JP5468586B2 - 肝臓におけるハイポキシアの検出法 - Google Patents

肝臓におけるハイポキシアの検出法 Download PDF

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Description

本発明は、試料中のミトコンドリア由来蛋白質の濃度を測定することにより、当該蛋白質が存在する組織中の低酸素(ハイポキシア)またはそれに伴う酸性化(アシドーシス)状態を検出する方法、およびその程度を評価する方法等に関するものである。
患者の臓器の状態を知ることは臨床上重要であり、これを簡便に把握する方法として、臓器特異的な血中マーカーの濃度を測定する方法が利用されている。例えば、肝臓に特異的に存在する蛋白質として知られるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)やアルギナーゼ(ARG)は、いずれも肝細胞の障害によって細胞から血中に逸脱してくる障害マーカーとして知られている。
また、オルニチンカルバミルトランスフェラーゼ(OCT)も肝臓に特異的な蛋白であるが、ALT、AST、ARG等が細胞質由来であるのに対し、OCTはミトコンドリアに局在することが知られている。OCTも種々の肝障害の検出において有用な血中マーカーとして知られており、肝障害マーカーとして鋭敏であることのみならず、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)などの他のマーカーとは挙動が異なることが報告されている(特許文献1、2)。
マーカーによって血中濃度の変動が異なる原因としては、臓器特異性や臓器内の局在の差、または血中半減期の差などが考えられており、それぞれのマーカーには障害の種類によって逸脱の仕方に差はないと考えられてきた。また、OCTなどのミトコンドリア由来マーカーは、ミトコンドリアの脂質二重膜が破壊されて初めて細胞質中に存在することになるため、もともと細胞質中に存在するALTやARGなどの細胞質由来マーカーと比べて、血中への逸脱が遅いと考えられてきた。
一方で、これまで発明者は、ある種の肝障害モデルにおいて、ミトコンドリア由来の酵素マーカーが細胞質由来のマーカーより早期に逸脱してくる現象を発見し報告してきた(非特許文献1、2)。また、血中のミトコンドリア由来の蛋白マーカー濃度が、細胞質由来蛋白マーカー濃度と比較して高値になる疾患が報告されている(非特許文献3)。
国際公開第2007/122799号 特開2008−43271号公報
Clinica Chimica Acta 375:63-68, 2007 Clinica Chimica Acta 391:31-35, 2008 Enzyme Protein 48:18-26, 1994-95
しかしながら、特許文献1及び2には肝障害時にミトコンドリア由来マーカーが上昇する現象が記載されており、非特許文献1及び2にはミトコンドリア由来の酵素マーカーが細胞質由来のマーカーより早期に逸脱してくる現象が記載されているが、それらが肝臓のどのような状態を具体的に反映しているのか不明であり、どのような機序でミトコンドリア由来マーカーの早期逸脱現象が起きるのかについては全く解明されていなかった。
また、非特許文献3に記載の疾患において、なぜミトコンドリア由来蛋白質が高値になるのか、それが具体的にどのような障害を反映しているものなのか、全く解明されていなかった。したがって、例えばOCTは肝臓に多く局在するものの、一部は他の臓器中にも存在することから省みるに、OCTの逸脱が肝臓以外の別の組織から起こっているのではないか、あるいはミトコンドリア以外の由来によるのではないか、とする考えを完全に否定することはできなかった。
このように、OCTなどのミトコンドリア由来蛋白質の血中濃度がALTなどの細胞質由来蛋白質の血中濃度と比較して高い状態にあることがわかっても、このことが肝臓のどのような具体的状態を反映しているのか、このような状態をどのように評価して良いのか、的確に判断することができなかった。
一方で、肝臓を含め、各種臓器が低酸素状態になることに起因して、生体機能に障害が生じることがある。この低酸素状態は、一般にハイポキシアと呼ばれる。ハイポキシアの検出は、何らかの障害が起こっていることを示唆するだけでなく、疾患の重症度の判定や予後の予測、治療効果の判定など、様々な用途に利用が可能である。しかしながら、これまで、臓器や組織に局所的に発生したハイポキシアを検出することは困難であった。即ち従来は、ハイポキシア関連疾患の診断、重症度判定、経過観察、治療効果の判定等に幅広く利用することができ、産業上、非常に有用な、ハイポキシアの程度を簡便に測定できる指標がなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、肝臓等の臓器・組織に局所的に発生したハイポキシアを簡便な方法で検出できるような血中マーカーを見出すことにある。
本発明者は、上述の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、初代培養肝細胞をハイポキシア条件下において培養することにより、ミトコンドリア由来マーカーの逸脱が細胞質由来マーカーより優位になることを発見した。さらに、初代培養肝細胞をアシドーシス条件下で培養すると、細胞質由来、ミトコンドリア由来にかかわらず障害マーカーの逸脱が軽減されるが、その軽減される程度は、細胞質由来マーカーの方がミトコンドリア由来マーカーに比べてより顕著であること、したがって、ハイポキシアに伴うアシドーシスの状態では、ミトコンドリア由来マーカーの逸脱が細胞質由来マーカーの逸脱より相対的に多くなることを見出した。
また本発明者は、
(1)肝臓がハイポキシア状態におかれると、肝細胞中のミトコンドリア由来蛋白質が細胞外に逸脱するため、血中のミトコンドリア由来蛋白質の濃度を測定することにより、ハイポキシアや、それに伴う疾患の存在及びその程度を検出することができること、また、
(2)ハイポキシア条件下ではミトコンドリア電子伝達系が働かないために解糖系が亢進し、乳酸が産生されてアシドーシスの状態となり、このとき、OCTの逸脱が細胞質由来蛋白質に対して相対的に顕著となるため、OCTの濃度を細胞質由来蛋白質の濃度と相対的に比較することにより、きわめて鋭敏なハイポキシアの検出が可能となること、したがって、血中の肝臓ミトコンドリア由来蛋白質濃度またはミトコンドリア由来蛋白質と細胞質由来蛋白質の濃度比を測定することによって、肝臓におけるハイポキシアを簡便かつ感度よく検出できることを明らかにし、本発明を完成させた。
本発明によれば、ミトコンドリア由来蛋白質、具体的にはOCT等からなる肝臓のハイポキシアのバイオマーカーが提供される。後述の実施例で実証されているように、ミトコンドリア由来蛋白質は肝臓がハイポキシア状態のときに多く逸脱するため、このバイオマーカーを指標にすれば、肝臓のハイポキシア状態が検出することが可能である。
また本発明によれば、ミトコンドリア由来蛋白質に対する抗体を含む、肝臓のハイポキシア状態を検出するための検出試薬が提供される。この検出試薬を用いれば、ミトコンドリア由来蛋白質に対する抗体を利用して、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度を測定することができる。そのため、肝臓がハイポキシア状態にあることを簡便に検出することができる。
また本発明によれば、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度を測定する工程を含む、肝臓がハイポキシア状態にあることを検出する方法が提供される。この方法を適切に用いれば、肝臓がハイポキシア状態にあることを簡便に検出することができる。例えば、後述する実施例では、ハイポキシア状態の肝臓由来の細胞から逸脱したミトコンドリア由来蛋白質濃度が、顕著に高かったことが実証されている。
また本発明によれば、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質を検出する手段を含む、肝臓のハイポキシア状態を検出するための検出キットが提供される。このキットを用いれば、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度を測定することができるため、肝臓がハイポキシア状態にあるかどうかを簡便に検出することができる。
本願発明の方法は、OCTなどのミトコンドリア由来蛋白質の血中濃度、または他の肝障害マーカーとOCTなどのミトコンドリア由来蛋白質との関係を調べることにより、肝臓障害の程度と同時にハイポキシアを検出、あるいはその程度を評価することを可能とした。従って、本発明の方法を用いることにより、ハイポキシアの存在及びその程度を知ることができ、ハイポキシアに伴う障害を軽減するような薬剤が有効な患者を選別するマーカーとして利用でき、さらには薬剤による治療効果の判定、投与量を調整するための指標、投薬の中断・終了・再開などの指標、などの用途に用いることが可能となるなど、臨床上きわめて有用である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、同様な内容については繰り返しの煩雑を避けるために、適宜説明を省略する。
本発明の一実施形態は、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度を測定する工程を含む、肝臓がハイポキシア状態にあることを検出する方法である。この方法を適切に用いれば、肝臓がハイポキシア状態にあることを簡便に検出することができる。例えば後述する実施例では、ハイポキシア状態の肝臓由来の細胞から逸脱したミトコンドリア由来蛋白質濃度が、顕著に高かったことが実証されている。また上記方法は、ハイポキシアを簡便に検出できるため、ハイポキシア関連疾患の診断、重症度判定、経過観察、治療効果の判定等に利用できる。
また上記方法は、患者由来の試料中の細胞質由来蛋白質の濃度を測定する工程と、上記ミトコンドリア由来蛋白質濃度と上記細胞質由来蛋白質濃度の比を求める工程と、をさらに含んでいてもよい。そして、例えば、以下a)からd)に示すいずれかのような方法によってハイポキシアを検出することができる。
A)ミトコンドリア由来蛋白質単独で測定する場合
a)健常人試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度と患者試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度を比較する。
b)同一患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度を、一定期間を置いて複数回測定し、ミトコンドリア由来蛋白質濃度の推移を調べる。そして、患者試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度が、健常人試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度に比べて高ければ、患者の肝臓がハイポキシア状態にあると判断することができる。
B)ミトコンドリア由来蛋白質濃度と細胞質由来蛋白質濃度を測定し、その比を求める場合
c)同一患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度と細胞質由来蛋白質濃度を、一定期間を置いて複数回測定し、「ミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度」の比の推移を調べる。
d)算出した比を、健常者または各種疾患患者における既知の「ミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度」の値(例えば、Clilnical Biochemistry, Vol.40 (2007) 1077-1080 Table1 等)等と比較し、測定値から算出した比が既知の値よりも高くなっていれば、患者の肝臓はより厳しいハイポキシア状態にあると判断する(ハイポキシア関連疾患に罹患している可能性が高いものと推定できる)。
例えば後述する実施例では、ハイポキシアに伴うアシドーシスが進行するに伴って、ミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値が上昇していくことが実証されている。そして、上記方法によって、ハイポキシアまたはアシドーシスを伴う疾患が生じていると診断したり、または疾患の重症度が進んでいると判定することもできる。また、逆に値が減少していれば、予後が良好である、治療の効果が現れているなどと判定することが可能である。
また上記方法は、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度及び細胞質由来蛋白質濃度の値を2回以上測定し、後に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値が、先に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値よりも大きいことを検出する工程を含んでいてもよい。この方法によって、後に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値が、先に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値よりも大きいことがわかれば、より的確に、当該蛋白質が存在する臓器がハイポキシア状態にあるかどうかを検出することができる。またこの方法に、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度が、健常人由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度よりも大きいことを検出する工程を組み合わせても良い。
「ハイポキシア」は通常、酸素が十分に供給される状況で生じることはなく、何らかの障害、例えば血流が障害される、局所的に酸素消費が亢進するなどの病態に伴って生じる。具体的には、例えばアルコール性肝障害、肝硬変、肝臓癌などの病態においてハイポキシアが起こり得ることが報告されている。また、ハイポキシアはアポトーシス、ネクローシスなどの細胞死を起こす原因でもあり、単にハイポキシアを起こし得る疾患の存在を示すだけでなく、病態の進展にも関与し得ると考えられるため、ハイポキシアの存在を検出することができれば、臓器の置かれた状態を理解するうえで重要な情報となる。
しかるに、ハイポキシアが病態の進展に関与しているとされる疾患において、血中マーカーを測定することによりハイポキシアを検出できれば、当該疾患の病態の有無を選別し、有効な治療法を選択することができる。より詳細には、ハイポキシアに伴う障害を軽減するような薬剤を使用するための患者を選別するマーカーとして利用でき、さらには薬剤による治療効果の判定、投与量を調整するための指標、投薬の中断・終了・再開などの指標、などの用途に用いることが可能である。
「ミトコンドリア由来蛋白質」としては、例えばOCT、ミトコンドリア由来AST(m−AST)、GDH、チトクロムcなどがあげられる。また、OCTなどのミトコンドリア由来蛋白質との比、または指標を計算するために用いる「細胞質由来蛋白質」としては、例えばALT、AST、アルギナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)、グアナーゼ(GU)、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼなどがあげられ、これらの血中濃度のうちの一つまたは二つ以上を、OCTなどのミトコンドリア由来蛋白質の測定値と関連させて指標を導けばよい。肝臓におけるハイポキシアを検出するためには肝臓に特異的に発現している蛋白質であることが望ましいが、その他の臓器における障害が否定されれば肝臓における障害を反映すると考えられるため、必ずしも肝臓だけに特異的な蛋白質には限定されず、例えば肝臓と別の臓器に局在するような蛋白質も利用できる。また、障害マーカーは酵素である場合が多いが、特定の酵素活性を持たない蛋白、または酵素活性を失った失活酵素であってもよい。
例えば、肝臓におけるハイポキシアを検出するための指標としては、OCT/ARG、OCT/ALT、GDH/ALT、OCT/AST、OCT/GU、m−AST/ALT、チトクロムc/ALTの濃度比の検査などを例示することができる。
ハイポキシア状態の肝臓のミトコンドリア由来蛋白質濃度又は細胞質由来蛋白質濃度の値が、健常者の肝臓のミトコンドリア由来蛋白質濃度又は細胞質由来蛋白質濃度の値よりも大きいとき、その大きさの程度は、例えば1.5、2.0、5.0、10.0、15.0、20.0、または30.0倍であってもよく、これらいずれかの値以上、またはこれらいずれかの値の範囲内であってもよい。また、ハイポキシア状態の肝臓のミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値が、健常者の肝臓のミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値よりも大きいとき、その大きさの程度は、例えば1.1、1.2、1.5、2.0、4.0、5.0、6.0、8.0、または10.0倍であってもよく、これらいずれかの値以上、またはこれらいずれかの値の範囲内であってもよい。また、試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度及び細胞質由来蛋白質濃度の値を2回以上測定し、後に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値が、先に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値よりも大きいとき、その大きさの程度は、例えば1.1、1.2、1.5、2.0、4.0、5.0、6.0、8.0、または10.0倍であってもよく、これらいずれかの値以上、またはこれらいずれかの値の範囲内であってもよい。同一患者由来の試料を複数回測定するとき、その回数は例えば2、3、4、10、又は50回であってもよく、これらいずれかの値以上、またはこれらいずれかの値の範囲内であってもよい。また、各回の間隔は、例えば1、2、7、20、30、又は60日間に設定してもよく、これらいずれかの値以上、またはこれらいずれかの値の範囲内に設定してもよい。
上記方法において測定対象とする試料としては、血液、血清、血漿などの血液由来サンプルであれば特に限定されない。
上記方法を実施するにあたって、ミトコンドリア由来蛋白質および/または細胞質由来蛋白質の濃度を測定する方法は問わない。測定法としては、例えば酵素法、ELISA法、RIA法、化学発光法、蛍光免疫測定法、ラテックス凝集法、免疫比濁法、免疫比ろう法、表面プラズモン共鳴法などが一般的であるが、その他の測定法であってもよく、いずれの場合も従来知られている常法に従って測定を行えばよい。ELISA法は、例えばELISA Kit for Ornithine Carbamoyl Transferase(Uscn Life Science Inc.)を使用できる。
「患者」は、ヒトもしくはその他哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、サル、チンパンジー、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター等)であってもよい。
本発明の他の実施形態は、ミトコンドリア由来蛋白質結合性物質を含む、肝臓のハイポキシア状態を検出するための検出試薬である。この検出試薬を適切に用いれば、ミトコンドリア由来蛋白質結合性物質を利用して、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度を測定することができる。そのため、肝臓がハイポキシア状態にあることを簡便に検出することができる。
検出試薬に使用する抗体は、例えばハイブリドーマ法(Kohler G, Milstein C., Nature. 1975 Aug 7;256(5517):495-497.)で調製してもよく、例えばタカラバイオ(株)から購入してもよい。抗体は、公知の標識物質によって標識されていてもよい。この場合、上記標識物質を検出することで、抗体を検出することができる。
本発明の他の実施形態は、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質を検出する手段を含む、肝臓のハイポキシア状態を検出するための検出キットである。このキットを用いれば、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度を測定することができるため、肝臓がハイポキシア状態にあるかどうかを簡便に検出することができる。
このキットは、さらに、患者由来の試料中の細胞質由来蛋白質濃度を検出する手段を含んでいてもよい。患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値が、健常人由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値よりも大きいことがわかれば、より的確に、患者由来の当該蛋白質が存在する臓器がハイポキシア状態にあるかどうかを検出することができる。または、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度及び細胞質由来蛋白質濃度の値を2回以上測定し、後に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値が、先に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値よりも大きいことがわかれば、より的確に、患者由来の当該蛋白質が存在する臓器がハイポキシア状態にあるかどうかを検出することができる。なお「蛋白質を検出する手段」としては、例えば、蛋白質又は蛋白質の分解産物に特異的に結合する抗体であってもよい。
本発明の他の実施形態は、ミトコンドリア由来蛋白質を含む、肝臓のハイポキシアのバイオマーカーである。上述の通り、ミトコンドリア由来蛋白質は肝臓がハイポキシア状態のときに多く逸脱するため、このバイオマーカーを指標にすれば、肝臓のハイポキシア状態がわかる。細胞質由来蛋白質濃度と比較することによって、肝臓のハイポキシア状態を診断するためのバイオマーカーであってもよい。この場合、より的確に、肝臓のハイポキシア状態を診断することができる。
本発明の他の実施形態は、被験物質を患者に投与する工程と、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質を検出する工程と、を含む、肝臓のハイポキシアを治療する治療薬またはその候補物質の、スクリーニング方法である。このスクリーニング方法によれば、ハイポキシアに対する治療薬、またはその候補物質を簡便にスクリーニングすることができる。例えば、肝臓がハイポキシア状態の患者に被験物質を投与後、試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度が投与前に比べて一定倍率(例えば0.1又は0.5倍)以下に変化したときにはハイポキシア状態が改善されたと判断し、被験物質を選抜してもよい。またこのスクリーニング方法は、被験物質を患者に投与する工程と、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度及び細胞質由来蛋白質濃度の値を測定し、その値が、健常人由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値よりも小さいか、同程度であることを検出する工程を含んでいてもよい。またこのスクリーニング方法は、被験物質を患者に投与する工程と、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度及び細胞質由来蛋白質濃度の値を2回以上測定し、後に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値が、先に測定したときのミトコンドリア由来蛋白質濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値よりも小さいか、同程度であることを検出する工程を含んでいてもよい。
本発明の他の実施形態は、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度を測定する工程を含む、肝臓のハイポキシアのバイオマーカーを検出する方法である。この方法は、患者由来の試料中の細胞質由来蛋白質の濃度を測定する工程と、上記ミトコンドリア由来蛋白質濃度と上記細胞質由来蛋白質濃度の比を求める工程と、をさらに含んでいてもよい。本発明の他の実施形態は、患者由来の試料中のミトコンドリア由来蛋白質濃度および細胞質由来蛋白質の濃度を測定する工程と、ミトコンドリア由来蛋白質濃度/上記細胞質由来蛋白質濃度の値を求める工程と、を含む、肝臓のハイポキシアの指標を検出する方法である。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。また、上記実施形態に記載の構成を組み合わせて採用することもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1:初代培養肝細胞を用いた障害モデルにおける培養液中へのOCTの逸脱)
雄のウィスターラットを麻酔下で放血させ、門脈と下大静脈にカテーテルを挿入した。門脈より緩衝液(40mM Hepes−NaOH(pH7.4), 0.12M NaCl, 5mM KCl, 5mM NaHCO, 10mM ピルビン酸ナトリウム)を肝臓が黄土色になるまで環流した後、0.025%コラゲナーゼ、5mM CaClを含有する緩衝液に変えて10分環流した。その後、肝臓を取り出して細断し、メッシュを通過した肝細胞をHanks液に懸濁した。その後、当該懸濁液を500rpmで5分間遠心し、非実質細胞を含む上清を除いた。懸濁と遠心操作を4回繰り返し、実質細胞を得た。このようにして得られたラット肝細胞を、コラーゲンコートした24穴プレートに10万細胞/ウェルとなるように加え、4時間培養した。接着しなかった細胞を除いた後、各種pHの培養液を加え、窒素置換して無酸素状態としたチャンバー内で細胞を培養した。17時間後に培養液をサンプリングし、培養液中のOCT及びARGの濃度をELISA法によって測定した。また、培養終了時にTriton−X100を0.5%(終濃度)添加して細胞を破壊し、その懸濁液のOCTまたはARG濃度(OCTまたはARGの発現量に相当)を100%としたときの、培養液中へのOCT及びARGの逸脱割合(%)を算出した。
細胞を低酸素条件下においてハイポキシアストレスを与えると、細胞が障害され、肝臓中の蛋白質であるOCT、ARGの培養液中の濃度が上昇し、逸脱割合が高くなった(表1)。このとき、OCTの細胞外への逸脱割合は23.1%、ARGは19.0%となり、ミトコンドリア由来蛋白質のOCTの逸脱割合がARGのそれと比較して高くなった。なお表1において未処理とは、上記の窒素置換をしていない場合を意味している。
さらに、このとき培地のpHを酸性にして、各マーカー蛋白質の逸脱程度に与える影響を調べた。その結果、細胞外への各マーカーの逸脱はpHが低いほど低減されたが、低減される程度は細胞質由来マーカー(ARG)で顕著であり、ミトコンドリア由来マーカーでは相対的に逸脱の程度が高くなった(表1)。なお表1において、「OCT/ARG比」の表記はOCTの逸脱割合/ARGの逸脱割合の比を意味している。pH7.4ではOCT/ARG比は1.2であったが、pH6.2の条件ではOCTの逸脱割合は9.5%に低減され、OCT/ARG比は5.6となり、OCTの逸脱割合がARGよりも5倍以上高くなった。
なお、未処理の場合のOCT発現量は3.6μg/10cellsであり、ハイポキシア処理を行った場合のOCT発現量は3.5μg/10cellsであった。一方で、未処理の場合のARG発現量は0.7μg/10cellsであり、ハイポキシア処理を行った場合ARG発現量は0.58μg/10cellsであった(処理の有無での有意差なし)。即ち、ハイポキシアの有無によらず各蛋白質の発現量は変化しないことから、細胞外への逸脱割合の変化は、血中の濃度に直接的に反映されるものと判断できる。
生体内において、ハイポキシア条件ではミトコンドリア電子伝達系が阻害されるため、解糖系が亢進して乳酸が生じ、酸性化(アシドーシス)が起こることが知られている。しかるに、ハイポキシアにおけるマーカーの逸脱は酸性化によって抑制されるが、ミトコンドリアマーカーが抑制される程度は細胞質マーカーよりも低いため、ミトコンドリアマーカーの相対濃度が上昇することになることが明らかになった。
このように、血中のミトコンドリア由来マーカー濃度はハイポキシアによって上昇し、細胞質マーカーと比較してその上昇の程度が高くなることから、ミトコンドリア由来蛋白質がハイポキシアのマーカーとなりうること、また、より生体内での状態に近いと考えられるハイポキシアに伴うアシドーシス条件下で、ミトコンドリア由来蛋白質の濃度と細胞質由来蛋白質の濃度の比を求めることによって、当該蛋白質の存在する臓器、組織におけるハイポキシアを鋭敏に検出できることが示された。また、ハイポキシア(pH7.4)を基準としたときのOCT/ARG比の倍率は、pHが酸性に近づくに伴い上昇していた。このような特殊な挙動はハイポキシアの進行時に特有のものであり、OCT/ARG比の倍率を評価することでハイポキシア状態をより正確に検出することができると考えられる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解され
るところである。

Claims (9)

  1. OCTに対する抗体を含む、肝臓のハイポキシア状態を検出するための検出試薬。
  2. さらに細胞質由来蛋白質に対する抗体を含む、請求項に記載の検出試薬。
  3. 患者由来の血液由来サンプル中のOCT濃度を測定する工程を含む、肝臓がハイポキシア状態にあることを検出する方法。
  4. 患者由来の血液由来サンプル中の細胞質由来蛋白質の濃度を測定する工程と、
    前記OCT濃度と前記細胞質由来蛋白質濃度の比を求める工程と、
    をさらに含む、請求項に記載の方法。
  5. 患者由来の血液由来サンプル中のOCT濃度が、健常人由来の血液由来サンプル中のOCT濃度よりも大きいことを検出する工程と、
    患者由来の血液由来サンプル中のOCT濃度/細胞質由来蛋白質濃度が、健常人由来の血液由来サンプル中のOCT濃度/細胞質由来蛋白質濃度よりも大きいことを検出する工程と、
    を含む、請求項に記載の方法。
  6. 前記細胞質由来蛋白質がアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアルギナーゼ(ARG)から成る群より選ばれる1種以上である、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記OCT濃度、または前記OCT濃度と前記細胞質由来蛋白質濃度を、請求項1または2に記載の試薬を用いて免疫学的測定法によって測定する、請求項4、5または6に記載の方法。
  8. 患者由来の血液由来サンプル中のOCT濃度及び細胞質由来蛋白質濃度の値を2回以上測定し、
    後に測定したときのOCT濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値が、先に測定したときのOCT濃度/細胞質由来蛋白質濃度の値よりも大きいことを検出する工程、
    を含む、請求項に記載の方法。
  9. 患者由来の血液由来サンプル中のOCT濃度が、健常人由来の血液由来サンプル中のOCT濃度よりも大きいことを検出する工程、
    をさらに含む、請求項に記載の方法。
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