下省略する。
表示パネル210は、図9に示すように、アジャスタ回路CAを有しない点で実施形態1と異なる。表示パネル210を構成する画素行RE1の画素E11からE16のゲート電極は、それぞれ走査信号線G1に接続している。同様に、画素行RE2からRE4は、走査信号線G2からG4にそれぞれ接続している。
図8の駆動回路220は、タイミングコントローラ221、走査信号出力回路222、表示信号出力回路223、及び共通信号出力回路224で構成される。
走査信号出力回路222は、制御装置290から値「H」の選択信号を入力された後に、タイミングコントローラ221から垂直制御信号を入力されると、走査信号線G1及びG3に対して順に走査信号を出力する。また、走査信号出力回路222は、制御装置290から値「L」の選択信号を入力された後に垂直制御信号を入力されると、走査信号線G2及びG4に対して順に走査信号を出力する。
走査信号出力回路222は、図10に示すように、論理回路LC2a及びLC2b、保持回路(シフトレジスタ)HC21からHC24、レベルシフト回路LS21からLS24を有する。
論理回路LC2aは、制御装置290に接続された選択信号線SEL、タイミングコントローラ221に接続された垂直制御信号線G_ST、及び保持回路21とを結ぶ信号線に接続している。論理回路LC2aは、選択信号線SELから入力された選択信号の値と、垂直制御信号線G_STから入力された垂直制御信号の値との論理積を表す値の信号を保持回路HC21へ出力する。
保持回路21は、論理回路LC2aから出力された信号の値を、クロック信号線G_CKから値「H」の信号が入力されてから、次に値「H」の信号が再度入力されるまで(つまり、所定時間にわたって)保持し、保持する値をレベルシフト回路LS21及び保持回路HC23へ出力し続ける。
レベルシフト回路LS21は、保持回路21から値「H」の信号を入力されると、走査信号線G1の電圧レベルを値「L」から「H」へシフトアップする。
保持回路23は、保持回路21と同様に、保持回路21から出力された信号の値を所定時間にわたって保持し、レベルシフト回路LS23は、レベルシフト回路LS21と同様に、保持回路23に保持された信号の値に応じて走査信号線G3の電圧レベルを上下させる。
論理回路LC2bは、選択信号線SEL、垂直制御信号線G_ST、及び保持回路22とを結ぶ信号線とに接続する。論理回路LC2bは、選択信号の論理否定値と、垂直制御信号の値との論理積を表す値の信号を保持回路HC22へ出力する。
このため、論理回路LC2bは、論理回路LC2aと異なり、値「L」の選択信号が入力される場合に、値「H」の垂直制御信号を入力されると値「H」の信号を出力する(それ以外の場合には値「L」の信号を出力する)。
保持回路22は、保持回路21と同様に、論理回路LC2bから出力された信号の値を所定時間にわたって保持し、レベルシフト回路LS22は、レベルシフト回路LS21と同様に、保持回路22に保持された信号の値に応じて走査信号線G2の電圧レベルを上下させる。
保持回路24は、保持回路22から出力された信号の値を所定時間にわたって保持し、レベルシフト回路LS24は、保持回路24に保持された信号の値に応じて走査信号線G4の電圧レベルを上下させる。
次に、図11(a)から(g)を参照して、走査信号出力回路222が入出力する信号について説明する。
図11(a)に示すように、時刻t1からt6までの表示装置200がグレアモードである期間(以下、グレア期間という)において、選択信号線SELから値「H」の選択信号が走査信号出力回路222に入力される。
次に、図11(b)に示すように、グレア期間に対応する時刻t1からt2までの期間において、垂直制御信号線G_STから値「H」の垂直制御信号が入力されると、論理回路LC2aは、値「H」の信号を保持回路21へ出力する。尚、論理回路LC2bは、グレア期間において、値「L」の信号を出力し続ける。
また、図11(c)に示すように、時刻t1からt2において、保持回路21は、論理回路LC2aから値「H」の信号が入力されているが、入力されるクロック信号が値「L」であるため、保持する値を「L」のまま変更せず保持し続ける。次に、時刻t2からt3において、保持回路21は、値「H」のクロック信号が入力されるため、保持する値を「H」へ変更し、かつレベルシフト回路LS21へ保持する値「H」の信号を出力する。
このため、図11(d)に示すように、時刻t2からt3において、走査信号線G1に対して値「H」の信号が出力される。
次に、図11(b)に示すように、時刻t3からt7まで、垂直制御信号線G_STから値「L」の垂直制御信号が入力されると、論理回路LC2aは、値「L」の信号を保持回路21へ出力する。
また、図11(c)に示すように、時刻t3からt4において、保持回路21は、論理回路LC2aから値「L」の信号が入力されるが、入力されたクロック信号が値「L」であるため、保持する値を「H」のまま変更せず保持し続ける。
このため、図11(d)に示すように、時刻t3からt4において、走査信号線G1に対して値「H」の信号が出力され続ける。尚、時刻t3からt4において、走査信号線G2からG4には、値「L」の信号が出力され続ける。
次に、図11(c)に示すように、時刻t4において、保持回路21は、値「H」のクロック信号が入力されるため、保持する値を「L」へ変更し、かつレベルシフト回路LS21へ保持する値「L」の信号を出力する。
このため、図11(d)に示すように、時刻t4以降において、走査信号線G1に対して値「L」の信号が出力される。
同様に、時刻t4からt5において、保持回路23は値「H」の信号を保持するため、走査信号線G3に対して値「H」の信号が出力される。尚、時刻t4からt5において、走査信号線G1、G2、及びG4には、値「L」の信号が出力され続ける。
次に、図11(a)に示すように、時刻t6からt11までの表示装置200がアンチグレアモードである期間(以下、アンチグレア期間という)において、選択信号線SELから値「L」の選択信号が走査信号出力回路222に入力される。
次に、図11(b)に示すように、アンチグレア期間における時刻t7からt9までの期間において、垂直制御信号線G_STから値「H」の垂直制御信号が入力されると、論理回路LC2bは、値「H」の信号を保持回路22へ出力する。尚、論理回路LC2aは、アンチグレア期間において、値「L」の信号を出力し続ける。
その後、図11(e)に示すように、時刻t8からt9において、保持回路22は、論理回路LC2bから出力された信号の値「H」を保持するため、走査信号線G2に対して値「H」の信号が出力される。
また、図11(g)に示すように、時刻t10からt11において、保持回路24は、保持回路22から出力された信号の値「H」を保持するため、走査信号線G4に対して値「H」の信号が出力される。
これらの構成によれば、選択信号に基づいて走査信号の出力先を走査信号線G1及びG3と走査信号線G2及びG4とに択一的に選択できるため、点灯させる画素行として、グレア領域を構成する画素行とアンチグレア領域を構成する画素行とを択一的に選択できる。
またこれらの構成によれば、選択信号及び垂直制御信号の双方の値が「H」の場合に、論理回路LC2aは値「H」の走査信号を走査信号線G1及びG3に順次出力し、選択信号が値「L」かつ垂直制御信号が値「H」の場合に、論理回路LC2bは値「H」の走査信号を走査信号線G2及びG4に出力する。よって、制御装置290は、選択信号を「H」又は「L」に変更するだけで、走査信号線G1及びG3に接続されたグレア領域を構成する画素列を点灯させるか、走査信号線G2及びG4に接続されたアンチグレア領域を構成する画素列を点灯させるかを容易に制御できる。
(実施形態2の変形例1)
図10に示した走査信号出力回路222は、2つの論理回路LC2a及びLC2bと、4つの保持回路HC21からHC24と、4つのレベルシフト回路LS21からLS24とで構成されるとして説明した。
図12に示す変形例1に係る走査信号出力回路222bは、図10に示す走査信号出力回路222の等価回路の一例である。走査信号出力回路222bは、4つの論理回路LC21からLC24と、2つの保持回路HC2a及びHC2bと、4つのレベルシフト回路LS21からLS24とで構成される。
保持回路HC2aは、タイミングコントローラ221に接続された垂直制御信号線G_STから出力される信号の値を所定時間にわたって保持し、保持する値を所定時間にわたって論理回路LC21及びLC22、並びに保持回路HC2bへ出力する。
論理回路LC21は、保持回路HC2aから出力される信号の値と、制御装置190に接続された選択信号線SELから出力される選択信号の値との論理積を表す値の信号をレベルシフト回路LS21へ出力する。レベルシフト回路LS21は、論理回路LC21から出力される信号の値に応じて走査信号線G1の電圧レベルを上下させる。
論理回路LC22は、保持回路HC2aから出力される信号の値と、選択信号の論理否定値との論理積を表す値の信号をレベルシフト回路LS22へ出力する。
このため、論理回路LC21は、値「H」の選択信号が入力される場合に、保持回路HC2aによって値「H」の信号が入力されると値「H」の信号を出力する。これに対して、論理回路LC22は、値「H」の選択信号が入力される場合に、保持回路HC2aによって値「H」の信号が入力されると値「L」の信号を出力する。
逆に、論理回路LC21は、値「L」の選択信号が入力される場合に、保持回路HC2aによって値「H」の信号が入力されると値「L」の信号を出力するが、論理回路LC22は、値「H」の信号を出力する。
保持回路HC2bは、保持回路HC2aから出力される信号の値を所定時間にわたって保持し、保持する値を所定時間にわたって論理回路LC23及びLC24へ出力する。論理回路LC23は、論理回路LC21と同様に、保持回路HC2bから出力される信号の値と選択信号の値との論理積を表す値の信号をレベルシフト回路LS23へ出力する。論理回路LC24は、論理回路LC22と同様に、保持回路HC2bから出力される信号の値と選択信号の論理否定値との論理積を表す値の信号をレベルシフト回路LS24へ出力する。
よって、走査信号出力回路222bは、図10に示した走査信号出力回路222と同様に、図11(a)から図11(c)に示す選択信号、垂直制御信号、及びクロック信号を入力されると、図11(d)から図11(g)に示す走査信号を走査信号線G1からG4へそれぞれ出力する。
これらの構成によれば、図10に示した走査信号出力回路222と比べて、保持回路の数を少なくできるため、表示装置200の製造コストを削減しかつ軽量化できる。またこれらの構成によれば、走査信号出力回路222と同様の機能を実現するための技術が豊富化する。
(実施形態3)
次に、実施形態3について説明を行う。
本発明の実施形態3に係る表示装置300は、図13に示すようなグレア領域とアンチグレア領域とが主走査方向に向かって交互に形成され、かつ副走査方向に向かって連続して形成された光学フィルムで覆われた表示パネル310を備える。
表示装置300は、図13に示すような表示パネル310、駆動回路320、バックライト370、照度センサ381、操作部382、及び制御装置390で構成される。尚、本実施形態において、実施形態1と共通する構成についての説明を以下省略する。
表示パネル310は、図14に示すように、副走査方向に連続して並べられ、かつ同じ表示信号線S1に接続する画素E11からE41で構成される画素列CE1(R)、画素列CE1(R)と同様の構成を有する画素列CE2(R)、CE3(G)、CE4(G)、及びCE5(B)、CE6(B)を有する。
画素列CE1(R)及び画素列CE2(R)を構成する画素は赤のカラーフィルタを有し、画素列CE3(G)及び画素列CE4(G)を構成する画素は緑のカラーフィルタを有し、画素列CE5(R)及び画素列CE6(R)を構成する画素は青のカラーフィルタを有する。
また、画素列CE1(R)、画素列CE3(G)、及び画素列CE5(B)は、グレアモードにおいて点灯する画素であり、画素列CE2(R)、画素列CE4(G)、及び画素列CE6(B)は、アンチグレアモードにおいて点灯する画素である。
つまり、グレアモードにおいては、画素E11、E13、及びE15の組み合わせが、1つの色を表す画素としてそれぞれ機能する。尚、画素E21、E23、及びE25の組み合わせ、画素E31、E33、及びE35の組み合わせ、並びに画素E41、E43、及びE45の組み合わせも同様である。また、アンチグレアモードにおいては、画素E12、E14、及びE16の組み合わせなどが、1つの色を表す画素としてそれぞれ機能する。
表示パネル310を構成する画素E11からE46の外側の透明基板は、図13に示すような光学フィルムで覆われている。本実施形態の光学フィルムの表面が有する奇数番号の領域(つまり、領域R11、R13、R15、R21、・・・R45)は、それぞれグレア領域であり、偶数番号の領域(つまり、領域R12、R14、・・・R46)は、それぞれアンチグレア領域である。
また光学フィルムの表面は、グレア領域列RC1、RC3、及びRC5、並びにアンチグレア領域列RC2、RC4、及びRC6で構成される。尚、グレア領域列RC1は、グレア領域R11、R21、R31、及びR41が副走査方向に連続して形成され、アンチグレア領域列RC2は、アンチグレア領域R12、R22、R32、及びR42が副走査方向に連続して形成される。また、グレア領域列RC3及びRC5並びにアンチグレア領域列RC4及びRC6は、それぞれグレア領域列RC1及びアンチグレア領域列RC2と同様に構成される。
図13の駆動回路320は、タイミングコントローラ321、走査信号出力回路322、表示信号出力回路323、及び共通信号出力回路324で構成される。
走査信号出力回路322は、汎用的な走査信号出力回路であって、タイミングコントローラ321から垂直制御信号を入力されると、走査信号線G1からG4に対して順に所定の期間に渡って値「H」の走査信号を出力する。
表示信号出力回路123は、表示装置300をグレアモードに切り替えるために制御装置380から値「H」の選択信号を入力されると、図15(e)、(g)、及び(i)に示すように、表示信号線S2(R)、S4(G)、及びS6(B)に対して、図15(c)に示す共通信号の同相信号(つまり、OFFデータ)を出力する。
このため、表示信号線S2(R)、S4(G)、及びS6(B)に接続する画素列CE2(R)、CE4(G)、及びCE6(B)(つまり、偶数列の画素列)には、図4(a)及び(b)を参照して説明した画素電極115lと共通電極115cとの間において、液晶の配向状態を変化させるのに十分な電圧差が生じない。
このため、図15(a)に示すように、時刻t1からt2において、値「H」の走査信号が走査信号線G1に出力されても、画素列CE2(R)の画素E12、画素列CE4(G)の画素E14、及び画素列CE6(B)の画素E16は点灯せず、アンチグレア領域列RC2(R)の領域R12、アンチグレア領域列RC4(G)の領域R14、及びアンチグレア領域列RC6(B)の領域R16が点灯しない。
これに対して、図15(d)、(f)、及び(h)に示すように、表示信号出力回路323は、表示信号線S1(R)、S3(G)、及びS5(B)に対して、タイミングコントローラ321から出力された情報データに従った値の表示信号を出力する。このため、図15(a)に示すように、時刻t1からt2において、値「H」の走査信号が走査信号線G1に出力されると、グレア領域列RC1(R)の領域R11、グレア領域列RC3(G)の領域R13、及びグレア領域列RC5(B)の領域R15が点灯する。
同様に、図15(b)に示すように、時刻t2からt3において、値「H」の走査信号が走査信号線G2に入力されても、アンチグレア領域R22、R24、及びR26が点灯しないが、グレア領域R21、R23、及びR25が点灯する。
これらの構成によれば、値「H」の選択信号に基づいて選択された表示信号線S1(R)、S3(G)、及びS5(B)と異なる表示信号線S2(R)、S4(G)、及びS6(B)に接続する画素には、共通信号と同じ位相の表示信号が入力される。このため、制御装置390は、駆動回路320へ値「H」の選択信号を入力するだけで、表示信号線S2(R)、S4(G)、及びS6(B)に接続するアンチグレア領域を構成する画素を消灯させ、かつ表示信号線S1(R)、S3(G)、及びS5(B)に接続するグレア領域を構成する画素を点灯させることができる。
また、表示装置300をアンチグレアモードに切り替えるために、制御装置380から値「L」の選択信号を入力されると、表示信号出力回路123は、図15(m)、(o)、及び(q)に示すように、表示信号線S1(R)、S3(G)、及びS5(B)に対して、共通信号のOFFデータを出力し、図15(n)、(p)、及び(r)に示すように、表示信号線S2(R)、S4(G)、及びS6(B)に対して情報データに従った値の表示信号を出力する。
このため、図15(j)に示すように、値「H」の走査信号が走査信号線G1へ出力される時刻t1からt2において、グレア領域R11、R13、及びR15が点灯しないが、アンチグレア領域R12、R14、及びR16が点灯する。同様に、図15(k)に示すように、値「H」の走査信号が走査信号線G2に出力される時刻t2からt3において、グレア領域R21、R23、及びR25が点灯しないが、アンチグレア領域R22、R24、及びR26が点灯する。
これらの構成によれば、値「L」の選択信号に基づいて選択された表示信号線S2(R)、S4(G)、及びS6(B)と異なる表示信号線S1(R)、S3(G)、及びS5(B)に接続する画素には、共通信号と同じ位相の表示信号が入力される。このため、制御装置390は、駆動回路320へ値「L」の選択信号を入力するだけで、表示信号線S1(R)、S3(G)、及びS5(B)に接続する、グレア領域を構成する画素を消灯させ、かつ表示信号線S2(R)、S4(G)、及びS6(B)に接続する、アンチグレア領域を構成する画素を点灯させることができる。
このため、制御装置390が同じ情報データを表示信号出力回路323へ出力する場合には、グレアモードにおいて点灯する奇数番号のグレア領域列の領域(たとえば、R11)が表示する色と、アンチグレアモードにおいて、当該グレア領域よりも主走査方向に1つ進んだ位置にあるアンチグレア領域(たとえば、R12)が表示する色とが同色かつ同階調となる。このため、表示装置300は、グレアモードとアンチグレアモードとで同じ情報データで表される同じ情報を表示パネル310のグレア領域とアンチグレア領域に択一的に表示させることができる。
またこれらの構成によれば、グレア領域とアンチグレア領域とは、副走査方向に連続して配置されて画素列を構成し、かつ同じ画素列を構成する複数の画素は、それぞれ同じ表示信号線から出力される表示信号と共通信号との差異に従って点灯する。このため、表示パネル310を駆動させる図13の駆動回路120は、グレア領域を構成する画素列が接続する表示信号線に共通信号の同相信号(つまり、OFFデータ)を出力するか否か、及びアンチグレア領域を構成する画素行が接続する表示信号線にOFFデータを出力するか否かを切り替えることで、グレアモードとアンチグレアモードとの切り替えを容易に実行できる。
(実施形態3の変形例1)
本実施形態において、図13に示すように、表示パネル310を構成する光学フィルムの表面に形成されたグレア領域列とアンチグレア領域列とは、主走査方向に向かって1列毎に交互に形成されているとして説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、図7(b)に示すように、光学フィルム119の表面は、グレア領域列RC1(R)、RC2(G)、及びRC3(B)と、アンチグレア領域列RC4(R)、RC5(G)、及びRC6(B)と、グレア領域列RC7(R)、RC8(G)、及びRC9(B)と、アンチグレア領域列RC10(R)、RC11(G)、及びRC12(B)とが形成され、かつこれらのグレア領域列とアンチグレア領域列とは、主走査方向に向かって複数列毎(図7(b)では3列毎)に交互に形成されていても良い。
この構成によれば、表示パネル310を構成する光学フィルムの表面には、グレア領域列とアンチグレア領域列とが主走査方向に向かって3列毎に交互に形成されている。このため、光学フィルムに形成された領域の位置と画素の位置とが主走査方向に最大1列分ずれても、少なくとも2つのグレア領域列(又はアンチグレア領域列)の位置と、グレアモード(又はアンチグレアモード)において点灯する画素列の位置とを一致させることができる。
(実施形態4)
上記の実施形態1又は2と実施形態3とを組み合わせても良い。つまり、表示装置は、図16に示すように、主走査方向及び副走査方向に向かって1領域毎に交互にグレア領域とアンチグレア領域とが形成された(つまり、グレア領域とアンチグレア領域とが市松模様状をなすように形成された)表面を有する光学フィルムで覆われた表示パネルを備える構成を採用できる。
この構成において、表示装置は、同じ情報データに基づいて情報を表示パネルに表示する場合には、グレアモードにおいて点灯する奇数番号のグレア領域(たとえば、R11)が表示する色と、当該グレア領域よりも副走査方向に1つ進んだ位置にあるアンチグレア領域(たとえば、R21)がアンチグレアモードにおいて表示する色とが同色かつ同階調となる構成であっても良い。また、当該奇数番号のグレア領域(たとえば、R11)が表示する色と、当該グレア領域よりも主走査方向に1つ進んだ位置にあるアンチグレア領域(たとえば、R12)がアンチグレアモードにおいて表示する色とが同色かつ同階調となる構成であっても良い。
この構成によれば、主走査方向及び副走査方向の双方に向かって交互にグレア領域とアンチグレア領域が形成されているため、例えば、表示パネル110、120、及び320と比べて、グレアモード又はアンチグレアモードにおける情報の視認性が向上する。
本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた表示装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の表示装置を本発明に係る表示装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した表示装置100による各機能構成を実現させるための制御プログラムを、既存の表示装置を制御するコンピューター(CPUなど)が実行できる様に適用することで、本発明に係る表示装置100として機能させることができる。また、本発明に係る表示パネルの駆動方法は、駆動回路120、220、及び320を用いて実施できる。
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)光の反射率が所定の反射率よりも高い第1画素と、前記第1画素よりも光の反射率が低い第2画素と、を備える、ことを特徴とする表示パネル。
(付記2)前記第1画素と前記第2画素とは、所定の割合で全域に渡って均一かつ交互に配置されている、ことを特徴とする付記1に記載の表示パネル。
(付記3)前記第1画素と前記第2画素とは、主走査方向に向かって連続して配置されて画素行を構成し、かつ副走査方向に交互に配置され、同じ画素行を構成する複数の画素は、それぞれ同じ走査信号線から入力される走査信号に従って点灯する、ことを特徴とする付記1又は2に記載の表示パネル。
(付記4)前記第1画素で構成された第1画素行と、前記第2画素で構成された第2画素行とのいずれを点灯させるかを選択する選択信号と前記走査信号との論理積を表す信号を出力する第1論理回路と、前記選択信号の論理否定と前記走査信号との論理積を表す信号を出力する第2論理回路と、をさらに備え、前記第1画素行は、前記第1論理回路から出力される信号に従って点灯し、前記第2画素行は、前記第2論理回路から出力される信号に従って点灯する、ことを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
(付記5)前記第1画素と前記第2画素とは、副走査方向に向かって連続して配置されて画素列を構成し、かつ主走査方向に交互に配置され、同じ画素列を構成する複数の画素は、それぞれ同じ表示信号線から入力される表示信号の値と、同じ共通信号線から入力される共通信号の値との差異に従って点灯する、ことを特徴とする付記1又は2に記載の表示パネル。
(付記6)第1信号線に接続する画素と、第2信号線に接続する画素とで構成される表示パネルの駆動回路であって、前記第1信号線と前記第2信号線とのいずれか1方を選択する選択信号に従って、前記第1信号線に接続する画素と前記第2信号線に接続する画素とのいずれか1方を点灯させる制御信号を前記第1信号線と前記第2信号線とへ出力する制御信号出力回路、を備える、ことを特徴とする表示パネルの駆動回路。
(付記7)前記制御信号は、走査信号であり、前記第1信号線と前記第2信号線とは、走査信号を出力する走査信号線であり、前記制御信号出力回路は、前記選択信号と、走査信号の出力タイミングを制御する垂直制御信号との論理積を表す信号を出力する第1論理回路と、前記第1論理回路から出力された信号を、走査信号として前記第1信号線へ所定時間に渡って出力し続ける第1保持回路と、前記入力された選択信号の論理否定と、前記垂直制御信号との論理積を表す信号を出力する第2論理回路と、前記第2論理回路から出力された信号を、走査信号として前記第2信号線へ前記所定時間に渡って出力し続ける第2保持回路と、を有する、ことを特徴とする付記6に記載の表示パネルの駆動回路。
(付記8)前記制御信号は、走査信号であり、前記第1信号線と前記第2信号線とは、走査信号を出力する走査信号線であり、前記制御信号出力回路は、走査信号の出力タイミングを制御する垂直制御信号を、所定時間に渡って出力し続ける保持回路と、前記選択信号と、前記保持回路から出力された垂直制御信号との論理積を表す信号を走査信号として前記第1信号線へ出力する第1論理回路と、前記入力された選択信号の論理否定と、前記保持回路から出力された垂直制御信号との論理積を表す信号を走査信号として前記第2信号線へ出力する第2論理回路と、を有する、ことを特徴とする付記6に記載の表示パネルの駆動回路
(付記9)前記制御信号は、表示信号であり、前記第1信号線と前記第2信号線とは、表示信号を出力する表示信号線であり、前記第1信号線に接続する画素と、前記第2信号線に接続する画素とは、それぞれ共通の信号線に対してさらに接続し、前記共通の信号線に対して共通信号を出力する共通信号出力回路を、さらに備え、前記制御信号出力回路は、前記選択信号で選択された信号線と異なる信号線に対して、前記共通信号の同相信号を出力する、ことを特徴とする付記6に記載の表示パネルの駆動回路。
(付記10)第1信号線に接続する画素と、第2信号線に接続する画素とで構成される表示パネルの駆動方法であって、前記第1信号線と前記第2信号線とのいずれか1方を選択する選択信号に従って、前記第1信号線に接続する画素と前記第2信号線に接続する画素とのいずれか1方を点灯させる制御信号を前記第1信号線と前記第2信号線とへ出力する制御信号出力ステップ、を有する、ことを特徴とする表示パネルの駆動方法。
(付記11)光の反射率が所定の反射率よりも高い第1画素と、前記第1画素よりも光の反射率が低い第2画素とで構成される表示パネルと、前記表示パネルの画素を点灯させる駆動回路と、前記駆動回路の駆動を制御する制御装置と、を備える表示装置であって、前記制御装置は、前記第1画素と、前記第2画素とのいずれを点灯させるかを選択し、選択した画素を点灯させるように前記駆動回路を制御する、ことを特徴とする表示装置。
(付記12)前記表示パネルに照射される光の照度を検出する照度センサを、さらに備え、前記制御装置は、前記照度センサが検出した光の照度が所定の照度よりも高い場合に、前記第1画素よりも光の反射率が低い前記第2画素を点灯させるように前記駆動回路を制御し、前記照度センサが検出した照度が前記所定の照度よりも低い場合に、前記第2画素よりも光の反射率が高い前記第1画素を点灯させるように前記駆動回路を制御する、ことを特徴とする付記11に記載の表示装置。
(付記13)前記第1画素を点灯させる第1モードと、前記第2画素を点灯させる第2モードとのいずれか1方に切り替える操作に応じた操作信号を入力する操作部を、さらに備え、前記制御装置は、前記操作部によって入力された切替信号に従って画素を点灯させるように前記駆動回路を制御する、ことを特徴とする付記11に記載の表示装置。