JP5473382B2 - 免疫測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被検物質を検出する免疫測定方法に関する。
抗原抗体反応を利用した免疫学的測定において、金属コロイドが広く用いられている。例えば、金属コロイドを感作させた抗体を抗原と反応させて、抗原−抗体−金属コロイド複合体を形成させ、この複合体を抗体が固定化された判定紙(膜)上で泳動させると、固定化された抗体に複合体が捕捉され、その結果、金属コロイドによる着色が生じる。この着色を判定することにより抗原の有無を調べるイムノクロマト法がある。また、溶液中で金コロイドを感作させた抗体と抗原を反応させると、金コロイドが凝集することによって、色調が変化する。この色調を吸光度変化として捉え測定することにより抗原の有無または量を調べるという凝集比色法がある。しかしながら、この金属コロイドを用いた免疫学的測定法は、必ずしも診断に要求される感度を満たしているとは言えなかった。
これらの問題を克服するものとして、非特許文献1では、金コロイドを電気化学的に測定する方法を提案している。この方法では、まず、支持体に固定化した一次抗体と金コロイドを感作させた2次抗体を、抗原と反応させて一次抗体−抗原−二次抗体の複合体を形成させる。その後、金コロイドを酸化反応により溶解させて塩化金酸(金イオン)に変え、さらに電解析出により検査素子上に析出させる。その後、検査素子上に析出させた金の電気化学的な酸化反応を測定して、抗原の濃度を定量している。
また、非特許文献1のような電気化学金コロイドイムノアッセイの更なる高感度化を目的とし、非特許文献2では、金コロイドを結晶成長させて信号量を増幅させる方法を提案している。この方法では、まず、支持体に固定化した一次抗体と金コロイドを感作させた2次抗体を、抗原と反応させて一次抗体−抗原−二次抗体の複合体を形成させる。次に、金イオン溶液を加えて、複合体中に含まれる金コロイドを結晶成長させる。その後は、前記非特許文献1と同様に、金の電気化学的な酸化反応を測定して、抗原の濃度を定量する。
Analytical Chemistry,2000,72,5521−5528 Analytica Chimica Acta 538 (2005) 159−164
非特許文献1に記載の免疫学的測定方法は、金の電気化学的な酸化反応を指標としているため、粒子径の大きい金コロイドを感作物質として用いるほど、被検物質の検出感度は向上する。このことは、非特許文献1の方法の金イオンを電気析出させる工程において、金イオンの還元反応を電気化学的に測定することにより抗原を検出しようとする場合も同じである。
しかし一方で、金コロイドを感作させた2次抗体は、金コロイドの粒子径が大きくなるほど分散性が悪くなり、安定性も低下する。それゆえ、免疫学的測定で使用される金属コロイドの粒子径は、5〜80nmが一般的である。
前記非特許文献1でも、約18nmの金コロイドを感作物質として使用しており、検出感度に課題が残っている。
一方、前記非特許文献2に記載の方法は、免疫反応後に金コロイドを結晶成長させることで信号増幅を行っている。確かにこの方法なら被検物質を高感度に検出することが可能だが、金イオン溶液による金コロイドの成長反応に90分の時間を要しており、迅速性の面で大きな課題がある。
本発明は、上記課題点を克服するものであり、試料液中の被検物質を検出または測定する方法を提供するものである。
即ち本発明は、試料液中の被検物質を検出または測定する免疫測定方法であって、
支持体に固定され、前記被検物質と特異的に結合し得る第1の特異結合物質と、
感作物質により感作され、前記被検物質と特異的に結合し得る第2の特異結合物質とを、前記被検物質と反応させる工程と、
前記被検物質に未反応の第2の特異結合物質を前記支持体より分離する工程と、
前記支持体に保持される感作物質を溶出させる工程と、
前記溶出させた感作物質を検査素子上に析出させる工程と、
前記検査素子に析出した感作物質が示す触媒反応量を電気化学的に測定する工程と、
を有し、
前記感作物質は、前記検査素子を電極とする溶液の電気化学反応を触媒する作用を有し、該感作物質が、前記検査素子より狭い電位窓を有する導電性材料であり、前記検査素子に析出した感作物質が持つ触媒反応量を電気化学的に測定する工程が、検査素子がもつ電位窓と、前記感作物質が析出した検査素子がもつ電位窓の差を電気化学的に測定する工程であることを特徴とする免疫測定方法。
本発明の方法を用いることによって、感作物質の触媒反応量を電気化学的に測定するのみで、被検物質を迅速かつ高感度に検出することができる。
本発明の一実施形態にかかる粒子を支持体として用いた被検物質の判定方法の概念図である。 本発明の一実施形態にかかる検査素子を支持体として用いた被検物質の判定方法の概念図である。 本発明の比較例にかかる電極上に析出する金の還元電流を電気化学的に測定した結果である。 本発明の実施例にかかる電極上に析出した金の水素過電圧を電気化学的に測定した結果である。 本発明の一実施形態にかかる感作物質の触媒能を比較した結果である。 本発明の一実施形態にかかる粒子を支持体として用いたHCGの検出結果である。 本発明の一実施形態にかかる検査素子を支持体として用いたHCGの検出結果である。
試料液中の被検物質を検出または測定する免疫測定方法であって、支持体に固定され、前記被検物質と特異的に結合し得る第1の特異結合物質と、感作物質により感作され、前記被検物質と特異的に結合し得る第2の特異結合物質とを、前記被検物質と反応させる工程と、前記被検物質に未反応の第2の特異結合物質を前記支持体より分離する工程と、前記支持体に保持される感作物質を溶出させる工程と、前記溶出させた感作物質を検査素子上に析出させる工程と、
前記検査素子に析出した感作物質が示す触媒反応量を電気化学的に測定する工程と、を含むことを特徴とする免疫測定方法である。感作物質としては、検査素子を電極とする溶液の電気化学反応を触媒する作用を有する物質を用いる。
これらの工程は、通常溶液中で行われる。一般的には、第1の特異結合物質−被検物質−第2の特異結合物質から成る複合体に含まれる感作物質を、溶出・析出反応により検査素子上に析出させ、析出した感作物質のもつ触媒反応量を、後述する電気化学的な測定方法で検知するという手順で行われる。つまり、試料液中に含まれる被検物質の量が多いほど、検査素子上に析出する感作物質の量も多くなるため、感作物質が持つ触媒反応量も増加し、被検物質の量を測定できる。
触媒反応量の測定は水溶液中で行い、感作物質が水の電気分解反応を触媒することが好ましい。また、感作物質は検査素子より狭い電位窓を有する導電性材料であることが好ましい。
本発明に係る測定方法の一実施形態の概略を、図を用いて説明する。なお本実施形態は、以下の手順に従って検出を実施することができるが、この手順に限定されるものではない。
図1は、担体粒子を支持体5として使用し、試料中の被検物質を検出または測定する方法を示すものである。
まず、試料液と支持体5に固定された第1の特異結合物質1とを混合して、被検物質2と支持体5に固定された第1の特異結合物質1との複合体を形成させる。次に、試料液中の未反応物をB/F分離等の洗浄操作で除去後、感作物質3を感作させた第2の特異結合物質4と被検物質2と支持体5に固定された第1の特異結合物質1との複合体を混合する。さらに、未反応の前記感作物質3を感作させた第2の特異結合物質4を除去する。この一連の工程により、第1の特異結合物質−被検物質−第2の特異結合物質から成る複合体が形成される。図1(a)は、その複合体を示したものである。
なお、図1(a)に示した複合体を形成させる工程において、試料液と支持体5に固定された第1の特異結合物質1と、試料液と、感作物質3を感作させた第2の特異結合物質4とを同時またはほぼ同時に混合する工程を用いても良い。
次に、図1(a)に示した複合体に、前記複合体中の感作物質を溶出させるための溶出液を加え、前記感作物質を溶出させる。その後、溶出した感作物質6の溶液と検査素子とを接触させる。図1(b)は、複合体中の感作物質3の溶出を示したものであり、また、図1(c)は、検査素子と溶出した感作物質6の溶液とを接触させた状態を示している。そして図1(d)のように、電解析出等により溶出した感作物質6を検査素子7上に析出させ、感作物質8により触媒される反応の触媒反応量を電気化学的に測定する。
図2は、検査素子7を支持体として使用し、試料中の被検物質を検出または測定する検出方法を示すものである。
まず、試料液と検査素子7に固定された第1の特異結合物質1とを接触させ、被検物質2と検査素子7に固定された第1の特異結合物質1との複合体を形成させる。
次に、試料溶液中の未反応物をB/F分離等の洗浄操作で除去除去後、感作物質3を感作させた第2の特異結合物質4と被検物質2と検査素子7に固定された第1の特異結合物質1との複合体を混合する。さらに、未反応の前記感作物質3を感作させた第2の特異結合物質4を除去する。この一連の工程により、第1の特異結合物質−被検物質−第2の特異結合物質から成る複合体が形成される。図2(a)は、その複合体を示したものである。
なお、図2(a)に示した複合体を形成させる工程において、試料液と検査素子7に固定された第1の特異結合物質1と、試料液と、感作物質3を感作させた第2の特異結合物質4とを同時またはほぼ同時に混合する工程を用いても良い。
次に、検査素子7を用いて電解溶出を行い、図2(a)に示した複合体中の感作物質を溶出させる。図2(b)は、複合体中の感作物質3の溶出を示したものである。次に、図2(c)に示したように、検査素子7を用いて電解析出を行い、溶出した感作物質6を検査素子7上に析出させる。そして、析出した感作物質8により触媒される反応の触媒反応量を電気化学的に測定する。
次に、本発明における電気化学的な測定について述べる。
ある電気化学系(溶媒、支持塩、電極の組み合わせ)において、十分正の電位では水の酸化が進行し、酸素が発生して大きなファラデー電流が流れる。この実際に酸素が発生する電極電位が熱力学的値からずれる大きさのことを酸素過電圧と呼ぶ。一方、十分負の電位では水の還元が進行し、水素が発生して大きなファラデー電流が流れ、水素発生電位の熱力学的値からのずれの大きさを水素過電圧と呼ぶ。酸素および水素過電圧はいずれも電極材料の種類によって異なる。電極に析出する感作物質が有する、水の電気分解反応における触媒能が高いほど、酸素過電圧および水素過電圧は小さくなる。電位窓とは、このような酸素および水素過電圧の影響を受けない電位領域のことを意味する。また一般に電位窓の広さは、電極に用いる物性とその表面状態で決まる。例えば、水素過電圧で比較した場合、ダイヤモンド薄膜電極やカーボン電極の電位窓は広く、それに比べて金や白金の電位窓は狭い。言い換えれば、ダイヤモンド薄膜やカーボンは水素イオンの触媒能が低く、また、金や白金はその触媒能が高いことを意味する。そうすると、金や白金などの感作物質がダイヤモンド薄膜やカーボンからなる電極に析出した状態の電極の電位窓は、析出量に応じて析出前の電極より狭くなる。それゆえ、感作物質析出の前後で電位窓の差を測定することで被検物質を検出することができる。水を溶媒とする場合、電位窓とは、正電位側では水の酸化による酸素の発生が生じない電位域であり、負電位側では水の還元による水素の発生が生じない電位域である。電位窓の差の測定は、正電位側および負電位側の少なくとも一方を測定すればよく、検出素子としてカソード電極を用いる場合は感作物質析出の前後での水素過電圧の変化を測定すればよく、アノード電極を用いる場合は酸素過電圧の変化を測定すればよい。
ここで、カーボン電極上に金を析出させた際に生じる水素過電圧の変化について考える。例えば、カーボン(金を全く析出させていない)電極のみの水素過電圧に対し、カーボンの一部に金を析出させた電極の水素過電圧は小さくなる。さらに、析出させる金の量を増やすに従い、水素過電圧はさらに小さくなる。水素過電圧の値は、熱力学的に計算から得られる電位に対し、それ以上に加えられる電位であり、実際の水素過電圧の値は、電流−電位曲線を測定し、水素発生の還元電流が流れ始める電位から求めたり、あるいは電極上に水素の気泡が発生し始める電位から求めることができる。
また、感作物質の触媒能は、感作物質が析出することによる電極の水素過電圧あるいは酸素過電圧の変化として測定できると同時に、感作物質が触媒する反応の反応速度の変化をもたらすので、この反応速度を電気化学的に測定することもできる。すなわち、実施例に示すように電圧−電流曲線を測定し、一定電圧値における電流量の変化を測定することができる。この場合の一定電圧値は、検査素子材料の水における電位窓の外側の電位領域に設定される。よって負電位側であれば検査素子の水素過電圧より低い電位領域、正電位側であれば検査素子の酸素過電圧おり高い電位領域から選択される一定の電位値において測定される電流量の変化を測定する。
よって、水素過電圧の変化の測定には、直接的に水素過電圧の値を求めるだけでなく、一定電圧値における電流の測定を測定する場合を含んでいる。
このような水素過電圧の変化は、先述した金の触媒能に由来して生ずる変化である。本発明ではこの現象に着眼し、電極上に析出させた物質の析出量を水素過電圧の変化として検出することを試みた。そして、鋭意研究の結果、金自身の電気化学的な酸化・還元反応を測定するよりも、前記金自身が有する水素過電圧を測定する方が、より高感度に析出した金を検出できることが分かった。
つまり非特許文献1のように、電極上に析出している金の酸化や還元反応を電気化学的に測定するよりも、析出している金が触媒する触媒反応を電気化学的に測定する方が、高感度に被検物質を検出できることを意味する。
さらに本発明は、金の触媒反応を利用することで、測定溶液中に多量に含まれる水素イオンから電気化学的な信号を取り出すことができるため、信号増幅能に長けている。それゆえ、非特許文献2のように、金コロイドの成長反応も不要となる。
本発明における感作物質の触媒反応量とは、感作物質が触媒する対象となる、電極と溶液中の化学物質との間で進む電気化学反応の量であり、水溶液を用いる場合は好ましくは水の電気分解反応の量である。触媒反応量は、当該反応の反応速度を示す電流値や感作物質が検査素子上に析出した際に生ずる電気化学的な酸素および水素過電圧の大きさで表すことができる。また、電位窓の差を電気化学的に測定する工程は、検査素子が持つ酸素および水素過電圧値と、感作物質を析出させた検査素子の酸素および水素過電圧値との差を測定する工程とすることができる。
ここで、上記説明では検査素子としてカーボン電極、感作物質として金を用いたが、これに限定されるものではない。本発明では、検査素子と感作物質を析出させた検査素子との間に電位窓の差があればよく、カーボン電極と白金、または、ダイヤモンド薄膜電極と金など、種々の組み合わせが考えられる。
電気化学的な測定法としては、前記酸素および水素過電圧値の少なくともいずれかを測定できる方法であれば何でもよく、例えば、定電位測定法、定電流測定法、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)、ディファレンシャルパルスボルタンメトリー(DPV)、スクウェアウェーブボルタンメトリー(SWV)、クロノアンペロメトリー(CA)、クロノクーロメトリー(CC)、又はサイクリックボルタンメトリー(CV)など、種々の方法が挙げられる。
本発明の用途としては、例えば、尿検査や妊娠検査、血液検査、水質検査、便検査、土壌分析、食品分析などがある。
本発明の検出方法を適用することのできる試料は、被検物質を含む可能性がある限り、特に限定されるものではなく、例えば、生物学的試料あるいは、環境由来の試料を挙げることができる。生物学的試料としては、例えば、動物の体液(例えば、血液、血清、血漿、ずい液、汗、唾液、尿など)もしくは、毛髪、排泄物、臓器、組織、または動植物それ自体もしくは、それらの乾燥体などを挙げることができる。環境由来の試料としては、例えば、河川水、湖沼水、もしくは海水、土壌などを挙げることができる。
本発明における被検物質および特異結合物質としては、抗原および抗体が挙げられる。抗原としては、核酸、たんぱく質、ペプチド、アミノ酸、糖、細胞、抗体、抗原、酵素、受容体、環境ホルモンなど種々のものが挙げられるが、免疫学的測定の分野で公知のものであっても、新規なものであってもよい。抗体としては、例えば、抗細胞抗体、抗タンパク質抗体、抗糖タンパク質抗体、抗酵素抗体、抗多糖類抗体、抗細菌抗体、および抗ウイルス抗体等が挙げられる。また抗体は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であっても良く、さらに天然型(intact)分子並びにそれらのフラグメント及び誘導体も表してよいものであり、F(ab’)2,Fab’及びFabといった抗体フラグメントを包含してよい。また、抗体としては通常IgGが用いられるが、ペプシン、パパインなどの消化酵素あるいはジチオスレイトール、メルカプトエタノールなどの還元剤を用いて、F(ab’)2,Fab’,Fabなどの低分子化したものを用いても良い。さらに、IgGだけでなくIgMあるいはこれをIgGと同様の処理で低分子化したフラグメントを用いても良い。認識エピトープの異なるモノクローナル抗体を2種類以上組み合わせても使用できる。ここで、被検物質が抗原であり、特異結合物質としてその抗原に対する抗体を用いても、また、特異結合物質として抗原を用い、被検物質がその抗原に対する抗体であってもよい。また、第1の特異結合性物質とは支持体に固定されている特異結合性物質を指し、第2の特異結合性物質とは感作物質に感作されているものを指す。すなわち、特異結合物質における「第1」「第2」とする記載は、支持体に固定されるものと、感作物質に感作されているものとを区別するために用いており、物質そのものが異なっていることを意図しない。第1および第2の特異結合物質はともに被検物質と共存させて、互いに阻害することなく、それぞれが被検物質に結合するものであれば、特に限定されない。
支持体は、試料液中の被検物質を捕捉して保持し、感作物質が結合した複合体として被検物質を試料液から分離、精製等を行うための固相であり、支持体としては、試料液や測定溶液等の溶媒に実質的に不溶性であり、第1の特異結合物質を固定できるものであれば特に限定されるものではない。また、図1および2で示したように、B/F分離による未反応物質の除去や被検物質の検査工程の簡素化等を考慮すると、不溶性磁性担体粒子や、電気化学的測定を行う検査素子そのものを支持体とすることが好ましい。
代表的な不溶性磁性担体粒子は、有機高分子物質からなる皮膜相と磁性物質からなる芯相とからなる微粒子である。前記不溶性磁性担体粒子は、例えば、四三酸化鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、各種フェライト、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、クロムなどの金属、コバルト、ニッケル、マンガンなどの合金からなる微粒子またはこれらの磁性粒子を内部に含んだラテックス、ゼラチン、リポソームなどである。好適には、該磁性物質の核を取り囲むラテックス皮膜から構成されるラテックス粒子が挙げられる。本来ラテックスとは、ゴムの木を傷付けたときに浸出する乳液のことであるが、本発明でいうラテックスとは、水性液中において不連続な微粒子が懸濁している懸濁液ないし乳濁液をいう。本発明で使用する不溶性磁性担体粒子は、該磁性粒子の核の表面を有機物等で表面処理した微粒子が好ましく用いられるが、これらに制限されるものではない。
代表的な市販の不溶性磁性担体粒子としては、ベリタス(VERITAS)社のDynabeads M−270 Epoxy,Dynabeads M−270 Amine,Dynabeads M−270 Carboxylic Acid,Dynabeads M−270 Tosylactivated,Dynabeads M−450 Epoxy,Dynabeads M−450 Tosylactivated,JSR社のIMMUTEX−MAG,藤倉化成(株)のSMG−11など他、Bangs社などから入手可能である。
不溶性磁性担体粒子の粒子径は、0.01μm〜20μmのものが用いられ、0.1μm〜6μmの範囲内の粒径を有する不溶性磁性粒子が好ましい。不溶性磁性担体粒子に特異性結合物質を吸着もしくは結合させる方法としては、特異性結合物質を物理的に吸着もしくは結合させるか、あるいは化学的に結合させることにより行われる。
感作物質としては、検査素子上に析出する感作物質が前述した触媒能を有しており、その触媒作用の量を電気化学的に測定できる物質であれば特に限定はされないが、好ましくは導電性材料であり、導電性材料の電位窓は検査素子の電位窓より狭いほど、感作物質が析出することによる電極の電位窓の変化を検出することが容易となり好ましい。例えば、金コロイド、白金コロイド、銀コロイド、パラジウムコロイド、銅コロイド、ニッケルコロイド、インジウムコロイド等、種々の金属コロイドや、CdS、PdS、CuS、ZnS等、種々の半導体ナノ粒子が考えられる。好適には、金コロイドや白金コロイドである。
また、本発明における感作物質の粒子径は、感作物質が持つ触媒反応量を電気化学的に測定できる限り特に限定されるものではない。しかし実際には、感作物質を第2の特異結合物質に感作させる際に、粒子径の大きさに伴う免疫反応性の低下や凝集性の向上が生じる。それゆえ、感作物質の粒子径は、5nm〜200nmの間がより好ましい。感作物質を特異結合物質に感作させる方法としては、特異性結合物質を物理的に吸着もしくは結合させるか、あるいは化学的に結合させることにより行われる。
本発明における未反応物質を分離する工程とは、エンザイムイムノアッセイに代表される免疫学的測定方法で広く使用される洗浄工程(B/F分離)を意味する。
例えば一次抗体を結合させた不溶性磁性担体粒子を用いる場合、そこに抗原を含んだ試料液を添加して、不溶性磁性担体粒子と一定時間反応させると、抗原−抗体の複合体が形成される。この状態の抗原を、結合型抗原(Bound Form:B)と呼ぶ。一方、不溶性磁性担体粒子に固定化された抗体に対して未反応の抗原は、遊離型抗原(FreeForm:F)と呼ばれる。B/F分離とは、洗浄によって結合型抗原と遊離型抗原を分離する工程を意味する。
また、結合型抗原に対して、金コロイド等の感作物質を感作させた二次抗体を反応させる場合においても同様で、一次抗体固定化不溶性磁性担体粒子−抗原−金コロイド感作二次抗体の複合体をBoudn Form、未反応の金コロイド感作二次抗体をFree Formと呼び、B/F分離として扱われる。
本発明における感作物質を溶出させる工程とは、感作物質を溶解させる溶液(溶出液)を加え、感作物質を溶出させる工程を意味する。このとき、溶出を促進させるために電圧を印加しても良い(電解溶出)。また溶出液としては、王水、希塩酸や希硫酸等の酸溶液、塩化物イオンを含む水溶液、種々のエッチング液が挙げられる。
一方、本発明における感作物質を析出させる工程とは、検査素子上に前記溶出させた感作物質を析出させる操作を意味する。析出方法としては、種々の無電解めっき法や電解析出法が挙げられるが、前記溶出させた感作物質を効率よく検査素子上に捕集させるためにも、検査素子を用いた電解析出法が好ましい。
ここで、本発明における感作物質の溶出工程と析出工程は、連続的に行われるため、注意が必要である。例えば、溶出液として王水を用いた場合、短時間での感作物質の溶出が可能になるが、電解析出の工程において、その析出量が低下する問題も生じる。それゆえ、酸による溶解と電圧印加による析出の両方が効率良く起こる液性を選択することが望ましく、王水の場合は5〜30%に希釈すると良い。また、王水により感作物質を溶解させた後、水酸化ナトリウム等のアルカリ性溶液を加えて、電解析出が良好に起こる液性に調製した後に、電解析出を行う方法も考えられる。
本発明における検査素子としては、電気化学的測定に通常使用される各種の電極が例示される。しかし前記電位窓の差を電気化学的に測定する工程にあるように、検査素子に用いる電極の電位窓は広いほど好ましく、具体的には、グラッシーカーボン(glassycarbon)電極、パイロリティックグラファイト(pyrolytic graphite)電極、カーボンペースト(carbon paste)電極、カーボンファイバー(carbon fiber)電極などのカーボン電極、ダイヤモンド薄膜電極、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタカーボン電極などが良い。
また、導電性カーボンインクを用いてスクリーン印刷等で基板上にパターン印刷された電極も、好適に使用される。電極系を形成する方法としてのスクリーン印刷は、均一な特性を有するディスポーザブルタイプのバイオセンサを安価に製造する技術である。また、スクリーン印刷は、価格が安く、しかも安定した電極材料であるカーボンを用いて電極を形成するのに好都合な方法である。
さらに、電極の形状(平面電極、多孔性電極など)や大きさにも特に限定はなく、測定対象物質の種類や量、測定試料の量や特性(例えば粘度など)、測定用途や条件等に応じて適宜決定すればよい。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限したりするものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
また、全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、または実施することができるものである。
(塩化金酸の析出と水素過電圧の関係)
本実験では、種々の濃度の塩化金酸水溶液を用いて、測定溶液中に含まれる金の濃度を、(1)電極上に析出する金の還元電流を電気化学的に測定する方法(従来例)と、(2)電極上に析出した金の水素過電圧を電気化学的に測定する方法とで検出し、それぞれの検出限界を比較した。
(1)電極上に析出する金の還元電流を電気化学的に測定する方法(従来例)
テトラクロロ金(II)酸ナトリウム二水和物(ALDRICH社製、298174−1G)を1Mの塩酸に溶解し、種々の濃度の塩化金酸溶液を調製した。次に、各濃度の塩化金酸溶液40μlを、それぞれスクリーン印刷電極(バイオデバイステクノロジー社製、DEP−EP−P)上に添加し、DPV測定(掃引範囲=1.25〜0V、掃引速度=25mV/s)を行い、析出した金の還元電流を求めた。
(2)電極上に析出した金の水素過電圧を電気化学的に測定する方法
各濃度の塩化金酸溶液40μlを、それぞれスクリーン印刷電極上に添加し、−0.4Vで60秒間電圧を印加後、直ちにCV測定(掃引範囲=−0.4〜−1.2V、掃引速度=100mV/s)を行い、金の析出量に伴う水素過電圧値を求めた。
図3および4に結果を示す。溶液中に含まれる塩化金酸を、電極上に析出する金の還元電流から電気化学的に検出した場合、その検出限界は1μMであった(図3)。一方、溶液中に含まれる塩化金酸を、電極上に析出した金の水素過電圧値から検出した場合、その検出限界は10nMであった(図4)。これらの結果から、溶液中に含まれる塩化金酸を検出する際、金自身の電気化学的な還元反応を測定するよりも、電極上に析出した金に由来する水素過電圧を測定する方が、より高感度に金を検出できることが分かった。
(析出させる感作物質と水素過電圧の関係)
本実験では、種々の濃度の塩化金酸溶液および塩化白金酸溶液を用いて、測定溶液中に含まれる金および白金の濃度を、電極上に析出した際に生じる水素過電圧変化を電気化学的に測定する方法で測定し、それぞれの検出限界を比較した。
(1)電極上に析出した金および白金の水素過電圧を電気化学的に測定する方法
テトラクロロ金(II)酸ナトリウム二水和物(ALDRICH社製、298174−1G)を1Mの塩酸に溶解し、種々の濃度の塩化金酸溶液を調製した。また、ヘキサクロロ白金(IV)酸6水和物(キシダ化学、000−62771)を1Mの塩酸に溶解し、種々の濃度の塩化白金酸溶液を調製した。
各濃度の塩化金および塩化白金酸溶液40μlを、それぞれスクリーン印刷電極上に添加し、−0.4Vで300秒間電圧を印加後、直ちにCV測定(掃引範囲=0〜−1.2V、掃引速度=100mV/s)を行い、各金属の析出量に伴う水素過電圧の変化を、一定電圧値における電流の変化として求めた。
図5は、(1)の実験で得られた検量線である。横軸には各試料溶液の濃度を、縦軸には、それぞれのCV測定から得られた電流値(−1.1V一定)をプロットしている。塩化金酸溶液および塩化白金酸溶液の濃度が高くなるにつれ、得られる電流値も大きくなっている。この結果は、電極上に析出させた感作物質の析出量を水素過電圧の変化として定量できることを示している。また、一般的に白金の触媒能は金の触媒能よりも高いことが知られており、図5における塩化白金酸の検量線の傾きが大きい理由は、これによるものと考えられる。
(実施例1)
(不溶性磁性担体粒子を支持体に用いたHCGの検出)
本実施例では、不溶性磁性担体粒子を支持体として、また、金コロイドを感作物質に用いて、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(Human Chorionic Gonadotropin、HCG)の検出を行った。
(1)不溶性磁性担体粒子への一次抗体の固定化
不溶性磁性担体粒子(ベリタス社製、Dynabeads M−280 Tosylactivated)へのHCG抗体(Medix Biochemica社製、5008)の固定化は、基本的にはベリタス社が公開しているプロトコル通りに行った。まず、磁性担体粒子500μlを分取して、2mlのエッペンチューブに加えた。次に、マグネットを用いたB/F分離により磁性担体粒子を沈澱させ、上清を除き、ホウ酸緩衝液(pH9.5)500μlと置換した。再度、B/F分離により上清を除いた後、300μ/mlのHCG抗体1mlを加え、37℃で24時間反応させた。その後、B/F分離により上清を除いた後、1mg/mlのBSA溶液を1ml加え、5分間撹拌した。最後に、B/F分離により上清を除いた後、0.1%のBSAを含む0.2MのTris緩衝液(pH8.5)1mlを加え、37℃で4時間反応させた。
(2)二次抗体への金コロイドの感作
50mlの遠心分離用チューブに、金コロイド溶液(BBI社製、粒子径40nm)9ml、20mMのホウ酸緩衝液(pH9)1mlを加え、軽く撹拌した。次に、80μg/mlのヒトFSH(Follicle stimulating hormone;卵胞刺激ホルモン)のαサブユニット抗体(Medix Biochemica社製、6601;FSHαサブユニットはHCGαサブユニットと免疫学的に同一である)1mlを加えて、室温で10分間清置した。その後、1%PEG20000を0.55ml、10%BSAを1.1ml加えて、軽く撹拌した。さらに、8000×gで15分間、遠心分離を行い、金コロイドを沈澱させて、上清を取り除いた。そこに、pH8.2の金コロイド保存緩衝液(BSA:5g、アジ化ナトリウム:0.5g、PEG20000:0.25g、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン:1.211g、塩化ナトリウム:4.383gを純水500mlに溶解した水溶液)20mlを加え、再度、遠心分離を行った。その後、上清を取り除き、得られた金コロイド感作ヒトFSHαサブユニット抗体が、吸光度(520nm)で6.0となるように、金コロイド保存緩衝液で希釈した。
(3)HCGの検出
2mlのエッペンチューブに、各濃度に調製したHCG溶液(ロート製薬製、リコンビナントHCG)180μlと、HCG抗体を固定した磁性担体粒子5μlとを加え、撹拌しながら20分間反応させた。次に、B/F分離により未反応のHCGを取り除いた後、吸光度(520nm)が0.1となるように調製した金コロイド感作ヒトFSHαサブユニット抗体100μlを加え、撹拌しながら15分間反応させた。その後、B/F分離により上清を取り除き、20%に希釈した王水40μLを加え、撹拌しながら3分間反応させた。そして、得られた塩化金酸溶液35μlをスクリーン印刷電極上に添加し、−0.4Vで90秒間電圧を印加後、CV測定(掃引範囲=0〜−1.2V、掃引速度=100mV/s)を行い、水素過電圧変化を求めた。
(実施例2)
(検査素子を支持体に用いたHCGの検出)
本実施例では、検査素子であるスクリーン印刷電極を支持体として、また、金コロイドを感作物質に用い、HCGの検出を行った。
(1)スクリーン印刷電極への一次抗体の固定化
スクリーン印刷電極の作用極上に、10μg/mlのHCG抗体(Medix Biochemica社製、5008)5μlを添加し、4℃で一晩反応させた。その後、1×PBSTで洗浄し、HCG抗体固定化スクリーン印刷電極を作製した。
(2)HCGの検出
各濃度に調製したHCG溶液100μlを1.5mlのエッペンチューブに加え、そこにHCG抗体固定化スクリーン印刷電極を浸漬し、常温で2時間反応させた。一方、吸光度(520nm)が0.1となるように調製した金コロイド感作ヒトFSHαサブユニット抗体100μlを1.5mlのエッペンチューブに加えておき、先ほどHCGと反応させたスクリーン印刷電極を浸漬し、常温で2時間反応させた。次に、電極面を1×PBSTで洗浄した後、1Mの塩酸20μlを電極上に添加し、−0.4Vで90秒間電圧を印加後、CV測定(掃引範囲=0〜−1.2V、掃引速度=100mV/s)を行い、水素過電圧を求めた。
図6、7は、それぞれ実施例1および2に関して、印加電圧−1.2VにおけるHCGの添加濃度と還元電流の検量線である。試料液に含まれるHCGの濃度が高くなるに従い、得られる電流値も大きくなっている。また、両実験結果とも10pg/mlからHCGの検出が可能で、非常に高感度であった。このように、電極上に析出した金の触媒反応量を電気化学的に測定することで、被検物質の量を定量することができる。
1 第1の特異結合物質
2 被検物質
3 感作物質
4 第2の特異結合物質
5 支持体
6 溶出した感作物質
7 検査素子
8 析出した感作物質

Claims (2)

  1. 試料液中の被検物質を検出または測定する免疫測定方法であって、
    支持体に固定され、前記被検物質と特異的に結合し得る第1の特異結合物質と、
    感作物質により感作され、前記被検物質と特異的に結合し得る第2の特異結合物質とを、前記被検物質と反応させる工程と、
    前記被検物質に未反応の第2の特異結合物質を前記支持体より分離する工程と、
    前記支持体に保持される感作物質を溶出させる工程と、
    前記溶出させた感作物質を検査素子上に析出させる工程と、
    前記検査素子に析出した感作物質が示す触媒反応量を電気化学的に測定する工程と、
    を有し、
    前記感作物質は、前記検査素子を電極とする溶液の電気化学反応を触媒する作用を有し、該感作物質が、前記検査素子より狭い電位窓を有する導電性材料であり、前記検査素子に析出した感作物質が持つ触媒反応量を電気化学的に測定する工程が、検査素子がもつ電位窓と、前記感作物質が析出した検査素子がもつ電位窓の差を電気化学的に測定する工程であることを特徴とする免疫測定方法。
  2. 前記感作物質が金コロイドである請求項に記載の免疫測定方法。
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