JP5468124B2 - Magnetic recording head and magnetic recording apparatus - Google Patents
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Description
本発明は、磁気記録媒体に対して高周波磁界を照射して磁気共鳴を駆動し、記録媒体の磁化反転を誘導して情報を記録する機能を有する磁気記録ヘッド、及びその磁気記録ヘッドを搭載した磁気記録装置に関するものである。 The present invention includes a magnetic recording head having a function of recording information by irradiating a magnetic recording medium with a high frequency magnetic field to drive magnetic resonance and inducing magnetization reversal of the recording medium, and the magnetic recording head. The present invention relates to a magnetic recording apparatus.
近年のコンピュータの能力向上及びネットワークの高速化、大容量化にともない、ディジタル・データの形で流通する情報の量は飛躍的に増加してきている。こうした大容量の情報を効率的に受配信・抽出するためには、大容量の情報を高速に入出力できるストレージ・デバイスが必要である。磁気ディスクでは、高記録密度化にともなって、一旦記録した信号が熱揺らぎによって徐々に減少していくという問題が顕在化している。これは磁気記録媒体が磁性体微結晶の集合であり、この微結晶の体積が減少してきていることが原因である。十分な耐熱揺らぎ安定性を得るには、よく用いられる熱揺らぎ指標Kβ(=KuV/kT;Ku:磁気異方性、V:粒子体積、T:絶対温度、k:Boltzmann定数)が70以上ある必要があると考えられている。Ku,T(材料、環境)を一定とすれば、Vの小さな粒子ほど熱揺らぎによる磁化反転が起こりやすい。高記録密度化が進み1ビットの占める記録膜体積が減少するにつれて、Vを低下させなければならず、熱揺らぎが無視できない。この熱揺らぎを抑えるためにKuを高めると、磁気記録に必要な磁化反転磁界が記録ヘッドで発生できる記録磁界を越えることになり、記録不能となる。 The amount of information distributed in the form of digital data has increased dramatically as the capabilities of computers in recent years and the speed and capacity of networks have increased. In order to efficiently receive, distribute, and extract such a large amount of information, a storage device that can input and output a large amount of information at high speed is required. In the magnetic disk, as the recording density is increased, a problem that a signal once recorded gradually decreases due to thermal fluctuation has become apparent. This is because the magnetic recording medium is an assembly of magnetic crystallites, and the volume of the crystallites is decreasing. In order to obtain sufficient heat fluctuation stability, the commonly used thermal fluctuation index Kβ (= K u V / kT; Ku : magnetic anisotropy, V: particle volume, T: absolute temperature, k: Boltzmann constant) It is believed that there must be more than 70. If K u and T (material, environment) are constant, magnetization reversal due to thermal fluctuation is more likely to occur in particles with smaller V. As the recording density increases and the recording film volume occupied by 1 bit decreases, V must be lowered, and thermal fluctuation cannot be ignored. Increasing the K u in order to suppress the thermal fluctuation, it will exceed a recording magnetic field of the magnetization reversal magnetic field necessary for magnetic recording can be generated by the recording head, the recording disabled state.
この問題を回避するために、特許文献1には、マイクロ波アシスト記録技術(Microwave Assisted Magnetic Recording:MAMR)がCMUのZhuらによって開示されている。MAMRは、図1Aに示すように、垂直磁気記録ヘッドの主磁極からの書き込み磁界に加えて、主磁極に隣接して配置されたスピントルク発振素子(Spin Torque Oscillator:STO)からのマイクロ波磁界を磁気異方性の大きな磁気記録媒体7に印加することにより、記録対象領域を磁気共鳴状態として磁化を揺さぶり、磁化反転磁界を低下させて記録を行うものである。従来の磁気ヘッドでは記録磁界が不足して記録が困難であった1Tbit/in2を超える高記録密度対応の磁気記録媒体に対し、マイクロ波照射領域への記録が可能となる。STOは、固定層31からのスピントルクをCuを介して隣接する高周波磁界発生層(Field Generation Layer:FGL)32に伝え、面内自由層であるFGL32の磁化を面内で高速回転させることによってマイクロ波(高周波磁界)を発生せしめている。
In order to avoid this problem,
MAMRは磁気共鳴現象を利用するため、有効なマイクロ波磁界成分は、記録媒体磁化の歳差運動と同じ回転方向となる、反時計回りの回転磁界成分である。一方、図1Bに示すように、STOのマイクロ波磁界発生源であるFGL32からのマイクロ波磁界は、回転方向がFGLの磁化回転方向に依存する楕円回転磁界であり、ヘッド移動方向にみてFGL32の前後で逆回りである。したがって、MAMRに有効な反時計回り回転磁界は、FGL32の前後片側だけに創生されることになる。このため、主磁極極性が反転する度にFGL32の磁化の回転方向を反転させる必要がある。特許文献2及び特許文献3に開示さているように、STO駆動電流を一定のままスピントルク源となる固定層の磁化を主磁極磁界Hextに従って反転させる方法が現実的である(図2A及び図2B参照)。
Since MAMR uses a magnetic resonance phenomenon, an effective microwave magnetic field component is a counterclockwise rotating magnetic field component that has the same rotational direction as the precession of magnetization of the recording medium. On the other hand, as shown in FIG. 1B, the microwave magnetic field from the
この場合、固定層の磁化反転中はFGL駆動に必要なスピントルクが得られないと考えられるため、固定層磁化反転を高速化する必要がある。特許文献2には、特許文献1に開示されたSTOの固定層の保磁力を低下させて主磁極磁界によって固定層磁化を反転させる技術、及び、固定層に近接して磁束密度の高い磁性体を設置し反転速度を高める技術が開示されている。また、特許文献2には、主磁極又は補助磁極の一部を実質的に固定層とする技術が開示されている。主磁極に突起(リップ)部を設け、スピン散乱層を介して高周波磁界発生器が配置され、さらに、FGLへの主磁極からの磁界の影響を抑制する向きにスピントルクが働くように電流を流す構成とする。この構成により、主磁極から高周波磁界発生器への流入磁界が膜面に垂直に入るようにすることが可能となり、主磁極をスピン源として用いるため、主磁極の極性に依存せずに最大高周波磁界が得られる高周波磁界発生器駆動電流が所望の周波数に応じて設定可能である。
In this case, since it is considered that the spin torque necessary for FGL driving cannot be obtained during the magnetization reversal of the fixed layer, it is necessary to increase the speed of the fixed layer magnetization reversal.
また、互いに磁化が反平行を保ったまま高速回転する等価なFGLの対を構成し、その端面より生じる記録媒体面に平行な一方向高周波磁界を印加することにより、FGL回転方向にかかわらず効率よく媒体磁化を反転させる技術が、特許文献4及び特許文献5に開示されている。
Further, by forming an equivalent FGL pair that rotates at high speed while keeping the magnetizations antiparallel to each other, and applying a unidirectional high-frequency magnetic field parallel to the recording medium surface generated from the end face, the efficiency is improved regardless of the FGL rotation direction. Techniques for reversing the medium magnetization well are disclosed in
1平方インチあたり1Tビットを超える記録密度を有するマイクロ波アシスト記録(MAMR)では、主磁極からの書き込み磁界が印加されているナノメートルオーダーの領域に、強力な高周波磁界を照射して磁気記録媒体を局所的に磁気共鳴状態にし、磁化反転磁界を低減して情報を記録する。磁気共鳴を原理とするため、記録領域の磁化の歳差運動の回転方向と一致する高周波回転磁界成分のみが媒体磁化反転に有効である。従って、反転効率の高い高周波磁界を得るには、主磁極極性が反転する際にFGLの磁化の回転方向を反転させる必要がある。主磁極極性が反転する度、FGLの磁化の回転方向が反転しない場合、媒体磁化の反転位置がFGLの前後でずれることになり、線記録密度を高めることができない。 In microwave assisted recording (MAMR) having a recording density exceeding 1 Tbit per square inch, a magnetic recording medium is irradiated with a strong high-frequency magnetic field on a nanometer-order region to which a write magnetic field from a main pole is applied. Is locally magnetically resonant, and the information is recorded by reducing the magnetization reversal field. Because of the principle of magnetic resonance, only the high-frequency rotating magnetic field component coinciding with the rotation direction of the precession of magnetization in the recording area is effective for medium magnetization reversal. Therefore, in order to obtain a high-frequency magnetic field with high reversal efficiency, it is necessary to reverse the rotation direction of the FGL magnetization when the main magnetic pole polarity is reversed. If the rotation direction of the magnetization of the FGL is not reversed every time the main magnetic pole polarity is reversed, the reversal position of the medium magnetization is shifted before and after the FGL, and the linear recording density cannot be increased.
特許文献1では、STOの固定層に(Co/Pd)n,(Co/Pt)nなどの高磁気異方性(かつ比較的、飽和磁束密度低い)多層膜を用いているため、安定なスピントルクがFGLに供給されると考えられる。しかし、主磁極極性の反転に伴って固定層磁化が反転しないので、FGL磁化の回転方向を反転させるには、STO駆動電流を反転させることになる。この場合、a)電流の正負でスピントルクの効率が変化する、b)FGLに印加される外部磁界が等しくない、c)FGL磁化の立ち上がり角度が異なる、d)STO駆動電流を主磁極磁界に同期させる必要がある、といった問題を解決する必要があり、実現が極めて困難である。
In
特許文献2では、スピントルク源となる固定層に主磁極からの磁界より保磁力を低くした(Co/Pd)n,(Co/Pt)nなどの多層膜を用いており、STO駆動電流一定のまま、主磁極極性に同期して固定層の磁化を反転させ、続いてFGLの磁化の回転方向を反転させている。保磁力を低くした(Co/Pd)n,(Co/Pt)nなどの多層膜は、飽和磁束密度Bsが更に低くなる傾向があり、高Bs材料を積層しても、十分な固定層の磁化反転速度が得られない。また、固定層の保磁力が低いため、電流を強くして大きなスピントルクをFGLに供給しようとすると、その反作用で固定層磁化が不安定になるといった問題がある。さらに、これらの多層膜は磁化運動のダンピング定数αが0.1−0.3と大きいため、スピンポンピング作用によってスピンが消費されるので、同じ周波数の高周波磁界を得るための電流を多く流す必要があることも問題である。
In
特許文献3では、主磁極に設けた突起(リップ)部を固定層とすることにより、STO駆動電流を一定のまま、主磁極極性に同期して固定層の磁化を反転させ、続いてFGLの磁化の回転方向を反転させている。主磁極又は補助磁極の一部を実質的に固定層とするため、磁化反転速度は十分速いと考えられる。しかし、固定層の磁化が主磁極の磁化状態の影響やFGLからのスピントルクの反作用の影響で変動しやすく、大きなSTO駆動電流を流し、発振周波数を増大させることが困難である。これら特許文献2,3では、主磁極極性反転時に、スピントルク源となる磁性体の磁化を主磁極極性に同期して反転させている。従って、主磁極極性反転時、安定な発振状態となるまでに、主磁極極性反転時間と固定層反転時間とFGL安定化時間の合計値が必要であり、記録媒体への十分な書込み時間が得られない懸念がある。
In
特許文献4,5では、ヘッド中心においては面内直線振動磁界が発生し、FGLの回転方向によって記録特性の差はない。しかし、トラック端部においては、FGL端部からの位相遅れの高周波磁界の影響が避けがたく、回転磁界成分の影響が顕著となるため、高トラック密度化すると、FGLの回転方向によって記録特性が変化してしまう。このため、特許文献2,3と同様に、主磁極極性に同期して固定層の磁化を反転する必要がある。特許文献4,5の技術はまた、原理的にFGL磁化と等量の固定層磁化を高速回転させる必要があるため、必要な電流が2倍になるといった問題もある。
In
HDDでは、面記録密度の増加に伴って、トラック方向のビット長を短くしている。1Tbit/in2を超える磁気記録においては、トラック方向のビット長が10nm以下となることが予想される。この場合、現在のHDDに標準的に用いられているヘッド−媒体相対速度である20m/sを適用すると、1ビット当たり10/20=0.5n秒以下で記録を行うことになる。この場合、情報転送速度は、2Gbit/sとなる。特許文献2〜5の技術では、主磁極極性に同期して固定層磁化を反転する必要がある。このため、固定層の反転時間を0.2n秒以下としても、この反転時間の間に伝わる固定層からのスピントルクによってFGL磁化が安定発振状態から離れてしまう可能性がある。回復には同等の時間がかかると考えられるため、2Gbit/sを超える情報転送速度を実現するのは困難である。
In the HDD, the bit length in the track direction is shortened as the surface recording density increases. In magnetic recording exceeding 1 Tbit / in 2 , the bit length in the track direction is expected to be 10 nm or less. In this case, when a head-medium relative speed of 20 m / s, which is typically used in current HDDs, is applied, recording is performed at 10/20 = 0.5 n seconds or less per bit. In this case, the information transfer rate is 2 Gbit / s. In the techniques of
本発明の目的は、主磁極極性反転開始から定常発振状態までの時間を0.3n秒以下とすることにより、信頼性が高く、結果としてコストを低減する超高密度磁気記録に好適な磁気記録ヘッド及び磁気記録装置を提供することにある。 An object of the present invention is to provide a magnetic recording suitable for ultra-high density magnetic recording that is highly reliable and results in cost reduction by setting the time from the start of polarity reversal to the steady oscillation state to 0.3 nsec or less. To provide a head and a magnetic recording apparatus.
本発明の磁気記録ヘッドは、主磁極と、主磁極の近傍に配置されたスピントルク発振素子とを有し、主磁極から磁化反転磁界を発生させると共にスピントルク発振素子から高周波磁界を発生させて磁気記録媒体の磁化を反転せしめることにより情報を記録する磁気記録ヘッドであり、スピントルク発振素子は、膜面に垂直方向に磁気異方性軸を有する磁性膜からなる垂直自由層と、実効的に膜面に磁化容易面を有する面内自由層とを備え、面内自由層側から前記垂直自由層側に電流を流すものである。垂直自由層は、面内自由層より膜厚が薄いのが好ましい。また、垂直自由層は、材料に起因する磁気異方性磁界と前記垂直自由層の膜面垂直方向の実効反磁界とが逆方向でほぼ拮抗するのが好ましい。更に、垂直自由層は、面内自由層より主磁極側に設置されているのが好ましい。 The magnetic recording head of the present invention has a main magnetic pole and a spin torque oscillation element disposed in the vicinity of the main magnetic pole, generates a magnetization reversal magnetic field from the main magnetic pole, and generates a high-frequency magnetic field from the spin torque oscillation element. A magnetic recording head for recording information by reversing the magnetization of a magnetic recording medium. A spin torque oscillation element includes a vertical free layer composed of a magnetic film having a magnetic anisotropy axis in a direction perpendicular to the film surface, and an effective And an in-plane free layer having an easy magnetization surface on the film surface, and a current flows from the in-plane free layer side to the vertical free layer side. The vertical free layer is preferably thinner than the in-plane free layer. In the perpendicular free layer, it is preferable that the magnetic anisotropy field caused by the material and the effective demagnetizing field in the direction perpendicular to the film surface of the perpendicular free layer substantially antagonize in the opposite direction. Furthermore, it is preferable that the vertical free layer is disposed closer to the main magnetic pole than the in-plane free layer.
本発明のスピントルク発振素子は、垂直自由層の磁化が磁化回転面内にほぼ留まっているため、主磁極の極性反転前後で、磁気異方性軸との角度がほとんど変化しない。面内自由層磁化もほぼ回転面内に留まるため、主磁極極性反転後、直ちに記録媒体への書込み可能状態となる。本発明のスピントルク発振素子を適用することにより、印加磁界に対して迅速に回転状態を変化させることができる。その結果、記録密度が1平方インチあたり1Tビットを超えるマイクロ波アシスト記録を適用した磁気記録において、2Gbit/sを超える情報転送速度を実現することが可能となる。 In the spin torque oscillation device of the present invention, the magnetization of the perpendicular free layer remains almost in the magnetization rotation plane, and therefore the angle with the magnetic anisotropy axis hardly changes before and after the polarity reversal of the main pole. Since the in-plane free layer magnetization remains almost in the plane of rotation, the recording medium can be written immediately after the main magnetic pole polarity is reversed. By applying the spin torque oscillation element of the present invention, the rotation state can be rapidly changed with respect to the applied magnetic field. As a result, it is possible to realize an information transfer rate exceeding 2 Gbit / s in magnetic recording using microwave assist recording in which the recording density exceeds 1 Tbit per square inch.
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。 Problems, configurations, and effects other than those described above will be clarified by the following description of embodiments.
MAMR用STOの試作ヘッドの発振試験中に、従来と逆方向のSTO駆動電流を通電したところ、主磁極極性の高速切り替えが可能と考えられる挙動が観測された。従来、考えられていない新たな発振状態を解析する目的で、固定層磁化がFGL磁化に引きずられて動く(垂直自由層と呼ぶ)ことを前提に、以下のLLG(Landau Lifschitz Gilbert)方程式(1)に基づく計算機シミュレーションで磁化反転挙動を解析した。ここで、固定層あるいは垂直自由層は、膜面に垂直方向に磁気異方性軸を有する磁性膜からなり、FGLあるいは面内自由層は、実効的に膜面に磁化容易面を有する磁性膜からなる。図3は、STOの計算モデルを示す図である。 During the oscillation test of the MAMR STO prototype head, when a STO drive current in the opposite direction to that of the prior art was applied, a behavior that was considered to enable high-speed switching of the main pole polarity was observed. For the purpose of analyzing a new oscillation state that has not been considered in the past, the following LLG (Landau Lifschitz Gilbert) equation (1 The magnetization reversal behavior was analyzed by computer simulation based on). Here, the fixed layer or the perpendicular free layer is formed of a magnetic film having a magnetic anisotropy axis in a direction perpendicular to the film surface, and the FGL or the in-plane free layer is effectively a magnetic film having an easy magnetization surface on the film surface. Consists of. FIG. 3 is a diagram showing an STO calculation model.
まず、従来のSTOについて、発振状態の計算結果を示す。計算モデルは、固定層31として幅40nm×高さ40nm×厚さ10nmで飽和磁束密度が1.5T、垂直磁気異方性Hkpが960kA/m(12kOe)の磁性体、FGL32として幅40nm×高さ40nm×厚さ12nmで飽和磁束密度が2.3Tの軟磁性体を想定した。図4A〜4Dは、従来のSTOのように、固定層31側からFGL32側に電流を流した場合における固定層磁化とFGL磁化の時間変化を示す図である。外部磁界Hextは、+z方向に480kA/mの強度で印加されており、STO駆動電流の大きさは0.1TA/m2 とした。なお、本明細書で示す電流密値は、種々の条件で変わるものであるため、本発明の効果が記載の電流密値に限定されるものではない。図4Aは固定層磁化M固定とFGL磁化MFGLのz成分、図4BはFGL磁化のx成分MFGL-x、図4Cは固定層磁化のx成分M固定-xをそれぞれの磁性層の飽和磁化(MsFGL、Ms固定)で規格化した値を示している。また、図4Dは、固定層磁化とFGL磁化の回転方向を示している。
First, the calculation result of the oscillation state is shown for a conventional STO. The calculation model is as follows: a fixed
図4Aにおいて、固定層磁化、FGL磁化とも、1.3n秒以降10n秒まで磁化のz成分が変化していないことから、+z軸方向(磁界印加方向)と一定の角度を保っていることがわかる。なお、図4Aで、磁化が一度低下してから上昇している理由は、本シミュレーションに用いた初期条件が比較的高いエネルギー状態にあり、最初にこのエネルギーを放出する必要があったためである。 In FIG. 4A, since the z component of the magnetization does not change from 1.3 nsec to 10 nsec in both the fixed layer magnetization and the FGL magnetization, the constant angle with the + z axis direction (magnetic field application direction) is maintained. Recognize. In FIG. 4A, the reason why the magnetization has increased after decreasing once is that the initial condition used in this simulation is in a relatively high energy state, and it was necessary to release this energy first.
図4Bにより、z軸と直交するFGL磁化のx成分がサイン波にて規則正しく振動していることから、FGL磁化はz軸から約90度傾いた状態(x−y面)で、z方向を軸として回転しているものと推察される。回転(振動)数は、0.2n秒間に4.6回転していることから、約23GHzである。MAMRでは、FGL側面に現れる磁化が高速に入れ替わることによって生じる高周波磁界を利用するため、FGL磁化は、なるべくx−y面内で回転することが好ましい。FGL磁化の+z軸方向からの角度や磁化回転数は、STOの固定層側からFGL側に流す電流が大きくなるほど大きくなる。したがって、従来STOでは、記録媒体の磁化反転に最適な回転(振動)数が得られる電流値とFGL磁化がx−y面内で回転する電流値とが必ずしも一致させられない可能性がある。 4B, since the x component of the FGL magnetization orthogonal to the z axis is regularly oscillated by a sine wave, the FGL magnetization is tilted about 90 degrees from the z axis (xy plane), and the z direction is It is inferred that it is rotating as an axis. The number of rotations (vibrations) is about 23 GHz because 4.6 rotations per 0.2 nsec. Since MAMR uses a high-frequency magnetic field generated by switching the magnetization appearing on the FGL side surface at high speed, it is preferable that the FGL magnetization rotates in the xy plane as much as possible. The angle of the FGL magnetization from the + z-axis direction and the magnetization rotation speed increase as the current flowing from the STO fixed layer side to the FGL side increases. Therefore, in the conventional STO, there is a possibility that the current value at which the optimum rotation (vibration) number for the magnetization reversal of the recording medium is not matched with the current value at which the FGL magnetization rotates in the xy plane.
次に、図4Cを見ると、固定層磁化もFGL磁化と同様にサイン波にて規則正しく振動している。これから、固定層磁化が極わずかではあるが、z軸から傾いて振動していることが推察される。固定層磁化がFGL磁化に引きずられて揺らいでいるものと考えられるが、固定層磁化が十分固定されず揺らぎが大きくなるとFGL磁化の安定した面内回転が得られない。 Next, referring to FIG. 4C, the fixed layer magnetization is regularly oscillated by a sine wave as in the FGL magnetization. From this, it is inferred that the fixed layer magnetization oscillates while being tilted from the z-axis, though very little. Although it is considered that the fixed layer magnetization fluctuates due to the FGL magnetization, if the fixed layer magnetization is not sufficiently fixed and the fluctuation increases, stable in-plane rotation of the FGL magnetization cannot be obtained.
固定層31の磁化がほぼ+z軸方向を向き、FGL32の磁化が面内で回転している従来型の発振モードを、以下、Tモード発振と呼ぶことにする。Tモード発振では、固定層31側からFGL32側に電流を流す際、FGL磁化を固定層磁化と反平行にしようとする電子(スピン)が固定層から反射され、スピントルク作用でFGL磁化を回転する。安定した発振(磁化回転)状態を得るためには固定層磁化が十分固定されている必要がある。Tモード発振を利用する従来STOでは、外部磁界が弱い場合、固定層の垂直磁気異方性が弱い場合、固定層の厚さが薄い場合に、発振が乱れる傾向がある。これは、固定層が十分に固定されていないためと考えられる。
Hereinafter, the conventional oscillation mode in which the magnetization of the fixed
図4Dは、それぞれの磁化の回転方向を調べるため、0.01n秒程度の微小時間の間に磁化がどのように動くかを示したものである。ここで、θは各磁化の+z軸方向からの角度、φは各磁化をx−y面に投影したときの+x軸方向からの角度とした。FGL磁化、固定層磁化ともφが大きくなる方向に動いており、外部磁界を印加している+z軸方向を向いて右周りの回転となっていることが分かる。この回転方向は、MAMRの際、主磁極近傍にSTOを配置し、主磁極からの磁界をSTOへの印加磁界として利用する場合、記録媒体の磁化反転効率が高い高周波回転磁界が主磁極とSTOとの間に生成される好ましい回転方向である。 FIG. 4D shows how the magnetization moves during a minute time of about 0.01 ns in order to investigate the rotation direction of each magnetization. Here, θ is an angle from the + z-axis direction of each magnetization, and φ is an angle from the + x-axis direction when each magnetization is projected onto the xy plane. It can be seen that both the FGL magnetization and the fixed layer magnetization move in the direction in which φ increases, and the rotation is clockwise around the + z-axis direction where the external magnetic field is applied. In the case of MAMR, when the STO is arranged in the vicinity of the main magnetic pole during MAMR and the magnetic field from the main magnetic pole is used as the magnetic field applied to the STO, the high frequency rotating magnetic field with high magnetization reversal efficiency of the recording medium is the main magnetic pole and the STO. Is the preferred direction of rotation generated between
図5A〜5Dは、Tモード(従来STO)の外部磁界反転時における固定層磁化とFGL磁化の時間変化を示したものである。図5Aは、t=5n秒にて極性がマイナスz方向からプラスz方向に反転する外部磁界の時間プロファイルを示したもので、反転開始から反転完了まで約0.2n秒となる双曲線正割関数(tanh)を用いた。図5Bは固定層の磁化反転(z成分)、図5CはFGL磁化の反転(z成分)、図5Dはz方向を軸とするFGL磁化の回転(x成分)を示した。外部磁界Hextは480kA/m、固定層の垂直磁気異方性Hkpは960kA/m、STO駆動電流の大きさは0.1TA/m2とした。 5A to 5D show temporal changes of the fixed layer magnetization and the FGL magnetization when the external magnetic field is reversed in the T mode (conventional STO). FIG. 5A shows a time profile of an external magnetic field whose polarity reverses from the minus z direction to the plus z direction at t = 5 ns, and is a hyperbolic secant function that takes about 0.2 ns from the start of inversion to the completion of inversion. (Tanh) was used. FIG. 5B shows the magnetization reversal (z component) of the fixed layer, FIG. 5C shows the FGL magnetization reversal (z component), and FIG. 5D shows the FGL magnetization rotation (x component) about the z direction. The external magnetic field H ext was 480 kA / m, the perpendicular magnetic anisotropy H kp of the fixed layer was 960 kA / m, and the magnitude of the STO drive current was 0.1 TA / m 2 .
図5A、図5Bより、固定層磁化は、外部磁界の反転が完了した後、回転が始まり、反転が完了するまでに0.25n秒を要している。図5B、図5Cより、FGL磁化は、固定層磁化の反転初期に出力磁界が最大となる安定発振位置(Mvz=0)から大きく外れてしまっている。固定層磁化の反転中もSTO駆動(直流)電流を流し続けているため、固定層からのスピントルクはFGL磁化を安定発振位置から遠ざけるように作用したものと考えられる。FGL磁化の安定発振位置への復帰には更に0.2n秒程度要している。したがって、外部磁界の反転開始から安定発振状態に至るまでに0.7n秒程度を必要としていることになる。図5Dによれば、この間、FGLは不規則な発振状態になっており、十分なアシスト記録が行えないと推察される。 5A and 5B, the fixed layer magnetization starts to rotate after the reversal of the external magnetic field is completed, and it takes 0.25 nsec until the reversal is completed. From FIG. 5B and FIG. 5C, the FGL magnetization is greatly deviated from the stable oscillation position (M vz = 0) at which the output magnetic field becomes maximum at the initial stage of the reversal of the fixed layer magnetization. Since the STO drive (DC) current continues to flow during the reversal of the fixed layer magnetization, it is considered that the spin torque from the fixed layer acts to move the FGL magnetization away from the stable oscillation position. It takes about 0.2 nsec to return the FGL magnetization to the stable oscillation position. Therefore, about 0.7 nsec is required from the start of reversal of the external magnetic field to the stable oscillation state. According to FIG. 5D, during this period, the FGL is in an irregular oscillation state, and it is assumed that sufficient assist recording cannot be performed.
図6A〜6Dは、本発明のSTOを構成する垂直自由層1の磁化と面内自由層2の磁化の時間変化を示す図である。計算モデルは、図4と同様に、垂直自由層1(図4では固定層)として幅40nm×高さ40nm×厚さ10nmで、飽和磁束密度が1.5T、垂直磁気異方性Hkpが960kA/m(12kOe)の磁性体、面内自由層2(図4ではFGL32)として幅40nm×高さ40nm×厚さ12nmで飽和磁束密度が2.3Tの軟磁性体を想定し、電流を図4の場合とは逆に、面内自由層2側から垂直自由層1側に流すようにした。外部磁界Hextは、+z方向に480kA/mの強度で印加されており、STO駆動電流の大きさは0.1TA/m2とした。図6Aは面内自由層磁化Mhと垂直自由層磁化Mpのz成分、図6Bは面内自由層磁化のx成分Mh-x、図6Cは垂直自由層磁化のx成分Mp-xをそれぞれの磁性層の飽和磁化(Msh、Msp)で規格化した値を示している。また、図6Dは磁化の回転方向を示している。
6A to 6D are diagrams showing temporal changes in the magnetization of the vertical
図6Aにおいて、垂直自由層磁化、面内自由層磁化とも、1.3n秒以降10n秒まで磁化のz成分が変化していないことから、+z軸方向(磁界印加方向)と一定の角度を保っていることがわかる。図6Bより、z軸と直交する面内自由層磁化のx成分がサイン波にて規則正しく振動していることから、面内自由層磁化はz軸から約90度傾いた状態(x−y面)で、z方向を軸として回転しているものと推察される。また、図6Cを見ると、垂直自由層磁化も同様にサイン波にて規則正しく振動しており、垂直自由層磁化はz軸から約80度傾いた状態(x−y面)で、z方向を軸として回転しているものと推察される。さらに、図6B、図6Cを比較すると、互いに位相が約180度ずれていることから、垂直自由層磁化と面内自由層磁化が互いにほぼ逆方向を向き、面内近くで回転していることが分かる。回転(振動)数は、0.2n秒間に3.1回転していることから約16GHzである。なお、図6Aで、両方の自由層磁化のz成分が一旦、大きくなってから面内付近(Mz=0)に収束している理由は、本シミュレーションに用いた初期条件が比較的高いエネルギー状態にあり、最初にこのエネルギーを放出する必要があったためである。一旦、安定発振状態に入ると、外部磁界の極性を変えても直ちには、高いエネルギー状態とならない。 In FIG. 6A, since the z component of the magnetization does not change from 1.3 nsec to 10 nsec in both the perpendicular free layer magnetization and the in-plane free layer magnetization, a constant angle with the + z axis direction (magnetic field application direction) is maintained. You can see that From FIG. 6B, since the x component of the in-plane free layer magnetization orthogonal to the z-axis is regularly oscillated by a sine wave, the in-plane free layer magnetization is tilted about 90 degrees from the z-axis (xy plane). ) Is presumed to rotate around the z direction. 6C, the perpendicular free layer magnetization is also regularly oscillated by a sine wave, and the perpendicular free layer magnetization is tilted about 80 degrees from the z axis (xy plane). It is inferred that it is rotating as an axis. Further, comparing FIG. 6B and FIG. 6C, the phases are shifted from each other by about 180 degrees, so that the perpendicular free layer magnetization and the in-plane free layer magnetization are almost opposite to each other and are rotated near the in-plane. I understand. The number of rotations (vibrations) is about 16 GHz because 3.1 rotations per 0.2 nsec. In FIG. 6A, the z component of both free layer magnetizations once increases and then converges in the vicinity of the in-plane (Mz = 0) because the initial condition used in this simulation is a relatively high energy state. This is because it was necessary to release this energy first. Once in the stable oscillation state, even if the polarity of the external magnetic field is changed, a high energy state is not immediately obtained.
図6Dは、それぞれの磁化の回転方向を調べるため、0.01n秒程度の微小時間の間に磁化がどのように動くかを示したものである。角度θ及びφの定義は、図4Dと同じである。面内自由層磁化、垂直自由層磁化ともφが大きくなる方向に動いており、外部磁界を印加している+z軸方向を向いて右周りの回転となっていることが分かる。この回転方向は、MAMRの際、主磁極近傍にSTOを配置し、主磁極からの磁界をSTOへの印加磁界として利用する場合、記録媒体の磁化反転効率が高い高周波回転磁界が主磁極とSTOとの間に生成される好ましい回転方向である。 FIG. 6D shows how the magnetization moves during a minute time of about 0.01 ns in order to investigate the rotation direction of each magnetization. The definitions of the angles θ and φ are the same as in FIG. 4D. It can be seen that both the in-plane free layer magnetization and the perpendicular free layer magnetization move in the direction in which φ increases and rotate clockwise in the + z-axis direction where an external magnetic field is applied. In the case of MAMR, when the STO is arranged in the vicinity of the main magnetic pole during MAMR and the magnetic field from the main magnetic pole is used as the magnetic field applied to the STO, the high frequency rotating magnetic field with high magnetization reversal efficiency of the recording medium is the main magnetic pole and the STO. Is the preferred direction of rotation generated between
垂直自由層磁化と面内自由層磁化とが反平行でほぼx−y面内で回転している、この新たに発見された本発明の発振モードを、以下、AFモード発振と呼ぶことにする。AFモード発振では、面内自由層側から垂直自由層側に電流を流すことにより生じるスピントルクによって、面内自由層磁化が垂直自由層磁化を追いかける作用と垂直自由層磁化が面内自由層磁化から逃れる作用とが自律的にバランスをとっている。また、面内自由層磁化は概ねx−y面内で回転するのに対して、垂直自由層磁化はx−y面内から僅かに外部磁界方向に傾いている。このため、外部磁界方向が反転しても、垂直自由層磁化のz軸からの傾きのずれは僅かとなり、速やかな切り替えが可能となることが期待される。 This newly discovered oscillation mode of the present invention in which the perpendicular free layer magnetization and the in-plane free layer magnetization are antiparallel and substantially rotated in the xy plane is hereinafter referred to as AF mode oscillation. . In AF mode oscillation, the in-plane free layer magnetization follows the perpendicular free layer magnetization by the spin torque generated by passing a current from the in-plane free layer side to the vertical free layer side, and the vertical free layer magnetization is changed to the in-plane free layer magnetization. The action to escape is balanced autonomously. Further, the in-plane free layer magnetization rotates approximately in the xy plane, whereas the perpendicular free layer magnetization slightly tilts in the direction of the external magnetic field from the xy plane. For this reason, even if the direction of the external magnetic field is reversed, the deviation of the inclination of the perpendicular free layer magnetization from the z-axis is small, and it is expected that the switching can be performed promptly.
図7Aは、面内自由層として幅40nm×高さ40nm×厚さ12nmで飽和磁束密度が2.3Tの軟磁性体を用い、垂直自由層として幅40nm×高さ40nm×厚さ(tp)3nmで飽和磁束密度Bspが1.5T、材料に起因する垂直磁気異方性Hkpが0.48MA/m(6kOe)、0.80MA/m(10kOe)、1.12MA/m(14kOe)、1.44MA/m(18kOe)の磁性体を用いた時のAFモード発振周波数の外部磁界依存性を示したものである。垂直自由層の膜面垂直方向の実効反磁界Hdp-eff(=4πMsp×(Npz−Npx)、Mspは垂直自由層の飽和磁化、NpzとNpxはそれぞれz方向及びx方向の反磁界係数)は、1.09MA/mである。STO駆動電流は、面内自由層側から垂直自由層側に流す。 In FIG. 7A, a soft magnetic material having a width of 40 nm × height of 40 nm × thickness of 12 nm and a saturation magnetic flux density of 2.3 T is used as the in-plane free layer, and the width of 40 nm × height of 40 nm × thickness (t p is used as the vertical free layer. ) 3 nm in saturation magnetic flux density B sp is 1.5T, the vertical magnetic anisotropy due to the material H kp is 0.48MA / m (6kOe), 0.80MA / m (10kOe), 1.12MA / m (14kOe ), The dependence of the AF mode oscillation frequency on the external magnetic field when a 1.44 MA / m (18 kOe) magnetic material is used. Effective demagnetizing field H dp-eff (= 4πM sp × (N pz −N px )) in the direction perpendicular to the film surface of the vertical free layer, M sp is the saturation magnetization of the vertical free layer, N pz and N px are the z direction and x The directional magnetic field coefficient is 1.09 MA / m. The STO drive current is passed from the in-plane free layer side to the vertical free layer side.
図7Aを見ると、各垂直磁気異方性の条件で、外部磁界Hextを強く印加するほど発振周波数が大きくなっている。しかし、Hext+Hkpの値が電流値と垂直自由層の垂直方向の実効反磁界の値とで定まる一定値(ここでは約2000kA/m)に達すると、垂直自由層の磁化が面内に留まりきれず、磁界印加方向を向くため、AFモード発振が維持できない。垂直自由層の垂直磁気異方性磁界Hkpが小さいほど、より高い発振周波数が得られているように見えるが、外部磁界Hextが一定の条件ではSTOが発振する限りHkpは大きいほうが高い発振周波数が得られる。MAMRにおいて、より高い記録密度対応の媒体に記録するため、STOの発振周波数を高めていく必要がある。STOへ印加する外部(ギャップ)磁界を高め、これに相応して発振するようなできるだけHkpが大きな垂直自由層を用いるのが有効である。 Referring to FIG. 7A, the oscillation frequency increases as the external magnetic field Hext is applied more strongly under the conditions of each perpendicular magnetic anisotropy. However, when the value of H ext + H kp reaches a fixed value (here, about 2000 kA / m) determined by the current value and the value of the effective magnetic field in the vertical direction of the vertical free layer, the magnetization of the vertical free layer is in-plane. AF mode oscillation cannot be maintained because the magnetic field application direction cannot be maintained. As perpendicular magnetic anisotropy field H kp of vertical free layer is small, seems to have been obtained higher oscillation frequency, as long as H kp has the higher high oscillating STO is the external magnetic field H ext is certain conditions An oscillation frequency is obtained. In MAMR, in order to record on a medium corresponding to a higher recording density, it is necessary to increase the oscillation frequency of STO. It is effective to use a vertical free layer having a high H kp as much as possible so as to increase the external (gap) magnetic field applied to the STO and oscillate accordingly.
AFモードにて安定した発振(磁化回転)状態を得ることによりMAMRを実現するためには、垂直磁気異方性の設定がキーポイントとなる。図7Bは、垂直自由層の飽和磁束密度Bsp、厚さtpの各種組み合わせに対して、垂直自由層の材料に起因する垂直磁気異方性磁界Hkpを変えてAFモード発振の状態を調べた結果である。各組み合わせに対して、Hkpから垂直方向の実効反磁界Hdp-effを引いた値が−250kA/mより小さい場合には、発振が安定しない場合が発生する。図7Aにおいて垂直磁気異方性が480kA/m、800kA/mの場合、Hextが250kA/mの低磁界領域で発振が不安定となっているのは、HkpからHdp-effを引いた値が、それぞれ−610(=480−1090)kA/m、−290(=800−1090)kA/mと小さすぎるためと考えられる。HkpからHdp-effを引いた値が400kA/mより大きな場合にはAFモード発振が励起できない。垂直自由層の磁化が垂直磁気異方性軸の方向を向き、AFモードとならないと考えられる従って、AFモードの安定した発振を得るには、垂直自由層において、材料に起因する磁気異方性磁界と膜面垂直方向の実効反磁界が逆方向で、ほぼ拮抗する必要がある。HkpからHdp-effを引いた値は、−250kA/mから400kA/mの間に入っている必要がある。前記範囲内で、Hkp>Hdp-effの場合、より高い発振周波数がえられる。ただし、STO駆動電流投入後、書き込み状態に入る前に、垂直自由層磁化が面直方向から面内に倒れるまでの1〜2n秒間程度の慣らし発振が必要である。Hkp<Hdp-effの場合、STO駆動電流投入後、速やかに書き込み状態に入ることができる。 In order to realize MAMR by obtaining a stable oscillation (magnetization rotation) state in the AF mode, the setting of perpendicular magnetic anisotropy is a key point. 7B is a saturation magnetic flux density B sp vertical free layer, for various combinations of thickness t p, the state of the AF mode oscillation by changing the perpendicular magnetic anisotropy field H kp due to the material of the vertical free layer It is the result of investigation. For each combination, when the value obtained by subtracting the effective demagnetizing field H dp-eff in the vertical direction from H kp is smaller than −250 kA / m, the oscillation may not be stable. In FIG. 7A, when the perpendicular magnetic anisotropy is 480 kA / m and 800 kA / m, the oscillation is unstable in the low magnetic field region where H ext is 250 kA / m. H dp-eff is subtracted from H kp. It is considered that the measured values are too small, −610 (= 480-1090) kA / m and −290 (= 800-1090) kA / m, respectively. When the value obtained by subtracting H dp-eff from H kp is larger than 400 kA / m, AF mode oscillation cannot be excited. It is considered that the magnetization of the perpendicular free layer is oriented in the direction of the perpendicular magnetic anisotropy axis and does not become the AF mode. The effective demagnetizing field in the direction perpendicular to the magnetic field and the film surface must be reversed and almost antagonized. The value obtained by subtracting H dp-eff from H kp needs to be between −250 kA / m and 400 kA / m. Within the above range, a higher oscillation frequency can be obtained when H kp > H dp-eff . However, a break-in oscillation of about 1 to 2 n seconds is required after the STO drive current is input and before the perpendicular free layer magnetization falls from the perpendicular direction to the in-plane direction before entering the writing state. When H kp <H dp-eff , the write state can be entered immediately after the STO drive current is input.
図7Cは、垂直自由層として幅40nm×高さ40nm×厚さ3nmで飽和磁束密度が1.5T、垂直磁気異方性Hkpが1.12MA/mのSTOについて、図7A、図7Bの電流量を0.4TA/m2として電流量が0.1と1.6の場合の発振周波数の外部磁界依存性を示したものである。 FIG. 7C shows an STO having a width of 40 nm, a height of 40 nm, a thickness of 3 nm, a saturation magnetic flux density of 1.5 T, and a perpendicular magnetic anisotropy H kp of 1.12 MA / m as a vertical free layer. This shows the dependence of the oscillation frequency on the external magnetic field when the current amount is 0.4 TA / m 2 and the current amounts are 0.1 and 1.6.
各電流条件で、外部磁界Hextを強く印加するほど発振周波数が大きくなっている。外部磁界Hextが一定の条件ではSTOが発振する限り電流値は小さいほうが高い発振周波数が得られるが、電流値は大きいほどより高い発振周波数が得られる。STOへ流せる電流を多くし、STOへ印加する外部(ギャップ)磁界を高め、これらに相応して発振するようなできるだけ大きな垂直磁気異方性Hkpを持つ垂直自由層を用いることにより、最も高い発振周波数が得られる。AFモード発振を利用する本発明のSTOでは、面内自由層磁化がほぼ面内にあるため、外部(ギャップ)磁界と電流値の組み合わせに対して、適当な垂直自由層磁化と垂直磁気異方性を設定することにより、記録媒体の磁化反転に最適な回転(振動)数で高周波出力(磁界)を最大にすることが可能性である。本発明のSTOは、主磁極と補助磁極の間に設置することを想定しており、外部(ギャップ)磁界を強めるには、主磁極と補助磁極の間の距離を縮めるのが有効である。 Under each current condition, the oscillation frequency increases as the external magnetic field H ext is applied more strongly. As long as the STO oscillates under a condition where the external magnetic field H ext is constant, the smaller the current value, the higher the oscillation frequency can be obtained, but the higher the current value, the higher the oscillation frequency can be obtained. The highest current can be obtained by increasing the current that can be applied to the STO, increasing the external (gap) magnetic field applied to the STO, and using a vertical free layer having the largest possible perpendicular magnetic anisotropy H kp that oscillates accordingly. An oscillation frequency is obtained. In the STO of the present invention using the AF mode oscillation, since the in-plane free layer magnetization is substantially in-plane, appropriate perpendicular free layer magnetization and perpendicular magnetic anisotropy with respect to a combination of an external (gap) magnetic field and a current value. By setting the characteristics, it is possible to maximize the high-frequency output (magnetic field) at the optimum rotation (vibration) number for the magnetization reversal of the recording medium. The STO of the present invention is assumed to be installed between the main magnetic pole and the auxiliary magnetic pole, and it is effective to reduce the distance between the main magnetic pole and the auxiliary magnetic pole in order to increase the external (gap) magnetic field.
図7Dは、種々条件における、AFモード発振状態での面内自由層の面内磁化成分Mh-xyを材料に起因する垂直磁気異方性磁界Hkhから実効反磁界Hdh-effを引いた値の関数として示したものである。図は、Hhkを変えており、(Co/Fe)n多層膜のような負の磁気異方性材料を用いる場合を想定して、負値のHhkがとれるものとした。垂直磁気異方性のHhkが負値ということは、磁化容易面型の磁気異方性となっていることを意味する。図では、Mh-xyを面内自由層の飽和磁化Mshで規格化しており、Mh-xy/Mshでの値が1.0であれば、面内自由層磁化が面内にあることを意味し、高周波磁界強度が最大となっていることを示している。 FIG. 7D shows that the in-plane magnetization component M h-xy of the in - plane free layer in the AF mode oscillation state under various conditions is obtained by subtracting the effective demagnetizing field H dh-eff from the perpendicular magnetic anisotropic magnetic field H kh caused by the material. It is shown as a function of the value. In the figure, H hk is changed, and assuming that a negative magnetic anisotropic material such as a (Co / Fe) n multilayer film is used, a negative H hk can be obtained. The fact that H hk of the perpendicular magnetic anisotropy is a negative value means that the magnetic anisotropy is of the easy magnetization surface type. In the figure, M h-xy is normalized by the saturation magnetization M sh of the in - plane free layer. If the value of M h-xy / M sh is 1.0, the in-plane free layer magnetization is in-plane. This means that there is a maximum high-frequency magnetic field strength.
図7Dより、種々条件においてもHkh-Hdh-effの値が−200kA/mより小さければ、最大の高周波磁界強度が得られることが分かった。このことから、磁化容易面を有する負の垂直磁気異方性材料CoIr合金、CoFeIr合金、(Co/Fe)n多層膜の面内自由層への適用は、トラック幅が狭くて実効反磁界が小さくなる高トラック密度対応ヘッドにおいて特に有効である。以上より、面内自由層は、膜面に垂直方向の材料に起因する磁気異方性磁界に比べて実効反磁界が優勢、すなわち、実効的に膜面に磁化容易面を有する磁性膜とする必要があることが判明した。 FIG. 7D shows that the maximum high-frequency magnetic field strength can be obtained if the value of H kh -H dh-eff is smaller than −200 kA / m even under various conditions. Therefore, application to the in-plane free layer of the negative perpendicular magnetic anisotropic material CoIr alloy, CoFeIr alloy, and (Co / Fe) n multilayer film having an easy magnetization surface has a narrow track width and an effective demagnetizing field. This is particularly effective in a head with high track density that can be reduced. From the above, the in-plane free layer is a magnetic film in which the effective demagnetizing field is dominant compared to the magnetic anisotropy field caused by the material perpendicular to the film surface, that is, the film surface has an easy-magnetization surface effectively. It turns out that there is a need.
図8A〜8Dは、AFモード(本発明のSTO)の外部磁界反転時における垂直自由層磁化と面内自由層磁化の時間変化を示したものである。図7B最上段の条件のうち垂直自由層の垂直磁気異方性Hkpが960kA/m(Hkp−Hdp-eff=−130kA/m)を用いた。外部磁界Hextの大きさは480kA/m、STO駆動電流は0.3TA/m2である。図8Aは、t=5n秒にて極性がマイナスz方向からプラスz方向に反転する外部磁界の時間プロファイルを示したもので、反転開始から反転完了まで約0.2n秒となる双曲線正割関数(tanh)を用いた。図8Bは垂直自由層の磁化反転(z成分)、図8Cは面内自由層磁化の反転(z成分)、図8Dはz方向を軸とする面内自由層磁化の回転(x成分)を示した。 FIGS. 8A to 8D show temporal changes of the perpendicular free layer magnetization and the in-plane free layer magnetization when the external magnetic field is reversed in the AF mode (STO of the present invention). Of the conditions at the top of FIG. 7B, the perpendicular magnetic anisotropy H kp of 960 kA / m (H kp −H dp-eff = −130 kA / m) was used. The magnitude of the external magnetic field H ext is 480 kA / m, and the STO drive current is 0.3 TA / m 2 . FIG. 8A shows a time profile of an external magnetic field whose polarity is reversed from the minus z direction to the plus z direction at t = 5 ns. (Tanh) was used. 8B shows the magnetization reversal (z component) of the vertical free layer, FIG. 8C shows the reversal of the in-plane free layer magnetization (z component), and FIG. 8D shows the rotation of the in-plane free layer magnetization about the z direction (x component). Indicated.
図8A、図8Bより、垂直自由層磁化は、外部磁界の反転開始と同時に回転が始まり、外部磁界の反転完了と同時に回転が完了している。図8B、図8Cより、垂直自由層磁化が反転する間、面内自由層磁化は出力磁界が最大となる安定発振位置(Mvz=0)からほとんどずれていない。したがって、外部磁界の反転開始から安定発振状態に至るまでに必要な時間は、外部磁界の反転に要した約0.2n秒だけである。このように、垂直自由層磁化と面内自由層磁化がほぼ反平行保ったまま、状態が切り替わっており、高速切り替えが可能であることがわかった。図8Dに見られるこの間のMvxの挙動は、面内自由層磁化の面内回転速度が遅くなり回転方向が入れ替わっている状況を反映しているものと考えられる。これは、図7A、図7Cの外部磁界に対する発振周波数の挙動と矛盾しない。磁気記録媒体の磁化反転時には反転途中の磁性粒子の磁気共鳴周波数は低下するので、本発明のSTOを用いることにより、外部(書込み)磁界の反転時に磁化反転途中の磁性粒子の反転を効率よくマイクロ波アシストすることが可能となる。 8A and 8B, the perpendicular free layer magnetization starts rotating simultaneously with the start of reversal of the external magnetic field, and completes simultaneously with the completion of reversal of the external magnetic field. 8B and 8C, the in-plane free layer magnetization hardly deviates from the stable oscillation position (M vz = 0) at which the output magnetic field is maximum while the vertical free layer magnetization is reversed. Therefore, the time required from the start of reversal of the external magnetic field to the stable oscillation state is only about 0.2 nsec required for reversal of the external magnetic field. In this way, it was found that the state was switched while the perpendicular free layer magnetization and the in-plane free layer magnetization were kept substantially antiparallel, and high-speed switching was possible. It can be considered that the behavior of M vx during this period seen in FIG. 8D reflects the situation where the in-plane rotation speed of the in-plane free layer magnetization is slow and the rotation direction is switched. This is consistent with the behavior of the oscillation frequency with respect to the external magnetic field in FIGS. 7A and 7C. Since the magnetic resonance frequency of the magnetic particles in the middle of reversal decreases when the magnetization of the magnetic recording medium is reversed, by using the STO of the present invention, the reversal of the magnetic particles in the middle of the magnetization reversal can be efficiently performed by reversing the external (write) magnetic field. Wave assist can be performed.
AFモードの高周波応答特性ポテンシャルを、詳しく調べるため、図8と同じ条件にて、図9Aに示す外部磁界の反転時間が0.1n秒以下の高速反転の時間変化を与えた。外部磁界の印加方向はz方向である。図9Bは、これに対する垂直自由層磁化z成分の時間変化を示したものであり、図9Cは面内自由層磁化z成分の時間変化を示したものである。 In order to investigate the high-frequency response characteristic potential in the AF mode in detail, the time change of the high-speed reversal in which the reversal time of the external magnetic field shown in FIG. The application direction of the external magnetic field is the z direction. FIG. 9B shows the time change of the perpendicular free layer magnetization z component with respect to this, and FIG. 9C shows the time change of the in-plane free layer magnetization z component.
図9Bから、垂直自由層磁化は、1n秒以降、完全に外部磁界に追従して磁化が反転していることがわかる。また、図9Cに示されているように、面内自由層磁化も、1n秒以降、出力磁界が最大となる安定発振位置(Mvz=0)からほとんどずれていない。なお、1n秒以前の垂直自由層磁化と面内自由層磁化の挙動は、良好なAF発振状態から大きく外れた状態を計算の初期状態としたためであり、いったんAFモード発振状態になれば十分な高速反転特性が得られると考えられる。長時間の休止後、AFモード発振状態にてアシスト記録を行う場合には、1−2n秒程度の慣らし駆動が必要と考えられる。 From FIG. 9B, it can be seen that the magnetization of the perpendicular free layer magnetization is completely reversed following the external magnetic field after 1 ns. In addition, as shown in FIG. 9C, the in-plane free layer magnetization is hardly deviated from the stable oscillation position (M vz = 0) at which the output magnetic field becomes maximum after 1 ns . Note that the behavior of the perpendicular free layer magnetization and the in-plane free layer magnetization before 1 ns is because the state greatly deviated from the good AF oscillation state is the initial state of the calculation, and it is sufficient if the AF mode oscillation state is once entered. It is considered that high-speed inversion characteristics can be obtained. When assist recording is performed in the AF mode oscillation state after a long pause, it is considered that break-in driving of about 1-2 n seconds is necessary.
図10A〜10Cは、図9A〜9Cの3n秒近くの外部磁界の切り替え時の磁化挙動の様子を、更に拡大してみたものである。図10Aは図9Aに、図10Bは図9Bに、図10Cは図9Cにそれぞれ対応する。図10Bに示すように、垂直自由層磁化は、外部磁界の反転後、直ちに反転を開始し、0.1n秒程度で反転を完了している。この間、図10Cに示すように、面内自由層磁化は、安定発振位置からのずれが僅かにみられている。 FIGS. 10A to 10C further expand the state of the magnetization behavior when switching the external magnetic field in the vicinity of 3 ns of FIGS. 9A to 9C. 10A corresponds to FIG. 9A, FIG. 10B corresponds to FIG. 9B, and FIG. 10C corresponds to FIG. 9C. As shown in FIG. 10B, the perpendicular free layer magnetization starts reversal immediately after reversal of the external magnetic field, and reversal is completed in about 0.1 nsec. During this time, as shown in FIG. 10C, the in-plane free layer magnetization is slightly displaced from the stable oscillation position.
図10Dは、図10B及び図10Cの2.5n秒における垂直自由層磁化及び面内自由層磁化の回転方向を示したものである。また、図10Eは、図10B及び図10Cの3.5n秒における垂直自由層磁化及び面内自由層磁化の回転方向を示したものである。角度θとφの定義は、図4Dと同じである。2.5n秒の時点と3.5n秒の時点では、回転方向が逆向きになっており、垂直自由層磁化及び面内自由層磁化の回転方向が外部磁界に応じて確実に切り替わっていることが確認できる。 FIG. 10D shows the rotation directions of the perpendicular free layer magnetization and the in-plane free layer magnetization at 2.5 ns in FIGS. 10B and 10C. FIG. 10E shows the rotation directions of the perpendicular free layer magnetization and the in-plane free layer magnetization at 3.5 ns in FIGS. 10B and 10C. The definitions of the angles θ and φ are the same as in FIG. 4D. The rotation direction is reversed between the time of 2.5 ns and the time of 3.5 ns, and the rotation direction of the perpendicular free layer magnetization and the in-plane free layer magnetization is reliably switched according to the external magnetic field. Can be confirmed.
AFモード発振状態のSTOから発生する高周波磁界によるマイクロ波アシスト磁化反転の効果を検討するため、有効高周波磁界成分Hhf-effを求める。高周波磁界は、垂直自由層と面内自由層の底面(上底面も含む)及び側面からの磁界を足し合わせることになる。底面からの磁界と側面からの磁界とは、トラックセンター上を除き、一般には直交しない。この点を考慮して、FGLから発生されるマイクロ波アシスト反転に有効な高周波磁界成分Hhf-effを求める必要がある。高周波磁界Hhfは、図11に示すように、位相が互いに90度ずれている底面からの磁界Hbと側面からの磁界Hsとの合成磁界と考えられるので、次式(1)のように表される。 In order to examine the effect of microwave assisted magnetization reversal by the high frequency magnetic field generated from the STO in the AF mode oscillation state, the effective high frequency magnetic field component H hf-eff is obtained. The high-frequency magnetic field adds the magnetic fields from the bottom surface (including the top bottom surface) and the side surface of the vertical free layer and the in-plane free layer. Generally, the magnetic field from the bottom and the magnetic field from the side are not orthogonal except on the track center. Considering this point, it is necessary to obtain a high-frequency magnetic field component H hf-eff effective for microwave-assisted inversion generated from the FGL. As shown in FIG. 11, the high-frequency magnetic field H hf is considered to be a combined magnetic field of the magnetic field H b from the bottom surface and the magnetic field H s from the side surface whose phases are shifted from each other by 90 degrees. It is expressed in
ここで、アシストに有効な磁界成分は、媒体面内に平行と近似して、式(3)を得る。
式(3)を式(2)に代入すると、次式(4)が得られる。
さらに、マイクロ波アシスト磁化反転に作用する反時計まわり成分のみを考慮し、exp(−iωt)項を無視すると、式(5)のようになる。Hの添え字h,pは、それぞれ、面内自由層、垂直自由層を意味するものとする。 Further, when only the counterclockwise component acting on the microwave assisted magnetization reversal is considered and the exp (−iωt) term is ignored, the following equation (5) is obtained. The subscripts h and p of H mean an in-plane free layer and a vertical free layer, respectively.
図12A、図12Bから図15A、図15Bは、AFモードによる有効高周波磁界成分Hhf-effが書込み特性に与える影響を調べたものである。いずれの場合にも、STO駆動電流は面内自由層2側から垂直自由層1側に流される。本検討では、主磁極5から、一例として20nm離して面内自由層2又は垂直自由層1を設置したが、本発明の効果は、この値にとらわれることなく得られるものである。同様に、面内自由層2と垂直自由層1と間の非磁性スピン伝導体用の間隙を3nmとしているが、この値を用いなくても本発明の効果が期待できる。図のグラフは、記録媒体に書込み磁界が印加される際、まず主磁極5からの磁界、続いてSTOからの高周波磁界が媒体に印加されることを想定し、STO側のHhf-effの変化をSTO側の主磁極端からの距離に対して示している。書込み点は、Hhf-effの最も高いピークの半値点のうち、主磁極から離れている方とした。主磁極極性が反転する際、書込み点に磁化遷移領域が形成される。
FIGS. 12A and 12B to FIGS. 15A and 15B show the influence of the effective high-frequency magnetic field component H hf-eff in the AF mode on the writing characteristics. In any case, the STO drive current is passed from the in-plane
図12Aは、主磁極5と反対側に面内自由層2と同じ厚さの垂直自由層1を配置したSTOの実施例を示す概略構成図である。垂直自由層1と面内自由層2の厚さは、いずれも15nmとした。面内自由層の飽和磁束密度Bsは2.3Tとした。主磁極5と面内自由層2の間の距離は20nmである。図12Bは、図12Aに示した配置において、垂直自由層1の飽和磁束密度が1.2T及び2.4Tの場合の、Hhf-effの主磁極端からの距離依存性を示している。比較のために、面内自由層単独(従来STOのFGL)によるHhf-effをBsp=0として破線で示した。
FIG. 12A is a schematic configuration diagram showing an example of the STO in which the vertical
Hhf-effのピークを、主磁極側から第1ピーク、第2ピークのように名付けるものとする。垂直自由層の飽和磁束密度Bspの増加に従って、第2ピークは、第1ピークより大きくなるので書込み点が主磁極から離れる(25nm⇒50nm)問題があるが、実効高周波磁界ピーク値は、Bsp=2.4Tの場合、従来STOの1.3倍になる。従って、本実施例のSTOは、主磁極から離れた位置にも磁界の影響を及ぼすことができるヘッド(主磁極)と組み合わせるのがよい。 The peaks of H hf-eff are named as the first peak and the second peak from the main magnetic pole side. With increasing the saturation magnetic flux density B sp vertical free layer, the second peak is the write point becomes larger than the first peak there is a main pole away from (25nm⇒50nm) problem, the effective high frequency magnetic field peak value, B In the case of sp = 2.4T, it becomes 1.3 times that of the conventional STO. Therefore, the STO of this embodiment is preferably combined with a head (main magnetic pole) that can influence the magnetic field even at a position away from the main magnetic pole.
図13Aは、主磁極5と反対側に面内自由層より薄い垂直自由層1を配置したSTOの実施例を示す概略構成図である。垂直自由層1の厚さは5nmとした。面内自由層2の厚さは15nm、飽和磁束密度Bsは2.3Tとした。主磁極5と面内自由層2の間の距離は20nmである。図13Bは、図13Aに示した配置において、垂直自由層1の飽和磁束密度が1.2T及び2.4Tの場合の、Hhf-effの主磁極端からの距離依存性を示している。垂直自由層のBs増加に従って、第2ピークが大きくなって主磁極側に寄るため、分離特性の悪化(第2ピークによる磁化の再反転)が懸念されるが、第1ピークの書込み点が主磁極に近くなる利点がある。従って、本実施例のSTOは、磁界勾配の高いヘッド(主磁極)と組み合わせるのがよい。
FIG. 13A is a schematic configuration diagram showing an example of the STO in which the vertical
図14Aは、主磁極5と面内自由層2との間に、面内自由層と同じ厚さの垂直自由層1を配置したSTOの実施例を示す概略構成図である。垂直自由層1と面内自由層2の厚さは、ともに15nmとした。面内自由層2の飽和磁束密度Bsは2.3Tとした。主磁極5と垂直自由層1の間の距離は20nmである。図14Bは、図14Aに示した配置において、垂直自由層1の飽和磁束密度が1.2T及び2.4Tの場合の、Hhf-effの主磁極端からの距離依存性を示している。書込み点が主磁極から離れるが、書込み磁界ピークを押し上げ(Bsp=2.4Tの場合、従来STOの1.3倍)、第3ピークを小さくする効果がある。従って、本実施例のSTOは、主磁極から離れた位置にも磁界の影響を及ぼすことができるヘッド(主磁極)と組み合わせるのがよい。
FIG. 14A is a schematic configuration diagram showing an example of the STO in which the vertical
図15Aは、主磁極5と面内自由層2との間に、面内自由層2より薄い垂直自由層1を配置したSTOの実施例を示す概略構成図である。面内自由層2の厚さは15nm、飽和磁束密度Bsは2.3Tとした。垂直自由層1の厚さは5nmとした。主磁極5と垂直自由層1間の距離は20nmである。図15Bは、図15Aに示した配置において、垂直自由層1の飽和磁束密度が1.2T及び2.4Tの場合の、Hhf-effの主磁極端からの距離依存性を示している。主磁極側の垂直自由層が薄い場合、書込み磁界ピークを押し上げる効果は大きくないが、書込み点のずれは垂直自由層の磁化にほとんど依存しない。従って、本実施例のSTOは、従来STOと同等の書込み特性で、高速なデータ伝送が可能となる。
FIG. 15A is a schematic configuration diagram showing an example of the STO in which the vertical
図16A〜16Cは、電流を面内自由層側から垂直自由層側に流した時のAFモード発振周波数の外部磁界依存性を示した図である。面内自由層には幅40nm×高さ40nm×厚さ12nmで飽和磁束密度が2.3Tの軟磁性体を用い、垂直自由層には飽和磁束密度Bspが1.5T、垂直磁気異方性Hkpが0.96MA/m(12kOe)、幅40nm×高さ40nmで、厚さを6nm,3nm,1.5nmと変えた磁性体を用いた。垂直自由層の膜厚によって発振特性が大きく変わらないように電流値を変えたところ、膜厚にほぼ反比例して、電流値が小さくなることが分かった。このことから、AFモード発振に必要な電流値は、Tモード発振する従来STOと異なり、主に垂直自由層の膜厚によって決定されていると考えられる。従って、AFモード発振するSTOでは、必要な駆動電流値を大きく増やさずに、強い高周波磁界が得られる厚い面内自由層が適用可能となる。 16A to 16C are diagrams showing the dependence of the AF mode oscillation frequency on the external magnetic field when a current is passed from the in-plane free layer side to the vertical free layer side. The in-plane free layer uses a soft magnetic material having a width of 40 nm, a height of 40 nm and a thickness of 12 nm and a saturation magnetic flux density of 2.3 T, and the vertical free layer has a saturation magnetic flux density Bsp of 1.5 T and perpendicular magnetic anisotropy. A magnetic material having a property H kp of 0.96 MA / m (12 kOe), a width of 40 nm × a height of 40 nm, and a thickness changed to 6 nm, 3 nm, and 1.5 nm was used. It was found that when the current value was changed so that the oscillation characteristics did not change greatly depending on the thickness of the vertical free layer, the current value decreased almost in inverse proportion to the film thickness. From this, it is considered that the current value required for AF mode oscillation is determined mainly by the film thickness of the vertical free layer, unlike the conventional STO that oscillates in T mode. Therefore, in the STO that oscillates in the AF mode, it is possible to apply a thick in-plane free layer that can obtain a strong high-frequency magnetic field without greatly increasing the required drive current value.
図13A、図15Aに示したSTO構造と組み合わせることにより、省電力化、発振周波数の向上が期待できる。面内自由層として負の磁気異方性を有する磁性体を用いると、さらに安定な発振特性が得られる。また、主磁極と面内自由層との間に垂直自由層を配置した場合は、垂直自由層の磁化や厚さによって書込み点が大きく変化しないため設計の自由度が高くなる利点がある。 By combining with the STO structure shown in FIG. 13A and FIG. 15A, power saving and improvement of the oscillation frequency can be expected. When a magnetic material having negative magnetic anisotropy is used as the in-plane free layer, more stable oscillation characteristics can be obtained. Further, when the vertical free layer is arranged between the main magnetic pole and the in-plane free layer, there is an advantage that the degree of freedom in design is increased because the writing point does not change greatly depending on the magnetization and thickness of the vertical free layer.
以上より、磁化反転磁界を発生させる主磁極近傍にスピントルク発振素子を配置し、スピントルク発振素子より高周波磁界を発生させて記録媒体を磁気共鳴状態・磁化反転せしめることにより情報を記録する磁気記録ヘッドにおいて、スピントルク発振素子に膜面垂直方向に磁気異方性軸を有する磁性膜からなる垂直自由層と実効的に膜面に磁化容易面を有する磁性膜からなる面内自由層を備え、面内自由層側から垂直自由層側にほぼ一定の電流を流すことにより、高速の磁化反転特性が得られることが分かった。さらに、垂直自由層を、面内自由層より薄くすることにより、省電力化、発振周波数の向上が期待でき、高記録密度化できることが分かった。また、垂直自由層を面内自由層より主磁極側に設置することにより、設計の自由度が高くなることが分かった。本発明のSTOは、従来STOのように発振時に垂直自由層が強く固定されている必要が無いため、比較的小さな垂直磁気異方性を有する材料を用いることが可能となる。この場合、ダンピング定数の小さな磁性体を用いることにより、発振に必要な電流を小さくすることができ、エレクトロンマイグレーション等による材料磁性変化・素子特性劣化を抑制することができる。一方、面内自由層磁化がほぼ面内で回転するため、強くて安定した高周波磁界が得られる。これらのことから、記録密度が1平方インチあたり1Tビットを超えるマイクロ波アシスト記録を適用した情報記録装置がおいて、2Gbit/sを超える情報転送速度を実現できることが分かった。 As described above, a magnetic recording device that records information by arranging a spin torque oscillation element in the vicinity of the main magnetic pole that generates a magnetization reversal magnetic field and generating a high-frequency magnetic field from the spin torque oscillation element to cause a magnetic resonance state and magnetization reversal of the recording medium. In the head, the spin torque oscillation element includes a vertical free layer made of a magnetic film having a magnetic anisotropy axis in a direction perpendicular to the film surface and an in-plane free layer made of a magnetic film having an easy-to-magnetize surface on the film surface. It was found that high-speed magnetization reversal characteristics can be obtained by flowing a substantially constant current from the in-plane free layer side to the vertical free layer side. Further, it has been found that by making the vertical free layer thinner than the in-plane free layer, power saving and an improvement in the oscillation frequency can be expected, and a high recording density can be achieved. It was also found that the degree of freedom in design is increased by installing the vertical free layer closer to the main pole than the in-plane free layer. Since the STO of the present invention does not require the perpendicular free layer to be strongly fixed during oscillation unlike the conventional STO, a material having a relatively small perpendicular magnetic anisotropy can be used. In this case, by using a magnetic material having a small damping constant, it is possible to reduce the current required for oscillation, and to suppress changes in material magnetism and deterioration of element characteristics due to electron migration or the like. On the other hand, since the in-plane free layer magnetization rotates substantially in the plane, a strong and stable high-frequency magnetic field can be obtained. From these facts, it was found that an information recording apparatus to which microwave assisted recording having a recording density exceeding 1 Tbit per square inch can be used to realize an information transfer speed exceeding 2 Gbit / s.
なお、特開2008−277586号公報及び特開2008−305486号公報に示された、非磁性層で分けられた等価な2層の自由層の磁化を略反平行に結合させた状態で回転させ、ABS端面に出る、等量の正負の磁化間の磁界が媒体面内で高周波直線振動する技術は、1)スピン偏極層(固定層)が必要、2)固定層側からFGL側に通電(本発明のSTOとは電流方向が逆)3)対となる自由回転層の厚さがほぼ等しい、4)自由回転層に垂直磁気異方性を付与していない等の点で本発明とは異なり、本発明とは無関係である。 It should be noted that the magnetizations of the equivalent two free layers separated by the nonmagnetic layer shown in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 2008-277586 and 2008-305486 are rotated in a substantially antiparallel coupled state. The technology in which magnetic fields between positive and negative magnets with equal amounts appearing on the ABS end face oscillate linearly in the medium plane is 1) a spin-polarized layer (fixed layer) is required 2) energization from the fixed layer side to the FGL side (The current direction is opposite to that of the STO of the present invention) 3) The thickness of the pair of free rotating layers is substantially equal. 4) The present invention is different from the present invention in that perpendicular magnetic anisotropy is not imparted to the free rotating layer. Is not relevant to the present invention.
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。
図17は、本発明の一実施例の磁気記録ヘッドを記録媒体面に垂直(図中の上下方向)かつヘッド走行方向(図中の左又は右方向であるトラック方向)に平行な面で切断した断面模式図である。図には、媒体の断面も示した。
Hereinafter, specific embodiments of the present invention will be described in detail.
FIG. 17 shows a magnetic recording head according to an embodiment of the present invention cut along a plane perpendicular to the recording medium surface (vertical direction in the figure) and parallel to the head running direction (track direction which is the left or right direction in the figure). FIG. The figure also shows a cross section of the medium.
記録ヘッド200は、主磁極5と対向磁極6との間で、図面上方にて磁気的な回路を構成している。ただし、図面上方においては電気的にはほぼ絶縁されているものとする。磁気的な回路は、磁力線が閉路を形成するものであり、磁性体のみで形成されている必要はない。また、主磁極5の対向磁極6と反対側に補助磁極等を配置し、磁気回路を形成してもよい。この場合には、主磁極5と補助磁極との間は電気的に絶縁されている必要はない。更に、磁気記録ヘッド200には、これらの磁気回路を励磁するためのコイル、銅線等が具備されているものとする。主磁極5と対向磁極6の間には、本発明のSTO201が形成されている。主磁極5と対向磁極6には、電極又は電極に電気的に接触する手段が備わっており、主磁極5側から対向磁極6側、あるいはその逆のSTO駆動電流が面内自由層2を通して流せるように構成されている。主磁極5と対向磁極6の材料は、飽和磁化が大きく、結晶磁気異方性がほとんどないCoFe合金とした。記録媒体7には、基板19上に、下地層20として30nm−CoFe上に10nm−Ru層を形成した積層膜、記録層16として磁気異方性磁界が1.6MA/m(20kOe)、膜厚10nmのCoCrPt−SiOx層を用いた。
The
主磁極5に隣接して層状に、非磁性スピン散乱層8、垂直自由層1、非磁性スピン伝導層3、面内自由層2、第2の非磁性スピン散乱層9からなるSTO201が形成され、対向磁極6にいたる。なお、非磁性スピン散乱層8から第2の非磁性スピン散乱層9までは、図面左右方向に伸びる柱状構造で、断面がABS面に沿った方向が長い長方形をしている。当該長方形形状とすることにより、トラック幅方向に形状異方性が生じるため、主磁極からの漏れ磁界の面内自由層2の面内成分があっても面内自由層2の面内磁化回転を円滑に行わせることが可能となり、主磁極5と面内自由層2を近づけることができる。ただし、主磁極からの漏れ磁界が少ない場合には、当該断面形状が正方形であってもなんら問題はない。これらの断面形状のABS面に沿った辺の長さwは、記録トラック幅を決定する重要な因子であり、本実施例では40nmとした。マイクロ波アシスト記録においては、主磁極5からの記録磁界と垂直自由層1、面内自由層2からの高周波磁界とが揃わないと記録できないような磁気異方性の大きい記録媒体を用いることになるため、主磁極5の幅と厚さ(ヘッド走行方向の長さ)は、記録磁界が大きく取れるよう大きめに設定することが可能である。本実施例では、幅80m、厚さ100nmとすることで、約0.9MA/mの記録磁界が得られている。
An
垂直自由層1には、5nm−(Co/Ni)n多層膜を用いた。本実施例のSTOに印加される磁界は、主磁極5端面から対向磁極6端面までの長さが40nm、面内自由層2の高さが38nmとしたので、3D磁界解析ソフトを用いて解析したところ、約0.8MA/m(10kOe)である。面内自由層2は、飽和磁化が大きく、結晶磁気異方性がほとんどない厚さ15nmのCoFe合金とした。面内自由層2では、層に沿った面内で磁化が高速回転し、ABS面及び、側面に出現する磁極からの漏れ磁界が、高周波磁界として作用する。面内自由層2に(Co/Fe)n多層膜等の負の垂直磁気異方性を有する飽和磁化が大きな材料を用いてもよい。この場合、面内自由層磁化の面内回転が安定化する。
For the vertical
本実施例のSTO201は、垂直自由層1が主磁極5と面内自由層2の間にあるため、AFモードのスピントルク発振を得るために対向磁極6側から主磁極5側へSTO駆動(直流)電流を流す必要がある。主磁極5側から磁束が流入する場合に、面内自由層2の磁化の回転方向はSTO駆動(直流)電流の上流側から見て反時計周りとなっており、主磁極5からの磁界で反転する記録媒体の磁化の歳差運動方向と同じ向きの回転磁界を印加することができる。主磁極5へ磁界が流入する場合には、面内自由層2の磁化の回転方向は高周波駆動(直流)電流の上流側から見て時計周りとなり、主磁極5への磁界で反転する記録媒体の磁化の歳差運動方向と同じ向きの回転磁界を印加することができる。したがって、面内自由層2から生じる回転高周波磁界は、主磁極5の極性に依らず、主磁極5による磁化反転をアシストする効果がある。本効果は、主磁極5の極性によってスピントルクの向きが変わらない特許文献1の高周波磁界発生器では得られない。
In the
スピントルク作用は、STO駆動電流が大きくなるほど大きくなり、また、非磁性スピン伝導層3と隣接する層との間に分極率の大きなCoやCoFeB層を1nm程度挿入すると大きくなる。非磁性スピン伝導層3には、2nm−Cuを用いた。非磁性スピン散乱層8,9には、3nm−Ruを用いた。PdやPtを用いても同様な作用がある。非磁性スピン散乱層8,9は、スピン情報を散乱させることにより、STOと主磁極5や対向磁極6とのスピントルクを介した相互作用が発生しないようにする作用がある。非磁性スピン散乱層8,9がない場合には、STOの発振が安定しないことがある。なお、これまでのシミュレーションや図12〜15の実施例では、非磁性スピン伝導層3や非磁性スピン散乱層8,9を考慮していないが、非磁性なのでSTOとは磁気的に相互作用せず、ナノメートルオーダーの構造物であるので発生する高周波磁界への影響もほとんどないと考えられる。
The spin torque action increases as the STO drive current increases, and increases when a Co or CoFeB layer having a high polarizability is inserted between the nonmagnetic
図18は、図17に示した試作ヘッドのうち、主磁極5、非磁性スピン散乱層8、9と対向磁極6を取り除き、STOのみの発振周波数と外部磁界との関係を測定した結果を示す図である。垂直自由層には40nm×40nm×5nm、Hkp=1280kA/m(16kOe)、Bs=1.2T、(Co/Pt)n多層膜用いた(Hkp-Hdp-eff=280kA/m)。AFモードでは、発振周波数は、ほぼ印加した外部磁界に比例して増加していることがわかる。垂直自由層の膜厚を10nm(Hkp-Hdp-eff=470kA/m)、15nm(Hkp-Hdp-eff=650kA/m)とした場合、あるいは、大きな垂直磁気異方性Hkp=1440kA/m(18kOe、Hkp-Hdp-eff=440kA/m)とした場合には発振しなかった。十分な反磁界が得られなかったためと考えられる。また、(Co/Pd)n多層膜、(Co/Pt)n多層膜を垂直自由層に用いた場合には、厚さtpを5nmから15nmの範囲で変えても発振しなかった。垂直磁気異方性が飽和磁化に比べて大き過ぎ、薄くしても十分な反磁界が得られなかったためと考えられる。本実施例のように、本発明のスピントルクオシレータ(STO)に磁性体を近接させることなく、外部より磁界を印加してAFモード発振するSTOを用いる場合には、主磁極5、非磁性スピン散乱層8,9と対向磁極6は不要となる。
FIG. 18 shows the result of measuring the relationship between the oscillation frequency of the STO only and the external magnetic field by removing the main
図19の概略図に示すように、本発明のSTO201を組み込んだ記録再生部109搭載の磁気ヘッドスライダ102をサスペンション106に取り付け、スピンスタンドを用いて記録再生特性を調べた。
As shown in the schematic diagram of FIG. 19, the
記録再生部109は、記録ヘッド部と再生ヘッド部により構成されている。図中の拡大図に示すように、記録ヘッド部は、補助磁極206、主磁極5と対向磁極6との間に配置されたSTO201、主磁極を励磁するコイル205等により構成される。再生ヘッド部は、下部シールド208と上部シールド210の間に配置された再生センサ207等により構成される。補助磁極206と上部シールド210は兼用される場合もある。記録再生部109の各構成要素の駆動電流は配線108によって給電され、端子110によって各構成要素に供給される。拡大図には、STO201に電流を流すための電源202を模式的に示したが、実際には電源202はスライダ102の外部に設置され、電源202によるSTO駆動電流は配線108を介してSTO201に供給される。
The recording / reproducing
ヘッド媒体相対速度20m/s、磁気スペーシング7nm、トラックピッチ50nmとして磁気記録を行い、さらにこれをシールド間隔15nmのGMRヘッドにより再生した。STO駆動電圧を変化させて、512MHzで1300kFCIの信号を記録した場合の信号/ノイズ比は、STO駆動電圧150mVのときに、最大13.1dBが得られた。また、1024MHzで2600kFCIの信号を記録した場合の信号/ノイズ比は、最大8.0dBであった。このことから、1平方インチあたり1Tビットを超える記録密度において、2Gbit/sを超える情報転送速度を実現することが可能であることがわかった。このときの高周波磁界の周波数は、30GHzであった。同程度のFGL(面内自由層)厚さと発振周波数とが得られるTモード発振の従来構造STOを用いた場合には、ヘッド媒体相対速度が10m/sの時はほぼ同等の結果が得られたが、20m/sでは、2600kFCIの信号を記録した場合の信号/ノイズ比が、最大3.0dBと大きく劣化した。Tモード発振に最適化した従来構造STOは、STO駆動電流を逆転させても、固定層(垂直自由層)が厚いので反磁界が不十分で垂直磁気異方性磁界に拮抗させることができず、AFモード発振とならない。 Magnetic recording was performed at a head medium relative speed of 20 m / s, a magnetic spacing of 7 nm, and a track pitch of 50 nm, and this was reproduced by a GMR head having a shield interval of 15 nm. When the STO drive voltage was changed and a 1300 kFCI signal was recorded at 512 MHz, a maximum signal / noise ratio of 13.1 dB was obtained when the STO drive voltage was 150 mV. Further, when a 2600 kFCI signal was recorded at 1024 MHz, the maximum signal / noise ratio was 8.0 dB. From this, it was found that an information transfer rate exceeding 2 Gbit / s can be realized at a recording density exceeding 1 Tbit per square inch. The frequency of the high frequency magnetic field at this time was 30 GHz. When the conventional structure STO of T-mode oscillation that can obtain the same FGL (in-plane free layer) thickness and oscillation frequency is used, a substantially equivalent result is obtained when the head medium relative speed is 10 m / s. However, at 20 m / s, the signal / noise ratio when a 2600 kFCI signal was recorded was greatly degraded to a maximum of 3.0 dB. The conventional structure STO optimized for T-mode oscillation, even if the STO drive current is reversed, because the fixed layer (vertical free layer) is thick, the demagnetizing field is insufficient and cannot antagonize the perpendicular magnetic anisotropic magnetic field. AF mode oscillation does not occur.
図20は、本発明の一実施例のSTOから後退する主磁極5を有する磁気記録ヘッドを記録媒体面に垂直(図中の上下方向)かつヘッド走行方向(図中の左又は右方向であるトラック方向)に平行な面で切断した断面模式図である。図には、媒体の断面も示した。主磁極5をSTOから後退させることにより、主磁極5よりSTO積層面に入る磁界成分を低減することができ、STOの確実な動作が見込まれる。
FIG. 20 shows a magnetic recording head having a main
記録ヘッド200は、主磁極5と対向磁極6との間で、図面上方にて磁気的な回路を構成している。ただし、図面上方においては電気的にはほぼ絶縁されているものとする。磁気的な回路は、磁力線が閉路を形成するものであり、磁性体のみで形成されている必要はない。また、主磁極5の対向磁極6と反対側に補助磁極等を配置し、磁気回路を形成してもよい。この場合には、主磁極5と補助磁極との間は電気的に絶縁されている必要はない。更に、磁気記録ヘッド200には、これらの磁気回路を励磁するためのコイル、銅線等が具備されているものとする。主磁極5と対向磁極6の間には、主磁極側磁界整流層12、対向磁極磁界整流層13を介して本発明のSTO201が形成されている。主磁極側磁界整流層12、対向磁極磁界整流層13は、STO201の積層面にできるだけ強い磁界が垂直に入るように設計されている。特に対向磁極磁界整流層13は、絞込み(STO201側の断面に比べて対向磁極6側の断面が広い)構造を有するのが良い。主磁極5と対向磁極6には、電極又は電極に電気的に接触する手段が備わっており、主磁極5側から対向磁極6側、あるいはその逆のSTO駆動電流が面内自由層2を通して流せるように構成されている。主磁極5、主磁極側磁界整流層12、対向磁極磁界整流層13、対向磁極6の材料は、飽和磁化が大きく、結晶磁気異方性がほとんどないCoFe合金とした。記録媒体7には、基板19上に、下地層20として30nm−CoFe上に10nm−Ru層を形成した積層膜、記録層16として、7nm−記録保持層24、5nm−伝達層23、3nm−共鳴層22を有する1平方インチあたり5Tビット相当(トラックピッチ15nm、ビットピッチ7nm)のパタン媒体を用いた。記録保持層24はCoCrPt(Hk=2.4MA/m)、伝達層23はCoCrPt(Hk=2.0MA/m)、共鳴層22はCoCrPt(Hk=1.6MA/m)、ビット間隙21にはSiOxを埋めた。
The
主磁極5、主磁極側磁界整流層12に隣接して層状に、非磁性スピン散乱層8、面内自由層2、非磁性スピン伝導層3、垂直自由層1、第2の非磁性スピン散乱層9からなるSTO201が形成され、対向磁極磁界整流層13を経て対向磁極6にいたる。なお、非磁性スピン散乱層8から第2の非磁性スピン散乱層9までは、図面左右方向に伸びる柱状構造で、断面が一辺15nmの正方形をしている。断面形状がABS面に沿った方向が長い長方形正方形であってもよい。マイクロ波アシスト記録においては、主磁極5からの記録磁界と垂直自由層1、面内自由層2からの高周波磁界とが揃わないと記録できないような磁気異方性の大きい記録媒体を用いることになるため、主磁極5の幅と厚さ(ヘッド走行方向の長さ)は、記録磁界が大きく取れるよう大きめに設定することが可能である。本実施例では、幅40m、厚さ70nmとすることで、約0.7MA/mの記録磁界が得られている。
A nonmagnetic
面内自由層2には、飽和磁化が大きく、負の垂直磁気異方性を有する磁化容易面型の(Co/Fe)n多層膜を15nm積層した。垂直自由層1には、1.5nmのCoCr合金(Hkp=480kA/m,Bs=0.75T)を用いた。垂直自由層1にCoCrPt合金を用いてもよい。CoCr合金、CoCrPt合金は、(Co/Ni)n多層膜に比べてダンピング定数が半分程度のため、発振に必要な電流を小さくすることができ、エレクトロンマイグレーション等による材料磁性変化・素子特性劣化を抑制することができる。面内自由層2と非磁性スピン伝導層3の間に薄いCo層を入れると、さらに、発振に必要な電流を低減できる。本実施例のSTOに印加される磁界は、主磁極側磁界整流層12端面から対向磁極磁界整流層13端面までの長さが25nm、面内自由層2の高さが15nmとしたので、3D磁界解析ソフトを用いて解析したところ、約1.2MA/m(15kOe)である。面内自由層2では、層に沿った面内で磁化が高速回転し、ABS面及び、側面に出現する磁極からの漏れ磁界が、高周波磁界として作用する。
In the in-plane
本実施例のSTO201は、面内自由層2が主磁極5と垂直自由層1の間にあるため、AFモードのスピントルク発振を得るために主磁極5側から対向磁極6側へSTO駆動(直流)電流を流す必要がある。主磁極5側から磁束が流入する場合に、面内自由層2の磁化の回転方向はSTO駆動(直流)電流の上流側から見て反時計周りとなっており、主磁極5からの磁界で反転する記録媒体の磁化の歳差運動方向と同じ向きの回転磁界を印加することができる。主磁極5へ磁界が流入する場合には、面内自由層2の磁化の回転方向は高周波駆動(直流)電流の上流側から見て時計周りとなり、主磁極5への磁界で反転する記録媒体の磁化の歳差運動方向と同じ向きの回転磁界を印加することができる。したがって、面内自由層2から生じる回転高周波磁界は、主磁極5の極性に依らず、主磁極5による磁化反転をアシストする効果がある。本効果は、主磁極5の極性によってスピントルクの向きが変わらない特許文献1の高周波磁界発生器では得られない。
In the
図19の概略図に示すように、本発明のSTO201を組み込んだ記録再生部109搭載の磁気ヘッドスライダ102をサスペンション106に取り付け、スピンスタンドを用いて記録再生特性を調べた。ヘッド媒体相対速度20m/s、磁気スペーシング6nm、トラックピッチ15nmとして磁気記録を行い、さらにこれをシールド間隔13nmのGMRヘッドにより再生した。STO駆動電圧を変化させて、714MHzで1815kFCIの信号を記録した場合の信号/ノイズ比は、STO駆動電圧80mVのときに、最大14.2dBが得られた。また、1428MHzで3630kFCIの信号を記録した場合の信号/ノイズ比は、最大8.5dBであった。このことから、1平方インチあたり5Tビットを超える記録密度において、2Gbit/sを超える情報転送速度を実現することが可能であることがわかった。このときの高周波磁界の周波数は、40GHzであった。面内自由層2にCoFe合金を用いた場合には、十分な信号/ノイズ比が得られなかった。本実施例の面内自由層2は立方体であるため、面内磁化回転を誘導するための負の垂直磁気異方性の導入が必要であった。
As shown in the schematic diagram of FIG. 19, the
図21A及び図21Bを用いて、磁気ヘッド走行方向と記録媒体との配置関係について説明する。磁気ヘッドの磁気ヘッドスライダへの載置形態は2種類あり、1つは図21Aに示すトレーリング側への配置、もう1つは図21Bに示すリーディング側への配置である。ここで、トレーリング側、リーディング側は、記録媒体に対する磁気ヘッドスライダの相対的な移動方向によって決まり、記録媒体の回転方向が図示した向きとは逆であれば、図21Aがリーディング側への載置、図21Bがトレーリング側への載置となる。なお原理的には、スピンドルモータの極性を逆にして記録媒体を逆向きに回転させれば、トレーリング側とリーディング側の関係を逆にすることが可能であるが、回転数を正確に制御する必要上、スピンドルモータの極性を変えるのは非現実的である。本発明の垂直自由層に(Co/Ni)nを用いたマイクロ波アシスト記録用ヘッドを用いた場合には、図21A、図21Bのどちらの配置を用いても、1平方インチあたり1Tビットを超える記録密度の記録再生に十分な信号/ノイズ比とオーバーライト特性が得られた。 The arrangement relationship between the magnetic head traveling direction and the recording medium will be described with reference to FIGS. 21A and 21B. There are two types of mounting modes of the magnetic head on the magnetic head slider, one is the arrangement on the trailing side shown in FIG. 21A, and the other is the arrangement on the leading side shown in FIG. 21B. Here, the trailing side and the leading side are determined by the relative moving direction of the magnetic head slider with respect to the recording medium. If the rotation direction of the recording medium is opposite to the illustrated direction, FIG. 21B is placed on the trailing side. In principle, it is possible to reverse the relationship between the trailing side and the leading side if the polarity of the spindle motor is reversed and the recording medium is rotated in the opposite direction, but the rotational speed is accurately controlled. Therefore, it is unrealistic to change the polarity of the spindle motor. When a microwave-assisted recording head using (Co / Ni) n is used for the vertical free layer of the present invention, 1 Tbit per square inch is obtained regardless of the arrangement of FIGS. 21A and 21B. A signal / noise ratio and overwrite characteristics sufficient for recording / reproduction with a recording density exceeding the above were obtained.
図22A及び図22Bは、本発明による磁気記録装置の全体構成を示す模式図であり、図22Aは上面図、図22BはそのA−A′断面図である。記録媒体101は回転軸受け104に固定され、モータ100により回転する。図22Bには、3枚の磁気ディスク、6本の磁気ヘッドを搭載した例について示したが、磁気ディスクは1枚以上、磁気ヘッドは1本以上あればよい。記録媒体101は、円盤状をしており、その両面に記録層を形成している。スライダ102は、回転する記録媒体面上を略半径方向に移動し、先端部に記録再生部を有する。記録再生部は、例えば図19に示したような構造を有し、記録部には主磁極と本発明のSTOが設けられている。
22A and 22B are schematic views showing the overall configuration of the magnetic recording apparatus according to the present invention, in which FIG. 22A is a top view and FIG. 22B is an AA ′ cross-sectional view thereof. The
サスペンション106は、アーム105を介してロータリアクチユエータ103に支持される。サスペンション106は、スライダ102を記録媒体101に所定の荷重で押しつける又は引き離そうとする機能を有する。磁気ヘッドの各構成要素を駆動するための電流はICアンプ113から配線108を介して供給される。記録ヘッド部に供給される記録信号や再生ヘッド部から検出される再生信号の処理は、図22Bに示されたリードライト用のチャネルIC112により実行される。また、磁気記録装置全体の制御動作は、メモリ111に格納されたディスクコントロール用プログラムをプロセッサ110が実行することにより実現される。従って、本実施例の場合には、プロセッサ115とメモリ111とがいわゆるディスクコントローラを構成する。
The
以上説明した記録ヘッドと記録媒体((Co/Ni)n多層膜垂直自由層STOとCoCrPt−SiOx媒体、及び、CoCr合金垂直自由層STOとビットパタン媒体)を図22に示す磁気ディスク装置(2枚の2.5インチ磁気ディスクの各面に記録)に組み込んで性能評価を行ったところ、それぞれ、記録容量2Tバイト(1平方インチあたり1Tビット)で情報転送速度2.0Gbit/s、及び、記録容量10Tバイト(1平方インチあたり5Tビット)で情報転送速度2.8Gbit/sの高周波回転磁界を利用した情報記録再生装置が得られた。記録ヘッドと記録媒体の組み合わせは、本実施例に限るものではなく、本発明の記録ヘッドを他の記録媒体と組み合わせてもよい。シングルドライと(瓦書き)記録方式を併用すれば、さらに大容量の情報記録再生装置が得られる。また、CoCr合金垂直自由層STO搭載の記録ヘッドは、消費電力の低減ができる。 The above-described recording head and recording medium ((Co / Ni) n multilayer vertical free layer STO and CoCrPt-SiOx medium, CoCr alloy vertical free layer STO and bit pattern medium) are shown in FIG. (Each recording on each surface of a 2.5 inch magnetic disk) and performance evaluation were performed. As a result, each had a recording capacity of 2 Tbytes (1 Tbit per square inch) and an information transfer rate of 2.0 Gbit / s, and An information recording / reproducing apparatus using a high-frequency rotating magnetic field with a recording capacity of 10 Tbytes (5 Tbits per square inch) and an information transfer rate of 2.8 Gbit / s was obtained. The combination of the recording head and the recording medium is not limited to the present embodiment, and the recording head of the present invention may be combined with another recording medium. If the single dry and the (tile writing) recording method are used in combination, an information recording / reproducing apparatus having a larger capacity can be obtained. In addition, a recording head equipped with a CoCr alloy vertical free layer STO can reduce power consumption.
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。 In addition, this invention is not limited to an above-described Example, Various modifications are included. For example, the above-described embodiments have been described in detail for easy understanding of the present invention, and are not necessarily limited to those having all the configurations described. Further, a part of the configuration of one embodiment can be replaced with the configuration of another embodiment, and the configuration of another embodiment can be added to the configuration of one embodiment. Further, it is possible to add, delete, and replace other configurations for a part of the configuration of each embodiment.
l 垂直自由層
2 面内自由層
3 非磁性スピン伝導層
5 主磁極
6 対向磁極
7 磁気記録媒体
8 非磁性スピン散乱層
9 非磁性スピン散乱層
12 主磁極側磁界整流層
13 対向磁極磁界整流層
16 記録層
19 基板
20 下地層
21 ビット間隙
22 共鳴層
23 伝達層
24 記録保持層
31 固定層
32 FGL
100 モータ
101 記録媒体
102 磁気ヘッドスライダ
103 ロータリアクチユエータ
104 回転軸受け
105 アーム
106 サスペンション
108 配線
109 記録再生部
110 端子
111 メモリ
112 チャネルIC
113 ICアンプ
115 プロセッサ
200 記録ヘッド
201 STO
202 電源
205 コイル
206 補助磁極
207 再生センサ
208 下部シールド
210 上部シールド
1 vertical
DESCRIPTION OF
113
202
Claims (12)
前記スピントルク発振素子は、膜面に垂直方向に磁気異方性軸を有する磁性膜からなり磁化が回転可能である垂直自由層と、実効的に膜面に磁化容易面を有する磁性膜からなり磁化が回転可能である面内自由層と、スピン情報を伝達する非磁性スピン伝導層とを備え、前記非磁性スピン伝導層は前記垂直自由層と前記面内自由層の間に配置され、前記面内自由層側から前記垂直自由層側に電流を流すことを特徴とする磁気記録ヘッド。 Magnetizing a magnetic recording medium by having a main magnetic pole and a spin torque oscillation element disposed in the vicinity of the main magnetic pole, generating a magnetization reversal magnetic field from the main magnetic pole and generating a high-frequency magnetic field from the spin torque oscillation element In a magnetic recording head that records information by reversing
The spin torque oscillation element is composed of a magnetic film having a magnetic anisotropy axis perpendicular to the film surface, a perpendicular free layer whose magnetization is rotatable, and a magnetic film having an effective magnetization surface on the film surface. An in-plane free layer in which magnetization is rotatable; and a non-magnetic spin conduction layer for transmitting spin information, wherein the non-magnetic spin conduction layer is disposed between the perpendicular free layer and the in-plane free layer, A magnetic recording head, wherein an electric current is passed from an in-plane free layer side to the perpendicular free layer side.
前記スピントルク発振素子は、膜面に垂直方向に磁気異方性軸を有する磁性膜からなり磁化が回転可能である垂直自由層と、実効的に膜面に磁化容易面を有する磁性膜からなり磁化が回転可能である面内自由層と、スピン情報を伝達する非磁性スピン伝導層と、スピン情報を散乱させる第1の非磁性スピン散乱層と第2の非磁性スピン散乱層とを備え、前記非磁性スピン伝導層は前記垂直自由層と前記面内自由層との間に配置され、前記第1の非磁性スピン散乱層は前記垂直自由層の前記面内自由層に面する側と反対側に配置され、前記第2の非磁性スピン散乱層は前記面内自由層の前記垂直自由層に面する側と反対側に配置され、前記面内自由層側から前記垂直自由層側に電流を流すことを特徴とする磁気記録ヘッド。 Magnetizing a magnetic recording medium by having a main magnetic pole and a spin torque oscillation element disposed in the vicinity of the main magnetic pole, generating a magnetization reversal magnetic field from the main magnetic pole and generating a high-frequency magnetic field from the spin torque oscillation element In a magnetic recording head that records information by reversing
The spin torque oscillation element is composed of a magnetic film having a magnetic anisotropy axis perpendicular to the film surface, a perpendicular free layer whose magnetization is rotatable, and a magnetic film having an effective magnetization surface on the film surface. An in-plane free layer in which magnetization is rotatable, a nonmagnetic spin conduction layer that transmits spin information, a first nonmagnetic spin scattering layer that scatters spin information, and a second nonmagnetic spin scattering layer, The nonmagnetic spin-conducting layer is disposed between the perpendicular free layer and the in-plane free layer, and the first nonmagnetic spin scattering layer is opposite to the side of the perpendicular free layer facing the in-plane free layer. The second non-magnetic spin scattering layer is disposed on a side of the in-plane free layer opposite to the side facing the vertical free layer, and a current flows from the in-plane free layer side to the vertical free layer side. A magnetic recording head characterized by flowing a current.
前記スピントルク発振素子は、膜面に垂直方向に磁気異方性軸を有する磁性膜からなる垂直自由層と、実効的に膜面に磁化容易面を有する磁性膜からなる面内自由層と、スピン情報を伝達する非磁性スピン伝導層とを備え、前記非磁性スピン伝導層は前記垂直自由層と前記面内自由層の間に配置され、前記面内自由層側から前記垂直自由層側に電流を流し、前記垂直自由層の磁化と前記面内自由層の磁化が互いに反平行を保って回転することを特徴とする磁気記録ヘッド。 Magnetizing a magnetic recording medium by having a main magnetic pole and a spin torque oscillation element disposed in the vicinity of the main magnetic pole, generating a magnetization reversal magnetic field from the main magnetic pole and generating a high-frequency magnetic field from the spin torque oscillation element In a magnetic recording head that records information by reversing
The spin torque oscillator includes a vertical free layer made of a magnetic film having a magnetic anisotropy axis in a direction perpendicular to the film surface, and an in-plane free layer made of a magnetic film having an effective magnetization surface on the film surface, A non-magnetic spin conduction layer that transmits spin information, the non-magnetic spin conduction layer being disposed between the vertical free layer and the in-plane free layer, from the in-plane free layer side to the vertical free layer side A magnetic recording head, wherein an electric current is passed, and the magnetization of the perpendicular free layer and the magnetization of the in-plane free layer rotate antiparallel to each other.
前記スピントルク発振素子は、膜面に垂直方向に磁気異方性軸を有する磁性膜からなる垂直自由層と、実効的に膜面に磁化容易面を有する磁性膜からなる面内自由層と、スピン情報を伝達する非磁性スピン伝導層と、スピン情報を散乱させる第1の非磁性スピン散乱層と第2の非磁性スピン散乱層とを備え、前記非磁性スピン伝導層は前記垂直自由層と前記面内自由層との間に配置され、前記第1の非磁性スピン散乱層は前記垂直自由層の前記面内自由層に面する側と反対側に配置され、前記第2の非磁性スピン散乱層は前記面内自由層の前記垂直自由層に面する側と反対側に配置され、前記面内自由層側から前記垂直自由層側に電流を流し、前記垂直自由層の磁化と前記面内自由層の磁化が互いに反平行を保って回転することを特徴とする磁気記録ヘッド。 Magnetizing a magnetic recording medium by having a main magnetic pole and a spin torque oscillation element disposed in the vicinity of the main magnetic pole, generating a magnetization reversal magnetic field from the main magnetic pole and generating a high-frequency magnetic field from the spin torque oscillation element In a magnetic recording head that records information by reversing
The spin torque oscillator includes a vertical free layer made of a magnetic film having a magnetic anisotropy axis in a direction perpendicular to the film surface, and an in-plane free layer made of a magnetic film having an effective magnetization surface on the film surface, A nonmagnetic spin transport layer that transmits spin information; a first nonmagnetic spin scattering layer that scatters spin information; and a second nonmagnetic spin scattering layer, wherein the nonmagnetic spin transport layer includes: The first nonmagnetic spin-scattering layer is disposed between the in-plane free layer and the first nonmagnetic spin-scattering layer is disposed on the opposite side of the vertical free layer from the side facing the in-plane free layer. The scattering layer is disposed on the side of the in-plane free layer opposite to the side facing the vertical free layer, and allows a current to flow from the in-plane free layer side to the vertical free layer side so that the magnetization of the vertical free layer and the surface It is characterized in that the magnetizations of the inner free layer rotate antiparallel to each other Mind the recording head.
前記磁気記録ヘッドは、主磁極と、前記主磁極の近傍に配置されたスピントルク発振素子とを有し、前記主磁極から磁化反転磁界を発生させると共に前記スピントルク発振素子から高周波磁界を発生させて前記磁気記録媒体の磁化を反転せしめることにより情報を記録するものであり、
前記スピントルク発振素子は、膜面に垂直方向に磁気異方性軸を有する磁性膜からなり磁化が回転可能である垂直自由層と、実効的に膜面に磁化容易面を有する磁性膜からなり磁化が回転可能である面内自由層と、スピン情報を伝達する非磁性スピン伝導層とを備え、前記非磁性スピン伝導層は前記垂直自由層と前記面内自由層の間に配置され、前記面内自由層側から前記垂直自由層側に電流を流すことを特徴とする磁気記録装置。 A magnetic recording medium; a medium driving unit that drives the magnetic recording medium; a magnetic recording head that performs a recording operation on the magnetic recording medium; and a head driving unit that positions the magnetic recording head on a desired track of the magnetic recording medium And
The magnetic recording head includes a main magnetic pole and a spin torque oscillation element disposed in the vicinity of the main magnetic pole, and generates a magnetization reversal magnetic field from the main magnetic pole and a high frequency magnetic field from the spin torque oscillation element. Information is recorded by reversing the magnetization of the magnetic recording medium,
The spin torque oscillation element is composed of a magnetic film having a magnetic anisotropy axis perpendicular to the film surface, a perpendicular free layer whose magnetization is rotatable, and a magnetic film having an effective magnetization surface on the film surface. An in-plane free layer in which magnetization is rotatable; and a non-magnetic spin conduction layer for transmitting spin information, wherein the non-magnetic spin conduction layer is disposed between the perpendicular free layer and the in-plane free layer, A magnetic recording apparatus, wherein a current is passed from an in-plane free layer side to the vertical free layer side.
前記磁気記録ヘッドは、主磁極と、前記主磁極の近傍に配置されたスピントルク発振素子とを有し、前記主磁極から磁化反転磁界を発生させると共に前記スピントルク発振素子から高周波磁界を発生させて前記磁気記録媒体の磁化を反転せしめることにより情報を記録するものであり、
前記スピントルク発振素子は、膜面に垂直方向に磁気異方性軸を有する磁性膜からなり磁化が回転可能である垂直自由層と、実効的に膜面に磁化容易面を有する磁性膜からなり磁化が回転可能である面内自由層と、スピン情報を伝達する非磁性スピン伝導層と、スピン情報を散乱させる第1の非磁性スピン散乱層と第2の非磁性スピン散乱層とを備え、前記非磁性スピン伝導層は前記垂直自由層と前記面内自由層との間に配置され、前記第1の非磁性スピン散乱層は前記垂直自由層の前記面内自由層に面する側と反対側に配置され、前記第2の非磁性スピン散乱層は前記面内自由層の前記垂直自由層に面する側と反対側に配置され、前記面内自由層側から前記垂直自由層側に電流を流すことを特徴とする磁気記録装置。 A magnetic recording medium; a medium driving unit that drives the magnetic recording medium; a magnetic recording head that performs a recording operation on the magnetic recording medium; and a head driving unit that positions the magnetic recording head on a desired track of the magnetic recording medium And
The magnetic recording head includes a main magnetic pole and a spin torque oscillation element disposed in the vicinity of the main magnetic pole, and generates a magnetization reversal magnetic field from the main magnetic pole and a high frequency magnetic field from the spin torque oscillation element. Information is recorded by reversing the magnetization of the magnetic recording medium,
The spin torque oscillation element is composed of a magnetic film having a magnetic anisotropy axis perpendicular to the film surface, a perpendicular free layer whose magnetization is rotatable, and a magnetic film having an effective magnetization surface on the film surface. An in-plane free layer in which magnetization is rotatable, a nonmagnetic spin conduction layer that transmits spin information, a first nonmagnetic spin scattering layer that scatters spin information, and a second nonmagnetic spin scattering layer, The nonmagnetic spin-conducting layer is disposed between the perpendicular free layer and the in-plane free layer, and the first nonmagnetic spin scattering layer is opposite to the side of the perpendicular free layer facing the in-plane free layer. The second non-magnetic spin scattering layer is disposed on a side of the in-plane free layer opposite to the side facing the vertical free layer, and a current flows from the in-plane free layer side to the vertical free layer side. A magnetic recording apparatus characterized by flowing a current.
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