JP5467708B2 - 距離の短い高性能ゴルフボール - Google Patents

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この発明は、ゴルフボールの関し、より具体的には、通常の高性能軌道の外観を維持しながら距離を減少させたゴルフボールに関する。
ソリッドゴルフボールは、典型的には、単一層、二重層(すなわちコアおよびカバー)、および多層(すなわち、1または複数層からなるソリッドコア、および/または、1または複数層からなるカバー)ゴルフボールを含む。ソリッドボールは、伝統的に、先行製品の糸巻ボールよりも遠くまで飛び、また、耐久性があると考えられてきた。二重ゴルフボールは、典型的には、単一のソリッドコアをカバーでカプセル化して製造される。これらボールは、耐久性があり、飛距離を最大化させるので、一般的に、アマチュアのゴルファーの間で最も人気がある。典型的には、ソリッドコアはジアクリレート亜鉛および/または類似の架橋剤により架橋されたポリブタジエンから製造される。カバー材料は、アイオノマー、例えば、DuPont社により商業的に販売されているSURLYN(商標)、またはExxon社により商業的に販売されているIOTEK(商標)として知られている1または複数の材料の丈夫で、切断耐性があるブレンドである。
多層ゴルフボールは複数のコア層、複数の中間層、および/または複数のカバー層を具備しても良い。これらは通常の二層ボールの好ましくない特徴のいくつか、例えば、固いフィーリング、制御困難性を、肯定的な属性、例えば、増大した初期速度および距離を維持したままで、克服する傾向がある。さらに、多層ボールは糸巻ボールに類似した「クリックおよびフィール」を備えている点も好ましい。
さらに、ゴルフボールのスピンレートが、競技者の技量レベルに応じてボールの全体的な制御に影響を与える。スピンレートが小さいと距離が改善されるが、短いショット、例えばグリーンへのアプローチショットにおいてボールを止めるのが難しくなる。スピンレートが大きいと、より上手なプレーヤはゴルフボールを最大限に制御できるが、ドライブ距離に悪影響を与える。ゴルフボールのスピンレートとプレイ特性とのバランスをとるために、付加的な層、例えば中間層、外側コア層、内側カバー層をソリッドコアゴルフボールに付加してボールのプレイ特性を改善する。
ボールの構造および組成を変更して、製造業者は、弾力性、耐久性、スピン、および「フィーリング」などのプレイ特性を広範囲に変化させて、種々のプレイ能力に応じて最適化させることができる。特に多くの製造業者が継続して改良しようとしているゴルフボールの一成分は、センターまたはコアである。クラブヘッドで打った場合コアはゴルフボールの「エンジン」となる。一般的に、ゴルフボールのコアおよび/またはセンターは、ポリブタジエンをベースとするポリマー組成物で構成される。このタイプの組成が長い間変更され、目的の所望の反発係数(「CoR」)を実現しつつ、同時に圧縮を小さくし、これによりゴルフボールのスピンレートを低下させ、また、良好な「フィーリング」を提供することができるように、このタイプの組成が長い間変更されてきた。
ゴルフボール表面のディンプルはゴルフボールの空力特性を調整するのに用いられ、そのため、主たるゴルフボール製造業者は、ディンプルパターン、形状、容積、断面を研究してゴルフボールの全体の飛行距離を改善している。空力的な効果をもたらす具体的なディンプル配列およびディンプル形状を決定するには、空力特性を直接に測定しなければならない。これら空力特性はゴルフボールがその飛行中に受ける力を定義する。
ゴルフボールに作用する空力的な力は、揚力および抗力からなる直交する成分に分解される。揚力は、飛行経路に直交して働く空力的な力として定義される。これは、ボールのバックスピンに起因する空気流の歪みにより生じる圧力差により由来する。図1に示すように、ボールBの淀み点において境界層が形成され、そののち、成長し、位置S1およびS2において分離する。バックスピンにより、ボールの頂部は空気流とともに移動し、境界層の分離を遅らせる。逆に、ボールの底部は空気流と逆に移動してボールの底部において境界層の分離を進ませる。したがって、ボールの頭部の境界層の分離位置S1が、ボールの底部の境界層の分離位置S2に較べかなり後方になる。このように分離点が非対称なため、流れのパターンがアーチ状になり、ボールの頂部上を流れる空気はボールの底部下を流れる空気より速く移動する。この結果、ボールの上の空気はボールの下の空気より低圧になる。
抗力は、ボールの飛行方向と平行に作用する、空力的な力の成分として定義される。ボールが空気中を移動するとき、ボールを包囲する空気の速度はそれぞれ異なり、このため、圧力も異なる。空気は、図1に示すように、ボール前面の淀み点で一番大きな圧力を加える。空気はこののちボールの側方を流れ、速度が大きくなり、圧力が小さくなる。空気は、位置S1およびS2においてボールの表面から離れ、低圧力の乱流領域、すなわち、伴流(「wake」)を残す。ボール前面の高圧力とボール後方の低圧力との差がボールの族度を減少させ、ゴルフボールの抗力の主たる源泉として働く。
ゴルフボールの組成およびディンプルの設計が改善されるにつれて、プロゴルファーが打撃するときに合衆国ゴルフ協会(USGA)により許容されている最大距離を上回ってしまう高性能ゴルフボールが出現するようになってきた。USGAにより許容されている最大距離は、標準ドライバで176フィート/秒で衝突したときに、317ヤード+−3ヤードである。スイング条件は、較正ボールを用いて10°、2520RPM、およびMPに較正される。USGAによれば、距離の増大に貢献する要因は少なくとも5つあり、これには、クラブヘッドの組成およびデザイン、エリートプレーヤの身体能力の向上、低スピンレートで、かつ、空力特性が改善されたボール、ゴルファーの個々のスイング特性にマッチしたボール、シャフトおよびクラブヘッド、および、ゴルフコースの管理の改良が含まれる。多くの要因が距離の増加に影響を与えるけれども、ゴルフ伝統主義者は、ゲームを保全するために、ゴルフボールの距離基準を後退させるように要求してきた。USGAは、最近、最大ボール距離を15または25ヤード減少させるプロトタイプのゴルフボールを設計・製造するために、研究プロジェクトを設立した(D.Seanor、Golfweek、pp.4,26、2005年4月23日、「USGAの製造業者へのレターがボール論争を新たなレベルにした」)。
特許文献は、ゴルフボールの飛行距離の減少について検討した多くの文献を含む。米国特許第5209485号(Nesbitt。特許文献1)に開示されるように、練習場用のボールが飛ぶ距離を減少させるために、ボールカバー上の非効率なディンプルパターンと、ボールコア用の低弾力性のポリマー組成物とを組み合わせることを開示している。低弾力性組成物は、慣用的に使用されるジエンゴム、例えば、高シス−ポリブタジエンと低弾力性ハロゲン化ブチルゴムとのブレンドを含むと開示されている。非高率なディンプルパターンは、赤道にディンプルがなく、ディンプル被覆率が50%未満の八面体パターンを含むと開示されている。「485」特許に開示されるように、得られた練習場用ボールの飛距離は比較例のボールに較べて約50ヤード短く、その反発係数は比較例のボールに較べて小さい。「485」特許は、距離減少の約40%は非効率なデザインに起因し、約60%は低弾力性のボール組成物に起因すると理論づけている。しかしながら、練習場用のボールは高性能ボールの所望のフィーリングや軌道を実現しない。さらに従来例は、高性能ゴルフボールの距離を微調整して、高性能な軌道の外観を維持しつつ、より短いUSGA最大距離を遵守する方法については示唆していない。
したがって、従来、現行性能のボールに較べて飛行が短く、高性能軌道の外観を維持し、しかも、ボールの他の所望の品質、例えば耐久性、スピン、および「フィーリング」に悪影響を与えないゴルフボールを実現する要請が依然として存在する。
米国特許第5209485号
この発明は、全体距離が減少し、それでいて高性能軌道の外観を維持する高性能ゴルフボールに向けられている。
ゴルフボールがゴルフクラブの衝撃により飛ぶ距離は、反発係数(CoR)、重量、およびボールの空力特性に依存し、これは、1または複数の要因、例えば、サイズ、ディンプル被覆率、デォンプルサイズおよびディンプル形状、その他により影響を受ける。この発明の実施例は、低CoRのコアと、空力性がより少ないディンプルパターンが結合されたカバー材料とを組み合わせて、通常のゴルフボールの外観、サウンド、フィーリングおよび軌道形状を維持しつつ、通常のゴルフボールに較べてキャリーおよび全体距離を15ヤードおよび25ヤード小さくするゴルフボールを実現する。この発明の種々の実施例では、距離が削減された高性能ゴルフボールは、増大した抗力係数、増大した揚力係数、減少した重量、増大したサイズ、減少した圧縮、および/または減少したCoRの組み合わせにより達成される。この発明の具体的な実施例では、目的のスピンレート、圧縮、ならびに揚力および抗力係数がある。さらに、この発明のゴルフボールの実施例では、高ボール速度、すなわち、高スイング速度において、低スイング速度に較べてより多くの距離削減をもたらす。
[反発係数]
CoRは、2つの衝突物体の衝突後の相対速度の、当該2つの衝突物体の衝突前の相対速度に対する比として定義される。ゴルフボールにおいては、CoRは、ゴルフボールを著しく大きなスチールブロックにぶつけることにより測定される。このブロックの総督前の速度はゼロであり、衝突後も実質的にゼロであるので、測定が簡略化される。この結果、CoRは、衝突後のゴルフボールの速度の、衝突前のゴルフボールの速度に対する比となり、0から1.0の間で変化する。1.0のCoR値は完全弾性衝突と等価であり、0.0のCoR値は完全非弾性衝突と等価である。CoRはボールの初速度に関係があり、これは250ft/s(これに5ft/sの許容誤差が加わる)、すなわち、USGAにより示される上限を越えない。したがって、ゴルフボールのCoRを最大化し、また制御して、ボールの初速度がUSGA限界を越えないようにする。ゴルフボールのCoRは多くの要因に影響を受け、これにはコアの組成物およびカバーの組成物が含まれる。
1実施例では、この発明に従って準備されたゴルフボールは、典型的には約0.790未満、好ましくは、約0.500から約0.790、より好ましくは、約0.550から約0.785、最も好ましくは、約0.600から約0.780の「低」CoRを有する。
[圧縮]
圧縮はゴルフボールデザインの重要な要素である。具体的には、コアの圧縮はドライバによるボールのスピンレートおよびボールのフィーリングに影響を与える。
ここでは、測定対象のゴルフボールセンタ、ゴルフボールコア、またはゴルフボールにバネ荷重力を印可して、ニュージャージー州のユニオンシティのAtti Engineering Company製の手動機器(「Attiゲージ」)を用いて、圧縮が測定される。この機器は、Federal Dial Gauge Model D81−Cを装備し、既知の荷重の下で較正されたバネを用いる。Atti圧縮テスタを用いて、Federalゲージ中のバネおよびボールの双方に全部で2インチの偏差が印加される。ボールのゲージ中のバネに対する偏差量がボールの圧縮の測定値を決定する。ゲージのバネの偏差が0.1でありボールの偏差が0.1であれば、ボールは「100圧縮」と測定される。ボールの偏差が0.11で、ゲージの偏差が0.09であれば、ボールは90圧縮である(バネのダイヤルゲージの測定値が少ない偏差であれば、ボールはより柔らかく、大きな偏差であればボールは硬くなる)。より分かりやすく説明すると、柔らかい材料は、硬く縮まりにくい材料より、小さなAttiゲージ(測度)を有する。この装置で測定された圧縮はまたPGA圧縮とも呼ばれる。Atti圧縮すなわちPGA圧縮とRiehle圧縮との間のおおよその関係はつぎのように表すことができる。
(Atti圧縮すなわちPGA圧縮)=(160−Riehle圧縮)
この発明に従って準備されたゴルフボールのPGA圧縮は、球面状で測定されたときに典型的には100未満であり、好ましくは約80から約99であり、より好ましくは約86kら約94である。
[空力特性]
飛行中のゴルフボールに作用する力は図2に示すように式1により計算される。
F=F+F+F (式1)
ここでF=ボールに作用する総合力
=揚力
=抗力
=重力
揚力(F)はスピンベクトルおよび速度ベクトルの外積により決定される方向に作用する。抗力(F)は速度ベクトルとまさに反対の方向に作用する。式1の揚力および抗力の大きさはそれぞれ式2および式3により計算される。
=0.5CρAV (式2)
=0.5CρAV (式3)
ここでρ=空気密度(slugs/ft
A=ボールの投影面積(ft)((π/4)D
D=ボールの直径(ft)
V=ボール速度(ft/s)
=無次元揚力係数
=無次元抗力係数
揚力および抗力係数は、飛行中のボールに加えられる力を定量化するのに用いられ、空気密度、空気粘度、ボール速度およびスピンレートに左右される。これらパラメータのすべての影響は2つの無次元パラメータすなわちスピンレシオ(SR)およびレイノルズ数(Nre)により把握される。スピンレシオは、ボールの回転表面速度をボール速度で割ったものである。レイノルズ数は、空気中を移動するボール表面に作用する粘力に対する慣性力の比を定量化する。SRおよびNreは下記の式4および式5により計算される。
SR=ω(D/2)/ (式4)
re=DVρ/μ (式5)
ここで、ω=ボール回転レート(ラジアン/s)(2π(RPS))
RPS=ボール回転レート(回転/s)
V=ボール速度(ft/s)
D=ボール直径(ft)
ρ=空気密度(slugs/ft
μ=空気の絶対粘度(lb/ft−s)
所定の範囲のスピンレートおよびレイノルズ数の範囲に対して揚力および抗力係数を決定するのに適した多くの方法があり、これらには、軌道スクリーン(ballistic screen)技術とともに室内テスト領域を用いることが含まれる。米国特許第5682230号明細書は一連の軌道スクリーンを用いて揚力および抗力係数を求めることを開示している。米国特許第6186002号明細書および同第6285445号明細書は室内テスト領域を用いて所定の範囲の速度およびスピンレートの範囲に対して揚力係数および抗力係数を決定する方法を開示している。ここでは、各ショットに関してCおよびCの値がスピンレートおよびレイノルズ数に関連付けられている。その詳細についてはこれら特許文献を参照されたい。ゴルフボールの空体力学試験に習熟した者は、室内テスト領域を使用してまたは代替的に風洞を用いて容易に揚力係数や抗力係数を決定することができる。
この発明に従って準備された距離短縮ゴルフボールは、比較的大きな抗力係数(C)を有する。1実施例において、Cは、150000のレイノルズ数、3000RPMのスピンレートで、0.26より大きく、120000のレイノルズ数、3000RPMのスピンレートで、0.29より大きい。さらに、この発明に従って準備された距離短縮ゴルフボールは、比較的大きな揚力係数(C)を有してよい。1実施例において、Cは、150000のレイノルズ数、3000RPMのスピンレートで、0.21より大きく、120000のレイノルズ数、3000RPMのスピンレートで、0.23より大きい。
1実施例において、この発明は、2つの無次元パラメータにより定義される通常の軌道の様子を維持しつつ飛行距離を減少させるゴルフボールに向けられている。このパラメータはボールの揚力、抗力、サイズおよび重量を説明する。係数は式6および7により定義される。
D/W=F/W (式6)
L/W=F/W (式7)
ゴルフボールのサイズ、重量、ディンプルパターン、およびディンプルプロフィールを選択して、レイノルズ数およびスピンレシオ(またはスピンレート)の特定の組み合わせにおいて特定のCD/WおよびCL/Wの基準が満たされるようにしたときに、飛行距離の減少が実現でき、他の残っている変数はCoRだけである。ボールの揚力および抗力はボールの表面積に直接に比例するので、ゴルフボールのサイズは揚力および抗力に影響する。ボールの重量は、CD/WおよびCL/Wの係数の分母をなす。ディンプルパターン、例えば、ディンプル被覆率および測地学上のパターンは空力効率を増大または減少させることができる。ディンプルプロフィール、例えば、エッジ角、入射角、および形状(円形、多角形)は、ボールが受ける揚力および/または抗力を増大または減少させることができる。この発明によれば、これら要素を選択または組み合わせて、高性能軌道を維持したままで距離を減少させるゴルフボールの所望のCD/Wおよび/またはCL/Wを実現できる。
表1Aにおいて、元となる米国特許第6729976号の表1の情報から導出した高性能軌道の長距離ゴルフボールのCD/WおよびCL/Wを示す。したがって、レイノルズ数およびスピンレシオの特定の組み合わせにおいて表1Aの範囲内のCD/WおよびCL/Wを持つように設計されたゴルフボールは、その特徴として、改善された、すなわち長い飛行距離とともに高性能軌道を実現するであろう。
Figure 0005467708
表1Bは、高性能軌道を維持したままで距離を減少させたゴルフボールのCD/WおよびCL/Wを示し、これは、表1Aの係数に距離減少ファクタを掛けて導出された。これにより表1Bの係数を持つようにしたボールが表1Aの係数と類似の外観の軌道を維持しながらその飛行距離が減少するようにできる。この発明に従うゴルフボールを実現する距離減少の適切な範囲は、1.2から1.8であり、より好ましくは1.4から1.6であり、最も好ましくは1.5である。したがって、表1Bの1または双方の係数はコアまたはボールのCoRと組み合わされ、USGA上限より12から25ヤード飛距離が短いボールを実現する。1例においては、ボールデザイナは、一旦、CD/WおよびCL/Wを設定し、その後CoRを変化させて距離目的を達成し、またはその逆である。表1Bは、この発明に従って、代表的なレイノルズ数およびスピンレシオにおけるCD/WおよびCL/Wの適切な範囲を列挙する。
Figure 0005467708
同様に、表1Cにおいて、元の米国特許出願第10/337275号に開示される、特定のレイノルズ数およびスピンレシオでの揚力および抗力の係数に対して計算されたCD/WおよびCL/Wに距離減少係数を適用して、この発明に従って、特定のレイノルズ数およびスピンレシオにおけるCD/WおよびCL/Wの適切な範囲を求めた。
Figure 0005467708
この発明によれば、ゴルフボールデザイナは、最初に、打ち出し後の総合距離の所望の減少に応じたCD/Wおよび/またはCL/Wの範囲を選択する。つぎに、ディンプルパターンを選択する。その後、ディンプル被覆率および/またはディンプルのエッジ角を変化させてボールの微調整を行う。代替的には、ディンプルエッジ角および/またはディンプルパターンを微調整するまえに、ディンプル被覆率(またはディンプルエッジ角)を選択しても良い。
[ディンプルパターン]
先に簡単に検討したように、ゴルフボールの抗力を調整し、また同様にその揚力に影響を与える1つの方法は、種々のディンプルパターンおよびプロフィールを用いる。ゴルフボール表面のディンプルはボールの回りに乱流の境界層を形成する。すなわち、ボールに近接した薄い層中の空が乱流の態様で流れる。乱流は境界層にエネルギを付与し、ボールのまわりにさらにまとわりつくのを助長し、伴流の領域を減少させる。これにより、ボールの背後の平均圧力が著しく増大してボールの前後の圧力差を減少させ、この結果、抗力を小さくする。したがって、ゴルフボールのディンプルのパターン、形状、量、および/または寸法を選択して、飛行中にボールが経験する抗力を変化させることができる。この発明の種々の実施例において、ゴルフボールのディンプルのパターン、形状、量、および/または寸法を選択して、ゴルフボールのボール軌道に悪影響を与えること無しにゴルフボールの抗力を「増加」させて全体の飛行距離を減少させることができる。
ここで用いられるように、用語「ディンプル」はゴルフボール表面の任意のテクスチャ、例えば凹みおよび出っ張りを含む。凹みおよび出っ張りの非制約的でないいくつかの例は、これに限定されないが、球形の凹み、メッシュ、隆起、およびブランブル(いちご)である。凹みおよび出っ張りは、円形、多角形、楕円形、または不規則形のような種々の形状をとることができる。複数レベルの形状のディンプル例えばディンプル内のディンプルも所望の空体特性を得るためにこの発明に含まれる。
1実施例において、テキスチャード加工の透明なコーティングをゴルフボールの外側表面に塗布してボールの表皮摩擦、例えば、表面の粗さにより生じる摩擦を増加させても良い。表皮摩擦が大きくなると抗力が大きくなり飛行距離が短くなる。
好ましい実施例では、CoRが小さく、エッジ角が大きなディンプルで小さな被覆率のディンプルパターンを具備するゴルフボールは、類似の慣用的なゴルフボールに較べて、飛行距離が15から30ヤード短いことが知られている。この実施例に従う低被覆率のディンプルパターンは、約55%から75%のディンプル被覆率、好ましくは約60%から70%のディンプル被覆率、より好ましくは約65%のディンプル被覆率である。この実施例に従う大きなエッジ角は、約16から24度のディンプルエッジ角、好ましくは約18から22度、より好ましくは約20度である。より具体的には、この発明の実施例に従う低被覆率のディンプルパターンは、440個のディンプルの立方八面体パターンを含み、これは、米国特許第4948143号(Aoyama)に開示され、参照してここに組み入れる。ここでは、ディンプルの被覆率は約70%であり、ディンプルエッジ角は約18°から約22°である。
表面被覆率の割合が大きなディンプルパターンは当業界では周知である。例えば、米国特許第5562552号、同第5575477号、同第5957787号、同第5249804号、および同第4925193号は、ディンプルをゴルフボール表面に配置する幾何学パターンを開示しており、参照してここに組み入れる。この発明に従って作用する、低被覆率、大エッジ角度のディンプルパターンは、上述の特許で開示されているディンプルパターンの任意の1つを用いてディンプル被覆率を約60%から約70%に減少させ、ディンプルエッジ角を約16°、18°、20°および/または22°に増大させることにより実現できる。一例において、ディンプル被覆率の減少は、ディンプルの径を同一または異なる量だけ短くすることにより実現できる。特定の理論に制約されるものではないが、この予想外の結果は、各ディンプルのエッジ角を大きくすることにより生成される過剰な量の乱流に起因するであろう。また、ボールのドラッグも同様に増加する。
図3および図3Aに示すように、この発明によれば、ゴルフボール10が二十面体パターンで配列された複数のディンプル15を有する。このディンプルパターンの被覆率は小さい。これらディンプルのエッジ角は好ましくは18°から22°の間である。一般的に、二十面体パターンは20個の三角形を含み、5つの三角形12が各極に一致する共通頂点を共有する。そして10個の三角形13が2組の5個の三角形の極領域の間で赤道領域に配置される。通常、この場合もそうであるが、10個の赤道の三角形13は、赤道14がいずれのディンプルとも交差しないように若干変形される。この結果、赤道は成型分離線として採用できる。図3Aは、これら修正された赤道の三角形13を示すボールの側面図である。未修正の形態では、一列のディンプルが赤道14上に直接に存在したであろう。この列が除去され、他のディンプルが移動またはサイズ変更されて空いた余白を埋める。これにより三角形の一側に曲折が形成された。他の適切なディンプルパターンには十二面体、8面体、6面体、4面体等が含まれる。ディンプルパターンはまた少なくとも部分的に、米国特許第6338684号明細書に記述されるように、葉列(phyllotaxis)ベースのパターンで定義されてもよい。
この実施例は7つの異なるサイズのディンプルを表Aに示すように有する。
Figure 0005467708
これらディンプルは20個の三角形12を形成し、最も小さなディンプルAが頂点を占め、最も大きなディンプルGが三角形の内部のほとんどを占める。図3に示すとおり、3つのディンプルFおよび2つのディンプルCは対称的に三角形の2つの辺を形成し、1個のディンプルF、2つのディンプルDおよび2つのディンプルCからなる対称的な配列が三角形の残りの辺を形成する。さらに、図3Aに示すとおり、ディンプルが10個の赤道の三角形13を形成し、これらが頂点のディンプルAを共有し、一方の側辺を極の三角形と共有する。2つのディンプルEおよび2つのディンプルBが対称的に残りの側辺を形成する。
図4に示されるこの発明の他の実施例はより少ない個数の大きなディンプルを有する。この実施例は6種類の大きさの異なるディンプルを有し、これを表Bに示す。
Figure 0005467708
図4に示すように、ゴルフボール20は、二十面体パターンに配列された複数のディンプル25を有する。ボール20は、10個の極の三角形22を有し、最も小さなディンプルAが三角形の頂点を占める。三角形22の各辺は、2つのディンプルDおよび2つのディンプルBからなる対称配列である。三角形22の内部は3つのディンプルDおよび3つのディンプルEを含む。図4Aに示すように、ディンプル配列はさらに10個の赤道の三角形23を有する。ただし、この実施例では、ディンプルのない赤道24を実現するためにディンプルサイズおよび位置をわずかだけ調整し、ディンプルを除去することはない。このため、赤道の三角形23も極の三角形22と極めて類似しており、それらの一側辺に「ジョグ」(曲折)はない。
さらに他の実施例では、低CoRのゴルフボールのディンプル被覆率を大きくしている。すなわち80%より大きくしている。ディンプル配列は図3に示すものと同じであるが、ディンプルを大きくし、これにより、ディンプルのエッジ角を大きくしたまま、すなわち16°から21°のままにする場合、ボールの抗力が大きくなる。
[ボール構造]
USGAにより認可された「ゴルフの規則」によれば、ゴルフボールは1.620オンス重量(45.93mg)を越える重量、1.680インチ(42.67mm)未満の径を有してはならない。したがって、45.93グラムの重量および/または42.67mmの径を有するボールはこの発明の射程内にある。しかしながら、USGA規則はボールの最低重量または最大径を規定していない。これらの規定は、他のUSGAのゴルフボール条件とともに、打撃されたゴルフボールが飛ぶ距離を限界付けるように意図されている。他のパラメータがすべて同じであれば、ゴルフボールの重量が大きくなると、その飛行距離は増大し、軌道は低くなる。なぜならば、ボールの慣性が大きくなり、より抗力に打ち勝つようになるからである。ボールの径が小さくなると飛行距離が大きくなる。なぜならば、ボールが小さくなると射影面積が小さくなり、それに伴い抗力が小さくなるからである。
この発明によれば、重量を小さくし、径を大きくしたゴルフボールを製造して、飛行中の高性能軌道を維持しながら、所定のスイング速度でボールの全体的な移動距離を減少させることができる。したがって、この発明に従って準備された「オーバーサイズ」のゴルフボールの径は好ましくは約1.688から約1.800インチであり、より好ましくは約1.690から約1.740インチであり、最も好ましくは約1.695から約1.725インチである。この発明に従って準備された「低重量」のゴルフボールの重量は好ましくは約1.39から約1.61オンスであり、より好ましくは約1.45から約1.58オンスである。
当業者に明らかなように、この発明の種々の実施例を適切なボール構造を用いて実装できる。例えば、ボールは、当該ボールに要求される性能のタイプに応じてワンピースデザイン、ツーピースデザイン、スリーピースデザイン、二重コア、二重カバー、または多層コア、および多層カバー構造であってよい。さらに、コアはソリッド、液体充填、空洞、および/または非球形であってよい。それは糸巻でも発泡でもよく、フィラーを含んでも良い。発泡コアは低CoRとして知られている。カバーは単一層カバーでも多層カバーでもよい。カバーは薄くても厚くても良い。カバーの高度を大きくしたり小さくしたりしてボールのスピンやフィーリングを調整しても良い。カバーは熱可塑性または熱硬化性材料または双方を含んで良い。1つの好ましい実施例では、ゴルフボールのカバーは比較的厚く、例えば約0.100インチまでであり、熱可塑性アイオノマーまたは他の低弾力性のポリマーから製造される。厚くて低弾力性のカバーを具備するボールは、類似の薄い低弾力性のカバーのものに較べてCoRが小さいであろう。
この発明とともに採用できる上述のボール構造、カバーおよびコアの組成物および寸法の非制約的な例は、米国特許第6419535号、同第6152834号、同第6149535号、同第5981654号、同第5981658号、同第5965669号、同第5919100号、同第5885172号、同第5813923号、同第5803831号、同第5783293号、同5713801号、同第5692974号、および同第5688191号、さらに、米国公開特許出願US2001/0009310A1、およびWIPO公報WO00/29129および同WO00/23519に開示されているものを含む。これらの内容は参照してここに組み入れる。コアおよびカバーの構造、材料および寸法はこの発明に従うゴルフボールの要求CoRを達成するのに寄与する。
この発明に従うゴルフボールのコアを製造するのに適したポリマーは、低弾力性エラストマー、例えばブチルゴムを含む。ブチルゴムはゴルフクラブから受ける衝突エネルギを分散させてボールの推進に利用される反発エネルギを減衰させることができる。ゴムの弾力性は、その弾性限界を越えない範囲で、変形後に元の形状に復帰するゴムの物理特性である。例えば、Bashore弾性計で測定したブチルゴムの弾力性は、18%から25%の範囲であり、これに較べてシス−ポリブタジエンゴムは適切な架橋材料を用いて架橋した場合に、85%〜90%の範囲である。
ブチルゴム(IIR)は、イソブチレンおよびイソプレンのエラストマーコポリマーである。ブチルゴムの詳細な検討は米国特許第3642728号および同第3099644号にあり、その内容は参照してここに組み入れる。ブチルゴムは、非晶質、非極性ポリマーで、酸化および熱安定性、良好永久可撓性、および高水蒸気・ガス耐性を有する。一般に、ブチルゴムは、約70重量%から99.5重量%の、約4から7個の炭素原始を含むイソオレフィン、例えば、イソブチレンと、約0.5重量%から30重量%の、約4から14個の炭素原子を含む共役マルチオレフィン、例えばイソプレンとのコポリマーである。得られたコポリマーは、約85重量%から約99.8重量%の結合イソオレフィンと0.2重量%から15重量%の結合マルチオレフィンとを含む。商業的に入手可能なブチルゴムはBayer AG社の製造に係るBayer Butyl 301を含む。
ブチルゴムはハロゲン化された形態でも入手できる。ハロゲン化ブチルゴムは、不活性のC3〜C5の炭化水素の溶媒、例えば、ペンタン、ヘキサン、またはヘプタンを含む溶液中のブチルゴムを、当該溶液にハロゲンガスを予め定められた時間接触させることにより、ハロゲン化して準備できる。これによりハロゲン化ブチルゴムおよびハロゲン化物が生成される。ハロゲン化ブチルゴムコポリマーは、1個の二重結合あたりたかだか1個までのハロゲン原子を含むことができる。ハロゲン化ブチルゴムすなわちハロブチルゴムは、反応性臭素をたかだか3%含むブロモブチルゴム、反応性塩素をたかだか3%含むクロロブチルゴムを含む。ハロゲン化ブチルゴムはExxonMobile Chemical社からも入手可能である。
ブチルゴムはスルホン化形態でも入手でき、例えば、「728」特許および米国特許第4229337号に開示されている。一般に、粘性平均分子量が約5000から85000の範囲で、モルパーセント不飽和が約3%から約4%のブチルゴムは三酸化硫黄(SO)ドナーを含むスルホン化剤で、酸素、窒素、または燐を含むリュイス(Lewis)塩基と組み合わせて、スルホン化できる。リュイス塩基は、SOドナーに対して、錯生成剤として働く。SOドナーは、利用可能なSOを含む化合物、例えば、塩化スルホン酸、フルオロスルホン酸、硫酸、および油剤(oleum)を含む。
他の適切なポリマーは、ブチルゴムに、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)の環境および老化耐性を組み合わせたエラストマーを含み、これはExxpro(商標)としてExxonMobile Chemical社から商業的に入手できる。より具体的には、エラストマーは、イソブタジエン(IB)およびp−メチルスチレン(PMS)から誘導した臭素化ポリマーである。臭素化がPMSメチル基に選択的に起こり、反応性ベンジル臭素官能基を提供する。他の適切な速度減少ポリマーはイソブチレンおよびイソプレンのコポリマーで、スチレンブロックコポリマー分岐剤を伴い製造加工性を改善したものである。
他の適切な低弾力性のポリマーは、ポリイソプレンである。ポリイソブチレンは、ホモポリマーであり、カチオン重合法により製造される。ExxonMobile Chemical社から商標Vistanexの下で商業的に入手可能なグレードのポリイソブチレンは、末端オレフィン結合のみを含む長鎖分子に合成された高度にパラフィン系の炭化水素ポリマーである。このようなエラストマーの利点は、低反発エネルギおよび化学または酸化アタックに対する化学不活性の組み合わせである。ポリイソブチレンは粘性液体または半固体として入手でき、所定の炭化水素溶媒に溶かすことができる。
ブチルゴムは多くの硬化剤、好ましくはペルオキシド硬化剤により硬化させることができる。他の適切な硬化剤は酸化アンチモン、酸化鉛、または過酸化鉛を含む。鉛ベースの硬化剤は、適切な安全注意がなされたときに使用できる。ブチルゴムは、粘性液体から固体まで種々のグレードで、種々の不飽和度および分子量のものとして商業的に入手できる。
1実施例では、この発明に従って準備されたゴルフボールのコアは、15−50部のブチルゴムを50−85部に対して含みポリブタジエン100部(phr)のゴムを形成し、さらに、架橋剤および他の添加剤を含み、約0.550および約0.650の間の低CoRを有するようになっている。ポリブタジエンは好ましくは約85%、好ましくは約95%を越える高シス1,4コンテンツを有する。ポリブタジエンの商業的な原料は、Shell Chemical社製造のShell 1220およびBayer AG社製造のCB−23を含む。他の実施例では、この発明に従って準備されたゴルフボールのコアは、25部のブチルゴムを75部のポリブタジエンに対して含み約0.650から約0.750のCoRを達成する。
表2〜5は、この発明に従い、ブチルゴムまたはハロゲン化ブチルゴムにポリブタジエン(Shell 1220)を混合した組成物から製造された比較的CoRが小さいコアの種々の実施例の特性を示す。ZDAは共反応剤として、ジ−タート−ブチルペルオキシド(DTBP)またはジクミルペルオキシドとともに使用される。Shell 1220ポリブタジエンからなるコアは比較例として使用される。
Figure 0005467708
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表2〜4に示されるコアは類似のゴム組成を具備している。表2および3のコアは異なる量の共反応剤ZDAを有し、その結果によれば、共反応剤が少ないとCoRが小さくなる傾向があることがわかる。表3および4は量は同じであるがタイプが異なる共反応剤ZDAを有する。その結果によれば、コアのCoRは実質的に同じであることがわかる。表5のコアは表4のコアに較べて低弾力性のブチルゴムの量が少ない。そお結果によれば、予期した通り、低弾力性のブチルゴムが少ないとCoRが高くなることがわかる。
表6は、この発明の他の実施例に従う低圧縮ゴルフボールA−Dの特性を示している。ゴルフボールA−Dは、一般的に、Pinnacle Practiceボール、Pinnacle Gold DistanceボールおよびProV1ボールに較べて圧縮が小さい。ゴルフボールA−DのCoR値も、Pinnacle Practiceボール、Pinnacle Gold DistanceボールおよびProV1ボールに較べて小さい。このような低圧縮、低CoRのボールを用いて、上述の低空力係数と組み合わせ、この発明に従うボールを形成できる。
Figure 0005467708
表7は、25%、50%および75%のスチレンブタジエンゴム(SBR)、すなわち、上述のブチルゴムと類似した低弾力性ゴムを含むコアを有する、この発明に従う低CoRのボールの特性を示す。他のゴム成分は高シスポリブタジエンであり、上述と同様である。ゴム成分は、20−32部のZDA共反応剤により架橋される。SBRゴルフボールは、比較例のボールすなわちツーピースディスタンスのゴルフボールのCoRより小さいCoR値を有する。
Figure 0005467708
さらに、表7に示すCoR減少コアを上述の D/W および L/W 変数と組み合わせてこの発明に従うゴルフボールを形成できる。



下記の表8A−8Cは、低重量および/または低CoRのコアおよびゴルフボール(2)〜(8)のコア組成物およびコア/ボール物理特性である。ゴルフボール(1)〜(8)は、コア寸法が約1.53インチ、コアおよびケーシングの寸法が約1.62インチ、完成品のボールの寸法(コア、ケーシング、カバー)が約1.68インチのスリーピースのボール構造をしている。ゴルフボール(1)〜(8)の各々は、アイオノマーブレンド、例えばSurlynからなるケーシングまたは内側カバーを含む。各ボールのカバーは、392個の二十面体ディンプルを具備する成型芳香族ウレタンである。ボール(1)〜(8)のケーシングおよびカバーは、高級多層ゴルフボールと類似のものである。
この実施例では、3つの異なる重量で種々の組成物のコア(表8A)を相互に比較する。表8Aを参照すると、「通常」の重量のコアは比重の大きなフィラーを含み最大の1.62オンスUSGA重量のボールを実現する。4.2s.g.および325メッシュサイズの硫酸バリウムのフィラー(Polywate 325として入手できる)が通常のコアに添加される。1.510オンスまでの重量のコアは高比重のフィラーを含まない。1.40オンスまでの重量のボールは中空微小球を内包してコアの重量を減少させている。選択されたコアでは、低弾力性のブチルゴムがゴム成分の一部を形成する。
Figure 0005467708
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表8Dは、この発明の種々の実施例に従う低重量および/または低CoRのゴルフボール(2)〜(8)の飛行減少をProV1(商標)ゴルフボールの飛行と同一の打ち出し条件の下で示している。図5〜7は、これら製造パラメータを変更して可能になる飛行軌道の範囲を実証するゴルフボール(2)〜(8)のそれぞれの飛行軌道を示す。図6は、観測される飛行パス(ゴルファーの視点から見た場合)が、飛行距離の減少を除き、高級多層ゴルフボールのそれと合致する軌道を示す。
Figure 0005467708
データによれば、ボールの重量を小さくし、他の要素を比較例のボール(1)およびボール(8)と同じにしたときに、総合距離が13.7ヤード減少する。ただし、コアのCoRおよびボールのCoRは実質的に類似である。ボール1および8の重量差は、約0.232オンスである。ボール1、2および3の間の比較によれば、さらに、ブチルゴムを付加するとCoRおよび総合距離が減少し、さらに、ブチルゴムの量が増加すると衝突後の統合距離が減少することがわかる。これを図5に示す。
ボール2、4および6の3つとボール3、5および7の3つを比較すると、低弾力性のブチルゴムの量を実質的に同一にし、ボールの重量を軽くすると、衝突後の総合距離がそれに応じて減少することがわかる。
表8A〜8Dに示される結果によれば、重量を減少させると衝突後の総合移動距離が減少することがわかる。低弾力性のゴム、例えば、ブチルゴムを高弾力性のゴム、例えば高シス1,4ポリブタジエンに含ませれば、さらに総合距離が減少する。
他の実施例では、この発明に従うゴルフボールは、通常のボールより低速であるが耐久性がある低弾力性のカバーを含む。したがって、カバーは中くらいの硬度の(または中間的な酸性)アイオノマーブレンド、例えば70%のSurlyn(商標)8528および30%のSurlyn(商標)9650またはSurlyn(商標)9910から製造できる。これらはE.I.DuPont社から入手できる。さらに他の実施例では、ボールのカバーは非アイオノマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPR、EPDM、ブチルおよびポリブタジエンから製造されてよい。
したがって、この発明によれば、低弾力性のゴムを採用してCoRを制御し、ボールの重量を小さくし、低弾力性のアイオノマーからなるカバーを厚くし、ボールのサイズを大きくし、ディンプル被覆率を小さくし、ディンプルエッジ角、CD/W、およびCL/Wを大きくし、および/またはこれらの一部またはすべての組み合わせることにより、衝突後の総合距離を減少させた高性能ボールを製造できる。
図6に示すように、衝突後の総合距離は減少するがボールの飛行の軌道は、比較例のボール1、すなわち、現在もっともよく売れている高級多層ボールと類似のままである。具体的には、すべてのボールの軌道は最初の70ヤードで同じである。図示のとおり、70ヤードにおける硬度の偏差は3ヤード未満、好ましくは2ヤード未満、最も好ましくは1ヤード未満である。120ヤードにおける硬度の偏差は5ヤード未満、好ましくは3ヤード未満、最も好ましくは1ヤード未満である。オプションの高性能ボールと類似の軌道を維持することにより、この発明のゴルフボールは、プロゴルファーおよびアマチュアゴルファーの視点から見た様子が最大距離の高性能ボールと同じになるという利点がある。
この発明を上述のとおり種々説明したが、ここに示されるこの発明の実施例の種々の特徴は単一でまたは組み合わせて採用してよい。例えば、ディンプル深さはすべてのボールで同一でよい。代替的には、ディンプル深さはゴルフボール内で異なってもよい。ディンプル深さを浅くしてボール飛行の軌道を立ち上げてもよいし、深くしてボールの軌道を低くしてもよい。
したがって、特許文献又は商用製品に開示されているゴルフボールの任意のディンプルパターンを適切に採用してこの発明に取り入れてよい。すなわち、ディンプル被覆率を55から75%に減少し、ディンプルのエッジ角を16〜24度に増大させる。そのようなディンプルパターンの特許は、これに限定されないが、本出願人の出願に係る米国特許第4948143号、同第5415410号、同第5957786号、同第6527653号、同第6682442号、同第6699143号、および同第6705959号を含む。
本出願人以外のディンプル特許もこの発明に使用するように適切に適合化できる。これら適切な特許文献の非制約的な例は、米国特許第4560168号、同第5588924号、同第6346054号、同第6527654号、同第6530850号、同第6595876号、同第6620060号、同第6709348号、同第6761647号、同第6814677号、および同第6843736号を含む。
作業例における他の事柄、または、とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえその値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。したがって、そうでないと示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に表される数のパラメータは近似的であり、これは、この発明により得られることが企図される所望の特性に応じて変化する。最低限でも、もちろん均等論の適用を制約するものではないが、各数のパラメータは記録されている有効数字の数や通常の丸め処理に照らして解釈されるべきである。
この発明の広範な範囲を示す数的範囲およびパラメータは近似的であるけれども、具体例において示された数値は可能な限り正確に記録した。任意の数値は、それでも、それぞれのテスト計測に見いだされる標準偏差に必然的に起因する誤差を含む。さらに、種々のスコープの数値範囲が示される場合には、例示された値を含めた値の任意の組み合わせが利用できると理解されたい。
飛行中のゴルフボールの空気流を説明する図である。 飛行中のゴルフボールに作用する力を説明する図である。 この発明の実施例の頂部、すなわち極の図である。 この発明の実施例の即部、すなわち赤道の図である。 この発明の他の実施例の頂部、すなわち極の図である。 この発明の他の実施例の即部、すなわち赤道の図である。 この発明のボールおよび比較例のボールの軌道プロットを示す図である。 この発明のボールおよび比較例のボールの軌道プロットを示す図である。 この発明のボールおよび比較例のボールの軌道プロットを示す図である。
符号の説明
10ゴルフボール
12三角形
14赤道
15ディンプル
20ゴルフボール
22三角形
23三角形
24赤道
25ディンプル

Claims (6)

  1. 少なくとも1つのピースまたは層を有するゴルフボールにおいて、
    上記ボールは、207000のレイノルズ数および0.095のスピンレシオ1.62〜3.04の揚力/重量および2.40〜4.07の抗力/重量比を有し、CoRは0.50から0.78の範囲であり、重量は39.69g(1.40オンス)から45.93g(1.62オンス)の範囲であり、ディンプルが上記ボールの外側表面の少なくとも55%を被覆することを特徴とするゴルフボール。
  2. 上記CoRは0.60から0.78の範囲であり、かつ、当該ゴルフボールがコアおよびカバーを有し、コアはポリブタジエン、ブチルゴム、共反応剤、および過酸化物を有する請求項1記載のゴルフボール。
  3. 上記CoRは0.64から0.76の範囲であり、かつ上記チルゴムはハロゲン化されている請求項2記載のゴルフボール。
  4. 上記重量は42.53g(1.50オンス)から45.08g(1.59オンス)の範囲である請求項1記載のゴルフボール。
  5. 上記ゴルフボールはコア、ケーシングまたは内側カバー層、およびカバーを有する請求項1記載のゴルフボール。
  6. 上記ケーシングまたは内側カバー層はアイオノマーを有し、上記カバーはポリウレタンを有する請求項記載のゴルフボール。
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